説明

新規な入れ子式アクセスカニューレおよび新規な入れ子式オブチュレータの提供および使用を含む、股関節の内部にアクセスするための方法および装置

外管と、この外管によって担持される内管であって、外管と同軸で、外管に対して長手方向に移動可能な内管と、外管によって担持され、内管に接続された回転可能な部材とを備え、前記回転可能な部材が回転すると前記内管が前記外管に対して長手方向に移動する、入れ子式アクセスカニューレ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
係属中の先行特許出願の参照
本特許出願は、
(i)2008年12月4日に出願した、James Flomらの「METHOD AND APPARATUS FOR ACCESSING THE INTERIOR OF A HIP JOINT,INCLUDING THE PROVISION AND USE OF A NOVEL TELESCOPING ACCESS CANNULA」という名称の、係属中の先行する米国仮特許出願第61/200,908号(代理人整理番号FIAN−31 PROV)および
(ii)2009年6月26日に出願した、James Flomらの「METHOD AND APPARATUS FOR ACCESSING THE INTERIOR OF A HIP JOINT,INCLUDING THE PROVISION AND USE OF A NOVEL TELESCOPING ACCESS CANNULA」という名称の、係属中の先行する米国仮特許出願第61/269,605号(代理人整理番号FIAN−43 PROV)
の優先権を主張するものである。
【0002】
上記の2つの特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は、一般に外科的な方法および装置に関し、より詳細には、股関節を治療するための外科的な方法および装置に関する。
【背景技術】
【0004】
股関節の概要
股関節は、脚を胴に移動可能に接続する球関節である。股関節は、たとえば、屈曲および伸展、外転および内転、内旋および外旋などの広範なさまざまな運動が可能である。図1A、図1B、図1C、および図1Dを参照されたい。
【0005】
肩関節は例外として考えられるが、股関節はおそらく体で最も可動性の高い関節である。重要なことに、肩関節とは異なり、股関節は1日のほとんどの間、静止状態(たとえば、起立および着座)および動作状態(たとえば、歩行およびランニング)の両方でかなりの体重負荷を支える。
【0006】
股関節はいくつかの異なる病態に罹患しやすい。これらの病態には、先天性の原因と、傷害関連の原因の両方があり得る。病態は、発症時にかなり重症(substantial)である場合もあれば、発症時は軽微であるが、治療しないまま放置すると、時間が経つにつれて悪化する場合もある。より具体的には、多くの場合、既存の病態は、股関節の動力学的な性質(dynamic nature)と、かなりの体重負荷が股関節にかかることによって増悪し得る。
【0007】
病態は、最初またはその後に、患者の快適さおよびライフスタイルに大きく干渉する場合がある。場合によっては、病態が、人工股関節部分置換術または人工股関節全置換術を必要とするほど重症なことがある。人工股関節部分置換術または人工股関節全置換術を実施せずに股関節の病態を治療するためのいくつかの手技が開発されてきたが、これらの手技には股関節の治療に関連する重大な問題があるために、通常、その適応範囲に限界がある。
【0008】
股関節の種々の病態、またそれらの治療に関連する現在の限界については、股関節の解剖学的構造をより徹底的に理解することによって、理解を深めることができる。
股関節の解剖学的構造
股関節は、大腿骨と臀部の接合部に形成される。より具体的には、ここで図2を参照すると、大腿骨頭は股関節の寛骨臼カップ(acetabular cup)に収納され、複数の靱帯および他の軟部組織は、関節でつながれている状態で骨を保持する役割を果たす。
【0009】
より具体的には、次に図3を参照すると、大腿骨は、通常、細長い骨体がその上端において、ある角度をなす骨頚内で終わり、骨頚は半球状の骨頭(「骨球」と呼ばれることもある)を支持することを特徴とする。図3および図4に示されるように、大転子として知られる大きな突起が、大腿骨頚に隣接する細長い大腿骨体から外側および後方に突き出ている。小転子として知られるやや小さな第2の突起は、大腿骨頚に隣接する細長い大腿骨体から内側および後方に突き出ている。転子間稜(図3および図4)は、大転子と小転子の間を大腿骨の辺縁に沿って延びる。
【0010】
次に図5を参照すると、股関節ソケット(hip socket)は、腸骨、坐骨、および恥骨の3つの構成骨から構成されている。これらの3つの骨は、集合的に寛骨臼カップを形成するように互いに協調する(これらは、典型的には25歳までに骨化して1つの「寛骨」構造を形成する)。寛骨臼カップは、大腿骨の半球状の骨頭(すなわち「骨球」)を受ける。
【0011】
大腿骨頭と寛骨臼カップは両方とも、その下にある骨を保護し運動を容易にする関節軟骨の層で被覆される。図6を参照されたい。
【0012】
種々の靱帯および軟部組織は、寛骨臼カップ内の所定の位置で大腿骨球を保持する役割を果たす。より具体的には、次に図7および図8を参照すると、大腿骨頭靱帯(ligamentum teres)が大腿骨球と寛骨臼カップの基部との間に延びる。図9に示されるように、関節唇が寛骨臼カップの辺縁にある。関節唇は寛骨臼カップの深さを増す役割を果たし、大腿骨球と寛骨臼カップ縁の間の吸引シールを効果的に確立して、それにより寛骨臼カップ内に大腿骨頭を保持するのに役立つ。前述の内容に加えて、ここで図10を参照すると、線維被膜(fibrous capsule)が大腿骨頚と寛骨臼カップ縁の間に延び、身体の残りの部分から股関節の球部材(ball−and−socket member)を効果的に密閉する。前述の構造(すなわち、大腿骨頭靱帯、関節唇、および線維被膜)は、大腿骨と股関節ソケットの辺縁との間に延びる1組の3つの主要靱帯(すなわち、腸骨大腿靱帯、坐骨大腿靱帯、および恥骨大腿靱帯)によって包み込まれ、補強される。たとえば、腸骨大腿靱帯を示す図11および図12を参照されたい。図11は前面図であり、図12は後面図である。
股関節の諸病態
前述のように、股関節はいくつかの異なる病態に罹患しやすい。これらの病態には、先天性の原因と、傷害関連の原因の両方があり得る。
【0013】
限定ではなく例を挙げると、股関節の先天性の病態の1つの重要なタイプは、大腿骨頚と寛骨臼カップ縁の間のインピンジメントに関連するものである。次に図13を参照すると、このインピンジメントは、大腿骨の形状に凹凸があるために生じる場合がある。このタイプのインピンジメントは、カム型大腿骨寛骨臼インピンジメント(すなわち、カム型FAI)と呼ばれることもある。また、次に図14を参照すると、寛骨臼カップの形状に凹凸があるためにインピンジメントが生じる場合がある。この後者のタイプのインピンジメントは、ピンサー型大腿骨寛骨臼インピンジメント(すなわち、ピンサー型FAI)と呼ばれることもある。インピンジメントにより、可動域の減少、かなりの疼痛、および場合によっては、股関節の著しい悪化が生じることがある。
【0014】
限定ではなくさらなる例を挙げると、股関節の先天性の病態の別の重要なタイプは、骨球の関節面および/または寛骨臼カップの関節面の障害に関連する。このタイプの障害は、発症時はかなり小さいが、通常、股関節の動力学的な性質のために、さらに股関節には体重がかかるという性質があるために、時間が経つにつれて大きくなることが多い。関節の障害により、かなりの疼痛が生じ、関節炎の病状が誘発および/または増悪され、場合によっては、股関節が著しく悪化することがある。
【0015】
限定ではなくさらなる例を挙げると、股関節の傷害関連の病態の1つの重要なタイプは、関節唇の外傷に関連するものである。より具体的には、多くの場合、事故またはスポーツ関連の傷害により、関節唇が寛骨臼カップ縁から剥離することがあり、典型的には、関節唇の主要部(the body of the labrum)が断裂する。図15を参照されたい。これらのタイプの傷害は、患者にとって非常に苦痛を伴う場合があり、治療しないまま放置すると、股関節の著しい悪化をきたすことがある。
早期の最小侵襲処置を使用する関節の病態の治療に関する現在の動向
整形外科における現在の動向は、最小侵襲技術を使用して関節の病態を治療することである。このような最小侵襲「鍵穴」手術には通常、従来の「オープン」手術に比べて、組織の創傷が少ない、患者の疼痛が少ない、回復時間が短縮されるなどを含む多数の利点がある。
【0016】
限定ではなく例を挙げると、肩関節包の切開(lay open)を必要としない最小侵襲「鍵穴」技術を使用して肩関節の靱帯を再び付着させることは一般的である。限定ではなくさらなる例を挙げると、最小侵襲技術を使用して損傷した膝関節半月板軟骨を修復することおよび/または裂傷した膝関節ACL靱帯を置換することは一般的である。
【0017】
このような最小侵襲法では、外科医の側で新たな訓練を行う必要があり得るが、このような手技には通常、患者にとってかなりの利点があり、現在では、多くの肩関節および膝関節の病態に対する治療の標準となっている。
【0018】
前述の内容に加えて、肩関節および膝関節の病態を治療するための最小侵襲法の固有の利点および広範な有効性を鑑みると、現在の動向は、できる限り早く患者の疼痛に対処するように、および病態の増悪を最小限にするように、病態の過程(lifecycle)のもっと早期にこのような治療を提供することである。これは、患者が概して侵襲的手術に伴うかなりの創傷を負わずにすむように手術手技をできる限り長く遅らせることが通常指示されていた従来の外科の慣行とは大きく異なっている。
股関節の病態の治療
残念なことに、股関節の病態の最小侵襲治療は、肩関節および膝関節の病態の最小侵襲治療に大きく後れを取っている。この原因は、通常、(i)股関節自体の形状の制約、および(ii)股関節で通常対象としなければならない病態の性質および位置である。
