説明

新規なジルコニアセリア組成物

1150℃/36時間および1200℃/4時間で相安定であり、1100℃/4時間の処理の後に少なくとも15m/gの表面積において熱安定性を示す、固溶体の形態の組成物であって、ジルコニウムの酸化物が富化された、ジルコニウムとセリウムの酸化物、ならびに安定剤として10重量%〜30重量%の量のエルビウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、またはイットリウムの酸化物、ならびに任意に1種または複数のドーパントを含む組成物、排気ガスの後処理のためのシステムにおける当該組成物の使用、当該組成物の製造のための適切な方法、ならびに当該製造方法によって得られる組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた熱的相安定性および熱的表面安定性を有するジルコニア(ジルコニウムの酸化物)−セリア(セリウムの酸化物)系組成物、ならびにその製造のための方法に関する。そのような組成物は、たとえば自動車用途における排気ガスの後処理において、触媒(主として三元触媒、TWC)の酸素貯蔵成分(OSC)として用いることができる。
【背景技術】
【0002】
希土類でドープされたセリア−ジルコニア系混合酸化物が自動車用途において世界的に用いられているという事実にも関わらず、特に熱処理後の相安定性および表面積に関して、粉末の性能および製造ルートを改良することがなお求められている。
【0003】
TWC用途において現在用いられている酸素貯蔵材料の中で、「希土類ドープセリア−ジルコニア」系のものは、典型的には最良の性能を有している。セリア−ジルコニア混合酸化物の開発は既に1980年代の後期に始まり、1990年代半ばまでに「進歩したTWC処方」(J.P.Cuif、G.Blanchard、O.Touretら、Rhone Poulenc、SAE Technical Paper、96、1906頁(1996))の名称で自動車用触媒用途に幅広く組み込まれてきた。
【0004】
エンジンの排気ガスにおける低温始動排出を低減するために、自動車メーカーはEP1181970に開示されたもの等の近接連結TWCを用いている。この目的のため、これらの触媒は1000℃より高い温度で長期の耐久性および熱安定性を示さなければならない。熱的相安定性および熱的表面安定性は、触媒の耐久性および安定性に関連があると考えられる主なパラメーターである。
【0005】
したがって、セリア−ジルコニアOSC材料の最近の開発の間、化合物の熱的相安定性(XRD相純度として表現される)および熱的表面安定性(表面積として表現される)の改良に多くの関心が寄せられてきた。
【0006】
セリア−ジルコニア材料の触媒用途について、たとえばEP955267に開示されているように、触媒の耐久性を保証するためには高い表面積が必要であることはよく知られている。この特許には1100℃、6時間の熱処理の後で20m/g超の表面積を示すCe−Zr材料も開示されている。
【0007】
たとえばUS6,387,338には、空気中1200℃のエージングの後で安定な立方相構造を有する熱的に相安定なセリア−ジルコニア材料が開示されている。したがって、セリアおよびジルコニアをイットリウムとともに、および任意に「希土類金属」のドーパントを用いて共沈殿させることによって、そのような相安定なセリア−ジルコニア混合酸化物を製造することが示唆されている。相安定なセリア−ジルコニア化合物を得るためには化合物中に10モル%までの濃度のイットリウムが必須であることが主張されている。しかし、US6,387,338に記載されている化合物の熱的表面安定性は低いと考えられる。さらに詳細には、US6,387,338の実施例5には、アンモニアとの共沈殿によるZr0.65、Ce0.25、La0.04、Y0.06およびO1.95のモル比(ZrO(58.71%)、CeO(31.54%)、La(4.78%)、Y(4.97%)の重量%比に相当する)のZrCeLaY混合酸化物の製造について言及されている。しかし、得られた混合酸化物は1150℃/36時間のエージングの後で僅かに3.75m/gの表面積を示すことが記載されており、本出願の比較例1をも参照すると、得られた生成物は1100℃/4時間の熱処理の後に3.8m/gの表面積を示しただけであった。US2007/0244002の実施例7には全く同じ組成物が報告されており、これは1000℃/6時間の処理の後で僅かに13.7m/gの表面積を示しているが、ここでも組成物は共沈殿法によって得られている。さらに、US2007/0244002の他の実施例1〜6の全てにおいて、1000℃/6時間の化合物の熱処理の後で、10m/gをはるかに下回る非常に低い表面積の値が報告されている。このことから、多くの例で開示されているように、共沈殿法単独では熱処理後、低表面積の化合物しか得られないという結論に導かれる。
【0008】
US6,387,338によれば、得られる材料の熱的相安定性の問題は解決されるかもしれないが、特に1100℃でのエージングの後の表面積の熱安定性の問題は未解決のままであり、これはそのような材料を触媒に応用する際の顕著な不利益である。
【0009】
WO2004/085039には熱的表面安定材料の製造が開示されているが、相安定性に関する情報は提供されていない。たとえば実施例2にCeO/ZrO/La/Pr11(重量%比60/30/3/7)の製造が開示されており、1100℃/4時間のエージング後の表面積23m/gが報告されているが、相安定性については述べられていない。
【0010】
同様に、WO2004/002893には1100℃/10時間のエージング後の材料について23m/gの表面積を有するZrO/CeO/La/Nd=73.5/20/2.5/4重量%の組成のZrリッチCe混合酸化物の製造および表面特性が開示されているが、ここでも相安定性については述べられていない。
【0011】
E.Rohartら、「From Zr−rich to Ceria rich:thermal stability of OSC materials on the whole range of composition」、Topics in Catalysis、30/31巻、2004年7月、417〜423頁には、Ce−Zr化合物の表面安定性のみでなく、熱処理(エージング)後のセリアジルコニア混合酸化物の相安定性についても報告されている。たとえばWO2004/085039の実施例2に開示された組成と完全に対応する材料「OSC5」(CeO/ZrO/La/Pr11;60/30/3/7重量%比)については、1150℃/4時間の熱処理の後で、1100℃/4時間のエージング後、23m/gの表面積を有する単一相材料が得られることがXRDスペクトルによって示された。Rohartらによれば、CeリッチのZr混合酸化物の合成によって、相安定および表面安定な化合物が得られる。
【0012】
しかしZrリッチな材料はその合成経路によらず、相分離を示す。
【0013】
Rohartらは、WO2004/002893で言及された組成に極めて類似した「OSC3」(組成=ZrO/CeO/La/Nd=75/20/2.5/2.5重量%、1100℃/4時間後の表面積10m/g)および「OSC7」(組成=ZrO/CeO/La/Nd=72/20/3/5重量%、1100℃/4時間処理後の表面積22m/g)等の「Zrリッチ」材料の熱的相安定性について報告している。それらの合成ルートによらず(2種の材料は異なったプロセスによって合成されている)、これらの化合物は1000℃/4時間のエージング後、既に相分離を示し、開示されたXRDスペクトルによると1100℃/4時間および1150℃/4時間のエージング後にさらに顕著になる。
【0014】
