説明

教材作成支援システム及び教材作成支援方法

【課題】
本発明は、児童・生徒の学習単元毎の習熟度を適切に反映させた教材の作成を支援する教材作成支援システムを提供することを目的とする。
【解決手段】
開示する教材作成支援システムの一形態は、試験結果データベースと、習熟度判定テーブルと、教材識別情報データベースと、試験結果データベースに記憶される試験結果に基づき、学習単元毎の試験結果を算出する試験結果算出手段と、学習単元毎の試験結果と習熟度判定テーブルとに基づき、学習単元毎に習熟度を判定する判定手段と、教材識別情報データベースから、判定手段により判定された習熟度に対応する教材識別情報を学習単元毎に抽出する識別情報抽出手段と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習塾などで児童・生徒が使用する教材の作成支援を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、学校・学習塾で使用する教材は、教材の内容全てが一つの習熟度レベルに合わせて作成されている。例えば、習熟度が上級である児童・生徒向けの教材は、当該教材で取り扱う全ての内容が上級(難しい内容)となっている。逆に、習熟度が下級である児童・生徒向けの教材は、当該教材で取り扱う全ての内容が下級(易しい内容)となっている。
【0003】
また、学校・学習塾で使用する教材については、一つの教科(例えば、数学など)における各学習単元について、難易度の異なる複数の教材が作成される場合もある。つまり、学習単元の数と設定される難易度の数とを掛けた数の教材が作成されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−195828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記前者の状況では、一つの教材の使用を想定した場合、使用する教材の全ての内容が一定の難易度となってしまい、当該教材を使用する児童・生徒の学習単元毎の習熟度に応じた自習及び学習指導ができないという問題点がある。
【0006】
また、上記後者の状況では、児童・生徒の習熟度を判断する基準が無いため、児童・生徒の習熟度に応じた適切な教材を作成することができないという問題点がある。
【0007】
そこで、本発明では、上記の問題点に鑑み、児童・生徒の学習単元毎の習熟度を適切に反映させた教材の作成を支援する教材作成支援システム及び教材作成支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示する教材作成支援システムの一形態は、一の教科の各学習単元について、難易度の異なる複数の問題で構成される試験を、一の生徒に対して実施し、該各問題の解答を所定の規則に従い採点した試験結果を記憶する試験結果データベースと、前記学習単元毎の試験結果と生徒の習熟度とを関連付けて記憶する判定テーブルと、前記学習単元毎に、前記生徒の習熟度と教材識別情報とを関連付けて記憶する教材識別情報データベースと、前記一の生徒に関し、前記試験結果データベースに記憶される前記試験結果に基づき、前記学習単元毎の試験結果を算出する試験結果算出手段と、前記学習単元毎の試験結果と前記判定テーブルとに基づき、該学習単元毎に前記一の生徒の習熟度を判定する判定手段と、前記教材識別情報データベースから、前記判定手段により判定された前記一の生徒の習熟度に対応する前記教材識別情報を前記学習単元毎に抽出する識別情報抽出手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、開示する教材作成支援システムの一形態は、さらに、前記識別情報抽出手段により抽出された前記各教材識別情報に対応する教材を含む前記一の教科の教材を作成する教材作成手段を有することを特徴とする。
【0010】
また、開示する教材作成支援システムの一形態において、前記試験結果算出手段は、前記各学習単元の前記各試験結果を加算することにより、前記学習単元毎の試験結果を算出することを特徴とする。
【0011】
また、開示する教材作成支援システムの一形態は、さらに、前記学習単元毎に、前記生徒の習熟度と生徒向け助言情報とを関連付けて記憶する助言情報データベースと、前記助言情報データベースから、前記判定手段により判定された前記一の生徒の習熟度に対応する前記生徒向け助言情報を前記学習単元毎に抽出する助言情報抽出手段と、を有し、前記教材作成手段は、前記助言情報抽出手段により抽出された前記生徒向け助言情報を含む前記一の教科の教材を作成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
開示の教材作成支援システムは、児童・生徒の学習単元毎の習熟度を適切に反映させた教材の作成を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施の形態に係る教材作成支援システムの機能ブロック図である。
【図2】本実施の形態に係る試験結果データベースの一例を示す図である。
【図3】本実施の形態に係る判定テーブルの一例を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る教材識別情報データベースの一例を示す図である。
