敵味方識別装置
【課題】 従来の電波を用いたIFF装置では、敵味方識別を行う場合、IFF装置の故障、電波管制等の理由により対象航空機が応答パルスの送信ができない場合または通信妨害、電離層の影響等により対象航空機の応答パルスが正しく受信できない場合があった。
【解決手段】 赤外線画像を用いた航空機の特徴抽出を行い、電波による敵味方識別が不可能な状態においてもエンジン数、エンジン配置等の情報から敵味方識別を可能とする。
【解決手段】 赤外線画像を用いた航空機の特徴抽出を行い、電波による敵味方識別が不可能な状態においてもエンジン数、エンジン配置等の情報から敵味方識別を可能とする。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、航空機における敵味方識別装置に関し、特に赤外線撮像装置により得られた画像を処理して得られる各種情報により対象航空機が敵であるか味方であるかを識別する敵味方識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、航空機において敵味方識別を行う場合、電波を利用したIFF(Identification Friend or Foe)装置を利用している。図11はIFF装置の原理を示す図であり、自機201の自機質問装置202から質問符号パルス205を自機アンテナ204より送信し、対象航空機211は対象航空機アンテナ214によって質問符号パルス205を受信し、対象航空機応答装置213によって応答符号パルス215を対象航空機アンテナ214より送信し、自機201は自機アンテナ204にて前記応答符号パルス215を受信することにより対象航空機が味方であることを識別する。
【0003】また、対象航空機211が自機201の敵味方識別を行う場合には前項にて述べた対象航空機の敵味方識別手順と逆の手順となる。すなわち、対象航空機211の対象航空機質問装置212から質問符号パルスを対象航空機アンテナ214より送信し、自機201は自機アンテナ204によって質問符号パルスを受信し、自機応答装置203によって応答符号パルスを自機アンテナ204より送信し、対象航空機211は対象航空機アンテナ214にて応答符号パルスを受信することにより自機が味方であることを識別する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】航空機同士が敵味方識別を行う場合、電波を用いたIFF装置が広く使用されている。IFF装置は、対象航空機が自機から送信された質問パルスに応答パルスに答えた場合のみ対象航空機を味方と識別するため、IFF装置の故障、電波管制等の理由により対象航空機が応答パルスの送信ができない場合、通信妨害、電離層の影響等により対象航空機の応答パルスが正しく受信できない場合には識別ができない、もしくは識別を誤る。
【0005】また、自機から質問パルスを送信した場合、質問パルスを観測され、自機の存在を検知されるが、これは隠密性を必要とされる軍用機では自機の存在を敵に知られる事となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するためにこの発明は次の手段を提供する。
【0007】第1の発明による敵味方識別装置は航空機の赤外線映像を撮影する赤外線撮像装置と、この赤外線撮像装置により撮影された映像を処理する画像処理装置と、前記赤外線撮像装置により撮影された映像を熱画像処理する熱画像解析装置と、前記画像処理装置によって処理された画像から機体外形を抽出する機体外形抽出手段と、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン数を抽出するエンジン数抽出手段と、前記画像処理装置によって処理された画像及び前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン間隔を抽出するエンジン間隔抽出手段と、前記画像処理装置によって処理された画像及び前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン配置を抽出するエンジン配置抽出手段と、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン排気温度を抽出するエンジン排気温度抽出手段と、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン発熱パターンを抽出するエンジン発熱パターン抽出手段と、前記機体外形抽出手段により抽出された機体外形、前記エンジン数抽出手段により抽出されたエンジン数、前記エンジン間隔抽出手段により抽出されたエンジン間隔、前記エンジン配置抽出手段により抽出されたエンジン配置、前記エンジン排気温度抽出手段により抽出されたエンジン排気温度、前記エンジン発熱パターン抽出手段により抽出されたエンジン発熱パターンにより総合的に敵味方を識別する識別手段とを具備したことを特徴とする敵味方識別装置。
【0008】また、第2の発明による機体外形抽出手段は前記赤外線撮像装置により撮影された映像を前記画像処理装置により処理した画像から機体外形の特徴的な点を抽出し機体外形を特定することを特徴とする第1の発明に記載の敵味方識別装置。
【0009】また、第3の発明によるエンジン数抽出手段は、前記赤外線撮像装置により撮影された映像を前記熱画像処理装置により処理した熱画像からエンジンに相当する温度帯を抽出しエンジン数を特定することを特徴とする第1または2の発明に記載の敵味方識別装置。
【0010】また、第4の発明によるエンジン間隔抽出手段は、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジンに相当する温度帯を抽出しエンジン間隔を特定することを特徴とする第1〜3の発明のいずれかに対応する敵味方識別装置。
【0011】また、第5の発明によるエンジン配置抽出手段は、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジンに相当する温度帯を抽出しエンジン配置を特定することを特徴とする第1〜4の発明のいずれかに対応する敵味方識別装置。
【0012】また、第6の発明によるエンジン排気温度抽出手段は、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジンから排出される排気の温度を測定しエンジンの種類を特定することを特徴とする第1〜5の発明のいずれかに対応する敵味方識別装置。
【0013】また、第7の発明によるエンジン発熱パターン抽出手段は、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像から機体表面に現れる発熱パターンを観測しエンジンの種類を特定することを特徴とする第1〜6の発明のいずれかに対応する敵味方識別装置。
【0014】また、第8の発明による識別手段は、前記機体外形抽出手段により抽出された機体外形、前記エンジン数抽出手段により抽出されたエンジン数、前記エンジン間隔抽出手段により抽出されたエンジン間隔、前記エンジン配置抽出手段により抽出されたエンジン配置、前記エンジン排気温度抽出手段により抽出されたエンジン排気温度、前記エンジン発熱パターン抽出手段により抽出されたエンジン発熱パターンにより対象航空機を特定し対象航空機が敵であるか味方であるかを判定することを特徴とする第1〜7の発明のいずれかに対応する敵味方識別装置。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1を示す図であり、図において1は画像処理部、2は対象航空機データ作成処理部、3は敵味方識別部、4は赤外線撮像装置、5は画像処理装置、6は熱画像解析装置、7は外形抽出部、8は機体外形データベース、9は外形比較部、10はエンジン数抽出部、11はエンジン間隔抽出部、12はエンジン配置抽出部、13はエンジン排気温度抽出部、14はエンジン発熱パターン抽出部、15は対象航空機データ作成部、16は航空機データベース、17は敵味方判定部である。
【0016】画像処理部1は、対象航空機の赤外線画及び熱画像を作成する部分であり、対象航空機の赤外線画像を撮影する赤外線撮像装置4によって対象航空機の赤外線画像を撮影し、この対象航空機の赤外線画像を画像処理装置5によって外形抽出処理可能な形式のデータに変換し、この対象航空機の赤外線画像を熱画像解析装置6によってエンジンの熱データ抽出可能な形式のデータに変換し、対象航空機データ作成処理部2にデータを転送する。
【0017】対象航空機データ作成処理部2は、敵味方判定に使用する対象航空機データを生成する部分であり、外形抽出部7は画像処理装置5から転送された対象航空機の赤外線画像から対象航空機の輪郭を抽出し対象航空機の外形データを生成し、自機の保有する航空機外形データベース8のデータとの比較を外形比較部9で行い該当するデータを候補機種として記憶し対象航空機データ作成部15に転送する。
【0018】エンジン数抽出部10、エンジン間隔抽出部11、エンジン配置抽出部12、エンジン排気温度抽出部13、エンジン発熱パターン抽出部14は、熱画像解析装置6から転送された対象航空機の熱画像からエンジン数、エンジン間隔、エンジン配置、エンジン排気温度、エンジン発熱パターンを抽出しそのデータを対象航空機データ作成部15に転送する。
【0019】対象航空機データ作成部15は、外形抽出部7から転送された対象航空機の外形データ及びエンジン数抽出部10、エンジン間隔抽出部11、エンジン配置抽出部12、エンジン排気温度抽出部13、エンジン発熱パターン抽出部14から転送されたエンジン数、エンジン間隔、エンジン配置、エンジン排気温度、エンジン発熱パターンのデータを1つのテーブルに統合し対象航空機データとして敵味方識別部3に転送する。
【0020】敵味方識別部3は、対象航空機の敵味方識別を行う部分であり、敵味方判定部17は、対象航空機データ作成処理部2から転送された対象航空機データと自機の保有する航空機データベース16とを比較し、敵味方の判定を行う。
【0021】図2は、この発明の実施の形態1における機体外形抽出手段の処理フローを示す図であり、21において図1の画像処理部1の画像処理装置5より転送された対象航空機の赤外線画像から22に示すように特徴点として機首、機尾、翼端、外形線の不連続点、外形線の交点、エンジンポッド等を抽出し、対象航空機の外形データを生成し、23においてこの対象航空機の外形データを図1の航空機外形データベース8との照合を行い、24において外形データの有無を確認し、該当データがある場合、25において外形候補Oxとして記憶し、文字データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。
【0022】また、21において生成された対象航空機の外形データが図1の航空機外形データベース8に該当しない場合、27において対象航空機の外形データを機軸方向または機軸と垂直方向に画像の圧縮または拡大を行い、また機軸方向または機軸と垂直方向に画像を回転させ再び23において航空機外形データベース8との比較を行い、24において該当データがある場合、25において外形候補Oxとして記憶し、文字データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。外形候補データOxの形式は「B4」,「F4」等の形式とする。
【0023】また、26において上記のようなデータの比較を任意に設定された回数実施したことを確認後、生成された対象航空機の外形データが図1の航空機外形データベースに該当しない場合、28において外形不明機として文字データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。この場合、外形候補データOxは「UNK」(=UNKNOWN)等とする。
【0024】図3は、この発明の実施の形態1におけるエンジン数抽出手段の処理フローを示す図であり、31において図1の画像処理部1の熱画像解析装置6より転送された対象航空機の熱解析画像画像から32に示すように高温部分を抽出し、33においてエンジン数データNxとしてカウントし、34においてカウントが完了したことを確認後、35においてエンジン数データNxを数値データの形式で対象航空機データ作成部15に数値データとして転送する。エンジン数データNxの形式は「1」,「2」,「4」等の形式とする。
【0025】また、34において対象航空機の熱画像からエンジン数のカウントが確認できない場合には、36においてエンジン数不明機として数値データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。この場合、エンジン数データNxは「0」,「99」等とする。
【0026】図4は、この発明の実施の形態1におけるエンジン間隔抽出手段の処理フローを示す図であり、41において図1の画像処理部1の熱画像解析装置6より転送された対象航空機の熱解析画像から42に示すように高温部分を抽出し、43においてその間隔をエンジン間隔データDxとして測定し、44において計測が完了したことを確認後、45において数値データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。エンジン間隔データDxは隣り合うエンジンの間隔を示すものであり、双発機の場合「1」,4発機の場合「131」等の形式とする。
【0027】また、44において対象航空機の熱画像からエンジン間隔が測定できない場合には、46においてエンジン間隔不明機として数値データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。この場合、エンジン間隔データDxは「0000」,「9999」等とする。
【0028】図5は、この発明の実施の形態1におけるエンジン配置抽出手段の処理フローを示す図であり、51において図1の画像処理部1の熱画像解析装置6より転送された対象航空機の熱解析画像画像から52に示すように高温部分を抽出し、53においてその前後方向及び左右方向の配列をエンジン配置データAxとして測定し、54において計測が完了したことを確認後、55において文字データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。エンジン配置データAxは「PAR」(=PARALLEL),「SWB15」(=SWEEP BACK15°)等の形式とする。
【0029】また、54において対象航空機の熱画像からエンジン配置が測定できない場合には、56においてエンジン間隔不明機として文字データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。この場合、エンジン配置データAxは「UNK」(=UNKNOWN)等の形式とする。
【0030】図6は、この発明の実施の形態1におけるエンジン排気温度抽出手段の処理フローを示す図であり、61において図1の画像処理部1の熱画像解析装置6より転送された対象航空機の熱解析画像画像から62に示すように高温部分を抽出し、63において後方の温度分布をエンジン排気温度データTxとして測定し、64において計測が完了したことを確認後、65において数値データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。エンジン排気温度データTxは「1000.0」,「2500.5」等の形式とする。
【0031】また、64において対象航空機の熱画像からエンジン排気温度が測定できない場合には、66においてエンジン間隔不明機として数値データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。この場合、エンジン排気温度データTxは「0000.0」等の形式とする。
【0032】図7は、この発明の実施の形態1におけるエンジン発熱パターン抽出手段の処理フローを示す図であり、71において図1の画像処理部1の熱画像解析装置6より転送された対象航空機の熱解析画像画像から72に示すように高温部分を抽出し、73においてエンジン部の温度分布をエンジン発熱パターンデータPxとして測定し、74において計測が完了したことを確認後、75において画像データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。航空機のエンジンはエンジンの種類、製造メーカ、エンジンの機種によって発熱パターンが異なっており、その違いを抽出することで搭載エンジンの差異を検出可能である。
【0033】また、74において対象航空機の熱画像からエンジン発熱パターンが測定できない場合には、76においてエンジン発熱パターン不明機として、画像データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。
【0034】図8は図1のこの発明の実施の形態1における対象航空機が敵であるか味方であるかを判定するために使用する対象航空機データ形式及び自機の保有する航空機データ形式を示し、対象航空機データ作成部15は転送された外形候補データOx、エンジン数データNx、エンジン間隔データDx、エンジン配置データAx、エンジン排気温度データTx、エンジン発熱パターンデータPxから対象航空機データを作成する。対象航空機データと航空機データベース16とを比較することによって、対象航空機の機種を特定し、敵味方判定を行う。
【0035】図9は図1のこの発明の実施の形態1における対象航空機が敵であるか味方であるかを判定する判定方法を示す図であり、敵味方識別部3の敵味方判定部17において、対象航空機データ作成処理部2の対象航空機データ作成部15から転送された対象航空機データと自機の保有する航空機データベース16との照合を行い、敵味方判定を行う。
【0036】敵味方判定部17において、エンジン数データNxは、航空機データベース16の数値データと照合され、一致する航空機データを記憶する。エンジン間隔データDx及びエンジン排気温度データTxは、それぞれ航空機データベース16の数値データと照合され、一致する航空機データまたは設定した範囲内に入っている航空機データを記憶する。エンジン配置データAx及び外形候補データOxは、それぞれ航空機データベース16の文字データと照合され、一致する航空機データを記憶する。エンジン発熱パターンデータPxは航空機データベース16の画像データと照合され、一致する航空機データを記憶する。
【0037】このようにして対象航空機データの外形候補データOx、エンジン数データNx、エンジン間隔データDx、エンジン配置データAx、エンジン排気温度データTx、エンジン発熱パターンデータPxと既知のデータである航空機データベース16とが敵味方判定部17において照合され、その照合結果が一致するデータが最も多いものが対象航空機と判断され、その機種の使用者が敵であるか味方であるかによって、敵味方判定を行う。航空機によっては、同一の機体であっても使用者によって異なるエンジンを使用している場合があり、外形だけでは敵味方識別が不可能な場合においても、この発明のエンジン排気温度、エンジン発熱パターンによる敵味方識別が可能である。また、外形が識別できない場合にも搭載エンジン及びエンジン間隔が観測できれば、機種の特定が可能でありこの発明による敵味方識別が可能である。
【0038】実施の形態2.図10はこの発明の実施の形態2における対象航空機が敵であるか味方であるかを判定する判定方法を示す図であり、この発明の実施の形態1では対象航空機データと航空機データベース16との照合を図9に示すように対象航空機データの外形候補データOx、エンジン数データNx、エンジン間隔データDx、エンジン配置データAx、エンジン排気温度データTx、エンジン発熱パターンデータPxの全項目に対して行っているが、この発明の実施の形態2では対象航空機データに優先順位をつけ、外形候補データOx、エンジン数データNx、エンジン間隔データDx、エンジン配置データAx、エンジン排気温度データTx、エンジン発熱パターンデータPxを順に照合し敵味方判定ができたところで照合を終了することで照合時間を短縮することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】第1の発明によれば、電波を用いたIFF装置により敵味方識別を行う場合と比較してIFF装置の故障、電波管制等の理由により対象航空機が応答パルスの送信ができない場合または通信妨害、電離層の影響等により対象航空機の応答パルスが正しく受信できない場合にも敵味方識別が可能となる。
【0040】また、自機から質問パルスを送信する必要がないため、質問パルスを観測され、自機の存在を検知される危険性がなくなる。
【0041】また、第2の発明によれば機体外形の特徴的な点を抽出することができる。
【0042】また、第3の発明によればエンジンに相当する温度帯を抽出することができる。
【0043】また、第4の発明によればエンジンに相当する温度帯を抽出することができる。
【0044】また、第5の発明によればエンジンに相当する温度帯を抽出することができる。
【0045】また、第6の発明によればエンジンから排出される排気の温度を測定することができる。
【0046】また、第7の発明によれば機体表面に現れる発熱パターンを観測することができる。
【0047】また、第8の発明によれば対象航空機を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による敵味方識別装置の実施の形態1を示す図である。
【図2】 この発明による敵味方識別装置の機体外形抽出手段の処理フローを示す図である。
【図3】 この発明による敵味方識別装置のエンジン数抽出手段の処理フローを示す図である。
【図4】 この発明による敵味方識別装置のエンジン間隔抽出手段の処理フローを示す図である。
【図5】 この発明による敵味方識別装置のエンジン配置抽出手段の処理フローを示す図である。
【図6】 この発明による敵味方識別装置のエンジン排気温度抽出手段の処理フローを示す図である。
【図7】 この発明による敵味方識別装置のエンジン発熱パターン抽出手段の処理フローを示す図である。
【図8】 この発明による敵味方識別装置の対象航空機が敵であるか味方であるかを判定するために使用する対象航空機データ形式及び自機の保有する航空機データ形式を示す図である。
【図9】 この発明による敵味方識別装置の実施の形態1の対象航空機が敵であるか味方であるかを判定する判定方法を示す図である。
【図10】 この発明による敵味方識別装置の実施の形態2の対象航空機が敵であるか味方であるかを判定する判定方法を示す図である。
【図11】 IFF(Identification Friend orFoe)装置の原理を示す図である。
【符号の説明】
1 画像処理部、2 対象航空機データ作成処理部、3 敵味方識別部、4赤外線撮像装置、5 画像処理装置、6 熱画像解析装置、7 外形抽出部、8機体外形データベース、9 外形比較部、10 エンジン数抽出部、11 エンジン間隔抽出部、12 エンジン配置抽出部、13 エンジン排気温度抽出部、14 エンジン発熱パターン抽出部、15 対象航空機データ作成部、16航空機データベース、17 敵味方判定部、201 自機、202 自機質問装置、203 自機応答装置、204 自機アンテナ、205 質問符号パルス、211 対象航空機、212 対象航空機質問装置、213 対象航空機応答装置、214 対象航空機アンテナ、215 応答符号パルス、Ax 対象航空機のエンジン配置データ、Dx 対象航空機のエンジン間隔データ、Nx 対象航空機のエンジン数データ、Ox 対象航空機の外形候補データ、Px 対象航空機のエンジン発熱パターンデータ、Tx 対象航空機のエンジン排気温度データ。
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、航空機における敵味方識別装置に関し、特に赤外線撮像装置により得られた画像を処理して得られる各種情報により対象航空機が敵であるか味方であるかを識別する敵味方識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、航空機において敵味方識別を行う場合、電波を利用したIFF(Identification Friend or Foe)装置を利用している。図11はIFF装置の原理を示す図であり、自機201の自機質問装置202から質問符号パルス205を自機アンテナ204より送信し、対象航空機211は対象航空機アンテナ214によって質問符号パルス205を受信し、対象航空機応答装置213によって応答符号パルス215を対象航空機アンテナ214より送信し、自機201は自機アンテナ204にて前記応答符号パルス215を受信することにより対象航空機が味方であることを識別する。
【0003】また、対象航空機211が自機201の敵味方識別を行う場合には前項にて述べた対象航空機の敵味方識別手順と逆の手順となる。すなわち、対象航空機211の対象航空機質問装置212から質問符号パルスを対象航空機アンテナ214より送信し、自機201は自機アンテナ204によって質問符号パルスを受信し、自機応答装置203によって応答符号パルスを自機アンテナ204より送信し、対象航空機211は対象航空機アンテナ214にて応答符号パルスを受信することにより自機が味方であることを識別する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】航空機同士が敵味方識別を行う場合、電波を用いたIFF装置が広く使用されている。IFF装置は、対象航空機が自機から送信された質問パルスに応答パルスに答えた場合のみ対象航空機を味方と識別するため、IFF装置の故障、電波管制等の理由により対象航空機が応答パルスの送信ができない場合、通信妨害、電離層の影響等により対象航空機の応答パルスが正しく受信できない場合には識別ができない、もしくは識別を誤る。
【0005】また、自機から質問パルスを送信した場合、質問パルスを観測され、自機の存在を検知されるが、これは隠密性を必要とされる軍用機では自機の存在を敵に知られる事となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するためにこの発明は次の手段を提供する。
【0007】第1の発明による敵味方識別装置は航空機の赤外線映像を撮影する赤外線撮像装置と、この赤外線撮像装置により撮影された映像を処理する画像処理装置と、前記赤外線撮像装置により撮影された映像を熱画像処理する熱画像解析装置と、前記画像処理装置によって処理された画像から機体外形を抽出する機体外形抽出手段と、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン数を抽出するエンジン数抽出手段と、前記画像処理装置によって処理された画像及び前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン間隔を抽出するエンジン間隔抽出手段と、前記画像処理装置によって処理された画像及び前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン配置を抽出するエンジン配置抽出手段と、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン排気温度を抽出するエンジン排気温度抽出手段と、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン発熱パターンを抽出するエンジン発熱パターン抽出手段と、前記機体外形抽出手段により抽出された機体外形、前記エンジン数抽出手段により抽出されたエンジン数、前記エンジン間隔抽出手段により抽出されたエンジン間隔、前記エンジン配置抽出手段により抽出されたエンジン配置、前記エンジン排気温度抽出手段により抽出されたエンジン排気温度、前記エンジン発熱パターン抽出手段により抽出されたエンジン発熱パターンにより総合的に敵味方を識別する識別手段とを具備したことを特徴とする敵味方識別装置。
【0008】また、第2の発明による機体外形抽出手段は前記赤外線撮像装置により撮影された映像を前記画像処理装置により処理した画像から機体外形の特徴的な点を抽出し機体外形を特定することを特徴とする第1の発明に記載の敵味方識別装置。
【0009】また、第3の発明によるエンジン数抽出手段は、前記赤外線撮像装置により撮影された映像を前記熱画像処理装置により処理した熱画像からエンジンに相当する温度帯を抽出しエンジン数を特定することを特徴とする第1または2の発明に記載の敵味方識別装置。
【0010】また、第4の発明によるエンジン間隔抽出手段は、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジンに相当する温度帯を抽出しエンジン間隔を特定することを特徴とする第1〜3の発明のいずれかに対応する敵味方識別装置。
【0011】また、第5の発明によるエンジン配置抽出手段は、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジンに相当する温度帯を抽出しエンジン配置を特定することを特徴とする第1〜4の発明のいずれかに対応する敵味方識別装置。
【0012】また、第6の発明によるエンジン排気温度抽出手段は、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジンから排出される排気の温度を測定しエンジンの種類を特定することを特徴とする第1〜5の発明のいずれかに対応する敵味方識別装置。
【0013】また、第7の発明によるエンジン発熱パターン抽出手段は、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像から機体表面に現れる発熱パターンを観測しエンジンの種類を特定することを特徴とする第1〜6の発明のいずれかに対応する敵味方識別装置。
【0014】また、第8の発明による識別手段は、前記機体外形抽出手段により抽出された機体外形、前記エンジン数抽出手段により抽出されたエンジン数、前記エンジン間隔抽出手段により抽出されたエンジン間隔、前記エンジン配置抽出手段により抽出されたエンジン配置、前記エンジン排気温度抽出手段により抽出されたエンジン排気温度、前記エンジン発熱パターン抽出手段により抽出されたエンジン発熱パターンにより対象航空機を特定し対象航空機が敵であるか味方であるかを判定することを特徴とする第1〜7の発明のいずれかに対応する敵味方識別装置。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1を示す図であり、図において1は画像処理部、2は対象航空機データ作成処理部、3は敵味方識別部、4は赤外線撮像装置、5は画像処理装置、6は熱画像解析装置、7は外形抽出部、8は機体外形データベース、9は外形比較部、10はエンジン数抽出部、11はエンジン間隔抽出部、12はエンジン配置抽出部、13はエンジン排気温度抽出部、14はエンジン発熱パターン抽出部、15は対象航空機データ作成部、16は航空機データベース、17は敵味方判定部である。
【0016】画像処理部1は、対象航空機の赤外線画及び熱画像を作成する部分であり、対象航空機の赤外線画像を撮影する赤外線撮像装置4によって対象航空機の赤外線画像を撮影し、この対象航空機の赤外線画像を画像処理装置5によって外形抽出処理可能な形式のデータに変換し、この対象航空機の赤外線画像を熱画像解析装置6によってエンジンの熱データ抽出可能な形式のデータに変換し、対象航空機データ作成処理部2にデータを転送する。
【0017】対象航空機データ作成処理部2は、敵味方判定に使用する対象航空機データを生成する部分であり、外形抽出部7は画像処理装置5から転送された対象航空機の赤外線画像から対象航空機の輪郭を抽出し対象航空機の外形データを生成し、自機の保有する航空機外形データベース8のデータとの比較を外形比較部9で行い該当するデータを候補機種として記憶し対象航空機データ作成部15に転送する。
【0018】エンジン数抽出部10、エンジン間隔抽出部11、エンジン配置抽出部12、エンジン排気温度抽出部13、エンジン発熱パターン抽出部14は、熱画像解析装置6から転送された対象航空機の熱画像からエンジン数、エンジン間隔、エンジン配置、エンジン排気温度、エンジン発熱パターンを抽出しそのデータを対象航空機データ作成部15に転送する。
【0019】対象航空機データ作成部15は、外形抽出部7から転送された対象航空機の外形データ及びエンジン数抽出部10、エンジン間隔抽出部11、エンジン配置抽出部12、エンジン排気温度抽出部13、エンジン発熱パターン抽出部14から転送されたエンジン数、エンジン間隔、エンジン配置、エンジン排気温度、エンジン発熱パターンのデータを1つのテーブルに統合し対象航空機データとして敵味方識別部3に転送する。
【0020】敵味方識別部3は、対象航空機の敵味方識別を行う部分であり、敵味方判定部17は、対象航空機データ作成処理部2から転送された対象航空機データと自機の保有する航空機データベース16とを比較し、敵味方の判定を行う。
【0021】図2は、この発明の実施の形態1における機体外形抽出手段の処理フローを示す図であり、21において図1の画像処理部1の画像処理装置5より転送された対象航空機の赤外線画像から22に示すように特徴点として機首、機尾、翼端、外形線の不連続点、外形線の交点、エンジンポッド等を抽出し、対象航空機の外形データを生成し、23においてこの対象航空機の外形データを図1の航空機外形データベース8との照合を行い、24において外形データの有無を確認し、該当データがある場合、25において外形候補Oxとして記憶し、文字データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。
【0022】また、21において生成された対象航空機の外形データが図1の航空機外形データベース8に該当しない場合、27において対象航空機の外形データを機軸方向または機軸と垂直方向に画像の圧縮または拡大を行い、また機軸方向または機軸と垂直方向に画像を回転させ再び23において航空機外形データベース8との比較を行い、24において該当データがある場合、25において外形候補Oxとして記憶し、文字データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。外形候補データOxの形式は「B4」,「F4」等の形式とする。
【0023】また、26において上記のようなデータの比較を任意に設定された回数実施したことを確認後、生成された対象航空機の外形データが図1の航空機外形データベースに該当しない場合、28において外形不明機として文字データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。この場合、外形候補データOxは「UNK」(=UNKNOWN)等とする。
【0024】図3は、この発明の実施の形態1におけるエンジン数抽出手段の処理フローを示す図であり、31において図1の画像処理部1の熱画像解析装置6より転送された対象航空機の熱解析画像画像から32に示すように高温部分を抽出し、33においてエンジン数データNxとしてカウントし、34においてカウントが完了したことを確認後、35においてエンジン数データNxを数値データの形式で対象航空機データ作成部15に数値データとして転送する。エンジン数データNxの形式は「1」,「2」,「4」等の形式とする。
【0025】また、34において対象航空機の熱画像からエンジン数のカウントが確認できない場合には、36においてエンジン数不明機として数値データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。この場合、エンジン数データNxは「0」,「99」等とする。
【0026】図4は、この発明の実施の形態1におけるエンジン間隔抽出手段の処理フローを示す図であり、41において図1の画像処理部1の熱画像解析装置6より転送された対象航空機の熱解析画像から42に示すように高温部分を抽出し、43においてその間隔をエンジン間隔データDxとして測定し、44において計測が完了したことを確認後、45において数値データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。エンジン間隔データDxは隣り合うエンジンの間隔を示すものであり、双発機の場合「1」,4発機の場合「131」等の形式とする。
【0027】また、44において対象航空機の熱画像からエンジン間隔が測定できない場合には、46においてエンジン間隔不明機として数値データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。この場合、エンジン間隔データDxは「0000」,「9999」等とする。
【0028】図5は、この発明の実施の形態1におけるエンジン配置抽出手段の処理フローを示す図であり、51において図1の画像処理部1の熱画像解析装置6より転送された対象航空機の熱解析画像画像から52に示すように高温部分を抽出し、53においてその前後方向及び左右方向の配列をエンジン配置データAxとして測定し、54において計測が完了したことを確認後、55において文字データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。エンジン配置データAxは「PAR」(=PARALLEL),「SWB15」(=SWEEP BACK15°)等の形式とする。
【0029】また、54において対象航空機の熱画像からエンジン配置が測定できない場合には、56においてエンジン間隔不明機として文字データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。この場合、エンジン配置データAxは「UNK」(=UNKNOWN)等の形式とする。
【0030】図6は、この発明の実施の形態1におけるエンジン排気温度抽出手段の処理フローを示す図であり、61において図1の画像処理部1の熱画像解析装置6より転送された対象航空機の熱解析画像画像から62に示すように高温部分を抽出し、63において後方の温度分布をエンジン排気温度データTxとして測定し、64において計測が完了したことを確認後、65において数値データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。エンジン排気温度データTxは「1000.0」,「2500.5」等の形式とする。
【0031】また、64において対象航空機の熱画像からエンジン排気温度が測定できない場合には、66においてエンジン間隔不明機として数値データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。この場合、エンジン排気温度データTxは「0000.0」等の形式とする。
【0032】図7は、この発明の実施の形態1におけるエンジン発熱パターン抽出手段の処理フローを示す図であり、71において図1の画像処理部1の熱画像解析装置6より転送された対象航空機の熱解析画像画像から72に示すように高温部分を抽出し、73においてエンジン部の温度分布をエンジン発熱パターンデータPxとして測定し、74において計測が完了したことを確認後、75において画像データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。航空機のエンジンはエンジンの種類、製造メーカ、エンジンの機種によって発熱パターンが異なっており、その違いを抽出することで搭載エンジンの差異を検出可能である。
【0033】また、74において対象航空機の熱画像からエンジン発熱パターンが測定できない場合には、76においてエンジン発熱パターン不明機として、画像データの形式で対象航空機データ作成部15に転送する。
【0034】図8は図1のこの発明の実施の形態1における対象航空機が敵であるか味方であるかを判定するために使用する対象航空機データ形式及び自機の保有する航空機データ形式を示し、対象航空機データ作成部15は転送された外形候補データOx、エンジン数データNx、エンジン間隔データDx、エンジン配置データAx、エンジン排気温度データTx、エンジン発熱パターンデータPxから対象航空機データを作成する。対象航空機データと航空機データベース16とを比較することによって、対象航空機の機種を特定し、敵味方判定を行う。
【0035】図9は図1のこの発明の実施の形態1における対象航空機が敵であるか味方であるかを判定する判定方法を示す図であり、敵味方識別部3の敵味方判定部17において、対象航空機データ作成処理部2の対象航空機データ作成部15から転送された対象航空機データと自機の保有する航空機データベース16との照合を行い、敵味方判定を行う。
【0036】敵味方判定部17において、エンジン数データNxは、航空機データベース16の数値データと照合され、一致する航空機データを記憶する。エンジン間隔データDx及びエンジン排気温度データTxは、それぞれ航空機データベース16の数値データと照合され、一致する航空機データまたは設定した範囲内に入っている航空機データを記憶する。エンジン配置データAx及び外形候補データOxは、それぞれ航空機データベース16の文字データと照合され、一致する航空機データを記憶する。エンジン発熱パターンデータPxは航空機データベース16の画像データと照合され、一致する航空機データを記憶する。
【0037】このようにして対象航空機データの外形候補データOx、エンジン数データNx、エンジン間隔データDx、エンジン配置データAx、エンジン排気温度データTx、エンジン発熱パターンデータPxと既知のデータである航空機データベース16とが敵味方判定部17において照合され、その照合結果が一致するデータが最も多いものが対象航空機と判断され、その機種の使用者が敵であるか味方であるかによって、敵味方判定を行う。航空機によっては、同一の機体であっても使用者によって異なるエンジンを使用している場合があり、外形だけでは敵味方識別が不可能な場合においても、この発明のエンジン排気温度、エンジン発熱パターンによる敵味方識別が可能である。また、外形が識別できない場合にも搭載エンジン及びエンジン間隔が観測できれば、機種の特定が可能でありこの発明による敵味方識別が可能である。
【0038】実施の形態2.図10はこの発明の実施の形態2における対象航空機が敵であるか味方であるかを判定する判定方法を示す図であり、この発明の実施の形態1では対象航空機データと航空機データベース16との照合を図9に示すように対象航空機データの外形候補データOx、エンジン数データNx、エンジン間隔データDx、エンジン配置データAx、エンジン排気温度データTx、エンジン発熱パターンデータPxの全項目に対して行っているが、この発明の実施の形態2では対象航空機データに優先順位をつけ、外形候補データOx、エンジン数データNx、エンジン間隔データDx、エンジン配置データAx、エンジン排気温度データTx、エンジン発熱パターンデータPxを順に照合し敵味方判定ができたところで照合を終了することで照合時間を短縮することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】第1の発明によれば、電波を用いたIFF装置により敵味方識別を行う場合と比較してIFF装置の故障、電波管制等の理由により対象航空機が応答パルスの送信ができない場合または通信妨害、電離層の影響等により対象航空機の応答パルスが正しく受信できない場合にも敵味方識別が可能となる。
【0040】また、自機から質問パルスを送信する必要がないため、質問パルスを観測され、自機の存在を検知される危険性がなくなる。
【0041】また、第2の発明によれば機体外形の特徴的な点を抽出することができる。
【0042】また、第3の発明によればエンジンに相当する温度帯を抽出することができる。
【0043】また、第4の発明によればエンジンに相当する温度帯を抽出することができる。
【0044】また、第5の発明によればエンジンに相当する温度帯を抽出することができる。
【0045】また、第6の発明によればエンジンから排出される排気の温度を測定することができる。
【0046】また、第7の発明によれば機体表面に現れる発熱パターンを観測することができる。
【0047】また、第8の発明によれば対象航空機を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による敵味方識別装置の実施の形態1を示す図である。
【図2】 この発明による敵味方識別装置の機体外形抽出手段の処理フローを示す図である。
【図3】 この発明による敵味方識別装置のエンジン数抽出手段の処理フローを示す図である。
【図4】 この発明による敵味方識別装置のエンジン間隔抽出手段の処理フローを示す図である。
【図5】 この発明による敵味方識別装置のエンジン配置抽出手段の処理フローを示す図である。
【図6】 この発明による敵味方識別装置のエンジン排気温度抽出手段の処理フローを示す図である。
【図7】 この発明による敵味方識別装置のエンジン発熱パターン抽出手段の処理フローを示す図である。
【図8】 この発明による敵味方識別装置の対象航空機が敵であるか味方であるかを判定するために使用する対象航空機データ形式及び自機の保有する航空機データ形式を示す図である。
【図9】 この発明による敵味方識別装置の実施の形態1の対象航空機が敵であるか味方であるかを判定する判定方法を示す図である。
【図10】 この発明による敵味方識別装置の実施の形態2の対象航空機が敵であるか味方であるかを判定する判定方法を示す図である。
【図11】 IFF(Identification Friend orFoe)装置の原理を示す図である。
【符号の説明】
1 画像処理部、2 対象航空機データ作成処理部、3 敵味方識別部、4赤外線撮像装置、5 画像処理装置、6 熱画像解析装置、7 外形抽出部、8機体外形データベース、9 外形比較部、10 エンジン数抽出部、11 エンジン間隔抽出部、12 エンジン配置抽出部、13 エンジン排気温度抽出部、14 エンジン発熱パターン抽出部、15 対象航空機データ作成部、16航空機データベース、17 敵味方判定部、201 自機、202 自機質問装置、203 自機応答装置、204 自機アンテナ、205 質問符号パルス、211 対象航空機、212 対象航空機質問装置、213 対象航空機応答装置、214 対象航空機アンテナ、215 応答符号パルス、Ax 対象航空機のエンジン配置データ、Dx 対象航空機のエンジン間隔データ、Nx 対象航空機のエンジン数データ、Ox 対象航空機の外形候補データ、Px 対象航空機のエンジン発熱パターンデータ、Tx 対象航空機のエンジン排気温度データ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 航空機の赤外線映像を撮影する赤外線撮像装置と、この赤外線撮像装置により撮影された映像を処理する画像処理装置と、前記赤外線撮像装置により撮影された映像を熱画像処理する熱画像解析装置と、前記画像処理装置によって処理された画像から機体外形を抽出する機体外形抽出手段と、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン数を抽出するエンジン数抽出手段と、前記画像処理装置によって処理された画像及び前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン間隔を抽出するエンジン間隔抽出手段と、前記画像処理装置によって処理された画像及び前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン配置を抽出するエンジン配置抽出手段と、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン排気温度を抽出するエンジン排気温度抽出手段と、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン発熱パターンを抽出するエンジン発熱パターン抽出手段と、前記機体外形抽出手段により抽出された機体外形、前記エンジン数抽出手段により抽出されたエンジン数、前記エンジン間隔抽出手段により抽出されたエンジン間隔、前記エンジン配置抽出手段により抽出されたエンジン配置、前記エンジン排気温度抽出手段により抽出されたエンジン排気温度、前記エンジン発熱パターン抽出手段により抽出されたエンジン発熱パターンにより総合的に敵味方を識別する識別手段とを具備したことを特徴とする敵味方識別装置。
【請求項2】 前記機体外形抽出手段は、前記赤外線撮像装置により撮影された映像を前記画像処理装置により処理した画像から機体外形の特徴的な点を抽出し機体外形を特定することを特徴とする請求項1記載の敵味方識別装置。
【請求項3】 前記エンジン数抽出手段は、前記赤外線撮像装置により撮影された映像を前記熱画像解析装置により処理した熱画像からエンジンに相当する温度帯を抽出しエンジン数を特定することを特徴とする請求項1または2記載の敵味方識別装置。
【請求項4】 前記エンジン間隔抽出手段は、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジンに相当する温度帯を抽出しエンジン間隔を特定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の敵味方識別装置。
【請求項5】 前記エンジン配置抽出手段は、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジンに相当する温度帯を抽出しエンジン配置を特定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の敵味方識別装置。
【請求項6】 前記エンジン排気温度抽出手段は、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジンから排出される排気の温度を測定しエンジンの種類を特定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の敵味方識別装置。
【請求項7】 前記エンジン発熱パターン抽出手段は、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像から機体表面に現れる発熱パターンを観測しエンジンの種類を特定することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の敵味方識別装置。
【請求項8】 前記識別手段は、前記機体外形抽出手段により抽出された機体外形、前記エンジン数抽出手段により抽出されたエンジン数、前記エンジン間隔抽出手段により抽出されたエンジン間隔、前記エンジン配置抽出手段により抽出されたエンジン配置、前記エンジン排気温度抽出手段により抽出されたエンジン排気温度、前記エンジン発熱パターン抽出手段により抽出されたエンジン発熱パターンにより対象航空機を特定し対象航空機が敵であるか味方であるかを判定することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の敵味方識別装置。
【請求項1】 航空機の赤外線映像を撮影する赤外線撮像装置と、この赤外線撮像装置により撮影された映像を処理する画像処理装置と、前記赤外線撮像装置により撮影された映像を熱画像処理する熱画像解析装置と、前記画像処理装置によって処理された画像から機体外形を抽出する機体外形抽出手段と、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン数を抽出するエンジン数抽出手段と、前記画像処理装置によって処理された画像及び前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン間隔を抽出するエンジン間隔抽出手段と、前記画像処理装置によって処理された画像及び前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン配置を抽出するエンジン配置抽出手段と、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン排気温度を抽出するエンジン排気温度抽出手段と、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジン発熱パターンを抽出するエンジン発熱パターン抽出手段と、前記機体外形抽出手段により抽出された機体外形、前記エンジン数抽出手段により抽出されたエンジン数、前記エンジン間隔抽出手段により抽出されたエンジン間隔、前記エンジン配置抽出手段により抽出されたエンジン配置、前記エンジン排気温度抽出手段により抽出されたエンジン排気温度、前記エンジン発熱パターン抽出手段により抽出されたエンジン発熱パターンにより総合的に敵味方を識別する識別手段とを具備したことを特徴とする敵味方識別装置。
【請求項2】 前記機体外形抽出手段は、前記赤外線撮像装置により撮影された映像を前記画像処理装置により処理した画像から機体外形の特徴的な点を抽出し機体外形を特定することを特徴とする請求項1記載の敵味方識別装置。
【請求項3】 前記エンジン数抽出手段は、前記赤外線撮像装置により撮影された映像を前記熱画像解析装置により処理した熱画像からエンジンに相当する温度帯を抽出しエンジン数を特定することを特徴とする請求項1または2記載の敵味方識別装置。
【請求項4】 前記エンジン間隔抽出手段は、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジンに相当する温度帯を抽出しエンジン間隔を特定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の敵味方識別装置。
【請求項5】 前記エンジン配置抽出手段は、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジンに相当する温度帯を抽出しエンジン配置を特定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の敵味方識別装置。
【請求項6】 前記エンジン排気温度抽出手段は、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像からエンジンから排出される排気の温度を測定しエンジンの種類を特定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の敵味方識別装置。
【請求項7】 前記エンジン発熱パターン抽出手段は、前記熱画像解析装置によって処理された熱画像から機体表面に現れる発熱パターンを観測しエンジンの種類を特定することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の敵味方識別装置。
【請求項8】 前記識別手段は、前記機体外形抽出手段により抽出された機体外形、前記エンジン数抽出手段により抽出されたエンジン数、前記エンジン間隔抽出手段により抽出されたエンジン間隔、前記エンジン配置抽出手段により抽出されたエンジン配置、前記エンジン排気温度抽出手段により抽出されたエンジン排気温度、前記エンジン発熱パターン抽出手段により抽出されたエンジン発熱パターンにより対象航空機を特定し対象航空機が敵であるか味方であるかを判定することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の敵味方識別装置。
【図3】
【図4】
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図11】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図4】
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図11】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2000−200338(P2000−200338A)
【公開日】平成12年7月18日(2000.7.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−369
【出願日】平成11年1月5日(1999.1.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成12年7月18日(2000.7.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成11年1月5日(1999.1.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]