説明

放射性物質収納容器及びトラニオンの取付方法

【課題】放射性物質収納容器及びトラニオンの固定方法において、トラニオンの小型化を図ると共にコストの低コスト化を可能とする。
【解決手段】トラニオン30にて、着座部51の外周部に周方向に直線状をなすと共に軸方向における装着側に広がる傾斜面53a,53b,53c,53dを形成し、取付凹部61にて、内周部に周方向に直線状をなすと共に開口側に狭くなる被傾斜面62a,62b,62c,62dを形成し、傾斜面53a,53b,53c,53dが被傾斜面62a,62b,62c,62dと対向するように、着座部51が取付凹部61に位置し、傾斜面53a,53b,53c,53dと被傾斜面62a,62b,62c,62dとの間にキー71が嵌装される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性廃棄物を収納収容、貯蔵する放射性物質収納容器に関するものであると共に、この放射性物質収納容器を吊り上げるために外周部に固定されるトラニオンの取付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所などで発生した放射性廃棄物は放射性物質収納容器に収納され、貯蔵や処理施設に搬送して貯蔵ないしは処理される。
【0003】
このような放射性物質収納容器は、例えば、上部が開口して円筒形状をなす胴本体と、胴本体の上部に固定される蓋部と、胴本体の外周部に固定される吊具としての複数のトラニオンとから構成されている。
【0004】
従って、放射性廃棄物は、この放射性物質収納容器に収納され、船舶、車両などにより貯蔵や処理施設まで搬送され、この施設で所定年数貯蔵ないしは処理される。この搬送および取扱において、放射性物質収納容器は、容器移送用クレーンなどによりトラニオンを介して吊下げられ、移送される。
【0005】
ところで、上述したトラニオンは、放射性物質収納容器を構成する胴本体の外周部に複数のボルトにより固定されている。即ち、トラニオンは、胴本体に着座して固定する円盤フランジ形状をなす着座部と、吊具との取合のために円柱形状をなす掛止部とが一体に形成されて構成され、着座部の外周部に複数の取付孔が形成されている。一方、胴本体の外周部には、着座部を嵌合する取付凹部が形成されると共に、ボルトが螺合する複数のねじ孔が形成されている。従って、トラニオンは、着座部が胴本体の取付凹部に嵌合した状態で、複数(例えば、12本)のボルトが各取付孔を貫通し、ねじ孔に螺合して締結することで、胴本体に固定される。
【0006】
このような放射性物質収納容器の形態の一つであり、使用済燃料集合体を収納するキャスクとしては、例えば、下記特許文献1、2に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001-133583号公報
【特許文献2】日本機会学会 使用済燃料貯蔵施設規格 金属キャスク構造規格(JSME S FA1−2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、放射性物質収納容器は、一般的に、1つの容器に垂直吊及び水平吊を可能とするために、上部及び下部に各2個、計4個のトラニオンを固定する場合がある。すると、トラニオンを胴本体に固定するために使用するボルトの数はトラニオン一つを12本のボルトで締結すると48本の締結用のボルトが必要となり、部品コストが増加するだけでなく、作業コストも増加してしまう。また、垂直吊では4個のトラニオンを上部に配置する場合もあり、その場合にはトラニオンの増加と併せてボルト数の増加に伴って、胴本体に形成する締結孔の数も同数必要となる。この締結孔の加工は、下孔加工(ドリル)やねじ加工(タップ)といった複数の加工工程が必要となり、相当数の締結孔の加工に対して、製造コストが増加してしまう。更に、胴本体には、トラニオンを着座させるための取付凹部を形成する必要があるが、この胴本体は、遮蔽体であり、取付凹部を形成することは遮蔽損につながり、十分な遮蔽性を確保するためには、キャスクの構造が複雑化してしまう。
【0009】
また、トラニオンを溶接により胴本体に固定することで、ボルトやねじ孔の削減を可能とすることが考えられる。しかし、トラニオンは、放射性物質収納容器を搬送する際などに損傷する可能性が考えられ、交換可能とすることが望ましく、トラニオンを溶接により胴本体に固定した放射性物質収納容器ではトラニオンの交換などの保守性に課題がある。
【0010】
本発明は上述した課題を解決するものであり、トラニオンの小型化を図ると共に低コスト化を可能とする放射性物質収納容器及びトラニオンの固定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するための本発明の放射性物質収納容器は、放射性物質を収納する胴本体と、着座部が前記胴本体の取付凹部に装着される吊下げ用の複数のトラニオンと、を備え、前記トラニオンは、前記着座部の外周部が周方向に直線状をなすと共に前記トラニオンの軸方向における装着側に広がる傾斜面が形成され、前記取付凹部は、内周部が周方向に直線状をなすと共に開口側に狭くなる被傾斜面が形成され、前記トラニオンは、前記傾斜面が前記被傾斜面と対向するように、前記着座部が前記取付凹部に挿入され、前記着座部の外周部と前記取付凹部の内周部との間にキーが嵌装されることで、前記胴本体に固定される、ことを特徴とするものである。
【0012】
本発明の放射性物質収納容器では、前記キーは、前記傾斜面と前記被傾斜面との間に嵌装されることを特徴としている。
【0013】
本発明の放射性物質収納容器では、前記着座部及び前記取付凹部は、平面視が多角形状をなし、前記傾斜面及び前記被傾斜面は、前記着座部の外周部及び前記取付凹部の内周部における少なくとも一辺に形成されることを特徴としている。
【0014】
本発明の放射性物質収納容器では、前記傾斜面及び前記被傾斜面は、前記着座部の外周部及び前記取付凹部の内周部における全ての辺に形成され、少なくとも一片では前記傾斜面と前記被傾斜面との間に前記キーが嵌装され、前記傾斜面と前記被傾斜面との間に前記キーが嵌装されない辺では、前記傾斜面と前記被傾斜面とが当接することで前記胴本体に固定されることを特徴としている。
【0015】
本発明の放射性物質収納容器では、前記取付凹部の内周部には、前記辺同士の隣接部に曲線部が形成されることを特徴としている。
【0016】
本発明の放射性物質収納容器では、前記キーは、締りばめにより前記着座部の外周部と前記取付凹部の内周部との間に固定されることを特徴としている。
【0017】
本発明のトラニオンの固定方法は、放射性物質を収納する胴本体と、着座部が前記胴本体の取付凹部に装着される吊上げ用の複数のトラニオンと、を備える放射性物質収納容器において、前記トラニオンの着座部を前記胴本体の取付凹部に挿入し、前記着座部の外周部と前記取付凹部の内周部との間にキーを嵌装することで、前記着座部の外周部が周方向に直線状をなすと共に軸方向における装着側に広がる傾斜面と、前記取付凹部の内周部が周方向に直線状をなすと共に開口側に狭くなる被傾斜面とが作用することで、前記トラニオンを前記胴本体に固定する、ことを特徴とするものである。なお、胴本体は円筒形、または、角筒などの多角形でも適用可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の放射性物質収納容器によれば、胴本体と、着座部が胴本体の取付凹部に装着される吊下げ用の複数のトラニオンとを設けて構成され、トラニオンに、着座部の外周部が周方向に直線状をなすと共に軸方向における装着側に広がる傾斜面を形成し、取付凹部に、内周部が周方向に直線状をなすと共に開口側に狭くなる被傾斜面を形成し、トラニオンを、傾斜面が被傾斜面と対向するように着座部を取付凹部に挿入し、着座部の外周部と取付凹部の内周部との間にキーを嵌装している。従って、トラニオンの着座部は、傾斜面が取付凹部の被傾斜面に対して直接またはキーを介して係止されることで、胴本体に強固に固定されることとなり、多数のボルトを不要としてトラニオンの小型化を図ることができると共に、部品コストや製造コストなどを低減することができる。
【0019】
本発明の放射性物質収納容器によれば、キーを傾斜面と被傾斜面との間に嵌装するので、キーにより傾斜面と被傾斜面とを作用させ、取付凹部からの着座部の脱落を防止することができる。
【0020】
本発明の放射性物質収納容器によれば、着座部及び取付凹部を多角形状とし、傾斜面及び被傾斜面を、着座部の外周部及び取付凹部の内周部における少なくとも一辺に形成するので、着座部及び取付凹部を多角形状とし、傾斜面及び被傾斜面を一辺に形成することで、加工性を向上することができる。
【0021】
本発明の放射性物質収納容器によれば、傾斜面及び被傾斜面を、着座部の外周部及び取付凹部の内周部における全ての辺に形成し、少なくとも一片では傾斜面と被傾斜面との間にキーが嵌装され、傾斜面と被傾斜面との間にキーが嵌装されない辺では、傾斜面と被傾斜面とを当接させ、残りの辺では、傾斜面と被傾斜面との間にキーを嵌装するので、キーの個数を減少させることで、部品コストを低減することができる。
【0022】
本発明の放射性物質収納容器によれば、取付凹部の内周部にて、辺同士の隣接部に曲線部を形成するので、取付凹部や被傾斜面の加工を容易とし、加工性を向上することができる。
【0023】
本発明の放射性物質収納容器によれば、キーを締りばめにより着座部の外周部と取付凹部の内周部との間に固定するので、キーを固定するための締結部品を不要とし、部品コストを低減することができると共に、構造の簡素化を可能とすることができる。
【0024】
