説明

改質粘土および粘土−高分子複合材料

【課題】改質粘土および粘土−高分子複合材料を提供すること。
【解決手段】改質粘土は、加熱された場合にフリーラジカルを生成することができる共役二重結合を有する改質剤を層間挿入した層状粘土材料からなる。また、粘土−高分子複合材料は、高分子材料と改質粘土とからなり、改質粘土は、高分子材料中に分散しており、かつ、その少なくとも一部が剥離している。ここで、改質剤は、加熱された場合にフリーラジカルを生成し、高分子材料の熱分解や燃焼により生成されるフリーラジカルを捕捉して、高分子材料のさらなる熱分解や燃焼を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改質粘土および粘土−高分子複合材料に関し、さらに詳しくは、改質粘土およびそれを用いて製造される難燃性の粘土−高分子複合材料に関する。
【背景技術】
【0002】
高分子材料は、例えば、電子装置、建設資材、自動車材料、日用品などの様々な用途に幅広く用いられている。電子回路パッケージの用途を一例として挙げると、電子回路パッケージは、複数の半導体集積回路を一体化して包装するのに用いられる。電子回路パッケージは、送電、信号伝送、放熱、保護、構造支持の機能を提供する。電子回路パッケージの用途では、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂がプリント回路基板材料として頻繁に用いられる。通常、プリント回路基板を形成するには、複合材料基板が用いられる。ガラス繊維などの強化繊維は、樹脂と複合化されて、複合材料基板を形成する。複合材料は、優れた機械的強度および寸法安定性を提供することができる。
【0003】
しかし、高分子材料に固有の材料特性により、高分子材料は、加熱されると、軟化や燃焼による損傷を受けやすい。従来技術では、このような問題を解決するために、臭素化樹脂などの多量の臭素を含む難燃剤を高分子材料に添加している。臭素化樹脂を添加することは難燃性に有用であるが、臭素化樹脂を含む高分子材料は、加熱されると、多量の煙を排出し、腐食性および毒性を有するハロゲン化水素やダイオキシンを発生させ、深刻な環境問題を生じる。そこで、ハロゲンフリーやリン酸塩フリーの方法により、難燃性の高分子材料を製造することが望まれている。
【0004】
特許文献1および2には、有機物親和性の粘土とハロゲン含有難燃剤とを含む共重合体が開示されている。これらの特許では、共重合体に粘土を添加して、コークス層の形成を増加させている。特許文献3には、共重合体に有機改質粘土を添加して、MVSS−302テストにおける自己消火性を向上させることが開示されている。
【0005】
粘土を用いて高分子材料の難燃性を向上させる他の特許としては、例えば、特許文献4〜29などが挙げられる。これらの特許では、高分子材料にハロゲン、リン酸塩または酸化アンチモンを含む難燃剤を添加することにより、難燃性を向上させている。添加された粘土はコークス層を生成するが、難燃性の向上は、主として、他の無機物や難燃剤を添加することにより達成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,708,975号明細書
【特許文献2】米国特許第4,826,899号明細書
【特許文献3】米国特許第6,414,070号明細書
【特許文献4】米国特許第6,011,087号明細書
【特許文献5】米国特許第5,779,775号明細書
【特許文献6】米国特許第6,025,421号明細書
【特許文献7】米国特許第6,180,695号明細書
【特許文献8】米国特許第4,582,866号明細書
【特許文献9】米国特許第6,610,770号明細書
【特許文献10】米国特許第5,104,735号明細書
【特許文献11】米国特許第4,107,376号明細書
【特許文献12】米国特許第6,207,085号明細書
【特許文献13】米国特許第4,273,879号明細書
【特許文献14】米国特許第5,886,072号明細書
【特許文献15】米国特許第4,981,521号明細書
【特許文献16】米国特許第5,686,514号明細書
【特許文献17】米国特許第5,473,007号明細書
【特許文献18】米国特許第4,472,538号明細書
【特許文献19】米国特許第3,953,565号明細書
【特許文献20】米国特許第4,070,315号明細書
【特許文献21】米国特許第5,863,974号明細書
【特許文献22】米国特許第5,773,502号明細書
【特許文献23】米国特許第5,204,395号明細書
【特許文献24】米国特許第5,294,654号明細書
【特許文献25】米国特許第5,153,251号明細書
【特許文献26】米国特許第4,639,486号明細書
【特許文献27】米国特許第4,386,027号明細書
【特許文献28】米国特許第4,373,047号明細書