相安定性および表面安定性の両方に関するさらなる改良が、出願WO2007/093593で主張されている。追加的に他の希土類でドープされ、ランタンの酸化物を含むいくつかのセリア/ジルコニア/イットリア(酸化イットリウム)混合酸化物の製造が、共沈殿法の製造法を適用し、次いでオートクレーブのステップを行なうことによって記述されている。より詳細には、混合金属がアンモニアによって溶液から沈殿し、次いで沈殿物は約150℃でオートクレーブ中、その後界面活性剤で処理される。「界面活性剤処理材料」(混合金属酸化物の前駆体)の焼成(calcination)により、セリア/ジルコニア/イットリア混合金属酸化物が得られる。単一相材料を得るためには、イットリウムが組成物中に10〜25重量%の範囲で、さらにランタンが2〜10重量%の範囲で、さらに別の希土類元素が2〜15重量%の範囲で存在していると仮定される。XRDスペクトルによれば、開示された化合物は、1150℃/10時間の熱処理の後、安定な単一相XRD構造を示し、特定の組成に応じて、1000℃/4時間の処理の後、34〜62m/gの範囲の、また1100℃/10時間の処理の後、17〜32m/gの表面積を示す。WO2007/093593に開示された化合物の製造にはオートクレーブのプロセスステップが含まれており、これは圧力下で操作されるため厳しい安全対策が必要であるので、これは特に技術的条件下では不利である。
【0015】
J.Kimptonら、Solid State Ionics、149(1,2)、89〜98頁およびGenel,F.ら、British Ceramic Transactions、100(4)、155〜158頁には、酸化セリウムに比べて酸化ジルコニウムが富化された、酸化セリウムおよび酸化ジルコニウムを含む単一相組成物が報告されている。しかし、比較例5および7に示されているように、報告された組成物は熱処理された場合に低い表面積のみを示す。
【0016】
J.Kimptonらを参照すると、前述の系Zr(0.75)Ce(0.08)Y(0.17)O(1.92)は、ZrO73.7重量%、CeO10.98wt%,Y15.31重量%の化合物に相当するが、これは1100℃/1時間の熱処理の後に2.63m/gの表面積を示すにすぎない。比較例6に示された別の組成物は、ZrO60重量%、CeO15重量%、Y20重量%,Nd3.5重量%およびEr1.5重量%からなっており、Kimptonら、Solid State Ionics、149(1,2)89〜98頁に開示された記述に従って製造されたが、これも1100℃/1時間の熱処理の後に2.68m/gの表面積を示したにすぎない。
【0017】
Genel,F.ら、British Ceramic Transactions、100(4)、155〜158頁を参照すると、文献の表3に報告され、比較例7に示された系ZrO(50%)、CeO(30%)およびEr(20%)は、1000℃/2時間の熱処理の後、僅かに9.53m/gの表面積を示す。比較例8に示された別の組成物は、ZrO(55%)、CeO(25%)、Er(20%)およびLa(5%)からなるが、これも1000℃/2時間の熱処理の後、僅かに7.03m/gの表面積を示す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
驚くべきことに、ジルコニウムが富化されたZr−Ce混合酸化物は、エージング後に高い表面積を有し、1200℃までの優れた熱的相安定性を示すことが見出された。これはたとえば排気ガスの後処理のためのシステムにおいて有用である。
【0019】
1つの態様において、本発明は、1150℃/36時間および1200℃/4時間で相安定な固溶体の形態の組成物であって、
− ジルコニウムの酸化物が富化された、ジルコニウムとセリウムの酸化物、
− エルビウムの酸化物、ガドリニウムの酸化物、ジスプロシウムの酸化物、またはイットリウムの酸化物から選択される10重量%〜30重量%の量の安定剤、および任意に1種または複数のドーパントを含み、
1100℃/4時間の処理の後に少なくとも15m/gの表面積において熱安定性を示す組成物を提供する。
【0020】
別の態様において、本発明は、ジルコニウムの酸化物が富化された、ジルコニウムとセリウムの酸化物、エルビウムの酸化物またはジスプロシウムもしくはガドリニウムの酸化物、たとえばジスプロシウムもしくはガドリニウムの酸化物等から選択される10重量%〜30重量%の量の安定剤;ならびに任意に1種または複数のドーパントを含む、固溶体の形態の組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、実施例1の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図2】図2は、実施例1の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図3】図3は、実施例2の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図4】図4は、実施例2の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図5】図5は、実施例3の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図6】図6は、実施例3のXRDスペクトルを示す。
【図7】図7は、実施例4の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図8】図8は、実施例4の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図9】図9は、実施例5の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図10】図10は、実施例5の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図11】図11は、実施例6の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図12】図12は、実施例6の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図13】図13は、実施例7の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図14】図14は、実施例7の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図15】図15は、実施例8の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図16】図16は、実施例8の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図17】図17は、実施例9の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図18】図18は、実施例9の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図19】図19は、比較例2の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図20】図20は、比較例3の組成物のXRDスペクトルを示す。
【図21】図21は、比較例4の組成物のXRDスペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明によって提供される組成物(単数または複数)、使用(単数または複数)または方法(単数または複数)は、本明細書においては「本発明の(による)組成物(単数または複数)、使用(単数または複数)または方法(単数または複数)」としても表される。
