説明

放射線治療ケージ

【課題】全ての回転角度において安全性を確保するとともに、経済性、信頼性、保守性の高い放射線治療ケージを提供する。
【解決手段】放射線治療ケージは、特徴的構成として、放射線照射ノズル5と移動床群2A,2Bの端部とを、回転ガントリー径方向にスライド自在に接続する1対のスライダー4を備える。放射線照射ノズル5の回転角度に連動してスライダー4が自動的に動作する。また、放射線照射ノズル5は、回転ガントリー1の回転中心に向かって先細り形状をしており、傾斜した側面を有する。これにより、移動床群2A,2Bの間の開口3の長さは微小長さに維持される。従来技術にかかる駆動装置106や制御装置107を必要としない簡素なシステムにより、安全性は確保される。その結果、経済性、信頼性、保守性、作業性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線照射ノズルを患者の最適照射位置に回転可能な構造を有する放射線治療ケージに係り、特に、粒子線を癌治療等の医学利用のために用いる回転ガントリーを有する放射線治療装置に好適な放射線治療ケージに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線の医学利用として、従来は、X線、ガンマ線及び電子線などを癌治療に利用してきたが、これらの放射線は、患部に届く前に身体表面で放射線の線量が最大になってしまうため、身体の深奥部にある癌を治療する際には、身体表面近くの正常組織を傷つけるなどの弊害があった。
【0003】
一方、粒子線による癌治療は、高エネルギに加速された粒子線の性質から、身体深奥部に存在する癌をターゲットにして、吸収線量のピークを形成できるため、粒子線が透過する正常組織は、傷を受けにくい。
【0004】
この粒子線治療を効率良く行うためには、患者患部に精度良く粒子線ビームを照射する必要があり、放射線照射ノズルを患者の最適な照射位置に設定可能な構造を有する放射線治療装置の開発がされてきた。
【0005】
上記放射線治療装置において、患者周囲の任意の方向から放射線治療を実施するために、患者の周りを360度回転可能な回転ガントリー装置およびそれに同期した放射線治療ケージが必要である。
【0006】
特許文献1には、360度回転可能な回転ガントリー装置およびそれに同期した放射線治療ケージが記載されている。この放射線治療ケージは、放射線照射装置の回転経路を、固定側および移動側リングレールに挟み、一体となったキャタピラ構造となっていた。
【0007】
このようなキャタピラ一体構造を有する放射線治療ケージにおいて、放射線照射装置の回転角によっては、作業空間の一部に隙間が発生する。これは、治療ケージがかまぼこ型の断面形状であるため、キャタピラ(適宜、移動床群という)の長さが一定の条件では、回転角によって長さの不足部が生じるためである。特に、医療技師と患者との間に隙間(開口)が発生すると、安全性、作業性の観点から快適な治療を実施することができない。 さらに、開口から放射線治療ケージ外が患者の視界に入るため、高所による恐怖心から、治療行為への不安を患者へ与える可能性がある等の問題も有していた。
【0008】
特許文献2には、上記課題を解決する放射線治療ケージが記載されている。この放射線治療ケージは、横型筒状の回転ガントリーに搭載された放射線照射ノズルと、回転ガントリーの内側でかまぼこ型の軌道を形成する1対のリングレールと、この1対のリングレールに挟まれ、互いにリンクにより屈曲自在に連結される複数の移動床から構成される少なくとも2以上の移動床群と、この移動床群を引き寄せたり送り出したりする駆動装置と、この駆動装置の動作を制御する制御装置を備えている。
【0009】
この放射線治療ケージは、放射線照射装置の回転角度により、駆動装置のシリンダの動作を制御してシリンダアームに連結した移動床を移動させ、放射線治療ケージ内側を常に閉塞面とし、治療用ベッドの近くまで水平床を形成する。これにより、医療技師が患者の近くまで近寄ることができ、十分な治療行為が可能になる。つまり、特許文献2記載の放射線治療ケージは、特許文献1記載の放射線治療ケージの安全性および作業性に係る課題を解決できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11‐47287号広報
【特許文献2】特開2001‐353228号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特許文献2記載の従来技術は駆動装置、制御装置及びこれらの動力源を備えるため、部品点数が増加し、システムが複雑になっていた。複雑なシステムはコストがかかり、故障の可能性が増える。このように従来技術には、経済性、保守性に係る改善の余地があった。
【0012】
