説明

放射性カンナビノイド−1受容体修飾因子

本発明は、特定の放射性標識カンナビノイド−1(CB1)受容体修飾因子、ならびに哺乳類、特にヒトにおけるカンナビノイド−1受容体の標識および画像診断のためのこれらの修飾因子を使用する方法に関する。さらに、放射性標識カンナビノイド−1受容体修飾因子の合成に有用な中間体および放射性標識カンナビノイド−1受容体修飾因子を合成する方法も開示する。さらに、放射性標識カンナビノイド−1受容体化合物の製剤を記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
出願されていない。
【背景技術】
【0002】
非侵襲性核画像法は、実験動物、正常人および患者を含む様々な生存対象の生理学および生化学に関する基礎および診断情報を得るために用いることができる。これらの技術は、そのような生存対象に投与したラジオトレーサーから放射される放射線を検出することができる高度な撮像機器の使用に依拠している。得られた情報は、時間の関数としてのラジオトレーサーの分布を明らかにする平面および断層画像が得られるように再構成することができる。適切に設計されたラジオトレーサーを用いることにより、対象の構造、機能ならびに最も重要なことに、生理学および生化学に関する情報を含む画像を得ることができる。この情報の多くは、他の手段によっては得ることはできない。これらの試験に用いるラジオトレーサーは、対象の生理学または生化学に関する特定の情報あるいは様々な疾患または薬剤が対象の生理学または生化学に対して有する影響を測定することを可能にするin vivoでの定められた挙動を有するように設計されている。現在、心機能、心筋血流、肺潅流、肝機能、脳血流、限局性脳グルコースおよび酸素代謝などに関する有用な情報を得るためのラジオトレーサーが入手可能である。
【0003】
化合物は、ポジトロンまたはガンマ線放出放射性核種で標識することができる。撮像のために、最も一般的に用いられているポジトロン放出(PET)放射性核種は、11C、18F、15Oおよび13Nであり、これらのすべてが加速器により生成され、それぞれ20、110、2および10分の半減期を有する。これらの放射性核種の半減期は非常に短いので、それらを現場またはそれらの生成に非常に近い場所に加速器を有する施設でそれらを使用することだけが実行可能であり、したがって、このことがそれらの使用上の制約となっている。米国における本質的にあらゆる病院および世界の大部分の病院で用いることができるいくつかのガンマ線放出ラジオトレーサーが入手可能である。これらのうち最も広く使用されているものは、99mTc、201Tlおよび123Iである。
【0004】
この二十年において、核医学研究の最も活発な領域の1つは、受容体画像化用ラジオトレーサーの開発であった。これらのトレーサーは、選択的受容体および神経受容体に高い親和力および特異性で結合する。成功が得られている例としては、次の受容体系の画像化用のラジオトレーサーが挙げられる。すなわち、エストロゲン、ムスカリン様、ドーパミンD1およびD2、オピエイト、神経パプチド−Yならびに神経キニン−1。
【0005】
カンナビノイド受容体に対する天然リガンドは、内因性カンナビノイド(エンドカンナビノイド)と呼ばれており、アラキドノイルエタノールアミド(アナンダミド)、2−アミノエチルアラキドナート(ビロドハミン)、2−アラキドノイルグリセロールおよび2−アラキドノイルグリセリルエーテル(ノラジンエーテル)などである。それぞれが、鎮静、低体温、腸不動症、抗痛覚、痛覚脱失、カタレプシー、抗嘔吐および食欲刺激を含む、Δ−テトラヒドロカンナビノールと同様な活性を有する作動薬である。カンナビノイドに対する2つの知られているCB1およびCB2と呼ばれている受容体サブタイプが存在する。CB1受容体サブタイプは、哺乳類神経系(特に脳)およびある種の末梢組織(下垂体、免疫細胞、生殖組織、胃腸組織、上頚神経節、心臓、肺、膀胱および副腎を含む)を通して広く分布している。CB2受容体サブタイプは、主として免疫細胞(特に、B細胞およびナチュラルキラー細胞)に存在する。両カンナビノイド受容体サブタイプの一般的な役割は、アセチルコリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニン、γ−アミノ酪酸、グルタミン酸塩およびアスパラギン酸塩を含む化学メッセンジャーの神経細胞による放出の変調である。カンナビノイドの受容体は、Gタンパク質結合受容体のスーパーファミリーのメンバーである。このスーパーファミリーは、リガンドの活性化および生物学的機能に関して受容体の極めて多様な群である。
【0006】
Gifford ANらによる総説(脳カンナビノイド受容体のin vivo画像化(In Vivo Imaging of the Brain Cannabinoid Receptor)、Chemistry and Physics of Lipids、2002、121 (1-2)、65〜72頁)に示されているように、「げっ歯類試験でCB1受容体のin vivo画像化は実行可能であることが示されたが、現時点ではこの受容体はヒトPET試験において画像化に成功しなければならない。」(同上、p.65)。脳CB1受容体を画像化すためのCB1受容体ラジオリガンドは、調製されたが、ヒトではシグナル対ノイズ比が不良であり、脳取り込みが低く、かつ/またはクリアランスが速やかであることから制限された。他の試みは以下に詳述されている。すなわち、Lan Rら、ヨウ素123標識AM251の調製:脳カンナビノイドCB1受容体の潜在的SPECTラジオリガンド(Preparation of Iodine-123 Labeled AM251: A Potential SPECT Radioligand for the Brain Cannabinoid CB1 Receptor)、J Labelled Cmpd Radiopharm、1996、38 (10)、875〜881頁(SR131716A(リモマバント)の類似体であるN−(ピペリジン−1−イル)−5−(4−ヨードフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドの[123I]標識)、Gatley SJら、脳マリファナ受容体の画像化:in vivoでカンナビノイドCB1受容体に結合するラジオリガンドの開発(Imaging the Brain Marijuana Receptor: Development of a Radioligand that Binds to Cannabinoid CB1 Receptors In Vivo)、J Neurochemistry、1998、70(1)、417〜423頁(マウスおよびヒヒにおける[123I]AM281試験)、Mathews WBら、[18F]SR144385の合成:脳カンナビノイド受容体のポジトロン放射断層撮影試験用選択的ラジオリガンド(Synthesis of [18F]SR144385: A Selective Radioligand for Positron Emission Tomographic Studies of Brain Cannabinoid Receptors)、J Labelled Cmpd Radiopharm、1999、42、589〜596頁、Mathews WBら、[18F]SR144385および[18F]SR147963の生体分布:脳カンナビノイド受容体のポジトロン放射断層撮影試験用選択的ラジオリガンド(Biodistribution of [18F]SR144385 and [18F]SR147963: Selective Radioligands for Positron Emission Tomographic Studies of Brain Cannabinoid Receptors)、Nuc Med Biol、2000、27、757〜762頁(2つのピラゾールPETリガンドの合成およびマウスにおけるこれらのリガンドを用いたPET実験の結果)、Mathews WBら、脳カンナビノイド受容体の画像化用炭素11標識ラジオリガンド(Carbon-11 Labelled Radioligands for Imaging Brain Cannabinoid Receptors)、Nuc Med Biol、2000、29、671〜677頁(リモンババントの2つの4−メトキシ類似体[11C]SR149080および[11C]SR149568の合成ならびにマウスにおけるin vivo評価)、Katoch−Rouse R、Horti AG、求核[18F]フッ素化によるN−(ピペリジン−1−イル)−5−(4−メトキシフェニル)−1−(2−クロロフェニル)−4−[18F]フルオロ−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドの合成:CB1カンナビノイド受容体の試験用のPETラジオトレーサー(Synthesis of N-(piperidin-1-yl)-5-(4-methoxyphenyl)-
1-(2-chlorophenyl)-4-[18F]fluoro-1H-pyrazole-3-carboxamide by nucleophilic [18F]fluorination: a PET Radiotracer for Studying CB1 Cannabinoid Receptors)、J Labelled Compd Radiopharm、2003、46、93〜98頁(合成)、Katoch−Rouse Rら、SR141716類似体の合成、構造−活性関係および評価:より低い親油性を有する中枢カンナビノイド受容体リガンドの開発(Synthesis, Structure-Activity Relationship and Evaluation of SR141716 Analogues: Development of Central Cannabinoid Receptor Ligands with Lower Lipophilicity)、J. Med. Chem.、2003、46、642〜645、Willis PGら、CB1カンナビノイド受容体リガンドであるAM694の位置選択性F−18放射性標識(Regioselective F-18 Radiolabeling of AM694, A CB1 Cannabinoid Receptor Ligand)、J Labelled Cmpd Radiopharm、2003、46、799〜804頁([1−(5−[18F]フルオロペンチル)−1H−インドル−3−イル]−(2−ヨードフェニル)メタノンの合成)、Kumarら、[O−メチル−11C]1−2−クロロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸ピペリジン−1−イルアミド:CB1受容体の潜在的PETリガンドの合成(Synthesis of [O-methyl-11C]1-2-chlorophenyl)-5-(4-methoxyphenyl)-4-methyl-1H-
pyrazole-3-carboxylic acid piperidin-1-ylamide: a potential PET ligand for CB1 receptors)、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、2004、14、2393〜2396頁、およびBerdingら、デルタ9−テトラヒドロカンナビ療法の前後の中枢カンナビノイドCB1受容体の[123I]AM281単一フォトン放射コンピュータ断層撮影およびツレット病患者における照射線量の評価のための全身スキャン([123I]AM281 Single-Photon Emission Computed Tomography Imagining of Central Cannabinoid CB1 Receptors Before and After delta9-Tetrahydrocannabinal Therapy and Whole-Body Scanning for assessment of Radiation Dose in Tourette Patients)、Biol Psychiatry、2004、55、904〜915頁。
【0007】
Δ−THCへの過剰曝露は、過食、精神病、低体温、記憶喪失および鎮静につながることがある。以下のカンナビノイド受容体の特異的な合成リガンドが開発され、カンナビノイド受容体の特性評価の助けとなった。すなわち、CP55940(J.Pharmacol.Exp.Ther.1988、247、1046〜1051頁)、WIN55212−2(J.Pharmacol.Exp.Ther.1993、264、1352〜1363頁)、SR141716A(FEBS Lett.1994、350、240〜244頁、Life Sci.1995、56、1941〜1947頁)およびSR144528(J.Pharmacol.Exp.Ther.1999、288、582〜589頁)。カンナビノイド受容体リガンドの薬理および治療能力の総説がなされた(Exp.Opin.Ther.Patents 1998、8、301〜313頁、Ann.Rep.Med.Chem.、A.Doherty編、Academic Press、NY 1999、第34巻、199〜208頁、Exp.Opin.Ther.Patents 2000、10、1529〜1538頁、Trends in Pharma.Sci.2000、21、218〜224頁)。
【0008】
カンナビノイド受容体変調化合物は、米国特許第4973587号、第5013837号、第5081122号および第5112820号、第5292736号、第5532237号、第5624941号、第6028084号および第6509367号、第6355631号、第6479479号ならびにPCT公開WO96/33159、WO97/29079、WO98/31227、WO98/33765、WO98/37061、WO98/41519、WO98/43635およびWO98/43636、WO99/02499、WO00/10967およびWO00/10968、WO01/09120、WO01/70700、WO01/96330、WO01/58869、WO01/64632、WO01/64633、WO01/64634、WO02/076949、WO03/066007、WO03/007887、WO03/02017、WO03/026647、WO03/026648、WO03/027069、WO03/027076、WO03/027114、WO03/037332およびWO03/040107ならびにEP−658546に開示されている。
【0009】
Schultz E.M.ら、J.Med Chem.、1967、10、717頁およびPines S.H.ら、J.Med Chem.、1967、10、725頁は、血漿コレステロールおよびペニシリン排泄に影響を及ぼすマレアミド酸を開示している。
【0010】
PET(ポジトロン放射断層撮影)ラジオトレーサーおよび撮像技術は、カンナビノイド−1受容体作動薬、逆作動薬および拮抗薬の臨床的評価および用量選択の強力な方法を提供する可能性がある。脳および他の組織におけるカンナビノイド−1受容体特異的画像を与えるフッ素18または炭素11標識ラジオトレーサーを用いて、カンナビノイド−1受容体を飽和させるのに必要な用量をヒトにおけるPETラジオトレーサー像の阻害により決定することができる。このアプローチの理論的根拠は次の通りである。すなわち、カンナビノイド−1受容体修飾因子の効力は、受容体の阻害の程度の結果であり、ひいては薬剤の受容体占有の程度の関数である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、伝統的な診査および診断画像適用分野において有用であるだけでなく、カンナビノイド−1受容体を標識し、非標識カンナビノイド−1受容体拮抗薬、逆作動薬および作動薬と競合させるためにin vitroおよびin vivoアッセイにおいても有用であるような放射性標識カンナビノイド−1受容体修飾因子を開発することが本発明の目的である。そのような放射性標識化合物を含む新規なアッセイを開発することが本発明のさらなる目的である。放射性標識カンナビノイド−1受容体修飾因子の合成のための中間体を開発することが本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、特定の放射性標識カンナビノイド−1受容体修飾因子を対象とする。本発明はさらに、哺乳類におけるカンナビノイド−1受容体の標識および画像診断のためのそのような放射性標識カンナビノイド−1受容体修飾因子の使用の方法に関する。さらに、本発明は、放射性標識カンナビノイド−1受容体修飾因子の合成に有用な中間体を対象とする。本発明はまた、化合物の1つを有効成分として含む医薬製剤に関する。本発明はさらに、本発明の化合物を調製する方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、特定の放射性標識カンナビノイド−1受容体修飾因子を対象とする。特に、本発明は式Iの化合物およびその製薬上許容される塩を対象とする。
【0014】
【化3】

[式中、
ArおよびArはフェニルまたはピリジルであり、
フェニルおよびピリジルはRから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、

(1)水素、
(2)ヒドロキシ、
(3)フルオロ、
(4)シアノ、および
(5)C1〜4アルキルから選択され、

(1)水素および
(2)C1〜4アルキルから選択され、

(1)C1〜10アルキル、
(2)C2〜10アルケニル、
(3)C3〜10シクロアルキル、
(4)C3〜10シクロアルキル−C1〜4アルキル、
(5)シクロヘテロアルキル、
(6)シクロヘテロアルキル−C1〜4アルキル、
(7)アリール、
(8)アリール−C1〜4アルキル、
(9)ジアリール−C1〜4アルキル、
(10)アリール−C1〜4アルケニル、
(11)ヘテロアリール、
(12)ヘテロアリール−C1〜4アルキル、
(13)−OR、および
(14)−NRから選択され、
アルキルおよびアルケニルはRから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールおよびヘテロアリールはRから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
各R
(1)−OR
(2)−NRS(O)
(3)ハロゲン、
(4)−SR
(5)−S(O)NR
(6)−NR
(7)−C(O)R
(8)−CO
(9)−CN、
(10)−C(O)NR
(11)−NRC(O)R
(12)NRC(O)OR
(13)−NRC(O)NR
(14)−CF
(15)−OCF、および
(16)シクロヘテロアルキルから独立に選択され、
各R
(1)R
(2)C1〜10アルキル、
(3)アリール、
(4)アリールC1〜4アルキル、
(5)ヘテロアリール、および
(6)ヘテロアリールC1〜4アルキルから独立に選択され、
およびR
(1)水素、
(2)C1〜10アルキル、
(3)C2〜10アルケニル、
(4)シクロアルキル、
(5)シクロアルキル−C1〜10アルキル;
(6)シクロヘテロアルキル、
(7)シクロヘテロアルキル−C1〜10アルキル;
(8)アリール、
(9)ヘテロアリール、
(10)アリール−C1〜10アルキル、および
(11)ヘテロアリール−C1〜10アルキルから独立に選択され、あるいは
およびRは、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄およびN−Rから独立に選択される0〜2個のさらなるヘテロ原子を含む4〜7員の複素環式環を形成しており、各RおよびRは非置換であるか、またはRから選択される1〜3個の置換基で置換されていてよく、各R
(1)水素、
(2)C1〜10アルキル、および
(3)−C(O)Rから独立に選択され、
各R
(1)ハロゲン、
(2)C1〜10アルキル、
(3)−O−C1〜4アルキル、
(4)−S−C1〜4アルキル、
(5)−S(O)1〜4アルキル、
(6)−CN、
(7)−CF、および
(8)−OCFから独立に選択され、
mは1および2から選択され、