【0019】
より具体的には、股関節は、関節自体の領域内で操作する空間が比較的小さいという意味で「堅い」関節であると通常考えられている。これは、比較的に「空間が大きい」関節(少なくとも股関節と比べて)であると通常考えられる肩関節および膝関節と大きく異なっている。その結果、外科医が股関節で最小侵襲手技を実施することは比較的困難である。
【0020】
そのうえ、股関節の内部に進入する経路(すなわち、隣接する複数の骨の間に存在し、主要な血管構造および繊細な神経組織などを回避する経路)は、通常、股関節では肩関節または膝関節の経路よりもはるかに限定されている。このようにアクセスに制限があることによって、股関節の最小侵襲手技を効果的に実施することはさらに難しくなる。
【0021】
前述の内容に加えて、股関節の病態の性質および位置も、股関節の最小侵襲手技を実施することを困難にする。限定ではなく例を挙げると、股関節の関節唇の典型的な剥離を考えてみよう。この状況では、器具は、通常、器具が組織に向かう角度からずれた進入角を使用して関節腔の中に導入されなければならない。これにより、たとえば、骨の穿孔は、肩関節では頻繁である、進入角が、器具が組織に向かう角度と事実上一致する場合と比べて、著しく困難になる。そのうえ、股関節内の作業空間は、典型的にはきわめて制限されており、進入角が、器具が組織に向かう角度と一致しない場合、修復ははるかに困難になる。
【0022】
前述の内容により、股関節の最小侵襲手技の実施は、今なお比較的困難であり、実際には比較的まれである。したがって、患者は、典型的には、関節面再建(resurfacing)術または人工股関節部分置換術または人工股関節全置換術が回避できなくなるまで股関節の疼痛をできる限り長くやり過ごすことを強いられる。その場合、これらの手技は、通常、侵襲性の高いオープン法として、侵襲性の高いオープン法に関連するすべての欠点を伴って、実施される。
【0023】
その結果、一般に、股関節の病態を治療するための方法および装置の改善が緊急に必要である。
股関節の内部への関節鏡視下のアクセス
良好な股関節鏡は、通常、股関節の内部への安全で有効なアクセスを必要とする。より具体的には、良好な股関節鏡は通常、複数のアクセスポータルの作製を必要とし、このアクセスポータルは、皮膚の表面から内側に延び、股関節の内部まで下降し、皮膚、脂肪、筋肉、および関節包組織を含む介在する組織の層を貫通する。これらのアクセスポータルはまた、股関節の内部にある特定の手術部位まで下降を続けてもよい。股関節の内部でアクセスされるべき特定の手術部位に応じて、さまざまな解剖学的経路をアクセスポータルとして利用することができる。限定ではなく例を挙げると、ある解剖学的経路は、断裂した関節唇を修復する場合に使用することができ、別の解剖学的経路は、小転子を対象としなければならない場合に使用することができる。さらに、ほとんどの場合、複数のアクセスポータルが必要とされ、1つのアクセスポータルは可視化のために(すなわち、股関節の内部の中に関節鏡を導入するために)使用されるが、他の複数のアクセスポータルは、洗浄のために、および手術部位に手術器具を出し入れするなどのために使用される。
【0024】
これらのアクセスポータルを確立することは、典型的には、皮膚の上面から関節の内部まで下降する開口を形成すること、およびその開口を管状のライナ(「アクセスカニューレ」と呼ばれることもある)で覆うことを伴う。このアクセスカニューレは、その切り口を開いた状態に保ち、皮膚の表面から股関節の内部まで下降する手術経路(または「通路」)を提供し、それによって、器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)がアクセスカニューレの中央管腔を通過して関節内の遠い手術部位に到達することができるようにする。したがって、アクセスカニューレの提供および使用は、通常、最小侵襲の「鍵穴」手術が股関節で実施できる重要な一態様である。
従来技術によるアクセスカニューレ
アクセスカニューレは、伝統的に、固定長の管状構造である。しかし、この固定長構造はさまざまな理由で問題となり得る。便宜上、これらの問題は通常「静的な」考慮点と「動的な」考慮点に分けることができる。
「静的な」考慮点
第1に、患者はさまざまなサイズの解剖学的構造を有し、したがって決まった長さのアクセスカニューレは、ある患者には短すぎ、別の患者には長すぎる場合があることが理解されるであろう。この点に関して、確実に器具が安全に通過するようにするためにアクセスカニューレが皮膚の上面から股関節の内部まで下降する距離全体に延びることが通常必要であることが理解されるであろう。しかし、アクセスカニューレが過度の距離を延びて皮膚の上面を越えることが通常望ましくないことも理解されるであろう。その理由は、アクセスカニューレが過剰な距離を延びて皮膚の上面を越えることにより、突き出ているカニューレ「マスト」の範囲が形成される可能性があり、それによって、外科医の他の作業を妨害し、関節腔の中への器具のアクセスを妨げ、手術器具の利用可能な作業長さ(working length)を制限する(それによって、関節の病態を治療する機能を限定する)ことなどがあり得るからである。
【0025】
第2に、患者の解剖学的構造は、通常、ある一定の進入点のみをアクセスポータルとして使用できることを求め、種々の手技は通常関節の特定の領域を対象としなければならず、その結果、1人の患者のみの解剖学的構造を扱う場合ですら、各アクセス通路が異なる区間にわたって延び、したがって異なる長さのアクセスカニューレを使用することが必要になることがある。
【0026】
アクセスカニューレの遠位端が過度の距離を延びて関節区画の中に入ることが通常望ましくないことも理解されるであろう。その理由は、アクセスカニューレの遠位端が過度の距離を延びて関節区画内に入ることにより、関節鏡による関節内の可視化が制限され、および/または関節腔内の手術器具の可動域が制限される傾向があるからである。
【0027】
前述の考慮点から、製造業者はさまざまな長さの範囲のアクセスカニューレを提供すべきであることが示唆される。しかし、このような手法を用いることにより、製造業者ならびに医療施設(たとえば、病院、手術センターなど)にとって重大な在庫の問題が生じる。すべての製造業者ならびに医療施設は、手術前にアクセスカニューレを備蓄しなければならない。このため、アクセスカニューレは通常、ほとんどの患者およびほとんどの手技に十分だが最適ではない固定長で製造される。
「動的な」考慮点
前述の内容に加えて、多くの状況において、外科医が手術手技中にカニューレの遠位端の位置を調整する必要があり得ることも理解されたい。これは、手術部位のより良い可視化を容易にするために、および/または手術部位で器具を適切に向けるためなどに必要とされることがある。ただし、固定長のアクセスカニューレでは、このために通常、カニューレ全体を患者の組織に対して移動することが必要であり、その結果、皮膚の上面から股関節の内部まで下降する画定された経路が「失われ」、ならびに患者の組織が創傷を受け、外科医にとって不都合となることがある。
【0028】
さらに、特に可視化を向上させ残骸を洗い流すなどのために関節鏡視下手術中に関節が典型的に流体で洗浄されるので、関節鏡手技の途中で組織が腫脹することがある。したがって、固定長のカニューレは、偶然にも手技の開始時に適切な長さであったとしても、介在組織が流体を吸収してサイズが大きくなるので、手技の途中で短くなりすぎることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
改良された新しいアクセスカニューレの必要性
前述の内容のために、体内で展開される前または体内で展開された後またはその両方で、その全長を調整できる改良された新しいアクセスカニューレが必要とされていることが理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明の上記および他の目的は、股関節の内部または他の内部体腔にアクセスするための改良された新しいアクセスカニューレの提供および使用によって対処される。この改良された新しいアクセスカニューレは、体内で展開される前または体内で展開された後またはその両方でアクセスカニューレの全長が調整できるように、入れ子式構造を利用する。本発明によれば、以下により詳細に説明するように、この入れ子式構造はさまざまな異なる方法で達成でき、それぞれ付随する利点を有する。
【0031】
本発明はまた、本発明の入れ子式アクセスカニューレと共に使用できる入れ子式オブチュレータの提供および使用を含む。
【0032】
本発明の一形態において、
外管と、
この外管によって担持される内管であって、外管と同軸で、外管に対して長手方向に移動可能な内管と、
外管によって担持され、内管に接続された回転可能な部材とを備え、回転可能な部材が回転すると内管が外管に対して長手方向に移動する、入れ子式アクセスカニューレが提供される。
【0033】
本発明の別の形態において、
外管と、
この外管によって担持される内管であって、外管に対して長手方向に移動可能である内管とを備え、
外管に対する内管の移動が座部に対する指部の移動によって制御される、入れ子式アクセスカニューレが提供される。
【0034】
本発明の別の形態において、
外管と、
この外管によって担持される内管であって、外管に対して長手方向に移動可能である内管とを備え、
外管に対する内管の回転動作によって、外管に対する内管の少なくとも一部分の長手方向の動きが可能になる、入れ子式アクセスカニューレが提供される。
【0035】
本発明の別の形態において、
ハンドルと、
このハンドルによって担持されるシャフトであって、ハンドルに対して長手方向に移動可能なシャフトと、
ハンドルにシャフトを選択的に係止するためのロック機構とを備える入れ子式オブチュレータが提供される。
【0036】
本発明の別の形態において、入れ子式アクセスカニューレと、この入れ子式アクセスカニューレ内に配設可能な入れ子式オブチュレータとを備えるシステムであって、
この入れ子式アクセスカニューレが、
外管と、
この外管によって担持される内管であって、外管と同軸で、外管に対して長手方向に移動可能な内管と、
