料金式精米設備
【課題】
本発明は、利用者が新たな精白度を選択することを可能とすると共に、新たな精白度を選択することによる精白むらや玄米混入等の問題を発生し難くすることを課題とする。
【解決手段】
料金を料金投入口(12)に投入し、精白度選択スイッチ(13)を選択操作して精米運転を行う料金式精米設備において、精米運転中に精白度選択スイッチ(13)による新たな精白度への変更を可能にする構成とすると共に、精米装置(7)へ供給される米が設定量以下になったことを検出してから行う終了精米工程中には、新たな精白度への変更をできない構成とすることを特徴とする。
本発明は、利用者が新たな精白度を選択することを可能とすると共に、新たな精白度を選択することによる精白むらや玄米混入等の問題を発生し難くすることを課題とする。
【解決手段】
料金を料金投入口(12)に投入し、精白度選択スイッチ(13)を選択操作して精米運転を行う料金式精米設備において、精米運転中に精白度選択スイッチ(13)による新たな精白度への変更を可能にする構成とすると共に、精米装置(7)へ供給される米が設定量以下になったことを検出してから行う終了精米工程中には、新たな精白度への変更をできない構成とすることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、精白度の選択が可能な料金式精米設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、精白度選択スイッチを押すと同時に運転を開始する料金式の精米設備が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−29815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、利用者が新たな精白度を選択することを可能とすると共に、新たな精白度を選択することによる精白むらや玄米混入等の問題を発生し難くすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、料金を料金投入口(12)に投入し、精白度選択スイッチ(13)を選択操作することにより、精米装置(7)で精米運転を行う料金式精米設備において、精米運転中に精白度選択スイッチ(13)による新たな精白度への変更を可能にする構成とすると共に、精米装置(7)へ供給される米が設定量以下になったことを検出してから行う終了精米工程中には、新たな精白度への変更をできない構成とすることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、料金を料金投入口(12)に投入し、精白度選択スイッチ(13)を選択操作することにより、精米装置(7)及び圧迫板(8)により選択した精白度になるように精米運転を行う料金式精米設備において、精米運転開始から所定時間の初期精米工程中には、精白度選択スイッチ(13)による精白度の変更をできない構成とし、前記初期精米工程から、精米運転前に選択操作した精白度選択スイッチ(13)の精白度に対応する位置に圧迫板(8)を制御して精米処理する精米運転に移行すると、精白度の変更を可能にする構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本願発明によると、精米運転中にも利用者が新たな精白度を選択することを可能とすると共に、初期精米工程中や終了精米工程中に新たな精白度を選択することによる精白むらや玄米混入等の問題の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】精米設備の工程図
【図2】精米装置の側面図
【図3】フローチャート
【図4】操作盤の要部の正面図
【図5】同上要部の正面図
【図6】液晶画面の正面図
【図7】白度選択ボタンの配置状態を示す操作盤要部の正面図
【図8】操作画面の白度表示状態を示す正面図
【図9】搗精度と胚芽残存率との関係マップを示す図表
【図10】精米装置の要部の平面図
【図11】センサのON・OFF動作状態を示す図
【図12】液晶表示器の着脱構成を示す側断面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は精米設備の工程図を示すもので、投入ホッパ1内に投入される玄米は、ロータリバルブ2によって第1昇降機3に繰り出され、この第1昇降機3から石抜装置4に供給されて処理されるようになっている。そして、石抜装置4で石抜き処理されたものは、通常玄米通路及び石抜残米工程通路を経て第2昇降機5に供給され、第2昇降機5にて貯留ホッパ(玄米タンク)6に搬送される。貯留ホッパ6に貯留される玄米は、精米装置7に供給され精米装置7の圧迫板8によって精白処理がなされて、白米タンク9に排出されるようになっている。
