説明

教育用サーバ、端末装置、教育システム、進捗管理方法、進捗管理プログラム

【課題】学習対象にかかわりなく、学習機会の提供者が学習者の学習進捗状況を把握し管理することができる学習システム等を提供すること
【解決手段】学習システム1は、学習データを配信する教育用サーバ10と、学習データを取得して再生する端末装置40とを備えている。端末装置は、学習データの部分データのいずれかが最後まで再生されたときに、その旨を示す情報を含む再生ログを生成する再生ログ生成手段と、再生ログを教育用サーバに送信する再生ログ送信手段とを備えている。教育用サーバは、再生ログを端末装置から取得するログ取得手段と、ログ情報を学習者を特定する情報と関連付けて教育進捗データベースに格納するログ管理手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを利用して教育を行う技術に関し、特に教育機会を提供する者が学習者の学習進捗状況を管理することができる教育システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
人が物事を学習するための一般的な方法のひとつに、学校や研修施設に出向き講義を聴いたりレッスンを受けたりする方法がある。このような学習方法では、学習者は所定の時間に所定の場所に出向く必要があるため、特に多忙な社会人にとっては、採用することが困難な方法である。
そのため、情報通信技術を利用し時間と場所を問わずに学習をするためのシステムが種々提案されている。たとえば、特許文献1には、電話端末を利用した対話練習システムが記載されている。この対話練習システムでは、サーバは、電話端末からの要求に応じて、データベースに蓄積している外国語のテキストを音声に変換して電話端末に送信する。学習者は、この音声を聴取して外国語で解答する。解答を受信したサーバは、これを音声認識したうえで正誤を判定し判定結果を電話端末に音声で送信する。また、サーバは、学習者の学習成果(正誤の判定結果)を蓄積して学習者とテキストを提供する事業者の利用に供している。
【0003】
【特許文献1】特開2002−328594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
会社等の組織が、上記のような情報通信技術を応用した教育システムを利用して組織の構成員に学習機会を提供すれば、構成員は、時間と場所の制約から解放され、効率よく学習を進めることができる。ただし、組織全体として学習対象について一定の知識または技能の水準を確保するためには、組織、すなわち学習機会を提供する側が、各構成員の学習進捗を管理する必要がある。たとえば、一定の期間内に学習を終了するように構成員に強制するようなことも、ある程度必要である。そのためには、組織が各構成員の学習進捗状況を正確に把握する必要がある。
しかし、特許文献1に記載の対話練習システムでは、進捗状況を知る手がかりとなりうる情報は学習成果(正誤の判定結果)だけである。そのため、学習の対象が、多岐にわたる項目を順を追って習得する必要があるものである場合には、学習機会の提供者は、学習者の学習進捗状況を把握することができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、学習対象にかかわりなく、学習機会の提供者が学習者の学習進捗状況を把握し管理することができる学習システム等を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の、教育用サーバは、端末装置によって配信した教育データに含まれる各部分データが最後まで再生されたか否かを示す再生情報を含む再生ログを学習者が利用する端末装置から取得するログ取得手段と、この再生ログに含まれる情報を学習者を特定する情報と関連付けて教育進捗データベースに格納するログ管理手段とを備えている(請求項1ないし請求項4)。
ここで、「教育データ」とは、電子データ化された教材のことを言い、そのソースは音声、文字、静止画、動画等の種類を問わない。また、「再生」とは教育データを電気信号に変換し音声または映像として学習者が視聴できるように出力することをいう。
【0007】
上記教育用サーバによれば、学習データに含まれる部分データのうちどこまでが端末装置で再生されたかを再生ログとして取得し、その情報を進捗管理データベースに記録することができる。
そのため、教育機会の提供者は、進捗管理データベースを利用して学習者の学習進捗状況を管理することができる。
【0008】
上記教育用サーバにおいて、教育用データには、部分データが最後まで再生された後に実施される簡易テストの問題データが含まれ、再生ログには、学習者が簡易テストに合格したか否かを示す合否情報が含まれるようにしてもよい(請求項2)。
部分データが再生されたとしても、学習者がそれを実際に視聴し理解したとは限らない。たとえば、学習者は、再生された音声等は無視して別のことをしていた可能性もある。
しかし、上記のようにすれば、教育用サーバは、簡易テストの合否を示す情報を取得することができるから、学習機会の提供者は、学習者の理解度を知ることができる。
【0009】
上記教育用サーバにおいて、端末装置から評価試験の受験申し込みを受信したときに作動し、教育進捗データベースから受験申し込みを送信した学習者を特定する情報に関連付けられた合否情報を取得する合否情報抽出手段と、合否情報を参照し、学習者がすべての部分データに対応する評価試験に合格している場合に学習者が教育用データに対応する評価試験を受ける資格を有すると判定する受験資格判定手段とを備えるようにしてもよい(請求項3)。
このようにすれば、学習データの内容について十分理解している学習者にのみ評価試験を受験させることができる。
【0010】
