説明

教材学習支援システム

【課題】教材学習者の視聴覚を統一し、Web文書化した学習教材を効果的に学習できる教材学習支援システムを提供する。
【解決手段】インターネットによりネットワークされ、教材ドキュメントをWeb文書化した学習教材をWebサーバに送信する教材提供サーバと、この学習教材をデータベースに保持するWebサーバと、Webサーバから学習教材を受信し、閲覧する教材学習クライアントとで構成する教材学習支援システムにおいて、教材ドキュメントを上位と下位のツリー構造に形成し、そのコンテンツブロックごとに、テキストと音声と画像による出力を施し、音声の逐語出力に同期させて、テキストに逐語アンダーラインまたは自動タイピング出力を施すことにより、教材学習者の視覚(教材の黙読、朗読)と聴覚(教材の聴取)を統一させて、学習効果を上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、教材学習支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットまたはイントラネット上で、教材ドキュメントをWeb文書化して、学習者の視覚と聴覚を同時活用して学習効果を高める教材学習システムは、多種開発されている。
【0003】
こうした教材学習システムの中で、特に本発明と比較されるべき従来のシステムには、特許文献1で参照される視聴覚による教材学習支援システムがある。
【0004】
この従来の視聴覚による教材学習支援システムは、教材ドキュメントをWeb文書ファイルに形成する教材提供サーバと、このWeb文書ファイルを教材提供サーバより受信し、教材学習クライアントに送信するWebサーバと、このWeb文書ファイルを受信して出力する教材学習クライアントとで構成し、Web文書ファイルを、テキストデータ部と、そのコンテンツを音声表現する音声データ部と、そのコンテンツに関連する画像を表示する画像データ部とで形成し、それぞれ一対に対応する全部、上部、中部、下部の4階層のデータブロックでなるツリー構造を形成している。そして、教材学習クライアントがこのWeb文書ファイルのコンテンツをブラウザにより出力するにあたっては、全部、上部、中部、下部の各テキスト/画像/音声のデータブロックについて、テキスト出力、画像出力、音声出力を、任意の回数繰返し、かつ繰返しごとに音声出力のスピードを変化させることができテキスト/音声同時出力手段を設けている。また、全部、上部、中部、下部のテキストに含まれるワードまたはフレーズのみを画面表示し、教材学習者は記憶したこのワードまたはフレーズが含まれるテキストを、キーボード入力またはマイクロホン付きヘッドホンにより音声入力し、この記憶したテキストデータストリームと本来のテキストストリームとの差異を比較するテキストデータストリーム比較手段を設けている。そして、上記の手段により、教材学習者がマイクロホン付きヘッドホンを装着して、教材ドキュメントを朗読しかつ聴取することにより教材ドキュメントを学習(記憶)し、その学習成果の点検も施せるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−45473
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上に述べた従来の視聴覚による教材学習支援システムにおいては、教材ドキュメントの学習手段にあっては、全部データブロックから下部データブロックまで、各データブロックをツリー構造に沿って順次段階的に学習するステップを形成しており、教材学習者は、教材ドキュメントの学習ステップを自己本位に進めるのではなく、本システムが提供するステップに従って機械的に学習することにより、全体から細部まで疎漏なく、しかも、視覚と聴覚と意識(朗読)を統一させることにより学習成果が上がる効果を発揮することができるようになっている。だが、この学習方法は、全部、上部、中部、下部ブロックのいずれにおいても、テキストデータをそれぞれ一括して画面表示し、その直後から対応する音声を出力するので、教材学習者によっては、音声出力に先走ってテキストを黙読してしまう場合があり、この場合、視覚と聴覚と意識(朗読)が統一されず、本システムが提供するステップに従って機械的に学習することにより学習成果を上げようとする目的が損なわれる問題点がある。この教材学習支援システムの実施例では、音声出力の流れに合わせて、表示テキストの色調を段階的に変化させたり、テキストにアンダーラインを走らせる工夫を施すことを可能にしているが、これでもテキストを学習の始めに一括して画面出力することには変わりないので、教材学習者によっては、音声出力に先走ってテキストを黙読してしまう問題点はやはり避けられない。
