説明

放射線検出用フィルターおよび放射線検出器

【課題】捕集した放射性物質から放出される放射線の検出効率を向上させると共に、検出器の汚染除去を容易に行なう。
【解決手段】シンチレータを含有し、放射性物質を含む混合物から放射性物質をろ過可能な放射線検出用フィルターであるろ紙31は、シンチレータから発するシンチレーション光を透過可能な材質からなる。放射線検出器10は、放射線検出用フィルターであるろ紙31と、ろ紙ホルダ32からなるフィルター部20と、ろ紙31のシンチレータから発するシンチレーション光を検出する光検出器21とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、放射線検出用フィルターおよび放射線検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば空気中の塵埃を捕集するろ紙の周囲にα線やβ線を検出する放射線検出器を配置し、ろ紙により捕集した空気中の塵埃に対してα線やβ線の放射線検出を行なうことによって、空気中に放射性物質が含まれているか否かを監視するダストモニタが知られている(例えば、特許文献1および特許文献2および特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−241549号公報
【特許文献2】特開2003−315462号公報
【特許文献3】特開2006−126124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術に係るダストモニタにおいて、検出対象である放射線(特に、α線)は、ろ紙自体あるいはろ紙と放射線検出器との間の空気などの物質によって遮蔽され易く、ろ紙に捕集された放射性物質から放出された放射線が遮蔽されると、放射性物質の有無を精度良く検出することができないという問題が生じる。
また、このような放射線の遮蔽を抑制して検出効率を向上させるために、例えばろ紙と放射線検出器との間の距離を短くしたり、例えば放射線検出器の入射窓を露出させると、放射線検出器が放射性物質により汚染され易くなり、汚染除去が困難になるという問題が生じる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、混合物からろ過した放射性物質から放出される放射線の検出効率を向上させることが可能な放射線検出用フィルターおよび放射線検出器、さらに汚染除去を容易に行なうことが可能な放射線検出器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係る放射線検出用フィルターは、シンチレータを含有し、放射性物質を含む混合物から前記放射性物質をろ過可能である。
【0007】
さらに、本発明の第2態様に係る放射線検出用フィルターは、前記シンチレータから発するシンチレーション光を透過可能な材質からなる。
【0008】
さらに、本発明の第3態様に係る放射線検出用フィルターでは、前記放射線検出用フィルターは、前記シンチレータを含有するろ紙である。
【0009】
また、本発明の第4態様に係る放射線検出器は、本発明の第1態様から第3態様の何れか1つに記載の放射線検出用フィルター(例えば、実施の形態でのろ紙31などの放射線検出用フィルター)と、前記シンチレータから発するシンチレーション光を検出する光検出器(例えば、実施の形態での光検出器21)とを備える。
【0010】
さらに、本発明の第5態様に係る放射線検出器は、前記放射線検出用フィルターと前記光検出器との間に配置される外部シンチレータ(例えば、実施の形態での外部シンチレータ35)を備える。
【0011】
さらに、本発明の第6態様に係る放射線検出器は、前記放射性物質から放出される放射線を検出する検出器(例えば、実施の形態での検出器36)を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1態様に係る放射線検出用フィルターによれば、シンチレータを含有していることから、混合物からろ過した放射性物質から放出される放射線を、シンチレータによって、より物質中での透過距離が長い光(シンチレーション光)に変換することができる。これにより、放射性物質から放出される放射線の検出効率を向上させることができる。
しかも、ろ過の処理を、連続的に供給される混合物に対して行ないつつ、同時に、放射性物質から放出される放射線を検出させることができ、利便性を向上させることができる。
【0013】
