放電ランプ、バックライトユニット、および液晶ディスプレイ装置
【課題】放電ランプの給電端子に振動や衝撃等の力が付与された場合であっても、ガラスバルブの封止部および給電端子が取り付けられたガラスバルブの外周面にクラックが生じるのを防止することができる放電ランプを提供する。
【解決手段】ガラスバルブ10の両端部10bの内側に電極が設けられ、熱加工により両端部10bがガラスバルブ10の中央部の外径より大きく封着形成され、ガラスバルブの両端部10bの外周面に電極のリード線22と接続された給電端子30を備え、給電端子30は、ガラスバルブ10の中央部の外径より大きい両端部10bを除くガラスバルブ10の外周面に当接しかつ包囲するよう設けられた導電性の筒状体31を有する。
【解決手段】ガラスバルブ10の両端部10bの内側に電極が設けられ、熱加工により両端部10bがガラスバルブ10の中央部の外径より大きく封着形成され、ガラスバルブの両端部10bの外周面に電極のリード線22と接続された給電端子30を備え、給電端子30は、ガラスバルブ10の中央部の外径より大きい両端部10bを除くガラスバルブ10の外周面に当接しかつ包囲するよう設けられた導電性の筒状体31を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電ランプ、バックライトユニット、および液晶ディスプレイ装置に関し、特に、ガラスバルブの端部外周面に配された給電端子を有する放電ランプ等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、図23又図24に示すような、ガラスバルブ3601、3701の両端部にキャップ状の給電端子3602、3702が設けられた放電ランプ3600、3700がある。
【0003】
図23に示す放電ランプ3600は、ガラスバルブ3601の端部の外周面に設けられた筒体3602aと、筒体3602aの一端3602bから筒体3602aの軸方向外側に延出する帯状の導出部3602cと、導出部3602cの先端から折曲して形成された接続部3602dからなる給電端子3602とを備えたものである。また、ガラスバルブ3601の端部から延出するリード線3604は、接続部3602dの貫通孔内に配置され、その貫通孔とリード線3604とをはんだ3605で溶接されている。また、筒体3602aに形成された径方向内側に突出された弾性保持片3606は、ガラスバルブ3601の外周面に当接させて、筒体3602aの内面とガラスバルブ3601の外周面との間に隙間を設けた状態で、ガラスバルブ3601の端部3607に保持されている(特許文献1)。
【0004】
また、図24に示す放電ランプ3700は、ガラスバルブ3701の端部の外周面に設けられた筒体3702aと、筒体3702aの一端3702bから筒体3702aの軸方向外側に延出する帯状の導出部3702cと、導出部3702cの先端から折曲して形成された接続部3702dからなる給電端子3702とを備えたものである。また、ガラスバルブ3701の端部から延出するリード線3704は、接続部3702dの貫通孔内に配置され、その貫通孔とリード線3704とをはんだ3705で溶接されている。また、筒体3702aに形成された径方向内側に突出されたビード3706は、ガラスバルブ3701の外周面に当接させ、筒体3602aの内面とガラスバルブ3601の外周面との間に隙間を設けた状態で、ガラスバルブ3701の端部3707に保持されている(特許文献2)。
【0005】
図23、図24に示す構成の給電端子3602、3702は、電極3603、3703のリード線3604、3704と電気的に接続されているため、放電ランプ3600、3700の端部をバックライトユニット等の点灯装置のランプソケット(不図示)に嵌め込めば、放電ランプ3600、3700を前記点灯装置に固定し、かつ、放電ランプ3600、3700と前記点灯装置の点灯回路とを電気的に接続することができる。したがって、放電ランプ3600、3700を点灯装置へ取り付ける際に、リード線3604、3704の半田付け等が不要であり、給電端子3602、3702が設けられていない放電ランプと比べて取り付けが容易である。
【特許文献1】国際公開第2008/001562号パンフレット
【特許文献2】特開2007−234551号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図23に示すような給電端子602を備えた放電ランプ3600においては、給電端子3602をランプソケットに嵌め込む際に弾性保持片3606に力が加わったり、ランプ組み込み過程またはランプユニットの輸送過程に、放電ランプ3600の給電端子3602に振動や衝撃等の力が付与された場合、筒体3602aの内面とガラスバルブ3601の外周面との間の隙間が変化する。つまり、給電端子3602がランプソケットに嵌め込む際の力または給電端子3602に振動や衝撃等の力が、帯状の導出部3602cの接続部3602dからガラスバルブ601の端部から延出するリード線3604に伝達され、ガラスバルブの封止部のクラックが生じることがある。
【0007】
一方、図24に示すような給電端子702を備えた放電ランプ3700においては、給電端子3702は、筒体3702aに形成されたビード3706がガラスバルブ3701外周面に当接して設けられているため、ランプ組み込み過程またはランプユニットの輸送過程において、放電ランプ3700の給電端子3702に衝撃力が付与された場合、ビード3706からガラスバルブ3701表面に集中加重が加わり、薄い肉厚のガラスバルブにクラックが生じることがある。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑み、給電端子をソケットへ嵌め込む際、ランプ組み込み過程またはランプユニットの輸送過程で、放電ランプの給電端子に振動や衝撃等の力が付与された場合であっても、ガラスバルブの封止部および給電端子が取り付けられたガラスバルブの外周面にクラックが生じるのを防止することができる放電ランプ、バックライトユニットおよび液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る放電ランプでは、ガラスバルブの両端部の内側に電極が設けられ、熱加工により前記両端部が前記ガラスバルブの中央部の外径より大きく封着形成され、前記ガラスバルブの両端部の外周面に前記電極のリード線と接続された給電端子を備えた放電ランプであって、前記給電端子は、前記ガラスバルブの中央部の外径より大きい前記両端部を除く前記ガラスバルブの外周面に当接しかつ包囲するよう設けられた導電性の筒状体を有したものであることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に係る放電ランプでは、前記電極がホロー電極であり、前記筒状体の内面が前記ホロー電極と対向するガラスバルブの外周面に密接していることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3に係る放電ランプでは、前記筒状体は、その軸心方向にスリット部を有し断面が略C字型をなしていることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4に係る放電ランプでは、前記筒状体は、前記スリット部を挟んで対向する一対の端縁のそれぞれの一部に、前記スリット部を跨いで互いに係合する一対の係合部を設けたことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項5に係る放電ランプでは、前記筒状体の一対の係合部は、前記スリット部の対向する一方の端縁に凹部を、他方の端縁に凸部をそれぞれ形成したものであることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項6に係る放電ランプでは、前記筒状体の外周面に複数の凸部を形成したものであることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る放電ランプでは、前記筒状体の外周面に複数の凸部は、前記筒状体の円周方向、軸芯方向又は軸芯に対してスパイラル方向に形成したものであることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項8に係る放電ランプでは、前記筒状体は、少なくともその軸心方向リード線側と反対側の端部の内面が面取りまたはラッパ状に形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項9に係る放電ランプでは、前記筒状体は、第1筒部と、少なくとも前記第1筒部の一方端部からその軸心方向に延設された第2筒部とを有し、該第2筒部は前記第1筒部よりも外径が大きいことを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項10に係る放電ランプでは、前記筒状体は、周方向に沿って複数設けられた弾性舌片を有し、この複数の弾性舌片により前記ガラスバルブの外周面を挟持していることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項11に係る放電ランプでは、前記筒状体は、その内面には径方向内側に突出して、前記ガラスバルブの外周面を押圧して、前記ガラスバルブを挟持する挟持部材を有していることを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項12に係る放電ランプでは、前記挟持部材は、前記筒状体の一部が折り曲げられ、その折り曲げの一部を前記ガラスバルブの外周面に押圧するものであることを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項13に係る放電ランプでは、前記挟持部材は、前記筒状体の一端側から他端側に延出すると共に前記一端側から前記ガラスバルブ側に折曲して形成された複数の帯状体であることを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項14に係る放電ランプでは、前記筒状体は、スパイラル状に巻回された金属材料で形成されたものであることを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項15に係る放電ランプでは、前記筒状体は、線状または帯状の弾性材料で筒状体軸芯方向に密着して形成されたものであることを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項16に係る放電ランプでは、前記給電端子は、前記筒状体から筒状体軸心方向リード線側に延出し、前記リード線の一部と接続される接続部を備えたものであることを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項17に係る放電ランプでは、前記給電端子は、前記筒状体が前記ガラスバルブの端部外周に外挿されたものであり、前記筒状体の筒状体軸心方向一端から外側に延出する帯状の導出部と、該導出部の先端部に設けられ、前記リード線の一部と接続される接続部とを備えたものであることを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項18に係る放電ランプでは、前記接続部は、前記リード線の一部外周面に接近するようにU字部が形成されたものであることを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項19に係る放電ランプでは、前記接続部は、前記リード線の一部外周面に対し接近して包囲するように筒状部が形成されたものであることを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項20に係る放電ランプでは、前記接続部は、貫通孔又は切欠部が形成された接続面を有し、前記貫通孔又は切欠部に前記リード線が挿入されるように前記導出部の先端より先の部分を折曲して形成されたものであることを特徴とする。
【0028】
本発明の請求項21に係る放電ランプでは、前記接続部は、かしめにより前記リード線と接続されたものであることを特徴とする。
【0029】
本発明の請求項22に係る放電ランプでは、前記接続部は、前記リード線の一部外周面を挟むように前記導出部の先端から折曲して形成されたものであることを特徴とすることを特徴とする 。
【0030】
本発明の請求項23に係る放電ランプでは、前記接続部は、前記リード線の外周面を挟持する一対の挟持片を有し、前記一対の挟持片のそれぞれの押圧力を前記リード線に対し少なくとも100g以上で、前記リード線を挟持して接続されたものであることを特徴とする。
【0031】
本発明の請求項24に係る放電ランプでは、前記接続部は、前記リード線の一端面に面接触するように前記導出部の延出先端より先の部分を折曲して形成されたものであることを特徴とする。
本発明の請求項25に係る放電ランプでは、前記接続部は、前記リード線の一部外周面に接触するように前記導出部の先端より先の部分を折曲して形成されたものであることを特徴とする。
本発明の請求項26に係る放電ランプでは、前記接続部は、溶接又は軟質金属により前記リード線の一部外面と接続されたものであることを特徴とする。
本発明の請求項27に係る放電ランプでは、前記リード線は、前記給電端子と接合される部分に、前記ガラスバルブに封着される部分よりも外径の大きい肉だまり部を有し、前記肉だまり部の少なくとも一部がニッケル材料、鉄材料又はニッケルメッキで形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項28に係る放電ランプでは、前記リード線は、ニッケル材料、鉄材料又はニッケルメッキからなり前記給電端子が接続される外部リード線と、該外部リード線とは異なる材質からなり前記ホロー電極が接合された内部リード線とを接合したものであり、前記接合部に前記リード線よりも外径の大きい肉だまり部を有しているものであることを特徴とする
本発明の請求項29に係る放電ランプでは、前記肉だまり部は、前記ガラスバルブの端部において、その底面を密接、または、その底面を密接かつ前記リード線の径方向で隙間を有して埋設されたものである。
本発明の請求項30に係る放電ランプでは、前記肉だまり部は、前記ガラスバルブの端部と隙間を設けたものであることを特徴とする。
本発明の請求項31に係る放電ランプでは、前記隙間は、0.1mm〜0.5mmであることを特徴とする。
本発明の請求項32に係る放電ランプでは、前記肉だまり部は、前記リード線の軸心と直交する断面が円形状であり、その最大径が前記リード線の最大外径より大きく前記ガラスバルブの最大外径より小さい寸法であることを特徴とする。
本発明の請求項33に係る放電ランプでは、前記リード線は、前記外部リードが前記内部リードの熱伝達率より小さいものであることを特徴とする。
本発明の請求項34に係る放電ランプでは、前記リード線は、前記外部リード線が前記内部リード線の線よりも線径を細くしたものであることを特徴とする。
本発明の請求項35に係る放電ランプでは、前記リード線の少なくとも前記ガラスバルブに封着されている部分の表面粗さは、0.2Ra〜0.8Raであることを特徴とする。
本発明の請求項36に係る放電ランプでは、前記リード線の一端部は、前記ホロー電極と溶接固定され、その一端部の表面が0.2Ra〜0.8Raであり、かつ面取り寸法は径方向の長さが0.08mm〜0.15mmで軸方向の長さが0.1mm〜0.25mmであることを特徴とする。
本発明の請求項37に係る放電ランプでは、前記接続部は、その一部を前記リード線の肉だまり部に当接させたものであることを特徴とする。
本発明の請求項38に係る放電ランプでは、前記接続部は、前記リード線より熱伝達率が大きいものであることを特徴とする。
本発明の請求項39に係る放電ランプでは、前記接続部は、熱伝達率が75W/(m・K)〜435W/(m・K)で、かつ、導電率が9×106S/m〜65×106S/mであることを特徴とする。
本発明の請求項40に係る放電ランプでは、前記ガラスバルブは酸化ナトリウムの含有率が3wt%〜20wt%の範囲のガラス材料で形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項41に係る放電ランプでは、前記ガラスバルブは酸化ナトリウムの含有率が5wt%〜20wt%の範囲のガラス材料で形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項42に係るバックライトユニットでは、光源として、請求項1から請求項41のいずれかに記載の放電ランプを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項43に係る液晶ディスプレイ装置では、液晶ディスプレイパネルと、請求項42記載のバックライトユニットとを備え、前記バックライトユニットは、請求項1から請求項40のいずれかに記載の放電ランプを複数本収納する外囲器を有し、前記外囲器が前記液晶ディスプレイパネルの背面に配されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明の請求項1に係る放電ランプによれば、給電端子は、ガラスバルブの中央部の外径より大きい両端部を除くガラスバルブの外周面に当接しかつ包囲するよう設けられた導電性の筒状体を有したものであることにより,給電端子をソケットへ嵌め込む際、ランプ組み込み過程またはランプユニットの輸送過程で、放電ランプの給電端子に振動や衝撃等の力が付与された場合であっても、ガラスバルブの封止部および給電端子が取り付けられたガラスバルブの外周面にクラックが生じるのを防止することができる。
【0033】
本発明の請求項2に係る放電ランプによれば、電極がホロー電極であり、筒状体の内面がホロー電極と対向するガラスバルブの外周面に密接していることにより、ホロー電極により加熱されるため、ホロー電極と対向するガラスバルブ内面の水銀が溜まりにくく、放電路の水銀蒸気が不足してランプ輝度が低下したり、ランプ輝度の立ち上がりが遅くなったりする現象が起こりにくい。
【0034】
本発明の請求項3に係る放電ランプによれば、筒状体は、その軸心方向にスリット部を有し断面が略C字型をなしていることにより、ガラスバルブの外形の寸法公差を略C字型部の弾性力により吸収でき、給電端子をガラスバルブの外周面に保持することができる。
本発明の請求項4に係る放電ランプによれば、筒状体は、スリット部を挟んで対向する一対の端縁のそれぞれの一部に、スリット部を跨いで互いに係合する一対の係合部を設けたことにより、筒状体の形状を安定させることができる。
本発明の請求項5に係る放電ランプによれば、筒状体の一対の係合部は、スリット部の対向する一方の端縁に凹部を、他方の端縁に凸部をそれぞれ形成したものであることにより、筒状体を安定化しつつガラスバルブの外形の寸法公差を吸収することができる。
本発明の請求項6に係る放電ランプによれば、筒状体の外周面に複数の凸部を形成したものであることにより、ランプソケットに対し給電端子を着脱する際、給電端子との接触面積が小さいので給電端子を容易に着脱することができる。
本発明の請求項7に係る放電ランプによれば、筒状体の外周面に複数の凸部は、筒状体の円周方向、軸芯方向又は軸芯に対してスパイラル方向に形成したものであることにより、筒状体の外周面に複数の凸部を形成したものであることにより、筒状体の外径を大きくでき、製造過程において、筒状体の外周面の凸部に衝撃が付与されても、その凸部を介して筒状体の内周面全体で吸収されるのでガラスバルブの破損を防止することができる。
本発明の請求項8に係る放電ランプによれば、筒状体は、少なくともその軸心方向リード線側と反対側の端部の内面が面取りまたはラッパ状に形成されていることにより、給電端子をガラスバルブに挿入した際のガラスバルブ表面の損傷が抑制され、かつ、給電端子をガラスバルブに容易に装着することができる。
本発明の請求項9に係る放電ランプによれば、筒状体は、第1筒部と、少なくとも第1筒部の一方端部からその軸心方向に延設された第2筒部とを有し、該第2筒部は第1筒部よりも外径が大きいことにより、第1筒部と第2筒部との段差を利用してランプの管軸方向に位置決めし易い。
本発明の請求項10に係る放電ランプによれば、筒状体は、周方向に沿って複数設けられた弾性舌片を有し、この複数の弾性舌片によりガラスバルブの外周面を挟持していることにより、筒状体の外周面全体に等分布荷重が加わるので、ガラスバルブの割れを防止することができる。また、筒状体の内面とガラスバルブの外周面との密着性が向上するので、給電端子をガラスバルブに装着後、ガラスバルブに対して給電端子がその管軸方向に移動しにくくすることができる。
本発明の請求項11に係る放電ランプによれば、筒状体は、その内面には径方向内側に突出して、ガラスバルブの外周面を押圧して、ガラスバルブを挟持する挟持部材を有していることにより、ガラスバルブを挟持する挟持力を調整することができる。
本発明の請求項12に係る放電ランプによれば、挟持部材は、筒状体の一部が折り曲げられ、その折り曲げの一部をガラスバルブの外周面に押圧するものであることにより、ガラスバルブを挟持する挟持力を調整することができる。
本発明の請求項13に係る放電ランプによれば、挟持部材は、筒状体の一端側から他端側に延出すると共に一端側からガラスバルブ側に折曲して形成された複数の帯状体であることにより、筒状体の管軸方向の位置決めをし易くすることができる。
本発明の請求項14に係る放電ランプによれば、筒状体は、スパイラル状に巻回された金属材料で形成されたものであることにより、筒状体の外周面全体に等分布荷重が加わるので、ガラスバルブの割れを防止することができる。また、筒状体の内面とガラスバルブの外周面との密着性が向上するので、給電端子をガラスバルブに装着後、ガラスバルブに対して給電端子がその管軸方向に移動しにくくすることができる。さらに、ガラスバルブの端部に筒状体を装着しやすく、かつ、異なるガラスバルブの管外径にも対応することができる。
本発明の請求項15に係る放電ランプによれば、筒状体は、線状または帯状の弾性材料で筒状体軸芯方向に密着して形成されたものであることにより、素材そのもので筒状体を形成でき、金属板をプレス加工する場合と比べて材料ロスが生じず、材料損失を少なくすることがきる。しかも、線状または帯状の弾性材料は筒状体軸心方向に密着しているため、筒状体が型崩れしにくい。
本発明の請求項16に係る放電ランプによれば、給電端子は、筒状体から筒状体軸心方向リード線側に延出し、リード線の一部と接続される接続部を備えたものであることにより、同一材料で一体形成することができ、1つの少ない部品点数となり給電端子の形状精度が向上する。そのため、ガラスバルブの端部に容易に装着できる。
本発明の請求項17に係る放電ランプによれば、給電端子は、筒状体がガラスバルブの端部外周に外挿されたものであり、筒状体の筒状体軸心方向一端から外側に延出する帯状の導出部と、該導出部の先端部に設けられ、リード線の一部と接続される接続部とを備えたものであることより、リード線に掛かる帯状の導出部からの曲げ力を抑制して、リード線が封着されたガラスバルブの破損によるリークをさらに防止することができる。
本発明の請求項18に係る放電ランプによれば、接続部は、リード線の一部外周面に接近するようにU字部が形成されたものであることにより、ガラスバルブに対して、給電端子の軸心方向の位置決めした状態、つまり、リード線に掛かる曲げ力を抑制してU字部とリード線とを電気的に安定接続することができる。
本発明の請求項19に係る放電ランプによれば、接続部は、リード線の一部外周面に対し接近して包囲するように筒状部が形成されたものであることにより、ガラスバルブに対して、給電端子の軸心方向の位置決めした状態、つまり、リード線に掛かる曲げ力を抑制して筒状部とリード線とを電気的に安定接続することができる。
