説明

放送信号の記録及び再生装置とその制御方法

【課題】受信放送信号を恒常記録媒体に記録し、必要に応じて所望の所定区間を再生し、迅速に視聴できる放送信号記録方法の実現。
【解決手段】入力される放送信号Vinを画面に再生するとともにメモリ16,17上に圧縮して保存する段階と、使用者による第1所定キーの入力時、第1所定キーの入力時点以前の既設定された所定時間の間に入力される放送信号をメモリ16,17上に圧縮して保存する段階と、使用者による第2所定キーの入力時、第1所定キーの入力時点以前に、既設定された所定時間の間にメモリ上に圧縮して保存された放送信号を伸長して変速再生する段階と、を含む放送信号記録及び再生方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送信号を記録、再生する装置とその制御方法に係るもので、詳しくは、受信される放送信号の映像及び音声を視聴し得ると共に、所定区間の放送信号を恒常記録媒体に記録させ、必要に応じ、使用者所望の過ぎ去った区間の放送を再生し視聴し得る放送信号の記録及び再生装置とその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、任意の放送プログラムを再生し視聴する場合は、ビデオテープレコーダーのような記録再生媒体が必要となり、使用者は予めレコーディング機能を設定しなければならない。且つ、一般の記録再生媒体において、プログラムの全体でない任意の一部区間のみを再生しようとする場合も、使用者はその区間を予測してレコーディング機能を予め設定しなければならない。例えば、野球競技を視聴する場合において、使用者はホームランのようなハイライト場面が起る時点を予測し、予めレコーディング機能を行うことができないので、いくつかのハイライト場面のため野球競技全体をビデオテープレコーダーに記録しなければならないという不都合な点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、受信される放送信号の映像及び音声を視聴し得ると共に、所定区間の放送信号を恒常記録媒体に記録し、必要に応じて使用者所望の過ぎ去った放送区間を劣化なく再生し、定速又は区分動作若しくは停止画面にて迅速に視聴し得るようにした放送信号の記録及び再生装置とその制御方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そして、このような本発明の目的は、キー入力部と、該キー入力部の出力信号によりメモリに記録された放送信号を定速又は区分動作若しくは停止画面に再生するため後述するタイミング発生部及び選択部を制御するマイクロコンピューターと、該マイクロコンピューターの制御により定速又は区分動作若しくは停止画面の再生のため後述する映像信号処理部及び音声信号処理部を各々制御するタイミング発生部と、入力する放送信号Vinを映像信号Vv及び音声信号Vaに分離する映像/音声信号分離部と、該分離された映像信号Vvを前記タイミング発生部の制御により記録し、該記録された映像信号をリードして出力する映像信号処理部と、前記分離された音声信号Vaをタイミング発生部の制御により記録し、該記録された音声信号をリードして出力する音声信号処理部と、それら映像信号処理部及び音声信号処理部の出力信号Vv’,Va’と前述の過程を経ずに直接入力する映像信号Vinとを前記マイクロコンピューターの制御により選択して出力する選択部と、を備えた放送信号の記録及び再生装置を構成することにより達成される。
【0005】
又、本発明の目的は、入力放送信号を分離し映像/音声信号メモリに記録する第1段階と、キー入力部のヒストリーモードキーのオン/オフ状態を判別して該ヒストリーモードキーがオンであると映像/音声信号メモリに記録された所定区間の定速映像/音声信号をリードして出力する第2段階と、該ヒストリーモードキーがオフであるとキー入力部のレビューキーのオン/オフ状態を判別し、レビューキーがオフであると動作を終える第3段階と、レビューキーがオンであると映像/音声信号の記録を停止させジョグキーのオン/オフを判別し、該ジョグキーがオフであるとメモリに記録された所定停止画面のデータを読んで出力する第4段階と、前記ジョグキーがオンであると該ジョグキーの入力により映像信号メモリに記録されたデータをリードし得るようにタイミング発生部からリードタイミング信号を発生する第5段階と、該ジョグキーの入力方向を判別して時計方向であるとき、アドレスを増加しながら映像メモリの記録信号をリードして区分動作画面を正方向に出力し、ジョグキーの入力方向が反時計方向であるとき、アドレスを減少させながら映像メモリの記録信号をリードして区分動作画面を逆方向に出力する第6段階と、を順次行うように放送信号の記録及び再生装置を制御することにより達成される。
【0006】
入力される放送信号の所定区間が恒常映像信号メモリ及び音声信号メモリに記録され、視聴者の選択した機能キーがキー入力部に印加すると、マイクロコンピューターの制御により前記メモリに記録された放送信号が視聴者所望の定速又は区分動作若しくは停止画面に再生される。
【発明の効果】
【0007】
