説明

教育システム

【課題】実践的なネット教育を実現する教育システムを提供する。
【解決手段】本発明の教育システム1は、ネット教育を受けるユーザが使用する無線LAN携帯端末200と、ネット教育用に構築された仮想サイト110と、無線LAN携帯端末200とネットワーク3を介して通信するインタフェース部102と、無線LAN携帯端末200から仮想サイトへの接続要求を受け付ける接続確認部122と、受け付けたユーザの無線LAN携帯端末200からの仮想サイトへのアクセス情報を取得する取得部132と、取得した無線LAN携帯端末200のアクセス情報を提示する提供部136と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、教育システムに関し、特に、ネット教育用の教育システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットや携帯電話は急速に普及し、年齢、性別を問わず、誰でもが当たり前のように携帯電話を使用したり、家や職場でインターネットに接続したりできるようになってきている。
【0003】
携帯電話機を使用した教育システムとしては、たとえば、特許文献1記載のものがある。同文献に記載の教育システムは、携帯端末に設問を表示し、設問に対する回答を処理し、その結果をサーバに送信し、サーバは受信した結果を記憶し、携帯端末からの要求に応じてテスト結果を編集し出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−106836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インターネットや携帯電話が急速に普及する中、ネット上の掲示板、たとえば、学校裏サイト等、電子メールを使ったいじめや中傷が急増しており、社会問題になっている。
【0006】
また、犯罪被害に結びつきやすい出会い系サイト、ポルノや残虐な画像を掲載したり、薬物や麻薬情報を載せた有害サイト等が数多く存在している。こうした状況を踏まえ、全国各学校における情報モラル教育が急務となっている。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、実践的なネット教育を実現する教育システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の教育システムは、ネット教育を受けるユーザが使用するユーザ携帯端末と、
ネット教育用に構築された仮想サイトを記憶する仮想サイト記憶手段と、
前記ユーザ携帯端末とネットワークを介して通信する通信手段と、
前記ユーザ携帯端末から前記仮想サイトへの接続要求に応じた、前記ユーザ端末の前記ネットワークへの接続を確認する接続確認手段と、
前記接続が確認された前記ユーザの前記ユーザ携帯端末からの前記仮想サイトへのアクセス情報を取得する取得手段と、
取得した前記ユーザ携帯端末の前記アクセス情報を提示する提示手段と、を備える。
【0009】
本発明の管理サーバは、ネット教育用に構築された仮想サイトを記憶する仮想サイト記憶手段と、
ネット教育を受けるユーザが使用するユーザ携帯端末とネットワークを介して通信する通信手段と、
前記ユーザ携帯端末から前記仮想サイトへの接続要求に応じた、前記ユーザ端末の前記ネットワークへの接続を確認する接続確認手段と、
前記接続が確認された前記ユーザの前記ユーザ携帯端末からの前記仮想サイトへのアクセス情報を取得する取得手段と、
取得した前記ユーザ携帯端末の前記アクセス情報を提示する提示手段と、を備える。
【0010】
本発明の端末装置は、ネット教育を受けるユーザが使用し、ネットワーク上の装置と通信する通信手段と、
ネット教育用に構築された仮想サイトに前記ネットワークを介して接続要求を行い接続を確立する接続手段と、
前記接続が確立された前記仮想サイトに前記ネットワークを介してアクセスするアクセス手段と、を備える。
【0011】
本発明のデータ処理方法は、管理サーバのデータ処理方法であって、
前記管理サーバは、ネット教育用に構築された仮想サイトを記憶する仮想サイト記憶装置と、アクセス情報記憶装置と、を備え、
前記管理サーバが、
ネット教育を受けるユーザが使用するユーザ携帯端末とネットワークを介して通信し、
前記ユーザ携帯端末から前記仮想サイトへの接続要求に応じた、前記ユーザ端末の前記ネットワークへの接続を確認し、
前記接続が確認された前記ユーザの前記ユーザ携帯端末から前記仮想サイトへのアクセス情報を取得し、
取得した前記ユーザ携帯端末の前記アクセス情報を提供する。
【0012】
本発明のデータ処理方法は、端末装置のデータ処理方法であって、
前記端末装置は、ネット教育を受けるユーザが使用し、
ネットワーク上の装置と通信し、
ネット教育用に構築された仮想サイトに前記ネットワークを介して接続要求を行い接続を確立し、
前記接続が確立された前記仮想サイトに前記ネットワークを介してアクセスする。
【0013】
本発明のコンピュータプログラムは、ネット教育用に構築された仮想サイトを記憶する仮想サイト記憶装置およびアクセス情報記憶装置を備えた管理サーバの制御をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
ネット教育を受けるユーザが使用するユーザ携帯端末とネットワークを介して通信する手順、
前記ユーザ携帯端末から前記仮想サイトへの接続要求に応じた、前記ユーザ端末の前記ネットワークへの接続を確認する手順、
前記接続が確認された前記ユーザの前記ユーザ携帯端末から前記仮想サイトへのアクセス情報を取得する手順、
取得した前記ユーザ携帯端末の前記アクセス情報を提示する手順、をコンピュータに実行させる。
【0014】
本発明のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体は、上記管理サーバの制御をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを記憶する。
【0015】
本発明のコンピュータプログラムは、ネット教育を受けるユーザが使用する端末装置の制御をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
ネットワーク上の装置と通信する手順、
ネット教育用に構築された仮想サイトに前記ネットワークを介して接続要求を行い接続を確立する手順、
前記接続が確立された前記仮想サイトに前記ネットワークを介してアクセスする手順、をコンピュータに実行させる。
【0016】
本発明のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体は、上記端末装置の制御をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを記憶する。
