説明

文書編集装置及び文書編集方法

【課題】マークアップ言語を用いて編集した文書の文字装飾種別を変換する場合において、文字装飾種別の検索作業に対するユーザの負担を軽減する。
【解決手段】マークアップ言語を用いて文書を編集可能な文書編集装置であって、操作手段と、前記文書の編集画面を表示する表示手段と、前記操作手段の操作によって指定された検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されている文字列を前記編集画面に表示された文書から検索する制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書編集装置及び文書編集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、インターネット上で閲覧可能なWebサイト(ホームページやブログ等)は、HTML(Hyper Text Markup Language)等のマークアップ言語を用いて作成されており、Webブラウザを備える機器をインターネットに接続しさえすれば、場所的、時間的な制約を受けることなく、誰でもWebサイトを閲覧することができる。
【0003】
近年では、HTMLについて詳しくない初心者でも容易にWebサイトを作成できるように、テンプレートと呼ばれる、Webサイトの画面構成(使用する文章、記号、図、挿入画像等やこれらの配置位置、文字装飾種別、背景画像など)に関する定型書式が記述されたHTMLファイルが利用されている。また、このようなテンプレートは、Webサイトの作成だけでなくHTMLメールの作成にも利用されており、様々な装飾を施したメールを容易に作成して相手側に送ることもできる。
【特許文献1】特開平6−259458号公報
【特許文献2】特開平9−6568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、HTMLメール等のHTML文書では、様々な文字装飾種別(文字色、文字サイズ、点滅(ブリンク)、テロップ、スイング、文字位置(左寄せ/センタリング/右寄せ)など)を指定することができる。このようなHTMLメールは、メール閲覧画面では文字装飾種別が反映された状態で文書が表示され、メール編集画面では文字列毎に、その文字列に設定されている文字装飾種別がアイコン等によって表示される。
【0005】
ところで、機種の異なる携帯端末間で上記のようなHTMLメールの送受信を行う場合、一方の端末では使用可能な文字装飾種別が他方の端末では使用不可能である場合もあり得る。このような場合、送信側のユーザは、自端末のメール編集画面において、送信相手側で使用不可能な文字装飾種別が設定されている文字列を目で確認しながら探し出し、その文字装飾種別を変換する必要があった。しかしながら、このような文字装飾種別の検索作業は人間の目で探すことになるので抜けが生じたり、非常に長い時間を要するためユーザに大きな負担を強いることになる。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、マークアップ言語を用いて編集した文書の文字装飾種別を変換する場合において、文字装飾種別の検索作業に対するユーザの負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、文書編集装置に係る第1の解決手段として、マークアップ言語を用いて文書を編集可能な文書編集装置であって、操作手段と、前記文書の編集画面を表示する表示手段と、前記操作手段の操作によって指定された検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されている文字列を前記編集画面に表示された文書から検索する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、文書編集装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記制御手段は、前記検索により検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されていると判定された全ての文字列の文字装飾種別を、前記操作手段の操作によって指定された変換用の文字装飾種別に一括変換することを特徴とする。
【0009】
また、文書編集装置に係る第3の解決手段として、上記第2の解決手段において、前記制御手段は、前記検索により検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されていると判定された全ての文字列の内の少なくとも1つに複数の文字装飾種別が設定されており、当該複数の文字装飾種別に前記変換用の文字装飾種別と両立し得ない文字装飾種別が含まれていた場合、その旨を通知するためのメッセージを前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0010】
また、文書編集装置に係る第4の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記制御手段は、前記検索により検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されていると判定された文字列の文字装飾種別を、前記操作手段の操作によって指定された変換用の文字装飾種別に個別的に変換することを特徴とする。
【0011】
