説明

放射性薬液容器を収納する遮蔽容器の内装材

【課題】放射性薬液容器を収納する遮蔽容器の内装材であって、一種類の内装材を胴径の異なる複数種の放射性薬液容器に対して使用できるとともに、遮蔽容器内に放射性薬液容器を安定に保持することができる内装材を提供する。
【解決手段】放射性薬液容器の胴部の周面に軸方向に沿って所定長さ接触し、内側に放射性薬液容器を保持する複数の薬液容器保持片8を有するとともに、薬液容器保持片同士が連結体12により連結され、上記連結体は、連結体と薬液容器保持片とによって形成される内側の空隙に、この空隙よりも大きい胴径を有する放射性薬液容器を挿入した際に切断する内装材2とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性薬液を封入した放射性薬液容器(バイアル、プレフィルドシリンジ、アンプル等)を収納する遮蔽容器の内装材に関する。
【背景技術】
【0002】
放射性薬液の入った放射性薬液容器を収納する遮蔽容器の内装材として、特開平9−61588号に開示されたものがある。この内装材は、図18に示すように、容器本体の開口部に係合する係合部aと、係合部aに隣接し、放射性薬液容器の胴径より大きい内径を有する薬液容器挿入部bと、薬液容器挿入部bから下方に向かって略円錐台状に形成され、その下端縁より複数個の拡開用切込みcにより設けられた薬液容器固定片dよりなる薬液容器固定部eを有するものである。
【0003】
上述した特開平9−61588号の内装材は、遮蔽容器の容器本体の開口部に係合部aを係合させることにより、容器本体の内側に配置される。そして、放射性薬液容器を遮蔽容器に収納するとき、内装材の薬液容器固定部eは、放射性薬液容器の胴径とほぼ同じ内径にまで拡開すると同時に、放射性薬液容器の胴部をその中心に向かって挟圧することによって放射性薬液容器を固定する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特開平9−61588号の内装材には、次のような欠点があった。
1.一種類の内装材に対しては、その内装材の薬液容器固定部の寸法に適応した胴径を有する放射性薬液容器しか使用できず、胴径の異なる放射性薬液容器については使用できなかった。したがって、胴径の異なる複数種の放射性薬液容器を遮蔽容器に収納するためには、それぞれの放射性薬液容器の胴径に合わせた複数種の内装材が必要となり、不経済であった。
2.薬液容器固定部に放射性薬液容器を固定したとき、薬液容器固定部は略円錐台状に形成されているので、放射性薬液容器の胴部には薬液容器固定片の下端部のみが接触する。そのため、放射性薬液容器と薬液容器固定片の上下方向(容器の軸方向)における接触距離が短いので、遮蔽容器内で放射性薬液容器がぐらつくことがあり、遮蔽容器内に放射性薬液容器を安定に保持できないことがあった。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、放射性薬液容器を収納する遮蔽容器の内装材であって、一種類の内装材を胴径の異なる複数種の放射性薬液容器に対して使用することができる内装材、及び、放射性薬液容器を固定したときに放射性薬液容器がぐらつくことがなく、遮蔽容器内に放射性薬液容器を安定に保持することができる内装材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記目的を達成するため、下記第1〜第5発明の内装材を提供する。
(第1発明)
放射性薬液容器を収納する遮蔽容器の内装材であって、放射性薬液容器の胴部の周面に軸方向に沿って所定長さ接触し、内側に放射性薬液容器を保持する複数の薬液容器保持片を有するとともに、前記薬液容器保持片同士が連結体により連結され、該連結体は、該連結体と該薬液容器保持片とによって形成される内側の空隙に、該空隙よりも大きい胴径を有する放射性薬液容器を挿入した際に切断することを特徴とする内装材。
(第2発明)