【0017】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0018】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0019】
また、本発明のデータ処理方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明のデータ処理方法およびコンピュータプログラムを実施するときには、その複数の手順の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0020】
さらに、本発明のデータ処理方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が発生すること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、実践的なネット教育を実現する教育システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る教育システムの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る教育システムの無線LAN携帯端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る教育システムの無線LAN携帯端末の処理部の機能を示す模式図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る教育システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る教育システムの仮想サイトにおけるプロフィールのユーザ画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る教育システムの仮想サイトにおけるプロフィールの日記の画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る教育システムの管理サーバにおける端末情報とプロフ情報の構造の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る教育システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係る教育システムを用いたネット教育授業の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態に係る教育システムの構成を示す機能ブロック図である。本発明の実施の形態に係る教育システム1は、インターネットなどの利用におけるモラルやマナー、また有害サイトやネット犯罪についての教育を行うシステムである。
【0025】
本実施形態の教育システム1は、ネット教育を受けるユーザが使用するユーザ携帯端末(無線LAN携帯端末200)と、ネット教育用に構築された仮想サイトを記憶する仮想サイト記憶部(仮想サイト110)と、無線LAN携帯端末200とネットワーク3を介して通信する通信部(インタフェース部102)と、無線LAN携帯端末200から仮想サイト110への接続要求に応じた、無線LAN携帯端末200ネットワーク3への接続を確認する接続確認部122と、接続が確認されたユーザの無線LAN携帯端末200からの仮想サイト110へのアクセス情報を取得する取得部132と、取得した無線LAN携帯端末200のアクセス情報を提示する提示部(提供部136、提示部306)と、を備える。
【0026】
本発明の端末装置(無線LAN携帯端末200)は、ネット教育を受けるユーザが使用し、ネットワーク3上の装置(管理サーバ100)と通信する通信部(インタフェース部202)と、ネット教育用に構築された仮想サイト110にネットワーク3を介して接続要求を行い接続を確立する接続要求部206と、接続要求が確立された仮想サイト110にネットワーク3を介してアクセスするアクセス部208と、を備える。
【0027】
詳細には、本実施形態の教育システム1は、管理サーバ100と、ネット教育を受ける生徒に配付される複数の無線LAN携帯端末200と、管理端末300と、を備える。
【0028】
無線LAN携帯端末200は、ネット教育を受けるユーザが使用するユーザ携帯端末であり、アクセスポイント(AP:Access Point)10を介して、LAN(Local Area Network)などのネットワーク3に接続でき、管理サーバ100および管理端末300とネットワーク3を介して接続される。無線LAN携帯端末200とアクセスポイント10は、SSID(Service Set Identifier)を予め設定することで、予めアクセスポイント10にSSIDが設定されている無線LAN携帯端末200の接続のみを許可できることとなる。
【0029】
また、管理サーバ100と管理端末300は、給電ハブ(不図示)を介してネットワーク3に接続されてもよい。なお、アクセスポイント10は、アンテナ12を介して無線LAN携帯端末200と無線通信を行う。本実施形態では、アクセスポイント10は教室内に設け、無線LAN携帯端末200は教室内でのみアクセスポイント10を介してネットワーク3に接続できる通信環境とする。
【0030】
無線LAN携帯端末200は、好ましくは、携帯電話機であり、通話機能および無線LAN通信、たとえば、IEEE802.11諸規格に準拠した通信機能を有する。通話機能および通信機能の両方を備えた他の携帯端末として、PDA(Personal Digital Assistants)、ネットワーク3に接続可能なテレビ受像機、ゲーム機などであってもよい。特に、市販されている携帯電話機と同じモデルのものを使用することで、生徒に現実感を抱かせることができ、より教育効果が上がるという利点もある。
【0031】
なお、本実施形態では、無線LAN携帯端末200は、通話機能は、校内など内線のみ接続可能とし、外線通話機能、および外部通信網、たとえば、インターネットへの外部接続機能は備えない構成とする。
【0032】
本実施形態では、特に学生などが日常的に利用している携帯電話機の実機を本実施形態のユーザ携帯端末として利用することで、体験空間内でのウェブサイト閲覧、データのアップロード、ダウンロード、メール利用などを実践でき、実践的な体験を通じて授業を行うことができる。
【0033】
管理サーバ100は、たとえば、図示しないCPUやメモリ、ハードディスク、および通信装置を備え、キーボードやマウス等の入力装置やディスプレイやプリンタ等の出力装置と接続されるサーバコンピュータやパーソナルコンピュータ、またはそれらに相当する装置により実現することができる。そして、CPUが、ハードディスクに記憶されるプログラムをメモリに読み出して実行することにより、上記各ユニットの各機能を実現することができる。管理サーバ100は、ウェブサーバを含み、たとえば、仮想サイト110および教育サイト130を有する。また、管理サーバ100は、メール送受信用の仮想メールサーバ(不図示)も含む。