上記教育用サーバにおいて、受験資格判定手段が受験申し込みを送信した学習者が評価試験を受験する資格を有すると判定したときに作動し、端末装置に評価試験の問題データを送信する評価試験問題送信手段と、評価試験の問題に対する解答を端末装置から取得し、回答を評価して学習者の合否を判定する評価試験採点手段と、この評価試験採点手段が行った判定結果を教育進捗データベースに格納する成績管理手段とを備えるようにしてもよい(請求項4)。
このようにすれば、評価試験の受験資格を有する学習者は、端末装置を利用して任意の時間に評価試験を受験することができる。
また、評価試験の合否は学習進捗データベースに記録されるから、学習機会の提供者は、学習の理解度を学習テーマごと、学習者毎に知ることができ、総合的な学習進捗管理をすることができる。
【0011】
本発明の端末装置は、教育用データの部分データのいずれかが最後まで再生されたときにその旨を示す再生情報を含む再生ログを生成する再生ログ生成手段と、再生ログを教育用サーバに送信する再生ログ送信手段とを備えている(請求項5ないし請求項7)。
【0012】
上記端末装置によれば、学習データに含まれる部分データのうちどこまでが端末装置で再生されたかを再生ログとして記録し、その情報を学習サーバに集約することができる。
そのため、教育機会の提供者は、学習サーバに集約された情報を利用して学習者の学習進捗状況を管理することができる。
【0013】
上記端末装置において、部分データのいずれかが最後まで再生されたときに作動し、教育用サーバから取得した簡易テストの問題データを再生し、学習者により入力された簡易テスト問題に対する解答を採点して合否を判定し、その判定結果である合否情報を再生ログに記録する簡易テスト採点手段を備えるようにしてもよい(請求項6)。
このようにすれば、教育用サーバに、簡易テストの合否を示す情報を集約することができるから、学習機会の提供者は、学習者の理解度を知ることができる。
【0014】
上記端末装置において、教育用サーバとネットワークにより接続された通信用端末装置に接続する接続インターフェースを備え、教育用データの取得及び再生ログの送信は、通信用端末装置を介して行うようにしてもよい(請求項7)。
たとえば、端末装置として携帯電話機を使用すれば、利用者これを携行し教育用サーバと直接通信をすることができて便利である。その一方、このような端末装置は、学習データの再生を行っているときでも電波を放出するので場所によっては使用を制限されることがある。
しかし、上記のようにすれば、通信用端末との接続インターフェースを備えているから、再生時に電波を放出する必要がない。
そのため、学習サーバと直接通信する端末に比べ学習データの再生が可能な場所の範囲を広げることができる。
【0015】
本発明の学習システムは、学習データを配信する教育用サーバと、学習データを取得して再生する端末装置とを備えている。端末装置は、学習データの部分データのいずれかが最後まで再生されたときに、その旨を示す再生情報を含む再生ログを生成する再生ログ生成手段と、再生ログを教育用サーバに送信する再生ログ送信手段とを備えている。
教育用サーバは、再生ログを端末装置から取得するログ取得手段と、再生情報を学習者を特定する情報と関連付けて教育進捗データベースに格納するログ管理手段とを備えている(請求項8ないし請求項12)。
【0016】
上記学習システムによれば、端末装置により生成され、学習データに含まれる部分データのうちどこまでが再生されたか示す情報を含む再生ログを教育用サーバに集約することができる。
そのため、教育機会の提供者は、教育用サーバに集約された情報を利用して学習者の学習進捗状況を管理することができる。
【0017】
上記学習システムにおいて、教育用データには、部分データが最後まで再生された後に実施される簡易テストの問題データが含まれ、端末装置は、部分データのいずれかが最後まで再生されたときに作動し、簡易テスト問題データを再生し、学習者により入力された簡易テスト問題に対する解答を採点して合否を判定し、その判定結果である合否情報を再生ログに記録する簡易テスト採点手段を備えるようにしてもよい(請求項9)。
このようにすれば、教育用サーバに、簡易テストの合否を示す情報を集約することができるから、学習機会の提供者は、学習者の理解度を知ることができる。
【0018】
上記学習システムにおいて、端末装置は、学習者を特定する情報を含む評価試験申し込みを教育用サーバに送信する受験申し込み手段を備え、教育用サーバは、端末装置から評価試験の受講申し込みを受信したときに作動し、教育進捗データベースから受験申し込みを送信した学習者を特定する情報に関連付けられた合否情報を取得する合否情報抽出手段と、合否情報を参照し、学習者がすべての部分データに対応する評価試験に合格している場合に学習者が教育用データに対応する評価試験を受ける資格を有すると判定する受験資格判定手段とを備えるようにしてもよい(請求項10)。
このようにすれば、学習データの内容について十分理解している学習者にのみ評価試験を受験させることができる。
【0019】
上記学習システムにおいて、端末装置は、評価試験の問題を教育用サーバから取得し再生する評価試験実施手段と、学習者により入力された評価試験問題に対する解答を教育用サーバに送信する解答送信手段とを備え、教育用サーバは、受験資格判定手段が受験申し込みを送信した学習者が評価試験を受験する資格を有すると判定したときに作動し、端末装置に評価試験の問題データを送信する評価試験問題送信手段と、評価試験の問題に対する解答を端末装置から取得し、回答を評価して学習者の合否を判定する評価試験採点手段と、この評価試験採点手段が行った判定結果を教育進捗データベースに格納する成績管理手段とを備えるようにしてもよい(請求項11)。
