説明

新しい調製方法

本発明は、m、n、R1及びR2が以下のとおり定義される一般式(I)の化合物の製造方法、その鏡像異性体、そのジアステレオ異性体、その混合物、及びその塩に関し、特に、有機酸または無機酸、または有機塩基または無機塩基を有する、生理学的に許容されるその塩に関する。
【化1】


(I)

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、一般式Iの化合物の調製方法に関する。
【化1】

(I)
式中、m、n、R1及びR2は、以下に定義されるとおり、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、その混合物及び塩であり、特に有機酸または無機酸、有機塩基または無機塩基を有する、生理学的に許容されるその塩である。
【0002】
(発明の背景)
(技術分野)
本発明は、B1拮抗特性を有する一般式Iの化合物を調製する産業上の方法に関する。さらに、本発明は、一般式Vの化合物が一般式Iの化合物の調製に特に好適であるため、一般式Vの化合物それ自体に関する。
(発明の詳細な説明)
第一の態様において、本発明は一般式Iの化合物の調製方法に関し、
【化2】

(I)
式中、
mは数値1または2を表し、
nは数値0、1または2を表し、
R1はC1-3−アルキルまたはC3-6-シクロアルキルを表し、及び
R2はHまたはC1-3−アルキル、
鏡像異性体、ジアステレオ異性体、その混合物及び塩、特に有機酸または無機酸、有機塩基または無機塩基を有する、生理学的に許容されるその塩を表し、
前記調製方法は、
(a) 3,5-ジメチルアニソールとクロロスルホン酸とを反応させる工程;
(b) 工程(a)で得られた4−メトキシ−2,6-ジメチルスルホニルクロリドを、一般式IIの化合物と反応させる工程、
【化3】

(II)
式中R2は上述のとおり定義され;
(c) 工程(b)で得られた一般式IIIの化合物を、一般式IVの化合物と反応させる工程、
【化4】

(III)
式中R2は上述のとおり定義され、
【化5】

(IV)
式中Xは水素原子、例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウム等のアルカリ金属、またはC1-4−アルキル基を表すが、ナトリウムが好ましく、Yは例えば塩素または臭素等のハロゲン原子を表し、塩素が好ましく;
(d) 溶媒から、工程(c)で得られた一般式Vの化合物を任意に再結晶させる工程、
【化6】

(V)
式中R2は上述のとおり定義され、Xは水素原子、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、またはC1-4−アルキル基を表すが、ナトリウムが好ましく;
(e) 工程(c)または(d)で得られた一般式Vの化合物を、一般式VIの化合物とカップリングさせる工程、
【化7】

(V)
式中、R2は上述のとおり定義され、Xは水素原子、例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウム等のアルカリ金属、またはC1-4−アルキル基を表すが、ナトリウムが好ましく、
【化8】