【0034】
管理端末300は、ウェブブラウザを有し、ブラウザを起動してネットワーク3に接続し、仮想サイト110および教育システム1の教育サイト130にアクセスして教育システム1のウェブページを閲覧することができる。
【0035】
管理端末300は、たとえば、図示しないCPUやメモリ、ハードディスク、および通信装置を備え、キーボードやマウス等の入力装置やディスプレイやプリンタ等の出力装置と接続されるパーソナルコンピュータ、またはそれに相当する装置により実現することができる。そして、CPUが、ハードディスクに記憶されるプログラムをメモリに読み出して実行することにより、上記各ユニットの各機能を実現することができる。
【0036】
なお、以下の各図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、図示されていない。
また、教育システム1の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウェアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。以下説明する各図は、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
【0037】
詳細には、図1に示すように、管理サーバ100は、インタフェース部(I/F)102と、仮想サイト110と、ユーザ情報記憶部(図中、「ユーザ情報」と示す)120と、接続確認部122と、教育サイト130と、取得部132と、提供部136と、を有する。
【0038】
インタフェース部102は、ネットワーク3に接続し、ネットワーク3上の装置と通信を行う。
【0039】
仮想サイト110は、本実施形態の教育システム1で無線LAN携帯端末200からアクセス可能な仮想サイトのウェブページの情報が含まれる。仮想サイト110は、たとえば、個人のプロフィールなどを公開するプロフィールサイト、ブログサイト、掲示板サイト、アンケートサイト、、アダルトサイト、ディベートサイト、占いサイト、懸賞サイト等の各種ウェブサイトを含む。
【0040】
ユーザ情報記憶部120は、本実施形態の教育システム1を利用するユーザの情報が記憶される。ユーザ情報記憶部120には、たとえば、仮想サイト110へのアクセス権限を有するユーザのユーザIDとして生徒の出席番号、あるいはユーザIDと、ユーザIDに関連付けられたパスワードが記憶されてもよい。ユーザIDは、本実施形態では、無線LAN携帯端末200の出席番号とするが、これに限定されるものではない。なお、本実施形態では、既に各無線LAN携帯端末200のユーザ登録が済んでいるものとするが、これに限定されない。他の実施形態では、仮想サイト110において、ユーザ登録から生徒に実施させるシステムとすることもできる。そのような構成によれば、ユーザ登録時の注意事項、たとえば、ユーザ名には個人を特定可能な情報は含めないことや、パスワードの管理についてなども教育できる。
【0041】
接続確認部122は、無線LAN携帯端末200からの仮想サイト110への接続要求に応じた、無線LAN携帯端末200のネットワーク3への接続を確認する。ここでは、ユーザ情報記憶部120を参照し、接続された当該無線LAN携帯端末200の端末ID(IPアドレス)に基づいて接続確認を行う。接続確認部122により接続が確認されたユーザの無線LAN携帯端末200、仮想サイト110へのアクセスが許可され、仮想サイト110にアクセスすることができることとなる。
【0042】
取得部132は、無線LAN携帯端末200が仮想サイト110にアクセスして、たとえば、プロフィールサイトに書き込まれた情報を教育用にユーザに提示するために、仮想サイト110から取得して教育用ウェブページを作成して教育サイト130に登録する。あるいは、取得部132は、無線LAN携帯端末200のユーザを特定する情報、たとえば、ユーザ名とプロフィール(以下、プロフとも呼ぶ)ページのURLアドレスを関連付けた情報などを取得して、教育サイト130に登録し、教育サイト130では、ユーザ名に関連付けられたプロフページを管理端末300から閲覧できるようにする。
【0043】
提供部136は、教育サイト130の教育用ウェブページを管理端末300または無線LAN携帯端末200に提供する。具体的には、管理端末300または無線LAN携帯端末200から、教育サイト130のアドレスを指定して教育サイト130にアクセスすることで、教育サイト130のウェブページを管理端末300または無線LAN携帯端末200で閲覧することとなる。教育サイト130の教育用ページは、各種メニュー画面や閲覧画面、それらの画面上に設けられた操作用インタフェースを含み、教師は管理端末300の操作部を操作して様々な情報を閲覧することができる。
【0044】
本実施形態の教育システム1では、ネット教育用の各種コンテンツが教育サイト130に予め準備されており、これらのコンテンツとアクセス情報を組み合わせながら、指導することができる。
さらに、提供部136は、仮想サイト110にアップロードされたプロフサイトを直接、管理端末300で閲覧可能に提供することもできる。
【0045】
また、本実施形態では、接続確認部122による無線LAN携帯端末200の接続確認の結果も教育サイト130に記憶でき(不図示)、これにより管理端末300では、何れの無線LAN携帯端末200が接続できているかの情報を閲覧することができる。接続できている無線LAN携帯端末200のみを提示してもよいし、あるいは、予め教育システム1の無線LAN携帯端末200を管理サーバ100のユーザ情報記憶部120に登録してある場合は、無線LAN携帯端末200毎に無線の接続状態を示す情報を提示することもできる。たとえば、管理端末300の画面に生徒の出席番号などで接続状態が色分けされて表示される。これにより、教師は一目で接続状態がわかり、複数の無線LAN携帯端末200を管理できる。
【0046】
また、本実施形態の教育システム1において、ユーザ情報記憶部120は、無線LAN携帯端末200のユーザの個人特定情報を、当該ユーザの無線LAN携帯端末200の識別情報に関連付けて記憶する。無線LAN携帯端末200からの仮想サイト110へのアクセス情報を、当該無線LAN携帯端末200の識別情報に基づいて、当該無線LAN携帯端末200のユーザの個人特定情報を特定する特定部(不図示)を備えてもよい。提供部136は、特定された無線LAN携帯端末200の個人特定情報と、当該無線LAN携帯端末200のアクセス情報とを関連付けて提示する。
【0047】
ユーザの個人特定情報とは、たとえば、ユーザ名、あるいは、氏名、住所、連絡先などの個人情報などであり、ユーザ情報記憶部120に端末IDと関連付けて記憶することができる。本実施形態の教育システム1では、たとえば、予め無線LAN携帯端末200と管理端末300でプロフを作成した生徒を特定できる。教師は、管理端末300に提示された生徒とプロフを生徒達に見せて示すことで、ネット上では匿名性はないことを指導することができる。