放射性薬液容器を収納する遮蔽容器の内装材であって、放射性薬液容器の胴部の周面に軸方向に沿って所定長さ接触し、内側に放射性薬液容器を保持する複数の薬液容器保持片を有するとともに、前記薬液容器保持片と該内装材における薬液容器保持片以外の箇所とが連結体により連結され、該連結体は、該連結体と該薬液容器保持片とによって形成される内側の空隙に、該空隙よりも大きい胴径を有する放射性薬液容器を挿入した際に切断、折曲又は転倒することを特徴とする内装材。
(第3発明)
放射性薬液容器を収納する遮蔽容器の内装材であって、内側に放射性薬液容器を保持し、放射性薬液容器の胴部の軸方向に実質的に平行な軸を有するとともに、内装材の円筒壁の内面から斜め内方に突出し、先端部が放射性薬液容器の胴部の周面に軸方向に沿って所定長さ接触する複数の縦羽根状の薬液容器保持片を有することを特徴とする内装材。
(第4発明)
放射性薬液容器を収納する遮蔽容器の内装材であって、内側に放射性薬液容器を保持し、放射性薬液容器の胴部の軸方向に実質的に垂直な軸を有するとともに、先端部が放射性薬液容器の胴部の周面に軸方向に沿って所定長さ接触する複数の横羽根状の薬液容器保持片を有し、前記薬液容器保持片同士が連結体により連結され、該連結体は、該連結体と該薬液容器保持片とによって形成される内側の空隙に、該空隙よりも大きい胴径を有する放射性薬液容器を挿入した際に切断することを特徴とする内装材。
(第5発明)
放射性薬液容器を収納する遮蔽容器の内装材であって、内側に放射性薬液容器を保持し、放射性薬液容器の胴部の軸方向に実質的に平行な軸を有するとともに、放射性薬液容器の胴部の周面に軸方向に沿って所定長さ接触する複数の板状の薬液容器保持片を有することを特徴とする内装材。
【0007】
第1、第2及び第4発明の内装材は、複数の薬液容器保持片の内側に放射性薬液容器を挿入し、これら薬液容器保持片によって放射性薬液容器を保持するものであるが、第1及び第4発明では薬液容器保持片同士が切断可能な連結体により連結され、第2発明では薬液容器保持片と薬液容器保持片以外の箇所とが切断、折曲又は転倒可能な連結体により連結されている。そのため、一種類の内装材に対し、薬液容器保持片の内側にその寸法より大きい胴径を有する放射性薬液容器を挿入した場合でも、連結体が切断したり、折曲したり、転倒したりして、上記大きい胴径の放射性薬液容器に薬液容器保持片が適合する。そのため、一種類の内装材を胴径の異なる複数種の放射性薬液容器に対して使用することができる。
【0008】
第1発明〜第5発明の内装材は、薬液容器保持片が放射性薬液容器の胴部の周面に軸方向に沿って所定長さ接触する。したがって、放射性薬液容器と薬液容器保持片の上下方向(容器の軸方向)における接触距離が長いので、薬液容器保持片の内側に放射性薬液容器を固定したときに放射性薬液容器がぐらつくことがなく、遮蔽容器内に放射性薬液容器を安定に保持することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る放射性薬液容器を収納する遮蔽容器の内装材は、下記の効果を奏する。
(1)第1、第2及び第4発明の内装材は、一種類の内装材に対し、薬液容器保持片の内側にその寸法より大きい胴径を有する放射性薬液容器を挿入した場合でも、連結体が切断したり、折曲したり、転倒したりして、上記大きい胴径の放射性薬液容器に薬液容器保持片が適合する。そのため、一種類の内装材を胴径の異なる複数種の放射性薬液容器に対して使用することができる。また、小さい胴径を有する放射性薬液容器を内装材に挿入した場合でも、薬液容器保持片が連結体によって連結されているので、放射性薬液容器を薬液容器保持片によって確実に保持することができる。このように、第1、第2及び第4発明の内装材は、放射性薬液容器の胴径の大きさに関係なく、放射性薬液容器を保持する力を目的の範囲内にコントロールすることができる。さらに、薬液容器保持片が衝撃に対する緩衝作用を有するため、輸送時等に放射性薬液容器の破損を防止することができる。
