放射線治療投与システムに対して最適化された経路横断の判断
放射線投与システムのための経路横断最適化の判断に関する技術を提供する。本発明は、放射線投与システムにおける最適化した経路横断を判断するための装置及び方法を説明する。一実施形態では、放射線投与システムにおける最適化した経路横断を判断する段階は、ターゲットに放射線を投与するための治療計画に利用可能にされた放射線源の位置を各々が表す治療計画に使用される複数の空間ノードを準備する段階と、治療計画に従って放射線が投与されないいくつかの未使用空間ノードを複数の空間ノードの中から識別する段階と、治療計画を実施する時に放射線源によって未使用のノードの1つ又はそれよりも多くへの進行を飛び越す段階とを伴っている。他の実施形態も説明する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、一般的に放射線治療の分野に関し、特に、ただし排他的にではなく、放射線投与システムのための経路横断最適化の判断に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線治療は、放射線をターゲット領域又は関心体積(VOI)に印加する手順と称され、低線量治療(例えば放射線治療)及び高線量治療(例えば放射線外科)を含む網羅的用語である。放射線治療では、高度な精度、及び従ってこのような要件を満たすことができる構成要素を有するシステムを必要とする場合がある。このようなシステムの一例は、カリフォルニア州サニーヴェール所在の「Accuray Incorporated」により製造されたCyberKnife(登録商標)システムである。Cyberknife(登録商標)システムは、画像誘導式ロボットベース放射線治療システムである。このシステムは、放射線源が移動して作業空間とも呼ばれるある一定体積の空間内で作動することを可能にする複数の自由度を有するロボットアームに連結された放射線源を有する。複数の自由度により、ロボットは、作動範囲で恐らく無限数の位置的可能性を達成することができる。この形式の移動を可能にすることによって、柔軟性が得られるが、他の課題が発生する場合がある。第1に、治療のためのビームを選択することを困難にすることによって治療計画システムに関する課題が発生する。第2に、この形式の移動を可能にすれば、ロボットは、作業空間の中でどこでも進むことができるが、ロボットは、回避すべき障害も認識する必要がある。これらの課題は、ロボットが治療投与中に辿らなければならない特定の経路を作り出すことによって解決される。
【0003】
特定の経路は、一部の特定の作業空間区域、例えば、頭部及び胴体を定めることによって作り出すことができる。作業空間は、一般的に、ターゲットの位置に従って設計することができる幾何学的な形状の重心に中心がある幾何学的な形状である。例えば、作業空間は、球又は楕円の形状を取ることができる。作業空間は、線源−軸距離(SAD)、つまり放射線源のコリメータとターゲットの間の距離により一般的に定められる。例えば、医療用途においては、解剖学的頭部領域の作業空間は、ほぼ650mm及びほぼ800mmのSADで2つの球によって定めることができる。別の例においては、首の作業空間は、約650mmから約750mmの範囲であるSADによって定めることができる。この作業空間は、首領域においてターゲットを中心としてほぼ約650mmから約750mmの範囲である半径で複数の同心の球によって定める体積に限定される。体の他の部分において腫瘍を治療する時、Cyberknife(登録商標)システムは、ほぼ900からほぼ1000mmのSAD値を使用する。この手法は、作業空間を圧縮するものであるが、依然としてロボットがこれらの体積の表面上で停止することができる無限の位置の数がある。従って、これに対処するために、ロボットが立ち止まって治療を投与することができる球の表面に沿って任意の位置を作り出す。具体的には、作業空間は、最小同心球(650mm)の表面積と最大同心球(750mm)の表面積間の空間体積における空間ノードと呼ばれる有限位置の数を特徴とするものである。作業空間のこれらの略均一に分配された空間ノードは、ひとまとめにしてノードの上位集合として公知である。しかし、ノードのこの上位集合の部分数のみが、サイト(例えば病院)に設けられている特定のCyberknife(登録商標)システムによる放射線治療に使用される。Cyberknife(登録商標)システムが設けられる各サイト(例えば病院)は、治療室の幾何学形状によって定められる固有の部分数のノードを有することができる。Cyberknife(登録商標)システムの典型的な施設は、例えば、このようなノードのうちほぼ100個〜ほぼ130個を有することができる。
【0004】
特定の設置サイトに対するノードの上位集合内の部分数のノードは、ロボットアームが取り付けられる放射線源の安全つまり衝突のない進行経路をもたらす。この衝突なし進行経路は、ノードのシーケンスを通じて横断する時に、放射線源がいかなる障害物にも遭遇しないように順番にノードの上位集合内の部分数のノードを配置することによって得られる。ノードの上位集合の中のこの部分数のノードは、テンプレートノードとして公知である。この安全かつ衝突のない進行経路は、障害物のないテンプレートノードの間の直通経路で構成されている。安全かつ衝突のない進行経路は、Cyberknife(登録商標)システム治療室での計算集約的オフラインシミュレーション及び現実の試験で判断される。この安全かつ衝突のない進行経路は、テンプレートノードの所定の順序又はシーケンスから形成され、かつ治療施設サイト又は特定の治療構成に固有のものである。
【0005】
現実のシステムによるコンピュータを利用したオフラインシミュレーション処理及び試験による安全かつ衝突のない進行経路の決定は、安全な又は衝突のない経路がノードの所定の上位集合内にある可能性が大きく、かつ経路選択処理の任意的な性質のために時間を消費するものである。アルゴリズムは、空間ノード間で物体又は障害物に遭遇するまで、定位置から第1の空間ノード、次に第2の空間ノード、その後第3及び第4の空間ノードなどに移動する放射線源を模擬する。障害物に遭遇すると、アルゴリズムは、その目標空間ノードを除去して次のマップされていない空間ノードにその除去したノードの連番を適用することによってその経路を排除する。シミュレーションは、反復されて空間ノードをマップし続け、冗長である障害物又は空間ノードとの衝突に至る空間ノードを排除しながら放射線源を定位置に連れ戻す障害物のない進行経路を生成する。最終的に、安全な又は衝突のない経路は、空間ノードの集合により確立かつ決定される。この集合の空間ノードは、テンプレートノードであり、各テンプレートノードは、順番に付番されており、放射線源がシーケンス順にテンプレートノードを辿った場合、障害物に遭遇しない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Coste−Maniere他著「ロボット全身定位固定放射線外科:CyberKnife(登録商標)統合システムの臨床的利点」、医学ロボット工学及びコンピュータ支援外科学国際学術誌、2005年、1(2)、28〜29ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
各テンプレートノードは、放射線源がシーケンス順による経路に沿って進むように順番に数字が割り当てられている。治療計画は、テンプレートノードに基づいてシステムが利用可能であるビーム位置及びビーム方位のような入力パラメータから生成される。治療計画は、印加する放射線ビームの方向及び強度、及びビーム露出の持続時間のような量を指定するものである。治療計画では、一般的に全ての利用可能なテンプレートノードでの放射線ビームの投与が必要というわけではない。しかし、経路横断の既存の構成により、たとえ放射線源がテンプレートノードの部分集合でのみ放射線を投与する必要があったとしても、放射線送出源は、ロボットアームが取り付けられた放射線源が患者又は別の物体と衝突しないことを保証するために、安全な又は衝突のない進行計画の順番によって定められる順序で全てのテンプレートノードを訪問する必要がある。既知である安全な又は衝突のない経路に沿ったテンプレートノードの集合全体を通して循環する必要があるので、治療を投与するのに必要な時間量が増大する。
【0008】
同様の参照番号が特に断らない限り様々な図を通して同様の部分を指す以下の図を参照して、本発明の非限定的で非網羅的な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態による放射線源を位置決めする複数の空間ノードを含む放射線治療投与システムの作業空間を示す斜視図である。
【図2A】本発明の実施形態による空間ノードの上位集合からの部分ノード集合(テンプレートノード)を含む放射線治療投与システムの作業空間を示す側面図である。
【図2B】本発明の実施形態による空間ノードの上位集合からの部分ノード集合(テンプレートノード)を含む放射線治療投与システムの作業空間を示す端面図である。
【図3A】本発明の実施形態による空間ノードの上位集合からの部分ノード集合(テンプレートノード)を含む2次元マップにマップされた3次元作業空間を示す図である。
【図3B】本発明の実施形態により放射線治療を投与する放射線源のためのテンプレートノード回りの安全な又は衝突のない進行経路の概略を付した2次元マップである。
【図4A】本発明の実施形態により全てのテンプレート空間ノードで放射線治療を投与する放射線送出源のための安全な又は衝突のない経路の概略を付した2次元マップである。
【図4B】本発明の実施形態によりテンプレート空間ノードの部分集合で放射線治療を投与する放射線送出源のための安全な又は衝突のない経路の概略を付した2次元マップである。
【図5A】本発明の実施形態により最適経路横断に関してルックアップテーブルを判断する際の様々な例示的空間ノードのうちの1つの直通経路マッピングを示す2次元マップである。
【図5B】本発明の実施形態により最適経路横断に関してルックアップテーブルを判断する際の様々な例示的空間ノードのうちの1つの直通経路マッピングを示す2次元マップである。
【図5C】本発明の実施形態により最適経路横断に関してルックアップテーブルを判断する際の様々な例示的空間ノードのうちの1つの直通経路マッピングを示す2次元マップである。
【図5D】本発明の実施形態により最適経路横断に関してルックアップテーブルを判断する際の様々な例示的空間ノードのうちの1つの直通経路マッピングを示す2次元マップである。
【図6】本発明の実施形態による空間ノードのテンプレート内の空間ノード間にマップされた直通経路の結果を収容するルックアップテーブルの図である。
【図7】本発明の実施形態によりテンプレート空間ノードの部分集合で治療を投与する放射線送出源のための最適化した経路横断の概略を付した2次元マップである。
【図8A】本発明の実施形態によるノードのテンプレートによって形成された安全な又は衝突のない経路上を進行中に2つの空間ノード間のエラーに遭遇する放射線送出源の2次元マップの図である。
【図8B】本発明の実施形態によるエラー発生に遭遇した後の放射線送出源の修正新進行経路の2次元マップの図である。
【図9A】本発明の実施形態によるテンプレートノードの部分集合によって形成された最適化した安全な又は衝突のない経路上を進行中に2つの空間ノード間のエラーに遭遇する放射線送出源の2次元マップの図である。
【図9B】本発明の実施形態によるエラー発生に遭遇した後の放射線送出源のための新しい最適化した安全な又は衝突のない経路の2次元マップの図である。
【図10】本発明の実施形態により放射線送出源のための最適化した安全な又は衝突のない進行経路を判断し、テンプレート空間ノードの部分集合のための最適化した経路横断を判断かつ実施する方法を示す流れ図である。
【図11】本発明の実施形態により2つの空間ノード間を進行中に放射線送出源がエラーに遭遇した後に、修正した安全な又は衝突のない進行経路を判断する方法を示す流れ図である。
【図12】本発明の実施形態により診断画像を生成し、治療計画を生成し、かつ治療計画を実施するための患者治療システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例えば、治療時間を短縮するために放射線治療投与システムの作業空間を最適化するシステム及び方法の実施形態を本明細書で説明する。以下の説明では、本発明を完全に理解することができるように多くの特定の詳細に対して説明する。しかし、当業者は、特定の詳細の1つ又はそれよりも多くなしで、又は他の方法、構成要素、材料などで本明細書で説明する技術を実施することができることを認識するであろう。他の例においては、公知の構造、材料、又は作動は、ある一定の態様を不明瞭にすることを回避するために詳細には図示又は説明しない。
【0011】
本明細書を通した「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書を通した様々な箇所での「一実施形態では」又は「実施形態では」という語句の登場は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているというわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又はそれよりも多くの実施形態においてあらゆる適切な方法で組み合わせることができる。
【0012】
一実施形態では、「ターゲット」という語は、本明細書では、病理学的又は典型的な骨格のような患者の解剖学的特徴を指すために使用しており、放射線源が放射線投与をターゲットにすることができる1つ又はそれよりも多くの非解剖学的基準構造を含むことができる。病理解剖のような(腫瘍、病変、動静脈奇形のような)特定形式のターゲットを説明目的をもたらすために以下で言及することができるが、本明細書で説明する方法及び装置は、他の形式のターゲットに適用することができる。例えば、「ターゲット」という語は、非生物学的/人間以外の生命のない物体又は構造を定めるために使用することができる。
【0013】
「安全な」という用語は、経路又は計画に従った放射線源の進行を説明するものと本明細書で定める。「安全な」は、具体的には、障害物がないことも意味する「衝突なし」を指す。例えば、放射線源に対して進行経路又は進行計画を説明するのに使用する時、「安全な」は、進行経路又は進行計画に障害物がないので、放射線源は、進行経路に沿って又は進行計画に従って衝突なしに進行することを意味している。別の例においては、2つのノード間の進行を説明するのに使用する時、「安全な」は、2つのノード間の放射線源の直通進行経路が衝突のないものであり、従って、ノードは、安全なノード又は衝突のないノードであることを意味する。
【0014】
「放射線源」という語は、ターゲットに放射線を投与するのに使用する線形加速器と定める。一実施形態では、「放射線源」は、X線帯域小型線形加速器である。「放射線源」は、ターゲットに放射線を供給するのに使用することができるソースであると解釈することができる。この「放射線源」は、一般的に、線形加速器が、放射線治療をターゲットに投与することができる空間内の異なる位置に進行することができるようにロボットアームに取り付けられる。
【0015】
本明細書で説明する放射線源の最適化した横断経路を判断する方法及び装置は、ハードウエア、ソフトウエア、ファームウエア、又はその組合せを使用して実行することができる。本明細書で説明するソフトウエアモジュールは、ソフトウエアが作動する様々なプログラム言語で書くことができ、ワシントン所在のマイクロソフト・コーポレーションのWindows(登録商標)OS又はカリフォルニア所在のアップルコンピュータの「Mac OS」とすることができる。代替的に、OSは、UNIX、Linux、又は他のオペレーティングシステム(例えば、内蔵型又はリアルタイムオペレーティングシステム)などとすることができる。ソフトウエア及びOSは、あらゆる形式のプラットフォーム上で、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)プラットフォーム、ワークステーションなどで実行することができる。
【0016】
ソフトウエアモジュール又はコンピュータプログラム製品は、処理を実行するようにコンピュータシステム(又は、他の電子デバイス)をプログラムするのに使用することができる命令を格納した機械可読媒体を含むことができる。機械可読媒体は、機械(例えばコンピュータ)により可読形式(例えばソフトウエア、処理アプリケーション)で情報を格納又は送信するあらゆる機構を含む。機械可読媒体には、磁気記憶媒体(例えばフロッピーディスケット)、光記憶媒体(例えばCD−ROM)、光磁気記憶媒体、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブルメモリ(例えば、EPROM及びEEPROM)、フラッシュメモリ、電気的、光学的、音響的、又は他の形式の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号のような)、又は電子命令の格納に適する他の形式の媒体を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
特に断らない限り、以下で説明する内容から明らかなように、「識別する」、「選択する」、「判断する」、又は「生成する」などのような用語は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理的(例えば電子)な量として表されたデータを操作し、コンピュータシステムメモリ又はレジスタ又は他のこのような情報記憶、送信又は表示デバイス内の物理的データとして同様に表される他のデータにデータを変換するコンピュータシステム又は同様の電子計算デバイスの作用及び処理を指すことができることは認められるであろう。本明細書で説明する方法の実施形態は、コンピュータソフトウエアを使用して実行することができる。公認された規格に準拠したプログラミング言語で書かれた場合、方法を実行するように設計された命令のシーケンスは、様々なハードウエアプラットフォーム上での実行に向けて、及び様々なオペレーティングシステムとのインタフェースに向けてコンパイルすることができる。更に、本発明の実施形態は、いかなる特定のプログラム言語をも参照して説明するものではない。様々なプログラム言語を本発明の実施形態を実行するのに使用することができることが認められるであろう。
【0018】
図1は、本発明の実施形態により放射線源を位置決めする作業空間内の空間ノードの上位集合を含む放射線治療投与システムの作業空間を示す斜視図である。放射線治療投与システム100の図示の実施形態は、放射線源を含み、かつ治療寝台110、検出器115A及び115B(ひとまとめにして115、撮像器とも呼ばれる)、撮像源120A及び120B(ひとまとめにして120)、及びロボットアーム125を含むことができるがこれらに限定されない。
【0019】
放射線治療投与システム100は、放射線治療(例えば放射線外科及び/又は放射線治療)を行って患者内の病変(例えば腫瘍状組織)を治療又は破壊するのに使用することができる。このような放射線投与システムは、医学ロボット工学及びコンピュータ支援外科学国際学術誌、2005年、1(2)、28〜29ページで公開されたCoste−Maniere他著「ロボット全身定位固定放射線外科:CyberKnife(登録商標)統合システムの臨床的利点」に説明されている。放射線治療中に、放射線投与システムの一実施形態では、患者は、治療寝台110上に居り、治療寝台110を操作して予め設定した位置に又は放射線源105(例えば、視野)がアクセス可能な作動範囲にターゲットを含む関心体積(VOI)を位置決めする。一実施形態では、放射線治療投与システム100は、画像誘導放射線治療投与システムである。撮像源120及び検出器115を併せて、治療寝台110及び患者の位置、及び患者内のVOIに対する放射線源105のアラインメントの視覚的制御を行う撮像案内システムとして働く。撮像治療中心は、撮像ソースから画像検出器に出射される撮像放射線の交差部によって定められる。代替的な実施形態では、画像検出器115は、図示のものと異なる形で存在することができる。例えば、検出器115は、2つの構造体115A及び115Bで構成することができない場合があるが、その代わりに、ロボットアームの移動を妨害する場合がある物体の数を低減するために地面又は床(図示せず)に組み込まれる。別の実施形態では、治療寝台110は、放射線源105に対する患者内でVOIの変位及び方位の両方を正確に制御するために撮像案内システムからのフィードバックを受け取るロボットアームのような位置決めシステム(図示せず)に結合することができる。
【0020】
一実施形態では、ロボットアーム125のような治療寝台又は放射線源に連結した位置決めシステムは、5つ又はそれよりも多くの自由度(DOF)を有することができる。例えば、このロボットアームは、相互に直交するx水平座標軸及びy水平座標軸に沿った並進運動のための2つの回転軸、及びそれぞれx軸、y軸、z軸回りの横揺れ、縦揺れ、及び偏揺れのための3つの回転軸を含む5つのDOFを有することができる。1つの(第6のDOF)実質的に垂直の線形DOFは、水平のx座標軸及びy座標軸に垂直なz座標軸内の実質的に垂直な線に沿った並進のための略線形の軸を含む。別の実施形態では、治療寝台に結合したロボットアーム125又は放射線源は、異なる6つのDOFを有することができる。6つのDOFには、相互に直交するx座標軸、y座標軸、及びz座標軸に沿った並進運動のための3つの回転軸、及びそれぞれx軸、y軸、z軸回りの横揺れ、縦揺れ、及び偏揺れのための3つの回転軸を含む。1つの実質的に垂直の線形DOFは、水平のx座標軸及びy座標軸に垂直なz座標軸内の実質的に垂直な線に沿った並進のための略線形の軸を含む。
【0021】
一実施形態では、放射線源105に結合するロボットアーム125は、作動範囲で殆ど無限数の可能性で放射線源105を位置決めすることができる5つ又はそれよりも多くの自由度(DOF)を有する。ロボットアーム125は、肩アセンブリ121、肘アセンブリ122、及び手首アセンブリ123を有する。一実施形態では、肩アセンブリ121は、2つの回転DOFを有し、肘アセンブリ122は、1つの回転DOFを有し、手首アセンブリ123は、3つの回転DOFを有する。この実施形態では、6つの回転自由度により、放射線源移動のための十分以上の作業空間が生成される。回転又は並進、又は両方の形式の運動の組合せを含むがこれらの限定されない5つ又はそれよりも多くのDOFを有する他の実施形態も可能である。
【0022】
図1は、作業空間の一実施形態を示している。作業空間は、異なる幾何学形状とすることができる。1つの例示的な実施形態では、作業空間は、半径が形状の重心からの線源−軸距離(SAD)によって定められる球面幾何学形状130を有する。SADは、放射線源内のコリメータとターゲットの間の距離である。単独の球面幾何学形状130は、一連の同心球のうちの1つを表し、各同心球は、球の重心に中心がある異なるSADにより指定される異なる半径を有する。一実施形態では、重心に中心がある1つ又は一連の同心球により、放射線源が作動するのに利用可能である作業空間がひとまとめに定められる。別の実施形態では、作業空間は、楕円の重心に中心がある1つ又は一連の楕円とすることができる。複数の作業空間を異なる患者作業域に向けて作成及び定めることができる。例えば、異なるSADでの患者の異なる骨格に対して異なる作業空間を定めることができる。
【0023】
各々が「+」記号(2、3個のみを記載)によって表される図1の空間ノード135は、ひとまとめにして空間ノードの上位集合を形成する。空間ノードの上位集合は、作業空間に存在することができるあらゆる物体又は患者を妨害することなく放射線源が物理的に占有することができる作業空間内の空間位置を定める。空間ノード135は、放射線源105が停止して患者内のVOIに放射線の線量を投与させる位置を表している。空間ノード135は、作業空間130の表面にわたって略均一に分配される。治療計画を実施する一実施形態では、ロボットアーム125は、所定の経路を辿って1つ1つの空間ノード135に放射線源105を移動させる。治療計画では、上位集合ノードの数より多いか、上位集合ノードの数と同じか、又は上位集合ノードの数よりも少ない数の空間ノード135を訪問するように放射線源に要求することができることを認めるべきである。一実施形態では、治療計画は、上位集合のノード内で1回よりも多く1つ又はそれよりも多くのノードを訪問するように放射線源に要求することができる。別の実施形態では、治療計画は、ノードの上位集合の中のノードの部分集合を訪問するように放射線源に要求することができる。最後に、治療計画が異なれば、一般的に、ただし常にというわけではなく、治療計画のターゲットVOI、周囲の解剖学的構造、及び臨床意図の相違点のために、指定するノード数も異なる。
【0024】
上位集合のノードは、放射線治療投与システム100の設置又は初期化時に判断されるが、治療計画によって使用されるテンプレートノードは、一般的に、ただし常にというわけではなく、治療計画立案時に判断される。テンプレートノードは、ノードの上位集合の部分集合であり、順序付けされたシーケンスで定められる。放射線源が放射線治療を投与するために順序付けされたシーケンスでテンプレートノードを辿って空間内で進行する時、放射線源は、安全な又は衝突のない進行経路を辿るので、いかなる障害物にも遭遇しない。治療計画の一実施形態では、放射線源は、テンプレートノードの各々を1回訪問してテンプレートノードの各々で1回放射線治療を投与する。治療計画の異なる実施形態では、放射線源は、安全な又は衝突のない進行経路を保証するためにテンプレートノードの各々を1回訪問するが、放射線治療を投与するのは、選択した部分数のテンプレートノードで1回のみである。
【0025】
図2A及び図2Bは、本発明の実施形態によりテンプレートノード、又は空間ノード135の上位集合の部分集合を含む断面200A及び200Bの作業空間130を示すそれぞれ側面図及び端面図である。図2A及び図2Bは、SADが作業空間を定める際に測定される重心を表すターゲットつまり腫瘍170を有する治療寝台110にいる患者160を示している。説明するように、図1の空間ノード135は、放射線源が作業空間内で物理的に占有することができる空間位置をひとまとめにして表している。部分200A及び200Bは、ターゲット170から測定したSADを有する同心球のうちの1つの上の2本の異なる円弧回りに均一に分配される上述の空間ノード135の一部を示している。図示のような空間ノード135は、均一に分配されており、治療計画の一部として選択する破線付き「+」を有する選択テンプレートノード235を含む。従って、一実施形態では、テンプレートノード235は、安全な又は衝突のない進行経路を生成するために、また、放射線治療が治療計画に従って放射線源により実施される場合に使用する。
【0026】
テンプレートノードとノードの上位集合とは、より簡単な例示でより簡単に理解することができるように2次元(2D)構成で表すことができる。図3Aは、本発明の実施形態によりノードの上位集合及びテンプレートノードを含む2Dマップにマップした3次元(3D)作業空間を示している。図3Aのマップは、使用可能な3D作業空間の2D均等物の実施形態である。より簡単に理解することができるように、この実施形態における空間ノードの数を簡素化しており、一部の実施形態では、空間ノードの数が少なくなる。物体320は、3次元の作業空間を2Dに開く時に2次元に開く3Dの物体を表している。円380で表す空間ノード及び「X」390を付した円で表す空間ノードは、ひとまとめにして作業空間内の空間ノードの上位集合を表している。「X」(390)を付した円で表す空間ノードは、テンプレートノードとして選択しなかった空間ノードである。多くのこのような選択しなかったノードがあるが、1つだけを記載する。円380で表す空間ノードは、特定の治療計画に向けて選択したテンプレートノードである。これらのテンプレートノードの各々は、円380により等しく表されており、一方、選択しなかった空間ノードの各々は、図3Aでは「X」390を付した円で等しく表されている。定位置300は、放射線源が開始して終結する位置である。定位置300は、放射線治療計画に従って放射線治療を投与するために放射線源が動き回っていない時の放射線源の休止位置を表している。
【0027】
別の実施形態では、図3Aのテンプレートノード380は、放射線源の安全な又は衝突のない進行経路を形成するシーケンスで順序付けされる。安全な又は衝突のない進行経路においては、放射線源は、定位置から最低順番ノードに、かつ安全な又は衝突のない進行経路に従って最高順番ノードまでの順番で移動し、かつ最高順番ノードから移動して定位置に戻る。図3Bは、本発明の実施形態によりテンプレートノードにより輪郭を描く安全な又は衝突のない進行経路を示す2Dマップにマップした3次元(3D)作業空間を示している。治療計画の一実施形態では、シーケンスで順序付けしたテンプレートノードの集合は、安全な又は衝突のない進行経路をもたらすが、放射線治療は、各テンプレートノードで実施する必要はないことを理解すべきである。一実施形態では、放射線源は、安全な又は衝突のない経路に沿って進行して全てのテンプレートノードを訪問し、全てのテンプレートノートで放射線治療を投与する。別の実施形態では、放射線源は、安全な又は衝突のない経路に沿って進行して全てのテンプレートノードを訪問するが、放射線治療を投与するのは、部分数のテンプレートノードでのみである。
【0028】
テンプレートノードでの放射線治療の投与は、治療計画の実施により判断される。治療計画立案により、テンプレートノードのどれで放射線源が放射線治療を投与するかが判断される。治療計画では、安全な又は衝突のない進行経路が確実に維持されるようにするために、全てのテンプレートノードを訪問するように放射線源に求めるが、特定の治療計画により、放射線源にテンプレートノードの部分集合でのみ放射線治療を投与させ、未使用テンプレートノードには実施させない場合がある。
【0029】
図3Aは、図3Aのテンプレートノードは識別され、一方、図3Bのテンプレートノードは、識別されると共に安全な又は衝突のない進行経路を定める特定の順序で順序付けられるという点で、図3Bと異なっている。別の実施形態では、ノードの上位集合から1回識別されたテンプレートノードは、同時に順序付けられるように治療計画立案を完成する。換言すれば、識別及び順序付けが実質的に同時に行われる場合は、識別及び順序付けにおいては別々の段階はない。背景技術の節で説明したように、テンプレートノードは、システムが、治療室の幾何学形状により判断されるサイトに設けられる時に確立される。
【0030】
図4Aは、本発明の実施形態により全てのテンプレート空間ノードで放射線治療を投与する放射線源のための安全な又は衝突のない経路の2次元マップである。この時点で、テンプレートノードが、背景技術の節で説明したような処理により確立され、かつ判断されて設定されていることを認めるべきである。この時点以降に説明する処理は、背景技術の節で説明したテンプレートノードの構成処理と区別すべきである。一実施形態では、放射線源は、休止時には定位置400にある。放射線治療を投与する指令で、放射線源は、矢印の方向に経路440を辿り、テンプレートノード301〜313の各々に進行して各ノードで放射線治療を投与する。放射線治療投与中、放射線源が特定のテンプレートノードによって定められた空間位置を物理的に占有する間、放射線源の方位は変動する。一実施形態では、放射線源は、安全上の理由から進行中に1つ又はそれよりも多くの方位を有し、一方、放射線治療を投与する1つ又はそれよりも多くの異なる方位を有する。例えば、放射線源のコリメータは、放射線ビームの偶発的な発射により患者に危害を与えないように、空間ノード間の進行中に患者から離れた位置に向いていることができるが、放射線源のコリメータは、放射線治療投与中にターゲットに向けて特定の角度に配向することができる。一実施形態では、放射線源は、放射線治療を投与する際に選択すべき12個までの異なる方位を有することができる。中実円401〜413は、対応する空間ノード301〜313の各々と同じ空間位置を表す1つ又はそれよりも多くの異なる方位である。一実施形態では、放射線源は、1つの方位で特定の空間ノード、例えば、ノード305に到着するが、放射線源は、新しい方位405に向きを変えて治療を投与し、次に、次のノード306に進む前にノードに到着した時に同じか又は異なる方位に戻る。一実施形態、すなわち、図4Aに示すような元の治療計画においては、放射線治療をテンプレートノード30〜313の各々で投与し、あらゆる衝突から安全である進行経路を保証するシーケンスの順にテンプレートノード301〜313の各々を訪問する。
【0031】
図4Bは、本発明の実施形態により放射線源が進行してテンプレート空間ノードの部分集合で放射線治療を投与する安全な又は衝突のない経路の概略を付した2次元マップを示している。一実施形態では、全てのテンプレートノード(図4Aを参照されたい)で放射線治療を投与することを求める元の治療計画と比較して、新しい治療計画では、放射線治療を部分数のテンプレートノードで選択的に実施することを指定する。図4Bは、全てのテンプレートノード301〜313を通るが401〜402、405〜409、及び411〜412を含むテンプレートノードの選択した部分集合又はサブセットで治療を投与する同じ安全な又は衝突のない経路440を使用する新しい治療計画を示している。この新しい治療計画を実行する際に、放射線源は、定位置400から1つ1つのテンプレートノードに進行して安全な又は衝突のない進行経路を辿る。換言すれば、放射線源は、進行すると1つ1つのテンプレートノードで停止するが、選択したテンプレートノードでのみ放射線治療を投与する。新しい治療計画(図4B)の安全な又は衝突のない経路440は、元の治療計画(図4A)と比較すると変更されておらず、同じままである。唯一の相違点は、新しい治療計画においては、放射線源が停止するのは、治療を投与するように選択したテンプレートノードのみであるが、選択していないテンプレートノードでは停止しない点である。衝突のない経路440を辿ることは安全であるが、新しい治療計画の放射線源の全体的な移動距離は、放射線源が必要以上のノードを訪問するように強制されるために元の治療計画の場合と同じであり、従って、全体治療時間が延長される。一実施形態では、テンプレートノードの部分集合を放射線治療投与に対して選択する新しい方法に対して最適化された経路横断を見つけるために、直通経路マッピングのような新しい方法が開発されている。
【0032】
図5A〜図5Dは、本発明の実施形態により新しい治療計画に対して最適化された経路横断の参照表又はデータベースを判断する際の空間ノードの様々な例の直通経路マッピングを示す異なる2次元マップである。図5A〜5Dは、治療を全てのテンプレートノードで実施する最新の治療計画と比較して、テンプレートノードの部分集合を放射線治療の投与に選択する新しい治療計画に対してどのように安全な又は衝突のない経路を判断するかを示している。空間ノード間の経路に関する情報は、検索及びアクセスのための形態で格納されているので、治療計画実行前又は治療計画中及び/又はほぼ治療計画立案前又は治療計画立案中に実行することができる。
【0033】
直通経路マッピングの一実施形態では、テンプレートノードの集合全体における1つ置きのテンプレートノードに各テンプレートノードを直接マップする。その目的は、いかなる2つテンプレートノード間の直通経路が障害物を含む場合も識別することである。2つのノードを障害物なしの直通経路により接続した時、2つのノードの各々は、衝突のない空間ノード又は衝突のないノードとして公知である。直接マッピングは、テンプレートノードが任意にノードの上位集合から選択されて順番に配置される元の治療計画における放射線源の安全な進行の計画のためのテンプレートノードの識別及び順序付けとは異なるものである。これに反して、直接マッピングでは、識別及び順序付けられたテンプレートノードの各々が系統的にマップされる。具体的には、テンプレートノードが上位集合ノードから識別及び順序付けられた状態で、オフラインシミュレーションは、定位置及びテンプレートノードにより表される全ての空間位置間の各対応する直通経路が完成されるまで、一度に1つずつ空間位置から他の残りの空間位置の各々まで直接マッピングが再帰的に実行されるアルゴリズムに従う。
【0034】
一例において、図5Aは、定位置から空間内の全てのテンプレートノードまでの全ての直通経路を示す2Dマップである。アルゴリズムは、定位置から直線的空間内の各テンプレートノードまでの放射線源の移動を模擬する。このオフラインシミュレーションでは、各経路は、1つの位置から別の位置に進行する時に、放射線源が作業空間内で患者又は別の物体のような障害又は障害物320と衝突するか否かに関して識別される。図5Aは、定位置から障害又は障害物320がない対応する空間ノード301、302、311〜313までの衝突のない経路510(実線矢印)を示している。従って、ノード301、302、311〜313は、定位置までの衝突のない空間ノード又は衝突のないノードである。しかし、図5Aは、定位置から各々の空間ノード303〜310までの経路520(破線矢印)内の障害又は障害物320を示している。矢印の各々は一方向のみであるが、直接マッピングの目的が定位置と空間ノードのいずれか1つとの間のようなあらゆる2点間の直通横断経路に障害物があるどうかを判断することであることを理解すべきである。障害物がない衝突のない経路は、放射線源が定位置からその空間ノードまで又はその空間ノードから定位置まで移動することができ、かつ放射線源には、ノード間の進行方向に制約がないことを示唆している。同様に、障害物を含む経路は、放射線源が、いずれも方向でも2点間で衝突なしに進行するものではないことを示唆している。直接マッピング処理は、全てのテンプレートノードに対して繰り返される。
【0035】
別の例において、図5Bは、空間ノード302から空間内の他のテンプレートノードまでの直通経路を示す2Dマップである。図5Bは、放射線源が空間ノード302に位置する場合、放射線源が、障害物のない衝突のない経路510(実線矢印)で空間ノード303、305、311、及び312に到達することができることを示している。従って、これらのノード303、305、311、及び312は、302までの衝突のない空間ノード又は衝突のないノードである。しかし、放射線源は、空間ノード304、307、308、309、及び313までの直通経路520(破線矢印)が障害又は障害物320との衝突を有するので、このノードに到達することができない。尚、テンプレートノード302と定位置まで又はテンプレートノード301までの間には経路がない。アルゴリズムは、テンプレートノードの順序に従って系統的に直通経路マッピングを実行する。このアルゴリズムでは、全ての空間位置をマップする時間を短縮するために、先にマップされたテンプレートノードを改めてマップしない。図5Bの中でテンプレートノード302をマップする時、アルゴリズムは、定位置(図5Aに例示)から、及びテンプレートノード301、テンプレートノード302よりも低い順番にある他の2つのノードから、他のテンプレートノードまでの直接マッピングは完了していることを知っている。定位置からテンプレートノード302までの経路がマップされ(図5Aに例示)、かつテンプレートノード301からテンプレートノード302までの経路はマップされたと仮定されたので、このテンプレートノードを訪問する必要はない。
【0036】
図5C及び図5Dは、この概念を更に示している。図5Cは、空間ノード307から空間内の他の残りのテンプレートノードまでの直通経路を示す2Dマップであり、図5Dは、空間ノード310から空間内の他の残りのテンプレートノードまで直通経路を示す2Dマップである。図5Cでは、経路は、それぞれ空間ノード307から308〜313までマップされる。空間ノード307と空間ノード308の間の直通経路510(実線矢印)は衝突のないものであり、従って、ノード307及び308は、互いに対して衝突のない空間ノード又は衝突のないノードである。ノード307とノード309〜313の間の残りの経路520(破線付き矢印)は、放射線源が障害又は障害物320と衝突することを示唆している。経路は、空間ノード307から定位置まで又は空間ノード301〜306まではマップされないが、その理由は、このテンプレートまでのマッピングは、このテンプレートノード(図示せず)の各々から直接マッピングにより先に行われたと仮定されているからである。同様に、図5Dでは、経路は、空間ノード310からノード311〜313までマップされている。それぞれ、ノード310から311及び312までの直通経路510(実線矢印)は、衝突のないものであり、311及び312は、衝突のないノード又は310まで衝突のないノードであり、一方、ノード310から313までの直通経路520(破線付き矢印)により、結果として、放射線源は、障害又は障害物320と衝突する。また、ノード310から定位置まで、又はノード301〜309までの直接マッピングは、示されず又は実行されないが、その理由は、その情報は、直接マッピングが定位置及びノード301〜309に対して先に行われた時に以前に得られたと思われるからである。
【0037】
一実施形態では、直接マッピングから生成された情報は、ルックアップテーブル又はデータベース内に、又はほぼ治療計画立案時に及び/又はほぼ治療計画実行時に情報にアクセス可能なあらゆるフォーマットで格納される。しかし、情報は、異なるフォーマットで格納するか、又は有利なアクセス又は検索に向けて異なるフォーマット間で変換することができる。例えば、図6は、図5A〜図5Dに部分的に示す図4A及び図4Bに示した空間ノードの直接マッピング、及び図5A〜図5Dに示していない他の空間ノードのマッピングから生成された情報を示している。図6は、ルックアップテーブルフォーマットでの定位置及び13個の空間ノード301〜313の直接マッピングの結果を示している。最左縦欄は、直通経路が始まる空間位置を表し、一方、最上部の横欄は、直通経路が終結する空間位置を表す。
【0038】
ルックアップテーブルの残りの記入欄の各々には、「−−」、「O」、又は「X」が記されている。「−−」は、経路を適用しないか又はマッピングが実行されないことを示している。例えば、原点が308であり、かつ終点が308である場合は、経路が存在しない。また、図5A〜図5Dにより上述したように、先にマップした経路は、繰り返されず、従って、一例として、直通経路が原点テンプレートノード302から終点テンプレートノード304までマップされた場合、テンプレートノード304を原点として使用してテンプレートノード302に戻って改めてマップする必要はないが、その理由は、結果が同じであり、かつこの処理が冗長であるからである。「O」は、いずれの方向にも障害物が2つの指定空間ノード間にない衝突のない経路を表している。従って、「O」と記された衝突のない経路の各々は、2つの衝突のない空間ノード又は衝突のないノードも接続する。「X」は、障害物を含み、かつ指定ノード間で放射線源によりいずれかの方向で進行に対して禁止された経路を表すものであるが、その理由は、その経路を通ると、結果として障害物との衝突になるからである。尚、図6に示す空間ノードの数は、例示のために少なくなっている。一部の実施形態では、テンプレートノードの数は、作業空間のサイズ及び作業空間にわたる空間ノードの空間分布の解像度により異なる。例えば、一実施形態では、テンプレートノードの数は、容易に100を超える範囲に及ぶ場合がある。
【0039】
一実施形態では、情報を格納するのに使用するフォーマットの目的は、ほぼ新しい治療の計画立案時に及び/又はほぼ新しい治療計画の実行時に情報の検索又はアクセスを可能にすることである。安全な又は衝突のない計画では定められた順序で全てのテンプレートノードに進行することが必要である元の治療計画と比較すると、データを異なるフォーマットに変換する必要がない情報のアクセス又は検索により、新しい治療計画に従って放射線治療テンプレートノードの部分集合で放射線治療を投与する他のより短い安全な経路の計算の高速化が可能である。別の実施形態では、この情報は、2つの空間ノード間を進行時に放射線源が不測のエラーに遭遇した時に有用と考えられる。改めて定位置から開始してエラー発生前に先に訪問した全ての空間位置まで進行するのではなく、この情報は、初期に意図されたように残りの治療計画を完了するために、先に訪問したテンプレートノードのうちの1つ又はそれよりも多くを飛び越して、代替の安全かつより短い進行経路を迅速に判断することを助けるものである。最適化した経路横断を判断する際に直接マッピングから導出される用途及び利点を以下の図及び表に示している。
【0040】
図7は、本発明の実施形態によりテンプレート空間ノードの部分集合で放射線源が放射線治療を投与する最適化した経路横断の概略を付した2次元マップである。図7は、放射線治療が実施されるある一定のテンプレートノードの部分集合がより短い安全な経路、すなわち、最適化した横断経路760により接続されている点を除き、図4A及び図4Bと類似の2Dマップを示している。図4Bと同様に、図7は、放射線治療が実施される選択したテンプレートノードの部分集合301〜302、305〜309、及び311、312を示している。残りのテンプレートノード303、304、310、及び313は、放射線治療には未使用である。直接マッピングにより供給された情報がなければ、放射線源は、治療を投与するための全ての選択した部分テンプレートノードへの安全な進行経路を保証するために、全てのテンプレートノードを含む図4Bの経路440と同じである経路740(破線)を辿らなければならない。図4Bの経路440と同様に、経路740は、消費時間が長くなるが、その理由は、たとえ放射線治療が全ての未使用テンプレートノードで実施されなくても、全ての未使用テンプレートノードを訪問すべきであるからである。直接マッピングから情報を生成された情報があれば、部分テンプレートノードがユーザ(例えば医学物理学者、内科医のような)により識別されると、より短い経路760(実線)を識別することができる。このより短い最適横断経路760により、少なくとも1つ又はそれよりも多くの未使用ノードが飛び越されると共に、放射線治療が実施される全ての選択した部分テンプレートノードが含まれ、同時に、衝突のないかつ障害物がない経路が維持される。
【0041】
図7は、全ての未使用ノード303、304、310、313を飛び越すことができるので最適横断経路760が放射線治療が実際に実施される部分ノードのみを含む一実施形態を示している。従って、最適横断経路760は、新しい治療計画に関する本質的に最短横断経路を示している。別の実施形態(図示せず)においては、1つ又はそれよりも多くの未使用テンプレートノードを訪問して衝突のない経路が確実に得られるようにすることができ、一方、放射線源は、全ての選択した部分テンプレートノードを訪問して放射線治療を投与する。更に、訪問する1つ又はそれよりも多くのこれらの未使用テンプレートノードは、1つ又はそれよりも多く訪問することができる。従って、この実施形態は、全てのテンプレートノードへの進行を必要とする元の計画において定められる安全な又は衝突のない経路よりも短いが、760によって示す最短横断経路よりも長い最適横断経路(図示せず)を示している。上述のいずれかの実施形態では、最適横断経路を判断する目的は、直接マッピングから生成された情報をユーザ(医学物理学者、内科医者のような)により識別された部分テンプレートノードに適用し、テンプレートノードの部分集合を使用すると共にできるだけ短い衝突のない経路を維持しながらこれらのテンプレートノードの部分集合を横断する元の治療計画と等しく有効な治療を投与することである。従って、図7は、未使用ノードを訪問しない最も短い最適横断経路760の理想的な場合を示すが、一部の実施形態では、未使用ノードの1つ又はそれよりも多くを訪問することができ、最適化した横断経路は、単に放射線治療のための部分テンプレートノードよりも多くを含むことができる。
【0042】
別の実施形態では、空間ノードの再順序付けにより最適横断経路の治療時間の短縮をもたらすことができる。再順序付けは、いつでも行って時間最適シーケンスを見つけることができる。一実施形態では、空間ノードの再順序付けは、放射線治療が実施されると判断されるテンプレートノードが識別された後に行うことができる。別の実施形態では、再順序付けは、最適横断経路を判断するための未使用空間ノードの判断及び未使用空間ノードの飛び越しの前後に適用することができる。更に別の実施形態では、再順序付けは、最適横断経路に向けて最少数のテンプレートノードを使用して最適横断経路が判断された後に適用することができる。更に同じく別の実施形態では、再順序付けは、最適横断経路の改訂が判断される前後に放射線源が2つの空間ノード間を進行した時にエラーが発生した後で適用することができる。アルゴリズムを用いて、放射線治療が実施されるテンプレートノード及びテンプレートノードの部分集合を含むがこれらに限定されない空間ノードの異なるシーケンスを評価して、空間ノードのどのシーケンスが最も短い全体的な治療時間を生成することができるかを判断する。その一例は、衝突のない進行経路を計画立案により指定された順番の逆の順番で横断するというものである。空間ノードの再順序付けでは、どの未使用ノードを飛び越すことができるかという判断と同様に、障害を回避するという目的を考慮に入れる。主要な目的の1つとして、空間ノードの再順序付けは、空間ノードを進行する順序の再形成が、衝突のない進行経路を維持しながら全体的な治療時間を短縮することができるかを判断する。
【0043】
直接マッピングを使用する横断経路の最適化の恩典は、治療計画中に放射線源が2つの空間ノード間を進行する時に思いがけないエラーに遭遇した時に特に有用である。図8Aは、本発明の実施形態により元の治療計画においてテンプレートノードによって形成された安全な又は衝突のない経路上を進行中に2つの空間ノード間のエラーに遭遇する放射線送出源の2次元マップの図を示している。図8Bは、本発明の実施形態により元の治療計画においてテンプレートノードによって形成される、2つの空間ノード間でエラーに遭遇する時のリセット後の放射線源の進行経路の2Dマップを示している。
【0044】
図8Aは、直接マッピング又は最適経路横断が実行される前の実施形態を示しており、テンプレートノードの部分集合が放射線治療に対して識別されるが、放射線源は、依然として全てのテンプレートノードを通過し、元の治療計画において定められた安全な又は衝突のない進行経路を保証する必要がある。図示のように、放射線源は、全てのテンプレートノードを含む安全な又は衝突のない進行経路840に沿って進行して部分テンプレートノードで放射線治療を投与する。ノード311〜312間を進行する時、方位411で放射線治療を投与した後に(上述のように)、放射線源は、テンプレートノード312に向かう途中でエラーに遭遇した。このエラーは、ソフトウエアエラー又は物理的エラーの場合があり、例えば、制限するものではなく例示として、物体が経路に偶然に置かれていたか、又は放射線源がノード間の進行に適する特定の方位に戻ることに失敗するというものである。エラーに遭遇すると、放射線源は、定位置300にリセットされる。
【0045】
図8Bは、直接マッピング又は最適経路横断が実行される前の実施形態を示しており、放射線源は、エラーに遭遇すると、リセットされた後に治療計画を完了する。実際には、放射線源は、図8Aで先に示すものと全く同じ進行経路840に沿って進行するが、エラーが発生する前に放射線治療が実施された選択した部分テンプレートノードで放射線治療を投与するためのみではない。例えば、放射線治療は、401〜402、405、406〜409、及び411で(又は対応する301〜302、305、306〜309、及び311、先に説明済み)実施されたので、放射線治療は、このノードでは実施されない。放射線源がノード311に進行する時に、前と同様に、ノード312までの同じ経路に沿って進んで、エラーが発生する前では以前に未訪問であった指定された部分テンプレートノードで放射線治療を投与して治療計画を完了する。従って、最適経路横断を判断するために直接マッピングがなければ、放射線源の安全な又は衝突のない進行経路は、融通が利かず、固定のものであり、かつエラーが発生した時でさえも調節不可能である。物理的物体が放射線源を妨害していた場合には、問題がソフトウエア関連、機械関連であるか否かを問わず、その問題又はエラーを引き起こしたと考えられるあらゆる他の問題を解決することがユーザに期待されている。
【0046】
直接マッピング又は最適経路横断があれば、放射線源進行経路は、融通性があり、エラー発生前に先に訪問した1つ又はそれよりも多くのテンプレートノードを飛び越すことによって安全かつできるだけ短い進行経路を見つけることによって全体的な治療時間を短縮するように再計算することができる。図9Aは、本発明の実施形態により直接マッピングから判断した最適化した横断経路上を進行中に2つのノード間でエラーに遭遇する放射線源の2Dマップを示している。図9Bは、本発明の実施形態により2つの空間ノード間でエラーに遭遇した時にリセット後に直接マッピングにより判断された新しい最適化した安全な経路の2Dマップを示している。
【0047】
図9Aは、直接マッピング又は最適経路横断が実行された後の実施形態を示しており、放射線源は、最短しかも安全な経路960を進行して、識別された部分テンプレートノードでのみ放射線治療を投与する。例示上、放射線源は、図8Aの840と比較して遥かに短い経路960に沿って進行するが、放射線源は、ノード411(又は311)で放射線治療を投与した後もエラーに遭遇する。放射線源は、定位置300にリセットされることによって応答する。一実施形態では、新しい安全な経路970は、直接マッピングから収集された情報、すなわち、放射線源が訪問した全てのテンプレートノード(例えば301〜311)に関する情報、放射線が治療を投与した最終ノード(例えば311)、エラーが発生する前の次の未訪問ノード(例えば312)、及び放射線源が放射線治療を投与すべきである次の部分テンプレートノード(例えば312)に関する情報に基づいて識別される。上述の情報に基づいて、システムは、放射線源が治療を投与すべきである定位置から次の未訪問の部分テンプレートノードまでの安全かつできるだけ短い最適横断経路を識別する。この最適横断経路は、エラーが前の進行経路上で発生する前に、前に訪問したノードのどれが放射線治療を投与すべきである次の未訪問の部分テンプレートノードに到達する前に飛び越すことができるかを判断することによって識別される。初期の安全な進行経路上にある先に訪問したテンプレートノードの少なくとも1つ又はそれよりも多くを飛び越すことができることが多い。別の実施形態では、新しい安全な経路は、エラー前の最後に訪問したテンプレートノード(例えば311)及びエラー前の次の未訪問ノード(例えば312)に関する情報から識別することができる。
【0048】
図9Bは、直接マッピング又は最適経路横断が実行された後の実施形態を示しており、放射線源は、再計算した経路、すなわち、放射線治療がエラー発生前に治療計画に従って予定されている次の未訪問の部分テンプレートノードに到達するための定位置からの最短しかも安全な経路970を進行する。一実施形態では、放射線源は、経路970に沿って、直接定位置300から、治療計画に従って放射線治療が実施すべき次の未訪問テンプレートノード312(又は412)まで移動することができる。この実施形態では、放射線源は、直接に定位置から放射線治療に向けて選択した次の未訪問の部分テンプレートまで移動することができるが、他の実施形態では、エラー前の1つ又はそれよりも多くの前に訪問したテンプレートノードは、最も短い安全な経路(図示せず)を確立する際に最初に訪問することができる。実施形態では、エラー後、定位置300から放射線治療に向けて選択した次の未訪問の部分テンプレートノードまでの経路のみが、放射線源をリセットした後に、移動時間を最小にするように計算し直される。元の経路は、直接マッピングに基づく情報を用いて計画済みであったので、元の経路は、最短しかも最も安全なものとなっている。従って、エラー前の放射線治療のための次の未訪問の部分テンプレートノードから定位置300に戻る前に治療計画を完了するための次の未訪問の部分テンプレートノードから最終ノードまでの進行経路は、変わらないままである。換言すれば、エラーに遭遇すると、定位置300から放射線治療に向けて選択した次の未訪問の部分テンプレートノードまでの経路の一部のみが定め直されるか又は計算し直されるが、治療計画を完了するためのその点以降からの進行経路の残りは、変わらないままである。
【0049】
図10は、本発明の実施形態により全てのテンプレートノードを含む安全な又は衝突のない進行計画に従うことなく、選択した部分テンプレートノードで放射線治療を投与するために放射線源の最適化した安全な進行経路を判断する方法を示す流れ図である。治療計画において全てのテンプレートノードによって定められた全てのテンプレートノード及び安全な又は衝突のない経路は、最適化した安全な進行経路を判断する前に、段階1010で識別すべきである。この段階は、本明細書で上述のように上位集合のノードからのテンプレートノードを選択することと同じである。全てのテンプレートノードを含むテンプレートノード及び安全な又は衝突のない経路を判断した後、段階1015及び1020を段階1025と平行して実行する。段階1015で、システムは、定位置又はテンプレートノードのいずれかによって定められたその空間位置とテンプレートノードの各々の間に障害物があるか否かを判断することによって、各空間位置に対して直接マッピングを実行する。この段階は、図5A〜図5Dで先に示すように情報の生成と同じである。段階1020で、システムは、治療計画立案の前又は最中に及び/又は治療計画実行の前又は最中に、実行のための簡単なアクセスを可能にするデータベース又は表に直接マッピングによって生成される情報を編集する。段階1015及び1020を実行中に、放射線治療を投与する代替治療計画においてテンプレートノードの部分集合を選択する。最初に定められたものよりも少ない数のテンプレートノードで放射線治療を投与することによって、元の治療計画と等しく有効であるこの代替治療計画を定める。段階1020及び1025を完了した後、段階1030は、直接マッピングから生成された結果を使用して安全な又は衝突のない進行経路を維持しながら飛び越すことができる未使用テンプレートノードを識別することである。飛び越すことができる未使用ノードの数が識別された状態で、段階1035は、放射線源が放射線治療を投与するが未使用テンプレートノードを飛び越す、選択したテンプレートノードを含む代替の安全な又は衝突のない進行経路を識別することである。理想的には、放射線治療を投与する全ての選択した部分テンプレートノードを放射線源が訪問することを可能にする最短しかも安全な進行経路が判断される。最終段階1040は、代替の安全な進行経路に沿って放射線源を移動させ、かつ代替治療計画に従って選択したテンプレートノードで放射線治療を投与することである。目的は、治療の完了がより短い時間でありながら元の治療計画に同等であるレベルの治療的有効性を達成することである。
【0050】
図11は、本発明の実施形態により次の未訪問の選択したテンプレートノードに進行して、エラー発生前に先に訪問した全てのテンプレートノードに再び訪問する必要がなく、エラーに遭遇した後に放射線源が放射線治療を投与する代替の安全な又は衝突のない経路を判断する方法を示す流れ図である。段階1110は、安全な又は衝突のない進行経路上で2つのテンプレートノード間でエラーに遭遇する放射線源から始まる。安全な又は衝突のない進行経路は、全てのテンプレートノードによって定められる安全な又は衝突のない進行経路より短いことが多いが、一部の場合には、より短くしかも安全な経路が識別されなかった場合、安全な又は衝突のない進行経路を全てのテンプレートノードによって定めることができる。エラーに遭遇した後に、段階1115では、新しい進行計画を識別することができるように定位置に放射線源をリセットする。段階1120では、エラー発生の前に訪問した全てのテンプレートノード、及び放射線治療を投与すべきであるエラー前に未訪問である全ての部分的な選択したテンプレートノードを識別する。訪問したテンプレートノード及び未訪問テンプレートノードの両方が識別された状態で、システムは、直接マッピングから生成される情報に戻り、段階1125で、放射線治療を投与すべきである次の未訪問テンプレートノードに到達する前に飛び越すことができるエラー前に訪問したテンプレートノードを識別することができる。段階1130で、飛び越すことができる1つ又はそれよりも多くの先に訪問したテンプレートノードが識別された状態で、システムは、エラーが発生する前の1つ又はそれよりも多くの訪問したテンプレートノードを飛び越すことによって、治療を投与すべきである次の未訪問部分テンプレートノードまでの最も短い安全な又は衝突のない経路を識別する。最終段階1135で、システムは、最も短い安全な又は衝突のない経路に沿って次の未訪問テンプレートノードに放射線源を移動させて、治療計画を完了するために未訪問の部分テンプレートノードの残りに放射線治療を投与する。尚、定位置からエラー発生前の次の未訪問の部分テンプレートノードまでの経路のみが修正されるが、その理由は、目標が、最短しかも安全な又は衝突のない経路で放射線治療を投与する次の未訪問部分テンプレートノードに到達することであるからである。次の未訪問の部分テンプレートノードから最後の未訪問の部分テンプレートノードまでの進行計画は、変更されないのでエラー発生前と同じままである。
【0051】
直接マッピング処理及び最適経路横断の判断は、2005年9月28日出願の「放射線治療投与システムのための作業空間最適化」という名称の現在特許出願中の米国特許出願番号2007/0071168に説明されているように最適化した治療計画の判断と共に使用することができることを認めるべきである。例えば、一実施形態では、ユーザ(例えば、医学物理学者、内科医、その他)は、治療計画立案ソフトウエアを利用し、最小/最大線量処方制約を満たすために、システムが利用可能な全てのテンプレートノードを使用して治療計画を生成する。従って、全てのテンプレートノードを使用する治療計画は、放射線治療投与システムにより達成可能な最高品質の治療計画を表すことができる。ユーザは、テンプレートノードのより少数又は部分集合を使用してターゲットを治療する全てのテンプレートノードで放射線治療を投与する第1の治療計画と等しく有効な異なる治療計画も識別する。より少数のノードを使用して実施することができる等しく有効な治療計画は、治療投与中にシステムが横断すべきであるノードの少数化のために治療投与時間の節約になる。一般的に、データベースを検索して、使用する全てのテンプレートノードに対する可能な代替とすることができるテンプレートノード部分集合が存在するか否かを判断する。データベースは、骨格特徴(例えば脊髄病変、前立腺病変、胸部病変、肺病変のような)にインデックスを付けたテンプレートノード部分集合を格納することができる。データベースは、撮像中心部総数、寝台位置総数、SAD総数のような他の治療計画パラメータを最適化することができるか否かに基づいて検索することができる。データベースの事前検索/分析によりテンプレートノード部分集合の1つ又はそれよりも多くが完全なテンプレートノードの集合に対する可能な代替とすることができることが示唆された場合、テンプレートノード部分集合を用いて開発した治療計画が十分な品質であるかを確かめるために評価する。テンプレートノード部分集合による治療計画を使用するか、又は完全なテンプレートノードによる治療計画を使用するかの選択は、定められた規則に従って医学物理学者、又は放射線腫脹遺伝子学者、放射線治療投与システムのオペレータ、又はソフトウエアによってさえも行うことができる。テンプレートノード部分集合による治療計画を使用するか、又は完全なテンプレートノードによる治療計画を使用するかの選択には、計画した時間節約と品質偏差を釣り合わせることを必要とすると考えられる。治療時間節約が相当なものであり、品質偏差が小さい場合、テンプレートノード部分集合による治療計画を治療投与に選択することができる。本明細書で説明する方法及び装置を使用して、テンプレートノード部分集合による治療計画を実施する際に進行するノードの数を更に低減することにより、治療投与時間を更に短縮することができる。
【0052】
放射線源の最適化した横断経路を判断する方法及び装置は、放射線治療システムの一部として患者治療システム又は機能と組み合わせることができる。図12は、診断画像を生成し、治療計画を生成し、治療計画を患者に実施する本発明の特徴を実行することができる患者治療システム1200を示すブロック図である。以下で説明し、かつ図12に示すように、システム1200は、診断撮像システム1220、治療計画立案システム12400、及び放射線治療投与システム1260を含むことができる。図12は、単に患者治療システムの例を示すだけであり、他の代替的な実施形態が可能であることに注意すべきである。
【0053】
診断撮像システム1220は、その後の内科的診断、治療計画立案、及び/又は治療投与に使用することができる患者の関心体積(VOI)の医学診断画像を生成することができるあらゆるシステムとすることができる。例えば、診断撮像システム1220は、コンピュータ断層撮影(CT)システム、磁気共鳴画像(MRI)システム、陽電子射出断層撮影(PET)システム、又は超音波システムなどとすることができる。説明しやすいように、診断撮像システム1000は、CTX線撮像理学療法に関して随時以下で説明する場合がある。しかし、上述したもののような他の撮像理学療法を用いることができる。
【0054】
診断撮像システム1220は、撮像ビーム(例えば、X線、超音波、無線周波のような)を発生させる撮像源1222、及び撮像源1222によって生成されたビーム、又は撮像源からのビームにより励起される2次ビーム又は発光を検出及び受け取る画像検出器1226を含む(例えば、MRI又はPET走査で)。一実施形態では、診断撮像システム1000は、1つよりも多い診断X線源及び1つよりも多い対応する画像検出器を含むことができる。例えば、2つのX線源は、撮像すべき患者の回りに配置して、互いからの分離角(例えば、90度、45度のような)で固定し、X線源に正反対とすることができる画像検出器に向けて患者を通過するように狙いを定めることができる。各X線撮像源によって照射される単一の大型画像検出器(又は複数の画像検出器)を使用することができる。代替的に、撮像源及び画像検出器の他の数及び構成を使用することができる。
【0055】
撮像源1222及び画像検出器1226は、撮像作動及び処理画像データを制御するデジタル処理システム1224に結合されている。診断撮像システム1220は、デジタル処理システム1224、撮像源1222と画像検出器1226の間でデータ及び指令を移送するバス又は他の手段1228を含む。デジタル処理システム1224は、1つ又はそれよりも多くの汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、デジタル信号プロセッサ(DSP)のような専用プロセッサ、又はコントローラ又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような他の形式のデバイスを含むことができる。デジタル処理システム1224は、メモリ、記憶デバイス、ネットワークアダプタのような他の構成要素(図示せず)を含むことができる。デジタル処理システム1224は、例えば、DICOM(医学用デジタル撮像及び通信)フォーマットのような標準的フォーマットでデジタル診断画像を生成するように構成することができる。他の実施形態では、デジタル処理システム1224は、他の標準的又は非標準的デジタル画像フォーマットを生成することができる。デジタル処理システム1224は、データリンク1230で治療計画立案システム1240に診断画像ファイル(例えば上述のDICOMフォーマットのファイル)を送信することができ、データリンク1230は、例えば、直接接続リンク、ローカルエリアネットワーク(LAN)リンク、又は「インターネット」のような広域ネットワーク(WAN)リンクとすることができる。更に、システムの間に移送される情報は、遠隔診断又は治療計画立案構成におけるようなシステムを接続する通信媒体にわたってやり取りすることができる。遠隔診断又は治療計画立案においては、ユーザは、システムユーザと患者の間で物理的分離の存在にも関わらず、診断又は治療計画に本発明の実施形態を利用することができる。
【0056】
治療計画立案システム1200は、画像データを受信及び処理する処理デバイス1244を含む。デジタル処理システム1244は、1つ又はそれよりも多くの汎用プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)、DSPのような専用プロセッサ、又はコントローラ又はFPGAのような他の形式のデバイスを含むことができる。処理デバイス1244は、本明細書で説明する治療計画立案作業を行う命令を実行するように構成することができる。
【0057】
治療計画立案システム1240はまた、システムメモリ2020を含むことができ、これは、処理デバイス1244により実行すべき情報及び命令を格納するためにバス1245により処理デバイス1244に結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)、又は他の動的な記憶デバイスを含むことができる。処理デバイス1244による命令実行中に一時的変数又は他の中間情報を格納するシステムメモリ1242を使用することもできる。システムメモリ1242は、バス1245に結合され、処理デバイス1244に向けて静的情報及び命令を格納する読み出し専用メモリ(ROM)及び/又は他の静的記憶デバイスを含むことができる。
【0058】
治療計画立案システム1240はまた、情報及び命令を格納するためにバス1245に結合された1つ又はそれよりも多くの記憶デバイス(例えば磁気ディスクドライブ又は光ディスクドライブ)を代表する記憶デバイス1246を含むことができる。記憶デバイス1246は、本明細書で説明する治療計画立案の段階を実行する命令を格納するのに使用することができる。
【0059】
処理デバイス1244はまた、ユーザに情報(例えばVOIの2D又は3D表現)を表示するブラウン管(CRT)又は液晶ディスプレイ(LCD)のような表示デバイス1248に結合することができる。キーボードのような入力デバイス1249は、情報及び/又は指令選択を処理デバイス1244に伝達するために処理デバイス1244に結合することができる。1つ又はそれよりも多くの他のユーザ入力デバイス(例えばマウス、トラックボール、又はカーソル指示キー)を使用して、指示情報を伝達し、処理デバイス1244に向けて指令を選択し、かつディスプレイ1248上のカーソル移動を制御することができる。
【0060】
治療計画立案システム1240は、治療計画立案システムの一例のみを表しており、治療計画立案システムは、多くの異なる構成及びアーキテクチャを有することができ、治療計画立案システム1240よりも多い構成要素又は少ない構成要素を含むことができ、かつ本発明と共に使用することができることは認められるであろう。例えば、一部のシステムは、周辺バス、専用キャッシュバスのような複数のバスを有することが多い。治療計画立案システム1240はまた、DICOMインポート(従って、画像を融合し、ターゲットを異なるシステム上に描き、次に、計画立案及び線量計算に向けて計画立案システムにインポートすることができる)、拡張画像融合機能(ユーザに治療計画と、様々な撮像理学療法(例えば、MRI、CT、PETのような)のいずれか1つに関する線量配分を見ることとを可能にする)をサポートするMIRIT(医用画像レビュー及びインポートツール)を含むことができる。治療計画立案システムは、当業技術で公知であり、従って、より詳細には論じない。
【0061】
治療計画立案システム1240は、治療投与前に治療計画立案システムからエクスポートすることが必要ではないように、データベース(例えば、記憶デバイス1246に格納されたデータ)を放射線治療投与システム1260のような治療投与システムと共有することができる。治療計画立案システム1240は、データリンク1250を通して放射線治療投与システム1260にリンクすることができ、データリンク1250は、データリンク1250に関して上述したような直接接続リンク、LANリンク、又はWANリンクとすることができる。データリンク1250及び1230がLAN又はWAN接続として実行される時、診断撮像システム1320、治療計画立案システム1240、及び/又は放射線治療投与システム1260のいずれも、システムが互いから物理的に遠く離れていることができるように分散した位置にあることができることに注意すべきである。代替的に、診断撮像システム1220、治療計画立案システム1240、及び/又は放射線治療投与システム1260のいずれも、1つ又はそれよりも多くのシステムにおいて互いと一体化することができる。
【0062】
放射線治療投与システム1260は、治療計画に従ってターゲット体積へ所定の放射線量を投与するための治療的及び/又は外科的放射線源1362を含む。放射線治療投与システム1260は、放射線源に対して患者を位置決めするために、上述の診断画像との位置合わせ又は相関関係のために患者領域(ターゲット体積を含む)の治療間画像を捕捉する撮像システム1264(撮像源1322及び検出器1326を含む)を含むことができる。放射線治療投与システム1260は、治療的放射線源1262、撮像システム1264、及び治療寝台1268のような患者支持デバイスを制御するデジタル処理システム1266を含むことができる。デジタル処理システム1266は、1つ又はそれよりも多くの汎用プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)、DSPのような専用プロセッサ、又はコントローラ又はFPGAのような他の形式のデバイスを含むことができる。デジタル処理システム1266は、メモリ、記憶デバイス、ネットワークアダプタのような他の構成要素(図示せず)を含むことができる。デジタル処理システム1266は、バス1265又は他の形式の制御及び通信インタフェースにより治療的放射線源1262、撮像システム1264、及び治療寝台1268に結合することができる。
【0063】
本明細書で説明する方法及び装置は、医用診断撮像及び治療での使用に限定されるものではないことに注意すべきである。代替的な実施形態では、本明細書の方法及び装置は、材料(例えば、自動車業界のモーターブロック、航空業界の機体、建設業界の溶接、及び石油業界のボーリングコア)の工業用撮像及び非破壊試験、及び地震探査のような医療技術分野以外の用途において使用することができる。このような用途においては、例えば、「治療」は、一般的に放射線ビームの印加を指すことができる。
【0064】
本発明の図示の実施形態の以上の説明は、「要約」に説明するものも含め、網羅的であるか又は本発明を開示する正確な形に限定するように意図したものではない。本発明の特定の実施形態及び本発明に対する実施例は、例示を目的として本明細書で説明しているが、当業者が認識するように、様々な修正が本発明の範囲で可能である。
【0065】
これらの修正は、上述の詳細説明に照らして本発明に行うことができる。以下の特許請求の範囲に用いる用語は、本明細書に開示する特定的な実施形態に本発明を限定するように解釈すべきではない。むしろ、本発明の範囲は、請求項解釈の確立された教義に従って解釈されることになる以下の特許請求の範囲によって完全に判断されるものとする。
【符号の説明】
【0066】
100 放射線治療投与システム
110 治療寝台
115 検出器、撮像器
120 撮像源
125 ロボットアーム
【技術分野】
【0001】
本明細書は、一般的に放射線治療の分野に関し、特に、ただし排他的にではなく、放射線投与システムのための経路横断最適化の判断に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線治療は、放射線をターゲット領域又は関心体積(VOI)に印加する手順と称され、低線量治療(例えば放射線治療)及び高線量治療(例えば放射線外科)を含む網羅的用語である。放射線治療では、高度な精度、及び従ってこのような要件を満たすことができる構成要素を有するシステムを必要とする場合がある。このようなシステムの一例は、カリフォルニア州サニーヴェール所在の「Accuray Incorporated」により製造されたCyberKnife(登録商標)システムである。Cyberknife(登録商標)システムは、画像誘導式ロボットベース放射線治療システムである。このシステムは、放射線源が移動して作業空間とも呼ばれるある一定体積の空間内で作動することを可能にする複数の自由度を有するロボットアームに連結された放射線源を有する。複数の自由度により、ロボットは、作動範囲で恐らく無限数の位置的可能性を達成することができる。この形式の移動を可能にすることによって、柔軟性が得られるが、他の課題が発生する場合がある。第1に、治療のためのビームを選択することを困難にすることによって治療計画システムに関する課題が発生する。第2に、この形式の移動を可能にすれば、ロボットは、作業空間の中でどこでも進むことができるが、ロボットは、回避すべき障害も認識する必要がある。これらの課題は、ロボットが治療投与中に辿らなければならない特定の経路を作り出すことによって解決される。
【0003】
特定の経路は、一部の特定の作業空間区域、例えば、頭部及び胴体を定めることによって作り出すことができる。作業空間は、一般的に、ターゲットの位置に従って設計することができる幾何学的な形状の重心に中心がある幾何学的な形状である。例えば、作業空間は、球又は楕円の形状を取ることができる。作業空間は、線源−軸距離(SAD)、つまり放射線源のコリメータとターゲットの間の距離により一般的に定められる。例えば、医療用途においては、解剖学的頭部領域の作業空間は、ほぼ650mm及びほぼ800mmのSADで2つの球によって定めることができる。別の例においては、首の作業空間は、約650mmから約750mmの範囲であるSADによって定めることができる。この作業空間は、首領域においてターゲットを中心としてほぼ約650mmから約750mmの範囲である半径で複数の同心の球によって定める体積に限定される。体の他の部分において腫瘍を治療する時、Cyberknife(登録商標)システムは、ほぼ900からほぼ1000mmのSAD値を使用する。この手法は、作業空間を圧縮するものであるが、依然としてロボットがこれらの体積の表面上で停止することができる無限の位置の数がある。従って、これに対処するために、ロボットが立ち止まって治療を投与することができる球の表面に沿って任意の位置を作り出す。具体的には、作業空間は、最小同心球(650mm)の表面積と最大同心球(750mm)の表面積間の空間体積における空間ノードと呼ばれる有限位置の数を特徴とするものである。作業空間のこれらの略均一に分配された空間ノードは、ひとまとめにしてノードの上位集合として公知である。しかし、ノードのこの上位集合の部分数のみが、サイト(例えば病院)に設けられている特定のCyberknife(登録商標)システムによる放射線治療に使用される。Cyberknife(登録商標)システムが設けられる各サイト(例えば病院)は、治療室の幾何学形状によって定められる固有の部分数のノードを有することができる。Cyberknife(登録商標)システムの典型的な施設は、例えば、このようなノードのうちほぼ100個〜ほぼ130個を有することができる。
【0004】
特定の設置サイトに対するノードの上位集合内の部分数のノードは、ロボットアームが取り付けられる放射線源の安全つまり衝突のない進行経路をもたらす。この衝突なし進行経路は、ノードのシーケンスを通じて横断する時に、放射線源がいかなる障害物にも遭遇しないように順番にノードの上位集合内の部分数のノードを配置することによって得られる。ノードの上位集合の中のこの部分数のノードは、テンプレートノードとして公知である。この安全かつ衝突のない進行経路は、障害物のないテンプレートノードの間の直通経路で構成されている。安全かつ衝突のない進行経路は、Cyberknife(登録商標)システム治療室での計算集約的オフラインシミュレーション及び現実の試験で判断される。この安全かつ衝突のない進行経路は、テンプレートノードの所定の順序又はシーケンスから形成され、かつ治療施設サイト又は特定の治療構成に固有のものである。
【0005】
現実のシステムによるコンピュータを利用したオフラインシミュレーション処理及び試験による安全かつ衝突のない進行経路の決定は、安全な又は衝突のない経路がノードの所定の上位集合内にある可能性が大きく、かつ経路選択処理の任意的な性質のために時間を消費するものである。アルゴリズムは、空間ノード間で物体又は障害物に遭遇するまで、定位置から第1の空間ノード、次に第2の空間ノード、その後第3及び第4の空間ノードなどに移動する放射線源を模擬する。障害物に遭遇すると、アルゴリズムは、その目標空間ノードを除去して次のマップされていない空間ノードにその除去したノードの連番を適用することによってその経路を排除する。シミュレーションは、反復されて空間ノードをマップし続け、冗長である障害物又は空間ノードとの衝突に至る空間ノードを排除しながら放射線源を定位置に連れ戻す障害物のない進行経路を生成する。最終的に、安全な又は衝突のない経路は、空間ノードの集合により確立かつ決定される。この集合の空間ノードは、テンプレートノードであり、各テンプレートノードは、順番に付番されており、放射線源がシーケンス順にテンプレートノードを辿った場合、障害物に遭遇しない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Coste−Maniere他著「ロボット全身定位固定放射線外科:CyberKnife(登録商標)統合システムの臨床的利点」、医学ロボット工学及びコンピュータ支援外科学国際学術誌、2005年、1(2)、28〜29ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
各テンプレートノードは、放射線源がシーケンス順による経路に沿って進むように順番に数字が割り当てられている。治療計画は、テンプレートノードに基づいてシステムが利用可能であるビーム位置及びビーム方位のような入力パラメータから生成される。治療計画は、印加する放射線ビームの方向及び強度、及びビーム露出の持続時間のような量を指定するものである。治療計画では、一般的に全ての利用可能なテンプレートノードでの放射線ビームの投与が必要というわけではない。しかし、経路横断の既存の構成により、たとえ放射線源がテンプレートノードの部分集合でのみ放射線を投与する必要があったとしても、放射線送出源は、ロボットアームが取り付けられた放射線源が患者又は別の物体と衝突しないことを保証するために、安全な又は衝突のない進行計画の順番によって定められる順序で全てのテンプレートノードを訪問する必要がある。既知である安全な又は衝突のない経路に沿ったテンプレートノードの集合全体を通して循環する必要があるので、治療を投与するのに必要な時間量が増大する。
【0008】
同様の参照番号が特に断らない限り様々な図を通して同様の部分を指す以下の図を参照して、本発明の非限定的で非網羅的な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態による放射線源を位置決めする複数の空間ノードを含む放射線治療投与システムの作業空間を示す斜視図である。
【図2A】本発明の実施形態による空間ノードの上位集合からの部分ノード集合(テンプレートノード)を含む放射線治療投与システムの作業空間を示す側面図である。
【図2B】本発明の実施形態による空間ノードの上位集合からの部分ノード集合(テンプレートノード)を含む放射線治療投与システムの作業空間を示す端面図である。
【図3A】本発明の実施形態による空間ノードの上位集合からの部分ノード集合(テンプレートノード)を含む2次元マップにマップされた3次元作業空間を示す図である。
【図3B】本発明の実施形態により放射線治療を投与する放射線源のためのテンプレートノード回りの安全な又は衝突のない進行経路の概略を付した2次元マップである。
【図4A】本発明の実施形態により全てのテンプレート空間ノードで放射線治療を投与する放射線送出源のための安全な又は衝突のない経路の概略を付した2次元マップである。
【図4B】本発明の実施形態によりテンプレート空間ノードの部分集合で放射線治療を投与する放射線送出源のための安全な又は衝突のない経路の概略を付した2次元マップである。
【図5A】本発明の実施形態により最適経路横断に関してルックアップテーブルを判断する際の様々な例示的空間ノードのうちの1つの直通経路マッピングを示す2次元マップである。
【図5B】本発明の実施形態により最適経路横断に関してルックアップテーブルを判断する際の様々な例示的空間ノードのうちの1つの直通経路マッピングを示す2次元マップである。
【図5C】本発明の実施形態により最適経路横断に関してルックアップテーブルを判断する際の様々な例示的空間ノードのうちの1つの直通経路マッピングを示す2次元マップである。
【図5D】本発明の実施形態により最適経路横断に関してルックアップテーブルを判断する際の様々な例示的空間ノードのうちの1つの直通経路マッピングを示す2次元マップである。
【図6】本発明の実施形態による空間ノードのテンプレート内の空間ノード間にマップされた直通経路の結果を収容するルックアップテーブルの図である。
【図7】本発明の実施形態によりテンプレート空間ノードの部分集合で治療を投与する放射線送出源のための最適化した経路横断の概略を付した2次元マップである。
【図8A】本発明の実施形態によるノードのテンプレートによって形成された安全な又は衝突のない経路上を進行中に2つの空間ノード間のエラーに遭遇する放射線送出源の2次元マップの図である。
【図8B】本発明の実施形態によるエラー発生に遭遇した後の放射線送出源の修正新進行経路の2次元マップの図である。
【図9A】本発明の実施形態によるテンプレートノードの部分集合によって形成された最適化した安全な又は衝突のない経路上を進行中に2つの空間ノード間のエラーに遭遇する放射線送出源の2次元マップの図である。
【図9B】本発明の実施形態によるエラー発生に遭遇した後の放射線送出源のための新しい最適化した安全な又は衝突のない経路の2次元マップの図である。
【図10】本発明の実施形態により放射線送出源のための最適化した安全な又は衝突のない進行経路を判断し、テンプレート空間ノードの部分集合のための最適化した経路横断を判断かつ実施する方法を示す流れ図である。
【図11】本発明の実施形態により2つの空間ノード間を進行中に放射線送出源がエラーに遭遇した後に、修正した安全な又は衝突のない進行経路を判断する方法を示す流れ図である。
【図12】本発明の実施形態により診断画像を生成し、治療計画を生成し、かつ治療計画を実施するための患者治療システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例えば、治療時間を短縮するために放射線治療投与システムの作業空間を最適化するシステム及び方法の実施形態を本明細書で説明する。以下の説明では、本発明を完全に理解することができるように多くの特定の詳細に対して説明する。しかし、当業者は、特定の詳細の1つ又はそれよりも多くなしで、又は他の方法、構成要素、材料などで本明細書で説明する技術を実施することができることを認識するであろう。他の例においては、公知の構造、材料、又は作動は、ある一定の態様を不明瞭にすることを回避するために詳細には図示又は説明しない。
【0011】
本明細書を通した「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書を通した様々な箇所での「一実施形態では」又は「実施形態では」という語句の登場は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているというわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又はそれよりも多くの実施形態においてあらゆる適切な方法で組み合わせることができる。
【0012】
一実施形態では、「ターゲット」という語は、本明細書では、病理学的又は典型的な骨格のような患者の解剖学的特徴を指すために使用しており、放射線源が放射線投与をターゲットにすることができる1つ又はそれよりも多くの非解剖学的基準構造を含むことができる。病理解剖のような(腫瘍、病変、動静脈奇形のような)特定形式のターゲットを説明目的をもたらすために以下で言及することができるが、本明細書で説明する方法及び装置は、他の形式のターゲットに適用することができる。例えば、「ターゲット」という語は、非生物学的/人間以外の生命のない物体又は構造を定めるために使用することができる。
【0013】
「安全な」という用語は、経路又は計画に従った放射線源の進行を説明するものと本明細書で定める。「安全な」は、具体的には、障害物がないことも意味する「衝突なし」を指す。例えば、放射線源に対して進行経路又は進行計画を説明するのに使用する時、「安全な」は、進行経路又は進行計画に障害物がないので、放射線源は、進行経路に沿って又は進行計画に従って衝突なしに進行することを意味している。別の例においては、2つのノード間の進行を説明するのに使用する時、「安全な」は、2つのノード間の放射線源の直通進行経路が衝突のないものであり、従って、ノードは、安全なノード又は衝突のないノードであることを意味する。
【0014】
「放射線源」という語は、ターゲットに放射線を投与するのに使用する線形加速器と定める。一実施形態では、「放射線源」は、X線帯域小型線形加速器である。「放射線源」は、ターゲットに放射線を供給するのに使用することができるソースであると解釈することができる。この「放射線源」は、一般的に、線形加速器が、放射線治療をターゲットに投与することができる空間内の異なる位置に進行することができるようにロボットアームに取り付けられる。
【0015】
本明細書で説明する放射線源の最適化した横断経路を判断する方法及び装置は、ハードウエア、ソフトウエア、ファームウエア、又はその組合せを使用して実行することができる。本明細書で説明するソフトウエアモジュールは、ソフトウエアが作動する様々なプログラム言語で書くことができ、ワシントン所在のマイクロソフト・コーポレーションのWindows(登録商標)OS又はカリフォルニア所在のアップルコンピュータの「Mac OS」とすることができる。代替的に、OSは、UNIX、Linux、又は他のオペレーティングシステム(例えば、内蔵型又はリアルタイムオペレーティングシステム)などとすることができる。ソフトウエア及びOSは、あらゆる形式のプラットフォーム上で、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)プラットフォーム、ワークステーションなどで実行することができる。
【0016】
ソフトウエアモジュール又はコンピュータプログラム製品は、処理を実行するようにコンピュータシステム(又は、他の電子デバイス)をプログラムするのに使用することができる命令を格納した機械可読媒体を含むことができる。機械可読媒体は、機械(例えばコンピュータ)により可読形式(例えばソフトウエア、処理アプリケーション)で情報を格納又は送信するあらゆる機構を含む。機械可読媒体には、磁気記憶媒体(例えばフロッピーディスケット)、光記憶媒体(例えばCD−ROM)、光磁気記憶媒体、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブルメモリ(例えば、EPROM及びEEPROM)、フラッシュメモリ、電気的、光学的、音響的、又は他の形式の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号のような)、又は電子命令の格納に適する他の形式の媒体を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
特に断らない限り、以下で説明する内容から明らかなように、「識別する」、「選択する」、「判断する」、又は「生成する」などのような用語は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理的(例えば電子)な量として表されたデータを操作し、コンピュータシステムメモリ又はレジスタ又は他のこのような情報記憶、送信又は表示デバイス内の物理的データとして同様に表される他のデータにデータを変換するコンピュータシステム又は同様の電子計算デバイスの作用及び処理を指すことができることは認められるであろう。本明細書で説明する方法の実施形態は、コンピュータソフトウエアを使用して実行することができる。公認された規格に準拠したプログラミング言語で書かれた場合、方法を実行するように設計された命令のシーケンスは、様々なハードウエアプラットフォーム上での実行に向けて、及び様々なオペレーティングシステムとのインタフェースに向けてコンパイルすることができる。更に、本発明の実施形態は、いかなる特定のプログラム言語をも参照して説明するものではない。様々なプログラム言語を本発明の実施形態を実行するのに使用することができることが認められるであろう。
【0018】
図1は、本発明の実施形態により放射線源を位置決めする作業空間内の空間ノードの上位集合を含む放射線治療投与システムの作業空間を示す斜視図である。放射線治療投与システム100の図示の実施形態は、放射線源を含み、かつ治療寝台110、検出器115A及び115B(ひとまとめにして115、撮像器とも呼ばれる)、撮像源120A及び120B(ひとまとめにして120)、及びロボットアーム125を含むことができるがこれらに限定されない。
【0019】
放射線治療投与システム100は、放射線治療(例えば放射線外科及び/又は放射線治療)を行って患者内の病変(例えば腫瘍状組織)を治療又は破壊するのに使用することができる。このような放射線投与システムは、医学ロボット工学及びコンピュータ支援外科学国際学術誌、2005年、1(2)、28〜29ページで公開されたCoste−Maniere他著「ロボット全身定位固定放射線外科:CyberKnife(登録商標)統合システムの臨床的利点」に説明されている。放射線治療中に、放射線投与システムの一実施形態では、患者は、治療寝台110上に居り、治療寝台110を操作して予め設定した位置に又は放射線源105(例えば、視野)がアクセス可能な作動範囲にターゲットを含む関心体積(VOI)を位置決めする。一実施形態では、放射線治療投与システム100は、画像誘導放射線治療投与システムである。撮像源120及び検出器115を併せて、治療寝台110及び患者の位置、及び患者内のVOIに対する放射線源105のアラインメントの視覚的制御を行う撮像案内システムとして働く。撮像治療中心は、撮像ソースから画像検出器に出射される撮像放射線の交差部によって定められる。代替的な実施形態では、画像検出器115は、図示のものと異なる形で存在することができる。例えば、検出器115は、2つの構造体115A及び115Bで構成することができない場合があるが、その代わりに、ロボットアームの移動を妨害する場合がある物体の数を低減するために地面又は床(図示せず)に組み込まれる。別の実施形態では、治療寝台110は、放射線源105に対する患者内でVOIの変位及び方位の両方を正確に制御するために撮像案内システムからのフィードバックを受け取るロボットアームのような位置決めシステム(図示せず)に結合することができる。
【0020】
一実施形態では、ロボットアーム125のような治療寝台又は放射線源に連結した位置決めシステムは、5つ又はそれよりも多くの自由度(DOF)を有することができる。例えば、このロボットアームは、相互に直交するx水平座標軸及びy水平座標軸に沿った並進運動のための2つの回転軸、及びそれぞれx軸、y軸、z軸回りの横揺れ、縦揺れ、及び偏揺れのための3つの回転軸を含む5つのDOFを有することができる。1つの(第6のDOF)実質的に垂直の線形DOFは、水平のx座標軸及びy座標軸に垂直なz座標軸内の実質的に垂直な線に沿った並進のための略線形の軸を含む。別の実施形態では、治療寝台に結合したロボットアーム125又は放射線源は、異なる6つのDOFを有することができる。6つのDOFには、相互に直交するx座標軸、y座標軸、及びz座標軸に沿った並進運動のための3つの回転軸、及びそれぞれx軸、y軸、z軸回りの横揺れ、縦揺れ、及び偏揺れのための3つの回転軸を含む。1つの実質的に垂直の線形DOFは、水平のx座標軸及びy座標軸に垂直なz座標軸内の実質的に垂直な線に沿った並進のための略線形の軸を含む。
【0021】
一実施形態では、放射線源105に結合するロボットアーム125は、作動範囲で殆ど無限数の可能性で放射線源105を位置決めすることができる5つ又はそれよりも多くの自由度(DOF)を有する。ロボットアーム125は、肩アセンブリ121、肘アセンブリ122、及び手首アセンブリ123を有する。一実施形態では、肩アセンブリ121は、2つの回転DOFを有し、肘アセンブリ122は、1つの回転DOFを有し、手首アセンブリ123は、3つの回転DOFを有する。この実施形態では、6つの回転自由度により、放射線源移動のための十分以上の作業空間が生成される。回転又は並進、又は両方の形式の運動の組合せを含むがこれらの限定されない5つ又はそれよりも多くのDOFを有する他の実施形態も可能である。
【0022】
図1は、作業空間の一実施形態を示している。作業空間は、異なる幾何学形状とすることができる。1つの例示的な実施形態では、作業空間は、半径が形状の重心からの線源−軸距離(SAD)によって定められる球面幾何学形状130を有する。SADは、放射線源内のコリメータとターゲットの間の距離である。単独の球面幾何学形状130は、一連の同心球のうちの1つを表し、各同心球は、球の重心に中心がある異なるSADにより指定される異なる半径を有する。一実施形態では、重心に中心がある1つ又は一連の同心球により、放射線源が作動するのに利用可能である作業空間がひとまとめに定められる。別の実施形態では、作業空間は、楕円の重心に中心がある1つ又は一連の楕円とすることができる。複数の作業空間を異なる患者作業域に向けて作成及び定めることができる。例えば、異なるSADでの患者の異なる骨格に対して異なる作業空間を定めることができる。
【0023】
各々が「+」記号(2、3個のみを記載)によって表される図1の空間ノード135は、ひとまとめにして空間ノードの上位集合を形成する。空間ノードの上位集合は、作業空間に存在することができるあらゆる物体又は患者を妨害することなく放射線源が物理的に占有することができる作業空間内の空間位置を定める。空間ノード135は、放射線源105が停止して患者内のVOIに放射線の線量を投与させる位置を表している。空間ノード135は、作業空間130の表面にわたって略均一に分配される。治療計画を実施する一実施形態では、ロボットアーム125は、所定の経路を辿って1つ1つの空間ノード135に放射線源105を移動させる。治療計画では、上位集合ノードの数より多いか、上位集合ノードの数と同じか、又は上位集合ノードの数よりも少ない数の空間ノード135を訪問するように放射線源に要求することができることを認めるべきである。一実施形態では、治療計画は、上位集合のノード内で1回よりも多く1つ又はそれよりも多くのノードを訪問するように放射線源に要求することができる。別の実施形態では、治療計画は、ノードの上位集合の中のノードの部分集合を訪問するように放射線源に要求することができる。最後に、治療計画が異なれば、一般的に、ただし常にというわけではなく、治療計画のターゲットVOI、周囲の解剖学的構造、及び臨床意図の相違点のために、指定するノード数も異なる。
【0024】
上位集合のノードは、放射線治療投与システム100の設置又は初期化時に判断されるが、治療計画によって使用されるテンプレートノードは、一般的に、ただし常にというわけではなく、治療計画立案時に判断される。テンプレートノードは、ノードの上位集合の部分集合であり、順序付けされたシーケンスで定められる。放射線源が放射線治療を投与するために順序付けされたシーケンスでテンプレートノードを辿って空間内で進行する時、放射線源は、安全な又は衝突のない進行経路を辿るので、いかなる障害物にも遭遇しない。治療計画の一実施形態では、放射線源は、テンプレートノードの各々を1回訪問してテンプレートノードの各々で1回放射線治療を投与する。治療計画の異なる実施形態では、放射線源は、安全な又は衝突のない進行経路を保証するためにテンプレートノードの各々を1回訪問するが、放射線治療を投与するのは、選択した部分数のテンプレートノードで1回のみである。
【0025】
図2A及び図2Bは、本発明の実施形態によりテンプレートノード、又は空間ノード135の上位集合の部分集合を含む断面200A及び200Bの作業空間130を示すそれぞれ側面図及び端面図である。図2A及び図2Bは、SADが作業空間を定める際に測定される重心を表すターゲットつまり腫瘍170を有する治療寝台110にいる患者160を示している。説明するように、図1の空間ノード135は、放射線源が作業空間内で物理的に占有することができる空間位置をひとまとめにして表している。部分200A及び200Bは、ターゲット170から測定したSADを有する同心球のうちの1つの上の2本の異なる円弧回りに均一に分配される上述の空間ノード135の一部を示している。図示のような空間ノード135は、均一に分配されており、治療計画の一部として選択する破線付き「+」を有する選択テンプレートノード235を含む。従って、一実施形態では、テンプレートノード235は、安全な又は衝突のない進行経路を生成するために、また、放射線治療が治療計画に従って放射線源により実施される場合に使用する。
【0026】
テンプレートノードとノードの上位集合とは、より簡単な例示でより簡単に理解することができるように2次元(2D)構成で表すことができる。図3Aは、本発明の実施形態によりノードの上位集合及びテンプレートノードを含む2Dマップにマップした3次元(3D)作業空間を示している。図3Aのマップは、使用可能な3D作業空間の2D均等物の実施形態である。より簡単に理解することができるように、この実施形態における空間ノードの数を簡素化しており、一部の実施形態では、空間ノードの数が少なくなる。物体320は、3次元の作業空間を2Dに開く時に2次元に開く3Dの物体を表している。円380で表す空間ノード及び「X」390を付した円で表す空間ノードは、ひとまとめにして作業空間内の空間ノードの上位集合を表している。「X」(390)を付した円で表す空間ノードは、テンプレートノードとして選択しなかった空間ノードである。多くのこのような選択しなかったノードがあるが、1つだけを記載する。円380で表す空間ノードは、特定の治療計画に向けて選択したテンプレートノードである。これらのテンプレートノードの各々は、円380により等しく表されており、一方、選択しなかった空間ノードの各々は、図3Aでは「X」390を付した円で等しく表されている。定位置300は、放射線源が開始して終結する位置である。定位置300は、放射線治療計画に従って放射線治療を投与するために放射線源が動き回っていない時の放射線源の休止位置を表している。
【0027】
別の実施形態では、図3Aのテンプレートノード380は、放射線源の安全な又は衝突のない進行経路を形成するシーケンスで順序付けされる。安全な又は衝突のない進行経路においては、放射線源は、定位置から最低順番ノードに、かつ安全な又は衝突のない進行経路に従って最高順番ノードまでの順番で移動し、かつ最高順番ノードから移動して定位置に戻る。図3Bは、本発明の実施形態によりテンプレートノードにより輪郭を描く安全な又は衝突のない進行経路を示す2Dマップにマップした3次元(3D)作業空間を示している。治療計画の一実施形態では、シーケンスで順序付けしたテンプレートノードの集合は、安全な又は衝突のない進行経路をもたらすが、放射線治療は、各テンプレートノードで実施する必要はないことを理解すべきである。一実施形態では、放射線源は、安全な又は衝突のない経路に沿って進行して全てのテンプレートノードを訪問し、全てのテンプレートノートで放射線治療を投与する。別の実施形態では、放射線源は、安全な又は衝突のない経路に沿って進行して全てのテンプレートノードを訪問するが、放射線治療を投与するのは、部分数のテンプレートノードでのみである。
【0028】
テンプレートノードでの放射線治療の投与は、治療計画の実施により判断される。治療計画立案により、テンプレートノードのどれで放射線源が放射線治療を投与するかが判断される。治療計画では、安全な又は衝突のない進行経路が確実に維持されるようにするために、全てのテンプレートノードを訪問するように放射線源に求めるが、特定の治療計画により、放射線源にテンプレートノードの部分集合でのみ放射線治療を投与させ、未使用テンプレートノードには実施させない場合がある。
【0029】
図3Aは、図3Aのテンプレートノードは識別され、一方、図3Bのテンプレートノードは、識別されると共に安全な又は衝突のない進行経路を定める特定の順序で順序付けられるという点で、図3Bと異なっている。別の実施形態では、ノードの上位集合から1回識別されたテンプレートノードは、同時に順序付けられるように治療計画立案を完成する。換言すれば、識別及び順序付けが実質的に同時に行われる場合は、識別及び順序付けにおいては別々の段階はない。背景技術の節で説明したように、テンプレートノードは、システムが、治療室の幾何学形状により判断されるサイトに設けられる時に確立される。
【0030】
図4Aは、本発明の実施形態により全てのテンプレート空間ノードで放射線治療を投与する放射線源のための安全な又は衝突のない経路の2次元マップである。この時点で、テンプレートノードが、背景技術の節で説明したような処理により確立され、かつ判断されて設定されていることを認めるべきである。この時点以降に説明する処理は、背景技術の節で説明したテンプレートノードの構成処理と区別すべきである。一実施形態では、放射線源は、休止時には定位置400にある。放射線治療を投与する指令で、放射線源は、矢印の方向に経路440を辿り、テンプレートノード301〜313の各々に進行して各ノードで放射線治療を投与する。放射線治療投与中、放射線源が特定のテンプレートノードによって定められた空間位置を物理的に占有する間、放射線源の方位は変動する。一実施形態では、放射線源は、安全上の理由から進行中に1つ又はそれよりも多くの方位を有し、一方、放射線治療を投与する1つ又はそれよりも多くの異なる方位を有する。例えば、放射線源のコリメータは、放射線ビームの偶発的な発射により患者に危害を与えないように、空間ノード間の進行中に患者から離れた位置に向いていることができるが、放射線源のコリメータは、放射線治療投与中にターゲットに向けて特定の角度に配向することができる。一実施形態では、放射線源は、放射線治療を投与する際に選択すべき12個までの異なる方位を有することができる。中実円401〜413は、対応する空間ノード301〜313の各々と同じ空間位置を表す1つ又はそれよりも多くの異なる方位である。一実施形態では、放射線源は、1つの方位で特定の空間ノード、例えば、ノード305に到着するが、放射線源は、新しい方位405に向きを変えて治療を投与し、次に、次のノード306に進む前にノードに到着した時に同じか又は異なる方位に戻る。一実施形態、すなわち、図4Aに示すような元の治療計画においては、放射線治療をテンプレートノード30〜313の各々で投与し、あらゆる衝突から安全である進行経路を保証するシーケンスの順にテンプレートノード301〜313の各々を訪問する。
【0031】
図4Bは、本発明の実施形態により放射線源が進行してテンプレート空間ノードの部分集合で放射線治療を投与する安全な又は衝突のない経路の概略を付した2次元マップを示している。一実施形態では、全てのテンプレートノード(図4Aを参照されたい)で放射線治療を投与することを求める元の治療計画と比較して、新しい治療計画では、放射線治療を部分数のテンプレートノードで選択的に実施することを指定する。図4Bは、全てのテンプレートノード301〜313を通るが401〜402、405〜409、及び411〜412を含むテンプレートノードの選択した部分集合又はサブセットで治療を投与する同じ安全な又は衝突のない経路440を使用する新しい治療計画を示している。この新しい治療計画を実行する際に、放射線源は、定位置400から1つ1つのテンプレートノードに進行して安全な又は衝突のない進行経路を辿る。換言すれば、放射線源は、進行すると1つ1つのテンプレートノードで停止するが、選択したテンプレートノードでのみ放射線治療を投与する。新しい治療計画(図4B)の安全な又は衝突のない経路440は、元の治療計画(図4A)と比較すると変更されておらず、同じままである。唯一の相違点は、新しい治療計画においては、放射線源が停止するのは、治療を投与するように選択したテンプレートノードのみであるが、選択していないテンプレートノードでは停止しない点である。衝突のない経路440を辿ることは安全であるが、新しい治療計画の放射線源の全体的な移動距離は、放射線源が必要以上のノードを訪問するように強制されるために元の治療計画の場合と同じであり、従って、全体治療時間が延長される。一実施形態では、テンプレートノードの部分集合を放射線治療投与に対して選択する新しい方法に対して最適化された経路横断を見つけるために、直通経路マッピングのような新しい方法が開発されている。
【0032】
図5A〜図5Dは、本発明の実施形態により新しい治療計画に対して最適化された経路横断の参照表又はデータベースを判断する際の空間ノードの様々な例の直通経路マッピングを示す異なる2次元マップである。図5A〜5Dは、治療を全てのテンプレートノードで実施する最新の治療計画と比較して、テンプレートノードの部分集合を放射線治療の投与に選択する新しい治療計画に対してどのように安全な又は衝突のない経路を判断するかを示している。空間ノード間の経路に関する情報は、検索及びアクセスのための形態で格納されているので、治療計画実行前又は治療計画中及び/又はほぼ治療計画立案前又は治療計画立案中に実行することができる。
【0033】
直通経路マッピングの一実施形態では、テンプレートノードの集合全体における1つ置きのテンプレートノードに各テンプレートノードを直接マップする。その目的は、いかなる2つテンプレートノード間の直通経路が障害物を含む場合も識別することである。2つのノードを障害物なしの直通経路により接続した時、2つのノードの各々は、衝突のない空間ノード又は衝突のないノードとして公知である。直接マッピングは、テンプレートノードが任意にノードの上位集合から選択されて順番に配置される元の治療計画における放射線源の安全な進行の計画のためのテンプレートノードの識別及び順序付けとは異なるものである。これに反して、直接マッピングでは、識別及び順序付けられたテンプレートノードの各々が系統的にマップされる。具体的には、テンプレートノードが上位集合ノードから識別及び順序付けられた状態で、オフラインシミュレーションは、定位置及びテンプレートノードにより表される全ての空間位置間の各対応する直通経路が完成されるまで、一度に1つずつ空間位置から他の残りの空間位置の各々まで直接マッピングが再帰的に実行されるアルゴリズムに従う。
【0034】
一例において、図5Aは、定位置から空間内の全てのテンプレートノードまでの全ての直通経路を示す2Dマップである。アルゴリズムは、定位置から直線的空間内の各テンプレートノードまでの放射線源の移動を模擬する。このオフラインシミュレーションでは、各経路は、1つの位置から別の位置に進行する時に、放射線源が作業空間内で患者又は別の物体のような障害又は障害物320と衝突するか否かに関して識別される。図5Aは、定位置から障害又は障害物320がない対応する空間ノード301、302、311〜313までの衝突のない経路510(実線矢印)を示している。従って、ノード301、302、311〜313は、定位置までの衝突のない空間ノード又は衝突のないノードである。しかし、図5Aは、定位置から各々の空間ノード303〜310までの経路520(破線矢印)内の障害又は障害物320を示している。矢印の各々は一方向のみであるが、直接マッピングの目的が定位置と空間ノードのいずれか1つとの間のようなあらゆる2点間の直通横断経路に障害物があるどうかを判断することであることを理解すべきである。障害物がない衝突のない経路は、放射線源が定位置からその空間ノードまで又はその空間ノードから定位置まで移動することができ、かつ放射線源には、ノード間の進行方向に制約がないことを示唆している。同様に、障害物を含む経路は、放射線源が、いずれも方向でも2点間で衝突なしに進行するものではないことを示唆している。直接マッピング処理は、全てのテンプレートノードに対して繰り返される。
【0035】
別の例において、図5Bは、空間ノード302から空間内の他のテンプレートノードまでの直通経路を示す2Dマップである。図5Bは、放射線源が空間ノード302に位置する場合、放射線源が、障害物のない衝突のない経路510(実線矢印)で空間ノード303、305、311、及び312に到達することができることを示している。従って、これらのノード303、305、311、及び312は、302までの衝突のない空間ノード又は衝突のないノードである。しかし、放射線源は、空間ノード304、307、308、309、及び313までの直通経路520(破線矢印)が障害又は障害物320との衝突を有するので、このノードに到達することができない。尚、テンプレートノード302と定位置まで又はテンプレートノード301までの間には経路がない。アルゴリズムは、テンプレートノードの順序に従って系統的に直通経路マッピングを実行する。このアルゴリズムでは、全ての空間位置をマップする時間を短縮するために、先にマップされたテンプレートノードを改めてマップしない。図5Bの中でテンプレートノード302をマップする時、アルゴリズムは、定位置(図5Aに例示)から、及びテンプレートノード301、テンプレートノード302よりも低い順番にある他の2つのノードから、他のテンプレートノードまでの直接マッピングは完了していることを知っている。定位置からテンプレートノード302までの経路がマップされ(図5Aに例示)、かつテンプレートノード301からテンプレートノード302までの経路はマップされたと仮定されたので、このテンプレートノードを訪問する必要はない。
【0036】
図5C及び図5Dは、この概念を更に示している。図5Cは、空間ノード307から空間内の他の残りのテンプレートノードまでの直通経路を示す2Dマップであり、図5Dは、空間ノード310から空間内の他の残りのテンプレートノードまで直通経路を示す2Dマップである。図5Cでは、経路は、それぞれ空間ノード307から308〜313までマップされる。空間ノード307と空間ノード308の間の直通経路510(実線矢印)は衝突のないものであり、従って、ノード307及び308は、互いに対して衝突のない空間ノード又は衝突のないノードである。ノード307とノード309〜313の間の残りの経路520(破線付き矢印)は、放射線源が障害又は障害物320と衝突することを示唆している。経路は、空間ノード307から定位置まで又は空間ノード301〜306まではマップされないが、その理由は、このテンプレートまでのマッピングは、このテンプレートノード(図示せず)の各々から直接マッピングにより先に行われたと仮定されているからである。同様に、図5Dでは、経路は、空間ノード310からノード311〜313までマップされている。それぞれ、ノード310から311及び312までの直通経路510(実線矢印)は、衝突のないものであり、311及び312は、衝突のないノード又は310まで衝突のないノードであり、一方、ノード310から313までの直通経路520(破線付き矢印)により、結果として、放射線源は、障害又は障害物320と衝突する。また、ノード310から定位置まで、又はノード301〜309までの直接マッピングは、示されず又は実行されないが、その理由は、その情報は、直接マッピングが定位置及びノード301〜309に対して先に行われた時に以前に得られたと思われるからである。
【0037】
一実施形態では、直接マッピングから生成された情報は、ルックアップテーブル又はデータベース内に、又はほぼ治療計画立案時に及び/又はほぼ治療計画実行時に情報にアクセス可能なあらゆるフォーマットで格納される。しかし、情報は、異なるフォーマットで格納するか、又は有利なアクセス又は検索に向けて異なるフォーマット間で変換することができる。例えば、図6は、図5A〜図5Dに部分的に示す図4A及び図4Bに示した空間ノードの直接マッピング、及び図5A〜図5Dに示していない他の空間ノードのマッピングから生成された情報を示している。図6は、ルックアップテーブルフォーマットでの定位置及び13個の空間ノード301〜313の直接マッピングの結果を示している。最左縦欄は、直通経路が始まる空間位置を表し、一方、最上部の横欄は、直通経路が終結する空間位置を表す。
【0038】
ルックアップテーブルの残りの記入欄の各々には、「−−」、「O」、又は「X」が記されている。「−−」は、経路を適用しないか又はマッピングが実行されないことを示している。例えば、原点が308であり、かつ終点が308である場合は、経路が存在しない。また、図5A〜図5Dにより上述したように、先にマップした経路は、繰り返されず、従って、一例として、直通経路が原点テンプレートノード302から終点テンプレートノード304までマップされた場合、テンプレートノード304を原点として使用してテンプレートノード302に戻って改めてマップする必要はないが、その理由は、結果が同じであり、かつこの処理が冗長であるからである。「O」は、いずれの方向にも障害物が2つの指定空間ノード間にない衝突のない経路を表している。従って、「O」と記された衝突のない経路の各々は、2つの衝突のない空間ノード又は衝突のないノードも接続する。「X」は、障害物を含み、かつ指定ノード間で放射線源によりいずれかの方向で進行に対して禁止された経路を表すものであるが、その理由は、その経路を通ると、結果として障害物との衝突になるからである。尚、図6に示す空間ノードの数は、例示のために少なくなっている。一部の実施形態では、テンプレートノードの数は、作業空間のサイズ及び作業空間にわたる空間ノードの空間分布の解像度により異なる。例えば、一実施形態では、テンプレートノードの数は、容易に100を超える範囲に及ぶ場合がある。
【0039】
一実施形態では、情報を格納するのに使用するフォーマットの目的は、ほぼ新しい治療の計画立案時に及び/又はほぼ新しい治療計画の実行時に情報の検索又はアクセスを可能にすることである。安全な又は衝突のない計画では定められた順序で全てのテンプレートノードに進行することが必要である元の治療計画と比較すると、データを異なるフォーマットに変換する必要がない情報のアクセス又は検索により、新しい治療計画に従って放射線治療テンプレートノードの部分集合で放射線治療を投与する他のより短い安全な経路の計算の高速化が可能である。別の実施形態では、この情報は、2つの空間ノード間を進行時に放射線源が不測のエラーに遭遇した時に有用と考えられる。改めて定位置から開始してエラー発生前に先に訪問した全ての空間位置まで進行するのではなく、この情報は、初期に意図されたように残りの治療計画を完了するために、先に訪問したテンプレートノードのうちの1つ又はそれよりも多くを飛び越して、代替の安全かつより短い進行経路を迅速に判断することを助けるものである。最適化した経路横断を判断する際に直接マッピングから導出される用途及び利点を以下の図及び表に示している。
【0040】
図7は、本発明の実施形態によりテンプレート空間ノードの部分集合で放射線源が放射線治療を投与する最適化した経路横断の概略を付した2次元マップである。図7は、放射線治療が実施されるある一定のテンプレートノードの部分集合がより短い安全な経路、すなわち、最適化した横断経路760により接続されている点を除き、図4A及び図4Bと類似の2Dマップを示している。図4Bと同様に、図7は、放射線治療が実施される選択したテンプレートノードの部分集合301〜302、305〜309、及び311、312を示している。残りのテンプレートノード303、304、310、及び313は、放射線治療には未使用である。直接マッピングにより供給された情報がなければ、放射線源は、治療を投与するための全ての選択した部分テンプレートノードへの安全な進行経路を保証するために、全てのテンプレートノードを含む図4Bの経路440と同じである経路740(破線)を辿らなければならない。図4Bの経路440と同様に、経路740は、消費時間が長くなるが、その理由は、たとえ放射線治療が全ての未使用テンプレートノードで実施されなくても、全ての未使用テンプレートノードを訪問すべきであるからである。直接マッピングから情報を生成された情報があれば、部分テンプレートノードがユーザ(例えば医学物理学者、内科医のような)により識別されると、より短い経路760(実線)を識別することができる。このより短い最適横断経路760により、少なくとも1つ又はそれよりも多くの未使用ノードが飛び越されると共に、放射線治療が実施される全ての選択した部分テンプレートノードが含まれ、同時に、衝突のないかつ障害物がない経路が維持される。
【0041】
図7は、全ての未使用ノード303、304、310、313を飛び越すことができるので最適横断経路760が放射線治療が実際に実施される部分ノードのみを含む一実施形態を示している。従って、最適横断経路760は、新しい治療計画に関する本質的に最短横断経路を示している。別の実施形態(図示せず)においては、1つ又はそれよりも多くの未使用テンプレートノードを訪問して衝突のない経路が確実に得られるようにすることができ、一方、放射線源は、全ての選択した部分テンプレートノードを訪問して放射線治療を投与する。更に、訪問する1つ又はそれよりも多くのこれらの未使用テンプレートノードは、1つ又はそれよりも多く訪問することができる。従って、この実施形態は、全てのテンプレートノードへの進行を必要とする元の計画において定められる安全な又は衝突のない経路よりも短いが、760によって示す最短横断経路よりも長い最適横断経路(図示せず)を示している。上述のいずれかの実施形態では、最適横断経路を判断する目的は、直接マッピングから生成された情報をユーザ(医学物理学者、内科医者のような)により識別された部分テンプレートノードに適用し、テンプレートノードの部分集合を使用すると共にできるだけ短い衝突のない経路を維持しながらこれらのテンプレートノードの部分集合を横断する元の治療計画と等しく有効な治療を投与することである。従って、図7は、未使用ノードを訪問しない最も短い最適横断経路760の理想的な場合を示すが、一部の実施形態では、未使用ノードの1つ又はそれよりも多くを訪問することができ、最適化した横断経路は、単に放射線治療のための部分テンプレートノードよりも多くを含むことができる。
【0042】
別の実施形態では、空間ノードの再順序付けにより最適横断経路の治療時間の短縮をもたらすことができる。再順序付けは、いつでも行って時間最適シーケンスを見つけることができる。一実施形態では、空間ノードの再順序付けは、放射線治療が実施されると判断されるテンプレートノードが識別された後に行うことができる。別の実施形態では、再順序付けは、最適横断経路を判断するための未使用空間ノードの判断及び未使用空間ノードの飛び越しの前後に適用することができる。更に別の実施形態では、再順序付けは、最適横断経路に向けて最少数のテンプレートノードを使用して最適横断経路が判断された後に適用することができる。更に同じく別の実施形態では、再順序付けは、最適横断経路の改訂が判断される前後に放射線源が2つの空間ノード間を進行した時にエラーが発生した後で適用することができる。アルゴリズムを用いて、放射線治療が実施されるテンプレートノード及びテンプレートノードの部分集合を含むがこれらに限定されない空間ノードの異なるシーケンスを評価して、空間ノードのどのシーケンスが最も短い全体的な治療時間を生成することができるかを判断する。その一例は、衝突のない進行経路を計画立案により指定された順番の逆の順番で横断するというものである。空間ノードの再順序付けでは、どの未使用ノードを飛び越すことができるかという判断と同様に、障害を回避するという目的を考慮に入れる。主要な目的の1つとして、空間ノードの再順序付けは、空間ノードを進行する順序の再形成が、衝突のない進行経路を維持しながら全体的な治療時間を短縮することができるかを判断する。
【0043】
直接マッピングを使用する横断経路の最適化の恩典は、治療計画中に放射線源が2つの空間ノード間を進行する時に思いがけないエラーに遭遇した時に特に有用である。図8Aは、本発明の実施形態により元の治療計画においてテンプレートノードによって形成された安全な又は衝突のない経路上を進行中に2つの空間ノード間のエラーに遭遇する放射線送出源の2次元マップの図を示している。図8Bは、本発明の実施形態により元の治療計画においてテンプレートノードによって形成される、2つの空間ノード間でエラーに遭遇する時のリセット後の放射線源の進行経路の2Dマップを示している。
【0044】
図8Aは、直接マッピング又は最適経路横断が実行される前の実施形態を示しており、テンプレートノードの部分集合が放射線治療に対して識別されるが、放射線源は、依然として全てのテンプレートノードを通過し、元の治療計画において定められた安全な又は衝突のない進行経路を保証する必要がある。図示のように、放射線源は、全てのテンプレートノードを含む安全な又は衝突のない進行経路840に沿って進行して部分テンプレートノードで放射線治療を投与する。ノード311〜312間を進行する時、方位411で放射線治療を投与した後に(上述のように)、放射線源は、テンプレートノード312に向かう途中でエラーに遭遇した。このエラーは、ソフトウエアエラー又は物理的エラーの場合があり、例えば、制限するものではなく例示として、物体が経路に偶然に置かれていたか、又は放射線源がノード間の進行に適する特定の方位に戻ることに失敗するというものである。エラーに遭遇すると、放射線源は、定位置300にリセットされる。
【0045】
図8Bは、直接マッピング又は最適経路横断が実行される前の実施形態を示しており、放射線源は、エラーに遭遇すると、リセットされた後に治療計画を完了する。実際には、放射線源は、図8Aで先に示すものと全く同じ進行経路840に沿って進行するが、エラーが発生する前に放射線治療が実施された選択した部分テンプレートノードで放射線治療を投与するためのみではない。例えば、放射線治療は、401〜402、405、406〜409、及び411で(又は対応する301〜302、305、306〜309、及び311、先に説明済み)実施されたので、放射線治療は、このノードでは実施されない。放射線源がノード311に進行する時に、前と同様に、ノード312までの同じ経路に沿って進んで、エラーが発生する前では以前に未訪問であった指定された部分テンプレートノードで放射線治療を投与して治療計画を完了する。従って、最適経路横断を判断するために直接マッピングがなければ、放射線源の安全な又は衝突のない進行経路は、融通が利かず、固定のものであり、かつエラーが発生した時でさえも調節不可能である。物理的物体が放射線源を妨害していた場合には、問題がソフトウエア関連、機械関連であるか否かを問わず、その問題又はエラーを引き起こしたと考えられるあらゆる他の問題を解決することがユーザに期待されている。
【0046】
直接マッピング又は最適経路横断があれば、放射線源進行経路は、融通性があり、エラー発生前に先に訪問した1つ又はそれよりも多くのテンプレートノードを飛び越すことによって安全かつできるだけ短い進行経路を見つけることによって全体的な治療時間を短縮するように再計算することができる。図9Aは、本発明の実施形態により直接マッピングから判断した最適化した横断経路上を進行中に2つのノード間でエラーに遭遇する放射線源の2Dマップを示している。図9Bは、本発明の実施形態により2つの空間ノード間でエラーに遭遇した時にリセット後に直接マッピングにより判断された新しい最適化した安全な経路の2Dマップを示している。
【0047】
図9Aは、直接マッピング又は最適経路横断が実行された後の実施形態を示しており、放射線源は、最短しかも安全な経路960を進行して、識別された部分テンプレートノードでのみ放射線治療を投与する。例示上、放射線源は、図8Aの840と比較して遥かに短い経路960に沿って進行するが、放射線源は、ノード411(又は311)で放射線治療を投与した後もエラーに遭遇する。放射線源は、定位置300にリセットされることによって応答する。一実施形態では、新しい安全な経路970は、直接マッピングから収集された情報、すなわち、放射線源が訪問した全てのテンプレートノード(例えば301〜311)に関する情報、放射線が治療を投与した最終ノード(例えば311)、エラーが発生する前の次の未訪問ノード(例えば312)、及び放射線源が放射線治療を投与すべきである次の部分テンプレートノード(例えば312)に関する情報に基づいて識別される。上述の情報に基づいて、システムは、放射線源が治療を投与すべきである定位置から次の未訪問の部分テンプレートノードまでの安全かつできるだけ短い最適横断経路を識別する。この最適横断経路は、エラーが前の進行経路上で発生する前に、前に訪問したノードのどれが放射線治療を投与すべきである次の未訪問の部分テンプレートノードに到達する前に飛び越すことができるかを判断することによって識別される。初期の安全な進行経路上にある先に訪問したテンプレートノードの少なくとも1つ又はそれよりも多くを飛び越すことができることが多い。別の実施形態では、新しい安全な経路は、エラー前の最後に訪問したテンプレートノード(例えば311)及びエラー前の次の未訪問ノード(例えば312)に関する情報から識別することができる。
【0048】
図9Bは、直接マッピング又は最適経路横断が実行された後の実施形態を示しており、放射線源は、再計算した経路、すなわち、放射線治療がエラー発生前に治療計画に従って予定されている次の未訪問の部分テンプレートノードに到達するための定位置からの最短しかも安全な経路970を進行する。一実施形態では、放射線源は、経路970に沿って、直接定位置300から、治療計画に従って放射線治療が実施すべき次の未訪問テンプレートノード312(又は412)まで移動することができる。この実施形態では、放射線源は、直接に定位置から放射線治療に向けて選択した次の未訪問の部分テンプレートまで移動することができるが、他の実施形態では、エラー前の1つ又はそれよりも多くの前に訪問したテンプレートノードは、最も短い安全な経路(図示せず)を確立する際に最初に訪問することができる。実施形態では、エラー後、定位置300から放射線治療に向けて選択した次の未訪問の部分テンプレートノードまでの経路のみが、放射線源をリセットした後に、移動時間を最小にするように計算し直される。元の経路は、直接マッピングに基づく情報を用いて計画済みであったので、元の経路は、最短しかも最も安全なものとなっている。従って、エラー前の放射線治療のための次の未訪問の部分テンプレートノードから定位置300に戻る前に治療計画を完了するための次の未訪問の部分テンプレートノードから最終ノードまでの進行経路は、変わらないままである。換言すれば、エラーに遭遇すると、定位置300から放射線治療に向けて選択した次の未訪問の部分テンプレートノードまでの経路の一部のみが定め直されるか又は計算し直されるが、治療計画を完了するためのその点以降からの進行経路の残りは、変わらないままである。
【0049】
図10は、本発明の実施形態により全てのテンプレートノードを含む安全な又は衝突のない進行計画に従うことなく、選択した部分テンプレートノードで放射線治療を投与するために放射線源の最適化した安全な進行経路を判断する方法を示す流れ図である。治療計画において全てのテンプレートノードによって定められた全てのテンプレートノード及び安全な又は衝突のない経路は、最適化した安全な進行経路を判断する前に、段階1010で識別すべきである。この段階は、本明細書で上述のように上位集合のノードからのテンプレートノードを選択することと同じである。全てのテンプレートノードを含むテンプレートノード及び安全な又は衝突のない経路を判断した後、段階1015及び1020を段階1025と平行して実行する。段階1015で、システムは、定位置又はテンプレートノードのいずれかによって定められたその空間位置とテンプレートノードの各々の間に障害物があるか否かを判断することによって、各空間位置に対して直接マッピングを実行する。この段階は、図5A〜図5Dで先に示すように情報の生成と同じである。段階1020で、システムは、治療計画立案の前又は最中に及び/又は治療計画実行の前又は最中に、実行のための簡単なアクセスを可能にするデータベース又は表に直接マッピングによって生成される情報を編集する。段階1015及び1020を実行中に、放射線治療を投与する代替治療計画においてテンプレートノードの部分集合を選択する。最初に定められたものよりも少ない数のテンプレートノードで放射線治療を投与することによって、元の治療計画と等しく有効であるこの代替治療計画を定める。段階1020及び1025を完了した後、段階1030は、直接マッピングから生成された結果を使用して安全な又は衝突のない進行経路を維持しながら飛び越すことができる未使用テンプレートノードを識別することである。飛び越すことができる未使用ノードの数が識別された状態で、段階1035は、放射線源が放射線治療を投与するが未使用テンプレートノードを飛び越す、選択したテンプレートノードを含む代替の安全な又は衝突のない進行経路を識別することである。理想的には、放射線治療を投与する全ての選択した部分テンプレートノードを放射線源が訪問することを可能にする最短しかも安全な進行経路が判断される。最終段階1040は、代替の安全な進行経路に沿って放射線源を移動させ、かつ代替治療計画に従って選択したテンプレートノードで放射線治療を投与することである。目的は、治療の完了がより短い時間でありながら元の治療計画に同等であるレベルの治療的有効性を達成することである。
【0050】
図11は、本発明の実施形態により次の未訪問の選択したテンプレートノードに進行して、エラー発生前に先に訪問した全てのテンプレートノードに再び訪問する必要がなく、エラーに遭遇した後に放射線源が放射線治療を投与する代替の安全な又は衝突のない経路を判断する方法を示す流れ図である。段階1110は、安全な又は衝突のない進行経路上で2つのテンプレートノード間でエラーに遭遇する放射線源から始まる。安全な又は衝突のない進行経路は、全てのテンプレートノードによって定められる安全な又は衝突のない進行経路より短いことが多いが、一部の場合には、より短くしかも安全な経路が識別されなかった場合、安全な又は衝突のない進行経路を全てのテンプレートノードによって定めることができる。エラーに遭遇した後に、段階1115では、新しい進行計画を識別することができるように定位置に放射線源をリセットする。段階1120では、エラー発生の前に訪問した全てのテンプレートノード、及び放射線治療を投与すべきであるエラー前に未訪問である全ての部分的な選択したテンプレートノードを識別する。訪問したテンプレートノード及び未訪問テンプレートノードの両方が識別された状態で、システムは、直接マッピングから生成される情報に戻り、段階1125で、放射線治療を投与すべきである次の未訪問テンプレートノードに到達する前に飛び越すことができるエラー前に訪問したテンプレートノードを識別することができる。段階1130で、飛び越すことができる1つ又はそれよりも多くの先に訪問したテンプレートノードが識別された状態で、システムは、エラーが発生する前の1つ又はそれよりも多くの訪問したテンプレートノードを飛び越すことによって、治療を投与すべきである次の未訪問部分テンプレートノードまでの最も短い安全な又は衝突のない経路を識別する。最終段階1135で、システムは、最も短い安全な又は衝突のない経路に沿って次の未訪問テンプレートノードに放射線源を移動させて、治療計画を完了するために未訪問の部分テンプレートノードの残りに放射線治療を投与する。尚、定位置からエラー発生前の次の未訪問の部分テンプレートノードまでの経路のみが修正されるが、その理由は、目標が、最短しかも安全な又は衝突のない経路で放射線治療を投与する次の未訪問部分テンプレートノードに到達することであるからである。次の未訪問の部分テンプレートノードから最後の未訪問の部分テンプレートノードまでの進行計画は、変更されないのでエラー発生前と同じままである。
【0051】
直接マッピング処理及び最適経路横断の判断は、2005年9月28日出願の「放射線治療投与システムのための作業空間最適化」という名称の現在特許出願中の米国特許出願番号2007/0071168に説明されているように最適化した治療計画の判断と共に使用することができることを認めるべきである。例えば、一実施形態では、ユーザ(例えば、医学物理学者、内科医、その他)は、治療計画立案ソフトウエアを利用し、最小/最大線量処方制約を満たすために、システムが利用可能な全てのテンプレートノードを使用して治療計画を生成する。従って、全てのテンプレートノードを使用する治療計画は、放射線治療投与システムにより達成可能な最高品質の治療計画を表すことができる。ユーザは、テンプレートノードのより少数又は部分集合を使用してターゲットを治療する全てのテンプレートノードで放射線治療を投与する第1の治療計画と等しく有効な異なる治療計画も識別する。より少数のノードを使用して実施することができる等しく有効な治療計画は、治療投与中にシステムが横断すべきであるノードの少数化のために治療投与時間の節約になる。一般的に、データベースを検索して、使用する全てのテンプレートノードに対する可能な代替とすることができるテンプレートノード部分集合が存在するか否かを判断する。データベースは、骨格特徴(例えば脊髄病変、前立腺病変、胸部病変、肺病変のような)にインデックスを付けたテンプレートノード部分集合を格納することができる。データベースは、撮像中心部総数、寝台位置総数、SAD総数のような他の治療計画パラメータを最適化することができるか否かに基づいて検索することができる。データベースの事前検索/分析によりテンプレートノード部分集合の1つ又はそれよりも多くが完全なテンプレートノードの集合に対する可能な代替とすることができることが示唆された場合、テンプレートノード部分集合を用いて開発した治療計画が十分な品質であるかを確かめるために評価する。テンプレートノード部分集合による治療計画を使用するか、又は完全なテンプレートノードによる治療計画を使用するかの選択は、定められた規則に従って医学物理学者、又は放射線腫脹遺伝子学者、放射線治療投与システムのオペレータ、又はソフトウエアによってさえも行うことができる。テンプレートノード部分集合による治療計画を使用するか、又は完全なテンプレートノードによる治療計画を使用するかの選択には、計画した時間節約と品質偏差を釣り合わせることを必要とすると考えられる。治療時間節約が相当なものであり、品質偏差が小さい場合、テンプレートノード部分集合による治療計画を治療投与に選択することができる。本明細書で説明する方法及び装置を使用して、テンプレートノード部分集合による治療計画を実施する際に進行するノードの数を更に低減することにより、治療投与時間を更に短縮することができる。
【0052】
放射線源の最適化した横断経路を判断する方法及び装置は、放射線治療システムの一部として患者治療システム又は機能と組み合わせることができる。図12は、診断画像を生成し、治療計画を生成し、治療計画を患者に実施する本発明の特徴を実行することができる患者治療システム1200を示すブロック図である。以下で説明し、かつ図12に示すように、システム1200は、診断撮像システム1220、治療計画立案システム12400、及び放射線治療投与システム1260を含むことができる。図12は、単に患者治療システムの例を示すだけであり、他の代替的な実施形態が可能であることに注意すべきである。
【0053】
診断撮像システム1220は、その後の内科的診断、治療計画立案、及び/又は治療投与に使用することができる患者の関心体積(VOI)の医学診断画像を生成することができるあらゆるシステムとすることができる。例えば、診断撮像システム1220は、コンピュータ断層撮影(CT)システム、磁気共鳴画像(MRI)システム、陽電子射出断層撮影(PET)システム、又は超音波システムなどとすることができる。説明しやすいように、診断撮像システム1000は、CTX線撮像理学療法に関して随時以下で説明する場合がある。しかし、上述したもののような他の撮像理学療法を用いることができる。
【0054】
診断撮像システム1220は、撮像ビーム(例えば、X線、超音波、無線周波のような)を発生させる撮像源1222、及び撮像源1222によって生成されたビーム、又は撮像源からのビームにより励起される2次ビーム又は発光を検出及び受け取る画像検出器1226を含む(例えば、MRI又はPET走査で)。一実施形態では、診断撮像システム1000は、1つよりも多い診断X線源及び1つよりも多い対応する画像検出器を含むことができる。例えば、2つのX線源は、撮像すべき患者の回りに配置して、互いからの分離角(例えば、90度、45度のような)で固定し、X線源に正反対とすることができる画像検出器に向けて患者を通過するように狙いを定めることができる。各X線撮像源によって照射される単一の大型画像検出器(又は複数の画像検出器)を使用することができる。代替的に、撮像源及び画像検出器の他の数及び構成を使用することができる。
【0055】
撮像源1222及び画像検出器1226は、撮像作動及び処理画像データを制御するデジタル処理システム1224に結合されている。診断撮像システム1220は、デジタル処理システム1224、撮像源1222と画像検出器1226の間でデータ及び指令を移送するバス又は他の手段1228を含む。デジタル処理システム1224は、1つ又はそれよりも多くの汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、デジタル信号プロセッサ(DSP)のような専用プロセッサ、又はコントローラ又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような他の形式のデバイスを含むことができる。デジタル処理システム1224は、メモリ、記憶デバイス、ネットワークアダプタのような他の構成要素(図示せず)を含むことができる。デジタル処理システム1224は、例えば、DICOM(医学用デジタル撮像及び通信)フォーマットのような標準的フォーマットでデジタル診断画像を生成するように構成することができる。他の実施形態では、デジタル処理システム1224は、他の標準的又は非標準的デジタル画像フォーマットを生成することができる。デジタル処理システム1224は、データリンク1230で治療計画立案システム1240に診断画像ファイル(例えば上述のDICOMフォーマットのファイル)を送信することができ、データリンク1230は、例えば、直接接続リンク、ローカルエリアネットワーク(LAN)リンク、又は「インターネット」のような広域ネットワーク(WAN)リンクとすることができる。更に、システムの間に移送される情報は、遠隔診断又は治療計画立案構成におけるようなシステムを接続する通信媒体にわたってやり取りすることができる。遠隔診断又は治療計画立案においては、ユーザは、システムユーザと患者の間で物理的分離の存在にも関わらず、診断又は治療計画に本発明の実施形態を利用することができる。
【0056】
治療計画立案システム1200は、画像データを受信及び処理する処理デバイス1244を含む。デジタル処理システム1244は、1つ又はそれよりも多くの汎用プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)、DSPのような専用プロセッサ、又はコントローラ又はFPGAのような他の形式のデバイスを含むことができる。処理デバイス1244は、本明細書で説明する治療計画立案作業を行う命令を実行するように構成することができる。
【0057】
治療計画立案システム1240はまた、システムメモリ2020を含むことができ、これは、処理デバイス1244により実行すべき情報及び命令を格納するためにバス1245により処理デバイス1244に結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)、又は他の動的な記憶デバイスを含むことができる。処理デバイス1244による命令実行中に一時的変数又は他の中間情報を格納するシステムメモリ1242を使用することもできる。システムメモリ1242は、バス1245に結合され、処理デバイス1244に向けて静的情報及び命令を格納する読み出し専用メモリ(ROM)及び/又は他の静的記憶デバイスを含むことができる。
【0058】
治療計画立案システム1240はまた、情報及び命令を格納するためにバス1245に結合された1つ又はそれよりも多くの記憶デバイス(例えば磁気ディスクドライブ又は光ディスクドライブ)を代表する記憶デバイス1246を含むことができる。記憶デバイス1246は、本明細書で説明する治療計画立案の段階を実行する命令を格納するのに使用することができる。
【0059】
処理デバイス1244はまた、ユーザに情報(例えばVOIの2D又は3D表現)を表示するブラウン管(CRT)又は液晶ディスプレイ(LCD)のような表示デバイス1248に結合することができる。キーボードのような入力デバイス1249は、情報及び/又は指令選択を処理デバイス1244に伝達するために処理デバイス1244に結合することができる。1つ又はそれよりも多くの他のユーザ入力デバイス(例えばマウス、トラックボール、又はカーソル指示キー)を使用して、指示情報を伝達し、処理デバイス1244に向けて指令を選択し、かつディスプレイ1248上のカーソル移動を制御することができる。
【0060】
治療計画立案システム1240は、治療計画立案システムの一例のみを表しており、治療計画立案システムは、多くの異なる構成及びアーキテクチャを有することができ、治療計画立案システム1240よりも多い構成要素又は少ない構成要素を含むことができ、かつ本発明と共に使用することができることは認められるであろう。例えば、一部のシステムは、周辺バス、専用キャッシュバスのような複数のバスを有することが多い。治療計画立案システム1240はまた、DICOMインポート(従って、画像を融合し、ターゲットを異なるシステム上に描き、次に、計画立案及び線量計算に向けて計画立案システムにインポートすることができる)、拡張画像融合機能(ユーザに治療計画と、様々な撮像理学療法(例えば、MRI、CT、PETのような)のいずれか1つに関する線量配分を見ることとを可能にする)をサポートするMIRIT(医用画像レビュー及びインポートツール)を含むことができる。治療計画立案システムは、当業技術で公知であり、従って、より詳細には論じない。
【0061】
治療計画立案システム1240は、治療投与前に治療計画立案システムからエクスポートすることが必要ではないように、データベース(例えば、記憶デバイス1246に格納されたデータ)を放射線治療投与システム1260のような治療投与システムと共有することができる。治療計画立案システム1240は、データリンク1250を通して放射線治療投与システム1260にリンクすることができ、データリンク1250は、データリンク1250に関して上述したような直接接続リンク、LANリンク、又はWANリンクとすることができる。データリンク1250及び1230がLAN又はWAN接続として実行される時、診断撮像システム1320、治療計画立案システム1240、及び/又は放射線治療投与システム1260のいずれも、システムが互いから物理的に遠く離れていることができるように分散した位置にあることができることに注意すべきである。代替的に、診断撮像システム1220、治療計画立案システム1240、及び/又は放射線治療投与システム1260のいずれも、1つ又はそれよりも多くのシステムにおいて互いと一体化することができる。
【0062】
放射線治療投与システム1260は、治療計画に従ってターゲット体積へ所定の放射線量を投与するための治療的及び/又は外科的放射線源1362を含む。放射線治療投与システム1260は、放射線源に対して患者を位置決めするために、上述の診断画像との位置合わせ又は相関関係のために患者領域(ターゲット体積を含む)の治療間画像を捕捉する撮像システム1264(撮像源1322及び検出器1326を含む)を含むことができる。放射線治療投与システム1260は、治療的放射線源1262、撮像システム1264、及び治療寝台1268のような患者支持デバイスを制御するデジタル処理システム1266を含むことができる。デジタル処理システム1266は、1つ又はそれよりも多くの汎用プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)、DSPのような専用プロセッサ、又はコントローラ又はFPGAのような他の形式のデバイスを含むことができる。デジタル処理システム1266は、メモリ、記憶デバイス、ネットワークアダプタのような他の構成要素(図示せず)を含むことができる。デジタル処理システム1266は、バス1265又は他の形式の制御及び通信インタフェースにより治療的放射線源1262、撮像システム1264、及び治療寝台1268に結合することができる。
【0063】
本明細書で説明する方法及び装置は、医用診断撮像及び治療での使用に限定されるものではないことに注意すべきである。代替的な実施形態では、本明細書の方法及び装置は、材料(例えば、自動車業界のモーターブロック、航空業界の機体、建設業界の溶接、及び石油業界のボーリングコア)の工業用撮像及び非破壊試験、及び地震探査のような医療技術分野以外の用途において使用することができる。このような用途においては、例えば、「治療」は、一般的に放射線ビームの印加を指すことができる。
【0064】
本発明の図示の実施形態の以上の説明は、「要約」に説明するものも含め、網羅的であるか又は本発明を開示する正確な形に限定するように意図したものではない。本発明の特定の実施形態及び本発明に対する実施例は、例示を目的として本明細書で説明しているが、当業者が認識するように、様々な修正が本発明の範囲で可能である。
【0065】
これらの修正は、上述の詳細説明に照らして本発明に行うことができる。以下の特許請求の範囲に用いる用語は、本明細書に開示する特定的な実施形態に本発明を限定するように解釈すべきではない。むしろ、本発明の範囲は、請求項解釈の確立された教義に従って解釈されることになる以下の特許請求の範囲によって完全に判断されるものとする。
【符号の説明】
【0066】
100 放射線治療投与システム
110 治療寝台
115 検出器、撮像器
120 撮像源
125 ロボットアーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が作業空間内の放射線源の位置を表す複数の空間ノードにおける空間ノードに対して、該複数の空間ノードにおける該空間ノードと他のノードの間の直通経路を判断する段階と、
障害物との衝突のない別の空間ノードへの直通経路における前記放射線源の進行に各ノードが関連した衝突のない空間ノードを、前記複数の空間ノードの中から識別する段階と、
前記衝突のない空間ノードと障害物がなくて衝突のない直通経路とを利用して衝突のない進行経路を構成する段階と、
を含み、
衝突のない空間ノードから次の衝突のない空間ノードへの進行には、いかなる障害物もない、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記空間ノードは、順番に配置されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記衝突のない進行経路は、前記放射線源が、定位置から最低順番の空間ノードまで移動し、前記衝突のない空間ノードの全てを通して進行し、かつ該衝突のない空間ノードの各々を一度横断しながら最高順番の空間ノードの後に該定位置で終結するように配置されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記衝突のない空間ノードと前記直通経路の全てとに関連する情報が、オフラインで模擬されて参照のために格納されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記情報は、データベース又はルックアップテーブルの少なくとも一方に格納されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記情報は、ほぼ治療計画立案の時点からほぼ治療計画の実行の時点までいつでもアクセスすることができることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記放射線源は、ロボットアームに連結されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ロボットアームは、5つ又はそれよりも多くの自由度を有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
治療計画において複数の空間ノードによって定められた進行経路に沿って2つの空間ノード間を進行中にエラーに遭遇した後で定位置に放射線源をリセットする段階と、
前記エラー発生前に前記放射線源により訪問された1つ又はそれよりも多くの空間ノードを飛び越すことにより、該放射線源のための新しい進行経路を識別する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記新しい経路は、前記治療計画によって定められた前記進行経路に比べて、前記定位置から前記エラー発生前に未訪問の次の空間ノードまでのより短い進行経路であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記新しい経路は、前記定位置から前記エラー発生前に未訪問の前記治療計画における次の空間ノードまでの最短進行経路であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ又はそれよりも多くの空間ノードを飛び越す前記段階は、前記治療計画によって定められた前記進行経路に比べて、前記定位置から前記エラー発生前に未訪問の次の空間ノードまでのより短い遮蔽されない経路をもたらすことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ又はそれよりも多くの空間ノードを飛び越す前記段階は、前記定位置から前記エラー発生前に未訪問の前記治療計画における次の空間ノードまでの最も短い遮蔽されない経路をもたらすことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記新しい進行経路におけるいかなる2つの連続空間ノード間の直通経路も、障害物のないものであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記放射線源が、前記新しい進行経路を辿り、前記定位置から前記エラー発生前に未訪問の次の空間ノードまで移動し、かつ該エラー発生前に未訪問の該次の空間ノードから継続して前記治療計画を完了する段階を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記治療計画における前記複数の空間ノードの中のいかなる2つの連続空間ノード間の前記放射線源のための直通進行経路も、障害物のないものであることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の空間ノードは、最低順番空間ノードから最高順番空間ノードまで順番に順序付けられていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記治療計画は、前記定位置から前記最低順番空間ノードまでで始まり、前記最高順番空間ノードの後に該定位置で終結することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
元の進行計画を継続して完了させる前記段階は、前記最低順番の未訪問空間ノードから前記最高順番の未訪問空間ノードまで前記エラー発生前に未訪問の前記次の空間ノードから始めて該エラー発生前の全ての未訪問空間ノードに訪問し、次に前記定位置に戻る段階を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記放射線源は、ロボットアームに連結されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項21】
前記ロボットアームは、5つ又はそれよりも多くの自由度を有することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ターゲットに放射線を投与するために治療計画に利用可能にされた放射線源の位置を各々が表す、該治療計画に使用される複数の空間ノードを準備する段階と、
前記複数の空間ノードの中から、前記治療計画に従って放射線が投与されないいくつかの未使用空間ノードを識別する段階と、
前記治療計画を実施する時に、前記放射線源によって前記未使用のノードの1つ又はそれよりも多くへの進行を飛び越す段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
前記治療計画に従っていかなる2つの連続空間ノード間にも障害物を含まない前記放射線源のための衝突のない進行経路を判断する段階を更に含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記未使用空間ノードの前記1つ又はそれよりも多くを飛び越すことにより、障害物を含まない前記放射線源のための衝突のない進行経路を判断する段階を更に含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記放射線源によって前記未使用のノードの1つ又はそれよりも多くへの進行を飛び越す前記段階の後に前記治療計画を前記実施する際に、いかなる2つの連続空間ノード間にも障害物を含まない前記衝突のない進行経路に沿って該放射線源を移動する段階を更に含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記衝突のない進行経路に従って前記放射線源を移動し、いくつかの選択された空間ノードで放射線治療を投与する段階を更に含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記放射線源のノードに対する衝突のない進行経路を判断する前記段階は、オフラインシミュレーションから生成されたルックアップテーブル又は参照データベースの少なくとも一方に基づいていることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記放射線源が、1つ又はそれよりも多くの未使用空間ノードを飛び越し、かつ該1つ又はそれよりも多くの未使用空間ノードを有する経路に比べて該1つ又はそれよりも多くの未使用空間ノードのない経路によって形成されるより短い経路を進行する治療計画に従って、該放射線源を移動する段階を更に含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記複数の空間ノードは、最低順番空間ノードから最高順番空間ノードまで順番に順序付けられていることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記治療計画は、前記定位置から前記最低順番空間ノードまでで始まり、前記最高順番空間ノードの後に該定位置で終結することを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記1つ又はそれよりも多くの未使用ノードは、該1つ又はそれよりも多くの未使用ノード以前の空間ノードとその後の空間ノードとの間の進行経路に障害物がない場合に飛び越されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項32】
前記放射線源は、5つ又はそれよりも多くの自由度を有するロボットアームに連結されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項33】
放射線を投与するために治療計画に利用可能にされた放射線源の位置を各々が表す、該治療計画に使用される複数の空間ノードを準備するための手段と、
前記複数の空間ノードの中からの前記治療計画に従って放射線が投与されないいくつかの未使用空間ノードへの進行を飛び越し、同時に障害物のない前記放射線源のための衝突のない進行経路を維持するための手段と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項34】
元の進行経路が、更に、前記複数の空間ノードを含み、
前記複数の空間ノードにおける空間ノードの各々は、障害物のない経路に沿って進行するように前記治療計画によって定められた順序で訪問される、
ことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記放射線源は、前記複数の空間ノードにおける1組の使用可能な空間ノードにおいて、あたかも前記放射線源が前記治療計画において該複数の空間ノードにおける空間ノードの各々で治療を投与するかのように、ターゲットに同等に有効な線量を処方する放射線治療を投与することを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記複数の空間ノードは、最低順番空間ノードから最高順番空間ノードまで順番に順序付けされることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項37】
前記衝突のない進行経路及び元の進行経路は、最低順番空間ノードから始まって最高順番空間ノードの後に終結する順序を辿ることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項38】
前記放射線源は、5つ又はそれよりも多くの自由度を有するロボットアームに連結されることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項39】
前記ロボットアームは、5つの回転自由度及び1つの実質的に垂直の線形自由度を含む6つの自由度を有することを特徴とする請求項38に記載の装置。
【請求項40】
放射線源が元の進行計画において2つの空間ノードを進行してエラーに遭遇した後に、該放射線源のための新しい衝突のない進行経路を識別するための手段と、
前記エラー発生前に訪問した1つ又はそれよりも多くの空間ノードへの進行を前記放射線源に飛び越させることにより、前記元の進行計画を完了する最短時間を達成するための手段と
を含むことを特徴とする装置。
【請求項41】
前記放射線源は、前記2つの空間ノード間で前記エラーに遭遇した後に定位置にリセットされることを特徴とする請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記放射線源は、前記元の進行計画に従って、前記エラー発生の前に以前に未訪問である所定の組の空間ノードで停止することにより、ターゲットに放射線治療を投与することを特徴とする請求項40に記載の装置。
【請求項43】
前記複数の空間ノードは、順番に形成されることを特徴とする請求項40に記載の装置。
【請求項44】
前記元の進行計画及び前記新しい衝突のない進行経路の両方は、前記順番によって定められた順序に従うことを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記新しい衝突のない進行経路は、前記放射線源が、定位置から進行し、前記エラー発生前に訪問した前記1つ又はそれよりも多くの空間ノードを飛び越し、該エラー発生前に前記順番上で最低の次の未訪問空間ノードまで進行して始まり、該定位置に戻る前に該順番上で最高の空間ノードで終結することを特徴とする請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記放射線源は、5つ又はそれよりも多くの自由度を有するロボットアームに連結されることを特徴とする請求項40に記載の装置。
【請求項47】
放射線源と、
前記放射線源が作業空間において占有することができる空間における位置を表す複数の空間ノードの各々と該複数の空間ノードの残りとの間の進行経路が、障害物を有するかを判断するように構成され、
前記放射線源が前記複数の空間ノードにおけるいくつかの使用済み空間ノードで治療を投与する進行経路を完了する時間を低減するために飛び越すことができる該複数の空間ノードにおける未使用空間ノードの1つ又はそれよりも多くを判断するように更に構成され、かつ
前記未使用空間ノードの前記1つ又はそれよりも多くを飛び越すことにより、前記放射線源のための新しい進行計画を判断するように更に構成されて、
前記放射線源に連結されたプロセッサと、
前記進行経路に関する情報、
飛び越すことができる未使用空間ノードの前記1つ又はそれよりも多く、及び
前記放射線源のための前記新しい進行計画、
を格納するように構成されて前記プロセッサに連結されたデータベースと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項48】
ターゲットに放射線を投与するために治療計画に利用可能にされた放射線源の位置を各々が表す、該治療計画における順序付けされたシーケンスの複数の空間ノードを準備する段階と、
前記治療計画による治療時間を短縮する時間最適シーケンスを見つけることにより、前記複数の空間ノードを再順序付けする段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項49】
前記放射線源は、前記複数の空間ノードを再順序付けする前記段階の前及び後で衝突のない進行経路を辿ることを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記複数の空間ノードを再順序付けする前記段階は、未使用空間ノードが識別されて飛び越された後に最適横断経路が判断された後で行われることを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記複数の空間ノードを再順序付けする前記段階は、2つの空間ノード間を進行する時にエラー発生に遭遇した後に最適横断経路が判断された後で行われることを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項52】
再順序付けが、識別された最適横断経路の逆の順序の横断をもたらすことを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項53】
放射線を投与するために治療計画に利用可能にされた放射線源の位置を各々が表す、該治療計画に使用される順序付けされたシーケンスの複数の空間ノードを準備するための手段と、
前記治療計画による治療時間を短縮する時間最適シーケンスを判断することにより、前記複数の空間ノードを再順序付けするための手段と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項54】
前記放射線源は、前記複数の空間ノードの前記再順序付けの前及び後で衝突のない進行経路を辿ることを特徴とする請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記複数の空間ノードの前記再順序付けは、未使用空間ノードが識別されて飛び越された後に最適横断経路が判断された後で行われることを特徴とする請求項53に記載の装置。
【請求項56】
前記複数の空間ノードの前記再順序付けは、2つの空間ノード間を進行する時にエラー発生に遭遇した後に最適横断経路が判断された後で行われることを特徴とする請求項53に記載の装置。
【請求項57】
再順序付けが、識別された最適横断経路の逆の順序の横断をもたらすことを特徴とする請求項53に記載の装置。
【請求項58】
機械によって実行された場合に、該機械をして、
治療計画における複数の空間ノードによって形成された進行経路に沿って2つの空間ノード間を進行中にエラーに遭遇した後で定位置に放射線源をリセットする段階、及び
前記エラー発生前に前記放射線源によって訪問された1つ又はそれよりも多くの空間ノードを飛び越すことにより、該放射線源のための新しい進行経路を識別する段階、
を含む作業を行わせることになる命令を供給する機械アクセス可能媒体。
【請求項59】
前記新しい経路は、前記治療計画によって定められた前記進行経路に比べて、前記定位置から前記エラー発生前に未訪問の次の空間ノードまでのより短い進行経路であることを特徴とする請求項58に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項60】
前記1つ又はそれよりも多くの空間ノードの前記飛び越しは、前記治療計画によって定められた前記進行経路に比べて、前記定位置から前記エラー発生前に未訪問の次の空間ノードまでのより短い遮蔽されない経路をもたらすことを特徴とする請求項58に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項61】
前記新しい進行経路におけるいかなる2つの連続空間ノード間の直通経路も、障害物のないものであることを特徴とする請求項58に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項62】
前記機械によって実行された場合に、該機械をして、
前記新しい進行経路を辿り、前記定位置から前記エラー発生前に未訪問の次の空間ノードまで移動し、かつ該エラー発生前に未訪問の該次の空間ノードから前記治療計画を継続して完了させるように前記放射線源に指令する段階、
を含む更に別の作業を行わせることになる命令を更に供給することを特徴とする請求項58に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項63】
前記複数の空間ノードは、最低順番空間ノードから最高順番空間ノードまで順番に順序付けされることを特徴とする請求項62に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項64】
前記治療計画における前記複数の空間ノードの中のいかなる2つの連続空間ノード間の前記放射線源のための直通進行経路も、障害物のないものであることを特徴とする請求項62に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項65】
元の進行計画を前記継続して完了させることは、前記エラー発生前に未訪問の前記次の空間ノードから始めて、最低順番の未訪問空間ノードから最高順番の未訪問空間ノードまで、該エラー発生前に未訪問の全ての空間ノードを訪問し、次に、前記定位置に戻ることを更に含むことを特徴とする請求項62に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項66】
前記放射線源は、ロボットアームに連結されることを特徴とする請求項58に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項67】
機械によって実行された場合に、該機械をして、
ターゲットに放射線を投与するために治療計画に利用可能にされた放射線源の位置を各々が表す、該治療計画に使用される複数の空間ノードを準備する段階、
前記複数の空間ノードの中から、前記治療計画に従って放射線が投与されないいくつかの未使用空間ノードを識別する段階、及び
前記治療計画を実施する時に、前記放射線源によって前記未使用のノードの1つ又はそれよりも多くへの進行を飛び越す段階、
を含む作業を行わせることになる命令を供給する機械アクセス可能媒体。
【請求項68】
前記機械によって実行された場合に、該機械をして、
前記治療計画に従って、いかなる2つの連続空間ノード間にも障害物を含まない前記放射線源のための衝突のない進行経路を判断する段階、
を含む更に別の作業を行わせることになる命令を更に供給することを特徴とする請求項67に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項69】
前記機械によって実行された場合に、該機械をして、
前記未使用空間ノードの前記1つ又はそれよりも多くを飛び越すことにより、障害物を含まない前記放射線源のための衝突のない進行経路を判断する段階、
を含む更に別の作業を行わせることになる命令を更に供給することを特徴とする請求項67に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項70】
前記放射線源のノードに対して衝突のない進行経路を判断する前記段階は、オフラインシミュレーションから生成されたルックアップテーブル又は参照データベースの少なくとも一方に基づいていることを特徴とする請求項69に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項71】
前記機械によって実行された場合に、該機械をして、
前記衝突のない進行経路に従って前記放射線源を移動し、いくつかの選択された空間ノードで放射線治療を投与する段階、
を含む更に別の作業を行わせることになる命令を更に供給することを特徴とする請求項69に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項72】
前記複数の空間ノードは、最低順番空間ノードから最高順番空間ノードまで順番に順序付けされることを特徴とする請求項67に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項73】
前記1つ又はそれよりも多くの未使用ノードは、該1つ又はそれよりも多くの未使用ノード以前の空間ノードとその後の空間ノードとの間の進行経路に障害物がない場合には飛び越されることを特徴とする請求項67に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項74】
前記放射線源は、5つ又はそれよりも多くの自由度を有するロボットアームに連結されることを特徴とする請求項67に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項75】
機械によって実行された場合に、該機械をして、
ターゲットに放射線を投与するために治療計画に利用可能にされた放射線源の位置を各々が表す、該治療計画における順序付けされたシーケンスの複数の空間ノードを準備する段階、及び
前記治療計画による治療時間を短縮する時間最適シーケンスを見つけることにより、前記複数の空間ノードを再順序付けする段階、
を含む作業を行わせることになる命令を供給する機械アクセス可能媒体。
【請求項76】
前記放射線源は、前記複数の空間ノードを再順序付けする前記段階の前及び後で衝突のない進行経路を辿ることを特徴とする請求項75に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項77】
前記複数の空間ノードを再順序付けする前記段階は、未使用空間ノードが識別されて飛び越された後に最適横断経路が判断された後で行われることを特徴とする請求項75に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項78】
前記複数の空間ノードを再順序付けする前記段階は、2つの空間ノード間を進行する時にエラー発生に遭遇した後に最適横断経路が判断された後で行われることを特徴とする請求項75に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項79】
再順序付けが、識別された最適横断経路の逆の順序の横断をもたらすことを特徴とする請求項75に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項1】
各々が作業空間内の放射線源の位置を表す複数の空間ノードにおける空間ノードに対して、該複数の空間ノードにおける該空間ノードと他のノードの間の直通経路を判断する段階と、
障害物との衝突のない別の空間ノードへの直通経路における前記放射線源の進行に各ノードが関連した衝突のない空間ノードを、前記複数の空間ノードの中から識別する段階と、
前記衝突のない空間ノードと障害物がなくて衝突のない直通経路とを利用して衝突のない進行経路を構成する段階と、
を含み、
