説明

教材学習用記憶媒体

【課題】教材に即した学習向けに、ユーザーが本来の学習の思考の流れやリズムを失わないように学習を展開できる教材学習用記憶媒体を提供する。
【解決手段】この教材学習用記憶媒体1は、教材データベース、学習項目データテーブル、単元名データテーブル、個人成績データテーブル、を有する教材学習用データファイル11と、学習項目表示ルーチン、演習ルーチン、成績表示ルーチン、を有する教材学習用プログラム10と、が記憶され、成績表示ルーチンは、単元の選択に応じて単元名データテーブルの前記アドレス情報を参照し、学習項目データテーブルから学習項目名を取り出して表示する処理、学習項目の選択に応じて演習ルーチンに移行する処理、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコンを用いた教材学習のために教材学習用プログラムを記憶した教材学習用記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パソコンを用いた学習方法が種々提案されている。例えば、特許文献1に記載の学習方法では、通信手段を介して質問回答情報の授受を行うことで、自習中に生じた疑問点について即座に回答を得られるとしている。また、特許文献2に記載の学習方法では、パソコンを用いた模擬テストの実施により学習を効果的に行うことができるとしている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−284679号公報
【特許文献2】特開2003−15518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特定の教材に即した学習では、費やす期間が長く、また学習量も多いため、小学生、中学生、高校生など未成年者のユーザーに対しては総合的かつ丁寧な手助けが必要である。具体的には、ユーザーが本来の学習の思考の流れやリズムを失わないように学習を開始或いは展開でき、また、親等の監督者や業者等の学習補助者がサポートし易くなるようにする必要もある。
【0005】
本発明は係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、教材に即した学習向けに、ユーザーが本来の学習の思考の流れやリズムを失わないように学習を開始或いは展開でき、また、監督者や学習補助者がサポートし易くなるための教材学習用記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の教材学習用記憶媒体は、各学習項目に対応して学習項目ID番号と予め記憶された問題及び解答データとを含む教材データベース、各学習項目に対応して学習項目ID番号と学習項目名とそれが属する単元ID番号とを含む学習項目データテーブル、各単元に対応して単元ID番号と単元名とを含む単元名データテーブル、各学習項目に対応して学習項目ID番号と成績データとを含む個人成績データテーブル、を有する教材学習用データファイルと、学習項目データテーブルからユーザーの学年の学習項目名を取り出して表示する処理を含む学習項目表示ルーチン、選択された学習項目の学習項目ID番号に応じた問題及び解答データを教材データベースから取り出して入力装置から入力された解答を正誤判定する処理を含む演習ルーチン、学習項目データテーブルの単元ID番号に応じた単元名を単元名データテーブルから取り出して表示する処理、個人成績データテーブルの成績データを集計して単元ごとの成績を表示する処理、選択された単元の単元ID番号に応じた学習項目名を学習項目データテーブルから取り出して表示する処理、学習項目の選択に応じて演習ルーチンに移行する処理、を含む成績表示ルーチン、を有する教材学習用プログラムと、が記憶されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の教材学習用記憶媒体は、請求項1に記載の教材学習用記憶媒体において、前記学習項目表示ルーチンは、学習項目データテーブルの単元ID番号に応じた単元名を単元名データテーブルから取り出してウィンドウに表示する処理、選択された単元の単元ID番号に応じた学習項目を含むユーザーの学年の学習項目名を学習項目データテーブルから取り出して表示する処理、を更に含むことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の教材学習用記憶媒体は、請求項1又は2に記載の教材学習用記憶媒体において、前記学習項目表示ルーチンは、選択された学習項目の単元ID番号と同じ又は関係ある単元ID番号に応じた学習項目名を全ての学年について学習項目データテーブルから取り出して表示する処理を更に含むことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の教材学習用記憶媒体は、教材学習用プログラムが記憶された教材学習用記憶媒体において、該教材学習用プログラムが最初にアクセスされたときには、教材学習用プログラムをサーチするサーチプログラム及び教材学習用記憶媒体に割り当てられていたドライブ名が記憶されるサーチデータファイルを、教材学習用記憶媒体に割り当てられたドライブ名とは異なるドライブ名の記憶媒体に記憶させるイニシャライズプログラムが記憶されており、該サーチプログラムは、サーチデータファイルに記憶されたドライブ名に教材学習用プログラムが存在すれば教材学習用プログラムを起動し、教材学習用プログラムが存在しなければ順次ドライブ名を変えてサーチし、教材学習用プログラムが存在したドライブ名をサーチデータファイルに記憶するとともに教材学習用プログラムを起動することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の教材学習用記憶媒体は、教材学習用プログラムが記憶された教材学習用記憶媒体において、該教材学習用プログラムは、学習開始メッセージを自動的に監督者に通知する処理を含む学習自動通知ルーチンを有することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の教材学習用記憶媒体は、教材学習用プログラムが記憶された教材学習用記憶媒体において、該教材学習用プログラムは、ユーザーの画像と音声の送信と家庭教師の画像と音声の受信とのリアルタイムな制御を行う処理を含む家庭教師交信ルーチンを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の教材学習用記憶媒体によれば、教材に即した学習向けに、ユーザーが本来の学習の思考の流れやリズムを失わないように学習を開始或いは展開でき、また、監督者や学習補助者がサポートし易くなり、その結果、ユーザーに対しては総合的かつ丁寧な手助けをすることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を適宜図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る教材学習用記憶媒体1を含む教材学習用システム2の模式図である。この教材学習用システム2は、教材学習を行うユーザー(例えば、高校生、中学生、小学生など)が使用する教材学習用パソコン装置3を中心にし、それに電話回線等の通信ネットワーク4を介し、教材学習用システム2全体を管理する管理用サーバ装置5とユーザーの学習の監督者(例えば、親など)により使用される監督用端末装置6が接続されている。管理用サーバ装置5は、学習補助者(例えば、教材学習用記憶媒体1を提供する業者など)により使用される。管理用サーバ装置5と監督用端末装置6の構成については詳しい説明は省略するが、管理用サーバ装置5は教材学習用パソコン装置3により要求される機能を行うのに十分な性能のコンピュータであり、監督用端末装置6は少なくとも表示が行えるものとする。なお、通信ネットワーク4は、教材学習用パソコン装置3、管理用サーバ装置5、監督用端末装置6が互いに接続できるものであれば、複数のネットワークから成るものであっても構わない。
【0014】
教材学習用パソコン装置3は、CPU、RAM、内蔵型記憶装置(いずれも図示せず)などが搭載されたパソコン本体3A、キーボード、マウス等の入力装置3B、後述する種々の画面が表示される表示装置3Cなどを備えている。パソコン本体3Aには、通信ネットワーク4との接続のために、LANケーブル或いは無線LAN、電話線等が直接接続されている。
【0015】