外管によって担持され、内管に接続された回転可能な部材とを備え、回転可能な部材が回転すると内管が前記外管に対して長手方向に移動し、
入れ子式オブチュレータが、
ハンドルと、
このハンドルによって担持されるシャフトであって、ハンドルに対して長手方向に移動可能なシャフトと、
ハンドルにシャフトを選択的に係止するためのロック機構とを備える、システムが提供される。
【0037】
本発明の別の形態において、入れ子式アクセスカニューレと、この入れ子式アクセスカニューレ内に配設可能な入れ子式オブチュレータとを備えるシステムであって、
この入れ子式アクセスカニューレが、
外管と、
この外管によって担持される内管であって、外管に対して長手方向に移動可能である内管とを備え、
外管に対する内管の移動が座部に対する指部の移動によって制御され、
入れ子式オブチュレータが、
ハンドルと、
このハンドルによって担持されるシャフトであって、ハンドルに対して長手方向に移動可能なシャフトと、
ハンドルにシャフトを選択的に係止するためのロック機構とを備える、システムが提供される。
【0038】
本発明の別の形態において、体外に位置する第1の場所から体内に位置する第2の場所までのアクセス通路を提供するための方法であって、
第1の全長を有し、異なる全長に調整可能な入れ子式アクセスカニューレを提供するステップと、
入れ子式アクセスカニューレの近位端が第1の場所に位置し、入れ子式アクセスカニューレの遠位端が体内に配設されるように、入れ子式アクセスカニューレを体内に挿入するステップとを含む方法が提供される。
【0039】
本発明の別の形態において、体外に位置する第1の場所から体内に位置する第2の場所までのアクセス通路を提供するための方法であって、
第1の全長を有し、異なる全長に調整可能な入れ子式アクセスカニューレを提供するステップと、
第1の場所から第2の場所までの距離を測定するステップと、
入れ子式アクセスカニューレの長さを、第1の全長から、第1の場所から第2の場所までの距離の関数である別の長さに調整するステップと、
入れ子式アクセスカニューレの近位端が第1の場所に位置し、入れ子式アクセスカニューレの遠位端が体内に配設されるように、入れ子式アクセスカニューレを体内に挿入するステップとを含む方法が提供される。
【0040】
本発明の上記および他の目的および特徴は、本発明の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明によって、さらに十分に開示されるかまたは明らかになるであろう。本発明の好ましい実施形態は添付の図面と併せて検討するべきであり、添付の図面では同じ番号は同じ部品を指す。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1Aは、股関節の運動の種々の態様を示す概略図である。図1Bは、股関節の運動の種々の態様を示す概略図である。図1Cは、股関節の運動の種々の態様を示す概略図である。図1Dは、股関節の運動の種々の態様を示す概略図である。
【図2】股関節の領域内の骨構造を示す概略図である。
【図3】大腿骨の概略図である。
【図4】大腿骨の上端の概略図である。
【図5】骨盤の概略図である。
【図6】股関節の骨および軟部組織の構造を示す概略図である。
【図7】股関節の骨および軟部組織の構造を示す概略図である。
【図8】股関節の骨および軟部組織の構造を示す概略図である。
【図9】股関節の骨および軟部組織の構造を示す概略図である。
【図10】股関節の骨および軟部組織の構造を示す概略図である。
【図11】股関節の骨および軟部組織の構造を示す概略図である。
【図12】股関節の骨および軟部組織の構造を示す概略図である。
【図13】カム型大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)を示す概略図である。
【図14】ピンサー型大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)を示す概略図である。
【図15】関節唇断裂を示す概略図である。
【図16】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第1のタイプならびにそれと共に使用できる入れ子式オブチュレータを示す概略図である。
【図17】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第1のタイプならびにそれと共に使用できる入れ子式オブチュレータを示す概略図である。
【図18】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第1のタイプならびにそれと共に使用できる入れ子式オブチュレータを示す概略図である。
【図19】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第1のタイプならびにそれと共に使用できる入れ子式オブチュレータを示す概略図である。
【図20】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第1のタイプならびにそれと共に使用できる入れ子式オブチュレータを示す概略図である。
【図21】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第1のタイプならびにそれと共に使用できる入れ子式オブチュレータを示す概略図である。
【図22】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第1のタイプならびにそれと共に使用できる入れ子式オブチュレータを示す概略図である。
【図23】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第1のタイプならびにそれと共に使用できる入れ子式オブチュレータを示す概略図である。
【図24】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第1のタイプならびにそれと共に使用できる入れ子式オブチュレータを示す概略図である。
【図25】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第1のタイプならびにそれと共に使用できる入れ子式オブチュレータを示す概略図である。
【図25A】手術手技で使用されている、図16〜図25の入れ子式アクセスカニューレおよび入れ子式オブチュレータを示す概略図である。
【図25B】手術手技で使用されている、図16〜図25の入れ子式アクセスカニューレおよび入れ子式オブチュレータを示す概略図である。
【図25C】手術手技で使用されている、図16〜図25の入れ子式アクセスカニューレおよび入れ子式オブチュレータを示す概略図である。
【図25D】手術手技で使用されている、図16〜図25の入れ子式アクセスカニューレおよび入れ子式オブチュレータを示す概略図である。
【図25E】手術手技で使用されている、図16〜図25の入れ子式アクセスカニューレおよび入れ子式オブチュレータを示す概略図である。
【図26】図16〜図25の入れ子式アクセスカニューレの第1タイプの変更形態を示す概略図である。
【図27】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第2のタイプを示す概略図である。
【図28】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第2のタイプを示す概略図である。
【図29】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第2のタイプを示す概略図である。
【図30】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第3のタイプを示す概略図である。
【図31】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第3のタイプを示す概略図である。
【図32】図30の線32−32に沿った断面図である。
【図33】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第3のタイプを示す概略図である。
【図34】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第3のタイプを示す概略図である。
【図35】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第3のタイプを示す概略図である。
【図36】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第3のタイプを示す概略図である。
【図37】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第3のタイプを示す概略図である。
【図38】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第3のタイプを示す概略図である。
【図39】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第3のタイプを示す概略図である。
【図40】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第3のタイプを示す概略図である。
【図41】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第3のタイプを示す概略図である。
【図42】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第4のタイプを示す概略図である。
【図43】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第4のタイプを示す概略図である。
【図44】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第4のタイプを示す概略図である。