本発明のトラニオンの固定方法によれば、トラニオンの着座部を胴本体の取付凹部に挿入し、着座部の外周部と取付凹部の内周部との間にキーを嵌装することで、着座部の傾斜面と取付凹部の被傾斜面とが作用することで、トラニオンを胴本体に固定している。従って、トラニオンの着座部は、傾斜面が取付凹部の被傾斜面に対して直接またはキーを介して係止されることで、胴本体に強固に固定されることとなり、多数のボルトを不要としてボルト締結のためのフランジ部を削減することができるため、トラニオンの小型化を図ることができると共に、部品コストや製造コストなどを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。
【図2】図2は、実施例1のキャスクにおけるトラニオン取付部を表す図1のII−II断面図である。
【図3】図3は、実施例1のキャスクにおけるトラニオン取付部を表す図1のIII−III断面図である。
【図4】図4は、実施例1のキャスクにおけるトラニオン取付部を表す図1のIV−IV断面図である。
【図5−1】図5−1は、トラニオンを表す正面図である。
【図5−2】図5−2は、トラニオンを表す側面図である。
【図6−1】図6−1は、胴本体における取付凹部を表す正面図である。
【図6−2】図6−2は、胴本体における取付凹部を表す断面図である。
【図7−1】図7−1は、キーを表す正面図である。
【図7−2】図7−2は、キーを表す側面図である。
【図8−1】図8−1は、実施例1のトラニオンの固定方法を説明するための説明図である。
【図8−2】図8−2は、実施例1のトラニオンの固定方法を説明するための説明図である。
【図8−3】図8−3は、実施例1のトラニオンの固定方法を説明するための説明図である。
【図8−4】図8−4は、実施例1のトラニオンの固定方法を説明するための説明図である。
【図9】図9は、実施例1のキャスクの一部断面概略図である。
【図10】図10は、実施例1のキャスクの水平断面図である。
【図11】図11は、実施例1のキャスクを貯蔵するための貯蔵施設を表す概略図である。
【図12】図12は、本発明の実施例2に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。
【図13】図13は、実施例2のキャスクにおけるトラニオン取付部を表す断面図である。
【図14】図14は、本発明の実施例3に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。
【図15】図15は、本発明の実施例4に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。
【図16】図16は、実施例4のキャスクにおけるトラニオン取付部を表す断面図である。
【図17】図17は、本発明の実施例5に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。
【図18】図18は、本発明の実施例6に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。
【図19】図19は、本発明の実施例7に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。
【図20】図20は、本発明の実施例8に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。
【図21】図21は、本発明の実施例9に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。
【図22】図22は、本発明の実施例10に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。
【図23】図23は、本発明の実施例11に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。
【図24】図24は、本発明の実施例12に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す要部断面図である。
【図25】図25は、実施例12のキャスクにおけるトラニオン取付部の変形例を表す要部断面図である。
【図26】図26は、実施例12のキャスクにおけるトラニオン取付部の変形例を表す要部断面図である。
【図27】図27は、本発明の実施例13に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。
【図28】図28は、実施例2のキャスクにおけるトラニオン取付部を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る放射性物質収納容器及びトラニオンの固定方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明の実施例1に係る放射性物質収納容器として使用済燃料集合体を収納するキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図、図2は、実施例1のキャスクにおけるトラニオン取付部を表す図1のII−II断面図、図3は、実施例1のキャスクにおけるトラニオン取付部を表す図1のIII−III断面図、図4は、実施例1のキャスクにおけるトラニオン取付部を表す図1のIV−IV断面図、図5−1は、トラニオンを表す正面図、図5−2は、トラニオンを表す側面図、図6−1は、胴本体における取付凹部を表す正面図、図6−2は、胴本体における取付凹部を表す断面図、図7−1は、キーを表す正面図、図7−2は、キーを表す側面図、図8−1は、実施例1のトラニオンの固定方法を説明するための説明図、図8−2は、実施例1のトラニオンの固定方法を説明するための説明図、図8−3は、実施例1のトラニオンの固定方法を説明するための説明図、図8−4は、実施例1のトラニオンの固定方法を説明するための説明図、図9は、実施例1のキャスクの一部断面概略図、図10は、実施例1のキャスクの水平断面図、図11は、実施例1のキャスクを貯蔵するための貯蔵施設を表す概略図である。
【0028】
まず、実施例1の放射性物質収納容器としてのキャスクについて図9及び図10に基づいて詳細に説明する。図9及び図10に示すように、キャスク11において、胴本体12は円筒形状をなし、内部に設けられるキャビティ13内面がバスケット14の外周形状に合わせて機械加工されている。胴本体12の下部には底部15が溶接により結合されており、この胴本体12及び底部15は、γ線遮蔽機能を有する炭素鋼製の鍛造品となっているが、炭素鋼の代わりにステンレス鋼を用いることもできる。また、球状黒鉛鋳鉄や炭素鋼鋳鋼などの鋳造品を用いることもできる。
【0029】
胴本体12の外周側には所定の隙間を開けて外筒16が配設されており、胴本体12の外周面と外筒16の内周面との間には、熱伝導を行う銅製の伝熱フィン17が周方向に複数溶接されている。そして、胴本体12と外筒16との空間部に水素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽機能を有するボロンまたはボロン化合物を含有したレジン(中性子遮蔽体)18が流動状態で図示しないパイプ等を介して注入され、固化されている。この場合、伝熱フィン17は、放熱を均一に行うために熱量の多い部分に高い密度で設けるようにするのが好ましい。また、底部15の下側には複数の連結板19により所定の隙間を開けて底板20が連結されており、この底部15と底板20との空間部にレジン(中性子遮蔽体)21が設けられている。
【0030】
胴本体12の上部開口を閉塞する蓋部22は、一次蓋23と二次蓋24によって構成されている。一次蓋23は、γ線を遮蔽するステンレス鋼または炭素鋼からなる円盤形状である。また、二次蓋24も、ステンレス鋼製または炭素鋼製の円盤形状であるが、その上面には、レジン(中性子遮蔽体)25が封入されている。この一次蓋23及び二次蓋24は、ステンレス鋼製または炭素鋼製のボルト26により胴本体12の上端部に取付けられている。この場合、一次蓋23及び二次蓋24と胴本体12との間に、それぞれ図示しない金属ガスケットが介装され、内部の密封性を確保している。また、蓋部22の周囲には、レジン27を封入した補助遮蔽体28が設けられている。
【0031】
キャスク11の内部に設けられるバスケット14は、使用済みの燃料集合体を収納するセル29を構成する複数本の角パイプから構成されている。この角パイプには、アルミニウムまたはアルミニウム合金の粉末に中性子吸収性能をもつボロンまたはボロン化合物の粉末を添加したアルミニウム複合材またはアルミニウム合金を用いる。また、中性子吸収材としては、ボロンの他にガドリニウムを用いることができる。
【0032】
また、胴本体12の上部及び下部にて、外周面の両側には、キャスク11を吊り上げるためのトラニオン30が複数設けられている。キャスク11は、内部に使用済みの燃料集合体を収納した後、貯蔵施設まで搬送されるが、このキャスク11の搬送時には、胴本体12の上端部に取付けた補助遮蔽体28を取外し、キャスク11の上端部及び下端部に図示しない緩衝体を取付ける。この緩衝体は、ステンレス鋼材によって作成されたハウジング内にレッドウッド材などの緩衝材を組み込んだ構造となっている。また、キャスク11が貯蔵施設に搬入された後は、この緩衝体を取外し、据付台31を用いて起立状態で保管する。
【0033】
即ち、図11に示すように、貯蔵施設41は、全体がコンクリート壁によって構成され、設置床42、天井壁43、複数の側壁44を有している。そして、設置床42の両側には多数の吸気口45が形成された換気塔46が設けられている。この貯蔵施設41内において、設置床42上には、多数のキャスク11が所定間隔をおいて整列配置されている。各キャスク11は、前述したように使用済の燃料集合体を収納している。また、貯蔵施設41の一側には、搬入用ゲート47を有する搬入用ピット48が設けられており、キャスク11は、運搬車両によりこの搬入用ピット48から貯蔵施設41の内部に搬入される。貯蔵施設41の上部にはキャスク移送用クレーン49が移動自在に設けられており、搬入用ピット48に搬入されたキャスク11は、このキャスク移送用クレーン49により移送され、所定の位置に配置される。
【0034】
