放電ランプおよび放電ランプの製造方法
【課題】 ガラスバルブが破損しにくい放電ランプおよび放電ランプの製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の放電ランプは、ガラスバルブ1と、ガラスバルブ1の端部に形成された半田層31と、半田層31と電気的に導通するように、ガラスバルブ1の端部に覆設された金属体32とを具備する放電ランプにおいて、金属体32の先端側とガラスバルブ1との間には非密着層4が形成されている。その際、非密着層4の長さをLとしたとき、L≧1.0mmを満たすのが望ましい。
【解決手段】 本発明の放電ランプは、ガラスバルブ1と、ガラスバルブ1の端部に形成された半田層31と、半田層31と電気的に導通するように、ガラスバルブ1の端部に覆設された金属体32とを具備する放電ランプにおいて、金属体32の先端側とガラスバルブ1との間には非密着層4が形成されている。その際、非密着層4の長さをLとしたとき、L≧1.0mmを満たすのが望ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶テレビやパーソナルコンピュータのバックライト光源などに用いられる放電ランプおよび放電ランプの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶テレビ等に用いられる光源としては、特開2004−146351号公報(以下、特許文献1)のような外部電極蛍光ランプや特開2006−294593号公報(以下、特許文献2)のようなガラスバルブの外面に内部電極と電気的に接続された給電端子を有する冷陰極蛍光ランプが用いられるようになっている。これらのランプは、特許文献2の図10のソケット120のようなバックライト側の固定手段に、外部電極または給電端子をはめ込むだけで、機械的接続と電気的接続ができるからである。従来、外部電極または給電端子には、半田ディッピングなどの方法によって形成した半田層が用いられていた。
【0003】
ただし、半田層は、放熱効果が低い、剥がれやすいなどの問題がある。そこで、特開2006−40857号公報(以下、特許文献3)や特開2005−5265号公報(以下、特許文献4)のように、筒状の金属体と半田層とをガラスバルブの端部に形成した放電ランプの発明が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−146351号公報
【特許文献2】特開2006−294593号公報
【特許文献3】特開2006−40857号公報
【特許文献4】特開2005−5265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献3や特許文献4のような放電ランプにおいて、曲げ応力を受けたり、落下したりすることで、ガラスバルブが破損するという不具合が発生している。
【0006】
本発明の目的は、ガラスバルブが破損しにくい放電ランプおよび放電ランプの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の放電ランプは、ガラスバルブと、前記ガラスバルブの端部に形成された半田層と、前記半田層と電気的に導通するように、前記ガラスバルブの端部に覆設された金属体とを具備する放電ランプにおいて、前記金属体の先端側と前記ガラスバルブとの間には非密着層が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ガラスバルブの破損を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
以下に、本発明の実施の形態の放電ランプについて図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態の放電ランプについて説明するための図である。
【0010】
本実施の形態の放電ランプの主要部は、例えば硼珪酸ガラスなどの硬質ガラスからなるガラスバルブ1により構成されている。そのガラスバルブ1の内部には放電空間11が形成されており、放電空間11にはネオンNeとアルゴンArの混合ガスからなる希ガスと水銀Hgが封入されている。また、ガラスバルブ1の内面には、例えばRGBの3波長蛍光体からなる蛍光体層2が形成されている。
【0011】
ガラスバルブ1の両端部には、ランプに電力を供給する給電端子として金属端子3が形成されている。この金属端子3は、半田層31と金属体32とで構成されている。
【0012】
半田層31は、ガラスバルブ1の端部に形成されている。この半田層31の材料には、スズSn、スズSnとインジウムInの合金、スズSnとビスマスBiの合金などにアンチモンSb、亜鉛Zn、アルミニウムAlなどを添加した半田を使用することができる。
【0013】
金属体32は、半田層31と電気的に導通するように、薄い金属板をその一部が重なるように重ね巻きした両開口の筒状金属であり、ガラスバルブ1の端部に覆設されている。この金属体32の材料としては、ガラスバルブ1の熱膨張係数に近い材料を用いるのが望ましく、例えば、ガラスバルブ1の材料の熱膨張係数に合わせて、鉄Fe、ニッケルNi、銅Cu、コバルトCo、クロムCrの単体または合金を使用することができる。また、金属体32の表面には、銅Cu、スズSn、亜鉛Zn、銀Ag、金Au、ニッケルNiなどの金属メッキを施してもよい。
【0014】
