説明

放送受信装置および放送受信方法

【課題】多チャンネルで放送される番組に係る情報の記憶を適応的に制御すること。
【解決手段】チャンネル情報管理部203は、チャンネル情報と関連付けられたチャンネルごとの優先順位を管理する。番組関連情報取得部201は、放送波処理部20から入力されたTS信号に含まれる番組関連情報を抽出して取得し、取得した番組関連情報を番組関連情報管理部202へ出力する。番組関連情報管理部202は、チャンネルごとの優先順位に基づいて、入力された番組関連情報を記憶すべきか否かを判定し、判定結果に応じて記憶すべき番組関連情報を記憶部61に記憶させて管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、複数のチャンネル分の放送番組に関連する情報を受信する放送受信装置及び放送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル放送の普及に伴う多チャンネル化が著しい。
地上波だけでなく衛星放送、CATV等の有線放送、さらにはインターネットを介して提供される通信放送までも含めると、チャンネル数は相当な数になることが容易に想定できる。
【0003】
そこで、多チャンネルの放送で取得される情報を効率的に管理することが期待されている。
例えば特許文献1では、多チャンネル放送に対して、機器の利用者が選択したチャンネルや番組を残し、非選択としたチャンネルや番組を除いたEPGの表示手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−179716号公報 (図4 段落0029)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし特許文献1では、メモリに格納された番組情報と個別EPG画面のためのユーザ設定情報とに基づいて、個別EPG画面が生成されていた。また、個別EPG画面の生成に必要な情報だけを取得すること又はメモリに格納することが開示されている。
【0006】
この特許文献1の手法では、限られた容量内に、取得したいチャンネル分の番組情報が全て格納されない可能性があった。また、取得しようとしているチャンネルの番組情報が少ししか送られてこない場合、余裕のある容量を有効に利用できなかった。すなわち従来は、多チャンネルで放送される番組に係る情報の記憶を適応的に制御することができなかった。
【0007】
そこで、本発明の実施形態は上述した課題を解決するために、多チャンネルで放送される番組に係る情報の記憶を適応的に制御することができる放送受信装置及び放送受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態は上述した課題を解決するため、複数のチャンネルの少なくとも1のチャンネルに対して優先順位を設定する設定手段と、前記複数のチャンネルで放送される番組に関連する番組関連情報を取得する取得手段と、前記番組関連情報に係る番組を放送するチャンネルのうち、前記設定手段が設定した前記優先順位が相対的に上位のチャンネルの番組関連情報を、前記上位のチャンネルに対して設定された優先順位を示す情報と関連付けて格納すると共に、前記優先順位が相対的に下位のチャンネルの番組関連情報を破棄することで、格納可能な情報の上限量以内で前記番組関連情報を格納するように管理する管理手段と、を具備する放送受信装置を提供する。
【0009】
また本発明の実施形態は上述した課題を解決するため、複数のチャンネルの少なくとも1のチャンネルに対して優先順位を設定する設定手段と、前記複数のチャンネルで放送される番組に関連する番組関連情報を取得する取得手段と、前記番組関連情報に係る番組を放送するチャンネルのうち、前記設定手段が設定した前記優先順位が相対的に上位のチャンネルの番組関連情報を、前記上位のチャンネルに対して設定された優先順位を示す情報と関連付けて、格納可能な情報の上限量以内で格納するように管理する管理手段と、を具備する放送受信装置を提供する。
【0010】
また本発明の実施形態は上述した課題を解決するため、複数のチャンネルの少なくとも1のチャンネルに対して優先順位を設定し、前記複数のチャンネルで放送される番組に関連する番組関連情報を取得し、前記番組関連情報に係る番組を放送するチャンネルのうち、設定された前記優先順位が相対的に上位のチャンネルの番組関連情報を、前記上位のチャンネルに対して設定された優先順位を示す情報と関連付けて格納すると共に、前記優先順位が相対的に下位のチャンネルの番組関連情報を破棄することで、格納可能な情報の上限量以内で前記番組関連情報を格納するように管理する、ことを特徴とする放送受信方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態によれば、多チャンネルで放送される番組に係る情報の記憶を適応的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る放送受信装置であるテレビジョン受像機の構成を示すブロック図。