衝突のない空間ノードから次の衝突のない空間ノードへの進行には、いかなる障害物もない、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記空間ノードは、順番に配置されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記衝突のない進行経路は、前記放射線源が、定位置から最低順番の空間ノードまで移動し、前記衝突のない空間ノードの全てを通して進行し、かつ該衝突のない空間ノードの各々を一度横断しながら最高順番の空間ノードの後に該定位置で終結するように配置されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記衝突のない空間ノードと前記直通経路の全てとに関連する情報が、オフラインで模擬されて参照のために格納されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記情報は、データベース又はルックアップテーブルの少なくとも一方に格納されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記情報は、ほぼ治療計画立案の時点からほぼ治療計画の実行の時点までいつでもアクセスすることができることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記放射線源は、ロボットアームに連結されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ロボットアームは、5つ又はそれよりも多くの自由度を有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
治療計画において複数の空間ノードによって定められた進行経路に沿って2つの空間ノード間を進行中にエラーに遭遇した後で定位置に放射線源をリセットする段階と、
前記エラー発生前に前記放射線源により訪問された1つ又はそれよりも多くの空間ノードを飛び越すことにより、該放射線源のための新しい進行経路を識別する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記新しい経路は、前記治療計画によって定められた前記進行経路に比べて、前記定位置から前記エラー発生前に未訪問の次の空間ノードまでのより短い進行経路であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記新しい経路は、前記定位置から前記エラー発生前に未訪問の前記治療計画における次の空間ノードまでの最短進行経路であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ又はそれよりも多くの空間ノードを飛び越す前記段階は、前記治療計画によって定められた前記進行経路に比べて、前記定位置から前記エラー発生前に未訪問の次の空間ノードまでのより短い遮蔽されない経路をもたらすことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ又はそれよりも多くの空間ノードを飛び越す前記段階は、前記定位置から前記エラー発生前に未訪問の前記治療計画における次の空間ノードまでの最も短い遮蔽されない経路をもたらすことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記新しい進行経路におけるいかなる2つの連続空間ノード間の直通経路も、障害物のないものであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記放射線源が、前記新しい進行経路を辿り、前記定位置から前記エラー発生前に未訪問の次の空間ノードまで移動し、かつ該エラー発生前に未訪問の該次の空間ノードから継続して前記治療計画を完了する段階を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記治療計画における前記複数の空間ノードの中のいかなる2つの連続空間ノード間の前記放射線源のための直通進行経路も、障害物のないものであることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の空間ノードは、最低順番空間ノードから最高順番空間ノードまで順番に順序付けられていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記治療計画は、前記定位置から前記最低順番空間ノードまでで始まり、前記最高順番空間ノードの後に該定位置で終結することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
元の進行計画を継続して完了させる前記段階は、前記最低順番の未訪問空間ノードから前記最高順番の未訪問空間ノードまで前記エラー発生前に未訪問の前記次の空間ノードから始めて該エラー発生前の全ての未訪問空間ノードに訪問し、次に前記定位置に戻る段階を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記放射線源は、ロボットアームに連結されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項21】
前記ロボットアームは、5つ又はそれよりも多くの自由度を有することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ターゲットに放射線を投与するために治療計画に利用可能にされた放射線源の位置を各々が表す、該治療計画に使用される複数の空間ノードを準備する段階と、
前記複数の空間ノードの中から、前記治療計画に従って放射線が投与されないいくつかの未使用空間ノードを識別する段階と、
前記治療計画を実施する時に、前記放射線源によって前記未使用のノードの1つ又はそれよりも多くへの進行を飛び越す段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
前記治療計画に従っていかなる2つの連続空間ノード間にも障害物を含まない前記放射線源のための衝突のない進行経路を判断する段階を更に含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記未使用空間ノードの前記1つ又はそれよりも多くを飛び越すことにより、障害物を含まない前記放射線源のための衝突のない進行経路を判断する段階を更に含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記放射線源によって前記未使用のノードの1つ又はそれよりも多くへの進行を飛び越す前記段階の後に前記治療計画を前記実施する際に、いかなる2つの連続空間ノード間にも障害物を含まない前記衝突のない進行経路に沿って該放射線源を移動する段階を更に含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記衝突のない進行経路に従って前記放射線源を移動し、いくつかの選択された空間ノードで放射線治療を投与する段階を更に含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記放射線源のノードに対する衝突のない進行経路を判断する前記段階は、オフラインシミュレーションから生成されたルックアップテーブル又は参照データベースの少なくとも一方に基づいていることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記放射線源が、1つ又はそれよりも多くの未使用空間ノードを飛び越し、かつ該1つ又はそれよりも多くの未使用空間ノードを有する経路に比べて該1つ又はそれよりも多くの未使用空間ノードのない経路によって形成されるより短い経路を進行する治療計画に従って、該放射線源を移動する段階を更に含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記複数の空間ノードは、最低順番空間ノードから最高順番空間ノードまで順番に順序付けられていることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記治療計画は、前記定位置から前記最低順番空間ノードまでで始まり、前記最高順番空間ノードの後に該定位置で終結することを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記1つ又はそれよりも多くの未使用ノードは、該1つ又はそれよりも多くの未使用ノード以前の空間ノードとその後の空間ノードとの間の進行経路に障害物がない場合に飛び越されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項32】
前記放射線源は、5つ又はそれよりも多くの自由度を有するロボットアームに連結されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項33】
放射線を投与するために治療計画に利用可能にされた放射線源の位置を各々が表す、該治療計画に使用される複数の空間ノードを準備するための手段と、
前記複数の空間ノードの中からの前記治療計画に従って放射線が投与されないいくつかの未使用空間ノードへの進行を飛び越し、同時に障害物のない前記放射線源のための衝突のない進行経路を維持するための手段と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項34】
元の進行経路が、更に、前記複数の空間ノードを含み、
前記複数の空間ノードにおける空間ノードの各々は、障害物のない経路に沿って進行するように前記治療計画によって定められた順序で訪問される、
ことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記放射線源は、前記複数の空間ノードにおける1組の使用可能な空間ノードにおいて、あたかも前記放射線源が前記治療計画において該複数の空間ノードにおける空間ノードの各々で治療を投与するかのように、ターゲットに同等に有効な線量を処方する放射線治療を投与することを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記複数の空間ノードは、最低順番空間ノードから最高順番空間ノードまで順番に順序付けされることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項37】
前記衝突のない進行経路及び元の進行経路は、最低順番空間ノードから始まって最高順番空間ノードの後に終結する順序を辿ることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項38】
前記放射線源は、5つ又はそれよりも多くの自由度を有するロボットアームに連結されることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項39】
前記ロボットアームは、5つの回転自由度及び1つの実質的に垂直の線形自由度を含む6つの自由度を有することを特徴とする請求項38に記載の装置。
【請求項40】
放射線源が元の進行計画において2つの空間ノードを進行してエラーに遭遇した後に、該放射線源のための新しい衝突のない進行経路を識別するための手段と、
前記エラー発生前に訪問した1つ又はそれよりも多くの空間ノードへの進行を前記放射線源に飛び越させることにより、前記元の進行計画を完了する最短時間を達成するための手段と
を含むことを特徴とする装置。
【請求項41】
前記放射線源は、前記2つの空間ノード間で前記エラーに遭遇した後に定位置にリセットされることを特徴とする請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記放射線源は、前記元の進行計画に従って、前記エラー発生の前に以前に未訪問である所定の組の空間ノードで停止することにより、ターゲットに放射線治療を投与することを特徴とする請求項40に記載の装置。
【請求項43】
前記複数の空間ノードは、順番に形成されることを特徴とする請求項40に記載の装置。
【請求項44】
前記元の進行計画及び前記新しい衝突のない進行経路の両方は、前記順番によって定められた順序に従うことを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記新しい衝突のない進行経路は、前記放射線源が、定位置から進行し、前記エラー発生前に訪問した前記1つ又はそれよりも多くの空間ノードを飛び越し、該エラー発生前に前記順番上で最低の次の未訪問空間ノードまで進行して始まり、該定位置に戻る前に該順番上で最高の空間ノードで終結することを特徴とする請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記放射線源は、5つ又はそれよりも多くの自由度を有するロボットアームに連結されることを特徴とする請求項40に記載の装置。
【請求項47】
放射線源と、
前記放射線源が作業空間において占有することができる空間における位置を表す複数の空間ノードの各々と該複数の空間ノードの残りとの間の進行経路が、障害物を有するかを判断するように構成され、
前記放射線源が前記複数の空間ノードにおけるいくつかの使用済み空間ノードで治療を投与する進行経路を完了する時間を低減するために飛び越すことができる該複数の空間ノードにおける未使用空間ノードの1つ又はそれよりも多くを判断するように更に構成され、かつ
前記未使用空間ノードの前記1つ又はそれよりも多くを飛び越すことにより、前記放射線源のための新しい進行計画を判断するように更に構成されて、
前記放射線源に連結されたプロセッサと、
前記進行経路に関する情報、
飛び越すことができる未使用空間ノードの前記1つ又はそれよりも多く、及び
前記放射線源のための前記新しい進行計画、
を格納するように構成されて前記プロセッサに連結されたデータベースと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項48】
ターゲットに放射線を投与するために治療計画に利用可能にされた放射線源の位置を各々が表す、該治療計画における順序付けされたシーケンスの複数の空間ノードを準備する段階と、
前記治療計画による治療時間を短縮する時間最適シーケンスを見つけることにより、前記複数の空間ノードを再順序付けする段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項49】
前記放射線源は、前記複数の空間ノードを再順序付けする前記段階の前及び後で衝突のない進行経路を辿ることを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記複数の空間ノードを再順序付けする前記段階は、未使用空間ノードが識別されて飛び越された後に最適横断経路が判断された後で行われることを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記複数の空間ノードを再順序付けする前記段階は、2つの空間ノード間を進行する時にエラー発生に遭遇した後に最適横断経路が判断された後で行われることを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項52】
再順序付けが、識別された最適横断経路の逆の順序の横断をもたらすことを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項53】
放射線を投与するために治療計画に利用可能にされた放射線源の位置を各々が表す、該治療計画に使用される順序付けされたシーケンスの複数の空間ノードを準備するための手段と、
前記治療計画による治療時間を短縮する時間最適シーケンスを判断することにより、前記複数の空間ノードを再順序付けするための手段と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項54】
前記放射線源は、前記複数の空間ノードの前記再順序付けの前及び後で衝突のない進行経路を辿ることを特徴とする請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記複数の空間ノードの前記再順序付けは、未使用空間ノードが識別されて飛び越された後に最適横断経路が判断された後で行われることを特徴とする請求項53に記載の装置。
【請求項56】
前記複数の空間ノードの前記再順序付けは、2つの空間ノード間を進行する時にエラー発生に遭遇した後に最適横断経路が判断された後で行われることを特徴とする請求項53に記載の装置。
【請求項57】
再順序付けが、識別された最適横断経路の逆の順序の横断をもたらすことを特徴とする請求項53に記載の装置。
【請求項58】
機械によって実行された場合に、該機械をして、
治療計画における複数の空間ノードによって形成された進行経路に沿って2つの空間ノード間を進行中にエラーに遭遇した後で定位置に放射線源をリセットする段階、及び
前記エラー発生前に前記放射線源によって訪問された1つ又はそれよりも多くの空間ノードを飛び越すことにより、該放射線源のための新しい進行経路を識別する段階、
を含む作業を行わせることになる命令を供給する機械アクセス可能媒体。
【請求項59】
前記新しい経路は、前記治療計画によって定められた前記進行経路に比べて、前記定位置から前記エラー発生前に未訪問の次の空間ノードまでのより短い進行経路であることを特徴とする請求項58に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項60】
前記1つ又はそれよりも多くの空間ノードの前記飛び越しは、前記治療計画によって定められた前記進行経路に比べて、前記定位置から前記エラー発生前に未訪問の次の空間ノードまでのより短い遮蔽されない経路をもたらすことを特徴とする請求項58に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項61】
前記新しい進行経路におけるいかなる2つの連続空間ノード間の直通経路も、障害物のないものであることを特徴とする請求項58に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項62】
前記機械によって実行された場合に、該機械をして、
前記新しい進行経路を辿り、前記定位置から前記エラー発生前に未訪問の次の空間ノードまで移動し、かつ該エラー発生前に未訪問の該次の空間ノードから前記治療計画を継続して完了させるように前記放射線源に指令する段階、
を含む更に別の作業を行わせることになる命令を更に供給することを特徴とする請求項58に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項63】
前記複数の空間ノードは、最低順番空間ノードから最高順番空間ノードまで順番に順序付けされることを特徴とする請求項62に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項64】
前記治療計画における前記複数の空間ノードの中のいかなる2つの連続空間ノード間の前記放射線源のための直通進行経路も、障害物のないものであることを特徴とする請求項62に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項65】
元の進行計画を前記継続して完了させることは、前記エラー発生前に未訪問の前記次の空間ノードから始めて、最低順番の未訪問空間ノードから最高順番の未訪問空間ノードまで、該エラー発生前に未訪問の全ての空間ノードを訪問し、次に、前記定位置に戻ることを更に含むことを特徴とする請求項62に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項66】
前記放射線源は、ロボットアームに連結されることを特徴とする請求項58に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項67】
機械によって実行された場合に、該機械をして、
ターゲットに放射線を投与するために治療計画に利用可能にされた放射線源の位置を各々が表す、該治療計画に使用される複数の空間ノードを準備する段階、
前記複数の空間ノードの中から、前記治療計画に従って放射線が投与されないいくつかの未使用空間ノードを識別する段階、及び
前記治療計画を実施する時に、前記放射線源によって前記未使用のノードの1つ又はそれよりも多くへの進行を飛び越す段階、
を含む作業を行わせることになる命令を供給する機械アクセス可能媒体。
【請求項68】
前記機械によって実行された場合に、該機械をして、
前記治療計画に従って、いかなる2つの連続空間ノード間にも障害物を含まない前記放射線源のための衝突のない進行経路を判断する段階、
を含む更に別の作業を行わせることになる命令を更に供給することを特徴とする請求項67に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項69】
前記機械によって実行された場合に、該機械をして、
前記未使用空間ノードの前記1つ又はそれよりも多くを飛び越すことにより、障害物を含まない前記放射線源のための衝突のない進行経路を判断する段階、
を含む更に別の作業を行わせることになる命令を更に供給することを特徴とする請求項67に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項70】
前記放射線源のノードに対して衝突のない進行経路を判断する前記段階は、オフラインシミュレーションから生成されたルックアップテーブル又は参照データベースの少なくとも一方に基づいていることを特徴とする請求項69に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項71】
前記機械によって実行された場合に、該機械をして、
前記衝突のない進行経路に従って前記放射線源を移動し、いくつかの選択された空間ノードで放射線治療を投与する段階、
を含む更に別の作業を行わせることになる命令を更に供給することを特徴とする請求項69に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項72】
前記複数の空間ノードは、最低順番空間ノードから最高順番空間ノードまで順番に順序付けされることを特徴とする請求項67に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項73】
前記1つ又はそれよりも多くの未使用ノードは、該1つ又はそれよりも多くの未使用ノード以前の空間ノードとその後の空間ノードとの間の進行経路に障害物がない場合には飛び越されることを特徴とする請求項67に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項74】
前記放射線源は、5つ又はそれよりも多くの自由度を有するロボットアームに連結されることを特徴とする請求項67に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項75】
機械によって実行された場合に、該機械をして、
ターゲットに放射線を投与するために治療計画に利用可能にされた放射線源の位置を各々が表す、該治療計画における順序付けされたシーケンスの複数の空間ノードを準備する段階、及び
前記治療計画による治療時間を短縮する時間最適シーケンスを見つけることにより、前記複数の空間ノードを再順序付けする段階、
を含む作業を行わせることになる命令を供給する機械アクセス可能媒体。
【請求項76】
前記放射線源は、前記複数の空間ノードを再順序付けする前記段階の前及び後で衝突のない進行経路を辿ることを特徴とする請求項75に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項77】
前記複数の空間ノードを再順序付けする前記段階は、未使用空間ノードが識別されて飛び越された後に最適横断経路が判断された後で行われることを特徴とする請求項75に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項78】
前記複数の空間ノードを再順序付けする前記段階は、2つの空間ノード間を進行する時にエラー発生に遭遇した後に最適横断経路が判断された後で行われることを特徴とする請求項75に記載の機械アクセス可能媒体。
【請求項79】
再順序付けが、識別された最適横断経路の逆の順序の横断をもたらすことを特徴とする請求項75に記載の機械アクセス可能媒体。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2010−523201(P2010−523201A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502090(P2010−502090)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/003896
【国際公開番号】WO2008/121276
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
2.Linux
3.フロッピー
【出願人】(505172824)アキュレイ インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/003896
【国際公開番号】WO2008/121276
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
2.Linux
3.フロッピー
【出願人】(505172824)アキュレイ インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】
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