【特許文献29】米国特許第4,280,949号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した状況の下、本発明が解決すべき課題は、改質粘土およびそれを用いて製造される難燃性の粘土−高分子複合材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、種々検討の結果、共役二重結合を有する改質剤を層間挿入した層状粘土材料からなる改質粘土が高分子材料中に分散しており、かつ、その少なくとも一部が剥離している粘土−高分子複合材料を製造すれば、改質剤が加熱された場合にフリーラジカルを生成し、高分子材料の熱分解や燃焼により生成されるフリーラジカルを捕捉して、高分子材料のさらなる熱分解や燃焼を防止することができることを見出して、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、改質剤を層間挿入した層状粘土材料からなる改質粘土であって、該改質剤が加熱された場合にフリーラジカルを生成することができる共役二重結合を有することを特徴とする改質粘土を提供する。
【0010】
また、本発明は、高分子材料と上記のような改質粘土とからなる粘土−高分子複合材料であって、該改質粘土が該高分子材料中に分散しており、かつ、その少なくとも一部が剥離しており、改質剤が、加熱された場合にフリーラジカルを生成し、該高分子材料の熱分解や燃焼により生成されるフリーラジカルを捕捉して、該高分子材料のさらなる熱分解や燃焼を防止することを特徴とする粘土−高分子複合材料を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の改質粘土は、粘土−高分子複合材料の難燃性を向上し、高分子材料の引火問題を防止する。共役二重結合を有する改質剤を層状粘土材料に層間挿入することにより、改質剤およびその共役二重結合は、少なくとも一部が剥離している改質粘土と共に、高分子材料中に分散している。分散した改質剤は、加熱された場合にフリーラジカルを生成し、高分子材料の熱分解や燃焼で生成されるフリーラジカルを捕捉して、高分子材料のさらなる熱分解や燃焼を防止し、粘土−高分子複合材料の難燃性を向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】実施例1の改質粘土および未改質粘土のXRDパターンを示す図である。
【図1B】実施例1の粘土−高分子複合材料のXRDパターンを示す図である。
【図2A】実施例2の改質粘土および未改質粘土のXRDパターンを示す図である。
【図2B】実施例2の粘土−高分子複合材料のXRDパターンを示す図である。
【図3A】実施例3の改質粘土および未改質粘土のXRDパターンを示す図である。
【図3B】実施例3の粘土−高分子複合材料のXRDパターンを示す図である。
【図3C】実施例3の粘土−高分子複合材料のTEM図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の改質粘土は、改質剤を層間挿入した層状粘土材料からなる改質粘土であって、該改質剤が加熱された場合にフリーラジカルを生成することができる共役二重結合を有することを特徴とする。本発明の改質粘土は、加熱された場合にフリーラジカルを生成することができる共役二重結合を有する改質剤を層状粘土材料に層間挿入することにより得られる。
【0014】
本発明の粘土−高分子複合材料は、高分子材料と上記のような改質粘土とからなる粘土−高分子材料であって、該改質粘土が該高分子材料中に分散しており、かつ、その少なくとも一部が剥離しており、改質剤が加熱された場合にフリーラジカルを生成し、該高分子材料の熱分解や燃焼により生成されるフリーラジカルを捕捉して、該高分子材料のさらなる熱分解や燃焼を防止することを特徴とする。本発明の粘土−高分子材料において、剥離している少なくとも一部の改質粘土の表面には、改質剤が結合している。共役二重結合を有する改質剤は、加熱された場合にフリーラジカルを生成し、粘土−高分子複合材料の熱分解や焼成により生成されるフリーラジカルを捕捉して、生成されたフリーラジカルにより生じる高分子材料のさらなる熱分解や燃焼を防止する。それゆえ、粘土−高分子複合材料の構造安定性および難燃性が向上する。
【0015】
代表的な高分子材料または高分子複合材料の場合、熱分解温度に近いか、あるいは、それ以上の温度では、高分子材料の化学結合切断や燃焼により、例えば、H・またはOH・などの様々なフリーラジカルが生成しやすい。生成したフリーラジカルは、高分子材料を攻撃して、さらなる熱分解や燃焼を誘発し、高分子材料の構造完全性を破壊して難燃性を低下させる。それゆえ、従来の高分子材料または高分子複合材料は、加熱された場合、軟化したり、破壊されたりしやすい。したがって、従来の高分子材料または高分子複合材料は、熱の遅延が不充分である。本発明は、改質粘土を高分子材料に導入して、粘土−高分子複合材料を形成することにより、この問題を解決する。
【0016】