【0010】
操作盤11には、利用者が料金を投入する料金投入口12と、上白選択スイッチ13a・標準選択スイッチ13b・ぶ搗き選択スイッチ13c・無洗米選択スイッチ13d等の各種精白度を選択する精白度選択スイッチ13を備えている。また、該操作盤11には液晶表示器15を兼ねた操作画面14を備えている。
【0011】
投入口12に料金を投入して精白度選択スイッチ13のいづれかを選択操作すると、予め設定された待機時間(5〜6秒程度)後に搬送手段の運転を開始するように構成されている。この待機時間中に精白度選択スイッチの内、いづれの選択スイッチを選択したかは、操作画面14にメッセージを表示することによって利用者に報知し確認することができるようになっている。
【0012】
例えば、上白度選択スイッチ13aを選択操作すると、操作画面14には、「まもなく押した白度で運転します。白度の押し変えは可能です。」のようにメッセージが表示されるので、利用者はこれを確認することができる。そして、この白度選択に変更がない場合には、上白度選択のままで所定時間後に運転が開始されることになる。要するに、この待機時間中に利用者の精白度の訂正がない場合は装置各部の駆動を開始して精白処理を行い、また、この待機時間中に精白度選択の間違いにより利用者が再度精白度を選択した場合には、新たに選択した精白度で精白処理が行えるようになっている。
【0013】
また、ぶ搗き選択スイッチ13cを操作すると、待機時間内において操作画面14に複数のぶ搗き選択表示「8ぶ」・「7ぶ」・「5ぶ」・「3ぶ」・「1ぶ」等の表示がなされるようになっており、更に、図6に示すように、ぶ搗き選択スイッチを操作する毎に、ぶ搗き選択表示が「8ぶ」⇒「7ぶ」⇒「5ぶ」⇒「3ぶ」⇒「1ぶ」の順に変更されるようになっていて、しかも、操作する度に待機時間が延長されるようになっている。そして、最後に変更してから設定された待機時間が経過すると、装置各部の駆動が開始されて精白処理が行えるようになっている。
【0014】
ぶ搗き選択スイッチ13cを押圧操作すると、ぶ搗き選択表示「8ぶ」が最初に表示され、ぶ搗き選択スイッチ13cをもう一度押圧操作すると次には「7ぶ」が表示され、更に押圧操作すると「5ぶ」の選択表示が表示されるので、希望のぶ搗き選択表示がなされるまで押し操作すればよい。この場合、待機時間は操作する度に延長されるので、ぶ搗き選択の誤操作を少なくすることができる。
【0015】
図7に示す実施例は、操作盤11に液晶表示器兼タッチパネル20を設け、この表示器20の左右又は上下に精白度を選択する押しボタンを配置した構成としている。この押しボタンは、図例では、左側に白い白度として無洗米選択スイッチ13d、上白選択スイッチ13a、標準選択スイッチ13bを、右側には黒い白度として8ぶ搗きスイッチ13c−8、5ぶ搗きスイッチ13c−5、3ぶ搗きスイッチ13c−3等を左右に分けて配置(逆も可)し、または、上部に白い白度、下部に黒い白度(逆も可)に分けて配置する構成とし、そして、各押しボタンの内容を表示器20に表示させた構成としている。これによれば、押しボタンの位置を白いグループ・黒いグループに分けることにより、利用者にとっては分かり易く、また、表示器に押しボタンの機能説明をすることで操作の間違いがなくなる。
【0016】
また、液晶又は高輝度ランプを集積した表示器20を装備し、利用者が予め指定された白度を選べるコイン精米機において、表示器の周辺に白度ランプを配置し、表示器に押しボタンの機能説明ができる装置において、メンテナンスモード(メンテナンスボタン21を押す)にすると、白度押しボタンを押す度に表示内容が変更できるように構成することができる。即ち、例えば、図8に示すように、白度押しボタンを押す度に、「無洗米」⇒「上白」⇒「標準」⇒「8ぶ」⇒「7ぶ」⇒「5ぶ」⇒「3ぶ」⇒「1ぶ」の順に表示内容が変更されるように構成し、変更表示された表示器の表示部をタッチすることにより、白度押しボタンの白度を表示内容に変更することができる。これによれば、例えば、ぶ搗きの内容変更が容易にでき、押しボタンの種類を少なくすることもできる。
【0017】
初期時の精米及び終了時の精米は、白度位置により、白度位置・バルブ回転数などが微細に異なっており、その際に白度変更すると制御が非常に複雑になると共に、精白むらや玄米混入等の問題が発生しやすくなる。従って、初期精米及び終了精米中は白度選択の変更ができないように制御することで、上記問題点を解消することができる。