そして、この教材学習用パソコン装置3は、本発明に係る教材学習用記憶媒体1を有した外部記憶装置3Dを備えている。教材学習用記憶媒体1は、教材学習用プログラム10専用の記憶媒体であり、それに必要な教材学習用データファイル11も記憶されている。外部記憶装置3Dは、教材学習用プログラム10や教材学習用データファイル11が比較的大きな記憶容量や迅速なレスポンスを必要とし、また、パソコン本体3Aにコネクタ(例えば、USBコネクタ)を介して接続し易いことから、現在のところ外付けハードディスク装置が最も望ましい。
【0016】
教材学習用データファイルは、後に詳述するが、図3に示すように、各学習項目に対応して学習項目ID番号と予め記憶された問題及び解答データとを含む教材データベース11d、各学習項目に対応して学習項目ID番号と学習項目名とそれが属する単元ID番号とを含む学習項目データテーブル11a、各単元に対応して単元ID番号と単元名とを含む単元名データテーブル11c、各学習項目に対応して学習項目ID番号と成績データとを含む個人成績データテーブル11b、を有する。
【0017】
教材学習用プログラム10は、後に詳述するが、図4に示すように、ユーザー特定ルーチン10A、教材学習導入ルーチン10B、学習項目データテーブル11aから学習項目名を取り出して表示する処理を含む学習項目表示ルーチン10C、選択された学習項目の学習項目ID番号に応じた問題及び解答データを教材データベース11dから取り出して入力装置3Bから入力された解答を正誤判定する処理を含む演習ルーチン10D、学習項目データテーブル11aの単元ID番号に応じた単元名を単元名データテーブル11cから取り出して表示する処理、個人成績データテーブル11bの成績データを集計して単元ごとの成績を表示する処理、選択された単元の単元ID番号に応じた学習項目名を学習項目データテーブル11aから取り出して表示する処理、学習項目の選択に応じて演習ルーチン10Dに移行する処理、を含む成績表示ルーチン10E、質問メールルーチン10F、学習自動通知ルーチン10G、家庭教師交信ルーチン10H、を有する。
【0018】
教材学習用記憶媒体1には、更に、イニシャライズプログラム12が記憶されており、パソコン本体3Aに外部記憶装置3Dが接続されて教材学習用プログラム10が最初にアクセスされたときには、イニシャライズプログラム12が起動され実行される。イニシャライズプログラム12は、教材学習用プログラム10をサーチするサーチプログラム20及び教材学習用記憶媒体1に割り当てられていたドライブ名が記憶されるサーチデータファイル21を、教材学習用記憶媒体1に割り当てられたドライブ名とは異なり、OSが記憶されているなどのドライブ名の記憶媒体(例えば、Cドライブが割り当てられた内蔵型記憶装置の記憶媒体)に記憶させる。また、イニシャライズプログラム12は、教材学習用パソコン装置3で他のアプリケーションプログラムと同じ様に扱われるように、教材学習用プログラム名や教材学習用プログラム用のアイコンを登録させる。
【0019】
イニシャライズプログラム12が実行された後では、登録された教材学習用プログラム名や教材学習用プログラム用のアイコンが選択実行されると、サーチプログラム20が先ず起動し、図2に示すように以下の処理を行う。サーチデータファイル21から記憶されたドライブ名を取得し(S201)、そのドライブ名に教材学習用プログラム10が存在するか否かを検査する(S202)。存在すれば教材学習用プログラム10を起動し(S206)、教材学習用プログラム10が存在しなければ順次ドライブ名を変えて(例えば、Dドライブ〜Zドライブ)サーチする(S203、S204)。教材学習用プログラム10が探し出されると、教材学習用プログラム10が存在したドライブ名をサーチデータファイル21に記憶する(S205)とともに教材学習用プログラム10を起動する(S206)。
【0020】
このように、サーチプログラム20は、教材学習用プログラム10が存在する教材学習用記憶媒体1にどのドライブ名が割り当てられていても、教材学習用プログラム10を探し出して(すなわち、パスを通して)それを起動することが可能である。例えば、外部記憶装置3Dをパソコン本体3Aから取り外し、他の装置(例えば、スキャナや別の外部記憶装置など)を接続し、再度、外部記憶装置3Dを接続したりすると、教材学習用記憶媒体1に割り当てられているドライブ名が変わる(例えば、IドライブからJドライブに変わる)場合があるが、その場合でもエラーになって中止になることはない。サーチプログラム20は、教材学習用記憶媒体1に新しく割り当てられているドライブ名(例えば、Jドライブ)から教材学習用プログラム10を探し出してそれを起動する。こうして、ユーザーが本来の学習の思考の流れやリズムを失わないように学習を開始することができる。