さらに、本発明の第2態様に係る放射線検出用フィルターによれば、シンチレーション光を透過可能な材質からなることで、シンチレーション光が減衰することを抑制し、放射性物質から放出される放射線の検出効率を、より一層、向上させることができる。
【0014】
さらに、本発明の第3態様に係る放射線検出用フィルターによれば、シンチレータを含有するろ紙を、例えば放射線管理用のダストモニタのろ紙として用いたり、例えばスミヤ法でのスミヤろ紙として用いることで、ろ紙により捕集あるいはろ紙に付着した放射性物質から放出される放射線の検出効率を向上させることができる。
【0015】
また、本発明の第4態様に係る放射線検出器によれば、放射線検出用フィルターにより混合物からろ過された放射性物質から放出される放射線は、シンチレータによって、より物質中での透過距離が長い光(シンチレーション光)に変換されて、光検出器により検出される。これにより、放射性物質から放出される放射線が物質によって遮蔽されることで検出が困難になることを防止し、放射線の検出効率を向上させることができる。
しかも、シンチレーション光を検出する光検出器と放射線検出用フィルターとの間の距離を長くしたり、光検出器が放射性物質によって汚染されることを防止するためのシンチレーション光に対して透明な保護フィルムなどを配置しても、シンチレーション光の減衰を低減することができ、放射性物質による汚染を防止し、汚染除去を容易に行なうことができる。
しかも、ろ過の処理を、連続的に供給される混合物に対して行ないつつ、同時に、放射性物質から放出される放射線を検出することができ、利便性を向上させることができる。
【0016】
さらに、本発明の第5態様に係る放射線検出器によれば、放射線検出用フィルターと光検出器との間に配置される外部シンチレータによって、放射線検出用フィルター中でシンチレーション光に変換されずに外部に放出された放射線をシンチレーション光に変換することができ、放射性物質から放出される放射線の検出効率を、より一層、向上させることができる。
【0017】
さらに、本発明の第6態様に係る放射線検出器によれば、シンチレーション光を検出する光検出器に加えて、放射性物質から発する放射線を検出する検出器を備えることにより、放射線検出用フィルター中でシンチレーション光に変換されずに外部に放出された放射線を検出することができ、放射性物質から放出される放射線の検出効率を、より一層、向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係る放射線検出器の断面図である。
【図2】図2(A)は本発明の実施の形態に係る放射線検出用フィルターを空気の吸気口側から見た平面図であり、図2(B)は本発明の実施の形態に係る放射線検出用フィルターを空気の排気口側から見た平面図である。
【図3】本発明の実施の形態の第1変形例に係る放射線検出器の断面図である。
【図4】図4(A)は本発明の実施の形態の第1変形例に係る放射線検出用フィルターを空気の吸気口側から見た平面図であり、図4(B)は本発明の実施の形態の第1変形例に係る放射線検出用フィルターを空気の排気口側から見た平面図である。
【図5】本発明の実施の形態の第2変形例に係る放射線検出用フィルターの断面図である。
【図6】本発明の実施の形態の第3変形例に係る放射線検出器の断面図である。
【図7】本発明の実施の形態の第4変形例に係る放射線検出器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る放射線検出用フィルターおよび放射線検出器について添付図面を参照しながら説明する。
【0020】
本実施の形態による放射線検出器10は、例えば図1に示すように、気体中(例えば、空気中)の塵埃に放射性物質が含まれているか否かを監視するダストモニタである。
この放射線検出器10は、監視対象とされる気体(例えば、空気)の吸気口11と排気口12との間の流路13内に配置されたフィルター部20と、フィルター部20の周囲に配置された複数の光検出器21とを備えて構成されている。
【0021】
フィルター部20は、例えば図2(A),(B)に示すように、放射線検出用フィルターであるろ紙31と、ろ紙ホルダ32を備えて構成されている。
【0022】
ろ紙31は、監視対象とされる気体(例えば、空気)に対する通気性を有し、気体中に含まれる塵埃を捕集する。