(2)第1発明〜第5発明の内装材は、放射性薬液容器と薬液容器保持片の上下方向(容器の軸方向)における接触距離が長いので、薬液容器保持片の内側に放射性薬液容器を固定したときに放射性薬液容器がぐらつくことがなく、遮蔽容器内に放射性薬液容器を安定に保持することができる。また、薬液容器保持片が衝撃に対する緩衝作用を有するため、輸送時等に放射性薬液容器の破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。図1〜図4は本発明に係る内装材の一実施形態を示すもので、図1は斜視図、図2は平面図、図3は底面図、図4は縦断面図である。
【0011】
本例の内装材2は、プラスチックにより一体成形されたもので、容器本体の開口部に係合する円形リング状の係合部4と、放射性薬液容器の胴径より大きい内径を有する円形リング状の薬液容器挿入部6と、放射性薬液容器の胴部の周面に接触し、内側に放射性薬液容器を保持する複数(本例では5枚)の薬液容器保持片8とを有する。上記薬液容器保持片8は、内方に斜めに突出し、先端部が放射性薬液容器の胴部の周面に軸方向に沿って所定長さ接触するほぼ垂直な縦羽根状の薬液容器保持片である。薬液容器保持片8の上端には、内方に向かって下向傾斜する傾斜面14が形成されている。なお、傾斜面14は、図5(a)に示すような直線的な傾斜面でもよく、図5(b)に示すような曲線的な傾斜面でもよい。また、隣接する薬液容器保持片8の下端部同士は、切断可能な線状の連結体12により連結されており、この連結体12は円形リング状の環状構造体をなしている。
【0012】
本例の内装材2を用いた遮蔽容器を図6に示す。この遮蔽容器20は、容器本体22と、蓋24と、前記内装材2とを備えている。容器本体22は、放射性薬液容器の収納部26を有する略有底円筒状の放射線遮蔽金属(鉛合金、タングステン合金等)製の容器体28にプラスチック製の外装容器30を施したものである。容器本体22の開口部には内装材2の係合部4が係合され、これにより容器本体22内に内装材2が配置されている。蓋24は、放射線遮蔽金属製の蓋体32にプラスチック製の外装容器34を施したものである。また、容器体28と内装材2との間には吸水部材40が配置されている。なお、容器本体22と蓋24との係合手段、及び、容器本体22の開口部と内装材2の係合部4との係合手段に限定はなく、適宜手段を採用することができる。
【0013】
本例の遮蔽容器20は、内装材2の複数の薬液容器保持片8の内側に放射性薬液容器(図6において点線50で示す)を挿入し、これら薬液容器保持片8によって放射性薬液容器50を保持するものである。なお、放射性薬液容器50としては、例えば、数mlから数10mlの放射性薬液を封入した容器で、円筒状の胴部を有するガラス製、合成樹脂製等の容器(バイアル、プレフィルドシリンジ、アンプル等)を挙げることができる。
【0014】
この場合、本例の内装材2は、隣接する薬液容器保持片同士8が切断可能な連結体12により連結されている。そのため、一種類の内装材に対し、薬液容器保持片8の内側にその寸法より大きい胴径を有する放射性薬液容器を挿入した場合でも、図7に示すように連結体12が切断し、上記大きい胴径の放射性薬液容器に薬液容器保持片8が適合する。そのため、一種類の内装材2を胴径の異なる複数種の放射性薬液容器に対して使用することができる。
【0015】
また、本例の内装材2は、薬液容器保持片8が放射性薬液容器の胴部の周面に軸方向に沿って所定長さ接触する。したがって、放射性薬液容器と薬液容器保持片8の上下方向(容器の軸方向)における接触距離が長いので、薬液容器保持片8の内側に放射性薬液容器を固定したときに放射性薬液容器がぐらつくことがなく、遮蔽容器20内に放射性薬液容器を安定に保持することができる。
【0016】