(VI)
式中m、n、R1及びR2は前述のとおり定義され、oは数値0、1、2または3のいずれか一つの数値を、好ましくは3を表し、及び;
(f) 工程(d)で得られた一般式Iの化合物を単離する工程、を含む。
【0003】
工程(a)下での反応において、好ましくは3,5-ジメチルアニソール1.0当量をクロロスルホン酸1.5〜2.5当量、好ましくは1.8〜2.2当量で反応させる。反応は、ジクロロメタン、クロロホルム及び1,2-ジクロロエタンから選択される溶媒において実行してよい。溶媒は、用いた3,5-ジメチルアニソールを、0.25〜1.25L/mol、好ましくは0.60〜0.90L/molの量で用いてよい。
反応は、例えば−40℃〜0℃、好ましくは−30℃〜0℃、より好ましくは−35℃〜−10℃、より好ましくは−20℃〜−10℃の低温で実行することが好ましい。
【0004】
工程(b)下での反応において、2,6-ジメチル-4-メトキシ-スルホニルクロリド1.0当量を、一般式IIの化合物の1.5〜2.5当量、好ましくは1.8〜2.2当量と反応させることが好ましい。
反応は、ジクロロメタン、クロロホルム及び1,2-ジクロロエタンから選択される溶媒において実行してよい。溶媒は、用いた2,6-ジメチル-4-メトキシ-スルホニルクロリドを0.25〜1.25L/mol、好ましくは0.5〜1.0L/molの量で用いてよい。
反応は、例えば−0℃〜20℃、好ましくは5℃〜15℃の、周囲温度より低い温度で実行することが好ましい。
【0005】
工程(c)下での反応において、一般式IIIの化合物1.0当量を、一般式IVの化合物1.1〜2.5当量、好ましくは1.4〜1.7当量と反応させることが好ましい。
反応は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アセトン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン及びクロロホルムから選択される溶媒において実行してよい。溶媒は、用いた一般式IIIの化合物を、0.5〜3L/mol、好ましくは1.2〜1.7L/molの量で用いてよい。
【0006】
さらに、反応混合物に塩基を加えてもよい。塩基は、カリウムt-ブトキシド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド及びナトリウムエトキシドから選択してよく、カリウムt-ブトキシドが好ましい。塩基は、用いた一般式IIIの化合物の量に基づき、1.2〜2.0当量、好ましくは1.3〜1.6当量に加えてもよい。工程(c)で得られた一般式Vの化合物は、工程(e)に記載された反応を行う前に、水、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アセトンまたはそれらの混合物から選択される溶媒より再結晶することで精製してもよい。
【0007】
工程(e)下でのカップリングにおいて、一般式VIの化合物1.0当量を、一般式Vの化合物1.0〜1.5当量、好ましくは1.0〜1.2当量と反応させる。
反応はテトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル及びジオキサンから選択される溶媒中で実行してよい。溶媒は、用いた一般式VIの化合物を、1.2〜2L/mol、好ましくは1.4〜1.8L/molの量で用いてよい。
【0008】
さらに、反応混合物へ塩基を加えてもよい。塩基は、カリウムt-ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン及びジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)から選択してよく、カリウムt-ブトキシドが好ましい。塩基は、用いた一般式VIの化合物の量に基づき、3〜4当量、好ましくは3.3〜3.8当量で加えてよい。
【0009】
また、カップリング試薬を反応混合物へ加えてよい。カップリング試薬は、プロパンホスホン無水物、塩化チオニル、N,N,N',N'-テトラメチル-O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムテトラフルオロボラート、カルボジイミド及び1,1'-カルボニルジイミダゾールから選択してよい。本発明においては、プロパンホスホン無水物を使用することが好ましい。
反応は、例えば40℃〜60℃の高温で行うことが好ましい。
【0010】
(f)に記載されている単離は、蒸発させ乾燥させることにより、または、水またはジクロロメタン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、テトラヒドロブラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンまたはこれら溶媒の混合物から結晶化することにより実行することが好ましく、水、エタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン及びトルエンまたはそれらの混合物を使用することが好ましい。
【0011】
第二の態様において、本発明は、一般式Iの化合物の調製のための、第一の態様に記載された方法に関する。一般式Iの化合物は、
mが数値1を表し、
nが数値1を表し、
R1がC1-3−アルキルを表し、及び
R2がHまたはC1-3−アルキル、
鏡像異性体、ジアステレオ異性体、その混合物及び塩、特に有機酸または無機酸、有機塩基または無機塩基を有する、生理学的に許容されるその塩を表すことを特徴とする。
【0012】
第三の態様において、本発明は一般式Vの化合物に関し、
【化9】

(V)
式中、
R2はHまたはC1-3−アルキルを表し、
Xは水素、リチウム、ナトリウム、カリウムまたはC1-4−アルキル基を表し、好ましくはナトリウムを表す。
【0013】
第三の好ましい態様は、一般式Vの以下の化合物Va〜Vdを包含する。
【化10】