【0023】
好ましくは、本発明の組成物においてイットリウムの酸化物が安定剤として存在する場合は、ドーパントはランタンの酸化物以外のものである。
【0024】
本発明の組成物はジルコニウムの酸化物、好ましくはZrO、およびセリウムの酸化物、好ましくはCeOを含む。
【0025】
本発明の組成物においてジルコニウムの酸化物は重量%でセリウムの酸化物より多く存在する。したがって本発明の組成物においてジルコニウムはセリウムに比べて富化されている。
【0026】
好ましくは、本発明の組成物はジルコニウムの酸化物を重量あたり45%〜65%、50%〜65%等、たとえば50〜60%の範囲で、またセリウムの酸化物を重量で10%〜30%、15%〜30%等の範囲で含む。
【0027】
本発明の組成物は1種または複数の安定剤を含む安定剤、好ましくは総量10重量%〜30重量%の1種の安定剤を含み、少なくとも1種の安定剤が少なくとも10重量%〜30重量%まで、10〜25重量%等、たとえば10〜20重量%の量で存在する組成物等であって、前記安定剤はエルビウムの酸化物、ガドリニウムの酸化物、ジスプロシウムの酸化物、またはイットリウムの酸化物、たとえばエルビウムの酸化物、ガドリニウムの酸化物またはジスプロシウムの酸化物、ガドリニウムの酸化物もしくはジスプロシウムの酸化物等から選択され、たとえば、第2のおよび任意にさらなる安定剤が存在する場合には、第2のまたはさらなる安定剤は8重量%を超え、たとえば9重量%以上の量で存在し、それにより安定剤の総量は組成物の30重量%までになる。
【0028】
本明細書において、「安定剤」は本発明の組成物の相および/または熱安定化に寄与していると思われる。
【0029】
別の態様において、本発明の組成物はたとえば10〜20重量%の量の安定剤としてのエルビウムの酸化物を含む。
【0030】
別の態様において、本発明の組成物はたとえば10〜20重量%の量の安定剤としてのジスプロシウムの酸化物を含む。
【0031】
別の態様において、本発明の組成物はたとえば10〜20%、15重量%等の量の安定剤としてのガドリニウムの酸化物を含む。
【0032】
別の態様において、本発明の組成物はたとえば15〜25%、20重量%等の量の安定剤としてのイットリウムの酸化物を含む。ただし、たとえばイットリウムの酸化物が安定剤として存在する場合には、ドーパントはランタンの酸化物以外のものである。
【0033】
本発明の1つの実施形態においては、安定剤はEr、DyまたはGd、DyもしくはGd等から、たとえば組成物の10重量%〜20重量%の量で選択される。
【0034】
本発明の別の実施形態においては、安定剤はたとえば組成物の15重量%〜25重量%の量のYである。
【0035】
本明細書において、「ドーパント」は本発明の組成物の熱および/または相安定性に寄与していると思われる化合物を含む。
【0036】
本発明の組成物は、任意に1種または複数のドーパントを含み、たとえば各ドーパントは8重量%まで、たとえば0.5〜8.0%、1.0〜8.0重量%等の量であり、たとえばドーパントの総量は35%まで、たとえば20%まで、たとえば10%までであり、たとえば安定剤としてイットリウムの酸化物を用いる場合にはドーパントの総量は1.0〜10%、1.0〜8%等、1.5重量%〜5.0重量%等であり、安定剤がイットリウム以外の場合にはドーパントの総量は15%まで、10%まで等、たとえば3%〜15%、5%〜10%等である。
【0037】
本発明の組成物におけるドーパントは好ましくはたとえばプラセオジミウム、ネオジム、ランタンおよびサマリウム、好ましくはプラセオジミウム、ネオジムおよびランタンの酸化物を含む希土類金属の酸化物から選択され、安定剤がエルビウム以外であればエルビウムの酸化物を含み、安定剤がガドリニウム以外であればガドリニウムの酸化物を含み、安定剤がジスプロシウム以外であればジスプロシウムの酸化物を含むが、安定剤がイットリウムであれば好ましくはランタンの酸化物を含まない。
【0038】
安定剤としてエルビウム、ガドリニウムまたはジスプロシウムの酸化物を用いる場合には、本発明の組成物において、
− 好ましくは1種または2種のドーパントが存在し、
− 好ましくはドーパントはランタンまたはプラセオジミウムの酸化物から選択され、または安定剤がエルビウムの酸化物以外の場合にはドーパントはまたエルビウムの酸化物でもよく、
− 好ましくは本発明の組成物におけるドーパントの総量は35%以下、15%等、たとえば12重量%、10重量%等であり、
− 好ましくは少なくともランタンの酸化物はドーパントとして3%〜8%、5重量%〜7重量%等の量で存在し、任意に、たとえば追加的に、プラセオジミウムの酸化物はドーパントとしてたとえば2重量%〜6重量%、3重量%〜5重量%等の量で存在する。
【0039】
安定剤としてイットリウムの酸化物を用いる場合には、本発明の組成物において、
− 好ましくは2種のドーパントが存在し、
− ドーパントは好ましくはエルビウム、ネオジムまたはガドリニウムの酸化物から選択され、
− ドーパントの総量は10%以下、8重量%等、たとえば5重量%、たとえば1.0〜10%、1.5重量%〜5.0重量%等であり、
− 好ましくは少なくともエルビウムの酸化物はドーパントとして1.0%〜5.0%、たとえば1.5重量%の量で存在し、任意に追加的に、プラセオジミウムまたはネオジムまたはガドリニウムの酸化物はドーパントとしてそれぞれたとえば2.0重量%〜6.0重量%、3.0重量%〜5.0重量%等、たとえば3.5重量%の量で存在し、
− 好ましくはランタンの酸化物はドーパントとしては除外される。
【0040】
本発明の好ましい実施形態においては、安定剤は15〜25重量%の量のYであり、たとえば1種または複数のドーパントをそれぞれ8重量%までの量で含み、これらのドーパントは好ましくはランタンの酸化物以外の希土類金属酸化物である。
【0041】
本発明の別の態様においては、安定剤としてのイットリウムの酸化物ならびに好ましくはランタンの酸化物以外の、エルビウムの酸化物、ガドリニウムの酸化物、ネオジムの酸化物またはプラセオジミウムの酸化物等の希土類金属酸化物から選択される1種または複数のドーパントを含む本発明の組成物が提供され、たとえばドーパントの総量は10重量%以下であり、
たとえばドーパントとしてエルビウムの酸化物が1.0%〜2.0%の量で存在し、たとえば任意に追加的にプラセオジムの酸化物、ネオジムの酸化物またはガドリニウムの酸化物がドーパントとして3重量%〜5重量%の量で存在する。
【0042】
本明細書においてエルビウムの酸化物はErを含む。
【0043】
本明細書においてガドリニウムの酸化物はGdOまたはGd、好ましくはGdを含む。
【0044】
本明細書においてジスプロシウムの酸化物はDyを含む。
【0045】
本明細書においてイットリウムの酸化物はYを含む。
【0046】
本明細書においてランタンの酸化物はLaを含む。
【0047】
本明細書においてネオジムの酸化物はNdまたはNdO、好ましくはNdを含む。
【0048】
本明細書においてプラセオジミウムの酸化物はPr11、PrOまたはPr、好ましくはPr11を含む。
【0049】
驚くべきことに、本発明の組成物中に存在する安定剤とドーパントの重量比は重要であるらしいこと、たとえば所望の相安定性を示すために重要であるらしいことが見出された。
【0050】
本発明の好ましい実施形態においては本発明の組成物は安定剤の他にドーパントを含み、安定剤とドーパントの総量との重量比は1.5:1〜5:1であり、たとえば別の態様においては、本発明は
− ジルコニウムの酸化物が富化された、ジルコニウムとセリウムの酸化物、