このようにすれば、評価試験の受験資格を有する学習者は、端末装置を利用して任意の時間に評価試験を受験することができる。
また、評価試験の合否は学習進捗データベースに記録されるから、学習機会の提供者は、学習の理解度を学習テーマごと、学習者毎に知ることができ、総合的な学習進捗管理をすることができる。
【0020】
上記教育システムにおいて、教育用サーバとネットワークにより接続された通信用端末装置を備え、端末装置は、通信用端末装置に接続する接続インターフェースを備え、教育用サーバと端末装置は、通信用端末装置を介して行われるようにしてもよい(請求項12)。
このようにすれば、学習サーバと直接通信するものを端末装置として採用したに比べ学習データの再生が可能な場所の範囲を広げることができる。
【0021】
本発明の進捗管理方法は、再生すべき順番が予め定義された複数の部分データを含む教育用データを学習者が利用する端末装置に配信するステップと、部分データのそれぞれが最後まで再生されたか否かを示す再生情報を端末装置から取得するログ取得ステップと、再生情報を学習者を特定する情報と関連付けて教育進捗データベースに格納するログ管理ステップとを備えている(請求項13)。
【0022】
上記進捗管理方法によれば、学習データに含まれる部分データのうちどこまでが再生されたか示す情報を含む再生ログを進捗管理データベースに集約することができる。
そのため、教育機会の提供者は、進捗管理データベースに集約された情報を利用して学習者の学習進捗状況を管理することができる。
【0023】
本発明の進捗管理プログラムは、コンピュータに、再生すべき順番が予め定義された複数の部分データを含む教育用データを学習者が利用する端末装置に配信する機能と、部分データのそれぞれが最後まで再生されたか否かを示す再生情報を端末装置から取得するログ取得機能と、再生ログを学習者を特定する情報と関連付けて教育進捗データベースに格納するログ管理機能とを実行させる(請求項14)。
【0024】
上記進捗管理プログラムによれば、学習データに含まれる部分データのうちどこまでが再生されたか示す情報を含む再生ログを進捗管理データベースに集約することができる。
そのため、教育機会の提供者は、進捗管理データベースに集約された情報を利用して学習者の学習進捗状況を管理することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、学習データに含まれる部分データのうちどこまでが再生されたか示す情報を含む再生ログを進捗管理データベースに集約することができる。
そのため、教育機会の提供者は、進捗管理データベースに集約された情報を利用して学習者の学習進捗状況を管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図を参照しながら本発明の一実施形態である教育システム1の構成と動作について説明する。
図1は、教育システム1の構成を示す全体図である。
教育システム1は、教育用サーバ10と通信用端末装置の一例である教育用パーソナルコンピュータ(以下、「教育用PC」と書く)30と端末装置の一例である専用プレーヤー40とを備えている。教育用サーバ10と教育用PC30は、たとえばインターネット2等の通信回線を介して相互に通信可能になっている。また、教育用PC30と専用プレーヤー40は、たとえばUSB(Universal Serial Bus)等の接続インターフェースを介して相互に通信可能になっている。
教育用サーバ10は、教育用データを格納する教育用データベースを備え、教育用PC30の要求に応じて教育用データを送信する。教育用PC30は、教育用データを専用プレーヤー40に転送する。学習者は、教育用データを専用プレーヤー40で再生し、講義を聴いたり簡易テストを受験したりすることにより教育を受ける。また、学習者は、教育用PC30を用いて評価テストを受験する。
【0027】
図2は、教育用サーバ10の機能ブロック図である。
教育用サーバ10は、たとえばCPU(Central Processing Unit)と通信機能を備えたサーバコンピュータで、制御部12、記憶部13、通信手段14、採点手段15、ログ解析手段16を備えている。たとえばハードディスク装置により構成された記憶部13には、教育用データベース17、簡易テスト問題データベース18、評価問題データベース19、教育進捗データベース20が格納されている。
制御部11は、教育用サーバ10の各ハードウェアを制御して下記の各手段として機能させるとともにCPUにより実行されるプログラムへのメモリの割り当て等を実行して教育用サーバ10全体の動作を制御する。
通信手段14は、たとえばイーサネットアダプタ等の通信機器により構成され、教育用サーバ10がインターネット2を介して教育用PC30との間で授受するデータの送受信を行う。通信手段14は、PC30から再生ログを受信し、これに含まれる再生情報を教育進捗データベース20に格納する。すなわち、通信手段14は、ログ取得手段及びログ管理手段の一例である。
【0028】
採点手段15は、評価試験の申し込みをして学習者が受験資格を備えている場合に、評価問題データベース19から申し込みで特定された講座に対応する評価試験の問題を抽出して教育用PC30に送信する。採点手段15は、教育用PC30から受信した評価試験の解答を採点して合否を判定し、その判定結果を教育進捗データベース20に格納する。すなわち、採点手段15は、評価試験問題送信手段、評価試験採点手段、成績管理手段として機能する。
ログ解析手段16は、教育用PC30から評価試験の受験申し込みを受信したときに、教育進捗データベース20から、申込者の簡易テストの合否情報を取得する。そして合否情報がすべてのステップの簡易テストに合格していることを示している場合に、学習者に受験資格があると判定する。すなわち、ログ解析手段16は、合否情報抽出手段及び受験資格判定手段として機能する。