【0018】
また、特に、終了精米時は、この終了精米に至る一定時間前から白度選択の変更ができなくなるように制御可能に構成しておくとよい。終了精米に入るのを検知しているのは貯留ホッパ(玄米ホッパ)6の下限センサ10であるが、この下限センサがOFFする時間をロータリバルブセンサ、貯留ホッパ(上限)センサ、貯留ホッパ下限センサによって計算し、貯留ホッパ下限センサOFFにて終了精米開始を予測する。従って、貯留ホッパ下限センサがOFFしてから白度変更された場合、白度位置が定位置まで移動するのに時間がかかるし、終了精米に必要な玄米を確保することもできずに終了精米に移行するため、上記と同様に精白むらや玄米混入等の問題が生じる。そこで、上記のように終了精米に入る一定時間前に白度変更ができないようにすることで、かかる問題解決を図ることができる。
【0019】
次にコイン精米機の他の実施例について説明する。
段差精米ロールを用いた精米機又は無洗米装置或いは精米・無洗米両用機において、下記の三要件からなる構成を特徴とする。すなわち、図9に示すように、
(一)搗精度と胚芽残存率の二つのファクターに基づいて精米条件を設定する。
(二)2次元マップ上で上記2ファクターが選択可能な構成とする。
(三)飛び飛びの区画が連続して選定可能な構成とする。
【0020】
無洗米は搗精度ではないが、大きな概念としては搗精度と考えて差し支えない。従って、現状では搗精度のみに基づいた精米条件の設定しか行っていない。つまり、従来では搗精度以外のファクターはコントロールできなかった。段差ロールを用いた2段精米ロール精米機では、2軸をもつ精米軸の回転速度を可変させることによって仕上がり状態が複雑に変化する。2次元マップ上で区画としては存在しても、実質的に実現できない区画も存在する。そのような区画は選択できないようスキップさせることが好ましい。上記三要件を満たすことで、バリエーション豊かな精米条件の設定が可能となる。
【0021】
なお、図9において、液晶画面(タッチパネル)ノータッチの状態では「8」に自動設定される。カウントアップさせて13番に移動させる。行き過ぎて1になった場合はカウントダウンして再度13番にセットする。13番の無洗米であることを利用者に確認させる。精米スタートにて精米開始する。
【0022】
利用客が玄米とコインを持ち込むコイン精米機において、利用客が入場したことを感知できる人物感知センサを設ける。人物を検出した後、一定時間コインの入金が無い場合、盗難と判断する。そして、この判断後、入金を促す音声出力を発する。盗難判断確定後は盗難警報を発するようにする。ここに云う盗難警報とは、警報ベル発報、音声による警告、遠隔の管理者への通報とする。
【0023】
コイン精米機は無人運転であるため、利用客と窃盗犯との見極めが困難である。人物の検知とコインを投入する動作により窃盗犯と思わしき人物を特定することができ、盗難防止に役立つ。
【0024】
コイン精米機における精米装置の白度制御において、従来、白度の位置検出には近接センサによるモータの回転制御や、原点を決めて原点からの以上時間制御などがあるが、いづれもセンサ数が少ないため誤動作、誤検知が多い。また、多くのセンサを取り付けようとしても移動幅が狭いため取付場所がなく、センサの位置調整が面倒で実現性に乏しい。そこで、本例による場合は、図10に示すように、白度モータ22の制御をデジタルファイバセンサ23を用いた構成とし、そして、ファイバセンサ23を複数使用し、白度値に対するセンサとした構成とすることで、原点からの距離を決めているため経年による誤差が発生しない。白度各々単独にセンシングするため、押し変え動作時の誤動作がない。設定値を任意に変更できるため白度位置変更が簡単にできる。
【0025】
また、デジタルファイバセンサ23は移動台24に載せた構成としている。白度の位置設定は、年間を通じて穀温の低い時期と高い時期によって設定位置を変える必要がある。そのため、移動台24全体を微小移動させることにより全ての白度を簡単に時期用に変更が可能となる。
【0026】
図11に示すようなセンサ動作構成とすることで、制御が簡単で誤動作がなくなる。図表において、選択された白度のセンサを監視し、監視するセンサがOFFならONになるまで「弱側」に移動した後、OFFになるまで「強側」に移動する。監視するセンサがONならOFFになるまで移動する。
【0027】