また、文書編集装置に係る第5の解決手段として、上記第4の解決手段において、前記制御手段は、前記検索により検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されていると判定された文字列に複数の文字装飾種別が設定されており、当該複数の文字装飾種別に前記変換用の文字装飾種別と両立し得ない文字装飾種別が含まれていた場合、その旨を通知するためのメッセージを前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0012】
また、文書編集装置に係る第6の解決手段として、上記第2〜第5のいずれかの解決手段において、前記変換用として指定された文字装飾種別の履歴情報を記憶する変換履歴記憶手段を備え、前記制御手段は、前記履歴情報から変換用の文字装飾種別を選択させるための選択画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0013】
また、文書編集装置に係る第7の解決手段として、上記第1〜第6のいずれかの解決手段において、前記検索対象として指定された文字装飾種別の履歴情報を記憶する検索履歴記憶手段を備え、前記制御手段は、前記履歴情報から検索対象となる文字装飾種別を選択させるための選択画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0014】
また、文書編集装置に係る第8の解決手段として、上記第1〜第7のいずれかの解決手段において、前記制御手段は、前記操作手段の操作によって検索対象の文字装飾種別が組み合わせで指定された場合、指定された組み合わせの文字装飾種別と同一の組み合わせで文字装飾種別が設定されている文字列を前記編集画面に表示された文書から検索することを特徴とする。
【0015】
また、文書編集装置に係る第9の解決手段として、上記第1〜第8のいずれかの解決手段において、前記制御手段は、前記検索により検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されていると判定された文字列の前記編集画面上における表示形態を変更するように前記表示手段を制御することを特徴とする。
【0016】
また、文書編集装置に係る第10の解決手段として、上記第1〜第9のいずれかの解決手段において、前記制御手段は、前記操作手段の操作により現在検索対象として指定されている文字装飾種別の確認画面の表示を指示された場合、当該確認画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0017】
また、文書編集装置に係る第11の解決手段として、上記第1〜第10のいずれかの解決手段において、通信手段と、通信相手毎に当該通信相手が使用不可能な文字装飾種別を記憶する使用不可種別記憶手段と、を備え、前記制御手段は、前記操作手段の操作によって前記通信相手が指定された場合に、当該通信相手に対応する前記使用不可能な文字装飾種別を表示するように前記表示手段を制御することを特徴とする。
【0018】
また、文書編集装置に係る第12の解決手段として、上記第11の解決手段において、前記制御手段は、前記操作手段の操作によって前記通信相手が指定された場合に、当該通信相手に対応する前記使用不可能な文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されている文字列を前記編集画面に表示された文書から検索することを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明では、文書編集方法に係る解決手段として、マークアップ言語を用いて文書を編集する文書編集方法であって、文書の編集画面を表示する第1工程と、前記編集画面に表示された文書における検索対象の文字装飾種別を指定する第2工程と、前記指定された検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されている文字列を前記編集画面に表示された文書から検索する第3工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、編集画面に表示された文書から、操作手段の操作によって指定された検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定された文字列を自動的に検索することができる。すなわち、ユーザは操作手段の操作によって検索対象の文字装飾種別を指定するだけで良く、文字装飾種別の検索に要する時間を短縮できると共にユーザの負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る文書編集装置として、HTML(マークアップ言語)を用いてHTMLメール(文書)を編集可能な携帯電話機などの無線通信端末を例示して説明する。
【0022】
図1(a)は、本実施形態に係る無線通信端末100の外観図であり、図1(b)は、本実施形態に係る無線通信端末100の機能ブロック構成図である。これら図1(a)、(b)に示すように、本実施形態に係る無線通信端末100は、制御部(制御手段)10、無線通信部(通信手段)20、操作部(操作手段)30、表示部(表示手段)40、音声入出力部50及び記憶部60を備えている。
【0023】