(1)水素、
(2)C1〜10アルキル、
(3)C2〜10アルケニル、
(4)シクロアルキル、
(5)シクロアルキル−C1〜10アルキル;
(6)シクロヘテロアルキル、
(7)シクロヘテロアルキル−C1〜10アルキル;
(8)アリール、
(9)ヘテロアリール、
(10)アリール−C1〜10アルキル、および
(11)ヘテロアリール−C1〜10アルキルから選択され、あるいは
は水素または放射性核種Hであり、
X、YおよびZの1つは
(1)H、11C、18F、125I、82Br、123I、131I、75Br、15O、13N、211Atおよび77Brからなる群から選択される放射性核種、
(2)−CN、
(3)−C1〜4アルキル、
(4)−O−C1〜4アルキルから選択され、
アルキルおよびシアノは1個の11C放射性核種を含むか、あるいはアルキルが1〜3つの18F原子で置換されており、アルキルが非置換であるか、または1個もしくは2個のフルオロ置換基で置換されており、
X、YおよびZの他の2つはそれぞれ水素である]
【0015】
本発明の1つの実施形態において、Arが非置換の、またはRから選択される1個もしくは2個の置換基で置換されているフェニルから選択される。この実施形態の1つのクラスにおいて、Arが非置換の、またはハロゲン、エトキシ、メトキシおよびヒドロキシで置換されているフェニルである。このクラスの1つのサブクラスにおいて、Arがフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、4−エトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−ヒドロキシフェニルから選択される。
【0016】
本発明の1つの実施形態において、Arが非置換の、またはRから選択される1個もしくは2個の置換基で置換されているフェニルである。この実施形態の1つのクラスにおいて、Arが非置換の、またはハロゲンおよびシアノから選択される1個もしくは2個の置換基で置換されているフェニルである。この実施形態の1つのクラスにおいて、Arがシアノ、フルオロおよびブロモから選択される1個もしくは2個の置換基で置換されているフェニルである。1つのサブクラスにおいて、Arが3−シアノフェニル、3−フルオロ−5−ブロモフェニル、3−シアノ−5−フルオロフェニルおよび3−シアノ−5−ブロモフェニルから選択される。
【0017】
本発明の1つの実施形態において、Rは水素、ヒドロキシ、フルオロ、シアノおよびメチルから選択される。この実施形態の1つのクラスにおいて、Rが水素、ヒドロキシ、フルオロおよびメチルから選択される。このクラスのサブクラスにおいて、Rが水素、フルオロおよびヒドロキシから選択される。このクラスの他のサブクラスにおいて、Rが水素およびフルオロから選択される。他のサブクラスにおいて、Rが水素である。
【0018】
本発明の1つの実施形態において、Rが水素、メチル、エチルおよびイソプロピルから選択される。
【0019】
この実施形態の1つのクラスにおいて、Rが水素、メチルおよびエチルから選択される。
【0020】
このクラスの1つのサブクラスにおいて、Rがメチルである。
【0021】
本発明の他の実施形態において、R
(1)C1〜10アルキル、
(2)C2〜10アルケニル、
(3)C3〜10シクロアルキル−C1〜4アルキル、
(4)シクロヘテロアルキル−C1〜4アルキル、
(5)アリール−C1〜4アルキル、
(6)ジアリール−C1〜4アルキル、
(7)アリール−C1〜4アルケニル、
(8)ヘテロアリール−C1〜4アルキル、
(9)−OR、および
(10)−NRから選択され、
各アルキルまたはアルケニルがRから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよく、各シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールおよびヘテロアリールがRから独立に選択される1〜3個の置換基でそれぞれ場合によって置換されている。
【0022】
本発明のこの実施形態の1つのクラスにおいて、R
(1)C1〜8アルキル、
(2)C2〜8アルケニル、
(3)C3〜10シクロアルキル、
(4)シクロヘテロアルキル−C1〜4アルキル、
(5)アリール−C1〜4アルキル、
(6)ジアリール−C1〜4アルキル、
(7)アリール−C1〜4アルケニル、
(8)ヘテロアリール−C1〜4アルキル、
(9)−OR、および
(10)−NRから選択され、
各アルキルまたはアルケニルがRから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよく、各シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールおよびヘテロアリールがRから独立に選択される1〜3個の置換基でそれぞれ場合によって置換されている。
【0023】
本発明のこの実施形態のサブクラスにおいて、R
(1)C1〜8アルキル、
(2)C2〜8アルケニル、
(3)シクロヘテロアルキル−C1〜4アルキル、
(4)アリール−C1〜4アルキル、
(5)ジアリール−C1〜4アルキル、
(6)アリール−C1〜4アルケニル、
(7)ヘテロアリール−C1〜4アルキル、
(8)−OR、および
(9)−NRから選択され、
各アルキルまたはアルケニルがRから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよく、各シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールおよびヘテロアリールがRから独立に選択される1〜3個の置換基でそれぞれ場合によって置換されている。
【0024】
本発明のこの実施形態の他のサブクラスにおいて、R
(1)C1〜8アルキル、
(2)C2〜8アルケニル、
(3)C3〜10シクロアルキル、
(4)シクロヘテロアルキル−C1〜4アルキル、
(5)アリール−C1〜4アルキル、
(6)ジアリール−C1〜4アルキル、
(7)アリール−C1〜4アルケニル、
(8)ヘテロアリール−C1〜4アルキル、
(9)−OR、および
(10)NRから選択され、
各アルキルまたはアルケニルがRから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよく、各シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールおよびヘテロアリールがRから独立に選択される1〜3個の置換基でそれぞれ場合によって置換され、シクロヘテロアルキルがピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニルおよびピペリジニルから選択され、アリールがフェニルおよびナフチルから選択され、ヘテロアリールがピリジル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリミジル、イソオキサゾリル、インドリルおよびチアゾリルから選択される。
【0025】
本発明のこの実施形態のさらなるサブクラスにおいて、R
(1)C1〜8アルキル、
(2)C2〜8アルケニル、
(3)シクロヘテロアルキル−C1〜4アルキル、
(4)アリール−C1〜4アルキル、
(5)ジアリール−C1〜4アルキル、
(6)アリール−C1〜4アルケニル、
(7)ヘテロアリール−C1〜4アルキル、
(8)−ORおよび
(9)−NRから選択され、
各アルキルまたはアルケニルがRから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよく、各シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールおよびヘテロアリールがRから独立に選択される1〜3個の置換基でそれぞれ場合によって置換され、シクロヘテロアルキルがピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニルおよびピペリジニルから選択され、アリールがフェニルおよびナフチルから選択され、ヘテロアリールがピリジル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリミジル、イソオキサゾリル、インドリルおよびチアゾリルから選択される。
【0026】
他のサブクラスにおいて、Rが、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ベンジル、α−ヒドロキシ−ベンジル、α−メトキシ−ベンジル、α−エチル−ベンジル、α−エチル−シクロブチル、α−プロピル−シクロブチル、α−ブチル−シクロブチル、α−エチル−シクロペンチル、α−プロピル−シクロペンチル、α−ブチル−シクロペンチル、α−ヒドロキシ−ジフェニル−メチル、3−(アミノスルホニル)−プロピル、5−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)−ペンチル、アニリノ、アニリノ−メチル、t−ブトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、1−ナフチル−メチル、フェニル−エチル、3−フェニル−プロピル、3,3−ジフェニル−プロピル、2−フェニルエチレン、1−フェニル−プロピル、メトキシメチル、3−ベンゾイル−プロピル、7−ベンゾイル−ヘプチル、2−t−ブトキシ−エチル、フェノキシ−メチル、1−(フェノキシ)−エチル、2−(フェノキシ)−イソプロピル、2−(ピリジルオキシ)−イソプロピル、2−(ピリミジニルオキシ)−イソプロピル、2−(ピリダジニルオキシ)−イソプロピル、シクロプロピル−メチル、シクロペンチル−メチル、2−(シクロヘキシルオキシ)−イソプロピル、(1−インダノン)−3−メチル、(2−チアゾリル)−S−メチル、(2−ベンゾチアゾリル)−S−メチル、(2−ベンゾオキサゾリル)−S−メチル、ベンゾトリアゾリル−メチル、2−(ベンゾチアゾリル)−エチル、イソオキサゾリル−メチル、チアゾリル−メチル、トリアゾリル−メチル、2−(トリアゾリル)−エチル、ピラゾリル−メチル、2−(ピラゾリル)−エチル、および(3−(1−オキソ−イソインドリル))−メチルから選択され、各アルキルまたはアルケニルがRから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよく、各シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールおよびヘテロアリールがRから独立に選択される1〜3個の置換基でそれぞれ場合によって置換される。
【0027】
本発明のこのクラスの他のサブクラスにおいて、Rが−ORで置換されているC1〜8アルキルである。
【0028】
他のサブクラスにおいて、Rが非置換の、またはヘテロアリール環上でR置換基で置換されている
【0029】
【化4】

である。
【0030】
本発明の1つの実施形態において、各Rが、−OR、−NHS(O)、ハロゲン、−SR、−S(O)NHR、−NR、−C(O)R、−CO、−CN、−C(O)NHR、−NHC(O)R、−NHC(O)OR、−NHC(O)NHR、−CF、−OCFおよびシクロヘテロアルキルから独立に選択される。
【0031】
本発明のこの実施形態の1つのクラスにおいて、各Rが、−OR、−NHS(O)、ハロゲン、−SR、−S(O)NH、−NHR、N(CHCH)R、−C(O)R、−COH、−CN、−C(O)NHR、−NHC(O)R、−NHC(O)OR、−NHC(O)NHR、−CF、−OCFおよびシクロヘテロアルキルから独立に選択される。
【0032】
本発明の他の実施形態において、各Rが、−OR、−NRS(O)mR、ハロゲン、S(O)、−S(O)NR、−NR、−C(O)R、−CO、−CN、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−CF、−OCFおよびシクロヘテロアルキルから独立に選択される。
【0033】
本発明の1つの実施形態において、各Rが、−OR、−NHS(O)、ハロゲン、−SR、−S(O)NHR、−NHR、−C(O)R、−CO、−CN、−C(O)NR、−NHC(O)R、−NHC(O)OR、−NHC(O)NR、−CF、−OCF、シクロヘテロアルキル、C1〜10アルキル、アリール、アリールC1〜4アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールC1〜4アルキルから独立に選択される。
【0034】
この実施形態の1つのクラスにおいて、各Rが、−OR、ハロゲン、−CN、−CF、−OCF、シクロヘテロアルキル、C1〜4アルキル、フェニル、ベンジルおよびヘテロアリールから独立に選択される。
【0035】
この実施形態の1つのクラスにおいて、各Rが、−OR、ハロゲン、−CN、−CFおよびメチルから独立に選択される。
【0036】
本発明の1つの実施形態において、各Rが、水素およびC1〜4アルキルから独立に選択され、
各Rが、水素、C1〜4アルキル、C2〜6アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキル−C1〜4アルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル−C1〜4アルキル、フェニル、ヘテロアリール、フェニル−C1〜4アルキルおよびヘテロアリール−C1〜4アルキルから独立に選択されるか、または
およびRが、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄およびN−Rから独立に選択される0〜2個のさらなるヘテロ原子を含む4〜7員の複素環式環を形成しており、各RおよびRは非置換であるか、またはRから選択される1〜3個の置換基で置換されていてよい。
【0037】
本発明のこの実施形態の1つのクラスにおいて、各Rが、水素およびC1〜4アルキルから独立に選択され、
各Rが、水素、C1〜5アルキル、−CHCH=CH、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロプロピル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、ピロリジニル、フェニル、チアゾリル、ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、チアゾリル、ベンジルおよびピリジルメチルから独立に選択されるか、または
およびRが、それらが結合している原子と一緒に、ピペリジニル環を形成しており、各RおよびRは非置換であるか、またはRから選択される1〜3個の置換基で置換されていてよい。
【0038】
本発明の1つの実施形態において、各Rが、水素、C1〜6アルキルおよび−C(O)Rから独立に選択される。
【0039】
この実施形態の1つのクラスにおいて、各Rが、水素、C1〜4アルキルおよび−C(O)C1〜4アルキルから独立に選択される。
【0040】
このクラスの1つのサブクラスにおいて、各Rが水素、メチルまたはメチルカルボニルである。
【0041】
このクラスの他のサブクラスにおいて、各Rがメチルである。
【0042】
本発明の1つの実施形態において、各Rが、ハロゲン、C1〜10アルキル、−O−C1〜4アルキル、−S−C1〜4アルキル、−CN、−CFおよび−OCFから独立に選択される。
【0043】
この実施形態の1つのクラスにおいて、各Rが、ハロゲン、C1〜4アルキル、−O−C1〜4アルキル、−S−C1〜4アルキル、−S(O)1〜4アルキル、−CN、−CFおよび−OCFから独立に選択される。
【0044】
このクラスの1つのサブクラスにおいて、各Rが、ハロゲン、メチル、メトシキ、メチルチオ−、−SOCH、−CN、−CFおよび−OCFから独立に選択される。
【0045】
他のサブクラスにおいて、各Rが、ハロゲン、C〜Cアルキル、−SOCH、−CNおよび−CFから独立に選択される。
【0046】
本発明の1つの実施形態において、mが1および2から選択される。この実施形態の1つのクラスにおいて、mが2である。
【0047】
本発明の1つの実施形態において、Rが、水素、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキル−C1〜10アルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル−C1〜10アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜10アルキルおよびヘテロアリール−C1〜10アルキルから選択される。
【0048】
この実施形態の1つのクラスにおいて、Rが、水素、C1〜4アルキル、C2〜6アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキル−C1〜4アルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル−C1〜4アルキル、フェニル、ヘテロアリール、フェニル−C1〜4アルキルおよびヘテロアリール−C1〜4アルキルから選択される。
【0049】
このクラスの1つのサブクラスにおいて、Rが、水素、C1〜5アルキル、−CHCH=CH、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロプロピル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、ピロリジニル、フェニル、チアゾリル、ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、チアゾリル、ベンジルおよびピリジルメチルから選択される。
【0050】
他のサブクラスにおいて、R
(1)水素、
(2)C1〜4アルキル、および
(3)−C(O)C1〜4アルキルから選択される。
【0051】
本発明の1つの実施形態において、Xが水素であり、
XおよびYが水素であり、Zが
(1)H、11C、18F、125I、82Br、123I、131I、75Br、15O、13N、211Atおよび77Brからなる群から選択される放射性核種、
(2)−CN、
(3)−C1〜4アルキル、
(4)−O−C1〜4アルキルから選択され、
アルキルおよびシアノが1つの11C放射性核種を含み、あるいはアルキルが1〜3個の18F原子で置換されており、アルキルが非置換であるか、または1つから2つのフルオロ置換基で置換されている。
【0052】
この実施形態の1つのクラスにおいて、Xが水素であり、XおよびYが水素であり、Zが
(1)H、18F、125I、82Br、123I、131I、75Br、および77Brからなる群から選択される放射性核種、
(2)−CN、
(3)−C1〜4アルキル、
(4)−O−C1〜4アルキルから選択され、
アルキルおよびシアノが1つの11C放射性核種を含み、あるいはアルキルが1〜3個の18F原子で置換されており、アルキルが非置換であるか、または1個もしくは2個のフルオロ置換基で置換されている。
【0053】
このクラスの1つのサブクラスにおいて、Xが水素であり、XおよびYが水素であり、Zが
(1)H、
(2)18F、
(3)炭素が11Cであるシアノ、
(4)炭素が11CであるCH、および
(5)−CF18Fから選択される。
【0054】
このクラスの他のサブクラスにおいて、Xが水素であり、XおよびYが水素であり、ZがCF18Fである。
【0055】
本発明の他の実施形態において、Xが水素であり、
XおよびZが水素であり、Yが
(1)H、11C、18F、125I、82Br、123I、131I、75Br、15O、13N、211Atおよび77Brからなる群から選択される放射性核種、
(2)−CN、
(3)−C1〜4アルキル、
(4)−O−C1〜4アルキルから選択され、
アルキルおよびシアノが1つの11C放射性核種を含み、あるいはアルキルが1〜3個の18F原子で置換されており、アルキルが非置換であるか、または1個もしくは2個のフルオロ置換基で置換されている。
【0056】
この実施形態のクラスにおいて、Xが水素であり、XおよびZが水素であり、Yが
(1)H、18F、125I、82Br、123I、131I、75Br、および77Brからなる群から選択される放射性核種、
(2)−CN、
(3)−C1〜4アルキル、
(4)−O−C1〜4アルキルから選択され、
アルキルおよびシアノが1つの11C放射性核種を含み、あるいはアルキルが1〜3個の18F原子で置換されており、アルキルが非置換であるか、または1個もしくは2個のフルオロ置換基で置換されている。
【0057】
このクラスの1つのサブクラスにおいて、Xが水素であり、XおよびZが水素であり、Yが
(1)18F、
(2)炭素が11CであるCH
(3)−O−11CH
(4)−OCH18F、
(5)−OC−(H)18F、
(6)−OCHCH18F、および
(7)炭素が11Cであるシアノから選択される。
【0058】
このクラスの他のサブクラスにおいて、Xが水素であり、XおよびZが水素であり、Yが
(1)放射性核種18F、および
(2)炭素が11Cであるシアノから選択される。
【0059】
本発明の他の実施形態において、Xが水素であり、YおよびZが水素であり、Xが
(1)H、11C、18F、125I、82Br、123I、131I、75Br、15O、13N、211Atおよび77Brからなる群から選択される放射性核種、
(2)−CN、
(3)−C1〜4アルキル、
(4)−O−C1〜4アルキルから選択され、
アルキルおよびシアノが1つの11C放射性核種を含み、あるいはアルキルが1〜3個の18F原子で置換されており、アルキルが非置換であるか、または1個もしくは2個のフルオロ置換基で置換されている。
【0060】
この実施形態のクラスにおいて、Xが水素であり、YおよびZが水素であり、Xが
(1)H、18F、125I、82Br、123I、131I、75Brおよび77Brからなる群から選択される放射性核種、
(2)−CN、
(3)−C1〜4アルキル、
(4)−O−C1〜4アルキルから選択され、
アルキルおよびシアノが1つの11C放射性核種を含み、あるいはアルキルが1〜3個の18F原子で置換されており、アルキルが非置換であるか、または1個もしくは2個のフルオロ置換基で置換されている。
【0061】
このクラスのサブクラスにおいて、Xが水素であり、YおよびZが水素であり、Xが
(1)H、
(2)18F、
(3)炭素が11Cであるシアノ、
(4)−CH18F、
(5)−O−11CH
(6)−OCH18F、
(7)−OC−(H)18F、および
(8)−OCHCH18Fから選択される。
【0062】
このクラスの他のサブクラスにおいて、Xが水素であり、YおよびZが水素であり、Xが−OCHCH18Fである。
【0063】
本発明の他の実施形態において、Xが放射性核種Hであり、YおよびZが水素であり、Xが
(1)H、11C、18F、125I、82Br、123I、131I、75Br、15O、13N、211Atおよび77Brからなる群から選択される放射性核種、
(2)−CN、
(3)−C1〜4アルキル、
(4)−O−C1〜4アルキルから選択され、
アルキルおよびシアノが1つの11C放射性核種を含み、あるいはアルキルが1〜3個の18F原子で置換されており、アルキルが非置換であるか、または1個もしくは2個のフルオロ置換基で置換されている。
【0064】
この実施形態の1つのクラスにおいて、Xが放射性核種Hであり、YおよびZが水素であり、Xが放射性核種Hである。
【0065】
本発明の実施形態において、Arがフェニルであり、Arがフェニルであり、Rが水素であり、RがC2アルキルであり、RがC1〜3アルキル−O−Rdであり、Xが水素であり、Xが−O−11CH、−O−CH18Fおよび−O−CHCH18Fであり、Yが水素であり、Zが水素である。
【0066】
他の実施形態において、本発明は、
【0067】
【化5】

として示される化合物N−{[2−(3−シアノフェニル)−3−[4−([18F]−2−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル]}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドおよび
【0068】
【化6】

として示される化合物N−{[2−(3−シアノフェニル)−3−[4−([18F]−2−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル]}−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを対象とする。
【0069】
他の実施形態において、本発明は、本発明の特定の化合物の合成のための出発材料としての
【0070】
【化7】

として示される化合物N−{2−(3−シアノフェニル)−3−[(4−エトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドおよび
【0071】
【化8】