【0014】
より好ましい第三の態様は、式Vdの化合物に関する。
【化11】

(Vd)
式Vdの化合物は結晶形で発生し、高い安定性を特徴とする。
【0015】
式Vdの結晶性化合物は、T=152±3℃の固有の融点を特徴とする。規定値は、融点測定装置を用いて示差により測定した(Mettler Toledo FP90 Central、50〜150℃の範囲で5℃/分、及び/または100〜180℃の範囲で1℃/分)。
【0016】
第四の態様において、本発明は、第一の実施形態において記載される方法による、一般式Iの化合物の調製のための、一般式Vの上述の化合物の、中間体としての使用に関する。
【0017】
(使用する用語と定義)
本発明の主題には、本発明の化合物及びその塩も包含され、1以上の水素原子、例えば1、2、3、4または5の水素原子は、重水素により置き換えられる。
また、本発明の主題には、本発明の化合物及びその塩も含まれ、1以上の13C炭素原子は14Cにより置き換えられる。
【0018】
「C1-3−アルキル」(他の基の一部を含む) という用語は、1〜3の炭素原子を有する分枝及び未分枝のアルキル基を意味し、「C1-4−アルキル」という用語は、1〜4の炭素原子を有する分枝及び未分枝のアルキル基を意味する。例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチルまたはt-ブチルが挙げられる。上述の基を示すには、短縮形Me、Et、n-Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu等も任意に用いられる。
「C3-6-シクロアルキル」(他の基の一部を含む)という用語は、3〜6の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルが挙げられる。
【0019】
一般式Iの化合物は、例えばアミノ官能基のような塩基性基を有してもよい。従って、一般式Iの化合物は、分子内塩(internal salts)、例えば臭化水素酸、燐酸、硝酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等の医薬上使用できる無機酸、または、例えばリンゴ酸、琥珀酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、マンデル酸、乳酸、酒石酸またはクエン酸等の有機酸を有する塩として、存在してもよい。
【0020】
好ましくは、一般式Iの化合物は、塩として、またはキラル有機酸との共結晶として存在してもよい。好適なキラル酸は、例えば、とりわけキラルアミノ酸、酒石酸、酒石酸誘導体、例えば(S)-(+)-ショウノウスルホン酸、ショウノウ酸、ショウノウ酸誘導体、マンデル酸またはリンゴ酸等のキラルスルホン酸が挙げられ、(S)-(+)-ショウノウスルホン酸が非常に重要である。
本発明は、任意に、個々の光学異性体、鏡像異性体またはジアステレオ異性体、個々の鏡像異性体またはラセミ体の混合物の形、互変異性体の形、及び有離塩基または対応する酸付加塩の形をとる、すべての化合物に関する。
実験セクション
【実施例1】
【0021】
実施例1:N-(2-ヒドロキシ-エチル)-4-メトキシ-2,6,N-トリメチル-ベンゼンスルホンアミド (C)
【0022】
【化12】

【0023】
3,5-ジメチルアニソール(A)10.00 kg (73.42mol)を、ジクロロメタン35.0Lへ溶解させた。−15±5℃まで冷却後、ジクロロメタン20.0L中クロロスルホン酸17.46kg(149.86mol)の溶液を計り入れ、混合物を、さらにおよそ30分間-15±5℃で攪拌した。その後、反応混合物を-7±5℃まで冷却した水85.0L中塩化ナトリウム15.0kgの溶液へ計り入れ、ジクロロメタン15.0Lで希釈した。有機相を分離し、ジクロロメタン15.0Lで希釈し、炭酸水素ナトリウム溶液30.0L(5%)で洗浄した。有機相を再度分離した後、ジクロロメタン10Lで希釈し、ジクロロメタン10.0L中N-メチルアミノエタノール11.58 kg (154.20 mol)の溶液を、10±5℃でゆっくりと計り入れた。反応終了後、HCl(3%)45.0L及び水5.0Lを加えた。有機相を分離し、ジクロロメタン10.0Lで希釈し、溶媒を真空中で生成物(C)から完全に除去した。
収率:14.34kg (理論の71%)
【実施例2】
【0024】
実施例2:{2-[(4-メトキシ-2,6-ジメチル-ベンゼンスルホニル)-メチル-アミノ]-エトキシ}-酢酸(E)のナトリウム塩
【0025】
【化13】