【図5】本実施の形態に係る助言情報データベースの一例を示す図である。
【図6】本実施の形態に係る教材作成支援システムのハードウェア構成例である。
【図7】本実施の形態に係る教材作成支援システムによる処理例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(本実施の形態に係る教材作成支援システムの動作原理)
図1を用いて、本実施の形態に係る教材作成支援システム100の動作原理について説明する。図1は、教材作成支援システム100の機能ブロック図である。
【0015】
図1で示すように、教材作成支援システム100は、試験結果算出手段110、判定手段120、識別情報抽出手段130、助言情報抽出手段140、教材作成手段150、試験結果データベース160、判定テーブル170、教材識別情報データベース180、助言情報データベース190を有する。
【0016】
ここで、教材作成支援システム100によって作成される教材を使用して自習を行い又は学習指導を受ける児童・生徒は、教材作成支援システム100における情報処理に先立ち、試験を受ける必要がある。ここで、試験とは、一の教科(例えば、「数学」など)に含まれる学習単元毎(例えば、「式の展開・因数分解」「平方根」など)に、難易度が異なる複数の問題で構成される試験である。例えば、当該試験は、教科「数学」の学習単元「式の展開・因数分解」について、「難易度:高」の問題が2問、「難易度:中」の問題が2問、「難易度:低」の問題が2問の合計6問で構成される試験である。また、他の学習単元についても、学習単元「式の展開・因数分解」と同じ要領で試験問題を作成する。ここで、難易度の設定方法及び各難易度に対応する問題数は適宜変更可能である。また、上記試験は解答のみでなく解答過程も記載する必要がある記述式試験であっても良く、マークシート式試験のように解答のみ記載する試験であっても良い。
【0017】
そして、上記試験の結果は、所定の採点規則に従って採点される。ここで、所定の採点規則とは、記述式試験に関し、解答及び解答過程の両方が正解の場合2点、解答過程は合っているが計算間違いなどケアレスミスで解答が不正解の場合1点、解答は合っているが解答過程が不記載又は不正解の場合0点、解答及び解答過程の両方が不正解の場合並びに解答の記載が無い場合0点とする採点規則である。なお、所定の採点規則は、解答が正解か否かだけではなく、解答過程まで考慮する採点規則であれば、先の説明に適宜変更を加えたものであっても良い。
【0018】
次に、教材作成支援システム100が備える各データベース及びテーブルについて説明する。試験結果データベース160は、上記説明の試験を行い、当該試験の解答を採点した結果を記憶するデータベースである。図2は、生徒「▲高▼木秀浩」に対して数学の試験が行われ、当該試験の採点結果が試験結果データベース160に記憶されている例を示す図である。図2で示すように、試験は、一つの学習単元について、「難易度:高」の問題が2問、「難易度:中」の問題が2問、「難易度:低」の問題が2問の合計6問で行われている。そして、生徒「▲高▼木秀浩」は、学習単元「式の展開・因数分解」について、「難易度:中」及び「難易度:低」の問題は全問正解しているが、「難易度:高」の問題のうち1問は解答過程が合っているものの、解答が不正解であることを示している。また、学習単元「式の展開・因数分解」について、「難易度:高」の問題のうち残る1問は、不正解又は解答不記載であったことを示している。学習単元「平方根」以降についても、学習単元「式の展開・因数分解」と同様に解釈することができる。
【0019】
判定テーブル170は、試験結果データベース160に記憶される試験結果に基づき算出される「学習単元毎の試験結果」と「児童・生徒の習熟度」を示す指標とを関連付けて記憶するテーブルである。ここで、「学習単元毎の試験結果」とは、試験結果データベース160に記憶される試験結果を学習単元毎に加算したものであり、また、試験結果を加算する際問題の難易度によって重み付けを行っても良い。ここで、図3は、判定テーブル170の一例を示す図である。
【0020】
教材識別情報データベース180は、学習単元毎に、上記「児童・生徒の習熟度」と教材を識別するための教材識別情報とを関連付けて記憶するデータベースである。図4は、教科「数学」に関する教材識別情報データベース180の一例である。図4で示すように、学習単元「式の展開・因数分解」において、「児童・生徒の習熟度」が「HIGH」であれば対応する教材識別情報は「M14H」であり、「児童・生徒の習熟度」が「LOW」であれば対応する教材識別情報は「M14L」である。他の学習単元についても、学習単元「式の展開・因数分解」と同様に解釈することができる。
【0021】