このように構成されたキャスク11にて、上述したように、胴本体12の外周部には、所定の位置にこのキャスク11を吊り上げるためのトラニオン30が固定されている。実施例1では、このトラニオン30をボルトを使用せず、後述するキーを用いて胴本体12に固定している。
【0035】
即ち、トラニオン30は、図5−1及び図5−2に示すように、胴本体12に着座して固定されるフランジ形状をなす着座部51と、ワイヤ、ロープ及び取合金物等を係止する円柱形状をなす掛止部52とが一体に形成されて構成されている。着座部51は、平面視が多角形(本実施例では、四角形)の平板形状をなし、所定の厚さtに設定されている。掛止部52は、着座部51に連続してこの着座部51より小径の大径部52aと、大径部52aに連続してこの大径部52aより小径の中径部52bと、中径部52bに連続してこの中径部52bより小径の小径部52cと、小径部52cに連続してこの小径部52cより大径のフランジ部52dとから構成されている。
【0036】
そして、このトラニオン30にて、着座部51は、底面51aが平面であり、外周部に周方向に直線状をなすと共に軸方向における胴本体12の取付凹部61(図6−1,図6−2参照)への装着側に向かって広がる傾斜面53a,53b,53c,53dが形成されている。つまり、着座部51は、四角形の平板形状をなすことから、4つの辺を有しており、この各辺に傾斜面53a,53b,53c,53dが形成されている。この傾斜面53a,53b,53c,53dは、着座部51が掛止部52側(図5−2にて上側)に向かって細くなるような、所謂、ありほぞ形状をなしている。この場合、着座部51は、平面視が正方形状であり、外周部の各辺に傾斜面53a,53b,53c,53dが形成されている。そこで掛止部52側の幅をw1に、底面51a側の幅をw2に設定すると、w1<w2となる。
【0037】
一方、図6−1及び図6−2に示すように、胴本体12における所定の位置には、トラニオン30の着座部51が装着される取付凹部61が形成されている。この取付凹部61は、平面視が多角形(本実施例では、四角形)の形状をなし、所定の深さdに設定されている。
【0038】
そして、この取付凹部61は、底面61aが平面であり、内周部に周方向に直線状をなすと共に開口側に向かって狭くなる被傾斜面62a,62b,62c,62dが形成されている。つまり、取付凹部61は、四角形状をなすことから、4つの辺を有しており、この各辺に被傾斜面62a,62b,62c,62dが形成されている。この被傾斜面62a,62b,62c,62dは、開口側(図6−2にて上側)に向かって細くなるような、所謂、あり溝形状をなしている。この場合、取付凹部61は、平面視が正方形状であり、外周部の各辺に被傾斜面62a,62b,62c,62dが形成されている。そこで開口側の幅をw3に、底面61a側の幅をw4に設定すると、w3<w4となる。
【0039】
この場合、取付凹部61の深さdと、着座部51の厚さtがほぼ同じ数値に設定されている。また、着座部51の幅w2は、取付凹部61の幅w3より小さく、w2<w3に設定されている。更に、着座部51に形成された各傾斜面53a,53b,53c,53dの形状と、取付凹部61に形成された各被傾斜面62a,62b,62c,62dの形状とが同じ形状に設定されることから、両部共に底面51a,61aに対する傾斜角度が同じ角度に設定されている。
【0040】
また、図7−1及び図7−2に示すように、胴本体12の取付凹部61に対して、トラニオン30の着座部51を固定するために、4個のキー71が設けられている。この各キー71は、断面が平行四辺形の棒状であって、同一の形状をなしている。そして、このキー71は、平行をなす上面72aと下面72bに対して、左右の側面72c,72dが平行をなす傾斜面となっている。そして、このキー71は、上面72a及びと下面72bの幅がw5に設定されている。
【0041】
この場合、トラニオン30における着座部51の幅w1,w2、胴本体12における取付凹部61の幅w3,w4、キー71の幅w5が以下のように設定されている。
w1+w5×2=w3
w2+w5×2=w4
但し、後述するが、トラニオン30、胴本体12、キー71の温度による膨張、収縮により若干変動するものである。
【0042】
ここで、このように構成されたトラニオン30を胴本体12の取付凹部61へキー71を用いて固定する方法について説明する。
【0043】
まず、図8−1に示すように、トラニオン30を図示しないクレーンなどにより吊り上げて移送し、図8−2に示すように、トラニオン30の着座部51を、胴本体12の取付凹部61に挿入する。このとき、着座部51が取付凹部61の中央部に位置するように、トラニオン30を載置する。これにより、着座部51の傾斜面53a,53b,53c,53dと、取付凹部61の被傾斜面62a,62b,62c,62dとが対向し、且つ、両者の間に所定隙間が確保される。次に、図8−3に示すように、クレーンにより4個のキー71を移送し、図8−4に示すように、各キー71を、トラニオン30における着座部51の傾斜面53a,53b,53c,53dと、取付凹部61の被傾斜面62a,62b,62c,62dとの隙間に嵌装する。これにより、トラニオン30の着座部51が胴本体12の取付凹部61に固定される。
【0044】
この場合、トラニオン30における着座部51の傾斜面53a,53b,53c,53dと、胴本体12における取付凹部61の被傾斜面62a,62b,62c,62dとの隙間に対して、各キー71を打ち込むことで、このキー71を固定する。なお、各キー71を締りばめによりトラニオン30の着座部51と胴本体12の取付凹部61とに固定してもよい。即ち、また、キー71を所定温度以下に冷却することで収縮させておき、この状態で、着座部51の傾斜面53a,53b,53c,53dと、取付凹部61の被傾斜面62a,62b,62c,62dとの隙間に挿入する冷しばめを用いてもよい。更に、胴本体12における取付凹部61の周辺を加熱することで膨張させておき、この状態で、着座部51の傾斜面53a,53b,53c,53dと、取付凹部61の被傾斜面62a,62b,62c,62dとの隙間に挿入する焼きばめを用いてもよい。
【0045】
この冷しばめや焼きばめを用いてキーを固定するときには、事前に、トラニオン30における着座部51の幅w1,w2、胴本体12における取付凹部61の幅w3,w4、キー71の幅w5との関係が以下となるように、キー71の冷却処理、胴本体12の加熱処理を行う。
w1+w5×2<w3
w2+w5×2<w4
すると、キー71の装着後、冷しばめ、焼きばめによりキー71が膨張、胴本体12が収縮することで、キー71が固定される。
【0046】
このようにトラニオン30が胴本体12に固定されると、図1乃至図3に示すように、常温では、着座部51が取付凹部61の中央部に載置され、着座部51の傾斜面53a,53b,53c,53dと、取付凹部61の被傾斜面62a,62b,62c,62dとの間にキー71がそれぞれ嵌装された構造となる。即ち、着座部51の傾斜面53aと取付凹部61の被傾斜面62aとが対向し、キー71は、側面72cが着座部51の傾斜面53aに当接し、側面72dが取付凹部61の被傾斜面62aに当接した状態となる。なお、その他の着座部51の傾斜面53b,53c,53dと、取付凹部61の被傾斜面62b,62c,62dとの関係も同様である。従って、トラニオン30は、各キー71により着座部51が取付凹部61に係止されることで抜け止めがなされ、胴本体12に強固に固定されることとなる。
【0047】
なお、この実施例1にて、4本のキー71は、同様の形状としたが、2種類の長さを有するものを使用している。即ち、図1に示すように、着座部51の傾斜面53a,53cと取付凹部61の被傾斜面62a,62cとの間のキー71の長さを、取付凹部61の幅w3と同等または若干短く設定し、着座部51の傾斜面53b,53dと取付凹部61の被傾斜面62b,62dとの間のキー71の長さを、取付凹部61の幅w3からキーの幅W5を減算した値と同等または若干短く設定している。
【0048】
この場合、図4に示すように、着座部51の傾斜面53b,53dと取付凹部61の被傾斜面62b,62dとの間に入る短いキー71の端面を、上面72a側に対して下面72b側が長くなるような傾斜面とし、着座部51の傾斜面53a,53cと取付凹部61の被傾斜面62a,62cとの間に入るキー71の側面71cに当接するように形成している。但し、4個のキー71を組み付ける場合、短いキーを挿入してから、長いキーを挿入することとなる。
【0049】
このように実施例1のキャスク11にあっては、放射性物質を収納する胴本体12と、胴本体の外周部に設けられる外筒16と、胴本体12と外筒16との間に設けられるレジン(中性子遮蔽体)18と、着座部51が胴本体12の取付凹部61に装着される吊下げ用の複数のトラニオン30とにより構成し、トラニオン30にて、着座部51の外周部に周方向に直線状をなすと共に軸方向における装着側に広がる傾斜面53a,53b,53c,53dを形成し、取付凹部61にて、内周部に周方向に直線状をなすと共に開口側に狭くなる被傾斜面62a,62b,62c,62dを形成し、傾斜面53a,53b,53c,53dが被傾斜面62a,62b,62c,62dと対向するように、着座部51が取付凹部61に位置し、傾斜面53a,53b,53c,53dと被傾斜面62a,62b,62c,62dとの間にキー71が嵌装されている。
【0050】
従って、トラニオン30の着座部51は、傾斜面53a,53b,53c,53dが取付凹部61の被傾斜面62a,62b,62c,62dに対してキー71を介して係止されることで、胴本体12に強固に固定されることとなり、多数のボルトを不要としてボルト締結のためのフランジ部を削減することができるため、トラニオン30の小型化を図ることができると共に、部品コストや製造コストなどを低減することができる。
【0051】
