説明

新交通システムの分岐装置

【課題】2つの並設された軌道の間隔を狭めて省スペース化を図ると共に、走行案内輪が案内レールによって案内されない区域をなくし、安全かつ確実な走行を確保できる新交通システムの分岐装置を提供する。
【解決手段】2つの軌道A及びBの案内レール4,5を分岐路の領域で切除した切除領域12と、該切除領域12における一方の軌道Aの外側案内レール4の第1可動レール21、内側案内レール5の第2可動レール22と、他方の軌道Bの外側案内レール4の第3可動レール23、内側案内レール5の第4可動レール24は、いずれも一方の基端部が回動可能に形成され、車両1を分岐せずに走行させる際には、これらの可動レール21,22,23を軌道に平行とし、車両1を上記分岐路に沿って走行させる際には、第1可動レール21と第4可動レール24を接続し、第2可動レール22と第3可動レール23を接続するように回動させる制御装置30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新交通システムの分岐装置に係り、特に車両がゴムタイヤ等からなる走行輪によって軌道上を走行し、車両の両側に設けられた走行案内輪が軌道の両側に設けられた案内レールに案内されて車両が操舵される新交通システムにおいて、並設された2つの軌道を結ぶ分岐路を両軌道間に斜めに形成する分岐装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
軌道上をゴムタイヤ等からなる走行輪で走行し、無人で自動操舵される新交通システムの車両においては、通常、レール上を走行する鉄道車両と異なり、図5に示すようにゴムタイヤからなる走行輪6を軌道に沿って転向ないし操舵するために、車両1の両側に走行案内輪(以下、主走行案内輪ともいう。)3aが設けられ、この主走行案内輪3aが軌道の両側に沿って設けられた案内レール4,5に接触して案内されることにより、車両1が機械的に操舵されて走行するようになっている。
【0003】
一方、車両1の軌道を変更する分岐路の形態としては、図5(a)に示すようなZ字型分岐路からなる分岐装置が知られている(特許文献1参照)。この分岐装置は、間隔を置いて並設された2つの軌道A及びBを結ぶ分岐路(渡り分岐ともいう。)Zを両軌道間に斜めに敷設した形態を有している。この場合、並設された2つの軌道A及びBは、共に同一方向に車両が走行するようになっているが、一方が往路で、他方が復路となっている場合もある。
【0004】
上記分岐路Zは固定されており、分岐路Zの両側には分岐路用案内レール5aが設けられている。車両1を一方の軌道AまたはBに沿う方向または分岐路Zに沿う方向に選択的に案内するために、2つの軌道の外側案内レール側には直線用の補助レール61が、分岐路用案内レール側には分岐路用補助レール62がそれぞれ設けられている。この場合、図5の(c)に示すように、補助レール61または分岐路用補助レール62により案内される走行案内輪(以下、副走行案内輪ともいう。)3bが上記主走行案内輪3aの下方に設けられている。また、補助レール61及び分岐路用補助レール62は上部の作動位置と下部の非作動位置の何れかに制御装置によって切り換えられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−241684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したようなZ字型分岐路を有する分岐装置においては、省スペース化を図るために、2つの並設された軌道の間隔を狭める必要がある。
【0007】
しかしながら、上記分岐装置では、2つの並設された軌道間に分岐路用のスペースを確保する必要があるため、3車両分の軌道幅が必要になり、2つの並設された軌道の間隔を狭めることが難しい。また、上記分岐装置では、2つの軌道の間隔を狭めると、並設された軌道と分岐路との接合部において両側に案内レールを設置できない箇所が生じてくる。そのため、車両が同分岐路を走行する時、車両が案内レールによって案内されない事態が生じ、車両の安全かつ確実な走行に支障が生じるという問題がある。
【0008】