ここで、金属端子3の構造について図2を参照してさらに詳しく説明する。図2は、図1の一点鎖線X部分について説明するための拡大図である。
【0015】
図からわかるように、半田層31は、第1の半田層311、第2の半田層312および第3の半田層313で構成されている。第1の半田層311は、ガラスバルブ1と密着しているが、金属体32とは密着していない半田層であり、0mm<d≦0.07mm程度の厚みでガラスバルブ1端部の表面に形成されている。第2の半田層312は、金属体32の後端側に形成され、第1の半田層311と金属体32とに密着している半田層である。つまり、第2の半田層311は第1の半田層311と金属体32との電気的接続を行っている部分となる。また、第2の半田層312は、金属体32の後端から突出形成されている。なお、図2では第1の半田層311と第2の半田層312の境界を点線で示しているが、実際の状態ではこのような境界は存在しない。第3の半田層313は、金属体32の外表面に密着している半田層である。
【0016】
これら第1の半田層311および第2の半田層312により、金属体32の先端側の内表面と第1の半田層311の外表面との間には、非密着層4が形成されている。この非密着層4の好適なサイズは、非密着層4の管軸方向の長さをLとしたとき、L≧1.0mm、好適にはL≧3.0mmである。なお、「密着」とは、部材同士が強く結びついている状態をいう。すなわち、部材間に隙間がある状態、単に接触している状態は密着ではなく、非密着であるといえる。
【0017】
金属端子3の一形成方法を、図3を参照しながら説明する。
【0018】
まず、(a)のように、溶融半田51が満たされた半田槽5に、両端を封止したガラスバルブ1の一端を浸漬し、(b)のように第1の半田層311を密着形成する。その際、超音波振動子52によって超音波振動が加えられた溶融半田に浸漬する、いわゆる超音波半田ディッピングを行い、ガラスバルブ1と第1の半田層311のなじみを向上させるのが望ましい。次に、第1の半田層311が固化、すなわち十分に乾いたのち、(c)のように第1の半田層311が形成されたガラスバルブ1部分に金属体32を覆設する。
【0019】
そして、ガラスバルブ1と金属体32との固定強度を十分に保てる程度の金属体32部分、例えば後端から金属体32の2/3程度までを、(d)のように溶融半田51に浸漬し、第1の半田層311と金属体32とに密着する第2の半田層312を形成する。この工程も、(a)のときと同様、超音波半田ディッピングを行い、ガラスバルブ1と金属体32の間の隙間への半田の充填率を向上させるのが望ましい。その後、超音波振動子52の動作を止め、超音波振動していない状態とした溶融半田51に、(e)のように、残りの金属体32を浸漬し、金属体32の外表面全体に第3の半田層313を形成する。これにより、ガラスバルブ1と金属体32の先端側の間に非密着層4を形成しつつ、金属体32の外表面全体に半田を形成することができる。なお、非密着層4の軸方向長さLは、(d)の工程において、溶融半田51にディップする金属体32の長さにより変化させることができる。最後に、ガラスバルブ1を半田槽5から引き抜き、その際に金属体32の後端側に伸びる尻尾状の半田を台に押し当てるなどして成形することで、(f)のような金属端子3を形成することができる。
【0020】
下記に本発明の放電ランプの実施例の一仕様を示す。
【0021】
ガラスバルブ1;ER−N(日本電気硝子株式会社製のガラス)、内径=2.0mm、外径R=3.0mm、全長=960mm、
放電媒体:ネオンNe+アルゴンAr、水銀Hg、
蛍光体層2;RGBの3波長蛍光体、
金属端子3;形成長さ=25mm、
半田層31;セラソルザ(黒田テクノ製の半田、スズSn−亜鉛Zn−アンチモンSb)、
金属体32;厚さ0.1mmの47アロイ(ニッケル=47%、鉄=53%の合金)を重ね巻きして形成、表面に銀Agメッキ、
非密着層4;長さL=7.0mm、間隔D=最大0.07mm。
【0022】
上記実施例の放電ランプと金属体とガラスバルブの間に半田が完全に充填された従来の放電ランプを各5本作成し、破損強度試験を行った。その結果を図4に示す。なお、この試験は、管端から40mmの部分を固定した状態で、金属体の軸方向の中央付近をプッシュプルゲージでランプが破損するまで押し、そのときの荷重を測定するという方法で行ったものである。
【0023】
結果から、実施例のランプは全体的に破損荷重が大きいが、従来例のランプはN0.2とNo.5のランプの破損荷重が極端に小さいことがわかる。この原因は、ランプの破損箇所にある。具体的には、N0.2とNo.5のランプは、金属体32の先端のガラスバルブ1部分が破損していた。当該部分は、金属体32とガラスバルブ1が強固に固定されていると、てこの原理によって応力が集中しやすい部分である。そのため、小さな荷重でも破損したと考えられる。これに対し、実施例のランプは、金属体32の先端側とガラスバルブ1との間に形成された非密着部4により、当該部分への応力集中が防止されたため、小さな破損荷重では破損しなかったと考えられる。
【0024】
次に、非密着層4の長さLの異なるランプについて、0.4kgfの荷重をかけ、破損するかどうかの試験を行った。その結果を図5に示す。
【0025】