【0007】
また、教材学習者がワードやフレーズをキーにしてテキストを正確に記憶できたかを点検する学習成果の点検方法を設けているが、これにはあくまでも学習成果の点検の為のものである。だが、教材学習者がこれから学習(記憶)して行こうとする場合を考えると、ワードやフレーズに特に留意して、それが含まれるテキストを学習することも効果的な学習(記憶)方法となるが、従来のこの視聴覚による教材学習支援システムではその手段が欠けている。
【0008】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、テキスト出力と音声出力を同期させて、教材学習者の視覚(朗読、黙読)と聴覚(聴取)とを統一させ、あるいは、教材学習者がキーとなるワード(語)やフレーズ(句)に留意してテキストを学習する手段を提供し、教材学習者の学習効果を一層高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に関する教材学習支援システムにおいては、インターネットまたはイントラネットによりネットワークされ、教材ドキュメントをWeb文書化した学習教材と、ブラウザによるこの学習教材の教材閲覧手段とを形成し、これらをWebサーバに送信する教材提供サーバと、教材提供サーバから送信される学習教材と教材閲覧手段とを受信して教材データベースに保持し、教材学習クライアントからの送信要求により、これらを教材学習クライアントに送信するWebサーバと、Webサーバに送信要求した学習教材と教材閲覧手段とをWebサーバから受信して、教材学習者がこの学習教材をブラウザにより教材閲覧手段で閲覧する教材学習クライアントと、で構成する教材学習支援システムにおいて、前記教材ドキュメントは、任意数の上位教材ドキュメントブロックと、各上位教材ドキュメントブロックに付属する任意数の下位教材ドキュメントブロックとでなるドキュメントのツリー構造を形成し、前記教材ドキュメントのツリー構造において、前記各上位教材ドキュメントブロックまたは前記各下位教材ドキュメントブロックにそれぞれ一対に対応して、そのコンテンツをテキスト表現するテキストデータファイルと、このテキストデータファイルにそれぞれ一対に対応して、そのコンテンツを音声表現する音声データファイルと、このテキストデータファイルに任意に対応して、そのコンテンツの関連画像を表現する任意数の画像データファイルと、を形成する。
【0010】
そして、前記学習教材は、後記のDTDと後記のスタイルシートとを設け、後記のテキストデータファイルと音声データファイルと画像データファイルとを外部参照し、これらをハイパーテキストのマークアップ言語により関連付け、スクリプト言語により後記教材閲覧手段を形成するWeb文書であり、DTDは、前記教材ドキュメントの任意の上位教材ドキュメントブロックのコンテンツと任意の下位教材ドキュメントブロックのコンテンツとに共通する文書型を定義し、スタイルシートは、前記教材ドキュメントの任意の上位教材ドキュメントブロックのコンテンツと任意の下位教材ドキュメントブロックのコンテンツとに共通する文書表現書式を規定し、テキストデータファイルと音声データファイルと画像データは、前記教材ドキュメントの任意の上位教材ドキュメントブロックまたは任意の下位教材ドキュメントブロックのコンテンツに、それぞれ独自のデータファイルとして外部参照される。
【0011】
そして、教材閲覧手段は、外部参照する前記のテキストデータファイルと音声データファイルと画像データに関し、先ず総てのテキストと画像とを一括出力し、次いでこのテキストのコンテンツを音声表現する音声を出力し、更にこの音声出力に順次逐語同期させて、テキストの文字列に順次逐語アンダーラインを施すプロセスを、任意の回数繰返し、この繰返しごとに音声出力スピードを変えるテキスト/画像/音声一括出力手段と、先ず総ての画像を一括出力し、次いでテキストのコンテンツを音声表現する音声を出力し、更にこの音声出力に順次逐語同期させて、テキストの文字列を順次逐語自動タイピング出力するプロセスを、任意の回数繰返し、この繰返しごとに音声出力のスピードを変えるテキスト/画像/音声順次出力手段と、前記のテキスト/画像/音声一括出力手段または前記のテキスト/画像/音声順次出力手段において、任意のキーワードのマークアップを付す文字列とマークアップを付さない文字列について、それぞれ任意の色または濃淡の出力諧調を施すキーワード強調出力手段と、を形成し、教材学習クライアントにおいて、教材学習者が前記学習教材をブラウザにより前記教材閲覧手段で閲覧することを特徴とするものである。