本発明の適当な層状粘土材料は、天然粘土であるか、あるいは、スメクタイト粘土、バーミキュライト、ハロイサイト、絹雲母、雲母、層状復水酸化物(LDH)、リン酸ジルコニウム誘導体、または、それらの組合せなどの合成無機層状材料である。ある具体例では、層状粘土材料は、陽イオン交換型の無機層状材料などの陽イオン交換型である。この場合、層状粘土材料は、好ましくは、50〜300meq/100gの陽イオン交換能を有する。別の具体例では、層状粘土材料は、陰イオン交換型の無機層状材料などの陰イオン交換型である。この場合、層状粘土材料は、好ましくは、50〜1,000meq/100gの陰イオン交換能を有する。
【0017】
本発明の改質粘土に用いる改質剤は、加熱された場合にフリーラジカルを生成することができる共役二重結合を有する。共役二重結合は、例えば、炭素−炭素間の二重結合、炭素−窒素間の二重結合、窒素−窒素間の二重結合、炭素−酸素間の二重結合、または、それらの組合せである。適当な改質剤は、改質C60(修飾フラーレン)、改質カーボンナノカプセル、改質カーボンナノチューブ、改質グラファイト、または、それらの組合せである。C60、カーボンナノカプセル、カーボンナノチューブまたはグラファイトは、多くの炭素−炭素間の二重結合を有するので、これらの材料は、フリーラジカルを捕捉する優れた能力を有する。例えば、炭素−炭素間の二重結合は、適当な温度で開裂して、フリーラジカルを形成する。形成されたフリーラジカルは、高分子材料の熱分解や焼成により生じたフリーラジカルを捕捉して、生成されたフリーラジカルにより生じる高分子材料のさらなる熱分解や燃焼を防止または停止する。したがって、高分子材料の構造完全性が維持され、熱を遅延させて、難燃性を向上する。
【0018】
ある具体例では、改質剤は、好ましくは、高分子材料の熱分解温度に近い温度で、フリーラジカルを生成することができる。典型的には、高分子材料の熱分解温度は、250〜500℃である。それゆえ、ある具体例では、改質剤は、好ましくは、例えば、約340℃〜450℃など、300℃以上に加熱した場合にだけ、フリーラジカルを生成する。別の具体例では、改質剤は、好ましくは、例えば、340℃〜450℃に加熱した場合に、フリーラジカルの大部分を生成する。したがって、当業者は、高分子材料の熱分解温度に応じて、適当な改質剤を用いればよい。
【0019】
本発明の改質粘土は、ある具体例では、層状粘土材料と改質剤の陽イオンまたは陰イオンとの間でイオン交換することにより形成すればよい。改質剤は、イオン交換により層状粘土材料に結合される。結合または層間挿入される改質剤の量は、イオン交換能の20%〜120%、好ましくは、50%〜70%の範囲内である。
【0020】
さらに、改質剤が層状粘土材料に直接結合または層間挿入できない場合、まず、改質剤を改質する必要がある。C60を一例とする。C60は、まず、可溶性の状態に改質され、その後、イオン交換により層状粘土材料に層間挿入される。ある具体例では、ホルムアルデヒドおよびN−メチルグリシンを用いて、C60が改質される。かくして、改質されたC60は、陽イオン交換により層状粘土材料に結合または層間挿入される。別の具体例では、ホルムアルデヒドおよびN−メチルグリシンを用いることに加えて、さらに、塩化ベンザルコニウムを添加して、C60が改質される。カーボンナノカプセル、カーボンナノチューブおよびグラファイトは、同様の方法により改質されるが、これらの方法に限定されない。層状粘土材料の表面に結合または層間挿入することができる官能基を改質剤の表面に導入することができる限り、いかなる改質方法を用いてもよい。例えば、酸化還元反応、付加環化反応、ラジカル付加反応を適用して、改質剤の表面に、例えば、−OH、>C=O、−CHO、−COOH、−NHAr、−N(CHAr、アミノ基、=CCl、−OSOまたは−C(CHCNなどの官能基を形成すればよい。かくして、層状粘土材料に結合または層間挿入することができる改質剤が得られる。
【0021】
本発明の改質粘土に用いる改質剤は、炭素−炭素間の二重結合を有する化合物に限定されない。炭素−窒素間の二重結合、窒素−窒素間の二重結合、炭素−酸素間の二重結合などの他の共役二重結合を有する化合物、例えば、イミダゾール化合物、メラミン化合物、または、それらの組合せを用いてもよい。適当なイミダゾール化合物は、例えば、4,5−イミダゾールジカルボン酸、イミダゾール−2−カルボキシアルデヒド、4−(イミダゾール−1−イル)フェノールなどである。適当なメラミン化合物は、例えば、メラミンシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)−1,3,5−トリアジントリオン、メラミン、メラミン−ホルムアルデヒド、ブトキシメチルメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、メチルメラミン、メトキシメチルメラミン、メトキシメチルメチロールメラミンなどである。4,5−イミダゾールジカルボン酸などの一部の改質剤は、さらなる改質を行わなくても、層状粘土材料に直接層間挿入される。