− エルビウムの酸化物、ガドリニウムの酸化物、ジスプロシウムの酸化物およびイットリウムの酸化物、エルビウムの酸化物、ガドリニウムの酸化物、ジスプロシウムの酸化物等、たとえばガドリニウムの酸化物、ジスプロシウムの酸化物から選択される、10重量%〜30重量%の量の安定剤、および
− それぞれ8重量%までの量の1種または複数のドーパント
を含む組成物を提供し、
安定剤とドーパントの総量との重量比は1.5:1〜5:1であり、ただし好ましくは安定剤としてイットリウムの酸化物が存在する場合にはドーパントはランタンの酸化物以外のものである。
【0051】
また、比較例3に示すように、本発明による組成物中の安定剤の量が重要であることが見出された。たとえば本発明による組成物中で安定剤(エルビウムの酸化物)が約5%のみの量で存在する場合には1150℃/36時間の処理後、分離した材料が得られる一方、10%の安定剤を用いた場合には組成物は安定である。
【0052】
別の態様においては、本発明は55重量%〜65重量%のジルコニウムの酸化物、たとえばZrO、10重量%〜20重量%のセリウムの酸化物、たとえばCeO、15重量%〜25重量%のイットリウムの酸化物、たとえばY、および10重量%まで、6重量%まで等、たとえば5重量%までの量の1種または複数のドーパントを含む本発明による組成物を提供し、これらのドーパントは希土類金属の酸化物であり、好ましくはLa等のランタンの酸化物以外で、たとえば1重量%〜2重量%の量のEr等のエルビウムの酸化物、および任意に追加的な3重量%〜5重量%の量のプラセオジミウムの酸化物、たとえばPr11、Nd等のネオジムの酸化物、またはガドリニウムの酸化物、たとえばGdである。
【0053】
別の態様においては、本発明は
− ジルコニウムの酸化物が富化された、ジルコニウムとセリウムの酸化物、
− エルビウムの酸化物、ガドリニウムの酸化物、またはジスプロシウムの酸化物から、たとえばガドリニウムの酸化物またはジスプロシウムの酸化物から、またはエルビウムの酸化物もしくはジスプロシウムの酸化物から選択される、10重量%〜30重量%の量の安定剤、および任意にたとえば好ましくは、
− 1種または複数のドーパントを含む本発明の組成物を提供し、
− たとえばドーパントは1種または複数の、たとえば1種または2種の酸化物の形態の希土類金属を、たとえばそれぞれ2.0重量%〜8重量%、3重量%〜7重量%の量で含み、ドーパントの総量は12重量%まで、10重量%等、たとえば2重量%〜12重量%である。
【0054】
さらなる態様においては、本発明は50重量%〜60重量%のZrO、15重量%〜30重量%のCeOおよび10重量%〜30重量%のErO3、DyもしくはGdのいずれか;たとえばまたはY;Er、Dy等、および任意に1種または複数のドーパント、
− たとえば1種または2種の希土類金属の酸化物、
− 8%まで、1.5重量%〜7重量%等の量の各ドーパントを含み、ドーパントの総量が15重量%以下、10重量%等であって、
好ましくは少なくともエルビウムの酸化物が1%〜2%、たとえばドーパントとして1.5%の量で存在し、任意に追加的にプラセオジミウムまたはネオジムまたはガドリニウムの酸化物がドーパントとしてたとえばそれぞれ2重量%〜6重量%、3重量%〜5重量%等、たとえば3.5重量%の量で存在し;
− たとえばドーパントがランタンの酸化物、ネオジムの酸化物またはプラセオジミウムの酸化物から選択され、または安定剤がエルビウムの酸化物以外の場合にはエルビウムの酸化物をさらに含み、または安定剤がガドリニウムの酸化物以外の場合にはガドリニウムの酸化物を含む、
本発明による組成物を提供する。
【0055】
本発明の組成物および化合物は、1150℃/36時間および1200℃/4時間で相安定性を示し、同時に1100℃/4時間の処理の後、少なくとも15m/g、1100℃/4時間の処理の後に、40m/g等、たとえば35m/gの表面積において熱安定性を示す。
【0056】
本発明の組成物はたとえば排気ガスの後処理のためのシステムにおける成分として有用である。
【0057】
別の態様においては、本発明は排気ガスの後処理のためのシステムとして用いられる本発明の組成物を提供する。たとえばそのような排気ガスの後処理のためのシステムには三元触媒、ディーゼル粒子フィルターまたは酸化触媒が含まれる。
【0058】
別の態様においては、本発明は本発明による組成物等の、ジルコニウムとセリウムの酸化物を含み、任意にさらなる希土類金属酸化物(単数または複数)を含む固溶体の形態の組成物の製造方法であって、
(a)最終生成物の所望の化学量論的量のジルコニル塩、セリウム塩および任意にさらなる希土類金属塩(単数または複数)の水溶液を提供するステップ、
(b)ステップ(a)の水溶液をHで処理するステップ、
(c)ステップ(b)で得られた溶液をアンモニアで処理してpHを≧7.0、たとえば8.5〜12に調整するステップ、
(d)ステップ(c)で得られた溶液を任意に添加剤、たとえばラウリン酸等の界面活性剤で処理するステップ、
(e)生成した沈殿物をたとえば濾過、遠心分離によって分離するステップ、
および
(f)ステップ(e)で得られた沈殿物を任意に乾燥した後に焼成するステップ
を含む方法を提供する。
【0059】
別の態様において、本発明は組成物、たとえばそのような方法によって得られる本発明の組成物を提供する。
【0060】
本発明の方法のステップ(a)は、たとえば従来の方法によって、またそれと同様に、適切に行なうことができる。最終生成物において所望の化学量論的量の適当な希土類金属塩の混合物は、水、たとえば脱イオン化水または蒸留水に、たとえば適当な温度、たとえば室温またはそれより高い温度で、たとえば撹拌下に溶解される。硝酸塩等の希土類金属の適切な水溶性塩が知られている。希土類金属の硫酸塩および炭酸塩は水溶性がより低いが、塩の水への溶解性は混合物を加熱することによって、たとえば激しく撹拌することによって、水性希土類金属塩混合物をたとえば炭酸塩の場合には無機酸等の酸、たとえばHNO、HClで処理することによって、改善することができる。
【0061】
本発明の方法のステップ(b)は、たとえば従来の方法によって、またそれと同様に、適切に行なうことができる。希土類金属塩の水性混合物と水性H溶液の処理には、たとえば20〜40%の水溶液が、たとえば冷却して、たとえば5℃〜10℃に冷却して用いられる。処理は室温およびそれ未満等、たとえば0℃〜20℃の適当な温度で撹拌下に行なうことができ、撹拌は処理後しばらくの間、たとえば30分〜数時間等の適当な時間、継続することができる。
【0062】
本発明の方法のステップ(c)は、たとえば従来の方法によって、またそれと同様に、適切に行なうことができる。好ましくはアンモニアの水溶液、20%〜30%等の水溶液等が処理に用いられる。処理は適当な温度で行なうことができ、たとえば水性アンモニア溶液は処理前にたとえば5〜15℃に冷却され、処理の間に上昇するかもしれない温度を制御するためにゆっくりと、たとえば滴下して、ステップ(b)で得られた溶液に加えられる。処理は撹拌下、たとえば激しい撹拌下に行なうことができる。処理はpHが≧7.0、たとえば9〜10等に調整されるまで続け、撹拌は処理後しばらくの間、たとえば数分間続ける。アンモニア溶液をステップ(b)で得られた混合物に加えると沈殿物が生成する。
【0063】
本発明の方法のステップ(d)はたとえば従来の方法によって、またそれと同様に、適切に行なうことができる。添加剤をステップ(c)で得られた混合物に加えることができる。適当な添加剤および適当な量は、たとえばWO98/45212から知られている。本明細書において添加剤は界面活性剤を含む。好ましくはラウリン酸が界面活性剤として用いられる。本発明の混合酸化物組成物50gを製造するためには、ラウリン酸を添加剤として用いる場合には約10〜30g、たとえば約20gの量が適当であろう。添加剤との処理は撹拌下、たとえば激しい撹拌下に行なわれる。撹拌、たとえば激しい撹拌は、好ましくは処理後適当な時間、30分〜数時間等、たとえば約1時間続けられる。