【0012】
請求項2に関する教材学習支援システムにおいては、請求項1記載の教材学習支援システムにおいて、先ず、教材ドキュメントの任意の上位教材ドキュメントブロックに関する学習教材の教材閲覧手段において、テキスト/画像/音声一括出力手段、またはテキスト/画像/音声順次出力手段と、任意のキーワードをなす文字列にマークアップを付すキーワード強調出力手段とを施し、次いで、前記上位教材ドキュメントブロックに付属する最初の下位教材ドキュメントブロックから最後の下位教材ドキュメントブロックまでの学習教材について、順次各学習教材の教材閲覧手段において、テキスト/画像/音声一括出力手段、またはテキスト/画像/音声順次出力手段と、任意のキーワードをなす文字列にマークアップを付すキーワード強調出力手段とを施し、次いで、再び、教材ドキュメントの任意の上位教材ドキュメントブロックに関する学習教材の教材閲覧手段において、テキスト/画像/音声一括出力手段、またはテキスト/画像/音声順次出力手段と、任意のキーワードをなす文字列にマークアップを付すキーワード強調出力手段とを施すことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
上述したように、本発明の教材学習支援システムにおいては、学習教材をツリー構造にブロック化し、そのコンテンツを全体から部分まで満遍なく、繰返し出力するので、教材学習者が全体を習得せずに、特定部分のみ詳しく習得するという学習の偏りを取除き、全体と部分をバランス良く学習できる効果を発揮する。また、教材閲覧手段において、テキストを一括出力し、次いでこのコンテンツを音声出力すると共に、この音声出力に順次逐語同期させて、テキストの文字列に順次逐語アンダーラインを施すテキスト/画像/音声一括出力手段と、テキストのコンテンツを音声出力すると共に、この音声出力に順次逐語同期させて、テキストの文字列を順次逐語自動タイピング出力を施すテキスト/画像/音声順次出力手段とを併設しているので、学習教材の分野特性(例えば、法律、外国語、工学等)や難易度、あるいは分量に応じ、この両手段を任意に使分け、あるいは一連の学習ステップで組合わせることにより、教材学習者の視覚(朗読、黙読)と聴覚とをバランスよく統一することができる効果を発揮する。これに対し、上記の従来の視聴覚による教材学習支援システムでは、テキストデータを一括画面表示し、その直後から対応する音声を出力する手段のみを一方的に施すので、たとえ音声出力に逐語同期させて文字列にアンダーラインを施しても、教材学習者が音声出力に先走ってテキストを黙読してしまう可能性は避けられず、これだけでは、視覚と聴覚とが統一されない場合が生じる問題点を抱える。また、本発明の教材学習支援システムにおいては、前記のテキスト/画像/音声一括出力手段、テキスト/画像/音声順次出力手段いずれにおいても、教材学習上キーとなる文字列を他の文字列と区別する色や濃淡の階調により出力するキーワード強調出力手段を施すことで、これに教材学習者の注意を向け、学習成果を上げる効果も発揮できるようになっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、インターネットによりネットワークされた、教材提供サーバ1とWebサーバ2と教材学習クライアント4とで構成するシステムの構成図である。教材提供サーバ1は、教材提供者が作成した教材ドキュメント5をWeb文書化した学習教材6と、ブラウザによるこの学習教材6の教材閲覧手段とを形成して、これらをWebサーバ2に送信する。Webサーバ2は、教材提供サーバ1から送信された学習教材6と教材閲覧手段とを教材データベース3に保持し、教材学習クライアント4からの送信要求により、これらを教材学習クライアント4に送信する。教材学習クライアント4は、Webサーバ2に送信要求した学習教材6と教材閲覧手段とをWebサーバ2から受信し、教材学習者11はこの学習教材6をブラウザにより教材閲覧手段で閲覧する。
【0016】
