説明

新規なアスティカカウリス・エキセントリカス菌株、それを用いた微細藻類の培養方法、及び炭化水素の製造方法

【課題】ボトリオコッカスの工業的な大量培養を可能とする新規なアスティカカウリス・エキセントリカス菌株、それを用いたボトリオコッカスの培養方法、及び炭化水素の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の新規なアスティカカウリス・エキセントリカス菌株は、微細藻類ボトリオコッカスの増殖を促進する作用を奏する。本発明の微細藻類ボトリオコッカスの培養方法は、上記のアスティカカウリス・エキセントリカス菌株を、微細藻類ボトリオコッカスに添加することを特徴とする。本発明の炭化水素の製造方法は、上記の培養方法で培養された微細藻類ボトリオコッカスから炭化水素を取り出すことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なアスティカカウリス・エキセントリカス菌株、それを用いた微細藻類の培養方法、及び炭化水素の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微細藻類に属する緑藻ボトリオコッカス(Botryococcus、以下、ボトリオコッカスとする)は、光合成によって二酸化炭素を固定し、石油の代替となりうる炭化水素を生産することが知られている。ボトリオコッカスにより得られる炭化水素は窒素、硫黄含有量が少なく、燃焼による環境への負荷が少ない。また、ボトリオコッカスにより得られる炭化水素は、純度が高いため、潤滑油、溶剤、化粧品、医療品等としての利用も期待されている。
【0003】
しかしながら、ボトリオコッカスは、無菌的な環境での増殖速度が遅い上に、屋外培養では、他の微生物の混入によって増殖が阻害されることから、継続的に屋外培養を行うことは困難とされてきた。
なお、世界各地のダムや湖等、自然界でのボトリオコッカスの大量繁殖や優占的な増殖は確認されているが、大量繁殖が確認された湖沼の水質、気候、天候などの特徴に関する調査が行われているのみで、大量繁殖を誘引する因子はこれまでに特定されていなかった。
【0004】
ところで、Chiracら(1985)が、ボトリオコッカス無菌株と5種類の細菌との混合培養を行い、ボトリオコッカスの増殖及び炭化水素の生産を促進する細菌の存在が報告されている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Christian Chirac,Eliette Casadevall,Claude Largeau and Pierre Metzger, BACTERIAL INFLUENCE UPON GROWTH AND HYDROCARBON PRODUCTION OF THE GREEN ALGA BOTRYOCOCCUS BRAUNI, J.Phycol.21,380-387(1985)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の方法では、屋外培養等の方法により、工業的な大量培養を行えるかは不明である。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、ボトリオコッカスの工業的な大量培養を可能とする新規なアスティカカウリス・エキセントリカス菌株、それを用いたボトリオコッカスの培養方法、及び炭化水素の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)請求項1に係る発明のアスティカカウリス・エキセントリカス(Asticcacaulis excentricus)菌株は、ボトリオコッカスの増殖を促進する作用を奏する。よって、このアスティカカウリス・エキセントリカス菌株を用いれば、ボトリオコッカスの増殖を促進し、その培養を効率よく行うことができる。
【0008】
また、本発明のアスティカカウリス・エキセントリカス菌株を用いれば、屋外の開放系においてボトリオコッカスを培養するとき、混入細菌による増殖阻害を軽減することができる。すなわち、本発明のアスティカカウリス・エキセントリカス菌株を用いれば、屋外培養による、工業的な大量培養が可能となる。
【0009】
前記ボトリオコッカスとしては、例えば、ボトリオコッカス・ブラウニー(Botryococcus braunii)株が挙げられる。
なお、本発明のアスティカカウリス・エキセントリカス菌株は、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに受託番号NITE AP−704として寄託されている。