この場合、キー71を傾斜面53a,53b,53c,53dと被傾斜面62a,62b,62c,62dとの間に嵌装しており、キー71により傾斜面53a,53b,53c,53dと被傾斜面62a,62b,62c,62dとを作用させ、取付凹部61からの着座部51の脱落を防止することができる。
【0052】
また、実施例1のキャスク11では、着座部51及び取付凹部61を四角形状(正方形状)とし、傾斜面53a,53b,53c,53d及び被傾斜面62a,62b,62c,62dを、着座部51の外周部及び取付凹部61の内周部における各辺に形成している。従って、着座部51及び取付凹部61を正方形とし、傾斜面53a,53b,53c,53d及び被傾斜面62a,62b,62c,62dを各辺に形成することで、加工性を向上することができる。
【0053】
また、実施例1のキャスク11では、キー71を締りばめにより着座部51の外周部と取付凹部61の内周部との間に固定している。従って、キー71を固定するための締結部品を不要とし、部品コストを低減することができると共に、構造の簡素化を可能とすることができる。
【0054】
また、実施例1のトラニオン30の固定方法にあっては、トラニオン30の着座部51を胴本体12の取付凹部61に挿入し、傾斜面53a,53b,53c,53dと被傾斜面62a,62b,62c,62dとの間にキー71を嵌装することで、トラニオン30を胴本体12に固定している。従って、トラニオン30の着座部51は、傾斜面53a,53b,53c,53dが取付凹部61の被傾斜面62a,62b,62c,62dに対してキー71を介して係止されることで、胴本体12に強固に固定されることとなり、多数のボルトを不要としてボルト締結のためのフランジ部を削減することができるため、トラニオン30の小型化を図ることができると共に、部品コストや製造コストなどを低減することができる。
【実施例2】
【0055】
図12は、本発明の実施例2に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図、図13は、実施例2のキャスクにおけるトラニオン取付部を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0056】
実施例2では、図12及び図13に示すように、トラニオン30の着座部51を胴本体12の取付凹部61に固定するために使用するキー71の本数を3個としている。
【0057】
即ち、トラニオン30を胴本体12に固定するとき、トラニオン30を移送し、着座部51が胴本体12の取付凹部61内に位置するように載置する。このとき、着座部51の傾斜面53a,53b,53c,53dと、取付凹部61の被傾斜面62a,62b,62c,62dとを対向させ、1組の傾斜面53dと被傾斜面62dを当接させる一方、その他の傾斜面53a,53b,53cと被傾斜面62a,62b,62cとの間に所定隙間を確保する。そして、3個のキー71を移送し、傾斜面53a,53b,53cと被傾斜面62a,62b,62cとの隙間に嵌装する。これにより、トラニオン30の着座部51が胴本体12の取付凹部61に固定される。
【0058】
この場合、取付凹部61にて、図12における左右の幅を、実施例1の幅に比べてキー71の幅だけ小さく設定しておく。なお、トラニオン30の着座部51にて、図12における左右の幅を、実施例1の幅に比べてキー71の幅だけ大きく設定してもよい。また、各キー71は、実施例1と同様の方法によりトラニオン30の着座部51と胴本体12の取付凹部61とに固定する。
【0059】
トラニオン30が胴本体12に固定されると、着座部51が取付凹部61に載置され、1組の傾斜面53dと被傾斜面62dとが当接する一方、3組の傾斜面53a,53b,53cと被傾斜面62a,62b,62cとの間にキー71が嵌装された構造となる。従って、トラニオン30は、着座部51が取付凹部61に直接係止されると共に、各キー71により着座部51が取付凹部61に係止されることで抜け止めがなされ、胴本体12に強固に固定されることとなる。
【0060】
このように実施例2のキャスクにあっては、トラニオン30にて、着座部51の外周部に傾斜面53a,53b,53c,53dを形成し、取付凹部61の内周部に被傾斜面62a,62b,62c,62dを形成し、傾斜面53a,53b,53c,53dが被傾斜面62a,62b,62c,62dと対向するように、着座部51を取付凹部61に位置し、傾斜面53dと被傾斜面62dを当接させると共に、傾斜面53a,53b,53cと被傾斜面62a,62b,62cとの間にキー71を嵌装している。
【0061】
従って、トラニオン30の着座部51は、傾斜面53a,53b,53c,53dが取付凹部61の被傾斜面62a,62b,62c,62dに対して直接またはキー71を介して係止されることで、胴本体12に強固に固定されることとなり、多数のボルトを不要としてボルト締結のためのフランジ部を削減することができるため、トラニオン30の小型化を図ることができると共に、部品コストや製造コストなどを低減することができる。また、キー71の個数を減少させることで、トラニオン30の取付強度を低下させることなく、部品コストを低減することができる。
【実施例3】
【0062】
図14は、本発明の実施例3に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0063】
実施例3では、図14に示すように、トラニオン30の着座部51を胴本体12の取付凹部61に固定するために使用するキー71の本数を2個としている。
【0064】
即ち、トラニオン30を胴本体12に固定するとき、トラニオン30を移送し、着座部51が胴本体12の取付凹部61内に位置するように載置する。このとき、着座部51の傾斜面53a,53b,53c,53dと、取付凹部61の被傾斜面62a,62b,62c,62dとを対向させ、2組の傾斜面53a,53dと被傾斜面62a,62dを当接させる一方、その他の傾斜面53b,53cと被傾斜面62b,62cとの間に所定隙間を確保する。そして、2個のキー71を移送し、傾斜面53b,53cと被傾斜面62b,62cとの隙間に嵌装する。これにより、トラニオン30の着座部51が胴本体12の取付凹部61に固定される。
【0065】
この場合、取付凹部61にて、図14における左右及び上下の幅を、実施例1の幅に比べてキー71の幅だけ小さく設定しておく。なお、トラニオン30の着座部51にて、図14における左右及び上下の幅を、実施例1の幅に比べてキー71の幅だけ大きく設定してもよい。また、各キー71は、実施例1と同様の方法によりトラニオン30の着座部51と胴本体12の取付凹部61とに固定する。
【0066】
トラニオン30が胴本体12に固定されると、着座部51が取付凹部61に載置され、2組の傾斜面53a,53dと被傾斜面62a,62dとが当接する一方、2組の傾斜面53b,53cと被傾斜面62b,62cとの間にキー71が嵌装された構造となる。従って、トラニオン30は、着座部51が取付凹部61に直接係止されると共に、各キー71により着座部51が取付凹部61に係止されることで抜け止めがなされ、胴本体12に強固に固定されることとなる。
【0067】
このように実施例3のキャスクにあっては、トラニオン30にて、着座部51の外周部に傾斜面53a,53b,53c,53dを形成し、取付凹部61の内周部に被傾斜面62a,62b,62c,62dを形成し、傾斜面53a,53b,53c,53dが被傾斜面62a,62b,62c,62dと対向するように、着座部51を取付凹部61に位置し、傾斜面53a,53dと被傾斜面62a,62dを当接させると共に、傾斜面53b,53cと被傾斜面62b,62cとの間にキー71を嵌装している。
【0068】
従って、トラニオン30の着座部51は、傾斜面53a,53b,53c,53dが取付凹部61の被傾斜面62a,62b,62c,62dに対して直接またはキー71を介して係止されることで、胴本体12に強固に固定されることとなり、多数のボルトを不要としてボルト締結のためのフランジ部を削減することができるため、トラニオン30の小型化を図ることができると共に、部品コストや製造コストなどを低減することができる。また、キー71の個数を更に減少させることで、トラニオン30の取付強度を低下させることなく、部品コストを低減することができる。
【実施例4】
【0069】
図15は、本発明の実施例4に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図、図16は、実施例4のキャスクにおけるトラニオン取付部を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0070】
実施例4では、図15及び図16に示すように、トラニオン80の着座部81の傾斜面、胴本体12の取付凹部91の被傾斜面を3個とし、残りを直立面、被直立面とし、トラニオン80の着座部81を胴本体12の取付凹部91に固定するために使用するキー71の本数を3個としている。
【0071】
即ち、トラニオン80にて、着座部81と掛止部82を有し、着座部81は、四角形状をなし、外周部の3つ辺に傾斜面53a,53b,53cが形成されると共に、1つの辺に直立面83dが形成されている。一方、胴本体12における所定の位置には、トラニオン80の着座部81が装着される取付凹部91が形成されている。この取付凹部91は、四角形状をなし、内周部の3つ辺に被傾斜面62a,62b,62cが形成されると共に、1つの辺に被直立面92dが形成されている。
【0072】
そして、トラニオン80を胴本体12に固定するとき、トラニオン80を移送し、着座部81が胴本体12の取付凹部91内に位置するように載置する。このとき、着座部81の傾斜面53a,53b,53cと、取付凹部91の被傾斜面62a,62b,62cとを対向させると共に、着座部81の直立面83dと、取付凹部91の被直立面92dとを対向させる。そして、この1組の直立面83dと被直立面92dを当接させる一方、傾斜面53a,53b,53cと被傾斜面62a,62b,62cとの間に所定隙間を確保する。そして、3個のキー71を移送し、傾斜面53a,53b,53cと被傾斜面62a,62b,62cとの隙間に嵌装する。これにより、トラニオン80の着座部81が胴本体12の取付凹部91に固定される。