【図45】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第4のタイプを示す概略図である。
【図46】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第4のタイプを示す概略図である。
【図47】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第5のタイプを示す概略図である。
【図48】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第5のタイプを示す概略図である。
【図49】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第5のタイプを示す概略図である。
【図50】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第6のタイプを示す概略図である。
【図51】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第6のタイプを示す概略図である。
【図52】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第6のタイプを示す概略図である。
【図53】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第6のタイプを示す概略図である。
【図54】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第6のタイプを示す概略図である。
【図55】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第7のタイプを示す概略図である。
【図56】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第7のタイプを示す概略図である。
【図57】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第7のタイプを示す概略図である。
【図58】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第7のタイプを示す概略図である。
【図59】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第8のタイプを示す概略図である。
【図60】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第8のタイプを示す概略図である。
【図61】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第9のタイプを示す概略図である。
【図62】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第9のタイプを示す概略図である。
【図63】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第9のタイプを示す概略図である。
【図64】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第9のタイプを示す概略図である。
【図65】本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレの第9のタイプを示す概略図である。
【図66】追加の入れ子式オブチュレータの構造を示す図である。
【図67】追加の入れ子式オブチュレータの構造を示す図である。
【図68】追加の入れ子式オブチュレータの構造を示す図である。
【図69】追加の入れ子式オブチュレータの構造を示す図である。
【図70】追加の入れ子式オブチュレータの構造を示す図である。
【図71】追加の入れ子式オブチュレータの構造を示す図である。
【図72】追加の入れ子式オブチュレータの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
入れ子式アクセスカニューレの第1のタイプ
最初に図16〜図25を参照すると、本発明に従って形成された入れ子式アクセスカニューレアセンブリ5が示されている。入れ子式アクセスカニューレアセンブリ5は、入れ子式アクセスカニューレ10と入れ子式オブチュレータ15とを全体的に備える。
【0043】
入れ子式アクセスカニューレ10は、外管20と、外管20内に入れ子式に配設された内管25と、外管20に対する内管25の相対的な長手方向の配列(disposition)を制御するための管状の回転可能な部材30とを全体的に備える。外管20、内管25、および管状の回転可能な部材30は、皮膚の上面から股関節の内部まで下降する手術経路(または「通路」)を提供するために使用できる中央管腔を有する入れ子式管状ライナ構造を共に形成し、それによって、器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)が関節内の遠い手術部位に到達するように入れ子式アクセスカニューレの中央管腔を通過することができる。このようにして、入れ子式アクセスカニューレは、最小侵襲の「鍵穴」手術が股関節で実施できるようにするために使用することができる。
【0044】
外管20は、組織内で外管20を安定させるための外側ねじ山35(不完全なねじ山、完全なねじ山、または複数のねじ山)と、外管20の内壁に形成された内側ねじ山37と、外管20の内部と連通するポート40と、1つまたは複数のキー溝43を含む近位フランジ42とを備える。
【0045】
内管25は、内管25の外表面に形成された外側ねじ山45(不完全なねじ山、完全なねじ山、または複数のねじ山)と、内管25の外表面から横方向外側に突き出す指部50とを備える。
【0046】
回転可能な部材30は、その中に形成された略長手方向のスロット55を有する中空管53を備える。スロット55は、中空管53の長手方向軸に対して90度未満の角度を形成し、好ましくは中空管53の長手方向軸に対して45度未満の角度を形成し、より好ましくは中空管53の長手方向軸と実質的に一致する。好ましくは、1対のシール60、65は回転可能な部材30の近位端に取り付けられ、中空のリムキャップ70を介して所定の位置に捕らえられる。シール60、65は、当技術分野でよく知られている、それを通る流体流を減速させながらそれに器具を通過させる種類のものである。キャップ70は外管20の近位フランジ42に組み付けられるが、外管20の近位フランジ42に対して自由に回転することができる。キャップ70は1つまたは複数のキー71を有し、キー71は、これらの構成部品(すなわち、キャップ70、シール60、65、および回転可能な部材30)のすべてが一体として共に回転するようにシール60、65および回転可能な部材30内の対応するキー溝72を係合する。キャップ70は1つまたは複数のキー溝73を含む。
【0047】
内管25は、内管25の外側ねじ山45が外管20の内側ねじ山37を係合し、それによって外管20に対して内管25が回転すると、外管20に対して内管25が長手方向に移動するように、外管20内に配設される。回転可能な部材30は、外管20に対して内管25を回す手段を提供することによって、外管20に対する内管25の相対的な長手方向の配列を制御する。より具体的には、内管25および回転可能な部材30は、内管25の指部50が回転可能な部材30のスロット55内に摺動可能に受けられるように、外管20内に配設される。スロット55は、好ましくは、回転可能な部材30に対する内管25の移動を制限するように閉端を有する(図20に示す)が、スロット55は、必要に応じて、開端を有することもできる。この構造の結果、回転可能な部材30の近位端が(たとえば、キャップ70を回すことによって)回されると、回転可能な部材30は、外管20に対する内管25の対応する回転動作を誘発し、それによって外管20に対する内管25の長手方向の移動を誘発する。したがって、回転可能なキャップ70を外管20に対して一方向または他方向に回すことによって、内管25は、外管20から突き出されるか、またはその中に引き込まれることができる。
【0048】
外管20、内管25、および管状の回転可能な部材30はすべて互いに同軸に合わされ、その結果、それぞれの管腔が、組み立てられた入れ子式アクセスカニューレのための中央管腔を共同で形成することが理解されるであろう。
【0049】
入れ子式アクセスカニューレ10は、約1mmから約20mmの間の内径を有することができるが、好ましくは約4mmから約15mmの間、より好ましくは約5mmから約10mmの間である。入れ子式アクセスカニューレ10は、約10mmから約300mmの範囲に及ぶ作業長さ−すなわち外管20の近位フランジ42の下面と内管25の遠位端の間の距離−を有することができるが、好ましくは約30mmから約200mmの間である。入れ子式アクセスカニューレ10は、好ましくは、典型的には外管20の長さの最大約50%の調節可能な長さを有するが、これを超えてもよい。言い換えれば、入れ子式アクセスカニューレ10は、典型的には、(i)外管20の近位フランジ42の下面と外管20の遠位端の間の距離から、(ii)その長さの約150%以上の間の範囲に及んでよい作業長さを有する。
【0050】
外管20、内管25、回転可能な部材30、およびキャップ70、ならびに入れ子式アクセスカニューレ10の選択された他の構成部品は、プラスチックまたは金属で作製されてよいが、好ましくはプラスチックである。プラスチック材料には、ナイロン、ポリカーボネート、ABS、アクリル、ポリエチレン、およびポリプロピレンが含まれるが、これらに限定されない。プラスチック構成部品は、剛性であってもよいし、半可撓性であってもよいし、可撓性であってもよい。可撓性であることによって、入れ子式アクセスカニューレ10の1つまたは複数の部分が組織内で撓曲することができ、それによって、器具の可動性および/または可視化を改良することができる可能性がある。カニューレ構成部品は、適宜、機械加工されてもよいし、プラスチック射出成形されてもよい。シール60、65は、ゴム(たとえば、シリコン)から作製されてよいし、熱可塑性エラストマーから作製されてよい。
