説明

文字入力装置、文字入力装置の文字入力方法、文字入力装置の制御プログラム及びそのプログラム記録媒体

【課題】削除した文字列中において、必要な文字のみを容易に再入力することができる文字入力装置、文字入力方法、文字入力装置の制御プログラム及びそのプログラム記録媒体を提供すること
【解決手段】本発明にかかる文字入力装置は、文字の入力及び文字の削除入力を受け付ける入力部11と、入力部11により入力された文字を表示する表示部12と、入力部11の削除入力に応じて削除された削除文字情報を記憶する削除文字情報記憶部13と、入力部11によって入力された文字情報と、削除文字情報記憶部13に記憶された前記削除文字情報の少なくとも一部分とが一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合に前記削除文字情報の一部分を入力候補として表示部12に表示させる制御部14を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力装置、文字入力装置の文字入力方法、文字入力装置の制御プログラム及びそのプログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末、パソコン、ゲーム機等の文字入力装置において、ユーザが文字をより容易に入力可能とする技術が進展している。
【0003】
例えば、特許文献1には、トグル的に動作するテンキーを用いた文字入力の際に発生しうる誤入力に対して、補正ができる文字入力装置が開示されている。
【0004】
例えば、ユーザが「健康」と入力するつもりで「けんこい」と入力してしまった場合、ユーザは、「けんこい」の最後の「い」を消去する。すると、削除された文字が文字入力装置に記憶され、文字入力装置は、削除された文字以外の「あ」、「う」等の文字を「けんこ」と組み合わせて変換候補文字列を作成し、表示する。ユーザはその変換候補文字列の中から、「健康」を選択する。これによって、ユーザは、文字「う」を改めて入力することなしに、「健康」を入力することができる。
【0005】
また、特許文献2には、日本語の読みを入力し、入力した読み列を漢字かな混じり表記に変換して、日本語文を作成する日本語文作成装置が開示されている。
【0006】
例えば、オペレータが「一般的」という単語を入力しようとして「いっぱんてき」と入力したものの、「いっぱんてき」というひらがな列が漢字変換できない場合、オペレータは「てき」の部分を消去する。このとき、日本語文作成装置は、「てき」という文字を記憶する。
【0007】
次に、オペレータが「いっぱん」という文字列を変換して「一般」とし、当該文字列を確定すると、日本語文作成装置は記憶した文字列「てき」から、「的」を検索して、表示する。これにより、オペレータは再度「てき」と入力しなくとも、「的」という文字を入力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−79832号公報
【特許文献2】特開昭60−24621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
文字入力装置において、ユーザが入力した文字を消去する場合、通常、ユーザは消去用のキーを押すことによって文字を消去する。複数の文字を消去する場合、消去用のキーを消したい文字数分だけ押す必要があるが、誤ってユーザが消去用のキーをその回数より多く押してしまい、必要な文字まで消えてしまうことがある。その場合、ユーザは、必要な文字を再度入力するか、あるいは、入力端末に設けられた専用キーを操作する事により、消去した文字を再表示する必要があった。そのため、ユーザは、必要な文字のみを再入力することに手間がかかるという問題点があった。
【0010】
しかしながら、特許文献1、2に記載の技術は、以上の課題を想定した技術ではなく、当該課題を解決することができない。
【0011】
例えば、特許文献1においては、ユーザが文字列「けんこい」において「い」を削除した場合、入力候補として表示される文字列には、削除された文字「い」は含まれない。特許文献2においては、文字列「いっぱんてき」において削除された「てき」は入力候補として表示されるが、「てき」の一部は入力候補として表示されない。つまり、特許文献1、2において、ユーザは、必要であるにも関わらず削除してしまった文字を容易に再入力することはできない。
【0012】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、必要な文字のみを容易に再入力することができる文字入力装置、文字入力方法、文字入力装置の制御プログラム及びそのプログラム記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明にかかる文字入力装置は、文字の入力及び文字の削除入力を受け付ける入力部と、前記入力部により入力された文字を表示する表示部と、前記入力部の削除入力に応じて削除された削除文字情報を記憶する削除文字情報記憶部と、前記入力部によって入力された文字情報と、前記削除情報記憶部に記憶された前記削除文字情報の少なくとも一部分とが一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合に前記削除文字情報の一部分を入力候補として前記表示部に表示させる制御部を備える。
【0014】
他方、本発明にかかる他の文字入力装置は、文字の入力及び文字の削除入力を受け付ける入力部と、前記入力部により入力された文字を表示する表示部と、前記入力部の削除入力に応じて削除された削除文字情報を記憶する削除文字情報記憶部と、前記入力部によって入力された文字情報と、当該削除文字情報を変換入力するための文字情報の少なくとも一部分とが一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合に前記削除文字情報の一部分を入力候補として前記表示部に表示させる制御部を備える。
【0015】
本発明にかかる文字入力装置の文字入力方法は、削除された削除文字情報を記憶するステップと、削除後に入力された文字情報と、記憶された前記削除文字情報の少なくとも一部分と、が一致するか否かを判定するステップと、一致を判定した場合、前記削除文字情報の一部分を入力候補として表示するステップを備える。
【0016】
本発明にかかる文字入力装置の制御プログラムは、削除された削除文字情報を記憶するステップと、削除後に入力された文字情報と、記憶された前記削除文字情報の少なくとも一部分と、が一致するか否かを判定するステップと、一致を判定した場合、前記削除文字情報の一部分を入力候補として表示するステップを文字入力装置に実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、削除した文字列中において、必要な文字のみを容易に再入力することができる文字入力装置、文字入力装置の文字入力方法、文字入力装置の制御プログラム及びそのプログラム記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態1にかかる文字入力装置の全体構成例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかる制御部の動作を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態2にかかる携帯端末の全体構成例を示すブロック図である。
【図4】実施の形態2にかかる携帯端末の全体図である。
【図5】実施の形態2にかかる制御部の動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態3にかかる制御部の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態4にかかる制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態1
本実施の形態にかかる文字入力装置では、削除された削除文字情報を記憶しておき、入力された文字情報と、記憶された削除文字情報の少なくとも一部分とが一致すると、削除文字情報の一部分を入力候補として表示させる。これにより、ユーザは、削除した文字列中の全ての文字ではなく、必要な文字のみを容易に再入力することができる。以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
図1は、本実施形態にかかる文字入力装置の全体構成例を示すブロック図である。本実施形態にかかる文字入力装置10は、入力部11、表示部12、削除文字情報記憶部13及び制御部14を備える。
【0021】
文字入力装置10は、例えば携帯端末、ゲーム機、PC(Personal Computer)といった、ユーザが文字を入力することができる装置である。
【0022】
入力部11は、ユーザの文字入力及び文字の削除入力を受け付ける。受け付けた後、入力部11は、ユーザが入力した文字情報又は削除入力を行った文字情報(以下、削除文字情報とも記述)を制御部14に出力する。入力部11の具体例は、キーボード、入力ボタンといった、押下によるキー操作を行うものでもよいし、マウス、タッチパネル、回転可能であるダイヤルといったポインティングデバイスでもよい。
【0023】
表示部12は、入力部11により入力された文字を表示し、入力部11により削除された文字の表示を取り消す。なお、表示部12は、制御部14の制御に応じて、時刻、アドレス等、他の情報を表示してもよい。表示部12は、具体的には、通常の液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイといった、モノクロ又はカラー表示の画像表示が可能なディスプレイ等であるが、これに限定されるものではない。
【0024】
なお、入力部11及び表示部12は、物理的に分かれている必要はない。例えば、文字入力装置10がタブレットPC、スマートフォンといった文字入力装置である場合に、入力部11と表示部12とが一体となり、タッチパネルとして文字入力装置10に設けられていてもよい。
【0025】
削除文字情報記憶部13は、ユーザが入力部11の削除入力に応じて削除した削除文字情報を記憶する。さらに、制御部14の制御に応じて、記憶している削除文字情報を出力する。削除文字情報記憶部13は、データを記憶する機能を有するものであり、例えば半導体メモリ、ハードディスクドライブといった記憶手段である。削除文字情報は、例えば削除文字情報を構成している各文字の文字コードが削除文字情報記憶部13に記憶されることによって、削除文字情報記憶部13に記憶される。なお、削除文字情報記憶部13は、例えば、スタックのデータ構造を有する。
【0026】
制御部14は、入力部11、表示部12及び削除文字情報記憶部13に接続され、各部の制御を行う。ユーザの文字入力により、入力部11から文字情報が入力された場合、制御部14は、その文字情報を表示部12に出力する。表示部12は、その制御に応じて、入力された文字情報を表示する。ユーザが文字の削除入力をした場合も、制御部14は、その削除文字情報を表示部12に出力することで、削除された文字の表示を取り消すように表示部12を制御する。
【0027】
さらに、制御部14は、削除文字情報を削除文字情報記憶部13に出力することで、削除文字情報記憶部13に削除文字情報を格納する。削除文字情報記憶部13は、このようにして削除文字情報を記憶する。なお、制御部14は、制御機能を有するものであり、例えばCPU(Central Processing Unit)等を備える集積回路であるが、これに限定されるものではない。
【0028】
なお、文字入力装置10は、文字変換の機能を有していてもよい。例えば、入力部11は、文字変換の入力を受け付ける機能を有し、制御部14は、文字種間で変換処理を行う機能を有する。ユーザが入力部11を用いて文字を入力した後に文字変換の入力を行った場合、制御部14は、図示しない記憶部にアクセスして、変換候補となる文字情報を検索する。ここで、当該記憶部は、各種文字情報が記憶されたデータベースの機能を有し、例えば辞書のように、変換候補となる文字情報が関連付けられて記憶されている。なお、各種文字情報とは、例えば平仮名、カタカナ、漢字、英数字等の文字情報である。変換候補となる文字情報が見つかった場合、制御部14は、その文字情報を変換候補として表示部12に表示させる。
【0029】
次に、本実施形態にかかる制御部14の動作を説明する。図2は、入力部11による文字の入力及び削除入力に応じた、制御部14の制御処理の例を示すフローチャートである。制御部14は、以下の通りに動作を行うことで、ユーザが削除した文字の一部分を表示部12に表示させるように制御する。
【0030】
最初に、制御部14は、入力部11からの信号に基づいて、入力部11が操作されたか否かを判定する(ステップS101)。入力部11が操作されていない場合(ステップS101のNo)、制御部14は、ステップS101に戻って再度判定を行う。
【0031】
入力部11が操作された場合(ステップS101のYes)、制御部14は、入力部11によって文字の削除入力が行われたか否かを判定する(ステップS102)。例えば、制御部14は、入力部11の削除キーが押下されたか否かを、入力部11からの信号に基づいて判定する。
【0032】
文字の削除入力が行われた場合(ステップS102のYes)、制御部14は、入力部11によって削除入力された文字情報、つまり削除文字情報を削除文字情報記憶部13に出力し、格納する(ステップS103)。削除文字情報を格納した後、制御部は、入力部11が操作されたか否かを再度判定する(ステップS101)。
【0033】
文字の削除入力が行われていない場合(ステップS102のNo)、制御部14は、入力部11によって文字入力が行われたか否かを判定する(ステップS104)。例えば、制御部14は、入力部11の文字入力キーが押下されたか否かを、入力部11からの信号に基づいて判定する。
【0034】
文字入力が行われていない場合(ステップS104のNo)、制御部14は、入力部11が操作されたか否かを再度判定する(ステップS101)。
【0035】
文字入力が行われた場合(ステップS104のYes)、制御部14は、削除文字情報記憶部13にアクセスして、削除文字情報が削除文字情報記憶部13に記憶されているか否かを判定する(ステップS105)。
【0036】
削除文字情報が削除文字情報記憶部13に記憶されていない場合(ステップS105のNo)、制御部14は、通常の文字入力動作を行う(ステップS106)。ここで「通常の文字入力動作」とは、入力部11によって入力された文字をそのまま表示部12に表示させる動作をいう。
【0037】
削除文字情報が削除文字情報記憶部13に記憶されている場合(ステップS105のYes)、制御部14は、入力された文字情報と、削除文字情報記憶部13に記憶された削除文字情報の少なくとも一部分とが一致するか否かを判定する(ステップS107)。言いかえれば、制御部14は、入力された文字情報について、その全ての文字情報が削除文字情報中にそのままの文字列として含まれているか否かを、判定している。なお、「削除文字情報の一部分」とは、例えば、削除文字情報中の先頭文字のことを示す。
【0038】
入力された文字情報と、削除文字情報の少なくとも一部分とが一致しない場合(ステップS107のNo)、制御部14は、通常の文字入力動作を行う。つまり、制御部14は、入力された全ての文字情報が削除文字情報中に含まれていないか、あるいはそのままの文字列として含まれていないような場合、通常の文字入力動作を行う。
【0039】
入力された文字情報と削除文字情報の少なくとも一部分とが一致する場合(ステップS107のYes)、制御部14は、一致すると判定された削除文字情報の一部分を入力候補として表示部12に表示させる(ステップS108)。つまり、制御部14は、入力された文字情報について、その全ての文字情報が削除文字情報中にそのままの文字列で含まれていることを判定した場合、入力候補を表示させる。
【0040】
図2に示した制御部14の動作を、具体的な例を示して説明する。ユーザは、「あいうえお」という文字列を、入力部11を用いて予め入力する。表示部12には、入力された文字列「あいうえお」が表示されている。ここで、ユーザは、文字列「あいうえお」のうち、文字列「えお」の部分のみを削除し、文字列「あいう」を残そうとして、入力部11を用いて削除入力を行う。しかし、ユーザは、間違えて文字列「あいうえお」を全て削除してしまったため、文字を再度入力する。以上の例を想定して、制御部14の動作を説明する。
【0041】
まず、ユーザは、入力部11を操作して、文字列「あいうえお」を全て削除する。
【0042】
ここで、制御部14は、入力部11が操作されたか否かを判定する(図2のステップS101)。制御部14は、入力部11が操作されていることを判定し(ステップS101のYes)、その後、文字の削除入力が行われたか否かを判定する(ステップS102)。ユーザは文字列「あいうえお」の削除を行っているので、制御部14は、文字の削除入力が行われたことを判定する(ステップS102のYes)。ここから、制御部14は、文字列「あいうえお」を削除文字情報として、削除文字情報記憶部13に格納する(ステップS103)。
【0043】
次に、ユーザは、間違えて削除してしまった文字列「あいう」を再入力するため、入力部11を操作して文字「あ」を入力する。
【0044】
ここで、制御部14は、入力部11が操作されたか否かを判定する(図2のステップS101)。制御部14は、入力部11が操作されていることを判定し(ステップS101のYes)、次に、文字の削除入力が行われたか否かを判定する(ステップS102)。ユーザは文字「あ」の入力を行っているので、制御部14は、文字の削除入力が行われていないことを判定する(ステップS102のNo)。制御部14は、文字入力が行われているか否かを判定し(ステップS104)、文字入力が行われたことを判定する(ステップS104のYes)。
【0045】
その後、制御部14は、削除文字情報記憶部13に削除文字情報が記憶されているか否かを判定する(図2のステップS105)。制御部14は、削除文字情報記憶部13に削除文字情報「あいうえお」が記憶されていることを判定する(ステップS105のYes)。
【0046】
その後、制御部14は、入力された文字情報と、削除文字情報記憶部13に記憶された削除文字情報の少なくとも一部分とが、一致するか否かを判定する(図2のステップS107)。入力された文字情報は「あ」であり、削除文字情報記憶部13に記憶された削除文字情報は「あいうえお」である。以上から、制御部14は、入力された文字情報「あ」と、削除文字情報との一部分「あ」とが、一致することを判定する(図2のステップS107のYes)。つまり、入力された全ての文字情報「あ」が、削除文字情報「あいうえお」中にそのままの文字「あ」として含まれているため、制御部14は、入力候補を表示させる。
【0047】
以上から、制御部14は、削除文字情報「あいうえお」の一部分を入力候補として表示部12に表示させる(図2のステップS108)。この例では、制御部14は、「あいうえお」において「あ」を含む一部分である「あい」、「あいう」、「あいうえ」を、この順に入力候補として表示させる。
【0048】
ユーザは、入力部11を操作して、表示されている入力候補の中から「あいう」を選択することで、文字列「あいう」を再入力することができる。
【0049】
なお、ユーザが文字列「あいうえお」を削除した後に、文字列「あい」を入力した場合でも、入力された文字情報「あい」と削除文字情報「あいうえお」の一部分「あい」とは一致すると判定される。つまり、入力された全ての文字情報「あい」は、削除文字情報「あいうえお」中にそのままの文字列「あい」として含まれている。従って、制御部14は、ステップS108において、「あい」を含む一部分である「あいう」、「あいうえ」を、この順に入力候補として表示させる。
【0050】
また、ユーザが文字列「あいうえお」を削除した後に、文字列「あか」を入力した場合、入力された文字情報「あか」と削除文字情報「あいうえお」の一部分とは一致しないと判定される。つまり、入力された全ての文字情報「あか」は、削除文字情報「あいうえお」中には含まれていない。従って、制御部14は、削除文字情報の一部分を入力候補として表示させる制御を行わず、通常の文字入力動作を行う。
【0051】
なお、ユーザが「あか」ではなく、「あう」を入力した場合でも、入力された文字情報「あう」と削除文字情報「あいうえお」の一部分とは一致しないと判定される。この場合、入力された文字情報の「あ」と「う」はそれぞれ削除文字情報「あいうえお」中に含まれている。しかし、「あう」は、そのままの文字列として、削除文字情報「あいうえお」中に含まれていない。従って、制御部14は、削除文字情報の一部分を入力候補として表示させる制御を行わず、通常の文字入力動作を行う。
【0052】
このようにして、ユーザは、削除してしまった文字列中の一部分の必要な文字を、削除文字情報の一部分の文字のみを入力することで、再入力することができる。ユーザが必要な文字を全て自分で再入力する場合に比較すると、再入力にかかる手間が減り、容易に再入力することができる。再入力する文字数が多いほど、この効果は顕著である。
【0053】
本実施形態にかかる文字入力装置10は、削除した文字列を再表示するための専用キー等を文字入力装置に設ける場合と比較すると、専用キー等を設けない分だけ文字入力装置10のコストが安くなる。さらに、文字入力装置10において入力部11が占有するスペースも少なくて済む。文字入力装置10が、携帯端末、小型のPC又はゲーム機といった機器である場合、機器の小型性が特に求められているため、この効果は特に大きい。ユーザにとっても、専用キーを操作する必要がなく、容易に文字列を再入力することができる。
【0054】
制御部14の動作説明において、削除文字情報として平仮名列「あいうえお」の具体例を挙げて説明したが、削除文字情報がカタカナ、漢字、英数字等でも同様の動作で再入力は可能である。また、削除文字情報に、平仮名、カタカナ、漢字、英数字等が混合している場合でも、同様に再入力が可能である。
【0055】
例えば、文字変換ができる文字入力装置10において、「蛍光ランプ」という文字列が削除文字情報として記憶されている場合を想定して説明する。ユーザが「ほたる」という文字を入力した場合、「ほたる」という入力された文字情報と、「蛍光ランプ」という削除文字情報の一部分とは一致しない。このため、制御部14は、削除文字情報「蛍光ランプ」の一部分を、入力候補として表示部12に表示させる制御をしない。
【0056】
しかし、ユーザが「ほたる」という文字列を「蛍」に変換すると、変換された後の文字情報「蛍」と、「蛍光ランプ」という削除文字情報の一部分「蛍」とが一致する。このため、制御部14は、削除文字情報「蛍光ランプ」の一部分(例えば「蛍光」)を入力候補として、表示部12に表示させる制御をする。
【0057】
なお、ユーザは「けい」という文字列を「蛍」に変換しても、制御部14は、削除文字情報「蛍光ランプ」の一部分を入力候補として、表示部12に表示させる。ただし、「ほたる」という読みの漢字の数は、「けい」という読みの漢字の数と比較すると少ない。そのため、ユーザが「ほたる」を「蛍」に変換するまでの時間は、「けい」を「蛍」に変換する時間よりも短いと考えられる。ユーザは、このような変換の所要時間を予測して、「ほたる」を入力することにより、より手間を掛けずに、削除文字情報「蛍光ランプ」の一部分を、入力候補として表示させることができる。
【0058】
他の例として、文字列「蛍光ランプ」が削除文字情報として記憶されている場合、ユーザが「ほたるひかり」と入力しても、制御部14は、削除文字情報「蛍光ランプ」の一部分を入力候補として表示部12に表示させる制御をしない。「ほたるひかり」という入力された文字情報と、「蛍光ランプ」という削除文字情報の一部分とは一致しないためである。
【0059】
しかし、ユーザが「ほたるひかり」を「蛍光」として変換すると、変換された後の文字情報「蛍光」と、「蛍光ランプ」という削除文字情報の一部分「蛍光」とが一致する。このため、制御部14は、削除文字情報「蛍光ランプ」の一部分(例えば「蛍光ラ」)を入力候補として、表示部12に表示させる制御をする。このように、ユーザは、2文字以上の漢字についても、その読みを入力し、変換することによって、削除文字情報の一部分を表示させることができる。
【0060】
このようにして、ユーザは、再入力する文字列中の漢字について、その任意の読みを入力し、変換することによって、当該漢字を表示させる。これにより、削除文字情報の一部分を容易に再入力することができる。
【0061】
上述の例では、ユーザが「蛍」あるいは「蛍光」という文字を入力した段階で、制御部14は、削除文字情報「蛍光ランプ」の一部分を表示させる。つまり、ユーザが削除文字情報「蛍光ランプ」の一部分を再入力する意思があると予想される段階で、制御部14は、「蛍光ランプ」の一部分を表示させている。以上から、文字入力装置10は、ユーザが削除文字情報の一部分を再入力する意思をより確実に検知して、削除文字情報の一部分を容易に再入力することができる。なお、ここまでの説明は漢字の変換についての例であるが、他の文字種に関する変換にも応用できる。
【0062】
なお、図2で示した制御部14の動作については、以下のような変更が可能である。
【0063】
図2で示した制御部14の動作のステップは、順番を適宜入れ替えてもよい。例えば、図2に示したステップS102とステップS104は、順番を逆にしてもよい。
【0064】
図2のステップS102において、削除文字情報記憶部13に記憶される削除文字情報
は、確定された文字が削除された場合の削除文字情報でもよいし、未確定の文字が削除された場合の削除文字情報でもよい。
【0065】
図2のステップS107において、制御部14は、入力された文字情報と、削除文字情報記憶部13に記憶された削除文字情報の先頭文字とが一致するか否かを判定してもよい。例えば、削除文字情報が「あいうえお」であり、入力された文字情報が「あ」であって削除文字情報の先頭文字と一致すれば、制御部14は図2のステップS108に示した通りの動作を行う。しかし、入力された文字情報が「い」であって削除文字情報の先頭文字と一致しなければ、制御部14は通常の文字入力動作を行う。このように、制御部14は、入力された文字情報が削除文字情報の先頭文字と一致しない場合、ユーザは削除文字情報の一部分を再入力する意思がないと判定して、削除文字情報の一部分を表示させない制御をしてもよい。
【0066】
図2のステップS108において、制御部14は、削除文字情報の一部分について、全てのパターンを入力候補として表示させる必要はない。例えば、削除文字情報が「あいうえお」で、入力された文字情報が「あ」であれば、制御部14は、「あい」、「あいう」、「あいうえ」のうちの任意のどれかを表示させるように制御してもよい。さらに、制御部14は、削除文字情報全体の文字列「あいうえお」も、削除文字情報の一部分である「あい」、「あいう」等と同様に、入力候補として表示させるようにしてもよい。
【0067】
実施の形態2
本実施の形態にかかる文字入力装置では、削除された削除文字情報を記憶しておき、入力された文字情報と、削除文字情報を変換入力するための文字情報の少なくとも一部分とが一致すると、削除文字情報の一部分を入力候補として表示させる。これにより、ユーザは、削除した文字列中の全ての文字ではなく、必要な文字のみを容易に再入力することができる。以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以降では、「削除文字情報を変換入力するための文字情報」を、「変換文字情報」と適宜略して表記する。
【0068】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態2について説明する。なお、実施の形態1と同様の説明については、適宜省略する。
【0069】
図3は、本実施形態にかかる携帯端末の全体構成例を示すブロック図である。本実施形態にかかる携帯端末20は、入力部21、表示部22、削除文字情報記憶部23及び制御部24を備える。
【0070】
入力部21は、携帯端末20に設けられている複数のボタンであり、文字入力キー211及び文字削除キー212を有する。文字入力キー211は、ユーザの文字入力を受け付けて、文字情報を制御部24に出力する。文字削除キー212は、ユーザの文字削除入力を受け付けて、削除文字情報を制御部24に出力する。
【0071】
表示部22は、液晶ディスプレイであり、入力部21により入力された文字を表示し、入力部21により削除された文字の表示を取り消す。
【0072】
削除文字情報記憶部23は、携帯端末20に備えられたメモリであり、ユーザが入力部21の削除入力に応じて削除された削除文字情報を記憶する。さらに、制御部24の制御に応じて、記憶された削除文字情報を出力する。
【0073】
さらに、削除文字情報記憶部23は、変換文字情報の少なくとも一部分を記憶してもよい。なお、変換文字情報とは、削除文字情報全体を変換入力するための文字情報か、削除文字情報の一部分(例えば、削除文字情報中の先頭文字)を変換入力するための文字情報のいずれかである。あるいは、その両方を含んでもよい。
【0074】
なお、削除文字情報記憶部23は、いわゆるFILO(First in Last out)又はLIFO(Last in First out)といったスタックのデータ構造を有する。また、以上に示した文字情報は、例えば文字コードによって、削除文字情報記憶部23に記憶される。
【0075】
制御部24は、携帯端末20に備えられたCPUである。制御部24は、入力部21、表示部22及び削除文字情報記憶部23に接続され、各部の制御を行う。制御の具体的な動作については、実施の形態1と同様なので、説明を省略する。
【0076】
さらに、制御部24は、変換文字情報の少なくとも一部分を取得する機能を有する。例えば、携帯端末20には、文字情報と当該文字情報を変換入力するための文字情報が関連付けて記憶されている、図示しない記憶部が備えられている。制御部24は、当該記憶部を検索することで、変換文字情報の少なくとも一部分を取得する。
【0077】
ここで、制御部24は、このようにして取得した、変換文字情報の少なくとも一部分からなる複数の候補を、削除文字情報記憶部23に格納してもよい。例えば、制御部24は、入力部21から削除文字情報が入力されたとき、変換文字情報の少なくとも一部分からなる複数の候補を検索して取得し、削除文字情報記憶部23に格納する。言いかえれば、ユーザが入力部21によって文字を削除入力したことをトリガーとして、制御部24は、変換文字情報の少なくとも一部分からなる複数の候補を生成し、削除文字情報記憶部23に格納するようにしてもよい。制御部24は、以上のように格納された複数の候補のいずれかを、削除文字情報記憶部23にアクセスすることによって、取得することができる。
【0078】
携帯端末20は、以上の各部の他にも、無線通信を行うための無線回路、スピーカ、マイク等を適宜備えている。
【0079】
図4は、本実施形態にかかる携帯端末20の一例である。図4は、携帯端末20として、いわゆる折り畳み式の携帯電話を例示している。筐体210の上部には表示部22が設けられ、筐体210の下部には入力部21が設けられている。入力部21の中央には、文字削除キー212としてクリアキーが設けられ、入力部21の下部には、平仮名、カタカナ、英数字及びその他の記号の入力が可能な文字入力キー211が設けられている。また、筐体210の内部には、削除文字情報記憶部23、制御部24が設けられている。
【0080】
なお、文字入力キー211は、トグル的に動作する文字入力キーである。例えば、平仮名を入力する場合、文字入力キー211の中で「1」と「あ」が表面に印刷されているキーを連続して押すと、表示部22に表示される文字は、「あ」→「い」→「う」→「え」→「お」→「あ」→「い」となり、トグル的に変化する。
【0081】
次に、本実施形態にかかる制御部24の動作を説明する。図5は、入力部21による文字の入力及び削除入力に応じた、制御部24の制御処理の例を示すフローチャートである。制御部24は、以下の通りに動作を行うことで、ユーザが削除した文字の一部分を表示部22に表示させるように制御する。
【0082】
図5におけるステップS201〜S206の制御部24の動作は、図2におけるステップS101〜S106の制御部14の動作と同様であるため、説明を省略する。例えば、ステップS202において、制御部24は、文字削除キー212が押下されたか否かを、文字削除キー212からの信号に基づいて判定する。ステップS204においても、制御部24は同様に動作する。
【0083】
ステップS205において、削除文字情報が削除文字情報記憶部23に記憶されている場合(ステップS205のYes)、制御部24は、変換文字情報の少なくとも一部分を取得する。取得の方法については、前述の通りである。
【0084】
そして、制御部24は、入力された文字情報と、変換文字情報(削除文字情報を変換入力するための文字情報)の少なくとも一部分とが一致するか否かを判定する(ステップS207)。言いかえれば、制御部24は、入力された文字情報について、その全ての文字情報が変換文字情報中にそのままの文字列として含まれているか否かを、判定している。
【0085】
入力された文字情報と、変換文字情報の少なくとも一部分とが一致しない場合(ステップS207のNo)、制御部24は、通常の文字入力動作を行う(ステップS206)。つまり、制御部24は、入力された全ての文字情報が変換文字情報中に含まれていないか、あるいはそのままの文字列として含まれていないような場合、通常の文字入力動作を行う。
【0086】
入力された文字情報と、変換文字情報の少なくとも一部分とが一致する場合(ステップS207のYes)、制御部24は、一致すると判定された削除文字情報の一部分を、入力候補として表示部22に表示させる(ステップS208)。つまり、制御部24は、入力された文字情報については、その全ての文字情報が、変換文字情報中にそのままの文字列として含まれていることを判定した場合、入力候補を表示させる。
【0087】
図5に示した制御部24の動作を、具体的な例を示して説明する。ユーザは、「蛍光ランプ」という文字列を、文字入力キー211を用いて予め入力する。表示部22には、入力された文字列「蛍光ランプ」が表示されている。ここで、ユーザは、文字列「蛍光ランプ」のうち、文字列「ランプ」の部分のみを削除し、文字列「蛍光」を残そうとして、文字削除キー212を操作する。しかし、ユーザは、間違えて文字列「蛍光ランプ」を全て削除してしまったため、文字を再度入力する。以上の例を想定して、制御部24の動作を説明する。
【0088】
まず、ユーザは、文字削除キー212を操作して、文字列「蛍光ランプ」を全て削除する。
【0089】
ここで、制御部24は、図2の制御部14と同様に、図5のステップS201〜S203の動作を行う。
【0090】
次に、ユーザは、間違えて削除してしまった文字列「蛍光」を再入力するため、文字入力キー211を操作して文字「け」を入力する。
【0091】
ここで、制御部24は、図2の制御部14と同様に、図5のステップS201、S202、S204、S205の動作を行う。
【0092】
その後、制御部24は、入力された文字情報と、変換文字情報の少なくとも一部分とが一致するか否かを判定する(図5のステップS207)。ここで、入力された文字情報は「け」であり、削除文字情報記憶部23に記憶された削除文字情報は「蛍光ランプ」である。「蛍光ランプ」は、「けいこうらんぷ」、「ケイコウランプ」等の文字情報によって変換入力される。入力された文字情報「け」は、削除文字情報「蛍光ランプ」を変換入力するための文字情報(変換文字情報)「けいこうらんぷ」の一部分「け」と一致する。
【0093】
以上から、制御部24は、入力された文字情報と変換文字情報の一部分とが一致することを判定する(図5のステップS207のYes)。例えば、制御部24は、記憶された削除文字情報「蛍光ランプ」を変換入力するための文字情報「けいこうらんぷ」の一部分「け」を削除文字情報記憶部23から取得し、その「け」が、入力された文字情報「け」と一致することを判定する。
【0094】
以上から、制御部24は、削除文字情報「蛍光ランプ」の一部分及び全体を、入力候補として表示部22に表示させる(図5のステップS208)。この例では、制御部24は、「蛍」、「蛍光」、「蛍光ラ」、「蛍光ラン」、「蛍光ランプ」を、この順に入力候補として表示させる。なお、表示部22において入力候補が表示される位置は、ユーザが入力候補を選択可能な位置であれば限定されない。
【0095】
ユーザは、入力部21を操作して、表示されている入力候補の中から「蛍光」を選択することにより、文字列「蛍光」を再入力することができる。
【0096】
このようにして、ユーザは、削除してしまった文字列中の一部分の必要な文字を、削除文字情報を変換入力するための文字情報のうちの一部分の文字のみを入力することによって、容易に再入力することができる。
【0097】
なお、ユーザが文字列「蛍光ランプ」を削除した後に、文字列「けいこう」を入力した場合でも、入力された文字情報「けいこう」と変換文字情報「けいこうらんぷ」の一部分「けいこう」とは一致すると判定される。つまり、入力された全ての文字情報「けいこう」は、変換文字情報「けいこうらんぷ」中にそのままの文字列「けいこう」として含まれている。従って、制御部24は、図5のステップS208において、「けいこう」を含む削除文字情報の一部分及び全体である「蛍光」、「蛍光ラ」、「蛍光ラン」、「蛍光ランプ」を入力候補として表示させる。
【0098】
なお、削除文字情報「蛍光ランプ」を変換入力するための文字情報には、例えば、「蛍光ランプ」の先頭文字「蛍」を変換入力するための文字情報「ほたる」が含まれてもよい。従って、ユーザが「蛍光ランプ」を削除後に「ほたる」を入力すると、制御部24は、文字「ほたる」が削除文字情報を変換入力するための文字情報「ほたる」と一致することを判定する。ここから、制御部24は、入力候補として「蛍光ランプ」の一部分を表示させる。
【0099】
または、制御部24は、ユーザが「ほ」を入力した段階で、文字情報「ほたる」の一部分と一致することを判定して、入力候補として「蛍光ランプ」の一部分を表示させてもよい。このように、削除文字情報自体の読みとは一致しなくても、削除文字情報の一部分を変換入力するための文字情報であれば、ユーザはその全部あるいは一部分を入力することによって、削除文字情報の一部を容易に再入力することができる。
【0100】
このようにすることにより、ユーザは、より容易に、削除文字情報の一部分を入力することができる。例えば、削除文字情報「蛍光ランプ」において、ユーザが「蛍光」を再入力する場合を想定する。ここで、ユーザは、「蛍光」の読みが分からない場合でも、「蛍光」の先頭の漢字「蛍」の任意の読みの全部分(例えば「ほたる」)、又は一部分(例えば「ほ」)を入力することによって、「蛍光」を容易に再入力することができる。他にも、ユーザが漢字の熟語を再入力したいが、その漢字の熟語の読みが分からない場合が考えられる。そのような場合でも、先頭の漢字の他の読みを入力することによって、ユーザは、容易にその漢字の熟語を再入力することができる。
【0101】
一般的に、ユーザが漢字を含む文字列を全て再入力する場合、文字列自体の入力だけでなく、漢字変換にも時間が掛かってしまう。しかし、本実施形態において、ユーザは、漢字変換を行わずに、容易に漢字を含む文字列を再入力することができる。その他にも、本実施形態にかかる携帯端末20は、実施の形態1の文字入力装置10と同様の効果を奏する。
【0102】
さらに、制御部24は、文字の削除入力をトリガーとして、変換文字情報の少なくとも一部分からなる複数の候補を生成し、削除文字情報記憶部23に格納してもよい。候補の生成及び格納の具体的な方法については、前述の通りである。これによって、以下の通り、迅速な入力候補の表示動作ができるという効果が得られる。
【0103】
例えば、図5のステップS202において、削除文字情報「蛍光ランプ」が文字削除キー212から入力される。このとき、制御部24は、「蛍光ランプ」を変換入力するための「けいこうらんぷ」、「ケイコウランプ」等の文字情報を、図示を省略した記憶部から検索する。そして、制御部24は、ステップS203において、削除文字情報「蛍光ランプ」とともに、例えば文字情報「けいこうらんぷ」の少なくとも一部分である「け」、「けい」等の複数の候補を削除文字情報記憶部23に格納する。あるいは、文字情報「けいこうらんぷ」を削除文字情報記憶部23に格納してもよい。文字情報「ケイコウランプ」についても同様である。
【0104】
あるいは、削除文字情報「蛍光ランプ」の先頭文字である「蛍」を変換入力するための「けい」、「ほたる」の少なくとも一部分からなる複数の候補を、削除文字情報記憶部23に格納してもよい。他にも、「蛍光」を変換入力するための「けいこう」、「ほたるひかり」等の少なくとも一部分からなる複数の候補を、削除文字情報記憶部23に格納してもよい。制御部24は、ステップS202〜S203において、以上の動作を行う。
【0105】
次に、ユーザが「け」を入力する。このとき、制御部24は、ステップS201、S202、S204、S205の動作を行い、削除文字情報「蛍光ランプ」が削除文字情報記憶部23に記憶されていることを判定する。
【0106】
制御部24は、図5のステップS207において、削除文字情報記憶部23に予め記憶された前記複数の候補のいずれかと、入力された文字「け」との一致判定を行う。このとき、制御部24は、削除文字情報記憶部23に記憶された複数の候補のいずれかと、入力された文字「け」とが、一致するか否かを逐一判定すればよい。
【0107】
図5のステップS207において、前記複数の候補が、予め削除文字情報記憶部23に記憶されていない場合、制御部24は、前記複数の候補をステップS207において取得する必要がある。つまり、ユーザの文字入力に応じて入力候補を表示するまでに、前記複数の候補を取得するまでの時間がさらにかかる。しかし、予め、前記複数の候補が削除文字情報記憶部23に記憶されている場合、そのような時間は掛からない。
【0108】
以上から、携帯端末20は、迅速に入力候補を表示できるという効果が得られる。
【0109】
なお、ここまでの例では、削除文字情報として漢字及びカタカナの文字列「蛍光ランプ」を挙げて説明したが、他の文字種に関する変換にも応用できる。例えば、削除文字情報に平仮名、英数字等が混合しているような場合でも、同様に再入力が可能である。
【0110】
また、PC等の文字入力装置において、日本語をローマ字入力する場合にも、以上の例で示した動作は適用できる。例えば、削除文字情報として「蛍光ランプ」が記憶されている場合、「蛍光ランプ」を変換入力するためのローマ字の文字情報は、「keikourannpu」である。文字列「蛍光ランプ」が削除された後、ユーザが「k」を入力すると、制御部24は、「k」が「keikourannpu」の一部分と一致すると判定し、削除文字情報「蛍光ランプ」の一部分である「蛍」、「蛍光」、「蛍光ラ」、「蛍光ラン」を入力候補として表示する。
【0111】
なお、削除文字情報記憶部23は、新しく文字を削除した順に、削除文字情報を出力する。例として、ユーザが「森林」、「シカ」、「自然公園」の順に、文字を削除する。その後、ユーザが「し」と入力すると、削除文字情報記憶部23は、削除文字情報を「自然公園」、「シカ」、「森林」の順に出力する。ここから、制御部24は、入力候補として、「自然公園」の一部分又は全部である「自」、「自然」、「自然公」、「自然公園」を、この順に入力候補として表示させる。次に、「シカ」の一部分又は全部である「シ」、「シカ」、最後に「森」、「森林」を、この順に入力候補として表示させる。これは、削除文字情報記憶部23が、スタックのデータ構造を有することが理由である。実施の形態1において、削除文字情報記憶部13がスタックのデータ構造を有する場合においても同様である。
【0112】
なお、図5で示した制御部24の動作については、実施の形態1と同様の変更が可能である。
【0113】
例えば、図5のステップS206において、制御部24は、入力された文字情報と、削除文字情報記憶部23に記憶された削除文字情報の先頭文字とが一致するか否かを判定してもよい。例えば、削除文字情報が「蛍光ランプ」であり、入力された文字情報が「け」であれば、制御部24は前述の通り、入力候補を表示させる動作を行う。しかし、入力された文字情報が「い」であれば、制御部24は通常の文字入力動作を行う、としてもよい。なお、入力された文字情報が「けい」である場合、制御部24は入力候補を表示させる動作を行うが、入力された文字情報が「けう」である場合、制御部24は通常の文字入力動作を行う。これは実施の形態1で説明した通りである。
【0114】
図5のステップS207において、制御部24は、削除文字情報の一部分について、全てのパターンを入力候補として表示させる必要はない。例えば、削除文字情報が「蛍光ランプ」で、入力された文字情報が「け」であれば、制御部24は、「蛍」、「蛍光」、「蛍光ラ」、「蛍光ラン」のうちの任意の1つを入力候補として表示させるように制御してもよい。削除文字情報全体の文字列「蛍光ランプ」は、入力候補として表示させなくてもよい。
【0115】
本実施形態において説明した、入力部21、表示部22、削除文字情報記憶部23及び制御部24は、上述の説明と同様に動作するものであれば、他の具体例でもよい。さらに、文字入力装置は、例として記載した携帯端末に限定されるものではなく、ゲーム機、PCといった、ユーザが文字を入力することができる他の装置でもよい。
【0116】
実施の形態3
本実施の形態にかかる文字入力装置は、削除文字情報の削除された向きに応じて、少なくとも表示する入力候補を変更する。これにより、ユーザが誤って削除した文字のみを、より的確に再入力することができる。
【0117】
本実施形態にかかる文字入力装置10は、入力部11、表示部12、削除文字情報記憶部13及び制御部14を備える。
【0118】
削除文字情報記憶部13は、削除文字情報を記憶するときに、削除文字情報が前から削除されたのか後ろから削除されたのかを示す削除方向情報を記憶する。例えば、削除文字情報が削除された場合、制御部14は、削除において入力部11中の何の削除キーが用いられたかを入力部11からの信号に基づいて判定する。これにより、制御部14は、削除方向情報を生成する。制御部14は、その削除方向情報を削除文字情報記憶部13に出力し、格納する。これにより、削除文字情報記憶部13は削除方向情報を記憶する。
【0119】
なお、文字を削除する方法については、例えば、キーボードにおいてはバックスペースキーを用いることで文字を後ろから削除し、デリートキーを用いることで、文字を前から削除することができる。制御部14は、バックスペースキーから信号が出力された場合は、その信号に基づいて、削除文字情報が後ろから削除されたことを判定する。制御部14は、当該判定に基づき、削除文字情報が後ろから削除されたことを示す削除方向情報を生成する。デリートキーから信号が出力された場合は、その信号に基づいて、削除文字情報が前から削除されたことを判定する。制御部14は、当該判定に基づき、削除文字情報が前から削除されたことを示す削除方向情報を生成する。なお、削除キーを用いる以外の文字削除方法においても、制御部14が入力部11中のどの部分が操作されたかを判定することにより、削除文字情報がどの方向から削除されたかを判定することができる。これにより、削除方向情報が同様に生成できる。
【0120】
制御部14は、削除方向情報に基づいて、削除文字情報が削除されたのが前からか後ろからかを判定することで、入力候補として表示させる削除文字情報の一部分を適宜変更する。
【0121】
本実施の形態にかかる文字入力装置10の各部のその他の動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0122】
次に、本実施形態にかかる制御部14の動作を説明する。図6は、入力部11による文字の入力及び削除入力に応じた、制御部14の制御処理の例を示すフローチャートである。制御部14は、以下の通りに動作を行うことで、ユーザが削除した文字の一部分を表示部12に表示させるように制御する。
【0123】
図6におけるステップS301及びS302の動作は、図2におけるステップS101及びS102の動作と同様であるため、説明を省略する。
【0124】
ステップS303において、制御部14は、削除文字情報記憶部13に対し、削除文字情報ともに、当該削除文字情報が前から削除されたのか後ろから削除されたのかを示す削除方向情報を格納する。制御部14が削除方向情報を生成する方法については、前述の通りである。
【0125】
図6におけるステップS304〜S307の動作は、図2におけるステップS104〜S107の動作と同様であるため、説明を省略する。
【0126】
ステップS307において、入力された文字情報と、削除文字情報の少なくとも一部分とが一致すると判定された場合(ステップS307のYes)、制御部14は、一致すると判定された削除文字情報が削除されたのは後ろからか否かを判定する(ステップS308)。制御部14は、ステップS303において削除文字情報とともに記憶された削除方向情報を、削除文字情報記憶部13にアクセスして取得することによって、ステップS308の判定を行う。
【0127】
削除文字情報が削除されたのが後ろからであると判定された場合(ステップS308のYes)、制御部14は、表示部12に対し、削除文字情報中の前方の文字を含む前記削除文字情報の一部分を、少なくとも入力候補として表示させる(ステップS309)。
【0128】
削除文字情報が削除されたのが前からであると判定された場合(ステップS308のNo)、制御部14は、表示部12に対し、削除文字情報中の後方の文字を含む前記削除文字情報の一部分を、少なくとも入力候補として表示させる(ステップS310)。
【0129】
図6に示した制御部14の動作を、具体的な例を示して説明する。ユーザは、「あいうえおかき」という文字列を、入力部11を用いて予め入力する。表示部12には、入力された文字列「あいうえおかき」が表示されている。ここで、ユーザは、文字列「あいうえおかき」のうち、文字列「えおかき」の部分のみを削除し、文字列「あいう」を残そうとして、入力部11を用いて削除入力を行う。ここで、ユーザは、バックスペースキーを用いて後ろから「えおかき」を削除しようとしたが、間違えて文字列「あいうえおかき」を全て削除してしまったため、文字を再度入力する。以上の例を想定して、制御部14の動作を説明する。
【0130】
まず、ユーザは、入力部11のバックスペースキーを操作して、文字列「あいうえおかき」を全て削除する。
【0131】
ステップS303において、制御部14は、削除文字情報記憶部13に対し、削除文字情報「あいうえおかき」とともに、「あいうえおかき」が後ろから削除されたことを示す削除方向情報を格納する。なお、制御部14は、バックスペースキーから出力された信号に基づいて、削除文字情報が後ろから削除されたことを示す削除方向情報を生成し、削除文字情報記憶部13に出力している。制御部14のステップS301及びS302の動作については、前述の通りである。
【0132】
次に、ユーザは、間違えて削除してしまった文字列「あいう」を再入力するため、入力部11を操作して文字「あ」を入力する。
【0133】
ここで、制御部14は、図6のステップS301、S302、S304〜S307の動作を行う。制御部14は、ステップS307において、入力された文字情報「あ」と削除文字情報「あいうえおかき」の一部分「あ」とが一致することを判定する(ステップS307のYes)。
【0134】
次に、制御部14は、削除文字情報「あいうえおかき」が削除されたのが後ろからか否かを判定する(ステップS308)。
【0135】
削除文字情報記憶部13の記憶している削除方向情報を取得することにより、制御部14は、削除文字情報「あいうえおかき」が後ろから削除されたことを判定する(ステップS308のYes)。以上から、制御部14は、削除文字情報「あいうえお」の前方の文字を含む一部分を、少なくとも入力候補として表示部12に表示させる(ステップS309)。この例では、制御部14は、「あい」、「あいう」を入力候補として表示させる。
【0136】
ユーザは、入力部11を操作して、表示されている入力候補の中から「あいう」を選択することで、文字列「あいう」を再入力することができる。
【0137】
以上の例においては、制御部14は、ユーザが後ろから削除文字情報を削除したことに基づいて、ユーザが再入力しようとしている文字列(ユーザが誤って削除してしまった文字列)が削除文字情報の前方にあると判定している。その判定により、制御部14は、削除文字情報の前方の文字を含む一部分を、少なくとも入力候補として表示させる。これにより、ユーザが再入力すると想定される文字が、入力候補としてより的確に表示される。
【0138】
なお、削除文字情報の「前方の文字」とは、例えば削除文字情報の前半分の文字情報を示す。あるいは、削除文字情報の最前部から1文字〜数文字までの文字情報のことを示すとしてもよい。
【0139】
逆に、ユーザが文字列「あいうえおかき」を前から削除した場合の例を説明する。その場合、ステップS303において、制御部14は、削除文字情報記憶部13に対し、削除文字情報「あいうえおかき」とともに、「あいうえおかき」が前から削除されたことを示す削除方向情報を記憶させる。削除方向情報の生成については、前述の通りである。
【0140】
その後、ユーザが文字「お」を再入力すると、ステップS307において、制御部14は前述の一致判定を行う。そして、ステップS308において、削除方向情報に基づいて、削除文字情報「あいうえおかき」が削除されたのが前からか否かを判定する。
【0141】
削除文字情報「あいうえおかき」が削除されたのは前からなので(ステップS308のNo)、制御部14は、表示部12に対し、削除文字情報「あいうえおかき」の後方の文字を含む前記削除文字情報の一部分を、少なくとも入力候補として表示させる。この例では、制御部14は、「おか」、「おかき」を入力候補として表示させる。
【0142】
ユーザが「おかき」を再入力したい場合、入力部11を操作して、表示されている入力候補の中から「おかき」を選択することで、文字列「おかき」を再入力することができる。
【0143】
なお、削除文字情報の「後方の文字」とは、例えば削除文字情報の後半分の文字情報を示す。あるいは、削除文字情報の最後部から1文字〜数文字までの文字情報のことを示すとしてもよい。
【0144】
以上の通り、制御部14は、削除文字情報の削除された向きに応じて、表示する入力候補を変更する。これにより、ユーザの所望の再入力したい文字列を、より的確に入力候補に表示することができる。
【0145】
なお、実施の形態2に示した文字入力装置においても、本実施形態に説明した動作を適用することができる。例えば、ユーザが「自然公園」を後ろから削除し、削除後に入力された文字情報が「し」であれば、制御部24は、前述と同様の動作を行って、「自」、「自然」といった、削除文字情報「自然公園」の前方の文字を含む削除文字情報の一部分を表示部22に表示させる。ユーザが「自然」を再入力したい場合には、表示されている入力候補の中から「自然」を選択すればよい。
【0146】
実施の形態4
本実施の形態にかかる文字入力装置は、入力候補として削除文字情報の一部分を、文字数の少ない順に表示させる。これにより、ユーザが誤って削除した文字のみを、より的確に再入力することができる。
【0147】
本実施形態にかかる文字入力装置10は、入力部11、表示部12、削除文字情報記憶部13及び制御部14を備える。各部の動作については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0148】
次に、本実施形態にかかる制御部14の動作を説明する。図7は、入力部11による文字の入力及び削除入力に応じた、制御部14の制御処理の例を示すフローチャートである。
【0149】
図7のステップS401〜S407の動作については、図2のステップS101〜S107の動作と同様であるため、説明を省略する。
【0150】
ステップS407において、入力された文字情報と、削除文字情報の少なくとも一部分とが一致すると判定された場合(ステップS407のYes)、制御部14は、削除文字情報の一部分を、文字数の少ない順に表示させる。
【0151】
例えば、削除文字情報「あいうえお」が削除文字情報記憶部13に記憶され、ユーザが入力した文字が「あ」である場合、制御部14は、入力候補を「あい」、「あいう」、「あいうえ」の順に表示する。
【0152】
あるいは、削除文字情報「あいうえお」が削除文字情報記憶部13に記憶され、ユーザが入力した文字が「う」である場合、制御部14は、入力候補を「うえ」、「うえお」の順に表示する。
【0153】
ユーザが誤って削除する文字の文字数は、一般的に、1文字〜数文字程度の少ない文字数であることが多いと考えられる。言いかえれば、ユーザが再入力する文字数は多くないことが想定される。以上から、制御部14は、削除文字情報の一部分のうち、文字数の少ないものを先に入力候補として表示させることにより、ユーザは、表示されている入力候補を後ろまで見る必要なく所望の文字を再入力することができる。つまり、本実施形態に係る文字入力装置は、ユーザが文字を再入力する手間をより省くことができる。
【0154】
本実施形態に示した制御部の動作は、実施の形態3に示した制御部の動作とともに行われるようにしてもよい。これにより、ユーザが文字を再入力する手間をより省くことができる。
【0155】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、文字入力装置は、実施の形態1及び2の両方に示した動作をしてもよい。つまり、当該文字入力装置の制御部は、入力部によって入力された文字情報と、削除文字情報の少なくとも一部分又は削除文字情報を変換入力するための文字情報の少なくとも一部分と、が一致するか否かを判定するようにしてもよい。どちらかと一致すると判定された場合、制御部は、削除文字情報の一部分を入力候補として表示部に表示させる。
【0156】
例えば、削除文字情報が「自然公園」の場合、ユーザが「し」、「しぜ」、「s」等の文字を入力すると、制御部は、削除文字情報「自然公園」の一部分を入力候補として表示部に表示させる。あるいは、ユーザが「じ」を入力した後、変換して「自」を表示部に表示させても、制御部は、削除文字情報「自然公園」の一部分を入力候補として表示部に表示させる。以上の動作の詳細については、実施の形態1及び2で説明した通りである。
【0157】
さらに、実施の形態1、2、3又は4において、以下のような削除文字情報記憶部及び制御部の動作を加えてもよい。
【0158】
制御部は、適当なタイミングで、削除文字情報記憶部に記憶された削除文字情報を、削除文字情報記憶部から消去してもよい。例えば、図2のステップS107、図5のステップS207等において、ユーザが入力した文字と、ユーザが削除した削除文字情報との一部分とが一致しない場合を想定する。その場合、制御部は、その時点でユーザが文字を再入力する意思はないと判定して、削除文字情報記憶部から削除文字情報を消去するようにしてもよい。あるいは、図2のステップS108、図5のステップS208等において、削除文字情報が入力候補として表示された後に、制御部は、ユーザが削除文字情報を再度使うことはないと判定して、削除文字情報記憶部から表示された当該削除文字情報を消去してもよい。
【0159】
実施の形態2に記載した文字入力装置において、削除文字情報記憶部に変換文字情報の少なくとも一部分からなる複数の候補が記憶される場合にも、同様に前記複数の候補を適当なタイミングで消去してもよい。なお、その場合には、削除文字情報記憶部に削除文字情報のみが記憶される場合と比較すると、一回の削除入力あたりに削除文字情報記憶部に記憶される情報量が増大する。そのため、削除文字情報のみが記憶される場合と比較して、削除文字情報記憶部に記憶された情報を、より頻度高く消去するようにしてもよい。
【0160】
以上に示した本発明の文字入力装置の動作は、制御プログラムとして文字入力装置に実行させてもよい。また、当該制御プログラムは、文字入力装置によって読み取り可能なようにプログラム記録媒体に記録されてもよい。
【0161】
以上で説明した文字入力装置は、日本語だけでなく、他の言語を入力する文字入力装置にも適宜応用可能である。
【符号の説明】
【0162】
10 文字入力装置
11 入力部
12 表示部
13 削除文字情報記憶部
14 制御部
20 携帯端末
21 入力部
22 表示部
23 削除文字情報記憶部
24 制御部
210 筐体
211 文字入力キー
212 文字削除キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字の入力及び文字の削除入力を受け付ける入力部と、
前記入力部により入力された文字を表示する表示部と、
前記入力部の削除入力に応じて削除された削除文字情報を記憶する削除文字情報記憶部と、
前記入力部によって入力された文字情報と、前記削除情報記憶部に記憶された前記削除文字情報の少なくとも一部分とが一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合に前記削除文字情報の一部分を入力候補として前記表示部に表示させる制御部と、
を備える文字入力装置。
【請求項2】
前記入力部は、文字の変換入力をさらに受け付け、
前記制御部は、前記入力部によって入力され変換された後の文字情報と、前記削除情報記憶部に記憶された前記削除文字情報の少なくとも一部分とが一致するか否かを判定する、
請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項3】
文字の入力及び文字の削除入力を受け付ける入力部と、
前記入力部により入力された文字を表示する表示部と、
前記入力部の削除入力に応じて削除された削除文字情報を記憶する削除文字情報記憶部と、
前記入力部によって入力された文字情報と、当該削除文字情報を変換入力するための文字情報の少なくとも一部分とが一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合に前記削除文字情報の一部分を入力候補として前記表示部に表示させる制御部と、
を備える文字入力装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記入力部の削除入力をトリガーとして、削除文字情報を変換入力するための文字情報の少なくとも一部分からなる複数の候補を生成し、前記削除文字情報記憶部に格納して、前記入力部によって入力された文字情報と、前記削除文字情報記憶部に記憶された前記複数の候補のいずれかとが一致するか否かを判定する、
請求項3に記載の文字入力装置。
【請求項5】
前記削除文字情報記憶部は、前記削除文字情報が前から削除されたのか後ろから削除されたのかを示す削除方向情報をさらに記憶し、
前記制御部は、一致を判定した場合、前記削除情報記憶部の前記削除方向情報から、前記削除文字情報が削除されたのが前からか後ろからかを判定し、
前記削除情報が前から削除されたことを判定すると、前記表示部に対し、前記削除文字情報中の後方の文字を含む、前記削除文字情報の一部分を少なくとも入力候補として表示させ、
前記削除文字情報が後ろから削除されたことを判定すると、前記表示部に対し、前記削除文字情報中の前方の文字を含む、前記削除文字情報の一部分を少なくとも入力候補として表示させる、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の文字入力装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記入力候補として前記削除文字情報の一部分を文字数の少ない順に表示させる、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の文字入力装置。
【請求項7】
削除された削除文字情報を記憶するステップと、
削除後に入力された文字情報と、記憶された前記削除文字情報の少なくとも一部分と、が一致するか否かを判定するステップと、
一致を判定した場合、前記削除文字情報の一部分を入力候補として表示するステップと、
を備える文字入力装置の文字入力方法。
【請求項8】
削除された削除文字情報を記憶するステップと、
削除後に入力された文字情報と、記憶された前記削除文字情報の少なくとも一部分と、が一致するか否かを判定するステップと、
一致を判定した場合、前記削除文字情報の一部分を入力候補として表示するステップと、
を文字入力装置に実行させる文字入力装置の制御プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の制御プログラムが、文字入力装置によって読み取り可能なように記録されているプログラム記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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