制御部10は、例えばベースバンドプロセッサであり、記憶部60に記憶されている制御プログラムや無線通信部20を介して取得した受信信号、操作部30から入力される操作信号及び音声入出力部50から入力され音声信号に基づいて、本無線通信端末100の動作を統括的に制御する。また、詳細は後述するが、この制御部10は、本実施形態における特徴的な動作として、操作部30の操作によって指定された検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されている文字列を表示部40のメール編集画面に表示されたHTMLメールから検索し、当該検索により検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されていると判定された文字列の文字装飾種別を、操作部30の操作によって指定された変換用の文字装飾種別に一括変換するか、または個別的に変換する。
【0024】
無線通信部20は、制御部10による制御の下、制御部10から出力される制御信号またはデータ信号の誤り訂正符号化、変調及びRF周波数帯への周波数変換を行った後、送信信号として図示しない基地局に送信する。また、この無線通信部20は、基地局から受信したRF信号の、IF周波数帯への周波数変換、復調、誤り訂正復号化などを行い、受信信号として制御部10に出力する。操作部30は、電源キー、各種ファンクションキー、テンキー等の操作キーから構成されており、これら操作キーによる操作入力に応じた操作信号を制御部10に出力する。
【0025】
表示部40は、例えば液晶モニタまたは有機ELモニタ等であり、制御部10から入力される表示信号に基づいてHTMLメールのメール編集画面などを表示する。音声入出力部50は、マイク50a及びスピーカ50bから構成されており、マイク50aを介して外部から入力された音声を音声信号に変換して制御部10に出力する一方、制御部10から入力される音声信号をスピーカ50bを介して外部に出力する。記憶部60は、例えばフラッシュメモリであり、上記制御部10で使用される制御プログラムや各種データを記憶する。
【0026】
このように構成された本無線通信端末100は、基地局を介して他の無線通信端末と通信可能であると共に、基地局を介してインターネット接続を行うことができ、インターネットに接続されている各種サーバやPC(Personal Computer)等の固定端末とも通信可能である。
【0027】
次に、上記のように構成された本実施形態に係る無線通信端末100の動作、特にHTMLメールに記述された文字列に設定されている文字装飾種別の検索・変換処理に関する動作について説明する。なお、この文字装飾種別の検索・変換処理に関する動作には第1実施例と第2実施例の2つがあり、以下ではまず第1実施例から説明する。
【0028】
〔第1実施例〕
図2は、第1実施例における文字装飾種別の検索・変換処理に関する動作を示すフローチャートである。この図2に示すように、まず、制御部10は、HTMLメールのメール編集画面表示中に、操作部30の操作によって検索対象となる文字装飾種別の指定を検知すると(ステップS1)、メール編集画面に表示されたHTMLメールから、上記ステップS1で指定された検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されている文字列の検索を開始する(ステップS2)。なお、以下では、検索対象の文字装飾種別を検索装飾種別と称し、検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されている文字列を検索該当文字列と称する。
【0029】
ここで、検索装飾種別の指定方法としては、図3に示すように、メニュー画面などから検索装飾種別の入力画面に切り換え、この入力画面に検索装飾種別を直接入力しても良いし、または、図4に示すように、編集画面に表示されたHTMLメールにおける所定の文字列にカーソルを合わせることで、その文字列に設定されている文字装飾種別をアイコンで表示するようにし、そのカーソル位置で決定キーを押下するとその設定されている文字装飾種別を検索装飾種別にするか否かを選択させるための選択画面を表示させるようにしても良い。例えば、図4の例では、「おはよう」という文字列にカーソルを合わせると、その「おはよう」に設定されている文字装飾種別として「文字色:赤」がアイコン表示され、決定キーを押下すると「文字色:赤を検索装飾種別として決定しますか?」という選択画面が表示される。
なお、以下では、図3の入力画面から検索装飾種別として「文字色:赤」を直接入力した場合を例示して説明する。
【0030】
制御部10は、検索該当文字列の検索処理として、HTMLメールの文頭から順に文字装飾種別が設定されている文字列を探し出し、この探し出した文字列の文字装飾種別と検索装飾種別とが同一か否かを判定することで、当該文字列が検索該当文字列か否かを判定する(ステップS3)。このステップS3において、検索該当文字列であると判定された場合、つまり探し出した文字列の文字装飾種別と検索装飾種別とが同一であった場合(「Yes」)、制御部10は、その検索該当文字列のメール編集画面上における表示形態を変更する(ステップS4)。例えば、図5に示すように、文字装飾種別が設定されている文字列として「おはよう」が探し出された場合、この「おはよう」の文字装飾種別は「文字色:赤」であるので検索該当文字列であると判定し、この「おはよう」の文字列を反転表示する。または、検索該当文字列に下線を引くようにしても良い。一方、上記ステップS3において、検索該当文字列ではないと判定された場合、つまり探し出した文字列の文字装飾種別と検索装飾種別とが同一ではなかった場合(「No」)、制御部10はステップS9の処理に移行する。
【0031】