【0021】
次に、教材学習用データファイル11の構成を示す図3と教材学習用プログラム10を構成するルーチン相互の移行を示す図4に基づいて、教材学習用プログラム10の構成を詳細に説明する。教材学習用プログラム10は、起動すると、ユーザー特定ルーチン10Aを実行する。ユーザー特定ルーチン10Aは、教材学習用データファイル11に予め記憶されているユーザー名を画面(図示せず)に表示し、選択実行(例えばマウスのクリック又はダブルクリック)等によるユーザーの特定を促す。ユーザーが特定されると、教材学習用データファイル11に記憶されている教材学習用記憶媒体1の使用許諾期間と対比し、使用許諾期間内であれば、教材学習導入ルーチン10Bに移行する。使用許諾期間外であれば、使用許諾を受けることを促す表示を行う。この場合、ユーザーが学習補助者から使用許諾を受け、得たパスワードが入力されるか管理用サーバ装置5から自動的に使用許諾期間を延長されるかのようにして、教材学習導入ルーチン10Bに移行するようにできる。また、ユーザー特定ルーチン10Aは、教材学習用プログラム10の終了のためのアイコンも表示し、ユーザーにより選択実行されると教材学習用プログラム10を終了する。
【0022】
教材学習導入ルーチン10Bは、後述の学習項目表示ルーチン10Cに移行するためのアイコンと後述の成績表示ルーチン10Eに移行するためのアイコンとを画面(図示せず)に表示し、ユーザーにより選択実行されると各ルーチンに移行する。また、教材学習導入ルーチン10Bでは、特定ユーザーの学習を終了するためのアイコンも表示し、ユーザーにより選択実行されると、前述のユーザー特定ルーチン10Aに移行する。
【0023】
学習項目表示ルーチン10Cでは、図5(a)に示すように、教科(例えば、国語、社会、数学、理科、英語)のアイコンを画面の教科表示欄10Cに表示し、教科の選択に応じた科目(例えば、選択教科が数学の場合は、数学1、数学A、数学2、数学B、数学3、数学C)のアイコンを科目表示欄10Cに表示し、通常の学習モードを選択する目次学習のアイコンと後述の単元学習モードを選択する単元学習のアイコンを学習モード表示欄10Cに表示する。また、教材学習用データファイル11に記憶されている学習項目データテーブル11aと個人成績データテーブル11bにアクセスし、科目の選択に応じ、学習項目データテーブル11aからユーザーの学年の学習項目名を取り出し、また、成績データ、すなわち、クリア回数(当該学習項目の学習完了回数)と点数のデータが個人成績データテーブル11bに記憶されている学習項目はそれを取り出し、テーブル形式の学習項目表示欄10Cに表示する。成績データが個人成績データテーブル11bに記憶されていない学習項目の成績は0を表示する。このとき、学習項目の数は多いため、画面には表示すべき学習項目の一部が表示され、ユーザーによるカーソル動作又はスクロールなどにより順々に表示を移行する。ユーザーにより学習項目が特定され選択実行されると、学習項目データテーブル11aの学習項目ID番号に応じた問題及び解答の後述の演習ルーチン10Dに移行する。また、学習項目表示ルーチン10Cでは、特定ユーザーの学習を終了するためのアイコン10Cも表示し、ユーザーにより選択実行されると、前述の教材学習導入ルーチン10Bに移行する。また、後述の質問メールルーチン10Fに移行するためのアイコン10C、後述の家庭教師交信ルーチン10Hに移行するためのアイコン10Cも表示し、ユーザーにより選択実行されると各ルーチンに移行する。
【0024】
更に、学習項目表示ルーチン10Cは、ユーザーの所定の操作(例えばマウスの右クリック)のイベントにより、学習項目データテーブル11aの単元ID番号に応じた単元名(例えば、選択科目が数学Bならば、数列、平面ベクトル、空間ベクトル、統計と確率、コンピュータ)を単元名データテーブル11cから取り出し、図5(b)に示すようにウィンドウに表示する。学習項目表示ルーチン10Cは、ウィンドウ内においてユーザーが所望する学習項目が含まれる単元が選択されると、学習項目データテーブル11aからその単元ID番号に応じた学習項目を含むユーザーの学年の学習項目名を取り出し、図5(c)に示すように、表示する。このようにして、ユーザーが所望する学習項目が表示される画面にダイレクトに移行でき、ユーザーが本来の学習の思考の流れやリズムを失わないように学習を展開できる。