【0073】
トラニオン80が胴本体12に固定されると、着座部81が取付凹部91に載置され、1組の直立面83dと被直立面92dとが当接する一方、3組の傾斜面53a,53b,53cと被傾斜面62a,62b,62cとの間にキー71が嵌装された構造となる。従って、トラニオン80は、着座部81が取付凹部91に直接係止されると共に、各キー71により着座部81が取付凹部91に係止されることで抜け止めがなされ、胴本体12に強固に固定されることとなる。
【0074】
このように実施例4のキャスクにあっては、トラニオン80にて、着座部81の外周部に傾斜面53a,53b,53c及び直立面83dを形成し、取付凹部91の内周部に被傾斜面62a,62b,62c及び被直立面92dを形成し、傾斜面53a,53b,53cが被傾斜面62a,62b,62cと対向し、且つ、直立面83dが被直立面92dと対向するように、着座部81を取付凹部91に位置し、直立面83dと被直立面92dを当接させると共に、傾斜面53a,53b,53cと被傾斜面62a,62b,62cとの間にキー71を嵌装している。また、トラニオン80と取付凹部91に直立面83d、被直立面92dを設けることで、加工を容易として加工性を向上することができる。
【0075】
従って、トラニオン80の着座部81は、直立面83dと被直立面92dが当接し、傾斜面53a,53b,53cが取付凹部91の被傾斜面62a,62b,62cに対してキー71を介して係止されることで、胴本体12に強固に固定されることとなり、多数のボルトを不要としてボルト締結のためのフランジ部を削減することができるため、トラニオン80の小型化を図ることができると共に、部品コストや製造コストなどを低減することができる。また、トラニオン80の着座部81と胴本体12の取付凹部91の一部を直立面83dと被直立面92dとすることで、加工を容易として加工コストを低減することができる。
【実施例5】
【0076】
図17は、本発明の実施例5に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0077】
実施例5では、図17に示すように、トラニオン80の着座部81の傾斜面、胴本体12の取付凹部91の被傾斜面を3個とし、残りを直立面、被直立面とし、トラニオン80の着座部81を胴本体12の取付凹部91に固定するために使用するキー71の本数を2個としている。
【0078】
即ち、トラニオン80を胴本体12に固定するとき、トラニオン80を移送し、着座部81が胴本体12の取付凹部91内に位置するように載置する。このとき、着座部81の傾斜面53a,53b,53cと、取付凹部91の被傾斜面62a,62b,62cとを対向させると共に、着座部81の直立面83dと、取付凹部91の被直立面92dとを対向させる。そして、この1組の直立面83dと被直立面92dを当接させると共に、1組の傾斜面53aと被傾斜面62aとを当接させる一方、傾斜面53b,53cと被傾斜面62b,62cとの間に所定隙間を確保する。そして、2個のキー71を移送し、傾斜面53b,53cと被傾斜面62b,62cとの隙間に嵌装する。これにより、トラニオン80の着座部81が胴本体12の取付凹部91に固定される。
【0079】
トラニオン80が胴本体12に固定されると、着座部81が取付凹部91に載置され、1組の直立面83dと被直立面92dとが当接すると共に、1組の傾斜面53aと被傾斜面62aとが当接する一方、2組の傾斜面53b,53cと被傾斜面62b,62cとの間にキー71が嵌装された構造となる。従って、トラニオン80は、着座部81が取付凹部91に直接係止されると共に、各キー71により着座部81が取付凹部91に係止されることで抜け止めがなされ、胴本体12に強固に固定されることとなる。
【0080】
このように実施例5のキャスクにあっては、トラニオン80にて、着座部81の外周部に傾斜面53a,53b,53c及び直立面83dを形成し、取付凹部91の内周部に被傾斜面62a,62b,62c及び被直立面92dを形成し、傾斜面53a,53b,53cが被傾斜面62a,62b,62cと対向し、且つ、直立面83dが被直立面92dと対向するように、着座部81を取付凹部91に位置し、直立面83dと被直立面92d、傾斜面53aと被傾斜面62aをそれぞれ当接させると共に、傾斜面53b,53cと被傾斜面62b,62cとの間にキー71を嵌装している。
【0081】
従って、トラニオン80の着座部81は、直立面83dと被直立面92d、傾斜面53aと被傾斜面62aが当接し、傾斜面53b,53cが取付凹部91の被傾斜面62b,62cに対してキー71を介して係止されることで、胴本体12に強固に固定されることとなり、多数のボルトを不要としてトラニオン80の小型化を図ることができると共に、部品コストや製造コストなどを低減することができる。
【実施例6】
【0082】
図18は、本発明の実施例6に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0083】
実施例6では、図18に示すように、トラニオン100の着座部101の傾斜面、胴本体12の取付凹部111の被傾斜面を2個とし、残りを直立面、被直立面とし、トラニオン100の着座部101を胴本体12の取付凹部111に固定するために使用するキー71の本数を2個としている。
【0084】
即ち、トラニオン100を胴本体12に固定するとき、トラニオン100を移送し、着座部101が胴本体12の取付凹部111内に位置するように載置する。このとき、着座部101の傾斜面53b,53cと、取付凹部111の被傾斜面62b,62cとを対向させると共に、着座部101の直立面103a,103dと、取付凹部111の被直立面112a,112dとを対向させる。そして、この2組の直立面103a,103dと被直立面112a,112dを当接させる一方、2組の傾斜面53b,53cと被傾斜面62b,62cとの間に所定隙間を確保する。そして、2個のキー71を移送し、傾斜面53b,53cと被傾斜面62b,62cとの隙間に嵌装する。これにより、トラニオン100の着座部101が胴本体12の取付凹部111に固定される。
【0085】
トラニオン100が胴本体12に固定されると、着座部101が取付凹部111に載置され、2組の直立面103a,103dと被直立面112a,112dとが当接する一方、2組の傾斜面53b,53cと被傾斜面62b,62cとの間にキー71が嵌装された構造となる。従って、トラニオン100は、着座部101が取付凹部111に直接係止されると共に、各キー71により着座部101が取付凹部111に係止されることで抜け止めがなされ、胴本体12に強固に固定されることとなる。
【0086】
このように実施例6のキャスクにあっては、トラニオン100にて、着座部101の外周部に傾斜面53b,53c及び直立面103a,103dを形成し、取付凹部111の内周部に被傾斜面62b,62c及び被直立面112a,112dを形成し、傾斜面53b,53cが被傾斜面62b,62cと対向し、且つ、直立面103a,103dが被直立面112a,112dと対向するように、着座部101を取付凹部111に位置し、直立面103a,103dと被直立面112a,112dを当接させると共に、傾斜面53b,53cと被傾斜面62b,62cとの間にキー71を嵌装している。
【0087】
従って、トラニオン100の着座部101は、直立面103a,103dと被直立面112a,112dが当接し、傾斜面53b,53cが取付凹部111の被傾斜面62b,62cに対してキー71を介して係止されることで、胴本体12に強固に固定されることとなり、多数のボルトを不要としてボルト締結のためのフランジ部を削減することができるため、トラニオン100の小型化を図ることができると共に、部品コストや製造コストなどを低減することができる。また、トラニオン100の着座部101と胴本体12の取付凹部111の一部を直立面103a,103dと被直立面112a,112dとすることで、加工を容易として加工コストを低減することができる。この場合、キャスクの軸方向及び周方向に傾斜面53b,53c及び被傾斜面62b,62cを設けることで、トラニオン100の取付強度が低下することが抑制される。
【実施例7】
【0088】
図19は、本発明の実施例7に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0089】
実施例7では、図19に示すように、トラニオン120の着座部121の傾斜面、胴本体12の取付凹部131の被傾斜面を2個とし、残りを直立面、被直立面とし、トラニオン120の着座部121を胴本体12の取付凹部131に固定するために使用するキー71の本数を2個としている。この場合、傾斜面及び被傾斜面をキャスクにおける軸方向(長手方向)の一方側と他方側に配置し、直立面及び被直立面をキャスクにおける周方向の一方側と他方側に配置している。
【0090】
即ち、トラニオン120を胴本体12に固定するとき、トラニオン120を移送し、着座部121が胴本体12の取付凹部131内に位置するように載置する。このとき、着座部121の傾斜面53a,53cと、取付凹部131の被傾斜面62a,62cとを対向させると共に、着座部121の直立面123b,123dと、取付凹部131の被直立面132b,132dとを対向させる。そして、この2組の直立面123b,123dと被直立面132b,132dを当接させる一方、2組の傾斜面53a,53cと被傾斜面62a,62cとの間に所定隙間を確保する。そして、2個のキー71を移送し、傾斜面53a,53cと被傾斜面62a,62cとの隙間に嵌装する。これにより、トラニオン120の着座部121が胴本体12の取付凹部131に固定される。
【0091】