【0029】
教育用データベース17は、教育用PC30からの受講申し込みがあったときに送信する教育データを格納するデータベースである。
図14(a)に示すように、教育用データベース17には、学習者が受講申し込みを行う際の単位となる講座毎に予め作成された教育データ60が格納されている。教育データ60は、たとえば講師が行った講義を録音し、それをMP3(MPEG(Moving Picture Experts Group)-1 Audio Layer-3)形式でエンコードしたデータである。図14(b)に示すように、各教育データ60は、複数のステップデータ61(部分データの一例)の集合として構成されている。各ステップデータは、再生順序が予め定義されている。
【0030】
簡易テスト問題データベース18は、教育用PC30から受講申し込みがあったときに教育データとともに送信する簡易テスト問題を格納するデータベースである。簡易テスト問題は、各講座のステップの終了時に行われ簡易テストのための問題で、たとえば、講師が問題文と選択肢を読み上げた音声を録音し、それをMP3形式でエンコードしたデータである。簡易テスト問題には、専用プレーヤー40による採点のために各問題の正解を示すデータも付されている。簡易テスト問題は、各講座のステップ毎に予め作成されている。
【0031】
評価問題データベース19は、教育用PC30から評価試験の申し込みがあったときに送信する評価試験用の問題を格納するデータベースである。評価試験問題は、教育データ毎に予め作成されており、データ形式は、簡易テスト問題と同様な音声データのほか、画像や文章のデータを含んでいてもよい。
教育進捗データベース20は、学習者毎に教育の進捗状況を管理するためのデータベースで、学習者と特定する情報、たとえば学習者毎に割り当てられた識別番号、と対応付けて各ステップデータが最後まで再生されたか否かを示し再生情報、簡易テストの合否、評価試験の合否等が記録されている。
【0032】
図3は、教育用PC30の機能ブロック図である。
教育用PC30は、CPUと通信機能を備えたパーソナルコンピュータで、制御部32、記憶部33、通信手段34、ログ送受信手段35、接続インターフェース37を備えている。たとえばハードディスク装置により構成された記憶部33には、教育用データ36が格納されている。
制御部31は、教育用PC30の各ハードウェアを制御して下記の各手段として動作させるとともにCPUにより実行されるプログラムへのメモリの割り当て等を実行して教育用PC30全体の動作を制御する。
通信手段34は、たとえばイーサネットアダプタ等の通信機器により構成され、教育用PC30がインターネット2を介して教育用サーバ10との間で授受するデータの送受信を行う。
【0033】
ログ送受信手段35は、ひとつの講座の受講が終了し、学習者が専用プレーヤー40を接続インターフェース37に接続したときに、専用プレーヤー40から再生ログを取得する。そして、再生ログを評価試験の受験申し込みと共に教育用サーバ10に送信する。
接続インターフェース37は、たとえばUSBポートであり、これに専用プレーヤー40を接続すると制御部32が自動的に専用プレーヤー40を検出してデバイスドライバを構成し、専用プレーヤー40との間のデータの授受が可能とする。
教育データ36には、教育用サーバ10から受信した教育用データ35aと簡易テスト問題36b、専用プレーヤー40から受信した再生ログ36cが記憶されている。
【0034】
図4は、専用プレーヤー40の機能ブロック図である。
専用プレーヤー40は、CPUを備え、教育システム1専用に設計された携行可能な音声データ再生装置で、制御部42、記憶部43、PC接続手段44、ログ管理手段45、簡易テスト採点手段46、再生コントロール手段47、再生コントロール用キーボード48、簡易テスト解答用キーボード49を備えている。たとえばフラッシュメモリにより構成された記憶部43には、キャッシュ50が格納されている。
制御部42は、専用プレーヤー40の各ハードウェアを制御して下記の各手段として機能させるとともにCPUにより実行されるプログラムへのメモリの割り当て等を実行して専用プレーヤー40全体の動作を制御する。
PC接続手段44(接続インターフェースの一例)は、プレーヤー40が教育用PC30との間で授受するデータの送受信を行う。
【0035】
ログ管理手段45は、教育用データに含まれる各ステップデータが最期まで再生されたか否かを示す再生情報と、学習者が簡易テストに合格したか否かを示す合否情報を生成ログ50cに記録する。すなわち、ログ管理手段45は、再生ログ生成手段の一例である。
図5に、再生ログが記録されるタイミングと進捗管理ログデータの構造を示す。ログ管理手段45は、各ステップの終了後にそのステップに関するログを進捗管理ログデータ50cに記録する。
簡易テスト採点手段46は、管理テスト解答用キーボード49により入力された解答と簡易テスト問題50bに含まれている正解の選択肢を示す情報とを照合して簡易テストの採点を行う。簡易テスト採点手段46は、簡易テストの採点結果を再生ログ50cに記録する。
【0036】
再生コントロール用キーボード48は、学習者が専用プレーヤー40に教育用データの再生指示を入力するためのキーボードである。
図6(a)に、再生コントロール用キーボード48の構成の一例を示す。再生コントロール用キーボード48は、再生キー48a、停止キー48b、一時停止キー48c、スキップキー48d、繰り返しキー48eを備えている。学習者がいずれかのキーを押下すると、押されたキーに対応するメッセージが再生コントロール手段47に送られる。
【0037】