(2)請求項2に係る発明は、受託番号がNITE AP−704であるアスティカカウリス・エキセントリカス菌株である。本発明のアスティカカウリス・エキセントリカス菌株は、ボトリオコッカスの増殖を促進する作用を奏する。よって、このアスティカカウリス・エキセントリカス菌株を用いれば、ボトリオコッカスの増殖を促進し、その培養を効率よく行うことができる。
【0010】
また、本発明のアスティカカウリス・エキセントリカス菌株を用いれば、屋外の開放系においてボトリオコッカスを培養するとき、混入細菌による増殖阻害を軽減することができる。すなわち、本発明のアスティカカウリス・エキセントリカス菌株を用いれば、屋外培養による、工業的な大量培養が可能となる。
(3)請求項3に係る発明の培養方法は、請求項1又は2に記載のアスティカカウリス・エキセントリカス菌株を、ボトリオコッカス・ブラウニー株に添加することを特徴とする。本発明の培養方法によれば、ボトリオコッカスの培養を効率よく行うことができる。
【0011】
また、本発明の培養方法によれば、屋外の開放系においてボトリオコッカスを培養するとき、混入細菌による増殖阻害を軽減することができる。すなわち、本発明の培養方法を用いれば、屋外培養による、工業的な大量培養が可能となる。
【0012】
本発明の培養方法を実施するときの条件としては、以下の条件が好適である。
温度25℃、pH7、modified chu培地(modified chu培地組成:KNO2 0.2g/L, K2HPO4 0.04g/L, MgSO4・7H2O 0.1g/L, CaCl2・2H2O 0.054g/L,Fe-EDTA 6.95μg/L , H3BO3 28.6μg/L, MnCl2・4H2O 18.1μg/L, ZnSO4・7H2O 2.22μg/L, Na2MoO4・2H2O 0.5μg/L, CuSO4・5H2O 0.78μg/L, CoCl2 0.8μg/L)
(4)請求項4に係る発明の炭化水素の製造方法は、請求項3に記載の培養方法によって効率良く培養されたボトリオコッカスを使用できるので、炭化水素を効率よく製造することができる。
本発明で製造した炭化水素は、例えば、石油の代替として使用でき、窒素、硫黄含有量が少ないため、燃焼による環境への負荷が少ない。また、本発明で製造した炭化水素は、純度が高いため、例えば、潤滑油、溶剤、化粧品、医療品等として好適である。
【0013】
前記炭化水素としては、例えば、C3458などのシクロヘキセン系の炭化水素が挙げられる。ボトリオコッカスから炭化水素を取り出す方法としては、例えば、有機溶媒(例えば、ヘキサン等)を用いてボトリオコッカスから炭化水素を抽出する方法が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】Bot88-2のボトリオコッカスに各種微生物を添加し、培養した後におけるクロロフィルa蛍光強度を表すグラフである。
【図2】Bot17のボトリオコッカスに各種微生物を添加し、培養した後におけるクロロフィルa蛍光強度を表すグラフである。
【図3】Bot142のボトリオコッカスに各種微生物を添加し、培養した後におけるクロロフィルa蛍光強度を表すグラフである。
【図4】Bot124のボトリオコッカスに各種微生物を添加し、培養した後におけるクロロフィルa蛍光強度を表すグラフである。
【図5】ボトリオコッカスに菌株A44を添加して培養した後における培養液乾燥重量の推移を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を説明する。
1.ボトリオコッカスの増殖を促進する作用を奏する菌株A44の単離
(1)ボトリオコッカスが大量繁殖していた、日本国内のダムから、プランクトンネットを用いてボトリオコッカスのコロニーを採取した。採取したサンプルは、採取後速やかに凍結保護剤を加えて凍結保存した。なお、ボトリオコッカスが大量繁殖するダムや湖等は、国内で容易に見つけることができる。
(2)上記(1)で採取し、凍結保存したサンプルを解凍してから、パスツールピペットを用いて、ボトリオコッカスのコロニーを一つ一つ分離し、滅菌水で洗浄した。次に、洗浄後のボトリオコッカスのコロニーを、無機培地で培養した。なお、無機培地は、modified chu培地であり、その組成は以下に示すとおりである。
【0016】
KNO2 0.2g/L, K2HPO4 0.04g/L, MgSO4・7H2O 0.1g/L, CaCl2・2H2O 0.054g/L, Fe-EDTA 6.95μmg/L , H3BO3 28.6μmg/L, MnCl2・4H2O 18.1μmg/L, ZnSO4・7H2O 2.22μmg/L, Na2MoO4・2H2O 0.5μmg/L, CuSO4・5H2O 0.78μmg/L, CoCl2 0.8μmg/L.