本発明の請求項20に係る放電ランプによれば、接続部は、貫通孔又は切欠部が形成された接続面を有し、貫通孔又は切欠部にリード線が挿入されるように導出部の先端より先の部分を折曲して形成されたものであることにより、給電端子の軸心方向の位置決めした状態、つまり、リード線に掛かる曲げ力を抑制して、接続面とリード線とを安定接続することができる。
本発明の請求項21に係る放電ランプによれば、接続部は、かしめによりリード線と接続されたものであることにより、リード線に熱を加えることなく接続できるので、ガガラスバルブの封着の熱衝撃による割れを防止することができる。
本発明の請求項22に係る放電ランプによれば、接続部は、リード線の一部外周面を挟むように導出部の先端から折曲して形成されたものであることにより、つまり、リード線に曲げ力が掛からないように、軸心に対し直角方向から2以上でリード線の外周面を挟むように導出部の先端から折曲して形成されたものであることにより、リード線に掛かる曲げ力を抑制して簡単にリード線と接続することができる。その結果、ガラスバルブのリード線が封着された部分の破損によるリークを防止することができる。
本発明の請求項23に係る放電ランプによれば、接続部は、リード線の外周面を挟持する一対の挟持片を有し、一対の挟持片のそれぞれの押圧力をリード線に対し少なくとも100g以上で、リード線を挟持して接続されたものであることにより、リード線に掛かる曲げ力を抑制してリード線との電気的に安定接続することができる。
本発明の請求項24に係る放電ランプでは、接続部は、リード線の一端面に面接触するように導出部の延出先端より先の部分を折曲して形成されたものであることにより、リード線に掛かる曲げ力を抑制し、かつ、ガラスバルブに対して、給電端子の軸心方向の位置決めを行うことができる。
【0035】
本発明の請求項25に係る放電ランプでは、前記接続部は、前記リード線の一部外周面に接触するように前記導出部の先端より先の部分を折曲して形成されたものであることにより、軟質金属を用いた接続、レーザー溶接等で接続部とリード線とを固着できるが、特に2つの部材を電極で挟んで溶接する抵抗溶接が簡単に行うことができ有効である。また、ガラスバルブに対して、給電端子の軸心方向の位置決めを行うことができる。
本発明の請求項26に係る放電ランプでは、前記接続部は、溶接又は軟質金属により前記リード線の一部外面と接続されたものであることにより、接続部をリード線にさらに電気的に安定接続することができる。
本発明の請求項27に係る放電ランプでは、リード線は、給電端子と接合される部分に、ガラスバルブに封着される部分よりも外径の大きい肉だまり部を有し、肉だまり部の少なくとも一部がニッケル材料、鉄材料又はニッケルメッキで形成されていることにより、例えば、半田での接続する場合、リード線に給電端子を確実に接続することができる。
本発明の請求項28に係る放電ランプでは、リード線は、ニッケル材料、鉄材料又はニッケルメッキからなり前記給電端子が接続される外部リード線と、該外部リード線とは異なる材質からなりホロー電極が接合された内部リード線とを接合したものであり、その接合部にリード線よりも外径の大きい肉だまり部を有しているものであることにより、給電端子が接続される部分の外部リード線が半田付け溶接しやすく、かつ、肉だまり部で接続面積を広くすることできるので、給電端子との接続を確実にすることができる。
本発明の請求項29に係る放電ランプでは、肉だまり部は、ガラスバルブの端部において、その底面を密接、または、その底面を密接かつリード線の径方向で隙間を有して埋設されたものであることにより、ガラスバルブのリード線封着部分における破損によるリークを防止することができる。つまり、ガラスバルブの端部において、肉だまり部の底面が密接している場合、リード線に加わる外部衝撃を抑制することができ、さらに、肉だまり部の底面が径方向で隙間を有している場合は、肉だまり部がガラスバルブ端部に埋没することがなく、半田ディップした際の肉だまり部の熱膨張によるガラスバルブ端部の破損を防止することができる。
本発明の請求項30に係る放電ランプでは、肉だまり部とガラスバルブの端部とに隙間を設けたものであることにより、リード線と給電端子との溶接接合時やランプ電流が増大した際に、リード線の肉だまり部が発熱しても、肉だまり部の熱膨張によってガラスバルブ端部に熱応力が加わることがない。その結果、ガラスバルブ端部破損が抑制されリーク発生を防止することができる。
本発明の請求項31に係る放電ランプでは、隙間は、0.1mm〜0.5mmであることにより、例えば、予めリード線に半田ディップする場合であっても、隙間部分のリード線に半田が付着することがないので、ガラスバルブ端部破損がさらに抑制されリーク発生をより防止することができる。
本発明の請求項32に係る放電ランプでは、肉だまり部は、リード線の軸心と直交する断面が円形状であり、その最大径がリード線の最大外径より大きくガラスバルブの最大外径より小さい寸法であることにより、給電端子を外部リード線に溶接、半田等で接合する場合、外部リード線からの内部リード線へ熱が伝わり難いので、ガラスバルブ端部破損を防止することができる。また、ガラスバルブの端部において、肉だまり部の底面が密接している場合、リード線に加わる外部衝撃を抑制することができる。
【0036】
本発明の請求項33に係る放電ランプでは、リード線は、外部リードが内部リードの熱伝達率より小さいものであることにより、給電端子を外部リードに半田や溶接等で接合する場合、外部リードから内部リードへの熱が伝わり難いので、ガラスバルブ端部の破損を防止することができる。
本発明の請求項34に係る放電ランプでは、外部リードの線径は、内部リードの線径より細いものであることにより、給電端子をソケットへ嵌め込む際、ランプ組み込み過程またはランプユニットの輸送過程で、外部リードに振動や衝撃等の力が付与された場合であっても、細い外部リードで振動が吸収され、ガラスバルブの封止部の破損を防止することができる。
本発明の請求項35に係る放電ランプでは、少なくともガラスバルブに封着されている部分のリード線の表面粗さは、0.2Ra〜0.8Raであることにより、給電端子の接続部やホロー電極が設けられたリード線が振動しても、ガラスバルブに封着されている部分のリード線の封着部の強度が高く(0.1Ra以下と比べて、16%〜40%の強度UP)、ガラスバルブ端部破損を防止することができる。また、リード線の封着部の強度が高いのでガラスバルブの封着部でのリード線の剥離を防止できる。その結果、リークを防止することができる。
本発明の請求項35に係る放電ランプでは、リード線の一端部の表面が0.2Ra〜0.8Raであり、かつ面取り寸法は径方向の長さが0.08mm〜0.15mmで軸方向の長さが0.1mm〜0.25mmであるので、溶接強度が向上することができる。つまり、サンドブラスト法、バレル研磨等でリード線の一端部の表面を粗面にするが、上記寸法にすることで、リード線の一端面の表面が小さくなるのを抑制して0.2Ra〜0.8Ra範囲に安定して形成でき、抵抗溶接、またはレーザー溶接により、ホロー電極とリード線とを安定した強度で溶着することができる。
本発明の請求項37に係る放電ランプでは、接続部は、その一部をリード線の肉だまり部に当接させたものであることにより、ガラスバルブに対して、給電端子の軸心方向の位置決めを行うことができる。また、軟質金属で溶着した場合、リード線に掛かる曲げ力を抑制して、接続部の一部とリード線の肉だまり部とを広い接続面積で電気的に安定接続することができる。
本発明の請求項38に係る放電ランプでは、接続部は、リード線より熱伝達率が大きいものであることにより、半田、ロウ等の軟質金属やレーザ溶接、抵抗溶接等を用いてリード線に筒状体の接続部を固着する場合、その固着時の熱が主に筒状体側で放熱するため、固着時の熱によるガラスバルブの破損を抑制することができる。
本発明の請求項39に係る放電ランプでは、接続部は熱伝達率が75W/(m・K)〜435W/(m・K)で、かつ、導電率が9×106S/m〜65×106S/mであることにより、リード線に対し筒状体の接続部の溶接性と電気的な接続性とを向上することができる。
本発明の請求項40に係る放電ランプでは、ガラスバルブが酸化ナトリウムの含有率が3wt%〜20wt%の範囲のガラス材料で形成されていることにより、暗黒始動特性を改善することができる。また、筒状体はガラスバルブ内のリード線と対向するガラスバルブの外周表面全域において非接触であることにより、前記外周表面全域に包囲されたガラスバルブ中に水銀蒸気が集まりにくいため、ガラスバルブ内面に溶出されたナトリウム(Na)と水銀蒸気(Hg)との反応によるアマルガムの生成されるのを抑制することができ、蛍光ランプの輝度低下を抑制することができる。
本発明の請求項41に係る放電ランプでは、ガラスバルブが酸化ナトリウムの含有率が5wt%以上20wt%以下の範囲のガラス材料で形成されていることにより、暗黒始動時間が約1秒以下に改善することができる。
本発明の請求項42に係るバックライトユニットでは、光源として、請求項1から請求項40のいずれかに記載の放電ランプを備えたことにより、ランプの取り付けが簡単で、かつ長寿命でありながら、高いランプ輝度を得ることができる。
本発明の請求項43に係る液晶ディスプレイ装置では、液晶ディスプレイパネルと、請求項42記載のバックライトユニットとを備え、バックライトユニットは、請求項1から請求項40のいずれかに記載の放電ランプを複数本収納する外囲器を有することにより、長寿命でありながら、ランプ輝度を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
(冷陰極蛍光ランプの説明)
以下、本発明の実施の形態1にかかる放電ランプである、例えば冷陰極蛍光ランプについて、図面を参照しながら説明する。
【0038】
図1は、本発明の実施形態1にかかる冷陰極蛍光ランプを示す一部破断斜視図であり、図2は、冷陰極蛍光ランプを示す一部拡大斜視図であり、図3は、冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図である。
【0039】
図1〜図3に示すように、冷陰極蛍光ランプ1は、バックライトユニットの光源として用いられるものであって、ガラスバルブ10と、ガラスバルブ10の両端部10a、10bの内側にそれぞれ設けられたホロー電極20と、ガラスバルブ10の両端部10a、10bの外周面10cに、ホロー電極20のリード線22(電極本体21の底部24中央部に溶着されたリード線22)と接続された給電端子30とを備えたものである。
ガラスバルブ10は、ホウケイ酸ガラス(SiO2−B2O3−Al2O3−K2O−TiO2)製のガラス管を加工したものであって、全長は730mmである。当該ガラスバルブ10は、管状のガラスバルブ本体11と、ガラスバルブ本体11の長手方向両側に熱加工により形成された一対の封着部12とからなり、ガラスバルブ10の両端部10a、10bがガラスバルブ10の中央部の外径より大きく形成されている。
ガラスバルブ本体11は、断面が円環形状であって、外径が4mm、内径が3mm、肉厚が0.5mmである。封着部12は、図3に示すように、ガラスバルブ10の管軸A方向における長さWが2mmであって、ホロー電極20のリード線22が封着されている。
【0040】
なお、ガラスバルブ10の構成は上記構成に限定されない。但し、冷陰極蛍光ランプ1を細長くするためには、ガラスバルブ10が小径かつ薄厚であることが望ましいため、一般的には、ガラスバルブ本体11は、内径が1.4mm〜6.0mm、厚みが0.2mm〜0.5mmである事が好ましい。
【0041】
ガラスバルブ10の両端部を除く内面には蛍光体層13が形成されている。本実施の形態では、図3に示すように、蛍光体層13の端部は、ホロー電極20の電極本体21の外周面と対向し、電極本体21の底部24と給電端子30の管中央側の端部との間に位置するよう設けている。この構成により、ガラスバルブ本体11から紫外線が直接漏れるのを防止することができる。
【0042】
蛍光体層13は、例えば、赤色蛍光体(Y2O3:Eu3+)、緑色蛍光体(LaPO4:Ce3+,Tb3+)および青色蛍光体(BaMg2Al16O27:Eu2+)からなる希土類蛍光体で形成されている。また、ガラスバルブ10の内部には、例えば、約1200μgの水銀、および、希ガスとして約8kPa(20℃)のネオンとアルゴンとの混合ガスがNe:95mol%、Ar:5mol%の比率で封入されている。
【0043】
なお、蛍光体層13、水銀および希ガスの構成は上記構成に限定されない。例えば、希ガスにクリプトンが含まれていてもよい。この場合、冷陰極蛍光ランプ1の赤外線放射を抑制することができる。さらには、希ガスにクリプトンが0.5mol%以上5mol%以下の範囲内で含まれていることが好ましい。この場合、ランプ電圧を大きく変化させることなく、冷陰極蛍光ランプ1の赤外線放射を抑制することができる。例えば、例えばアルゴンが0mol%以上9.5mol%以下の範囲内、ネオンが90mol%以上95.5mol%以下の範囲内、クリプトンが0.5mol%以上5mol%以下の範囲内である。さらには、希ガスにクリプトンが0.5mol%以上3mol%以下の範囲内で含まれていることがより好ましい。さらには、希ガスにクリプトンが1mol%以上3mol%以下の範囲内で含まれていることがさらにより好ましい。
【0044】
また、ガラスバルブ10の材料にホウケイ酸ガラスを使用したが、これに限らず、例えば、酸化ナトリウムを含有するソーダガラス等を使用してもよい。この場合、ガラスバルブ10の内面と蛍光体層13との間に、水銀とガラスバルブ10内表面のナトリウムとの結合を防止するための保護膜を設けることが好ましい。また、ガラスの加工性や暗黒始動特性が改善を考慮すると、ガラスバルブ10は、酸化ナトリウムの含有率が3wt%以上20wt%以下の範囲のガラス材料で形成されているのが好ましい。そして、酸化ナトリウムの含有率をさらに5wt%以上にすると、暗黒条件下での暗黒始動時間が約1秒以下となる。逆に、酸化ナトリウムの含有率が20wt%を越えると、長時間の使用によりガラスバルブが白色化して輝度の低下を招いたり、ガラスバルブ10自体の強度が低下したりするなどの不具合が発生する。また、環境対策を考慮した場合、アルカリ系金属の含有率が前記3wt%以上20wt%以下の範囲内のガラス材料であって、かつ、鉛の含有率が0.1wt%以下のガラスが好ましく(所謂、「鉛フリーガラス」である。)、さらには、鉛の含有率が0.01wt%以下のガラス材料がより好ましい。また、ガラス材料は、酸化物換算で、SiO2が60wt%〜75wt%、Al2O3が1wt%〜5wt%、Li2Oが0wt%〜5wt%、K2Oが3wt%〜11wt%、Na2Oが3wt%〜12wt%、CaOが0wt%〜9wt%、MgOが0wt%〜9wt%、SrOが0wt%〜12wt%、BaOが0wt%〜12wt%の組成を有していてもよい。この場合、鉛成分を含有せず、環境に優しい冷陰極蛍光ランプを提供することができる。さらには、ガラス材料は、酸化物換算で、SiO2が60wt%〜75wt%、Al2O3が1wt%〜5wt%、B2O3が0wt%〜3wt%、Li2Oが0wt%〜5wt%、K2Oが3wt%〜11wt%、Na2Oが3wt%〜12wt%、CaOが0wt%〜9wt%、MgOが0wt%〜9wt%、SrOが0wt%〜12wt%、BaOが0wt%〜12wt%の組成を有していることがより好ましい。
【0045】
また、ガラス材料は、酸化物換算で、SiO2が60wt%〜75wt%、Al2O3が1wt%〜5wt%、Li2Oが0.5wt%〜5wt%、K2Oが3wt%〜7wt%、Na2Oが5wt%〜12wt%、CaOが1wt%〜7wt%、MgOが1wt%〜7wt%、SrOが0wt%〜5wt%、BaOが7wt%〜12wt%の組成を有していてもよい。この場合、ランプへの加工を行いやすく、かつ鉛成分を含有せず、環境に優しい冷陰極蛍光ランプを提供することができる。
【0046】
さらに、ガラス材料は、酸化物換算で、SiO2が65wt%〜75wt%、Al2O3が1wt%〜5wt%、B2O3が0wt%〜3wt%、Li2Oが0.5wt%〜5wt%、K2Oが3wt%〜7wt%、Na2Oが5wt%〜12wt%、CaOが2wt%〜7wt%、MgOが2.1wt%〜7wt%、SrOが0wt%〜0.9wt%、BaOが7.1wt%〜12wt%の組成を有していてもよい。この場合、鉛成分を含有せず、照明用途に適した電気絶縁性を有し、かつ、失透を起こりにくくすることができる。さらには、ガラス材料は、酸化物換算で、SiO2が65wt%〜75wt%、Al2O3が1wt%〜3wt%、B2O3が0wt%〜3wt%、Li2Oが1wt%〜3wt%、K2Oが3wt%〜6wt%、Na2Oが7wt%〜10wt%、CaOが3wt%〜6wt%、MgOが3wt%〜6wt%、SrOが0wt%〜0.9wt%、BaOが7.1wt%〜10wt%の組成を有していることがより好ましい。
ホロー電極20は、電極本体21とリード線22とで構成され、ガラスバルブ10の封着部12に封着されている。
【0047】
電極本体21は、ニッケル(Ni)製であって、筒部23と底部24とからなる有底筒状である。なお、電極本体21は、ニッケル製に限定されず、例えば鉄ニッケル合金、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)或いは、ハフニウム(Hf)製にすることが考えられる。
【0048】
筒部23は、全長が5.2mm、外径が2.7mm、内径が2.3mm、肉厚が0.2mmである。ホロー電極20は、筒部23の管軸とガラスバルブ10の管軸とがほぼ一致するように配置されており、筒部23の外周面とガラスバルブ10の内面との間隔は、筒部23の外周全域に亘ってほぼ均一となっている。そして、長さMは10mmである。
【0049】
筒部23の外周面とガラスバルブ10の内面との間隔は、具体的には0.15mmである。このように前記間隔が狭いと、前記間隔に放電が入り込まず、ホロー電極20の内部のみで放電が起こる。したがって、放電により飛散するスパッタ物質が、ガラスバルブ10の内面に付着しにくく、冷陰極蛍光ランプ1は長寿命である。一方、放電がリード線22側へ回り込まないため、前記リード線22が放電によって加熱されにくい。
【0050】
なお、筒部23の外周面と前記ガラスバルブ10の内面との間隔は、必ずしも0.15mmである必要はないが、前記間隔に放電が入り込まないようにするためには0.2mm以下であることが好ましい。
【0051】
電極本体21の表面には、電子放射性物質層(図示せず)が形成されていてもよい。この場合、電子放射性物質層が設けられていないランプに比べてランプ電圧を下げることができる。具体的には、電子放射性物質層は、例えば電極の内面に形成されている。電子放射性物質層は、例えば希土類元素を含む。冷陰極蛍光ランプにおいて、ランプ電圧を下げるのに効果的なためである。さらに、希土類元素は、ランタン(La)およびイットリウム(Y)のうちいずれか1種以上であることがより好ましい。
【0052】
電子放射性物質層は、さらに珪素(Si)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、硼素(B)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)、リン(P)および錫(Sn)のうちいずれか1種以上を含むことが好ましい。この場合、ランプ電圧の低減効果をより持続させることができる。
さらに、電子放射性物質層に、セシウム(Cs)化合物が含まれていてもよい。この場合、ランプの暗黒始動特性をさらに向上させることができる。また、電子放射性物質層とは別に、電極本体21の内面や外面にセシウム化合物を付着させてもよい。なお、セシウム化合物は、例えば、硫酸セシウム、アルミン酸セシウム、ニオブ酸セシウム、タングステン酸セシウム、モリブデン酸セシウムおよび塩化セシウムのうちいずれか1種以上を用いることが好ましい。また、セシウム化合物は、電極の筒部23の外周面に付着されていることがより好ましい。この場合、冷陰極蛍光ランプ1の製造工程において、セシウム化合物を適度に活性化させやすくすることができる。さらには、電極の筒部23の外周面におけるランプ中央部側の先端部に付着されていることがさらにより好ましい。
リード線22は、ガラスバルブ10の熱膨張係数とほぼ同じ材料であるタングステン(W)製の内部リード線25と、内部リード線25と細く、かつ、半田等が付着し易いニッケル製の外部リード線26とを溶接接合したものである。リード線22の接合部には、ガラスバルブ10の外径より小さく内部リード線25の外径より大きい肉だまり部27が、ガラスバルブ10の両端面と対向し、ガラスバルブ10の両端部にその底部が密接するように設けられている。つまり、外部リード線26及び肉だまり部27はガラスバルブ10の外表面よりも外側に位置する。
【0053】
この構成により、肉だまり部27からホロー電極20部までの寸法を一定にでき、つまり、ホロー電極20の底部と対向するガラスバルブ10の内面との隙間ε(筒状体軸心方向の長さ)を約1mmに小さくして有効発光長Lを長くすることができる。また、外部リード線26の突出部分が外部とぶつかった際、肉だまり部27に掛かる力がガラスバルブ10の両端部で吸収されるので、内部リード線25が封着されたガラスバルブ10の封着部12の破損によるリークを防止することができる。
なお、肉だまり部27は外部リード線26と同じニッケル材料で形成したが、これに限らず、例えばFe−Ni合金、Cu−Ni合金、ジュメット線、鉄材料又はその表面にニッケルメッキで形成されたもの等にすることが考えられる。また、外部リード線26の肉だまり部27は、リード線22の軸心と直交する断面(管軸Aと直交する断面)が円形状であり、その最大径が内部リード線25の最大外径より大きくガラスバルブ10の最大外径より小さい寸法であることが好ましい。しかし、肉だまり部27は必ずしも必要ではない。
内部リード線25は、断面が略円形であって、全長が3mm、線径が0.8mm、表面粗さが0.4Raである。当該内部リード線25は、外部リード線26側の端部がガラスバルブ10の封着部12に封着され、外部リード線26側とは反対側の端部が電極本体21の底部24の外側面略中央に接合されている。
なお、内部リード線25の表面粗さは、上記0.4Raに限らず、封着部12の封止強度が十分でリークが発生しない観点から0.2Ra〜0.8Raが好ましい。つまり、近年の高輝度化の要望され、冷陰極蛍光ランプのランプ電流が20mA(従来のランプ電流に比べ3倍程度)と大きくなると封着部12の封止強度が不十分となりリークが発生することがある。そこで、3.5mA(従来のランプ電流)〜22mA(従来のランプ電流に比べ約3倍)で動作させ、内部リード線25の表面粗さが0.08Ra、0.2Ra、0.33Ra、0.52Ra、0.80Ra、0.99Raに変化させたときの実験を行った。その結果は、その表面粗さが0.08Raの場合、封止強度が不十分なためビード12(封止部分)にリークが発生することがあった。また、その表面粗さが0.2Ra、0.33Ra、0.52Ra、0.80Ra及び0.99Raの場合、封止強度(0.1Ra以下と比べて、16%〜40%の強度UP)の問題は発生しなかった。しかしながら、その表面粗さが0.99Raの場合、封着部12に気泡が発生することがあり、これはリード線22のガラスバルブ10に封止された部分の表面の凹凸が大き過ぎると(表面が粗過ぎると)、その凹部にガラスが入り込まず、気泡が発生しやすくなるからだと考えられる。このような気泡もリークの原因となりうる可能性があるため好ましくない。
