説明

文書スクロール方法

本発明は、ユーザによる文書の閲覧又は編集を可能にするデータ処理システムに関する。ユーザが短時間に比較的大きな距離だけ文書をスクロールすると、システムは、スクロール中により良好な概観をユーザに提供するため、ズーム係数を自動調整する。ユーザがスクロール処理を完了すると、ズーム係数がその初期値に復元されるようにしてもよい。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書内の焦点位置及び少なくとも1つの座標方向に関するズーム係数により決定される当該文書の少なくとも一部を表示画面上に提示する提示手段と、ユーザにより与えられるスクロールコマンドに応答して前記焦点位置を調整するスクロール手段とを有するデータ処理システムに関する。
【0002】
本発明はさらに、文書内の焦点位置及び少なくとも1つの座標方向に関するズーム係数により決定される当該文書の少なくとも一部を表示画面上に提示するステップと、ユーザにより与えられるスクロールコマンドに応答して前記焦点位置を調整するステップとを有する文書スクロール方法に関する。
【0003】
本発明はさらに、上記方法を実現するコンピュータプログラムプロダクトに関する。
【背景技術】
【0004】
スクロール処理及びズーム処理は、ワープロ、スプレッドシート、デジタルマップなどのインタラクティブアプリケーションにおける最も頻繁に利用されるコマンドに属する。これは、文書全体は典型的には表示画面により表示可能なものよりはるかに大きいためである。文書全体の概観を得るため、ユーザは、編集や選択などの処理は典型的にはズームアウトビューでは小さすぎるか、あるいは見ることができない文書の詳細要素を明らかにするズームインビューを必要とするが、文書の大部分を一瞥するためには、おそらくズームアウトする。
【0005】
導入部に規定されるようなシステムの一例は、米国特許第6,407,749号から知られている。この既知のシステムは、スクロール処理とズーム処理との容易な切り替えを行うユーザ操作可能な手段をユーザに提供する。これは例えば、画面上のグラフィックツールを利用する必要なく、2つのマウスボタンを同時に操作することにより達成される。従って、この既知のシステムは、ユーザにスムースな飛行のようなエスセティック(flight−like aesthetic)を提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、導入部において規定されるタイプの改良されたシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一特徴では、上記課題は、本発明によるデータ処理システムの提示手段が、スクロールコマンドの特徴に応じてズーム係数を自動的に調整するよう構成されることにより実現される。当該スクロールコマンドの特徴は、期間、繰り返しレート又は強度を含むものであってもよい。例えば、ユーザが「ページダウン」コマンドを素早く繰り返す場合、又は、ユーザが当該コマンドの迅速な繰り返しを生成するため、長い時間「ページダウン」ボタンを保持する場合、本発明によるシステムは、ズーム係数を自動的に調整するようにしてもよい。好ましくは、このような調整はズームアウト処理を有し、これにより、特定の座標方向への焦点位置の比較的大きな調整が少なくとも当該座標方向への文書のズームアウトを発生させ、ユーザにスクロール処理の効果のより良好な印象を提供することができる。
【0008】
本発明者は、比較的長い距離だけ文書をスクロールすることは、ズームインビューにおいて単独画面により提供されるコンテクストより大きなコンテクストに本来的に関係する。従来のシステムでは、スクロールダウンボタンの延長された起動は、一般に多数の画面を素早く連続的に表示させる。これは、ユーザが焦点の現在位置及び文書全体に関するスクロールスピードを認識することを困難にする。本発明によるシステムでは、提示手段は文書のズームアウトを漸進的又は瞬時に行うようにしてもよく、これにより、スクロール処理の効果のより良い理解のため、ユーザにより大きなコンテクストを提供することが可能となる。
【0009】
好ましくは、提示手段は、スクロールコマンドの後の所定時間の経過後、ズームアウト係数を復元するよう構成される。これにより、ユーザは、文書の新たな焦点位置に最初にズームインを行うことなく、詳細なレベルでの選択又は補正が直接することが可能となる。この復元は、ズームインをユーザと通信するため、瞬時に又は漸進的に実効することが可能である。ズームインは、画面上の焦点のセンタリングと同時になされてもよい。
【0010】
文書は、テキスト文書、スプレッドシート又はデータベースレポートなどの任意のタイプのものであってもよい。ズームインは、文字、セル、グラフィックなどの文書の各要素を極めて小さくなるように、又は完全に消えるように、すなわち、より全体的なビューに組み込まれるようするかもしれない。例えば、個々の文字の代わりに、パラグラフ全体が単一のユニットとして提示されてもよい。明らかに、個々の文字を操作するため、ズーム係数は比較的大きくされるべきであり、他方、小さなズーム係数は概略を得るのにより適している。
【0011】
データベース文書の具体例は、各要素がプログラムアイテムから構成される電子番組ガイド(EPG)である。詳細ビューでは、これらプログラムは、そのタイトルと、おそらくジャンルアイコンなどにより表示されるかもしれない。プログラムアイテムは、しばしばそれらの配信時間に従ってリスとされ、例えば、あるチャンネルを介し配信スケジューリングされるすべてのプログラムが、時間により整列されるリストにより提示される。時間軸に沿ってリストをゆっくりとスクロールすること、すなわち、焦点を以降のプログラムに進めることは、画面から現在のアイテムを削除し、以降のプログラムのタイトル及びアイコンを示す。本発明によると、ユーザがスクロールコマンドを素早く繰り返すと、システムはズームアウトを開始し、これにより、時間軸のビューはより稠密となり、例えば、アイコンのみによってプログラムアイテムのよりコンパクトなビューを生じさせる。さらなるズームアウトは、シンプルなドットによりプログラムを表すかもしれない。その後、個々のプログラムはもはや認識できなくなるが、このような表示は、例えば、推奨されたプログラムのクラスターを検出するのに推奨システムと共に有用であるかもしれない。ユーザが所定時間スクロールコマンドを供給しないときには、システムは、ズーム係数をそれのデフォルト又は最小値に再び復元し、おそらく焦点を推奨プログラムの最も近いクラスターにシフトさせる。このような復元は、ユーザが方向感覚を失うことを回避するため、アニメーションにより進められてもよい。あるいは、又は加えて、ユーザにはズーム係数を所望の時点で復元可能とする制御要素が設けられてもよい。
【0012】
プログラムアイテムは、おそらく、時間次元に加えて、チャンネル次元が存在することを意味する時間チャンネルマトリックスなどの2次元的に提示される。上述の方法による時間のスクロール処理は、チャンネル次元にズーム係数を調整するものであってもよいし、そうでなくてもよい。2つの次元のズーム係数が結びつけられる、デジタルマップやテキスト文書などの文書タイプでは、好ましくは、ズーム係数は、ある相互比率による実質的に同じ量だけ、又は独立した量だけ同時に調整される。
【0013】
さらなる特徴では、本発明の課題は、本発明による方法の提示ステップが、スクロールコマンドの特徴に応じて、ズーム係数を自動的に調整するよう構成されることにより実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明によるデータ処理システムの実施例としてのデジタルテレビ受信機のブロック図である。RF(Radio Frequency)信号により変調されるデジタル配信ストリームが、アンテナ101によるイーサ(ether)から、又はケーブルネットワークから受信される。配信ストリームは、例えば、DVB(Digital Video Broadcasting)規格に従ってフォーマット化されてもよい。チューナ102は、上記RF信号を受信し、復調器103に出力するため、これら信号の1つを選択することが可能な標準的なアナログRF受信装置を有する。信号チューナ102が何れを選択するかは、CPU(Central Processing Unit)105から受信される制御データに依存する。復調器103は、CPU105から受信する制御信号に基づき、アナログ信号をデジタルパケットストリームに変換する。その後、このパケットストリームは、CPU105から受信した制御データによりあるプログラムに属するパケットを選択肢、当該パケットストリームをエレメンタリ映像、音声又はデータストリームに分解する復調器104に出力される。
【0015】
配信信号に加えて、テレビ受信機は、例えば、(デジタル)ビデオレコーダ、DVD、インターネットやデジタル加入者線などの他のソースから信号を受信するよう構成されてもよい。映像プロセッサ108は、復調器104やCPU105から受信する映像ストリームを復号し、その後、復号された映像データは表示画面109に送信される。音声プロセッサ106は、復調器104から受信する音声ストリームを復号し、その後、復号された音声データはラウドスピーカーシステム107に送信される。
【0016】
復調器104は、エレメンタリデータストリームをCPU105に出力する。エレメンタリデータストリームは、制御データとコンテンツデータの2つのタイプのデータを有する。コンテンツとは、例えば、インタラクティブプログラムを表し、制御とは、多重化構造物、チャンネルが変調される(RF)周波数、及び多重化の各種コンテンツコンポーネント若しくは(他の)テーブルが検出可能なアドレスを特定する多重化のテーブルを表す。CPU105は、ROM(Read−Only Memory)112に格納されているプログラム命令を実行可能な1以上のマイクロプロセッサを有する。当該プログラム命令は、特にコマンドモジュール113とEPGモジュール114とを含むソフトウェアモジュールの一部を有する。DVB−SIデータやユーザプロファイル情報などの上記ソフトウェアモジュールにより処理されるデータは、不揮発性メモリ111に格納されてもよい。コマンドモジュール113は、チューニング及び復調選択などのテレビ装置の各機能を制御し、画面109上に表示すべきデータを映像プロセッサ108に送信することが可能である。ユーザコマンドユニット110は、リモコン(図示せず)などを介しユーザコマンドを受信し、処理のためコマンドモジュール113に送信する。EPGモジュール114は、受信した配信ストリームにおいて利用可能なチャンネル(DVB用語では「サービス」)及び当該チャンネルにスケジューリングされたプログラム(DVB用語では「イベント」)に関する情報を収集するため、復調器104から受信したDVB−SIデータを解釈する。
【0017】
図2は、本発明による方法の実施例によるEPGの画面表示の一例を示す。表示画面20は、EPGアプリケーションの起動用の適切なユーザコマンドの後、チャンネル名が表示される垂直軸21と、配信時間を表すタイムバーとして表示される水平軸30とを示す。軸30に沿って、1時間に対応するクロックタイムが示される。本システムは、各軸を他の位置に移動させ、及び/又はそれらの方向を変更する手段(図示せず)を有するようにしてもよい。ピクトグラム(pictogram)27は、ピクチャフレームなど、選択された時間及びチャンネルに対応するプログラムに関する情報を提供するよう構成される。ピクトグラム27と選択された時間及びチャンネルとの間の対応は、十字線を構成するライン22及び31により強調される。タイトル、チャンネル名、配信時間や簡単な説明などのタイムバーなど選択されたプログラムに関する追加的情報が、タイムバー30に沿って示される。ピクトグラム27において、またタイムバーに沿って表示される情報は、例えば、DVB−SIデータと共に送信され、メモリ111に格納される。上記情報は、特にテキスト、グラフィックス、ピクチャ、音声及び映像クリップから構成されるものであってもよい。メモリ11は、例えば、ソリッドステートメモリ及び/又は磁気又は光ストレージなどから構成されてもよい。
【0018】
選択された時間に他のチャンネル上で配信されるようスケジューリングされるプログラムに関する情報が、チャンネル軸31に沿って表示される。当該情報は、開始時間、現在選択されている時間に関する経過時間、タイトルなどを含むものであってもよい。
【0019】
ピクトグラム27は、EPGにより与えられるスケジュール情報内の焦点である。すなわち、それは、時間及びチャンネルの現在選択されている組み合わせを示し、特定のプログラムスケジュール要素を一意的に規定する。しばしば2週間などのある時点におけるEPGにより提供されるようなスケジュール情報は、焦点位置を調整することによりユーザがスクロール可能な文書を構成する。このため、ピクトグラム27は、例えば、リモコンの「カーソル」キー(上下左右)を押下したり、あるいはディスプレイ上の(カーソル)位置を制御する他の周知の方法によって、コマンドユニット110を用いてユーザによりドラッグ可能である。水平方向へのピクトグラム27のドラッグ処理は、選択された配信時間がその方向に従って、未来又は過去にシフトする効果を有する。それは、バー30に沿った追加的情報及びピクトグラム27のコンテンツを、同一チャンネル上の新たに選択された時間に対応するプログラムに関する情報と置換する。また、軸21に沿ったその他のチャンネル上のプログラムに関する情報が更新される。垂直方向へのピクトグラム27のドラッグ処理は、選択されたチャンネルを調整し、画面上の上記データ要素の少なくとも一部を調整に応じて更新する。
【0020】
ユーザがピクトグラム27に提示される情報に対応するプログラムに興味があるとき、ユーザは記録、すぐの視聴又はリマインダーの設定を行うため、当該プログラムを選択することが可能とされてもよい。当該プログラムの選択は、例えば、ユーザコマンドユニット10上の専用ボタン(図示せず)、画面上メニュー又は音声認識により、適切なコマンドを発することにより達成されてもよい。
【0021】
いくつかのスクロールコマンドが与えられた後、ピクトグラム27は、ある時点における画面の端に到達した。ユーザが同じ方向へのスクロール処理を継続した場合、タイムバー30により示される時間帯がシフトし始める一方、ピクトグラム27は同じ位置に留まる。図3において、このことが示される。タイムバーは、未来への移動を示すよう更新される。タイムバーが更新されるステップは、「次のプログラム」へのジャンプでなく時間ベースのジャンプに対し変更される。
【0022】
図4は、画面の端にある間、より長い時間(例えば、1.5秒など)カーソル右キーをユーザが押下し続けるときの画面例を示す。ピクトグラム27は留まるが、他のすべてのプログラム情報が、推奨されたプログラム又はタグ付けされたプログラムを示すシンボルに「減縮」される。また、タイムバー30のスケールは、より大きなステップと共に拡大するよう調整される。
【0023】
図5は、ユーザがカーソル右キーをより長い間押下し続けるときの画面例を示す。ピクトグラム27は消え、十字線位置が中央に移動し、チャンネルと共にタイムバーのスケールがズームアウトされる。この効果は、プログラムの概観が「スターシステム(star system)となり、ユーザが最も興味をもつプログラムを認識することを可能にするというものである。さらなるスクロールコマンドが与えられないとき、十字線は「スター」の最近傍の最大のクラスターに自動的に描画され(「重力(gravity)」原理)、これにより、ユーザは「最善の選択」を見るであろうことが保証される。他の実施例では、十字線は中心に置かれず、及び/又はズームアウト処理は時間次元に関してのみ実行される。
【0024】
図6は、ビューが完全にズームアウトしたときの画面例を示す。タイムバーに関するステップは、ここでは日付単位である。当該ビューは利用可能なすべてのチャンネルを有する。この効果は、プログラム概観が「スターユニバース(star universe)」となり、ユーザが興味を有するすべてのプログラムの概観を有することを可能にする。さらなるスクロールコマンドが与えられないとき、十字線は「スター」の最近傍の最大のクラスターに自動的に描画され、これにより、ユーザは「最善の選択」を見るであろうことが保証される。
【0025】
さらなるスクロールコマンドが与えられない他の期間の後、最も可能性のある候補が検出されるまで、十字線はクラスター上でズームインされ続けるであろう。これは、現在視聴されるチャンネル、最も高いランクのプログラムなどを含む複数の基準に基づく。
【0026】
ズームアウト中、ユーザは再び、例えば、特定のチャンネル又はチャンネル帯を選択するため、十字線を上下に移動させることにより、選択を操作するため画面内のナビゲーションを開始することができる。
【0027】
図7は、本発明による文書スクロール方法のフローチャートである。初期化ステップ701の後、ステップ702において、本システムはスクロールコマンドを待機する。直近のスクロールコマンドから一定時間が経過した場合、以降に説明されるように、ステップ705が実行される。ステップ703において、スクロールコマンドの特徴が所定の基準を満たしているか判断される。このような特徴の例として、コマンドの長さ、前のスクロールコマンドからの経過時間、力感知入力装置に加えられた力などがあげられる。対応する基準としてはそれぞれ、上記長さが閾値を超えたり、上記前のスクロールコマンドからの経過時間が閾値未満であったり、あるいは、加えられた力が閾値を超えるなどがあげられる。上記基準を満たす場合、ステップ706が実行される。ステップ706において、ズーム係数が低減される。すなわち、システムは当該文書をズームアウトする。このズームアウト処理は、瞬間的又は漸進的に行われてもよい。例えば、スクロールコマンドの迅速な繰り返しに応答して、ズーム係数は各コマンドの後、一定量又は一定の比率だけ低減されてもよい。あるいは、スクロールボタンの延長された処理に応答して、ユーザがボタンを操作し続ける間、ズーム係数が漸進的に低減される。さらなる他の実施例では、ズーム係数は力感知入力装置に加えられた力に基づき決定される。テスト703の結果に関係なく、スクロールコマンドがステップ704において通常通りに実行される。ズーム係数が最小化された場合、このことは、文書全体が単一画面上に提示され、スクロール処理は文書が静的に表示されている間、文書の始め又は終わりに到達するまで、画面上をカーソルや十字線などの焦点を移動させるのみであることを意味する。
【0028】
ステップ702において、直近のスクロールコマンドの後の所定の時間が経過したと判断され、上述のようにズーム係数が以前に低減された場合、ステップ705において、ズーム係数は再び自動的に増大され、文書へのズームインが行われる。このズームインは、ユーザの混乱を回避するため、瞬時に又はアニメーション処理されてもよい。この自動増加アクションは、もとのズーム係数に到達すると停止してもよいし、あるいは、所定のデフォルト値で停止するようにしてもよい。このズーム係数の自動回復前に、焦点がズームイン後も依然として見ることができることを保証するため、ある程度まで画面上の中心に置かれてもよく、任意的には、焦点は現在の焦点の近傍の文書のより関連する部分に自動的に調整されるようにしてもよい。この関連性は推奨システム又はシンプルな規則により決定されてもよく、例えば、焦点が一定時間のスクロール処理後、文書のエンプティ部分にある場合、焦点はテキストパラグラフなどの最も近い非エンプティ部分に配置転換されてもよい。
【0029】
要約すると、本発明は、ユーザによる文書の閲覧又は編集を可能にするデータ処理システムに関する。ユーザが短時間に比較的長い距離だけ文書をスクロールすると、本システムは、スクロール中にユーザにより良好な概観を提供するため、ズーム係数を自動調整する。ユーザがスクロール処理を終えると、ズーム係数はそれの初期値に復元されてもよい。
【0030】
本発明が特定の例示的実施例を参照して説明されたが、発明概念の範囲内において、変形及び改良が可能である。従って例えば、本発明は、テキスト文書やデジタルマップなどの任意のタイプの文書に適用可能である。さらに、カーソル制御キー、マウス、トラックボール、ジョイスティック、音声制御などの任意のタイプの入力装置が利用可能である。何れの場合でも、システムによりユーザがスクロールを意図している、あるいは比較的長い距離の文書のスクロール処理を行っていると推測できる場合、本発明によるズーム係数の自動調整が適用されてもよい。
【0031】
「有する」という動詞及びその派生語の使用は、請求項に規定した以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。請求項において、括弧内の任意の参照符号は請求項を限定するものと解釈されない。本発明は、複数の要素を有するハードウェア、及び適切にプログラムされたコンピュータにより実現することができる。複数の手段を列挙したシステムクレームでは、当該手段の一部が同一のハードウェアにより実現されてもよい。
【0032】
「コンピュータプログラム」とは、フロッピー(登録商標)ディスクなどのコンピュータ可読媒体に格納され、インターネットなどのネットワークを介しダウンロード可能であり、又は、他の何れかの方法により入手可能な任意のソフトウェアプロダクトを意味すると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明によるデータ処理システムの実施例としてのデジタルテレビ受信機のブロック図である。
【図2】図2は、本発明による方法の実施例によるEPGの画面表示例を示す。
【図3】図3は、画面の端に到達したときのカーソル右キーをユーザが押下したときの画面例を示す。
【図4】図4は、画面の端に到達したときのカーソル右キーを長時間ユーザが押下し続けたときの画面例を示す。
【図5】図5は、カーソル右キーを長時間ユーザが押下し続けたときの画面例を示す。
【図6】図6は、ビューが完全にズームアウトしたときの画面例を示す。
【図7】図7は、本発明による文書スクロール方法のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書内の焦点位置及び少なくとも1つの座標方向に関するズーム係数により決定される当該文書の少なくとも一部を表示画面上に提示する提示手段を有するデータ処理システムであって、
前記提示手段は、ユーザにより与えられるスクロールコマンドに応答して前記焦点位置を調整することが可能であって、前記スクロールコマンドの特徴に応じて、前記ズーム係数を自動調整するよう構成されることを特徴とするデータ処理システム。
【請求項2】
請求項1記載のデータ処理システムであって、
前記スクロールコマンドの特徴は、期間、繰り返しレート又は強度の少なくとも1つを有することを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1又は2記載のデータ処理システムであって、
特定の座標方向への前記焦点位置の比較的大きな調整は、少なくとも前記座標方向への前記文書のズームアウトを行わせることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3何れか一項記載のデータ処理システムであって、
前記提示手段は、前記スクロールコマンドの後に所定時間が経過すると、前記ズーム係数を復元するよう構成されることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4何れか一項記載のデータ処理システムであって、
前記ズーム係数の自動調整は、漸進的に行われることを特徴とするシステム。
【請求項6】
文書スクロール方法であって、
文書内の焦点位置及び少なくとも1つの座標方向に関するズーム係数により決定される当該文書の少なくとも一部を表示画面上に提示するステップと、
ユーザにより与えられるスクロールコマンドに応答して前記焦点位置を調整するステップとを有し、
前記提示するステップは、前記スクロールコマンドの特徴に応じて、前記ズーム係数を自動調整するよう構成されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法であって、
前記スクロールコマンドの特徴は、期間、繰り返しレート又は強度の少なくとも1つを有することを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6又は7記載の方法であって、
特定の座標方向への前記焦点位置の比較的大きな調整は、少なくとも前記座標方向への前記文書のズームアウトを行わせることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項6乃至8何れか一項記載の方法であって、
前記提示するステップは、前記スクロールコマンドの後に所定時間が経過すると、前記ズーム係数を復元するよう構成されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項6乃至9何れか一項記載の方法であって、
前記ズーム係数の自動調整は、漸進的に行われることを特徴とする方法。
【請求項11】
実行時に請求項1乃至5何れか一項記載のデータ処理システムとしてプログラム可能な装置が機能することを可能にするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−501973(P2007−501973A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522473(P2006−522473)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051343
【国際公開番号】WO2005/015380
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】