本発明の目的は、全ての回転角度において安全性を確保するとともに、経済性、保守性の高い放射線治療ケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、横型筒状の回転ガントリーに搭載された放射線照射ノズルと、回転ガントリーの内側でかまぼこ型の軌道を形成する1対のリングレールと、この1対のリングレールに挟まれ、互いにリンクにより屈曲自在に連結される複数の移動床から構成される少なくとも2以上の移動床群と、を備えた放射線治療ケージにおいて、更に、前記放射線照射ノズルと前記移動床群の端部とを、回転ガントリー径方向にスライド自在に接続する1対のスライド部材を備える。
【0014】
このように構成した本発明においては、放射線照射ノズルの回転角度に連動してスライド部材が自動的に動作し、全ての回転角度において、移動床群間の開口により安全性が問題となることはない。これにより、医療技師は患者に対して安心して近づくことが可能である。このとき、駆動装置や制御装置を必須の構成としない為、部品点数が減少し、システムが簡素化される。システムが簡素化されると、製作コストが減少し、故障の可能性が減り、メンテナンスの作業量も減る。このように、本実施形態に係る放射線治療ケージは、経済性、信頼性、保守性の向上を図ることができる。
【0015】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記スライド部材は、前記放射線照射ノズルの側面に配置される。
【0016】
これにより、スライド部材は放射線照射ノズルの側面上を滑らかにスライド可能となる。また、放射線照射ノズルと移動床群の端部との間に開口が生じず、安全性が向上する。
【0017】
(3)上記(1)または(2)において、好ましくは、前記放射線照射ノズルは、回転ガントリーの回転中心に向かって先細り形状をしており、傾斜した側面を有する。
【0018】
放射線照射ノズルが傾斜した側面を有しない箱型形状をしている場合、かまぼこ型軌道に起因して水平床上に大きな開口が発生する。放射線照射ノズルが傾斜した側面を有する先細り形状をしている場合、開口の長さは微小長さに維持され、これにより更なる安全性の向上を図ることができる。
【0019】
(4)上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、好ましくは、前記移動床群は、第1移動床群と第2移動床群の2つの移動床群から構成されている。
【0020】
3つの移動床群から構成される場合、中間の移動床群を回転ガントリー1に対し回転周方向に噛合するラッチ構造を必要とする。2つの移動床群から構成されていることにより、ラッチ構造は不要となり、部品点数が減少し、システムの簡素化を図ることができる。
【0021】
(5)上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、好ましくは、前記移動床群間に発生する開口を覆うカバーと、この開口が閉じるのに伴って前記カバーを巻き取るカバー巻取装置と、を備える。
【0022】
これにより、カバーが開口を塞ぎ、操作者や患者に不安を与えることがなくなる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、全ての回転角度において安全性を確保するとともに、従来に比べて経済性、信頼性、保守性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態に係る放射線治療ケージの斜視図である。
【図2】放射線治療ケージおよび建屋の縦断面図である。
【図3】動作の一例(回転角度0度)を示す放射線治療ケージの断面図である。
【図4】動作の一例(回転角度135度)を示す放射線治療ケージの断面図である。
【図5】動作の一例(回転角度180度)を示す放射線治療ケージの断面図である。
【図6】比較のため示す従来技術に係る放射線治療ケージの断面図である。
【図7】従来技術との比較により、第1実施形態の効果を示す放射線治療ケージの断面図である。
【図8】第2実施形態に係る放射線治療ケージの動作の一例(回転角度135度)を示す放射線治療ケージの断面図である。
【図9】第2実施形態に係る放射線治療ケージの動作の一例(回転角度0度)を示す放射線治療ケージの断面図である。
【図10】本実施形態の放射線治療ケージが適用される放射線治療装置の一例である粒子線治療装置の基本的構成を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。
【0026】
〜構成〜
図10は、本実施形態の放射線治療ケージが適用される放射線治療装置の一例である粒子線治療装置の基本的構成を示したものである。粒子線治療装置は、入射器41と低エネルギビーム輸送装置42とシンクロトロン43と高エネルギビーム輸送装置44とを有するビーム発生装置とビーム輸送装置11と放射線照射ノズル5とを有する回転ガントリー1とを備えている。
【0027】
入射器41にて発生した粒子ビームは、低エネルギビーム輸送装置42を通過して、主加速器であるシンクロトロン43に入射される。シンクロトロン43は、粒子ビームを治療に必要とされるエネルギ(陽子であれば通常100〜200MeV)まで加速する。シンクロトロン43から出射した粒子ビームは、高エネルギビーム輸送装置44を通過し、回転ガントリー1のあるガントリー室に輸送される。