また、リード線22の一端部は、電極本体21の底部24中央部と溶接固定され、その一端部の表面が0.2Ra〜0.8Raであり、かつ面取り寸法は径方向の長さが0.08mm〜0.15mmで軸方向の長さが0.1mm〜0.25mmであることで、溶接強度が向上することができる。
そして、上記表面粗さRaは、走査型共焦点赤外レーザ顕微鏡(オリンパス株式会社製、LEXT.OLS3000)を用いて、内部リード線25の表面粗さRaをリード軸心方向に沿って5回測定し、その平均値より求めた。
外部リード線26は、ガラスバルブ10の外表面から管軸A方向に向けて突出する突出部分であって、給電端子30と接合されている。当該外部リード線26は、全長(肉だまり含む長さ)が5mmであり、外部リード線26の軸心とガラスバルブ10の管軸Aとがほぼ一致している。
外部リード線26の前記全長は、封着部12が破損するのを低減するため、8mm以下が好適である。また、外部リード線26は、断面が略円形であり、線径は内部リード線25よりも細い0.6mmである。つまり、前記8mm以下では、例えば冷陰極蛍光ランプ1を図20に示すバックライトユニット1000に取り付ける際に、外部リード線26がバックライトユニット1000にぶつかって折れ曲がったり、ぶつかった際に外部リード線26に加わる応力によって封着部12が割れたりするおそれが少ない。
給電端子30は、ガラスバルブ10の中央部の外径より大きい両端部10a、10bを除くガラスバルブ10の外周面10cに当接しかつ包囲するよう設けられた導電性の筒状体31を有したものである。
具体的には、給電端子30は、例えば、筒状体31の長さPが6mm、厚さが0.1mmのステンレス製の薄厚の金属部材で形成されたものであり、筒状体31から筒状体軸心方向リード線22側に延出し、リード線22の一部と接続される接続部31bを備えたものである。その筒状体31は、ガラスバルブ10の中央部の外径より大きい両端部10a、10bを除くガラスバルブ10の端部外周面に、外挿されて概ね当接しかつ包囲するよう設けられたものであり、その筒状体31の内面がホロー電極20と対向するガラスバルブ10の外周面10cに密接している。この構成により、ホロー電極20により加熱されるため、ホロー電極20と対向するガラスバルブ10の内面の水銀が溜まりにくく、放電路の水銀蒸気が不足してランプ輝度が低下したり、ランプ輝度の立ち上がりが遅くなったりする現象が起こりにくくなる。
そして、筒状体31の筒状体軸心方向一端から外側に延出する帯状の導出部31aと、該導出部31aの先端部に設けられ、リード線22の一部と接続される接続部31bとを備えたものであり、つまり給電端子30は、導出部31aを介して筒状体31と接続部31bとを接続したものである。
筒状体31は、図2に示すように、軸心方向にスリット部32を有し、断面が略C字型をなし、略C字型部の弾性力により、ガラスバルブの外形の寸法公差を吸収して、ガラスバルブ10の外周面10cに保持されている。
接続部31bは、例えば、リード線22の一部外周面に接近するようにU字部が形成され、リード線22に対しかしめたものである。その結果、電気的な接続状態が維持(安定接続)され、かつガラスバルブ10に対して、給電端子30の軸心方向の位置決めを行うことができる。
【0054】
なお、上記かしめ後、そのかしめされた接続部31bを、半田、ロウ等の軟質金属を用いて被覆したり、レーザ溶接等によりさらに接続強度を高めてもよい。
上記構成の筒状体31を有した給電端子30により、給電端子30を下記で説明する図21に示すバックライトユニットの一組のソケット1600へ嵌め込む際、ランプ組み込み過程またはランプユニットの輸送過程で、冷陰極蛍光ランプ1の給電端子30に振動や衝撃等の力が付与された場合であっても、ガラスバルブ10の封止部および給電端子30が取り付けられたガラスバルブ10の外周面にクラックが生じるのを防止することができる。
なお、筒状体31は、上記の厚さやステンレス製材料に限らず、例えば、厚さが0.1〜0.5mmのタンタル製、ニッケル製、コバール製、モリブデン製、タングステン製、耐食性とばね性の観点からりん青銅等の部材で形成されたものでもよい。また、給電端子30の放熱作用を小さく抑えるためには、筒状体31が形成される領域ができるだけ狭いことが好ましく、給電端子30の管軸A方向(筒状体軸心方向)の長さPは、19mm以下であることが好ましい。また、前記長さPは、電極本体21におけるガラスバルブ本体11の中央部側の先端部より大きい場合、有効発光長が短くなるため、給電端子30による光束の損失を考慮すると、本体21におけるガラスバルブ本体11の中央部側の先端部より短い、10mm以下であることがより好ましい。
であることを特徴とする請求項28〜請求項36のいずれかに記載の放電ランプ。
接続部31bは、リード線22より熱伝達率が大きいことが好ましい。つまり、接続部31bは、リード線22より熱伝達率が大きくしたことにより、半田、ロウ等の軟質金属やレーザ溶接、抵抗溶接等を用いてリード線22に筒状体31の接続部31bを固着する場合、その固着時の熱が主に筒状体31側で放熱するため、固着時の熱によるガラスバルブの破損を抑制することができる。
また、接続部31bは、熱伝達率が75W/(m・K)〜435W/(m・K)で、かつ、導電率が9×106S/m〜65×106S/mであることにより、リード線に対し筒状体の接続部の溶接性と電気的な接続性とを向上することができる。なお、熱伝達率が75W/(m・K)〜435W/(m・K)で、かつ、導電率が9×106S/m〜65×106S/mである材料としては、銀(熱伝導率429W/(m・K)、導電率63×106S/m)、銅(熱伝導率401W/(m・K)、導電率59.6×106S/m)、金(熱伝導率317W/(m・K)、導電率45.2×106S/m)、アルミニウム(熱伝導率237W/(m・K)、導電率37.7×106S/m)、鉄(熱伝導率80.2W/(m・K)、導電率9.93×106S/m)、ニッケル(熱伝導率90.7W/(m・K)、導電率14.3×106S/m)、タングステン(熱伝導率174W/(m・K)、導電率18.9×106S/m)、モリブデン(熱伝導率138W/(m・K)、導電率18.7×106S/m)等が挙げられる。
さらに、リード線22は、外部リード26が内部リード26の熱伝達率より小さいものであることが好ましい。つまり、リード線22は、外部リード26が内部リード25の熱伝達率より小さいものであることにより、給電端子30を外部リード26に半田や溶接等で接合する場合、外部リード26から内部リード25への熱が伝わり難いので、ガラスバルブ端部10bの破損を防止することができる。
【0055】
上記冷陰極蛍光ランプ1は、点灯周波数40〜100kHz、ランプ電流3〜25mAで動作されている。なお、ランプ電流が25mAと大きくなった場合は、有効発光長を考慮しつつスパッタ量の低減の観点から、ホロー電極20の温度を下げるために、例えば、給電端子30の長さPを19mmまで、筒状体31の筒部全長が15mmまで、それぞれの長さを長くした方が好ましい。
以上、本発明に係る冷陰極蛍光ランプ1を実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係る冷陰極蛍光ランプ1は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、冷陰極蛍光ランプは、直管形に限定されず、例えばU字形、L字形、C字形等の屈曲形冷陰極蛍光ランプであってもよい。また、給電端子30の構成は上記構成に限定されず、例えば以下で説明する変形例1乃至16に示すような構成とすることが考えられる。なお、以下の各変形例の図において、上述した給電端子30と同様の構成部分には、同じ符号を付して、その説明については省略することとする。
【0056】
図4は、変形例1に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図である。
【0057】
変形例1は、上記第一実施形態とは、肉だまり部27に関する構成が異なる。具体的には、肉だまり部27は、ガラスバルブ10の端部12に設けられた凹入部12a内にその全体が没入した状態で埋設されており、その底面は凹入部12aの底面と密接し、かつ、その周面は凹入部12aの側周面との間にリード線径方向に距離Bを保っている。
【0058】
この構成により、ガラスバルブ10の端部12において、肉だまり部27の底面が密接しているため、リード線22に加わる外部衝撃を抑制することができる。また、肉だまり部27の底面がリード線径方向で隙間を有しているため、リード線22に接続部31bを半田、ロウ等で固定した場合等により肉だまり部27が熱膨張しても、ガラスバルブ10の端部12の破損を防止することができる。
【0059】
図5は、変形例2に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図である。
【0060】
変形例2は、上記第一実施形態とは、肉だまり部27に関する構成が異なる。具体的には、肉だまり部27は、ガラスバルブ10の端部12との間に距離Cの隙間を設けて配置されており、この構成により、例えば、リード線22と給電端子30との溶接接合やランプ電流が増大した際、リード線22の肉だまり部27が発熱するが、ガラスバルブ10の端部12との間に隙間を設けているので、肉だまり部27の熱膨張によってガラスバルブ10の端部12に熱応力が加わることがない。その結果、ガラスバルブ10の端部12の破損が抑制されリーク発生を防止することができる。なお、隙間(距離)Cが0.1mm〜0.5mmである場合は、例えば、予めリード線22に半田デップする場合であっても、隙間部分のリード線22に半田が付着することがないので、ガラスバルブ10の端部12の破損がさらに抑制されリーク発生を防止することができる。
図6は変形例3に係る冷陰極蛍光ランプの給電端子40の断面図を示す。
【0061】
変形例3は、第一実施形態とは、給電端子40の接続部41bが、リード線22の一端面に面接触するように導出部41aの先端から折曲して形成され、面接触の部分41cでリード線22と溶接接続されている点が異なる。この構成によれば、接続部41bによりリード線22の中心軸方向に力が加わるので、リード線22に掛かる曲げ力を抑制することができる。また、面接触の部分41cとリード線22とを、レーザ溶接、抵抗溶接や、半田又はロウ等の軟質金属を用いて安定接続することができ、さらに、ガラスバルブ10に対して、給電端子40の軸心方向の位置決めを行うことができる。
【0062】
図7は変形例4に係る冷陰極蛍光ランプの給電端子50の断面図を示す。
【0063】
変形例4は、上記第一実施形態とは、給電端子50の接続部51bがリード線22の一部外周面に近接又は接触するように、導出部51aの先端から折曲して形成され、平面状の接触の部分55とリード線22とが溶接接続されている点および、肉だまり部27と対向する接続部51bの折曲の端面を肉だまり部27に当接している点が異なる。この構成によれば、リード線22に掛かる曲げ力を抑制して、平面状の接触の部分55とリード線22とをレーザ溶接、抵抗溶接や、半田又はロウ等の軟質金属を用いて安定接続することができる。また、ガラスバルブ10に対して軸心方向の給電端子50の位置決めすることができる。
【0064】
図8は変形例5に係る冷陰極蛍光ランプの給電端子60の断面図を示す。
【0065】
変形例5は、上記第一実施形態とは、給電端子60の接続部61bが肉だまり部27の端面と面接触するように、導出部61aの先端から折曲して形成されると共に、リード線22が挿入されるように貫通孔62(又は切欠部)を設けている点および、前記面接触した後、接続部61bとリード線22および肉だまり部27とを半田又はロウ等の軟質金属を用いて溶着接続されている点が異なる。この構成によれば、接続部61bによりリード線22の肉だまり部27に力が加わるので、リード線22に掛かる曲げ力を抑制することができる。また、接触面の広い肉だまり部27と接続部61bの板面とを半田又はロウ等の軟質金属を用いて安定接続することができる。また、ガラスバルブ10の肉だまり部27の位置で給電端子60を位置決めできるので、リード線22の長さが短縮され冷陰極蛍光ランプの全長を短くすることができる。
【0066】
図9は変形例6に係る冷陰極蛍光ランプの給電端子70の断面図を示す。
【0067】
変形例6は、上記第一実施形態とは、給電端子70の接続部71bが肉だまり部27の端面と接触するように、導出部71aの先端から折曲して形成されると共に、リード線22が挿入されるように筒状部72を設けている点および、前記接触した後、接続部71bをかしめを行い、続いて接続部71bとリード線22および肉だまり部27とを半田又はロウ等の軟質金属を用いて溶着接続されている点が異なる。この構成によれば、接続部71bによりリード線22の肉だまり部27に力が加わるので、リード線22に掛かる曲げ力を抑制することができる。また、接触面の広い肉だまり部27と接続部71bの筒状部72とを半田又はロウ等の軟質金属を用いて安定接続することができる。また、ガラスバルブ10の肉だまり部27の位置で給電端子70を位置決めできるので、リード線22の長さが短縮され冷陰極蛍光ランプの全長を短くすることができる。
なお、接触面の広い肉だまり部27と接続部71bの筒状部72との接続を、前記の半田又はロウ等の軟質金属に替えて、さらに接続が安定する、例えばレーザー溶接、抵抗溶接等で行うこともできる。
図10は変形例7に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子80の斜視図を示す。
【0068】
変形例7は、上記第一実施形態とは、給電端子80の接続部81bが筒状体81の筒壁から管軸Aと平行に延出され、中程で直角に折り返された短冊状の導出部81aと、導出部81aの延出端に設けられた弾性挟持部83で構成されている点が異なる。
【0069】
具体的には、弾性挟持部83が管軸Aと直交する方形板状部である基部83aと、基部83aから延設された、一対の弾性挟持片83b、83cを有する。また、弾性挟持片83b、83cの各々は、基部83aにおいて対向する辺部から、筒状体81側に延出された短冊状をしている。弾性挟持片83b、83cは、内側に向かって(管軸Aに向かって)「く」字状に屈曲されており、当該屈曲部の頂部間で、リード線22を弾性的に挟持する。なお、一対の弾性挟持片83b、83cのそれぞれの押圧力をリード線22に対し少なくとも100g以上で、リード線22を挟持して接続されたものである。
【0070】
この構成によれば、リード線22の先端に基部83aを当接することで、ガラスバルブ10に対して給電端子80を位置決めすることができる。
【0071】
また、給電端子80は、リード線22が弾性挟持片83b、83cの2点と点接触するため、リード線22がガラスバルブ10に対し少し傾いたとしても、リード線22が前記頂部間で効果的に逃げることとなり、リード線22に無理な力が加わりにくい。
【0072】
さらに、弾性挟持部83は、リード線22の挿脱性に優れるため、給電端子80のガラスバルブ10への着脱性が向上する。
なお、上記給電端子80は、リード線22が弾性挟持片83b、83cの2点で接触するが、これに限らず2点以上で接触してもよく、例えば、給電端子の円周を3等分し、その3等分された円周端部から3つの短冊状の導出部とそれぞれの導出部の先端に設けられた接続部により、リード線22の外周面を弾性的に挟持してもよい。
【0073】
図11は変形例8に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子90の斜視図を示す。
【0074】
変形例8は、上記第一実施形態とは、給電端子90の接続部91bが筒状体91の筒壁から管軸A方向に延出され短冊状の導出部91aと、導出部91aから延出して形成された弾性挟持部93とを有する点が異なる。
【0075】
具体的には、弾性挟持部93は、基本的には、上述した弾性挟持部83と同様の構成である。すなわち、基部93aから延設された、一対の弾性挟持片93b、93cで構成されている。特徴的なのは、導出部91aを含め、筒状体91から延設された一本の帯状部が、その長手方向所定位置で屈曲加工されてなるものである点である。なお、一対の弾性挟持片93b、93cのそれぞれの押圧力をリード線22に対し少なくとも100g以上で、リード線22を挟持して接続されたものである。
【0076】
この構成によれば、変形例7に比べ、給電端子90の接続部91bにおける材料の使用量が少なくてすみ、全体として軽量化を図ることができる。
【0077】
また、リード線22の弾性挟持部93への挿入性に優れる点は、上記変形例7と同様である。一方、リード線22は弾性挟持部93から抜けにくい構造になっている。リード線22を弾性挟持部93から引き抜こうとすると、導出部91bが内側へ(管軸Aに向いて)撓む。その結果、弾性片部93cも同様に内側へ変位し、リード線22を押圧することとなって、弾性片部93cとリード線22との間に摩擦力が増大するためである。よって、給電端子90は、一旦ガラスバルブ10に装着すると、取り外す必要のない場合に好適に使用できる。
【0078】
さらに、弾性挟持部93は、リード線22の挿脱性に優れるため、給電端子90のガラスバルブ10への着脱性が向上する。
図12は、変形例9に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子100の一端部を示す拡大断面図である。
【0079】
変形例9は、上記第一実施形態とは、筒状体101の外周面に段差がある点が大きく異なる。
【0080】
具体的には、給電端子100の筒状体101は、第1筒部110と、第1筒部110から管軸A方向リード線側に延設された第2筒部120とを有し、第2筒部120は第1筒部110よりも外径が大きい。
この構成によれば、下記で説明するバックライトユニットの一組のソケット1600に冷陰極蛍光ランプを設置する際に、第1筒部110と第2筒部120との外径差により生じた段差130に、ソケット1600の管軸A方向リード線側の端面1640の一部を押し当てることができ、ランプを管軸A方向に位置決めし易い。
【0081】
第1筒部110と第2筒部120の肉厚は同じであるため、第2筒部120が第1筒部110より内径も大きい。具体的には、第2筒部120は第1筒部110より内径及びガラスバルブ10の端部の外径よりも大きく形成されているため、上記第一実施形態よりも放熱面積が大きくなり、放熱性を向上することができる。
図13は、変形例10に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子200の一端部を示す拡大図である。
【0082】
図13(a)に示すように、変形例10は、上記第一実施形態とは、筒状体201の管軸A方向ホロー電極側の端部250の内面が面取りされている点が大きく異なる。具体的には、その面取りは、筒状体201の管軸A方向ホロー電極側の端部250に周方向全体に亘ってテーパ状に形成されている。
【0083】
この構成により、給電端子200をガラスバルブ10に挿入した際のガラスバルブ10表面の損傷が抑制され、かつ給電端子200をガラスバルブ10に容易に装着することができる。
図14は、変形例11に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子300の一端部を示す拡大断面図である。
【0084】
変形例11は、上記第一実施形態とは、筒状体301の管軸A方向ホロー電極側の端部350がラッパ状に形成されている点が大きく異なる。この構成により、前記端部350の内径が大きくなっているため、給電端子300をガラスバルブ10に挿入した際、ガラスバルブ10表面の損傷が抑制され、かつ給電端子300をガラスバルブ10に容易に装着することができる。
【0085】
図15は変形例12に係る冷陰極蛍光ランプの給電端子400を示す斜視図である。
【0086】
変形例12は、上記第一実施形態とは、筒状体401の構成が大きく異なる。図15に示すように、筒状体401は、その周方向に沿って複数設けられた弾性舌片420を有し、この複数の弾性舌片420によりガラスバルブ10の外周面10cを挟持している。詳しくは、断面が略C字型をなしており、筒状体軸心方向にスリット部430を有する円筒体部410と、円筒体部410の一端部から延設されてなる複数本の(本例では、6本の)短冊状をした弾性舌片420とを有する。弾性舌片420は、円筒体部410の一端から筒状体軸心方向に沿った複数条(本例では、6条)のスリット部432を周方向に等間隔で所定の深さまで開設することにより形成されている。スリット部432のうちの1つが、円筒体部410のスリット部430と繋がった構成であるため、ガラスバルブ10の外形の寸法公差を略C字型部の弾性力により吸収でき、給電端子400をガラスバルブ10の外周面に保持することができる。
【0087】
なお、弾性舌片420の各々は、円筒体部410側の基端部近傍を基点として、全体的に内側に折り曲げられ、さらに、弾性舌片420の先端部450の内面が面取りされたものでもよい。これにより、給電端子400を冷陰極蛍光ランプに外挿する際に、弾性舌片420の先端の角でガラスバルブ10の外周面を傷つけないためと、ガラスバルブ10の端部12に挿入しやすくするためであり、ガラスバルブの端部に給電端子を装着する作業が円滑にできる。
【0088】
図15に示すように、上記構成からなる給電端子400を、ガラスバルブ10の端部に外挿すると、各弾性舌片420がガラスバルブ10の外周面に当接して、弾性舌片420全体が、前記基端部を基点にガラスバルブ10の径方向外方へ弾性的に撓み(弾性変形し)、その復元力でガラスバルブ10を挟持する。これにより、ガラスバルブ10は、円筒体部410と軸心を略合致させた状態で、円筒体部410内に位置決めされることとなる。
【0089】
この構成により、筒状体401の外周面全体に等分布荷重が加わるので、ガラスバルブ10の割れを防止することができる。また、筒状体401の内面とガラスバルブ10の外周面との密着性が向上するので、給電端子400をガラスバルブ10に装着後、ガラスバルブ10に対して給電端子400がその管軸方向に移動しにくくすることができる。
【0090】
なお、弾性舌片420及びスリット部430の形状、個数、配置位置等は、上記のものに限定されないことは言うまでもない。要は、ガラスバルブ10を筒状体401内で弾性支持できるような構成であれば構わない。
【0091】
図16は変形例13に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子500の一端部を示す斜視図である。
【0092】
変形例13は、上記第一実施形態とは、筒状体501の構成が大きく異なる。筒状体501は、金属材料で形成された線状または帯状の弾性材料502で、筒状体軸芯方向に密着又は離間してスパイラル状に巻回させたものである。この構成によれば、素材そのもので筒状体501を形成できるため材料損失を少なくすることがきる。
【0093】
本変形例において、筒状体501は、帯状の弾性材料で形成されたものであり、第1筒部510と、第1筒部510から筒状体軸心方向リード線側に延設された第2筒部520とを有し、第2筒部520は第1筒部510よりも外径が大きい。第1筒部510の内面は、ガラスバルブ10の外周面に密着しており、該第1筒部510でガラスバルブ10を保持している。一方、第2筒部520の内面は、ガラスバルブ10の外周面と接触しておらず、それら面間には隙間を有している。また、弾性材料502は、例えば筒状体501の放熱性を高めるため、筒状体軸心方向に隙間505を空け、その帯状間が離間して形成されている。
図17は変形例14に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子600の一端部を示す斜視図である。
【0094】
