説明

改装前後の家屋表示媒体及びその作成方法

【課題】 屋根を改装する際に、改装後の雰囲気を明確に把握することができる改装前後の家屋表示媒体及びその作成方法を提供すること。
【解決手段】 本発明に係る改装前後の家屋表示媒体は、改装すべき家屋の全体を、その周辺風景と共に斜め上方から撮影して得られた第一のデジタル画像データと、前記第一のデジタル画像データにおける家屋の屋根部分を、別途に作成され予め記憶させた複数の屋根改装後の状態を示すデジタル屋根画像データから選択した一つの改装後のデジタル屋根画像データに置き換え組み合わせることにより改装後の屋根を持つ家屋の状態を描写した第二のデジタル画像データとを、上下又は左右に並列して配置した状態で表示することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家屋の改装、即ちリフォームの提案等に用いられる改装前後の家屋の状態を表示する表示媒体及びその作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、家屋の改装を行う前に、改装後の家屋の雰囲気を確認するために、改装後の家屋を画像で確認することが行われている。
改装後の家屋の画像には、通常、予め改装工事リフォーム会社が、全ての顧客に共通に使えるように用意したサンプル画像又は過去に実際に改装した改装後の他人の家屋の画像が用いられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、予めリフォーム会社が用意したサンプル画像は、モデルハウスやモデルルーム等を撮影した画像であるため、実際に改装を行う家屋とは、家屋の大きさや形状が異なるので改装後の家屋の雰囲気が把握し難いという問題がある。
過去に実際に改装した他人の家屋の画像についても同様の問題がある。
特に、屋根の改装の場合、家屋の大きさや形状に加えて、壁の色、窓の位置、ドアの位置、及び周辺の風景(例えば、敷地内の風景や近隣の家屋等)等が分からなければ改装後の家屋の雰囲気が把握し難いため、サンプル画像や他人の家屋の画像では全く雰囲気が掴めない。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて、屋根を改装する際に、改装後の雰囲気を明確に把握することができる改装前後の家屋表示媒体及びその作成方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記した目的を達成するために本発明に係る改装前後の家屋表示媒体は、改装すべき家屋の全体を、その周辺風景と共に斜め上方から撮影して得られた第一のデジタル画像データと、前記第一のデジタル画像データにおける家屋の屋根部分を、別途に作成され予め記憶させた複数の屋根改装後の状態を示すデジタル屋根画像データから選択した一つの改装後のデジタル屋根画像データに置き換え組み合わせることにより改装後の屋根を持つ家屋の状態を描写した第二のデジタル画像データとを、上下又は左右に並列して配置した状態で表示することを特徴とする。
また、本発明に係る家屋表示媒体作成方法は、改装すべき家屋の全体を、その周辺風景と共に斜め上方から撮影して得られた第一のデジタル画像データを記憶媒体に記憶させ、前記記憶媒体に記憶させた該第一のデジタル画像データを、デジタル画像加工装置で読み出し、デジタル画像加工装置において、読み出した該第一のデジタル画像データにおける家屋の屋根部分を、別途に作成され予め記憶させた複数の屋根改装後の状態を示すデジタル屋根画像データから選択した一つの改装後のデジタル屋根画像データに置き換え組み合わせることにより改装後の屋根を持つ家屋の状態を描写した第二のデジタル画像データを作成し、前記第一及び第二のデジタル画像データを、上下又は左右に並列して配置した第三のデジタル画像データを印刷装置で印刷することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る改装前後の家屋表示媒体は、改装すべき家屋の全体を、その周辺風景と共に斜め上方から撮影して得られた第一のデジタル画像データを用いて、家屋の屋根部分を別途に作成され予め記憶させた複数の屋根改装後の状態を示すデジタル屋根画像データから選択した一つの改装後のデジタル屋根画像データに置き換え組み合わせることにより改装後の屋根を持つ家屋の状態を描写した第二のデジタル画像データを作成し、前記第一及び第二のデジタル画像データを、上下又は左右に並列して配置した状態で表示するので、比較対照により、屋根の改装前後の家屋の状態を明瞭に認識することが可能になる。