図12に示す実施例は、メンテナンス時はタッチ操作パネルとして使用でき、営業運転時は表示器としてのみ機能するタッチ操作可能な液晶表示システムを具現する。図12において、26は液晶表示器兼タッチ操作パネル20を取り付ける取付板、27は操作遮断用強化板、28は板金、29はスペサー、30は止め板、31はホルダー、32は取付具を示す。操作遮断用強化板27は操作可能な位置に取り付けでき、且つ操作不可にもすることのできる構成としている。タッチ操作パネル20は着脱自在に装着することができ構成であり、また、コントローラとの接続ケーブルを長くすることにより、機械室からのリモコン操作が可能な構成としている。タッチ操作パネルを機械室に通す通し口を操作盤の一部に設ける構成としている。液晶表示器には操作機能があるので、接続線を長くすればリモコン操作が可能となり,機械室からのリモコン操作を安価に実施することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 投入ホッパ
2 ロータリバルブ(搬送手段)
3 第1昇降機(搬送手段)
5 第2昇降機(搬送手段)
7 精米装置
8 圧迫板
11 操作盤
12 料金投入口
13 精白度選択スイッチ
13a 上白選択スイッチ
13b 標準選択スイッチ
13c ぶ搗き選択スイッチ
13d 無洗米選択スイッチ
14 操作画面
15 液晶表示器(報知手段)
【技術分野】
【0001】
この発明は、精白度の選択が可能な料金式精米設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、精白度選択スイッチを押すと同時に運転を開始する料金式の精米設備が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−29815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、利用者が新たな精白度を選択することを可能とすると共に、新たな精白度を選択することによる精白むらや玄米混入等の問題を発生し難くすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、料金を料金投入口(12)に投入し、精白度選択スイッチ(13)を選択操作することにより、精米装置(7)で精米運転を行う料金式精米設備において、精米運転中に精白度選択スイッチ(13)による新たな精白度への変更を可能にする構成とすると共に、精米装置(7)へ供給される米が設定量以下になったことを検出してから行う終了精米工程中には、新たな精白度への変更をできない構成とすることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、料金を料金投入口(12)に投入し、精白度選択スイッチ(13)を選択操作することにより、精米装置(7)及び圧迫板(8)により選択した精白度になるように精米運転を行う料金式精米設備において、精米運転開始から所定時間の初期精米工程中には、精白度選択スイッチ(13)による精白度の変更をできない構成とし、前記初期精米工程から、精米運転前に選択操作した精白度選択スイッチ(13)の精白度に対応する位置に圧迫板(8)を制御して精米処理する精米運転に移行すると、精白度の変更を可能にする構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本願発明によると、精米運転中にも利用者が新たな精白度を選択することを可能とすると共に、初期精米工程中や終了精米工程中に新たな精白度を選択することによる精白むらや玄米混入等の問題の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】精米設備の工程図
【図2】精米装置の側面図
【図3】フローチャート
【図4】操作盤の要部の正面図
【図5】同上要部の正面図
【図6】液晶画面の正面図
【図7】白度選択ボタンの配置状態を示す操作盤要部の正面図
【図8】操作画面の白度表示状態を示す正面図
【図9】搗精度と胚芽残存率との関係マップを示す図表
【図10】精米装置の要部の平面図
【図11】センサのON・OFF動作状態を示す図
【図12】液晶表示器の着脱構成を示す側断面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は精米設備の工程図を示すもので、投入ホッパ1内に投入される玄米は、ロータリバルブ2によって第1昇降機3に繰り出され、この第1昇降機3から石抜装置4に供給されて処理されるようになっている。そして、石抜装置4で石抜き処理されたものは、通常玄米通路及び石抜残米工程通路を経て第2昇降機5に供給され、第2昇降機5にて貯留ホッパ(玄米タンク)6に搬送される。貯留ホッパ6に貯留される玄米は、精米装置7に供給され精米装置7の圧迫板8によって精白処理がなされて、白米タンク9に排出されるようになっている。