本発明は、前記事情を考慮してなされたものであり、2つの並設された軌道の間隔を狭めて省スペース化を図ることができると共に、走行案内輪が案内レールによって案内されない区域をなくし、安全かつ確実な走行を確保することができる新交通システムの分岐装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は、車両が走行輪によって軌道上を走行し、車両の両側に設けられた走行案内輪が軌道の両側に設けられた案内レールに案内されて車両が操舵される新交通システムにおいて、並設された2つの軌道を結ぶ分岐路を両軌道間に斜めに形成する分岐装置であって、上記2つの軌道の案内レールを上記分岐路の領域で切除した切除領域と、該切除領域における一方の軌道の外側案内レールに基端部が回動可能に接続された第1可動レールと、一方の軌道の内側案内レールに基端部が回動可能に接続された第2可動レールと、他方の軌道の外側案内レールに基端部が回動可能に接続された第3可動レールと、他方の軌道の内側案内レールに基端部が回動可能に接続された第4可動レールと、車両をそれぞれの軌道に沿って走行させる際に第1可動レール及び第2可動レールを一方の軌道に、第3可動レール及び第4可動レールを他方の軌道にそれぞれ平行になるように回動させ、車両を上記分岐路に沿って走行させる際に第1可動レールと第4可動レールを接続し、第2可動レールと第3可動レールを接続するように回動させる制御装置とを備えたこと特徴とする。
【0010】
上記切除領域における一方の軌道の内側案内レールに基端部が回動可能に接続された第5可動レールと、他方の軌道の内側案内レールに基端部が回動可能に接続された第6可動レールとを備え、車両を上記分岐路に沿って走行させる際に第5可動レールは上記第4可動レールと、第6可動レールは上記第2可動レールと連動して回動されることが好ましい。
【0011】
上記第2可動レールの基端部の近傍及び第3可動レールの基端部近傍には、車両を上記分岐路に沿って走行させる際に上記走行案内輪を曲線状に案内する可動補助レールが不使用時には車両の走行の邪魔にならないよう退避可能に設けられていることが好ましい。
【0012】
上記第1可動レールの先端部側近傍及び第3可動レールの先端側近傍には、車両を軌道に沿って走行させる際に上記走行案内輪を直線状に案内する固定補助レールが設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、2つの並設された軌道の間隔を狭めて省スペース化を図ることができると共に、走行案内輪が案内レールによって案内されない区域をなくし、安全かつ確実な走行を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る新交通システムの分岐装置の非作動状態を概略的に示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図2】図1の新交通システムの分岐装置の作動状態を概略的に示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線断面図である。
【図3】新交通システムの一例を示す断面図である。
【図4】操舵装置の一例を概略的に示す平面図である。
【図5】従来の新交通システムの分岐装置を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D線断面図、(c)は(a)のE−E線断面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明を実施するための形態を添付図面に基いて詳述する。
【0016】
図1ないし図2において、A及びBは、互いに平行に敷設された、新交通システムの軌道であり、車両1は軌道A及びBを同一方向或いは反対方向に走行するようになっている。2つの軌道A及びBは近接して並設されている。新交通システムは、並設された2つの軌道A及びBを結ぶ分岐路Zを両軌道A及びB間に斜めに形成するための分岐装置2を備えている。軌道A及びBの両側には、車両1の両側に設けられた走行案内輪3を両側から規制して案内するため、外側案内レール4及び内側案内レール5が設置されている。
【0017】
車両1は、図3にも示すようにゴムタイヤからなる走行輪6を備えていると共に、外側案内レール4及び内側案内レール5により走行案内輪3を介して走行輪6を操舵する操舵機構7を備えている。この操舵機構7は、図4に示すように、左右の走行輪6をそれぞれ回転可能に支持すると共に走行輪6を内側から囲むようにして外側方に両端が延出され、中央部が垂直の支軸8を介して車両1に回動可能に軸支された平面U字状の左右一対のアーム9と、左右のアーム9の一端同士を連結してアーム9同士を連動させるための連結リンク10とから主に構成されている。上記アーム9の両端部には走行案内輪3がそれぞれ設けられている。なお、走行案内輪3は、内側及び外側案内レール4,5に案内される上部の主走行案内輪3aと、該主走行案内輪3aの下方に設けられ、後述する固定補助レールまたは可動補助レールにより案内される下部の副走行案内輪3bとからなっている。軌道A及びB及び分岐路Zとなる領域には走行輪6が走行可能な走行面11が形成されている。