【0028】
さらに、粒子ビームは回転ガントリー1上のビーム輸送装置11を通過し、粒子ビームを放射線治療に最適な線量分布に加工する放射線照射ノズル5を経て、治療台22上の患者に照射される。
【0029】
治療室45は、ガントリー室に対し仕切壁を隔てて部屋を形成する。そして、治療室45は、回転ガントリー1の回転半径を確保した回転中心近傍のフロアレベルに設定されるため、回転ガントリー室のフロアレベルに対して通常6〜8mの高さとなる。したがって、治療台22上の患者が上記高さの空間に存在することになり、それを囲む空間を作る治療ケージは、患者および医療技師にとって安全な場所でなければならない。
【0030】
横型筒状の回転ガントリー1は、フロントリング8、リアリング9、およびガントリー胴体10からなる構造体と、サポートロール6およびガントリー回転モータ7からなる駆動部とからなる。フロントリング8およびリアリング9は、複数のサポートロール6上に搭載され、同サポートロールと連結したガントリー回転モータ7を用いて全体を回転させる。
【0031】
回転ガントリー1上には、ビーム輸送装置11と放射線照射ノズル5が搭載され、固定されている。一方、建屋上には治療台22が取付けられ、回転ガントリー1の回転軸上に、治療台上の患者が来るように移動できる駆動装置を備えている。したがって、患者の360度周囲から、回転ガントリー1上にある放射線照射ノズル5からの調整された粒子ビームを照射できる構造となっている。
【0032】
次に、図1〜図2を用いて、本実施形態の放射線治療ケージの構成および付随する構成を詳細に説明する。図1は放射線治療ケージの斜視図であり、図2は放射線治療ケージおよび建屋の縦断面図である。
【0033】
放射線照射ノズル5の回転経路に対し、患者21の安全を守り、医療技師31(後述する図6、図7参照)等が患者に対する医療行為を実施できるように、放射線治療ケージは構成されている。すなわち放射線治療ケージにおいて、医療技師31が作業するための足場を水平に保ち、それ以外の周囲に対して閉空間を与えることが望まれる。
【0034】
図1に示す様に、放射線治療ケージは、放射線照射ノズル5の回転経路の前後に設置した固定側リングレール24及び移動側リングレール25と、このリングレール24,25に挟まれる複数の移動床2を屈曲自在に連結して構成される移動床群2A,2B(本実施形態では2つ)と、移動側リングレール25に固定され治療ケージの奥行き側を閉止する後面パネル29とを備えている。固定側リングレール24と移動側リングレール25がかまぼこ型の軌道を持つことにより、移動床群2A、2Bは放射線治療ケージの内壁および水平床を形成する。本実施形態においてかまぼこ型とは、上部の円弧部と下部の水平線部とから形成され、両者が滑らかに結合する形状を言う。上部の円弧部と下部の水平線部とが結合する部分を結合部という。
【0035】
図2に示す様に、固定側リングレール24は建屋23の天井および床に固定サポートにて支持され、移動側リングレール25はサポートリング28上に配置した複数のサポートローラ27にて支持される。サポートローラ27には、回転ガントリー1の回転に対して逆方向に回転するリングレール駆動装置26が接続されている。回転ガントリー1の正回転に伴い放射線照射ノズル5は正回転するが、リングレール駆動装置26の駆動によりサポートローラ27は移動側リングレール25を逆回転させる。移動側リングレール25が回転ガントリー1に対し相対的に回転することで、移動側リングレール25は治療室45から見て静止しているように見える。その結果、回転ガントリー1が回転しても、放射線治療ケージはかまぼこ型(上部の円弧部と下部の水平線部)の軌道を維持する。すなわち、回転ガントリー1の回転角度によらず、放射線治療ケージは水平床を形成する。
【0036】
移動床2は十分な剛性を有し、人が乗って作業しても変形がなく、治療台22の周囲の作業空間を形成している。また、移動床群2A、2Bのそれぞれの端部と放射線照射ノズル5とは、スライダー(スライド部材)4を介して接続される。
【0037】
移動床群2A、2Bの間にはカバー巻取装置36が設置されている。移動床群2A、2B間の開口発生と連動して、カバー巻取装置36はカバー35を引き出し、開口3(後述する図3参照)を覆う。カバー巻取装置36の構造は、巻取りパイプに張力を維持する構造のロールスクリーン、ロールカーテン等の公知技術を応用すればよい。
【0038】
スライダー4は、放射線照射ノズル5の両側面にそれぞれ設置されたスライドレール部材4aとこのスライドレール部材4a上を移動するスライド移動部材4bとを有する。スライド移動部材4bは移動床群2A、2Bそれぞれの端部に設けられ、スライド移動部材4bがスライドレール部材4a上を移動することにより、スライダー4は放射線照射ノズル5と移動床群2A、2Bの端部とを、回転ガントリー径方向にスライド自在に接続する。