続いて、制御部10は、図6(a)に示すように、検索該当文字列(例えば「おはよう」)の文字装飾種別を変換するか否かを選択させるための選択画面をメール編集画面上に表示させる(ステップS5)。そして、制御部10は、操作部30の操作により上記選択画面から「変換する」が選択されたか否かを判定し(ステップS6)、「変換する」が選択された場合(「Yes」)、図6(b)に示すように、変換用の文字装飾種別(以下、変換装飾種別と称す)を指定するための入力画面を表示させる(ステップS7)。そして、制御部10は、検索該当文字列の文字装飾種別を、操作部30の操作によって上記入力画面に入力された変換装飾種別に変換する(ステップS8)。例えば、変換装飾種別として「文字色:青」が指定された場合、「おはよう」の文字装飾種別を「文字色:赤」から「文字色:青」に変換する。一方、ステップS6において、「変換しない」が選択された場合(「No」)、制御部10は、ステップS9の処理に移行する。
【0032】
そして、制御部10は、検索該当文字列の検索・変換処理がHTMLメールの文末まで行われたか否かを判定し(ステップS9)、検索・変換処理がHTMLメールの文末まで行われた場合(「Yes」)、検索該当文字列の検索・変換処理を終了し、また、検索・変換処理がHTMLメールの文末まで行われていない場合(「No」)、ステップS3の処理に戻る。
【0033】
以上説明したように、本実施形態に係る無線通信端末100によれば、メール編集画面に表示されたHTMLメールから、操作部30の操作によって指定された検索装飾種別と同一の文字装飾種別が設定された文字列(検索該当文字列)を自動的に検索することができる。すなわち、ユーザは操作部30の操作によって検索装飾種別を指定するだけで良く(ただし、変換時には変換装飾種別の指定が必要)、文字装飾種別の検索・変換作業に要する時間を短縮できると共にユーザの負担を軽減することができる。
【0034】
〔第2実施例〕
続いて、文字装飾種別の検索・変換処理に関する動作の第2実施例について説明する。上記の第1実施例では、HTMLメールの文頭から検索該当文字列の検索を行い、検索該当文字列が見つかった段階で、その文字列毎に個別的に文字装飾種別の変換処理を行う場合を例示した。これに対し、第2実施例は文字装飾種別の変換処理を全ての検索該当文字列に対して一括して行うものである。
【0035】
図7は、第2実施例における文字装飾種別の検索・変換処理に関する動作を示すフローチャートである。この図7に示すように、まず、制御部10は、メール編集画面表示中に、操作部30の操作によって検索装飾種別の指定及び変換装飾種別の指定を検知すると(ステップS20)、検索該当文字列の一括変換設定がされているか否かを判定する(ステップS21)。この検索該当文字列の一括変換設定は、HTMLメールの編集前から予め設定しても良いし、ステップS21でメール編集画面上に設定画面を表示させ、編集中に操作部30の操作によって設定するようにしても良い。なお、検索装飾種別及び変換装飾種別の指定方法は、第1実施例と同様の方法を用いることができる。
【0036】
上記ステップS21において、検索該当文字列の一括変換設定がされている場合(「Yes」)、制御部10は、表示部40のメール編集画面に表示されたHTMLメールから、上記ステップS20で指定された検索装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されている検索該当文字列の検索を開始する(ステップS22)。制御部10は、検索該当文字列の検索処理として、HTMLメールの文頭から順に文字装飾種別が設定されている文字列を探し出し、この探し出した文字列の文字装飾種別と検索装飾種別とが同一か否かを判定することで、当該文字列が検索該当文字列か否かを判定する(ステップS23)。
【0037】
このステップS23において、検索該当文字列であると判定された場合、つまり探し出した文字列の文字装飾種別と検索装飾種別とが同一であった場合(「Yes」)、制御部10は、その検索該当文字列のメール編集画面上における表示形態を変更する(ステップS24)。例えば、第1実施例と同じく検索該当文字列を反転表示する。一方、上記ステップS23において、検索該当文字列ではないと判定された場合、つまり探し出した文字列の文字装飾種別と検索装飾種別とが同一ではなかった場合(「No」)、制御部10はステップS25の処理に移行する。
【0038】
そして、制御部10は、検索該当文字列の検索処理がHTMLメールの文末まで行われたか否かを判定し(ステップS25)、検索処理がHTMLメールの文末まで行われていないと判定された場合(「No」)、ステップS23の処理に戻る。すなわち、ステップS23〜S25の処理がHTMLメールの文末まで繰り返されることにより、図8(a)に示すように、HTMLメール中の全ての検索該当文字列が反転表示されることになる。
【0039】
一方、制御部10は、ステップS25において、検索処理がHTMLメールの文末まで行われたと判定された場合(「Yes」)、上記のように検索された全ての検索該当文字列の内、指定された変換装飾種別とは両立し得ない文字装飾種別を含む文字列があるか否かを判定する(ステップS26)。例えば、検索装飾種別として「点滅」を指定し、変換装飾種別として「センタリング」を指定したと仮定する。ある文字列Aに「点滅」と「スイング」の2つの文字装飾種別が設定されている場合、この文字列Aは検索該当文字列として認識される。しかしながら、この文字列Aの文字装飾種別である「点滅」を変換装飾種別である「センタリング」に変換しようとした場合、文字列Aのもう一方の文字装飾種別である「スイング」と「センタリング」とは両立し得ない(「スイング」とは移動文字のことであり、「センタリング」は文字の中央配置のことであるから)。
【0040】
制御部10は、ステップS26において、全ての検索該当文字列の内、変換装飾種別とは両立し得ない文字装飾種別を含む文字列が1つでもあった場合(「Yes」)、その旨を通知する警告メッセージをメール編集画面に表示させる(ステップS27)。図8(b)に、警告メッセージの一例を示す。この図8(b)に示すように、警告メッセージでは、文字列Aの「点滅」を変換装飾種別である「センタリング」に変換すると「スイング」は解除される旨を通知し、変換するか否かの選択肢を表示する。なお、変換装飾種別とは両立し得ない文字装飾種別を含む文字列が複数存在する場合、各文字列に関する情報を警告メッセージに表示するようにしても良い。
【0041】
そして、制御部10は、操作部30の操作により警告メッセージ画面から「変換する」が選択されたか否かを判定し(ステップS28)、「変換する」が選択された場合(「Yes」)、全ての検索該当文字列の文字装飾種別(1つの検索該当文字列に文字装飾種別が複数設定されている場合は検索装飾種別と同一の文字装飾種別のみ)を変換装飾種別に一括変換する(ステップS29)。一方、上記ステップS26において、全ての検索該当文字列の内、変換装飾種別とは両立し得ない文字装飾種別を含む文字列がなかった場合(「No」)、制御部10は、ステップS29の処理に移行し、全ての検索該当文字列の文字装飾種別を変換装飾種別に一括変換する。また、上記ステップS28において、「変換しない」が選択された場合(「No」)、制御部10は、検索該当文字列の検索・変換処理を終了する。
【0042】
一方、上記ステップS21において、検索該当文字列の一括変換設定がされていない場合(「No」)、制御部10は、表示部40のメール編集画面に表示されたHTMLメールから、上記ステップS20で指定された検索装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されている検索該当文字列の検索を開始する(ステップS30)。制御部10は、検索該当文字列の検索処理として、HTMLメールの文頭から順に文字装飾種別が設定されている文字列を探し出し、この探し出した文字列の文字装飾種別と検索装飾種別とが同一か否かを判定することで、当該文字列が検索該当文字列か否かを判定する(ステップS31)。
【0043】
このステップS31において、検索該当文字列であると判定された場合、つまり探し出した文字列の文字装飾種別と検索装飾種別とが同一であった場合(「Yes」)、制御部10は、その検索該当文字列のメール編集画面上における表示形態を変更する(ステップS32)。一方、上記ステップS31において、検索該当文字列ではないと判定された場合、つまり探し出した文字列の文字装飾種別と検索装飾種別とが同一ではなかった場合(「No」)、制御部10はステップS39の処理に移行する。
【0044】
続いて、制御部10は、検索該当文字列の文字装飾種別を変換するか否かを選択させるための選択画面をメール編集画面上に表示させる(ステップS33)。ここで表示される選択画面は、第1実施例のステップS5で表示される選択画面と同様である。そして、制御部10は、操作部30の操作により上記選択画面から「変換する」が選択されたか否かを判定し(ステップS34)、「変換しない」が選択されたと判定された場合(「No」)、ステップS39の処理に移行する。
【0045】
一方、上記ステップS34において、「変換する」が選択されたと判定された場合(「Yes」)、制御部10は、検索該当文字列に設定されている文字装飾種別に、変換装飾種別とは両立し得ない文字装飾種別が含まれているか否かを判定する(ステップS35)。このステップS35において、検索該当文字列に設定されている文字装飾種別に、変換装飾種別とは両立し得ない文字装飾種別が含まれていた場合(「Yes」)、制御部10は、その旨を通知する警告メッセージを編集画面に表示させる(ステップS36)。この警告メッセージはステップS27と同様である。
【0046】
そして、制御部10は、操作部30の操作により警告メッセージ画面から「変換する」が選択されたか否かを判定し(ステップS37)、「変換する」が選択された場合(「Yes」)、検索該当文字列の文字装飾種別(検索該当文字列に文字装飾種別が複数設定されている場合は検索装飾種別と同一の文字装飾種別のみ)を変換装飾種別に変換(個別変換)する(ステップS38)。一方、上記ステップS35において、検索該当文字列に設定されている文字装飾種別に、変換装飾種別とは両立し得ない文字装飾種別が含まれていなかった場合(「No」)、制御部10は、ステップS38の処理に移行し、検索該当文字列の文字装飾種別を変換装飾種別に変換する。また、上記ステップS37において、「変換しない」が選択された場合(「No」)、制御部10は、ステップS39の処理に移行する。
【0047】
そして、制御部10は、検索該当文字列の検索・変換処理がHTMLメールの文末まで行われたか否かを判定し(ステップS39)、検索・変換処理がHTMLメールの文末まで行われた場合(「Yes」)、検索該当文字列の検索・変換処理を終了し、また、検索・変換処理がHTMLメールの文末まで行われていない場合(「No」)、ステップS31の処理に戻る。
【0048】
以上説明したように、この第2実施例では、文字装飾種別の変換処理を全ての検索該当文字列に対して一括して行うことができるので、第1実施例よりも文字装飾種別の検索及び変換作業に要する時間を短縮できると共にユーザの負担を軽減することができる。また、検索該当文字列に設定されている文字装飾種別に、変換装飾種別とは両立し得ない文字装飾種別が含まれていた場合は警告メッセージを表示してユーザの判断を仰ぐことにより、可能な限りユーザの編集意図を反映した文字装飾種別の変換を行うことができる。