助言情報データベース190は、学習単元毎に、上記「児童・生徒の習熟度」と児童・生徒の学習効果を上げるための助言に関する情報(以下、「助言情報」と言う。)とを関連付けて記憶するデータベースである。図5は、教科「数学」に関する助言情報データベース190の一例である。図5で示すように、学習単元「式の展開・因数分解」において、「児童・生徒の習熟度」が「HIGH」であれば対応する助言情報は「ZZZZ」であり、「児童・生徒の習熟度」が「LOW」であれば対応する助言情報は「XXXX」である。ここで、「XXXX」「ZZZZ」は、教材作成支援システム100のユーザが適宜設定することができる。また、他の学習単元についても、学習単元「式の展開・因数分解」と同様に解釈することができる。
【0022】
次に、教材作成支援システム100が有する各手段について説明する。試験結果算出手段110は、試験結果データベース160が保持する試験結果を参照し、「学習単元毎の試験結果」を算出する。試験結果算出手段110の一形態は、試験結果データベース160に記憶される試験結果を学習単元毎に加算することで「学習単元毎の試験結果」を算出する。また、試験結果算出手段110の一形態は、試験結果を加算する際、問題の難易度などによって重み付けを行っても良い。
【0023】
図2で、試験結果算出手段110は、例えば、学習単元「式の展開・因数分解」について、「2点+2点+2点+2点+1点+0点」の演算を行い、「学習単元毎の試験結果」として「9点」を算出する。同様に、試験結果算出手段110は、学習単元「平方根」について、「2点+2点+2点+2点+2点+1点」の演算を行い、「学習単元毎の試験結果」として「11点」を算出する。
【0024】
判定手段120は、判定テーブル170を参照し、試験結果算出手段120により算出された「学習単元毎の試験結果」に対応する「児童・生徒の習熟度」を判定する。図3で、判定手段120は、例えば、学習単元「式の展開・因数分解」について、「学習単元毎の試験結果」が「9点」である場合、それに対応し「児童・生徒の習熟度」を「MIDDLE」と判定する。同様に、判定手段120は、学習単元「平方根」について、「学習単元毎の試験結果」が「11点」である場合、それに対応し「児童・生徒の習熟度」を「HIGH」と判定する。
【0025】
識別情報抽出手段130は、教材識別情報データベース180を参照し、判定手段120が判定した「児童・生徒の習熟度」に対応する「教材識別情報」を学習単元毎に抽出する。図4で、識別情報抽出手段130は、例えば、学習単元「式の展開・因数分解」について、「児童・生徒の習熟度」が「MIDDLE」である場合、「教材識別情報」の「M14M」を抽出する。同様に、識別情報抽出手段130は、学習単元「平方根」について、「児童・生徒の習熟度」が「HIGH」である場合、「教材識別情報」の「M15H」を抽出する。
【0026】
助言情報抽出手段140は、助言情報データベース190を参照し、判定手段120が判定した「児童・生徒の習熟度」に対応する「助言情報」を学習単元毎に抽出する。図5で、助言情報抽出手段140は、例えば、学習単元「式の展開・因数分解」について、「児童・生徒の習熟度」が「MIDDLE」である場合、「助言情報」の「YYYY」を抽出する。同様に、助言情報抽出手段140は、学習単元「平方根」について、「児童・生徒の習熟度」が「HIGH」である場合、「助言情報」の「IJKL」を抽出する。
【0027】
教材作成手段150は、複数の学習単元で構成される一の教科の教材に関し、当該学習単元毎の教材として、識別情報抽出手段130により抽出された各教材識別情報に対応する教材を用いて作成する。また、教材作成手段150の一形態は、先で説明した教材に加え、学習単元毎の教材に、助言情報抽出手段140により抽出された各助言情報を添付する。このように、試験の結果に対応する助言を教材に添付することで、児童・生徒の学習効果を向上させることができる。
【0028】
上記のように、教材作成支援システム100は、一の教科において学習単元毎の習熟度を適切に反映させて、児童・生徒指導用の教材を作成することができる。また、教材作成支援システム100で使用するデータに関し、上記のような試験及び採点方法を採用することにより、児童・生徒の学習単元毎の習熟度をより正確、かつ的確に判定することができる。
(本実施の形態に係る教材作成支援システムのハードウェア構成の一例)
【0029】
図6を用いて、本実施の形態に係る教材作成支援システム100のハードウェア構成の一例について説明する。図6は、教材作成支援システム100のハードウェア構成の一例を説明する図である。
【0030】
図6で示す教材作成支援システム100は、CPU(Central Processing Unit)210、ROM(Read-Only Memory)220、RAM(Random
Access Memory)230、HDD(Hard Disc Drive)240、入出力装置(Input/Output unit)250、Network I/F(Interface)260を有する。
【0031】
CPU210は、ROM220に記憶されたプログラムを実行する装置であり、RAM230に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、教材作成支援システム100の全体を制御する。ROM220は、CPU210が実行するプログラムやデータを記憶している。RAM230は、CPU210でROM220に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。HDD240は、基本ソフトウェアであるOSや本実施の形態に係るアプリケーションプログラムなどを、関連するデータとともに記憶する装置である。例えば、試験結果データベース160、判定テーブル170、教材識別情報データベース180、助言情報データベースは、HDD240に記憶されている。