結果から、非密着層4の長さLが長いほど、破損しにくくなることがわかる。特に、長さLが1.0mm以上であれば、破損率が低下し、さらに長さLが3.0mm以上であれば、破損率が0%になる。したがって、非密着層4の長さLは、L≧1.0mm、好適にはL≧3.0mmであるのが望ましい。ただし、密着しない領域が大きくなると剥離しやすくなることから、非密着層4の長さLはL≦10mmであるのが望ましい。
【0026】
したがって、第1の実施の形態では、ガラスバルブ1と密着し、金属体32とは密着しない第1の半田層311、金属体32の少なくとも一部分に形成され、第1の半田層311と金属体32とに密着する第2の半田層312、金属体32の外表面全体に密着する第3の半田層313とからなる半田層31を形成し、金属体32の先端側とガラスバルブ1との間に非密着層4を形成したことにより、金属体32の先端のガラスバルブ1部分の応力集中を抑制できるため、当該部分が破損しにくく、かつ金属体32の表面が腐食等しにくい放電ランプを実現することができる。また、非密着層4の長さをLとしたとき、L≧1.0mmを満たしているため、さらに破損しにくくすることができる。
【0027】
なお、ガラスバルブ1の端部を超音波振動が加えられた溶融半田51に浸漬し、ガラスバルブ1に密着する第1の半田層311を形成する工程と、第1の半田層311が固化したのち、第1の半田層311が形成されたガラスバルブ1部分に金属体32を覆設する工程と、金属体32の後端側を超音波振動が加えられた溶融半田51に浸漬し、第1の半田層311と金属体32とに密着する第2の半田層312を形成する工程と、金属体32の前端側まで超音波振動が加えられていない溶融半田51に浸漬し、金属体32の外表面に密着する第3の半田層313を形成する工程とを行うことにより、金属体32の外表面に半田を形成しつつ、ガラスバルブ1と金属体32の先端側の間に非密着層4を形成することができる。
【0028】
(第2の実施の形態)
図6は、本発明の第2の実施の形態の放電ランプについて説明するための図である。これ以降の実施の形態の各部については、第1の実施の形態の放電ランプの各部と同一部分は同一符号で示し、その説明を省略する。
【0029】
第2の実施の形態では、金属体32の外表面には第3の半田層313が形成されていない。したがって、本実施の形態では、放電ランプをバックライトに固定する際に、金属体32部分をバックライト側のソケットで保持させることができるため、ソケットとの摩擦によって半田が剥がれ、その剥がれた半田が放電ランプの発光領域などに付着するなどの問題の発生を防止することができる。また、本実施の形態のランプ5本について、図4と同じ試験を行った結果、金属体32の先端のガラスバルブ1部分が破損することはなく、第1の実施の形態と同様に破損しにくいことが確認された。
【0030】
なお、図6のような状態は、ガラスバルブ1の端部を超音波振動が加えられた溶融半田51に浸漬し、ガラスバルブ1に密着する第1の半田層311を形成する工程と、第1の半田層311が固化したのち、第1の半田層311が形成されたガラスバルブ1部分に金属体32を覆設する工程と、金属体32の先端側を冷却しながら、後端側を加熱し、第1の半田層311と金属体32とに密着する第2の半田層312を形成する工程によって形成することができる。また、非密着層4の長さLは、冷却範囲と加熱範囲を変更することにより、容易に調整可能である。
【0031】
(第3の実施の形態)
図7は、本発明の第3の実施の形態の放電ランプについて説明するための図である。
【0032】
第3の実施の形態では、金属体32の先端側とガラスバルブ1の間には非密着層4のみが介在している。つまり、第1、2の実施の形態のように金属体32の先端側とガラスバルブ1の間に半田が形成されていない。このような実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0033】
(第4の実施の形態)
図8は、本発明の第4の実施の形態の放電ランプについて説明するための図である。
【0034】
第4の実施の形態では、金属体32の内表面全体に第2の半田層312が密着しているが、金属体32の先端側の第2の半田層312とガラスバルブ1の間に非密着層4が形成されている。このような実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0035】
(第5の実施の形態)
図9は、本発明の第5の実施の形態の放電ランプについて説明するための図である。
【0036】
第5の実施の形態では、ガラスバルブ1の外表面に第1の半田層311、かつ金属体32の内表面全体に第2の半田層312が形成されているが、金属体32の先端側の第1の半田層311と第2の半田層312との間に非密着層4が形成されている。このような実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、このような放電ランプは、あらかじめ内表面に半田を形成した金属体32を、図3の(c)の工程で用いれば実現できる。
【0037】
(第6の実施の形態)
図10は、本発明の第6の実施の形態の放電ランプについて説明するための図である。
【0038】
第6の実施の形態では、両端に電極61、インナーリード62、アウターリード63およびビーズガラス64からなる電極マウント5が封止されたガラスバルブ1に、金属体32の先端側と第1の半田層311の間に非密着層4が介在するように金属端子3を形成している。すなわち、冷陰極蛍光ランプの端部に金属端子3を形成していることになる。このような実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