【図2】信号処理制御部に備えられ、複数の番組関連情報をチャンネルごとの優先順位に基づいて記憶する処理を実行する各ブロックからなるシステム構成図。
【図3】チャンネルごとに優先順位が設定されたチャンネルリストの具体例を示す概念図。
【図4】複数の番組関連情報をチャンネルごとの優先順位に基づいて記憶する処理の動作を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明における実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る放送受信装置であるテレビジョン受像機10の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るテレビジョン受像機10は、放送波処理部20、外部機器IF部21、操作部31、受光部32、信号処理制御部40、表示器51、スピーカ52、記憶部61などで構成されている。放送波処理部20にはアンテナ98が接続されている。受光部32はリモートコントローラ(以下、リモコンと称する)99と情報のやりとりを行う。リモコン99は、赤外線や無線を利用する遠隔操作機器である。
【0014】
本実施形態に係るテレビジョン受像機10は、複数のチャンネルそれぞれに対して優先順位を設定する。またテレビジョン受像機10は、複数のチャンネルで放送される複数の番組それぞれの番組名や放送時間を含む番組関連情報を取得する。そしてこのテレビジョン受像機10は、取得した複数の番組関連情報をチャンネルごとの優先順位に基づいて記憶する処理を実行する。
【0015】
放送波処理部20は、アンテナ98によって受信された地上または衛星によるデジタル放送波やアナログ放送波に対応するチューナおよび復調器を有する。この放送波処理部20は、アンテナ98が受信した受信信号を受け、この受信信号に対して特定チャンネルの選局処理及び復調処理などを施す。そして放送波処理部20は、これらの処理を施すことで得られた、番組の映像音声情報や番組名等の番組関連情報が含まれるトランスポートストリーム信号(以下、TS信号と称する)を信号処理制御部40へ出力する。この放送波処理部20は複数備えられても良い。
【0016】
外部機器IF部21は、HDMI(登録商標)規格、USB規格又はIEEE1394規格などの様々な規格に基づいて必要な情報を抽出する情報抽出部を有する。また外部機器IF部21は、これらの規格に準じた接続端子を介して接続された外部機器や、外部HDD、メモリカードなどの記録媒体から受けた情報から抽出したTS信号を信号処理制御部40へ出力する。接続された外部機器や記憶媒体からの情報には、コンテンツの映像音声情報やコンテンツ名等のコンテンツ関連情報が含まれる。さらに外部機器IF部21は、接続された外部機器からアナログの映像音声信号を入力されることがある。この外部機器IF部21は入力されたアナログの映像音声信号をA/D変換し、変換したデジタルの映像音声信号を信号処置制御部40へ出力する。
【0017】
操作部31は、操作キーを有し、この操作キーに応じた操作情報を信号処理制御部40へ出力する。同様に受光部32は、リモコン99から送信された信号を受光して、受光した信号に応じた操作情報を信号処理制御部40へ出力する。この操作部31及び/又はリモコン99は、テレビジョン受像機10が受信する各チャンネルに対する優先順位を設定するための画面を出力する操作キー(不図示)を含む複数の操作キーを備えている。
【0018】
信号処理制御部40は、信号処理制御部40自身に備えられた各モジュールや信号処理制御部40に接続された各モジュールを利用して複数の処理を実行する。例えば信号処理制御部40は、操作部31又は受光部32を介したリモコン99からの操作情報に応じて、放送波処理部20や外部機器IF部21といった入力ソースの何れかからのTS信号の入力を選択する。また信号処理制御部40は、選択した入力ソースから入力されたTS信号に所定の処理を施して、表示器51へ映像情報を出力すると共にスピーカ52へ音声情報を出力する。
【0019】
本実施形態では信号処理制御部40は、複数のチャンネルそれぞれに対して優先順位を設定する。また信号処理制御部40は、放送波処理部20を介して選局される複数のチャンネルで放送される複数の番組それぞれの番組関連情報を取得する。この信号処理制御部40は、取得した複数のチャンネルで放送される番組の番組関連情報を、チャンネルごとの優先順位に基づいて記憶部61に記憶する。