【0064】
本発明の方法のステップ(e)はたとえば従来の方法によって、またそれと同様に、適切に行なうことができる。生成した沈殿物は濾過または遠心分離、好ましくは濾過によって混合物から分離される。分離された沈殿物は好ましくは水、たとえば脱イオン水または蒸留水で洗浄される。
【0065】
ステップ(e)で分離された沈殿物は任意に、適当な温度、たとえば80℃から300℃未満までで乾燥することができる。
【0066】
本発明の方法のステップ(f)はたとえば従来の方法によって、またそれと同様に、適切に行なうことができる。焼成はたとえば300℃〜700℃の温度を含む適当な温度で行なうことができる。
【0067】
本発明の方法によって、熱的に相および表面安定なZr−Ce混合酸化物、たとえば1200℃/4時間までの相安定性を示し、1100℃/4時間の処理後、少なくとも15m/g、40m/gまで等、たとえば35m/gまでの表面積を示すZr−Ce混合酸化物が得られる。
【0068】
本発明の方法の1つの利点は、プロセスが単純であり、複雑で費用がかかるステップが避けられることである。たとえばオートクレーブは費用集約的で、装置に対して追加的な安全対策が必要であり、たとえばCe−Zr混合酸化物の製造のためにWO2007/093593に開示されたそのようなオートクレーブは、本発明の方法においては回避され得る。したがって本発明の組成物はオートクレーブを使用せずに提供することができ、たとえばオートクレーブは除外され得る。
【0069】
本明細書の比較例1〜8において、本発明による相および熱安定なZr−Ce混合酸化物は、
− Zr−Ce混合酸化物組成物における希土類元素の単純な交換、
− 希土類元素の任意な化学量論比の使用、
− Zr−Ce混合酸化物組成物における希土類元素の任意の量の使用、
− 先行技術のプロセス
によっては製造できないことが示される。
【0070】
本明細書の比較例2〜4で報告された化合物は、エージングの後に相分離を示した。適用した方法のルートによって、化合物はエージング後に異なった表面積を示した。比較例1および5〜8で報告された化合物は、低く不満足な表面積を示した。
【0071】
以下の実施例において全ての温度は摂氏度(℃)である。
【0072】
Zr−Ce混合酸化物は、熱処理(エージング)後の相安定性(X線回折(XRD)スペクトル)の観点および表面積(BET)の観点で特徴付けられた。
【0073】
表面積(BET)解析はDIN(Deutsche Industrie Norm)66131に従い、Quantachrome NOVA4000を用いて実施した。
【0074】
XRDスペクトルは、グラファイトモノクロメーターCu−Ka放射を用いて45kVおよび40mAで操作されるPANalytical X’Pert回折計(マルチプルストリップ検出器「PIXcel」を装備)で記録した。スペクトルは10〜80°の範囲で、ステップサイズ0.0131°、傾斜横座標あたり計算時間39秒で収集した。
【0075】
図(図1〜図21)に、実施例1〜9ならびに比較例2、3および4によって得られた組成物のX線回折(XRD)スペクトルを示す。
【0076】
図1および図2に、実施例1のZrO(58%)CeO(27%)Er(10%)La(5%)組成物の、それぞれ1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルを示す。
【0077】
図3および図4に、実施例2のZrO(55%)CeO(25%)Er(15%)La(5%)組成物の、それぞれ1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルを示す。
【0078】
図5および図6に、実施例3のZrO(50%)CeO(20%)Er(20%)La(5%)Pr11(5%)組成物の、それぞれ1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルを示す。
【0079】
図7および図8に、実施例4のZrO(55%)CeO(20%)Dy(15%)La(7%)Pr11(3%)組成物の、それぞれ1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルを示す。
【0080】
図9および図10に、実施例5のZrO(55%)CeO(20%)Gd(15%)La(7%)Pr11(3%)組成物の、それぞれ1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルを示す。
【0081】
図11および図12に、実施例6のZrO(55%)CeO(20%)Dy(15%)La(5%)Er(5%)組成物の、それぞれ1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルを示す。
【0082】
図13および図14に、実施例7のZrO(60%)CeO(15%)Y(20%)Er(1.5%)Pr11(3.5%)組成物の、それぞれ1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルを示す。
【0083】
図15および図16に、実施例8のZrO(60%)CeO(15%)Y(20%)Er(1.5%)Nd(3.5%)組成物の、それぞれ1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルを示す。
【0084】
図17および図18に、実施例9のZrO(60%)CeO(15%)Y(20%)Er(1.5%)Gd(3.5%)組成物の、それぞれ1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルを示す。
【0085】
図19に、比較例2のZrO(58.7%)CeO(27.5%)Y(2.5%)Er(2.5%)La(6.3%)Pr11(2.5%)組成物の、1150℃/36時間のエージング後のXRDスペクトルを示す。
【0086】
図20に、比較例3のZrO(58.7%)CeO(30%)La(6.3%)Er(5%)組成物の、1150℃/36時間のエージング後のXRDスペクトルを示す。
【0087】
図21に、比較例4のZrO(73.69%)CeO(21.11%)Er(5.19%)組成物の、1150℃/36時間のエージング後のXRDスペクトルを示す。
【実施例】
【0088】
[実施例1] 混合酸化物ZrO(58%)CeO(27%)Er(10%)La(5%)の製造
硝酸ジルコニル溶液(ZrO20%)145g、硝酸セリウム(CeO39.5%)34.18g、硝酸ランタン(La37.7%)6.63gおよび硝酸エルビウム(Er41.9%)11.93gを脱イオン水802mLに溶解し、得られた混合物を溶液が透明になるまで数分間撹拌した。得られた混合物に冷却した(10℃)35%H94.1mLを加え、得られた混合物を約45分間撹拌した。得られた混合物に水性24%アンモニア溶液(10℃に冷却)を滴下速度40mL/分で滴下して加え、pH値を9.55に調整した。混合金属が沈殿し、沈殿の間に混合物の温度は約40℃に上昇した。得られた混合物を数分間撹拌し続け、ラウリン酸17.77gを加えた。得られたスラリーを少なくとも1時間激しく撹拌し続けた。得られた混合物を濾過し、得られた沈殿物を脱イオン水で充分に洗浄した。得られたフィルターケーキをオーブン中、約100℃で一夜(16時間)乾燥し、500℃で4時間焼成した。
【0089】