【0025】
更に、学習項目表示ルーチン10Cは、学習モード表示欄10Cの単元学習のアイコンが選択されると、選択された学習項目の単元ID番号と同じ又は関係ある単元ID番号に応じた学習項目名を全ての学年(高校、中高校、小学校をまたいだ全ての学年)について学習項目データテーブル11aから取り出し、個人成績データテーブル11bから取り出した成績データとともに、図6に示すように、上記の学習項目の表示に重ねて単元学習表示欄10Cに表示する。学習項目名の取り出しについては、具体的には、学習項目データテーブル11aに学年ID番号を付加し、上記の通常の学習モードにおけるユーザーの学年の学習項目名の取り出しは学年ID番号が所定のものだけを選別し、単元学習モードにおける全ての学年の学習項目名の取り出しは学生ID番号を無視することによって行うことができる。この単元学習表示において、ユーザーにより学習項目が選択実行されると、学習項目データテーブル11aの学習項目ID番号に応じた問題及び解答の後述の演習ルーチン10Dに移行する。このようにして、学年を超えて或いは高校、中高校、小学校をまたいで、ユーザーの理解度に応じ、本来の学習の思考の流れやリズムを失わないように学習を展開できる。なお、学習モード表示欄10Cの目次学習のアイコンが選択されることにより、単元学習表示欄10Cを消去し、通常の学習モードに戻る。
【0026】
演習ルーチン10Dでは、選択された学習項目に応じた演習又はテストの問題データを教材学習用データファイル11に予め記憶されている教材データベース11dから取り出して表示する。キーボード、マウス等の入力装置3Bからユーザーにより解答が入力されると、それらを教材データベース11dから読み出された正しい解答データと比較し、正誤判定する。このプロセスを所定の問題数について行う。演習ルーチン10Dでは、選択されている学習項目の所定の問題数について完了すると、クリア回数と点数を成績として教材学習用データファイル11の個人成績データテーブル11bに記録し、学習項目表示ルーチン10Cに戻るか、或いは、次の学習項目の演算ルーチン10Dに移行する。なお、演習ルーチン10Dは、選択された学習項目がビデオ講義ならば、動画データ及び音声データを教材データベース11dから取り出してそれを視聴できるようにすることもできる。
【0027】
成績表示ルーチン10Eでは、図7(a)に示すように、教科(例えば、国語、社会、数学、理科、英語)のアイコンを画面の教科表示欄10Eに表示し、教科の選択に応じた科目(例えば、選択教科が数学の場合は、数学1、数学A、数学2、数学B、数学3、数学C)のアイコンを科目表示欄10Eに表示する。また、個人成績データテーブル11bからクリア回数のデータを取り出し、1以上のクリア回数の学習項目の割合(クリア率)を教科ごとに集計し、教科ごとのクリア率レーダーチャート10Eを表示する。教科ごとのクリア率レーダーチャート10Eは、各教科のクリア率を数値とする座標軸を中心点から放射状に設けてユーザーのクリア率をプロットし、教科名を端に表示したものである。また、選択された教科及び科目に応じた単元(例えば、選択科目が数学Bならば、数列、平面ベクトル、空間ベクトル、統計と確率、コンピュータ)ごとにクリア率を集計し、単元ごとのクリア率レーダーチャート10Eを表示する。単元ごとのクリア率レーダーチャート10Eは、各単元のクリア率を数値とする座標軸を中心点から放射状に設けてユーザーのクリア率をプロットし、学習項目データテーブル11aの単元ID番号に応じた単元名を単元名データテーブル11cから取り出して端に表示したものである。また、個人成績データテーブル11bから点数のデータを取り出し、単元ごとの平均点を計算し、単元名、クリア率、平均点を配置した成績表10Eを表示する。また、成績表示ルーチン10Eでは、成績表示を終了するためのアイコン10Eも表示し、ユーザーにより選択実行されると、前述の教材学習導入ルーチン10Bに移行する。
【0028】