【0018】
前記分岐装置2は、上記2つの軌道A及びBの内側及び外側案内レール4,5を上記分岐路Zの領域で切除した切除領域12と、該切除領域12における一方の軌道Aの外側案内レール4に基端部が回動可能に接続された第1可動レール21と、一方の軌道Aの内側案内レール5に基端部が回動可能に接続された第2可動レール22と、他方の軌道Bの外側案内レール4に基端部が回動可能に接続された第3可動レール23と、他方の軌道Bの内側案内レール3に基端部が回動可能に接続された第4可動レール24と、車両1をそれぞれの軌道A及びBに沿って走行させる際に第1可動レール21及び第2可動レール22を一方の軌道Aに、第3可動レール23及び第4可動レール24を他方の軌道Bにそれぞれ平行になるように回動させ、車両1を上記分岐路Zに沿って走行させる際に第1可動レール21と第4可動レール24を接続し、第2可動レール22と第3可動レール23を接続するように回動させる制御装置30とを備えている。
【0019】
上記切除領域12における一方の軌道Aの内側案内レール5に基端部が回動可能に接続された第5可動レール25と、他方の軌道Bの内側案内レール5に基端部が回動可能に接続された第6可動レール26とを備え、車両1を上記分岐路Zに沿って走行させる際に第5可動レール25は上記第4可動レール24と、第6可動レール26は上記第2可動レール22とそれぞれ連動して回動されるようになっている。これにより第2可動レール22及び第4可動レール24が分岐路Zに沿う方向に回動する際に回動方向側にある内側案内レール5と干渉するのを回避している。
【0020】
一方の軌道Aの外側案内レール4は、第1可動レール21に対応する領域だけ切除されており、その外側案内レール4の右側の端部に第1可動レール21の基端部が支軸(ヒンジ)31を介して水平回動可能に連結されている。他方の軌道Bの外側案内レール4は、第3可動レール23に対応する領域だけ切除されており、その外側案内レール4の左側の端部に第3可動レール23の基端部が支軸(ヒンジ)33を介して回動可能に連結されている。一方の軌道Aの内側案内レール5は、第2可動レール22及び第5可動レール25に対応する領域だけ切除されており、その内側案内レール5の右側の端部に第2可動レール22の基端部が支軸(ヒンジ)32を介して水平回動可能に連結され、内側案内レール5の左側の端部に第5可動レール25の基端部が支軸(ヒンジ)35を介して水平回動可能に連結されている。また、他方の軌道Bの内側案内レール5は、第4可動レール24及び第6可動レール26に対応する領域だけ切除されており、その内側案内レール5の右側の端部に第6可動レール26の基端部が支軸(ヒンジ)36を介して水平回動可能に連結され、内側案内レール5の左側の端部に第4可動レール24の基端部が支軸(ヒンジ)34を介して水平回動可能に連結されている。
【0021】
第1可動レール21、第2可動レール22及び第6可動レール26を同期させて回動するために、第1可動レール21と第2可動レール22が第1リンク41を介して連結され、第2可動レール22と第6可動レール26が第2リンク42を介して連結され、第1可動レール21には駆動手段である第1電動シリンダ45が連結されている。また、第3可動レール23、第4可動レール24及び第5可動レール25を同期させて回動するために、第3可動レール23と第4可動レール24が第3リンク43を介して連結され、第4可動レール24と第5可動レール25とが第4リンク44を介して連結され、第3可動レール23には駆動手段である第2電動シリンダ46が連結されている。これら第1電動シリンダ45及び第2電動シリンダ46は、上記制御装置30により制御されるようになっている。
【0022】
上記第1電動シリンダ45は第1可動レール21の外側に配置され、上記第2電動シリンダ46は第3可動レール23の外側に配置されていることが好ましい。また、上記第1〜第4リンク41〜44は走行面11に形成された図示しない溝内に配置されていることが走行輪6の走行上好ましい。また、第1〜第6可動レール21〜26のうち、特に自由端部の正確な位置決めが要求される第1〜第4可動レール21〜24の自由端部が位置される箇所には自由端部を位置決め固定するための図示しないロック装置が設けられていることが好ましい。この場合、ロック装置は、車両の走行の邪魔にならないように不使用時に走行面11下に退避可能な構造になっていることが好ましい。