再生コントロール手段47は、学習者が再生コントロール用キーボード48の再生キー48aが押されたことを示すメッセージを受けたときに、キャッシュ50から1ステップ分の教育データを取得し再生を開始する。停止キー48b、一時停止キー48c、スキップキー48d、繰り返しキー48eが押されたことを示すメッセージを受けたときもそれぞれのキーに対応した再生制御を行う。
【0038】
簡易テスト解答用キーボード49は、学習者が簡易テストの解答を入力するためのキーボードである。
図6(b)に、簡易テスト解答用キーボード49の構成の一例を示す。簡易テスト回答用キーボード49は、5個の解答キー49aを備えている。各キーの表面には、簡易テストの選択肢に対応して1から5までの数字がひとつずつ表示されている。また、各キーの上部には、目の不自由な学習者のために、点字による選択肢番号の表示49bも設けられている。学習者は、正解と考える選択肢の番号が表示された解答キー49aを押すことにより解答を入力する。
【0039】
キャッシュ50には、教育用PC40から取得した教育データ50aと簡易テスト問題50b、ログ管理手段45により記録された進捗管理ログデータ50cが格納されている。
【0040】
次に教育システム1の動作について説明する。
図7は、教育システム1全体の概略の動作を示すシーケンス図である。
教育用PC30は、インターネット2を介して教育用サーバ10に受講申し込みを送信する(S101)。この受講申し込みには、学習者を特定する情報、たとえば学習者の識別番号と受講を希望する講座を特定する情報、たとえば講座名が含まれている。
教育用サーバ10は、受講申し込みで指定された講座に対応する教育用データと簡易テスト問題をデータベースから抽出し(S102)、それらを教育用PC30に送信する(S103)。教育用PC30は、教育用データと簡易テスト問題を専用プレーヤー40に転送する(S104)。
専用プレーヤー40は、取得した教育用データを再生し(S105)、ステップの終わりまで再生された後再生済みである旨を再生ログに記録する(S106)。次に、専用プレーヤー40は、簡易テスト問題を再生して簡易テストを実施し(S107)、学習者により入力された解答を採点する(S108)。専用プレーヤー40は、簡易テストの結果も再生ログに記録し(S109)、再生ログを教育用PC30に送信する(S110)。
教育用PC30は、受信したログと評価試験申し込みを教育用サーバ10に送信する(S111)。
教育用サーバ10は、受信したログに基づいて学習者が評価試験を受けるための条件を満たしていることを確認し(S112)、確認できた場合には、評価試験用の問題をデータベースから抽出し(S113)、それを教育用PC30に送信する(S115)。
教育用PC30は、評価試験問題を再生することにより評価試験を実施する(S115)。教育用PC30は、学習者により入力された解答を教育用サーバ10に送信する(S116)。
教育用PC10は、受信した解答を採点し(S117)、採点結果が合格基準に達していた場合は、終了通知を教育用PC30に送信する(S118)。
【0041】
次に、図8ないし図13を参照しながら教育システム1の動作の詳細について説明する。
まず、専用プレーヤー40の教育準備を説明する。
教育用PC30は、受講の申し込みを教育用サーバ10に送信し(図9のS201a)、教育用サーバ10の制御部12がこれを受信する。制御部12は、受講履歴ファイル作成を教育進捗データベース20に出す(図8のS101a)。教育進捗データベース20は受講履歴ファイルを作成する(S106a)。
次に、制御部12は、受講申し込みで指定された講座の教育用データと簡易テスト問題を教育用データベース17と簡易テスト問題データベース18から抽出する(S101b)。制御部12は、抽出した教育用データと簡易テスト問題を教育用PC30へ送信し(S101c)、教育用PC30の教育用データ36がこれらのデータを受信する(図9のS203a)。
【0042】
次に、学習者は、専用プレーヤー40を教育用PC30へ接続する(図10のS301a)。教育用PC30の制御部32は、専用プレーヤー40の接続を確認し(図9のS201b)、教育データ36に対し教育データと簡易テスト問題を専用プレーヤー40に送信するように指示を出す(S201c)。これを受けて教育データ36は教育用データと簡易テスト問題を専用プレーヤー40へ送信する(S203b)。
専用プレーヤー40のキャッシュ50は、教育用PC30の教育データ36が送信したデータをキャッシュに保管し専用プレーヤーの教育準備は完了する(S207a)。学習者は、教育用PC30から専用プレーヤー40を切り離す(図10のS301b)。
【0043】
次に、学習者は、専用プレーヤー40を利用して受講を開始する(S301c)。
学習者が再生コントロールキーボード48の再生ボタン48aを押す(S305a)と再生コントロール用キーボードからログ管理手段45と再生コントロール手段47に再生開始の信号が送られる。ログ管理手段45は、再生ログデータをキャッシュ50に送る(S302a)。これを受けたキャッシュ50は、ログの記録を行う(S307b)。
再生コントロール手段47は、ステップ1のデータをキャッシュ50の教育用データより抽出する(S304a)。抽出されたデータは制御部42により音声出力され、学習者はこれを聴取して講座を受講する(S301d)。
【0044】
ここで、再生コントロール用キーボード48にて操作される動作の説明を行う。学習者が、再生コントロールキーボード48の停止ボタン48b、一時停止ボタン48c、スキップボタン48d、繰返しボタン48eのいずれかを押すと(S305b)、各ボタンに対応した動作指示の信号が再生コントロール用キーボード48からログ管理手段45と再生コントロール手段47に信号が送られる。ログ管理手段45は、再生ログデータをキャッシュ50に送る(S302b)。キャッシュ50はログの記録を行う(S307c)。専用プレーヤー40は、再生コントロール手段47の制御の下で停止・一時停止・スキップ・繰返しの各動作を行う(S301e)。