【0048】
特定部は、たとえば、仮想サイト110にアクセスした無線LAN携帯端末200のIPアドレスから、ユーザ情報記憶部120を参照し、ユーザの個人特定情報を特定する。特定された情報は、教育サイト130に登録され、提供部136により、無線LAN携帯端末200のアクセス情報とともに管理端末300に提供されることとなる。
【0049】
また、本実施形態の教育システム1において、無線LAN携帯端末200のユーザに、仮のメールアドレス宛にメールを作成させ、作成されたメールをネットワークを介して受信するメール受信部(不図示)と、受信したメールを記憶するメール記憶部(仮想サイト110)と、を備え、提供部136は、仮想サイト110に記憶されたメールを提示することができる。
【0050】
たとえば、仮想サイト110の教育用に作成されたプロフページのメール送信リンクから管理サーバ100宛にメールを送信させることができる。この構成によれば、生徒が送信したメールを管理端末300に提示し、生徒達と一緒に確認しながら、その内容などに基づいて、メールのマナーについて話し合いを持って指導することができる。
【0051】
また、たとえば、管理サーバ100は、無線LAN携帯端末200宛に、教育用の迷惑メールを送信するメール送信部(不図示)をさらに有してもよい。この構成によれば、迷惑メールを生徒の無線LAN携帯端末200に送信して、迷惑メールへの対処方法を具体例を示しながら指導できる。
【0052】
このように、取得部132と提供部136と教育サイト130は、無線LAN携帯端末200が仮想サイト110にアクセスした様々な情報を取得して管理端末300に提供する。上記以外にも、たとえば、送受信されたメールの内容、掲示板に書き込まれた情報、楽曲や画像のアップロード、ダウンロード、ゲームなど各種ココンテンツの利用記録など、各種情報を取得し、教育サイト130にアクセスすることで閲覧できる構成とすることができる。
【0053】
図2は、本発明の実施の形態に係る教育システムの無線LAN携帯端末200のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態の無線LAN携帯端末200は、CPU(Central Processing Unit)210と、ROM212と、RAM214と、移動通信部216と、移動通信用アンテナ218と、無線LAN通信部220と、無線LAN用アンテナ222と、操作部230と、操作受付部232と、表示部234と、表示制御部236と、スピーカ238と、音声入出力部240と、撮像部242と、を備える。
【0054】
CPU210は、無線LAN携帯端末200の各要素とバス250を介して接続され、各要素とともに無線LAN携帯端末200全体を制御する。ROM212は、無線LAN携帯端末200を動作させるためのプログラムや、そのプログラムが動作する際に使用する各種設定データなどを記憶するとともに、各種ユーザデータを記憶する。RAM214は、プログラムが動作するための作業領域を有する。
【0055】
操作部230は、操作キー、操作ボタン、スイッチ、ジョグダイヤル、タッチパッドなどを含む。操作受付部232は、ユーザによる操作部230の操作を受け付け、CPU210に通知する。表示部234は、LED(Light Emitting Diode)表示器や、液晶ディスプレイ、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイなどを含む。表示制御部236は、CPU210からの指示に従い、表示部234に各種画面表示を行う。音声入出力部240は、CPU210からの指示に従い、スピーカ238から音声出力を行う。
【0056】
移動通信部216は、移動通信用アンテナ218を介して、携帯通信網(不図示)に基地局(不図示)を介して接続して通信する。ただし、本実施形態において、無線LAN携帯端末200は、ネット教育用に生徒に使用させるため、外線番号は付与されていない構成とし、移動通信部216による外線通話機能は使用しないものとする。
【0057】
無線LAN通信部220は、たとえば、IEEE802.11諸規格に準拠した無線LAN通信を、無線LAN用アンテナ222を介して行う。
【0058】
図1の機能ブロック図に戻り、無線LAN携帯端末200は、インタフェース部(I/F)202と、アンテナ204と、接続要求部206と、アクセス部208と、処理部209と、を有する。上述した、CPU210(図2)が、ROM212(図2)に記憶されるプログラムをRAM214に読み出して実行することにより、これらのユニットの各機能を実現することができる。
【0059】
インタフェース部202は、ネットワーク3にアンテナ204を介して接続し、ネットワーク3上の装置と通信を行う。本実施形態では、無線LAN携帯端末200は、携帯端末であり、無線通信を行う構成とする。
【0060】
無線LAN携帯端末200は、管理サーバ100の仮想サイト110を閲覧するためのブラウザ機能を有し、そのブラウザを起動し、管理サーバ100の仮想サイト110のURLアドレスを指定することで、インタフェース部102を介して仮想サイト110にアクセスすることができる。本実施形態では、撮像部242(図2)により仮想サイト110のURLアドレスを示すQRコードを撮影して、読み取り、QRコードからURLアドレスを認識し、その後、ブラウザが起動され、インタフェース部202を介して無線LAN通信を開始し、アクセスポイント10を介してネットワーク3への接続を要求し、仮想サイト110にアクセスする。
【0061】
無線LAN携帯端末200には、仮想サイト110のトップページが提示され、ユーザは、画面の指示に従って操作を行うことで、仮想サイト110にアクセスすることができる。
【0062】
接続要求部206は、無線LAN携帯端末200のユーザにより撮像部242(図2)を用いて撮像されたQRコードから認識した仮想サイト110のURLアドレスを、インタフェース部202を介して管理サーバ100に送信することで、仮想サイト110への接続要求を行うことができる。このとき、ブラウザも起動される。
【0063】
アクセス部208は、ユーザの指示に従い、仮想サイト110にアクセスし、各ウェブページを閲覧したり、情報をダウンロードしたり、アップロードしたりする。処理部209は、図3に示すような無線LAN携帯端末200の各種機能を処理する。無線LAN携帯端末200の処理部209は、たとえば、ネットワーク3経由で仮想サイト110にアクセスするウェブブラウザ機能、メール送受信機能、アドレス帳機能、撮影機能、音楽再生機能、スケジュール機能、ゲーム機能などを備えている。
【0064】