【0051】
オブチュレータは、典型的にはカニューレの挿入中に組織の中心部を切除すること(tissue coring)を防止するために展開中にアクセスカニューレの中央管腔内に配設される、先がとがっていない器具である。本発明によれば、入れ子式オブチュレータ15は、入れ子式アクセスカニューレ10と共に使用するために提供される。
【0052】
入れ子式オブチュレータ15はシャフト75とハンドル80とを全体的に備える。ハンドル80は、外管20の近位フランジ42内のキー溝43を係合するための1つまたは複数のキー82を備え、それによって入れ子式オブチュレータ15のハンドル80は、組織を通しての導入中に入れ子式アクセスカニューレ10の外管20を回すために使用することができる。さらに、入れ子式オブチュレータ15のハンドル80は、キャップ70内のキー溝73を係合するための1つまたは複数のキー83を備える。前述のように、キャップ70は回転可能な部材30にキー締めされ、回転可能な部材30は入れ子式内管25を係合する。したがって、ハンドル80も内管25にキー締めされる。前述の内容のために、ハンドル80が外管20(キー82およびキー溝43を介して)と内管25(キー83およびキー溝73、キャップ70および回転可能な部材30を介して)の両方にキー締めされるので、組織を通しての入れ子式アクセスカニューレの導入中に外管20は内管25に対して回転できない。これによって、組織を通しての挿入中に入れ子式アクセスカニューレの全長が変化することが防止される。
【0053】
入れ子式オブチュレータ15のシャフト75は、複数の開口85を備える。開口85は、シャフト75がどの程度ハンドル80から延び出すかを調整するために使用されるハンドル80上に担持された解除機構90と連携して動作する。より具体的には、解除機構90は、ばね97の作用に逆らって指部96を移動させるボタン95を備える。ボタン95を押すことによって、指部96は、シャフト75内の開口85から外されることができ、それによって、シャフト75はさらにハンドル80の中に入るかまたはこれから出ることができる。逆に、ボタン95を放すことによって、指部96がシャフト75内の開口85に着座することができ、それによってハンドル80に対して適切な位置にシャフト75を係止する。
【0054】
入れ子式オブチュレータ15(および入れ子式アクセスカニューレ10)がガイドワイヤ、スイッチングスティック、および/または他の器具に沿って送達できるように、必要に応じて、入れ子式オブチュレータ15にカニューレを挿入することができる。
【0055】
次に図25Aを参照すると、使用に際して、ガイドワイヤGは、好ましくは、まず皮膚の外表面Oから出て、介在組織Tを通過し、関節包Cを通って関節Jの内部まで下降する。次に、その上に形成された長さマーカMを有するスイッチングスティックSがガイドワイヤGに沿って挿入され、その結果、スイッチングスティックSが皮膚の外表面Oから延びて介在組織Tを通って関節包Cまで下降する。次いで、ガイドワイヤGは、好ましくは手術部位から抜去され、スイッチングスティックSを所定の位置に残す。スイッチングスティックS上の長さマーカMを使用して、関節包Cから皮膚の外表面Oまでの距離を測定する。この測定は、患者固有の解剖学的構造における入れ子式アクセスカニューレの使用を最適化するように入れ子式アクセスカニューレのサイズを適切に設定するのを助けることができる。
【0056】
より具体的には、皮膚の外表面Oから関節包Cまで下降する距離のこの測定値を使用して、入れ子式アクセスカニューレ10は、たとえば内管25が外管20から延び出す角度を調整するようにキャップ70を回すことによって、所望の挿入長に設定される。次に、入れ子式オブチュレータ15は、入れ子式オブチュレータ15のシャフト75の先のとがっていない遠位先端が入れ子式アクセスカニューレ10の内管25の遠位端から延び出すように、およびキー82および83がそれぞれキー溝43および73に着座するように、入れ子式アクセスカニューレ10内に配設される。次いで、入れ子式オブチュレータ15は、たとえばボタン95を押してシャフト75がハンドル80から延び出す長さを調整することによって、対応する長さに設定される。
【0057】
次に、ここで図25Bおよび図25Cを参照すると、入れ子式オブチュレータ15は、たとえば外管20の外側ねじ山35を組織の中に回し入れるように同時にハンドル80を押して回すことによって、入れ子式アクセスカニューレ10を組織に挿入するために使用される。これが行われると、キー溝43および73内のキー82および83それぞれの係合によって、外管20と内管25は互いに対して移動しないことが理解されるであろう。カニューレの前進は、好ましくは、外管20の近位フランジ42が皮膚の外表面に降りるまで継続される。次に、スイッチングスティックSおよび入れ子式オブチュレータ15が入れ子式アクセスカニューレ10から抜去される。図25Dおよび図25Eを参照されたい。
【0058】
この時点で、入れ子式アクセスカニューレの全長は、キャップ70を回すことによって、必要に応じてさらに調整されることができ、それによって外管20に対して内管25を移動させる。この動作によって、内管25の遠位端は、外管20に対して延びるかまたは引き込むが、組織に対して外管20を静止したままにし、それによって組織の創傷を最小限にする。その後、入れ子式アクセスカニューレ10は、入れ子式アクセスカニューレの中央管腔に器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)を通過させ、それによって関節内の遠い手術部位に到達することによって、股関節の内部にアクセスするための通路として使用されることができる。
【0059】
重要なことに、続いて、手技中に、入れ子式アクセスカニューレ10の長さをそのままの位置で変更することが望まれる場合、これはキャップ70を回転させるだけで安全かつ好都合に行われることができ、それによって外管20に対する内管25の遠位端の配列を調整する。この場合もやはり、これは組織に対する外管20の位置を変化させずに行われる。
【0060】
重要なことに、入れ子式アクセスカニューレ10の長さは、手術手技中に複数回調整されることができる。たとえば、使用者が、外管20を移動させずに、入れ子式アクセスカニューレの遠位端を引き込んだり、近位方向に移動させたりすることを望むことがある。これによって、たとえば、その後でカニューレを通して挿入される器具の可動性を向上させることができる可能性がある。さらに、これは、手術手技の途中で、たとえば組織の腫脹によって皮膚の外表面から関節内のある場所までの距離が変化したので、実施されることができる−この場合、入れ子式アクセスカニューレの全長を変化させることによって、カニューレの遠位端は同じ場所に留まることができる。
【0061】
次に図26を参照すると、入れ子式アクセスカニューレ10に関連する構造が示されている。より具体的には、図26に示される入れ子式アクセスカニューレは、好ましくは、本発明のこの形態では、指部50Aが回転可能な部材30上に形成され、長手方向のスロット55Aが内管25内に形成される点を除いて、図16〜図22に示される入れ子式アクセスカニューレと実質的に同一である−指部50Aは、回転可能な部材30から内管25に回転動作を伝えるように、長手方向のスロット55Aに入る。
入れ子式アクセスカニューレの第2のタイプ
本発明の別の形態において、スプライン接続は、キー締めされた駆動体(すなわち、前述の回転可能な部材)から入れ子式内管に回転動作を伝えるために使用されることができる。より具体的には、ここで図27および図28を参照すると、本発明に従って形成された別の新規な入れ子式アクセスカニューレ110が示されている。入れ子式アクセスカニューレ110は、患者の組織に着座するための管状の静止体(stationary body)120(すなわち、前述の外管)と、静止体120に対して調節可能に配置するための入れ子式内管125と、静止体120に対して入れ子式内管125を回し、それによって静止体120に対して入れ子式内管125を調節可能に配置するためのキー締めされた管状の駆動体130とを全体的に備える。管状の静止体120、入れ子式内管125、およびキー締めされた管状の駆動体130は、皮膚の上面から股関節の内部まで下降する手術経路(または「通路」)を提供するために使用できる中央管腔を有する入れ子式管状ライナ構造を共に形成し、それによって、器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)が関節内の遠い手術部位に到達するように入れ子式アクセスカニューレの中央管腔を通過することができる。このようにして、入れ子式アクセスカニューレは、最小侵襲の「鍵穴」手術が股関節で実施できるようにするために使用することができる。
【0062】
より具体的には、静止体120は、その外表面に形成された固着用ねじ山(securement threads)135とその内表面に形成された変換用ねじ山(translation threads)140とを有する管状構造を全体的に備える。固着用ねじ山135は、静止体120の近位端に示されているが、静止体120の遠位部分または中央部分に位置してもよいし、静止体120の長さ全体にわたって位置してもよい。あるいは、内管125は、固着用ねじ山を(たとえば、内管125が静止体120から安全に離れている場合、その遠位端に)備えてもよい。静止体120の近位部分は、好ましくは、フランジ145を備える。フランジ145は、好ましくは、以下により詳細に説明するように、入れ子式オブチュレータ15の1つまたは複数のキー82を選択的に受けるための1つまたは複数のキー溝150(図28)を備える。
【0063】