ZrO(58%)、CeO(27%)、Er(10%)およびLa(5%)を含む混合酸化物組成物50gが得られた。
BET(新鮮調製材料):110m/g
BET(エージング後)1100℃/4時間において:21.5m/g
1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルは、たとえば図1および図2に示すように、単一相構造を示した。
【0090】
[実施例2] 混合酸化物ZrO(55%)CeO(25%)Er(15%)La(5%)の製造
硝酸ジルコニル溶液(ZrO20%)137.5g、硝酸セリウム(CeO39.5%)31.65g、硝酸ランタン(La37.7%)6.63gおよび硝酸エルビウム(Er41.9%)17.9gを脱イオン水806mLに溶解し、得られた混合物を溶液が透明になるまで数分間撹拌した。得られた混合物に冷却した(10℃)35%H92.72mLを加え、得られた混合物を約45分間撹拌した。得られた混合物に水性24%アンモニア溶液(10℃)を室温で滴下速度40mL/分で滴下して加え、pH値を9.65に調整した。
【0091】
さらなる手順は実施例1の記載と同様に実施したが、ラウリン酸17.77gの代わりに17.5gを用いた。
【0092】
ZrO(55%)、CeO(25%)、Er(15%)およびLa(5%)を含む混合酸化物組成物50gが得られた。
BET(新鮮調製材料):112m/g
BET(エージング後)1100℃/4時間において:20.7m/g
1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルは、たとえば図3および図4に示すように、単一相構造を示した。
【0093】
[実施例3] 混合酸化物ZrO(50%)CeO(20%)Er(20%)La(5%)Pr11(5%)の製造
硝酸ジルコニル溶液(ZrO20%)125g、硝酸セリウム(CeO39.5%)25.32g、硝酸ランタン(La37.7%)6.63g、硝酸プラセオジミウム(Pr1139.02%)6.41gおよび硝酸エルビウム(Er41.9%)23.87gを脱イオン水812mLに溶解し、得られた混合物を溶液が透明になるまで数分間撹拌した。得られた混合物に冷却した(10℃)35%H90.82mLを加え、得られた混合物を約45分間撹拌した。得られた混合物に水性24%アンモニア溶液(10℃)を室温で滴下速度40mL/分で滴下して加え、pH値を9.6に調整した。さらなる手順は実施例1の記載と同様に実施したが、ラウリン酸17.77gの代わりに17.1gを用いた。
【0094】
ZrO(50%)、CeO(20%)、Er(20%)、La(5%)およびPr11(5%)を含む混合酸化物組成物50gが得られた。
BET(新鮮調製材料):129m/g
BET(エージング後)1100℃/4時間において:21.8m/g
1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルは、たとえば図5および図6に示すように、単一相構造を示した。
【0095】
[実施例4] 混合酸化物ZrO(55%)CeO(20%)Dy(15%)La(7%)Pr11(3%)の製造
硝酸ジルコニル溶液(ZrO20%)82.5g、硝酸セリウム(CeO39.5%)15.19g、硝酸ランタン(La37.7%)5.57g、硝酸プラセオジミウム(Pr1139.02%)2.31gおよび硝酸ジスプロシウム(Dy40.75%)11.04gを脱イオン水485mLに溶解し、溶液が透明になるまで数分間撹拌した。得られた混合物に冷却した(10℃)35%H55.94mLを加え、得られた混合物を約45分間撹拌した。得られた混合物に水性24%アンモニア溶液(10℃)を室温で滴下速度40mL/分で滴下して加え、pH値を9.56に調整した。さらなる手順は実施例1の記載と同様に実施したが、ラウリン酸17.77gの代わりに10.56gを用いた。
【0096】
ZrO(55%)、CeO(20%)、Dy(15%)、La(7%)およびPr11(3%)を含む混合酸化物組成物30gが得られた。
BET(新鮮調製材料):116m/g
BET(エージング後)1100℃/4時間において:18.6m/g
1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルは、たとえば図7および図8に示すように、単一相構造を示した。
【0097】
[実施例5] 混合酸化物ZrO(55%)CeO(20%)Gd(15%)La(7%)Pr11(3%)の製造
硝酸ジルコニル溶液(ZrO21.4%)102.8g、硝酸セリウム(CeO39.5%)20.25g、硝酸ランタン(La37.7%)7.43gおよび硝酸プラセオジミウム(Pr1139.02%)3.08gを脱イオン水660mLに溶解し、得られた混合物を撹拌した。一方、Gd6.01gを脱イオン水10mLに懸濁し、一定の撹拌のもとに透明な溶液が得られるまで濃硝酸を滴下して加えた。得られた硝酸ガドリニウム溶液を混合金属硝酸塩溶液に加え、得られた混合物をさらに数分間撹拌した。得られた混合物に冷却した(10℃)35%H70.43mLを加え、得られた混合物を約45分間撹拌した。得られた混合物に24%アンモニア溶液(10℃)を室温で滴下速度40mL/分で滴下して加え、pHを9.62に調整した。さらなる手順は実施例1の記載と同様に実施したが、ラウリン酸17.77gの代わりに13.3gを用いた。
【0098】
ZrO(55%)、CeO(20%)、Gd(15%)、La(7%)およびPr11(3%)を含む混合酸化物組成物40gが得られた。
BET(新鮮調製材料):103.2m/g
BET(エージング後)1100℃/4時間において:17.7m/g
1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルは、たとえば図9および図10に示すように、単一相構造を示した。
【0099】
[実施例6] ZrO(55%)CeO(20%)Dy(15%)La(5%)Er(5%)の製造
硝酸ジルコニル溶液(ZrO20%)82.5g、硝酸セリウム(CeO39.5%)15.19g、硝酸ランタン(La37.7%)3.98g、硝酸エルビウム(Er41.9%)3.58gおよび硝酸ジスプロシウム(Dy40.75%)11.04gを脱イオン水485mLに溶解し、得られた混合物を溶液が透明になるまで数分間撹拌した。得られた混合物に冷却した(10℃)35%H55.62mLを加え、得られた混合物を約45分間撹拌した。得られた混合物に水性24%アンモニア溶液(10℃)を室温で滴下速度40mL/分で滴下して加え、pH値を9.56に調整した。さらなる手順は実施例1の記載と同様に実施したが、ラウリン酸17.77gの代わりに10.5gを用いた。
【0100】
ZrO(55%)、CeO(20%)、Dy(15%)、La(5%)およびEr(5%)を含む混合酸化物組成物30gが得られた。
BET(新鮮調製材料):106.8m/g
BET(エージング後)1100℃/4時間において:18.6m/g
1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルは、たとえば図11および図12に示すように、単一相構造を示した。
【0101】
[実施例7] ZrO(60%)CeO(15%)Y(20%)Er(1.5%)Pr11(3.5%)の製造
硝酸ジルコニル溶液(ZrO21.4%)140.2g、硝酸セリウム(CeO39.5%)18.99g、硝酸イットリウム(Y23.9%)41.84g、硝酸プラセオジミウム(Pr1139.02%)4.48gおよび硝酸エルビウム(Er41.9%)1.79gを脱イオン水792mLに溶解し、得られた混合物を溶液が透明になるまで数分間撹拌した。得られた混合物に冷却した(10℃)35%H108.76mLを加え、得られた混合物を約45分間撹拌した。得られた混合物に水性24%アンモニア溶液(10℃)を室温で滴下速度40mL/分で滴下して加え、pH値を9.53に調整した。さらなる手順は実施例1の記載と同様に実施したが、ラウリン酸17.77gの代わりに20.53gを用いた。