として示される化合物N−{2−(3−シアノフェニル)−3−[(4−エトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドの使用を対象とする。
【0072】
「アルキル」ならびにアルコキシ、アルカノイルなどの接頭辞「アルク」を有する他の基は、線状もしくは分枝状またはその組合せであってよい炭素鎖を意味する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチル、ノニルなどがある。
【0073】
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含み、線状もしくは分枝状またはその組合せであってよい炭素鎖を意味する。アルケニルの例としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルなどがある。
【0074】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含み、線状もしくは分枝状またはその組合せであってよい炭素鎖を意味する。アルキニルの例としては、エチニル、プロパギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニルなどがある。
【0075】
「シクロアルキル」は、それぞれが3〜10個の炭素原子を有する単または二環式炭素環を意味する。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチルなどがある。
【0076】
「アリール」は、炭素原子のみを含む単または二環式芳香環を意味する。アリールの例としては、フェニル、ナフチルなどがある。
【0077】
「ヘテロアリール」は、N、OおよびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含み、5〜6個の原子を含む芳香環を意味する。ヘテロアリールの例としては、ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニルなどがある。ヘテロアリール環は、1つまたは複数の炭素原子上で置換されていてよい。本発明の1つの実施形態において、ヘテロアリールは、ピリジルおよびピリミジルである。この実施形態の1つのクラスにおいて、ヘテロアリールはピリジルである。
【0078】
「シクロヘテロアルキル」は、N、SおよびOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含み、それぞれが、結合の点が炭素または窒素であってよい3〜10個の原子を有する、飽和環を意味する。「シクロヘテロアルキル」の例としては、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、ピラニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、ジオキサニル、オキサニル、アゼチジニル、ペルヒドロアゼピニル、テトラヒドロフラニル、1−チア−4−アザ−シクロヘキサン(チオモルホリニル)、ヘキサヒドロチエノピリジニル、チエノピリジニル、アザシクロヘプチルなどである。この用語は、窒素を介して結合している2−もしくは4−ピリドンまたはN置換−(1H,3H)−ピリミジン−2,4−ジオン(N置換ウラシル)などの芳香族でない部分的に不飽和の単環も含む。シクロヘテロアルキル環は、環炭素および/または環窒素上で置換されていてよい。
【0079】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む。
【0080】
いずれかの成分または式Iにおいて変数(例えば、R、R等)が複数回発生する場合、各発生時のその定義は、他のすべての発生時のその定義と無関係である。また、置換基および/または変数の組合せは、そのような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
【0081】
この開示を通して用いる標準的命名法のもとでは、示された側鎖の末端部分を最初に、続いて結合の点に向かって隣接する官能性を記述する。例えば、C1〜5アルキルカルボニルアミノC1〜6アルキル置換基は、
【0082】
【化9】

に相当する。
【0083】
本発明の化合物を選択するに際して、当業者は、種々の置換基、すなわちR、R等は化学構造の結合性および安定性のよく知られている原理に従って選択しなければならないことを認識するであろう。
【0084】
「置換されている」という用語は、指名された置換基による複数の程度の置換を含むと考えること。複数の置換基部分を開示または特許請求の範囲とする場合、置換されている化合物は、1つまたは複数の開示または特許請求の範囲とする置換基部分により単一または複数で独立に置換することができる。独立に置換されているとは、(2つまたはそれより多くの)置換基が同じまたは異なっていることがあり得ることを意味する。
【0085】
式Iの化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含んでいてよく、したがって、ラセミ体およびラセミ混合物、単一鏡像異性体、ジアステレオマー混合物および個別のジアステレオマーとして存在することができる。本発明は、式Iの化合物のそのようなすべての異性体を含むことを意味する。
【0086】
本明細書に記載する化合物の一部は、オレフィン二重結合を含み、特に断らない限り、EおよびZ幾何異性体を含むことを意味する。
【0087】
互変異性体は、当化合物の1つの原子から当化合物の他の原子への迅速なプロトン移動を受ける化合物と定義される。本明細書に記載する化合物の一部は、水素の結合の異なる点を含む互変異性体として存在する可能性がある。そのような例は、ケト−エノール互変異性体として知られているケトンとそのエノール形である。したがって、個別の互変異性体ならびにその混合物は、式Iの化合物に含まれる。
【0088】
式Iの化合物は、例えば、適切な溶媒、例えば、MeOHもしくは酢酸エチルまたはその混合物からの分別晶出により、鏡像異性体のジアステレオ異性体対に分離することができる。そのようにして得られた鏡像異性体の対は、通常の手段、例えば、光学活性なアミンを分割剤として用いて、またはキラルHPLCカラム上で個別の立体異性体に分離することができる。
【0089】
あるいは、一般式Iの化合物のいずれかの鏡像異性体は、光学的に純粋な出発物質または知られている立体配置の試薬を用いて立体特異的合成によって得ることができる。
【0090】
さらに、本発明の化合物の一部の結晶形は、多形相として存在する可能性があり、それとして本発明に含めることを意図する。さらに、本発明の化合物の一部は、水または一般的な有機溶媒とともに溶媒和物を形成する可能性がある。そのような溶媒和物は、本発明の範囲内に含まれる。
【0091】
本発明の化合物を鏡像異性体として純粋な製剤として投与することが一般的に好ましい。ラセミ混合物は、多くの通常の方法のいずれかによってそれらの個別の鏡像異性体に分離することができる。これらは、キラルクロマトグラフィー、キラルな補助剤による誘導体化の後にクロマトグラフィーまたは結晶化による分離、およびジアステレオマー塩の分別晶出などである。
【0092】
「製薬上許容される塩」という用語は、無機または有機塩基および無機または有機酸を含む製薬上許容される無毒性塩基または酸から調製される塩を指す。塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)塩、マンガン(II)、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の無機塩基から得られる。特に好ましいものは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩である。製薬上許容される有機無毒性塩基から得られる塩としては、第一級、第二級および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミンおよび塩基イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等の塩がある。「製薬上許容される塩」という用語はさらに、溶解度または加水分解特性を改良するための剤形として用いることができる、あるいは徐放性またはプロドラック製剤に用いることができる酢酸塩、ラクトビオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、リンゴ酸塩、重炭酸塩、マレイン酸塩、重硫酸塩、マンデル酸塩、重酒石酸塩、メシレート、ホウ酸塩、メチルブロミド、ブロミド、メチル硝酸塩、エデト酸カルシウム、メチル硫酸塩、カンシレート、粘液酸塩、炭酸塩、ナプシル酸塩、クロリド、硝酸塩、クラブラン酸塩、N−メチルグルカミン、クエン酸塩、アンモニウム塩、二塩酸塩、オレイン酸塩、エデト酸塩、シュウ酸塩、エジシレート、パモ酸塩(エンボン酸塩)、エストレート、パルミチン酸塩、エシレート、パントテン酸塩、フマル酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、グルセプテート、ポリガラクツロン酸塩、グルコン酸塩、サリチル酸塩、グルタミン酸塩、ステアリン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、硫酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、塩基性酢酸塩、ヒドラバミン、コハク酸塩、ヒドロブロミド、タンニン酸塩、塩酸塩、酒石酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、テオクル酸塩、ヨージド、トシレート、イソチオン酸塩、トリエチオジド、乳酸塩、パノ酸塩、吉草酸塩等のすべての許容される塩を含む。
【0093】
本明細書で用いているように、式Iの化合物への言及は、製薬上許容される塩を含むことも意味することが理解されよう。
【0094】
本発明は、そのような標識を必要とする哺乳類に有効量の本発明の放射性標識化合物を投与することを含む哺乳類におけるカンナビノイド−1受容体を標識する方法も対象とする。
【0095】
本発明は、そのような画像診断を必要とする哺乳類に有効量の本発明の放射性標識化合物を投与することを含む哺乳類におけるカンナビノイド−1受容体の画像診断の方法も対象とする。
【0096】
本発明は、そのような画像診断を必要とする哺乳類に有効量の本発明の放射性標識化合物を投与することを含む哺乳類におけるカンナビノイド−1受容体を有する組織の画像診断の方法も対象とする。
【0097】
本発明は、そのような画像診断を必要とする哺乳類動物種に有効量の本発明の放射性標識化合物を投与することを含む哺乳類動物種の組織における内部カンナビノイド結合部位の画像診断の方法も対象とする。
【0098】
本発明は、そのような画像診断を必要とする哺乳類に有効量の本発明の放射性標識化合物を投与することを含む哺乳類における脳の画像診断の方法も対象とする。
【0099】
本発明はさらに、そのような定量を必要とする哺乳類に有効量の本発明の放射性標識化合物を投与することを含む哺乳類組織におけるカンナビノイド−1受容体の検出または定量の方法を対象とする。
【0100】
本発明の方法の好ましい実施形態において、哺乳類はヒトである。
【0101】
本発明はさらに、ジメチルホルムアミドなどの不活性溶媒中で炭酸セシウムなどの弱塩基の存在下で室温から溶媒還流温度までの間の温度、好ましくは約100℃でN−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドおよびN−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを[18F]フルオロエチルブロミドおよび[18F]フルオロエチルトシラートから選択されるアルキル化剤と接触させることを含むN−{[2−(3−シアノフェニル)−3−[4−([18F]−2−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドおよびN−{[2−(3−シアノフェニル)−3−[4−([18F]−2−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを調製する方法を対象とする。
【0102】
当該化合物に取り込むことができる適切な放射性核種としては、H(Tとも書く)、11C、18F、125I、82Br、123I、131I、75Br、15O、13N、211Atまたは77Brなどがある。当該放射性化合物に取り込まれる放射性核種は、放射性標識化合物の特異的分析または製薬応用分野に依存する。したがって、カンナビノイド−1受容体のin vitro標識および競合アッセイの場合には、H、125Iまたは82Brを取り込んだ化合物が一般的に最も有用であろう。画像診断用薬の場合には、11C、18F、123I、131I、75Br、76Brまたは77Brから選択される放射性核種を取り込んだ化合物が好ましい。特定の応用分野では、Tc99mのようなキレート化放射性核種の取り込みも有用である。本発明では、18Fが11Cより特に好ましい。その理由は、18Fの半減期がより長く、より特異的なシグナルの発生と受容体定量化試験の条件の改善を可能にするのに十分に長時間にわたって撮像を行うことができるからである。
【0103】
受容体に結合する化合物は、種々の反応を誘発する可能性がある。作動薬は、特に細胞シグナリングおよび反応の点で、天然リガンドと同様な反応を誘発する。これらは、ひいては、治療を受ける生物における反応を誘発する。拮抗薬は、受容体に結合し、それにより、そのリガンドまたは他の作動薬の作用を阻害するが、反応を誘発せず、あるいはさらなる標的細胞の種類の変化も引き起こさない。逆作動薬は受容体に結合し、作動薬の結合を阻害し、天然または内因性のリガンドによって誘発されたものとは反対の方向に反応を誘発する。カンナビノイド−1受容体の場合、その作動薬は、サイクリックAMPの生成の減少とカルシウム動員および化学メッセンジャー放出の減少を引き起こす。CB−1受容体逆作動薬は、サイクリックAMP活性の増大と細胞シグナリングの増加を引き起こす。受容体「修飾因子」という用語は、その結合の機能上の結果に無関係に、特定の受容体のすべてのリガンドを含み、作動薬、逆作動薬および拮抗薬を含むことを意味する。
【0104】
放射性標識カンナビノイド−1受容体修飾因子は、適切な放射性核種で標識したとき、画像診断、基礎研究および放射線療法適用分野に有用である可能性がある。可能な画像診断よび放射線療法適用分野の特定の例としては、カンナビノイド−1受容体の位置、相対的活性および/または存在量の測定、カンナビノイド−1受容体拮抗薬、作動薬および逆作動薬のラジオイムノアッセイ、ならびに哺乳類またはその臓器もしくは組織サンプル中のカンナビノイド−1受容体の分布を測定するためのオートラジオグラフィーなどがある。
【0105】
特に、当該放射性標識カンナビノイド−1受容体拮抗薬は、ポジトロン放出放射性核種F−18で標識したとき、生存ヒトおよび実験動物の脳におけるカンナビノイド−1受容体のポジトロン放出断層撮影(PET)画像に有用である。この放射性標識カンナビノイド−1受容体拮抗薬は、受容体への結合に関する標識薬剤と放射性標識化合物との間の競合によりin vivoでの非標識カンナビノイド−1受容体拮抗薬とカンナビノイド−1受容体との相互作用を研究するための研究ツールとして用いることができる。この種の研究は、カンナビノイド−1受容体占有と非標識カンナビノイド−1受容体変調薬の用量との関係の測定、ならびに種々の用量の非標識カンナビノイド−1受容体変調薬による受容体の阻害の持続時間の試験に有用である。臨床的ツールとしては、放射性標識カンナビノイド−1受容体変調薬は、カンナビノイド−1受容体変調薬の臨床的に有効な用量を定める助けとするのに用いることができる。動物実験では、放射性標識カンナビノイド−1受容体拮抗薬は、臨床開発のための選択における潜在的薬剤候補間の選択に有用な情報を提供するのに用いることができる。放射性標識カンナビノイド−1受容体変調薬は、生存ヒト脳ならびに生存実験動物の脳および組織サンプル中のカンナビノイド−1受容体の局所的分布および濃度の研究にも有用である。放射性標識カンナビノイド−1受容体修飾因子は、カンナビノイド−1受容体濃度の疾患または薬理学的に関連する変化を研究するのにも用いることができる。
【0106】
例えば、本発明の放射性標識カンナビノイド−1受容体修飾因子のようなポジトロン放出断層撮影(PET)用トレーサーは、次の情報を得るために現在利用可能なPET技術とともに用いることができる。すなわち、患者における候補カンナビノイド−1受容体修飾因子による受容体占有のレベルと臨床的有効性との関係、長期臨床試験の開始の前のカンナビノイド−1修飾因子の臨床試験のための用量の選択、構造的に新規のカンナビノイド−1拮抗薬、作動薬または逆作動薬の効力の比較、カンナビノイド−1受容体修飾因子および他の薬剤による臨床標的の治療中のin vivoでの受容体の親和力および密度に対するカンナビノイド−1修飾因子の影響の検討、例えば、それらの活動期における精神病または行動障害時、有効および無効な治療時ならびに寛解時のカンナビノイド−1受容体の密度および分布の変化、およびCNS障害(例えば、精神分裂病、認知機能障害、耽溺行動および摂食障害)におけるカンナビノイド−1受容体発現および分布の変化。
【0107】
画像探査または診断用薬としての当該化合物の使用のために、放射性標識化合物は、哺乳類、好ましくはヒトに、標準的製薬規範に従って、医薬組成物単独で、または好ましくは、医薬組成物において製薬上許容される担体または希釈剤と、場合によってはミョウバンのような知られている佐剤と組合わせて投与することができる。そのような組成物は、経口的に、または静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直腸および局所投与経路など非経口的に投与することができる。好ましくは、投与は静脈内である。
【0108】
寿命が短いポジトロン放出放射性核種で標識されたラジオトレーサーは、それらの合成時から1時間以内に静脈内注射によりほぼ常に投与する。これは、含まれる放射性核種の半減期が短い(C−11およびF−18でそれぞれ20および110分)ため、必要である。
【0109】
化合物「の投与」および/または「を投与すること」という用語は、本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを画像化すべき個体に与えることを意味すると理解すべきである。
【0110】
哺乳類、特に、ヒトに有効な用量の本発明の化合物を与えるために、適切な投与経路を用いることができる。例えば、口、直腸、局所、非経口、眼、肺、鼻などを用いることができる。画像化のためには、注射が好ましい。
【0111】
本発明の医薬組成物は、有効成分としての式Iの化合物または製薬上許容されるその塩を含み、また、製薬上許容される担体も含んでいてよい。「製薬上許容される」とは、担体、希釈剤または添加剤が製剤の他の成分と適合性があり、その受容者に対して有害であってはならないことを意味する。特に、「製薬上許容される塩」という用語は、無機塩基または酸および有機塩基または酸を含む製薬上許容される無毒性塩基または酸から調製される塩を指す。
【0112】
所与の場合に最も適切な経路は、化合物の半減期および撮像の種類に依存するが、組成物は、経口、直腸、局所、非経口(皮下、筋肉内および静脈内を含む)、眼(眼科用)、肺(エアゾール吸入)または鼻腔投与に適する組成物を含む。それらは、単位製剤で提示することが都合がよく、製薬技術分野においてよく知られている方法のいずれかにより調製することができる。
【0113】
実用に際して、式Iの化合物は、通常の薬剤調合技術に従って、緊密な混合物中の有効成分として薬剤用担体と混合することができる。担体は、投与、例えば、経口または非経口(静脈内を含む)に望ましい製剤の形態によって多様な形態をとることができる。経口剤用の組成物の調製に際して、通常の薬剤用媒体のいずれかを用いることができる。
【0114】
本発明の化合物の適切な投与手段としては、閉鎖を伴うまたは伴わない注射、静脈内ボーラスまたは注入、腹腔内、皮下、筋肉内および局所投与などがある。
【0115】
本発明の例示は、上記の化合物のいずれかおよび製薬上許容される担体を含む医薬組成物である。また、本発明の例示は、上記の化合物のいずれかと製薬上許容される担体とを配合することによって調製される医薬組成物である。本発明の実例は、上記の化合物のいずれかと製薬上許容される担体とを配合することを含む医薬組成物を調製する方法である。
【0116】
以下は、式Iの化合物の代表的な製剤の例である。
注射用懸濁剤(筋肉内) mg/mL 注射用液剤(静脈) 濃度
式Iの化合物 10 式Iの化合物 0.01mg/mL
メチルセルロース 5.0 トウィーン80 5mg/mL
トウィーン80 0.5 エタノール 5μL/mL
ベンジルアルコール 9.0 0.9%生理食塩水 十分量
塩化ベンザルコニウム 1.0
注射用水 全量1mLまで
【0117】
本発明の医薬組成物は、体外、経腸または非経口適用に適した有機もしくは無機担体または添加剤との混合物中の有効成分として本発明の1つまたは複数の化合物を含む、例えば、固体、半固体または液体の医薬製剤の形で用いることができる。有効成分は、例えば、錠剤、ペレット剤、カプセル剤、坐剤、液剤、乳剤、懸濁剤および用途に適した他の剤形用の通常の無毒性の製薬上許容される担体とともに調合することができる。用いることができる担体は、水、グルコース、ラクトース、アラビアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプンペースト、三珪酸マグネシウム、タルク、トウモロコシデンプン、ケラチン、コロイダルシリカ、ジャガイモデンプン、尿素および固体、半固体または液体の製剤の製造に用いるのに適した他の担体であり、さらに、補助、安定化、粘稠化および着色剤ならびに芳香剤を用いることができる。活性な対象化合物は、疾患の過程または状態に所望の効果をもたらすのに十分な量で医薬組成物に含める。
【0118】
用量選定のために評価すべき非標識カンナビノイド−1受容体修飾因子の最小用量は、1日当たり約1mg、好ましくは1日当たり約5mg、特に1日当たり約10mgである。カンナビノイド−1受容体修飾因子の最大用量は、1日当たり約1500mg、好ましくは1日当たり約1000mg、特に1日当たり約500mgである。
【0119】
本発明による放射性標識カンナビノイド−1受容体修飾因子をヒト対象に投与する場合、画像診断に必要な量は通常処方医師によって決定されるが、用量は、一般的に個々の患者の年齢、体重および反応ならびに放射性核種からの放出の量によって異なる。しかし、ほとんどの場合、有効量は、約1〜10mCi(約3.7〜37×10ベクレル)の範囲の放射をもたらすのに十分な化合物の量である。
【0120】
1つの典型的な適用分野において、投与は、1日当たり約0.005μg/kg体重〜約50μg/kg体重、好ましくは0.02μg/kg体重〜約3μg/kg体重の量の放射性標識化合物で行われる。当該組成物を含む特定の分析用量は、約0.5μg〜約100μgの標識カンナビノイド−1受容体修飾因子を含む。好ましくは、用量は約1μg〜約50μgの標識カンナビノイド−1受容体修飾因子を含む。
【0121】
診療所において患者においてPET画像試験を実施する場合に、以下の実例となる手順を用いることができる。対象は下記のようにベースラインスキャンを受け、その後、対象にフォローアップPET実験の日の前に非標識カンナビノイド−1受容体修飾因子(300、100または30mg/日の用量で)を2週間前投薬し、少なくとも12時間絶食させ、水は自由摂取を許容する。ラジオトレーサーの投与のために、20Gの2インチ静脈カテーテルを対側尺骨静脈に挿入する。
【0122】
対象をPETカメラに位置決めし、トレーサー量の[15O]HOを静脈カテーテルを介して投与する。そのようにして得られた画像を用いて、脳または他の関心部位が含まれるように患者が正しく位置決めされることを確保する。その後、[18F]カンナビノイド−1受容体修飾因子(<20mCi)を静脈カテーテルを介して投与する。ラジオトレーサーを注射してから10分以内に、撮像セッションの終了時に、臨床的候補の血漿中濃度を測定するために1mLの血液サンプルを採取する。
【0123】
ラジオトレーサーの分布を測定するために、例えば、脳および中心静脈系を含む関心領域(ROIs)を再構成画像上に描く。これらの領域を用いて、検討する種々の用量で評価する受容体拮抗薬の非存在下または臨床的候補の存在下で得られる時間活性曲線を作製する。データは、単位時間当たり単位容積当たりの放射能(nCi/cc/mCi注射用量)として表す。ラジオトレーサーの注射後70分目から開始して得られる関心領域において得られるデータから阻害曲線を作製する。ID50値は、次の式iを用いた用量/阻害曲線への曲線適合によって求める。
【0124】
B=A−A*I/(ID50+I)+NS (i)
ここで、Bは臨床的候補の各用量における%用量/g組織中ラジオトレーサーであり、Aはカンナビノイド−1受容体修飾因子の非存在下での組織中の特異的に結合したラジオトレーサーであり、Iは修飾因子の注射用量であり、ID50はカンナビノイド受容体に対して特異的なラジオトレーサーの結合を50%阻害する化合物の用量であり、NSは非特異的結合ラジオトレーサーの用量である。
【0125】
マイクロPETカメラ撮像:
2匹のラットを麻酔し(ケタミン/アセ−プロマジン)、カメラに位置決めし、注射を容易にするためにそれらの尾静脈にカニューレを挿入する。非特異的結合を示すために、ラジオトレーサーの注射の30分前に1匹のラットに非標識カンナビノイド−1受容体修飾因子を前注射する。150μCi/ラットの18F標識カンナビノイド−1受容体修飾因子をその尾静脈を介して注射し、カテーテルを数mLの正常食塩水でフラッシュする。画像の収集は、ラジオトレーサーを注射したときに開始する。60の1分画像を収集し、その後ラットをペントバルビタールナトリウムを用いて安楽死させる。関心領域(ROIs)を、脳を含む総和画像上に描き、次いで、その後の画像における計数率の解析に用いる。ROIsは、試験中にかなり明瞭に残存するように定義し、臓器全体を代表すると仮定する。ROIにおける計数率をラット全体のそれで割り、100を掛けて、計数率を%用量/ROIに変換する。
【0126】
アカゲザルにおけるPET撮像:
絶食させたアカゲザル(7〜11kg)をケタミン筋肉内(10mpk)により麻酔し、サルをPETカメラベッドに入れた。静脈カテーテルを伏在および橈側皮静脈に挿入する。その後の麻酔は、Propofolの5mg/kgの誘導量を静脈内に用いた後、試験中0.4mg/kg/分の注入により維持する。Propofolによる最初の誘導後、動物に挿管し、約100cc/呼吸および1分当たり23回の呼吸数で換気した医療用圧縮空気内に置いた。温度プローブ、パルスオキシメータおよび呼気終末COモニターを接続する。動物をKモジュール加熱パッドの上にのせ、他のパッドを上に置いて体温を維持し、動物をカメラ台の内側に頭部を最初に仰臥位で位置決めした。PETリガンドの一部を静脈内注射し、注射時に放射撮像を開始し、2〜3時間継続した。
【0127】
代謝物補正ならびに血漿および全血中の放射能の測定のために1/2mLの血液サンプルを0、5、15、30、60、90、120、150および180分目に採取する。2時間後に試験対象の非標識CB1R修飾因子のボーラスを5分間にわたって投与した後、追加の非標識CB1R修飾因子を2時間にわたって注入する。保存溶液=15%ETOH、40%PEG400、45%水中0.8mg/mL。血漿中薬物濃度の測定のために1mLの血漿サンプルを0、15、30、60、90、120、150および180分目に採取する。1時間後に、PETリガンドの一部を静脈内注射し、注射時に放射撮像を開始し、2時間継続した。占有率は、CB−1R逆作動薬の投与後の脳の種々の領域におけるトレーサー結合をCB1拮抗薬の投与前の脳の同じ領域におけるトレーサー結合と比較することによって求める。
【0128】
イヌにおけるPET撮像
体重7.7〜14.6kg(11.0±2.3kg)の雌ビーグル犬を少なくとも12時間絶食させ、水は自由に摂取させる。20Gの2インチ静脈カテーテルを右前脚の尺骨静脈に挿入し、それを介して25〜30mg/kgのペントバルビタールナトリウム3〜4mLにより麻酔を導入し、3mg/kg/時間の平均用量の追加のペントバルビタールで維持する。ラジオトレーサーの投与のために、他のカテーテルを対側尺骨静脈に挿入する。
【0129】
循環血の酸素飽和度は、動物の舌の上にのせたパルスオキシメータ(Nellcor Inc.、Hayward、カリフォルニア州)を用いて測定する。循環血液量は、生理食塩水の静脈内注入により維持する。連続圧力モニタリング(Spacelabs(商標)、モデル90603A)のために、22Gカニューレを前頚骨または遠位大腿動脈に挿入する。EKG、心拍数およびコア温度を連続的にモニターする。特に、EKGは、ST部分の変化および不整脈の有無について観察する。
【0130】
動物をPETカメラに位置決めし、トレーサー量の[15O]HOを静脈カテーテルを介して投与する。そのようにして得られた画像を用いて、脳および他の関心部位が含まれるようにイヌが正しく位置決めされることを確保する。その後、[18F]−カンナビノイド−1受容体修飾因子(<20mCi)を静脈カテーテルを介して投与する。総ラジオトレーサー画像の収集後に、非標識カンナビノイド−1受容体修飾因子の注入を3投与速度(0.1、1または3mpk/日)のうちの1つで開始する。2.5時間の注入の後、[18F]−カンナビノイド−1受容体修飾因子を再びカテーテルを介して注射する。再び画像を最長90分間収集する。1撮像セッションにおいて、10mpkの用量の他のカンナビノイド−1受容体修飾因子を5分間にわたって注入する。この用量は、ラジオトレーサーの結合を完全に阻害すると判断され、したがって、PETラジオトレーサーにより得られる最大受容体特異的シグナルを測定するために用いる。試験の終了時に、動物を回復させ、動物収容に戻す。
【0131】
ラジオトレーサーの非阻害分布を得るために、関心領域(ROIs)を脳を含む再構成画像上に描く。これらの領域を用いて、試験化合物の非存在下、または検討した種々の注入用量の試験化合物の存在下で得られる時間活性曲線を作製する。データは、単位時間当たり単位容積当たりの放射能(nCi/cc/mCi注射用量)として表す。阻害曲線は、ラジオトレーサーの注入後70分目に開始して得られる関心領域において得られるデータから作製する。この時点までに、非特異的結合のクリアランスが定常状態に達する。ID50値は、本明細書で上述した式iを用いた用量/阻害曲線への曲線適合によって求める。
【0132】
以下のスキームおよび実施例に用いる略語
Ac:アシル、aqまたはaq.:水性、API−ES:大気圧イオン化−エレクトロスプレー(質量分析用語)、BOCまたはboc:tert−ブトキシカルボニル、brine:飽和塩化ナトリウム溶液、Bu:ブチル、DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、DEAD:ジエチルアゾジカルボキシラート、DIBAL−H:水素化ジイソブチルアルミニウム、DMAP:4−ジメチルアミノピリジン、DMF:ジメチルホルムアミド、DMSO:ジメチルスルホキシド、DSC:示差走査熱量測定、EDC:1−エチル−3−(3,3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩、Et:エチル、EtOAc:酢酸エチル、gまたはgm:グラム、hまたはhr:時間、Hex:ヘキサン、HOAc:酢酸、HOBT:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、HPLC:高圧液体クロマトグラフィー、HPLC/MS:高圧液体クロマトグラフィー/質量分析、in vacuo:ロータリーエバポレータで蒸発、IPACまたはIPAc:酢酸イソプロピル、iPr:イソプロピル、KHMDS:カリウムヘキサメチルジシラジド、LC:液体クロマトグラフィー、LC−MSまたはLCMS:液体クロマトグラフィー−質量スペクトル、LDA:リチウムジイソプロピルアミド、LHMDS:リチウムヘキサメチルジシリルアミド−LiN(SiMe、M:モル、Me:メチル、mg:ミリグラム、MHz:メガヘルツ、min:分、mL:ミリリットル、mmol:ミリモル、MPLC:中圧液体クロマトグラフィー、MSまたはms:質量スペクトル、Ms:メシル(メタンスルホニル)、N:規定、NaHMDS:ナトリウムヘキサメチルジシラジド、N/A:該当せず、NMR:核磁気共鳴、PCy3:トリシクロヘキシルホスフィン、Pd(dba):トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、Ph:フェニル、psi:1平方インチ当たりのポンド、PyBOP:(ベンゾトリアゾル−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩、rtまたはRT:室温、Rt:保持時間、TFA:トリフルオロ酢酸、THF:テトラヒドロフラン、TLC:薄層クロマトグラフィー、uL、ul、μLまたはμl:マイクロリットル、UV:紫外、XRPD:粉末X線回折パターン。
【0133】
放射性核種を取り込んだカンナビノイド−1受容体修飾因子は、最初に、ヨードまたはブロモ部分を場合によって取り込んだ非標識化合物を合成し、次いで、当技術分野でよく知られている技術を用いて水素またはハロゲン部分を適切な放射性核種と交換して調製することができる。あるいは、放射性標識カンナビノイド−1受容体修飾因子は、放射性標識アルキル化剤を用いたアルキル化により調製することができる。標識および非標識カンナビノイド−1受容体修飾因子の合成は、以下に記載する。
【0134】
上の合成シーケンスにおいて、関係するいずれかの分子上の感受性もしくは反応基を保護することが必要かつ/または望ましいと思われる。これは、有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)、J.F.W.McOmie編、Plenum Press、1973およびT.W.GreeneおよびP.G.M.Wutz、有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)、John Wiley & Sons、1991に記載されているような通常の保護基により達成することができる。保護基は、当技術分野で知られている方法を用いて通常の後続段階で除去することができる。
【0135】
特に、アミノ部分は、例えばアルコキシカルボニル誘導体、例えば、tert−ブトキシカルボニルおよびトリクロロエトキシカルボニル、またはベンジル、トリチルもしくはベンジルオキシカルボニル誘導体の形成により保護することができる。その後の保護基の除去は、通常の方法により達成される。例えば、tert−ブトキシカルボニル基は、酢酸エチルまたはジオキサンのような溶媒中で塩化水素ガスにより除去することができ、ベンジルまたはベンジルオキシカルボニル基は、触媒、例えば、白金の存在下で水素化分解により除去することができ、トリクロロエトキシカルボニル基は、亜鉛ダストにより除去することができ、トリチル基は、酸性条件下で標準的な方法により除去することができる。
【0136】
ヒドロキシ基を保護する必要がある場合、これは、エステルまたはトリアルキルシリル、テトラヒドロピランまたはベンジルエーテルの形成により行うことができる。そのような誘導体は標準的な方法により脱保護することができ、したがって、例えば、テトラヒドロピランエーテル誘導体は、メタノール中塩酸を用いて脱保護することができる。
【0137】
場合によって、反応を促進するため、または好ましくない反応生成物を避けるために、以下の反応スキームを行う順序を変えることができる。
【0138】
本発明の化合物は、添付するスキームに示す方法により調製することができる。
【0139】
【化10】