入れ子式内管125は、静止体120内に摺動可能に受けられるようなサイズをした、かつその外表面に形成された変換用ねじ山155と、その近位端に形成された少なくとも1つの、好ましくは複数のスロット160とを有する管状構造を全体的に備える。入れ子式内管125の変換用ねじ山155は、静止体120の変換用ねじ山140を係合し、その結果、入れ子式内管125が静止体120に対して回転すると、静止体120に対して入れ子式内管125が長手方向に移動する。入れ子式内管125の変換用ねじ山155は、ねじ山の一部分であってもよいし、完全なねじ山であってもよいし、複数のねじ山であってもよい。入れ子式内管125の近位端の近くまたは近位端にある止め具167は、静止体120に対する入れ子式内管125の遠位移動の範囲を制限するように、静止体120の遠位端にあるまたは遠位端の近くの対応する止め具166を係合する。
【0064】
キー締めされた駆動体130は、静止体120に回転自在に取り付けられそこから遠位に延びる少なくとも1つの、好ましくは複数の、指部170を有する短い管状の頭部165を全体的に備える。キー締めされた駆動体130の指部170は入れ子式内管125のスロット160を係合し、その結果、キー締めされた駆動体130に与えられた回転動作は、指部170およびスロット160を介して入れ子式内管125に伝えられることができる。指部170およびスロット160は、したがって、スプラインタイプの機構として作用する。
【0065】
管状の静止体120、入れ子式内管125、および管状のキー締めされた駆動体130はすべて互いに同軸に合わされ、その結果、それぞれの管腔が、組み立てられた入れ子式アクセスカニューレのための中央管腔を共同で形成することが理解されるであろう。
【0066】
1つまたは複数の器具を通過させるシール175は、好ましくは、管状の頭部165内に配設される。以下により詳細に説明するように、中空のリムキャップ176はシール175を管状の頭部165に捕らえ、1つまたは複数のキー溝177(図27)は、入れ子式オブチュレータ15のキー83を選択的に受けるためにキャップ176内に形成される。キャップ176は、静止体120のフランジ145に対して回転可能であるが、キー締めされた駆動体130に対しては固定されており、その結果、キャップ176が回転すると、キー締めされた駆動体130が静止体120に対して回る。
【0067】
静止体120、入れ子式内管125、キー締めされた駆動体130、およびキャップ176は、完全な入れ子式アクセスカニューレ110を共に構成するように、示された方法で共に組み立てられる。前述の構造のために、キャップ176に与えられた回転動作が、キー締めされた駆動体130に伝えられ、その後で指部170およびスロット160を介して入れ子式内管125に伝えられ、その結果、キャップ176を回転させるだけで、静止体120に対する入れ子式内管125の長手方向の位置が調整できることが理解されるであろう。
【0068】
一実施形態では、入れ子式アクセスカニューレ110が、組織を通しての導入中に入れ子式オブチュレータ15によって捻られて回されるとき、入れ子式内管125と静止体120が互いに対して回転せず、入れ子式アクセスカニューレの全長が一定を保つように、入れ子式オブチュレータ15は、(たとえば、入れ子式オブチュレータ15のキー82が静止体120のキー溝150に受けられ、入れ子式オブチュレータ15のキー83がキャップ176のキー溝177に受けられることによって)静止体120およびキャップ176に接続されることができる。
【0069】
使用に際して、キャップ176は、静止体120に対する所望の長手方向の位置に入れ子式内管125を配置するように最初に回転され、次に入れ子式オブチュレータ15が入れ子式アクセスカニューレ110の中に挿入され、その結果、入れ子式オブチュレータ15の遠位端が入れ子式アクセスカニューレ10の遠位端から延び出て、入れ子式オブチュレータ15の1つまたは複数のキー82が静止体120の1つまたは複数のキー溝150を係合し、入れ子式オブチュレータ15の1つまたは複数のキー83がキャップ176の1つまたは複数のキー溝177を係合する。次に、入れ子式オブチュレータ15は、入れ子式カニューレの遠位端が関節に配設され、静止体120のフランジ145が皮膚の外表面に対接するまで、解剖学的構造を通して(たとえば、スイッチングスティックに沿って)入れ子式アクセスカニューレ110を前進させるために使用される。実際には、使用者は、最初に入れ子式アクセスカニューレの遠位端を関節にちょうど隣接させて、またはちょうど関節内に配置するように選定することができる。使用者は、静止体120のフランジ145を皮膚の上面からやや間を置くように配置するように選定することもできる。これが行われると、入れ子式オブチュレータ15は、キー82およびキー溝150、ならびにキー83およびキー溝177を介して入れ子式アクセスカニューレ110を回すために使用されることができ、その結果、静止体120の固着用ねじ山135は組織の中に回し入れられる。必要に応じて、前述のように、このカニューレの展開は、ガイドワイヤ、スイッチングスティック、および/または他の器具類に沿って遂行されることができる。その後、入れ子式オブチュレータ15は抜去することができ、次いで必要に応じて、キー締めされた駆動体130が、静止体120に対する入れ子式内管125の位置を調整し、それによって静止体120に対する、したがって解剖学的構造に対する、入れ子式内管125の遠位端の位置を設定するように、キャップ176を介して回されることができる。次に、入れ子式アクセスカニューレは、入れ子式アクセスカニューレの中央管腔に器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)を通過させ、それによって関節内の遠い部位に到達することによって、股関節の内部にアクセスするための通路として使用されることができる。
【0070】
重要なことに、入れ子式アクセスカニューレの構造によって、入れ子式アクセスカニューレの全長は、体内で展開される前または体内で展開された後またはその両方で調整されることができる。
【0071】
次に図29を参照すると、入れ子式アクセスカニューレ110に関連する構造が示されている。より具体的には、図29に示される入れ子式アクセスカニューレは、好ましくは、本発明のこの形態では、スロット160Aがキー締めされた駆動体130上に形成され、指部170Aが入れ子式内管125に形成される点を除いて、図27および図28に示される入れ子式アクセスカニューレと実質的に同一である。前述のように、複数の指部およびスロットが好ましいが、必要に応じてたった1つの指部およびたった1つのスロットを設けてもよい。
入れ子式アクセスカニューレの第3のタイプ
本発明の別の形態において、ねじ山は、回転可能な部材から入れ子式内管に回転動作を伝えるために使用されることができる。
【0072】
より具体的には、次に図30〜図35を参照すると、本発明に従って形成された新規な入れ子式アクセスカニューレ200が示されている。入れ子式アクセスカニューレ200は、患者の組織に着座するための管状の静止体205と、静止体205に対して調節可能に配置するための入れ子式内管210と、静止体205に対して入れ子式内管210を回し、それによって静止体205に対して入れ子式内管210を調節可能に配置するための管状のねじ付き駆動体(threaded driver)215とを全体的に備える。管状の静止体205、入れ子式内管210、および管状のねじ付き駆動体215は、皮膚の上面から股関節の内部まで下降する手術経路(または「通路」)を提供するために使用できる中央管腔を有する入れ子式管状ライナ構造を共に形成し、それによって、器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)が関節内の遠い手術部位に到達するように入れ子式アクセスカニューレの中央管腔を通過することができる。このようにして、入れ子式アクセスカニューレは、最小侵襲の「鍵穴」手術が股関節で実施できるようにするために使用することができる。
【0073】
より具体的には、静止体205は管状構造を全体的に備える。静止体205の近位部分は、好ましくは、前述の入れ子式オブチュレータ15のキー82を受けるためのキー溝222を有するフランジ220を備える。固着用ねじ山(図示せず)は、必要に応じて、静止体205の外表面に配設されることができる。静止体205の内側管腔は、好ましくは、六角形の断面を有して形成される。
【0074】
入れ子式内管210は、静止体205内に摺動可能に受けられるようなサイズをした、かつその内表面に形成された変換用ねじ山225を有する管状構造を全体的に備える。入れ子式内管210の少なくとも一部分は、静止体205の少なくとも1つの平面と合わせるため少なくとも1つの平面を有して形成され、その結果、入れ子式内管210は静止体205に対して回転できない。これは、ねじ付き駆動体215の回転が長手方向の移動を入れ子式内管210に与えることができる場合に重要である。一実施形態では、入れ子式内管210の外表面は6つの平面(たとえば、六角形の形状)を備え、静止体205の内表面は対応する6つの平面(たとえば、対応する六角形の形状)を備える。図32は、入れ子式内管210および対応する六角形の形状を有する静止体205の断面図である。静止体205および入れ子式内管210の六角形の断面が描かれているが、静止体205に対する内管210の回転を防止する任意の機構で十分とすることができる。たとえば、他の場合は円形の形状上の単一の平面、八角形の断面、スロット内で摺動するキーなどはいずれも、2つの部材の間の回転を阻止するために利用することができる。
【0075】
ねじ付き駆動体215は、入れ子式内管210内に摺動可能に受けられるようなサイズをした、かつその外表面に形成された変換用ねじ山230を有する管状構造を全体的に備える。ねじ付き駆動体215の近位部分は、前述の入れ子式オブチュレータ15のキー83を受けるためのキー溝236を有するフランジ235を備える。好ましくは、器具を通過させる1つまたは複数のシールは、フランジ235内に配設される。ねじ付き駆動体215のフランジ235は静止体205のフランジ220に回転自在に取り付けられ、その結果、ねじ付き駆動体235は、静止体205に対して回転自在に移動できるが、静止体205に対して長手方向に移動できない。ねじ付き駆動体215の変換用ねじ山230は入れ子式内管210の変換用ねじ山225を係合し、その結果、ねじ付き駆動体215に与えられた回転動作は、変換用ねじ山230、225を介して入れ子式内管210に伝えられることができる。