【0032】
入出力装置250は、キーボードなどの入力装置やLCD(Liquid Crystal Display)等で構成される出力装置を備え、教材作成支援システム100が有する機能をユーザが利用する際や各種設定を行う際のユーザインタフェースとして機能する装置である。Network I/F260は、無線又は有線の通信ネットワークを介して接続された他の通信制御機能を備えた周辺機器とデータを送受信するためのインタフェースである。
【0033】
教材作成支援システム100が有する各手段は、CPU210が、ROM220又はHDD240に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現される形態としても良い。また、教材作成支援システム100が有する各手段は、当該各手段に関する処理をハードウェアとして実現する形態としても良い。
(本実施の形態に係る教材作成支援システムによる処理の一例)
【0034】
図7を用いて、本実施の形態に係る教材作成支援システム100による処理例を説明する。図7は、教材作成支援システム100による処理のフローチャートである。なお、教材作成支援システム100による情報処理に先立ち、教材作成支援システム100によって作成される教材を使用して自習を行い、又は学習指導を受ける児童・生徒によって、試験が行われているものとする。
【0035】
ここで、試験とは、数学に関する記述式試験の試験であって、学習単元毎に難易度が異なる6つの問題で構成され、当該試験の結果は、所定の採点規則に従って採点されている。また、所定の採点規則とは、解答及び解答過程の両方が正解の場合2点、解答過程は合っているが計算間違いなどケアレスミスで解答が不正解の場合1点、解答は合っているが解答過程が不記載又は不正解の場合0点、解答及び解答過程の両方が不正解の場合並びに解答の記載が無い場合0点とする採点規則である。そして、当該試験の解答を採点した結果が、図2で示す試験結果データベース160に記憶されているものとする。
【0036】
S10で試験結果算出手段110が、図2で示す試験結果データベース160に記憶される試験結果を学習単元毎に加算することで「学習単元毎の試験結果」を算出する。試験結果算出手段110は、生徒「▲高▼木秀浩」に関し、学習単元「式の展開・因数分解」の試験結果を「2+2+2+2+1+0=9点」と算出し、学習単元「平方根」の試験結果を「2+2+2+2+2+1=11点」と算出する。
【0037】
S20で判定手段120が、図3で示す判定テーブル170を参照し、試験結果算出手段110により算出された試験結果について、生徒「▲高▼木秀浩」の習熟度を学習単元毎に判定する。図3によると、学習単元「式の展開・因数分解」の試験結果は「9点」であるため、習熟度を「MIDDLE」と判定し、学習単元「平方根」の試験結果は「2+2+2+2+2+1=11点」であるため、習熟度を「HIGH」と判定する。
【0038】
S30で識別情報抽出手段130が、図4で示す教材識別情報データベース180を参照し、判定手段120により判定された習熟度に対応する教材識別情報を学習単元毎に抽出する。図4によると、識別情報抽出手段130は、学習単元「式の展開・因数分解」について習熟度が「MIDDLE」であるため、教材識別情報は「M14M」を抽出する。また、識別情報抽出手段130は、学習単元「平方根」について習熟度が「HIGH」であるため、教材識別情報は「M15H」を抽出する。
【0039】
S40で助言情報データベース190が有る場合(S40でYes)、教材作成支援システム100はS50の処理に移行し、S40で助言情報データベース190が無い場合(S40でNo)、教材作成支援システム100はS60の処理に移行する。
【0040】
S50で助言情報抽出手段140が、図5で示す助言情報データベース190を参照し、生徒「▲高▼木秀浩」の習熟度に対応する「助言情報」を学習単元毎に抽出する。図5によると、助言情報抽出手段140は、学習単元「式の展開・因数分解」について習熟度が「MIDDLE」であるため、助言情報「YYYY」を抽出する。同様に、助言情報抽出手段140は、学習単元「平方根」について習熟度が「HIGH」であるため、助言情報「IJKL」を抽出する。
【0041】
S60で教材作成手段150が、各学習単元について、S30で抽出された教材識別情報に対応する教材をまとめることにより、生徒「▲高▼木秀浩」の学習単元毎の習熟度に応じた数学の教材を作成する。つまり、教材作成手段150は、学習単元「式の展開・因数分解」については教材識別情報「M14M」に対応する教材を使用し、学習単元「平方根」については教材識別情報「M15H」に対応する教材を使用して、数学の教材を作成する。ここで、教材作成手段150は、「式の展開・因数分解」「平方根」以外の学習単元についても、「式の展開・因数分解」「平方根」と同様の手順によって教材を作成する。