【0140】
スキーム1において、適切に置換されているアミンAを標準的なアミド結合形成条件下でカルボン酸Bと反応させて、アリールアミドCを得る。
【0141】
本発明を例示するために、以下の実施例を含める。これらの実施例は、本発明を限定しない。それらは、本発明を実施に移す方法を提案することのみを意味するものである。当業者は、当業者に容易に明らかである本発明を実施する他の方法を見いだすことができる。しかし、それらの方法も本発明の範囲内に入ると考えられる。
【0142】
【化11】

【0143】
スキーム2において、ハロ置換アリールアミンAを適切なアミン保護試薬(例えば、Boc無水物)で処理してN−Boc−アミンBを得る。Bにおけるハロゲン化物を適切なパラジウム触媒、ホスフィンおよび塩基の存在下でビス(ピナコラト)二ホウ素と反応させてアリールボロナートCを得る。ボロナートCをアセトン中で過硫酸塩試薬(オキソン)で酸化して、フェノールDを得る。DにおけるN−Boc基を酸の存在下で除去してアミンEを得、これを酸FとカップリングさせてフェノールアミドGを得る。Gにおけるフェノールを、塩基の存在下で[11C]−ヨウ化メチル、[18F]−臭化フルオロメチルまたは[18F]−臭化フルオロエチルなどの適切な放射性核種含有試薬でアルキル化してそれぞれエーテルH、IまたはJを得る。
【0144】
【化12】

【0145】
同様に、スキーム3において、ハロ置換アリールアミンAを適切なアミン保護試薬(例えば、Boc無水物)で処理してN−Boc−アミンBを得る。Bにおけるハロゲン化物を適切なパラジウム触媒、ホスフィンおよび塩基の存在下でビス(ピナコラト)二ホウ素と反応させてアリールボロナートCを得る。ボロナートCをアセトン中で過硫酸塩試薬(オキソン)で酸化して、フェノールDを得る。DにおけるN−Boc基を酸の存在下で除去してアミンEを得、これを酸FとカップリングさせてフェノールアミドGを得る。Gにおけるフェノールを、塩基の存在下で[11C]−ヨウ化メチル、[18F]−臭化フルオロメチルまたは[18F]−臭化フルオロエチルなどの適切な放射性核種含有試薬でアルキル化してそれぞれエーテルH、IまたはJを得る。
【0146】
【化13】

【0147】
あるいは、スキーム4に示すように、アミンAを、ヒドロキシル基を含む芳香族カルボン酸Bでアシル化して、アミドCを生成させる。Cにおける芳香族アルコールを、塩基の存在下で[11C]−ヨウ化メチル、[18F]−臭化フルオロメチルまたは[18F]−臭化フルオロエチルなどの適切な放射性核種含有試薬でアルキル化してそれぞれエーテルD、EまたはFを得る。
【0148】
【化14】