変形例14は、上記第一実施形態とは、筒状体601の構成が大きく異なる。筒状体601は、その外周面に複数の凸部610を円周方向に形成されたもの(リング状の凸部)である。なお、凸部610は、円周方向に形成したもので説明したが、円周方向に替え、軸芯方向、管軸に対してスパイラル方向等に形成されたものでもよい。
この構成によれば、その複数の凸部610により筒状体601の実質的に外径が大きくできるので、ソケット1600に合わせることができる。また筒状体601の表面積を大きくすることができるので、放熱性を高めるためことができる。
図18は、変形例15に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子700の一端部を示す斜視図である。
【0095】
変形例15は、上記第一実施形態とは、筒状体701のスリット部732を挟んで対向する一対の端縁732a、732bのそれぞれの一部に、スリット部732を跨いで互いに係合する一対の係合部を設けた点が大きく異なる。
【0096】
具体的には、一対の係合部は、前記スリット部732の対向する一方の端縁732bの一部を切り欠いて形成した凹部735bと、他方の端縁732bにおける凹部735bと対向する位置に設けられ、先端が凹部735b内に嵌り込んでいる凸部735aとからなる。
【0097】
この構成によれば、凹部735bによって凸部735aの管軸A方向の動きが規制されるため、一対の端縁732a、732bが互いに対向した位置からずれ動くような筒状体31の変形が起こり難く、筒状体701の形状が安定する。また、スリット部732の幅でガラスバルブの外形の寸法公差を吸収することができる。
【0098】
なお、凹部735b及び凸部735aは、一対の端縁が互いに対向した位置からずれ動くのを規制できる形状であれば良い。例えば、凹部735bは筒状体701の外周面を四角形に切り欠いたものに、凸部735aは筒状体701の外周面を四角形に突出させたものに限定されず、四角形以外の多角形に切り欠き或いは突出させたものであっても良い。また、一対の係合部は複数対に設けられていても良い。
図19は、変形例16に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子800の一端部を示す拡大断面図である。
【0099】
変形例16は、上記第一実施形態とは、筒状体811の外周面に2箇所の段差がある点及び筒状体811が周方向に沿って複数設けられた弾性舌片860を有し、この複数の弾性舌片860によりガラスバルブ10の外周面を挟持している点が大きく異なる。
【0100】
具体的には、給電端子800の筒状体811は、第1筒部833と、第1筒部833から管軸A方向両側に延設された一対の第2筒部834,835とを有し、第2筒部834,835はそれぞれ第1筒部833よりも外径が大きい。また、筒状体811は、筒状体811の一部が折り曲げられ、その内面には径方向内側に突出して、ガラスバルブ10内のホロー電極20の外周面と対向するガラスバルブ10の外周面に押圧し、ガラスバルブ10を挟持する挟持部材である弾性舌片860を有している。また、弾性舌片860は、第2筒部834から第2筒部835側に延出すると共に第2筒部834からガラスバルブ10側に折曲して形成された複数の帯状体である点が異なる。
【0101】
この構成によれば、変形例9と同様に、第1筒部833と第2筒部834との外径差により生じた段差836に、ソケット(図示せず)の管軸A方向リード線側の端面の一部を押し当てることができ、ランプを管軸A方向に位置決めし易い。また、2箇所の段差836,837間の窪み部分である第1筒部833にソケットを嵌め込むことによって、位置決め後のランプが管軸A方向へずれ動くのを、2箇所の段差836,837によって管軸A方向における2方向から規制できるため、ソケットとの摩擦による筒状体811の表面の損傷が少ない。なお、上記位置決めは、熱膨張等によりガラスバルブ10の管軸A方向の寸法変動があるため、ガラスバルブ10の両端部の給電端子800の内、一方のみで行うことが好ましい。
【0102】
第1筒部833と第2筒部834,835の肉厚は同じであるため、第2筒部834,835は第1筒部833より内径も大きい。また、第1筒部833の内面とガラスバルブ10の外周面とが密着しているのに対し、第2筒部834,835の内面とガラスバルブ10の外周面とは隙間を有している。さらに、弾性舌片860の基端部は第1筒部833に配置されている。これにより、段差836,837にソケットを押し当てやすい構成となっている。
なお、弾性舌片860は、第2筒部834から第2筒部835側に延出するように設けたが、これに限らず、第1筒部833の一端側から他端側に延出すると共に前記一端側からガラスバルブ10側に折曲して形成された複数の帯状体等であってもよい。
【0103】
以上、ガラスバルブ10の両端に設けられた給電端子は、上記の実施の形態1、変形例1乃至16の形状のものに限らず、それらの組み合わせでもよい。
【0104】
また、給電端子は、両端とも同じ形状のものに限らず、上記の実施の形態1、変形例1乃至16のいずれかとを組み合わせてもよい。
【0105】
(バックライトユニットの説明)
図20は、本願発明の一実施形態にかかるバックライトユニット等の概略構成を示す分解斜視図であり、図21は、冷陰極蛍光ランプの取り付け状態を説明する図である。
【0106】
図20に示すように、本発明の一実施形態にかかるバックライトユニット1000は、液晶テレビ用の直下方式のバックライトユニットであって、その構造は、基本的に従来のバックライトユニットの構造に準ずる。
【0107】
バックライトユニット1000は、外囲器1100、拡散板1200、拡散シート1300およびレンズシート1400を備え、液晶パネル1500の背面に配置して用いられる。
【0108】
外囲器1100は、白色のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製の箱体であって、図20又は図21に示すように、略方形の反射板1110と、反射板1110の周縁を囲む側板1120〜1150とからなる。外囲器1100の内部には、例えば前記実施形態1の複数の冷陰極蛍光ランプ1が並設されており、それら冷陰極蛍光ランプ1の光は、前記外囲器1100の開口1160から拡散板1200に向けて放出される。
【0109】
反射板1110には、各冷陰極蛍光ランプ1の取り付け位置に対応する位置に、それぞれ一組のソケット1600が配置されている。各ソケット1600は、例えばりん青銅等の銅合金製或いはアルミニウム製の板材を折り曲げて加工したものであって、一対の挟持片1610,1620と、それら挟持片1610,1620を下端縁で連結する連結片1630とからなる。挟持片1610,1620には、冷陰極蛍光ランプ1の外形に合わせた凹部が設けられており、前記凹部内に冷陰極蛍光ランプ1を嵌め込めば、前記挟持片1610,1620の板ばね作用によって前記冷陰極蛍光ランプ1がソケット1600に保持されるとともに、前記ソケット1600と給電端子30とが電気的に接続される。バックライトユニット1000に取り付けられた冷陰極蛍光ランプ1には、前記バックライトユニット1000の点灯回路(不図示)からソケット1600を介して電力が供給される。
【0110】
拡散板1200は、ポリカーボネート(PC)樹脂製の板体であって、外囲器1100の開口1160を塞ぐように配置されている。拡散シート1300は、ポリカーボネート樹脂製であり、レンズシート1400は、アクリル樹脂製であって、それぞれ拡散板1200に順次重ね合わせるようにして配置されている。
【0111】
以上、本発明に係るバックライトユニットを実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係るバックライトユニットは、上記の実施の形態に限定されない。例えば、直下方式のバックライトユニットに限定されず、液晶パネルの背面に導光板を配置し、前記導光板の端面に冷陰極蛍光ランプ1を配置したエッジライト方式(サテライト方式または導光板方式ともいう)のバックライトユニットであってもよい。
【0112】
(液晶表示装置の説明)
図22に、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置を示す一部破断斜視図である。図22に示すように、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置2000は、例えば32inch液晶テレビであり、液晶パネル等を含む液晶画面ユニット2100と液晶画面ユニット2100の背面に配された本実施の形態に係るバックライトユニット1000と点灯回路2200とを備える。
【0113】
液晶画面ユニット2100は、公知のものであって、例えば、カラーフィルタ基板、液晶、TFT基板、駆動モジュール等(図示せず)を備え、外部からの画像信号に基づいてカラー画像を形成する。
【0114】
点灯回路2200は、バックライトユニット1000の内部の冷陰極放電ランプ1を点灯させる。
【0115】
以上、本発明に係る液晶表示装置を実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係る液晶表示装置は、上記の実施の形態に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明に係る冷陰極放電ランプ、バックライトユニット及び液晶表示装置は、照明分野全般に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の一実施形態にかかる冷陰極蛍光ランプを示す一部破断斜視図
【図2】同冷陰極蛍光ランプの一端部を示す斜視図
【図3】同冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図4】変形例1に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図5】変形例2に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図6】変形例3に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図7】変形例4に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図8】変形例5に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図9】変形例6係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図10】変形例7に係る冷陰極蛍光ランプにおける給電端子を示す斜視図
【図11】変形例8に係る冷陰極蛍光ランプにおける給電端子を示す斜視図
【図12】変形例9に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図13】変形例10に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図14】変形例11に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図15】変形例12に係る冷陰極蛍光ランプの給電端子を示す斜視図
【図16】変形例13に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図17】変形例14に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す斜視図
【図18】変形例15に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す斜視図
【図19】変形例16に係る冷陰極蛍光ランプの給電端子を示す拡大断面図
【図20】本発明の一実施形態にかかるバックライトユニット等の概略構成を示す分解斜視図
【図21】冷陰極蛍光ランプの取り付け状態を説明する図
【図22】本発明の一実施形態にかかる液晶表示装置を示す一部破断斜視図
【図23】従来例に係る給電端子付き冷陰極放電ランプの一端部を示す拡大断面図
【図24】従来例に係る他の給電端子付き冷陰極放電ランプの一端部を示す拡大断面図
【符号の説明】
【0118】
1 冷陰極蛍光ランプ
10 ガラスバルブ
20 ホロー電極
22 リード線
30 給電端子
31 筒状体
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電ランプ、バックライトユニット、および液晶ディスプレイ装置に関し、特に、ガラスバルブの端部外周面に配された給電端子を有する放電ランプ等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、図23又図24に示すような、ガラスバルブ3601、3701の両端部にキャップ状の給電端子3602、3702が設けられた放電ランプ3600、3700がある。
【0003】
図23に示す放電ランプ3600は、ガラスバルブ3601の端部の外周面に設けられた筒体3602aと、筒体3602aの一端3602bから筒体3602aの軸方向外側に延出する帯状の導出部3602cと、導出部3602cの先端から折曲して形成された接続部3602dからなる給電端子3602とを備えたものである。また、ガラスバルブ3601の端部から延出するリード線3604は、接続部3602dの貫通孔内に配置され、その貫通孔とリード線3604とをはんだ3605で溶接されている。また、筒体3602aに形成された径方向内側に突出された弾性保持片3606は、ガラスバルブ3601の外周面に当接させて、筒体3602aの内面とガラスバルブ3601の外周面との間に隙間を設けた状態で、ガラスバルブ3601の端部3607に保持されている(特許文献1)。
【0004】
また、図24に示す放電ランプ3700は、ガラスバルブ3701の端部の外周面に設けられた筒体3702aと、筒体3702aの一端3702bから筒体3702aの軸方向外側に延出する帯状の導出部3702cと、導出部3702cの先端から折曲して形成された接続部3702dからなる給電端子3702とを備えたものである。また、ガラスバルブ3701の端部から延出するリード線3704は、接続部3702dの貫通孔内に配置され、その貫通孔とリード線3704とをはんだ3705で溶接されている。また、筒体3702aに形成された径方向内側に突出されたビード3706は、ガラスバルブ3701の外周面に当接させ、筒体3602aの内面とガラスバルブ3601の外周面との間に隙間を設けた状態で、ガラスバルブ3701の端部3707に保持されている(特許文献2)。
【0005】
図23、図24に示す構成の給電端子3602、3702は、電極3603、3703のリード線3604、3704と電気的に接続されているため、放電ランプ3600、3700の端部をバックライトユニット等の点灯装置のランプソケット(不図示)に嵌め込めば、放電ランプ3600、3700を前記点灯装置に固定し、かつ、放電ランプ3600、3700と前記点灯装置の点灯回路とを電気的に接続することができる。したがって、放電ランプ3600、3700を点灯装置へ取り付ける際に、リード線3604、3704の半田付け等が不要であり、給電端子3602、3702が設けられていない放電ランプと比べて取り付けが容易である。
【特許文献1】国際公開第2008/001562号パンフレット
【特許文献2】特開2007−234551号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図23に示すような給電端子602を備えた放電ランプ3600においては、給電端子3602をランプソケットに嵌め込む際に弾性保持片3606に力が加わったり、ランプ組み込み過程またはランプユニットの輸送過程に、放電ランプ3600の給電端子3602に振動や衝撃等の力が付与された場合、筒体3602aの内面とガラスバルブ3601の外周面との間の隙間が変化する。つまり、給電端子3602がランプソケットに嵌め込む際の力または給電端子3602に振動や衝撃等の力が、帯状の導出部3602cの接続部3602dからガラスバルブ601の端部から延出するリード線3604に伝達され、ガラスバルブの封止部のクラックが生じることがある。
【0007】
一方、図24に示すような給電端子702を備えた放電ランプ3700においては、給電端子3702は、筒体3702aに形成されたビード3706がガラスバルブ3701外周面に当接して設けられているため、ランプ組み込み過程またはランプユニットの輸送過程において、放電ランプ3700の給電端子3702に衝撃力が付与された場合、ビード3706からガラスバルブ3701表面に集中加重が加わり、薄い肉厚のガラスバルブにクラックが生じることがある。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑み、給電端子をソケットへ嵌め込む際、ランプ組み込み過程またはランプユニットの輸送過程で、放電ランプの給電端子に振動や衝撃等の力が付与された場合であっても、ガラスバルブの封止部および給電端子が取り付けられたガラスバルブの外周面にクラックが生じるのを防止することができる放電ランプ、バックライトユニットおよび液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る放電ランプでは、ガラスバルブの両端部の内側に電極が設けられ、熱加工により前記両端部が前記ガラスバルブの中央部の外径より大きく封着形成され、前記ガラスバルブの両端部の外周面に前記電極のリード線と接続された給電端子を備えた放電ランプであって、前記給電端子は、前記ガラスバルブの中央部の外径より大きい前記両端部を除く前記ガラスバルブの外周面に当接しかつ包囲するよう設けられた導電性の筒状体を有したものであることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に係る放電ランプでは、前記電極がホロー電極であり、前記筒状体の内面が前記ホロー電極と対向するガラスバルブの外周面に密接していることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3に係る放電ランプでは、前記筒状体は、その軸心方向にスリット部を有し断面が略C字型をなしていることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4に係る放電ランプでは、前記筒状体は、前記スリット部を挟んで対向する一対の端縁のそれぞれの一部に、前記スリット部を跨いで互いに係合する一対の係合部を設けたことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項5に係る放電ランプでは、前記筒状体の一対の係合部は、前記スリット部の対向する一方の端縁に凹部を、他方の端縁に凸部をそれぞれ形成したものであることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項6に係る放電ランプでは、前記筒状体の外周面に複数の凸部を形成したものであることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る放電ランプでは、前記筒状体の外周面に複数の凸部は、前記筒状体の円周方向、軸芯方向又は軸芯に対してスパイラル方向に形成したものであることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項8に係る放電ランプでは、前記筒状体は、少なくともその軸心方向リード線側と反対側の端部の内面が面取りまたはラッパ状に形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項9に係る放電ランプでは、前記筒状体は、第1筒部と、少なくとも前記第1筒部の一方端部からその軸心方向に延設された第2筒部とを有し、該第2筒部は前記第1筒部よりも外径が大きいことを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項10に係る放電ランプでは、前記筒状体は、周方向に沿って複数設けられた弾性舌片を有し、この複数の弾性舌片により前記ガラスバルブの外周面を挟持していることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項11に係る放電ランプでは、前記筒状体は、その内面には径方向内側に突出して、前記ガラスバルブの外周面を押圧して、前記ガラスバルブを挟持する挟持部材を有していることを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項12に係る放電ランプでは、前記挟持部材は、前記筒状体の一部が折り曲げられ、その折り曲げの一部を前記ガラスバルブの外周面に押圧するものであることを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項13に係る放電ランプでは、前記挟持部材は、前記筒状体の一端側から他端側に延出すると共に前記一端側から前記ガラスバルブ側に折曲して形成された複数の帯状体であることを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項14に係る放電ランプでは、前記筒状体は、スパイラル状に巻回された金属材料で形成されたものであることを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項15に係る放電ランプでは、前記筒状体は、線状または帯状の弾性材料で筒状体軸芯方向に密着して形成されたものであることを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項16に係る放電ランプでは、前記給電端子は、前記筒状体から筒状体軸心方向リード線側に延出し、前記リード線の一部と接続される接続部を備えたものであることを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項17に係る放電ランプでは、前記給電端子は、前記筒状体が前記ガラスバルブの端部外周に外挿されたものであり、前記筒状体の筒状体軸心方向一端から外側に延出する帯状の導出部と、該導出部の先端部に設けられ、前記リード線の一部と接続される接続部とを備えたものであることを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項18に係る放電ランプでは、前記接続部は、前記リード線の一部外周面に接近するようにU字部が形成されたものであることを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項19に係る放電ランプでは、前記接続部は、前記リード線の一部外周面に対し接近して包囲するように筒状部が形成されたものであることを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項20に係る放電ランプでは、前記接続部は、貫通孔又は切欠部が形成された接続面を有し、前記貫通孔又は切欠部に前記リード線が挿入されるように前記導出部の先端より先の部分を折曲して形成されたものであることを特徴とする。
【0028】
本発明の請求項21に係る放電ランプでは、前記接続部は、かしめにより前記リード線と接続されたものであることを特徴とする。
【0029】
本発明の請求項22に係る放電ランプでは、前記接続部は、前記リード線の一部外周面を挟むように前記導出部の先端から折曲して形成されたものであることを特徴とすることを特徴とする 。
【0030】
本発明の請求項23に係る放電ランプでは、前記接続部は、前記リード線の外周面を挟持する一対の挟持片を有し、前記一対の挟持片のそれぞれの押圧力を前記リード線に対し少なくとも100g以上で、前記リード線を挟持して接続されたものであることを特徴とする。