【0026】
N-(2-ヒドロキシ-エチル)-4-メトキシ-2.6,N-トリメチル-ベンゼンスルホンアミド(C)10.00kg(36.58mol)及びクロロ酢酸ナトリウム塩 (D)6.52kg(55.97mol)をアセトニトリル55.0Lへ入れ、およそ1時間以内にカリウムt-ブトキシド溶液27.99kg(54.87mol)を20±5℃で加えた。その後、反応混合物をおよそ1時間20±5℃で攪拌した。溶媒52.0Lを蒸留した後、トルエン60.0Lを加え、さらに溶媒52.0Lを蒸留した。その後、水45.0L及び塩酸7.56kg(62.92mol)(30%、工業グレード)を加え、有機相を50℃で分離した。30±5℃まで冷却後、混合物が1時間以内に20±5℃まで冷却する前にアセトン20.0L及び水酸化ナトリウム溶液(50%)2.93kg(36.58mol)を加え接種した。20±5℃で30分間攪拌後、懸濁液を濾過し、生成物(E)をアセトンで二度洗浄し、乾燥させた。
収率:10.91kg(理論の84%)
融点:153℃±3℃
【実施例3】
【0027】
実施例3:2-{2-[(4-メトキシ-2,6-ジメチル-ベンゼンスルホニル)-メチル-アミノ]-エトキシ}-N-メチル-N-[3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシル]-アセトアミドL-(+)-酒石酸塩(G)
【0028】
【化14】

【0029】
メチル-[(1S,3R)-3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシル]-アミントリヒドロクロリド (F)3.50kg(10.91mol)及び{2-[(4-メトキシ-2,6-ジメチル-ベンゼンスルホニル)-メチル-アミノ]-エトキシ}-酢酸(E)のナトリウム塩4.24kg(12.00mol)をTHF17.5Lへ懸濁させ、50±5℃まで加熱した。次に、テトラヒドロフラン中カリウムt-ブトキシド溶液21.43 kg (38.19mol)、テトラヒドロフラン5.0L、酢酸エチル中50%のプロパンホスホン無水物13.89 kg (83.97 mol)及びテトラヒドロフランをさらに5.0L続けて計り入れ、反応混合物を50±5℃でおよそ1時間攪拌した。反応終了後、トルエン17.5L及び水19.5Lを加え、水性相のpHを塩酸(30%)で2.5より低く調整した。水性相を分離し、水2.0Lで希釈し、50℃でメチルイソブチルケトン42L、及び水酸化ナトリウム溶液4.45kg(55.65mol)(50%、工業グレード)及び水3.5Lの混合物を加えた。およそ5分間50℃で攪拌した後、水性相を分離し、溶媒28.0Lを真空中で蒸留した。濁った残留物を60℃で濾過し、濾過液にメチルイソブチルケトン14.0Lを加えた。その後、溶媒を真空中で完全に除去し、生成物(G)を単離した。
収率: 4.69kg (理論の82%)
Rf = 0.45 (CH2Cl2/EtOH/NH3aq.= 8/2/0.2)
【実施例4】
【0030】
実施例4:Tert-ブチル[3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシル]-カルバミン酸塩 (J)
【0031】
【化15】

【0032】
1-メチルピペラジン(H)2.6ml(23.4mmol)、3-アミノ-N-t-ブチルオキシカルボニル-シクロヘキサン(I)(AB Chem)1.0g(4.69mmol)及び氷酢酸2.7ml(49mmol)をメタノール10mlへ溶解させ、室温で30分間攪拌した。その後、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(sodiumtriacetoxyborohydride)1.99g(9.38mmol)を回分式(batchwise)で加え、混合物を室温で2時間攪拌した。その後、反応溶液に炭酸水素塩溶液(hydrogen carbonate solution)を加え、ジクロロメタンで抽出した。溶媒を真空中で有機相から除去し、残留物を逆相クロマトグラフィー(Varian C18 XRS)にかけた(水+5%NH3/アセトニトリル= 90:10 -> 0:100)。
C16H31N3O2 (297.44)
[M+H]+ = 298
【実施例5】
【0033】
実施例5:メチル-[3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-シクロヘキシル]-アミン(K)
【0034】
【化16】