なお、本発明の実施の形態は上記に限られるわけではなく、例えば次のように変更してもよい。
【0040】
金属体32は、金属板を重ね巻きしたものに限られず、例えばC状であってもよいし、鋳型により射出するなどの方法により形成したものであってもよい。
【0041】
第1の半田層311、第2の半田層312および第3の半田層313に用いる材料は、同一材料に限らない。例えば、第1の半田層311はガラスとの密着性に優れた材料、第2の半田層312および第3の半田層313は金属との密着性に優れた材料を使用するなど、異なる材料を組み合わせてもよい。
【0042】
第3の半田層312は、図11のように金属体32の後端側のみに形成されている状態であってもよい。この場合、第2の実施の形態と同様に、ソケットとの摩擦による半田の剥がれを防止することができる。なお、図11のようなランプは、図3の製造方法において、(e)の工程を省略すれば形成することができる。
【0043】
非密着層4は、その全てにおいて隙間が形成されている必要はなく、一部が接触していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施の形態の放電ランプについて説明するための図。
【図2】図1の一点鎖線X部分について説明するための拡大図。
【図3】金属端子の一形成方法について説明するための図。
【図4】実施例のランプと従来例のランプの破損強度について説明するための図。
【図5】非密着層の長さLを変化させたときの破損強度について説明するための図。
【図6】本発明の第2の実施の形態の放電ランプについて説明するための図。
【図7】本発明の第3の実施の形態の放電ランプについて説明するための図。
【図8】本発明の第4の実施の形態の放電ランプについて説明するための図。
【図9】本発明の第5の実施の形態の放電ランプについて説明するための図。
【図10】本発明の第6の実施の形態の放電ランプについて説明するための図。
【図11】本発明の変形例について説明するための図。
【符号の説明】
【0045】
1 ガラスバルブ
11 放電空間
2 蛍光体層
3 金属端子
31 半田層
311 第1の半田層
312 第2の半田層
313 第3の半田層
32 金属体
4 非密着層
51 溶融半田
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶テレビやパーソナルコンピュータのバックライト光源などに用いられる放電ランプおよび放電ランプの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶テレビ等に用いられる光源としては、特開2004−146351号公報(以下、特許文献1)のような外部電極蛍光ランプや特開2006−294593号公報(以下、特許文献2)のようなガラスバルブの外面に内部電極と電気的に接続された給電端子を有する冷陰極蛍光ランプが用いられるようになっている。これらのランプは、特許文献2の図10のソケット120のようなバックライト側の固定手段に、外部電極または給電端子をはめ込むだけで、機械的接続と電気的接続ができるからである。従来、外部電極または給電端子には、半田ディッピングなどの方法によって形成した半田層が用いられていた。
【0003】
ただし、半田層は、放熱効果が低い、剥がれやすいなどの問題がある。そこで、特開2006−40857号公報(以下、特許文献3)や特開2005−5265号公報(以下、特許文献4)のように、筒状の金属体と半田層とをガラスバルブの端部に形成した放電ランプの発明が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−146351号公報
【特許文献2】特開2006−294593号公報
【特許文献3】特開2006−40857号公報
【特許文献4】特開2005−5265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献3や特許文献4のような放電ランプにおいて、曲げ応力を受けたり、落下したりすることで、ガラスバルブが破損するという不具合が発生している。
【0006】
本発明の目的は、ガラスバルブが破損しにくい放電ランプおよび放電ランプの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の放電ランプは、ガラスバルブと、前記ガラスバルブの端部に形成された半田層と、前記半田層と電気的に導通するように、前記ガラスバルブの端部に覆設された金属体とを具備する放電ランプにおいて、前記金属体の先端側と前記ガラスバルブとの間には非密着層が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ガラスバルブの破損を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
以下に、本発明の実施の形態の放電ランプについて図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態の放電ランプについて説明するための図である。
【0010】
本実施の形態の放電ランプの主要部は、例えば硼珪酸ガラスなどの硬質ガラスからなるガラスバルブ1により構成されている。そのガラスバルブ1の内部には放電空間11が形成されており、放電空間11にはネオンNeとアルゴンArの混合ガスからなる希ガスと水銀Hgが封入されている。また、ガラスバルブ1の内面には、例えばRGBの3波長蛍光体からなる蛍光体層2が形成されている。