【0149】
スキーム5に略述されているように、ハロゲン含有アミドA、BまたはCを水性DMF中で[11C]−シアニド、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンで処理して、それぞれ[11C]−アリールニトリルD、EまたはFを得る。
【0150】
以下の実施例は、さらなる例示のみの目的のために示すものであり、開示した発明に対する制限であることを意図するものではない。
【0151】
一般的手順
LC/MS分析は、4.5分間にわたる10〜95%Bの溶媒勾配の後に0.5分間95%Bとして、2.5mL/分で溶出させるYMC ODS−A 4.6×50mmカラムを用いたAGILENT 1100シリーズHPLCに連結させたMICROMASS ZMD質量分析計を用いて実施した。ここで、溶媒A=水中0.06%TFA、溶媒B=アセトニトリル中0.05%TFAである。H−NMRスペクトルは、示すようにCDClまたはCDOD中で500MHz VARIAN分光計で得、化学シフトは、溶媒ピークを基準として用いてδとして報告し、カップリング定数は、ヘルツ(Hz)単位で報告する。
【0152】
(参照実施例1)
18F]フルオロブロモメタンおよび[18F]フルオロブロモメタン−d
ステップA 放射性核種生成([18F]フッ化物)
18は、核反応18O(p,n)18Fによって得た。これは、18Oに富む水を含む銀標的に加速プロトン(11MeV)で衝撃を加えて実現した。放射性核種の生成には、サイクロトロン(Siemens RDS 111サイクロトロン)および一次標識前駆体の生成用システムを用いる。[18F]Fは、放射化学施設への輸送のために陰イオン交換樹脂の上にのせた。
【0153】
ステップB 18からの水の除去
18F]F樹脂を1.5mLの80:20MeCN:シュウ酸カリウムの溶液(水性)で溶出した。シュウ酸カリウム溶液は、0.05mLの(200mg K/3mg KCO/5mL HO)+0.25mLのHO+1.2mLのMeCNを混合して調製した。この水性[18F]F溶液を0.2mLのKryptofix222(36mg/mL MeCN)で処理した。溶媒を真空/熱/アルゴン流のもとで除去し、[18F]−KFをアセトニトリル(約3×0.7ml)を用いた95〜115℃での3回の共沸蒸留によりさらに乾燥した。この乾燥過程は、アルゴン流のもとにマイクロ波加熱を用いて行ってもよい。
【0154】
ステップC 18F]フルオロブロモメタンまたは[18F]フルオロブロモメタン−dの合成
標識前駆体[18F]FCHBr(または[18F]FCDBr)は、相間移動触媒(Kryptofix−2.2.2)を用いてジブロモメタンまたはジブロモメタン−d2から求核置換反応により合成した。標的水の除去の後に得られた残留物をMeCN(1mL)中CHBr(またはCDBr)(0.05mL)の溶液で処理し、反応物を95℃に加熱した。アルゴン流を用いて[18F]FCHBr(または[18F]FCDBr)を蒸留して、アルキル化する前駆体を含む容器中に入れた。
【0155】
(参照実施例2)
2−[18F]フルオロブロモメタン
18F]−KFの乾燥の後に得られた残留物を1,2−ジクロロベンゼン(0.7mL)中ブロモエチルトリフラート(5μL)の溶液で処理し、アルゴン気流下115℃で加熱した。生成した[18F]FCHCHBrを反応装置からアルキル化する前駆体を含む溶液中に留出させた。
【0156】
(参照実施例3)
11C]ヨードメタン
Siemens RDS−111サイクロトロンを用いて[11C]COを生成させた。5%酸素を含むN−14ガス標的に11MeVプロトンビームを照射して[11C]COを生成させる。4ポート2方バルブを切り替えることにより、大気から分離され、鉛容器内に設置した、カーボスフェア(carbosphere)を充填した外径1/8インチの銅管内に[11C]COを室温で捕集した。[11C]COを放射化学施設に輸送し、GE Medical Systems PETrace MeI Microlabを用いて[11C]MeIに変換した。
【0157】
(参照実施例4)
N−(1S,2S)−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]アミン塩酸塩
ステップA 3−(4−クロロフェニル)−2−(3−ブロモフェニル)プロパン酸(S)−メチルベンジルアミン塩
−28℃の6.5LのTHF中3−ブロモフェニル酢酸(3.3kg、15mol)および塩化p−クロロベンジル(2.6kg、16mol)の溶液にリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(テトラヒドロフラン中1M、31L、31mol)を加えた。反応混合物を0℃で2時間熟成させ、次いで、2.5N HCl(18L)で反応を停止させた。有機層を水(8L)で洗浄し、ロータリーエバポレータで濃縮し、残留物を10Lのトルエンで希釈した。次いで、(S)−メチルベンジルアミンを加え、ろ過により沈殿を収集し、窒素気流中で12時間乾燥して、ラセミ酸の塩を得た。メタノールからの再結晶により表題化合物を得た。
【0158】
ステップB 4−(4−クロロフェニル)−3−(3−ブロモフェニル)−2−ブタノン
3−(4−クロロフェニル)−2−(3−ブロモフェニル)プロパン酸、トルエン(39L)中(S)−メチルベンジルアミン塩(2.2kg、4.7mol)および水(38L)に5N HCl(1.5L)を加えた。30分間撹拌した後、有機層を分離し、20Lに濃縮し、N,N−ジメチルホルムアミド(16ml)および塩化オキサリル(0.49L、5.6mol)を1時間にわたって加えた。30分間撹拌した後、得られた粗塩化アシルを、水(13L)、炭酸カリウム(2.6kg、19mol)およびN−メトキシ−N−メチルアミン塩酸塩(0.69kg、7.1mol)の混合物中に徐々に移した。30分間撹拌した後、反応物を水(12L)で希釈し、有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮して油状物とし、さらに精製せずに用いた。そのようにして得られた10℃のトルエン(16L)およびテトラヒドロフラン(5L)中油状物に塩化メチルマグネシウム(テトラヒドロフラン中3M、2.0L、6.0mol)を1時間にわたって加えた。30分間撹拌した後、pHが7.5に達するまで47Lの20%水性塩化アンモニウムを加えて反応を停止させた。有機層を分離し、水(16L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮して表題の化合物を油状物として得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.40(d,1H)、7.36(s,1H)、7.28〜7.10(m,4H)、7.04(d,2H)、4.06(dd,1H)、3.28(dd,1H)、2.84(dd,1H)、2.03(s,3H)。
【0159】
ステップC 4−(4−クロロフェニル)−3−(3−ブロモフェニル)−2−ブタノール
−60℃のテトラヒドロフラン(8.4L)中4−(4−クロロフェニル)−3−(3−ブロモフェニル)−2−ブタノン(1.55kg、4.6mol)の溶液にL−selectride(テトラヒドロフラン中1.0M、5.3L、5.3mol)を加え、反応混合物を室温まで一夜にわたり徐々に加温した。混合物を0℃に冷却し、アセトン、水性水酸化ナトリウム(2.5N、8.5L、21mol)および30%過酸化水素(2.1L、21mol)を徐々に加えて反応を停止させる。室温で13時間撹拌した後、反応混合物をトルエン(30L)で希釈した。有機層を分離し、水(2×12L)で洗浄し、濃縮して表題の化合物を油状物として得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.40(s,1H)、7.30(d,1H)、7.28〜7.10(m,4H)、7.04(d,2H)、3.98(m,1H)、3.12(dd,1H)、2.90(dd,1H)、2.80(m,1H)、1.08(d,3H)。
【0160】
ステップD 4−(4−クロロフェニル)−3−(3−シアノフェニル)−2−ブタノール
ジメチルホルムアミド/水(容積比99:1、全15L)中4−(4−クロロフェニル)−3−(3−ブロモフェニル)−2−ブタノール(1.5kg、4.6mol)の溶液にシアン化亜鉛(0.39kg、3.3mol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(115g、0.21mol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(76g、0.08mol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、脱気し、115℃で6時間加熱した後、室温に冷却した。次いで、トリブチルホスフィン(46mL、0.17mol)を加えた。1時間撹拌した後、水性アンモニア(1.56L)を用いて反応を停止させた。1時間撹拌した後、混合物をソルカフロック(solka floc)によりろ過し、ケーキを酢酸イソプロピルで洗浄した。ろ液を水(5L)で洗浄し、水層を酢酸イソプロピル(4L)で抽出した。有機層を合わせ、水(10L×2)で洗浄し、濃縮して表題の化合物を得た。これをトルエンと共沸させた後に次の反応に用いた。
【0161】
ステップE 4−(4−クロロフェニル)−3−(3−シアノフェニル)−2−メチルスルホニルオキシブタン
0℃のトルエン(10L)中4−(4−クロロフェニル)−3−(3−シアノフェニル)−2−ブタノール(1.0kg、3.5mol)の溶液にトリエチルアミン(684mL、4.9mol)および塩化メタンスルホニル(353mL、4.6mol)を加えた。5分間撹拌した後、反応混合物をろ過し、沈殿をトルエン(8L)で洗浄した。ろ液を重炭酸ナトリウム(6L、50%飽和水溶液)および水(3L)で洗浄し、濃縮して表題の化合物を得た。
【0162】
ステップF 4−(4−クロロフェニル)−3−(3−シアノフェニル)−2−アジドブタン
N,N−ジメチルホルムアミド(4.1L)中4−(4−クロロフェニル)−3−(3−シアノフェニル)−2−メチルスルホニルオキシブタン(1.1kg、2.9mol)の溶液にナトリウムアジド(378g、5.8mol)を加え、反応物を70℃で7時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を酢酸イソプロピル(11L)で希釈し、重炭酸ナトリウム(50%飽和水溶液)および水(5.5L)で洗浄した。有機層を分離し、Darco KB(254g)で一夜処理した。混合物をソルカフロックによりろ過し、トルエンで洗浄し、濃縮した。残留物をトルエン(1L)で希釈し、シリカゲルパッド上にのせ、90:10へキサン:酢酸エチルで溶出して表題化合物を得た。
【0163】
ステップG N−(1S,2S)−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]アミン
酢酸イソプロピル(3.3L)中4−(4−クロロフェニル)−3−(3−シアノフェニル)−2−アジドブタン(650g、2.1mol)の溶液にリンドラー触媒(130g)を加え、混合物を40psi、45℃で24時間、室温でさらに48時間水素化した。反応混合物をソルカフロックによりろ過し、ケーキを酢酸イソプロピルで十分に洗浄した。ろ液を約6Lに部分的に濃縮し、反応温度を18〜25℃に維持しながら酢酸イソプロピル中塩化水素(5〜6N)を加えた。一夜熟成させた後、ろ過により沈殿を収集し、を酢酸イソプロピル(1L×2)で2回洗浄した。沈殿物を酢酸イソプロピル(5.8L)に懸濁し、水性炭酸カリウム(1M、3.5L)を加えた。20分間撹拌した後、有機層を分離し、油状物に濃縮し、これを、Chiralpak ADカラム上分取HPLCによりヘプタン/エタノール/ジエチルアミン(70/30/0.1、流量:700mL/分)で溶出して精製し、表題化合物を得た。
【0164】
そのようにして得られた遊離アミンを直接用いるか、またはジオキサン中塩化水素(4N)で処理して対応する塩酸塩に変換することができる。LC−MS:m/e285(M+H)(2.2分)
【0165】
(参照実施例5)
N−[2−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]アミン塩酸塩(ジアステレオマーα)
ステップA (3−ブロモ−5−クロロフェニル)アセトン
100mLのトルエン中3,5−ジブロモフルオロベンゼン(50g、0.20mol)、酢酸イソプロペニル(22mL、0.20mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(1.8g、2.0mmol)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(4.4g、8mmol)の混合物を窒素中で100℃で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、シリカゲルカラム上に加え、これをヘキサン中0〜40%酢酸エチルで溶出して表題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDOD):δ7.23(d,1H)、7.22(s,1H)、6.96(d,1H)、3.81(s,2H)、2.20(s,3H)。
【0166】
ステップB 3−(3−ブロモ−5−クロロフェニル)−4−(4−クロロフェニル)−2−ブタノン
0℃の60mLのアセトニトリル中(3−ブロモ−5−クロロフェニル)アセトン(4.0g、17mmol)および塩化4−クロロベンジル(2.2g、14mmol)の激しく撹拌した溶液に炭酸セシウム(11g、35mmol)を加え、反応物を一夜室温に加温した。反応混合物を酢酸エチル(200mL)と飽和水性塩化アンモニウム(200mL)とに分配した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.21(s,1H)、7.19(d,2H)、7.04(d,2H)、6.97(d,1H)、6.87(d,1H)、4.16(dd,1H)、3.25(dd,1H)、2.86(dd,1H)、2.03(s,3H)。
【0167】
ステップC 2−アジド−3−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−4−(4−クロロフェニル)ブタン
表題化合物は、3−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−4−(4−クロロフェニル)−2−ブタノンから参照実施例4のステップC、EおよびFに記載した手順に従って調製した。
H NMR(500MHz,CDOD):δ7.18(s,1H)、7.18(d,1H)、7.16(d,2H)、6.98(d,2H)、6.93(d,1H)、3.80(m,1H)、3.33(m,1H)、2.92〜2.80(m,2H)、1.98(d,3H)。
【0168】
ステップD 2−(N−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−4−(4−クロロフェニル)ブタン
酢酸エチル(20mL)中2−アジド−3−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−4−(4−クロロフェニル)ブタン(2.6g、7.1mmol)の溶液に重炭酸ジ(tert−ブチル)(2.0g、9.2mmol)および二酸化白金(0.26g)を加えた。混合物を脱気し、バルーンにより水素を充填した。1日撹拌した後、反応混合物をCELITE珪藻土によりろ過し、ろ液を濃縮して粗生成物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.13(d,2H)、7.12(d,1H)、7.05(s,1H)、6.95(d,2H)、6.83(d,1H)、3.82(m,1H)、3.18(dd,1H)、2.87(m,1H)、2.77(dd,1H)、1.45(s,9H)、0.97(d,3H)。
【0169】
ステップE N−[2−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]アミン塩酸塩(ジアステレオマーα)
酢酸エチル中2−(N−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−4−(4−クロロフェニル)ブタンの溶液にジオキサン中塩化水素(4M)を加えた。室温で30分間撹拌した後、混合物を濃縮乾燥して表題化合物を得た。LC−MS:m/e356(M+H)(2.9分)
(参照実施例6)
N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−1−メチルプロピル]アミン塩酸塩(ジアステレオマーα)
ステップA 2−(N−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−4−(4−クロロフェニル)ブタン
表題化合物は、2−(N−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)−4−(4−クロロフェニル)ブタン(参照実施例5、ステップD)から参照実施例4のステップDで述べた手順に従って調製した。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.32(d,1H)、7.28(s,1H)、7.21(br d,1H)、7.12(d,2H)、6.96(d,2H)、3.87(m,1H)、3.19(dd,1H)、3.04(m,1H)、2.83(dd,1H)、1.46(s,9H)、0.98(d,3H)。
【0170】
ステップB N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−1−メチルプロピル]アミン塩酸塩(ジアステレオマーα)
4mLの酢酸エチル中2−(N−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−4−(4−クロロフェニル)−3−フェニルブタン(1.2g、3.0mmol)の溶液にジオキサン中塩化水素(4M、2mL、8mmol)を加えた。室温で30分間撹拌した後、混合物を濃縮して乾燥し、表題化合物を得た。LC−MS:m/e303(M+H)(2.3分)
【0171】
(参照実施例7)
N−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]アミン塩酸塩(ジアステレオマーα)
ステップA 3−シアノフェニルアセトン
表題化合物は、参照実施例5のステップAに記載した手順に従って、ステップAにおける3,5−ジブロモフルオロベンゼンの代わりに3−ブロモベンゾニトリルを用い、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンの代わりに2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニルを用いて調製した。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.6(m,1H)、7.56(br s,1H)、7.50〜7.48(m,2H)、3.88(s,2H)、2.21(s,3H)。
【0172】
ステップB N−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]アミン塩酸塩(ジアステレオマーα)
表題化合物は、参照実施例5のステップB〜Eに記載した手順に従って、ステップBにおける3−ブロモ−5−クロロフェニル)アセトンの代わりに3−シアノフェニルアセトンを用い、塩化4−クロロベンジルの代わりに塩化4−メトキシベンジルを用い調製した。LC−MS:m/e281(M+H)(3.2分)
【0173】
(参照実施例8)
N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]アミン塩酸塩
ステップA (2S,3S)−2−(N−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(3−シクロフェニル)−4−(4−クロロフェニル)ブタン
0℃のジクロロメタン(50mL)中N−(1S,2S)−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]アミン(参照実施例4、5.3g、19mmol)の溶液にジ(tert−ブチル)重炭酸塩(4.9g、22mol)およびジイソプロピルエチルアミン(4.3mL、24mmol)を加えた。室温で一夜撹拌した後、反応混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、水(200mL×2)および食塩水で洗浄し、濃縮した。残留物をシリカゲル上フラッシュカラムクロマトグラフィーによりヘキサン中0〜25%酢酸エチルで溶出して精製し、表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.52(m,1H)、7.45〜7.36(m,3H)、7.11(d,2H)、6.93(d,2H)、3.90(m,1H)、3.22(dd,1H)、2.98(m,1H)、2.82(dd,1H)、1.48(s,9H)、0.95(d,3H)。
【0174】
ステップB (2S,3S)−2−(N−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(3−シクロフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン
(2S,3S)−2−(N−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(3−シクロフェニル)−4−(4−クロロフェニル)ブタン(2.0g、5.2mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.1g、8.4mmol)、酢酸カリウム(1.3g、13mmol)およびトリシクロヘキシルホスフィン(0.18g、0.63mmol)の混合物に窒素中で無水ジオキサン(20mL)を加え、窒素で20分間フラッシュした後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.24g、0.26mmol)を加えた。反応物を室温で30分間撹拌し、次いで、95℃で一夜加熱した。反応混合物を室温に冷却し、飽和重炭酸ナトリウム(100mL)と酢酸エチル(100mL)とに分配した。有機層を分離し、水および食塩水で洗浄し、濃縮して乾燥した。残留物をシリカゲル上フラッシュカラムクロマトグラフィーによりヘキサン中0〜30%酢酸エチルで溶出して精製してボロン酸エステル(2.5g)を得た。次いで、ボロン酸エステルをアセトン(25mL)およびテトラヒドロフラン(25mL)に溶解し、エタノール/氷浴で冷却し、水(25mL)および水酸化ナトリウム(0.32g、7.9mmol)、重炭酸ナトリウム(3.5g、42mmol)を加えた。反応混合物を5℃以下に維持しながら、25mLの水に溶解したオキソン(Oxone)(3.2g、5.2mmol)を0.5時間にわたって加えた。0℃で10分間撹拌した後、二硫化ナトリウム(2.2g、21mmol)を加えて反応を停止させた。反応混合物を15分間撹拌し、水(200mL)とメチルtert−ブチルエーテル(100mL)とヘプタン(100mL)とに分配した。有機層を分離し、水(200mL)および食塩水で洗浄し、濃縮して乾燥し、表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.50(m,1H)、7.38(m,3H)、6.75(d,2H)、6.56(d,2H)、3.88(m,1H)、3.14(dd,1H)、2.93(m,1H)、2.73(dd,1H)、1.48(s,9H)、0.94(d,3H)。
【0175】
ステップC N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−ヒドロフェニル)−1−メチルプロピル]アミン塩酸塩
表題化合物は、(2S,3S)−2−(N−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(3−シアノフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)ブタンから参照実施例5のステップEに記載した手順に従って調製した。LC−MS:m/e267(M+H)(2.1分)
【0176】
(参照実施例9)
N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}アミン塩酸塩
ステップA (2S,3S)−2−(N−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(3−シアノフェニル)−4−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]ブタン
20mLのジメチルホルムアミド中(2S,3S)−2−(N−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(3−シアノフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(参照実施例8、0.97g、2.7mmol)の溶液に炭酸セシウム(1.3g、4.0mmol)およびメタンスルホン酸2−フルオロエチル(0.75g、5.3mmol)を加えた。65℃で1時間撹拌した後、反応物を室温に冷却し、エーテル(200mL)で希釈し、水(200mL×2)および食塩水で洗浄し、濃縮した。残留物をシリカゲル上フラッシュカラムクロマトグラフィーによりヘキサン中0〜40%酢酸エチルで溶出して精製し、表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.50(m,1H)、7.39(m,3H)、6.87(d,2H)、6.79(br d,1H)、6.71(d,2H)、4.70(m,1H)、4.60(m,1H)、4.12(m,1H)、4.08(m,1H)、3.90(m,1H)、3.18(dd,1H)、2.95(m,1H)、2.78(dd,1H)、1.48(s,9H)、0.95(d,3H)。
【0177】
ステップB N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}アミン塩酸塩
表題化合物は、2−(N−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(3−シアノフェニル)−4−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]ブタンから参照実施例5のステップEに記載した手順に従って調製した。LC−MS:m/e313(M+H)(2.4分)
【0178】
(参照実施例10)
N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]アミン塩酸塩(ジアステレオマーα)
表題化合物は、2−(N−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−4−(4−クロロフェニル)ブタン(参照実施例6、ステップA)から参照実施例8のステップBおよびCに記載した手順に従って調製した。LC−MS:m/e285(M+H)(2.0分)
【0179】
(参照実施例11)
2−メチル−2−(5−クロロ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
ステップA 2−メチル−2−(5−クロロ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸エチル
50mLのアセトニトリル中5−クロロ−2−ヒドロキシピリジン(5.0g、39mmol)、エチル2−ブロモイソブチラート(5.7mL、39mmol)および炭酸セシウム(25g、77mmol)の混合物を50℃に一夜加熱した。ロータリーエバポレータで濃縮して揮発性物質を除去し、残留物を水(100mL)とEtOAc(100mL)とに分配した。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し濃縮して乾燥し、残留物をシリカゲル上フラッシュカラムクロマトグラフィーによりヘキサン中5%EtOAcで溶出して精製し、表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.99(d,1H)、7.67(dd,1H)、6.68(d,1H)、4.13(q,2H)、1.64(s,6H)、1.14(t,3H)。LC−MS:m/e 244(M+H)(3.41分)。
【0180】
ステップB 2−メチル−2−(5−クロロ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
15mLのアセトニトリル中エチル2−メチル−2−(5−クロロ−2−ピリジルオキシ)プロピオナート(2.6g、11mmol)および水酸化ナトリウム(0.85g、21mmol)と15mLの水の混合物を50℃に一夜加熱した。ロータリーエバポレータで濃縮して揮発性物質を除去し、残留物を2M塩酸(100mL)とエーテル(100mL)とに分配した。有機層を分離し、水(2×50mL)で洗浄し、無水MgSO上で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.02(d,1H)、7.65(dd,1H)、6.77(d,1H)、1.62(s,6H)。LC−MS:m/e 216(M+H)(2.33分)。
【0181】
(参照実施例12)
2−メチル−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
表題化合物は、5−メチル−2−ヒドロキシピリジンから参照実施例11に記載した手順に従って調製した。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.85(s,1H)、7.47(dd,1H)、6.65(d,1H)、2.22(s,3H)、1.62(s,6H)。LC−MS:m/e 196(M+H)(2.3分)。
【0182】
(参照実施例13)
2−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
表題化合物は、参照実施例11に記載した手順に従って、ステップAにおける5−クロロ−2−ヒドロキシピリジンの代わりに4−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシピリジンを用いて調製した。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.30(d,1H)、7.18(d,1H)、7.05(s,1H)、1.71(s,6H)。
【0183】
(参照実施例14)
2−メチル−2−(6−トリフルオロメチル−4−ピリミジルオキシ)プロピオン酸
表題化合物は、参照実施例11に記載した手順に従って、ステップAにおける5−クロロ−2−ヒドロキシピリジンの代わりに6−トリフルオロメチル−4−ヒドロキシピリジンを用いて調製した。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.81(s,1H)、7.28(s,1H)、1.75(s,6H)。LC−MS:m/e 251(M+H)(2.1分)。
【0184】
(参照実施例15)
2−メチル−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
窒素中−70℃のテトラヒドロフラン中カリウムビス(トリメチルシリル)アミドの溶液(0.91M、275mL)にエチル−2−ヒドロキシイソブチラート(36mL、34.7g、0.263mol)を12分間にわたって加えた。さらに10分間撹拌した後、2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジンを一度に加えた。冷却浴を除去し、反応物を一夜にわたって室温まで加温した。水酸化ナトリウム(105mL、5N)を加え、反応物を一夜還流させた。ロータリーエバポレータで反応混合物を部分的に濃縮し、水(150mL)で希釈し、ヘキサン(2×150mL)で抽出した。水層を分離し、2N HCl(350mL、0.7mol)で酸性化し、得られた懸濁液を0℃に冷却した。20分間熟成させた後、沈殿物をろ過により収集し、水(4×150mL)で洗浄し、風乾して38.0gの黄褐色固体を得た(85.5%)。Darco KBで処理し、3:1ヘプタン/酢酸イソプロピルで再結晶化して、表題化合物を白色結晶性物質を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.38(br s,1H)、7.93(dd,1H)、7.13(d,1H)、1.70(s,6H)。LC−MS:m/e 250(M+H)(2.6分)。
【0185】
(参照実施例16)
2−メチル−2−(5−シアノ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
ステップA 2−メチル−2−(5−シアノ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸メチル
0℃のジクロロメタン(10mL)およびメタノール(10ml)中2−メチル−2−(5−クロロ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸(参照実施例11、1.0g、4.6mmol)の溶液に、黄色が持続するまでトリメチルシリルジアゾメタン(ヘキサン中2M)を加えた。室温で15分間撹拌した後、反応混合物を濃縮して乾燥し、粗メチルエステルを得た。これをさらに精製せずに用いた。粗メチルエステルをアセトニトリル(5mL)に溶解し、シアン化カリウム(0.45g、7.0mmol)、塩化トリブチルチン(0.10mL、0.37mmol)を加えた。混合物を脱気し、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.15g、0.16mmol)およびトリ(tert−ブチル)ホスフィン(10重量%、2.2mL、0.84mmol)を加え、さらに2回脱気した。80℃で一夜加熱した後、反応混合物を室温に冷却し、ジメチルスルホキシド(5mL)および水(2mL)で希釈し、ろ過した。ろ液を逆相HPLCカラムに加え、アセトニトリル中20〜100%水で溶出して、表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.43(d,1H)、7.97(dd,1H)、6.91(d,1H)、3.63(s,3H)、1.66(s,6H)。
【0186】
ステップB 2−メチル−2−(5−シアノ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
テトラヒドロフラン(2mL)および水(1mL)中2−メチル−2−(5−シアノ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸メチル(12mg)の溶液に水酸化リチウム一水和物(10mg)を加えた。室温で一夜撹拌した後、反応混合物を1N塩酸で酸性化し、得られた混合物を水(50mL)と酢酸エチル(50mL)とに分配した。有機層を分離し、水と食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.23(d,1H)、7.96(dd,1H)、6.91(d,1H)、1.64(s,6H)。
【0187】
(参照実施例17)
2−メチル−2−(5−フルオロ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
ステップA 2−(5−フルオロ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸ベンジル
50mLのCHCl中5−フルオロ−2−ヒドロキシピリジン(2.0g、18mmol)、乳酸ベンジル(3.2g、18mmol)およびトリフェニルホスフィン(9.3g、35mmol)の混合物に0℃でアゾジカルボン酸ジイソプロピル(7.0mL、35mmol)を加えた。反応物を一夜にわたって室温に加温した。得られた混合物をシリカゲルカラム上に加え、ヘキサン中0〜25%EtOAcで溶出して表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.81(d,1H)、7.50(ddd,1H)、7.36〜7.26(m,5H)、6.85(dd,1H)、5.24(q,1H)、5.16(ABq,2H)1.55(d,3H)。LC−MS:m/e 276(M+H)(3.6分)。
【0188】
ステップB 2−(5−フルオロ−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸ベンジル
−78℃の40mLの無水THF中2−(5−フルオロ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸ベンジル(2.9g、10mmol)およびヨウ化メチル(3.3mL、53mmol)の溶液にカリウムヘキサメチルジシラジド(トルエン中0.5M、32mL、16mmol)を加えた。反応物を3時間にわたって室温に加温し、飽和塩化アンモニウム(150mL)とEtOAc(150mL)とに分配した。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、残留物をシリカゲル上フラッシュカラムクロマトグラフィーによりヘキサン中0〜20%EtOAcで溶出して精製し、表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.63(d,1H)、7.44(ddd,1H)、7.27(m,3H)、7.18(m,2H)、6.74(dd,1H)、5.09(s,2H)1.64(s,6H)。LC−MS:m/e 290(M+H)(3.7分)。
【0189】
ステップC 2−(5−フルオロ−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸
20mLのMeOH中2−(5−フルオロ−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸ベンジル(2.6g、9.2mmol)および炭素上10%パラジウム(0.26mg)の混合物を脱気し、バルーンを用いて水素を満たした。室温で3時間撹拌した後、反応混合物をCELITE珪藻土でろ過し、MeOH(20mL)で洗浄し、ろ液を濃縮して乾燥し、表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.91(d,1H)、7.48(ddd,1H)、6.78(dd,1H)、1.65(s,6H)。LC−MS:m/e 200(M+H)(2.6分)。
【0190】
(参照実施例18)
2−(2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸
表題化合物は、参照実施例17に記載した手順に従って、ステップAにおける5−フルオロ−2−ヒドロキシピリジンの代わりに2−ヒドロキシピリジンを用いて調製した。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.04(dd,1H)、7.64(ddd,1H)、6.89(dd,1H)、6.76(dd,1H)、1.66(s,6H)。LC−MS:m/e 182(M+H)(1.5分)。
【0191】
(参照実施例19)
2−メチル−2−(4−メチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
2−メチル−2−(4−メチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸は、参照実施例17に記載した手順に従って、ステップAにおける5−フルオロ−2−ヒドロキシピリジンの代わりに4−メチル−2−ヒドロキシピリジンを用いて調製した。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.88(d,1H)、6.73(d,1H)、6.57(s,1H)、2.28(s,3H)、1.63(s,6H)。
【0192】
(参照実施例20)
2−メチル−2−(5−ジフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
ステップA 4−クロロ−3−ピリジンカルボキサルデヒド
−78℃のエーテル(100mL)およびテトラヒドロフラン(100mL)中2−クロロ−5−ヨードピリジン(18g、75mmol)の溶液にtert−ブチルリチウム(ペンタン中1.7M、60mL、100mmol)を加えた。−78℃で30分間撹拌した後、N,N−ジメチルホルムアミド(11mL、150mmol)を加え、反応物を30分間にわたって0℃に加温し、氷(200g)、濃塩酸(20mL)およびエーテル(200mL)の撹拌混合物中に注加した。有機層を分離し、水と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥した。残留物をシリカゲル上フラッシュカラムクロマトグラフィーによりヘキサン/ジクロロメタン(1:1)中0〜10%エーテルで溶出して精製し、表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ10.18(s,1H)、8.90(s,1H)、8.17(d,1H)、7.55(d,1H)。
【0193】
ステップB 4−クロロ−3−ジフルオロメチルピリジン
−78℃の15mLのジクロロメタン中4−クロロ−3−ピリジンカルボキサルデヒド(3.7g、26mmol)の溶液に三フッ化(ジメチルアミノ)硫黄(15mL、0.15mol)を加え、反応物を一夜にわたって室温に加温した。反応物を氷(100g)と硫化ナトリウム(10g)の混合物に注意深く移して、反応を停止させた。生成物をエーテル(100mL×2)で抽出し、合わせた抽出物を水と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥した。残留物をシリカゲル上フラッシュカラムクロマトグラフィーによりヘキサン中0〜10%エーテルで溶出して精製し、表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.59(s,1H)、7.84(d,1H)、7.48(d,1H)、6.74(t,1H)。
【0194】
ステップC 2−メチル−2−(5−ジフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
表題化合物(1.6g)は、4−クロロ−3−ジフルオロメチルピリジン(3.0g)から参照実施例15で記載した手順に従い、以下の修正を加えて調製した。エステル中間体は、シリカゲル上フラッシュカラムクロマトグラフィーによりヘキサン中0〜10%エーテルで溶出して精製した。表題化合物へのエステルの加水分解は、メタノール/テトラヒドロフラン/水中水酸化リチウムを用いて行った。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.22(d,1H)、7.82(dd,1H)、6.88(d,1H)、6.77(t,1H)、1.64(s,6H)。
【0195】
(参照実施例21)
N−[2−(3−ブロモ−5−シアノフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]アミン塩酸塩(ジアステレオマーα)
表題化合物は、参照実施例5で記載した手順に従って、ステップAにおける3,5−ジブロモフルオロベンゼンの代わりに3,5−ジブロモシアノベンゼンを用い、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンの代わりに2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニルを用いて調製した。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.84(s,1H)、7.70(s,1H)、7.58(s,1H)、7.20(d,2H)、7.04(d,2H)、3.75(m,1H)、3.30(m,1H)、3.21(m,1H)、2.95(m,1H)、1.19(d,3H)。
【0196】
(参照実施例22)
N−[3−(4−フルオロフェニル)−2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−1−メチルプロピル]アミン塩酸塩(ジアステレオマーα)
表題化合物は、参照実施例6で記載した手順に従って、ステップBにおける塩化4−クロロベンジルの代わりに塩化4−フルオロベンジルを用いて調製した。LC−MS:m/e340(M+H)(3.0分)
【0197】
(実施例1(方法A))
【0198】
【化15】