【0102】
ZrO(60%)、CeO(15%)、Y(20%)、Er(1.5%)およびPr11(3.5%)を含む混合酸化物組成物50gが得られた。
BET(新鮮調製材料):128m/g
BET(エージング後)1100℃/4時間において:17.7m/g
BET(エージング後)1150℃/36時間において:8.32m/g
1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルは、たとえば図13および図14に示すように、単一相構造を示した。
【0103】
[実施例8] ZrO(60%)CeO(15%)Y(20%)Er(1.5%)Nd(3.5%)の製造
硝酸ジルコニル溶液(ZrO21.4%)140.2g、硝酸セリウム(CeO39.5%)18.99g、硝酸イットリウム(Y23.9%)41.84g、硝酸ネオジム(Nd38%)4.61gおよび硝酸エルビウム(Er41.9%)1.79gを脱イオン水792mLに溶解し、得られた混合物を溶液が透明になるまで数分間撹拌した。得られた混合物に冷却した(10℃)35%H108.81mLを加え、得られた混合物を約45分間撹拌した。得られた混合物に水性24%アンモニア溶液(10℃)を室温で滴下速度40mL/分で滴下して加え、pH値を9.55に調整した。さらなる手順は実施例1の記載と同様に実施したが、ラウリン酸17.77gの代わりに20.53gを用いた。
【0104】
ZrO(60%)、CeO(15%)、Y(20%)、Er(1.5%)およびNd(3.5%)を含む混合酸化物組成物50gが得られた。
BET(新鮮調製材料):155m/g
BET(エージング後)1100℃/4時間において:21.5m/g
BET(エージング後)1150℃/36時間において:10.2m/g
1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルは、たとえば図15および図16に示すように、単一相構造を示した。
【0105】
[実施例9] ZrO(60%)CeO(15%)Y(20%)Er(1.5%)Gd(3.5%)の製造
硝酸ジルコニル溶液(ZrO21.4%)140.2g、硝酸セリウム(CeO39.5%)18.99g、硝酸イットリウム(Y23.9%)41.84gおよび硝酸エルビウム(Er41.9%)1.79gを脱イオン水792mLに溶解した。一方、Gd1.76gを脱イオン水10mLに懸濁し、撹拌しながら濃HNOを滴下して加え、透明な硝酸ガドリニウム溶液を得て、これを上の混合金属硝酸塩溶液に加えた。得られた混合物を溶液が透明になるまで数分間撹拌した。得られた混合物に冷却した(10℃)35%H110.04mLを加え、得られた混合物を約45分間撹拌した。得られた混合物に24%アンモニア溶液(10℃)を室温で滴下速度40mL/分で滴下して加え、pHを9.55に調整した。さらなる手順は実施例1の記載と同様に実施したが、ラウリン酸17.77gの代わりに20.8gを用いた。
【0106】
ZrO(60%)、CeO(15%)、Y(20%)、Er(1.5%)およびGd(3.5%)を含む混合酸化物組成物50gが得られた。
BET(新鮮調製材料):122.7m/g
BET(エージング後)1100℃/4時間:20.7m/g
BET(エージング後)1150℃/36時間:9.0m/g
1150℃/36時間および1200℃/4時間のエージング後のXRDスペクトルは、たとえば図17および図18に示すように、単一相構造を示した。
【0107】
比較例
[比較例1] US6,387,338の実施例5のZrO(58.71%)CeO(31.54%)La(4.78%)Y(4.97%)=Zr0.65Ce0.25La0.040.061.95の製造
硝酸ジルコニル溶液(ZrO26.3%)133.9g、硝酸セリウム(CeO30%)63.08g、硝酸ランタン(La37.7%)7.61gおよび硝酸イットリウム(Y23.9%)12.48gを脱イオン水230mLに溶解して上の複合材料60gを作成した。得られた混合物を激しく撹拌しながら3M NHOH溶液0.76Lにゆっくりと加えると、沈殿物が生成した。得られた混合物を室温で3時間撹拌し、得られた沈殿物を濾過によって分離し、過剰のNHNOを除去するために脱イオン水で洗浄した。得られた沈殿物を空気中600℃で2時間焼成した。
BET(新鮮調製材料):75.2m/g
BET(エージング後)1100℃/4時間:3.8m/g
【0108】
[比較例2] ZrO(58.7%)CeO(27.5%)Y(2.5%)Er(2.5%)La(6.3%)Pr11(2.5%)の製造
硝酸ジルコニル溶液(ZrO21.4%)137.15g、硝酸セリウム(CeO39.5%)27.5g、硝酸ランタン(La37.7%)8.36gおよび硝酸エルビウム(Er41.9%)2.98g、硝酸イットリウム(Y23.9%)5.23gおよび硝酸プラセオジミウム(Pr1139.02%)3.2gを脱イオン水810mLに溶解し、得られた混合物をさらに数分間撹拌した。得られた混合物に冷却した35%H(10℃)96.68mLを加え、得られた混合物を少なくとも45分間撹拌した。得られた混合物に24%アンモニア溶液(10℃)を室温で滴下速度40mL/分で滴下して加え、pHを9.5に調整した。さらなる手順は実施例1の記載と同様に実施したが、ラウリン酸17.77gの代わりに18.25gを用いた。
【0109】
ZrO(58.7%)、CeO(27.5%)、Y(2.5%)、Er(2.5%)、La(6.3%)およびPr11(2.5%)を含む混合酸化物組成物40gが得られた。
BET(新鮮調製材料):113m/g
BET(エージング後)1100℃/4時間:23.3m/g
1150℃/36時間後のXRDスペクトルは、たとえば図19に示すように、相分離を示した。
【0110】
[比較例3] ZrO(58.7%)CeO(30%)La(6.3%)Er(5%)の製造
硝酸ジルコニル溶液(ZrO20%)246.75g、硝酸セリウム(CeO39.5%)37.97g、硝酸ランタン(La37.7%)8.36gおよび硝酸エルビウム(Er41.9%)5.97gを脱イオン水800mLに溶解し、溶液が透明になるまで数分間撹拌した。得られた混合物に冷却した(10℃)35%H94.75mLを加え、得られた混合物を約45分間撹拌した。得られた混合物に24%アンモニア溶液(10℃)を室温で滴下速度40mL/分で滴下して加え、pHを9.5に調整した。さらなる手順は実施例1の記載と同様に実施したが、ラウリン酸17.77gの代わりに17.88gを用いた。
【0111】
ZrO(58.7%)CeO(30%)La(6.3%)Er(5%)を含む混合酸化物組成物50gが得られた。
BET(新鮮調製材料):88.5m/g
BET(エージング後)1100℃/4時間:19m/g
1150℃/36時間後のXRDスペクトルは、たとえば図20に示すように、相分離を示した。
【0112】
[比較例4] ZrO(73.69%)CeO(21.11%)Er(5.19%)の製造
製造は、硝酸イットリウムの代わりに硝酸エルビウムを用いたことを除いて、US6,387,338の実施例3と同様に行なった。硝酸ジルコニル溶液(ZrO20%)110.5g、硝酸セリウム(CeO30%)21.11gおよび硝酸エルビウム(Er41.9%)3.72gを脱イオン水300mLに溶解し、得られた混合物を3M NHOH溶液1Lに激しく撹拌しながらゆっくりと加えると、混合含水酸化物が生成した。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。得られた沈殿物を濾過によって分離し、過剰のNHNOを除去するために脱イオン水で洗浄した。得られた沈殿物を空気中600℃で2時間焼成した。