また、本発明に係る改装前後の家屋表示媒体は、第一及び第二のデジタル画像データが、家屋の一部ではなく家屋全体とその周辺風景を含んでおり、かつ、斜め上方から撮影して得られたデジタル画像データに基づくものであるので、屋根の改装前後の家屋の状態を、家屋の大きさや形状、家屋の壁の色、家屋の窓の位置、家屋のドアの位置、敷地内の風景及び近隣の家屋等との関係とを踏まえて立体的に把握することができる。
さらに、本発明に係る改装前後の家屋表示媒体作成方法は、改装すべき家屋の全体を、その周辺風景と共に斜め上方から撮影して得られた第一のデジタル画像データを記憶媒体に記憶させ、前記記憶媒体に記憶させた該第一のデジタル画像データを、デジタル画像加工装置で読み出し、デジタル画像加工装置において、読み出した該第一のデジタル画像データにおける家屋の屋根部分を、別途に作成され予め記憶させた複数の屋根改装後の状態を示すデジタル屋根画像データから選択した一つの改装後のデジタル屋根画像データに置き換え組み合わせることにより改装後の屋根を持つ家屋の状態を描写した第二のデジタル画像データを作成し、前記第一及び第二のデジタル画像データを、上下又は左右に並列して配置した第三のデジタル画像データを印刷装置で印刷するので、上記した効果を有する家屋表示媒体を容易に作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、添付図面に示した一実施例を参照して、本発明に係る改装前後の家屋表示媒体及びその作成方法の実施の形態を説明していく。
図1は、本発明に係る改装前後の家屋表示媒体を作成する家屋表示媒体作成システムの概略ブロック図である。
図1に示すように、家屋表示媒体作成システムは、
改装すべき家屋の全体を、その周辺風景と共に斜め上方から撮影して得られた第一のデジタル画像データAを記憶する記憶媒体1と、
前記記憶媒体1から第一のデジタル画像データAを読出し、該第一のデジタル画像データAを加工して第二のデジタル画像データBを作成すると共に、前記第一及び第二のデジタル画像データA及びBを上下又は左右に並列に配置した第三のデジタル画像データCを作成するデジタル画像加工装置2と、
前記デジタル画像加工装置2で作成した第三のデジタル画像データCを、適当な用紙に印刷して改装前後の家屋表示媒体とする印刷装置3とを有する。
【0007】
前記記憶媒体1に記憶される第一のデジタル画像データAは、ヘリコプターや航空機等からデジタルカメラを用いて撮影され得る。また、第一のデジタル画像データAとして、予め他の目的で撮影された航空写真を用いることもできる。このように家屋を上空から撮影することによって、地上からの撮影と異なり、第一のデジタル画像データAに、周辺風景と家屋全体とを含めることができるので、改装すべき家屋を立体的に把握することが可能になる。
前記記憶媒体1としては、例えば、記憶手段又はCD−ROM、DVD−ROM又はUSBメモリ等の携帯型の記憶媒体を用いることができる。また、ハードディスク等の固定型の記憶媒体を用いることもできる。
【0008】
デジタル画像加工装置2は、
別途に作成した複数種類の屋根改装後の状態を示すデジタル屋根画像データを予め記憶した記憶部2aと、
前記記憶部2aに記憶されたデジタル屋根画像データの中から一つの改装後のデジタル屋根画像データを選択し、選択したデジタル屋根画像データを、前記第一のデジタル画像データAにおける家屋の屋根部分に置き換えて組み合わせて第二のデジタル画像データBを作成するための画像加工部2bと、
前記第一及び第二のデジタル画像データA及びBを上下又は左右に並列に配置した第三のデジタル画像データCを作成するレイアウト部2cと
を有する。
前記画像加工部2bにおける家屋の屋根部分の加工は、例えば、第一のデジタル画像データAにおける家屋の屋根の範囲を指定して範囲指定した領域に、選択したデジタル屋根画像データをパターン化して貼り付ける方法等、任意の画像加工方法で行われ得る。
尚、図示していないが、前記デジタル画像加工装置2は、モニター、キーボード及びマウス等の画像の加工時に必要な構成部材を備えている。
また、前記デジタル画像加工装置2は、必要に応じて、加工後の第二のデジタル画像データB及び/又は第三のデジタル画像加工データCを記憶部2a等の任意の記憶媒体に記憶させることができる。
尚、上記したデジタル画像加工装置2は、適当な画像処理ソフトウェアを備えたパーソナルコンピュータで構成され得る。
【0009】
印刷装置3は、前記デジタル画像加工装置2で作成した第三のデジタル画像データCを、適当な用紙に印刷する。印刷された用紙が、改装前後の家屋表示媒体である。