【0011】
ガラスバルブ1の両端部には、ランプに電力を供給する給電端子として金属端子3が形成されている。この金属端子3は、半田層31と金属体32とで構成されている。
【0012】
半田層31は、ガラスバルブ1の端部に形成されている。この半田層31の材料には、スズSn、スズSnとインジウムInの合金、スズSnとビスマスBiの合金などにアンチモンSb、亜鉛Zn、アルミニウムAlなどを添加した半田を使用することができる。
【0013】
金属体32は、半田層31と電気的に導通するように、薄い金属板をその一部が重なるように重ね巻きした両開口の筒状金属であり、ガラスバルブ1の端部に覆設されている。この金属体32の材料としては、ガラスバルブ1の熱膨張係数に近い材料を用いるのが望ましく、例えば、ガラスバルブ1の材料の熱膨張係数に合わせて、鉄Fe、ニッケルNi、銅Cu、コバルトCo、クロムCrの単体または合金を使用することができる。また、金属体32の表面には、銅Cu、スズSn、亜鉛Zn、銀Ag、金Au、ニッケルNiなどの金属メッキを施してもよい。
【0014】
ここで、金属端子3の構造について図2を参照してさらに詳しく説明する。図2は、図1の一点鎖線X部分について説明するための拡大図である。
【0015】
図からわかるように、半田層31は、第1の半田層311、第2の半田層312および第3の半田層313で構成されている。第1の半田層311は、ガラスバルブ1と密着しているが、金属体32とは密着していない半田層であり、0mm<d≦0.07mm程度の厚みでガラスバルブ1端部の表面に形成されている。第2の半田層312は、金属体32の後端側に形成され、第1の半田層311と金属体32とに密着している半田層である。つまり、第2の半田層311は第1の半田層311と金属体32との電気的接続を行っている部分となる。また、第2の半田層312は、金属体32の後端から突出形成されている。なお、図2では第1の半田層311と第2の半田層312の境界を点線で示しているが、実際の状態ではこのような境界は存在しない。第3の半田層313は、金属体32の外表面に密着している半田層である。
【0016】
これら第1の半田層311および第2の半田層312により、金属体32の先端側の内表面と第1の半田層311の外表面との間には、非密着層4が形成されている。この非密着層4の好適なサイズは、非密着層4の管軸方向の長さをLとしたとき、L≧1.0mm、好適にはL≧3.0mmである。なお、「密着」とは、部材同士が強く結びついている状態をいう。すなわち、部材間に隙間がある状態、単に接触している状態は密着ではなく、非密着であるといえる。
【0017】
金属端子3の一形成方法を、図3を参照しながら説明する。
【0018】
まず、(a)のように、溶融半田51が満たされた半田槽5に、両端を封止したガラスバルブ1の一端を浸漬し、(b)のように第1の半田層311を密着形成する。その際、超音波振動子52によって超音波振動が加えられた溶融半田に浸漬する、いわゆる超音波半田ディッピングを行い、ガラスバルブ1と第1の半田層311のなじみを向上させるのが望ましい。次に、第1の半田層311が固化、すなわち十分に乾いたのち、(c)のように第1の半田層311が形成されたガラスバルブ1部分に金属体32を覆設する。
【0019】
そして、ガラスバルブ1と金属体32との固定強度を十分に保てる程度の金属体32部分、例えば後端から金属体32の2/3程度までを、(d)のように溶融半田51に浸漬し、第1の半田層311と金属体32とに密着する第2の半田層312を形成する。この工程も、(a)のときと同様、超音波半田ディッピングを行い、ガラスバルブ1と金属体32の間の隙間への半田の充填率を向上させるのが望ましい。その後、超音波振動子52の動作を止め、超音波振動していない状態とした溶融半田51に、(e)のように、残りの金属体32を浸漬し、金属体32の外表面全体に第3の半田層313を形成する。これにより、ガラスバルブ1と金属体32の先端側の間に非密着層4を形成しつつ、金属体32の外表面全体に半田を形成することができる。なお、非密着層4の軸方向長さLは、(d)の工程において、溶融半田51にディップする金属体32の長さにより変化させることができる。最後に、ガラスバルブ1を半田槽5から引き抜き、その際に金属体32の後端側に伸びる尻尾状の半田を台に押し当てるなどして成形することで、(f)のような金属端子3を形成することができる。
【0020】
下記に本発明の放電ランプの実施例の一仕様を示す。
【0021】
ガラスバルブ1;ER−N(日本電気硝子株式会社製のガラス)、内径=2.0mm、外径R=3.0mm、全長=960mm、
放電媒体:ネオンNe+アルゴンAr、水銀Hg、
蛍光体層2;RGBの3波長蛍光体、
金属端子3;形成長さ=25mm、
半田層31;セラソルザ(黒田テクノ製の半田、スズSn−亜鉛Zn−アンチモンSb)、
金属体32;厚さ0.1mmの47アロイ(ニッケル=47%、鉄=53%の合金)を重ね巻きして形成、表面に銀Agメッキ、
非密着層4;長さL=7.0mm、間隔D=最大0.07mm。
【0022】