【0022】
本発明の改質粘土に用いる適当な改質剤は、上記の化合物に限定されない。層状粘土材料に層間挿入され、適当な温度でフリーラジカルを生成して、高分子材料の熱分解や燃焼を防止または停止することができる限り、いかなる化合物を用いてもよく、このような化合物は、すべて本発明の範囲内である。
【0023】
改質剤を層間挿入した後、改質剤により空間が占有されるので、層状粘土材料の層間隔は、例えば、13Å以上に拡大する。拡大した層間隔を有する改質粘土は、高分子材料と混合され、粘土−高分子複合材料を形成する。注意すべきことは、拡大した層間隔を有する改質粘土は、高分子材料中に分散し、かつ、その少なくとも一部が剥離しやすいことである。
【0024】
ある具体例では、改質粘土は、粘土−高分子複合材料の全質量を基準にして、1〜10質量%、好ましくは3〜7質量%の範囲内の量で存在する。しかし、改質粘土の量は、使用目的に応じて、調整すればよく、特定の量に限定されるものではない。
【0025】
ある具体例では、粘土−高分子複合材料は、改質粘土と高分子材料の単量体とを混合することにより形成すればよい。高分子材料の単量体の重合は、例えば、加熱や触媒の添加により、改質粘土の層間で行われる。単量体の重合が行われる際に、改質粘土は、形成された高分子材料中で剥離して分散している。例えば、ある具体例では、改質粘土を溶剤に溶解させて、改質粘土の溶液を形成する。その後、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂の単量体を改質粘土の溶液中に添加して攪拌する。この溶液に溶剤除去工程および加熱処理を施す。例えば、溶液を190℃の加熱炉で90分間加熱する。かくして、エポキシ樹脂の単量体は、重合してエポキシ樹脂を形成し、改質粘土は、エポキシ樹脂中で剥離して分散している。
【0026】
さらに、本発明の粘土−高分子複合材料は、改質粘土および高分子材料を直接混合することにより形成してもよい。例えば、溶融混合または溶液混合を適用すればよい。典型的には、溶融混合を行って、例えば、単軸または二軸押出機、バンバリーミキサー、単軸または二軸押出機ミキサー、連続ミキサーまたは混練機を用いることにより、改質粘土および高分子材料を、高温の閉鎖系で混合すればよい。混合温度は、290〜310℃の範囲内である。溶液混合の場合は、改質粘土を高分子材料の溶液に添加して高速で攪拌する。溶剤を除去した後、粘土−高分子複合材料が得られる。例えば、エポキシ樹脂および改質粘土を直接ミキサーに添加して混合すればよい。改質粘土は、ミキサーにより加えられる強い機械力により、エポキシ樹脂中に分散しており、かつ、その少なくとも一部が剥離している。
【0027】
上記の方法により形成される粘土−高分子複合材料は、さらに、射出成形、押出成形または圧縮成形などにより、様々な形状や構成を有する様々な構造体に成形してもよい。粘土−高分子複合材料は、成形の前後に、他の高分子材料と混合してもよい。
【0028】
本発明の粘土−高分子複合材料に用いる適当な高分子材料またはそれらの対応する単量体は、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、または、それらの組合せであり、例えば、エポキシ樹脂、ナイロン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、対応する単量体、または、それらの組合せである。本発明の粘土−高分子複合材料は、高分子材料中に分散しており、かつ、少なくとも一部が剥離している改質粘土を含有する。改質粘土を構成する層状粘土材料は、熱や空気が高分子材料に送達されるのを防止するだけでなく、分散した層状粘土材料上の改質剤は、高分子材料の熱分解や燃焼により生成されるフリーラジカルを捕捉して、生成されたフリーラジカルにより高分子材料が攻撃されるのを防止する。それゆえ、高分子材料のさらなる熱分解や燃焼が防止または停止される。したがって、高分子材料の構造完全性が維持され、高分子材料への熱伝達を防止し、さらに、粘土−高分子複合材料の難燃性を向上することができる。ある具体例では、粘土−高分子複合材料の平均放熱率は、改質粘土を含まない高分子材料と比較すると、50〜150kw/mだけ低い。別の具体例では、粘土−高分子複合材料の限界酸素指数は、改質粘土を含まない高分子材料と比較すると、3〜10だけ高い。
【0029】
さらに、粘土−高分子複合材料には、使用目的に応じて、他の添加物、例えば、衝撃改質剤、硬化剤、難燃剤、相溶化剤、有機または無機充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、可塑剤、潤滑剤、酸化防止剤などを添加してもよい。
【実施例】