【0020】
表示器51は、信号処理制御部40から入力された映像信号を表示する表示パネルを含む表示モジュールである。表示器51には、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やPDP(Plasma Display Panel)といった薄型平面ディスプレイを適用することができる。本実施形態では、表示器51は、チャンネルに対して優先順位をユーザが設定することを許可する画面や、EPG画面のOSDを表示する。
【0021】
スピーカ52は、信号処理制御部40から入力された音声信号を出力する。スピーカ52として、左右チャンネル用に2つ、更には、入力された音声信号の低音域を出力するためのサブウーハが設けられてもよい。
【0022】
記憶部61は、電源の供給がされない場合でも情報を記憶することができる不揮発性メモリである。この記憶部61は、信号処理制御部40から出力された情報を記憶(格納)すると共に、記憶した情報を信号処理制御部40から読み出される。本実施形態では記憶部61は、放送波処理部20を介して選局される各チャンネルで放送される複数の番組それぞれの番組関連情報を記憶する。また記憶部61は、チャンネルに対して設定された優先順位を示す情報を記憶する。記憶部61は、HDD又はSSDといったドライブ装置であってもよい。また記憶部61がドライブ装置である場合、テレビジョン受像機10の外部に接続されてもよい。
【0023】
テレビジョン受像機10は、前述した複数のブロックだけでなく、LAN又はWANなどのネットワークを介して通信を行う通信処理部を有するネットワーク通信機能を実現するブロック(不図示)を備えてもよい。このブロックは、接続したネットワーク先の特定サーバや記録媒体などの情報提供源から、コンテンツの映像音声情報やコンテンツ関連情報が含まれる情報を受け、この情報に基づくTS信号を信号処理制御部40へ出力する。また信号処理制御部40は、入力ソースの一つとして、このブロックから入力されるTS信号を選択することも可能である。
【0024】
なお本実施形態は、本発明に係る構成を適用した放送受信装置として、テレビジョン受像機10を例とした実施形態である。しかし本実施形態に係る構成が、パーソナルコンピュータ、携帯型移動端末装置、HDD/光ディスクレコーダ、セットトップボックスなどの機器に適用された実施形態であっても構わない。すなわち本発明に係る実施形態では、例えば放送波種別、信号取得経路などといった項目において限定されるものではなく、単に番組関連情報を取得する構成部及び取得した番組関連情報を記憶するように制御する構成部を有する放送受信装置であればよい。
【0025】
このような構成により、本発明の実施形態に係るテレビジョン受像機10に備えられた複数のブロックは、各チャンネルで放送される複数の番組それぞれの番組関連情報を取得し、チャンネルごとに設定された優先順位に基づいて、取得した番組関連情報を記憶する。すなわちこのテレビジョン受像機10は、取得した複数の番組関連情報をチャンネルごとの優先順位に基づいて記憶する処理を実行する。従ってこのテレビジョン受像機10は、多チャンネルで放送される番組に係る情報の記憶を適応的に制御することができる。これらの処理は、主に信号処理制御部40が複数の処理を実行することで実現される。
【0026】
次に、図2を用いて、図1で説明した信号処理制御部40に備えられ、複数の番組関連情報をチャンネルごとの優先順位に基づいて記憶する処理を実行する各ブロックの構成を説明する。
【0027】
図2は、信号処理制御部40に備えられ、複数の番組関連情報をチャンネルごとの優先順位に基づいて記憶する処理を実行する各ブロックからなるシステム構成図である。
【0028】
信号処理制御部40は、番組関連情報取得部201、番組関連情報管理部202、チャンネル情報管理部203、OSD生成部204などを備えている。
番組関連情報取得部201は、放送波処理部20から入力されたTS信号に含まれる番組関連情報を抽出して取得する。番組関連情報の放送形態には、特定のチャンネルで複数のチャンネル分の番組関連情報が放送される形態や、チャンネルごとに当該チャンネル分の番組関連情報が放送される形態などがある。番組関連情報取得部201は、取得した番組関連情報を番組関連情報管理部202へ出力する。この番組関連情報取得部201は、放送波処理部20からではなく、外部機器IF部21やネットワーク通信機能を実現するブロック(不図示)などからのTS信号に基づいて、番組関連情報を抽出してもよいことは言うまでもない。
【0029】