【0113】
ZrO(73.69%)、CeO(21.11%)およびEr(5.19%)を含む混合酸化物組成物30gが得られた。
BET(新鮮調製材料):72.9m/g
BET(エージング後)1100℃/6時間:9.9m/g
1150℃/36時間後のXRDスペクトルは、たとえば図21に示すように、相分離を示した。
【0114】
[比較例5] ZrO(73.71%)CeO(10.98%)Y(15.31%)の製造
上の組成物は参考文献「J.Kimptonら、Solid State Ionics、149(2002)、89〜98頁」に引用されている系Zr(0.75)Ce(0.08)Y(0.17)O(1.92)に対応し、以下のようにして製造した:各々の酸化物を粉砕し、75mmの篩に通した。ZrO36.86g、CeO5.49gおよびY7.66gを混合して、1100℃で1時間焼成した。
【0115】
ZrO(73.71%)CeO(10.98%)Y(15.31%)50gが得られた。
BET(1100℃/6時間):2.63m/g
【0116】
[比較例6] ZrO(60%)CeO(15%)Y(20%)Nd(3.5%)Er(1.5%)の製造
比較例5に引用した参考文献に従って、組成物ZrO(60%)CeO(15%)Y(20%)Nd(3.5%)Er(1.5%)を製造した:
それぞれの酸化物を75mmの篩に通した。ZrO30g、CeO7.5g、Y10g、Nd1.75gおよびEr0.75gを混合して、1100℃で1時間焼成した。
【0117】
ZrO(60%)CeO(15%)Y(20%)Nd(3.5%)Er(1.5%)50gが得られた。
BET(1100℃/1時間):2.68m/g
【0118】
[比較例7] ZrO(50%)CeO(30%)Er(20%)の製造
上の組成物は参考文献「British Ceramic Transactions、2001、100巻、4号、155頁」の表3に引用された実施例22に対応する。この参考文献に述べられた方法によって作成された組成物からも、表面積および熱安定性が低い混合酸化物が導かれる。ジルコニウムアセチルアセトネート(ZrO25.27%)19.79g、硝酸セリウム溶液(CeO30%)10gおよび硝酸エルビウム(Er41.9%)4.77gを10%硝酸に溶解した。クエン酸(13.29g)を含む溶液を10%アンモニア溶液とともに母液に加え、マグネチックスターラーで混合し、pH値を6〜7の範囲に保った。得られた溶液を、溶媒を蒸発させることによって濃縮した。最後に蒸発および熱分解の後、前駆体を得て、これを1000℃/2時間焼いた。
【0119】
ZrO(50%)CeO(30%)Er(20%)10gが得られた。
BET(1000℃/2時間):9.53m/g
【0120】
[比較例8] ZrO(55%)CeO(25%)Er(20%)La(5%)の製造
比較例7に引用した参考文献に従い、組成物ZrO(55%)CeO(25%)Er(20%)La(5%)を製造した。ジルコニウムアセチルアセトネート(ZrO25.27%)22.66g、硝酸セリウム溶液(CeO30%)8.67g、硝酸エルビウム(Er41.9%)3.58gおよび硝酸ランタン(La37.7%)1.33gを10%硝酸に溶解した。クエン酸(15.04g)を含む溶液を10%アンモニア溶液とともに母液に加え、マグネチックスターラーで混合し、pH値を6〜7の範囲に保った。得られた溶液を、溶媒を蒸発させることによって濃縮した。最後に蒸発および熱分解の後、前駆体を得て、これを1000℃/2時間焼いた。
【0121】
ZrO(55%)CeO(25%)Er(20%)La(5%)10gが得られた。
BET(1000℃/2時間):7.03m/g



【特許請求の範囲】
【請求項1】
1150℃/36時間および1200℃/4時間で相安定な固溶体の形態の組成物であって、
− ジルコニウムの酸化物が富化された、ジルコニウムとセリウムの酸化物、
− エルビウムの酸化物、ガドリニウムの酸化物、ジスプロシウムの酸化物、またはイットリウムの酸化物から選択される10重量%〜30重量%の量の安定剤、および任意に1種または複数のドーパントを含み、
1100℃/4時間の処理の後に少なくとも15m/gの表面積において熱安定性を示す組成物。
【請求項2】
安定剤がエルビウムの酸化物、ガドリニウムの酸化物またはジスプロシウムの酸化物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
安定剤がガドリニウムの酸化物またはジスプロシウムの酸化物から選択される、請求項1または2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
少なくとも1種のドーパントを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
ドーパントを8重量%までの量で含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
45重量%〜65重量%のZrOを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
10重量%〜30重量%のCeOを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
安定剤と、存在する場合のドーパントの総量との重量比が1.5:1〜5:1である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
イットリウムの酸化物が安定剤として存在する場合には、ドーパントがランタンの酸化物以外のものである、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の組成物の、排気ガスの後処理のためのシステムにおける成分としての使用。
【請求項11】
ジルコニウムとセリウムの酸化物を含み、任意にさらなる希土類金属酸化物(単数または複数)を含んでいてもよい固溶体の形態の組成物を製造する方法であって、
(a)最終生成物の所望の化学量論的量のジルコニル塩、セリウム塩および任意にさらなる希土類金属塩(単数または複数)の水溶液を提供するステップ、
(b)(a)の水溶液をHで処理するステップ、
(c)ステップ(b)で得られた溶液をアンモニアで処理してpHを≧7.0に調整するステップ、
(d)ステップ(c)で得られた溶液を添加剤で処理するステップ、
(e)生成した沈殿物を分離するステップ、
および
(f)ステップ(e)で得られた沈殿物を任意に乾燥した後に焼成するステップ
を含む方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法によって得られる、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2012−519060(P2012−519060A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551458(P2011−551458)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/051861
【国際公開番号】WO2010/097307
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(508016952)トライバッハー インダストリー アーゲー (5)
【Fターム(参考)】