【0031】
本発明の請求項24に係る放電ランプでは、前記接続部は、前記リード線の一端面に面接触するように前記導出部の延出先端より先の部分を折曲して形成されたものであることを特徴とする。
本発明の請求項25に係る放電ランプでは、前記接続部は、前記リード線の一部外周面に接触するように前記導出部の先端より先の部分を折曲して形成されたものであることを特徴とする。
本発明の請求項26に係る放電ランプでは、前記接続部は、溶接又は軟質金属により前記リード線の一部外面と接続されたものであることを特徴とする。
本発明の請求項27に係る放電ランプでは、前記リード線は、前記給電端子と接合される部分に、前記ガラスバルブに封着される部分よりも外径の大きい肉だまり部を有し、前記肉だまり部の少なくとも一部がニッケル材料、鉄材料又はニッケルメッキで形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項28に係る放電ランプでは、前記リード線は、ニッケル材料、鉄材料又はニッケルメッキからなり前記給電端子が接続される外部リード線と、該外部リード線とは異なる材質からなり前記ホロー電極が接合された内部リード線とを接合したものであり、前記接合部に前記リード線よりも外径の大きい肉だまり部を有しているものであることを特徴とする
本発明の請求項29に係る放電ランプでは、前記肉だまり部は、前記ガラスバルブの端部において、その底面を密接、または、その底面を密接かつ前記リード線の径方向で隙間を有して埋設されたものである。
本発明の請求項30に係る放電ランプでは、前記肉だまり部は、前記ガラスバルブの端部と隙間を設けたものであることを特徴とする。
本発明の請求項31に係る放電ランプでは、前記隙間は、0.1mm〜0.5mmであることを特徴とする。
本発明の請求項32に係る放電ランプでは、前記肉だまり部は、前記リード線の軸心と直交する断面が円形状であり、その最大径が前記リード線の最大外径より大きく前記ガラスバルブの最大外径より小さい寸法であることを特徴とする。
本発明の請求項33に係る放電ランプでは、前記リード線は、前記外部リードが前記内部リードの熱伝達率より小さいものであることを特徴とする。
本発明の請求項34に係る放電ランプでは、前記リード線は、前記外部リード線が前記内部リード線の線よりも線径を細くしたものであることを特徴とする。
本発明の請求項35に係る放電ランプでは、前記リード線の少なくとも前記ガラスバルブに封着されている部分の表面粗さは、0.2Ra〜0.8Raであることを特徴とする。
本発明の請求項36に係る放電ランプでは、前記リード線の一端部は、前記ホロー電極と溶接固定され、その一端部の表面が0.2Ra〜0.8Raであり、かつ面取り寸法は径方向の長さが0.08mm〜0.15mmで軸方向の長さが0.1mm〜0.25mmであることを特徴とする。
本発明の請求項37に係る放電ランプでは、前記接続部は、その一部を前記リード線の肉だまり部に当接させたものであることを特徴とする。
本発明の請求項38に係る放電ランプでは、前記接続部は、前記リード線より熱伝達率が大きいものであることを特徴とする。
本発明の請求項39に係る放電ランプでは、前記接続部は、熱伝達率が75W/(m・K)〜435W/(m・K)で、かつ、導電率が9×106S/m〜65×106S/mであることを特徴とする。
本発明の請求項40に係る放電ランプでは、前記ガラスバルブは酸化ナトリウムの含有率が3wt%〜20wt%の範囲のガラス材料で形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項41に係る放電ランプでは、前記ガラスバルブは酸化ナトリウムの含有率が5wt%〜20wt%の範囲のガラス材料で形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項42に係るバックライトユニットでは、光源として、請求項1から請求項41のいずれかに記載の放電ランプを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項43に係る液晶ディスプレイ装置では、液晶ディスプレイパネルと、請求項42記載のバックライトユニットとを備え、前記バックライトユニットは、請求項1から請求項40のいずれかに記載の放電ランプを複数本収納する外囲器を有し、前記外囲器が前記液晶ディスプレイパネルの背面に配されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明の請求項1に係る放電ランプによれば、給電端子は、ガラスバルブの中央部の外径より大きい両端部を除くガラスバルブの外周面に当接しかつ包囲するよう設けられた導電性の筒状体を有したものであることにより,給電端子をソケットへ嵌め込む際、ランプ組み込み過程またはランプユニットの輸送過程で、放電ランプの給電端子に振動や衝撃等の力が付与された場合であっても、ガラスバルブの封止部および給電端子が取り付けられたガラスバルブの外周面にクラックが生じるのを防止することができる。
【0033】
本発明の請求項2に係る放電ランプによれば、電極がホロー電極であり、筒状体の内面がホロー電極と対向するガラスバルブの外周面に密接していることにより、ホロー電極により加熱されるため、ホロー電極と対向するガラスバルブ内面の水銀が溜まりにくく、放電路の水銀蒸気が不足してランプ輝度が低下したり、ランプ輝度の立ち上がりが遅くなったりする現象が起こりにくい。
【0034】
本発明の請求項3に係る放電ランプによれば、筒状体は、その軸心方向にスリット部を有し断面が略C字型をなしていることにより、ガラスバルブの外形の寸法公差を略C字型部の弾性力により吸収でき、給電端子をガラスバルブの外周面に保持することができる。
本発明の請求項4に係る放電ランプによれば、筒状体は、スリット部を挟んで対向する一対の端縁のそれぞれの一部に、スリット部を跨いで互いに係合する一対の係合部を設けたことにより、筒状体の形状を安定させることができる。
本発明の請求項5に係る放電ランプによれば、筒状体の一対の係合部は、スリット部の対向する一方の端縁に凹部を、他方の端縁に凸部をそれぞれ形成したものであることにより、筒状体を安定化しつつガラスバルブの外形の寸法公差を吸収することができる。
本発明の請求項6に係る放電ランプによれば、筒状体の外周面に複数の凸部を形成したものであることにより、ランプソケットに対し給電端子を着脱する際、給電端子との接触面積が小さいので給電端子を容易に着脱することができる。
本発明の請求項7に係る放電ランプによれば、筒状体の外周面に複数の凸部は、筒状体の円周方向、軸芯方向又は軸芯に対してスパイラル方向に形成したものであることにより、筒状体の外周面に複数の凸部を形成したものであることにより、筒状体の外径を大きくでき、製造過程において、筒状体の外周面の凸部に衝撃が付与されても、その凸部を介して筒状体の内周面全体で吸収されるのでガラスバルブの破損を防止することができる。
本発明の請求項8に係る放電ランプによれば、筒状体は、少なくともその軸心方向リード線側と反対側の端部の内面が面取りまたはラッパ状に形成されていることにより、給電端子をガラスバルブに挿入した際のガラスバルブ表面の損傷が抑制され、かつ、給電端子をガラスバルブに容易に装着することができる。
本発明の請求項9に係る放電ランプによれば、筒状体は、第1筒部と、少なくとも第1筒部の一方端部からその軸心方向に延設された第2筒部とを有し、該第2筒部は第1筒部よりも外径が大きいことにより、第1筒部と第2筒部との段差を利用してランプの管軸方向に位置決めし易い。
本発明の請求項10に係る放電ランプによれば、筒状体は、周方向に沿って複数設けられた弾性舌片を有し、この複数の弾性舌片によりガラスバルブの外周面を挟持していることにより、筒状体の外周面全体に等分布荷重が加わるので、ガラスバルブの割れを防止することができる。また、筒状体の内面とガラスバルブの外周面との密着性が向上するので、給電端子をガラスバルブに装着後、ガラスバルブに対して給電端子がその管軸方向に移動しにくくすることができる。
本発明の請求項11に係る放電ランプによれば、筒状体は、その内面には径方向内側に突出して、ガラスバルブの外周面を押圧して、ガラスバルブを挟持する挟持部材を有していることにより、ガラスバルブを挟持する挟持力を調整することができる。
本発明の請求項12に係る放電ランプによれば、挟持部材は、筒状体の一部が折り曲げられ、その折り曲げの一部をガラスバルブの外周面に押圧するものであることにより、ガラスバルブを挟持する挟持力を調整することができる。
本発明の請求項13に係る放電ランプによれば、挟持部材は、筒状体の一端側から他端側に延出すると共に一端側からガラスバルブ側に折曲して形成された複数の帯状体であることにより、筒状体の管軸方向の位置決めをし易くすることができる。
本発明の請求項14に係る放電ランプによれば、筒状体は、スパイラル状に巻回された金属材料で形成されたものであることにより、筒状体の外周面全体に等分布荷重が加わるので、ガラスバルブの割れを防止することができる。また、筒状体の内面とガラスバルブの外周面との密着性が向上するので、給電端子をガラスバルブに装着後、ガラスバルブに対して給電端子がその管軸方向に移動しにくくすることができる。さらに、ガラスバルブの端部に筒状体を装着しやすく、かつ、異なるガラスバルブの管外径にも対応することができる。
本発明の請求項15に係る放電ランプによれば、筒状体は、線状または帯状の弾性材料で筒状体軸芯方向に密着して形成されたものであることにより、素材そのもので筒状体を形成でき、金属板をプレス加工する場合と比べて材料ロスが生じず、材料損失を少なくすることがきる。しかも、線状または帯状の弾性材料は筒状体軸心方向に密着しているため、筒状体が型崩れしにくい。
本発明の請求項16に係る放電ランプによれば、給電端子は、筒状体から筒状体軸心方向リード線側に延出し、リード線の一部と接続される接続部を備えたものであることにより、同一材料で一体形成することができ、1つの少ない部品点数となり給電端子の形状精度が向上する。そのため、ガラスバルブの端部に容易に装着できる。
本発明の請求項17に係る放電ランプによれば、給電端子は、筒状体がガラスバルブの端部外周に外挿されたものであり、筒状体の筒状体軸心方向一端から外側に延出する帯状の導出部と、該導出部の先端部に設けられ、リード線の一部と接続される接続部とを備えたものであることより、リード線に掛かる帯状の導出部からの曲げ力を抑制して、リード線が封着されたガラスバルブの破損によるリークをさらに防止することができる。
本発明の請求項18に係る放電ランプによれば、接続部は、リード線の一部外周面に接近するようにU字部が形成されたものであることにより、ガラスバルブに対して、給電端子の軸心方向の位置決めした状態、つまり、リード線に掛かる曲げ力を抑制してU字部とリード線とを電気的に安定接続することができる。
本発明の請求項19に係る放電ランプによれば、接続部は、リード線の一部外周面に対し接近して包囲するように筒状部が形成されたものであることにより、ガラスバルブに対して、給電端子の軸心方向の位置決めした状態、つまり、リード線に掛かる曲げ力を抑制して筒状部とリード線とを電気的に安定接続することができる。
本発明の請求項20に係る放電ランプによれば、接続部は、貫通孔又は切欠部が形成された接続面を有し、貫通孔又は切欠部にリード線が挿入されるように導出部の先端より先の部分を折曲して形成されたものであることにより、給電端子の軸心方向の位置決めした状態、つまり、リード線に掛かる曲げ力を抑制して、接続面とリード線とを安定接続することができる。
本発明の請求項21に係る放電ランプによれば、接続部は、かしめによりリード線と接続されたものであることにより、リード線に熱を加えることなく接続できるので、ガガラスバルブの封着の熱衝撃による割れを防止することができる。
本発明の請求項22に係る放電ランプによれば、接続部は、リード線の一部外周面を挟むように導出部の先端から折曲して形成されたものであることにより、つまり、リード線に曲げ力が掛からないように、軸心に対し直角方向から2以上でリード線の外周面を挟むように導出部の先端から折曲して形成されたものであることにより、リード線に掛かる曲げ力を抑制して簡単にリード線と接続することができる。その結果、ガラスバルブのリード線が封着された部分の破損によるリークを防止することができる。
本発明の請求項23に係る放電ランプによれば、接続部は、リード線の外周面を挟持する一対の挟持片を有し、一対の挟持片のそれぞれの押圧力をリード線に対し少なくとも100g以上で、リード線を挟持して接続されたものであることにより、リード線に掛かる曲げ力を抑制してリード線との電気的に安定接続することができる。
本発明の請求項24に係る放電ランプでは、接続部は、リード線の一端面に面接触するように導出部の延出先端より先の部分を折曲して形成されたものであることにより、リード線に掛かる曲げ力を抑制し、かつ、ガラスバルブに対して、給電端子の軸心方向の位置決めを行うことができる。
【0035】
本発明の請求項25に係る放電ランプでは、前記接続部は、前記リード線の一部外周面に接触するように前記導出部の先端より先の部分を折曲して形成されたものであることにより、軟質金属を用いた接続、レーザー溶接等で接続部とリード線とを固着できるが、特に2つの部材を電極で挟んで溶接する抵抗溶接が簡単に行うことができ有効である。また、ガラスバルブに対して、給電端子の軸心方向の位置決めを行うことができる。
本発明の請求項26に係る放電ランプでは、前記接続部は、溶接又は軟質金属により前記リード線の一部外面と接続されたものであることにより、接続部をリード線にさらに電気的に安定接続することができる。
本発明の請求項27に係る放電ランプでは、リード線は、給電端子と接合される部分に、ガラスバルブに封着される部分よりも外径の大きい肉だまり部を有し、肉だまり部の少なくとも一部がニッケル材料、鉄材料又はニッケルメッキで形成されていることにより、例えば、半田での接続する場合、リード線に給電端子を確実に接続することができる。
本発明の請求項28に係る放電ランプでは、リード線は、ニッケル材料、鉄材料又はニッケルメッキからなり前記給電端子が接続される外部リード線と、該外部リード線とは異なる材質からなりホロー電極が接合された内部リード線とを接合したものであり、その接合部にリード線よりも外径の大きい肉だまり部を有しているものであることにより、給電端子が接続される部分の外部リード線が半田付け溶接しやすく、かつ、肉だまり部で接続面積を広くすることできるので、給電端子との接続を確実にすることができる。
本発明の請求項29に係る放電ランプでは、肉だまり部は、ガラスバルブの端部において、その底面を密接、または、その底面を密接かつリード線の径方向で隙間を有して埋設されたものであることにより、ガラスバルブのリード線封着部分における破損によるリークを防止することができる。つまり、ガラスバルブの端部において、肉だまり部の底面が密接している場合、リード線に加わる外部衝撃を抑制することができ、さらに、肉だまり部の底面が径方向で隙間を有している場合は、肉だまり部がガラスバルブ端部に埋没することがなく、半田ディップした際の肉だまり部の熱膨張によるガラスバルブ端部の破損を防止することができる。
本発明の請求項30に係る放電ランプでは、肉だまり部とガラスバルブの端部とに隙間を設けたものであることにより、リード線と給電端子との溶接接合時やランプ電流が増大した際に、リード線の肉だまり部が発熱しても、肉だまり部の熱膨張によってガラスバルブ端部に熱応力が加わることがない。その結果、ガラスバルブ端部破損が抑制されリーク発生を防止することができる。
本発明の請求項31に係る放電ランプでは、隙間は、0.1mm〜0.5mmであることにより、例えば、予めリード線に半田ディップする場合であっても、隙間部分のリード線に半田が付着することがないので、ガラスバルブ端部破損がさらに抑制されリーク発生をより防止することができる。
本発明の請求項32に係る放電ランプでは、肉だまり部は、リード線の軸心と直交する断面が円形状であり、その最大径がリード線の最大外径より大きくガラスバルブの最大外径より小さい寸法であることにより、給電端子を外部リード線に溶接、半田等で接合する場合、外部リード線からの内部リード線へ熱が伝わり難いので、ガラスバルブ端部破損を防止することができる。また、ガラスバルブの端部において、肉だまり部の底面が密接している場合、リード線に加わる外部衝撃を抑制することができる。
【0036】
本発明の請求項33に係る放電ランプでは、リード線は、外部リードが内部リードの熱伝達率より小さいものであることにより、給電端子を外部リードに半田や溶接等で接合する場合、外部リードから内部リードへの熱が伝わり難いので、ガラスバルブ端部の破損を防止することができる。
本発明の請求項34に係る放電ランプでは、外部リードの線径は、内部リードの線径より細いものであることにより、給電端子をソケットへ嵌め込む際、ランプ組み込み過程またはランプユニットの輸送過程で、外部リードに振動や衝撃等の力が付与された場合であっても、細い外部リードで振動が吸収され、ガラスバルブの封止部の破損を防止することができる。
本発明の請求項35に係る放電ランプでは、少なくともガラスバルブに封着されている部分のリード線の表面粗さは、0.2Ra〜0.8Raであることにより、給電端子の接続部やホロー電極が設けられたリード線が振動しても、ガラスバルブに封着されている部分のリード線の封着部の強度が高く(0.1Ra以下と比べて、16%〜40%の強度UP)、ガラスバルブ端部破損を防止することができる。また、リード線の封着部の強度が高いのでガラスバルブの封着部でのリード線の剥離を防止できる。その結果、リークを防止することができる。
本発明の請求項35に係る放電ランプでは、リード線の一端部の表面が0.2Ra〜0.8Raであり、かつ面取り寸法は径方向の長さが0.08mm〜0.15mmで軸方向の長さが0.1mm〜0.25mmであるので、溶接強度が向上することができる。つまり、サンドブラスト法、バレル研磨等でリード線の一端部の表面を粗面にするが、上記寸法にすることで、リード線の一端面の表面が小さくなるのを抑制して0.2Ra〜0.8Ra範囲に安定して形成でき、抵抗溶接、またはレーザー溶接により、ホロー電極とリード線とを安定した強度で溶着することができる。
本発明の請求項37に係る放電ランプでは、接続部は、その一部をリード線の肉だまり部に当接させたものであることにより、ガラスバルブに対して、給電端子の軸心方向の位置決めを行うことができる。また、軟質金属で溶着した場合、リード線に掛かる曲げ力を抑制して、接続部の一部とリード線の肉だまり部とを広い接続面積で電気的に安定接続することができる。
本発明の請求項38に係る放電ランプでは、接続部は、リード線より熱伝達率が大きいものであることにより、半田、ロウ等の軟質金属やレーザ溶接、抵抗溶接等を用いてリード線に筒状体の接続部を固着する場合、その固着時の熱が主に筒状体側で放熱するため、固着時の熱によるガラスバルブの破損を抑制することができる。
本発明の請求項39に係る放電ランプでは、接続部は熱伝達率が75W/(m・K)〜435W/(m・K)で、かつ、導電率が9×106S/m〜65×106S/mであることにより、リード線に対し筒状体の接続部の溶接性と電気的な接続性とを向上することができる。
本発明の請求項40に係る放電ランプでは、ガラスバルブが酸化ナトリウムの含有率が3wt%〜20wt%の範囲のガラス材料で形成されていることにより、暗黒始動特性を改善することができる。また、筒状体はガラスバルブ内のリード線と対向するガラスバルブの外周表面全域において非接触であることにより、前記外周表面全域に包囲されたガラスバルブ中に水銀蒸気が集まりにくいため、ガラスバルブ内面に溶出されたナトリウム(Na)と水銀蒸気(Hg)との反応によるアマルガムの生成されるのを抑制することができ、蛍光ランプの輝度低下を抑制することができる。
本発明の請求項41に係る放電ランプでは、ガラスバルブが酸化ナトリウムの含有率が5wt%以上20wt%以下の範囲のガラス材料で形成されていることにより、暗黒始動時間が約1秒以下に改善することができる。
本発明の請求項42に係るバックライトユニットでは、光源として、請求項1から請求項40のいずれかに記載の放電ランプを備えたことにより、ランプの取り付けが簡単で、かつ長寿命でありながら、高いランプ輝度を得ることができる。
本発明の請求項43に係る液晶ディスプレイ装置では、液晶ディスプレイパネルと、請求項42記載のバックライトユニットとを備え、バックライトユニットは、請求項1から請求項40のいずれかに記載の放電ランプを複数本収納する外囲器を有することにより、長寿命でありながら、ランプ輝度を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
(冷陰極蛍光ランプの説明)
以下、本発明の実施の形態1にかかる放電ランプである、例えば冷陰極蛍光ランプについて、図面を参照しながら説明する。
【0038】
図1は、本発明の実施形態1にかかる冷陰極蛍光ランプを示す一部破断斜視図であり、図2は、冷陰極蛍光ランプを示す一部拡大斜視図であり、図3は、冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図である。
【0039】
図1〜図3に示すように、冷陰極蛍光ランプ1は、バックライトユニットの光源として用いられるものであって、ガラスバルブ10と、ガラスバルブ10の両端部10a、10bの内側にそれぞれ設けられたホロー電極20と、ガラスバルブ10の両端部10a、10bの外周面10cに、ホロー電極20のリード線22(電極本体21の底部24中央部に溶着されたリード線22)と接続された給電端子30とを備えたものである。
ガラスバルブ10は、ホウケイ酸ガラス(SiO2−B2O3−Al2O3−K2O−TiO2)製のガラス管を加工したものであって、全長は730mmである。当該ガラスバルブ10は、管状のガラスバルブ本体11と、ガラスバルブ本体11の長手方向両側に熱加工により形成された一対の封着部12とからなり、ガラスバルブ10の両端部10a、10bがガラスバルブ10の中央部の外径より大きく形成されている。
ガラスバルブ本体11は、断面が円環形状であって、外径が4mm、内径が3mm、肉厚が0.5mmである。封着部12は、図3に示すように、ガラスバルブ10の管軸A方向における長さWが2mmであって、ホロー電極20のリード線22が封着されている。
【0040】
なお、ガラスバルブ10の構成は上記構成に限定されない。但し、冷陰極蛍光ランプ1を細長くするためには、ガラスバルブ10が小径かつ薄厚であることが望ましいため、一般的には、ガラスバルブ本体11は、内径が1.4mm〜6.0mm、厚みが0.2mm〜0.5mmである事が好ましい。
【0041】
ガラスバルブ10の両端部を除く内面には蛍光体層13が形成されている。本実施の形態では、図3に示すように、蛍光体層13の端部は、ホロー電極20の電極本体21の外周面と対向し、電極本体21の底部24と給電端子30の管中央側の端部との間に位置するよう設けている。この構成により、ガラスバルブ本体11から紫外線が直接漏れるのを防止することができる。
【0042】
蛍光体層13は、例えば、赤色蛍光体(Y2O3:Eu3+)、緑色蛍光体(LaPO4:Ce3+,Tb3+)および青色蛍光体(BaMg2Al16O27:Eu2+)からなる希土類蛍光体で形成されている。また、ガラスバルブ10の内部には、例えば、約1200μgの水銀、および、希ガスとして約8kPa(20℃)のネオンとアルゴンとの混合ガスがNe:95mol%、Ar:5mol%の比率で封入されている。
【0043】