トラニオン120が胴本体12に固定されると、着座部121が取付凹部131に載置され、2組の直立面123b,123dと被直立面132b,132dとが当接する一方、2組の傾斜面53a,53cと被傾斜面62a,62cとの間にキー71が嵌装された構造となる。従って、トラニオン120は、着座部121が取付凹部131に直接係止されると共に、各キー71により着座部121が取付凹部131に係止されることで抜け止めがなされ、胴本体12に強固に固定されることとなる。
【0092】
このように実施例7のキャスクにあっては、トラニオン120にて、着座部121の外周部に傾斜面53a,53c及び直立面123b,123dを形成し、取付凹部131の内周部に被傾斜面62a,62c及び被直立面132b,132dを形成し、傾斜面53a,53cが被傾斜面62a,62cと対向し、且つ、直立面123b,123dが被直立面132b,132dと対向するように、着座部121を取付凹部131に位置し、直立面123b,123dと被直立面132b,132dを当接させると共に、傾斜面53a,53cと被傾斜面62a,62cとの間にキー71を嵌装している。
【0093】
従って、トラニオン120の着座部121は、直立面123b,123dと被直立面132b,132dが当接し、傾斜面53a,53cが取付凹部131の被傾斜面62a,62cに対してキー71を介して係止されることで、胴本体12に強固に固定されることとなり、多数のボルトを不要としてボルト締結のためのフランジ部を削減することができるため、トラニオン120の小型化を図ることができると共に、部品コストや製造コストなどを低減することができる。
【実施例8】
【0094】
図20は、本発明の実施例8に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0095】
実施例8では、図20に示すように、トラニオン120の着座部121の傾斜面、胴本体12の取付凹部131の被傾斜面を2個とし、残りを直立面、被直立面とし、トラニオン120の着座部121を胴本体12の取付凹部131に固定するために使用するキー71の本数を1個としている。
【0096】
即ち、トラニオン120を胴本体12に固定するとき、トラニオン120を移送し、着座部121が胴本体12の取付凹部131内に位置するように載置する。このとき、着座部121の傾斜面53a,53cと、取付凹部131の被傾斜面62a,62cとを対向させると共に、着座部121の直立面123b,123dと、取付凹部131の被直立面132b,132dとを対向させる。そして、この2組の直立面123b,123dと被直立面132b,132dを当接させると共に、1組の傾斜面53aと被傾斜面62aとを当接させる一方、1組の傾斜面53cと被傾斜面62cとの間に所定隙間を確保する。そして、1個のキー71を移送し、傾斜面53cと被傾斜面62cとの隙間に嵌装する。これにより、トラニオン120の着座部121が胴本体12の取付凹部131に固定される。
【0097】
トラニオン120が胴本体12に固定されると、着座部121が取付凹部131に載置され、2組の直立面123b,123dと被直立面132b,132dとが当接すると共に、1組の傾斜面53aと被傾斜面62aとが直接係止される一方、1組の傾斜面53cと被傾斜面62cとの間にキー71が嵌装された構造となる。従って、トラニオン120は、着座部121が取付凹部131に直接係止されると共に、1つのキー71により着座部121が取付凹部131に係止されることで抜け止めがなされ、胴本体12に強固に固定されることとなる。
【0098】
このように実施例8のキャスクにあっては、トラニオン120にて、着座部121の外周部に傾斜面53a,53c及び直立面123b,123dを形成し、取付凹部131の内周部に被傾斜面62a,62c及び被直立面132b,132dを形成し、傾斜面53a,53cが被傾斜面62a,62cと対向し、且つ、直立面123b,123dが被直立面132b,132dと対向するように、着座部121を取付凹部131に位置し、直立面123b,123dと被直立面132b,132d、傾斜面53aと被傾斜面62aとを当接させると共に、傾斜面53cと被傾斜面62cとの間にキー71を嵌装している。
【0099】
従って、トラニオン120の着座部121は、直立面123b,123dと被直立面132b,132dが当接し、傾斜面53aと被傾斜面62aが直接係止され、傾斜面53cが取付凹部131の被傾斜面62cにキー71を介して係止されることで、胴本体12に強固に固定されることとなり、多数のボルトを不要としてボルト締結のためのフランジ部を削減することができるため、トラニオン120の小型化を図ることができると共に、部品コストや製造コストなどを低減することができる。
【実施例9】
【0100】
図21は、本発明の実施例9に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0101】
実施例9では、図21に示すように、トラニオン140の着座部141の傾斜面、胴本体12の取付凹部151の被傾斜面を1個とし、残りを直立面、被直立面とし、トラニオン140の着座部141を胴本体12の取付凹部151に固定するために使用するキー71の本数を1個としている。
【0102】
即ち、トラニオン140を胴本体12に固定するとき、トラニオン140を移送し、着座部141が胴本体12の取付凹部151内に位置するように載置する。このとき、着座部141の傾斜面53cと、取付凹部151の被傾斜面62cとを対向させると共に、着座部141の直立面143a,143b,143dと、取付凹部151の被直立面152a,152b,152dとを対向させる。そして、この3組の直立面143a,143b,143dと被直立面152a,152b,152dを当接させる一方、1組の傾斜面53cと被傾斜面62cとの間に所定隙間を確保する。そして、1個のキー71を移送し、傾斜面53cと被傾斜面62cとの隙間に嵌装する。これにより、トラニオン140の着座部141が胴本体12の取付凹部151に固定される。
【0103】
トラニオン140が胴本体12に固定されると、着座部141が取付凹部151に載置され、3組の直立面143a,143b,143dと被直立面152a,152b,152dとが当接する一方、1組の傾斜面53cと被傾斜面62cとの間にキー71が嵌装された構造となる。従って、トラニオン140は、着座部141が取付凹部151に直接係止されると共に、1つのキー71により着座部141が取付凹部151に係止されることで抜け止めがなされ、胴本体12に強固に固定されることとなる。
【0104】
このように実施例9のキャスクにあっては、トラニオン140にて、着座部141の外周部に傾斜面53c及び直立面143a,143b,143dを形成し、取付凹部151の内周部に被傾斜面62c及び被直立面152a,152b,152dを形成し、傾斜面53cが被傾斜面62cと対向し、且つ、直立面143a,143b,143dが被直立面152a,152b,152dと対向するように、着座部141を取付凹部151に位置し、直立面143a,143b,143dと被直立面152a,152b,152dを当接させると共に、傾斜面53cと被傾斜面62cとの間にキー71を嵌装している。
【0105】
従って、トラニオン140の着座部141は、直立面143a,143b,143dと被直立面152a,152b,152dが当接し、傾斜面53cが取付凹部151の被傾斜面62cにキー71を介して係止されることで、胴本体12に強固に固定されることとなり、多数のボルトを不要としてボルト締結のためのフランジ部を削減することができるため、トラニオン140の小型化を図ることができると共に、部品コストや製造コストなどを低減することができる。
【実施例10】
【0106】
図22は、本発明の実施例10に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0107】
実施例10では、図22に示すように、トラニオン160の着座部161が六角形をなし、このトラニオン160の着座部161の傾斜面、胴本体12の取付凹部171の被傾斜面を6個とし、トラニオン160の着座部161を胴本体12の取付凹部171に固定するために使用するキー71の本数を1個としている。
【0108】
即ち、トラニオン160は、着座部161と掛止部162が一体に形成されて構成され、着座部161は、平面視が多角形(本実施例では、六角形)の平板形状をなし、同じ長さの3つの長辺と、同じ長さの3つの短編が交互に位置している。そして、着座部161は、3つの長辺にて、軸方向における胴本体12の取付凹部171への装着側に向かって広がる第1傾斜面163a,163b,163cが形成されると共に、3つの短辺にて、軸方向における胴本体12の取付凹部171への装着側に向かって広がる第2傾斜面163d,163e,163fが形成されている。
【0109】
一方、取付凹部171は、トラニオン160の着座部161と同様に、平面視が多角形(本実施例では、六角形)の凹部形状をなし、同じ長さの3つの長辺と、同じ長さの3つの短編が交互に位置している。そして、取付凹部171は、3つの長辺にて、開口側に向かって狭くなる第1被傾斜面172a,172b,172cが形成されると共に、3つの短辺にて、開口側に向かって狭くなる第2被傾斜面172d,172e,172fが形成されている。この場合、トラニオン160の着座部161は、胴本体12の取付凹部171より若干小さいものと設定されている。
【0110】
従って、トラニオン160を胴本体12に固定するとき、トラニオン160を移送し、着座部161が胴本体12の取付凹部171内に位置するように載置する。このとき、着座部161の各傾斜面163a,163b,163c,163d,163e,163fと、取付凹部171の各被傾斜面172a,172b,172c,172d,172e,172fとを対向させる。そして、3組の傾斜面163a,163c,163fと被傾斜面172a,172c,172fを当接させる一方、3組の傾斜面163b,163d,163eと被傾斜面172b,172d,172eとの間に所定隙間を確保する。そして、1個のキー71を移送し、第1傾斜面163bと第1被傾斜面172bとの隙間に嵌装する。これにより、トラニオン160の着座部161が胴本体12の取付凹部171に固定される。