ろ紙31は、シンチレータ(図示略)を含有し、例えばガラス繊維などからなるろ紙本体に繊維状のシンチレータが編みこまれて構成されている。そして、ガラス繊維などからなるろ紙本体は、シンチレータから発するシンチレーション光を減衰しないようにして、シンチレーション光の波長(例えば、200nm〜500nmなど)に対して所定値以上の透過性を有する材質によって構成されている。
【0023】
ろ紙ホルダ32は、監視対象とされる気体(例えば、空気)の流速や圧力に耐えられるようにして、例えば金属からなり、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔32aを有する板状に形成されていることで、気体に対する通気性を有している。そして、ろ紙ホルダ32は、気体の吸気口11側(つまり、気体の流通方向の上流側)に配置されるろ紙31を、排気口12側(つまり、気体の流通方向の下流側)から支持する。
【0024】
ろ紙ホルダ32は、例えば、複数の貫通孔32aが分散配置された円板状の中央部41と、この中央部41の外周側に一体に設けられて中央部41よりも厚さ方向に一段厚くされた円環板状の外周部42とから構成されている。
【0025】
例えば、外周部42は中央部41の厚さ方向において中央部41よりも吸気口11側(つまり、気体の流通方向の上流側)に突出する突出部42aを有し、ろ紙ホルダ32の中央部41によって支持される円形のろ紙31の外周面31Aは、この突出部42aの内周面42Aに接している。
なお、中央部41は、貫通孔32aを有する板状に限定されず、例えば網目状などに形成されることで、気体に対する通気性を有してもよい。
【0026】
このフィルター部20によれば、流路13内を流通する気体に含まれている塵埃がろ紙31によってろ過される。そして、この塵埃に放射性物質が含まれていると、放射性物質から放出される放射線(例えば、α線やβ線など)は、ろ紙31に含有されているシンチレータによって、より物質中での透過距離が長い光(シンチレーション光)に変換される。そして、シンチレーション光は、ろ紙31を透過して、あるいはろ紙31を透過およびろ紙ホルダ32の貫通孔32aを通過して、さらに流路13内の気体中を透過した後に、光検出器21に入射する。
【0027】
複数の光検出器21は、例えば、ろ紙31を厚さ方向の両側から挟み込むようにして空気の吸気口11側および排気口12側に配置された1対の光検出器21から構成されている。
光検出器21は、例えば光電子増倍管、あるいはアバランシェ・フォトダイオードなどの光ダイオードであって、検出対象とされるシンチレーション光の波長(例えば、200nm〜500nmのうちの適宜の波長範囲など)に対して有感な感度範囲を有している。
【0028】
なお、光検出器21は、検出対象とされるシンチレーション光の波長に応じた適切な感度範囲を有するものが選択されている。例えば光電子増倍管では、100nm〜2000nmなどの波長範囲のうちから適切な感度範囲を有するものが選択可能であり、例えばアバランシェ・フォトダイオードでは、200nm〜1200nmなどの波長範囲のうちから適切な感度範囲を有するものが選択可能である。
【0029】
また、ろ紙31を厚さ方向の両側から挟み込むように配置された1対の光検出器21には、流路13内で光検出器21の表面が露出しないようにして、例えばろ紙31に対向する面などの表面を覆う保護フィルム34が備えられている。なお、保護フィルム34は、ろ紙31に含有されるシンチレータから発するシンチレーション光に対して透明な材質、あるいはシンチレーション光を所定未満の減衰で透過可能な材質によって構成されている。
そして、光検出器21は、ろ紙31により捕集された放射性物質から放出された放射線が変換されてなるシンチレーション光を検出する。
【0030】
上述したように、本実施の形態による放射線検出用フィルターであるろ紙31によれば、ろ紙31がシンチレータを含有していることから、監視対象の気体(例えば、空気)からろ過した放射性物質から放出される放射線を、シンチレータによって、より物質中での透過距離が長い光(シンチレーション光)に変換することができる。これにより、放射性物質から放出される放射線が物質によって遮蔽されることで検出が困難になることを防止し、放射線の検出効率を向上させることができる。
しかも、ろ過の処理を、連続的に吸引される気体(例えば、空気)に対して行ないつつ、同時に、放射性物質から放出される放射線を検出させることができ、利便性を向上させることができる。
【0031】