【0042】
また、助言情報データベース190が有る場合、S60で教材作成手段150が、S50で抽出された助言情報を、各学習単元の教材に添付する。つまり、教材作成手段150は、教材識別情報「M14M」に対応する教材に対し助言情報「YYYY」を添付し、教材識別情報「M15H」に対応する教材に対し助言情報「IJKL」を添付する。
(総括)
【0043】
上記のように、教材作成支援システム100は、一の教科において学習単元毎の習熟度を適切に反映させて、児童・生徒指導用の教材の作成を支援することができる。また、教材作成支援システム100で使用するデータに関し、上記のような試験及び採点方法を採用することにより、児童・生徒の学習単元毎の習熟度をより正確、かつ的確に判定することができる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
100 教材作成支援システム、110 試験結果算出手段、120 判定手段、130 識別情報抽出手段、140 助言情報抽出手段、150 教材作成手段、160 試験結果データベース、170 判定テーブル、180 教材識別情報データベース、190 助言情報データベース、210 CPU、220 ROM、230 RAM、240 HDD、250 I/O、260 Network I/F


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の教科の各学習単元について、難易度の異なる複数の問題で構成される試験を、一の生徒に対して実施し、該各問題の解答を所定の規則に従い採点した試験結果を記憶する試験結果データベースと、
前記学習単元毎の試験結果と生徒の習熟度とを関連付けて記憶する判定テーブルと、
前記学習単元毎に、前記生徒の習熟度と教材識別情報とを関連付けて記憶する教材識別情報データベースと、
前記一の生徒に関し、前記試験結果データベースに記憶される前記試験結果に基づき、前記学習単元毎の試験結果を算出する試験結果算出手段と、
前記学習単元毎の試験結果と前記判定テーブルとに基づき、該学習単元毎に前記一の生徒の習熟度を判定する判定手段と、
前記教材識別情報データベースから、前記判定手段により判定された前記一の生徒の習熟度に対応する前記教材識別情報を前記学習単元毎に抽出する識別情報抽出手段と、を有することを特徴とする教材作成支援システム。
【請求項2】
前記識別情報抽出手段により抽出された前記各教材識別情報に対応する教材を含む前記一の教科の教材を作成する教材作成手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の教材作成支援システム。
【請求項3】
前記試験結果算出手段は、前記各学習単元の前記各試験結果を加算することにより、前記学習単元毎の試験結果を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の教材作成支援システム。
【請求項4】
前記学習単元毎に、前記生徒の習熟度と生徒向け助言情報とを関連付けて記憶する助言情報データベースと、
前記助言情報データベースから、前記判定手段により判定された前記一の生徒の習熟度に対応する前記生徒向け助言情報を前記学習単元毎に抽出する助言情報抽出手段と、をさらに有し、
前記教材作成手段は、前記助言情報抽出手段により抽出された前記生徒向け助言情報を含む前記一の教科の教材を作成することを特徴とする請求項2又は3に記載の教材作成支援システム。
【請求項5】
一の教科の各学習単元について、難易度の異なる複数の問題で構成される試験を、一の生徒に対して実施し、該各問題の解答を所定の規則に従い採点した試験結果を記憶する試験結果データベースと、
前記学習単元毎の試験結果と生徒の習熟度とを関連付けて記憶する判定テーブルと、
前記学習単元毎に、前記生徒の習熟度と教材識別情報とを関連付けて記憶する教材識別情報データベースと、を備える教材作成支援システムにおける教材作成支援方法であって、
試験結果算出手段が、前記一の生徒に関し、前記試験結果データベースに記憶される前記試験結果に基づき、前記学習単元毎の試験結果を算出するステップと、
判定手段が、前記学習単元毎の試験結果と前記判定テーブルとに基づき、該学習単元毎に前記一の生徒の習熟度を判定するステップと、
識別情報抽出手段が、前記教材識別情報データベースから、前記判定手段により判定された前記一の生徒の習熟度に対応する前記教材識別情報を前記学習単元毎に抽出するステップと、
教材作成手段が、前記識別情報抽出手段により抽出された前記各教材識別情報に対応する教材を含む前記一の教科の教材を作成するステップと、を備えることを特徴とする教材作成支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−169925(P2011−169925A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30762(P2010−30762)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(510042622)
【Fターム(参考)】