なお、蛍光体層13、水銀および希ガスの構成は上記構成に限定されない。例えば、希ガスにクリプトンが含まれていてもよい。この場合、冷陰極蛍光ランプ1の赤外線放射を抑制することができる。さらには、希ガスにクリプトンが0.5mol%以上5mol%以下の範囲内で含まれていることが好ましい。この場合、ランプ電圧を大きく変化させることなく、冷陰極蛍光ランプ1の赤外線放射を抑制することができる。例えば、例えばアルゴンが0mol%以上9.5mol%以下の範囲内、ネオンが90mol%以上95.5mol%以下の範囲内、クリプトンが0.5mol%以上5mol%以下の範囲内である。さらには、希ガスにクリプトンが0.5mol%以上3mol%以下の範囲内で含まれていることがより好ましい。さらには、希ガスにクリプトンが1mol%以上3mol%以下の範囲内で含まれていることがさらにより好ましい。
【0044】
また、ガラスバルブ10の材料にホウケイ酸ガラスを使用したが、これに限らず、例えば、酸化ナトリウムを含有するソーダガラス等を使用してもよい。この場合、ガラスバルブ10の内面と蛍光体層13との間に、水銀とガラスバルブ10内表面のナトリウムとの結合を防止するための保護膜を設けることが好ましい。また、ガラスの加工性や暗黒始動特性が改善を考慮すると、ガラスバルブ10は、酸化ナトリウムの含有率が3wt%以上20wt%以下の範囲のガラス材料で形成されているのが好ましい。そして、酸化ナトリウムの含有率をさらに5wt%以上にすると、暗黒条件下での暗黒始動時間が約1秒以下となる。逆に、酸化ナトリウムの含有率が20wt%を越えると、長時間の使用によりガラスバルブが白色化して輝度の低下を招いたり、ガラスバルブ10自体の強度が低下したりするなどの不具合が発生する。また、環境対策を考慮した場合、アルカリ系金属の含有率が前記3wt%以上20wt%以下の範囲内のガラス材料であって、かつ、鉛の含有率が0.1wt%以下のガラスが好ましく(所謂、「鉛フリーガラス」である。)、さらには、鉛の含有率が0.01wt%以下のガラス材料がより好ましい。また、ガラス材料は、酸化物換算で、SiO2が60wt%〜75wt%、Al2O3が1wt%〜5wt%、Li2Oが0wt%〜5wt%、K2Oが3wt%〜11wt%、Na2Oが3wt%〜12wt%、CaOが0wt%〜9wt%、MgOが0wt%〜9wt%、SrOが0wt%〜12wt%、BaOが0wt%〜12wt%の組成を有していてもよい。この場合、鉛成分を含有せず、環境に優しい冷陰極蛍光ランプを提供することができる。さらには、ガラス材料は、酸化物換算で、SiO2が60wt%〜75wt%、Al2O3が1wt%〜5wt%、B2O3が0wt%〜3wt%、Li2Oが0wt%〜5wt%、K2Oが3wt%〜11wt%、Na2Oが3wt%〜12wt%、CaOが0wt%〜9wt%、MgOが0wt%〜9wt%、SrOが0wt%〜12wt%、BaOが0wt%〜12wt%の組成を有していることがより好ましい。
【0045】
また、ガラス材料は、酸化物換算で、SiO2が60wt%〜75wt%、Al2O3が1wt%〜5wt%、Li2Oが0.5wt%〜5wt%、K2Oが3wt%〜7wt%、Na2Oが5wt%〜12wt%、CaOが1wt%〜7wt%、MgOが1wt%〜7wt%、SrOが0wt%〜5wt%、BaOが7wt%〜12wt%の組成を有していてもよい。この場合、ランプへの加工を行いやすく、かつ鉛成分を含有せず、環境に優しい冷陰極蛍光ランプを提供することができる。
【0046】
さらに、ガラス材料は、酸化物換算で、SiO2が65wt%〜75wt%、Al2O3が1wt%〜5wt%、B2O3が0wt%〜3wt%、Li2Oが0.5wt%〜5wt%、K2Oが3wt%〜7wt%、Na2Oが5wt%〜12wt%、CaOが2wt%〜7wt%、MgOが2.1wt%〜7wt%、SrOが0wt%〜0.9wt%、BaOが7.1wt%〜12wt%の組成を有していてもよい。この場合、鉛成分を含有せず、照明用途に適した電気絶縁性を有し、かつ、失透を起こりにくくすることができる。さらには、ガラス材料は、酸化物換算で、SiO2が65wt%〜75wt%、Al2O3が1wt%〜3wt%、B2O3が0wt%〜3wt%、Li2Oが1wt%〜3wt%、K2Oが3wt%〜6wt%、Na2Oが7wt%〜10wt%、CaOが3wt%〜6wt%、MgOが3wt%〜6wt%、SrOが0wt%〜0.9wt%、BaOが7.1wt%〜10wt%の組成を有していることがより好ましい。
ホロー電極20は、電極本体21とリード線22とで構成され、ガラスバルブ10の封着部12に封着されている。
【0047】
電極本体21は、ニッケル(Ni)製であって、筒部23と底部24とからなる有底筒状である。なお、電極本体21は、ニッケル製に限定されず、例えば鉄ニッケル合金、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)或いは、ハフニウム(Hf)製にすることが考えられる。
【0048】
筒部23は、全長が5.2mm、外径が2.7mm、内径が2.3mm、肉厚が0.2mmである。ホロー電極20は、筒部23の管軸とガラスバルブ10の管軸とがほぼ一致するように配置されており、筒部23の外周面とガラスバルブ10の内面との間隔は、筒部23の外周全域に亘ってほぼ均一となっている。そして、長さMは10mmである。
【0049】
筒部23の外周面とガラスバルブ10の内面との間隔は、具体的には0.15mmである。このように前記間隔が狭いと、前記間隔に放電が入り込まず、ホロー電極20の内部のみで放電が起こる。したがって、放電により飛散するスパッタ物質が、ガラスバルブ10の内面に付着しにくく、冷陰極蛍光ランプ1は長寿命である。一方、放電がリード線22側へ回り込まないため、前記リード線22が放電によって加熱されにくい。
【0050】
なお、筒部23の外周面と前記ガラスバルブ10の内面との間隔は、必ずしも0.15mmである必要はないが、前記間隔に放電が入り込まないようにするためには0.2mm以下であることが好ましい。
【0051】
電極本体21の表面には、電子放射性物質層(図示せず)が形成されていてもよい。この場合、電子放射性物質層が設けられていないランプに比べてランプ電圧を下げることができる。具体的には、電子放射性物質層は、例えば電極の内面に形成されている。電子放射性物質層は、例えば希土類元素を含む。冷陰極蛍光ランプにおいて、ランプ電圧を下げるのに効果的なためである。さらに、希土類元素は、ランタン(La)およびイットリウム(Y)のうちいずれか1種以上であることがより好ましい。
【0052】
電子放射性物質層は、さらに珪素(Si)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、硼素(B)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)、リン(P)および錫(Sn)のうちいずれか1種以上を含むことが好ましい。この場合、ランプ電圧の低減効果をより持続させることができる。
さらに、電子放射性物質層に、セシウム(Cs)化合物が含まれていてもよい。この場合、ランプの暗黒始動特性をさらに向上させることができる。また、電子放射性物質層とは別に、電極本体21の内面や外面にセシウム化合物を付着させてもよい。なお、セシウム化合物は、例えば、硫酸セシウム、アルミン酸セシウム、ニオブ酸セシウム、タングステン酸セシウム、モリブデン酸セシウムおよび塩化セシウムのうちいずれか1種以上を用いることが好ましい。また、セシウム化合物は、電極の筒部23の外周面に付着されていることがより好ましい。この場合、冷陰極蛍光ランプ1の製造工程において、セシウム化合物を適度に活性化させやすくすることができる。さらには、電極の筒部23の外周面におけるランプ中央部側の先端部に付着されていることがさらにより好ましい。
リード線22は、ガラスバルブ10の熱膨張係数とほぼ同じ材料であるタングステン(W)製の内部リード線25と、内部リード線25と細く、かつ、半田等が付着し易いニッケル製の外部リード線26とを溶接接合したものである。リード線22の接合部には、ガラスバルブ10の外径より小さく内部リード線25の外径より大きい肉だまり部27が、ガラスバルブ10の両端面と対向し、ガラスバルブ10の両端部にその底部が密接するように設けられている。つまり、外部リード線26及び肉だまり部27はガラスバルブ10の外表面よりも外側に位置する。
【0053】
この構成により、肉だまり部27からホロー電極20部までの寸法を一定にでき、つまり、ホロー電極20の底部と対向するガラスバルブ10の内面との隙間ε(筒状体軸心方向の長さ)を約1mmに小さくして有効発光長Lを長くすることができる。また、外部リード線26の突出部分が外部とぶつかった際、肉だまり部27に掛かる力がガラスバルブ10の両端部で吸収されるので、内部リード線25が封着されたガラスバルブ10の封着部12の破損によるリークを防止することができる。
なお、肉だまり部27は外部リード線26と同じニッケル材料で形成したが、これに限らず、例えばFe−Ni合金、Cu−Ni合金、ジュメット線、鉄材料又はその表面にニッケルメッキで形成されたもの等にすることが考えられる。また、外部リード線26の肉だまり部27は、リード線22の軸心と直交する断面(管軸Aと直交する断面)が円形状であり、その最大径が内部リード線25の最大外径より大きくガラスバルブ10の最大外径より小さい寸法であることが好ましい。しかし、肉だまり部27は必ずしも必要ではない。
内部リード線25は、断面が略円形であって、全長が3mm、線径が0.8mm、表面粗さが0.4Raである。当該内部リード線25は、外部リード線26側の端部がガラスバルブ10の封着部12に封着され、外部リード線26側とは反対側の端部が電極本体21の底部24の外側面略中央に接合されている。
なお、内部リード線25の表面粗さは、上記0.4Raに限らず、封着部12の封止強度が十分でリークが発生しない観点から0.2Ra〜0.8Raが好ましい。つまり、近年の高輝度化の要望され、冷陰極蛍光ランプのランプ電流が20mA(従来のランプ電流に比べ3倍程度)と大きくなると封着部12の封止強度が不十分となりリークが発生することがある。そこで、3.5mA(従来のランプ電流)〜22mA(従来のランプ電流に比べ約3倍)で動作させ、内部リード線25の表面粗さが0.08Ra、0.2Ra、0.33Ra、0.52Ra、0.80Ra、0.99Raに変化させたときの実験を行った。その結果は、その表面粗さが0.08Raの場合、封止強度が不十分なためビード12(封止部分)にリークが発生することがあった。また、その表面粗さが0.2Ra、0.33Ra、0.52Ra、0.80Ra及び0.99Raの場合、封止強度(0.1Ra以下と比べて、16%〜40%の強度UP)の問題は発生しなかった。しかしながら、その表面粗さが0.99Raの場合、封着部12に気泡が発生することがあり、これはリード線22のガラスバルブ10に封止された部分の表面の凹凸が大き過ぎると(表面が粗過ぎると)、その凹部にガラスが入り込まず、気泡が発生しやすくなるからだと考えられる。このような気泡もリークの原因となりうる可能性があるため好ましくない。
また、リード線22の一端部は、電極本体21の底部24中央部と溶接固定され、その一端部の表面が0.2Ra〜0.8Raであり、かつ面取り寸法は径方向の長さが0.08mm〜0.15mmで軸方向の長さが0.1mm〜0.25mmであることで、溶接強度が向上することができる。
そして、上記表面粗さRaは、走査型共焦点赤外レーザ顕微鏡(オリンパス株式会社製、LEXT.OLS3000)を用いて、内部リード線25の表面粗さRaをリード軸心方向に沿って5回測定し、その平均値より求めた。
外部リード線26は、ガラスバルブ10の外表面から管軸A方向に向けて突出する突出部分であって、給電端子30と接合されている。当該外部リード線26は、全長(肉だまり含む長さ)が5mmであり、外部リード線26の軸心とガラスバルブ10の管軸Aとがほぼ一致している。
外部リード線26の前記全長は、封着部12が破損するのを低減するため、8mm以下が好適である。また、外部リード線26は、断面が略円形であり、線径は内部リード線25よりも細い0.6mmである。つまり、前記8mm以下では、例えば冷陰極蛍光ランプ1を図20に示すバックライトユニット1000に取り付ける際に、外部リード線26がバックライトユニット1000にぶつかって折れ曲がったり、ぶつかった際に外部リード線26に加わる応力によって封着部12が割れたりするおそれが少ない。
給電端子30は、ガラスバルブ10の中央部の外径より大きい両端部10a、10bを除くガラスバルブ10の外周面10cに当接しかつ包囲するよう設けられた導電性の筒状体31を有したものである。
具体的には、給電端子30は、例えば、筒状体31の長さPが6mm、厚さが0.1mmのステンレス製の薄厚の金属部材で形成されたものであり、筒状体31から筒状体軸心方向リード線22側に延出し、リード線22の一部と接続される接続部31bを備えたものである。その筒状体31は、ガラスバルブ10の中央部の外径より大きい両端部10a、10bを除くガラスバルブ10の端部外周面に、外挿されて概ね当接しかつ包囲するよう設けられたものであり、その筒状体31の内面がホロー電極20と対向するガラスバルブ10の外周面10cに密接している。この構成により、ホロー電極20により加熱されるため、ホロー電極20と対向するガラスバルブ10の内面の水銀が溜まりにくく、放電路の水銀蒸気が不足してランプ輝度が低下したり、ランプ輝度の立ち上がりが遅くなったりする現象が起こりにくくなる。
そして、筒状体31の筒状体軸心方向一端から外側に延出する帯状の導出部31aと、該導出部31aの先端部に設けられ、リード線22の一部と接続される接続部31bとを備えたものであり、つまり給電端子30は、導出部31aを介して筒状体31と接続部31bとを接続したものである。
筒状体31は、図2に示すように、軸心方向にスリット部32を有し、断面が略C字型をなし、略C字型部の弾性力により、ガラスバルブの外形の寸法公差を吸収して、ガラスバルブ10の外周面10cに保持されている。
接続部31bは、例えば、リード線22の一部外周面に接近するようにU字部が形成され、リード線22に対しかしめたものである。その結果、電気的な接続状態が維持(安定接続)され、かつガラスバルブ10に対して、給電端子30の軸心方向の位置決めを行うことができる。
【0054】
なお、上記かしめ後、そのかしめされた接続部31bを、半田、ロウ等の軟質金属を用いて被覆したり、レーザ溶接等によりさらに接続強度を高めてもよい。
上記構成の筒状体31を有した給電端子30により、給電端子30を下記で説明する図21に示すバックライトユニットの一組のソケット1600へ嵌め込む際、ランプ組み込み過程またはランプユニットの輸送過程で、冷陰極蛍光ランプ1の給電端子30に振動や衝撃等の力が付与された場合であっても、ガラスバルブ10の封止部および給電端子30が取り付けられたガラスバルブ10の外周面にクラックが生じるのを防止することができる。
なお、筒状体31は、上記の厚さやステンレス製材料に限らず、例えば、厚さが0.1〜0.5mmのタンタル製、ニッケル製、コバール製、モリブデン製、タングステン製、耐食性とばね性の観点からりん青銅等の部材で形成されたものでもよい。また、給電端子30の放熱作用を小さく抑えるためには、筒状体31が形成される領域ができるだけ狭いことが好ましく、給電端子30の管軸A方向(筒状体軸心方向)の長さPは、19mm以下であることが好ましい。また、前記長さPは、電極本体21におけるガラスバルブ本体11の中央部側の先端部より大きい場合、有効発光長が短くなるため、給電端子30による光束の損失を考慮すると、本体21におけるガラスバルブ本体11の中央部側の先端部より短い、10mm以下であることがより好ましい。
であることを特徴とする請求項28〜請求項36のいずれかに記載の放電ランプ。
接続部31bは、リード線22より熱伝達率が大きいことが好ましい。つまり、接続部31bは、リード線22より熱伝達率が大きくしたことにより、半田、ロウ等の軟質金属やレーザ溶接、抵抗溶接等を用いてリード線22に筒状体31の接続部31bを固着する場合、その固着時の熱が主に筒状体31側で放熱するため、固着時の熱によるガラスバルブの破損を抑制することができる。
また、接続部31bは、熱伝達率が75W/(m・K)〜435W/(m・K)で、かつ、導電率が9×106S/m〜65×106S/mであることにより、リード線に対し筒状体の接続部の溶接性と電気的な接続性とを向上することができる。なお、熱伝達率が75W/(m・K)〜435W/(m・K)で、かつ、導電率が9×106S/m〜65×106S/mである材料としては、銀(熱伝導率429W/(m・K)、導電率63×106S/m)、銅(熱伝導率401W/(m・K)、導電率59.6×106S/m)、金(熱伝導率317W/(m・K)、導電率45.2×106S/m)、アルミニウム(熱伝導率237W/(m・K)、導電率37.7×106S/m)、鉄(熱伝導率80.2W/(m・K)、導電率9.93×106S/m)、ニッケル(熱伝導率90.7W/(m・K)、導電率14.3×106S/m)、タングステン(熱伝導率174W/(m・K)、導電率18.9×106S/m)、モリブデン(熱伝導率138W/(m・K)、導電率18.7×106S/m)等が挙げられる。
さらに、リード線22は、外部リード26が内部リード26の熱伝達率より小さいものであることが好ましい。つまり、リード線22は、外部リード26が内部リード25の熱伝達率より小さいものであることにより、給電端子30を外部リード26に半田や溶接等で接合する場合、外部リード26から内部リード25への熱が伝わり難いので、ガラスバルブ端部10bの破損を防止することができる。
【0055】
上記冷陰極蛍光ランプ1は、点灯周波数40〜100kHz、ランプ電流3〜25mAで動作されている。なお、ランプ電流が25mAと大きくなった場合は、有効発光長を考慮しつつスパッタ量の低減の観点から、ホロー電極20の温度を下げるために、例えば、給電端子30の長さPを19mmまで、筒状体31の筒部全長が15mmまで、それぞれの長さを長くした方が好ましい。
以上、本発明に係る冷陰極蛍光ランプ1を実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係る冷陰極蛍光ランプ1は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、冷陰極蛍光ランプは、直管形に限定されず、例えばU字形、L字形、C字形等の屈曲形冷陰極蛍光ランプであってもよい。また、給電端子30の構成は上記構成に限定されず、例えば以下で説明する変形例1乃至16に示すような構成とすることが考えられる。なお、以下の各変形例の図において、上述した給電端子30と同様の構成部分には、同じ符号を付して、その説明については省略することとする。
【0056】
図4は、変形例1に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図である。
【0057】
変形例1は、上記第一実施形態とは、肉だまり部27に関する構成が異なる。具体的には、肉だまり部27は、ガラスバルブ10の端部12に設けられた凹入部12a内にその全体が没入した状態で埋設されており、その底面は凹入部12aの底面と密接し、かつ、その周面は凹入部12aの側周面との間にリード線径方向に距離Bを保っている。
【0058】
この構成により、ガラスバルブ10の端部12において、肉だまり部27の底面が密接しているため、リード線22に加わる外部衝撃を抑制することができる。また、肉だまり部27の底面がリード線径方向で隙間を有しているため、リード線22に接続部31bを半田、ロウ等で固定した場合等により肉だまり部27が熱膨張しても、ガラスバルブ10の端部12の破損を防止することができる。
【0059】
図5は、変形例2に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図である。
【0060】
変形例2は、上記第一実施形態とは、肉だまり部27に関する構成が異なる。具体的には、肉だまり部27は、ガラスバルブ10の端部12との間に距離Cの隙間を設けて配置されており、この構成により、例えば、リード線22と給電端子30との溶接接合やランプ電流が増大した際、リード線22の肉だまり部27が発熱するが、ガラスバルブ10の端部12との間に隙間を設けているので、肉だまり部27の熱膨張によってガラスバルブ10の端部12に熱応力が加わることがない。その結果、ガラスバルブ10の端部12の破損が抑制されリーク発生を防止することができる。なお、隙間(距離)Cが0.1mm〜0.5mmである場合は、例えば、予めリード線22に半田デップする場合であっても、隙間部分のリード線22に半田が付着することがないので、ガラスバルブ10の端部12の破損がさらに抑制されリーク発生を防止することができる。
図6は変形例3に係る冷陰極蛍光ランプの給電端子40の断面図を示す。
【0061】
変形例3は、第一実施形態とは、給電端子40の接続部41bが、リード線22の一端面に面接触するように導出部41aの先端から折曲して形成され、面接触の部分41cでリード線22と溶接接続されている点が異なる。この構成によれば、接続部41bによりリード線22の中心軸方向に力が加わるので、リード線22に掛かる曲げ力を抑制することができる。また、面接触の部分41cとリード線22とを、レーザ溶接、抵抗溶接や、半田又はロウ等の軟質金属を用いて安定接続することができ、さらに、ガラスバルブ10に対して、給電端子40の軸心方向の位置決めを行うことができる。
【0062】
図7は変形例4に係る冷陰極蛍光ランプの給電端子50の断面図を示す。
【0063】
変形例4は、上記第一実施形態とは、給電端子50の接続部51bがリード線22の一部外周面に近接又は接触するように、導出部51aの先端から折曲して形成され、平面状の接触の部分55とリード線22とが溶接接続されている点および、肉だまり部27と対向する接続部51bの折曲の端面を肉だまり部27に当接している点が異なる。この構成によれば、リード線22に掛かる曲げ力を抑制して、平面状の接触の部分55とリード線22とをレーザ溶接、抵抗溶接や、半田又はロウ等の軟質金属を用いて安定接続することができる。また、ガラスバルブ10に対して軸心方向の給電端子50の位置決めすることができる。
【0064】
図8は変形例5に係る冷陰極蛍光ランプの給電端子60の断面図を示す。
【0065】
変形例5は、上記第一実施形態とは、給電端子60の接続部61bが肉だまり部27の端面と面接触するように、導出部61aの先端から折曲して形成されると共に、リード線22が挿入されるように貫通孔62(又は切欠部)を設けている点および、前記面接触した後、接続部61bとリード線22および肉だまり部27とを半田又はロウ等の軟質金属を用いて溶着接続されている点が異なる。この構成によれば、接続部61bによりリード線22の肉だまり部27に力が加わるので、リード線22に掛かる曲げ力を抑制することができる。また、接触面の広い肉だまり部27と接続部61bの板面とを半田又はロウ等の軟質金属を用いて安定接続することができる。また、ガラスバルブ10の肉だまり部27の位置で給電端子60を位置決めできるので、リード線22の長さが短縮され冷陰極蛍光ランプの全長を短くすることができる。
【0066】
図9は変形例6に係る冷陰極蛍光ランプの給電端子70の断面図を示す。
【0067】