【0199】
N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−[18F]−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
【0200】
ステップA N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
トルエン(1.5L)中2−メチル−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸(参照実施例15、159g、0.64mol)の溶液に窒素下で塩化チオニル(93mL、1.3mmol)を加えた。1時間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、残留物をアセトニトリル(1.2L)に懸濁した。混合物を氷水浴で冷却し、アセトニトリル(127mL)およびトリエチルアミン(89mL、0.64mol)中N−(1S,2S)−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]アミン(参照実施例4、151g、0.53mol)を、反応温度を5〜10℃に維持しつつ加えた。30分間撹拌した後、反応混合物を水(1.6L)と酢酸イソプロピル(2.7L)とに分配した。有機層を分離し、2N NaOH(2×1.2L)と水(1.2L)で洗浄し、シリカゲルプラグ(4.9kg)に通してろ過し、これを酢酸エチル/へキサン(30:70、約82L)で洗浄した。画分を含む化合物を合わせ、濃縮して粗表題化合物を得た。酢酸イソプロピル/シクロヘキサンからの結晶化と酢酸イソプロピル/ヘプタンからの再結晶化により、純粋な化合物が得られた。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.30(d,1H)、8.01(br d,1H)、7.97(dd,1H)、7.52(d,1H)、7.43〜7.33(m,3H)、7.07(d,1H)、7.06(d,2H)、6.72(d,2H)、4.28(m,1H)、3.07(dd,1H)、2.88(td,1H)、2.65(dd,1H)、1.79(s,3H)、1.76(s,3H)、0.83(d,3H)。LC−MS:m/e 516(M+H)(3.9分)。
【0201】
ステップB N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−[18F]−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
18F]F(約225mCi、参照実施例1)の乾燥後に得られた残留物をベンゼン(0.2mL)中N−(1S,2S)−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(1.6mg)の溶液で処理し、95℃で45分間加熱した。反応混合物をMeCN(0.3mL)およびHO(0.5mL)で希釈し、HPLC(Waters C18 XTerra、7.8×150mm、3mL/分、50%A:B〜90%A:Bで10分間直線勾配、90%Aで10分間保持、A=MeCN、B=95:5:0.1HO:MeCN:TFA、保持時間約8分)に注入した。フラクションコレクタを用いてHPLCからの画分を収集したところ(1分/チューブ)、[18F]−N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドに対応する画分は28mCiのN−(1S,2S)−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−[18F]−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを含んでいた。
【0202】
(実施例2(方法B))
【0203】
【化16】

【0204】
N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−[18F]−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
【0205】
ステップA tert−ブチルジメチルシリル−2−メチル−2−(5−ジフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオナート
50mLのジメチルホルムアミド中2−メチル−2−(5−ジフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸(参照実施例20、1.7g、6.6mmol)および塩化tert−ブチルジメチルシリル(2.0g、13mmol)およびイミダゾール(1.0g、15mmol)の溶液を室温で一夜撹拌した。反応混合物を水(200mL)とエーテル(200mL)とに分配した。有機層を分離し、水と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、残留物を真空下で乾燥して表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.20(d,1H)、7.75(d,1H)、6.85(d,1H)、6.65(t,1H)、1.72(s,6H)、0.77(s,9H)、0.24(s,6H)。
【0206】
ステップB 2−(5−ブロモジフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸
15mLの四塩化炭素中tert−ブチルジメチルシリル−2−メチル−2−(5−ジフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオナート(1.0g、2.9mmol)およびN−ブロモスクシンイミド(1.2g、6.7mmol)の混合物を脱気し、太陽光ランプで1日間照射した。他のバッチのN−ブロモスクシンイミド(1.0g、5.1mmol)を加え、照射をさらに1日間継続した。得られた混合物を濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、2N塩酸(15mL)を加えた。室温で30分間撹拌した後、生成物をエーテル(50mL×2)で抽出した。合わせた抽出物を水と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、粗2−(5−ブロモジフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸ならびに2−(5−ジフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸を得た。これをさらに精製せずに用いた。LC−MS:m/e310(M+H)(2.3分)
【0207】
ステップC N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−ブロモジフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドおよびN−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−ジフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
ステップBの粗2−(5−ブロモジフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸を対応する塩化アシルに変換し、実施例1で記載した手順に従って、塩基としてトリエチルアミンの代わりにN−メチルモルホリンを用いてN−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]アミン塩酸塩(参照実施例4)と反応させた。生成物をシリカゲル上フラッシュカラムクロマトグラフィーによりヘキサン中5〜50%酢酸エチルで溶出して精製し、2つの表題化合物を得た。これらをChiralpak(商標) AD−Hカラム上HPLCによりヘキサン中10%エタノールで溶出してさらに精製した。
【0208】
N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−ブロモジフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(Chiralpak(商標) ADカラム上迅速溶出異性体):H NMR(500MHz,CDOD)δ8.27(d,1H)、7.99(br d,1H)、7.95(dd,1H)、7.50(br d,1H)、7.40〜7.31(m,3H)、7.07〜7.02(m,3H)、6.71(d,2H)、4.27(m,1H)、3.04(dd,1H)、2.86(m,1H)、2.63(dd,1H)、1.77(s,3H)、1.74(s,3H)、0.81(d,3H)。LC−MS:m/e 576(M+H)(4.1分)。
【0209】
N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−ジフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(Chiralpak(商標) ADカラム上緩徐溶出異性体):H NMR(500MHz,CDCl):δ8.22(d,1H)、7.83(dd,1H)、7.50(br d,1H)、7.34(t,1H)、7.28〜7.23(m,2H)、7.11(d,2H)、6.90(d,1H)、6.74(d,2H)、6.61(t,1H)、4.37(m,1H)、3.17(dd,1H)、2.84(ABX,2H)、1.78(s,3H)、1.73(s,3H)、0.90(d,3H)。LC−MS:m/e 498(M+H)(2.8分)。
【0210】
ステップC N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−[18F]−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
Kryptofix222の存在下でマイクロ波加熱(約45W)を用いて[18F]F(約300mCi)を乾燥した。DMSO(0.2mL)中N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−ブロモジフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(0.9mg)の溶液をマイクロ波キャビティ内のバイアルに移し、パルス間に20秒の間隔をおいて3×10秒サイクルでパルスした。反応混合物をHO(0.6mL)で希釈し、HPLC(Waters C18 XTerra、7.8×150mm、3mL/分、50%A:B〜90%A:Bで10分間直線勾配、90%Aで10分間保持、A=MeCN、B=95:5:0.1HO:MeCN:TFA、保持時間約8分)に注入した。フラクションコレクタを用いてHPLCからの画分を収集したところ(1分/チューブ)、[18F]−N−(1S,2S)−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドに対応する画分は9.3mCiの[18F]−N−(1S,2S)−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを含んでいた。
【0211】
(実施例3)
【0212】
【化17】