成績表示ルーチン10Eでは、レーダーチャートの単元名或いは成績表の単元名が選択実行されると、選択された単元の単元ID番号に応じた学習項目名を学習項目データテーブル11aから取り出し、また、個人成績データテーブル11bから点数とクリア回数のデータを取り出し、図7(b)に示すように、テーブル形式の学習項目表示欄10Eに表示する。なお、教科ごとと単元ごとのクリア率レーダーチャート10E、10Eを画面から消去している。ユーザーにより学習項目が特定され選択実行されると、学習項目データテーブル11aの学習項目ID番号に応じた問題及び解答の前述の演習ルーチン10Dに移行する。このようにして、ユーザーによりレーダーチャートと成績表がチェックされ、理解の不足している単元や学習項目が確認されてユーザーが所望する単元の問題にダイレクトに移ることができ、本来の学習の思考の流れやリズムを失わないように学習を展開できる。
【0029】
次に、質問メールルーチン10F、学習自動通知ルーチン10G、家庭教師交信ルーチン10Hについて説明する。これらのルーチンは、監督者や学習補助者がユーザーをサポートし易くするためのものである。
【0030】
質問メールルーチン10Fは、質問メール用ウィンドウを開き、質問メールの作成と送信或いは返信メールの受信を行う。ユーザーが質問メールの作成を行い送信すると、通信ネットワーク4を介して管理用サーバ装置5に質問メールが格納される。また、学習補助者からの返信メールは管理用サーバ装置5から通信ネットワーク4を介して教材学習用記憶媒体1或いは他の記憶媒体に格納される。こうして、ユーザーは、学習中に生じた疑問点を速やかに解決することが可能になる。
【0031】
学習自動通知ルーチン10Gは、教材学習導入ルーチン10Bの前後に或いはその最中に、実質的に特定ユーザーの学習が開始したと判断し、実行される。学習自動通知ルーチン10Gは、学習開始メッセージを自動的に(ユーザーに対して表示することなく)予め登録されている監督用端末装置6に送信する。また、特定ユーザーの学習を終了する前に、学習終了メッセージを監督用端末装置6に送信することも可能である。このようにして、監督者は学習開始メッセージや学習終了メッセージを自動的に通知され、ユーザーの学習管理を適切に行うことができる。なお、一旦管理用サーバ装置5にユーザーID付きの学習開始メッセージや学習終了メッセージを送信し、管理用サーバ装置5がユーザーIDからユーザーを特定して予め登録されている監督用端末装置6に送信するようにすることも可能である。
【0032】
家庭教師交信ルーチン10Hは、家庭教師交信用ウィンドウを開き、通信ネットワーク4を介してユーザーの画像と音声の送信と家庭教師の画像と音声の受信とのリアルタイムな制御を行う。また、そのための予約の登録・変更も行う。このようにして、ユーザーは、自力で解決困難な疑問点を家庭教師の手助けにより解決することが可能になる。
【0033】
以上、本発明の実施形態に係る教材学習用記憶媒体1について説明したが、本発明は、実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。例えば、実施形態で述べた複数のルーチンの内、幾つかのみを含んで教材学習用プログラムを構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係る教材学習用記憶媒体を含む教材学習用システムの模式図である。
【図2】同上のサーチプログラムのフロー図である。
【図3】同上の教材学習用データファイルの構成の模式図である。
【図4】同上の教材学習用プログラムを構成するルーチン相互の移行を示す説明図である。
【図5】同上の学習項目表示ルーチンが表示する通常の学習モードの画面の模式図であり、(a)、(b)、(c)はそれぞれダイレクト移行の前、途中、後の画面を示す。
【図6】同上の学習項目表示ルーチンが表示する単元学習モードの画面の模式図である。
【図7】同上の成績表示ルーチンが表示する画面の模式図であり、(a)、(b)はそれぞれ単元名が選択実行された前後の画面を示す。
【符号の説明】
【0035】
1 教材学習用記憶媒体
2 教材学習用システム
3 教材学習用パソコン装置
4 通信ネットワーク
5 管理用サーバ装置
6 監督用端末装置
10 教材学習用プログラム
10C 学習項目表示ルーチン
10D 演習ルーチン
10E 成績表示ルーチン