【0111】
トラニオン160が胴本体12に固定されると、着座部161が取付凹部171に載置され、2組の第1傾斜面163a,163cと第1被傾斜面172a,172cとが直接係止すると共に、1組の第2傾斜面163fと第2被傾斜面172fとが直接係止する一方、1組の第1傾斜面163bと第1被傾斜面172bとの間にキー71が嵌装された構造となる。従って、トラニオン160は、着座部161が取付凹部171に直接係止されると共に、1つのキー71により着座部161が取付凹部171に係止されることで抜け止めがなされ、胴本体12に強固に固定されることとなる。
【0112】
このように実施例10のキャスクにあっては、トラニオン160の着座部161と胴本体12の取付凹部171を六角形状とし、着座部161の外周部に第1傾斜面163a,163b,163cと第2傾斜面163d,163e,163fを交互に形成し、取付凹部171の内周部に第1被傾斜面172a,172b,172cと第2被傾斜面172d,172e,172fを形成し、それぞれ対向するように、着座部161を取付凹部171に位置し、傾斜面163a,163c,163fと被傾斜面172a,172c,172fを直接係止させると共に、第1傾斜面163bと第1被傾斜面172bとの間にキー71を嵌装している。
【0113】
従って、トラニオン160の着座部161は、傾斜面163a,163c,163fが取付凹部171の被傾斜面172a,172c,172fに直接係止し、傾斜面163bが取付凹部171の被傾斜面172bにキー71を介して係止することで、胴本体12に強固に固定されることとなり、多数のボルトを不要としてボルト締結のためのフランジ部を削減することができるため、トラニオン160の小型化を図ることができると共に、部品コストや製造コストなどを低減することができる。
【0114】
なお、上述した実施例10では、トラニオン160の着座部161における第2傾斜面163d,163eと、取付凹部171における第2被傾斜面172d,172eとの間に隙間を確保するものの、キーを嵌装していないことで、このキーの本数を低減したが、この隙間に短くキーを挿入することで、トラニオン160の取付強度を向上させるようにしてもよい。
【実施例11】
【0115】
図23は、本発明の実施例11に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0116】
実施例11では、図23に示すように、トラニオン180の着座部181が正六角形をなし、このトラニオン180の着座部181の傾斜面、胴本体12の取付凹部191の被傾斜面を6個とし、トラニオン180の着座部181を胴本体12の取付凹部191に固定するために使用するキー71の本数を2個としている。
【0117】
即ち、トラニオン180は、着座部181と掛止部182が一体に形成されて構成され、着座部181は、平面視が正六角形をなし、同じ長さの6つの辺を有している。そして、着座部181は、各辺にて、軸方向における胴本体12の取付凹部191への装着側に向かって広がる傾斜面183a,183b,183c,183d,183e,183fが形成されている。一方、取付凹部191は、トラニオン180の着座部181と同様に、平面視が正六角形をなし、同じ長さの6つ辺を有している。そして、取付凹部191は、各辺にて、開口側に向かって狭くなる被傾斜面192a,192b,192c,192d,192e,192fが形成されている。この場合、トラニオン180の着座部181は、胴本体12の取付凹部191より若干小さいものと設定されている。
【0118】
従って、トラニオン180を胴本体12に固定するとき、トラニオン180を移送し、着座部181が胴本体12の取付凹部191内に位置するように載置する。このとき、着座部181の各傾斜面183a,183b,183c,183d,183e,183fと、取付凹部191の各被傾斜面192a,192b,192c,192d,192e,192fとを対向させる。そして、3組の傾斜面183a,183e,183fと被傾斜面192a,192e,192fを当接させる一方、3組の傾斜面183b,183c,183dと被傾斜面192b,192c,192dとの間に所定隙間を確保する。そして、2個のキー71を移送し、傾斜面183b,183cと被傾斜面192b,192cとの隙間に嵌装する。これにより、トラニオン180の着座部181が胴本体12の取付凹部191に固定される。
【0119】
トラニオン180が胴本体12に固定されると、着座部181が取付凹部191に載置され、3組の傾斜面183a,183e,183fと被傾斜面192a,192e,192fとが直接係止する一方、2組の傾斜面183b,183cと被傾斜面192b,192cとの間にキー71が嵌装された構造となる。従って、トラニオン180は、着座部181が取付凹部191に直接係止されると共に、2つのキー71により着座部181が取付凹部191に係止されることで抜け止めがなされ、胴本体12に強固に固定されることとなる。
【0120】
このように実施例11のキャスクにあっては、トラニオン180の着座部181と胴本体12の取付凹部191を正六角形状とし、着座部181の外周部に傾斜面183a,183b,183c,183d,183e,183fを形成し、取付凹部191の内周部に被傾斜面192a,192b,192c,192d,192e,192fを形成し、それぞれ対向するように着座部181を取付凹部191に位置し、傾斜面183a,183e,183fと被傾斜面192a,192e,192fを直接係止させると共に、傾斜面183b,183cと被傾斜面192b,192cとの間にキー71を嵌装している。
【0121】
従って、トラニオン180の着座部181は、傾斜面183a,183e,183fが取付凹部191の被傾斜面192a,192e,192fに直接係止し、傾斜面183b,183cが取付凹部191の被傾斜面192b,192cにキー71を介して係止することで、胴本体12に強固に固定されることとなり、多数のボルトを不要としてボルト締結のためのフランジ部を削減することができるため、トラニオン180の小型化を図ることができると共に、部品コストや製造コストなどを低減することができる。
【0122】
なお、上述した実施例11では、トラニオン180の着座部181における傾斜面183dと、取付凹部191における被傾斜面192dとの間に隙間を確保するものの、キーを嵌装していないことで、このキーの本数を低減したが、この隙間に短くキーを挿入することで、トラニオン180の取付強度を向上させるようにしてもよい。
【実施例12】
【0123】
図24は、本発明の実施例12に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す要部断面図である。また、図25及び図26は、実施例12のキャスクにおけるトラニオン取付部の変形例を表す要部断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。なお、本実施例の放射性物質収納容器における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1乃至図3を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0124】
実施例12では、図1乃至図3に示すように、トラニオン30は、着座部51が胴本体12の取付凹部61に載置され、各傾斜面53a,53b,53c,53dと被傾斜面62a,62b,62c,62dとの間にキー71が嵌装された構造となる。そして、本実施例では、図24に示すように、各キー71にて、上下に貫通する取付孔73が形成され、締結ボルト74がこのキー71の取付孔73を貫通し、先端部が胴本体12に螺合している。従って、締結ボルト74がキー71を胴本体12に締結することで、トラニオン30における着座部51の傾斜面53a,53b,53c,53dが、各キー71の一方の側面72cに係止することとなり、トラニオン30は、着座部51が胴本体12の取付凹部61に各キー71により強固に固定されることとなる。
【0125】
また、実施例12における一つの変形例では、図25に示すように、各キー71と胴本体12の取付凹部61との係止部にて、上方に開口する取付孔75が形成され、締結ボルト76がこの取付孔75に螺合している。従って、締結ボルト76がキー71及び胴本体12に螺合することで、トラニオン30における着座部51の傾斜面53a,53b,53c,53dが、各キー71の一方の側面72cに係止することとなり、トラニオン30は、着座部51が胴本体12の取付凹部61に各キー71により強固に固定されることとなる。
【0126】
また、実施例12におけるもう一つの変形例では、図26に示すように、各キー71とトラニオン30の着座部51との係止部、各キー71と胴本体12の取付凹部61との係止部にて、かしめ77,78が形成されている。従って、このかしめ77,78により、トラニオン30における着座部51の傾斜面53a,53b,53c,53dが、各キー71の一方の側面72cに係止することとなり、トラニオン30は、着座部51が胴本体12の取付凹部61に各キー71により強固に固定されることとなる。
【0127】
なお、本実施例にて、締結ボルト74,76、かしめ77,78は、キー71の長手方向において、その複数位置に設けることが望ましい。
【0128】
このように実施例12のキャスクにあっては、キー71を締結ボルト74,76やかしめ77,78を用いて、着座部51をキー71を介して取付凹部61に固定している。従って、キー71を確実に固定することで、トラニオン30を胴本体12に強固に固定することができる。
