説明

散気装置

【課題】散気量を最適に調整できる散気装置を提供すること。
【解決手段】散気装置1では、リンク式サポート6によってメンブレン式散気管4を支持しながらその高さ位置を変更して設置することで、メンブレン式散気管4の位置する水深を変更し、これに伴いブロワから気体が供給される際の気体の圧力損失を変化させることを可能とし、その結果、メンブレン式散気管4からの気泡の発生量すなわち散気量を最適に調整する。例えば、圧力損失の異なる2種類の散気管や散気板を並存させた状態で共通のブロワに接続する場合であっても、各々の水深を適宜調整することにより、散気量を最適に調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、散気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、下水処理場等の曝気槽に設置される散気装置において、微細な孔が形成された散気膜を備え、ブロワから空気が供給されることにより散気膜を膨らませて当該散気膜から微細気泡を発生させるいわゆるメンブレン式(「超微細気泡式」とも呼ばれる)の散気手段が用いられている。このメンブレン式の散気手段を用いることで、微細気泡の発生により高い散気効率を実現できる。
【0003】
一方、メンブレン式の散気手段を用いた場合には、微細な孔から微細気泡を発生させる機構のため、従来の散気手段(例えばディフューザ式の散気手段)に比して送気時の圧力損失が高くなる傾向にある。そのため、例えば従来の散気手段に代えてメンブレン式の散気手段を導入する移行期等において、ディフューザ式の散気手段とメンブレン式の散気手段とを並存させた状態でこれらを一台のブロワに接続した場合、圧力損失の相違に起因して各散気手段からの散気量にばらつきが生じ、好適な水処理が難しくなるといった問題がある。
【0004】
このような問題に対処すべく、例えば特許文献1に記載されるように、メンブレン式の散気手段をディフューザ式の散気手段よりも高い位置(すなわち水深が浅くなる位置)に設置し、これにより、各散気手段からの散気量の調整を図る散気装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−174354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載された散気装置では、例えば、ディフューザ式の散気手段とメンブレン式の散気手段との設置個数の比率が変わる等の要因で圧力バランスが一旦変化すると、各散気手段における散気量が変化し、そのような場合には、散気量の調整が困難であった。
【0007】
そこで本発明は、散気量を最適に調整できる散気装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る散気装置は、曝気槽内に設置されると共に送気管を介してブロワに接続され、当該ブロワから気体が供給されることにより気泡を発生させる散気部と、散気部を支持すると共に散気部の高さ位置を変更して設置する昇降手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る散気装置によれば、散気部は、昇降手段によって支持されながらその高さ位置が変更されて設置される。よって、散気部の位置する水深が変更され、これに伴いブロワから気体が供給される際の気体の圧力損失が変化するため、散気部からの気泡の発生量すなわち散気量を最適に調整することができる。従って、例えば圧力損失の異なる2種類の散気部が並存した状態で共通のブロワに接続される場合であっても、各散気部の水深を適宜調整することにより、各散気部における散気量を最適に調整することができる。
【0010】
ここで、昇降手段は、散気部を支持する支持部と、その上端が支持部に対し回動自在に連結されると共に、互いに平行な状態を保ちつつ揺動可能とされた複数のアーム部と、を有することが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、複数のアーム部が互いに平行な状態を保ちつつ揺動し、これと同時に、アーム部の上端に回動可能に連結された支持部も揺動する。そして、これらのアーム部及び支持部の揺動により、支持部により支持された散気部の高さ位置が変更されるため、上記した作用・効果を確実かつ容易に実現することができる。
【0012】