図2は、教材ドキュメント10のツリー構造図を示すもので、教材ドキュメント10が上位教材ドキュメント(1)20と上位教材ドキュメント(2)の2個の上位教材ドキュメントブロックを形成している。そして、上位教材ドキュメント(1)20には、下位教材ドキュメント(1)21と下位教材ドキュメント(2)24の2個の下位教材ドキュメントを形成している。下位教材ドキュメントブロック(1)21には、テキストデータファイル(1)31と音声データファイル(1)32と画像データファイル(1)33が対応し、下位教材ドキュメントブロック(2)24には、テキストデータファイル(2)34と音声データファイル(2)35と画像データファイル(2)36が対応している。そして、上位教材ドキュメントブロック(2)には、1個の下位教材ドキュメントブロック(3)を形成し、これにはテキストデータファイル(3)と音声データファイル(3)と画像データファイル(3)が対応している。この場合、上位教材ドキュメントブロック(2)と下位教材ドキュメントブロック(3)のコンテンツは等しくなる。(この際、この上位教材ドキュメントブロック(2)と下位教材ドキュメントブロック(3)及びそれに対応するテキスト、音声、画像の各データファイルは、後記の教材ドキュメントブロックのコンテンツの実施例文には関係していないので、符号は付けていない。)尚、下位教材ドキュメントブロック(1)21と下位教材ドキュメントブロック(2)24には、それぞれ1個の画像データファイル33、36を対応させているが、下位教材ドキュメントのコンテンツによっては、画像データファイルは対応しなくとも良いし、複数個対応させても良い。
【0017】
図3は、上記の上位教材ドキュメントブロック(1)20に付属する下位教材ドキュメントブロック(1)21と下位教材ドキュメントブロック(2)24とのコンテンツをなすテキストと画像の実施例図である。下位教材ドキュメントブロック(1)21のコンテンツは、油圧の動力伝達方式の説明文をなすテキスト(1)22とその関連図面をなす画像(1)23とで形成され、キーワードをなす文字列(1)41を他の文字列よりやや太く濃い表示にしている。そして、下位教材ドキュメントブロック(2)24は、油圧式の利点と欠点の説明文をなすテキスト(2)25とその関連図面をなす画像(2)26とで形成され、キーワードをなす文字列(1)42と文字列(2)43を他の文字列よりもやや太く濃い表示にしている。尚、ここで示した画像(1)23と画像(2)26は、単にその存在を示すもので、これらの画像を形成する図形は全く意味をなすものではない。
【0018】
図4は、上記の上位教材ドキュメントブロック(1)20のコンテンツをなすテキストと画像の実施図である。上位教材ドキュメントブロック(1)20は、上記の図3に示した下位教材ドキュメントブロック(1)21と下位教材ドキュメントブロック(2)24の集合であり、そのコンテンツにおいては、テキストはテキスト(1)22とテキスト(2)25が結合して連続した1個の文字列ブロックとして表示され、画像は画像(1)23と画像(2)26の分離した別個の2個のブロックとして表示されている。
【0019】
図5は、学習教材をなすWeb文書ファイル構成パターンの一実施例を示すもので、下位教材ドキュメントブロック(1)に関するものである。このパターンは、上位教材ドキュメントブロック(1)と下位教材ドキュメントブロック(2)にも共通して適用するものである。本Web文書ファイルは、XMLデータファイル(Edoc.xml)7とXSLスタイルシートファイル(Docstyle.xsl)8とHTMLデータファイル(Emain.html)9とJavaScriptファイル10(Javaは登録商標)とで形成されている。XMLデータファイル(Edoc.xml)7は、外部ファイル参照の定義により、テキストデータファイル(Etext.xml)31と音声データファイル(Evoice.wav)32と画像データファイル(Eimage.gif)33を参照すると共に、スタイルシートの外部ファイル宣言を行い、上記3ファイルをブラウザにより表示する場合のスタイルを規定するXSLスタイルシートファイル(Docstyle.xsl)8との関係付けをしている。更にXMLデータファイル(Edoc.xml)7は、その内部で、自己のデータ構造や属性を規定するDTD定義を記述し、前記のテキストデータファイル(Etext.xml)31と音声データファイル(Evoice.wav)32と画像データファイル(Eimage.gif)33との関連付けの為の外部ファイル宣言を行っている。この際、テキストデータファイル(Etext.xml)31と音声データファイル(Evoice.wav)32と画像データファイル(Eimage.gif)33は、下位教材ドキュメントブロック(1)に個別のデータファイルであるが、スタイルシートとDTDの定義内容は、本教材ドキュメントに関わる総てのデータブロック即ち上位教材ドキュメントブロック(1)と下位教材ドキュメントブロック(1)と下位教材ドキュメントブロック(2)に共通する。
【0020】