(3)次に、ボトリオコッカスのコロニーを培養した無機培地ごと、水に浸漬し、超音波処理を行った。このとき、ボトリオコッカスのコロニーに付着していた微生物は、ボトリオコッカスのコロニーから剥離し、水中に移行した。微生物を含む水を段階希釈し、3種類の寒天培地(A:放線菌用、B:一般細菌用、C:細菌・酵母用)にそれぞれ播種した。なお、段階希釈における希釈倍率は、寒天培地にて適切な数のコロニーが得られる倍率とした。3種類の寒天培地の組成は表1に示すとおりである。
【0017】
【表1】

【0018】
その結果、3種類の寒天培地において、形状の異なる50個の微生物コロニーが得られた。その50個の微生物コロニーを、それぞれ、単離培養した。
(4)48wellプレートの各wellに、ボトリオコッカス無菌株を播種しておき、次に、上記(3)で単離培養した50個の微生物コロニーを、1つのwellに1種類ずつ接種した。なお、上記のボトリオコッカス無菌株は、「ボツリオコッカス属純化株の製造法と純化株(出願番号 特許出願平6−63481 公開番号 特許公開平7−265059)」を参考に入手することが可能である。すなわち、ボツリオコッカス属に属する藻類とこの藻類以外の微生物とを含む混合物を次亜塩素酸又はその塩の水溶液に懸濁させ、この混合物を平板培地に塗布して培養することにより前記藻類のコロニーを形成させ、実体顕微鏡観察下で前記平板培地に形成されたコロニーからボツリオコッカス属に属する藻類純化株を採取することができる。また、1%次亜塩素酸で洗浄したボトリオコッカスを顕微鏡下パスツールピペットで単離し、寒天培地ではなく、液体培地を加えた96穴プレートに移して培養を行うことで無菌株を入手することもできる。
【0019】
その後、各wellのボトリオコッカスに含まれるクロロフィルa相対量を、蛍光マイクロプレートリーダー(励起波長:450±25 nm、蛍光波長:685±25 nm)を用いて経時的に測定した。なお、クロロフィルaの相対量は、ボトリオコッカスの増殖に応じて増加するため、クロロフィルaの相対量により、ボトリオコッカスの増殖を評価することができる。
その結果、特定のwellにおいて、クロロフィルaの相対量が顕著に増加した(ボトリオコッカスの増殖が促進された)。すなわち、上記(2)で単離培養した50種の微生物のうち、その特定のwellに接種した微生物の菌株は、ボトリオコッカスの増殖を促進する作用を奏した。この菌株を、以下では、菌株A44とする。
【0020】
なお、菌株A44は、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに受託番号NITE AP−704として寄託されている。
(5)上記(4)で用いたものとは別のwellプレートを、a、b、c、dの4領域に分け、a領域の各wellにはBot88-2のボトリオコッカス無菌株を播種し、b領域の各wellにはBot17のボトリオコッカス無菌株を播種し、c領域の各wellにはBot142のボトリオコッカス無菌株を播種し、d領域の各wellにはBot124のボトリオコッカス無菌株を播種した。
【0021】
次に、a領域における各wellに、図1〜図4の横軸に示す微生物を、1つのwellに1種類ずつ添加した。また、一部のwellはcontrolとした。同様に、b〜d領域においても、それぞれ、a領域に添加したものと同じ微生物を、1つのwellに1種類ずつ添加し、一部のwellはcontrolとした。
【0022】
その後、上記(4)と同様に、各wellのボトリオコッカスに含まれるクロロフィルa相対量を、蛍光マイクロプレートリーダーを用いて経時的に測定した。
図1に、a領域(Bot88-2のボトリオコッカス無菌株を播種)における測定結果を示し、図2に、b領域(Bot17のボトリオコッカス無菌株を播種)における測定結果を示しし、図3に、c領域(Bot142のボトリオコッカス無菌株を播種)における測定結果を示しし、図4に、d領域(Bot124のボトリオコッカス無菌株を播種)における測定結果を示す。図1〜図4に示すように、a〜dの全ての領域において、菌株A44を接種したwellでは、他の微生物を添加したwellやcontrolのwellに対比して、クロロフィルaの相対量が顕著に増加した(ボトリオコッカスの増殖が顕著に促進された)。