上記実施例の放電ランプと金属体とガラスバルブの間に半田が完全に充填された従来の放電ランプを各5本作成し、破損強度試験を行った。その結果を図4に示す。なお、この試験は、管端から40mmの部分を固定した状態で、金属体の軸方向の中央付近をプッシュプルゲージでランプが破損するまで押し、そのときの荷重を測定するという方法で行ったものである。
【0023】
結果から、実施例のランプは全体的に破損荷重が大きいが、従来例のランプはN0.2とNo.5のランプの破損荷重が極端に小さいことがわかる。この原因は、ランプの破損箇所にある。具体的には、N0.2とNo.5のランプは、金属体32の先端のガラスバルブ1部分が破損していた。当該部分は、金属体32とガラスバルブ1が強固に固定されていると、てこの原理によって応力が集中しやすい部分である。そのため、小さな荷重でも破損したと考えられる。これに対し、実施例のランプは、金属体32の先端側とガラスバルブ1との間に形成された非密着部4により、当該部分への応力集中が防止されたため、小さな破損荷重では破損しなかったと考えられる。
【0024】
次に、非密着層4の長さLの異なるランプについて、0.4kgfの荷重をかけ、破損するかどうかの試験を行った。その結果を図5に示す。
【0025】
結果から、非密着層4の長さLが長いほど、破損しにくくなることがわかる。特に、長さLが1.0mm以上であれば、破損率が低下し、さらに長さLが3.0mm以上であれば、破損率が0%になる。したがって、非密着層4の長さLは、L≧1.0mm、好適にはL≧3.0mmであるのが望ましい。ただし、密着しない領域が大きくなると剥離しやすくなることから、非密着層4の長さLはL≦10mmであるのが望ましい。
【0026】
したがって、第1の実施の形態では、ガラスバルブ1と密着し、金属体32とは密着しない第1の半田層311、金属体32の少なくとも一部分に形成され、第1の半田層311と金属体32とに密着する第2の半田層312、金属体32の外表面全体に密着する第3の半田層313とからなる半田層31を形成し、金属体32の先端側とガラスバルブ1との間に非密着層4を形成したことにより、金属体32の先端のガラスバルブ1部分の応力集中を抑制できるため、当該部分が破損しにくく、かつ金属体32の表面が腐食等しにくい放電ランプを実現することができる。また、非密着層4の長さをLとしたとき、L≧1.0mmを満たしているため、さらに破損しにくくすることができる。
【0027】
なお、ガラスバルブ1の端部を超音波振動が加えられた溶融半田51に浸漬し、ガラスバルブ1に密着する第1の半田層311を形成する工程と、第1の半田層311が固化したのち、第1の半田層311が形成されたガラスバルブ1部分に金属体32を覆設する工程と、金属体32の後端側を超音波振動が加えられた溶融半田51に浸漬し、第1の半田層311と金属体32とに密着する第2の半田層312を形成する工程と、金属体32の前端側まで超音波振動が加えられていない溶融半田51に浸漬し、金属体32の外表面に密着する第3の半田層313を形成する工程とを行うことにより、金属体32の外表面に半田を形成しつつ、ガラスバルブ1と金属体32の先端側の間に非密着層4を形成することができる。
【0028】
(第2の実施の形態)
図6は、本発明の第2の実施の形態の放電ランプについて説明するための図である。これ以降の実施の形態の各部については、第1の実施の形態の放電ランプの各部と同一部分は同一符号で示し、その説明を省略する。
【0029】
第2の実施の形態では、金属体32の外表面には第3の半田層313が形成されていない。したがって、本実施の形態では、放電ランプをバックライトに固定する際に、金属体32部分をバックライト側のソケットで保持させることができるため、ソケットとの摩擦によって半田が剥がれ、その剥がれた半田が放電ランプの発光領域などに付着するなどの問題の発生を防止することができる。また、本実施の形態のランプ5本について、図4と同じ試験を行った結果、金属体32の先端のガラスバルブ1部分が破損することはなく、第1の実施の形態と同様に破損しにくいことが確認された。
【0030】
なお、図6のような状態は、ガラスバルブ1の端部を超音波振動が加えられた溶融半田51に浸漬し、ガラスバルブ1に密着する第1の半田層311を形成する工程と、第1の半田層311が固化したのち、第1の半田層311が形成されたガラスバルブ1部分に金属体32を覆設する工程と、金属体32の先端側を冷却しながら、後端側を加熱し、第1の半田層311と金属体32とに密着する第2の半田層312を形成する工程によって形成することができる。また、非密着層4の長さLは、冷却範囲と加熱範囲を変更することにより、容易に調整可能である。
【0031】
(第3の実施の形態)
図7は、本発明の第3の実施の形態の放電ランプについて説明するための図である。
【0032】
第3の実施の形態では、金属体32の先端側とガラスバルブ1の間には非密着層4のみが介在している。つまり、第1、2の実施の形態のように金属体32の先端側とガラスバルブ1の間に半田が形成されていない。このような実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0033】
(第4の実施の形態)
図8は、本発明の第4の実施の形態の放電ランプについて説明するための図である。
【0034】
第4の実施の形態では、金属体32の内表面全体に第2の半田層312が密着しているが、金属体32の先端側の第2の半田層312とガラスバルブ1の間に非密着層4が形成されている。このような実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0035】