そして、XMLデータファイル(Edoc.xml)7とXSLスタイルシートファイル(Docstyle.xsl)8は、JavaScript(Javaは登録商標)外部ファイル宣言を行い、JavaScriptファイル(Ejscript.js)10から関数の呼出しを行っている。JavaScriptファイル(Ejscript.js)10(Javaは登録商標)は、関数の記述を行うことにより、Documentオブジェクトの生成、XMLの読込み、XSLの読込み、及び表示処理を記述している。
【0021】
このようにして、HTMLデータファイル(Emain.html)9がメインになり、JavaScriptファイル(Ejscript.js)10(Javaは登録商標)の関数を呼ぶことで、XMLデータファイル(Edoc.xml)7とXSLスタイルシートファイル(Docstyle.xsl)8の読込みが行われ、XMLデータファイル(Edoc.xml)7のコンテンツがXSLスタイルシートファイル(Docstyle.xsl)8のスタイル規定に従ってブラウザに表示処理されるようになっている。
【0022】
次に、ブラウザにより表示処理される学習教材の教材閲覧手段について、実施例を説明する。図6は、下位教材ドキュメントブロック(1)に関する学習教材の教材閲覧手段のテキスト/画像/音声一括出力手段により出力したテキストと画像の表示例である。この場合、下位教材ドキュメントブロック(1)21のテキスト(21)22と画像(1)23の全部を一括出力し、次いでこのテキスト(1)22のコンテンツの音声を出力し、この音声出力に順次逐語同期させて、テキスト(1)22の文字列にアンダーラインをテキストの中途まで施した状態を示している。そして、キーワードをなす文字列(1)41は、やや太い濃い階調表示を施してある。そして、この教材閲覧手段にあっては、このプロセスを任意の回数繰返し、また繰返しごとに音声出力のスピードを変化させることができる。
【0023】
図7は、図6と同様の下位教材ドキュメントブロック(1)に関し、学習教材の教材閲覧手段のテキスト/画像/音声順次出力手段により出力したテキストと画像の表示例である。この場合、下位教材ドキュメントブロック(1)の画像(1)23を出力し、次いでテキスト(1)22のコンテンツを音声表現する音声を出力し、更にこの音声出力に逐語同期させてテキスト(1)22の文字列を逐語自動タイピング出力、即ち文字を一文字ずつ順に画面表示する状態を示している。そして、キーワードをなす文字列(1)41は、やや太い濃い階調表示を施してある。そして、この教材閲覧手段にあっても、このプロセスを任意の回数繰返し、また繰返しごとに音声出力のスピードを変化させることができる。
【0024】
図8は、上記の下位教材ドキュメントブロック(1)21の教材閲覧手段におけるキーワード強調出力手段を施して、テキスト/画像/音声一括出力手段で、キーワードとしてのマークアップを施した文字列とマークアップを施さない文字列の濃淡階調を異にする状態を示すものである。図8の(a)においては、「機械、装置の動力源とアクチュエータ部(作業をする部分)とを連結する方式、即ち動力を伝達する方式」の長い文字列(4)44にマークアップを施した場合で、この文字列(4)44をやや太く濃く表示し、他の文字列は普通の太さと濃さで表示している。(b)においては、「動力を伝達する方式」の短い文字列(1)41にマークアップを施した場合で、この文字列を(a)と同様やや太く濃く表示し、他の文字列は(a)の場合よりすこし薄く表示している。(c)においては、(b)と同じ「動力を伝達する方式」の文字列(1)41にマークアップを施した場合で、この文字列を(a)と同様やや太く濃く表示し、他の文字列は(b)よりも更に薄く表示している。
【0025】
図9は、教材ドキュメントの上位教材ドキュメントブロック(1)とこれに付属する下位教材ドキュメントブロック(1)と(2)の学習ステップの実施例を示すものである。この学習ステップは、ステップ1からステップ8までで形成されている。学習者は、先ずステップ1とステップ2により上位教材ドキュメントブロック(1)の全体を学習する。この際、上位教材ドキュメントブロック(1)について、ステップ1で、テキスト/画像/音声一括出力手段を施し、一括表示されたテキストを音声出力に同期するアンダーラインに沿って黙読または音読する。そしてステップ2で、テキスト/画像/音声順次出力手段を施し、音声出力に同期するテキストの自動タイピング出力に沿って黙読または音読する。このステップ1とステップ2を施すことにより、教材学習者は教材の全体を、最低2回は学習することになる。この際、ステップ1とステップ2におけるプロセスの繰返し回数と、音声出力スピードを変化させるか、否かは教材ドキュメントの内容次第である。本実施例の内容は、あくまでも説明用として極めて簡単なものになっているが、実際の学習では、法律、地理、歴史、電気、機械等多種多様であり、それに適したプロセスの繰返しと音声出力のスピードを変化させることは肝要である。