すなわち、一般的な携帯電話機の機能を一通り備えているものとする。これらの機能は必ずしもすべて必要ではないが、携帯電話機の機能により生じる様々な問題を教育するには、通常使用されている機能全般が備わっていた方が好ましい。たとえば、プロフサイトや出会い系サイトに安易にアクセスし、個人情報を提供することの危険性や、メールのマナーやなどを教育するだけでなく、万が一携帯電話機を落として紛失してしまった場合に備えて、アドレス帳や画像データ、メールデータ、スケジュールデータなどは、他人の目に触れないようにロックをかけておく必要性を教育することもできる。また、音楽再生機能では、楽曲をダウンロードするには、料金が発生すること、パケット量によって高額になること、ゲーム機能では、長時間の利用は心身に悪影響及ぼすことやネットに接続したまま対戦すると通信料金が高額になること等を教育することができる。
【0065】
また、無線LAN携帯端末200は、ネット教育の授業以外に、校内で業務用として活用してもよい。たとえば、運動会や学園祭などの行事時や、災害時などの避難時や緊急時の校内での連絡用などに通話機能を利用できる。また、撮像機能を用いて、校外授業で撮影した草花、町の様子の映像や画像を学校に持ち帰り、授業に活用することもできる。なお、これらの機能を実現するには、ネットワーク設備を校内全域に拡張することなどが必要となる。
【0066】
図1に戻り、管理端末300は、インタフェース部(I/F)302と、情報受信部304と、提示部306と、を有する。
【0067】
インタフェース部302は、ネットワーク3に接続し、ネットワーク3上の装置と通信を行う。通信は、有線でも無線でもいずれでもよい。管理端末300は、ウェブブラウザ機能を有し、ブラウザを起動し、管理サーバ100の仮想サイト110のアドレスを指定することで、インタフェース部302を介して仮想サイト110にアクセスすることができる。管理端末300も、無線LAN携帯端末200と同様に仮想サイト110へのログイン機能を有してもよいが、本実施形態では、管理端末300は仮想サイト110へのアクセス権限を予め有していている構成とすることもでき、本発明の本質に関わらないので、ログイン機能については説明を省略する。
【0068】
情報受信部304は、インタフェース部302を介して管理サーバ100から無線LAN携帯端末200のアクセス情報を受信する。提示部306は、たとえば、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)のモニタ画面表示部やPCに接続されたプロジェクタであり、情報受信部304が受信したアクセス情報などを提示する。管理端末300は、ウェブブラウザを起動して仮想サイト110にアクセスし、情報受信部304により無線LAN携帯端末200のアクセス情報を受信し、閲覧できる。
あるいは、他の実施形態では、無線LAN携帯端末200から仮想サイト110や教育サイト130にアクセスさせて、アクセス情報や教育用コンテンツを閲覧させてもよい。
【0069】
本実施形態のコンピュータプログラムは、上述した管理サーバ100を実現させるためのコンピュータに、ネット教育を受けるユーザが使用するユーザ携帯端末(無線LAN携帯端末200)とネットワーク3を介して通信する手順、無線LAN携帯端末200から仮想サイト110への接続要求に応じた、前記ユーザ端末の前記ネットワーク3への接続を確認する手順、接続が確認されたユーザの無線LAN携帯端末200から仮想サイト110へのアクセス情報を取得する手順、取得した無線LAN携帯端末200のアクセス情報を提示する手順、をコンピュータに実行させるように記述されている。
【0070】
また、本実施形態において、上記コンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶され、管理サーバ100を実現させるコンピュータのメモリ(不図示)に必要に応じてインストールされて実行される。
【0071】
また、本実施形態のコンピュータプログラムは、上述した無線LAN携帯端末200を実現させるためのコンピュータに、ネットワーク3上の装置(管理サーバ100)と通信する手順、ネット教育用に構築された仮想サイト110にネットワーク3を介して接続要求を行い接続を確立する手順、接接続が確立された仮想サイト110にネットワーク3を介してアクセスする手順、を実行させるように記述されている。
【0072】
また、本実施形態において、上記コンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶され、無線LAN携帯端末200を実現させるコンピュータのメモリ(図2のROM212)に必要に応じてインストールされて実行される。
【0073】
このように構成された本実施形態の教育システム1の動作について、以下に説明する。
図4および図8は、本発明の実施の形態に係る教育システムの動作の一例を示すフローチャートである。以下、図1乃至図8を用いて説明する。
【0074】
本実施形態の管理サーバ100のデータ処理方法は、管理サーバが、ネット教育を受けるユーザが使用するユーザ携帯端末(無線LAN携帯端末200)とネットワーク3を介して通信し、無線LAN携帯端末200から仮想サイト110への接続要求に応じた、前記ユーザ端末の前記ネットワークへの接続を確認し(図4のステップS104)、前記接続が確認された(図4のステップS104のYES)ユーザの無線LAN携帯端末200から仮想サイト110へのアクセス情報を取得し(図8のステップS110)、取得した無線LAN携帯端末200のアクセス情報を提供する(図8のステップS114)。
【0075】
本実施形態の無線LAN携帯端末200のデータ処理方法は、無線LAN携帯端末200が、ネット教育を受けるユーザが使用し、ネットワーク3上の装置と通信し(図4のステップS202)、ネット教育用に構築された仮想サイト110にネットワーク3を介して接続要求を行い接続を確立し(図4のステップS204)、接続が確立された(図4のステップS204のYES)仮想サイト110にネットワーク3を介してアクセスする(図4のステップS208)。
【0076】
具体的には、図4に示すように、まず、無線LAN携帯端末200の処理部209(図2)において、生徒などのユーザの操作指示に従って、撮像部242(図2)で仮想サイト110のURLアドレスを示すQRコードを撮影し、読み取る。QRコードから認識されたURLアドレスにアクセスするために、ブラウザが起動され、アクセス部208がインタフェース部202を介して無線LAN通信を開始し、アクセスポイント10を介してネットワーク3への接続を要求する(ステップS202)。このとき、無線LAN携帯端末200の表示部234(図2)に出席番号の入力を促す画面(不図示)が表示され、入力された出席番号を受け付ける。無線LAN携帯端末200では、ネットワーク3に接続できると(ステップS204のYES)、管理サーバ100の仮想サイト110に出席番号を送信する(ステップS206)。
【0077】