【0045】
次に、教育データの再生が進み、ステップ1の終わりになると簡易テストポイントとなる(図11のS301f)。ここで制御部42は、キャッシュ50に対し簡易テスト実行の要求をかける(S301g)。キャッシュ50は、ステップ1用の簡易テスト問題(以下、「簡易テスト1」という)を制御部42に送る(S307d)。制御部42は、簡易テスト1の問題を音声出力する(S301h)。
【0046】
学習者は、簡易テスト解答用キーボード49の回答ボタン49aのうち、正解と考える選択肢の番号に対応するものを押すことにより解答の入力を行う。簡易テスト解答用キーボードにより入力された回答は(S306a)、簡易テスト採点手段46により解答合わせが行われ(S303a)、不正解の場合、簡易テスト採点手段46は再度、簡易テストの取得要求をキャッシュ50にかける(S303b)。キャッシュ50は簡易テスト1を制御部42に送る(S307e)。制御部42は、簡易テスト1の問題を再度音声出力する(S301i)。
解答が正解の場合は、簡易テスト解答用キーボードにより入力された回答は(S306b)、簡易テスト採点手段46により解答合わせが行われる(S303c)。解答正解(S306b)となるとログ管理手段45は、キャッシュ50に再生ログを送り(S302c)、キャッシュ50はこれをログに記録をする(S307f)。また再生コントロール手段304は、ステップ2の学習データをキャッシュ50から抽出する(S304a)。抽出されたデータは制御部42により音声出力され、学習者はこれを聴取する(S301j)。
【0047】
ステップ2の終わりになると簡易テストポイントとなる(図12のS301k)。ここで制御部42は、キャッシュ50に簡易テスト取得要求をかける(S301l)。キャッシュ50は、簡易テスト2を制御部42に送る(S307g)。制御部42は、簡易テスト2の問題を音声出力する(S301m)。続いて簡易テスト解答用キーボード49により解答が入力される(S306c)。簡易テスト採点手段46により解答合わせが行われる(S303d)。解答正解(S306e)となるとログ管理手段45は、キャッシュ50に再生ログデータを送る(S302d)。キャッシュ50は、これをログを記録する(S307h)。
教育システム1は、上記のS101kからS307hまでの動作と同様の動作を、最終ステップの一つ前のステップが終わるまで繰り返す。
【0048】
再生コントロール手段47は最終ステップのデータをキャッシュ50から抽出する(S304b)。抽出されたデータは制御部42により、音声出力され、学習者はこれを聴取する(S301n)。最終ステップの終わりになると簡易テストポイントとなる(S301o)。ここで制御部42は、簡易テスト取得要求をキャッシュ50にかける(S301p)。キャッシュ50は、最終ステップの簡易テストのデータを制御部42に送る(S307i)。制御部42は、取得したデータを音声出力する(図13のS301q)。続いて、学習者は、簡易テスト解答用キーボード49により解答を入力する(S306d)。簡易テスト採点手段46により解答合わせが行われる(S303f)。解答正解(S303g)となるとログ管理手段45は、キャッシュ50に再生ログデータを送る(S302e)。キャッシュ50は最終ログを記録する(S307j)。
解答正解(S306g)の場合は、制御部32が再生コントロール手段47に終了の指示を送り、再生性コントロール手段が再生を停止し(S304c)教育が完了する(S301r)。
【0049】
教育を完了後、学習者は、専用プレーヤー40を教育用PC30へ接続する(S301s)。ログ管理手段45は、キャッシュ50に対し、記録された再生ログを教育用PC30へ送信するように指示を出す(S301t)。キャッシュ50は、キャッシュ50に記録された再生ログを教育用PC30へ送信する(S307k)。
教育用PC30のログ送受信手段35は、キャッシュ50により送信された再生ログを受信する(図9のS202a)。この再生ログデータは教育データ36内に一時保管するために教育データ36に送られる(S202b)。教育データ36はS202bにて送られてきた再生ログを記憶部に記録する(S203c)。
【0050】
次に、制御部32は教育用サーバ10に評価試験を申し込みを送信する(S201d)、と同時にログ送受信手段35に評価試験申し込みを送信した旨を通知する(S201d)。この通知を受けたログ送受信手段35は、教育データ36内の再生ログデータを教育用サーバ10に送信するように教育データ36に指示を出す(S202c)。教育データ36は、再生ログデータを教育用サーバ10に送信する(S203d)。
【0051】
教育用サーバ10の制御部12は、評価試験を申し込み(図8のS201d)を受信し評価試験の受付をする(S101d)。また、教育進捗データベース20は、教育用PC30の教育データ36から受信した再生ログデータを受講履歴として書き込む(S106b)。書き込まれた再生ログはログ解析手段16に送られ(S106c)、ログ解析手段16は、教育が終了しているか否かの確認を行う(S102a)。教育が終了していない場合は、ログ解析手段16は、教育用PC30へその旨を通知するメッセージを送信し、教育用PC30の制御部32は、そのメッセージを表示装置に表示する(図9のS201e)。