番組関連情報管理部202は、所定の条件に基づいて、番組関連情報取得部201から入力された番組関連情報を記憶すべきか否かを判定する。番組関連情報管理部202は、判定結果に応じて、記憶すべき番組関連情報を記憶部61に記憶させて管理する。また番組関連情報管理部202は、記憶部61から読み出した番組関連情報をOSD生成部204へ出力してEPG画面のOSDを生成させる。
【0030】
チャンネル情報管理部203は、放送波処理部20で選局可能なチャンネルに関するチャンネル情報を記憶部61に記憶させて管理する。例えばチャンネル情報は、チャンネル番号、放送局名、及び放送局のロゴマークなどを示す情報である。チャンネル情報管理部203は、チャンネル情報と関連付けられたチャンネルごとの優先順位を管理する。このチャンネル情報管理203は、チャンネル情報をOSD生成部204へ出力して、テレビジョン受像機10の利用者にチャンネルごとの優先順位を設定させるための設定画面のOSDを生成させる。
【0031】
OSD生成部204は、番組関連情報管理部202及びチャンネル情報管理部203から入力された情報に基づいたOSDを生成する。このOSD生成部204は、番組関連情報管理部202から入力された番組関連情報に基づいたEPG画面のOSDを生成する。またOSD生成部204は、チャンネル情報管理部203から入力されたチャンネル情報に基づいて、チャンネルごとの優先順位を設定するための設定画面のOSDを生成する。
【0032】
すなわち、これら複数のブロックによるシステム構成により、信号処理制御部40は、テレビジョン受像機10の利用者が設定したチャンネルごとの優先順位をチャンネル情報と関連付けて管理する。また信号処理制御部40は、各チャンネルで放送される複数の番組それぞれの番組関連情報を取得し、取得した番組関連情報をチャンネルごとの優先順位に基づいて管理する。従って本実施形態に係るテレビジョン受像機10は、多チャンネルで放送される番組に係る情報の記憶を適応的に制御することができる。
【0033】
次に、図3を用いて、チャンネルごとに優先順位が設定されたチャンネルリストの具体例を説明する。
図3は、チャンネルごとに優先順位が設定されたチャンネルリストの具体例を示す概念図である。
図3に示した概念図のように、このチャンネルリストには、特定のチャンネルに対するチャンネル番号及びチャンネル名に対して優先順位が関連付けられている。この優先順位は、OSD生成部204が生成した設定画面のOSDを利用して、テレビジョン受像機10の利用者が任意に設定することが可能である。
【0034】
設定画面は特定の態様の適用に限定されず、様々な態様が適用されてよい。例えば、優先順位を示す数値が予め表示され、各数値に関連付けられるチャンネル番号又はチャンネル名の候補をプルダウン形式で提示し、利用者がこのプルダウン形式で提示された候補の中から任意に選択する態様を適用することができる。また、チャンネル番号又はチャンネル名が予め表示され、表示されたチャンネル番号又はチャンネル名に関連付けられる優先順位を利用者が設定する態様であってもよい。さらには、特定の地域を指定することで、指定された地域で受信することを推奨されたチャンネルが優先された優先順位の自動設定が行われる態様でもよい。この他に、テレビジョン受像機10で予めチャンネルごとの優先順位を設定しておく態様も適用できる。
【0035】
図3に示したチャンネルリストは、チャンネル情報管理部203が記憶部61を利用して管理する情報を概念的に示しているが、OSD生成部204が生成する設定画面などで可視化されることが好ましい。このチャンネルリストが可視化される場合、一画面内に表示できるチャンネル数は有限であるので、受信可能なチャンネル数が多くなると一画面に全てのチャンネルを表示することが困難になる。このような場合、表示できる数のチャンネルが一画面内に表示されると共に、表示できないチャンネルはスクロールすることで表示されるように構成されてもよい。
【0036】
また複数のチャンネルそれぞれに対して、チャンネルごとに異なる1つの優先順位が設定されるのではなく、複数のチャンネルに同じ優先順位が設定されてもよい。このような構成によれば、同等レベルの優先順位であるチャンネルに対しては、同じレベルでの処理を実行させることが可能になる。
【0037】
そして、複数の番組関連情報をチャンネルごとの優先順位に基づいて記憶する処理においては、このチャンネルリストで設定されているチャンネルごとの優先順位に基づいて番組関連情報が記憶される。
【0038】
次に、図4を用いて、図2で説明した信号処理制御部40に備えられる各ブロックによって実行される、複数の番組関連情報をチャンネルごとの優先順位に基づいて記憶する処理の動作を説明する。
【0039】