管理サーバ100では、接続確認部122が、ネットワーク3への無線LAN携帯端末200の接続状態を確認する(ステップS104)。そして、無線LAN携帯端末200から送信された生徒の出席番号に基づいて、接続確認部122は、ユーザ情報記憶部120を参照し、ユーザが仮想サイト110にアクセス権限を有しているユーザか否かを判別する。ユーザ情報記憶部120に出席番号が存在する場合(ステップS106のOK)、無線LAN携帯端末200からの仮想サイト110へのアクセスを許可し、アクセスを受け付ける(ステップS108)。
【0078】
このとき、無線LAN携帯端末200では、アクセスポイント10とSSIDによる認証に成功し、ネットワーク3に接続できると(ステップS204のYES)、仮想サイト110にアクセスし、仮想サイト110のトップページが提示され、閲覧を開始する(ステップS208)。たとえば、仮想サイト110にアクセスし、プロフサイトに自分のページを作成したり、ブログを作成したりする。仮想サイト110へのアクセス終了は、ログオフ処理を行ったり、あるいは、所定の時間アクセスを行わないと、自動的に仮想サイト110側から接続を切断することもある。
【0079】
ステップS204で接続に失敗した場合は(ステップS104のNOおよびステップS204のNO)、再度、接続を試みさせるような画面を、無線LAN携帯端末200の表示部234(図2)に表示させてもよいし、接続を切断してもよい。
【0080】
例として、図5に示すようなプロフユーザトップ画面500において、無線LAN携帯端末200のユーザは、ハンドルネーム506、性別508、誕生日510、血液型512、住所514、職業516、趣味518、登録リンク520などの個人情報を含むユーザ情報を入力して、プロフィールを仮想サイト110に登録する。登録リンク520では、さらに、日記ページのリンク522、画像ページのリンク524、メールページのリンク526などを登録できる。プロフユーザトップ画面500は、この他に、プロフィールの名称502や、画像504が含まれる。
【0081】
図6は、日記ページ画面550であり、ユーザが日記をアップロードできる。日記ページ画面550には、書き込まれた日記を提示する日記欄552、日記が書き込まれた日時情報554、日記に寄せられた他のユーザからのコメント556などが含まれる。日記ページ画面550下方には、前ページリンク560、ユーザトップ画面リンク562、次ページリンク564を有し、ページ移動が可能である。
【0082】
無線LAN携帯端末200のユーザは、仮想サイト110の他のユーザのプロフサイトを閲覧したり、コメントを書き込んだり、メールを送信したりすることもできる。このようにして、無線LAN携帯端末200から仮想サイト110にアクセスさせた後、管理サーバ100では、無線LAN携帯端末200から仮想サイト110へのアクセス情報を取得することとなる。
【0083】
図7は、本発明の実施の形態に係る教育システム1の管理サーバ100の仮想サイト110における端末情報600とプロフ情報610の構造の一例を示す図である。
【0084】
図7に示すように、本実施形態の仮想サイト110に無線LAN携帯端末200からアップロードされた情報は、取得部132により、端末情報600と関連付けられてプロフ情報610として教育サイト130に記憶される。端末情報600は、無線LAN携帯端末200のIPアドレスなど、無線LAN携帯端末200を識別可能な端末IDと、端末IDに関連付けられた少なくとも1つのプロフIDを有する。
【0085】
プロフIDは、たとえば、プロフのトップページのURLアドレスなどでもよいし、他の識別情報であってもよい。プロフ情報610は、プロフユーザトップ画面500で登録されている各種の情報が、プロフIDに関連付けられている。あるいは、プロフ情報610は、特になくてもよく、プロフユーザトップ画面500のURLアドレスを特定できれば、提供部136が仮想サイト110にアクセスし、管理端末300にプロフユーザトップ画面500を提供することもできる。
【0086】
図8に示すように、管理サーバ100において、取得部132は、仮想サイト110を参照し、たとえば、無線LAN携帯端末200のユーザがプロフサイトに書き込んだ個人情報を取得する(ステップS110)。たとえば、任意のユーザを選び、そのユーザの端末IDに基づいて、端末情報600(図7)からプロフIDを特定し、対応するプロフ情報610(図7)を取得する。
【0087】
そして、取得部132が、取得した情報に基づいて提示用ウェブページ(不図示)を作成して教育サイト130に登録する(ステップS112)。そして、管理端末300において、教師などのユーザの操作指示に従ってブラウザが起動され、教育サイト130にアクセスするためにURLアドレスの入力を受け付け、教育サイト130にアクセスする。管理サーバ100の教育サイト130では、管理端末300に教育サイト130の提示用ウェブページを閲覧させるべく提供する(ステップS114)。
【0088】
管理端末300では、情報受信部304が教育サイト130から提示用ウェブページを受信し、提示部306に提示する(ステップS302)。提示部306では、管理端末300の表示部(不図示)や管理端末300に接続されたプロジェクタなどに提示用ウェブページを表示させる。必要に応じて、管理端末300のメモリ(不図示)に提示用ウェブページを保存してもよいし、管理端末300に接続されたプリンタ(不図示)から印字出力してもよい。
【0089】
なお、ここでは、管理端末300から教育サイト130へのアクセス時のユーザ認証処理については省略してあるが、必要に応じてユーザ認証処理を行うこととする。
【0090】
このように構成された本実施形態の教育システム1を用いてネット教育の授業を行う場合の進行の一例について説明する。
図9は、本実施形態の教育システム1を用いたネット教育授業の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
【0091】
はじめに、教師が生徒に無線LAN携帯端末200(図中、「生徒(携帯)」)を一人一台ずつ配付する(ステップS350)。生徒は、配布された無線LAN携帯端末200の電源を投入する(ステップS250)。そして、管理端末300(図中、「教師PC」)で、ブラウザを起動し、管理サーバ100の教育サイト130にアクセスし、提示用ウェブページを閲覧する(ステップS352)。このとき、生徒は、無線LAN携帯端末200を操作して、仮想サイト110に接続する(ステップS252)。ここで、ユーザIDとして、生徒に出席番号などを入力する。このとき、教師は、仮想サイト110のURLアドレスを示すQRコードが印刷された用紙も一緒に生徒に配布し、無線LAN携帯端末200でQRコードを認識して仮想サイト110に簡単にアクセスできるようにしてもよい。
【0092】
管理サーバ100では、無線LAN携帯端末200からの接続要求に応じた、ネットワーク3への接続確認を接続確認部122が行う(ステップS152)。教師は、接続状態を確認し、全員が接続されたことを確認して(ステップS354のOK)、アンケート実施指示を管理サーバ100に行う(ステップS356)。これらの指示操作は、教育システム1の教育サイト130が提供する画面の指示に従って、教師および生徒が管理端末300または無線LAN携帯端末200の操作部を操作することで実現される。