【0023】
一方、図2に示すように車両1を分岐路Zに沿って円滑に走行させるために、車両1の内輪側となる上記第2可動レール22の基端部の近傍及び第3可動レール23の基端部近傍には、車両1を上記分岐路Zに沿って走行させる際に上記副走行案内輪3bを曲線状に案内する可動補助レール51が不使用時(軌道に沿った直線走行時)には車両1の走行の邪魔にならないよう退避可能に設けられている(図1参照)。上記可動補助レール51は、断面L字状で平面弓状に湾曲して形成されている。可動補助レール51にはこれを回動軸52を介して第2可動レール22や第4可動レール24と干渉しない高さで水平に回動する駆動装置53が設けられ、駆動装置53は可動補助レール51を図2に示す作動位置または図1に示す非作動位置(退避位置)に切り換えるべく前記制御装置30により制御されるようになっている。
【0024】
また、図1に示すように車両1を軌道に沿って円滑に走行させるために、上記第1可動レール21の先端部側近傍及び第3可動レール23の先端側近傍には、車両1を軌道に沿って走行させる際に上記副走行案内輪3bを直線状に案内する固定補助レール55が設けられている。上記固定補助レール55は、断面L字状で所定長さの平面直線状に形成されている。固定補助レール55は、第1可動レール21や第3可動レール23と干渉しない高さで軌道A及びB上に図示しない固定具を介して固定されている。
【0025】
次に、上記新交通システムの分岐装置2の作用を述べる。先ず、図1に示すように2つの軌道A及びBに沿って車両1を走行させる場合、分岐装置2は、第1〜第6可動レール21〜26を軌道A及びBと平行な位置に回動させた状態にある。この状態では、並設された2つの軌道A及びB間には分岐路(渡り分岐)Zが形成されていない。この状態から、2つの軌道A及びB間に分岐路Zを形成する場合には、図2に示すように第1〜第6可動レール21〜26を制御装置30により第1、第2の電動ジャッキ45,46を介して回動させれば良い。
【0026】
この場合、第1、第2、第6可動レール21,22,26をそれぞれの支軸31,32,36を支点に半時計方向に回動させ、第3、第4、第5可動レール23,24,25をそれぞれの支軸33,34,35を支点に半時計方向に回動させ、第1可動レール21と第4可動レール24とが一直線上に繋がるようにすると共に、第2可動レール22と第3可動レール23とが一直線上に繋がるようにする。これにより、並設された2つの軌道A及びB間に分岐路Zを容易に形成することができる。また、図2に示すように可動補助レール51を駆動装置53により回動軸52回りに回動させて分岐路Z内に配置すれば良い。
【0027】
このように上記2つの軌道A及びBの外側及び内側案内レール4,5を上記分岐路Zの領域で切除した切除領域12と、該切除領域12における一方の軌道Aの外側案内レール4に基端部が回動可能に接続された第1可動レール21と、一方の軌道Aの内側案内レール5に基端部が回動可能に接続された第2可動レール22と、他方の軌道Bの外側案内レール4に基端部が回動可能に接続された第3可動レール23と、他方の軌道Bの内側案内レール5に基端部が回動可能に接続された第4可動レール24と、車両1をそれぞれの軌道A及びBに沿って走行させる際に第1可動レール21及び第2可動レール22を一方の軌道Aに、第3可動レール23及び第4可動レール24を他方の軌道Bにそれぞれ平行になるように回動させ、車両1を上記分岐路Zに沿って走行させる際に第1可動レール21と第4可動レール24を接続し、第2可動レール22と第3可動レール23を接続するように回動させる制御装置30とを備えているため、2車両分の軌道幅で分岐路(渡り分岐)Zを実現することが可能となり、2つの並設された軌道A及びBの間隔を狭めて省スペース化を図ることができると共に、走行案内輪が案内レールによって案内されない区域をなくし、安全かつ確実な走行を確保することができる。
【0028】
上記切除領域12における一方の軌道Aの内側案内レール5に基端部が回動可能に接続された第5可動レール25と、他方の軌道Bの内側案内レール5に基端部が回動可能に接続された第6可動レール26とを備え、車両1を上記分岐路Zに沿って走行させる際に第5可動レール25は上記第4可動レール24と、第6可動レール26は上記第2可動レール22とそれぞれ連動して回動されるため、分岐路Zを形成する際に第2可動レール22及び第4可動レール24を内側案内レール5である第5可動レール25及び第6可動レール26と干渉させることなく円滑に回動させることができる。
【0029】
