説明

文房具、並びに、化粧具、口腔衛生具の軸と軸との連結構造

【課題】 ネジによる螺合構造では相対的に一回転以上回転させることが一般的で、取り付ける際には持ち替えが必須である為に操作が煩わしく、また一回転以下だと不用意に外れてしまう恐れがあった。
また、乗り越え段部による嵌め合い構造では、その嵌め合い荷重のバラつきの為に、取り付けが硬かったり、不用意に外れてしまうといった不具合が生じてしまっていた。
また、一方の凹溝と係止孔に、他方の係合凸部を移動して係合する構造では、容易に外れてしまう恐れがあり、またクリアランスによるガタつきが生じてしまうという不具合があった。また係止孔が外観を損ねるという問題があった。
【解決手段】 一方の軸の内面に係合受部を形成すると共に、他方の軸の外面に前記係合受部と係合する係合部を形成した軸と軸との連結構造にあって、それら軸と軸との間に互いの軸が付勢される弾性体を介在させた文房具、並びに、化粧具、口腔衛生具の軸と軸との連結構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の着脱構造に関し、特に一方の軸筒に、もう一方の軸筒を取り付け、外すことが容易かつ確実にできる軸筒の形状に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の容器は密閉する、しないに関わらず蓋の開閉を確実に行うため、ネジによる螺合構造を用いたり、互いに設けた乗り越え段部による嵌め合い構造を用いるなどしていた。また、一方の軸筒の後部に設けた凹溝と係止孔に、もう一方の軸筒外周に設けた凸部を移動して係合するよう成した構造がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−93843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの従来技術は、ネジによる螺合構造では相対的に一回転以上回転させることが一般的で、取り付ける際には持ち替えが必須である為に操作が煩わしく、また一回転以下だと不用意に外れてしまう恐れがあった。
また、乗り越え段部による嵌め合い構造では、その嵌め合い荷重のバラつきの為に、取り付けが硬かったり、不用意に外れてしまうといった不具合が生じてしまっていた。
また、一方の凹溝と係止孔に、他方の係合凸部を移動して係合する構造では、容易に外れてしまう恐れがあり、また、クリアランスによるガタつきが生じてしまうという不具合があった。また係止孔が外観を損ねるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、容器の軸筒において、一方の軸筒内部に係合溝を形成し、他方の軸筒外部に係合突起を形成し、それらの係合完了時には互いの軸筒同士が軸線方向に引き合い、または離れ合う弾力を一体的に、または別体で設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、容器の軸筒において、一方の軸筒内部に係合溝を形成し、他方の軸筒外部に係合突起を形成し、それらの係合完了時には互いの軸筒同士が軸線方向に引き合い、または離れ合う弾力を一体的に、または別体で設けたので、取り付け、取り外し操作が容易で、不用意に外れることがないばかりでなく、ガタつきがなく外観を損ねることがない構造である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施例を示す斜視図。
【図2】第1実施例の要部詳細図。
【図3】(a)第1実施例の分解外観図。 (b)図3(a)の縦断面図。
【図4】第1実施例の部品図。
【図5】(a)第2実施例を示す斜視図。 (b)キャップの拡大斜視図。
【図6】第2実施例の部品図。
【図7】第3実施例を示す斜視図。
【図8】第3実施例の部品図。
【図9】第4実施例を示す斜視図。
【図10】第4実施例の部品図。
【図11】第5実施例を示す斜視図。
【図12】第5実施例の部品図。
【図13】第6実施例を示す外観図。
【図14】図13の縦断面図。
【図15】図13の横断面図。
【図16】(a)図14の要部拡大図。 (b)第6実施例の要部拡大斜視図。
【図17】第6実施例の使用状態を示す外観図。
【図18】第6実施例の使用状態を示す外観図。
【図19】第7実施例を示す外観図。
【図20】図19の縦断面図。
【図21】図19の横断面図。
【図22】(a)図20の要部拡大図。 (b)第7実施例の要部拡大斜視図。
【図23】第7実施例の使用状態を示す外観図。
【図24】第7実施例の使用状態を示す外観図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する(第1の実施例)。図1〜図4は本発明における第1の実施例である。本例は軸筒と先金の脱着構造であって筆記具に用いた例である。筆記具に限らず、スポンジや繊維束からなるブラシとそのブラシを接続する柄との連結構造であっても良いし、或いは、化粧具、或いは、スパナなどの工具の柄を伸長するために他の柄を接続する連結構造であっても良い。
前記筆記具の1例としては、ボールペンやサインペン、画筆、ふでペン、シャープペンシル、万年筆などが挙げられる。軸筒1の内面の先端部近傍には、大径部1aが形成されており、その大径部から後方が小径部1bとなっている。その小径部の前方部の内面には、略コの字状の凹溝2が対向する2箇所に形成されているが、対向する2箇所に限らず、3箇所であっても良く、4箇所などであっても良いが、放射状の等間隔な位置に形成するのが好ましい。その凹溝2は、小径部1bの前端部から後方に向けて形成された後方溝部2aと、その後方溝部2aから90度屈曲して円周方向に形成された円周溝部2bと、その円周溝部2bからさらに90度前方に向けて形成された前方溝部2cとから形成されているが、その前方溝部2cの前端部は、前記小径部1bの前端部までは達していない。つまり、前方溝部2cは、大径部1aまでには至っていない。また、前記後方溝部2aと前方溝部2cとの間に形成された突起1cの円周溝部2b側における端部には、面取り加工(面取り部1d)が形成されている。
また、前記軸筒1の前方部には、先金3が着脱自在に取り付けられており、その先金3の先端部には、ボールペンチップが固定されているが、サインペンのペン先や筆穂などであっても良い。その先金3の前方部には先細り状の円錐部3aが形成されており、その円錐部3aの後部には、円錐部3aの後端部よりも小径な取り付け筒部3bが形成されている。そして、その取り付け筒部3bの外周面には、前記凹溝2と係合する長方形状の係合突起4が対向する2箇所に設置されているが、その係合突起4の3つの角部には僅かながらに面取り部4aが形成されている。面取り部4aを形成することによって、それら後方に位置する面取り部4aが前記後方溝部2a、並びに、円周溝部2bへの挿入の際の案内部となり、また、前方に位置する面取り部4aが、先金3を取り外す際の案内部となる。尚、面取り部4aが形成されていない角部4bは、前記円錐部3aの後端部側に設けられている。前記係合突起4の1つの角に角部4bを形成することによって、係合状態において、前方溝部2cの段部2ccとの当接面積が大きく採れるようになり、係合突起4の突起1cに対する乗り上げが防止されると共に、また、軸筒1に対する先金3のぐらつきが防止される。
さらに、前記先金3の取り付け筒部3bの前端部、即ち、円錐部3aとの連結部分には、円周溝部3cが形成されており、その円周溝部3cにはOリングと呼ばれる環状の弾性体5が装着されている。そのOリングと呼ばれる弾性体5は、シリコーンゴムや、ニトリルゴム、ウレタンゴム、スチレンブタジエンゴムなどのゴム状弾性材質から構成されているが、熱可塑性エラストマーと言った弾性を有する樹脂材質から構成されても良い。また、その弾性体5の断面形状は、円形のものを使用しているが、正方形や長方形と言った四角形状であっても良く、或いは、楕円形状などであっても良い。
【0009】
前記弾性体5は、軸筒1と先金3とを連結させた際に、軸筒1の小径部1bの前端面部1eに圧接された状態で当接するものとなっているが、大径部1aの内面にも圧接された状態で接触するものとなっている。また、軸筒1の小径部1bの内径は、先金3の取り付け筒部3bの外径とほぼ同径をなしている。即ち、先金3の弾性体5と取付筒部3bを軸筒1の内面に接触させることによって、先金3の軸筒1に対する周方向のぐらつき、振れを防止している。
【0010】
次に、軸筒1と先金3との連結・係合動作について説明する。先金3を軸筒1に取り付ける際には、軸筒1の小径部1bの端面まで延設された凹溝2の後方溝部2aに、先金3の係合突起4を位置させ、係合突起4が後方溝部2aの段部2aaに突き当たるまで軸筒1内に挿入する。この時、弾性体5が軸筒1の長手方向に対して圧縮・変形するまで、前記の先金3を軸筒1に対して挿入する。次に、先金3を図2において時計回りに回転させ、円周溝部2bの段部2bbに当接するまで回転させる。ここで先金3を操作する手から離すと、弾性体5の復元力により、その先金3が前方に向けて移動するが、その先金3の前進移動は、係合突起4が前方溝部2cの段部2ccに達するまで移動する。この状態で先金3の軸筒1への取り付けが完了する。尚、軸筒1に取り付けられた先金3の係合突起4は、円周溝部2bの段部2bbと突起1cに挟まれた状態となっており、そのため、先金3と軸筒1との相対的な回転が制限されている。先金3を軸筒1から取り外す際には、前記の動作と逆の操作を行う。
本例は、軸筒1と先金3との間に弾性体5を介在させ、互いが付勢し合うようにしているが、連結させた際においても、わずかながらに、先金3が軸筒1に対して前後動し得るようにした方が良い。弾性体5の経時的な劣化が防止されると共に、係合突起4や段部2ccなどへの応力集中によるひび割れなども防止され、経時的に安定した連結状態を保つことが可能である。
また、本例に示す様に、軸筒1の小径部1bに凹溝2を形成することによって、軸筒内面で先金と係合するため、係合部分が外部に露出することがなく、見栄えがよいと言う効果が奏せられる。
【0011】
次に、図5及び図6に示す第2の実施例について説明する。本例は軸筒と中軸の着脱構造であって容器に関する例である。その中軸の前方には、前記第1実施例の様に筆記体を固定した状態で取り付けても良いが、歯ブラシやアイライナーのブラシ部分を取り付けても良いし、或いは、スパナやカッター、けがき針などの工具を取り付けても良い。

軸筒6の内面の先端近傍には、大径部6aが形成されており、その大径部6aの後方には小径部6bが形成されている。その小径部6bには、長方形状の凹部7が対向する2個所に形成されており、また、前記大径部6aには、その大径部6aの前端部から切り欠かれたV溝8が対向する2箇所に形成されている。
一方、中軸9の中間部には、鍔部9aが円周状に形成されており、その鍔部9aの後方には、前記凹部7と係合する係合突起10、及び、V溝8と係合するV突起11が各々対向する2箇所に形成されている。また、前記凹部7の前後の位置には、貫通溝9bが形成されており、前記係合突起10付近が内径方向に向けてたわみ変形が可能なものとなっていると共に、前後の方向に対してもたわみ変形が可能なものとなっている。
また、鍔部9aの後端面9cから係合突起10の前端面10aまでの距離Xは、前記軸筒1に形成した凹溝7の前端面7aから軸筒1の前端面6aまでの距離Yよりも短く形成されている。即ち、中軸9を軸筒6に連結した際には、前記前方に形成された貫通孔9bが圧縮されるものとなっている。
ちなみに、中軸9を軸筒6に取り付ける際には、V突起11をV溝8に合わせた後、中軸9を真っ直ぐに軸筒6に挿入する。この時、係合突起10付近は、その係合突起10の前後に形成された貫通孔9bによって内径方向に変形する。さらに、中軸9を押し込むと、係合突起10が凹部7に位置すると共に、自らの弾性復元力によって復元し、凹部7に嵌り込む。これと同時に中軸9の鍔部9aの後端面部が軸筒6の前端面に当接する。この嵌り込む瞬間、並びに、鍔部9aが当接する瞬間に、パチンと音が発せられ、取り付けの完了を認識することができる。これら軸筒6と中軸9との連結の際には、前方に形成された貫通孔9bが圧縮されるものとなっており、軸筒6と中軸9とのガタつきが防止されている。
尚、中軸9を軸筒6から取り外す時には、中軸9を、その中軸9の長手方向における中心軸線を中心にして回転させる。中軸9のV突起11の斜面11aがV溝8の斜面8aに沿って軸筒6から突出する方向に移動し、この作用によって簡単に取り外すことができる。
【0012】
次に、図7及び図8に示す第3の実施例について説明する。本例は第2実施例と同様に軸筒とキャップの着脱構造であって容器に関する例である。軸筒12の内面の先端近傍には、大径部12aが形成されており、その大径部12aの後方には小径部12bが形成されている。その小径部12bには、長方形状の凹部13が対向する2箇所に形成されている。
一方、中軸14には、前記凹部13と係合する係合突起15が対向する2箇所に形成されており、また、それら対向する係合突起15の間であって中軸14の長手方向には、スリット16が対向する2箇所に形成されている。即ち、係合突起15付近が、内径方向に向かってたわみ・変形が可能なものとなっている。また、中軸14の中間部には、鍔部17が円周上に形成されており、その鍔部17の後端面に接触するように弾性体5が装着されている。
中軸14を軸筒12に取り付ける際には、中軸14の後部を指などで摘まみ、内径方向に向かってたわませ、中軸14の鍔部17の後方に位置する弾性体5が軸筒12の端面18に当接し圧縮されるまで挿入する。その後、係合突起15が凹部13に位置すると共に、自らの弾性復元力によって係合突起15付近が復元し、この時、パチンと音が発せられ、取り付けが完了する。
尚、中軸14を軸筒12から取り外す際には、中軸14の中間部を指で摘まんで、スリット16を内径方向に向かってたわませる。このたわみ作用により、係合突起15と凹部13との係合作用が解除され、中軸14と軸筒12との取り外しが可能となる。
【0013】
次に図9及び図10に示す第4の実施例について説明する。本例もまた第2実施例と同様に軸筒とキャップの着脱構造であって容器に関する例である。軸筒19の軸筒内部には、「く」型が連続して形成されたスイッチバック形状の凹部20が軸筒1の前端部から後方に向けて対向した2箇所に形成されている。
一方、中軸21には、その凹部20と係合する円柱状の係合突起22が対向した2箇所に形成されている。また、中軸21の中間部には、鍔部21aが円周上に形成されている。
中軸21を軸筒19に取り付ける際には、まず、係合突起22を凹部20の導入溝20aに合わせて真っ直ぐに挿入し、続いて、連続的に係合突起22を「く」型の凹部20に沿うように回転終端20b、20c、20d、20eに当接するまで回転、反回転させて挿入する。そして、係合突起22が凹部20の係合終端20fに到達した際に取り付けが完了するが、その係合突起22が回転終端20eから係合終端20fに到達される過程で、中軸21の鍔部21aが軸筒19の前端部に当接し、その鍔部21aが当接した時点において取り付けが完了する。ここで、さらに、中軸21を回転させると、前記係合突起22が変形しながらも回転することになり、軸筒19との当接・係合力がより強固なものとなる。
尚、中軸21を軸筒19から取り外す際には、前記の取り付け操作の逆を行う。
【0014】
次に図11及び図12に示す第5の実施例について説明する。本例もまた第2実施例と同様に軸筒と中軸の着脱構造であって容器に関する例である。軸筒23の内面には、ほぼM字状の凸部24が対向した2箇所の位置に形成されている。その凸部24の後面には、凹部24aが形成されていると共に、両側には、傾斜面24bが形成されている。
一方、中軸25には、円柱状の係合突起26が形成されており、中間部には鍔部28が形成されている。そして、それら係合突起26と鍔部28との間には、スリット27が周方向の対向する2箇所に形成されている。
中軸25を軸筒23に取り付ける際には、中軸25を鍔部28が軸筒23の前端面29に当接するまで挿入するが、その挿入過程で、中軸25を軸筒1に対して相対的に回転させる。この際、係合突起26が凸部24の斜面24bを乗り越えるが、その乗り越える過程で前記スリット27が拡開される。さらに中軸25の軸筒23に対し理相対的な回転がなされると、係合突起26が凸部24の凹部24aに嵌り込む。この時、前記係合突起26付近が自らの弾性復元力によって復帰し、パチンと音が発生すると共に、取り付けが完了するが、スリット27は完全には復帰せず、その不完全な復帰となっている。即ち、不完全な復帰とすることによって、復元力が残留し、中軸25の鍔部28を軸筒23の前端面に強固に付勢し続けさせているのである。
尚、中軸25を軸筒23から取り外す際には、中軸25を軸筒23に対してわずかに回転させる。
【0015】
以上の実施例1〜5を基に応用した実施例を以下に示す。図13〜図18は本発明における第1の実施例を基に応用した第6実施例である。本例は軸筒1と前軸30及びキャップ31の脱着構造であって筆記具に用いた例である。第1実施例と同じ部分を示す説明は省略する。
筆記具の1例としては、ボールペンやマーカー類、万年筆などが挙げられる。軸筒1には、第1実施例と同様の係合構造により、前軸30が取り付けられている。その前軸30の横断面形状は、直線状部を対向する位置に形成した略楕円形状をなした扁平な形状(偏平部30b)となっている。その前軸30の外周には嵌合リブ30aが周状に設けられており、キャップ31の内面には、前記嵌合リブ30aと着脱自在に係合する複数の嵌合突起31aが設けられている。
また、キャップ31の内面には、4方に板状リブ31bが設けられており、前記前軸30の扁平部30bを挟み込む状態に配置されている。この時、板状リブ31bの先端部は、扁平部30bの外面と接触させても良いが、キャップ31の着脱を考慮すると、わずかな隙間が形成されるよう構成するのが好ましい。
前記前軸30には、筆記先端側(図中上方)に露出するようにペン先32が圧入などの手段により固定・配置されている。一方、前軸30の軸筒1内部側(図中下方)には、インク貯蔵部33が配置されている。そのインク貯蔵部33の外周33aは、前記前軸30の内面に形成された内面リブ30cに対して、圧入された状態で接触しているが、取り外し自在に取り付けられている。
一方、前記軸筒1の内面には、実施例1と同様に略コの字状の凹溝2が形成されており、その略コの字状の凹溝2と着脱自在に係合する長方形状の係合突起4が、前記前軸30の外周面に形成されている。
次に、使用方法について述べる。キャップ31は、嵌合突起31aと前軸30の嵌合リブ30aと乗り越え嵌合により取り付けられている。その嵌合状態から、キャップ31を前軸30からまっすぐに引き抜く方向に力を加えると、キャップ31の嵌合突起31aと前軸30の嵌合リブ30aの嵌合が解除され、前記ペン先32が露出し、使用者が通常の筆記を行える状態になる。
尚、軸筒1と前軸30との係合・係合解除動作については実施例1に示した通りである。ここで、本実施例においては、キャップ31の板状リブ31bが、前軸30の扁平部30bを挟み込む状態で形成されているため、それらキャップ31と前軸30との相対的な回転が防止されている。よって、キャップ31を前軸30に嵌合した状態のままで、軸筒1と前軸30との係合・係合解除動作を行うことができる。即ち、軸筒1に内蔵されたインク貯蔵部33を、前軸30を介してキャップ31に取り付けた状態で交換することが可能である。
【0016】
更に、実施例1〜5を基に応用した実施例を以下に示す。図19〜図22は、前記実施例6と同じく本発明における第1実施例を基に応用した第7実施例である。本例は軸筒1と中軸34及びキャップ35の脱着構造であって化粧品に用いた例である。第1実施例と同じ部分を示す説明は省略する。その化粧品の1例としては、マスカラ容器が挙げられる。
軸筒1には、第1実施例と同様の係合構造により、中軸34が取り付けられている。その中軸34の外周には、嵌合リブ34aが周状に設けられており、その嵌合リブ34aと着脱自在に係合する複数の嵌合突起35aがキャップ35の内面に設けられている。
また、キャップ35の内面には、4方に板状リブ35bが設けられており、中軸34の扁平部34bを挟み込む状態で配置されている。
前記中軸34には、整えブラシ36が図中上方に圧入などにより一体的に配置されており、一方、中軸34の軸筒1内部側(図中下方)にはスクリューブラシ37が一体的に取り付けられている。
一方、前記軸筒1の内面には、実施例1と同様に略コの字状の凹溝2が形成されており、その略コの字状の凹溝2と着脱自在に係合する長方形状の係合突起4が、前記中軸34の外周面に形成されている。
次に、使用方法について述べる。キャップ35は、嵌合突起35aと中軸34の嵌合リブ34aと乗り越え嵌合により取り付けられている。その嵌合状態から、キャップ35を中軸34からまっすぐに引き抜く方向に力を加えると、キャップ35の嵌合突起35aと中軸34の嵌合リブ34aの嵌合が解除されて、前記整えブラシ36が露出する。

尚、軸筒1と中軸34との係合・係合解除動作については実施例1に示した通りである。
ここで、本実施例においては、キャップ35を中軸34に嵌合した状態のままであっても、キャップ35の板状リブ35bが中軸34の扁平部34bを挟み込む状態で形成されているため、それらキャップ35と中軸34との相対的な回転が防止されている。よって、キャップ35を中軸34に嵌合した状態のままで、軸筒1と中軸34との係合・係合解除動作を行う事ができる。これにより、中軸34を介してキャップ35に取り付けた状態でスクリューブラシ37を使用することが可能である。
【符号の説明】
【0017】
1 軸筒

2 凹溝
3 先金
4 係合突起
5 弾性体
6 軸筒
7 凹部
8 V溝
9 中軸
10 係合突起
11 V突起
12 軸筒
13 凹部
14 中軸
15 係合突起
16 スリット
17 段部
18 端面
19 軸筒
20 ギザギザ凹部
21 中軸
22 係合突起
23 軸筒
24 凸部
25 中軸
26 係合突起
27 スリット
28 段部
29 端面
30 前軸
31 キャップ
32 ペン先
33 インク貯蔵部
34 中軸
35 キャップ
36 整えブラシ
37 スクリューブラシ
38 しごき

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の軸の内面に係合受部を形成すると共に、他方の軸の外面に前記係合受部と係合する係合部を形成した軸と軸との連結構造にあって、それら軸と軸との間に互いの軸が付勢される弾性体を介在させた文房具、並びに、化粧具、口腔衛生具の軸と軸との連結構造。
【請求項2】
前記軸を相対的な回転によって連結すると共に、前記弾性体を環状部材とした請求項1記載の文房具、並びに、化粧具、口腔衛生具の軸と軸との連結構造。
【請求項3】
前記係合受部が形成される軸の内面を大径部と小径部とから構成すると共に、その小径部に前記係合受部を形成した請求項1、或いは、請求項2に記載の文房具、並びに、化粧具、口腔衛生具の軸と軸との連結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−178000(P2011−178000A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43579(P2010−43579)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000005511)ぺんてる株式会社 (899)
【Fターム(参考)】