変形例6は、上記第一実施形態とは、給電端子70の接続部71bが肉だまり部27の端面と接触するように、導出部71aの先端から折曲して形成されると共に、リード線22が挿入されるように筒状部72を設けている点および、前記接触した後、接続部71bをかしめを行い、続いて接続部71bとリード線22および肉だまり部27とを半田又はロウ等の軟質金属を用いて溶着接続されている点が異なる。この構成によれば、接続部71bによりリード線22の肉だまり部27に力が加わるので、リード線22に掛かる曲げ力を抑制することができる。また、接触面の広い肉だまり部27と接続部71bの筒状部72とを半田又はロウ等の軟質金属を用いて安定接続することができる。また、ガラスバルブ10の肉だまり部27の位置で給電端子70を位置決めできるので、リード線22の長さが短縮され冷陰極蛍光ランプの全長を短くすることができる。
なお、接触面の広い肉だまり部27と接続部71bの筒状部72との接続を、前記の半田又はロウ等の軟質金属に替えて、さらに接続が安定する、例えばレーザー溶接、抵抗溶接等で行うこともできる。
図10は変形例7に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子80の斜視図を示す。
【0068】
変形例7は、上記第一実施形態とは、給電端子80の接続部81bが筒状体81の筒壁から管軸Aと平行に延出され、中程で直角に折り返された短冊状の導出部81aと、導出部81aの延出端に設けられた弾性挟持部83で構成されている点が異なる。
【0069】
具体的には、弾性挟持部83が管軸Aと直交する方形板状部である基部83aと、基部83aから延設された、一対の弾性挟持片83b、83cを有する。また、弾性挟持片83b、83cの各々は、基部83aにおいて対向する辺部から、筒状体81側に延出された短冊状をしている。弾性挟持片83b、83cは、内側に向かって(管軸Aに向かって)「く」字状に屈曲されており、当該屈曲部の頂部間で、リード線22を弾性的に挟持する。なお、一対の弾性挟持片83b、83cのそれぞれの押圧力をリード線22に対し少なくとも100g以上で、リード線22を挟持して接続されたものである。
【0070】
この構成によれば、リード線22の先端に基部83aを当接することで、ガラスバルブ10に対して給電端子80を位置決めすることができる。
【0071】
また、給電端子80は、リード線22が弾性挟持片83b、83cの2点と点接触するため、リード線22がガラスバルブ10に対し少し傾いたとしても、リード線22が前記頂部間で効果的に逃げることとなり、リード線22に無理な力が加わりにくい。
【0072】
さらに、弾性挟持部83は、リード線22の挿脱性に優れるため、給電端子80のガラスバルブ10への着脱性が向上する。
なお、上記給電端子80は、リード線22が弾性挟持片83b、83cの2点で接触するが、これに限らず2点以上で接触してもよく、例えば、給電端子の円周を3等分し、その3等分された円周端部から3つの短冊状の導出部とそれぞれの導出部の先端に設けられた接続部により、リード線22の外周面を弾性的に挟持してもよい。
【0073】
図11は変形例8に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子90の斜視図を示す。
【0074】
変形例8は、上記第一実施形態とは、給電端子90の接続部91bが筒状体91の筒壁から管軸A方向に延出され短冊状の導出部91aと、導出部91aから延出して形成された弾性挟持部93とを有する点が異なる。
【0075】
具体的には、弾性挟持部93は、基本的には、上述した弾性挟持部83と同様の構成である。すなわち、基部93aから延設された、一対の弾性挟持片93b、93cで構成されている。特徴的なのは、導出部91aを含め、筒状体91から延設された一本の帯状部が、その長手方向所定位置で屈曲加工されてなるものである点である。なお、一対の弾性挟持片93b、93cのそれぞれの押圧力をリード線22に対し少なくとも100g以上で、リード線22を挟持して接続されたものである。
【0076】
この構成によれば、変形例7に比べ、給電端子90の接続部91bにおける材料の使用量が少なくてすみ、全体として軽量化を図ることができる。
【0077】
また、リード線22の弾性挟持部93への挿入性に優れる点は、上記変形例7と同様である。一方、リード線22は弾性挟持部93から抜けにくい構造になっている。リード線22を弾性挟持部93から引き抜こうとすると、導出部91bが内側へ(管軸Aに向いて)撓む。その結果、弾性片部93cも同様に内側へ変位し、リード線22を押圧することとなって、弾性片部93cとリード線22との間に摩擦力が増大するためである。よって、給電端子90は、一旦ガラスバルブ10に装着すると、取り外す必要のない場合に好適に使用できる。
【0078】
さらに、弾性挟持部93は、リード線22の挿脱性に優れるため、給電端子90のガラスバルブ10への着脱性が向上する。
図12は、変形例9に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子100の一端部を示す拡大断面図である。
【0079】
変形例9は、上記第一実施形態とは、筒状体101の外周面に段差がある点が大きく異なる。
【0080】
具体的には、給電端子100の筒状体101は、第1筒部110と、第1筒部110から管軸A方向リード線側に延設された第2筒部120とを有し、第2筒部120は第1筒部110よりも外径が大きい。
この構成によれば、下記で説明するバックライトユニットの一組のソケット1600に冷陰極蛍光ランプを設置する際に、第1筒部110と第2筒部120との外径差により生じた段差130に、ソケット1600の管軸A方向リード線側の端面1640の一部を押し当てることができ、ランプを管軸A方向に位置決めし易い。
【0081】
第1筒部110と第2筒部120の肉厚は同じであるため、第2筒部120が第1筒部110より内径も大きい。具体的には、第2筒部120は第1筒部110より内径及びガラスバルブ10の端部の外径よりも大きく形成されているため、上記第一実施形態よりも放熱面積が大きくなり、放熱性を向上することができる。
図13は、変形例10に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子200の一端部を示す拡大図である。
【0082】
図13(a)に示すように、変形例10は、上記第一実施形態とは、筒状体201の管軸A方向ホロー電極側の端部250の内面が面取りされている点が大きく異なる。具体的には、その面取りは、筒状体201の管軸A方向ホロー電極側の端部250に周方向全体に亘ってテーパ状に形成されている。
【0083】
この構成により、給電端子200をガラスバルブ10に挿入した際のガラスバルブ10表面の損傷が抑制され、かつ給電端子200をガラスバルブ10に容易に装着することができる。
図14は、変形例11に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子300の一端部を示す拡大断面図である。
【0084】
変形例11は、上記第一実施形態とは、筒状体301の管軸A方向ホロー電極側の端部350がラッパ状に形成されている点が大きく異なる。この構成により、前記端部350の内径が大きくなっているため、給電端子300をガラスバルブ10に挿入した際、ガラスバルブ10表面の損傷が抑制され、かつ給電端子300をガラスバルブ10に容易に装着することができる。
【0085】
図15は変形例12に係る冷陰極蛍光ランプの給電端子400を示す斜視図である。
【0086】
変形例12は、上記第一実施形態とは、筒状体401の構成が大きく異なる。図15に示すように、筒状体401は、その周方向に沿って複数設けられた弾性舌片420を有し、この複数の弾性舌片420によりガラスバルブ10の外周面10cを挟持している。詳しくは、断面が略C字型をなしており、筒状体軸心方向にスリット部430を有する円筒体部410と、円筒体部410の一端部から延設されてなる複数本の(本例では、6本の)短冊状をした弾性舌片420とを有する。弾性舌片420は、円筒体部410の一端から筒状体軸心方向に沿った複数条(本例では、6条)のスリット部432を周方向に等間隔で所定の深さまで開設することにより形成されている。スリット部432のうちの1つが、円筒体部410のスリット部430と繋がった構成であるため、ガラスバルブ10の外形の寸法公差を略C字型部の弾性力により吸収でき、給電端子400をガラスバルブ10の外周面に保持することができる。
【0087】
なお、弾性舌片420の各々は、円筒体部410側の基端部近傍を基点として、全体的に内側に折り曲げられ、さらに、弾性舌片420の先端部450の内面が面取りされたものでもよい。これにより、給電端子400を冷陰極蛍光ランプに外挿する際に、弾性舌片420の先端の角でガラスバルブ10の外周面を傷つけないためと、ガラスバルブ10の端部12に挿入しやすくするためであり、ガラスバルブの端部に給電端子を装着する作業が円滑にできる。
【0088】
図15に示すように、上記構成からなる給電端子400を、ガラスバルブ10の端部に外挿すると、各弾性舌片420がガラスバルブ10の外周面に当接して、弾性舌片420全体が、前記基端部を基点にガラスバルブ10の径方向外方へ弾性的に撓み(弾性変形し)、その復元力でガラスバルブ10を挟持する。これにより、ガラスバルブ10は、円筒体部410と軸心を略合致させた状態で、円筒体部410内に位置決めされることとなる。
【0089】
この構成により、筒状体401の外周面全体に等分布荷重が加わるので、ガラスバルブ10の割れを防止することができる。また、筒状体401の内面とガラスバルブ10の外周面との密着性が向上するので、給電端子400をガラスバルブ10に装着後、ガラスバルブ10に対して給電端子400がその管軸方向に移動しにくくすることができる。
【0090】
なお、弾性舌片420及びスリット部430の形状、個数、配置位置等は、上記のものに限定されないことは言うまでもない。要は、ガラスバルブ10を筒状体401内で弾性支持できるような構成であれば構わない。
【0091】
図16は変形例13に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子500の一端部を示す斜視図である。
【0092】
変形例13は、上記第一実施形態とは、筒状体501の構成が大きく異なる。筒状体501は、金属材料で形成された線状または帯状の弾性材料502で、筒状体軸芯方向に密着又は離間してスパイラル状に巻回させたものである。この構成によれば、素材そのもので筒状体501を形成できるため材料損失を少なくすることがきる。
【0093】
本変形例において、筒状体501は、帯状の弾性材料で形成されたものであり、第1筒部510と、第1筒部510から筒状体軸心方向リード線側に延設された第2筒部520とを有し、第2筒部520は第1筒部510よりも外径が大きい。第1筒部510の内面は、ガラスバルブ10の外周面に密着しており、該第1筒部510でガラスバルブ10を保持している。一方、第2筒部520の内面は、ガラスバルブ10の外周面と接触しておらず、それら面間には隙間を有している。また、弾性材料502は、例えば筒状体501の放熱性を高めるため、筒状体軸心方向に隙間505を空け、その帯状間が離間して形成されている。
図17は変形例14に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子600の一端部を示す斜視図である。
【0094】
変形例14は、上記第一実施形態とは、筒状体601の構成が大きく異なる。筒状体601は、その外周面に複数の凸部610を円周方向に形成されたもの(リング状の凸部)である。なお、凸部610は、円周方向に形成したもので説明したが、円周方向に替え、軸芯方向、管軸に対してスパイラル方向等に形成されたものでもよい。
この構成によれば、その複数の凸部610により筒状体601の実質的に外径が大きくできるので、ソケット1600に合わせることができる。また筒状体601の表面積を大きくすることができるので、放熱性を高めるためことができる。
図18は、変形例15に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子700の一端部を示す斜視図である。
【0095】
変形例15は、上記第一実施形態とは、筒状体701のスリット部732を挟んで対向する一対の端縁732a、732bのそれぞれの一部に、スリット部732を跨いで互いに係合する一対の係合部を設けた点が大きく異なる。
【0096】
具体的には、一対の係合部は、前記スリット部732の対向する一方の端縁732bの一部を切り欠いて形成した凹部735bと、他方の端縁732bにおける凹部735bと対向する位置に設けられ、先端が凹部735b内に嵌り込んでいる凸部735aとからなる。
【0097】
この構成によれば、凹部735bによって凸部735aの管軸A方向の動きが規制されるため、一対の端縁732a、732bが互いに対向した位置からずれ動くような筒状体31の変形が起こり難く、筒状体701の形状が安定する。また、スリット部732の幅でガラスバルブの外形の寸法公差を吸収することができる。
【0098】
なお、凹部735b及び凸部735aは、一対の端縁が互いに対向した位置からずれ動くのを規制できる形状であれば良い。例えば、凹部735bは筒状体701の外周面を四角形に切り欠いたものに、凸部735aは筒状体701の外周面を四角形に突出させたものに限定されず、四角形以外の多角形に切り欠き或いは突出させたものであっても良い。また、一対の係合部は複数対に設けられていても良い。
図19は、変形例16に係る冷陰極蛍光ランプの端部に設ける給電端子800の一端部を示す拡大断面図である。
【0099】
変形例16は、上記第一実施形態とは、筒状体811の外周面に2箇所の段差がある点及び筒状体811が周方向に沿って複数設けられた弾性舌片860を有し、この複数の弾性舌片860によりガラスバルブ10の外周面を挟持している点が大きく異なる。
【0100】
具体的には、給電端子800の筒状体811は、第1筒部833と、第1筒部833から管軸A方向両側に延設された一対の第2筒部834,835とを有し、第2筒部834,835はそれぞれ第1筒部833よりも外径が大きい。また、筒状体811は、筒状体811の一部が折り曲げられ、その内面には径方向内側に突出して、ガラスバルブ10内のホロー電極20の外周面と対向するガラスバルブ10の外周面に押圧し、ガラスバルブ10を挟持する挟持部材である弾性舌片860を有している。また、弾性舌片860は、第2筒部834から第2筒部835側に延出すると共に第2筒部834からガラスバルブ10側に折曲して形成された複数の帯状体である点が異なる。
【0101】
この構成によれば、変形例9と同様に、第1筒部833と第2筒部834との外径差により生じた段差836に、ソケット(図示せず)の管軸A方向リード線側の端面の一部を押し当てることができ、ランプを管軸A方向に位置決めし易い。また、2箇所の段差836,837間の窪み部分である第1筒部833にソケットを嵌め込むことによって、位置決め後のランプが管軸A方向へずれ動くのを、2箇所の段差836,837によって管軸A方向における2方向から規制できるため、ソケットとの摩擦による筒状体811の表面の損傷が少ない。なお、上記位置決めは、熱膨張等によりガラスバルブ10の管軸A方向の寸法変動があるため、ガラスバルブ10の両端部の給電端子800の内、一方のみで行うことが好ましい。
【0102】
第1筒部833と第2筒部834,835の肉厚は同じであるため、第2筒部834,835は第1筒部833より内径も大きい。また、第1筒部833の内面とガラスバルブ10の外周面とが密着しているのに対し、第2筒部834,835の内面とガラスバルブ10の外周面とは隙間を有している。さらに、弾性舌片860の基端部は第1筒部833に配置されている。これにより、段差836,837にソケットを押し当てやすい構成となっている。
なお、弾性舌片860は、第2筒部834から第2筒部835側に延出するように設けたが、これに限らず、第1筒部833の一端側から他端側に延出すると共に前記一端側からガラスバルブ10側に折曲して形成された複数の帯状体等であってもよい。
【0103】
以上、ガラスバルブ10の両端に設けられた給電端子は、上記の実施の形態1、変形例1乃至16の形状のものに限らず、それらの組み合わせでもよい。
【0104】
また、給電端子は、両端とも同じ形状のものに限らず、上記の実施の形態1、変形例1乃至16のいずれかとを組み合わせてもよい。
【0105】
(バックライトユニットの説明)
図20は、本願発明の一実施形態にかかるバックライトユニット等の概略構成を示す分解斜視図であり、図21は、冷陰極蛍光ランプの取り付け状態を説明する図である。
【0106】
図20に示すように、本発明の一実施形態にかかるバックライトユニット1000は、液晶テレビ用の直下方式のバックライトユニットであって、その構造は、基本的に従来のバックライトユニットの構造に準ずる。
【0107】
バックライトユニット1000は、外囲器1100、拡散板1200、拡散シート1300およびレンズシート1400を備え、液晶パネル1500の背面に配置して用いられる。
【0108】
外囲器1100は、白色のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製の箱体であって、図20又は図21に示すように、略方形の反射板1110と、反射板1110の周縁を囲む側板1120〜1150とからなる。外囲器1100の内部には、例えば前記実施形態1の複数の冷陰極蛍光ランプ1が並設されており、それら冷陰極蛍光ランプ1の光は、前記外囲器1100の開口1160から拡散板1200に向けて放出される。
【0109】
反射板1110には、各冷陰極蛍光ランプ1の取り付け位置に対応する位置に、それぞれ一組のソケット1600が配置されている。各ソケット1600は、例えばりん青銅等の銅合金製或いはアルミニウム製の板材を折り曲げて加工したものであって、一対の挟持片1610,1620と、それら挟持片1610,1620を下端縁で連結する連結片1630とからなる。挟持片1610,1620には、冷陰極蛍光ランプ1の外形に合わせた凹部が設けられており、前記凹部内に冷陰極蛍光ランプ1を嵌め込めば、前記挟持片1610,1620の板ばね作用によって前記冷陰極蛍光ランプ1がソケット1600に保持されるとともに、前記ソケット1600と給電端子30とが電気的に接続される。バックライトユニット1000に取り付けられた冷陰極蛍光ランプ1には、前記バックライトユニット1000の点灯回路(不図示)からソケット1600を介して電力が供給される。
【0110】
拡散板1200は、ポリカーボネート(PC)樹脂製の板体であって、外囲器1100の開口1160を塞ぐように配置されている。拡散シート1300は、ポリカーボネート樹脂製であり、レンズシート1400は、アクリル樹脂製であって、それぞれ拡散板1200に順次重ね合わせるようにして配置されている。
【0111】
以上、本発明に係るバックライトユニットを実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係るバックライトユニットは、上記の実施の形態に限定されない。例えば、直下方式のバックライトユニットに限定されず、液晶パネルの背面に導光板を配置し、前記導光板の端面に冷陰極蛍光ランプ1を配置したエッジライト方式(サテライト方式または導光板方式ともいう)のバックライトユニットであってもよい。
【0112】
(液晶表示装置の説明)
図22に、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置を示す一部破断斜視図である。図22に示すように、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置2000は、例えば32inch液晶テレビであり、液晶パネル等を含む液晶画面ユニット2100と液晶画面ユニット2100の背面に配された本実施の形態に係るバックライトユニット1000と点灯回路2200とを備える。
【0113】
液晶画面ユニット2100は、公知のものであって、例えば、カラーフィルタ基板、液晶、TFT基板、駆動モジュール等(図示せず)を備え、外部からの画像信号に基づいてカラー画像を形成する。
【0114】
点灯回路2200は、バックライトユニット1000の内部の冷陰極放電ランプ1を点灯させる。
【0115】
以上、本発明に係る液晶表示装置を実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係る液晶表示装置は、上記の実施の形態に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明に係る冷陰極放電ランプ、バックライトユニット及び液晶表示装置は、照明分野全般に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の一実施形態にかかる冷陰極蛍光ランプを示す一部破断斜視図
【図2】同冷陰極蛍光ランプの一端部を示す斜視図
【図3】同冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図4】変形例1に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図5】変形例2に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図6】変形例3に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図7】変形例4に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図8】変形例5に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図9】変形例6係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図10】変形例7に係る冷陰極蛍光ランプにおける給電端子を示す斜視図
【図11】変形例8に係る冷陰極蛍光ランプにおける給電端子を示す斜視図
【図12】変形例9に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図13】変形例10に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図14】変形例11に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図15】変形例12に係る冷陰極蛍光ランプの給電端子を示す斜視図
【図16】変形例13に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す拡大断面図
【図17】変形例14に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す斜視図
【図18】変形例15に係る冷陰極蛍光ランプの一端部を示す斜視図
【図19】変形例16に係る冷陰極蛍光ランプの給電端子を示す拡大断面図
【図20】本発明の一実施形態にかかるバックライトユニット等の概略構成を示す分解斜視図
【図21】冷陰極蛍光ランプの取り付け状態を説明する図
【図22】本発明の一実施形態にかかる液晶表示装置を示す一部破断斜視図
【図23】従来例に係る給電端子付き冷陰極放電ランプの一端部を示す拡大断面図
【図24】従来例に係る他の給電端子付き冷陰極放電ランプの一端部を示す拡大断面図
【符号の説明】
【0118】
1 冷陰極蛍光ランプ
10 ガラスバルブ
20 ホロー電極
22 リード線
30 給電端子
31 筒状体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスバルブの両端部の内側に電極が設けられ、熱加工により前記両端部が前記ガラスバルブの中央部の外径より大きく封着形成され、前記ガラスバルブの両端部の外周面に前記電極のリード線と接続された給電端子を備えた放電ランプであって、前記給電端子は、前記ガラスバルブの中央部の外径より大きい前記両端部を除く前記ガラスバルブの外周面に当接しかつ包囲するよう設けられた導電性の筒状体を有したものであることを特徴とする放電ランプ。