上記第2可動レール22の基端部の近傍及び第3可動レール23の基端部近傍には、車両1を上記分岐路Zに沿って走行させる際に上記走行案内輪である副走行案内輪3bを曲線状に案内する可動補助レール51が不使用時には車両1の走行の邪魔にならないよう退避可能に設けられているため、車両1を分岐路Zに沿って走行させる際に円滑に走行させることができる。
【0030】
上記第1可動レール21の先端部側近傍及び第3可動レール23の先端側近傍には、車両1を軌道A及びBに沿って走行させる際に上記走行案内輪である副走行案内輪3bを直線状に案内する固定補助レール55が設けられているため、車両1を各軌道A及びBに沿って走行させる際に第2可動レール22と第5可動レール25との間や第4可動レール24と第6可動レール26との間に隙間が形成されていても円滑に走行させることができる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更が可能である。例えば、前記可動補助レールは、回動式に限定されず、例えば上下に移動する浮沈式であっても良い。
【符号の説明】
【0032】
A,B 軌道
1 車両
Z 分岐路
2 分岐装置
3 走行案内輪
3a 主走行案内輪
3b 副走行案内輪
4 外側案内レール
5 内側案内レール
6 走行輪
7 操舵機構
8 支軸
9 アーム
10 連結リンク
11 走行面
12 切除領域
21 第1可動レール
22 第2可動レール
23 第3可動レール
24 第4可動レール
25 第5可動レール
26 第6可動レール
30 制御装置
31〜36 支軸
41〜44 第1〜第4リンク
45 第1電動シリンダ
46 第2電動シリンダ
51 可動補助レール
52 回動軸
53 駆動装置
55 固定補助レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行輪によって軌道上を走行し、車両の両側に設けられた走行案内輪が軌道の両側に設けられた案内レールに案内されて車両が操舵される新交通システムにおいて、並設された2つの軌道を結ぶ分岐路を両軌道間に斜めに形成する分岐装置であって、上記2つの軌道の案内レールを上記分岐路の領域で切除した切除領域と、該切除領域における一方の軌道の外側案内レールに基端部が回動可能に接続された第1可動レールと、一方の軌道の内側案内レールに基端部が回動可能に接続された第2可動レールと、他方の軌道の外側案内レールに基端部が回動可能に接続された第3可動レールと、他方の軌道の内側案内レールに基端部が回動可能に接続された第4可動レールと、車両をそれぞれの軌道に沿って走行させる際に第1可動レール及び第2可動レールを一方の軌道に、第3可動レール及び第4可動レールを他方の軌道にそれぞれ平行になるように回動させ、車両を上記分岐路に沿って走行させる際に第1可動レールと第4可動レールを接続し、第2可動レールと第3可動レールを接続するように回動させる制御装置とを備えたこと特徴とする新交通システムの分岐装置。
【請求項2】
上記切除領域における一方の軌道の内側案内レールに基端部が回動可能に接続された第5可動レールと、他方の軌道の内側案内レールに基端部が回動可能に接続された第6可動レールとを備え、車両を上記分岐路に沿って走行させる際に第5可動レールは上記第4可動レールと、第6可動レールは上記第2可動レールと連動して回動されることを特徴とする請求項1に記載の新交通システムの分岐装置。
【請求項3】
上記第2可動レールの基端部の近傍及び第3可動レールの基端部近傍には、車両を上記分岐路に沿って走行させる際に上記走行案内輪を曲線状に案内する可動補助レールが不使用時には車両の走行の邪魔にならないよう退避可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の新交通システムの分岐装置。
【請求項4】
上記第1可動レールの先端部側近傍及び第3可動レールの先端側近傍には、車両を軌道に沿って走行させる際に上記走行案内輪を直線状に案内する固定補助レールが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の新交通システムの分岐装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−12466(P2011−12466A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158029(P2009−158029)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】