【0035】
トルエン中水素化アルミニウムリチウム溶液1Mを8.57ml (8.57mmol)、THF8mlへ溶解させ、THF2mlへ溶解させた実施例4(J)からの生成物850mg(2.86mmol)を室温でゆっくり加えた。 反応溶液を75℃で2時間攪拌した。その後、水酸化ナトリウム溶液1N及び水を加えた。沈殿物を吸引濾過し、反応溶液を乾燥するまで蒸発させた。
C12H25N3 (211.35)
[M+H]+ = 212
HPLC:保持時間= 0.29分
方法: カラム:Merck Cromolith Speed ROD RP18e, 4.6 x 50mm
検出波長:190-400nm
溶離剤A:水/蟻酸0.1%
溶離剤B:アセトニトリル/蟻酸0.1%
勾配:


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iの化合物の調製方法であり、
【化1】

(I)
式中、
mは数値1または2を表し、
nは数値0、1または2を表し、
R1はC1-3−アルキルまたはC3-6-シクロアルキルを表し、及び
R2はHまたはC1-3−アルキル、
鏡像異性体、ジアステレオ異性体、それらの混合物または塩、特に有機酸または無機酸、若しくは有機塩基または無機塩基との、生理学的に許容される塩を表し、
前記方法は、
(a) 3,5-ジメチルアニソールとクロロスルホン酸とを反応させる工程;
(b) 工程(a)で得られた4−メトキシ−2,6-ジメチルスルホニルクロリドを、一般式IIの化合物と反応させる工程、
【化2】

(II)
式中R2は上述のとおり定義され;
(c) 工程(b)で得られた一般式IIIの化合物を、一般式IVの化合物と反応させる工程、
【化3】

(III)
式中R2は上述のとおり定義され、
【化4】

(IV)
式中Xは水素原子、例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウム等のアルカリ金属、またはC1-4−アルキル基を表すが、ナトリウムが好ましく、Yは例えば塩素または臭素等のハロゲン原子を表し、塩素が好ましく;
(d) 溶媒から、工程(c)で得られた一般式Vの化合物を任意に再結晶させる工程、
【化5】

(V)
式中R2は上述のとおり定義され、Xは水素原子、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、またはC1-4−アルキル基を表すが、ナトリウムが好ましく;
(e) 工程(c)または(d)で得られた一般式Vの化合物を、一般式VIの化合物とカップリングさせる工程、
【化6】

(V)
式中、R2は上述のとおり定義され、Xは水素原子、例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウム等のアルカリ金属、またはC1-4−アルキル基を表すが、ナトリウムが好ましく、
【化7】

(VI)
式中m、n、R1及びR2は前述のとおり定義され、oは数値0、1、2または3のいずれか一つを、好ましくは3を表し、及び;
(f) 工程(d)で得られた一般式Iの化合物を単離する工程を含む、前記調製方法。
【請求項2】
mが数値1を表し、
nが数値1を表し、
R1がC1-3−アルキルを表し、及び
R2がHまたはC1-3−アルキル、
鏡像異性体、ジアステレオ異性体、それらの混合物または塩、特に有機酸または無機酸、有機塩基または無機塩基との、生理学的に許容される塩を表すことを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iの化合物の調製方法。
【請求項3】
【化8】

(V)
式中、
R2はHまたはC1-3−アルキルを表し、
Xは水素、リチウム、ナトリウム、カリウムまたはC1-4−アルキル基を表し、好ましくはナトリウムを表す、一般式Vの化合物。
【請求項4】
請求項3に記載の、一般式Vの以下の化合物。
【化9】

【請求項5】
請求項3または4に記載の、式Vdの以下の化合物。
【化10】

(Vd)

【公表番号】特表2012−517457(P2012−517457A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549549(P2011−549549)
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/051681
【国際公開番号】WO2010/092098
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】