さらに、本例の内装材2は、薬液容器挿入部の上面の角部(図4において点線60で示す)がカットされた形状を有する。そのため、放射性薬液容器が内装材2に保持された状態において、放射性薬液容器の上斜部から放射性薬液容器の内部を容易に視認することができる。すなわち、医師等が放射性薬液を使用する場合、容器本体22内に放射性薬液容器を収納した状態で、放射性薬液容器の上端部から容器内に注射針を突き刺すが、このとき注射針の先端が容器内にどの程度入ったかを視認できることが好ましい。しかし、図18に示した従来の内装材では、薬液容器挿入部の上面に角部60が存在しているので、この角部60が邪魔になって上記注射針の視認が難しかった。これに対し、本例の内装材2は、薬液容器挿入部の上面に角部がないので、従来のような不都合が解消される。
【0017】
なお、本例の内装材はプラスチックにより形成したが、内装材の材質に限定はなく、ゴム、金属、紙等によって形成することもできる。
【0018】
以下、本発明の内装材における薬液容器保持片、連結体についてさらに述べる。本発明において、薬液容器保持片の枚数は、2〜10枚、好ましくは3〜6枚である。2枚以上であれば放射性薬液容器を保持することができるが、放射性薬液容器を遮断容器内の中心にバランスよく配置するという点から3枚以上が好ましい。また、薬液容器保持片は多ければ多いほどよいが、実用上は10枚程度が上限である。内装材の内径の大きさによっては10枚以上の薬液容器保持片を有することができるが、金型成形の都合上、6枚までが好ましい。
【0019】
薬液容器保持片の形状に関しては、図1〜図4に示した縦羽根状の薬液容器保持片の場合、例えば図8〜図11に示す形状とすることができる。なお、図8〜図12に示す薬液容器保持片8は、いずれも円筒壁10の内面から斜め内方に突出するように形成されている。図8の薬液容器保持片8は上から見たときに直線形状で、かつ薬液容器保持片の先端に突起70を設けた例、図9の薬液容器保持片8は上から見たときに直線の1箇所が屈折している例、図10の薬液容器保持片8は上から見たときに直線の2箇所が屈折している例、図11の薬液容器保持片8は上から見たときに略円弧状となっている例である。
【0020】
また、図12に示すように、薬液容器保持片8と薬液容器保持片以外の箇所(本例では円筒壁10の内面)とが、切断、折曲又は転倒可能な連結体12により連結されていてもよい。この場合、薬液容器保持片の内側に胴径の小さい放射性薬液容器を入れた際には、薬液容器保持片8は連結体12によって内側方向へ押されて放射性薬液容器を保持する。また、薬液容器保持片の内側に胴径の大きい放射性薬液容器を入れた際には、薬液容器保持片8は外側に押し広げられて放射性薬液容器を保持する。このとき、連結体12は倒れたり、折れ曲がったり、切断されたりする。
【0021】
図1〜図4に示した第3発明の縦羽根状の薬液容器保持片の場合、薬液容器保持片の上端(放射性薬液容器挿入時に容器の底が当たる部分)に、内方に向かって下向傾斜する傾斜面を形成することが好ましい(図5参照)。これにより、遮蔽容器内に放射性薬液容器を挿入しやすくなる。なお、薬液容器保持片の下部及び側部は、直線状にカットされていてもよく、アーチ状の曲線等にカットされていてもよく、特に限定されない。
【0022】
図13〜図15は、第5発明の内装材の例を示す。これらの内装材の薬液容器保持片8(図では4枚)は、内面が放射性薬液容器の胴部の周面に軸方向に沿って所定長さ接触するほぼ垂直な板状のものである。連結体は、例えば図13に示す12a及び12bの位置の一方又は両方に配置することができる。また、図14の例は、薬液容器保持片8同士の角の部分に連結体12が設けられ、連結体12が薬液容器保持片8同士を連結して薬液容器保持片8の動きを制限する。これにより、細い放射性薬液容器を入れた際には複数の薬液容器保持片8によって放射性薬液容器50が保持され(図15a)、また太い放射性薬液容器を入れた際には複数の薬液容器保持片8が押し広げられ、連結体12が切断されて放射性薬液容器50が保持される(図15b)。