【0213】
N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−[11C]−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
ステップA N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドは、N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(実施例1)から、参照実施例8のステップBに記載した手順に従ってトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムおよび2−[ジ(tert−ブチル)ホスフィノ]ビフェニルを触媒として用いて調製した。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.30(d,1H)、7.95(dd,1H)、7.50(br d,1H)、7.40〜7.32(m,3H)、7.08(d,1H)、6.55(d,2H)、6.49(d,2H)、4.25(m,1H)、3.00(dd,1H)、2.85(td,1H)、2.58(d,1H)、1.78(s,3H)、1.74(s,1H)、0.82(d,3H)。LC−MS:m/e 498(M+H)(3.5分)。
【0214】
ステップB N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−[11C]−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
CsCOを含むDMF(0.2mL)中N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(0.3mg)のRT混合物中に[11C]MeIを捕集した。反応混合物を100℃の2mL vバイアルに移し、4分間加熱し、HO(0.8mL)で希釈し、HPLC(Waters C18 XTerra、7.8×150mm、3mL/分、30%A:B〜95%A:Bで10分間直線勾配、95%Aで5分間保持、A=MeCN、B=95:5:0.1HO:MeCN:TFA、保持時間約9.5分)に注入した。所望のピークをロータリーエバポレータ上の加熱丸底フラスコに収集した。溶液を濃縮し、真空下でセプタムを装着した5mL vバイアルに移した。丸底フラスコをエタノール(0.1mL)と生理食塩水(1〜2mL)ですすぎ、真空下で同じvバイアルに移して5.8mCiのN−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−[11C]−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを得た。
【0215】
(実施例4)
【0216】
【化18】

【0217】
N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−[18F]−ジ重水素−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
18F]FCDBrを蒸留して、CsCOを含むDMF(0.2mL)中実施例3のステップAのN−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(0.3mg)の0℃混合物中に入れた。反応混合物を100℃の2mL vバイアルに移し、5分間加熱し、HO(0.8mL)で希釈し、HPLC(Waters C18 XTerra、7.8×150mm、3mL/分、30%A:B〜95%A:Bで10分間直線勾配、95%Aで5分間保持、A=MeCN、B=95:5:0.1HO:MeCN:TFA、保持時間約9.5分)に注入した。所望のピークをロータリーエバポレータ上の加熱丸底フラスコに収集した。溶液を濃縮し、真空下でセプタムを装着した5mL vバイアルに移した。丸底フラスコをエタノール(0.1mL)と生理食塩水(1〜2mL)ですすぎ、真空下で同じvバイアルに移して11.8mCiのN−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−[18F]−ジ重水素−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを得た。
【0218】
(実施例5)
【0219】
【化19】

【0220】
N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
18F]FCHCHBrを蒸留して、CsCOを含むDMF(0.2mL)中実施例3のステップAのN−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(0.3mg)の室温の混合物中に入れた。反応混合物を100℃の2mL vバイアルに移し、5分間加熱し、HO(0.8mL)で希釈し、HPLC(Waters C18 XTerra、7.8×150mm、3mL/分、30%A:B〜95%A:Bで10分間直線勾配、95%Aで5分間保持、A=MeCN、B=95:5:0.1HO:MeCN:TFA、保持時間約9.5分)に注入した。所望のピークをロータリーエバポレータ上の加熱丸底フラスコに収集した。溶液を濃縮し、真空下でセプタムを装着した5mL vバイアルに移した。丸底フラスコをエタノール(0.1mL)と生理食塩水(1〜2mL)ですすぎ、真空下で同じvバイアルに移して6.6mCiを得た。
【0221】
(実施例6)
【0222】
【化20】

【0223】
N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−([18F]−2−フルオロエトキシ)フェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
【0224】
ステップA N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
0℃のアセトニトリル(2mL)中N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]アミン塩酸塩(参照実施例8、0.17g、0.49mmol)、2−メチル−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸(参照実施例12、96mg、0.49mmol)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(0.11g、0.59mmol)の溶液にピリジン(91uL、1.1mmol)を加えた。反応物を一夜にわたって室温に加温し、重炭酸ナトリウム(2mL)で飽和させて反応を停止させた。得られた混合物をtert−ブチルメチルエーテル(20mL)と水(20mL)に分配した。有機層を分離し、1M塩酸、水および食塩水で洗浄し、濃縮して乾燥した。残留物をシリカゲル上フラッシュカラムクロマトグラフィーによりヘキサン中10〜70%酢酸エチルで溶出して精製し、N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.85(br d,1H)、7.81(d,1H)、7.53〜7.80(m,2H)、7.38(t,1H)、7.34(br d,1H)、7.32(br s,1H)、6.80(d,1H)、6.51(ABq,4H)、4.26(m,1H)、3.01(dd,1H)、2.81(td,1H)、2.54(dd,1H)、2.12(s,3H)、1.73(s,3H)、1.67(s,3H)、0.83(d,3H)。LC−MS:m/e 444(M+H)(3.3分)。
【0225】
表題化合物は、表題化合物1g当たり3mLのメチルtert−ブチルエーテルから再結晶化して、以下のように特徴づけられた結晶形のものを得た。
【0226】
示差走査熱量測定(DSC)データは、クリンプパン中窒素雰囲気のもとで10℃/分の加熱速度で収集した。DSC曲線は、162.9℃の外挿開始温度、164.2℃のピーク温度および96J/gのエンタルピー変化を有する融解吸熱を示す。
【0227】
表題化合物は、以下の粉末X線回折パターン(XRPD)(図1に示すような)を示す。固有の回折ピークは12.6、7.8、6.5、4.8、4.2、4.1オングストロームのd間隔に対応する。粉末X線回折パターンは、PW3040/60コンソールを含むPhilips Analytical X’PertPRO X線回折システムにより得られた。PW3373/00セラミックCu LEF X線管Kα線を線源として用いた。
【0228】
ステップB N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−([18F]−2−フルオロエトキシ)フェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
18F]FCHCHBrを蒸留して、CsCOを含むDMF(0.2mL)中N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(0.3mg)の室温の混合物中に入れた。反応混合物を100℃の2mL vバイアルに移し、5分間加熱し、HO(0.8mL)で希釈し、HPLC(Waters C18 XTerra、7.8×150mm、3mL/分、30%A:B〜95%A:Bで10分間直線勾配、95%Aで5分間保持、A=MeCN、B=95:5:0.1HO:MeCN:TFA、保持時間約9分)に注入した。所望のピークをロータリーエバポレータ上の加熱丸底フラスコに収集した。溶液を濃縮し、真空下でセプタムを装着した5mL vバイアルに移した。丸底フラスコをエタノール(0.1mL)と生理食塩水(1〜2mL)ですすぎ、真空下で同じvバイアルに移して25mCiのN−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−([18F]−2−フルオロエトキシ)フェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを得た。
【0229】
(実施例7)
【0230】
【化21】

【0231】
N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−[11C]−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
【0232】
ステップA N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
10mLのCHCl中N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]アミン塩酸塩(参照実施例6、1.0g、3.0mmol)および2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸(参照実施例15、0.90g、3.6mmol)の溶液にN−メチルモルホリン(0.99mL、9.0mmol)およびトリス(ピロリンジニル)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(2.4g、4.5mmol)を加えた。室温で一夜撹拌した後、反応混合物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン中30%EtOAcで溶出してN−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドをラセミ体として得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.26(br s,1H)、7.96(d,1H)、7.93(dd,1H)、7.30(br d,1H)、7.22(s,1H)、7.15(br d,1H)、7.06(d,2H)、7.05(m,1H)、6.74(d,2H)、4.24(m,1H)、3.05(dd,1H)、2.91(m,1H)、2.63(dd,1H)、1.74(s,3H)、1.72(s,3H)、0.83(d,3H)。LC−MS:m/e 534(M+H)(4.2分)。
【0233】
上で得られたラセミ混合物を、分取HPLCによりChiralpak ADカラム(2cm×25cm)上ヘキサン中8%エタノールで溶出して鏡像異性体Aと鏡像異性体Bに分離した(流量9mL/分、1回注入当たり500μL)。
【0234】
より早く溶出する鏡像異性体(鏡像異性体A):分析HPLC:保持時間=8.2分(Chiralpak ADカラム、流量=0.75mL/分、8%エタノール/ヘキサン)。LC−MS:m/e534(M+H)(4.2分)
より遅く溶出する鏡像異性体(鏡像異性体B):分析HPLC:保持時間=11.0分(Chiralpak ADカラム、流量=0.75mL/分、8%エタノール/ヘキサン)。LC−MS:m/e534(M+H)(4.2分)
【0235】
ステップB N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドは、N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(ステップA、より遅く溶出する鏡像異性体)から、実施例8のステップBに記載の手順に従ってトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムおよびトリ(tert−ブチル)ホスフィンを触媒として用いて調製した。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.27(d,1H)、7.96(br s,1H)、7.94(d,1H)、7.93(d,1H)、7.30(m,1H)、7.18(br s,1H)、7.14(m,1H)、7.04(d,1H)、6.65(ABq,4H)、4.24(m,1H)、3.03(dd,1H)、2.88(m,1H)、2.57(dd,1H)、1.75(s,3H)、1.73(s,3H)、0.82(d,3H)。LC−MS:m/e 530(M+H)(3.8分)。
【0236】
ステップC N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−[11C]−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
Cs2CO3を含むDMF(0.2mL)中N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(0.3mg)の0℃混合物中に[11C]MeIを捕集した。反応混合物を100℃の2mL vバイアルに移し、4分間加熱し、H2O(0.8mL)で希釈し、HPLC(Waters C18 XTerra(商標)、7.8×150mm、3mL/分、30%A:B〜95%A:Bで10分間直線勾配、95%Aで5分間保持、A=MeCN、B=95:5:0.1H2O:MeCN:TFA、保持時間約10分)に注入した。所望のピークをロータリーエバポレータ上の加熱丸底フラスコに収集した。溶液を濃縮し、真空下でセプタムを装着した5mL vバイアルに移した。丸底フラスコをエタノール(0.1mL)と生理食塩水(1〜2mL)ですすぎ、真空下で同じvバイアルに移して11.7mCiのN−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−[11C]−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを得た。
【0237】
(実施例8)
【0238】
【化22】

【0239】
N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−[18F]−ジ重水素−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
18F]FCDBrを蒸留して、CsCOを含むDMF(0.2mL)中N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(0.3mg)の0℃混合物中に入れた。反応混合物を100℃の2mL vバイアルに移し、4分間加熱し、HO(0.8mL)で希釈し、HPLC(Waters C18 XTerra(商標)、7.8×150mm、3mL/分、30%A:B〜95%A:Bで10分間直線勾配、95%Aで5分間保持、A=MeCN、B=95:5:0.1HO:MeCN:TFA、保持時間約10分)に注入した。所望のピークをロータリーエバポレータ上の加熱丸底フラスコに収集した。溶液を濃縮し、真空下でセプタムを装着した5mL vバイアルに移した。丸底フラスコをエタノール(0.1mL)と生理食塩水(1〜2mL)ですすぎ、真空下で同じvバイアルに移して6.5mCiのN−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−[18F]−ジ重水素−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを得た。
【0240】
(実施例9)
【0241】
【化23】

【0242】
N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
18F]FCHCHBrを蒸留して、CsCOを含むDMF(0.2mL)中N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(0.3mg)の室温の混合物中に入れた。反応混合物を100℃の2mL vバイアルに移し、5分間加熱し、HO(0.8mL)で希釈し、HPLC(Waters C18 XTerra(商標)、7.8×150mm、3mL/分、30%A:B〜95%A:Bで10分間直線勾配、95%Aで5分間保持、A=MeCN、B=95:5:0.1HO:MeCN:TFA、保持時間約10分)に注入した。所望のピークをロータリーエバポレータ上の加熱丸底フラスコに収集した。溶液を濃縮し、真空下でセプタムを装着した5mL vバイアルに移した。丸底フラスコをエタノール(0.1mL)と生理食塩水(1〜2mL)ですすぎ、真空下で同じvバイアルに移して6.2mCiのN−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを得た。
【0243】
(実施例10)
【0244】
【化24】

【0245】
N−(1S,2S)−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−5−[18F]−(トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
18F]F−の乾燥後に得られた残留物を実施例7のステップAのN−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(0.6mg)のDMSO(0.2mL)溶液で処理し、溶液を、マイクロ波サイクル間に30秒の休止をおいて、3×15秒のマイクロ波パルスで加熱した。反応物をHO(0.6mL)で希釈し、HPLC(Waters C18 Bondapak(商標)、7.8×300mm、3mL/分、50%A:B〜95%A:Bで7分間直線勾配、95%Aで8分間保持、A=MeCN、B=95:5:0.1HO:MeCN:TFA、保持時間約10.5分)に注入した。所望のピークをロータリーエバポレータ上の加熱丸底フラスコに収集した。溶液を濃縮し、真空下でセプタムを装着した5mL vバイアルに移した。丸底フラスコをエタノール(0.1mL)と生理食塩水(1〜2mL)ですすぎ、真空下で同じvバイアルに移して7.3mCiを得た。
【0246】
(実施例11)
【0247】
【化25】

【0248】
N−(1S,2S)−[3−(4−クロロ−2,5−ジトリチオフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
【0249】
ステップA N−(1S,2S)−[3−(4−クロロ−2,5−ジヨードフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
Barluenga(J Org Chem 1990、55、3104)の方法を用いた。0.5mL無水CHCl中N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(5−クロロ−3−ピリジル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(実施例1、40mg、0.078mmol)およびビス(ピリジン)ヨードニウムテトラフルオロボラート(100mg、0.27mmol)の溶液に、トリフリック酸(50μL、0.56mmol)を加えた。室温で30分間撹拌した後、反応混合物を氷(20g)と二硫化ナトリウム(1g)の混合物に注加し、生成物をEtOAcで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥し、粗生成物を得た。これを分取HPLCにより逆相HPLCカラム上で水中75〜100%アセトニトリルで溶出して精製し、表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.29(d,1H)、7.99(d,1H)、7.94(dd,1H)、7.76(s,1H)、7.55(d,1H)、7.45〜7.39(m,2H)、7.34(d,1H)、7.18(s,1H)、7.05(d,1H)、4.38(m,1H)、3.10(dd,1H)、2.98(td,1H)、2.83(dd,1H)、1.78(s,3H)、1.76(s,3H)、0.96(d,3H)。LC−MS:m/e 768(M+H)(2.9分)。
【0250】
ステップB N−(1S,2S)−[3−(4−クロロ−2,5−ジトリチオフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
酢酸エチル/エタノール中N−(1S,2S)−[3−(4−クロロ−2,5−ジヨードフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドの溶液を木炭上パラジウムおよびトリチウムガスで処理して[H]−N−(1S,2S)−[3−(4−クロロ−2,5−ジトリチオフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを得る。
【0251】
以下の実施例では非放射性標識同位体を用いて調製し、実施例1〜11に述べた生成物の特性を評価するために用いた。対応する放射性標識類似体は、実施例1〜11に述べた方法に従って調製することができる。
【0252】
(実施例12)
【0253】
【化26】

【0254】
N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
【0255】
ステップA N−(1S,2S)−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
10mLのCHCl中N−(1S,2S)−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]アミン(参照実施例4、0.60g、2.1mol)および2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸(参照実施例13、0.58g、2.4mmol)の溶液にN−メチルモルホリン(0.46mL、4.2mmol)およびトリス(ピロリンジニル)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(1.6g、3.2mmol)を加えた。室温で一夜撹拌した後、反応混合物をシリカゲルカラムに加え、ヘキサン中30%EtOAcで溶出して表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.19(d,1H)、7.48(d,1H)、7.38〜7.35(m,2H)、7.31(d,1H)、7.18(s,1H)、7.11(d,1H)、7.03(d,2H)、6.67(d,2H)、4.23(m,1H)、3.01(dd,1H)、2.83(m,1H)、2.61(dd,1H)、1.76(s,3H)、1.72(s,3H)、0.79(d,3H)。
【0256】
ステップB N−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
表題化合物は、N−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドから、参照実施例8のステップBに記載した手順に従ってトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムおよびトリ(tert−ブチル)ホスフィンを触媒として用いて調製した。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.19(d,1H)、7.94(d,1H)、7.27(d,1H)、7.38(d,1H)、7.33(s,1H)、7.18(s,1H)、7.11(d,1H)、7.48(ABq,4H)、4.23(m,1H)、2.94(dd,1H)、2.81(m,1H)、2.52(dd,1H)、1.76(s,3H)、1.74(s,3H)、0.79(d,3H)。LC−MS:m/e 498(M+H)(3.6分)。
【0257】
ステップC N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドは、N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドから、実施例3に記載した手順に従って調製した。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.19(d,1H)、7.48(br d,1H)、7.37〜7.31(m,3H)、7.17(s,1H)、7.10(br d,1H)、6.60(s,4H)、4.24(m,1H)、3.66(s,3H)、2.99(dd,1H)、2.84(m,1H)、2.56(dd,1H)、1.75(s,3H)、1.73(s,3H)、0.79(d,3H)。LC−MS:m/e 512(M+H)(3.9分)。
【0258】
(実施例13)
【0259】
【化27】

【0260】
N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドは、N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(実施例12、ステップB)およびヨウ化フルオロメチルから、実施例4に記載した手順に従って調製した。
H NMR(500MHz,CDOD):δ8.19(d,1H)、7.97(br d,1H)、7.47(d,1H)、7.40〜7.36(m,3H)、7.19(s,1H)、7.12(m,1H)、6.78(d,2H)、6.68(d,2H)、5.61(d,2H)、4.22(m,1H)、3.00(dd,1H)、2.83(m,1H)、2.60(dd,1H)、1.78(s,3H)、1.74(s,3H)、0.79(d,3H)。LC−MS:m/e 530(M+H)(3.9分)。
【0261】
(実施例14)
【0262】
【化28】