【実施例13】
【0129】
図27は、本発明の実施例13に係る放射性物質収納容器としてのキャスクにおけるトラニオン取付部を表す正面図、図28は、実施例13のキャスクにおけるトラニオン取付部を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0130】
実施例13では、図27及び図28に示すように、トラニオン210の着座部211を胴本体12の取付凹部221に固定するために使用するキー71の本数を4個としている。また、本実施例では、着座部211の外周部、取付凹部221の内周部に、辺同士の隣接部に曲線部を形成している。
【0131】
即ち、トラニオン210は、着座部211と掛止部212が一体に形成されて構成され、着座部211は、平面視が正四角形をなし、同じ長さの4つの辺を有している。そして、着座部211は、各辺にて、軸方向における胴本体12の取付凹部221への装着側に向かって広がる傾斜面53a,53b,53c,53dが形成されている。一方、取付凹部221は、トラニオン210の着座部211と同様に、平面視が正四角形をなし、同じ長さの4つの辺を有している。そして、取付凹部221は、各辺にて、開口側に向かって狭くなる被傾斜面62a,62b,62c,62dが形成されている。
【0132】
また、トラニオン210の着座部211にて、各傾斜面53a,53b,53c,53dの間には、曲線部としての第1円弧部214a,214b,214c,214dがそれぞれ形成されている。また、傾斜面53a,53b,53c,53d及び第1円弧部214a,214b,214c,214dと底面51aとの間には、曲線部としての第2円弧部215が形成されている。一方、取付凹部221にて、各被傾斜面62a,62b,62c,62dの間には、曲線部としての第1被円弧部223a,223b,223c,223dがそれぞれ形成されている。また、被傾斜面62a,62b,62c,62d及び第1被円弧部曲線部223a,223b,223c,223dと底面61aとの間には、曲線部としての第2被円弧部224が形成されている。
【0133】
従って、トラニオン210を胴本体12に固定するとき、トラニオン210を移送し、着座部211が胴本体12の取付凹部221内に位置するように載置する。このとき、着座部211の傾斜面53a,53b,53c,53dと、取付凹部221の被傾斜面62a,62b,62c,62dとを対向させ、各傾斜面53a,53b,53c,53dと被傾斜面62a,62b,62c,62dとの間に所定隙間を確保する。そして、4個のキー71を移送し、傾斜面53a,53b,53c,53dと被傾斜面62a,62b,62c,62dとの隙間に嵌装する。これにより、トラニオン210の着座部211が胴本体12の取付凹部221に固定される。
【0134】
トラニオン210が胴本体12に固定されると、着座部211が取付凹部221に載置され、全ての傾斜面53a,53b,53c,53dと被傾斜面62a,62b,62c,62dとの間にキー71が嵌装された構造となる。従って、トラニオン210は、着座部211が取付凹部221に直接係止されると共に、各キー71により着座部211が取付凹部221に係止されることで抜け止めがなされ、胴本体12に強固に固定されることとなる。
【0135】
このように実施例13のキャスクにあっては、トラニオン210の着座部211にて、傾斜面53a,53b,53c,53dの間に第1円弧部214a,214b,214c,214dを形成すると共に、第2円弧部215を形成する一方、取付凹部221にて、被傾斜面62a,62b,62c,62dの間に第1被円弧部223a,223b,223c,223dを形成すると共に、第2被円弧部224を形成している。
【0136】
従って、第1円弧部214a,214b,214c,214d、第2円弧部215を形成すると共に、第1被円弧部223a,223b,223c,223d、第2被円弧部224を形成することで、取付凹部221や被傾斜面62a,62b,62c,62dなどの加工を容易とし、加工性を向上することができる。
【0137】
なお、上述した各実施例では、トラニオンにおける着座部の形状は、上述した各実施例の形状に限定されるものではなく、多角形に限らず、円形の一部に直線部を設けた形状としてもよい。また、胴本体の取付凹部の形状も、上述した各実施例の形状に限定されるものではなく、多角形に限らず、円形の一部に直線部を設けた形状としてもよい。この場合、トラニオンにおける着座部と胴本体の取付凹部とを同形状とする必要はなく、両者の間に挿入されるキーの形状を工夫することで、このキーによりトラニオンの着座部を胴本体の取付凹部に係止可能とすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明に係る放射性物質収納容器及びトラニオンの取付方法は、トラニオンの傾斜面と取付凹部の被傾斜面との間にキーを嵌装することで、トラニオンの小型化を図ると共にコストの低コスト化を可能とするものであり、いずれの種類の放射性物質収納容器にも適用しても有用である。
【符号の説明】
【0139】
11 キャスク(放射性物質収納容器)
12 胴本体
16 外筒
17 伝熱フィン
18 レジン(中性子遮蔽体)
22 蓋部
30,80,100,120,140,160,180,210 トラニオン
51,81,101,121,141,161,181,211 着座部
52,82,102,122,142,162,182,212 掛止部
53a,53b,53c,53d,183a,183b,183c,183d,183e,183f 傾斜面
61,91,111,131,151,171,191,221 取付凹部
62a,62b,62c,62d,192a,192b,192c,192d,192e,192f 被傾斜面
71 キー
72c,72d 側面
74,76 締結ボルト
77,78 かしめ
83d,103a,103d,123b,123d,143a,143b,143d 直立面
92d,112a,112d,132b,132d,152a,152b,152d 被直立面
163a,163b,163c 第1傾斜面
163d,163e,163f 第2傾斜面
172a,172b,172c 第1被傾斜面
172d,172e,172f 第2被傾斜面
214a,214b,214c,214d 第1円弧部(曲線部)
223a,223b,223c,223d 第1被円弧部(曲線部)
215 第2円弧部(曲線部)
224 第2被円弧部(曲線部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性物質を収納する胴本体と、
着座部が前記胴本体の取付凹部に装着される吊下げ用の複数のトラニオンと、
を備え、
前記トラニオンは、前記着座部の外周部が周方向に直線状をなすと共に前記トラニオンの軸方向における装着側に広がる傾斜面が形成され、
前記取付凹部は、内周部が周方向に直線状をなすと共に開口側に狭くなる被傾斜面が形成され、
前記トラニオンは、前記傾斜面が前記被傾斜面と対向するように、前記着座部が前記取付凹部に挿入され、前記着座部の外周部と前記取付凹部の内周部との間にキーが嵌装されることで、前記胴本体に固定される、
ことを特徴とする放射性物質収納容器。
【請求項2】
前記キーは、前記傾斜面と前記被傾斜面との間に嵌装されることを特徴とする請求項1に記載の放射性物質収納容器。
【請求項3】
前記着座部及び前記取付凹部は、平面視が多角形状をなし、前記傾斜面及び前記被傾斜面は、前記着座部の外周部及び前記取付凹部の内周部における少なくとも一辺に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の放射性物質収納容器。
【請求項4】
前記傾斜面及び前記被傾斜面は、前記着座部の外周部及び前記取付凹部の内周部における全ての辺に形成され、少なくとも一片では前記傾斜面と前記被傾斜面との間に前記キーが嵌装され、前記傾斜面と前記被傾斜面との間に前記キーが嵌装されない辺では、前記傾斜面と前記被傾斜面とが当接することで前記胴本体に固定されることを特徴とする請求項3に記載の放射性物質収納容器。
【請求項5】
前記取付凹部の内周部には、前記辺同士の隣接部に曲線部が形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の放射性物質収納容器。
【請求項6】
前記キーは、締りばめにより前記着座部の外周部と前記取付凹部の内周部との間に固定されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の放射性物質収納容器。
【請求項7】
放射性物質を収納する胴本体と、
着座部が前記胴本体の取付凹部に装着される吊上げ用の複数のトラニオンと、
を備える放射性物質収納容器において、
前記トラニオンの着座部を前記胴本体の取付凹部に挿入し、
前記着座部の外周部と前記取付凹部の内周部との間にキーを嵌装することで、
前記着座部の外周部が周方向に直線状をなすと共に軸方向における装着側に広がる傾斜面と、前記取付凹部の内周部が周方向に直線状をなすと共に開口側に狭くなる被傾斜面とが作用することで、前記トラニオンを前記胴本体に固定する、
ことを特徴とするトラニオンの取付方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5−1】
image rotate

【図5−2】
image rotate

【図6−1】
image rotate

【図6−2】
image rotate

【図7−1】
image rotate

【図7−2】
image rotate

【図8−1】
image rotate

【図8−2】
image rotate

【図8−3】
image rotate

【図8−4】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate