説明

放電管

【課題】 機器への取り付けが簡単である上に、各種取り扱い時に偶発的に発生する衝撃等による外力を効率よく吸収し、電極及びその近傍の損傷・破損を確実に防止することができる放電管を提供する。
【解決手段】 筒状のガラスバルブ2と、ガラスバルブ2の両端部に封着され、ガラスバルブ2の端面から外方に向けて延出した導入線3aを有する一対の電極3,3と、筒状に形成されてガラスバルブ2の各端部に被嵌された一対の外部端子4,4とを備え、各外部端子4,4が被嵌された端部から延出する導入線3aに電気的に接続された放電管1において、導電性を有する弾性ゴム素材で成形され、外部端子4,4に電気的に取り付けられるとともに導入線3aが密接状態で挿通された導入線接続体5を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷陰極放電管や閃光放電管等の放電管に関し、より具体的には、筒状のガラスバルブの両端部に一対の電極が封着された放電管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶ディスプレイのバックライトに採用される冷陰極放電管や、ストロボ装置の光源に採用される閃光放電管等の放電管が知られており、何れも、筒状のガラスバルブと、ガラスバルブの両端部に封着され、ガラスバルブの端面から外方に向けて延出した導入線を有する一対の電極とを備えており、一対の電極に電力供給することで点灯するようになっている。
【0003】
これらの放電管は、照明装置やストロボ装置等の機器に組み付けられるのであるが、これまで放電管の電極(導入線)と機器側の接続部との電気的な接続が半田付け等の煩雑な作業によって行われていたため、組み付けを容易にするための構造が提案されている。
【0004】
かかる構造に採用される放電管について冷陰極放電管を一例にして説明すると、かかる冷陰極放電管は、図5(a)に示す如く、上述の基本的な構成に加え、筒状に形成されてガラスバルブ2の各端部に被嵌された一対の外部端子4を備えている。
【0005】
各外部端子4は、一端に帯状の接続片8が延設されている。接続片8は、筒状の外部端子4の軸線方向に延び、先端部が外部端子4の中心側に屈曲されている。そして、接続部8の先端部には、導入線3aを挿入するための穴8aが穿設されており、該穴8aに挿通した導入線3aと接続片8とが半田付けによって電気的に接続されている。
【0006】
これに対し、上記構成の冷陰極放電管1が組み付けられる機器には、図5(b)に示す如く、冷陰極放電管1の外部端子4が電気的に接続される接続部7が設けられている。かかる接続部7は、間隔をあけて対向した一対の対向片7a,7aを備えており、その一対の対向片7a、7a間に外部端子4を押し込むことで、一対の対向片7a,7aが外部端子4の外周を挟み込んで両者が電気的に接続されるようになっている。
【0007】
そして、上記構成の冷陰極放電管1は、外部端子4から延出した金属製の接続片8に導入線3aを接続することで、機器6に組み付ける際や運搬する際に外部端子4に対して偶発的に作用する外力(衝撃による力や、捻れ・曲げによる力等)を接続片8の弾性で吸収し、電極3,3やガラスバルブ2の損傷・破損を防止するとされている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−234551号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記構成の放電管1は、導入線3aを接続する接続片8が外部端子4の一端の一部から延出した帯板状に形成されているため、接続片8が弾性変形できる方向に限りがある。そのため、保管、運搬等の物流段階や、該放電管1を機器6に組み付ける機器6の製造段階において、電極3,3や接続片8が何らかのものに引っ掛かったり当たったりして不特定な方向から外力が作用したときに、外力が吸収されずに電極3,3やガラスバルブ2の端部を損傷或いは破損させてしまう虞がある。また、接続片8が金属で構成されるため、外力が小さいときに弾性変形しにくく、外力が小さいにも拘わらず吸収されずに電極3,3やガラスバルブ2の端部を損傷或いは破損させてしまう虞がある。
【0009】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、機器への取り付けが簡単である上に、各種取り扱い時に偶発的に発生する衝撃等による外力を効率よく吸収し、電極及びその近傍の損傷・破損を確実に防止することができる放電管を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る放電管は、筒状のガラスバルブと、ガラスバルブの両端部に封着され、ガラスバルブの端面から外方に向けて延出した導入線を有する一対の電極と、筒状に形成されてガラスバルブの各端部に被嵌された一対の外部端子とを備え、各外部端子が被嵌された端部から延出する導入線に電気的に接続された放電管において、導電性を有する弾性素材で成形され、外部端子に電気的に取り付けられるとともに導入線が密接状態で挿通された導入線接続体を備えていることを特徴とする。
【0011】
上記構成の放電管によれば、筒状に形成されてガラスバルブの各端部に被嵌された一対の外部端子を備え、各外部端子が被嵌された端部から延出する導入線に電気的に接続されているので、機器側の接続部に外部端子を押し込むことで、機器に対して簡単に組み付けることができる。そして、該放電管は、導入線と外部端子とを電気的に接続する手段として、導電性を有する弾性素材で成形され、外部端子に電気的に取り付けられるとともに導入線が密接状態で挿通された導入線接続体を備えているので、導入線と外部端子とを電気的に接続できる上に、上述のように機器に組み込む際や運搬を行う際に、外部端子に対して外力が加わっても導入線接続体の弾性変形によって外力を吸収することができ、電極の導入線やガラスバルブに外力が作用するのを確実に防止することができる。また、両端部の外部端子が機器側の接続部に接続されて定位置に固定された状態で、発光に伴う熱でガラスバルブが熱膨張して軸線方向に延びたとしても、導入線接続体の弾性変形によって、ガラスバルブの両端部の電極と外部端子との相対的な位置変化を吸収することができる。
【0012】
なお、ガラスバルブから延出した導入線の全体が導入線接続体に挿通されれば、該導入線全体が導入線接続体によって被われるため、外部にある何らかのものが導入線に直接引っ掛かったり当たったりして外力が作用することがなく、仮に導入線の外側にある導入線接続体に対して外力が作用したとしても、その外力が導入線接続体自体の弾性によって吸収され、電極の導入線やガラスバルブに外力が作用するのを確実に防止することができる。
【0013】
本発明の一実施形態として、外部端子は、一端がガラスバルブの端面と一致又はガラスバルブの端面よりも外側に位置するように設けられ、導入線接続体は、外部端子の一端開口に密接状態で嵌着されていることが好ましい。このようにすれば、ガラスバルブの端部を外部端子で被いつつ、導入線を導入線接続体で保護することができる。
【0014】
さらに、本願発明の他の実施形態として、導入線接続体は、円錐台状又は円錐状に形成され、大径側の外周端部が外部端子の一端開口に嵌着されるとともに導入線が中心に沿って挿通されていることが好ましい。このように導入線接続体を形成すれば、外部端子に接続される導入線接続体の外周端ほど薄肉になって弾性変形し易くなるため、外部端子に外力が作用したときに、導入線接続部の外周側で吸収することになり、その外力を導入線側に伝達されるのをより確実に抑えることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明に係る放電管によれば、機器への取り付けが簡単である上に、各種取り扱い時に偶発的に発生する衝撃等による外力を効率よく吸収し、電極及びその近傍の損傷・破損を確実に防止することができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る放電管について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本発明に係る放電管は、照明装置や液晶ディスプレイ等の光源として採用される冷陰極放電管や、ストロボ装置の光源として採用される閃光放電管を対象としているが、これらは、一部を除いてハード的に基本構成が共通している、すなわち、筒状のガラスバルブと、ガラスバルブの両端部に封着された一対の電極とを備えている点で共通しているので、以下において、冷陰極放電管を放電管の一例として説明することとする。
【0017】
本実施形態に係る冷陰極放電管は、図1に示す如く、筒状のガラスバルブ2と、ガラスバルブ2の両端部に封着され、ガラスバルブ2の端部から外方に向けて延出した導入線3aを有する一対の電極3,3とを備え、さらに、筒状に形成されてガラスバルブ2の各端部に被嵌された一対の外部端子4と、導電性を有する弾性素材で成形され、外部端子4に電気的に取り付けられるとともに導入線3aが密接状態で挿通された導入線接続体5とを備えている。
【0018】
ガラスバルブ2は、円筒状に形成されており、その内面には、蛍光体粒子を含む蛍光被膜(図示しない)が形成されている。そして、ガラスバルブ2内には、水銀、希ガスの混合ガスが封入されている。
【0019】
ガラスバルブ2は、両端部に電極3,3を保持するビードガラス(図示しない)が溶着されており、これによって両端が封止されている。すなわち、ビードガラスは、ガラスバルブ2の端面を形成するようにガラスバルブ2の両端開口を封着している。
【0020】
各電極3,3は、導入線3aと、導入線3aの一端に接続され、ガラスバルブ2内に配設される内部電極3bとで構成されており、本実施形態においては、内部電極3bにホロー型のものが採用されている。なお、内部電極3bは、ホロー型に限らず、例えば、導入線3aの端部が内部電極3bとされる場合もある。
【0021】
そして、各電極3,3は、内部電極3bをガラスバルブ2内に位置させるようにして、導入線3aがビードガラスに保持されている。そして、導入線3aは、ガラスバルブ2の軸心と同心又は略同心で他端側がガラスバルブ2の端面から外方に向けて延出している。
【0022】
各外部端子4は、導電性に優れた金属、例えば、銅、アルミニウム等で筒状に形成されている。各外部端子4は、押し出し成形されたシームレスパイプや金属板を円筒状に曲げたもの等を採用することができる。なお、金属板を円筒状に曲げたものを、そのまま外部端子4として採用することもできるが、機械強度等を考慮すれば、金属板の合わせ目を半田付けや溶接等で溶着してシームレス状態にすることが好ましい。
【0023】
そして、各外部端子4は、内径がガラスバルブ2の外径よりもやや大きめに設定され、軸線方向の長さが、ガラスバルブ2に封着された電極3,3における内部電極3bの先端からガラスバルブ2の端面までの長さ、或いはそれ以下に設定される。そして、各外部端子4は、一端をガラスバルブ2の端面と一致させるように、ガラスバルブ2の端部に外嵌されている。これにより、ガラスバルブ2の端面から延出した導入線3aは、外部端子4の一端からも外方に向けて延出した状態になっている。そして、本実施形態に係る外部端子4は、上述の如く、軸線方向の長さが、ガラスバルブ2に封着された電極3,3における内部電極3bの先端からガラスバルブ2の端面まで長さ、或いはそれ以下に設定されているため、一端をガラスバルブ2の端面に一致させることで、他端が内部電極3bの先端と一致又は該先端よりもガラスバルブ2の端面側に位置しており、これによって、当該冷陰極放電管1の有効発光長が最大になっている。
【0024】
導入線接続体5は、上述の如く、導電性を有する弾性素材で成形されている。すなわち、導入線接続体5は、例えば天然ゴムや合成ゴム等の弾性を有するゴム素材に対し、導電性を高めるための導電性フィラーを添加したものから成形されている。ここで、ゴム素材としては、種々のものを採用することができ、例えば、合成ゴムとしては、クロロプレンゴム、シリコン系ゴム、ポレオレフィン系ゴム等が採用される。これに対し、導電性フィラーとしては、導電性カーボンブラックや、黒鉛粉末、金属粉末、表面を導電処理した酸化金属ウィスカー等を採用することができ、中でも、導電性カーボンブラックを採用することが好ましい。
【0025】
そして、本実施形態に係る導入線接続体5は、外部端子4の一端開口に嵌着され、外部端子4と密接して電気的に接続されている。すなわち、導入線接続体5は、上述の如く、導電性を有するため、外部端子4に密接状態で嵌着される(圧入される)ことで電気的に接続されている。なお、上述の如く、導入線接続体5は、弾性を有するため、上述の如く外部端子4に圧入されることで、該外部端子4に対して固定されることになるが、その固定をより確実にするために、接着剤を介して固定されることが好ましい。このように接着剤を用いる場合、導電性接着剤を用いることが好ましいが、導電性を有していない接着剤を用いる場合には、通電可能に密接した外部端子4と導入線3aとの間に接着剤が入り込まないように接着剤を塗布すればよい。
【0026】
導入線接続体5は、外部端子4に取り付けられた状態で、ガラスバルブ2から延出した導入線3aの少なくとも基端側(ガラスバルブ2側)の一部が挿通されるように構成される。本実施形態においては、ガラスバルブ2から延出した導入線3aの全体が挿通されるようになっている。すなわち、導入線接続体5は、ガラスバルブ2から延出した導入線3a全体を覆うように構成されている。
【0027】
本実施形態に係る導入線接続体5は、円錐台状に形成されており、大径側の外周端部が外部端子4の一端開口部に圧入されるようになっている。具体的には、かかる導入線接続体5は、大径側の外周端部に段差が形成され、これによって当該端部に外部端子4に圧入される円柱状の嵌着部5bが形成されている。なお、本実施形態においては、導入線接続体5の嵌着部5bが圧入される外部端子4の一端がガラスバルブ2の端面と一致しているため、上述の如く嵌着部5bを外部端子4に圧入すると、導入線接続体5の大径側の端面がガラスバルブ2の端面を押圧してしまうことから、該端面にはガラスバルブ2の端部が密接状態で嵌り込む凹みが形成されている。
【0028】
そして、該導入線接続体5は、導入線3aが密接状態で挿通される導入線挿通穴5aが穿設されている。すなわち、導入線接続体5には、導入線3aの外径よりもやや小径に設定された導入線挿通穴5aが穿設されている。該導入線挿通穴5aは、導入線接続体5の中心又は略中心を通るように形成されている。
【0029】
そして、本実施形態に係る導入線接続体5は、上述の如く、ガラスバルブ2から延出した導入線3a全体を覆うように構成されているため、軸線方向の長さ(小径側の端面と大径側の端面との間の長さ)が、導入線3aのガラスバルブ2の端面からの導入線3aの延出量と同一、或いはそれ以上の長さに設定されている。
【0030】
このように導入線接続体5は、円錐台状に形成されるとともに、大径側の端部が外部端子4に取り付けられることで、外部端子4の軸線方向で外方に向けて先細りした態様で設けられる。すなわち、導入線接続体5は、ガラスバルブ2から延出した導入線3aの全長を保持する中心側から外部端子4に接続される外周に向けて徐々に薄肉になっている。
【0031】
本実施形態に係る冷陰極放電管1は、以上の構成からなり、図2に示す如く、対象となる機器6(照明装置やバックライト装置等)に組み付けられる。すなわち、上記冷陰極放電管1は、機器6に設けられた接続部7に対して外部端子4が電気的に接続されることによって機器6に組み付けられることになる。上記冷陰極放電管1を対象とする機器6側の接続部7は、金属製の帯板を曲げ加工したもので、図3に示す如く、間隔をあけて互いに対向した一対の対向片7a,7aと、該対向片7a,7aの一端同士を連結した連結部7bとを備えている。接続部7は、対向片7a,7a又は連結部7bの何れかが機器6にある電気回路(図示しない)に電気的に接続され、冷陰極放電管1の外部端子4を一対の対向片7a,7a間に押し付こむことで、対向片7a,7aが外部端子4の外周を両側から密接して挟み込むようになっている。これにより、機器6側の電気回路及び冷陰極放電管1の電極3,3が、接続部7、外部端子4、及び導入線接続体5を介して電気的に接続されようになっている。
【0032】
このように、冷陰極放電管1を機器6に組み込むべく外部端子4を接続部7に押し込む際、外部端子4に対して不特定な外力が作用して捻れや傾きなどが生じることがあるが、本実施形態に係る冷陰極放電管1は、図1に示す如く、外部端子4と導入線3aとを接続する手段として上記構成の導入線接続体5を採用しているため、外部端子4の姿勢変更(外力による作用)が、導入線接続体5の弾性変形によって吸収され、電極3,3(導入線3a)やガラスバルブ2の端部に不要な力がかからず、これらの損傷や破損が防止される。
【0033】
以上のように、本実施形態に係る冷陰極放電管1は、筒状に形成されてガラスバルブ2の各端部に被嵌された一対の外部端子4を備え、各外部端子4が被嵌された端部から延出する導入線3aに電気的に接続されているので、機器6側の接続部7に外部端子4を押し込むことで、機器6に対して簡単に組み付けることができる。そして、該冷陰極放電管1は、導入線3aと外部端子4とを電気的に接続する手段として、導電性を有する弾性素材で成形され、外部端子4に電気的に取り付けられるとともに導入線3aが密接状態で挿通された導入線接続体5を備えているので、導入線3aと外部端子4とを電気的に接続できる上に、上述のように機器6に組み込む際や運搬を行う際に、外部端子4に対して外力が加わっても導入線接続体5の弾性変形によって外力を吸収することができ、電極3,3の導入線3aやガラスバルブ2に外力が作用するのを確実に防止することができる。また、両端部の外部端子4が機器6側の接続部7に接続されて定位置に固定された状態で、発光に伴う熱でガラスバルブ2が熱膨張して軸線方向に延びたとしても、導入線接続体5の弾性変形によって、ガラスバルブ2の両端部の電極3,3と外部端子4との相対的な変化を吸収することができる。
【0034】
さらに、本実施形態に係る冷陰極放電管1は、外部端子4がその一端をガラスバルブ2の端面と一致させて配置され、導入線接続体5が外部端子4の一端開口に密接状態で嵌着されているので、ガラスバルブ2の端部を外部端子4で被いつつ、導入線3aを導入線接続体5で保護することができる。
【0035】
また、本実施形態に係る冷陰極放電管1は、少なくとも導入線3aにおけるガラスバルブ2側が挿通されるように導入線接続体5が形成されているので、仮に導入線3aに対して何らかの力が作用しても、導入線3aのガラスバルブ2の端部近傍で大きなモーメントが作用せず、導入線3aが封着されたガラスバルブ2の端部の破損をより確実に防止することができる。特に、本実施形態においては、導入線3a全体を覆うようにしたので、導入線3aの先端部にも外的な力が直接作用せず、電極3,3の保護の観点から非常にメリットがある。
【0036】
さらに、導入線接続体5は、円錐台状に形成され、外周端部が外部端子4の端部内周に嵌着されるとともに導入線3aが中心に沿って挿通されているので、外部端子4に接続される導入線接続体5の外周端ほど薄肉になって弾性変形し易くなり、外部端子4に外力が作用したときに、導入線3a接続部7の外周側で吸収することになり、その外力が導入線3a側に伝達されるのをより確実に抑えることができる。
【0037】
尚、本発明の放電管は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0038】
上記実施形態において、放電管として冷陰極放電管1を一例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ストロボ装置の光源に採用される閃光放電管であっても勿論よい。すなわち、閃光放電管は、冷陰極放電管1に対して、内部に封入されるガスが相違したり、ガラスバルブ2にトリガー電極が取り付けられたりする点で相違するが、ガラスバルブ2の両端から延出する導入線3aを備えるといった基本構成が共通するため、上記実施形態と同様に、外部端子4及び導入線接続体5を設けることで、機器6に対する組み立てが簡単になる上に、各種取り扱い時に偶発的に発生する衝撃等による外力を効率よく吸収し、電極3,3やガラスバルブ2の損傷・破損を確実に防止することができる。
【0039】
上記実施形態において、導入線接続体5を円錐台状に形成したが、これに限定されるものではなく、例えば、円錐状に形成しても勿論よい。また、導入線接続体5は、円錐台状や円錐状のように先細りした形状にも限定されるものではなく、例えば、図4(a)に示す如く、円柱状に形成し、一端部を外部端子4に嵌着するようにしてもよい。
【0040】
上記実施形態において、外部端子4の一端をガラスバルブ2の端面に一致させるように配置したが、これに限定されるものではなく、例えば、図4(b)及び図4(c)に示す如く、外部端子4の一端をガラスバルブ2の端面よりも外方に位置するように形成してもよい。この場合、外部端子4の一端は、ガラスバルブ2から延出した導入線3aの先端と一致又はそれよりも外方に位置させれば、外部端子4によって導入線3aが被われるので、導入線接続体5が導入線3a全体を被わなくても、電極3,3を外部の何らかのものとの接触などから保護することができる。
【0041】
この場合、導入線接続体5は、例えば、図4(b)に示す如く、円柱状に形成し、外周を外部端子4の内周に密接させるようにして、外部端子4の内部に嵌着させたり、図4(c)に示す如く、円錐台状又は円錐状に形成し、大径側の外周を外部端子4の内周に密接させるようにして、外部端子4の内部に嵌着させたりすれば、外部端子4内に位置する導入線3aと挿通させることができる。そして、このように外部端子4を長くしても、該外部端子4の他端が内部電極3bの先端に一致させれば、放電管1の有効発光長を最大にすることができる。
【0042】