【0076】
静止体205、入れ子式内管210、およびねじ付き駆動体215は、完全なアクセスカニューレ200を構成するように、示された方法で共に組み立てられる。前述の構造のために、ねじ付き駆動体215に与えられた回転動作が変換用ねじ山230、225を介して入れ子式内管210に伝えられ、その結果、ねじ付き駆動体215を回転させることにより、静止体205に対する入れ子式内管210の長手方向の位置が調整できることが理解されるであろう。
【0077】
管状の静止体205、入れ子式内管210、および管状のねじ付き駆動体215はすべて互いに同軸に合わされ、その結果、それぞれの管腔が、組み立てられた入れ子式アクセスカニューレのための中央管腔を共同で形成することが理解されるであろう。
【0078】
使用に際して、入れ子式アクセスカニューレ200は、最初に、たとえば静止体205に対する入れ子式内管210の遠位端の位置を調整するようにねじ付き駆動体215を回すことによって、所望の全長を有するように調整される。次に、入れ子式アクセスカニューレ200は、たとえば前述のように入れ子式オブチュレータ15を使用することによって組織内に配設され、入れ子式オブチュレータ15のキー82、83がそれぞれ入れ子式アクセスカニューレ200のキー溝222、236内に配設される。次いで、入れ子式オブチュレータ15が抜去され、必要に応じて、ねじ付き駆動体215が、静止体205に対する、したがって解剖学的構造に対する、入れ子式内管210の遠位端の位置をさらに調整するために使用される。次に、入れ子式アクセスカニューレは、入れ子式アクセスカニューレの中央管腔に器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)を通過させ、それによって関節内の遠い部位に到達することによって、股関節の内部にアクセスするための通路として使用されることができる。
【0079】
重要なことに、入れ子式アクセスカニューレの構造によって、入れ子式アクセスカニューレの全長は、体内で展開される前または体内で展開された後またはその両方で調整されることができる。
【0080】
次に図36〜図41を参照すると、入れ子式アクセスカニューレ200に関連する構造が示されている。より具体的には、図36〜図41に示される入れ子式アクセスカニューレは、好ましくは、本発明のこの形態では、ねじ山225Aがねじ付き駆動体215上に形成され、ねじ山230Aが入れ子式内管210に形成される点を除いて、図30〜図35に示される入れ子式アクセスカニューレと実質的に同一である。この構造では、入れ子式内管210が静止体205に対して回転しないことが重要である。これは、図37に示されるピンおよびスロット機構、すなわちピン298が静止体205に取り付けられ、入れ子式内管210内に形成されたスロット299に入ることにより成し遂げられることができる。
入れ子式アクセスカニューレの第4のタイプ
図42〜図46は、入れ子式アクセスカニューレの全長を調整するために別の手法を使用する二段式の入れ子式アクセスカニューレ305を示す。より具体的には、この構造では、螺旋状の構成を有するトラック310を備える第1の入れ子式内管325と、入れ子式構造を形成するように螺旋状のトラック310に入る少なくとも1つの(好ましくは1対の)直径に沿って対向する指部315を備える第2の静止外管320が設けられる。管状の静止部材320および管状の入れ子式部材325は、皮膚の上面から股関節の内部まで下降する手術経路(または「通路」)を提供するために使用できる中央管腔を有する入れ子式管状ライナ構造を共に形成し、それによって、器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)が関節内の遠い手術部位に到達するように入れ子式アクセスカニューレの中央管腔を通過することができる。このようにして、入れ子式アクセスカニューレは、最小侵襲の「鍵穴」手術が股関節で実施できるようにするために使用することができる。
【0081】
より具体的には、本発明の好ましい一形態では、ほぼ管状の構造を有し、そこから内側に突き出す内部指部315を有する静止部材320が設けられ、さらに、ほぼ管状の構造を有し、その中に形成された螺旋状のトラック310を有する入れ子式部材325が設けられる。静止部材320は組織の中に置くことが意図され、このため、外側ねじ山などを含むことができる。入れ子式部材325は、静止部材320に対して回されることが意図され、その結果、トラック310内に入る指部315が回転動作を長手方向の動作に変換し、それによって静止部材320に対して入れ子式部材325を移動させる。静止部材320に対して入れ子式部材325を回すために、入れ子式部材325は、好ましくは、旋削用工具340の指部335を受けるその近位端内にスロット330を含む。必要に応じて、穴354は、入れ子式部材325が回されるとき、指部315との係合によりラチェット作用を提供するように、螺旋状のトラック315の長さに沿って配設されることができる。穴354は、開口、スロットなどであってもよいし、指部315を係合する隆起または他の任意機構に置き換えられてもよい。
【0082】
管状の静止部材320と管状の入れ子式部材325は互いに同軸に合わされ、その結果、それぞれの管腔が、組み立てられた入れ子式アクセスカニューレのための中央管腔を共同で形成することが理解されるであろう。
【0083】
したがって、本発明のこの形態により、旋削用工具340が入れ子式アクセスカニューレの所望の全長を設定するために最初に使用され、次に静止部材320が組織の中に置かれ、次いで旋削用工具340が、入れ子式アクセスカニューレが組織の中にある間にその全長をさらに調整するために使用されることが分かるであろう。次に、入れ子式アクセスカニューレは、入れ子式アクセスカニューレの中央管腔に器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)を通過させ、それによって関節内の遠い部位に到達することによって、股関節の内部にアクセスするための通路として使用されることができる。
【0084】
重要なことに、入れ子式アクセスカニューレの構造によって、入れ子式アクセスカニューレの全長は、体内で展開される前または体内で展開された後またはその両方で調整されることができる。
【0085】
本発明の好ましい一形態では、入れ子式部材325が最初に静止部材320の中に完全に引き込まれ、静止部材320が組織の中に置かれ、次いで旋削用工具340が入れ子式アクセスカニューレの全長を調整するために使用される。
入れ子式アクセスカニューレの第5のタイプ
図47〜図49は、入れ子式アクセスカニューレの全長を調整するために別の手法を使用する二段式の入れ子式アクセスカニューレ400を示す。より具体的には、この構造では、管状の静止部材405および管状の入れ子式部材410が設けられる。管状の静止部材405と管状の入れ子式部材410は、皮膚の上面から股関節の内部まで下降する手術経路(または「通路」)を提供するために使用できる中央管腔を有する入れ子式管状ライナ構造を共に形成し、それによって、器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)が関節内の遠い手術部位に到達するように入れ子式アクセスカニューレの中央管腔を通過することができる。このようにして、入れ子式アクセスカニューレは、最小侵襲の「鍵穴」手術が股関節で実施できるようにするために使用することができる。
【0086】
静止部材405は組織の中に置くことが意図され、このため、外側ねじ山などを含むことができる。入れ子式部材410は、入れ子式アクセスカニューレの全長を調整するように、静止部材405に対して回されることが意図される。このため、入れ子式部材410は、近位フランジ420内で終わり、かつその中に形成された少なくとも1つの螺旋状の通し穴(through−slot)425を有するシャフト415を備える。シャフト415は、その遠位端に少なくとも1つの長手方向のスロット430を有する。長手方向のスロット430は、静止部材405の側壁から内側に突き出すピン435を受ける。この構造の結果、入れ子式部材410の近位フランジ420が回されると、螺旋状の通し穴425が存在することにより、近位フランジ420が回される方向によって、シャフト415が長くなるか短くなる。
【0087】
管状の静止部材405と管状の入れ子式部材410は互いに同軸に合わされ、その結果、それぞれの管腔が、組み立てられた入れ子式アクセスカニューレのための中央管腔を共同で形成することが理解されるであろう。
【0088】
したがって、本発明のこの形態では、近位フランジ420が入れ子式アクセスカニューレの所望の全長を設定するために最初に回され、次に静止部材405が組織の中に置かれ、次いで近位フランジ420が、入れ子式アクセスカニューレの全長をさらに調整するために使用される。次に、入れ子式アクセスカニューレは、入れ子式アクセスカニューレの中央管腔に器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)を通過させ、それによって関節内の遠い部位に到達することによって、関節の内部にアクセスするための通路として使用されることができる。
【0089】
重要なことに、入れ子式アクセスカニューレの構造によって、入れ子式アクセスカニューレの全長は、体内で展開される前または体内で展開された後またはその両方で調整されることができる。
【0090】
本発明の好ましい一形態では、入れ子式部材410が最初に静止部材405の中に完全に引き込まれ、静止部材405が組織の中に置かれ、次いで近位フランジ420が入れ子式アクセスカニューレの全長を調整するために使用される。
【0091】