以上、説明したように、本発明に係る放送信号の記録及び再生装置とその制御方法においては、入力放送信号を映像及び音声信号に分離する映像/音声信号分離部と、それら分離された映像及び音声信号を各々リードして出力する映像信号及び音声信号処理部と、それら各部を選択又は制御する選択部及びタイミング発生部と、それら各部を制御するマイクロコンピューターと、を備えた放送信号の記録及び再生装置とその制御方法が提供されているため、受信放送信号の映像及び音声を視聴して所定区間の放送信号を恒常記録媒体に記録し、視聴者所望の過去の放送区間を定速又は区間動作若しくは停止画面にて再生して視聴し得るという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施例を図面に沿って詳細に説明する。図1に示したように、本発明に係る放送信号の記録及び再生装置においては、入力する放送信号Vinを映像信号Vv及び音声信号Vaに分離する映像/音声信号分離部11と、該映像/音声分離部11で分離された映像信号Vvを後述するタイミング発生部23の制御により圧縮して記録し、該記録された映像信号をリードして後述する選択部20に出力する映像信号処理部100と、前記映像/音声信号分離部11で分離された音声信号Vaをタイミング発生部23の制御により圧縮して記録し、該記録された音声信号をリードして選択部20に出力する音声信号処理部200と、直接入力する放送信号Vinと前記の圧縮及び復元過程を経て入力する映像/音声信号Vv’,Va’とをマイクロコンピューター22の制御により選択して出力する選択部20と、使用者の選択した機能キーが入力されるキー入力部21と、該キー入力部21から入力する信号によりタイミング発生部23、選択部20及び記録部24を各々制御するマイクロコンピューター22と、該マイクロコンピューター22の制御により映像信号事前処理部12、音声信号事前処理部13、映像信号メモリ16及び音声信号メモリ17を各々制御するタイミング発生部23と、前記選択部20の出力信号をマイクロコンピューター22の制御により半永久記録媒体に記録する記録部24と、を備えている。
【0009】
又、前記映像信号処理部100においては、前記映像/音声信号分離部11で分離された映像信号Vvが圧縮されるように信号のフォーマットを変換させる映像信号事前処理部12と、該映像信号事前処理部12の出力信号を圧縮する映像信号圧縮部14と、該映像信号圧縮部14の出力信号を前記タイミング発生部23の制御により記録し出力する映像信号メモリ16と、該映像信号メモリ16の出力信号を本来の映像信号に伸張、復元する映像信号復元部18と、を備えている。
【0010】
更に、前記音声信号処理部200においては、前記映像/音声信号処理部11で分離された音声信号Vaが圧縮されるようにフォーマットを変換させる音声信号事前処理部13と、該音声信号事前処理部13の出力信号を圧縮する音声信号圧縮部15と、該音声信号圧縮部15の出力信号をタイミング発生部23の制御により記録し出力する音声信号メモリ17と、該音声信号メモリ17の出力信号を本来の音声信号に伸張、復元する音声信号復元部19と、を備えている。
【0011】
このように構成された本発明に係る放送信号の記録及び再生装置の制御方法と作用を説明すると次のようである。図1及び図2に示したように、テレビジョン又はビデオテープレコーダーに装着された本発明の放送信号記録及び再生装置に放送信号Vinが入力されると、該放送信号Vinは選択部20を通ってモニター及びスピーカーに各々出力され、同時に映像/音声信号分離部11に印加される。次いで、該映像/音声信号分離部11で映像信号Vv及び音声信号Vaに分離され、映像信号事前処理部12及び音声信号事前処理部13に各々入力される。その後、該映像信号事前処理部12で映像信号Vvはタイミング発生部23の制御によりフォーマットが圧縮し得るように変換されて圧縮部14に出力され、音声信号Vaは音声信号事前処理部でタイミング発生部23の制御により圧縮し得るようにフォーマットが変換された後、音声信号圧縮部15に出力される。次いで、該圧縮部14で圧縮された映像信号Vvは映像信号メモリ部16に印加して貯蔵され、音声信号圧縮部15で圧縮された音声信号Vaは音声信号メモリ17に印加して貯蔵される。
【0012】
従って、入力される放送信号Vinは選択部20を経てモニター及びスピーカーに印加され、映像及び音声信号に出力されると同時に、映像信号Vv及び音声信号Vaに分離され、圧縮された後、映像信号メモリ16と音声信号メモリ17とに各々貯蔵される。ここで、視聴者所望の再生ハイライト場面が表れ、該視聴者がキー入力部21のヒストリーモードキーを選択すると、マイクロコンピューター22によりタイミング発生部23及び選択部20が制御され、映像信号事前処理部12及び音声信号事前処理部13が各々制御されて放送信号の入力が遮断され、映像信号メモリ16及び音声信号メモリ17も各々制御されて前記ヒストリキーの選択された時点を基準に所定時間以前から記録された放送信号がリードされ出力される。この場合、前記タイミング発生部23は、マイクロコンピューター22の制御によりキー入力部21のヒストリーモードの選択された時点から所定時間経過された時点までの映像及び音声信号を、映像信号メモリ16と音声信号メモリ17とに各々記録させた後、記録動作を完了するように、前記映像信号事前処理部12と音声信号事前処理部13とを各々制御する。従って、視聴者が視聴中にあるハイライト場面を見てヒストリーモードキーを選択した時点が余り早かったために該ハイライトの全場面が見られなくなる不都合な点が補償される。次いで、それら映像信号メモリ16及び音声信号メモリ17で各々リードされた出力信号は映像信号復元部18及び音声信号復元部19に各々印加して伸張、復元され、それら伸張、復元された映像信号Vv’及び音声信号Va’はマイクロコンピューター22の制御により選択部20に印加され、前記ヒストリキーの選択された時点を基準に所定区間の放送が定速に再生される。