教育用サーバ10のログ解析手段16は、各ステップの受講が完了しているのを確認できた場合は(S102a)、制御部12にその旨を通知し(S102b)、制御部12は評価問題データベース19から評価試験データの抽出を行う(S101e)。制御部12は、抽出した評価試験データを教育用PC30に送信する(S101f)。
【0052】
教育用PC30は受信した評価試験データを音声または画像として出力し、学習者は、それらを視聴して解答をたとえばキーボード等の入力手段により入力することにより評価試験を受講する(図9のS201f)。評価試験終了後、教育用PC30の制御部32は、入力された解答を、教育用サーバ10の制御部12に送信する(S201g)。
【0053】
教育用サーバ10の制御部12は、受信した評価試験の解答を採点する(図8のS101g)。ここで不合格となると評価試験の再試験となり、学習者は、評価試験を受講する(S201f)。合格すると制御部12は、教育進捗データベース106の受講履歴に合格した旨を書き込み(S106d)、教育用PC30へ受講終了を通知して(S201h)教育が終了する。
【0054】
次に、学習システム1の効果について説明する。
学習システム1によれば、専用プレーヤー40により生成され、学習データに含まれるステップデータのうちどこまでが再生されたか示す情報を含む再生ログを教育用サーバ10の教育進捗データベース20に集約することができる。
そのため、教育機会の提供者は、教育進捗データベース20に集約された情報を利用して学習者の学習進捗状況を管理することができる。
また、教育進捗データベース20に、簡易テストの合否を示す情報を集約することができるから、学習機会の提供者は、学習者の理解度を知ることができる。
【0055】
教育用サーバ10の採点手段15は、すべてのステップの簡易テストに合格している学習者に評価試験の受験をさせるから、学習データの内容について十分理解している学習者にのみ評価試験を受験させることができる。また、評価試験の受験資格を有する学習者は、教育用PC30を利用して任意の時間に評価試験を受験することができる。
また、評価試験の合否は採点手段15によって学習進捗データベース20に記録されるから、学習機会の提供者は、学習の理解度を学習テーマごと、学習者毎に知ることができ、総合的な学習進捗管理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態である教育システムの全体図である。
【図2】教育用サーバの機能ブロック図である。
【図3】教育用PCの機能ブロック図である。
【図4】専用プレーヤーの機能ブロック図である。
【図5】ログの採取タイミングを示す図である。
【図6】図6(a)は、再生コントロール用キーボードの構成を示す概略図である。図6(b)は、簡易テスト解答用キーボードの構成を示す概略図である。
【図7】教育システム1の動作を示す概略フローチャートである。
【図8】教育用サーバの動作を示すフローチャートである。
【図9】教育用PCの動作を示すフローチャートである。
【図10】専用プレーヤーの動作を示すフローチャートである。
【図11】専用プレーヤーの動作を示すフローチャートである。
【図12】専用プレーヤーの動作を示すフローチャートである。
【図13】専用プレーヤーの動作を示すフローチャートである。
【図14】教育用データベースのデータ構造を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
1 教育システム
2 ネットワーク
10 教育用サーバ
15 採点手段
16 ログ解析手段
17 教育用データベース
18 簡易テスト問題データベース
19 評価問題データベース
20 教育進捗データベース
30 教育用PC
35 ログ送受信手段
36 教育データ
40 専用プレーヤー
44 PC接続手段
45 ログ管理手段
46 簡易テスト採点手段
47 再生コントロール手段
50 キャッシュ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
教育用データを学習者が利用する端末装置に配信する教育用サーバにおいて、
前記教育用データは再生すべき順番が予め定義された複数の部分データを含み、
前記端末装置によって前記部分データのそれぞれが最後まで再生されたか否かを示す再生情報を含む再生ログを前記端末装置から取得するログ取得手段と、
前記再生ログに含まれる情報を前記学習者を特定する情報と関連付けて教育進捗データベースに格納するログ管理手段とを備えたことを特徴とした教育用サーバ。
【請求項2】
前記教育用データには、前記部分データが最後まで再生された後に実施される簡易テストの問題データが含まれ、
前記再生ログには、前記学習者が前記簡易テストに合格したか否かを示す合否情報が含まれることを特徴とした請求項1に記載の教育用サーバ。
【請求項3】
前記端末装置から評価試験の受験申し込みを受信したときに作動し、前記教育進捗データベースから前記受験申し込みを送信した前記学習者を特定する情報に関連付けられた前記合否情報を取得する合否情報抽出手段と、
前記合否情報を参照し、前記学習者がすべての前記部分データに対応する前記評価試験に合格している場合に前記学習者が前記教育用データに対応する前記評価試験を受ける資格を有すると判定する受験資格判定手段とを備えたことを特徴とした請求項2に記載の教育用サーバ。
【請求項4】
前記受験資格判定手段が前記受験申し込みを送信した前記学習者が前記評価試験を受験する資格を有すると判定したときに作動し、前記端末装置に前記評価試験の問題データを送信する評価試験問題送信手段と、
前記評価試験の問題に対する解答を前記端末装置から取得し、前記回答を評価して前記学習者の合否を判定する評価試験採点手段と、
この評価試験採点手段が行った判定結果を前記教育進捗データベースに格納する成績管理手段とを備えたことを特徴とした請求項3に記載の教育用サーバ。