【0010】
操作盤11には、利用者が料金を投入する料金投入口12と、上白選択スイッチ13a・標準選択スイッチ13b・ぶ搗き選択スイッチ13c・無洗米選択スイッチ13d等の各種精白度を選択する精白度選択スイッチ13を備えている。また、該操作盤11には液晶表示器15を兼ねた操作画面14を備えている。
【0011】
投入口12に料金を投入して精白度選択スイッチ13のいづれかを選択操作すると、予め設定された待機時間(5〜6秒程度)後に搬送手段の運転を開始するように構成されている。この待機時間中に精白度選択スイッチの内、いづれの選択スイッチを選択したかは、操作画面14にメッセージを表示することによって利用者に報知し確認することができるようになっている。
【0012】
例えば、上白度選択スイッチ13aを選択操作すると、操作画面14には、「まもなく押した白度で運転します。白度の押し変えは可能です。」のようにメッセージが表示されるので、利用者はこれを確認することができる。そして、この白度選択に変更がない場合には、上白度選択のままで所定時間後に運転が開始されることになる。要するに、この待機時間中に利用者の精白度の訂正がない場合は装置各部の駆動を開始して精白処理を行い、また、この待機時間中に精白度選択の間違いにより利用者が再度精白度を選択した場合には、新たに選択した精白度で精白処理が行えるようになっている。
【0013】
また、ぶ搗き選択スイッチ13cを操作すると、待機時間内において操作画面14に複数のぶ搗き選択表示「8ぶ」・「7ぶ」・「5ぶ」・「3ぶ」・「1ぶ」等の表示がなされるようになっており、更に、図6に示すように、ぶ搗き選択スイッチを操作する毎に、ぶ搗き選択表示が「8ぶ」⇒「7ぶ」⇒「5ぶ」⇒「3ぶ」⇒「1ぶ」の順に変更されるようになっていて、しかも、操作する度に待機時間が延長されるようになっている。そして、最後に変更してから設定された待機時間が経過すると、装置各部の駆動が開始されて精白処理が行えるようになっている。
【0014】
ぶ搗き選択スイッチ13cを押圧操作すると、ぶ搗き選択表示「8ぶ」が最初に表示され、ぶ搗き選択スイッチ13cをもう一度押圧操作すると次には「7ぶ」が表示され、更に押圧操作すると「5ぶ」の選択表示が表示されるので、希望のぶ搗き選択表示がなされるまで押し操作すればよい。この場合、待機時間は操作する度に延長されるので、ぶ搗き選択の誤操作を少なくすることができる。
【0015】
図7に示す実施例は、操作盤11に液晶表示器兼タッチパネル20を設け、この表示器20の左右又は上下に精白度を選択する押しボタンを配置した構成としている。この押しボタンは、図例では、左側に白い白度として無洗米選択スイッチ13d、上白選択スイッチ13a、標準選択スイッチ13bを、右側には黒い白度として8ぶ搗きスイッチ13c−8、5ぶ搗きスイッチ13c−5、3ぶ搗きスイッチ13c−3等を左右に分けて配置(逆も可)し、または、上部に白い白度、下部に黒い白度(逆も可)に分けて配置する構成とし、そして、各押しボタンの内容を表示器20に表示させた構成としている。これによれば、押しボタンの位置を白いグループ・黒いグループに分けることにより、利用者にとっては分かり易く、また、表示器に押しボタンの機能説明をすることで操作の間違いがなくなる。
【0016】
また、液晶又は高輝度ランプを集積した表示器20を装備し、利用者が予め指定された白度を選べるコイン精米機において、表示器の周辺に白度ランプを配置し、表示器に押しボタンの機能説明ができる装置において、メンテナンスモード(メンテナンスボタン21を押す)にすると、白度押しボタンを押す度に表示内容が変更できるように構成することができる。即ち、例えば、図8に示すように、白度押しボタンを押す度に、「無洗米」⇒「上白」⇒「標準」⇒「8ぶ」⇒「7ぶ」⇒「5ぶ」⇒「3ぶ」⇒「1ぶ」の順に表示内容が変更されるように構成し、変更表示された表示器の表示部をタッチすることにより、白度押しボタンの白度を表示内容に変更することができる。これによれば、例えば、ぶ搗きの内容変更が容易にでき、押しボタンの種類を少なくすることもできる。
【0017】
初期時の精米及び終了時の精米は、白度位置により、白度位置・バルブ回転数などが微細に異なっており、その際に白度変更すると制御が非常に複雑になると共に、精白むらや玄米混入等の問題が発生しやすくなる。従って、初期精米及び終了精米中は白度選択の変更ができないように制御することで、上記問題点を解消することができる。