(第5の実施の形態)
図9は、本発明の第5の実施の形態の放電ランプについて説明するための図である。
【0036】
第5の実施の形態では、ガラスバルブ1の外表面に第1の半田層311、かつ金属体32の内表面全体に第2の半田層312が形成されているが、金属体32の先端側の第1の半田層311と第2の半田層312との間に非密着層4が形成されている。このような実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、このような放電ランプは、あらかじめ内表面に半田を形成した金属体32を、図3の(c)の工程で用いれば実現できる。
【0037】
(第6の実施の形態)
図10は、本発明の第6の実施の形態の放電ランプについて説明するための図である。
【0038】
第6の実施の形態では、両端に電極61、インナーリード62、アウターリード63およびビーズガラス64からなる電極マウント5が封止されたガラスバルブ1に、金属体32の先端側と第1の半田層311の間に非密着層4が介在するように金属端子3を形成している。すなわち、冷陰極蛍光ランプの端部に金属端子3を形成していることになる。このような実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
なお、本発明の実施の形態は上記に限られるわけではなく、例えば次のように変更してもよい。
【0040】
金属体32は、金属板を重ね巻きしたものに限られず、例えばC状であってもよいし、鋳型により射出するなどの方法により形成したものであってもよい。
【0041】
第1の半田層311、第2の半田層312および第3の半田層313に用いる材料は、同一材料に限らない。例えば、第1の半田層311はガラスとの密着性に優れた材料、第2の半田層312および第3の半田層313は金属との密着性に優れた材料を使用するなど、異なる材料を組み合わせてもよい。
【0042】
第3の半田層312は、図11のように金属体32の後端側のみに形成されている状態であってもよい。この場合、第2の実施の形態と同様に、ソケットとの摩擦による半田の剥がれを防止することができる。なお、図11のようなランプは、図3の製造方法において、(e)の工程を省略すれば形成することができる。
【0043】
非密着層4は、その全てにおいて隙間が形成されている必要はなく、一部が接触していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施の形態の放電ランプについて説明するための図。
【図2】図1の一点鎖線X部分について説明するための拡大図。
【図3】金属端子の一形成方法について説明するための図。
【図4】実施例のランプと従来例のランプの破損強度について説明するための図。
【図5】非密着層の長さLを変化させたときの破損強度について説明するための図。
【図6】本発明の第2の実施の形態の放電ランプについて説明するための図。
【図7】本発明の第3の実施の形態の放電ランプについて説明するための図。
【図8】本発明の第4の実施の形態の放電ランプについて説明するための図。
【図9】本発明の第5の実施の形態の放電ランプについて説明するための図。
【図10】本発明の第6の実施の形態の放電ランプについて説明するための図。
【図11】本発明の変形例について説明するための図。
【符号の説明】
【0045】
1 ガラスバルブ
11 放電空間
2 蛍光体層
3 金属端子
31 半田層
311 第1の半田層
312 第2の半田層
313 第3の半田層
32 金属体
4 非密着層
51 溶融半田
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスバルブと、前記ガラスバルブの端部に形成された半田層と、前記半田層と電気的に導通するように、前記ガラスバルブの端部に覆設された金属体とを具備する放電ランプにおいて、
前記金属体の先端側と前記ガラスバルブとの間には非密着層が形成されていることを特徴とする放電ランプ。
【請求項2】
前記非密着層の長さをLとしたとき、L≧1.0mmを満たすことを特徴とする請求項2に記載の放電ランプ。
【請求項3】
前記半田層は、前記ガラスバルブと密着し、前記金属体とは密着しない第1の半田層と、前記第1の半田層と前記金属体とに密着する第2の半田層とを具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放電ランプ。
【請求項4】
前記半田層は、前記金属体の外表面に密着する第3の半田層を具備することを特徴とする請求項3に記載の放電ランプ。
【請求項5】
ガラスバルブと、前記ガラスバルブの端部に形成された半田層と、前記半田層と電気的に導通するように、前記ガラスバルブの端部に覆設された金属体とを具備する放電ランプの製造方法において、
前記ガラスバルブの端部を溶融半田に浸漬し、前記ガラスバルブに密着する第1の半田層を形成する工程と、
前記第1の半田層が固化したのち、前記第1の半田層が形成された前記ガラスバルブ部分に前記金属体を覆設する工程と、
前記金属体の後端側の一部分を溶融半田に浸漬し、前記第1の半田層と前記金属体とに密着する第2の半田層を形成する工程とを具備することを特徴とする放電ランプの製造方法。
【請求項6】