この結果から、菌株A44は、4株(Bot88-2、Bot17、Bot142、Bot124)のボトリオコッカス無菌株の全てについて、増殖を促進する作用を奏することが確認できた。
【0023】
2.単離された菌株の同定
(1)菌株A44について、公知の方法を用いて、16SrDNAの部分配列(1236 b)を特定した。その部分配列は、添付の配列表に示すとおりである。そして、この16SrDNAの部分配列を、既にデータベースに登録されているアスティカカウリス・エキセントリカスの3種の株における16SrDNAの部分配列と対比した。
(i)登録されているアスティカカウリス・エキセントリカスの株(その1)との対比:gi|3551507|dbj|AB016610.1| Asticcacaulis excentricus 16S rRNA gene, partial sequence
Length=1426
対比結果:Score = 2411 bits (1216), Expect = 0.0
Identities = 1232/1236 (99%), Gaps = 1/1236 (0%)
Strand=Plus/Plus
(ii)登録されているアスティカカウリス・エキセントリカスの株(その2)との対比:gi|8977595|emb|AJ247194.1|AEX247194 Asticcacaulis excentricus partial 16S rRNA gene for 16S ribosomal
RNA, strain DSM 4724(T)
Length=1416
対比結果:Score = 2411 bits (1216), Expect = 0.0
Identities = 1232/1236 (99%), Gaps = 1/1236 (0%)
Strand=Plus/Plus
(iii)登録されているアスティカカウリス・エキセントリカスの株(その3)との対比:gi|4580927|gb|AF115499.1|AF115499 Asticcacaulis excentricus 16S ribosomal RNA gene, partial sequence
Length=1282
対比結果:Score = 2135 bits (1077), Expect = 0.0
Identities = 1145/1157 (98%), Gaps = 8/1157 (0%)
Strand=Plus/Plus
上記のとおり、菌株A44と、既にデータベースに登録されているアスティカカウリス・エキセントリカスの株との間で、16SrDNAの部分配列は高い相同性を示した。このことから、菌株A44は、アスティカカウリス・エキセントリカスであることが分かった。また、相同性が100%ではないことから、菌株A44は、公知の菌株とは異なる、新規な菌株であることが分かった。
(2)菌株A44の菌学的性質(形態的性状、生殖様式、生理・化学的性状等)は、アスティカカウリス・エキセントリカスのタイプストレイン(基準株)と一致していた。このことからも、菌株A44が、アスティカカウリス・エキセントリカスであることが確認できた。
【0024】
3.ボトリオコッカスの培養方法
(1)菌株A44を、ボトリオコッカスの株の1種であるBOT144株(無菌)に接種し、培養液を入れたフラスコ内で、フラスコ培養を行った。培養条件は、以下のとおりとした。
【0025】
温度25℃、pH7、modified chu培地200ml、通気(約30ml/秒)(modified chu培地組成:KNO2 0.2g/L, K2HPO4 0.04g/L, MgSO4・7H2O 0.1g/L, CaCl2・2H2O 0.054g/L,Fe-EDTA 6.95μg/L , H3BO3 28.6μg/L, MnCl2・4H2O 18.1μg/L, ZnSO4・7H2O 2.22μg/L, Na2MoO4・2H2O 0.5μg/L, CuSO4・5H2O 0.78μg/L, CoCl2 0.8μg/L)
また、菌株A44を接種しない点以外は同様にして、controlの培養も行った。なお、培養期間は、図5に示すように、最大33日間の範囲で複数設定し、それぞれについて実験を行った。