【0039】
放射線照射ノズル5は、回転ガントリーの回転中心に向かって先細り形状をしている。その結果、放射線照射ノズル5の側面は、回転ガントリーの回転面法線に対し傾斜している。
【0040】
〜動作〜
本実施形態の放射線治療ケージの動作について説明する。回転ガントリー1は患者の周りを360度回転可能であり、回転ガントリー1と共に回転する放射線照射ノズル5は、患者周囲の任意の方向から照射できる。放射線照射ノズル5が任意の方向から照射するように、回転指令に基づきガントリー回転モータ7を動作させ、回転ガントリー1全体を1min-1程度の速度で回転させる。設定した回転角度に達した後、回転を停止し、ガントリー駆動系が有するブレーキにて回転を固定する。
【0041】
図3は、放射線照射ノズル5が治療台22(図2参照)の真上にあるときの放射線治療ケージの断面図である。この状態を基準とし、回転角度0度とする。放射線照射ノズル5の両側面にそれぞれ設置されたスライダー4のスライド移動部材4bは共に回転ガントリー径方向最遠位置にある。移動床群2A、2B間には開口3が生じる。開口3は治療台22の真下(回転角度180度に相当する位置)にある。なお、開口3はカバー35により覆われているが、説明の便宜上、図示を省略する。
【0042】
ここで、本実施形態で定義される内壁長の概念について説明する。回転ガントリー1の回転に伴い、放射線照射ノズル5は回転する。一方、放射線治療ケージのかまぼこ型軌道は静止している。当然、放射線治療ケージのかまぼこ型軌道の総長は一定(不変)である。かまぼこ型軌道の総範囲のうち、放射線照射ノズル5に相当する範囲を除いた範囲において、内壁および水平床が形成される。この内壁および水平床に相当する範囲の長さを内壁長と定義する。すなわち、内壁長はかまぼこ型軌道の総長と放射線照射ノズル5に相当する範囲長との差である。一方、内壁長は移動床群2A、2Bの長さと開口3の長さの合計長に相当する。なお、移動床群2A、2Bの長さは一定である。
【0043】
仮に、放射線治療ケージの軌道が円形軌道であったとすれば、回転角度によらず、内壁長は一定である。しかし、放射線治療ケージの軌道はかまぼこ型であるので、内壁長は回転角度によって異なる。つまり、放射線照射ノズル5に相当する範囲長が回転角度によって異なるため、内壁長は回転角度によって異なる。
【0044】
放射線照射ノズル5がかまぼこ型軌道の上部(円弧部)にあるとき(回転角度0〜90度程度)は、放射線照射ノズル5に相当する範囲長は一定であり、内壁長は一定である。放射線照射ノズル5の一部がかまぼこ型軌道の結合部を経由して(回転角度90度〜120度程度)、下部(水平線部)に移動すると(回転角度120度程度〜180度)、放射線照射ノズル5に相当する範囲長は変化し、内壁長は変化する。
【0045】
また、スライダー4のスライド移動部材4bは、回転角度に応じてかまぼこ型軌道に従動するようにスライドレール部材4a上を移動する。放射線照射ノズル5がかまぼこ型軌道の上部(円弧部)にあるとき(例えば回転角度0〜90度程度)は、1対のスライダー4のスライド移動部材4bは回転ガントリー径方向最遠位置にある。放射線照射ノズル5の一部がかまぼこ型軌道の結合部を経由して(回転角度90度〜120度程度)、下部(水平線部)に移動すると(回転角度120度程度〜180度)、一方のスライダー4のスライド移動部材4bは、かまぼこ型軌道に従動して、回転ガントリー径中心に近づく方向にスライドレール部材4a上を移動する。放射線照射ノズル5の全部がかまぼこ型軌道の下部(水平線部)に移動すると(回転角度150度程度〜180度)、もう一方のスライダー4のスライド移動部材4bも、かまぼこ型軌道に従動して、回転ガントリー径中心に近づく方向にスライドレール部材4a上を移動する。放射線照射ノズル5が治療台22の真下(回転角度180度)に近づくと、2つのスライダー4のスライド移動部材4bは、かまぼこ型軌道に従動するようにスライドレール部材4a上の中央付近に移動する。
【0046】
すなわち、回転角度による内壁長の変化は、スライダー4の動作および開口3の長さの変化と連動している。図3以外の具体例を図4および図5を用いて説明する。
【0047】
図4は、放射線照射ノズル5が回転角度135度にあるときの放射線治療ケージの断面図である。放射線照射ノズル5の一部がかまぼこ型軌道の下部(水平線部)にあり、一方のスライダー4のスライド移動部材4bは回転ガントリー径中心に近づくように移動し、もう一方のスライダー4のスライド移動部材4bは回転ガントリー径方向最遠位置にある。このとき、内壁長が最短となり、開口3の長さも最短となる。なお、移動床群2A、2Bの長さは、内壁長最短状態において、移動床群2A、2Bが干渉しないように、すなわち開口3の長さが0以上になるように、設定されている。
【0048】
図5は、放射線照射ノズル5が回転角度180度(治療台22の真下)にあるときの放射線治療ケージの断面図である。放射線照射ノズル5の全部がかまぼこ型軌道の下部(水平線部)にあり、両方のスライダー4のスライド移動部材4bはかまぼこ型軌道に従動するようにスライドレール部材4a上の中央付近に移動している。このとき、開口3の長さは最大となる。また、開口3は治療台22の真上(回転角度0度に相当する位置)にある。
【0049】
次に、回転角度による開口3の位置と長さの変化に着目して、全ての回転角度において、医療技師31は患者21に対して安全に近づけることについて説明する。放射線照射ノズル5が回転角度0度にあるとき、開口3は回転角度180度に相当する位置、すなわち治療台22の真下にある(図3参照)。そのため、開口3により安全性が問題となることはない。放射線照射ノズル5が回転角度0〜60度程度にあるとき、開口3は水平床上に発生する。しかし、後述する放射線照射ノズル5の有する傾斜(先細り形状)に係る構成の効果により、開口3の長さは微小長さを維持でき、開口3により安全性が問題となることはない。さらに、開口3はカバー35により覆われており、操作者や患者に不安を与えることもない。
【0050】
放射線照射ノズル5が回転角度60〜180度にあるとき、開口3は水平床上に発生しないため、開口3により安全性が問題となることはない。特に、放射線照射ノズル5が回転角度135度にあるとき、開口3の長さは最短(本実施形態ではほぼ0)となる(図4参照)。放射線照射ノズル5が回転角度180度にあるとき、開口3の長さは最大となるが、開口3は回転角度0度に相当する位置、すなわち治療台22の真上にあり(図5参照)、安全性が問題となることはない。さらに、開口3はカバー35により覆われており、不安を与えることもない。
【0051】
このように、本実施形態では、回転角度によらず、医療技師31は患者21に対して安全に近づくことが可能である。
【0052】
なお、動作の理解の補助のため、各回転角度の数値を例示的に記載したものであり、かまぼこ型軌道の寸法や放射線照射ノズル5の寸法が異なれば、各数値も異なる。また、放射線照射ノズル5が回転角度0〜180度にあるときの動作について説明したが、放射線治療ケージは左右対称であり、放射線照射ノズル5が回転角度180〜360度にあるときの動作について、説明を省略する。
【0053】
〜効果〜
本実施形態の第1の効果として、スライダー4に係る構成による主な効果を従来技術に係る放射線治療ケージと比較しながら説明する。図6は、従来技術に係る放射線治療ケージの断面図である。本実施形態と同様な構成には同じ符号を付している。図7は、図6に示す従来技術との比較により、本実施形態の効果を示す放射線治療ケージの断面図である。
【0054】
本実施形態は、従来技術に係る放射線治療ケージの、移動床群102A、102Bを引き寄せたり送り出したりする駆動装置106と、この駆動装置の動作を制御する制御装置107(図示せず)の構成を備えていない点、及び本実施形態のスライダー4に係る構成を付加している点で従来技術と相違する。
【0055】
従来技術に係る放射線治療ケージもかまぼこ型軌道を有する。このかまぼこ型軌道に起因して内壁長は回転角度によって異なる点で、本実施形態と従来技術は共通する。
【0056】
従来技術においても、内壁長の変化により開口103が生じる。特に、放射線照射ノズル105が回転角度150度にあるとき、治療台22近傍に開口103が生じる。つまり医療技師31と患者22との間に開口103が発生し、安全性および作業性に係る課題がある。この課題を解決するため、制御装置107(図示せず)は回転角度に基づいて駆動装置106を制御し、駆動装置106は移動床群102Aを放射線照射ノズル105側に引き寄せる。これにより開口103をなくし水平床を形成することができる。医療技師31は患者21に対して安心して近づくことが可能となる。安全性および作業性に係る課題を解決できる。
【0057】
しかし、従来技術に係る放射線治療ケージは駆動装置106と制御装置107とこれらの動力源とを必須の構成とし、部品点数が増加し、システムが複雑であった。システムの複雑化は製作コスト増の要因となる。さらに、複雑なシステムにおいては、故障の可能性が増え、入念なメンテナンス作業が要求される。このように、従来技術に係る放射線治療ケージは、経済性、保守性に係る改善の余地があった。
【0058】
本実施形態に係る放射線治療ケージは駆動装置106や制御装置107を備えていないが、上述したスライダー4の動作により、医療技師31は患者21に対して安全に近づくことが可能である。駆動装置106や制御装置107を必須の構成としない為、部品点数が減少し、システムが簡素化される。システムの簡素化は製作コスト減の要因となる。さらに、簡素なシステムにおいては、故障の可能性が減り、メンテナンスの作業量も減る。このように、本実施形態に係る放射線治療ケージは、経済性、信頼性、保守性の向上を図ることができる。
【0059】
第2の効果として、スライダー4に係る構成による他の効果について説明する。
【0060】
従来技術に係る放射線治療ケージでは、目的の回転角度に到達すると、水平床上の開口103を塞ぐように、移動床群102A、102Bを引き寄せたり送り出したりするという一連の動作を要していた。
【0061】
本実施形態に係る放射線治療ケージでは、回転角度に連動してスライダー4が自動的に動作し、回転角度によらず、医療技師31は患者21に対して安全に近づくことが可能である。すなわち、従来技術の放射線治療ケージのように、駆動装置106を制御して移動床群102A、102Bを引き寄せたり送り出したりする動作は必要ない。これにより、一回の治療にかかる時間を短縮でき、作業性の向上を図ることができる。
【0062】
従来技術に係る放射線治療ケージでは、駆動装置106が放射線照射ノズル105の正面及び背面に設けられており、駆動装置106の設置スペースの分だけ作業スペースが制限されていた。本実施形態に係る放射線治療ケージでは、簡易な構成であるスライダー4が放射線照射ノズルの側面に設けられており、従来技術に比べて充分な作業スペースを確保できる。これにより、作業性の向上を図ることができる。
【0063】
また、従来技術に係る放射線治療ケージでは、駆動に伴う操作音や移動床群同士の衝突音が、患者21に不安感を与える可能性があった。本実施形態に係る放射線治療ケージでは、回転角度に連動してスライダー4が自動的に動作し、駆動音や衝突音は発生しない。したがって、患者21に無用の不安感を与えることはない。
【0064】
さらに、従来技術に係る放射線治療ケージでは、特に、放射線照射ノズル105が回転角度150度にあるとき(図6参照)、治療台22近傍に開口103が生じる。これに対し、上述の通り、駆動装置106を制御して、水平床上の開口103を塞いでいる。通常であれば、開口103を塞ぐ前はインターロックが機能し、医療技師31の放射線治療ケージ内への進入を禁止し、医療技師31の安全性を確保している。しかし、何らかの理由で医療技師31が放射線治療ケージ内へ進入する可能性も有り、更なる安全性の向上が求められていた。また、開口103を塞ぐまでの間、開口103から放射線治療ケージの外が患者21の視界に入るため、高所による恐怖心から、治療行為への不安を患者21へ与える可能性があった。
【0065】
本実施形態に係る放射線治療ケージでは、スライダー4が放射線照射ノズル5と移動床群2A、2Bの端部とを接続しており、例えば、放射線照射ノズル5が回転角度150度にあるとき、治療台22近傍に開口は生じない(図7参照)。これにより、更なる安全性の向上を図ることができる。
【0066】
第3の効果として、放射線照射ノズル5の有する傾斜(先細り形状)に係る構成による効果を、後述する第2実施形態に係る放射線治療ケージ(図8および図9参照)と比較しながら説明する。
【0067】
後述する第2実施形態に係る放射線治療ケージの放射線照射ノズル205の側面は、回転ガントリーの回転面法線と平行である。すなわち、第2実施形態に係る放射線治療ケージの放射線照射ノズル205は、従来技術係る放射線治療ケージの放射線照射ノズル105と同様に、箱型形状をしている。
【0068】
第2実施形態の放射線照射ノズル205が回転角度135度程度にあるとき、開口203の長さは最短となり(図8参照)、移動床群202A、202Bの長さは、内壁長最短状態において、移動床群202A、202Bが干渉しないように、すなわち開口203の長さが0以上になるように、設定されている。
【0069】
図7は、本実施形態と第2実施形態との比較を示す図でもある。実線は本実施形態に係る構成を示し、点線は第2実施形態に係る構成を示す。放射線照射ノズル5と放射線照射ノズル205とは形状が異なるため、移動床群2A、2Bの長さの合計長は移動床群202A、202Bの長さの合計長より長さdの分だけ長い。
【0070】
一方、第2実施形態の放射線照射ノズル205が回転角度0度にあるとき、治療台22の真下には開口3(図3参照)と比較して大きな開口203が生じる(図9参照)。開口203が開口3と比較して大きいことは、移動床群の長さの差dに起因する。言い換えると、放射線照射ノズル5と放射線照射ノズル205の形状の相違に起因する。放射線照射ノズル205が回転角度0〜60度程度にあるとき、比較的大きな開口203が水平床上に発生し、安全性に係る改善の余地がある。
【0071】
本実施形態に係る放射線治療ケージでは、放射線照射ノズル5が傾斜を有し、スライダー4が放射線照射ノズル5側面の傾斜上で動作することで、かまぼこ型軌道の総範囲のうち、放射線照射ノズル5に相当する範囲の長さの変化が抑制され、その結果、開口3の長さは微小長さに維持され、これにより更なる安全性の向上を図ることができる。
【0072】
また、第2実施形態に係る放射線治療ケージの放射線照射ノズル205は箱型形状をしており、特に、放射線照射ノズル205が回転角度150度にあるとき、放射線照射ノズル205が障害となり、医療技師31は患者21に対して充分に近づけず、作業性に係る課題があった。
【0073】
本実施形態に係る放射線治療ケージの放射線照射ノズル5は先細り形状をしており、特に、放射線照射ノズル5が回転角度150度にあるとき、第2実施形態と比較して、医療技師31は患者21に対して長さd(図7参照)の分だけ近づくことができ、作業性の向上を図ることができる。
【0074】
第4の効果として、その他の構成による効果について説明する。
【0075】
本実施形態の移動床群は2つの移動床群2A,2Bから構成されている。一方、後述するように、移動床群は3つ以上の移動床群から構成されてもよい。しかし、例えば3つの移動床群2A,2B,2Cから構成されている場合、両端の移動床群2A,2Bは本実施形態同様にスライダー4により放射線照射ノズル5と接続されているが、中間の移動床群2Cを回転ガントリー1に対し回転周方向に固定するためには、ラッチ構造34が必要になる。
【0076】
本実施形態の移動床群は2つの移動床群2A,2Bから構成され、移動床群2A,2Bはスライダー4により放射線照射ノズル5と接続されているため、ラッチ構造34は不要となる。これにより、部品点数が減少し、システムの簡素化を図ることができる。
【0077】
本実施形態に係る放射線治療ケージは、カバー35とカバー巻取装置36とを備えている。上述したように、放射線照射ノズル5が回転角度0〜60度程度にあるとき、微小な開口3が水平床上に発生する(図3参照)。開口3の長さは微小長さに維持され、安全性が問題となることはないが、念のため、カバー35が開口3を塞ぐことにより、更なる安全性の向上を図ることができる。また、放射線照射ノズル5が回転角度60〜180度にあるとき、開口3は水平床上に発生しない(図5参照)ため、開口3により安全性が問題となることはないが、念のため、カバー35が開口3を塞ぐことにより、操作者や患者に不安を与えることがなくなる。
【0078】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を図8および図9を用いて説明する。第1実施形態に係る放射線治療ケージの放射線照射ノズル5が先細り形状をしているのに対し、第2実施形態に係る放射線治療ケージの放射線照射ノズル205は箱型形状をしている点で相違する。言い換えると、放射線照射ノズル5の側面は、回転ガントリーの回転面法線に対し傾斜しているが、放射線照射ノズル205の側面は、回転ガントリーの回転面法線と平行である(放射線照射ノズル205は傾斜を有しない)。その他の構成は共通する。
【0079】
第2実施形態に係る放射線治療ケージは、放射線照射ノズル5の有する傾斜(先細り形状)に係る構成を備えないため、第1実施形態の第3の効果を奏しないものの、スライダー4に係る構成を備えるため、第1実施形態の第1および第2の効果を奏する。すなわち、従来技術に対し、経済性、信頼性、保守性、作業性、安全性の向上を図ることができる。
【0080】
ただし、放射線照射ノズル205が回転角度0度にあるとき、第2実施形態の開口203は第1実施形態の開口3と比較して大きくなり(図3および図9参照)、第2実施形態は第1実施形態と比較して安全性の点で劣る。
【0081】
この課題を解決し、更に安全性を向上させるため、第2実施形態の構成を下記のように若干変更してもよい。
【0082】
第1実施形態および第2実施形態においては、移動床群は2つの移動床群2A,2Bから構成されているが、第2実施形態の変形例においては、移動床群は3つ以上の移動床群から構成されてもよい。例えば3つの移動床群2A,2B,2C(図示せず)から構成されている場合、中間の移動床群2Cを回転ガントリー1に対し回転周方向に固定するラッチ構造34(図示せず)を備える。移動床群2A、2Cの間および移動床群2B、2Cの間にはカバー巻取装置36がそれぞれ設置されている。その他の構成は共通する。
【0083】
移動床群が3つの移動床群2A,2B,2C(図示せず)から構成されることにより、
放射線照射ノズル205が回転角度0度にあるとき、第2実施形態の開口203が水平床上に発生しないため、開口203により安全性が問題となることはない。また、念のため、カバー35が開口203を塞ぐことにより、操作者や患者に不安を与えることがなくなる。
【0084】
<その他の実施形態>
以上に本発明の幾つかの実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に制限されず、本発明の精神の範囲内で種々の変形が可能である。
【0085】
第1実施形態に係る放射線治療ケージは、カバー35とカバー巻取装置36とを備えているが、これらの構成がなくともよい。第1実施形態で述べたとおり、カバー35が開口3を塞ぐことにより、操作者や患者に不安を与えることがなくなるため、カバー35とカバー巻取装置36とを備えているほうが好ましい。しかし、以下のように、開口3により安全性が問題となることはないため、カバー35とカバー巻取装置36とを備えていなくともよい。例えば、放射線照射ノズル5が回転角度0〜60度程度にあるとき、開口3は水平床上に発生する(図3参照)。しかし、放射線照射ノズル5の有する傾斜(先細り形状)に係る構成による効果により、開口3の長さは微小長さを維持でき、開口3により安全性が問題となることはない。また、放射線照射ノズル5が回転角度60〜180度にあるとき、開口3は水平床上に発生しない(図5参照)ため、開口3により安全性が問題となることはない。
【0086】
これにより、第1実施形態と比較して、部品点数が減少し、システムの簡素化を図ることができる。その結果、更なる、経済性の向上を図ることができる。
【0087】
第1実施形態のスライドレール部材4aは、放射線照射ノズル5の側面に設置されているが、放射線照射ノズル5の正面及び背面に設置されていてもよい。すなわち、放射線照射ノズル5の側面と平行するように、スライドレール部材4aが放射線照射ノズル5の正面及び背面に設置されていれば、スライダー4は、第1実施形態と同様に動作する。例えば、放射線照射ノズル5が回転角度150度にあるとき、スライダー4が放射線照射ノズル5と移動床群2A、2Bの端部とを接続しており、治療台22近傍に開口は生じない。これにより、第1実施形態と同様に(図7参照)安全性の向上を図ることができる。なお、放射線照射ノズル5の正面、側面、背面とは、回転ガントリー1の開口方向から見たときの、放射線照射ノズル5の正面、側面、背面をいう。
【0088】
第1実施形態の放射線照射ノズル5の有する傾斜は、直線状であるが、曲線状であっても良い。すなわち、放射線照射ノズル5がかまぼこ型軌道の下部(水平線部)に移動するとき、放射線照射ノズル5に相当する範囲長は変化が抑制されるような放射線照射ノズル5の形状であれば、何れの形状でもよい。これにより、放射線照射ノズル5に相当する範囲長は変化が抑制される結果、開口3の長さは微小長さに維持され、安全性の向上を図ることができる。
【0089】
第1実施形態の移動床群は2つの移動床群2A,2Bから構成されているが、第2実施形態の変形例と同様に、移動床群は3つ以上の移動床群から構成されてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 回転ガントリー
2 移動床
2A,2B,2C,102A,102B,202A,202B 移動床群
3,103,203 開口(隙間)
4 スライダー
4a スライドレール部材
4b スライド移動部材
5,105,205 放射線照射ノズル
6 サポートロール
7 ガントリー回転モータ
8 フロントリング
9 リアリング
10 ガントリー胴体
11 ビーム輸送装置
21 患者
22 治療台
23 建屋
24 固定側リングレール
25 移動側リングレール
26 リングレール駆動装置
27 サポートローラ
28 サポートリング
29 後面パネル
31 医療技師
34 ラッチ構造
35 カバー
36 カバー巻取装置
41 入射器
42 低エネルギビーム輸送装置
43 シンクロトロン
44 高エネルギビーム輸送装置
45 治療室
106 駆動装置
107 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横型筒状の回転ガントリーに搭載された放射線照射ノズルと、
回転ガントリーの内側でかまぼこ型の軌道を形成する1対のリングレールと、
この1対のリングレールに挟まれ、互いにリンクにより屈曲自在に連結される複数の移動床から構成される少なくとも2以上の移動床群と、
を備えた放射線治療ケージにおいて、
更に、前記放射線照射ノズルと前記移動床群の端部とを、回転ガントリー径方向にスライド自在に接続する1対のスライド部材
を備えることを特徴とする放射線治療ケージ。
【請求項2】
請求項1に記載の放射線治療ケージにおいて、
前記スライド部材は、前記放射線照射ノズルの側面に配置される
ことを特徴とする放射線治療ケージ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の放射線治療ケージにおいて、
前記放射線照射ノズルは、回転ガントリーの回転中心に向かって先細り形状をしており、傾斜した側面を有する
ことを特徴とする放射線治療ケージ。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の放射線治療ケージにおいて、
前記移動床群は、第1移動床群と第2移動床群の2つの移動床群から構成されている
ことを特徴とする放射線治療ケージ。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の放射線治療ケージにおいて、
前記移動床群間に発生する開口を覆うカバーと、
この開口が閉じるのに伴って前記カバーを巻き取るカバー巻取装置と、
を備えることを特徴とする放射線治療ケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−156263(P2011−156263A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22068(P2010−22068)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】