【0093】
アンケートは、たとえば、携帯電話の所有の有無や利用形態や利用状況、プロフ公開の有無などを質問する。これらの情報を収集するとともに、生徒に無線LAN携帯端末200の操作を試させることで、操作性や接続状況の確認を行うことができる。
【0094】
管理サーバ100では、管理端末300からのアンケート実施指示を受けて(ステップS154のYES)、無線LAN携帯端末200に対してアンケート用のページを提供する(ステップS156)。無線LAN携帯端末200の表示部234には、アンケートページが表示され、生徒達は、無線LAN携帯端末200の操作部230を操作してアンケートの回答を入力する(ステップS254)。
【0095】
各無線LAN携帯端末200から管理サーバ100にアンケートの回答が送信される。管理サーバ100では、各無線LAN携帯端末200からアンケートの回答を受信し、仮想サイト110または教育サイト130に格納される(ステップS158)。
【0096】
アンケート終了後、生徒に自由に無線LAN携帯端末200を使用させて、たとえば、プロフサイトにアクセスさせて、プロフを作成させ、アップロードさせる(ステップS256)。管理サーバ100は、各無線LAN携帯端末200からアップロードされたデータを受信し、仮想サイト110に格納する(ステップS160)。
【0097】
そして、管理サーバ100において、取得部132が仮想サイト110を参照し、各無線LAN携帯端末200からアップロードされたプロフユーザトップ画面500や日記ページ画面550の情報または送信されたメールなどを取得し、教育サイト130を作成する(ステップS162)。
【0098】
管理端末300から、管理サーバ100の教育サイト130にアクセスすると、取得部132が取得した情報を提供部136が管理端末300に提供する(ステップS164)。管理端末300では、管理サーバ100から受信した情報を提示部306が提示する。ここでは、管理端末300に接続されたプロジェクタを使用して、教育サイト130の画面を投影して提示する(ステップS358)。教師は、表示された画面を用いて、実際に生徒が入力した情報を見せながら、指導する(ステップS360)。
【0099】
上述の管理端末300での閲覧だけでなく、無線LAN携帯端末200でも、他の生徒が作成したプロフを閲覧して(ステップS258)、意見交換を行うことができる。また、生徒に掲示板への書き込みを行なわせ、アクセス部208が書き込みデータを管理サーバ100に送信する(ステップS260)。管理サーバ100では、掲示板に書き込まれたデータを取得部132が取得し、仮想サイト110に格納する(ステップS166)。
【0100】
たとえば、作成されたプロフィールページや掲示板への書き込みを実例として提示して、その書込内容について、個人を特定できる情報が含まれていないか、表現に問題がないかなどを話し合うことができる。アップロードされた画像データが、本人の顔写真であるような場合には、これらの画像データが、ネット上で、どのように流れ、世界中に流出可能であること、その危険性などについて指導することができる。また、プロフにコメントをしたり、掲示板に書込をした場合など、匿名を使用しても、IPアドレスから無線LAN携帯端末200を特定することが可能であり、匿名性はないことを指導することもできる。
【0101】
また、プロフの日記などにリアルタイムに書き込まれた情報は、日時情報とともに表示されるため、具体的な場所が特定できる内容や顔写真を掲載することは、いつどこで何をしているかを赤の他人にまで公開してしまい、危険であることなどを指導できる。
【0102】
以上説明したように、本発明の実施の形態の教育システム1によれば、ユーザ携帯端末(無線LAN携帯端末200)からネットワーク3経由で仮想サイト110にアクセスした情報を取得し、生徒であるユーザに提示できる。
【0103】
生徒は、実際に携帯電話を使用して仮想サイト110にアクセスし、その結果を目で見て確認することで、ネット上でのデータの流れやウェブサイトの仕組みについて理解することができる。情報化社会における自己表現の在り方、サイトの問題点、危険性について、生徒達が個々に考え、判断し、適切な行動がとれるように指導することができる。
【0104】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0105】
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0106】
なお、本発明において利用者に関する情報を取得、利用する場合は、これを適法に行うものとする。
【符号の説明】
【0107】
1 教育システム
3 ネットワーク
10 アクセスポイント
12 アンテナ
100 管理サーバ
102 インタフェース部
110 仮想サイト
120 ユーザ情報記憶部
122 接続確認部
130 教育サイト
132 取得部
136 提供部
200 無線LAN携帯端末
202 インタフェース部
204 アンテナ
206 接続要求部
208 アクセス部
209 処理部
210 CPU
212 ROM
214 RAM
216 移動通信部
218 移動通信用アンテナ
220 無線LAN通信部
222 無線LAN用アンテナ
230 操作部
232 操作受付部
234 表示部
236 表示制御部
238 スピーカ
240 音声入出力部
242 撮像部
250 バス
300 教師用端末装置
302 インタフェース部
304 情報受信部
306 提示部
500 プロフユーザトップ画面
506 ハンドルネーム
508 性別
510 誕生日
512 血液型
514 住所
516 職業
518 趣味
520 登録リンク
550 日記ページ画面
552 日記欄
554 日時情報
556 コメント
560 前ページリンク
562 ユーザトップ画面リンク
564 次ページリンク
600 端末情報
610 プロフ情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネット教育を受けるユーザが使用するユーザ携帯端末と、
ネット教育用に構築された仮想サイトを記憶する仮想サイト記憶手段と、
前記ユーザ携帯端末とネットワークを介して通信する通信手段と、
前記ユーザ携帯端末から前記仮想サイトへの接続要求に応じた、前記ユーザ端末の前記ネットワークへの接続を確認する接続確認手段と、
前記接続が確認された前記ユーザの前記ユーザ携帯端末からの前記仮想サイトへのアクセス情報を取得する取得手段と、
取得した前記ユーザ携帯端末の前記アクセス情報を提示する提示手段と、を備える教育システム。
【請求項2】
請求項1に記載の教育システムにおいて、