【請求項2】
前記電極がホロー電極であり、前記筒状体の内面が前記ホロー電極と対向するガラスバルブの外周面に密接していることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
【請求項3】
前記筒状体は、その軸心方向にスリット部を有し断面が略C字型をなしていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放電ランプ。
【請求項4】
前記筒状体は、前記スリット部を挟んで対向する一対の端縁のそれぞれの一部に、前記スリット部を跨いで互いに係合する一対の係合部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の放電ランプ。
【請求項5】
前記筒状体の一対の係合部は、前記スリット部の対向する一方の端縁に凹部を、他方の端縁に凸部をそれぞれ形成したものであることを特徴とする請求項4に記載の放電ランプ。
【請求項6】
前記筒状体の外周面に複数の凸部を形成したものであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項7】
前記筒状体の外周面に複数の凸部は、前記筒状体の円周方向、軸芯方向又は軸芯に対してスパイラル方向に形成したものであることを特徴とする請求項6に記載の放電ランプ。
【請求項8】
前記筒状体は、少なくともその軸心方向リード線側と反対側の端部の内面が面取りまたはラッパ状に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項9】
前記筒状体は、第1筒部と、少なくとも前記第1筒部の一方端部からその軸心方向に延設された第2筒部とを有し、該第2筒部は前記第1筒部よりも外径が大きいことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項10】
前記筒状体は、周方向に沿って複数設けられた弾性舌片を有し、この複数の弾性舌片により前記ガラスバルブの外周面を挟持していることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項11】
前記筒状体は、その内面には径方向内側に突出して、前記ガラスバルブの外周面を押圧して、前記ガラスバルブを挟持する挟持部材を有していることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項12】
前記挟持部材は、前記筒状体の一部が折り曲げられ、その折り曲げの一部を前記ガラスバルブの外周面に押圧するものであることを特徴とする請求項11記載の放電ランプ。
【請求項13】
前記挟持部材は、前記筒状体の一端側から他端側に延出すると共に前記一端側から前記ガラスバルブ側に折曲して形成された複数の帯状体であることを特徴とする請求項12記載の放電ランプ。
【請求項14】
前記筒状体は、スパイラル状に巻回された金属材料で形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
【請求項15】
前記筒状体は、線状または帯状の弾性材料で筒状体軸芯方向に密着して形成されたものであることを特徴とする請求項14に記載の放電ランプ。
【請求項16】
前記給電端子は、前記筒状体から筒状体軸心方向リード線側に延出し、前記リード線の一部と接続される接続部を備えたものであることを特徴とする請求項1〜請求項15のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項17】
前記給電端子は、前記筒状体が前記ガラスバルブの端部外周に外挿されたものであり、前記筒状体の筒状体軸心方向一端から外側に延出する帯状の導出部と、該導出部の先端部に設けられ、前記リード線の一部と接続される接続部とを備えたものであることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項18】
前記接続部は、前記リード線の一部外周面に接近するようにU字部が形成されたものであることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の放電ランプ。
【請求項19】
前記接続部は、前記リード線の一部外周面に対し接近して包囲するように筒状部が形成されたものであることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の放電ランプ。
【請求項20】
前記接続部は、貫通孔又は切欠部が形成された接続面を有し、前記貫通孔又は切欠部に前記リード線が挿入されるように前記導出部の先端より先の部分を折曲して形成されたものであることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の放電ランプ。
【請求項21】
前記接続部は、かしめにより前記リード線と接続されたものであることを特徴とする請求項18から請求項20のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項22】
前記接続部は、前記リード線の一部外周面を挟むように前記導出部の先端から折曲して形成されたものであることを特徴とすることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の放電ランプ。
【請求項23】
前記接続部は、前記リード線の外周面を挟持する一対の挟持片を有し、前記一対の挟持片のそれぞれの押圧力を前記リード線に対し少なくとも100g以上で、前記リード線を挟持して接続されたものであることを特徴とする請求項22に記載の放電ランプ。
【請求項24】
前記接続部は、前記リード線の一端面に面接触するように前記導出部の延出先端より先の部分を折曲して形成されたものであることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の放電ランプ。
【請求項25】
前記接続部は、前記リード線の一部外周面に接触するように前記導出部の先端より先の部分を折曲して形成されたものであることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の放電ランプ。
【請求項26】
前記接続部は、溶接又は軟質金属により前記リード線の一部外面と接続されたものであることを特徴とする請求項18〜請求項25のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項27】
前記リード線は、前記給電端子と接合される部分に、前記ガラスバルブに封着される部分よりも外径の大きい肉だまり部を有し、前記肉だまり部の少なくとも一部がニッケル材料、鉄材料又はニッケルメッキで形成されていることを特徴とする請求項1から請求項26のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項28】
前記リード線は、ニッケル材料、鉄材料又はニッケルメッキからなり前記給電端子が接続される外部リード線と、該外部リード線とは異なる材質からなり前記ホロー電極が接合された内部リード線とを接合したものであり、前記接合部に前記リード線よりも外径の大きい肉だまり部を有しているものであることを特徴とする請求項1から請求項26のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項29】
前記肉だまり部は、前記ガラスバルブの端部において、その底面を密接、または、その底面を密接かつ前記リード線の径方向で隙間を有して埋設されたものであることを特徴とする請求項27または請求項28に記載の放電ランプ。
【請求項30】
前記肉だまり部は、前記ガラスバルブの端部と隙間を設けたものであることを特徴とする請求項27または請求項28に記載の放電ランプ。
【請求項31】
前記隙間は、0.1mm〜0.5mmであることを特徴とする請求項30記載の放電ランプ。
【請求項32】
前記肉だまり部は、前記リード線の軸心と直交する断面が円形状であり、その最大径が前記リード線の最大外径より大きく前記ガラスバルブの最大外径より小さい寸法であることを特徴とする請求項27〜請求項31のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項33】
前記リード線は、前記外部リードが前記内部リードの熱伝達率より小さいものであることを特徴とする請求項28〜請求項32のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項34】
前記リード線は、前記外部リード線が前記内部リード線の線よりも線径を細くしたものであることを特徴とする請求項27から請求項33のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項35】
前記リード線の少なくとも前記ガラスバルブに封着されている部分の表面粗さは、0.2Ra〜0.8Raであることを特徴とする請求項1から請求項34のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項36】
前記リード線の一端部は、前記ホロー電極と溶接固定され、その一端部の表面が0.2Ra〜0.8Raであり、かつ面取り寸法は径方向の長さが0.08mm〜0.15mmで軸方向の長さが0.1mm〜0.25mmであることを特徴とする請求項35記載の放電ランプ。
【請求項37】
前記接続部は、その一部を前記リード線の肉だまり部に当接させたものであることを特徴とする請求項28〜請求項36のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項38】
前記接続部は、前記リード線より熱伝達率が大きいものであることを特徴とする請求項1〜請求項37のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項39】
前記接続部は、熱伝達率が75W/(m・K)〜435W/(m・K)で、かつ、導電率が9×106S/m〜65×106S/mであることを特徴とする請求項38に記載の放電ランプ。
【請求項40】
前記ガラスバルブは酸化ナトリウムの含有率が3wt%〜20wt%の範囲のガラス材料で形成されていることを特徴とすることを特徴とする請求項1から請求項39のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項41】
前記ガラスバルブは酸化ナトリウムの含有率が5wt%〜20wt%の範囲のガラス材料で形成されていることを特徴とすることを特徴とする請求項1から請求項39のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項42】
光源として、請求項1から請求項41のいずれかに記載の放電ランプを備えたことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項43】
液晶ディスプレイパネルと、請求項42記載のバックライトユニットとを備え、前記バックライトユニットは、請求項1から請求項40のいずれかに記載の放電ランプを複数本収納する外囲器を有し、前記外囲器が前記液晶ディスプレイパネルの背面に配されていることを特徴とする液晶ディスプレイ装置。
【請求項1】
ガラスバルブの両端部の内側に電極が設けられ、熱加工により前記両端部が前記ガラスバルブの中央部の外径より大きく封着形成され、前記ガラスバルブの両端部の外周面に前記電極のリード線と接続された給電端子を備えた放電ランプであって、前記給電端子は、前記ガラスバルブの中央部の外径より大きい前記両端部を除く前記ガラスバルブの外周面に当接しかつ包囲するよう設けられた導電性の筒状体を有したものであることを特徴とする放電ランプ。
【請求項2】
前記電極がホロー電極であり、前記筒状体の内面が前記ホロー電極と対向するガラスバルブの外周面に密接していることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
【請求項3】
前記筒状体は、その軸心方向にスリット部を有し断面が略C字型をなしていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放電ランプ。
【請求項4】
前記筒状体は、前記スリット部を挟んで対向する一対の端縁のそれぞれの一部に、前記スリット部を跨いで互いに係合する一対の係合部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の放電ランプ。
【請求項5】
前記筒状体の一対の係合部は、前記スリット部の対向する一方の端縁に凹部を、他方の端縁に凸部をそれぞれ形成したものであることを特徴とする請求項4に記載の放電ランプ。
【請求項6】
前記筒状体の外周面に複数の凸部を形成したものであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項7】
前記筒状体の外周面に複数の凸部は、前記筒状体の円周方向、軸芯方向又は軸芯に対してスパイラル方向に形成したものであることを特徴とする請求項6に記載の放電ランプ。
【請求項8】
前記筒状体は、少なくともその軸心方向リード線側と反対側の端部の内面が面取りまたはラッパ状に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項9】
前記筒状体は、第1筒部と、少なくとも前記第1筒部の一方端部からその軸心方向に延設された第2筒部とを有し、該第2筒部は前記第1筒部よりも外径が大きいことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項10】
前記筒状体は、周方向に沿って複数設けられた弾性舌片を有し、この複数の弾性舌片により前記ガラスバルブの外周面を挟持していることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項11】
前記筒状体は、その内面には径方向内側に突出して、前記ガラスバルブの外周面を押圧して、前記ガラスバルブを挟持する挟持部材を有していることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項12】
前記挟持部材は、前記筒状体の一部が折り曲げられ、その折り曲げの一部を前記ガラスバルブの外周面に押圧するものであることを特徴とする請求項11記載の放電ランプ。
【請求項13】
前記挟持部材は、前記筒状体の一端側から他端側に延出すると共に前記一端側から前記ガラスバルブ側に折曲して形成された複数の帯状体であることを特徴とする請求項12記載の放電ランプ。
【請求項14】
前記筒状体は、スパイラル状に巻回された金属材料で形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
【請求項15】
前記筒状体は、線状または帯状の弾性材料で筒状体軸芯方向に密着して形成されたものであることを特徴とする請求項14に記載の放電ランプ。
【請求項16】
前記給電端子は、前記筒状体から筒状体軸心方向リード線側に延出し、前記リード線の一部と接続される接続部を備えたものであることを特徴とする請求項1〜請求項15のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項17】
前記給電端子は、前記筒状体が前記ガラスバルブの端部外周に外挿されたものであり、前記筒状体の筒状体軸心方向一端から外側に延出する帯状の導出部と、該導出部の先端部に設けられ、前記リード線の一部と接続される接続部とを備えたものであることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項18】
前記接続部は、前記リード線の一部外周面に接近するようにU字部が形成されたものであることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の放電ランプ。
【請求項19】
前記接続部は、前記リード線の一部外周面に対し接近して包囲するように筒状部が形成されたものであることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の放電ランプ。
【請求項20】
前記接続部は、貫通孔又は切欠部が形成された接続面を有し、前記貫通孔又は切欠部に前記リード線が挿入されるように前記導出部の先端より先の部分を折曲して形成されたものであることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の放電ランプ。
【請求項21】
前記接続部は、かしめにより前記リード線と接続されたものであることを特徴とする請求項18から請求項20のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項22】
前記接続部は、前記リード線の一部外周面を挟むように前記導出部の先端から折曲して形成されたものであることを特徴とすることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の放電ランプ。
【請求項23】
前記接続部は、前記リード線の外周面を挟持する一対の挟持片を有し、前記一対の挟持片のそれぞれの押圧力を前記リード線に対し少なくとも100g以上で、前記リード線を挟持して接続されたものであることを特徴とする請求項22に記載の放電ランプ。
【請求項24】
前記接続部は、前記リード線の一端面に面接触するように前記導出部の延出先端より先の部分を折曲して形成されたものであることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の放電ランプ。
【請求項25】
前記接続部は、前記リード線の一部外周面に接触するように前記導出部の先端より先の部分を折曲して形成されたものであることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の放電ランプ。
【請求項26】
前記接続部は、溶接又は軟質金属により前記リード線の一部外面と接続されたものであることを特徴とする請求項18〜請求項25のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項27】
前記リード線は、前記給電端子と接合される部分に、前記ガラスバルブに封着される部分よりも外径の大きい肉だまり部を有し、前記肉だまり部の少なくとも一部がニッケル材料、鉄材料又はニッケルメッキで形成されていることを特徴とする請求項1から請求項26のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項28】
前記リード線は、ニッケル材料、鉄材料又はニッケルメッキからなり前記給電端子が接続される外部リード線と、該外部リード線とは異なる材質からなり前記ホロー電極が接合された内部リード線とを接合したものであり、前記接合部に前記リード線よりも外径の大きい肉だまり部を有しているものであることを特徴とする請求項1から請求項26のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項29】
前記肉だまり部は、前記ガラスバルブの端部において、その底面を密接、または、その底面を密接かつ前記リード線の径方向で隙間を有して埋設されたものであることを特徴とする請求項27または請求項28に記載の放電ランプ。
【請求項30】
前記肉だまり部は、前記ガラスバルブの端部と隙間を設けたものであることを特徴とする請求項27または請求項28に記載の放電ランプ。
【請求項31】
前記隙間は、0.1mm〜0.5mmであることを特徴とする請求項30記載の放電ランプ。
【請求項32】
前記肉だまり部は、前記リード線の軸心と直交する断面が円形状であり、その最大径が前記リード線の最大外径より大きく前記ガラスバルブの最大外径より小さい寸法であることを特徴とする請求項27〜請求項31のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項33】
前記リード線は、前記外部リードが前記内部リードの熱伝達率より小さいものであることを特徴とする請求項28〜請求項32のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項34】
前記リード線は、前記外部リード線が前記内部リード線の線よりも線径を細くしたものであることを特徴とする請求項27から請求項33のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項35】
前記リード線の少なくとも前記ガラスバルブに封着されている部分の表面粗さは、0.2Ra〜0.8Raであることを特徴とする請求項1から請求項34のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項36】
前記リード線の一端部は、前記ホロー電極と溶接固定され、その一端部の表面が0.2Ra〜0.8Raであり、かつ面取り寸法は径方向の長さが0.08mm〜0.15mmで軸方向の長さが0.1mm〜0.25mmであることを特徴とする請求項35記載の放電ランプ。
【請求項37】
前記接続部は、その一部を前記リード線の肉だまり部に当接させたものであることを特徴とする請求項28〜請求項36のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項38】
前記接続部は、前記リード線より熱伝達率が大きいものであることを特徴とする請求項1〜請求項37のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項39】
前記接続部は、熱伝達率が75W/(m・K)〜435W/(m・K)で、かつ、導電率が9×106S/m〜65×106S/mであることを特徴とする請求項38に記載の放電ランプ。
【請求項40】
前記ガラスバルブは酸化ナトリウムの含有率が3wt%〜20wt%の範囲のガラス材料で形成されていることを特徴とすることを特徴とする請求項1から請求項39のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項41】
前記ガラスバルブは酸化ナトリウムの含有率が5wt%〜20wt%の範囲のガラス材料で形成されていることを特徴とすることを特徴とする請求項1から請求項39のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項42】
光源として、請求項1から請求項41のいずれかに記載の放電ランプを備えたことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項43】
液晶ディスプレイパネルと、請求項42記載のバックライトユニットとを備え、前記バックライトユニットは、請求項1から請求項40のいずれかに記載の放電ランプを複数本収納する外囲器を有し、前記外囲器が前記液晶ディスプレイパネルの背面に配されていることを特徴とする液晶ディスプレイ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2010−192133(P2010−192133A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32189(P2009−32189)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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