また、本実施の形態による放射線検出器10によれば、放射線検出用フィルターであるろ紙31によりろ過された放射性物質から放出される放射線は、ろ紙31のシンチレータによって、より物質中での透過距離が長い光(シンチレーション光)に変換されて、光検出器21により検出される。これにより、放射性物質から放出される放射線が物質によって遮蔽されることで検出が困難になることを防止し、放射線の検出効率を向上させることができる。
しかも、シンチレーション光を検出する光検出器21とろ紙31との間の距離を長くしたり、光検出器21が放射性物質によって汚染されることを防止するための保護フィルム34を配置しても、シンチレーション光の減衰を低減することができ、放射性物質による汚染を防止し、汚染除去を容易に行なうことができる。
しかも、ろ過の処理を、連続的に供給される気体(例えば、空気)に対して行ないつつ、同時に、放射性物質から放出される放射線を検出することができ、利便性を向上させることができる。
【0032】
なお、上述した実施の形態において、保護フィルム34は省略されてもよい。
【0033】
なお、上述した実施の形態においては、監視対象は気体(例えば、空気)とされたが、これに限定されず、例えば監視対象は液体であってもよく、この場合、放射線検出用フィルターであるろ紙31は、液体中に含まれる放射性物質をろ過可能であればよい。
【0034】
なお、上述した実施の形態においては、ろ紙31はろ紙本体に繊維状のシンチレータが編みこまれるとしたが、これに限定されず、例えばろ紙本体に粉末状や細粒状などのシンチレータが分散配置されてもよい。
また、ろ紙31がシンチレータのみによって形成されてもよく、シンチレータの含有率が100%であってもよい。
【0035】
また、放射線検出用フィルターとして、ろ紙31の代わりに、気体や液体に対する通流性を有して気体や液体中に含まれる放射性物質を捕集可能な微細孔を有するシンチレータからなるろ過材あるいはシンチレータを含有する多孔質のろ過材などが設けられてもよい。この場合、ろ過材が監視対象とされる気体や液体の流速や圧力に耐えられるものであれば、ろ過材を支持する部材(つまり、ろ紙31に対するろ紙ホルダ32に相当する部材)は省略されてもよい。
【0036】
また、ろ紙ホルダ32は、監視対象とされる気体や液体の流速や圧力に耐えられるものであれば、金属に限らず、他の材質によって形成されてもよい。他の材質は、シンチレーション光の波長(例えば、200nm〜500nmなど)に対して所定値以上の透過性を有する材質であれば、より好ましい。
【0037】
なお、上述した実施の形態においては、例えば図3および図4(A),(B)に示す第1変形例と、例えば図5に示す第2変形例とに示すように、ろ紙ホルダ32にライトガイド33を設けてフィルター部20を構成し、このライトガイド33に接合された光検出器21をろ紙ホルダ32の外周側に設けてもよい。
【0038】
例えば図3および図4(A),(B)に示す第1変形例では、上述した実施の形態のろ紙ホルダ32の外周部42の突出部42aの代わりに、円環枠型のライトガイド33が設けられている。
ライトガイド33は、ろ紙31に含有されるシンチレータから発するシンチレーション光に対して透明な材質(例えば、樹脂やガラスなど)によって構成され、ろ紙ホルダ32の中央部41によって支持される円形のろ紙31の外周面31Aは、このライトガイド33の内周面33Aに接して覆われている。
【0039】
また、例えば図5に示す第2変形例では、上述した実施の形態のろ紙ホルダ32の外周部42の代わりに、円環枠型のライトガイド33が設けられている。
【0040】
そして、これらの第1変形例および第2変形例では、ろ紙31を厚さ方向の両側から挟み込むように配置された1対の光検出器21に加えて、ライトガイド33の外周面33Bに接合された1対の光検出器21が設けられている。
【0041】
これらの第1変形例および第2変形例によるフィルター部20では、ろ紙31の外周面31Aから外周側に放出されるシンチレーション光を、ライトガイド33によって導いて光検出器21に入射させることができ、検出効率を向上させることができる。
さらに、これらの第1変形例および第2変形例による放射線検出器10によれば、ろ紙31を厚さ方向の両側から挟み込むように配置された1対の光検出器21に加えて、ライトガイド33の外周面33Bに接合された1対の光検出器21を備えることによって、ろ紙31によりろ過された放射性物質から放出される放射線の検出効率を向上させることができる。
【0042】
なお、上述した第1変形例および第2変形例において、ライトガイド33は枠型に限定されず、他の形状であってもよい。