尚、印刷すべき用紙の大きさや種類に制限はなく、既存の任意の用紙を用いることができる。
印刷装置3は、パーソナルコンピュータに接続可能なプリンタで構成され得る。
【0010】
次に、図2を参照しながら、本発明に係る改装前後の家屋表示媒体作成方法の一実施例を説明していく。図2は、本発明に係る改装前後の家屋表示媒体作成方法の工程を示すフローチャートである。
図2に示すように、始めに改装すべき家屋を、その周辺風景と共に斜め上方から撮影した第一のデジタル画像データAを適当な記憶媒体1に記憶させる(ステップ1)。
次に、デジタル画像加工装置2を用いて記憶媒体1から第一のデジタル画像データAを読み出す(ステップ2)。
デジタル画像加工装置2において、第一のデジタル画像データの読出し後、任意のデジタル屋根画像データの選択を行い、選択したデジタル屋根画像データを、前記第一のデジタル画像データAにおける家屋の屋根部分に置き換えて組み合わせて第二のデジタル画像データBを作成する(ステップ3)。尚、このステップ3においては、必要に応じて、第一のデジタル画像データAの屋根以外の部分についても予め記憶部2aに記憶させた画像データを用いて加工を行うことができる。屋根以外の部分としては、例えば、敷地内の物置、駐車場又は塀等の構造物や敷地内の地面(芝生・土・コンクリート)等があり得る。
次いで、デジタル画像加工装置2において、前記第一のデジタル画像データAと、作成した第二のデジタル画像データBとを上下又は左右にレイアウトして第三のデジタル画像データCを作成する(ステップ4)。
最後に、デジタル画像加工装置2において、作成した第三のデジタル画像データCを印刷装置3を用いて適当な用紙に印刷して改装前後の家屋表示媒体は完成する(ステップ5)。
図3は、上記した方法を用いて実際に製造した改装前後の家屋表示媒体の一例を示す図である。
図3において、第一のデジタル画像データAと第二のデジタル画像データBとは上下にレイアウトされており、第二のデジタル画像データBでは、第一のデジタル画像データAにおける家屋の屋根部分10に加えて、敷地内の物置11及び地面12が加工されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る改装前後の家屋表示媒体を作成する家屋表示媒体作成システムの概略ブロック図である。
【図2】本発明に係る改装前後の家屋表示媒体作成方法の工程を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る改装前後の家屋表示媒体の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0012】
A 第一のデジタル画像データ
B 第二のデジタル画像データ
C 第三のデジタル画像データ
1 記憶媒体
2 デジタル画像加工装置
2a 記憶部
2b 画像加工部
2c レイアウト部
3 印刷装置
10 屋根部分
11 物置
12 地面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
改装すべき家屋の全体を、その周辺風景と共に斜め上方から撮影して得られた第一のデジタル画像データと、
前記第一のデジタル画像データにおける家屋の屋根部分を、別途に作成され予め記憶させた複数の屋根改装後の状態を示すデジタル屋根画像データから選択した一つの改装後のデジタル屋根画像データに置き換え組み合わせることにより改装後の屋根を持つ家屋の状態を描写した第二のデジタル画像データとを、
上下又は左右に並列して配置した状態で表示する
ことを特徴とする改装前後の家屋表示媒体。
【請求項2】
改装すべき家屋の全体を、その周辺風景と共に斜め上方から撮影して得られた第一のデジタル画像データを記憶媒体に記憶させ、
前記記憶媒体に記憶させた該第一のデジタル画像データを、デジタル画像加工装置で読み出し、
デジタル画像加工装置において、読み出した該第一のデジタル画像データにおける家屋の屋根部分を、別途に作成され予め記憶させた複数の屋根改装後の状態を示すデジタル屋根画像データから選択した一つの改装後のデジタル屋根画像データに置き換え組み合わせることにより改装後の屋根を持つ家屋の状態を描写した第二のデジタル画像データを作成し、
前記第一及び第二のデジタル画像データを、上下又は左右に並列して配置した第三のデジタル画像データを印刷装置で印刷する
ことを特徴とする改装前後の家屋表示媒体作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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