【0023】
図16〜図17は、第4発明の内装材の例を示す。これらの内装材の薬液容器保持片8は、内方に突出し、先端部が放射性薬液容器の胴部の周面に接触するほぼ水平な横羽根状のものである。また、薬液容器保持片8同士は切断可能な連結体12により連結されている。これらの内装材では、細い放射性薬液容器を入れた際には図17(a)のように連結体12は切断されずに放射性薬液容器50が保持され、太い放射性薬液容器を入れた際には図17(b)のように連結体12が切断されて放射性薬液容器50が保持される。
【0024】
なお、第3及び第5発明の内装材では、放射性薬液容器と薬液容器保持片の上下方向(容器の軸方向)における接触距離は、放射性薬液容器の胴部の軸長の1/3以上とすることが適当である。
【0025】
連結体に関しては、図1〜図4に示したような円形リング状の連結体12を径を変えて2本以上設けることも可能である。これにより、1つの内装材で、3種類以上の外径の異なる放射性薬液容器に対応することができる。連結体12の位置はどこでもよいが、内装材を成形する際に金型成形が容易であるという点から、薬液容器保持片の最下部に設けることが有利である。連結体は、少なくとも2枚の薬液容器保持片を連結すればよいが、放射性薬液容器を遮蔽容器内の中心にバランスよく配置させる点を考慮すると、全ての薬液容器保持片が連結体によって連結されていることが好ましい。また、連結体には予め切り込みを入れておき、切れる場所を決めておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る内装材の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】同内装材の平面図である。
【図3】同内装材の底面図である。
【図4】同内装材の断面図である。
【図5】縦羽根状薬液容器保持片の一例を示す側面図である。
【図6】図1の内装材を用いた遮蔽容器を示す断面図である。
【図7】図1の内装材の連結体切断後の底面図である。
【図8】本発明に係る内装材の一実施形態を示す概略図である。
【図9】本発明に係る内装材の一実施形態を示す概略図である。
【図10】本発明に係る内装材の一実施形態を示す概略図である。
【図11】本発明に係る内装材の一実施形態を示す概略図である。
【図12】本発明に係る内装材の一実施形態を示す概略図である。
【図13】本発明に係る内装材の一実施形態を示す概略図である。
【図14】本発明に係る内装材の一実施形態を示す概略図である。
【図15】本発明に係る内装材の一実施形態を示す概略図である。
【図16】本発明に係る内装材の一実施形態を示す概略図である。
【図17】本発明に係る内装材の一実施形態を示す概略図である。
【図18】従来の内装材を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
2 内装材
4 係合部
6 薬液容器挿入部
8 薬液容器保持片
12 連結体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性薬液容器を収納する遮蔽容器の内装材であって、放射性薬液容器の胴部の周面に軸方向に沿って所定長さ接触し、内側に放射性薬液容器を保持する複数の薬液容器保持片を有するとともに、前記薬液容器保持片同士が連結体により連結され、該連結体は、該連結体と該薬液容器保持片とによって形成される内側の空隙に、該空隙よりも大きい胴径を有する放射性薬液容器を挿入した際に切断することを特徴とする内装材。
【請求項2】
放射性薬液容器を収納する遮蔽容器の内装材であって、放射性薬液容器の胴部の周面に軸方向に沿って所定長さ接触し、内側に放射性薬液容器を保持する複数の薬液容器保持片を有するとともに、前記薬液容器保持片と該内装材における薬液容器保持片以外の箇所とが連結体により連結され、該連結体は、該連結体と該薬液容器保持片とによって形成される内側の空隙に、該空隙よりも大きい胴径を有する放射性薬液容器を挿入した際に切断、折曲又は転倒することを特徴とする内装材。