【0263】
N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドは、N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(実施例12、ステップB)から実施例5に記載した手順に従って調製した。
H NMR(500MHz,CDOD):δ8.19(d,1H)、7.48(br d,1H)、7.37〜7.31(m,3H)、7.16(s,1H)、7.11(d,1H)、7.65(ABq,4H)、4.68(m,1H)、4.59(m,1H)、4.25(m,1H)、4.09(m,1H)、4.04(m,1H)、2.99(dd,1H)、2.84(m,1H)、2.56(dd,1H)、1.75(s,3H)、1.73(s,3H)、0.79(d,3H)。LC−MS:m/e 544(M+H)(3.8分)。
【0264】
(実施例15)
【0265】
【化29】

【0266】
N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
0℃の1.5mLのジメチルホルムアミド中実施例7のステップBのN−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(14mg、0.028mmol)の溶液に炭酸セシウム(14mg、0.042mmol)およびヨウ化メチル(5uL、0.084mmol)を加え、反応物を2時間にわたって室温に加温した。得られた混合物をエーテル(20mL)で希釈し、水と食塩水で洗浄し、濃縮して乾燥した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによりヘキサン中10〜40%酢酸エチルで溶出して精製し、表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.27(d,1H)、7.96(s,1H)、7.94(d,1H)、7.93(d,1H)、7.29(m,1H)、7.18(br s,1H)、7.13(m,1H)、7.03(d,1H)、6.45(ABq,4H)、4.24(m,1H)、3.67(s,3H)、3.03(dd,1H)、2.88(m,1H)、2.57(dd,1H)、1.75(s,3H)、1.73(s,3H)、0.82(d,3H)。LC−MS:m/e 530(M+H)(3.9分)。
【0267】
(実施例16)
【0268】
【化30】

【0269】
N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−3−(4−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
2mLのジメチルホルムアミド中実施例7のステップBのN−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(26mg、0.050mmol)の溶液に炭酸セシウム(25mg、0.076mmol)およびクロロメチルメチルスルフィド(6.4uL、0.076mmol)を加え、反応物を室温で4時間撹拌した。得られた混合物をエーテル(20mL)で希釈し、0.5M水性二硫化ナトリウム、水および食塩水で洗浄し、濃縮して乾燥し、粗メチルチオエーテルを得た。これをさらに精製せずに用いた。2mLの1,2−ジクロロエタン中メチルチオエーテルを0℃の1.5mLの1,2−ジクロロエタン中二フッ化キセノンの溶液(8.5mg、0.05mmol)に加えた。室温で1時間撹拌した後、トリエチルアミン(0.25mL)を加えて反応を停止させ、得られた混合物をシリカゲルカラムに加えて、ヘキサン中10〜40%酢酸エチルで溶出してN−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−3−(4−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを得た。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.27(d,1H)、7.98(s,1H)、7.95(dd,1H)、7.31(m,1H)、7.21(s,1H0、7.15(m,1H)、7.04(d,1H)、6.79(d,2H)、6.73(d,2H)、5.61(d,2H)、4.24(m,1H)、3.04(m,1H)、2.89(m,1H)、2.61(dd,1H)、1.75(s,3H)、1.73(s,3H)、0.83(d,3H)。LC−MS:m/e 548(M+H)(3.8分)。
【0270】
(実施例17)
【0271】
【化31】

【0272】
N−{2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−3−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
2mLのジメチルホルムアミド中実施例7のステップBのN−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(15mg、0.039mmol)の溶液に炭酸セシウム(15mg、0.046mmol)およびメタンスルホン酸2−フルオロエチル(20uL、0.16mmol)を加え、反応物を70℃で0.5時間撹拌した。得られた混合物をエーテル(20mL)で希釈し、水と食塩水で洗浄し、濃縮して乾燥し、残留物をシリカゲル上フラッシュカラムクロマトグラフィーによりヘキサン中10〜40%酢酸エチルで溶出して精製し、N−{2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−3−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを得た。H NMR(500MHz,CDOD):PL 87 δ8.27(br s,1H)、7.94(dd,1H)、7.48(d,1H)、7.73〜7.32(m,3H)、7.04(s,1H)、6.64(s,4H)4.68(m,1H)、4.59(m,1H)、4.25(m,1H)、4.11(m,1H)、4.04(m,1H)、3.02(dd,1H)、2.84(m,1H)、2.57(dd,1H)、1.75(s,3H)、1.73(s,3H)、0.80(d,3H)。LC−MS:m/e 544(M+H)(3.8分)。
【0273】
(実施例18)
【0274】
【化32】

【0275】
N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドは、N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド(実施例3、ステップA)から実施例16に記載した手順に従って調製した。H NMR(500MHz,CDOD):δ8.27(br s,1H)、7.97(br d,1H)、7.94(dd,1H)、7.48(br d,1H)、7.38〜7.34(m,3H)、7.04(br d,1H)、6.78(d,2H)、6.67(d,2H)、5.60(d,2H)、4.26(m,1H)、3.03(dd,1H)、2.86(m,1H)、2.61(dd,1H)、1.75(s,3H)、1.73(s,3H)、0.81(d,3H)。LC−MS:m/e 530(M+H)(3.8分)。
【0276】
実施例19〜26(表1)は、N−(1S,2S)−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]アミン塩酸塩(参照実施例4)および参照実施例の適切なカルボン酸から、実施例14に記載した手順に従って調製した。
【0277】
【表1】


【0278】
実施例23の表題化合物は、表題化合物1g当たり5mLのヘキサンと3mLの酢酸メチルの混合物から再結晶化して、以下のように特徴づけられた結晶形のものを得た。
【0279】
示差走査熱量測定(DSC)データは、クリンプパン中窒素雰囲気のもとで10℃/分の加熱速度で収集した。DSC曲線は、87.7℃の外挿開始温度、91.4℃のピーク温度および77J/gのエンタルピー変化を有する融解吸熱を示す。
【0280】
当表題化合物は、図2に示すような粉末X線回折パターン(XRPD)を示す。固有の回折ピークは9.4、6.7、6.2、5.2、4.7、3.9オングストロームのd間隔に対応する。粉末X線回折パターンは、PW3040/60コンソールを含むPhilips Analytical X’PertPRO X線回折システムにより得られた。PW3373/00セラミックCu LEF X線管Kα線を線源として用いた。
【0281】
(実施例27〜42)
以下の化合物は、実施例12〜26の化合物を用いて実施例1〜11の方法により調製される。
(27)N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−[18F]−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(28)N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−3−(4−[18F]−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(29)N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−[18F]−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(30)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(31)N−[2−(3−シアノ−5−[18F]−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(32)N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−3−(4−[18F]−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(33)N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−[18F]−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(34)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(6−トリフルオロメチル−4−ピリミジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(35)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(36)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−クロロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(37)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(38)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(39)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(4−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(40)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−シアノ−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(41)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−フルオロ−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(42)N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(4−[18F]−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド。
【0282】
本発明は、その特定の実施形態に関して記述し、例示したが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更、修正および置換を行うことができることを理解するであろう。例えば、本明細書において上に記載した特定の用量以外の有効な用量は、上に示した本発明の化合物の適応症のいずれかについて治療する哺乳類の応答性の変化の結果として適用できる可能性がある。同様に、観察される特異的な薬理学的反応は、選択される特定の活性化合物または薬剤担体が存在するかどうか、ならびに使用される製剤の種類および投与方式によって、また依存して異なる可能性があり、結果のそのような予想される変化または相違は、本発明の目的および実施によると考えられる。したがって、本発明は、続く特許請求の範囲によって定義され、そのような特許請求の範囲は妥当な範囲で広く解釈されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0283】
【図1】(N−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド)の粉末X線回折パターン(XRPD)を示す図である。X軸は角度2θを表し、Y軸は計数の強度を表す。
【図2】(N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド)のXRPDを示す図である。X軸は角度2θを表し、Y軸は計数の強度を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造式Iの化合物およびその製薬上許容される塩。
【化1】

[式中、
ArおよびArはフェニルまたはピリジルであり、
フェニルおよびピリジルはRから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、

(1)水素、
(2)ヒドロキシ、
(3)フルオロ、
(4)シアノ、および
(5)C1〜4アルキルから選択され、

(1)水素および
(2)C1〜4アルキルから選択され、

(1)C1〜10アルキル、
(2)C2〜10アルケニル、
(3)C3〜10シクロアルキル、
(4)C3〜10シクロアルキル−C1〜4アルキル、
(5)シクロヘテロアルキル、
(6)シクロヘテロアルキル−C1〜4アルキル、
(7)アリール、
(8)アリール−C1〜4アルキル、
(9)ジアリール−C1〜4アルキル、
(10)アリール−C1〜4アルケニル、
(11)ヘテロアリール、
(12)ヘテロアリール−C1〜4アルキル、
(13)−OR、および
(14)−NRから選択され、
アルキルおよびアルケニルはRから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールおよびヘテロアリールはRから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
各R
(1)−OR
(2)−NRS(O)
(3)ハロゲン、
(4)−SR
(5)−S(O)NR
(6)−NR
(7)−C(O)R
(8)−CO
(9)−CN、
(10)−C(O)NR
(11)−NRC(O)R
(12)NRC(O)OR
(13)−NRC(O)NR
(14)−CF
(15)−OCF、および
(16)シクロヘテロアルキルから独立に選択され、
各R
(1)R
(2)C1〜10アルキル、
(3)アリール、
(4)アリールC1〜4アルキル、
(5)ヘテロアリール、および
(6)ヘテロアリールC1〜4アルキルから独立に選択され、
およびR
(1)水素、
(2)C1〜10アルキル、
(3)C2〜10アルケニル、
(4)シクロアルキル、
(5)シクロアルキル−C1〜10アルキル;
(6)シクロヘテロアルキル、
(7)シクロヘテロアルキル−C1〜10アルキル;
(8)アリール、
(9)ヘテロアリール、
(10)アリール−C1〜10アルキル、および
(11)ヘテロアリール−C1〜10アルキルから独立に選択され、あるいは
およびRは、それらが結合している原子と一緒に、酸素、硫黄およびN−Rから独立に選択される0〜2個のさらなるヘテロ原子を含む4〜7員の複素環式環を形成しており、各RおよびRは非置換であるか、またはRから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
各R
(1)水素、
(2)C1〜10アルキル、および
(3)−C(O)Rから独立に選択され、
各R
(1)ハロゲン、
(2)C1〜10アルキル、
(3)−O−C1〜4アルキル、
(4)−S−C1〜4アルキル、
(5)−S(O)1〜4アルキル、
(6)−CN、
(7)−CF、および
(8)−OCFから独立に選択され、
mは1および2から選択され、

(1)水素、
(2)C1〜10アルキル、
(3)C2〜10アルケニル、
(4)シクロアルキル、
(5)シクロアルキル−C1〜10アルキル、
(6)シクロヘテロアルキル、
(7)シクロヘテロアルキル−C1〜10アルキル;
(8)アリール、
(9)ヘテロアリール、
(10)アリール−C1〜10アルキル、および
(11)ヘテロアリール−C1〜10アルキルから選択され、
は水素または放射性核種Hであり、
X、YおよびZの1つは
(1)H、11C、18F、125I、82Br、123I、131I、75Br、15O、13N、211Atおよび77Brからなる群から選択される放射性核種、
(2)−CN、
(3)−C1〜4アルキル、および
(4)−O−C1〜4アルキルから選択され、
アルキルおよびシアノは1個の11C放射性核種を含むか、あるいはアルキルが1〜3個の18F原子で置換されており、アルキルが非置換であるか、または1個もしくは2個のフルオロ置換基で置換されており、
X、YおよびZの他の2つはそれぞれ水素である]
【請求項2】
が水素、フルオロおよびヒドロキシルから選択される請求項1に記載の化合物およびその製薬上許容される塩。
【請求項3】
が水素、メチルおよびエチルから選択される請求項2に記載の化合物およびその製薬上許容される塩。
【請求項4】
がメチルである請求項3に記載の化合物およびその製薬上許容される塩。
【請求項5】
ArおよびArが、非置換の、またはRから選択される1個もしくは2個の置換基で置換されているフェニルからそれぞれ独立に選択される請求項4に記載の化合物およびその製薬上許容される塩。
【請求項6】
Arがフェニルであり、非置換であるか、またはハロゲン、エトキシ、メトキシおよびヒドロキシで置換されている請求項5に記載の化合物およびその製薬上許容される塩。
【請求項7】
Arがフェニルであり、非置換であるか、またはハロゲンおよびシアノから選択される1個もしくは2個の置換基で置換されている請求項6に記載の化合物およびその製薬上許容される塩。
【請求項8】

(1)C1〜8アルキル、
(2)C2〜8アルケニル、
(3)C3〜10シクロアルキル、
(4)シクロヘテロアルキル−C1〜4アルキル、
(5)アリール−C1〜4アルキル、
(6)ジアリール−C1〜4アルキル、
(7)アリール−C1〜4アルケニル、
(8)ヘテロアリール−C1〜4アルキル、
(9)−OR、および
(10)−NRから選択され、
各アルキルまたはアルケニルがRから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよく、各シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールおよびヘテロアリールがRから独立に選択される1〜3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよく、シクロヘテロアルキルがピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニルおよびピペリジニルから選択され、アリールがフェニルおよびナフチルから選択され、ヘテロアリールがピリジル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリミジル、イソオキサゾリル、インドリルおよびチアゾリルから選択される請求項7に記載の化合物およびその製薬上許容される塩。
【請求項9】
が−ORで置換されているC1〜8アルキルである請求項7に記載の化合物およびその製薬上許容される塩。
【請求項10】
が非置換またはヘテロアリール環上でR置換基で置換されている
【化2】

である請求項8に記載の化合物およびその製薬上許容される塩。
【請求項11】
各R
(1)−OR
(2)ハロゲン、
(3)−CN、
(4)−CF、および
(5)メチル
から独立に選択される請求項9に記載の化合物およびその製薬上許容される塩。
【請求項12】
が水素であり、XおよびYが水素であり、Zが
(1)H、
(2)18F、
(3)炭素が11Cであるシアノ、
(4)炭素が11CであるCH、および
(5)−CF18Fから選択され、あるいは
が水素であり、XおよびZが水素であり、Yが
(1)18F、
(2)炭素が11CであるCH
(3)−O−11CH
(4)−OCH18F、
(5)−OC−(H)18F、
(6)−OCHCH18F、および
(7)炭素が11Cであるシアノから選択され、あるいは
が水素であり、YおよびZが水素であり、Xが
(1)H、
(2)18F、
(3)炭素が11Cであるシアノ、
(4)−CH18F、
(5)−O−11CH
(6)−OCH18F、
(7)−OC−(H)18F、および
(8)−OCHCH18Fから選択され、あるいは
が放射性核種Hであり、YおよびZが水素であり、Xが放射性核種Hである請求項10に記載の化合物およびその製薬上許容される塩。
【請求項13】
(1)N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−[18F]−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(2)N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−[11C]−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(3)N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−[18F]−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(4)N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−[18F]−ジジュウテリオ−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(5)N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(6)N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−([18F]−2−フルオロエトキシ)フェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(7)N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−[11C]−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(8)N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−[18F]−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(9)N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−[18F]−ジジュウテリオ−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(10)N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−(4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(11)N−(1S,2S)−[3−(4−クロロフェニル)−2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−1−メチルプロピル]−2−5−[18F]−(トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(12)N−(1S,2S)−[3−(4−クロロ−2,5−ジトリチオフェニル)−2−(3−シアノフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(13)N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(4−[18F]−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(14)N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)3−(4−[18F]−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(15)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(16)N−[2−(3−シアノ−5−[18F]−フルオロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(17)N−[2−(3−シアノ−5−フルオロフェニル)−3−(4−[18F]−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(18)N−(1S,2S)−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−[18F]−フルオロメトキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(19)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(6−トリフルオロメチル−4−ピリミジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(20)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(21)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−クロロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(22)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(23)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(24)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(4−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(25)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−シアノ−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド;
(26)N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−[18F]−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−フルオロ−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
から選択される化合物およびその製薬上許容される塩。
【請求項14】
N−{[2−(3−シアノフェニル)−3−[4−([18F]−2−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドおよび
N−{[2−(3−シアノフェニル)−3−[4−([18F]−2−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
から選択される請求項12に記載の化合物およびその製薬上許容される塩。
【請求項15】
N−{2−(3−シアノフェニル)−3−[(4−エトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドおよび
N−{2−(3−シアノフェニル)−3−[(4−エトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド
から選択される化合物およびその製薬上許容される塩。
【請求項16】
請求項1に記載の化合物および少なくとも1つの製薬上許容される担体または添加剤を含む放射性医薬組成物。
【請求項17】
画像診断が必要な哺乳類に有効量の請求項1に記載の化合物を投与するステップを含む、哺乳類におけるカンナビノイド−1受容体の画像診断の方法。
【請求項18】
哺乳類がヒトである請求項16に記載の方法。
【請求項19】
画像診断が必要な哺乳類に有効量の請求項1に記載の化合物を投与するステップを含む、哺乳類の脳の画像診断の方法。
【請求項20】
哺乳類がヒトである請求項18に記載の方法。
【請求項21】
画像診断が必要な哺乳類に有効量の請求項1に記載の化合物を投与するステップを含む、哺乳類におけるカンナビノイド−1受容体を有する組織の画像診断の方法。
【請求項22】
哺乳類がヒトである請求項20に記載の方法。
【請求項23】
検出または定量が望ましい哺乳類組織を有効量の請求項1に記載の化合物と接触させることを含む哺乳類組織におけるカンナビノイド−1受容体の検出または定量の方法。
【請求項24】
哺乳類組織がヒト組織である請求項22に記載の方法。
【請求項25】
ジメチルホルムアミドなどの不活性溶媒中で炭酸セシウムなどの弱塩基の存在下で室温から溶媒還流温度までの間の温度、好ましくは約100℃でN−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドおよびN−[2−(3−シアノフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを[18F]フルオロエチルブロミドおよび[18F]フルオロエチルトシラートから選択されるアルキル化剤と接触させるステップを含む、N−{[2−(3−シアノフェニル)]−3−[4−([18F]−2−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドおよびN−{[2−(3−シアノフェニル)−3−[4−([18F]−2−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミドを調製する方法。
【請求項26】
DSCを用いた熱分析中に発生する164.2℃の吸熱ピーク温度を有することを特徴とする結晶性N−[2−(3−シアノ−フェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルプロピル]−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド。
【請求項27】
DSCを用いた熱分析中に発生する91.4℃の吸熱ピーク温度を有することを特徴とする結晶性N−(1S,2S)−{2−(3−シアノフェニル)−3−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]−1−メチルプロピル}−2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロパンアミド。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−527389(P2007−527389A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518677(P2006−518677)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/020233
【国際公開番号】WO2005/009479
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】