【0018】
また、特に、終了精米時は、この終了精米に至る一定時間前から白度選択の変更ができなくなるように制御可能に構成しておくとよい。終了精米に入るのを検知しているのは貯留ホッパ(玄米ホッパ)6の下限センサ10であるが、この下限センサがOFFする時間をロータリバルブセンサ、貯留ホッパ(上限)センサ、貯留ホッパ下限センサによって計算し、貯留ホッパ下限センサOFFにて終了精米開始を予測する。従って、貯留ホッパ下限センサがOFFしてから白度変更された場合、白度位置が定位置まで移動するのに時間がかかるし、終了精米に必要な玄米を確保することもできずに終了精米に移行するため、上記と同様に精白むらや玄米混入等の問題が生じる。そこで、上記のように終了精米に入る一定時間前に白度変更ができないようにすることで、かかる問題解決を図ることができる。
【0019】
次にコイン精米機の他の実施例について説明する。
段差精米ロールを用いた精米機又は無洗米装置或いは精米・無洗米両用機において、下記の三要件からなる構成を特徴とする。すなわち、図9に示すように、
(一)搗精度と胚芽残存率の二つのファクターに基づいて精米条件を設定する。
(二)2次元マップ上で上記2ファクターが選択可能な構成とする。
(三)飛び飛びの区画が連続して選定可能な構成とする。
【0020】
無洗米は搗精度ではないが、大きな概念としては搗精度と考えて差し支えない。従って、現状では搗精度のみに基づいた精米条件の設定しか行っていない。つまり、従来では搗精度以外のファクターはコントロールできなかった。段差ロールを用いた2段精米ロール精米機では、2軸をもつ精米軸の回転速度を可変させることによって仕上がり状態が複雑に変化する。2次元マップ上で区画としては存在しても、実質的に実現できない区画も存在する。そのような区画は選択できないようスキップさせることが好ましい。上記三要件を満たすことで、バリエーション豊かな精米条件の設定が可能となる。
【0021】
なお、図9において、液晶画面(タッチパネル)ノータッチの状態では「8」に自動設定される。カウントアップさせて13番に移動させる。行き過ぎて1になった場合はカウントダウンして再度13番にセットする。13番の無洗米であることを利用者に確認させる。精米スタートにて精米開始する。
【0022】
利用客が玄米とコインを持ち込むコイン精米機において、利用客が入場したことを感知できる人物感知センサを設ける。人物を検出した後、一定時間コインの入金が無い場合、盗難と判断する。そして、この判断後、入金を促す音声出力を発する。盗難判断確定後は盗難警報を発するようにする。ここに云う盗難警報とは、警報ベル発報、音声による警告、遠隔の管理者への通報とする。
【0023】
コイン精米機は無人運転であるため、利用客と窃盗犯との見極めが困難である。人物の検知とコインを投入する動作により窃盗犯と思わしき人物を特定することができ、盗難防止に役立つ。
【0024】
コイン精米機における精米装置の白度制御において、従来、白度の位置検出には近接センサによるモータの回転制御や、原点を決めて原点からの以上時間制御などがあるが、いづれもセンサ数が少ないため誤動作、誤検知が多い。また、多くのセンサを取り付けようとしても移動幅が狭いため取付場所がなく、センサの位置調整が面倒で実現性に乏しい。そこで、本例による場合は、図10に示すように、白度モータ22の制御をデジタルファイバセンサ23を用いた構成とし、そして、ファイバセンサ23を複数使用し、白度値に対するセンサとした構成とすることで、原点からの距離を決めているため経年による誤差が発生しない。白度各々単独にセンシングするため、押し変え動作時の誤動作がない。設定値を任意に変更できるため白度位置変更が簡単にできる。
【0025】
また、デジタルファイバセンサ23は移動台24に載せた構成としている。白度の位置設定は、年間を通じて穀温の低い時期と高い時期によって設定位置を変える必要がある。そのため、移動台24全体を微小移動させることにより全ての白度を簡単に時期用に変更が可能となる。
【0026】
図11に示すようなセンサ動作構成とすることで、制御が簡単で誤動作がなくなる。図表において、選択された白度のセンサを監視し、監視するセンサがOFFならONになるまで「弱側」に移動した後、OFFになるまで「強側」に移動する。監視するセンサがONならOFFになるまで移動する。
【0027】