【0049】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、検索装飾種別と変換装飾種別を指定する場合、図3に示すように、メニュー画面などから検索装飾種別の入力画面に切り換え、この入力画面に検索装飾種別を直接入力するか、または、図4に示すように、メール編集画面に表示されたHTMLメールにおける所定の文字列にカーソルを合わせて決定キーを押下すると、その文字列に設定されている文字装飾種別を検索装飾種別にするか否かを選択させるための選択画面を表示させていた。この他、記憶部60に検索装飾種別の履歴情報を記憶させ、この履歴情報から検索装飾種別を選択させるための選択画面をメール編集画面に表示させるような機能を制御部10に持たせても良い。また、記憶部60に変換装飾種別の履歴情報を記憶させ、この履歴情報から変換装飾種別を選択させるための選択画面をメール編集画面に表示させるような機能を制御部10に持たせても良い。
【0050】
(2)上記実施形態では、検索装飾種別を1種類ずつ指定する場合を例示して説明した。この他、操作部30の操作によって検索装飾種別が複数の組み合わせで指定された場合、指定された組み合わせの検索装飾種別と同一の組み合わせで文字装飾種別が設定されている文字列を検索するような機能を制御部10に持たせても良い。
【0051】
(3)操作部30の操作により現在検索対象として指定されている文字装飾種別の確認画面の表示を指示された場合、当該確認画面を表示部40のメール編集画面上に表示させる機能を制御部10に持たせても良い。このような機能を持たせることにより、ユーザが検索装飾種別を忘れてしまった場合でも直ぐに確認することができ、使い勝手の向上を図ることができる。
【0052】
(4)記憶部60に、通信相手毎(つまりHTMLメールの送信アドレス毎)に当該通信相手が使用不可能な文字装飾種別を予め記憶しておき、操作部30の操作によって通信相手が指定された場合(つまりHTMLメールの送信アドレスが指定された場合)に、当該通信相手に対応する使用不可能な文字装飾種別を表示部40に表示させる機能を制御部10に持たせても良い。さらに、上記のような通信相手の使用不可能な文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されている文字列をメール編集画面に表示されたHTMLメールから自動検索する機能を制御部10に持たせても良い。これにより、ユーザが検索装飾種別を指定する必要がなくなり、使い勝手の向上に寄与する。
【0053】
(5)上記実施形態では、文書編集装置として、HTMLメールを編集可能な携帯電話機等の無線通信端末100を例示して説明したが、これに限定されず、マークアップ言語を用いて文書を編集可能な文書編集装置であれば本発明を適用することができる。また、マークアップ言語としては例えばXMLやXHTML等を使用しても良く、文書もメールに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線通信端末(文書編集装置)100の外観図及び機能ブロック構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る無線通信端末100の動作を示す第1フローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る無線通信端末100の動作に関する第1説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る無線通信端末100の動作に関する第2説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る無線通信端末100の動作に関する第3説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る無線通信端末100の動作に関する第4説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る無線通信端末100の動作を示す第2フローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る無線通信端末100の動作に関する第5説明図である。
【符号の説明】
【0055】
100…無線通信端末、10…制御部、20…無線通信部、30…操作部、40…表示部、50…音声入出力部、60…記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マークアップ言語を用いて文書を編集可能な文書編集装置であって、
操作手段と、
前記文書の編集画面を表示する表示手段と、
前記操作手段の操作によって指定された検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されている文字列を前記編集画面に表示された文書から検索する制御手段と、