10G 学習自動通知ルーチン
10H 家庭教師交信ルーチン
11 教材学習用データファイル
11a 学習項目データテーブル
11b 個人成績データテーブル
11c 単元名データテーブル
11d 教材データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各学習項目に対応して学習項目ID番号と予め記憶された問題及び解答データとを含む教材データベース、各学習項目に対応して学習項目ID番号と学習項目名とそれが属する単元ID番号とを含む学習項目データテーブル、各単元に対応して単元ID番号と単元名とを含む単元名データテーブル、各学習項目に対応して学習項目ID番号と成績データとを含む個人成績データテーブル、を有する教材学習用データファイルと、
学習項目データテーブルからユーザーの学年の学習項目名を取り出して表示する処理を含む学習項目表示ルーチン、選択された学習項目の学習項目ID番号に応じた問題及び解答データを教材データベースから取り出して入力装置から入力された解答を正誤判定する処理を含む演習ルーチン、学習項目データテーブルの単元ID番号に応じた単元名を単元名データテーブルから取り出して表示する処理、個人成績データテーブルの成績データを集計して単元ごとの成績を表示する処理、選択された単元の単元ID番号に応じた学習項目名を学習項目データテーブルから取り出して表示する処理、学習項目の選択に応じて演習ルーチンに移行する処理、を含む成績表示ルーチン、を有する教材学習用プログラムと、
が記憶されていることを特徴とする教材学習用記憶媒体。
【請求項2】
請求項1に記載の教材学習用記憶媒体において、
前記学習項目表示ルーチンは、学習項目データテーブルの単元ID番号に応じた単元名を単元名データテーブルから取り出してウィンドウに表示する処理、選択された単元の単元ID番号に応じた学習項目を含むユーザーの学年の学習項目名を学習項目データテーブルから取り出して表示する処理、を更に含むことを特徴とする教材学習用記憶媒体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の教材学習用記憶媒体において、
前記学習項目表示ルーチンは、選択された学習項目の単元ID番号と同じ又は関係ある単元ID番号に応じた学習項目名を全ての学年について学習項目データテーブルから取り出して表示する処理を更に含むことを特徴とする教材学習用記憶媒体。
【請求項4】
教材学習用プログラムが記憶された教材学習用記憶媒体において、
該教材学習用プログラムが最初にアクセスされたときには、教材学習用プログラムをサーチするサーチプログラム及び教材学習用記憶媒体に割り当てられていたドライブ名が記憶されるサーチデータファイルを、教材学習用記憶媒体に割り当てられたドライブ名とは異なるドライブ名の記憶媒体に記憶させるイニシャライズプログラムが記憶されており、
該サーチプログラムは、サーチデータファイルに記憶されたドライブ名に教材学習用プログラムが存在すれば教材学習用プログラムを起動し、教材学習用プログラムが存在しなければ順次ドライブ名を変えてサーチし、教材学習用プログラムが存在したドライブ名をサーチデータファイルに記憶するとともに教材学習用プログラムを起動することを特徴とする教材学習用記憶媒体。
【請求項5】
教材学習用プログラムが記憶された教材学習用記憶媒体において、
該教材学習用プログラムは、学習開始メッセージを自動的に監督者に通知する処理を含む学習自動通知ルーチンを有することを特徴とする教材学習用記憶媒体。
【請求項6】
教材学習用プログラムが記憶された教材学習用記憶媒体において、
該教材学習用プログラムは、ユーザーの画像と音声の送信と家庭教師の画像と音声の受信とのリアルタイムな制御を行う処理を含む家庭教師交信ルーチンを有することを特徴とする教材学習用記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−216661(P2008−216661A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−54291(P2007−54291)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(500145063)株式会社タオ (2)
【Fターム(参考)】