ガラスバルブと、前記ガラスバルブの端部に形成された半田層と、前記半田層と電気的に導通するように、前記ガラスバルブの端部に覆設された金属体とを具備する放電ランプの製造方法において、
前記ガラスバルブの端部を溶融半田に浸漬し、前記ガラスバルブに密着する第1の半田層を形成する工程と、
前記第1の半田層が固化したのち、前記第1の半田層が形成された前記ガラスバルブ部分に前記金属体を覆設する工程と、
前記金属体の先端側を冷却しながら、後端側を加熱し、第1の半田層と前記金属体とに密着する第2の半田層を形成する工程とを具備することを特徴とする放電ランプの製造方法。
【請求項7】
前記溶融半田には超音波振動が加えられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の放電ランプの製造方法。
【請求項8】
ガラスバルブと、前記ガラスバルブの端部に形成された半田層と、前記半田層と電気的に導通するように、前記ガラスバルブの端部に覆設された金属体とを具備する放電ランプの製造方法において、
前記ガラスバルブの端部を超音波振動が加えられている溶融半田に浸漬し、前記ガラスバルブに密着する第1の半田層を形成する工程と、
前記第1の半田層が固化したのち、前記第1の半田層が形成された前記ガラスバルブ部分に前記金属体を覆設する工程と、
前記金属体の後端側の一部分を超音波振動が加えられている溶融半田に浸漬し、前記第1の半田層と前記金属体とに密着する第2の半田層を形成する工程と、
前記金属体の前端側まで超音波振動が加えられていない溶融半田に浸漬し、前記金属体の外表面に密着する第3の半田層を形成する工程とを具備することを特徴とする放電ランプの製造方法。
【請求項1】
ガラスバルブと、前記ガラスバルブの端部に形成された半田層と、前記半田層と電気的に導通するように、前記ガラスバルブの端部に覆設された金属体とを具備する放電ランプにおいて、
前記金属体の先端側と前記ガラスバルブとの間には非密着層が形成されていることを特徴とする放電ランプ。
【請求項2】
前記非密着層の長さをLとしたとき、L≧1.0mmを満たすことを特徴とする請求項2に記載の放電ランプ。
【請求項3】
前記半田層は、前記ガラスバルブと密着し、前記金属体とは密着しない第1の半田層と、前記第1の半田層と前記金属体とに密着する第2の半田層とを具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放電ランプ。
【請求項4】
前記半田層は、前記金属体の外表面に密着する第3の半田層を具備することを特徴とする請求項3に記載の放電ランプ。
【請求項5】
ガラスバルブと、前記ガラスバルブの端部に形成された半田層と、前記半田層と電気的に導通するように、前記ガラスバルブの端部に覆設された金属体とを具備する放電ランプの製造方法において、
前記ガラスバルブの端部を溶融半田に浸漬し、前記ガラスバルブに密着する第1の半田層を形成する工程と、
前記第1の半田層が固化したのち、前記第1の半田層が形成された前記ガラスバルブ部分に前記金属体を覆設する工程と、
前記金属体の後端側の一部分を溶融半田に浸漬し、前記第1の半田層と前記金属体とに密着する第2の半田層を形成する工程とを具備することを特徴とする放電ランプの製造方法。
【請求項6】
ガラスバルブと、前記ガラスバルブの端部に形成された半田層と、前記半田層と電気的に導通するように、前記ガラスバルブの端部に覆設された金属体とを具備する放電ランプの製造方法において、
前記ガラスバルブの端部を溶融半田に浸漬し、前記ガラスバルブに密着する第1の半田層を形成する工程と、
前記第1の半田層が固化したのち、前記第1の半田層が形成された前記ガラスバルブ部分に前記金属体を覆設する工程と、
前記金属体の先端側を冷却しながら、後端側を加熱し、第1の半田層と前記金属体とに密着する第2の半田層を形成する工程とを具備することを特徴とする放電ランプの製造方法。
【請求項7】
前記溶融半田には超音波振動が加えられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の放電ランプの製造方法。
【請求項8】
ガラスバルブと、前記ガラスバルブの端部に形成された半田層と、前記半田層と電気的に導通するように、前記ガラスバルブの端部に覆設された金属体とを具備する放電ランプの製造方法において、
前記ガラスバルブの端部を超音波振動が加えられている溶融半田に浸漬し、前記ガラスバルブに密着する第1の半田層を形成する工程と、
前記第1の半田層が固化したのち、前記第1の半田層が形成された前記ガラスバルブ部分に前記金属体を覆設する工程と、
前記金属体の後端側の一部分を超音波振動が加えられている溶融半田に浸漬し、前記第1の半田層と前記金属体とに密着する第2の半田層を形成する工程と、
前記金属体の前端側まで超音波振動が加えられていない溶融半田に浸漬し、前記金属体の外表面に密着する第3の半田層を形成する工程とを具備することを特徴とする放電ランプの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−224185(P2009−224185A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−67434(P2008−67434)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
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