【0026】
所定期間の培養が終了した後、以下のようにしてボトリオコッカスから炭化水素を取り出した。まず、培養液を凍結乾燥し、その乾燥重量を測定した。これにヘキサンを加え、30分間静置した。その後、超音波をかけて炭化水素をヘキサン中に抽出し、そのヘキサン層をあらかじめ重量を測定した試験管に移した。残渣には再度ヘキサンを加え、上と同様にヘキサンを抽出し、ヘキサン層を上と同じ試験管に加えた。この操作を、残渣に加えたヘキサン層が、超音波をかけた後でも透明となるまで繰り返した。その後、遠心エバポレーターを用いて試験管内のヘキサンを除去し、残った炭化水素の重量を測定した。
【0027】
菌株A44を接種した場合と、菌株A44を接種しない場合とのそれぞれについて、ヘキサンで抽出する前の、培養液の乾燥重量を図5に示す。培養期間が最大の33日間であるとき、培養液の乾燥重量は、菌株A44を接種した場合の方が、菌株A44を接種しない場合よりも、39%も増加していた。
【0028】
また、炭化水素の量については、培養期間が最大の33日間であるとき、菌株A44を接種した場合の方が、菌株A44を接種しない場合よりも、30%も増加していた。
(2)modified Chu培地250mlにボトリオコッカスBot144と菌株A44を加え、500mlのガラスフラスコに通気をしながら培養した。培養は屋外(温室内)で行なった。また、菌株A44を加えない点以外は同様にして、controlの培養も行った。
【0029】
培養6日目にcontrol(菌株A44無添加)のボトリオコッカスはやや黄化し、底に沈んだ。これは、菌株A44無添加の場合、混入細菌による汚染(コンタミ)の影響が顕著に現れ、ボトリオコッカスの細胞状態が悪化したことによるものと考えられる。一方、菌株A44を添加したボトリオコッカスは濃い緑色が保たれ、コロニーが浮遊している様子が確認できた。これは、ボトリオコッカスの培養がより良好な状態になっているためと考えられる。
【0030】
なお、詳しい培養条件は、以下のとおりとした。
温度25℃、pH7、modified chu培地200ml、通気(約30ml/秒)(modified chu培地組成:KNO2 0.2g/L, K2HPO4 0.04g/L, MgSO4・7H2O 0.1g/L, CaCl2・2H2O 0.054g/L,Fe-EDTA 6.95μg/L , H3BO3 28.6μg/L, MnCl2・4H2O 18.1μg/L, ZnSO4・7H2O 2.22μg/L, Na2MoO4・2H2O 0.5μg/L, CuSO4・5H2O 0.78μg/L, CoCl2 0.8μg/L)
以上のように、ボトリオコッカスに菌株A44を添加することによって、ボトリオコッカスの増殖を促進することができ、また、混入細菌による増殖阻害を軽減することができた。
【0031】
尚、本発明は前記実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細藻類ボトリオコッカスの増殖を促進する作用を奏するアスティカカウリス・エキセントリカス菌株。
【請求項2】
受託番号がNITE AP−704であるアスティカカウリス・エキセントリカス菌株。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアスティカカウリス・エキセントリカス菌株を、微細藻類ボトリオコッカスに添加することを特徴とする、微細藻類ボトリオコッカスの培養方法。
【請求項4】
請求項3に記載の培養方法で培養された微細藻類ボトリオコッカスから炭化水素を取り出すことを特徴とする炭化水素の製造方法。

【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−252700(P2010−252700A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106934(P2009−106934)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(509119131)
【出願人】(308042229)
【出願人】(308042285)
【Fターム(参考)】