上記実施形態において、導入線接続体5でガラスバルブ2から延出した導入線3a全体を被うようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、該導入線3aのガラスバルブ2側の一部を挿通状態にして先端側を外部に延出させるようにしてもよい。このようにしても、導入線接続体5の弾性によって、外部端子4への外力の作用を吸収でき、また、仮に、導入線3aの先端側に外力が作用しても、該導入線3aを支持した導入線接続体5の存在により、ガラスバルブ2の端部周辺に伝達されることがない。但し、導入線3a全体の保護の観点から、上記実施形態のように導入線接続体5で導入線3a全体を被ったり、図4(b)に示すように外部端子4で導入線3a全体を被ったりすることが好ましことは言うまでもない。
【0043】
また、上記実施形態において、導入線接続体5をガラスバルブ2の端面に密接させるようにしたが、これに限定されるものではなく、ガラスバルブ2に対して隙間をあけて配置するようにしてもよい。
【0044】
上記実施形態において、導入線接続体5を外部端子4に圧入することで嵌着させる(取り付ける)ようにしたが、例えば、圧入状態にせずに導電性接着剤で導入線接続体5を外部端子4に固定するようにしてもよい。
【0045】
上記実施形態において、導入線接続体5は、外周全周が外部端子4の内周全周に密接するような略中実に形成されたが、これに限定されるものではなく、例えば、導入線接続体5は、例えば、導入線3aを挿通させる中央部と、該中央部から放射状に延出し、先端が外部端子4の内周に対して周方向に間隔をあけて接続された複数のアームとを備えたものであってもよい。この場合、主としてアームが弾性変形して外力を吸収することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の放電管は、機器への取り付けが簡単である上に、各種取り扱い時に偶発的に発生する衝撃等による外力を効率よく吸収し、電極やガラスバルブの損傷・破損を確実に防止することが必要な、冷陰極放電管や閃光放電管等の分野に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態に係る放電管のガラスバルブの一部を省略した断面図
【図2】同実施形態に係る放電管を機器に取り付けた状態の平面図
【図3】同実施形態に係る放電管を機器に取り付けた状態の側面図
【図4】本発明の他実施形態に係る放電管の部分拡大断面図であって、(a)は、導入線接続体を円柱状にした放電管の断面図、(b)は、外部端子の一端側がガラスバルブの端面よりも外方に延び、円柱状の導入線接続体が外部端子の内部に嵌着された放電管の断面図、(c)は、外部端子の一端側がガラスバルブの端面よりも外方に延び、円錐台状又は円錐状の導入線接続体が外部端子の内部に嵌着された放電管の断面図
【図5】従来の放電管の説明図であって、(a)は、部分断面図、(b)は、機器に取り付けた状態の側面図
【符号の説明】
【0048】
1 冷陰極放電管(放電管)
2 ガラスバルブ
3 電極
3a 導入線
3b 内部電極
4 外部端子
5 導入線接続体
5a 導入線挿通穴
5b 嵌着部
6 機器
7 接続部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のガラスバルブと、ガラスバルブの両端部に封着され、ガラスバルブの端面から外方に向けて延出した導入線を有する一対の電極と、筒状に形成されてガラスバルブの各端部に被嵌された一対の外部端子とを備え、各外部端子が被嵌された端部から延出する導入線に電気的に接続された放電管において、導電性を有する弾性素材で成形され、外部端子に電気的に取り付けられるとともに導入線が密接状態で挿通された導入線接続体を備えていることを特徴とする放電管。
【請求項2】
外部端子は、一端がガラスバルブの端面と一致又はガラスバルブの端面よりも外側に位置するように設けられ、導入線接続体は、外部端子の内周に密接状態で嵌着されている請求項1に記載の放電管。
【請求項3】
導入線接続体は、円錐台状又は円錐状に形成され、大径側の外周端部が外部端子の一端開口に嵌着されるとともに導入線が中心に沿って挿通されている請求項1又は2に記載の放電管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−193752(P2009−193752A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−31375(P2008−31375)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】