【0030】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記の実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0031】
≪実施例1≫
60による粘土(モンモリロナイト)の改質
まず、C60粉末を改質した。10gのC60を0.414gのホルムアルデヒドと2.416gのN−メチルグリシンとを含む溶液に添加した。次いで、この溶液を110℃で2時間還流し、乾燥させて、改質C60粉末を得た。この改質C60粉末を、さらに、16.7mLの0.1N HClと5.934gの塩化ベンザルコニウムとを含む溶液に添加し、攪拌して、改質剤を形成した。
【0032】
2.89gのモンモリロナイトを24時間かけて脱イオン水に添加して、粘土溶液を得た。この粘土溶液を上記の改質剤に滴下し、改質剤と層状粘土材料(モンモリロナイト)との間の陽イオン交換を行った。モンモリロナイトの陽イオン交換能は、約116meq/100gであった。次いで、1N HClを用いて、この混合物のpH値を3〜4に調整した。この混合物を一晩攪拌した。
【0033】
この混合物を遠心分離し、底部の粘土を取り出した。この粘土を脱イオン水で洗浄し、遠心分離する操作を繰り返した。この操作は、粘土にAgNOを添加した後、上層溶液にAgClの白色沈殿が出現しなくなるまで行った。遠心分離した粘土を冷蔵庫に保存した後、乾燥させた。乾燥後、底部の粘土を粉砕して、改質粘土を形成した。
【0034】
図1Aは、実施例1の改質粘土および未改質粘土のXRDパターンを示す。曲線1AMは、実施例1の改質粘土のXRDパターンに対応する。曲線1Aは、未改質粘土のXRDパターンに対応する。図1Aに示すように、(001)面に対応する回折ピークは、左側にシフトした。これは、改質C60がモンモリロナイトに層間挿入され、それにより、層状粘土(モンモリロナイト)の層間隔が拡大したことを意味する。つまり、層状粘土の層間は、改質C60に占有され、それにより、(001)面の間隔dが拡大した。改質粘土の層間隔は、本来の12.01Åから21.60Åに増大した。
【0035】
次いで、実施例1の改質粘土からなる粘土−高分子複合材料を形成した。まず、適当量の改質粘土をプロピレン・グリコールメチル・エーテル(PM)の溶剤に添加し、攪拌して溶解した。次いで、この溶液に適当量のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂を添加し、攪拌した。続いて、この混合物を型に入れて、真空オーブンで乾燥させた。乾燥したエポキシ樹脂を炉に入れ、190℃で約90〜180分間硬化させた。かくして、本発明のある具体例による粘土−高分子複合材料であるエポキシ樹脂の成形体を得た。
【0036】
図1Bは、実施例1の粘土−高分子複合材料のXRDパターンを示す。曲線aは、改質粘土を添加していないエポキシ樹脂のXRDパターンに対応する。曲線a1、a3およびa5は、改質粘土の添加量が各々1質量%、3質量%および5質量%である粘土−高分子複合材料のXRDパターンに対応する。図1Bに示すように、図1Aに示すようなモンモリロナイトの(001)面に対応するピークが存在しなかった。これは、改質粘土をエポキシ樹脂に添加し、さらに乾燥させ、硬化させた後、改質粘土は、その少なくとも一部が剥離していることを意味する。改質粘土は、その少なくとも一部が剥離しているので、面間隔や粒子寸法が小さすぎて、XRDパターンの充分な強度を示すことができなかった。
【0037】
≪実施例2≫
イミダゾールによる層状複水酸化物(LDH)の改質
まず、層状複水酸化物(本実施例では、[LiAl]LDH)を形成した。7.28gのLiNO・3HOと78.82gのAl(NO・9HOとの混合物を400mLの脱イオン水に溶解した後、50.4gのNaOHを添加した。この混合物を1時間攪拌し、この混合物のpH値を13に維持した。次いで、この混合物を100℃のオートクレーブに24時間入れた。この混合物を繰り返して遠心分離し、底部の粘土を洗浄し、乾燥させ、粉砕して、[LiAl]LDHの粉末を得た。得られた層状複水酸化物は、約420meq/100gの陰イオン交換能を有していた。
【0038】
4,5−イミダゾールジカルボン酸を200mLの脱イオン水に溶解して、改質剤を形成した。6.3gの[LiAl]LDHを脱イオン水に溶解し、24時間攪拌して、粘土溶液を得た。次いで、この粘土溶液を改質剤に滴下し、50℃で2日間維持して、[LiAl]LDHと4,5−イミダゾールジカルボン酸との間の陰イオン交換を行った。次いで、この混合物を数回遠心分離し、底部の粘土を洗浄し、乾燥させ、粉砕して、改質粘土を得た。
【0039】