【0026】
次いで、ステップ3とステップ4により下位教材ドキュメントブロック(1)を学習する。この際、下位教材ドキュメントブロック(1)について、ステップ3で、テキスト/画像/音声一括出力手段を施し、一括表示されたテキストを音声出力に同期するアンダーラインに沿って黙読または音読する。そしてステップ4で、テキスト/画像/音声順次出力手段を施し、音声出力に同期するテキストの自動タイピング出力に沿って黙読または音読する。このステップ3とステップ4を施すことにより、教材学習者は、既にステップ1とステップ2について教材の全体を概括的に学習しているので、下位教材ドキュメントブロック(1)を、重複して学習することになる。次いで、ステップ5とステップ6により下位教材ドキュメントブロック(2)について、ステップ3とステップ4同様のステップ学習を行う。これにより、教材学習者は、既にステップ1とステップ2について教材の全体を概括的に学習しているので、下位教材ドキュメントブロック(2)を、重複して学習することになる。
【0027】
次いで、ステップ7とステップ8で、再び上位教材ドキュメントブロック(1)について、ステップ1とステップ2同様のステップ学習を行う。これにより、教材学習者は、既にステップ1からとステップ6を通して、各ステップにおける繰返し学習を1回にしても、少なくとも4回学習しており、これにステップ6とステップ7を加えることにより、同一教材を、全体から部分へ、そしてまた全体へと学習することにより、教材学習が徹底することになる。そして、上記ステップが進むにつれ、各ステップで任意に、図8で示したキーワード強調出力手段により、キーワードとしてのマークアップを施した文字列を変えたり、マークアップを施さない文字列の濃淡階調を異にすると、教材学習者がキーワードに注目して、キーワードを核にした教材内容に特に留意して学習効果を上げることが期待できる。また、教材学習者は、マイクロホン付きヘッドホンを装着すると、テキストの朗読と聴取の意識を統一し易いので望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】インターネットによりネットワークされたシステムの構成図
【図2】教材ドキュメントのツリー構造図
【図3】上位/下位教材ドキュメントのコンテンツをなすテキストと画像の実施例図
【図4】上位教材ドキュメントのコンテンツをなすテキストと画像の実施例図
【図5】Web文書ファイル構成パターン図
【図6】テキスト/画像/音声一括出力手段によるテキストと画像の実施例図
【図7】テキスト/画像/音声順次出力手段によるテキストと画像の実施例図
【図8】テキストのキーワードを強調階調出力した表示例
【図9】教材の学習ステップ図
【符号の説明】
【0029】
1 教材提供サーバ
2 Webサーバ
3 教材データベース
4 教材学習クライアント
5 教材ドキュメント
6 学習教材
7 XMLデータファイル
8 XSLスタイルシート
9 HTMLデータファイル
10 JavaScriptファイル(Javaは登録商標)
11 教材学習者
20 上位ドキュメントブロック(1)
21 下位ドキュメントブロック(1)
22 テキスト(1)
23 画像(1)
24 下位ドキュメントブロック(2)
25 テキスト(2)
26 画像(2)
31 テキストデータファイル(1)
32 音声データファイル(1)
33 画像データファイル(1)
34 テキストデータファイル(2)
35 音声データファイル(2)
36 画像データファイル(2)
41 キーワードをなす文字列(1)
42 キーワードをなす文字列(2)
43 キーワードをなす文字列(3)
44 キーワードをなす文字列(4)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットまたはイントラネットによりネットワークされ、教材ドキュメントをWeb文書化した学習教材と、ブラウザによるこの学習教材の教材閲覧手段とを形成し、これらをWebサーバに送信する教材提供サーバと、教材提供サーバから送信される学習教材と教材閲覧手段とを受信して教材データベースに保持し、教材学習クライアントからの送信要求により、これらを教材学習クライアントに送信するWebサーバと、Webサーバに送信要求した学習教材と教材閲覧手段とをWebサーバから受信して、教材学習者がこの学習教材をブラウザにより教材閲覧手段で閲覧する教材学習クライアントと、で構成する教材学習支援システムにおいて、