【0013】
一方、視聴中、停止画面又は区分動作にて見たい画面が表れた場合、視聴者がキー入力部21のレビューキーを選択すると、マイクロコンピューター22によりタイミング発生部23及び選択部20が制御され、映像信号事前処理部12が制御されて前記レビューキーの選択された時点の前後、所定区間の映像信号が映像信号メモリ16に順次記録され、記録動作が完了される。次いで、前記マイクロコンピューター22は前記キー入力部21からジョグキーの入力があるかをチェックし、ジョグキーのオン信号が検出されないと、マイクロコンピューター22はタイミング発生部23を制御し、該タイミング発生部23は映像信号メモリ16を制御して前記レビューキーの認知された時点の映像信号メモリ16のアドレスに記録された映像信号をリードさせ、映像信号復元部18に出力させる。次いで、映像信号復元部18で元来の映像信号に伸張、復元された出力信号Vv’が選択部20に印加され、該選択部20から停止画面がモニターに出力される。
【0014】
且つ、マイクロコンピューター22がジョグキーのオン信号を認知すると、該マイクロコンピューター22はタイミング発生部23を制御し、リードタイミング信号を発生して映像信号メモリ16に出力させる。これは、映像信号メモリ16に記録された信号がリードされ出力速度が正常速度(30フレーム/秒)でないジョグキー操作に従う任意の速度になるので、本来の映像信号の垂直、水平同期信号(Vsync,Hsync)に適合したリードタイミング信号を印加させ、画質の劣化を防止するためである。次いで、マイクロコンピューター22は、入力するジョグキーの方向をチェックし、該ジョグキーの方向が時計方向であると、そのマイクロコンピューター22はタイミング発生部23を制御し、アドレスを増加させながら映像信号メモリ16に記録された信号をリードさせ、出力させて区分動作を正方向に表示させる。若し、入力するジョグキーの方向が反時計方向であると、マイクロコンピューター22はタイミング発生部23を制御してアドレスを減少させ、映像信号メモリ16に記録された信号をリードして出力させ、区分動作を逆方向に表示させる。このように映像信号メモリ16からリードされ出力する映像信号は、映像信号復元部18で本来の映像信号に伸張、復元され、選択部20を通ってモニターに出力される。又、前記キー入力部21に記録キーの入力があると、マイクロコンピューター22は選択部20及び記録部24を制御し、選択部20の出力放送信号が記録部24で磁気テープのような半永久的の記録媒体に記録されるようにする。しかし、キー入力部21に記録キーの入力がないときは、マイクロコンピューターは前述したモード動作を継続して行う。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る放送信号の記録及び再生装置を示したブロック図である。
【図2】本発明に係る放送信号記録及び再生装置の作用を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0016】
100 映像信号処理部
200 音声信号処理部
11 映像/音声信号分離部
12 映像信号事前処理部
13 音声信号事前処理部
14 映像信号圧縮部
15 音声信号圧縮部
16 映像信号メモリ
17 音声信号メモリ
18 映像信号復元部
19 音声信号復元部
20 選択部
21 キー入力部
22 マイクロコンピューター
23 タイミング発生部
24 記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号を記録及び再生する方法において、
入力される放送信号を画面に再生するとともにメモリ上に圧縮して保存する段階と、
使用者による第1所定キーの入力時、前記第1所定キーの入力時点以前の既設定された所定時間の間に入力される放送信号を前記メモリ上に圧縮して保存する段階と、
使用者による第2所定キーの入力時、前記第1所定キーの入力時点以前に、既設定された所定時間の間に前記メモリ上に圧縮して保存された放送信号を伸長して変速再生する段階と、
を含むことを特徴とする放送信号記録及び再生方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−211700(P2006−211700A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−55348(P2006−55348)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【分割の表示】特願2004−257584(P2004−257584)の分割
【原出願日】平成6年6月28日(1994.6.28)
【出願人】(590001669)エルジー電子株式会社 (296)
【Fターム(参考)】