説明

文書管理方法、そのプログラム及び記録媒体、並びに文書共有サーバ及び文書共有システム

【課題】文書共有システムにおいて、ごみ箱に文書ファイルを移動させたユーザ以外の者であっても所定の条件のもとで文書ファイルの復元等を可能とし、さらに、従来のごみ箱と同様の使い勝手で(見かけ上1つのごみ箱として)論理的削除を行えるようにする。
【解決手段】ユーザによる文書ファイルの論理的削除の指示に対し、(1)特定のユーザ管理情報が、論理的削除の指示をしたユーザに対してのみに、指定された文書ファイルに対する権限を示すものである場合には、当該ユーザのみがアクセスできる記憶装置内の第1の論理的削除用記憶領域に指定されたファイルを移動させ、(2)特定のユーザ管理情報が、複数のユーザに対して、指定された文書ファイルに対する権限を示すものである場合には、当該複数のユーザがアクセスできる記憶装置内の第2の論理的削除用記憶領域に指定されたファイルを移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書共有システムにおいて一人または複数のユーザがアクセス可能な文書等のファイル(ここでは、文書ファイルと総称する)に対するファイル管理に関し、特には文書共有システムにおける文書ファイルの論理的削除に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、文書共有システムにおいて共有している文書ファイルを論理的削除する場合、操作するユーザのみがアクセス可能な、他のユーザと共有しない論理的削除用のフォルダ(以下、ごみ箱と記す)にファイルを移動させることをしていた。なお、論理的削除は、このようにして特定のフォルダであるごみ箱にファイルを移動させるので、文書ファイルは記憶装置上にそのまま残るものである。
【0003】
従来の一般的な手法に対し特許文献1に開示の技術では、ローカルなごみ箱とサーバ上の共有ごみ箱の2種類のごみ箱を設け論理的削除を行えるようしているが、これら2種類のごみ箱は、ユーザが任意選択で利用することになる。つまりユーザは2種類のごみ箱を意識的に使い分ける必要がある(図7参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−366410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の手法では、ごみ箱に文書ファイルを移動させたユーザ以外のユーザは、当該ごみ箱に対するアクセスが不可能であるため、ごみ箱に移動されたファイルにアクセスすることができない。したがって、一度ごみ箱に移動された文書ファイルを通常のフォルダ(ごみ箱以外のフォルダ)に戻す(復元する)ことは、ごみ箱に文書ファイルを移動させたユーザのみしかできないという問題があった。
【0006】
一方、特許文献1に開示の技術では、ローカルなごみ箱とサーバ上の共有ごみ箱を設けているので、ユーザはこれら2種類のごみ箱を意識的に使い分けなければならない。つまり、利便性の点で問題がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、ごみ箱に文書ファイルを移動させたユーザ以外の者であっても所定の条件のもとで文書ファイルの復元等を可能とする文書共有システムのための技術を提供することを目的とする。さらに、従来のごみ箱と同様の使い勝手で(見かけ上1つのごみ箱として)論理的削除を行える文書共有システムのための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、第1の発明は、コンピュータネットワーク上に設けられた文書共有サーバにおける文書管理方法であって、前記文書共有サーバに備わる記憶装置に格納された文書ファイルに対し特定のユーザ管理情報に従ったファイル管理を行い、該ファイル管理の工程において、ユーザによる文書ファイルの論理的削除の指示に対し、(1)前記特定のユーザ管理情報が、論理的削除の指示をしたユーザに対してのみに、指定された文書ファイルに対する権限を示すものである場合には、当該ユーザのみがアクセスできる前記記憶装置内の第1の論理的削除用記憶領域に指定されたファイルを移動させ、(2)前記特定のユーザ管理情報が、複数のユーザに対して、指定された文書ファイルに対する権限を示すものである場合には、当該複数のユーザがアクセスできる前記記憶装置内の第2の論理的削除用記憶領域に指定されたファイルを移動させる
ことにより文書ファイルの論理的削除を行うことを特徴とする。
【0009】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記ファイル管理の工程において、前記特定のユーザ管理情報により、論理的削除がなされた文書ファイルに対する権限が単一のユーザに対して与えられていることが示される場合、該単一のユーザが自由に、当該文書ファイルを、論理的削除を行う以前の状態に戻すことを許可することを特徴とする。
【0010】
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記ファイル管理の工程において、前記特定のユーザ管理情報により、論理的削除がなされた文書ファイルに対する権限が複数のユーザに対して与えられていることが示される場合、論理的削除を実行したユーザの承認を受けることを条件として、論理的削除を実行したユーザ以外のユーザであって当該文書ファイルに対する権限を有するユーザが、当該文書ファイルを、論理的削除を行う以前の状態に戻すことを許可することを特徴とする。
【0011】
また、第4の発明は、第1から第3の発明において、前記権限は、文書ファイルに対するアクセス権であることを特徴とする。
【0012】
また、第5の発明は、第1から第3の発明において、前記権限は、文書ファイルに対するアクセス状況に基づき決定される権限であることを特徴とする。
【0013】
また、第6の発明は、第1から第5の発明の文書管理方法をサーバコンピュータに実行させるための命令群からなるプログラムとして実現される。
【0014】
また、第7の発明は、第6の発明のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現される。
【0015】
また、第8の発明は、コンピュータネットワーク上に設けられた文書共有サーバであって、該文書共有サーバに備わる記憶装置に格納された文書ファイルに対し特定のユーザ管理情報に従ったファイル管理を行う制御手段を備え、前記制御手段は、前記コンピュータネットワークを介して受けるユーザによる文書ファイルの論理的削除の指示に対し、(1)前記特定のユーザ管理情報が、論理的削除の指示をしたユーザに対してのみに、指定された文書ファイルに対する権限を示すものである場合には、当該ユーザのみがアクセスできる前記記憶装置内の第1の論理的削除用記憶領域に指定されたファイルを移動させ、(2)前記特定のユーザ管理情報が、複数のユーザに対して指定された文書ファイルに対する権限を示すものである場合には、当該複数のユーザがアクセスできる前記記憶装置内の第2の論理的削除用記憶領域に指定されたファイルを移動させることにより文書ファイルの論理的削除を行うことを特徴とする。
【0016】
また、第9の発明は、コンピュータネットワーク上に設けられた文書共有サーバとコンピュータ端末とから構成される文書共有システムであって、前記文書共有サーバは、該文書共有サーバに備わる記憶装置に格納された文書ファイルに対し特定のユーザ管理情報に従ったファイル管理を行う制御手段を備え、前記制御手段は、前記コンピュータ端末から受けるユーザによる文書ファイルの論理的削除の指示に対し、(1)前記特定のユーザ管理情報が、論理的削除の指示をしたユーザに対してのみに、指定された文書ファイルに対する権限を示すものである場合には、当該ユーザのみがアクセスできる前記記憶装置内の第1の論理的削除用記憶領域に指定されたファイルを移動させ、(2)前記特定のユーザ管理情報が、複数のユーザに対して指定された文書ファイルに対する権限を示すものである場合には、当該複数のユーザがアクセスできる前記記憶装置内の第2の論理的削除用記憶領域に指定されたファイルを移動させることにより論理的削除を行い、前記コンピュータ端末は、GUI画面にただ1つ表示されるごみ箱フォルダへユーザによる操作に従ってファイルを移動させることにより当該ファイルの論理的削除の指示を受け付け、該論理的削除の指示を前記文書共有サーバに送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ごみ箱(論理的削除用記憶領域)に文書ファイルを移動させ削除したユーザ以外のユーザであっても、通常のフォルダに文書ファイルを戻すこと(すなわち復元)が可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。また、ごみ箱から通常のフォルダに文書を戻す際には、実際に論理的削除を行ったユーザの承認を受けるので、当該ユーザの意思も尊重される。また、ユーザがごみ箱に文書ファイルを移動させ削除する際やごみ箱から復元する際、2種類あるごみ箱を意識することなく論理的削除や復元を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
なお、本明細書および図面において、簡単のために文書ファイルを文書と記す場合がある。
【0019】
[実施例1]
図1は、本発明の一実施形態である文書共有システムの構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態は文書共有サーバ101及びクライアント端末102(1)、102(2)、…、102(N)が、ネットワーク100を介して常時接続、またはクライアント端末によるダイアルアップ接続される構成を表している。なお、クライアント端末102(1)、102(2)、…、102(N)は、各々同様な構成をしている。このため、ここでは説明の簡略化のために、複数クライアント端末102(1)、102(2)、…、103(N)の中で特定されたクライアント端末102を示す場合は、クライアント端末102(X)や102(Y)と記す。また、複数クライアント端末102(1)、102(2)、…、102(N)の全体を指す場合は、単にクライアント端末102と記すこととする。
【0020】
クライアント端末102は、本実施形態における文書共有システムの利用者であるユーザが、例えば自宅や会社から直接操作を行うための情報端末装置である。なお、この情報端末装置は、図2の説明において詳しく記述する、CPU、ROM、RAM、HDD等から構成されるコンピュータシステムである。本文書共有システムのユーザは、クライアント端末102に保持している、本文書共有システムを利用するためのアプリケーションやWEBブラウザ等を用いてネットワーク100を介して文書共有サーバ101にアクセスすることができる。そして、文書共有サーバ101に文書を送信して本文書共有システムに文書を格納することや、文書共有サーバ101に格納されている文書情報等を取得することができる。
【0021】
文書共有サーバ101は、クライアント端末102と通信を行う機能を有する情報処理装置である。このサーバは、クライアント端末102からネットワーク100を介して送信される文書を受信し、文書共有サーバ101内の所定の(後述する図3の)情報格納装置320に文書を格納することや、情報格納装置320内の文書の検索や取得を行う機能を有する。ネットワーク100は、本実施形態ではインターネットを例に説明するが、LAN(Local Area Network)等の他のネットワークシステムであっても構わない。
【0022】
図2は、本発明の実施形態として例に挙げた文書共有サーバ101及びクライアント端末102の情報処理装置の内部構成を示す図である。なお、本実施例では文書共有サーバ101及びクライアントシステム102において必要とされる内部構成については、ほぼ同一の構成であるので説明の簡略化のために同一の図で説明をすることとする。
【0023】
201は、情報処理装置の演算・制御をつかさどる中央演算装置(以下、CPUと記す)である。
202は、ランダムアクセスメモリ(以下、RAMと記す)であり、CPU201の主メモリとして、また実行プログラムの格納領域や該プログラムの実行エリア並びにデータエリアとして機能する。
【0024】
203は、CPU201の基本的な動作処理手順を記憶しているリードオンリーメモリ(以下、ROMと記す)である。ROM203には情報処理装置の機器制御を行うシステムプログラムである基本ソフト(OS)を記録したプログラムROMと、システムを稼動させるために必要な情報等が記録されているデータROMがある。ROM203の代わりに後述のHDD209を用いる場合もある。
【0025】
204は、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ(FDD)やCD−ROMドライブのような外部記憶メディアのデータ入出力装置であり、それぞれに対応した記憶メディアの情報を入出力する機能を有する。以下、代表してCD−ROMと記す。
205は、ネットワークインターフェース(NETIF)であり、後述するモデム206を介して外部ネットワークに接続するものである。NETIF205は、ネットワークを介して情報処理装置間のデータ転送を行うための制御や接続状況の診断を行う。
【0026】
206は、モデム等の信号変換器であり、外部ネットワークと情報処理装置とを電話回線等を介して接続し、データの通信を行う機器である。以下、モデムと記す。
207は、ビデオRAMであり、情報処理装置の稼動状態を示す、後述するCRT208の画面に表示される画像を展開し、その表示の制御を行う機能を有する。以下、VRAMと記す。
208は、表示装置であり、例えばCRT等のディスプレイ装置である。以下、CRTと記す。
【0027】
209は、後述する外部入力装置210及び212からの入力信号を制御するコントローラ(以下、KBCと記す)である。
210は、情報記憶装置の利用者が入力操作を行うためのキーボード(以下、KBと記す)である。
211は、情報記憶装置の利用者が入力操作を行うためのポインティングデバイス(以下、代表してマウスと記す)である。
【0028】
212は、ハードディスクドライブ(以下、HDDと記す)であり、アプリケーションプログラムや各種データ保存用に用いられる。本実施例におけるアプリケーションプログラムとは、本実施例を構成する各種処理手段を実現するソフトウェアプログラム等のことである。
200は、上述した各ユニット間を接続するための伝送バス(アドレスバス、データバス、入出力バス及び制御バス)である。
【0029】
図3は、本実施形態の文書共有システムにおける文書共有サーバ101内で動作する処理モジュール群及び情報を格納する格納装置群、それらの処理モジュール群及び格納装置間の制御及び情報の流れを説明するための図である。
同図において、300は処理モジュール群であり、図2に示したROM203、FDD204またはHDD212より読み込まれてRAM202に展開される。この処理モジュール群300は、CPU201で使用されるアプリケーションプログラムまたはプログラムの一部として動作するモジュールの集まりである。
【0030】
情報処理装置(文書共有サーバ101及びクライアント端末102)とその中の処理モジュールや情報格納装置は、自動起動されるかもしくは操作者がKB210より入力した情報や指示により起動される。
【0031】
CPU201で演算した結果は、必要に応じて、RAM202、HDD212、FDD204等により構成される情報格納装置に書き込まれる。また同時に、その演算結果は、必要に応じて、VRAM207を介してCRT208に表示される。CPU201、RAM202、ROM203、NETIF205、VRAM207、KBC209、HDD212、FDD204間の伝送は伝送バス200を通じて行われる。
【0032】
図3において、ユーザは、クライアント端末102からネットワーク100を介してインターネット閲覧可能な文書共有サーバ101に対して、登録されている文書を指定して操作要求することにより文書を操作することができる。
【0033】
図3において、文書共有サーバ101の通信部301は、クライアント端末102とネットワーク100を介して情報の受送信を行うことを可能とする。通信部301は、文書/フォルダ情報処理部302、ユーザ情報処理部303及びアクセス権処理部304との情報の受け渡しを行うことも可能としている。
【0034】
302は、文書/フォルダ情報処理部であり、本実施形態における文書共有システムが扱う文書/フォルダ情報の登録/削除/更新等の処理を行う手段である。この文書/フォルダ情報処理部302は、情報格納装置310内の後述する文書/フォルダ情報格納部311に格納されている文書/フォルダ情報を操作することが可能である。
【0035】
303は、ユーザ情報処理部であり、本実施形態における文書共有システムを扱うユーザの登録/削除/更新等の処理を行う手段であり、情報格納装置310内の後述するユーザ情報格納部312に格納されているユーザ情報を操作することが可能である。
【0036】
304は、アクセス権処理部であり、本実施形態における文書共有システムが扱うユーザの文書/フォルダ情報に対するアクセス権に係る処理を行う手段である。このアクセス権処理部304は、情報格納装置310内の後述するアクセス権情報格納部313に格納されているアクセス権情報を操作することが可能である。
【0037】
311は、文書/フォルダ情報格納部であり、本文書共有システムで共有するために所有する文書実体や文書情報、また文書を格納するためのフォルダ情報を格納する。文書/フォルダ情報についてのデータの構成例は、後述する図11の文書/フォルダ情報格納テーブルの説明で詳細を記述する。
【0038】
312は、ユーザ情報格納部であり、本文書共有システムを利用するユーザの情報を格納する。このユーザ情報が登録されていないクライアント端末102を操作するユーザは、本文書共有システムを利用することができない。ユーザ情報についてのデータの構成例は、後述する図12のユーザ情報格納テーブルの説明で詳細を記述する。
【0039】
313は、アクセス権情報格納部であり、本文書共有システムで共有している文書に対するユーザのアクセスが可能かどうかの判定を行うために使用するデータを保持する。アクセス権情報についてのデータの構成例は、後述する図13のアクセス権情報格納テーブルの説明で詳細を記述する。
【0040】
314は、削除文書/フォルダ情報格納部であり、本文書共有システムで使用するごみ箱に存在する文書/フォルダの情報を格納する。本文書共有システムで共有する文書/フォルダは、前述の311の文書/フォルダ情報格納テーブルまたは本テーブルのどちらかで必ず管理されている。
315は、承認情報格納部であり、後述する図10の処理中で行うごみ箱から通常のフォルダへの文書の復帰(復元)処理における承認情報を格納する。
【0041】
図4から図6は、ユーザBが2つの文書をごみ箱に移動させ削除した時の内部的な動作と、ユーザAからの文書やごみ箱に対するアクセス制御について表した図である。ただし、この例では、2つの文書に対して、ユーザAが1つの文書のみにアクセス権を持ち、ユーザBが2つの文書に対して両方アクセス権を持っている場合を示している。
【0042】
図4は、本文書共有システムが扱う文書/フォルダの構成例とそのユーザ例を表す図であり、クライアント端末102(1)のユーザA(以下、ユーザAと記す)がアクセスできる文書/フォルダおよびユーザAがアクセスできない文書/フォルダを表している。
【0043】
401は、文書共有サーバ101が保持する文書/フォルダ情報の構成例である。ユーザA及びクライアント端末102(2)のユーザB(以下、ユーザBと記す)は、それぞれのアクセス権に応じて文書/フォルダ情報を利用することができる。文書共有サーバ101は、これが保持する各ユーザのアクセス権情報に従ってアクセス制御を行う。
【0044】
402は、ユーザAが文書共有サーバ101の保持する文書/フォルダ情報の内アクセス権に従ってアクセス可能な文書/フォルダ情報の集まりを表し、ユーザAは402内の文書/フォルダ情報に対してアクセスすることができることを示している。
403は、ユーザAのみが利用可能なごみ箱(以下、ユーザA専有ごみ箱と記す)を表し、基本的にユーザA以外のユーザからはアクセスすることができない。本図の例ではユーザBはアクセスすることができないことを表している。
【0045】
404は、本文書共有システムを利用するクライアントシステム102のユーザすべてが利用可能なごみ箱(以下、共有ごみ箱と記す)を表し、本図の例ではユーザA及びユーザBの両ユーザからアクセス可能なごみ箱であることを表している。
405は、ユーザBのみが利用可能なごみ箱(以下、ユーザB専有ごみ箱と記す)を表す。本図の例ではユーザAがアクセス可能な文書/フォルダ情報構成の範囲[402]の外であるため、ユーザAからはアクセス不可であることを表している。
【0046】
406は、本文書共有システムに格納されている文書1を表す。同図では、この文書1を、ユーザAのアクセス可能な文書/フォルダ情報構成の範囲[402]の外に示し、ユーザAがこの文書1に対しアクセス不可であることを表している。また、このことを407で表している。
【0047】
408は、本文書共有システムに格納されている文書2を表す。同図では、この文書2を、ユーザAのアクセス可能な文書/フォルダ情報構成の範囲[402]の中に示し、ユーザAがこの文書2に対しアクセス可能であることを表している。また、このことを409で表している。
【0048】
図5は、本文書共有システムが扱う文書/フォルダの構成例と、そのユーザ例を表す図であり、ユーザBのアクセス可能な文書/フォルダを表し、ユーザBが指定の文書に対する削除指示を行う際の処理を表す図である。
【0049】
501は、文書共有サーバ101が保持する文書/フォルダ情報の構成例であり、前述の図4の401と同じものである。
502は、ユーザBが文書共有サーバ101の保持する文書/フォルダ情報の内アクセス権に従ってアクセス可能な文書/フォルダ情報の集まりを表し、ユーザBが502内の文書/フォルダ情報に対してアクセス可能であることを示している。
【0050】
503は、ユーザBが文書1に対して削除指示を行うことを表す。この文書1は、ユーザBのアクセス可能な文書/フォルダ情報構成の範囲[502]の中にある。
504は、ユーザBが文書2に対して削除指示を行うことを表す。この文書2は、ユーザBのアクセス可能な文書/フォルダ情報構成の範囲[502]の中にある。
【0051】
505は、ユーザBによる削除指示504によって文書2をごみ箱に移動する処理過程を表す。文書2は、図4におけるユーザAのアクセス可能な文書/フォルダ情報構成の範囲[402]からユーザAもアクセス可能であるため、共有ごみ箱に移動することを表し、移動したものを文書2’とすることとする。
【0052】
506は、ユーザBによる削除指示503によって文書1をごみ箱に移動する処理を表す。文書1は、図4におけるユーザAのアクセス可能な文書/フォルダ情報構成の範囲[402]からユーザAはアクセス不可であるため、ユーザBの専有ごみ箱に移動することを表し、移動したものを文書1’とすることとする。
【0053】
図6は、本文書共有システムが扱う文書/フォルダの構成例とそのユーザ例を表す図であり、図5の505及び506の処理によってごみ箱に移動した文書に対するユーザAのアクセス可否状況を表したものである。
【0054】
601は、文書共有サーバ101が保持する文書/フォルダ情報の構成例であり、前述の図4の401と同じものである。
602は、ユーザAが文書共有サーバ101の保持する文書/フォルダ情報のアクセス権に従ってアクセス可能な文書/フォルダ情報の集まりを表し、ユーザAは602内の文書/フォルダに対してアクセスすることができることを示している。
【0055】
603は、共有ごみ箱に格納されている文書2’へのユーザAのアクセス可否状態を表し、ユーザAのアクセス可能な文書/フォルダ情報構成の範囲[602]の中であることから、ユーザAはアクセス可能であることを表している。
604は、ユーザBの専有ごみ箱に格納されている文書1’へのユーザAのアクセス可否状態を表し、ユーザAのアクセス可能な文書/フォルダ情報構成の範囲[602]の外であることから、ユーザAはアクセス不可であることを表している。
【0056】
図7は、前述の図6の状態におけるユーザAが操作するクライアント端末102におけるGUI画面の例を表したものであり、一般的な文書共有システムで使用するフォルダ階層構造と、指定のフォルダ内の文書/フォルダ情報を表示する画面を表したものである。
【0057】
701は、フォルダの階層構造で表された一般的な文書共有システムにおいてごみ箱が選択されていることを表し、前述の図4におけるユーザA専有ごみ箱403と共有ごみ箱404を画面上ではあたかも一つのごみ箱として表示することを表している。
【0058】
702は、ごみ箱701内の文書の一覧が表示されていることを表す。つまり、共有ごみ箱404及びユーザA専有ごみ箱403内の文書を表しているので、前述の図6におけるユーザAの共有ごみ箱へのアクセス603によって文書2’のみが表示されることを表している。図7による画面例は、フォルダの階層構造と、指定のフォルダ内の文書/フォルダ情報を表示する画面構成であるが、これは本発明を説明するためのものであり、実際には異なる画面構成であっても構わない。
【0059】
図8は、前述の図5の状態におけるユーザBが操作するクライアント端末102におけるGUI画面の例を表したものであり、一般的な文書共有システムで使用するフォルダ構造と、指定のフォルダ内の文書/フォルダ情報を表示する画面を表したものである。
【0060】
801は、フォルダの階層構造で表された一般的な文書共有システムにおいてごみ箱が選択されていることを表す。また前述の図4におけるユーザB専有ごみ箱405と共有ごみ箱404を画面上ではあたかも一つのごみ箱として見えるように表示することを表している。
802及び803は、ごみ箱801内の文書の一覧が表示されていることを表す。つまり、前述の図5における共有ごみ箱及びユーザB専有ごみ箱内の文書をそれぞれ表しているので、前述の図5における文書1’及び文書2’が表示されることを表している。
【0061】
802は、画面上ごみ箱801内の文書が表示されていることを表すが、実際は、共有ごみ箱404内の文書を表し、つまり、文書2’が表示されることを表している。
803は、画面上ごみ箱801内の文書が表示されていることを表が、実際は、ユーザBの専有ごみ箱405内の文書を表し、つまり、文書1’が表示されることを表している。図8による画面例は、フォルダの階層構造と、指定のフォルダ内の文書/フォルダを表示する画面構成であるが、これは本発明を説明するためのものであり、実際には異なる画面構成であっても構わない。
【0062】
図9は、本文書共有システムのユーザが、ある文書をごみ箱に削除する指示を行った際の本文書共有システム内部の処理フローを表したものである。
【0063】
S901は、指定の文書を削除する権利のあるユーザが、その文書をごみ箱に削除する指示を表す。
S902は、S901でユーザがごみ箱に文書を削除することを指示した時に、その文書に対してユーザが削除する権限があるかどうかの判断を表す。ユーザに指定の文書を削除する権限があればS903の処理に進み、権限がなければ文書をごみ箱に移動させることができないため、このフローは終了する。
【0064】
S903は、S902でユーザが指定の文書をごみ箱に削除する権限があると判断された場合、さらにその文書に対して他のユーザ(1または複数)にアクセス権が与えられているかどうかを判断する処理を行うことを表す。他のユーザにアクセス権が与えられていればS904の処理に進み、他のユーザにアクセス権が与えられていなければS905の処理に進む。
【0065】
S904は、S903の判断で指定の文書が他のユーザにアクセス権が与えられていると判定された場合に行われる処理であり、すべてのユーザがアクセス可能な共有ごみ箱に指定された文書を移動させ削除する処理を表す。
S905は、S903の判断で指定の文書が他のユーザにアクセス権が与えられていないと判定された場合に行われる処理である。この場合、アクセス権はそのユーザにしか与えられていないことと同じなので、そのユーザの専有ごみ箱に指定された文書を移動させ削除する処理を行う。
【0066】
なお、共有ごみ箱と専有ごみ箱は、情報格納装置310内にそれぞれ専用の一時記憶領域を儲ける構成としてもよいし、共通の一時記憶領域を儲けフラグ(例えば、図14に示すごみ箱タイプ1406)を利用して論理的に分けて管理するようにしてもよい。
【0067】
図10は、本文書共有システムのあるユーザが、アクセス権が与えられている文書ファイルを閲覧する指示を行った場合における、ユーザが行う処理フローを表したものである。
【0068】
S1001は、ユーザが任意の文書を閲覧するために、画面上のGUIによりフォルダにアクセスする操作を表す。
S1002は、S1001でユーザがアクセスしたフォルダに所望の文書が存在するかどうかを判断する工程を表す。ユーザが所望する文書が存在すればS1010に進み、存在しなければS1003に進む。
S1003は、S1002の判断でユーザが所望する文書が指定のフォルダ内に存在しなかった時の操作を表す。その場合、ごみ箱に削除されていることが考えられるためごみ箱にアクセスする。
【0069】
S1004は、S1003の処理でごみ箱にアクセスし、ごみ箱内に所望の文書が存在するかどうかの判断を表す。存在すればS1005の処理に進み、存在しなければS1011の処理に進む。ここで言うごみ箱とは、図7や図8で表されるように、すべてのユーザがアクセス可能な共有ごみ箱と、そのユーザのみがアクセス可能な専有ごみ箱の両方であるが、ユーザが使用する端末のGUI上では前述のように一つのごみ箱として表示される。
【0070】
S1005は、S1004の判断でごみ箱内に所望の文書が存在した場合、その文書が専有ごみ箱内にあるのか、共有ごみ箱内にあるのかの判断を表す。なお、この判断は、システムが内部的に判定するものであり、ユーザの判断は必要としない。
この判断で文書が共有ごみ箱内に存在しないと判定されると、これは専有ごみ箱内に文書が存在することを表すため、この文書はそのユーザが専用ごみ箱に削除したものであると認識され、S1009の処理に進む。また、この判断で文書が共有ごみ箱に存在すると判定されると、これはそのユーザまたは他のユーザがごみ箱に削除したものであることを表すため、ごみ箱へ削除したユーザが誰かを判定する処理S1006に進む。
【0071】
S1006は、S1005の判断で共有ごみ箱内に所望の文書が存在すると判定された時に行う判断であり、その文書をごみ箱に削除したユーザが当該ユーザ(ここではS1001を開始したユーザ)以外のユーザであるかどうかを判定する処理である。ごみ箱に文書を削除したユーザが当該ユーザである場合は、ごみ箱から通常のフォルダに戻す処理を行えるので、S1009に進む。
【0072】
ごみ箱に文書を削除したユーザが当該ユーザ以外のユーザである場合は、そのユーザに対してごみ箱から通常のフォルダに戻すための承認を必要とするため、ごみ箱へ文書を削除したユーザに対して承認依頼を行うS1007の処理に進む。ごみ箱に文書を削除したユーザを判定するには、後述する図14の削除文書/フォルダ情報格納テーブル1400のデータを参照することによって行うが、このテーブルの構成例については図14の説明で詳細に記述する。
【0073】
S1007は、S1006の判断で当該ユーザ以外のユーザがごみ箱に文書を削除したと判定されたため、ごみ箱に文書を削除したユーザに対して、文書を閲覧するために通常のフォルダに文書を戻すための承認依頼を行う処理(後述)を表す。
【0074】
S1008は、S1007における承認依頼に対して承認がされたかどうかの判断を表す。承認されていなければ文書を閲覧することが不可能であり、この処理フローは終了する。承認されれば次の処理を行うためにS1009に進む。
【0075】
S1009は、S1008の判断でS1007における承認依頼に対する承認がなされたと判定された場合の処理で、文書を閲覧するためにごみ箱から通常のフォルダに戻す操作を表す。また、S1005及びS1006の判断でごみ箱にファイルを移動させ削除したユーザが当該ユーザである場合はS1007の承認依頼を行う必要なく、本操作でごみ箱から通常のフォルダに文書を戻すことができる。
【0076】
S1010は、S1002の判断で所望の文書が通常のフォルダに存在した場合、もしくはS1009の操作で文書をごみ箱から通常のフォルダに戻した場合に行える工程であり、ユーザは所望の文書を閲覧することが可能であることを表している。
【0077】
S1011は、S1004の判断でごみ箱内に所望の文書が存在しなかった場合に行う判断で、他のフォルダも探して見つからなかったかどうかの判断を表す。他のフォルダを探していない場合は、S1001の処理に戻り、別のフォルダにアクセスする。他のフォルダを探しても所望の文書が見つからなかった場合はS1012の処理に進む。
【0078】
S1012は、S1011の判断で他のフォルダにも所望の文書が見つからないと判断された場合の工程を表す。この場合は文書が完全に削除(物理削除)されているか、そのユーザの文書に対するアクセス権がなくなっているということになり、所望の文書を閲覧することが不可能となり、この処理フローは終了する。
【0079】
図11は、文書共有サーバ101の情報格納装置310内の文書/フォルダ情報格納部311に格納される文書/フォルダ情報格納テーブル1100の構成例を表す図である。
【0080】
この文書/フォルダ情報格納テーブル1100は、本文書共有システムのユーザからフォルダの作成、文書の登録等の登録要求を受けた時に対応するレコードが作成される。また、文書やフォルダがユーザの指示によって物理的に削除された時に、本テーブルのレコードが削除される。ただ単に、ユーザがごみ箱に文書やフォルダを移動しただけでは本テーブルのレコードは削除されない。
【0081】
1101は、文書/フォルダ管理番号を表し、文書やフォルダを作成する際に文書共有サーバ101内の文書/フォルダ情報処理部302が自動的に発番するシステム上でユニークな管理番号である。
1102は、文書/フォルダ名を表し、文書やフォルダを作成する際にクライアント端末102のユーザが指定するか、または文書共有サーバ101内の文書/フォルダ情報処理部302が自動的に生成するものである。
【0082】
1103は、上位管理番号を表し、文書やフォルダを階層構造で管理する上で使用する項目であり、上位階層のフォルダの管理番号を保持することにより、階層構造を表現することが可能となる。
1104は、文書/フォルダの区分を表し、レコードを作成する際に文書の登録なら文書区分として、フォルダの作成ならフォルダ区分として登録される。本項目は、文書とフォルダを同じテーブルで管理するために必要な項目であり、文書とフォルダを別々のテーブルで管理する場合は特に必要としない項目である。
【0083】
なお、文書/フォルダ情報格納テーブル1100の各項目は、文書やフォルダを管理する上で利用することが可能であるが、本発明を説明するための一例であり、実際には必ずしも同じ項目に限るものではなく、別の項目であっても構わない。
【0084】
図12は、文書共有サーバ101の情報格納装置310内のユーザ情報格納部312に格納されるユーザ情報格納テーブル1200の構成例を表す図である。
【0085】
ユーザ情報格納テーブル1200は、クライアント端末102を用いて本文書共有システムを利用するユーザの情報を保持するテーブルで、本文書共有システムの利用登録を受けた時に対応するレコードが作成される。また、ユーザが本文書共有システムの利用者から登録解除(削除)された時に、本テーブルのレコードが削除される。
【0086】
1201は、ユーザ管理番号を表し、ユーザを登録する際に文書共有サーバ101内のユーザ情報処理部303が自動的に発番するシステム上でユニークな管理番号である。 1202は、ログインIDを表し、ユーザを登録する際にクライアント端末102のユーザが指定するか、または文書共有サーバ101内のユーザ情報処理部303が自動的に生成するものである。一般的に本項目のログインIDのみ、または後述するパスワード1203との組み合わせによってシステム上でユニークなデータとなる。
【0087】
1203は、パスワードを表し、ユーザを登録/更新する際にクライアント端末102のユーザが指定するか、または文書共有サーバ101内のユーザ情報処理部303が自動的に生成するものである。
なお、図12に示すユーザ情報格納テーブル1200の各項目は、本文書共有システムのユーザを管理する上で利用可能であるが、本発明を説明するための一例であり、実際には必ずしも同じ項目に限るものではなく、別の項目であっても構わない。
【0088】
図13は、文書共有サーバ101の情報格納装置310内のアクセス権情報格納部313に格納されるアクセス権情報格納テーブル1300の構成例を表す図である。
【0089】
アクセス権情報格納テーブル1300は、本文書共有システムの文書やフォルダの利用が可能なユーザに対して対応するレコードが作成される。
1301は、文書/フォルダ管理番号を表し、前述の図11の文書/フォルダ情報格納テーブルに登録されている文書/フォルダの管理番号に対応する。
【0090】
1302は、ユーザ管理番号を表し、前述の図12のユーザ情報格納テーブルに登録されているユーザの管理番号に対応する。アクセス権情報格納テーブル1300は上記1301及び1302のデータの組み合わせにより、文書やフォルダに対するユーザのアクセス権を管理する。
【0091】
1303は、読出し権を表すフラグであり、文書/フォルダ管理番号1301に対応する文書またはフォルダに対して、ユーザ管理番号1302に対応するユーザが文書またはフォルダへの読出し権を持つかどうかを表す。読出し権を持つ場合は、ユーザは文書/フォルダ情報格納テーブルの情報を閲覧することが可能となる。
【0092】
1304は、書込み権を表すフラグであり、1303の読出し権同様に文書/フォルダ情報への書込み権を持つかどうかを表す。書込み持つ場合ユーザは文書/フォルダ情報格納テーブルの情報の変更等が行える書込み処理が可能となる。
【0093】
1305は、削除権を表すフラグであり、1303の読出し権同様に文書/フォルダへの削除権を持つかどうかを表す。削除権を持つ場合、ユーザは文書/フォルダ情報格納テーブルの該当する情報の削除が可能である。また文書/フォルダ情報格納テーブルの情報を削除した場合は、削除した文書/フォルダの管理番号に対応する本テーブルのレコードも自動的に削除される。
【0094】
なお、図13に示すアクセス権情報格納テーブル1300の各項目は、文書/フォルダへのユーザのアクセス権を管理することが可能であるが、本発明を説明するための一例であり、実際には必ずしも同じ項目に限るものではなく、別の項目であっても構わない。 また、上記ユーザ情報およびアクセス権情報は、別個のテーブルで管理されるが、いずれも本システムを利用するユーザを管理するためのユーザ管理情報である。
【0095】
図14は、文書共有サーバ101の情報格納装置310内の削除文書/フォルダ情報格納部314に格納される削除文書/フォルダ情報格納テーブル1400の構成例を表す図である。
【0096】
削除文書/フォルダ情報格納テーブル1400は、本文書共有システムの文書やフォルダがごみ箱に削除された時に文書/フォルダ情報処理部302によって作成される。その際、前述の図11の文書/フォルダ情報格納テーブル1100に登録されているレコードは削除され、代わりに本テーブルに前記文書/フォルダ情報のデータが登録される。また、ごみ箱内の文書やフォルダが通常のフォルダに戻された時は、本テーブルの対応するデータは削除され、前述の図11の文書/フォルダ情報格納テーブル1100にデータが登録される。
【0097】
1401は、文書/フォルダ管理番号を表し、前述の図11の文書/フォルダ情報格納テーブルに登録されている文書/フォルダの管理番号と同じものである。
1402は、文書/フォルダ名を表し、前述の図11の文書/フォルダ情報格納テーブルに登録されている文書/フォルダ名と同じものである。
【0098】
1403は、削除前上位管理番号を表し、前述の図11の文書/フォルダをユーザが削除した時に上位管理番号1103として登録されている管理番号と同じものである。
1404は、削除ユーザ管理番号を表し、前述の図11の文書/フォルダをユーザが削除した時に、削除したユーザの前述の図12で管理されているユーザ管理番号1201がこの項目に登録される。
【0099】
1405は、保存期限を表し、例えばごみ箱に文書やフォルダが削除されてから一定期間ごみ箱内に保管し、本項目に設定されている期限が過ぎると自動的に完全削除(物理削除)を行うようにする時に使用する。本項目は必ずしも必要とされる項目ではない。
【0100】
1406は、ごみ箱タイプを表す。ユーザがごみ箱に文書/フォルダを削除した時に、当該ユーザ以外のユーザにアクセス権が与えられているかどうかを前述の図13のアクセス権情報格納テーブル1300から対応する文書/フォルダ管理番号及びユーザ管理番号を基に判定を行う。そして、当該ユーザ以外のユーザにもアクセス権が与えられているならば共有ごみ箱を表すデータを登録する。一方、当該ユーザのみがアクセス可能であれば専有ごみ箱を表すデータを本項目に登録する。これにより、専有ごみ箱か共有ごみ箱のどちらに削除されているかを確認することができる。
【0101】
なお、図14に示す削除文書/フォルダ情報格納テーブル1400の各項目は、ごみ箱内の文書を管理する上で利用することが可能であるが、本発明を説明するための一例であり、同じテーブル構成に限るものではなく、別の構成であっても構わない。
【0102】
図15は、前述の図10のS1007の処理で、ごみ箱内に存在する文書を通常のフォルダに戻す時に、該文書が別のユーザによってごみ箱に削除されたものであった場合に表示されるGUI画面の一例である。このGUI画面から、文書をごみ箱から通常のフォルダに戻すための承認依頼を、ごみ箱に文書を削除したユーザに対して行う。
【0103】
1501は、指定の文書をごみ箱から通常のフォルダに戻すための承認依頼を行うための確認メッセージを表す。
1502は、1501の確認メッセージに対して承認依頼を実行することを確定するボタンを表す。このボタンを押下することで、承認依頼処理が実行され、ごみ箱に文書を削除したユーザに対して承認依頼を行う。
【0104】
なお、図15に示す画面例は、ごみ箱に文書を削除したユーザに対して承認依頼を行うための画面構成であるが、これは本発明を説明するためのものであり、実際には異なる画面構成であっても構わない。
【0105】
図16は、前述の図15の画面操作による承認依頼の処理で、承認依頼を行ったユーザのごみ箱からの文書の復帰を承認するかどうかの処理を行う際のGUI画面を表したものである。
【0106】
1601は、指定の文書をごみ箱から通常のフォルダに戻すための承認依頼を受けたユーザが依頼内容を確認するための承認依頼メッセージを表す。
1602は、1601の承認依頼メッセージに対して承認処理を実行することを確定するボタンを表す。このボタンを押下することで、承認依頼を行ったユーザがごみ箱から文書を復帰させることを可能とする。
【0107】
1603は、1601の承認依頼メッセージに対して承認却下処理を実行することを確定するボタンを表す。このボタンを押下することで、承認依頼を行ったユーザはごみ箱から文書を復帰させることはできない。
図16による画面例は、ごみ箱から文書を復帰させようとするユーザの承認依頼を承認または却下するための画面構成ではあるが、これは本発明を説明するためのものであり、実際には異なる画面構成であっても構わない。
【0108】
図17は、前述の図16における承認処理によって、文書をごみ箱に削除したユーザ以外のユーザが通常のフォルダに文書を戻すことを可能とするために使用する承認情報格納テーブル1700の構成例を表す図である。
本テーブルのレコードは、前述の図16における承認処理によって、文書をごみ箱から通常のフォルダに戻すことを許可されると作成されるものであり、該文書と承認依頼を行ったユーザを関連付けるためのテーブルである。
【0109】
1701は、文書/フォルダ管理番号を表し、前述の図11の文書/フォルダ情報格納テーブルに登録されている文書/フォルダの管理番号に対応する。
1702は、承認ユーザ管理番号を表し、1701の文書/フォルダ管理番号に対応する文書のごみ箱からの復帰を許可されたユーザのユーザ管理番号である。
【0110】
1703は、承認者ユーザ管理番号を表し、文書のごみ箱からの復帰を1702のユーザ管理番号に対応するユーザに許可をしたユーザのユーザ管理番号である。
本テーブルのレコードは、前述の図10のS1009の処理で、ごみ箱から通常のフォルダに文書が戻された時に削除される。また、該文書が物理削除された時や別のユーザによって通常のフォルダに戻された時、また承認依頼を行ったユーザが登録抹消された時にも対象レコードは削除される。
【0111】
なお、図17に示す承認情報格納テーブル1700の各項目は、ごみ箱内の文書を管理する上で利用することが可能であるが、本発明を説明するための一例であり、同じテーブル構成に限るものではなく、別の構成であっても構わない。
【0112】
以上に説明したように、本実施形態では、複数のユーザで共有している文書をごみ箱に移動させた時、削除を指示したユーザ以外のユーザであっても、所定の条件のもとで通常のフォルダに文書を戻すことが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。また、ごみ箱から通常のフォルダに文書を戻す際には、実際に論理的削除を行ったユーザの承認を受けるので、当該ユーザの意思も尊重される。また、ユーザがごみ箱に文書ファイルを移動させ削除する際やごみ箱から復元する際、2種類あるごみ箱を意識することなく論理的削除や復元を行うことができる。
【0113】
本実施形態では、事前に登録されたユーザのアクセス権を基に共有ごみ箱または専有ごみ箱へ文書を振り分け移動させて文書の論理的削除を行う場合を示した。他の形態として、登録された文書に対する各ユーザのアクセス状況等を基に、論理的削除として行う共有ごみ箱または専有ごみ箱へ文書の振り分けを行うことも可能である。例えば、アクセス権に有効期限を設け、この有効期限内に、アクセス権を有するユーザの特定ファイルに対するアクセスが行われなければ、このユーザのこのファイルに対するアクセス権を抹消したりアクセス権がないものとみなすことができる。したがって、ユーザのアクセス状況に応じた文書の論理的削除も、限定するものではないが一つの手法として、前述したアクセス権に基づく文書の論理的削除の手法を用いて実施することが可能である。
【0114】
また、本発明の目的は前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を利用することでも達成される。すなわち、この記録媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成される。この場合、記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0115】
このプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。このプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0116】
更に、記録媒体から読出されたプログラムコードは、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込むことができる。この機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどは、上記メモリに書き込まれたプログラムコードの指示に基づき、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能を実現することができる。本発明は、このようにして実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の実施形態に係る文書共有システムの構成を示すブロック図である。
【図2】文書共有システムにおける、文書管理サーバ101及びクライアント端末102の具体的な内部構成例を示す図である。
【図3】処理モジュール群及び情報を格納する格納装置群、それらの処理モジュール群及び格納装置間のつながりを示す図である。
【図4】本実施形態における文書/フォルダ情報に対するユーザのアクセス可否状態の一例を示す図である。
【図5】本実施形態における文書情報に対するユーザのごみ箱への削除指示の流れを示す図である。
【図6】本実施例におけるごみ箱内の文書に対するユーザのアクセス可否状態の一例を示す図である。
【図7】クライアント端末102を使用して、文書共有システムのユーザが操作するGUI画面の一例を示す図である。
【図8】クライアント端末102を使用して、文書共有システムのユーザが操作するGUI画面の一例を示す図である。
【図9】本実施例における文書情報のごみ箱への削除処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本実施例における文書情報の閲覧処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】本実施例における文書共有サーバ101の情報格納装置310内に格納する文書/フォルダ情報格納テーブルの一例を示す図である。
【図12】本実施例における文書共有サーバ101の情報格納装置310内に格納するユーザ情報格納テーブルの一例を示す図である。
【図13】本実施例における文書共有サーバ101の情報格納装置310内に格納するアクセス権情報格納テーブルの一例を示す図である。
【図14】本実施例における文書共有サーバ101の情報格納装置310内に格納する削除文書/フォルダ情報格納テーブルの一例を示す図である。
【図15】クライアント端末102を使用して、文書共有システムのユーザがごみ箱内の文書を通常のフォルダに戻すための承認依頼を行う際のGUI画面の一例を示す図である。
【図16】クライアント端末102を使用して、文書共有システムのユーザがごみ箱内の文書を通常フォルダに戻すための承認処理を行う際のGUI画面の一例を示す図である。
【図17】本実施例における文書共有サーバ101の情報格納装置310内に格納する承認情報格納テーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0118】
101…文書共有サーバ
102…クライアント端末
300…情報処理装置
301…通信部
302…文書/フォルダ情報処理部
303…ユーザ情報処理部
304…アクセス権処理部
310…情報格納装置
311…文書/フォルダ情報格納部
312…ユーザ情報格納部
313…アクセス権情報格納部
314…削除文書/フォルダ情報格納部
315…承認情報格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータネットワーク上に設けられた文書共有サーバにおける文書管理方法であって、
前記文書共有サーバに備わる記憶装置に格納された文書ファイルに対し特定のユーザ管理情報に従ったファイル管理を行い、該ファイル管理の工程において、
ユーザによる文書ファイルの論理的削除の指示に対し、
(1)前記特定のユーザ管理情報が、論理的削除の指示をしたユーザに対してのみに、指定された文書ファイルに対する権限を示すものである場合には、当該ユーザのみがアクセスできる前記記憶装置内の第1の論理的削除用記憶領域に指定されたファイルを移動させ、
(2)前記特定のユーザ管理情報が、複数のユーザに対して、指定された文書ファイルに対する権限を示すものである場合には、当該複数のユーザがアクセスできる前記記憶装置内の第2の論理的削除用記憶領域に指定されたファイルを移動させる
ことにより文書ファイルの論理的削除を行うことを特徴とする文書管理方法。
【請求項2】
前記ファイル管理の工程において、前記特定のユーザ管理情報により、論理的削除がなされた文書ファイルに対する権限が単一のユーザに対して与えられていることが示される場合、該単一のユーザが自由に、当該文書ファイルを、論理的削除を行う以前の状態に戻すことを許可することを特徴とする請求項1に記載の文書管理方法。
【請求項3】
前記ファイル管理の工程において、前記特定のユーザ管理情報により、論理的削除がなされた文書ファイルに対する権限が複数のユーザに対して与えられていることが示される場合、論理的削除を実行したユーザの承認を受けることを条件として、論理的削除を実行したユーザ以外のユーザであって当該文書ファイルに対する権限を有するユーザが、当該文書ファイルを、論理的削除を行う以前の状態に戻すことを許可することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の文書管理方法。
【請求項4】
前記権限は、文書ファイルに対するアクセス権であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の文書管理方法。
【請求項5】
前記権限は、文書ファイルに対するアクセス状況に基づき決定される権限であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の文書管理方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の文書管理方法をサーバコンピュータに実行させるための命令群からなるプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
コンピュータネットワーク上に設けられた文書共有サーバであって、
該文書共有サーバに備わる記憶装置に格納された文書ファイルに対し特定のユーザ管理情報に従ったファイル管理を行う制御手段を備え、
前記制御手段は、前記コンピュータネットワークを介して受けるユーザによる文書ファイルの論理的削除の指示に対し、
(1)前記特定のユーザ管理情報が、論理的削除の指示をしたユーザに対してのみに、指定された文書ファイルに対する権限を示すものである場合には、当該ユーザのみがアクセスできる前記記憶装置内の第1の論理的削除用記憶領域に指定されたファイルを移動させ、
(2)前記特定のユーザ管理情報が、複数のユーザに対して指定された文書ファイルに対する権限を示すものである場合には、当該複数のユーザがアクセスできる前記記憶装置内の第2の論理的削除用記憶領域に指定されたファイルを移動させる
ことにより文書ファイルの論理的削除を行うことを特徴とする文書共有サーバ。
【請求項9】
コンピュータネットワーク上に設けられた文書共有サーバとコンピュータ端末とから構成される文書共有システムであって、
前記文書共有サーバは、該文書共有サーバに備わる記憶装置に格納された文書ファイルに対し特定のユーザ管理情報に従ったファイル管理を行う制御手段を備え、
前記制御手段は、前記コンピュータ端末から受けるユーザによる文書ファイルの論理的削除の指示に対し、
(1)前記特定のユーザ管理情報が、論理的削除の指示をしたユーザに対してのみに、指定された文書ファイルに対する権限を示すものである場合には、当該ユーザのみがアクセスできる前記記憶装置内の第1の論理的削除用記憶領域に指定されたファイルを移動させ、
(2)前記特定のユーザ管理情報が、複数のユーザに対して指定された文書ファイルに対する権限を示すものである場合には、当該複数のユーザがアクセスできる前記記憶装置内の第2の論理的削除用記憶領域に指定されたファイルを移動させる
ことにより論理的削除を行い、
前記コンピュータ端末は、GUI画面にただ1つ表示されるごみ箱フォルダへユーザによる操作に従ってファイルを移動させることにより当該ファイルの論理的削除の指示を受け付け、該論理的削除の指示を前記文書共有サーバに送信する
ことを特徴とする文書共有システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−310481(P2007−310481A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−136701(P2006−136701)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】