図12に示す実施例は、メンテナンス時はタッチ操作パネルとして使用でき、営業運転時は表示器としてのみ機能するタッチ操作可能な液晶表示システムを具現する。図12において、26は液晶表示器兼タッチ操作パネル20を取り付ける取付板、27は操作遮断用強化板、28は板金、29はスペサー、30は止め板、31はホルダー、32は取付具を示す。操作遮断用強化板27は操作可能な位置に取り付けでき、且つ操作不可にもすることのできる構成としている。タッチ操作パネル20は着脱自在に装着することができ構成であり、また、コントローラとの接続ケーブルを長くすることにより、機械室からのリモコン操作が可能な構成としている。タッチ操作パネルを機械室に通す通し口を操作盤の一部に設ける構成としている。液晶表示器には操作機能があるので、接続線を長くすればリモコン操作が可能となり,機械室からのリモコン操作を安価に実施することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 投入ホッパ
2 ロータリバルブ(搬送手段)
3 第1昇降機(搬送手段)
5 第2昇降機(搬送手段)
7 精米装置
8 圧迫板
11 操作盤
12 料金投入口
13 精白度選択スイッチ
13a 上白選択スイッチ
13b 標準選択スイッチ
13c ぶ搗き選択スイッチ
13d 無洗米選択スイッチ
14 操作画面
15 液晶表示器(報知手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
料金を料金投入口(12)に投入し、精白度選択スイッチ(13)を選択操作することにより、精米装置(7)で精米運転を行う料金式精米設備において、
精米運転中に精白度選択スイッチ(13)による新たな精白度への変更を可能にする構成とすると共に、
精米装置(7)へ供給される米が設定量以下になったことを検出してから行う終了精米工程中には、新たな精白度への変更をできない構成とすることを特徴とする料金式精米設備。
【請求項2】
料金を料金投入口(12)に投入し、精白度選択スイッチ(13)を選択操作することにより、精米装置(7)及び圧迫板(8)により選択した精白度になるように精米運転を行う料金式精米設備において、
精米運転開始から所定時間の初期精米工程中には、精白度選択スイッチ(13)による精白度の変更をできない構成とし、
前記初期精米工程から、精米運転前に選択操作した精白度選択スイッチ(13)の精白度に対応する位置に圧迫板(8)を制御して精米処理する精米運転に移行すると、精白度の変更を可能にする構成としたことを特徴とする料金式精米設備。
【請求項1】
料金を料金投入口(12)に投入し、精白度選択スイッチ(13)を選択操作することにより、精米装置(7)で精米運転を行う料金式精米設備において、
精米運転中に精白度選択スイッチ(13)による新たな精白度への変更を可能にする構成とすると共に、
精米装置(7)へ供給される米が設定量以下になったことを検出してから行う終了精米工程中には、新たな精白度への変更をできない構成とすることを特徴とする料金式精米設備。
【請求項2】
料金を料金投入口(12)に投入し、精白度選択スイッチ(13)を選択操作することにより、精米装置(7)及び圧迫板(8)により選択した精白度になるように精米運転を行う料金式精米設備において、
精米運転開始から所定時間の初期精米工程中には、精白度選択スイッチ(13)による精白度の変更をできない構成とし、
前記初期精米工程から、精米運転前に選択操作した精白度選択スイッチ(13)の精白度に対応する位置に圧迫板(8)を制御して精米処理する精米運転に移行すると、精白度の変更を可能にする構成としたことを特徴とする料金式精米設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−39578(P2013−39578A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−263114(P2012−263114)
【出願日】平成24年11月30日(2012.11.30)
【分割の表示】特願2008−172475(P2008−172475)の分割
【原出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月30日(2012.11.30)
【分割の表示】特願2008−172475(P2008−172475)の分割
【原出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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