図2Aは、実施例2の改質粘土および未改質粘土のXRDパターンを示す。曲線2AMは、実施例2の改質粘土のXRDパターンに対応する。曲線2Aは、未改質粘土([LiAl]LDH)のXRDパターンに対応する。図2Aに示すように、(002)面に対応する回折ピークは、左側にシフトした。これは、4,5−イミダゾールジカルボン酸が[LiAl]LDHに層間挿入され、それにより、層状粘土([LiAl]LDH)の層間隔が拡大したことを意味する。つまり、層状粘土の層間隔は、改質剤(4,5−イミダゾールジカルボン酸)に占有され、それにより、(002)面の間隔dが拡大した。改質粘土の層間隔は、本来の7.68Åから11.70Åに増大した。
【0040】
次いで、実施例2の改質粘土からなる粘土−高分子複合材料を形成した。まず、適当量の改質粘土をプロピレン・グリコールメチル・エーテル(PM)の溶剤に添加し、攪拌して溶解した。次いで、この溶液に適当量のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂を添加し、攪拌した。続いて、この混合物を型に入れて、真空オーブンで乾燥させた。乾燥したエポキシ樹脂を炉に入れ、190℃で約90〜180分間硬化させた。かくして、本発明のある具体例による粘土−高分子複合材料であるエポキシ樹脂の成形体を得た。
【0041】
図2Bは、実施例2の粘土−高分子複合材料のXRDパターンを示す。曲線bは、改質粘土を添加していないエポキシ樹脂のXRDパターンに対応する。曲線b1、b3およびb5は、改質粘土の添加量が各々1質量%、3質量%および5質量%である粘土−高分子複合材料のXRDパターンに対応する。図2Bに示すように、図2Aに示すような([LiAl]LDH)の(002)面に対応するピークが存在しなかった。これは、改質粘土をエポキシ樹脂に添加し、さらに乾燥させ、硬化された後、改質粘土は、その少なくとも一部が剥離していることを意味する。改質粘土は、その少なくとも一部が剥離しているので、面間隔や粒子寸法が小さすぎて、XRDパターンの充分な強度を示すことができなかった。
【0042】
≪実施例3≫
60による粘土(モンモリロナイト)の改質
実施例3は、実施例1と同様である。実施例3と実施例1との主な差異は、実施例3において、層状粘土材料を改質するために、塩化ベンザルコニウムを用いなかったことである。
【0043】
まず、C60粉末を改質した。10gのC60を0.414gのホルムアルデヒドと2.416gのN−メチルグリシンとを含む溶液に添加した。次いで、この溶液を110℃で2時間還流し、乾燥させて、改質C60粉末を得た。この改質C60粉末を、さらに、16.7mLの0.1N HCl溶液に添加し、攪拌して、改質剤を形成した。
【0044】
2.89gのモンモリロナイトを24時間かけて脱イオン水に添加して、粘土溶液を得た。この粘土溶液を上記の改質剤に滴下し、モンモリロナイトと改質C60との間の陽イオン交換を行った。モンモリロナイトの陽イオン交換能は、約116meq/100gであった。次いで、1N HClを用いて、この混合物のpH値を3〜4に調整した。この混合物を一晩攪拌した。
【0045】
この混合物を遠心分離し、底部の粘土を取り出した。この粘土を脱イオン水で洗浄し、遠心分離する操作を繰り返した。この操作は、粘土にAgNOを添加した後、上層溶液にAgClの白色沈殿が出現しなくなるまで行った。遠心分離した粘土を冷蔵庫に保存した後、乾燥させた。乾燥後、底部の粘土を粉砕して、改質粘土を形成した。
【0046】
図3Aは、実施例3の改質粘土および未改質粘土のXRDパターンを示す。曲線3AMは、実施例3の改質粘土のXRDパターンに対応する。曲線3Aは、未改質粘土のXRDパターンに対応する。図3Aに示すように、(001)面に対応する回折ピークは、左側にシフトした。これは、改質C60がモンモリロナイトに層間挿入され、それにより、層状粘土(モンモリロナイト)の層間隔が拡大したことを意味する。つまり、層状粘土の層間は、改質C60に占有され、(001)面の間隔dが拡大した。改質粘土の層間隔は、本来の12.01Åから20.05Åに増大した。
【0047】
次いで、実施例3の改質粘土からなる粘土−高分子複合材料を形成した。まず、適当量の改質粘土をプロピレン・グリコールメチル・エーテル(PM)の溶剤に添加し、攪拌して溶解した。次いで、この溶液に適当量のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂を添加し、攪拌した。続いて、この混合物を型に入れて、真空オーブンで乾燥させた。乾燥したエポキシ樹脂を炉に入れ、190℃で約90〜180分間硬化させた。かくして、本発明の具体例による粘土−高分子複合材料であるエポキシ樹脂の成形体を得た。
【0048】