を備えることを特徴とする文書編集装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記検索により検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されていると判定された全ての文字列の文字装飾種別を、前記操作手段の操作によって指定された変換用の文字装飾種別に一括変換することを特徴とする請求項1記載の文書編集装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記検索により検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されていると判定された全ての文字列の内の少なくとも1つに複数の文字装飾種別が設定されており、当該複数の文字装飾種別に前記変換用の文字装飾種別と両立し得ない文字装飾種別が含まれていた場合、その旨を通知するためのメッセージを前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2記載の文書編集装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記検索により検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されていると判定された文字列の文字装飾種別を、前記操作手段の操作によって指定された変換用の文字装飾種別に個別的に変換することを特徴とする請求項1記載の文書編集装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記検索により検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されていると判定された文字列に複数の文字装飾種別が設定されており、当該複数の文字装飾種別に前記変換用の文字装飾種別と両立し得ない文字装飾種別が含まれていた場合、その旨を通知するためのメッセージを前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項4記載の文書編集装置。
【請求項6】
前記変換用として指定された文字装飾種別の履歴情報を記憶する変換履歴記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記履歴情報から変換用の文字装飾種別を選択させるための選択画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の文書編集装置。
【請求項7】
前記検索対象として指定された文字装飾種別の履歴情報を記憶する検索履歴記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記履歴情報から検索対象となる文字装飾種別を選択させるための選択画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の文書編集装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記操作手段の操作によって検索対象の文字装飾種別が組み合わせで指定された場合、指定された組み合わせの文字装飾種別と同一の組み合わせで文字装飾種別が設定されている文字列を前記編集画面に表示された文書から検索することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の文書編集装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記検索により検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されていると判定された文字列の前記編集画面上における表示形態を変更するように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の文書編集装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記操作手段の操作により現在検索対象として指定されている文字装飾種別の確認画面の表示を指示された場合、当該確認画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の文書編集装置。
【請求項11】
通信手段と、
通信相手毎に当該通信相手が使用不可能な文字装飾種別を記憶する使用不可種別記憶手段と、を備え、
前記制御手段は、前記操作手段の操作によって前記通信相手が指定された場合に、当該通信相手に対応する前記使用不可能な文字装飾種別を表示するように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の文書編集装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記操作手段の操作によって前記通信相手が指定された場合に、当該通信相手に対応する前記使用不可能な文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されている文字列を前記編集画面に表示された文書から検索することを特徴とする請求項11記載の文書編集装置。
【請求項13】
マークアップ言語を用いて文書を編集する文書編集方法であって、
文書の編集画面を表示する第1工程と、
前記編集画面に表示された文書における検索対象の文字装飾種別を指定する第2工程と、
前記指定された検索対象の文字装飾種別と同一の文字装飾種別が設定されている文字列を前記編集画面に表示された文書から検索する第3工程と、
を有することを特徴とする文書編集方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−157482(P2009−157482A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−332588(P2007−332588)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】