説明

整形外科装置

長骨(11)3の変形を矯正するための整形外科装置(10、110、210、310)は、軸(Y−Y)に沿って延び、骨(11)に並んで配置されるように意図されたバー(12)と、前記バー(12)に着脱自在に取り付けられた、少なくとも第1グループの骨螺子(16)のための第1クランプ(14、214、314)及び第2グループの骨螺子(20、22)のための第2クランプ(18、19、118)とを備え、前記第1クランプ(14、214、314)は、前記バー(12)に取り付けられた支持基部(21、221、321)の上に配置され、回転結合の手段によって、与えられた回転軸(X−X5 XJ−XJ、Z−Z)の回りに支持基部に対して回動自在であり、前記回転結合は、第1クランプ(14、214、314)に関連付けられ、少なくとも部分的に円筒形状の表面を有する雄部材(35;235、236、237、238、239;333、334)と、それに対応する雌部材(36;130;250、254、255;336、337)とを備え、該雌部材は支持基部(21、221、321)に関連付けられ、少なくとも部分的に円筒形状の表面を有し、これが雄部材(35;235、236、237、238、239;333、334)の疎結合のための座部を構成していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長骨の変形を矯正するための整形外科装置に関する。
この装置は、与えられた軸に沿って延び、骨の外側に位置決めされ得る長手バーと、少なくとも第1グループの骨螺子のための第1クランプ及び第2グループの骨螺子のための第2クランプとをそれぞれ備えたタイプのものであり、前記クランプは前記長手バーに着脱自在に取り付けられ、前記第1クランプは前記長手バーに取り付けられた支持基部の上に配置され、回転結合の手段によって、与えられた回転軸の回りに、長手バーに対して回動自在である。
【背景技術】
【0002】
長骨の変形を矯正するために、骨を外科的切断によって二つ以上の部分に分け、二つの部分を正しい位置に配置して互いに接触させ、線維軟骨性仮骨を形成させる方法を使用することが知られている。
【0003】
また、長骨の自然な湾曲に一致しない湾曲が生じた変形の場合、いわゆる湾曲変形の場合は、各部分を互いに接触させて配置することに加えて、二つの部分の相互角度位置を調整し、骨の正しい自然な形状にリセットすることが必要であることが分かっている。
【0004】
一般に、整形外科装置の必要性が知られており、これによって、骨螺子の相互角度位置を調整することができ、その結果、矯正すべき変形骨の形状及び湾曲に基づいて、各部分の相互角度位置を調整することができる。
【0005】
二つの部分を正しい位置に保持するために、前述のタイプの整形外科装置を骨の外側に使用することが知られている。つまり、整形外科装置は、骨の側面の外側に配置された長手バーを備え、その上に、それぞれのグループの骨螺子を保持するクランプがスライド自在に取り付けられている。
骨螺子は骨部分に固定されて、骨部分の互いの接触を維持する。
【0006】
より詳しくは、特許出願VR97A000013に記載されているような整形外科装置が発明されており、これは、二つのクランプのお互いに対する角度調整手段を備えている。特に、二つのクランプの一つが支持基部に取り付けられ、支持基部は回転結合手段によって、略長手軸の回りに回転自在に、バーの長手軸に並行に取り付けられている。より詳しくは、支持基部が中間本体に取り付けられ、中間本体は略横断軸の手段によってブラケットにヒンジ接続され、ブラケットは長手軸の回りに回転自在に長手バーに取り付けられている。
【0007】
ストップ螺子が設けられ、長手軸の回りの支持基部と、中間本体及び長手バーに関連するブラケットをそれぞれブロックしている。
【0008】
クランプの角度変位は、中間本体にヒンジ接続された端部を有する螺子と、包まれた六角形が設けられた反対側の端部と、ブラケットに一体化されたナットプレートに係合している中央部によって徐々に行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
公知の整形外科装置は、種々の観点から有利であり、略目的に合致しているが、未だ克服されていない欠点を有している。
【0010】
公知の整形外科装置の主な欠点は、第1回動可能クランプガイドバーの端部にのみ配置可能であり、前記長手バーの全延長方向に沿う利用の可能性を制限していることである。
【0011】
公知の整形外科装置の更なる欠点は、回動可能クランプが整形外科装置全体のサイズを大きくし、その結果、実用性と患者による使用の快適性を阻害していることである。
それゆえ、本発明の基本的な技術的課題は、このような構造を有する整形外科装置を工夫して、前述の従来技術の欠点を克服することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の技術的課題は、前述のタイプの整形外科装置の以下のような構成によって解決される。回転結合が、第1クランプに連結された雄部材を備え、該雄部材は少なくとも部分的に円筒状表面を有し、対応する雌部材によって緩やかに受け入れられている。この雌部材は、雄部材用の座部であり、支持基部に結合している。
【0013】
基本的には、本発明の基礎を形成する着想は、雄座部内における円筒状雄部材の回転結合を、前記クランプと前記支持基部との間で直接形成することである。この構成により、整形外科装置全体のサイズを小さくして、前記クランプを前記長手バーに沿う任意の位置に配置することができる。
【0014】
本発明の更なる利点は、雄部材の少なくとも部分的に円筒形状の表面と、前記対応する雄座部との間の回転結合において、そのような部材が緩く受け入れられ、広い角度変位の可動を可能にし、同時に、前記クランプと前記相対的な基部とが前記長手バーに沿う任意の位置に位置決めされ得ることである。
【0015】
更に、この結合は、整形外科装置が全体としてコンパクトで最小限のサイズであることを可能にしている。
【0016】
円筒状雄部材及び相対的な雄座部の回転結合が直接前記第1クランプ及び前記支持基部との間に形成されていることの更なる利点は、実用条件及び矯正すべき骨変形に応じて、異なる回転結合を有する多くの種類の交換可能な実施形態を開発可能なことである。
【0017】
特に、第1実施形態において、整形外科装置は、前記回転軸が前記長手バー及び骨螺子を通過する平面に垂直となるように構成され、これによって、他のグループの骨螺子に対して、第1グループの骨螺子の前記平面上での角度位置が、骨に対して接近又は離間するように調整され得る。
【0018】
この第1実施形態において、好ましくは、第1クランプが、回転軸に一致する軸を有する円筒状突出部を備え、これは、支持基部に形成された円形孔に受け入れられる雄部材として働く。
【0019】
好ましくは、支持基部及び第1クランプが、それぞれ長辺及び短辺を有する略長方形の形状を有し、円筒状突出部及び円形孔は下顎部及び支持基部の二つの対向する長辺の間において最大可能直径で延び、回転における最大安定性を確保している。
【0020】
この第1実施形態における角度変位をガイドするために、中心が回転軸上にある円弧状の形状を有するガイドスロットが設けられ、前記スロットは第1クランプに形成され、前記クランプ螺子が前記スロットに挿入され、支持基部にねじ込まれている。
【0021】
好ましくは、前記角度変位を行うために、圧縮/伸長器が設けられ、これは、第1クランプ及び第2クランプに着脱自在に接続されたドライブ螺子を備え、より具体的には、前記圧縮/伸長器が、回転軸に対して横向きに延びる腕部を有する梃子接続部材によって第1クランプに接続されている。この梃子接続部材によって、ユーザーが角度変位を行うために必要な力を低減することができる。
【0022】
この第1実施形態において、第2クランプは、前記長手バーに直接取り付けられた二つの顎部を備えている。
【0023】
この第1実施形態と異なり、第2実施形態では、第2クランプが、前記長手バーの軸に対して前記長手バーを横断するように変位することができ、骨に対して接近離間するように直線往復運動することができる。この直線運動によって、必要な場合は、角度変位後の骨の変位を補償することができる。
【0024】
好ましくは、この第2実施形態において、第2クランプはキャリッジ上に取り付けられ、ドライブ螺子によってキャリッジに対して前記直線運動による変位が可能であり、前記ドライブ螺子は回転するが変位せず、キャリッジの孔に挿入されて軸方向に保持される軸部を有し、第2クランプにねじ込まれることによって結合される。
【0025】
本発明による整形外科装置の第3実施形態において、第1クランプは、骨螺子を通る平面に垂直な軸回りに角度変位するように支持基部に対して回動自在であり、かつ、骨に対して接近離間する際に、前記平面に平行に直線往復運動するように支持基部に対して横断方向に直線変位自在である。
【0026】
基本的に、この第3実施形態において、同じ第1クランプによって、角度変位が行われると共に、前述の角度変位に伴う骨の変位の補償を行うために、必要な場合は、直線的な変位が行われる。その結果、この第3実施形態において、第2クランプは変位可能タイプではなく、第1実施形態のように、前記長手バー上に直接取り付けられた二つの顎部を備えている。
【0027】
この第3実施形態において、角度変位及び直線変位の両方を行うために、整形外科装置は、二つのドライブ螺子を備え、これらは回転するが変位せず、雄部材のための座部の両側において、支持基部の対応する孔に挿入されて軸方向に保持され、雄部材の両側において第1クランプにねじ込まれ、前記両ドライブ螺子は、前記角度変位を行うためには互いに逆回転方向に共に回転駆動され、かつ、前記直線往復運動を行うためには互いに同一回転方向に共に回転駆動される。
【0028】
好ましくは、この第3実施形態において、第1クランプは、二つのクランプ螺子によって互いに閉じられた上顎部及び下顎部を備え、前記下顎部は略U字状の断面を有し、単一の本体に、略長方形の形状を有する中央ブロックと、二つの横向きの付属部を備え、これら付属部は、中央本体部に対して張り出すように横向きに突出し、中央ブロックの底部において、その四隅に、円筒状の形状を有するフラップがそれぞれ設けられ、このフラップが、第1クランプの角度変位のための雄部材を構成している。
ドライブ螺子は、横向きの付属部のそれぞれにねじ込まれる。
【0029】
この第3実施形態の支持基部は、略長方形の形状を有する凹部が形成された略板状体を備え、該凹部はその両側で横向きの端部を形成し、前記凹部に面する側の横向きの端部のそれぞれが、二つの直線状スライドガイドを形成する逆L字状の形状を有するセグメントを備え、前記凹部とそれによって形成される二つのスライドガイドが、前述の4つのフラップのために、ひいては雄部材のための座部として働く。
【0030】
各横向きの端部のそれぞれにおいて対応するドライブ螺子が挿入され、ドライブ螺子の頭部と軸部との間に形成された谷部に受け入れられる弾性ピンによってドライブ螺子が保持される。
【0031】
第4実施形態において、第1クランプは前記長手バーに対して、前記長手バーの軸に平行な軸回りに回動自在であり、これによって骨螺子の揺動タイプの角度変位が可能である。本実施形態に係る整形外科装置は、例えば大腿骨のように自然な湾曲を有する長骨の側面に配置されるように構成されている。第1クランプは、そのような湾曲部に配置され、回転軸回りに傾けられることによって、骨螺子が骨に届くようになる。第1クランプは、支持基部に挿入されて第1クランプにねじ込まれるロック螺子によって,所望の角度位置に固定される。
【0032】
この第4実施形態において、第1クランプは、ロック螺子によって閉じられた上顎部及び下顎部を備え、下顎部は略C字状の形状を有し、略長方形の形状を有する中央板状体と、その両側に設けられた第1円筒状本体及び第2円筒状本体を備え、これら円筒状本体は共に前記回転軸に一致する軸を有し、前記円筒状本体が雄部材を構成している。
【0033】
支持基部は略C字状の形状を有し、前記第1クランプが配置される略板状の長方形の中央本体部を備え、第1環状本体及び第2環状本体を対応する側に備え、それらの軸は回転軸に一致し、それら環状本体に、前記第1及び第2円筒状本体を緩く受け入れるための円筒状孔が形成されている。これらの環状本体は、雄部材/円筒状本体のための座部として働く。
【0034】
ロック螺子は、好ましくは、支持基部の第2環状本体に形成されたスロットに挿入され、第1クランプの第2円筒状本体にねじ込まれている。
【0035】
好ましくは、この第4実施形態において、第2クランプは変位可能タイプではなく、第1実施形態のように、前記長手バーに直接取り付けられた二つの顎部を備えている。
本発明による整形外科装置の更なる特徴と利点は、以下に示すいくつかの例である実施形態の説明(限定的な目的ではない)と添付の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施形態に係る本発明による整形外科装置の斜視図
【図2】図1の整形外科装置のクランプを示し、各部品が分離された図
【図3】図2のクランプの斜視図
【図4】図3のクランプの平面図
【図4a】本発明による整形外科装置がT断面バーで結合された、3つの部分に分離された長骨の正面図
【図5】図4のV−V線に沿う断面図
【図6】図3のクランプの支持基部の上からの斜視図
【図7】図2のクランプの下顎部の下からの斜視図
【図8】図7の顎部の上からの斜視図
【図9】図1の整形外科装置の別のクランプの斜視図
【図10】図9のクランプの平面図
【図11】図10のXI−XI線に沿う断面図
【図12】図1の整形外科装置のインサート部品の斜視図
【図13】図1の整形外科装置の接続部材の斜視図
【図14】第2実施形態に係る本発明による整形外科装置の正面図
【図14a】第2実施形態に係る本発明による整形外科装置の斜視図
【図15】図14の整形外科装置のクランプの斜視図
【図16】図15のクランプの平面図
【図17】図16のXVII−XVII線に沿う断面図
【図18】図14のクランプのキャリッジの下からの斜視図
【図19】図15のクランプの下顎部の下からの斜視図
【図20】図15のクランプの詳細の斜視図
【図21】図20の詳細から部品を取り除いた斜視図
【図22】図15のクランプの下からの平面図
【図23】図15のクランプのための螺子の図
【図24】第3実施形態に係る本発明による整形外科装置の正面図
【図24a】第3実施形態に係る本発明による整形外科装置の斜視図
【図25】図24及び図24aの整形外科装置のクランプの斜視図
【図26】図25のクランプの上からの平面図
【図27】図26のXXVII−XVII線に沿う断面図
【図28】図25のクランプの詳細の斜視図
【図29】図20の詳細から部品を取り除いた斜視図
【図30】図25のクランプの下からの平面図
【図31】図30のXXXI−XXXI線に沿う断面図
【図32】図25のクランプの下顎部の上から見た図
【図33】図32のXXXIII−XXXIII線に沿う断面図
【図34】図25のクランプのためのボルトの斜視図
【図35】第4実施形態に係る本発明による整形外科装置の斜視図
【図36】別の手術条件における図35の整形外科装置の斜視図
【図36a】図35の装置の側面図
【図37】図35の装置のクランプの斜視図
【図38】図37のクランプの平面図
【図39】図38のXXXIX−XXXIX線に沿う断面図
【図40】図37のクランプの詳細の斜視図
【図41】図40の詳細から部品を取り除いた斜視図
【図42】図40のXLII−XLII線に沿う部分断面を上から見た図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
添付図において、参照番号10、110、210、310は、本例では脛骨又は大腿骨である長骨11の変形を矯正するための、本発明による整形外科装置の異なる実施形態を示している。特に、上に示した関連する図面に強調されているように、変形の矯正を許容するために、骨11は外科的切断によって二つの部分11a、11bに分けられ(図1)、又は2箇所の外科的切断により3つの部分11a、11b、11cに分けられている。
特に、図1から図13は、第1実施形態に係る整形外科装置10を示している。
【0038】
この整形外科装置10は、バー12(以下、長手バーともいう)を備え、これは例えば、カーボンファイバーとエポキシ樹脂の引出し成形によるOrthtek WF(登録商標)、あるいはPeek CA30(登録商標)のような合成材料で作られている。バー12は、例えば、アルミニウム合金で作ることもできる。このバー12は、与えられた軸Y−Yに沿って延び、横向きに、かつ、骨11に略平行に置かれるように意図されている。本発明による整形外科装置はまた、骨の第1部分11aにねじ込まれる第1グループの骨螺子16用の第1クランプ14と、骨の第2部分11bにねじ込まれる第2グループの骨螺子20用の第2クランプ18を備えている。これらのクランプはまた、鋼、チタニウム合金、又はアルミニウム合金製のインサート部品と共にPeek CA30(登録商標)で作ることができる。
【0039】
図1の例において、整形外科装置10はまた、骨の第3部分11cにねじ込まれるように意図された第3グループの骨螺子22用の第3クランプ19を備えている。
これらすべてのクランプ14、18及び19は、長手バー12に着脱自在に取り付けられている。
【0040】
特に、第2クランプ18及び第3クランプ19は互いに同一であり(図9、図10、及び図11)、それぞれが上顎部23及び下顎部24を備え、これらは二つのクランプ螺子25、26を用いて互いに閉じ合わされている。クランプ螺子は好ましくは鋼及び/又はチタニウム合金で作られるが、他の材料も同等に適している。各クランプは、骨螺子20、22を収容する横断座部29を形成する横断溝を備えている。
【0041】
シリコン又は別の材料で作られた弾性リング33が上顎部23の適切な窪みに配置され、これらがクランプ螺子25、26に摩擦力を付与している。
【0042】
下顎部24は実質的に固定された顎部であり、これとの関係で、上顎部23は下顎部24に対して着脱自在にガイドされている。もちろん、下顎部24はバー12に対して固定されていると考えるべきではなく、逆に、キャリッジのようにスライド自在に案内される。
【0043】
この下顎部24は、略T字状の断面を有し、逆T字状断面を有する垂直コア27を備え、これが適合する長手バー12の逆T字状溝15にスライド自在に挿入され、与えられた長手方向位置にロック螺子28によって固定される。
【0044】
特に、ロック螺子28は長手バー12の縦孔の下から挿入され、クランプ18、19の下顎部24にねじ込まれる。
【0045】
下顎部24はまた、二つの顎部に曲げモーメントが加わったときに、それらが開くのを防ぐために設けられる横フィンを備えている。
【0046】
図9、10、11に示すように、すべての螺子25、26、28は、クランプの本体、本例では下顎部24の本体に直接ねじ込まれるのではなく、中空のインサート部品30、31、32にそれぞれねじ込まれる。これらインサート部品は、好ましくは鋼で作られ、あるいは、アルミニウム又はチタニウム合金で作られ、その内部に螺子が切られ、略円筒状の形状を有する。
【0047】
これらのインサート部品30、31、32は、外側にも螺子が切られており、ねじ込み手段によって下顎部24に固定される。
これらインサート部品30の一つが図12に示されている。
【0048】
特に、以下に説明する実施形態の整形外科装置10、110、210、310は、ロック螺子をねじ込む同一のインサート部品を更に備えている。説明の簡略化のために、以下、このインサート部品の説明は省略する。
【0049】
二つのクランプ18及び19と異なり、第1クランプ14は、支持基部21の上に配置され、支持基部21は前記長手バー12の上にスライド自在に取り付けられている。
【0050】
クランプ14はまた、雌部材とその中の雄部材との回転結合の手段によって、支持基部21に対して回動自在である。その結果、長手バー12に対して、与えられた回転軸、本例では軸X−X(図2)の回りに、すべての骨螺子16、20、22を通る面に垂直に、骨螺子16の前記平面における角度位置を他の骨螺子20及び22に対して調整することができる。こうして、それらに結合された骨の部分11a、11b及び11cの角度位置を調整することができる。
【0051】
特に、角度変位を許容するために、整形外科装置10は円筒状突出部35を備え(図5及び7)、これはクランプ14に関連して雄部材を構成し、円形孔36(図6)に緩く係合している。これは、雄部材の雄座部として機能し、支持基部21に結合している。
【0052】
特に、本実施形態において、第1クランプ14は上顎部37を有し(第2及び第3クランプ18、19の上顎部23と混同すべきでない)、これはクランプ14の着脱自在のカバーを構成している。下顎部38(下顎部24と混同すべきでない)は、クランプ14の固定された基部を構成している。両顎部37及び38は、略長方形の形状を有する。
【0053】
特に、下顎部38は上顎部37より大きく、短辺38a、38bと長辺38c、38dを有し、曲線断面を有する横延長部51を短辺38bに備えている。
【0054】
より詳しくは、下顎部38は前述の円筒状突出部35を備えている。この円筒状突出部35は、下顎部38の一面から上顎部37に面する向かい側へ突出している。
【0055】
クランプ18及び19と同様に、第1クランプ14にも各グループの螺子16を受ける横断座部39が設けられ、上顎部37及び下顎部38を互いに閉じるために二つのロック螺子40、41(図5、他のクランプ18及び19のクランプ螺子25、26と混同すべきでない)を備えている。
【0056】
支持基部21(図6)は、曲線状の短辺21a、21bと直線状の長辺21c、21dを有する略長方形状の板状体を備え、クランプ14の支持部を構成する上部翼部42が略T字状の横断面を形成し、クランプ18及び19の垂直コア27と同一形状の下部垂直コア43を備えている。これにより、逆T字状断面が形成され、これが長手バー12の長手溝15にスライド自在に挿入される。
【0057】
上述のように、貫通孔36が支持基部21に形成され、雄部材のための前述の座部を構成しており、前述の円筒状突出部35を緩く受け入れている。
【0058】
また、図から分かるように、円筒状突出部35及び円形孔36がかなりの部分を占め、特に、下顎部38及び支持基部21それぞれの二つの対向する長辺38c、38d、21c、21dの間に、可能な最大直径で延びており、本例では、この直径は36mmである。
【0059】
このような構成により、支持基部21の円形孔36の中で円筒状突出部35が回転する手段によって、第1クランプ14は軸X−X回りに回動自在である。
【0060】
軸X−X回りのクランプ14の角度変位をガイドするために、整形外科装置10はガイドスロット50を備えている。ガイドスロット50は、軸X−X上に中心がある円弧形状を有し、下顎部38の横延長部51の上に形成されている。ガイドスロット50のアーチ状の延長部は十分大きく、本例では、スロットが、中心に対して約50°の角度を規定している。特に、骨11に向う方向に最大25°、骨11から離れる方向に最大−25°の角度変位を規定している。
【0061】
支持基部21に対する任意の角度位置でクランプ14をブロックするために、クランプ螺子52がガイドスロット50に上方から挿入され、支持基部21に挿入された内螺子溝付きインサート部品にねじ込まれている。
【0062】
図面から分かるように、そして整形外科装置10の別の一面によれば、クランプ14の下顎部38も長手バー12に直接固定されている。
【0063】
基本的には、クランプ14も長手バー12に連結されている。特に、クランプ14の下顎部38は、円筒状突出部35から同軸状に突出している連結部材53を備え、これは突出部35より小さなサイズを有し、略T字状の断面形状を有する。実際には、このような連結部材53が、長手バー12のT字状溝15内をスライドするように横向きに挿入される。T字状の形状により、連結部材53は第1クランプ14を長手バー12のT字状溝15内に制限し、この制限は、溝15自身から抜くことによってのみ解除される。
【0064】
より詳しくは、連結部材53は円筒形状の端部49を有し、これによって溝15の中で軸X−X回りの角度変位が推進される。
【0065】
長手バー12上の所定の軸方向位置にクランプ14を安定して固定するために、クランプ螺子55が設けられ、前述の長手バー12の縦貫通孔13と支持基部21の円形孔36とに挿入され、連結部材53に形成された円筒状インサート部品57を備えた孔56にねじ込まれる。このように、クランプ14の支持基部21と長手バー12との間の角度をロックするために、参照番号52で示された螺子をクランプすることが必要である。
【0066】
支持基部21に第1クランプ14で保持された骨螺子16の角度を変化させるために、整形外科装置10は、第1クランプ14と第2クランプ18との間に着脱自在に連結される圧縮/伸長器58(図1)を備えている。
【0067】
圧縮/伸長器58は、螺子溝付き軸61を有するドライブ螺子54を備え、両端部に、第1クランプ14に対向する第1頭部59と第2クランプ18に対向する第2頭部60とを備え、両者には囲まれた六角形が設けられている。この囲まれた六角形に対して道具を用い、螺子54が内嵌すべき第1内螺子溝付きスリーブ62に対して螺子54を操作することができる。
【0068】
特に、螺子54の螺子溝付き軸61が接続部材65を介して第1クランプ14に連結され、接続部材65は鋼、アルミニウム合金、又はナイロン(登録商標)及びシリコンのようなプラスチック材料で作ることができる。それゆえ、図13に示すように、内螺子溝付きの第1スリーブ62によって第2クランプ18に接続され、第1スリーブ62には軸61がねじ込まれ、そのようなスリーブ62は、第2クランプ18の上顎部23に形成された係合孔64に挿入された係合ピンを備えている。
【0069】
特に、接続部材65は、平坦な板状体66と、腕部69とを備えている。板状体66の下面には、クランプ14の下顎部37、38の上端部に形成された対応する係合孔に圧入された4本の係合ピン67が設けられている。腕部69は、螺子54の螺子溝付き軸61がゆるく連結された少なくとも一つの目孔70を有する自由端部を有している。特に、目孔70は螺子54の第1頭部59と、螺子の軸61にねじ込まれた内螺子溝付きリングとの間に、軸方向に保持され得る。
【0070】
整形外科装置10を用いて骨の変形を矯正するために、以下のことが行われる。
骨に2箇所の骨切り術を施した後、最初の二つの骨部分が整形外科装置10を用いて互いに正しい相互位置に維持され、第2部分と第3部分の間に空間が設けられる。特に、初めは、第2クランプ18と第3クランプ19が長手バー12の溝にスライド自在に挿入され、クランプ螺子28を用いて溝の所定位置に固定される。一旦皮膚硬結が形成されれば、圧縮/伸長器58を用いて、第2部分11bと第3部分11cが接触するようにクランプ18が引っ張られる。クランプ14は、支持基部21と一緒に、長手バー12の溝にスライド自在に挿入される。特に、クランプ14の下顎部の円筒状突出部35が支持基部21の円形孔36に挿入され、連結部材53が支持基部21の垂直コア43と一緒に長手バー12の溝に挿入される。
【0071】
クランプ14は、螺子52を用いて支持基部21に固定され、支持基部21と一緒に螺子55を介して長手バー12に固定されている。
【0072】
3つのクランプ14、18、19の下顎部24、38と上顎部23、37との間に、各部分にねじ込まれた骨螺子16、20、22が挿入され、保持されている。
【0073】
長手バーの第1クランプ14、第2クランプ18、及び第3クランプ19の相互間の位置は、二つの部分が接触して線維軟骨の皮膚硬結の形成を生ずるように設定される。
【0074】
その後、二つの部分の角度位置を与えられた角度に調整するために、平坦なボタン66の係合ピン67と第2クランプ18上のスリーブ62の係合ピンを挿入することによって、圧縮/伸長器58が取り付けられる。
【0075】
クランプ螺子52及び55は、クランプ14の角度変位を許容するように、予め緩められている。
【0076】
その結果、圧縮器58の螺子54を、第1端部59又は第2端部60において、ある回転方向にねじ込むことにより、支持基部21に対するクランプ14の軸X−X回りの角度変位が得られ、骨に対して接近し、又は離れることになる。特に、圧縮器58を第1端部59に対して、ある回転方向にねじ込むことにより、クランプ14の最大+25°の正の角度変位が得られ、他方、第2端部60に対してねじ込むことにより、クランプ14の最大−25°の負の角度変位が得られる。
【0077】
一旦、正しい角度位置に達すれば、第1クランプ14は螺子55の最終的な締め付けによって長手バー12に固定され、螺子52の最終的な締め付けによって支持基部21に固定される。
【0078】
本実施形態による整形外科装置の第1の利点は、支持基部の円形孔におけるクランプの円筒状表面の係合により、比較的小さな全体サイズのクランプで角度位置の調整を行うことができる点である。
【0079】
更に、円形孔における円筒状表面の回転結合により、最大50°の広い可動角度変位が得られる。
【0080】
更なる利点が、円筒状突出部と円形孔との大きい直径から得られる。実際、雄部材と対応する座部との間に大きな接触面を有するこのような構成により、回転中の前記装置の高い安定性が確保される。
【0081】
更に有利な点は、支持基部に対するクランプの角度変位が、クランプの二つの顎部の間の締め付けを緩める必要なく得られることである。基本的には、骨螺子は角度変位の間、二つの顎部の間に保持されることができるので、ユーザーが前記装置を使用する際に、独特の簡素さの利点を得ることができる。
【0082】
更なる利点は、クランプ14の連結部材と長手バー12との安定的な連結によって得られる。実際、クランプ螺子55及び52が角度変位を許容するように緩められ、あるいは意図しないで緩み、あるいはクランプ螺子55が紛失されたときに、連結部材53の安定的な連結のおかげで、クランプ14が抜け落ちたり紛失されたりする危険性が無いといった利点がある。
【0083】
更なる利点が、接続部材の横向きの腕部によって得られる。このような腕部によってコンプレッサーが回転軸に対して移動する平面に配置され得るので、調整螺子がねじ込まれる間にクランプの角度変位を得るために必要な力を低減できる。
【0084】
都合良くは、回転システムは、大きなサイズの円筒状ガイドによってガイドされる。これにより、正確な回転が得られると共に、大きな面積に応力が分配されることによって、焼き付きの危険性を低減することができる。
更に、角度矯正力が、回転中心に対して対称的な4つの点における結合を介して付与されるので、負荷を正しく分配することができる。この力は、高い梃子腕部にも付与され、同じ抵抗モーメントのために付与される力を低減する。
【0085】
更に、骨変形のケースによっては、次の二つの実施形態のような直線変位の補償無しで、本実施形態のように単純な角度変位で十分な場合がある。特に、小さな角度矯正のための変位の矯正が通常は必要ない。角度矯正を接線に対して行うことができ、小さな角度変動のための変位が小さいので(図14に示すように)、システムが簡単になり、コスト対効果がより高くなる。
【0086】
図14から図23を参照し、更なる実施形態に係る整形外科装置110を説明する。
これらの図において、既に説明した同じ部材又は同じ機能を有する部材には同じ参照番号が付されている。したがって、これらの部材に関して再度詳細に説明することはしない。
【0087】
整形外科装置110は、逆T字状溝15と縦孔13を有する長手バー12の上に取り付けられ、支持基部21に取り付けられた第1クランプ14を備え、長手バー12、第1クランプ14、及び支持基部21は、第1実施形態に関して既に説明したものと同じものである。クランプ14は、骨の第1部分に固定された第1グループの螺子16を保持している。
【0088】
整形外科装置110は、第2グループの骨螺子20のための第2クランプ118をも備え、骨螺子20はクランプ118の対応する座部129に収容される。
【0089】
二つのクランプ14、118は、圧縮/伸長器58によって互いに連結されており、圧縮/伸長器58は第1実施形態で説明したとおりである。
【0090】
この第2クランプ118は、前述の実施形態の第2クランプ18と異なり、長手バー12に対して軸Y−Yを横断するように、骨11に対して近づく方向、及び離れる方向に往復運動するように、変位することができる。
【0091】
特に、クランプ118は、キャリッジ121に取り付けられ、キャリッジ121に対して上記の往復運動をするように変位することができる。このような動きはドライブ螺子152によって得られ、ドライブ螺子152は回転するが変位せず、特に、キャリッジ121の孔に軸方向に挿入されて保持される軸部152bを有し、以下に、より詳しく説明するように、クランプ118にねじ込まれることによって結合する。
【0092】
特に、第2クランプ118は、略長方形の形状を有する下顎部124及び上顎部123を備え、これらはクランプ螺子125及び126によって互いに閉じられる。
より詳しくは、第2クランプ118の下顎部124は両側に横延長部127、128を備え、そこには横断孔132、133が形成され、肩部127a、128aが形成されている。
【0093】
下顎部124はまた、キャリッジ121に向かって突出する付属部131を備えている。この付属部131において、孔135が形成され、相対的な内螺子溝付きインサート部品30が備えられ、これは図12を参照して前述したのと同様であり、ドライブ螺子152がねじ込まれる。
また、溝134が設けられ、これはドライブ螺子152の軸部152bを収容するための孔135と整列している。
【0094】
第2クランプ118には、上顎部123と下顎部124との間を通るように4つの孔137が形成され、これらの孔は圧縮/伸長器58の係合ピン63を受けるように意図されている。
【0095】
キャリッジ121は、短辺121a、121bと長辺121c、121dを有し、略T字状の横断面を有する、略長方形の板状体であり、垂直コア142を備え、これは、支持基部21のように、長手バー12のT字状溝15にスライド自在に挿入される逆T字状断面を備えている。
【0096】
キャリッジ121の本体は、それに形成された略長方形の凹部130を備え、この凹部は長辺121cの一端から反対側の辺121dの近くまで延び、長辺121dに端部145を形成し、短辺121a、121bに二つの対向する辺146、147を形成している。前述の端部145は溝150を有し、これらの溝はクランプ118の座部129と整列している。端部145の反対側で、辺146、147において、キャリッジ121が二つの端部ストップ壁148、149をも備えている。
【0097】
端部145の中心に、滑らかな内面の孔151が形成され、この孔にドライブ螺子152の軸部152bが挿入されている。この孔151は、凹部130の中心に形成された溝153と整列しており、溝153は下顎部124の溝134と整列してドライブ螺子152の軸部152bを受けている。キャリッジ121はまた、略長方形の形状と丸いコーナーを有する窓部154を備えている。この窓部が前述の付属部131を受け、付属部はクランプ118の下顎部124の底部から突出している。窓部154における付属部131の配置が、ドライブ螺子152と関連付けられて図22に示されている。
【0098】
窓部154の両側に、クランプ螺子125、126の端部を受けるための長円形の孔155が設けられている。
【0099】
キャリッジ121は、ロック螺子156によって完成状態になる。ロック螺子156はq、横向きの孔157に挿入され、キャリッジ121の本体を長手バー12にクランプする。
【0100】
クランプ118の往復運動をガイドするために、整形外科装置は二つのガイドピン159を備え、ガイドピンは円筒状の形状を有し、下顎部124の横延長部127、128に沿って形成された貫通孔132、133に挿入されている。二つのガイドピン159の両端は、キャリッジ121の壁部148、149及び対向する端部145に形成された4つの対応する孔160に受け入れられる。
【0101】
ドライブ螺子152は、図23に詳細に示されているように、頭部152a、前述の軸部152b、そして頭部152a及び軸部152bの間に形成された谷部152cを備えている。
【0102】
螺子は、頭部が端部145に当接するまで、キャリッジ121の孔と付属部の孔に挿入され、谷部が端部の孔に収容される。
【0103】
ドライブ螺子152を回転自在で、かつ、変位できないように、軸方向位置に保持するために、整形外科装置110は弾性又はフルストップピン161を備えている。これらのピンは、キャリッジ121の端部145に下方から、つまり、長手バー12に対向するキャリッジ121の側から、ドライブ螺子152aの側面へ挿入され、螺子152の谷部152cに受け入れられる。
【0104】
更に弾性又はフルストップピン163、164(図22)が端部145に受け入れられ、ガイドピン159を固定する。
ここまで説明した整形外科装置110は、以下のように使用される。
【0105】
まず、第1実施形態で説明したように、圧縮器58の一端側が、接続部材65の係合ピン67を用いて第1クランプ14に固定され、他端側が、係合ピン63を用いて第2クランプ118の4つの孔137の一つに固定される。
【0106】
まず、圧縮器58の螺子54を動作させて、骨螺子16の角度変位が行われ、続けて、第1実施形態に関して上述された同様のステップが実行される。
この角度変位、例えば、軸X回りに角度+α(アルファ)の変位の後で、図14に斜めの破線で示すように、螺子16に結合された骨11aの部分が、骨11に関係する長手バー12に対して、セグメントAで傾けられる。
【0107】
この骨11の部分の変位を補償するために、第2クランプ118を動作させて、二つの部分が正しく整列するように維持する。
この目的のために、適切な道具を用いて、ドライブ螺子152を一回転方向又は逆方向に動作させ、この変位を伴わない回転によって、キャリッジ121が骨11に対して接近又は離間するように、下顎部124の相対的な動きが決められる。
【0108】
下顎部124の変位は、付属部131の対応する窓部154におけるストロークと、反対側の端部145及び壁部148、149によって制限される。
【0109】
本実施形態の主な利点は、第1クランプ14を用いて、第2クランプの対応する直線的な変位によって,与えられた横向きの変位を補償することができる可能性である。
この可能性は、特に下肢外反タイプの膝関節の骨変形、すなわち、物理的垂直軸がひざの外側を通る外反偏差、あるいは、物理的垂直軸がひざの内側を通る外反偏差の場合に有益である。
実際、正確には、これらの変形の場合、骨の二つの部分の回転変位が必要になる。
【0110】
更なる利点は、ドライブ螺子を使用することによって、変位量を正確に調整できる点である。実際、本例では、ドライブ螺子の一回転ごとに第2クランプ118を1mmだけ変位させることが可能である。
【0111】
好ましくは、二つの個別の制御によって角度矯正と変位矯正を分離することができるので、外科医は、単純で直感的にこれらのクランプを使用することができる。
【0112】
図24から図34を参照して、第3実施形態に係る整形外科装置210を以下に説明する。
これらの図面において、既述の部材と同じ部材、及び同じ機能を有する部材は同じ参照番号が付されている。それゆえ、これらの部材について再度詳細に説明することはしない。
【0113】
整形外科装置210は、長手バー12に着脱自在に取り付けられた、第1グループの螺子16のための第1クランプ214と、第2グループの螺子20のための第2クランプ18とを備えている。
第2クランプ18と長手バー12は、第1実施形態で述べたものと同じである。
【0114】
第1クランプ214は、支持基部221に取り付けられ、支持基部221に対して、回転結合によって回動可能であると共に直線的に変位可能である。支持基部221は、ロック螺子222によって長手バーに固定されている。
【0115】
言い換えれば、整形外科装置221において、一つのクランプ214を用いて、骨螺子16、20を通る平面に垂直な軸X'−X'回りに角度変位可能であると共に、図24にA'で示すように、長手バー12の軸Y−Yに垂直な横断方向に、前記平面に平行な往復運動の変位が可能である。
特に、角度変位及び直線変位を行うために、整形外科装置210は、二つのドライブ螺子272を備え、これらは、以下に詳しく説明するように、回転するが変位せず、角度変位のためには、前記ドライブ螺子272が互いに逆の回転方向に共に回転駆動され、直線往復変位のためには、両者が同じ回転方向に回転駆動される。その結果、本実施形態において、例えば図1に示された圧縮/伸長器58は、角度変位を行うために必要ではない。
【0116】
特に、第1クランプ214は、上顎部227及び下顎部228を備え、これらは二つのクランプ螺子224、225によって互いに閉じられている。下顎部228は、図33から分かるように、略U字状の断面を有し、単一の本体に、略長方形の形状を有する中央ブロック232と、二つの横向きの付属部233、234を備え、これら付属部は、中央本体部232に対して張り出すように横向きに突出し、中央ブロック232の底部において、その四隅に、円筒状の形状を有するフラップ235、236、237、238がそれぞれ設けられている。
【0117】
これらのフラップ235、236、237、238は、クランプ214の角度変位のための回転結合の雄部材を構成している。
【0118】
横向きの付属部233、234において、対応するスロット240、241が回転軸X'−X'に垂直な軸で形成され、略長円形状を有している。
【0119】
スロット240、241には、回転軸X'−X'に平行な軸を有する孔243、244も形成され、これらも略長円形状を有する。これらの孔243、244に対応する円筒状ボルト245が挿入され、それらの一つが図34に描かれている。これは、滑らかな外面と、内螺子溝付き横断孔を有する。各ボルト245は、それぞれの孔243、244に挿入され、螺子孔246には螺子溝付きピンが挿入され、その中心はスロット240、241の中心に対して整列している。
ドライブ螺子272が円筒状ボルトの孔246にねじ込まれている。
【0120】
支持基部221は、略長方形の形状を有する凹部250が形成された略板状体を備え、この凹部は横向きの端部251、252を両側に備えている。特に、両側の横向きの端部251、252のそれぞれは、凹部250に対向し、クランプのための二つのスライドガイド254、255を形成する逆L字状断面のセグメントを有する。特に、L字状断面の突出セグメントが、下顎部228の中央本体部232の両側に形成された対応する直線溝253に挿入される。凹部250と、それによって形成された二つのスライドガイド254、255は、雌部材、つまり、雄部材のための座部となる。
【0121】
支持基部221はまた、横向きの端部251、252に、二つの垂直付属部260、261を備え、これら端部は、下顎部228に張り出すように突出し、図28に示すように、各ボルト245の孔246に中心が合わせられた、内面が滑らかな孔268、269を有している。
【0122】
往復動作及び角度変位の駆動のために、整形外科装置210は前述の二つのドライブ螺子272を備え、各ドライブ螺子は垂直付属部260、261の孔268、269に挿入され、インサート部品245の孔246にねじ込まれる。
各ドライブ螺子272は、第2実施形態で説明したドライブ螺子152とほぼ同じ構造を有し、それゆえ、頭部、軸部、そして頭部と軸部との間に配置された谷部を備えている。
【0123】
また、本実施形態において、各ドライブ螺子272を軸方向に保持し、回転を許容しながら変位を許容しないために、整形外科装置210は弾性ストップピン280、281を備えている。これら弾性ストップピンは、底部から支持基部221の垂直付属部260、261へ、すなわち長手バー12に対向する支持基部221の側から各ドライブ螺子272の側面へ挿入され、図31に示すように、螺子の谷部に受け入れられる。
【0124】
整形外科装置210の動作は以下の通りである。
第1クランプ214は、スライドするように支持基部221、特に凹部250に収容され、ドライブ螺子272によって支持基部221に連結される。
【0125】
支持基部221は、第2クランプ18からの距離に関係して与えられた長手バー12上の位置に固定される。
角度変位を行うために、二つのドライブ螺子272が互いに逆の回転方向に共に回転駆動される。特に、二つのドライブ螺子272の互いに逆方向の回転により、下顎部228の角度変位が得られ、その結果、クランプ214の全体の角度変位が得られる。
【0126】
なお、支持基部221に対するクランプ214の下顎部228の角度変位は、垂直孔と、水平軸を有するスロット240、242の長孔形状によって可能であり、スロット240、242には円筒状ボルト45が収容されドライブ螺子272に連結される。
【0127】
角度変位の間、下顎部228は凹部において回動し、4つのフラップ235、236、237、238の円筒状の形状によって、角度変位の安定性が確保される。
【0128】
角度変位が一旦行われると、骨に対して接近又は離間するように第1クランプ214の変位が行われ、角度変位に続く骨の部分の直線変位が補償される。
この目的のために、二つのドライブ螺子が同一回転方向にねじ込まれ、こうして下顎部228の直線変位、及び結果としてクランプ214の直線変位が得られる。
【0129】
骨の同じ部分について、変位の直線補償が行われる。
【0130】
本実施形態の主な利点は、支持基部に対して、クランプの安定した角度変位を行うことができ、同時にクランプの正確な変位が得られる可能性である。実際には、先に述べた実施形態に対して、この第3実施形態では、下肢外反の矯正が単一のクランプで得られる。
【0131】
前述のように雄部材のための座部として働く直線ガイド254、255は、そのような部材、本例では4つのフラップに代表される部材を、角度変位の間、及びストローク変位の間、不安定さを生じることなく、ガイドする。
【0132】
第2実施形態のように、ドライブ螺子によって、螺子の一回転当たり1mmの細かな変位を得ることができる。
図35から図42を参照して、本発明による整形外科装置310の第4実施形態を説明する。
【0133】
これらの図において、既述の実施形態と同じ部材、又は既に説明した同じ機能を有する部材は、同じ参照番号が付されている。それゆえ、これらの部材を再度詳細に説明することはしない。
特に、整形外科装置310は、第1グループの骨螺子16のための第1クランプ314と、第2グループの骨螺子20のための第2クランプ18を備え、これらは長手バー12に着脱自在に取り付けられている。
【0134】
整形外科装置310は、第3グループの螺子22のための第3クランプ19を備え、これも長手バー12に着脱自在に取り付けられている。第2クランプ18、第3クランプ19、及び長手バー12は、第1実施形態を参照して説明したものと同じものである。
第1クランプ314は、長手バー12に取り付けられた支持基部321の上に配置される。
【0135】
特に、第1クランプ314は、回転結合手段によって、長手バー12の軸Y−Yに平行な軸Z−Z回りに、長手バー12に対して回動自在であり、これによって、螺子16の揺動タイプの角度変位が可能である。
【0136】
特に、クランプ314は、上顎部327と下顎部328を備え、これらはロック螺子329、330によって互いに閉じられ、それらの間に、骨螺子16を収容する横断座部331が配置されている。
【0137】
上顎部327は、略長方形の形状を有する板状体を備えている。他方、下顎部328は略C字状の形状を有し、その両側に、共に軸Z−Zを有する第1円筒状本体333と第2円筒状本体334を備えている。これら円筒状本体は中央板状体332で結合され、これは、略長方形の形状を有する他の顎部の中央板状体に対応している。円筒状本体333、334は、前述の軸Z−Z回りの角度変位を許容する回転結合の雄部材を構成する。第2円筒状本体334において、内螺子溝付き貫通孔345が形成され、その中に一対のインサート部品30がねじ込まれ、互いに整列している。このインサート部品は、図12に示されたタイプのものであり、その中にロック螺子346がねじ込まれる。図42から分かるように、二つのインサート部品30が存在することによって、ロック螺子346をクランプ314の両側、つまり右側及び左側から挿入することが可能である。
【0138】
より詳しくは、図面から分かるように、クランプ314の全体及び支持基部321が軸Z−Zに対して対称であり、長骨の左側又は右側のどちらでも挿入されることができる。
【0139】
支持基部321は略C字状であり、略板状の長方形の中央本体部335を備え、相対的な側において、軸Z−Zを有する第1環状本体336及び第2環状本体337を備え、前述の第1円筒状本体333及び第2円筒状本体334を緩く受け入れるための円筒状孔が形成され、それゆえ、雌部材として、つまり雄部材のための座部として働く。
【0140】
支持基部321は、第2環状本体337において対応するインサート部品30にねじ込まれたクランプ螺子339によって、長手バー12に固定されている。
【0141】
第2環状本体337はまた、反対側において、軸Z−Zに垂直な方向に長い長孔形状を有する一対のスロット340、341を備え、これによって、ロック螺子346は、クランプ314の角度位置にしたがって、軸Z−Zに対する所定の角度位置で傾斜することができる。
【0142】
クランプ314は、支持基部321の第2環状本体337の側に配置された円板部材342を備えている。円板部材342は、第2円筒状本体334内の螺子343、344によって固定され、横向きのカバーとして働く。特に、図41に示すように、下顎部328が横向きに挿入されて環状本体336、337を貫通し、径方向突出部351が、支持基部321の第2環状本体337に形成された肩部350に当接し、円板部材342によって、そのような位置に横向きに保持される。
【0143】
その後、ロック螺子346を緩めた状態に維持することにより、螺子が少し戻され、クランプ314の角度位置が他のクランプ18、19に対して手動で調整され、軸Z−Z回りのクランプ314の回動が行われる。クランプ314を前記所望の角度位置に維持するために、下顎部の第2円筒状本体334が支持基部321の第2環状本体337にクランプされるまで、ロック螺子346がねじ込まれる。
【0144】
本実施形態による整形外科装置310の主な利点は、長手バーの軸に略平行な軸回りに、クランプ314と連係した螺子の角度位置を調整して、大腿骨の場合のように骨の自然な湾曲に合わせることができる点にある。
【0145】
また、本実施形態において、円筒状本体、すなわち雄部材を、それぞれ環状本体、すなわち雌部材に収容するので、雄部材のための座部によって回転における高い安定性が得られる。
【0146】
整形外科装置310の他の利点は、揺動クランプの対称的な構成により得られるものであり、右大腿骨及び左大腿骨の両方で同じように揺動クランプの位置を調整することができる可能性である。
【0147】
本発明による装置の特別な構造は、その種々の実施形態において、螺子溝付きインサート部品が収容されることを許容し、応力が低減されるので、プラスチック材料で作ることさえ可能である。
【0148】
もちろん、条件や具体的な要求を満たすために、当業者が上述の整形外科装置に修正や変更を加えることは可能であり、それらのすべては、以下の請求の範囲に記載された本発明の保護範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長骨(11)の変形を矯正するための整形外科装置(10、110、210、310)であって、軸(Y−Y)に沿って延び、骨(11)に沿って配置されるように意図されたバー(12)と、前記バー(12)に着脱自在に取り付けられた少なくとも第1グループの骨螺子(16)のための第1クランプ(14、214、314)と、第2グループの骨螺子(20、22)のための第2クランプ(18、19、118)とを備え、前記第1クランプ(14、214、314)は、前記バー(12)に取り付けられた支持基部(21、221、321)に配置され、回転結合の手段によって、与えられた回転軸(X−X、X’−X’、Z−Z)回りに支持基部に対して回動自在であり、前記回転結合は、前記第1クランプ(14、214、314)に結合された、少なくとも部分的に円筒形状の表面を有する雄部材(35;235、236、237、238、239;333、334)と、支持基部(21、221、321)に結合された、少なくとも部分的に円筒形状の表面を有する、対応する雌部材(36;130;250、254、255;336、337)とを備え、該雌部材が、雄部材(35;235、236、237、238、239;333、334)との疎結合のための座部を構成していることを特徴とする整形外科装置。
【請求項2】
前記雄部材は円筒状突出部(35)であり、前記雌部材は、前記円筒状突出部を受け入れるための、支持基部(21)に結合された円形孔(36)であることを特徴とする請求項1記載の整形外科装置。
【請求項3】
前記第1クランプ(14)は、すべての前記骨螺子(16、20、21)を通る平面に垂直な軸(X−X)回りに回動自在であり、これによって、第1グループの骨螺子(16)の前記平面における角度位置が他のグループの骨螺子(20、22)に対して調整可能であることを特徴とする請求項1記載の整形外科装置。
【請求項4】
前記第1クランプ(14)は、クランプ(14)の取り外し可能な蓋を構成する上顎部(37)と、クランプ(14)の固定された基部を構成する下顎部(38)とを備え、前記下顎部(38)が前記円筒状突出部(35)を備えていることを特徴とする請求項2記載の整形外科装置。
【請求項5】
前記支持基部(21)は、前記回動自在なクランプ(14)の支持部を構成する上部翼部(42)と略T字状の横断面を有する板状体と、逆T字状断面を有する垂直コア(43)とを備え、該垂直コアが前記長手バー(12)の長手溝(15)にスライド自在に挿入されていることを特徴とする請求項4記載の整形外科装置。
【請求項6】
前記支持基部(21)及び前記下顎部(38)が、それぞれ長辺(38c、38d、21c、21d)及び短辺(38a、38b、21a、21b)を有する略長方形の形状を有し、前記円筒状突出部(35)及び前記円形孔(36)が、前記下顎部(38)及び前記支持基部(21)の二つの対向する長辺(38c、38d、21c、21d)の間に、最大可能直径で延びていることを特徴とする請求項5記載の整形外科装置。
【請求項7】
回転軸(X−X)上に中心がある円弧形状を有する、下顎部(38)に形成されたガイドスロット(50)を備え、該ガイドスロットが、支持基部(21)にねじ込まれたクランプ螺子(52)を受け入れることを特徴とする請求項6記載の整形外科装置。
【請求項8】
前記ガイドスロットが約50°の中心角度、特に、骨11に近づくときに最大25°の角度変位、そして骨11から離れるときに最大−25°の角度変位を規定していることを特徴とする請求項7記載の整形外科装置。
【請求項9】
前記回動自在なクランプ(14)の前記下顎部(38)が、前記長手バー(12)に直接固定されていることを特徴とする請求項4記載の整形外科装置。
【請求項10】
前記下顎部(38)は、前記円筒状突出部(35)から突出する同軸状の連結部材(53)を備え、該連結部材は、前記突出部(35)より小さな寸法と略ありつぎ形状の断面を有し、前記長手バー(12)に対してスライドするように横向きに挿入されるように意図されていることを特徴とする請求項9記載の整形外科装置。
【請求項11】
前記連結部材(53)は、端部(49)において円筒状の形状を有し、回転軸(X−X)回りの角度変位を助けることを特徴とする請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記長手バー12及び前記支持基部(21)の前記円形孔(36)に挿入され、前記連結部材(53)の孔(56)にねじ込まれるクランプ螺子(55)を備えていることを特徴とする先行する請求項のいずれか1項記載の整形外科装置。
【請求項13】
螺子(54)を有し、前記第1クランプ(14)及び前記第2クランプ(18)に着脱自在に連結される圧縮/伸長器(58)を備え、前記支持基部(22)に対して前記第1クランプ(14)によって保持される骨螺子(16)の角度変位を行うことを特徴とする先行する請求項のいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
前記圧縮/伸長器(58)は、回転軸(X−X)に対して横向きに延びる腕部(69)を有する接続部材(65)によって前記第1クランプ(14)に接続されていることを特徴とする請求項13記載の整形外科装置。
【請求項15】
前記接続部材(65)は、前記腕部(69)と、前記腕部(69)に接続され、前記クランプ(14)の上顎部(37)に形成された対応する係合孔(68)に圧入された4本の係合ピン(67)を下面に有する板状体(66)とを備え、前記腕部(69)は、前記螺子(54)の螺子溝付き軸(61)がゆるく連結される目孔を自由端部に備えていることを特徴とする請求項14記載の整形外科装置。
【請求項16】
前記第2クランプは、前記長手バー(12)に直接取り付けられた二つの顎部を備えていることを特徴とする先行する請求項のいずれか1項記載の整形外科装置。
【請求項17】
前記第2クランプ(118)は長手バー(12)に対して、つまり前記長手バー(12)の前記軸(Y−Y)に対して横断方向に変位可能であり、骨(11)に対して接近又は離間するように往復運動可能であることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項記載の整形外科装置。
【請求項18】
前記第2クランプ(118)はキャリッジ(121)に取り付けられ、前記ドライブ螺子(152)によって前記往復運動でキャリッジ(121)に対して変位可能であり、前記ドライブ螺子は、キャリッジ(121)の孔に挿入された軸部(152b)を備え、前記第2クランプ(118)にねじ込むことによって接続されることを特徴とする請求項17記載の整形外科装置。
【請求項19】
前記第2クランプ(118)は、略長方形の形状を有する下顎部(124)と上顎部(123)を備え、それらはクランプ螺子(125、126)によって閉じられ、第2クランプ(118)の下顎部(124)は両側にそれぞれ横延長部(127、128)を備え、該横延長部には横断孔(132、133)が形成されると共に肩部(127a、128a)が形成され、下顎部(124)はキャリッジ(121)に向かって突出す付属部(131)をも備え、該付属部には螺子孔(135)が形成され、ここに前記ドライブ螺子(152)がねじ込まれることを特徴とする請求項18記載の整形外科装置。
【請求項20】
前記キャリッジ(121)は、短辺(121a,121b)及び長辺(121c、121d)と略T字状の横断面を有する長方形の板状体と垂直コア(142)を備え、該垂直コアは逆T字状断面を有し、長手バー(12)の溝(15)にスライドするように挿入され、前記キャリッジ(121)の板状体に略長方形の凹部(130)が形成され、該凹部は前記長辺(121c)の一辺から対向する辺(121d)の近くまで延び、前記長辺(121d)上に一端部(145)を形成し、前記短辺(121a、121b)上に二つの対向する端部(146、147)を形成し、前記第2クランプ(118)の前記下顎部(124)が前記凹部(130)に収容されていることを特徴とする請求項19記載の整形外科装置。
【請求項21】
内面が滑らかな孔(151)が前記端部(145)の中心に形成され、該孔に前記ドライブ螺子(152)の前記軸部(152b)が挿入され、前記キャリッジ(121)は窓部(154)をも備え、該窓部は前記凹部(130)の中心に配置され、略長方形の形状と丸い端部を有し、その中に、前記クランプ(118)の下顎部(124)の底部から突出する前記付属部(131)が受け入れられていることを特徴とする請求項20記載の整形外科装置。
【請求項22】
前記ドライブ螺子(152)は、頭部(152a)と、前記軸部(152b)と、前記頭部(152a)及び前記軸部(152b)の間に形成された谷部(152c)とを備え、前記頭部(152a)が前記端部(145)に当接するまで前記キャリッジ(121)の前記孔に挿入され、これによって前記谷部(152c)が前記端部(145)の前記孔に収容されると共に、前記ドライブ螺子(152)の軸方向位置を保持して、その回転を許容しながら変位を禁止するために、弾性ストップピン(161)が前記キャリッジ(121)の前記端部(145)に挿入され、前記ドライブ螺子(152)の両側において、前記螺子(152)の前記谷部(152c)に受け入れられることを特徴とする請求項21記載の整形外科装置。
【請求項23】
前記第1クランプ(214)は、骨螺子(16、20)を通る平面に垂直な軸(X’−X’)回りに角度変位するように支持基部(221)に対して回動自在であるか、又は前記骨(11)に接近、離間する際に、前記長手バー(12)の軸(Y−Y)に垂直な横断方向に、前記平面に平行な往復運動をするように、前記支持基部(221)に対して直線変位可能であることを特徴とする請求項1記載の整形外科装置。
【請求項24】
二つのドライブ螺子(272)を備え、これらが雄部材(250、254、255)のための座部の両側において前記支持基部(221)の対応する孔(260、261)に挿入され、かつ、前記雄部材(235、236、237、238)の両側において前記第1クランプ(214)にねじ込まれ、前記二つのドライブ螺子(272)は前記角度変位のための互いに逆回転方向に回転操作され、かつ、前記直線往復運動のために互いに同一回転方向に回転操作されることを特徴とする請求項23記載の整形外科装置。
【請求項25】
前記第1クランプ(214)は、二本のクランプ螺子(224、225)によって互いに閉じられた上顎部(227)と下顎部(228)を備え、前記下顎部(228)は略U字状の断面を有し、単一の本体に、略長方形の形状を有する中央ブロック(232)と、該中央本体部(232)に対して横向きに張り出すように突出する二つの横向きの付属部(233、234)と、前記中央ブロック(232)の底部において、前記付属部の四隅にそれぞれ設けられた円筒状形状を有するフラップ(235、236、237、238)とを備え、前記フラップ(235、236、237、238)が、前記第1クランプ(214)の角度変位のための雄部材を構成していることを特徴とする請求項24記載の整形外科装置。
【請求項26】
前記横向きの付属部(233、234)において、回転軸(X’−X’)に垂直な軸と略長円形状を有する対応するスロット(240、241)が形成され、前記スロット(240、241)において、前記回転軸(X’−X’)に平行な軸を有する孔(243、244)が更に形成され、これらも略長円形状を有し、対応する円筒状ボルト(245)が前記孔(243、244)に圧入され、これらボルトは、滑らかな外面と内螺子溝付き横断孔を有し、この横断孔の中心は、前記スロット(240、241)の中心にそれぞれ整列しており、前記ドライブ螺子(272)が前記ボルトの前記孔(246)にねじ込まれていることを特徴とする請求項25記載の整形外科装置。
【請求項27】
前記支持基部(221)は、凹部(250)が形成された略長方形の形状を有する略板状体を備え、その両側に横向きの端部(251、252)を有し、前記凹部(250)に面する側の横向きの各端部(251、252)は、二つの直線スライドガイド(254、255)を形成する逆L字状形状のセグメントを有し、前記凹部(250)及びそれによって形成された前記二つのスライドガイド(254、255)が、雌部材、つまり雄部材のための座部として働くことを特徴とする請求項26記載のドライブ装置。
【請求項28】
前記支持基部(221)は、各横向きの端部(251,252)において、第1クランプの下顎部(228)に対して張り出すように突出する二つの付属部(260、261)を備え、これらは内面が滑らかな孔(268、269)を有し、その中心は各ボルト(245)の孔(246)の中心に合わせられ、対応するドライブ螺子(272)を受け入れていることを特徴とする請求項27記載の整形外科装置。
【請求項29】
各ドライブ螺子(272)は、頭部と、軸と、前記頭部及び前記軸との間に形成された谷部とを備え、前記支持基部の対応する付属部の前記孔に、前記頭部が当接するまで挿入され、これにより前記谷部が前記付属部の前記孔に収容され、前記ドライブ螺子を軸方向位置に保持して、その回転を許容しながらその変位を禁止するために、弾性ストップピン(280、281)が各ドライブ螺子(272)の両側において、前記支持基部(221)の前記垂直付属部(260、261)に挿入され、前記螺子の谷部に受け入れられていることを特徴とする請求項28記載の整形外科装置。
【請求項30】
前記第1クランプ(314)は、前記長手バー(12)の前記軸(Y−Y)に平行な軸(Z−Z)回りに前記長手バー(12)に対して回動自在であり、これによって、前記骨螺子(16)の揺動タイプの角度変位が許容されることを特徴とする請求項1記載の整形外科装置。
【請求項31】
前記第1クランプ(314)は、ロック螺子(329、330)によって閉じられた上顎部(327)及び下顎部(328)を備え、前記下顎部(328)は略C字状の形状を有し、略長方形の形状を有する中央板状体(332)と、その両側に設けられた第1円筒状本体(333)及び第2円筒状本体(334)を備え、これら円筒状本体は共に前記回転軸に一致する軸(Z−Z)を有し、前記円筒状本体(333、334)は前記軸(Z)回りの角度変位を許容する雄部材を構成していることを特徴とする請求項30記載の整形外科装置。
【請求項32】
前記ロック螺子(346)がねじ込まれる内螺子溝付き貫通孔(345)が、前記第2円筒状本体(334)に形成されていることを特徴とする請求項31記載の整形外科装置。
【請求項33】
前記支持基部(321)は略C字状の形状を有し、前記第1クランプ(314)の前記板状体(332)が配置される略板状の長方形の中央本体部(335)を備え、第1環状本体(336)及び第2環状本体(337)を対応する側に備え、それらの軸は回転軸(Z−Z)に一致し、それら環状本体に、前記第1及び第2円筒状本体(333、334)を緩く受け入れるための円筒状孔が形成され、雌部材、つまり雄部材のための座部として働くことを特徴とする請求項32記載の整形外科装置。
【請求項34】
前記第2環状本体(337)は、対向する辺に、長孔形状を有する一対のスロット(340、341)を備え、該スロットに前記ロック螺子(346)が収容され、前記スロットは前記回転軸(Z−Z)に垂直な方向に長く、前記クランプ(314)の角度位置に応じて、前記軸(Z−Z)に対して予め設定された角度位置に前記ロック螺子(346)を傾けることを許容していることを特徴とする請求項33記載の整形外科装置。
【請求項35】
前記第1クランプ(314)は、前記支持基部(321)の前記第2環状本体(337)の自由端側に配置された円板部材(342)を備え、螺子(343、344)によって前記第2円筒状本体(334)に固定され、これが側面カバーとして働くことを特徴とする請求項34記載の整形外科装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4a】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図14a】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図24a】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図36a】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公表番号】特表2012−502680(P2012−502680A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526582(P2011−526582)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【国際出願番号】PCT/IB2009/006735
【国際公開番号】WO2010/032098
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(506329454)オルトフィックス ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ (8)
【Fターム(参考)】