図4は、複数の番組関連情報をチャンネルごとの優先順位に基づいて記憶する処理の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、図3に示したチャンネルリストのように、OSD生成部204が生成した設定画面のOSDを利用して、チャンネルごとの優先順位が設定され、優先的に番組関連情報を記憶するチャンネルである優先記憶チャンネルが設定される(S401)。次に番組関連情報取得部201は、放送波処理部20から入力されたTS信号に基づいて番組関連情報を取得し(S402)、取得した番組関連情報を番組関連情報管理部202へ出力する。番組関連情報管理部202は、入力された番組関連情報に係るチャンネルが優先記憶チャンネルであるか否かを判定する(S403)。
【0040】
このチャンネルが優先記憶チャンネルである場合(S403のYes)、記憶部61において番組関連情報を記憶可能であるか否かが判定される(S404)。記憶可能であるか否かとは、記憶部61において格納可能な番組関連情報の最大量である上限量以内で番組関連情報が記憶されているか否かということである。この上限量はこのステップの処理が実行される度に任意に決定されてよい。
【0041】
番組関連情報を記憶可能でないと判定された場合(S404のNo)、番組関連情報管理部202は、記憶しようとした番組関連情報に係るチャンネルの優先順位と、既に記憶した番組関連情報と関連付けられた優先順位のうち最も低い優先順位とを比較して、優先順位の低いほうの番組関連情報を破棄する(S405)。そして番組関連情報管理部202は、優先順位の高いほうの番組関連情報を記憶する(S406)。すなわち、記憶しようとした番組関連情報に係るチャンネルの優先順位のほうが高い場合、この番組関連情報を新たに記憶し、既に記憶した番組関連情報と関連付けられた優先順位のうち最も低い優先順位のほうが高い場合、この番組関連情報を継続して記憶する。そして再び、番組関連情報取得部201は、入力されたTS信号に基づいて番組関連情報を取得する(S402)。
【0042】
一方、番組関連情報取得部201から入力された番組関連情報に係るチャンネルが優先記憶チャンネルでない場合(S403のNo)、この番組関連情報を破棄する(S407)。そして番組関連情報取得部201は、入力されたTS信号に基づいて番組関連情報を取得する(S402)。
【0043】
また、入力された番組関連情報に係るチャンネルが優先記憶チャンネルであり、番組関連情報を記憶可能であると判定された場合(S404のYes)、番組関連情報管理部202は、入力された番組関連情報を記憶部61に記憶する(S408)。そして番組関連情報取得部201は、入力されたTS信号に基づいて番組関連情報を取得する(S402)。
【0044】
なお、ここで(S404)の処理において、上限量が任意に決定される場合の例を説明する。例えば、優先順位が100までのチャンネル分の情報を記憶部61に格納するように処理が開始された場合を想定する。この場合において、取得した情報が多く、この情報を格納するための記憶部61の容量が不足すると、優先順位が80までのチャンネル分の情報を格納するように、管理するチャンネル数が厳格化される。厳格化された後に、取得した情報が少なくなり、情報を格納するための記憶部61の容量に余裕がでてくると、優先順位が100までのチャンネル分の情報を格納するように、管理するチャンネル数が緩和化される。このように管理するチャンネル数が、適応的に厳格化又は緩和化されるので、上限量が任意に決定されることになる。
【0045】
またこの処理は、取得した番組関連情報を破棄又は記憶した後に、新たな番組関連情報を取得して破棄又は記憶する動作を繰り返し実行する処理である。一般的には、番組関連情報は常に更新されながら放送されているので、図4に示したフローチャートのように番組関連情報を繰り返し取得する動作が実行される。
【0046】
このような動作に基づいて、複数の番組関連情報をチャンネルごとの優先順位に基づいて記憶する処理は実行される。換言するとこの処理は、設定された優先順位が相対的に上位のチャンネルの番組関連情報を、この優先順位と関連付けて記憶すると共に、この優先順位が相対的に下位のチャンネルの番組関連情報を破棄することで、記憶可能な情報の上限量以内で番組関連情報が記憶されるように管理するものである。従って本実施形態に係るテレビジョン受像機10は、多チャンネルで放送される番組に係る情報の記憶を適応的に制御することができる。
【0047】
以上説明したように本実施形態によれば、テレビジョン受像機10の利用者が設定したチャンネルごとの優先順位が、チャンネル情報と関連付けて管理される。また、各チャンネルで放送される複数の番組それぞれの番組関連情報が、チャンネルごとの優先順位に基づいて管理される。従って本発明の実施形態によれば、本実施形態に係るテレビジョン受像機10は、多チャンネルで放送される番組に係る情報の記憶を適応的に制御することができる。