また、散気部を複数並設した散気ユニットが水平方向に複数並設され、各々の散気ユニットは、当該散気ユニットの複数の散気部内に気体を供給するためのヘッダ管を有すると共に、複数の散気ユニットの各々のヘッダ管同士が散気ユニットの並設方向に沿って配置された連結部材により連結され、連結部材に水平方向の外力が加わることで昇降手段のアーム部が支持部と共に揺動し複数の散気ユニットの高さ位置が変更されることが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、複数の散気ユニットの各々のヘッダ管同士を連結する連結部材に水平方向の外力を加えることにより、各々の昇降手段のアーム部が支持部と共に揺動し複数の散気ユニットの高さ位置を同時に変更できるため、水平方向に並設された複数の散気ユニットにおける散気量を簡易な操作で一括して調整することができる。
【0014】
また、連結部材は線状部材であり、曝気槽に対して、線状部材の一端を巻き取り線状部材を水平方向に引っ張るための巻取装置が設置されていると、巻取装置を用いて線状部材を巻き取ることで複数の散気ユニットの高さ位置を同時に変更でき、複数の散気ユニットの散気量をより一層容易に調整することができる。
【0015】
また、ブロワに接続された送気管は、フレキシブル管により散気部に対し接続されていると、散気部の高さ位置を変更した場合、フレキシブル管が散気部に追随して変形し送気管と散気部との接続状態が確保されるため、散気部における散気を支障なく行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、散気量を最適に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係る散気装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1の散気装置の平面図である。
【図3】図1の散気装置の側面図である。
【図4】図1中の散気管、架台、及びリンク式サポートを示す側面図である。
【図5】第2実施形態に係る散気装置の全体構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0019】
図1は、第1実施形態に係る散気装置の全体構成を示す斜視図、図2は、図1の散気装置の平面図、図3は、図1の散気装置の側面図である。図1〜図3に示すように、本実施形態の散気装置1は、例えば下水処理場等の水処理施設の曝気槽2内に設置され曝気槽2内の混合液(処理対象水と活性汚泥との混合液)に浸漬すると共に図示しないブロワに接続された複数の散気ユニット3を有し、これらの散気ユニット3にブロワから空気が供給されることにより、散気ユニット3から混合液中に気泡を発生させて散気を行う。
【0020】
より具体的には、散気装置1は、矩形の曝気槽2内で曝気槽2の幅方向(図2、図3の左右方向;以下、単に「幅方向」という)に並設された3台の散気ユニット3と、各散気ユニット3の下方で曝気槽2の底部に固定されると共に幅方向に並設された3台の架台5と、各架台5上で曝気槽2の長さ方向(図2の上下方向;以下、単に「長さ方向」という)に互いに離間して2台ずつ立設され散気装置を昇降可能に支持するリンク式サポート(昇降手段)6と、を備えている。この散気装置1では、1台の散気ユニット3、1台の架台5、及び2台のリンク式サポート6を備えて組立体20が構成されており、この組立体20が幅方向に3台並設されている。
【0021】
各組立体20において、散気ユニット3は、各々が幅方向に延在すると共に長さ方向に等間隔に並設された6本のメンブレン式散気管(散気部)4と、メンブレン式散気管4上で長さ方向に延在しメンブレン式散気管4の内部同士を気密に連通させる空気供給管であるヘッダ管8とを有している。メンブレン式散気管4は、ヘッダ管8への取付位置から両側に延びた管部分の周囲に微細な孔を多数有するメンブレンが巻かれた構造になっており、ブロワにより圧送された空気をヘッダ管8を通じて内部に導入しメンブレンの多数の孔から微細気泡を発生させるいわゆる超微細気泡式の散気管である。これらのメンブレン式散気管4は、「メンブレンパイプ式超微細気泡式散気管」とも呼ばれる。
【0022】
一方、曝気槽2には、ブロワからの空気を散気ユニット3に供給するための送気管9が配置されている。ブロワから延びる送気管9は、曝気槽2の幅方向の一方の側壁に沿って上下方向に敷設され、更にL字に曲げられ3台の散気ユニット3の上方近傍を横切るようにして幅方向に延設部9aが延設されている。そして、この延設部9aが、柔軟に変形可能である例えば蛇腹構造等のフレキシブル管10により各散気ユニット3のヘッダ管8の長手方向中央部に接続されている。こうして、送気管9の延設部9aは、フレキシブル管10によりメンブレン式散気管4に対し接続されている。
【0023】
架台5は、骨格部材として例えばアングル材等を用いて構成されており、曝気槽2の底部から数十cm程度の高さを有して略直方体形状に構成された本体部5aと、本体部5aの四隅部から上方に突出したサポート部5bとにより構成されている(図3参照)。本体部5aの上面で、散気ユニット3の6本のメンブレン式散気管4のうち両端の各2本と中央の2本との中間位置には、本体部5aを構成し幅方向両側で長さ方向に延びる部材同士を連結する取付部材11が、リンク式サポート6を立設するためのものとして設けられている(図2参照)。
【0024】
図1及び図3に示すように、四隅部のサポート部5bは、本体部5aの幅方向の一端部(図3の左側端部)から上方に延出する2本の延出部12と、本体部5aの幅方向の他端部(図3の右側端部)から上方に延出する2本(1本は隠れているため見えない)の延出部13とを有している。本体部5aからの延出部12の延出長は例えば数十cm程度とされ、本体部5aからの延出部13の延出長は延出部12の延出長よりも短く、例えば十cm程度とされている。延出部12の上端には、散気ユニット3の高さ位置が最も高くなる場合にヘッダ管8が載置される支持板14が水平板として固定されている。また、延出部13の上端には、散気ユニット3の高さ位置が最も低くなる場合にヘッダ管8が載置される支持板15が水平板として固定されている。
【0025】
図4は、散気ユニット3、架台5、及びリンク式サポート6を示す側面図である。リンク式サポート6は、散気ユニット3を支持すると共に散気ユニット3の高さ位置を変更して散気ユニット3を設置するためのものであり、本体部5aの取付部材11(図1及び図2参照)上で幅方向の一端部寄り(図4の左寄り)にその基端が取付部材11に対し回動可能に取り付けられると共にその各々が幅方向に離間して並設された2本のアーム部21,21と、アーム部21,21の上端で水平方向に延びてアーム部21,21同士を連結すると共に、アーム部21,21に対し回動自在に連結された支持部22とを有している。取付部材11及び支持部22に取り付けられたアーム部21,21の基端同士の間隔と上端同士の間隔とは略等しくなっており、これにより、アーム部21,21同士は平行に配置されている。また、アーム部21,21の長さは取付部材11から支持板14までの距離に略等しくなっており、アーム部21,21が直立した状態で支持板14の上面と支持部22の上面(ヘッダ管8の下端)とは略面一になる構成とされている。
【0026】
そして、リンク式サポート6の支持部22上にはヘッダ管8が載置され固定されている。このような構成を有するリンク式サポート6では、アーム部21,21が互いに平行な状態を保ちつつ長さ方向に延びる軸線回りに揺動可能とされ、このアーム部21,21の揺動に伴い支持部22が水平状態を維持しつつ揺動する。言い換えれば、リンク式サポート6は、取付部材11、アーム部21,21、及び支持部22により平行四辺形を成しつつ揺動可能とされたリンク機構を構成している。そして、リンク式サポート6の揺動に伴って、リンク式サポート6の上部に固定された散気ユニット3のメンブレン式散気管4は、リンク式サポート6によりヘッダ管8を介して支持されつつその高さ位置が変更(昇降)可能とされている。
【0027】
更に、散気装置1は、図1〜図3に示すように、幅方向(散気ユニット3の並設方向)に配置され散気ユニット3のヘッダ管8同士を連結する連結部材であるワイヤ(線状部材)23と、曝気槽2を構成する側壁につながる一の上壁に設置されワイヤ23の一端を巻取ることによりワイヤ23を水平方向に引っ張るための巻取装置24とを有している。ワイヤ23は、一の上壁及び側壁に固定された滑車25,26を介して幅方向に延び、各ヘッダ管8の長手方向中央付近に係合されると共に、巻取装置24とは反対側の端部は反対側の側壁に設けられた滑車27を介して下方に延び、おもり28によって緊張されている。このワイヤ23は、ヘッダ管8同士の間において、幅方向且つ水平方向に伸縮するバネ部29を有している。
【0028】
このように構成された散気装置1では、巻取装置24によってワイヤ23の一端を巻き取ることで、ワイヤ23に水平方向(図3の左方向)の引張力が加わり、その結果、リンク式サポート6のアーム部21,21が支持部22と共に揺動し、散気ユニット3の高さ位置が上昇させられる。そして、ヘッダ管8が架台5の支持板14上に載置されると、散気ユニット3の高さ位置が最も高い状態となる(図4の仮想線で示す位置P1)。
【0029】
また、巻取装置24によってワイヤ23を繰り出すことで、おもり28の自重によってワイヤ23に水平方向(図3の右方向)の引張力が加わり、その結果、リンク式サポート6のアーム部21,21が支持部22と共に揺動し、散気ユニット3の高さ位置が降下させられる。そして、ヘッダ管8が架台5の支持板15上に載置されると、散気ユニット3の高さ位置が最も低い状態となる(図4の仮想線で示す位置P2)。
【0030】
更には、巻取装置24によってワイヤ23を巻き取る長さを調整することで、散気ユニット3の高さ位置が最も高くなる位置P1と低くなる位置P2との間で散気ユニット3を停止させることもできる(図4の実線で示す例えば位置P3)。
【0031】
以上説明した本実施形態の散気装置1によれば、メンブレン式散気管4は、リンク式サポート6によって支持されながらその高さ位置が変更されて設置されるため、メンブレン式散気管4の位置する水深を変更でき、これに伴いブロワから気体が供給される際の気体の圧力損失を変化させることができ、その結果、メンブレン式散気管4からの気泡の発生量すなわち散気量を最適に調整することができる。従って、例えば圧力損失の異なる2種類の散気管や散気板が並存した状態で共通のブロワに接続される場合であっても、各々の水深を適宜調整することにより、散気量を最適に調整することができる。
【0032】
より具体的には、例えばメンブレン式散気管よりも圧力損失の小さい散気板(例えばディフューザ式の散気板)を用いていた処理場において、当該散気板の一部に代えてメンブレン式散気管4を導入し、メンブレン式散気管4と散気板とがブロワに接続される場合、散気板が設置される高さに対し、リンク式サポート6によりメンブレン式散気管4の高さ位置を高くする等の調整を行うことで、散気板とメンブレン式散気管4との各々における水深を調整でき、メンブレン式散気管4と散気板とにおける散気量を最適に調整することができる。
【0033】
また、複数のアーム部21,21が互いに平行な状態を保ちつつ揺動し、これと同時に、アーム部21,21の上端に回動可能に連結された支持部22も揺動し、これらのアーム部21,21及び支持部22の揺動により、支持部22により支持された散気ユニット3の高さ位置が変更されるため、上記した作用・効果を確実かつ容易に実現することができる。
【0034】
また、複数(ここでは3台)の散気ユニット3の各々のヘッダ管8同士を連結するワイヤ23に水平方向の外力を加えることにより、各々のリンク式サポート6のアーム部21,21が支持部22と共に揺動し複数(3台)の散気ユニット3の高さ位置を同時に変更できるため、水平方向に複数並設された散気ユニット3における散気量を簡易な操作で一括して調整することができる。
【0035】
また、ワイヤ23の一端を巻き取りワイヤ23を水平方向に引っ張るための巻取装置24が設置されているため、巻取装置24を用いてワイヤ23を巻き取ることで散気ユニット3の高さ位置を同時に変更でき、複数の散気ユニット3の散気量を簡易な作業で一層容易に調整することができる。
【0036】
また、ブロワに接続された送気管9の延設部9aは、フレキシブル管10によりメンブレン式散気管4に対し接続されているため、メンブレン式散気管4の高さ位置を変更した場合、フレキシブル管10がメンブレン式散気管4に追随して変形・移動し送気管9とメンブレン式散気管4との接続状態が維持され、散気ユニット3における散気を支障なく行うことができる。
【0037】
また、ワイヤ23により連結されたヘッダ管8同士の間には、水平方向に伸縮するバネ部29が設けられているため、散気ユニット3の昇降操作において各散気ユニット3の上昇・降下をスムーズに行うことができる。
【0038】
図5は、第2実施形態に係る散気装置の全体構成を示す斜視図である。図5では、各々同様の構成を有する散気装置1Aが幅方向に3台並設される場合を示している。
【0039】
図5に示す本実施形態の散気装置1Aが第1実施形態の散気装置1と違う点は、散気ユニット3を長さ方向に並設すると共に、散気ユニット3のヘッダ管8同士を連結するワイヤ23を長さ方向に配置した点と、長さ方向に延びる軸線回りに揺動可能とされたリンク式サポート6に代えて、幅方向に延びる軸線回りに揺動可能とされたリンク式サポート(昇降手段)30を設けた点と、ワイヤ23を緊張させる滑車27及びおもり28に代えて、ワイヤ23が一定のテンションを保つようワイヤ23の他端を巻き取る巻取装置34を設けた点である。散気装置1Aでは、巻取装置34は、曝気槽2を隔てて巻取装置24とは反対側の上壁に設けられており、ワイヤ23は、滑車32,33を介して巻取装置34により緊張されている。
【0040】
このように構成された散気装置1Aでは、巻取装置24によってワイヤ23の一端を巻き取りつつ巻取装置34によってワイヤ23の他端を繰り出すことで、リンク式サポート30の揺動と共に散気ユニット3を上昇させることができる。また、これとは逆に巻取装置34によってワイヤ23の他端を巻き取りつつ巻取装置24によってワイヤ23の一端を繰り出すことで、リンク式サポート30の揺動と共に散気ユニット3を降下させることができる。更には、巻取装置24,34によってワイヤ23の巻き取り・繰り出しを適宜行うことで、散気ユニット3の高さ位置が最も高くなる位置と低くなる位置との間で散気ユニット3を停止させることができる。
【0041】
このような本実施形態の散気装置1Aによれば、揺動方向が変更されているが、上記した第1実施形態の散気装置1と同様の作用・効果が得られる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、連結部材がワイヤ23である場合について説明したが、例えばチェーン等の他の線状部材であってもよい。また、ヘッダ管8同士を連結する部材については、線状部材に限られず、剛性の高い部材を用いてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、複数のメンブレン式散気管4とヘッダ管8とにより散気ユニット3が構成される場合について説明したが、散気ユニットの構成はこれに限られない。例えば、送気管9,9aにメンブレン式散気管4が直接接続されてもよい。また、散気部としてメンブレン式散気管4を用いる場合に限られず、メンブレン式の散気板を用いてもよく、メンブレン式ではない従来の散気管や散気板を用いてもよい。
【0044】
更には、ブロワにより供給される気体は空気に限られず、例えば好気性処理であれば純酸素等でもよい。また、光合成微細藻類が対象の場合には、二酸化炭素を供給してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1,1A…散気装置、2…曝気槽、3…散気ユニット、4…メンブレン式散気管(散気部)、6,30…リンク式サポート(昇降手段)、8…ヘッダ管、9,9a…送気管、10…フレキシブル管、21…アーム部、22…支持部、23…ワイヤ(線状部材)、24,34…巻取装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
曝気槽内に設置されると共に送気管を介してブロワに接続され、当該ブロワから気体が供給されることにより気泡を発生させる散気部と、
前記散気部を支持すると共に前記散気部の高さ位置を変更して設置する昇降手段と、
を備えることを特徴とする散気装置。
【請求項2】
前記昇降手段は、
前記散気部を支持する支持部と、
その上端が前記支持部に対し回動自在に連結されると共に、互いに平行な状態を保ちつつ揺動可能とされた複数のアーム部と、
を有することを特徴とする請求項1記載の散気装置。
【請求項3】
前記散気部を複数並設した散気ユニットが水平方向に複数並設され、
各々の前記散気ユニットは、当該散気ユニットの前記複数の散気部内に前記気体を供給するためのヘッダ管を有すると共に、
前記複数の散気ユニットの各々のヘッダ管同士が前記散気ユニットの並設方向に沿って配置された連結部材により連結され、
前記連結部材に水平方向の外力が加わることで前記昇降手段の前記アーム部が前記支持部と共に揺動し前記複数の散気ユニットの高さ位置が変更されることを特徴とする請求項2記載の散気装置。
【請求項4】
前記連結部材は線状部材であり、
前記曝気槽に対して、前記線状部材の一端を巻き取り前記線状部材を水平方向に引っ張るための巻取装置が設置されていることを特徴とする請求項3記載の散気装置。
【請求項5】
前記ブロワに接続された前記送気管は、フレキシブル管により前記散気部に対し接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の散気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−533(P2012−533A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135232(P2010−135232)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(507036050)住友重機械エンバイロメント株式会社 (88)
【Fターム(参考)】