前記ユーザ携帯端末の前記ユーザの個人特定情報を、当該ユーザの前記ユーザ携帯端末の識別情報に関連付けて記憶するユーザ情報記憶手段と、
前記ユーザ携帯端末からの前記仮想サイトへの前記アクセス情報を、当該ユーザ携帯端末の前記識別情報に基づいて、当該ユーザ携帯端末の前記ユーザの前記個人特定情報を特定する特定手段と、を備え、
前記提示手段は、特定された前記ユーザ携帯端末の前記個人特定情報と、当該ユーザ携帯端末の前記アクセス情報とを関連付けて提示する教育システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の教育システムにおいて、
前記ユーザ携帯端末の前記ユーザに、仮のメールアドレス宛にメールを作成させ、作成された前記メールを前記ネットワークを介して受信するメール受信手段と、
受信した前記メールを記憶するメール記憶手段と、を備え、
前記提示手段は、前記メール記憶手段に記憶された前記メールを提示する教育システム。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかに記載の教育システムにおいて、
前記仮想サイトは、プロフィールサイト、掲示板サイト、アンケートサイト、アダルトサイト、ディベートサイト、占いサイトを含む教育システム。
【請求項5】
ネット教育用に構築された仮想サイトを記憶する仮想サイト記憶手段と、
ネット教育を受けるユーザが使用するユーザ携帯端末とネットワークを介して通信する通信手段と、
前記ユーザ携帯端末から前記仮想サイトへの接続要求に応じた、前記ユーザ端末の前記ネットワークへの接続を確認する接続確認手段と、
前記接続が確認された前記ユーザの前記ユーザ携帯端末からの前記仮想サイトへのアクセス情報を取得する取得手段と、
取得した前記ユーザ携帯端末の前記アクセス情報を提示する提示手段と、を備える管理サーバ。
【請求項6】
請求項5に記載の管理サーバにおいて、
前記ユーザ携帯端末の前記ユーザの個人特定情報を、当該ユーザの前記ユーザ携帯端末の識別情報に関連付けて記憶するユーザ情報記憶手段と、
前記ユーザ携帯端末からの前記仮想サイトへの前記アクセス情報を、当該ユーザ携帯端末の前記識別情報に基づいて、当該ユーザ携帯端末の前記ユーザの前記個人特定情報を特定する特定手段と、を備え、
前記提示手段は、特定された前記ユーザ携帯端末の前記個人特定情報と、当該ユーザ携帯端末の前記アクセス情報とを関連付けて提示する管理サーバ。
【請求項7】
ネット教育を受けるユーザが使用し、ネットワーク上の装置と通信する通信手段と、
ネット教育用に構築された仮想サイトに前記ネットワークを介して接続要求を行い接続を確立する接続手段と、
前記接続が確立された前記仮想サイトに前記ネットワークを介してアクセスするアクセス手段と、を備える端末装置。
【請求項8】
管理サーバのデータ処理方法であって、
前記管理サーバは、ネット教育用に構築された仮想サイトを記憶する仮想サイト記憶装置と、アクセス情報記憶装置と、を備え、
前記管理サーバが、
ネット教育を受けるユーザが使用するユーザ携帯端末とネットワークを介して通信し、
前記ユーザ携帯端末から前記仮想サイトへの接続要求に応じた、前記ユーザ端末の前記ネットワークへの接続を確認し、
前記接続が確認された前記ユーザの前記ユーザ携帯端末から前記仮想サイトへのアクセス情報を取得し、
取得した前記ユーザ携帯端末の前記アクセス情報を提供する管理サーバのデータ処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の管理サーバのデータ処理方法において、
前記管理サーバは、前記ユーザ携帯端末の前記ユーザの個人特定情報を、当該ユーザの前記ユーザ携帯端末の識別情報に関連付けて記憶するユーザ情報記憶装置を備え、
前記管理サーバが、
前記ユーザ携帯端末からの前記仮想サイトへの前記アクセス情報を、当該ユーザ携帯端末の前記識別情報に基づいて、当該ユーザ携帯端末の前記ユーザの前記個人特定情報を特定し、
特定された前記ユーザ携帯端末の前記個人特定情報と、当該ユーザ携帯端末の前記アクセス情報とを関連付けて提示する管理サーバのデータ処理方法。
【請求項10】
端末装置のデータ処理方法であって、
前記端末装置は、ネット教育を受けるユーザが使用し、
ネットワーク上の装置と通信し、
ネット教育用に構築された仮想サイトに前記ネットワークを介して接続要求を行い接続を確立し、
前記接続が確立された前記仮想サイトに前記ネットワークを介してアクセスする端末装置のデータ処理方法。
【請求項11】
ネット教育用に構築された仮想サイトを記憶する仮想サイト記憶装置およびアクセス情報記憶装置を備えた管理サーバの制御をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
ネット教育を受けるユーザが使用するユーザ携帯端末とネットワークを介して通信する手順、
前記ユーザ携帯端末から前記仮想サイトへの接続要求に応じた、前記ユーザ端末の前記ネットワークへの接続を確認する手順、
前記接続が確認された前記ユーザの前記ユーザ携帯端末から前記仮想サイトへのアクセス情報を取得する手順、
取得した前記ユーザ携帯端末の前記アクセス情報を提示する手順、をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記管理サーバは、前記ユーザ携帯端末の前記ユーザの個人特定情報を、当該ユーザの前記ユーザ携帯端末の識別情報に関連付けて記憶するユーザ情報記憶装置を備え、
前記ユーザ携帯端末からの前記仮想サイトへの前記アクセス情報を、当該ユーザ携帯端末の前記識別情報に基づいて、当該ユーザ携帯端末の前記ユーザの前記個人特定情報を特定する手順、
特定された前記ユーザ携帯端末の前記個人特定情報と、当該ユーザ携帯端末の前記アクセス情報とを関連付けて提示する手順、をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項11または12に記載のコンピュータプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
【請求項14】
ネット教育を受けるユーザが使用する端末装置の制御をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
ネットワーク上の装置と通信する手順、
ネット教育用に構築された仮想サイトに前記ネットワークを介して接続要求を行い接続を確立する手順、
前記接続が確立された前記仮想サイトに前記ネットワークを介してアクセスする手順、をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−238165(P2010−238165A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−88194(P2009−88194)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】