【0048】
なお本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。また、前述した実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよく、さらに、異なる実施形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0049】
10…テレビジョン受像機、20…放送波処理部、21…外部機器IF部、31…操作部、32…受光部、40…信号処理制御部、51…表示器、52…スピーカ、61…記憶部、99…リモコン、98…アンテナ、201…番組関連情報取得部、202…番組関連情報管理部、203…チャンネル情報管理部、204…OSD生成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチャンネルの少なくとも1のチャンネルに対して優先順位を設定する設定手段と、
前記複数のチャンネルで放送される番組に関連する番組関連情報を取得する取得手段と、
前記番組関連情報に係る番組を放送するチャンネルのうち、前記設定手段が設定した前記優先順位が相対的に上位のチャンネルの番組関連情報を、前記上位のチャンネルに対して設定された優先順位を示す情報と関連付けて格納すると共に、前記優先順位が相対的に下位のチャンネルの番組関連情報を破棄することで、格納可能な情報の上限量以内で前記番組関連情報を格納するように管理する管理手段と、
を具備する放送受信装置。
【請求項2】
前記管理手段は、取得した特定チャンネルの前記番組関連情報を格納することで前記上限量を超える場合は、格納しようとした前記番組関連情報に係る番組を放送する前記特定チャンネルに対して設定された優先順位と、格納した前記番組関連情報と関連付けられた優先順位のうち最も低い優先順位とを比較して、優先順位の低いチャンネルで放送される番組の番組関連情報を破棄するように管理することを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記優先順位を設定することを利用者に許可することを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記設定手段は、複数のチャンネルが同じ優先順位となることを許可することを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項5】
前記管理手段が管理して格納した前記番組関連情報に基づいて、電子番組表の画面を生成する生成手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項6】
前記管理手段は、格納した前記番組関連情報の量が前記上限量以下の場合は、取得した前記番組関連情報を順次格納することを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項7】
複数のチャンネルの少なくとも1のチャンネルに対して優先順位を設定する設定手段と、
前記複数のチャンネルで放送される番組に関連する番組関連情報を取得する取得手段と、
前記番組関連情報に係る番組を放送するチャンネルのうち、前記設定手段が設定した前記優先順位が相対的に上位のチャンネルの番組関連情報を、前記上位のチャンネルに対して設定された優先順位を示す情報と関連付けて、格納可能な情報の上限量以内で格納するように管理する管理手段と、
を具備する放送受信装置。
【請求項8】
複数のチャンネルの少なくとも1のチャンネルに対して優先順位を設定し、
前記複数のチャンネルで放送される番組に関連する番組関連情報を取得し、
前記番組関連情報に係る番組を放送するチャンネルのうち、設定された前記優先順位が相対的に上位のチャンネルの番組関連情報を、前記上位のチャンネルに対して設定された優先順位を示す情報と関連付けて格納すると共に、前記優先順位が相対的に下位のチャンネルの番組関連情報を破棄することで、格納可能な情報の上限量以内で前記番組関連情報を格納するように管理する、
ことを特徴とする放送受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−217186(P2011−217186A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84352(P2010−84352)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】