【請求項5】
教育用データを配信する教育用サーバから取得した前記教育用データを再生する端末装置において、
前記教育用データに含まれ再生すべき順序が予め定められた複数の部分データのいずれかが最後まで再生されたときに作動し、その部分データが最後まで再生されたことを示す再生情報を含む再生ログを生成する再生ログ生成手段と、
前記再生ログを前記教育用サーバに送信する再生ログ送信手段とを備えたことを特徴とした端末装置。
【請求項6】
前記部分データのいずれかが最後まで再生されたときに作動し、前記教育用サーバから取得した簡易テストの問題データを再生し、前記学習者により入力された前記簡易テスト問題に対する解答を採点して合否を判定し、その判定結果である合否情報を前記再生ログに記録する簡易テスト採点手段を備えたことを特徴とした請求項5に記載の端末装置。
【請求項7】
前記教育用サーバとネットワークにより接続された通信用端末装置に接続する接続インターフェースを備え、前記教育用データの取得及び前記再生ログの送信は、前記通信用端末装置を介して行うことを特徴とした請求項5または請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
教育用データを配信する教育用サーバと前記教育用データを取得し再生する端末装置とを備えた教育システムにおいて、
前記端末装置は、
前記教育用データに含まれ再生すべき順序が予め定められた複数の部分データのいずれかが最後まで再生されたときに作動し、その部分データが最後まで再生されたことを示す再生情報を含む再生ログを生成する再生ログ生成手段と、
前記再生ログを前記教育用サーバに送信する再生ログ送信手段とを備え、
前記教育用サーバは、
前記再生ログを前記端末装置から取得するログ取得手段と、
前記ログ情報を学習者を特定する情報と関連付けて教育進捗データベースに格納するログ管理手段とを備えたことを特徴とした教育システム。
【請求項9】
前記教育用データには、前記部分データが最後まで再生された後に実施される簡易テストの問題データが含まれ、
前記端末装置は、
前記部分データのいずれかが最後まで再生されたときに作動し、簡易テスト問題データを再生し、前記学習者により入力された前記簡易テスト問題に対する解答を採点して合否を判定し、その判定結果である合否情報を前記再生ログに記録する簡易テスト採点手段を備えたことを特徴とした請求項8に記載の教育システム。
【請求項10】
前記端末装置は、
学習者を特定する情報を含む評価試験申し込みを前記教育用サーバに送信する受験申し込み手段を備え、
前記教育用サーバは、
前記端末装置から評価試験の受講申し込みを受信したときに作動し、前記教育進捗データベースから前記受験申し込みを送信した前記学習者を特定する情報に関連付けられた前記合否情報を取得する合否情報抽出手段と、
前記合否情報を参照し、前記学習者がすべての前記部分データに対応する前記評価試験に合格している場合に前記学習者が前記教育用データに対応する前記評価試験を受ける資格を有すると判定する受験資格判定手段とを備えたことを特徴とした請求項9に記載の教育システム。
【請求項11】
前記端末装置は、
前記評価試験の問題を前記教育用サーバから取得し再生する評価試験実施手段と、
前記学習者により入力された前記評価試験問題に対する解答を前記教育用サーバに送信する解答送信手段とを備え、
前記教育用サーバは、
前記受験資格判定手段が前記受験申し込みを送信した前記学習者が前記評価試験を受験する資格を有すると判定したときに作動し、前記端末装置に前記評価試験の問題データを送信する評価試験問題送信手段と、
前記評価試験の問題に対する解答を前記端末装置から取得し、前記回答を評価して前記学習者の合否を判定する評価試験採点手段と、
この評価試験採点手段が行った判定結果を前記教育進捗データベースに格納する成績管理手段とを備えたことを特徴とした請求項10に記載の教育システム。
【請求項12】
前記教育用サーバとネットワークにより接続された通信用端末装置を備え、
前記端末装置は、前記通信用端末装置に接続する接続インターフェースを備え、
前記教育用サーバと前記端末装置は、前記通信用端末装置を介して行われることを特徴とした請求項8ないし請求項11のいずれかひとつに記載の教育システム。
【請求項13】
教育用データを利用する学習者の学習進捗状況を管理する方法において、
再生すべき順番が予め定義された複数の部分データを含む教育用データを前記学習者が利用する端末装置に配信するステップと、
前記部分データのそれぞれが最後まで再生されたか否かを示す再生情報を前記端末装置から取得するログ取得ステップと、
前記再生情報を前記学習者を特定する情報と関連付けて教育進捗データベースに格納するログ管理ステップとを備えたことを特徴とした進捗管理方法。
【請求項14】
教育用データを利用する学習者の学習進捗状況を管理するプログラムにおいて、
コンピュータに、
再生すべき順番が予め定義された複数の部分データを含む教育用データを前記学習者が利用する端末装置に配信する機能と、
前記部分データのそれぞれが最後まで再生されたか否かを示す再生情報を前記端末装置から取得するログ取得機能と、
前記再生情報を前記学習者を特定する情報と関連付けて教育進捗データベースに格納するログ管理機能とを実行させることを特徴とした進捗管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−178641(P2007−178641A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−375959(P2005−375959)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】