図3Bは、実施例3の粘土−高分子複合材料のXRDパターンを示す。曲線cは、改質粘土を添加していないエポキシ樹脂のXRDパターンに対応する。曲線c1、c2およびc3は、改質粘土の添加量が各々1質量%、3質量%および5質量%である粘土−高分子複合材料のXRDパターンに対応する。図3Bに示すように、図3Aに示すようなモンモリロナイトの(001)面に対応するピークが存在しなかった。これは、改質粘土をエポキシ樹脂に添加し、さらに乾燥させ、硬化させた後、改質粘土は、その少なくとも一部が剥離していることを意味する。改質粘土は、その少なくとも一部が剥離しているので、面間隔や粒子寸法が小さすぎて、XRDパターンの充分な強度を示すことができなかった。図3Cは、実施例3の粘土−高分子複合材料のTEM図を示す。左図の拡大倍率は、右図の拡大倍率よりも高い。図3Cに示すように、改質粘土の一部が高分子材料(エポキシ樹脂)中で剥離して分散していることがわかる。図3Cの左図を見ると、改質C60が層状粘土の表面部に層間挿入されていることもわかる。
【0049】
≪実施例4≫
イミダゾールによる層状複水酸化物(LDH)の改質
実施例4は、実施例2と同様である。実施例4と実施例2との主な差異は、実施例4で用いた層状複水酸化物は、Mg−Al−LDHであって、[LiAl]LDHではないことである。
【0050】
まず、層状複水酸化物(本実施例では、Mg−Al−LDH)を500℃で5時間焼成した。次いで、4,5−イミダゾールジカルボン酸を200mLの脱イオン水に溶解して、改質剤を形成した。6.3gの加熱処理されたMg−Al−LDHを脱イオン水に溶解し、24時間攪拌して、粘土溶液を得た。次いで、この粘土溶液を改質剤に滴下し、50℃で2日間維持して、Mg−Al−LDHと4,5−イミダゾールジカルボン酸との間の陽イオン交換を行った。次いで、この混合物を数回遠心分離し、底部の粘土を洗浄し、乾燥させて、粉砕して、改質粘土を得た。
【0051】
次いで、実施例4の改質粘土からなる粘土−高分子複合材料を形成した。まず、適当量の改質粘土をプロピレン・グリコールメチル・エーテル(PM)の溶剤に添加し、攪拌して溶解した。次いで、この溶液に適当量のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂を添加し、攪拌した。続いて、この混合物を型に入れて、真空オーブンで乾燥させた。乾燥したエポキシ樹脂を炉に入れ、190℃で約90〜180分間硬化させた。かくして、本発明のある具体例による粘土−高分子複合材料であるエポキシ樹脂の成形体を得た。
【0052】
表1は、実施例1〜4の粘土−高分子複合材料の難燃性を示す。各実施例で添加した改質粘土は、3質量%であった。比較例は、いかなる改質粘土も添加していない純粋なエポキシ樹脂に対応する。
【0053】
【表1】

【0054】
限界酸素指数(LOI)は、材料の難燃性を調べるのに用いた。酸素指数可燃性試験機を用いて、粘土−高分子複合材料の難燃性を試験した。試験片(長さ3.8cm、幅2.4cm、厚さ0.2cm)の上部から点火し、酸素を含む気流を試験片の下部から供給した。酸素指数可燃性試験機中の酸素および窒素の分圧を調整することにより、試験片が燃焼し始めるのに必要な最小酸素分圧を測定することができ、それにより、限界酸素指数が求められる。限界酸素指数を算出する式は、以下の通りである。
LOI=[酸素の容積/(酸素の容積+窒素の容積)]×100
【0055】
したがって、限界酸素指数が高いほど、燃焼している試験片に、より多くの酸素分圧が必要であることを示す。さらに、コーン熱量計により試験される粘土−高分子複合材料の熱放射特性も表1に示す。熱放射特性試験では、試験片(長さ10cm、幅10cm、厚さ0.5cm)を、50kW/mの放射熱流量下で加熱した。
【0056】
表1に示すように、本発明の具体例(実施例1〜4)による粘土−高分子複合材料の限界酸素指数は、いずれも、比較例より高い。これらの粘土−高分子複合材料の限界酸素指数は、改質粘土を含まない高分子材料と比較すると、約6〜9だけ高い。さらに、各実施例の粘土−高分子複合材料の平均放熱率、全放熱量および平均質量損失率は、いずれも、比較例より小さい。粘土−高分子複合材料の平均放熱率は、改質粘土を含まない高分子材料と比較すると、約60〜110kW/mだけ低い。
【0057】
実施例1〜4では、熱硬化性樹脂に改質粘土を導入しているが、本発明の具体例は、熱硬化性樹脂に限定されるものではない。別の具体例では、熱可塑性樹脂に改質粘土を導入して、その難燃性を向上する。表2は、改質粘土とナイロンとにより形成された粘土−高分子複合材料の難燃性を示す。ここで、添加された改質粘土は、2phrであった。
【0058】
表2に示すように、本発明の具体例による改質粘土を熱可塑性樹脂に導入したところ、平均放熱率および全放熱量は、やはり低下した。
【0059】
【表2】

【0060】
以上のように、本発明の改質粘土は、改質剤を層状粘土材料に層間挿入することにより形成される。本発明の改質粘土は、粘土−高分子複合材料の難燃性を向上し、高分子材料の引火問題を防止する。共役二重結合を有する改質剤を層状粘土材料に層間挿入することにより、改質剤およびその共役二重結合は、少なくとも一部が剥離している改質粘土と共に、高分子材料中に分散している。分散した改質剤は、加熱された場合にフリーラジカルを生成し、高分子材料の熱分解や焼成により生成されるフリーラジカルを捕捉して、高分子材料のさらなる熱分解や燃焼を防止し、粘土−高分子複合材料の難燃性を向上することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