前記教材ドキュメントは、
任意数の上位教材ドキュメントブロックと、各上位教材ドキュメントブロックに付属す
る任意数の下位教材ドキュメントブロックとでなるドキュメントのツリー構造を形成し、
前記教材ドキュメントのツリー構造において、
前記各上位教材ドキュメントブロックまたは前記各下位教材ドキュメントブロックにそ
れぞれ一対に対応して、そのコンテンツをテキスト表現するテキストデータファイルと、
このテキストデータファイルにそれぞれ一対に対応して、そのコンテンツを音声表現す
る音声データファイルと、このテキストデータファイルに任意に対応して、そのコンテ
ンツに関連する画像を表現する任意数の画像データファイルと、を形成し、
前記学習教材は、
後記のDTDと後記のスタイルシートとを設け、後記のテキストデータファイルと音声
データファイルと画像データファイルとを外部参照し、これらをハイパーテキストのマ
ークアップ言語により関連付け、スクリプト言語により後記教材閲覧手段を形成するW
eb文書であり、
DTDは、
前記教材ドキュメントの任意の上位教材ドキュメントブロックのコンテンツと任意の下
位教材ドキュメントブロックのコンテンツとに共通する文書型を定義し、
スタイルシートは、
前記教材ドキュメントの任意の上位教材ドキュメントブロックのコンテンツと任意の下
位教材ドキュメントブロックのコンテンツとに共通する文書表現書式を規定し、
テキストデータファイルと音声データファイルと画像データは、
前記教材ドキュメントの任意の上位教材ドキュメントブロックまたは任意の下位教材ド
キュメントブロックのコンテンツに、それぞれ独自のデータファイルとして外部参照さ
れ、
教材閲覧手段は、
外部参照する前記のテキストデータファイルと音声データファイルと画像データに関し、
先ず総てのテキストと画像とを一括出力し、次いでこのテキストのコンテンツを音声表
現する音声を出力し、更にこの音声出力に順次逐語同期させて、テキストの文字列に順
次逐語アンダーラインを施すプロセスを、任意の回数繰返し、この繰返しごとに音声出
力スピードを変えるテキスト/画像/音声一括出力手段と、
先ず総ての画像を一括出力し、次いでテキストのコンテンツを音声表現する音声を出力
し、更にこの音声出力に順次逐語同期させて、テキストの文字列を順次逐語自動タイピ
ング出力するプロセスを、任意の回数繰返し、この繰返しごとに音声出力のスピードを
変えるテキスト/画像/音声順次出力手段と、
前記のテキスト/画像/音声一括出力手段または前記のテキスト/画像/音声順次出力
手段において、任意のキーワードのマークアップを付す文字列とマークアップを付さな
い文字列について、それぞれ任意の色または濃淡の出力諧調を施すキーワード強調出力
手段と、を形成し、
教材学習クライアントにおいて、教材学習者が前記学習教材をブラウザにより前記教材閲覧手段で閲覧することを特徴とする教材学習支援システム
【請求項2】
請求項1記載の教材学習支援システムにおいて、
先ず、教材ドキュメントの任意の上位教材ドキュメントブロックに関する学習教材の教材閲覧手段において、テキスト/画像/音声一括出力手段、またはテキスト/画像/音声順次出力手段と、任意のキーワードをなす文字列にマークアップを付すキーワード強調出力手段とを施し、
次いで、前記上位教材ドキュメントブロックに付属する最初の下位教材ドキュメントブロックから最後の下位教材ドキュメントブロックまでに関する学習教材について、順次各学習教材の教材閲覧手段において、テキスト/画像/音声一括出力手段、またはテキスト/画像/音声順次出力手段と、任意のキーワードをなす文字列にマークアップを付すキーワード強調出力手段とを施し、
次いで、再び、教材ドキュメントの任意の上位教材ドキュメントブロックに関する学習教材の教材閲覧手段において、テキスト/画像/音声一括出力手段、またはテキスト/画像/音声順次出力手段と、任意のキーワードをなす文字列にマークアップを付すキーワード強調出力手段とを施すことを特徴とする教材学習支援システム

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−333849(P2007−333849A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−163276(P2006−163276)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(392017428)
【出願人】(302012785)
【Fターム(参考)】