【0043】
なお、上述した実施の形態においては、例えば図6に示すように、放射線検出用フィルターであるろ紙31と光検出器21との間に配置される外部シンチレータ35を備えてもよい。
例えば、図6に示す第3変形例に係る放射線検出器10では、ろ紙31を厚さ方向の両側から挟み込むように配置された1対の光検出器21の表面のうち、ろ紙31に対向する面などの表面に接する外部シンチレータ35が配置されている。そして、この外部シンチレータ35および光検出器21の表面を覆う保護フィルム34が備えられている。
【0044】
この第3変形例によれば、ろ紙31でシンチレーション光に変換されずに外部に放出された放射線を、外部シンチレータ35によりシンチレーション光に変換することができ、ろ紙31で捕集された放射性物質から放出される放射線の検出効率を、より一層、向上させることができる。
【0045】
なお、上述した実施の形態においては、例えば図7に示すように、光検出器21に加えて、放射性物質から放出される放射線(例えば、α線およびβ線など)を検出する検出器(例えば、半導体検出器やシンチレーション検出器など)36を備えてもよい。
例えば、図7に示す第4変形例に係る放射線検出器10では、ろ紙31を厚さ方向の両側から挟み込むようにして、空気の吸気口11側に検出器36が配置され、排気口12側に光検出器21が配置されている。
【0046】
この第4変形例によれば、ろ紙31でシンチレーション光に変換されずに外部に放出された放射線を検出することができ、ろ紙31で捕集された放射性物質から放出される放射線の検出効率を、より一層、向上させることができる。
【0047】
なお、上述した実施の形態においては、放射線検出器10をダストモニタとし、放射線検出用フィルターであるろ紙31は、このダストモニタに装着されるろ紙として用いられるとしたが、これに限定されず、例えば他の集塵機(例えば、放射線を検出する機能を有していない集塵機など)に装着されるろ紙として用いられてもよいし、例えばスミヤ法のスミヤろ紙などのように、各種の放射線検出あるいは放射能定量のためのろ紙として用いられてもよい。
例えばろ紙31を他の集塵機などに装着されるろ紙とした場合には、集塵後のろ紙31を上述した実施の形態の放射線検出器10に装着したり、他の光検出器を有する放射線検出器によって集塵後のろ紙31に対する放射線検出あるいは放射能定量を行なってもよい。
また、ろ紙31をスミヤ法のスミヤろ紙とした場合には、監視対象である物体の表面をろ紙31によりこすった後に、このろ紙31を上述した実施の形態の放射線検出器10に装着したり、他の光検出器を有する放射線検出器によってろ紙31に対する放射線検出あるいは放射能定量を行なってもよい。
【符号の説明】
【0048】
10 放射線検出器
20 フィルター部
21 光検出器
31 ろ紙
32 ろ紙ホルダ
35 外部シンチレータ
36 検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンチレータを含有し、放射性物質を含む混合物から前記放射性物質をろ過可能であることを特徴とする放射線検出用フィルター。
【請求項2】
前記シンチレータから発するシンチレーション光を透過可能な材質からなることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出用フィルター。
【請求項3】
前記放射線検出用フィルターは、前記シンチレータを含有するろ紙であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線検出用フィルター。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1つに記載の放射線検出用フィルターと、
前記シンチレータから発するシンチレーション光を検出する光検出器とを備えることを特徴とする放射線検出器。
【請求項5】
前記放射線検出用フィルターと前記光検出器との間に配置される外部シンチレータを備えることを特徴とする請求項4に記載の放射線検出器。
【請求項6】
前記放射性物質から放出される放射線を検出する検出器を備えることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の放射線検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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