改質剤を層間挿入した層状粘土材料からなる改質粘土であって、該改質剤が加熱された場合にフリーラジカルを生成することができる共役二重結合を有することを特徴とする改質粘土。
【請求項2】
前記改質剤が炭素−炭素間の二重結合、炭素−窒素間の二重結合、窒素−窒素間の二重結合、炭素−酸素間の二重結合、または、それらの組合せを有する請求項1記載の改質粘土。
【請求項3】
前記層状粘土材料が天然粘土または合成無機層状材料である請求項1または2記載の改質粘土。
【請求項4】
前記改質剤が300℃以上に加熱された場合にフリーラジカルを生成する請求項1〜3のいずれか1項に記載の改質粘土。
【請求項5】
前記改質剤が340〜450℃に加熱された場合にフリーラジカルの大部分を生成する請求項1〜4のいずれか1項に記載の改質粘土。
【請求項6】
前記層状粘土材料が陽イオン交換型の無機層状材料または陰イオン交換型の無機層状材料である請求項1〜5のいずれか1項に記載の改質粘土。
【請求項7】
前記層状粘土材料がスメクタイト粘土、バーミキュライト、ハロイサイト、絹雲母、雲母、層状復水酸化物(LDH)、リン酸ジルコニウム誘導体、または、それらの組合せである請求項1〜6のいずれか1項に記載の改質粘土。
【請求項8】
前記改質剤の層間隔が13Å以上である請求項1〜7のいずれか1項に記載の改質粘土。
【請求項9】
前記改質剤が改質C60、改質カーボンナノカプセル、改質カーボンナノチューブ、改質グラファイト、または、それらの組合せである請求項1〜8のいずれか1項に記載の改質粘土。
【請求項10】
前記改質剤がホルムアルデヒドおよびN−メチルグリシンにより改質されている請求項9記載の改質粘土。
【請求項11】
前記改質剤がホルムアルデヒド、N−メチルグリシンおよび塩化ベンザルコニウムにより改質されている請求項9記載の改質粘土。
【請求項12】
前記改質剤がイミダゾール化合物、メラミン化合物、または、それらの組合せである請求項1〜8のいずれか1項に記載の改質粘土。
【請求項13】
前記層状粘土材料が50〜300meq/100gの陽イオン交換能を有する請求項1〜12のいずれか1項に記載の改質粘土。
【請求項14】
前記層状粘土材料が50〜1,000meq/100gの陰イオン交換能を有する請求項1〜12のいずれか1項に記載の改質粘土。
【請求項15】
高分子材料と請求項1記載の改質粘土とからなる粘土−高分子複合材料であって、該改質粘土が該高分子材料中に分散しており、かつ、その少なくとも一部が剥離しており、改質剤が加熱された場合にフリーラジカルを生成し、該高分子材料の熱分解や燃焼により生成されるフリーラジカルを捕捉して、該高分子材料のさらなる熱分解や燃焼を防止することを特徴とする粘土−高分子複合材料。
【請求項16】
前記高分子材料の熱分解温度が250〜500℃である請求項15記載の粘土−高分子複合材料。
【請求項17】
前記改質剤が300℃以上加熱された場合にフリーラジカルを生成する請求項15または16記載の粘土−高分子複合材料。
【請求項18】
前記改質剤が340〜450℃で加熱された場合にフリーラジカルを生成する請求項15〜17のいずれか1項に記載の粘土−高分子複合材料。
【請求項19】
前記高分子材料が熱硬化性高分子、熱可塑性高分子、または、それらの組合せである請求項15〜18のいずれか1項に記載の粘土−高分子複合材料。
【請求項20】
前記高分子材料がエポキシ樹脂、ナイロン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、または、それらの組合せである請求項15〜19のいずれか1項に記載の粘土−高分子複合材料。
【請求項21】
前記粘土−高分子複合材料の平均放熱率が、改質粘土を含まない高分子材料と比較すると、50〜150kw/mだけ低い請求項15〜20のいずれか1項に記載の粘土−高分子複合材料。
【請求項22】
前記粘土−高分子複合材料の限界酸素指数が、改質粘土を含まない高分子材料と比較すると、3〜10だけ高い請求項15〜21のいずれか1項に記載の粘土−高分子複合材料。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【公開番号】特開2010−6695(P2010−6695A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150217(P2009−150217)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(506255902)私立中原大學 (14)
【出願人】(509179043)中國製釉股▲分▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】