【請求項3】
放射性薬液容器を収納する遮蔽容器の内装材であって、内側に放射性薬液容器を保持し、放射性薬液容器の胴部の軸方向に実質的に平行な軸を有するとともに、内装材の円筒壁の内面から斜め内方に突出し、先端部が放射性薬液容器の胴部の周面に軸方向に沿って所定長さ接触する複数の縦羽根状の薬液容器保持片を有することを特徴とする内装材。
【請求項4】
薬液容器保持片同士が連結体により連結され、該連結体は、該連結体と該薬液容器保持片とによって形成される内側の空隙に、該空隙よりも大きい胴径を有する放射性薬液容器を挿入した際に切断する、請求項3に記載の内装材。
【請求項5】
薬液容器保持片と内装材における薬液容器保持片以外の箇所とが連結体により連結され、該連結体は、該連結体と該薬液容器保持片とによって形成される内側の空隙に、該空隙よりも大きい胴径を有する放射性薬液容器を挿入した際に切断、折曲又は転倒する、請求項3に記載の内装材。
【請求項6】
薬液容器保持片同士が連結体により連結され、該連結体は環状構造体を形成し、かつ、該環状構造体の内側の空隙に、該環状構造体が成す空隙よりも大きい胴径を有する放射性薬液容器を挿入した際に切断する、請求項3に記載の内装材。
【請求項7】
薬液容器保持片の上端に、内方に向かって下向傾斜する傾斜面が形成されている請求項3〜6のいずれか1項に記載の内装材。
【請求項8】
放射性薬液容器を収納する遮蔽容器の内装材であって、内側に放射性薬液容器を保持し、放射性薬液容器の胴部の軸方向に実質的に垂直な軸を有するとともに、先端部が放射性薬液容器の胴部の周面に軸方向に沿って所定長さ接触する複数の横羽根状の薬液容器保持片を有し、前記薬液容器保持片同士が連結体により連結され、該連結体は、該連結体と該薬液容器保持片とによって形成される内側の空隙に、該空隙よりも大きい胴径を有する放射性薬液容器を挿入した際に切断することを特徴とする内装材。
【請求項9】
放射性薬液容器を収納する遮蔽容器の内装材であって、内側に放射性薬液容器を保持し、放射性薬液容器の胴部の軸方向に実質的に平行な軸を有するとともに、放射性薬液容器の胴部の周面に軸方向に沿って所定長さ接触する複数の板状の薬液容器保持片を有することを特徴とする内装材。
【請求項10】
薬液容器保持片同士が連結体により連結され、該連結体は、該連結体と該薬液容器保持片とによって形成される内側の空隙に、該空隙よりも大きい胴径を有する放射性薬液容器を挿入した際に切断する、請求項9に記載の内装材。
【請求項11】
薬液容器保持片の上方に放射性薬液容器の胴径より大きい内径を有する薬液容器挿入部を有し、かつ、該薬液容器挿入部の上面の角部がカットされた形状を有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の内装材。
【請求項12】
前記連結体は、予め切り込みを有し、切断される場所が決まっている請求項1、2、4、5、6、8及び10のいずれか1項に記載の内装材。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の内装材を備えたことを特徴とする、放射性薬液容器を収納する遮蔽容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−67474(P2009−67474A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282894(P2008−282894)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【分割の表示】特願2000−173837(P2000−173837)の分割
【原出願日】平成12年6月9日(2000.6.9)
【出願人】(000230250)日本メジフィジックス株式会社 (75)
【Fターム(参考)】