静止部材405と入れ子式部材410の間の回転を防止するために種々の代替構造を使用できることを理解されたい。したがって、図47〜図49は、ピン435を受ける長手方向のスロット430を示しているが、静止部材405と入れ子式部材410の間の回転を防止する任意の機構で(たとえば、平面、六角形の断面、キー溝など)十分である。
入れ子式アクセスカニューレの第6のタイプ
本発明の別の形態では、線形ラチェット機構が、入れ子式アクセスカニューレを形成するために使用される。
【0092】
より具体的には、ここで図50〜図52を参照すると、本発明に従って形成された新規な入れ子式アクセスカニューレ500が示されている。
【0093】
入れ子式アクセスカニューレ500は、患者の組織に着座するための管状の静止体505と、静止体505に対して調節可能に配置するための入れ子式内管510とを全体的に備える。管状の静止体505と入れ子式内管510は、皮膚の上面から股関節の内部まで下降する手術経路(または「通路」)を提供するために使用できる中央管腔を有する入れ子式管状ライナ構造を共に形成し、それによって、器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)が関節内の遠い手術部位に到達するように入れ子式アクセスカニューレの中央管腔を通過することができる。このようにして、入れ子式アクセスカニューレは、最小侵襲の「鍵穴」手術が股関節で実施できるようにするために使用することができる。
【0094】
より具体的には、静止体505は管状構造を全体的に備える。静止体505の近位部分は、好ましくは、フランジ515を備える。固着用ねじ山(図示せず)は、必要に応じて、静止体505の外表面に配設されることができる。複数のラチェット開口520は、以下により詳細に説明するように、入れ子式内管510と相互作用するため静止体505内に形成される。
【0095】
入れ子式内管510は、静止体505内に摺動可能に受けられるようなサイズをした管状構造を全体的に備える。入れ子式内管510の近位端は直径に沿って対向する複数の指部525内で終わる。直径に沿って対向する指部525は可撓性であり、以下により詳細に説明するように、静止体505のラチェット開口520と相互作用するため近位端に爪530を含む。
【0096】
静止体505および入れ子式内管510は、完全な入れ子式アクセスカニューレ500を共に構成するように、示された方法で共に組み立てられる。前述の構造のために、入れ子式内管510は静止体505内に長手方向に前進されることができ、爪530が静止体505内のラチェット開口520とラチェット係合することが理解されるであろう。したがって、入れ子式内管510の長手方向の位置は、前述のラチェット機構によって静止体505に対して前進または後退されることができる。
【0097】
管状の静止体505と入れ子式内管510は互いに同軸に合わされ、その結果、それぞれの管腔が、組み立てられた入れ子式アクセスカニューレのための中央管腔を共同で形成することが理解されるであろう。
【0098】
種々の展開用工具は、静止体505に対して入れ子式内管510を前進または後退させるために使用されることができる。そのうえ、直径に沿って対向する指部525がまとめて引き出されることができるように(すなわち、爪530をラチェット開口520から静止体505の内部に引っ込めるように)これらの展開用工具を適切に構成することによって、入れ子式内管510は、静止体505に対して近位に完全に引き出されることができる。
【0099】
使用に際して、入れ子式アクセスカニューレ500は、好ましくは、最初に組織内に配設され、次に、入れ子式内管510がラチェット機構を使用して静止体505に対して、したがって解剖学的構造に対して、前進される。そのうえ、前述の展開用工具を適切に構成することによって、入れ子式内管510は、静止体505に対して近位に引っ込めることができる。次に、入れ子式アクセスカニューレは、入れ子式アクセスカニューレの中央管腔に器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)を通過させ、それによって関節内の遠い部位に到達することによって関節の内部にアクセスするための通路として使用されることができる。
【0100】
重要なことに、入れ子式アクセスカニューレの構造によって、入れ子式アクセスカニューレの全長は、体内で展開される前または体内で展開された後またはその両方で調整されることができる。
【0101】
本発明の好ましい一形態では、静止体505と入れ子式内管510の間の適切な位置合わせを確保するための位置合わせ手段が設けられる。より具体的には、本発明のこの形態では、入れ子式内管510に形成された位置合わせ指部540を受ける、静止体505内の位置合わせスロット535が提供される。
【0102】
次に図53および図54を参照すると、必要に応じて、静止体505は個別のラチェット開口520Aを備えることができ、入れ子式内管510は、近位端に爪530Aを含む指部525Aを備えることができ、爪530Aはラチェット開口520A内に取り外し可能に受けられ、それによって入れ子式アクセスカニューレ500の全長を調整する。
入れ子式アクセスカニューレの第7のタイプ
図55〜図58は、二段式の入れ子式アクセスカニューレ600が、その第1段階(すなわち、外管605)およびその第2段階(すなわち、入れ子式内管610)をどのようにして「捻り/摺動/捻り」手法により互いに調整可能に係止させることができるかを示す。外管605と内管610は、皮膚の上面から股関節の内部まで下降する手術経路(または「通路」)を提供するために使用できる中央管腔を有する入れ子式管状ライナ構造を共に形成し、それによって、器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)が関節内の遠い手術部位に到達するように入れ子式アクセスカニューレの中央管腔を通過することができる。このようにして、入れ子式アクセスカニューレは、最小侵襲の「鍵穴」手術が股関節で実施できるようにするために使用することができる。
【0103】
より具体的には、本発明のこの形態では、複数の段階の1つ(たとえば、外管605)がその中に形成されたトラック615を有し、トラック615が周方向に延びる複数のスロット620を含み、複数の段階の他方(たとえば、入れ子式内管610)がトラック615内に受けられた指部625を有する。この組み合わせの結果、適切な「捻り/摺動/捻り」作用を使用することによって、指部625は、周方向に延びる適切なスロット620に着座でき、それによって入れ子式アクセスカニューレ600の全長を調整可能に設定する。
【0104】
外管605と内管610は互いに同軸に合わされ、その結果、それぞれの管腔が、組み立てられた入れ子式アクセスカニューレのための中央管腔を共同で形成することが理解されるであろう。
入れ子式アクセスカニューレの第8のタイプ
本発明の別の形態では、モジュール構造が、入れ子式アクセスカニューレを形成するために使用される。
【0105】
より具体的には、ここで図59および図60を参照すると、新規な入れ子式アクセスカニューレ700が示されている。入れ子式アクセスカニューレ700は、患者の組織内に着座するための管状の静止体715と、静止体715に対して調節可能に配置するための入れ子式内管720とを全体的に備える。管状の静止体715と入れ子式内管720は、皮膚の上面から股関節の内部まで下降する手術経路(または「通路」)を提供するために使用できる入れ子式管状ライナ構造を共に形成し、それによって、器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)が関節内の遠い手術部位に到達するように入れ子式アクセスカニューレの中央管腔を通過することができる。このようにして、入れ子式アクセスカニューレは、最小侵襲の「鍵穴」手術が股関節で実施できるようにするために使用することができる。
【0106】
より具体的には、静止体715は、その外表面に形成された固着用ねじ山(securement threads)725とその内表面に形成された変換用ねじ山(図示せず)とを有する管状構造を全体的に備える。静止体715の近位部分は、好ましくは、フランジ730を備える。フランジ730は、好ましくは、対応する入れ子式オブチュレータの1つまたは複数のキーを選択的に係合するための1つまたは複数のキー溝735を備える。
【0107】
入れ子式内管720は、静止体715内に摺動可能に受けられるようなサイズをした、かつその外表面に形成された変換用ねじ山740を有する管状構造を全体的に備える。入れ子式内管720の変換用ねじ山740は、静止体715の前述の変換用ねじ山(図示せず)を係合し、その結果、入れ子式内管720が静止体715に対して回転すると、静止体715に対して入れ子式内管720が長手方向に移動する。入れ子式内管720は、好ましくは、対応する入れ子式オブチュレータ内の1つまたは複数のキーによって選択的に係合するためその近位端に1つまたは複数のキー溝745を含む。
【0108】
静止体715および入れ子式内管720は、完全な入れ子式アクセスカニューレ700を構成するように、示された方法で共に組み立てられる。前述の構造のために、入れ子式内管720に与えられた回転動作によって、静止体715に対する入れ子式内管720の長手方向の位置が調整されることが理解されるであろう。
【0109】
管状の静止体715と入れ子式内管720は互いに同軸に合わされ、その結果、それぞれの管腔が、組み立てられた入れ子式アクセスカニューレのための中央管腔を共同で形成することが理解されるであろう。
【0110】
したがって、本発明のこの形態では、入れ子式内側部材720が、入れ子式アクセスカニューレの所望の全長を設定するように最初に回され、次に静止体715が組織の中に置かれ、次いで入れ子式内側部材720が、入れ子式アクセスカニューレの全長をさらに調整するように、必要に応じてさらに回される。次に、入れ子式アクセスカニューレは、入れ子式アクセスカニューレの中央管腔に器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)を通過させ、それによって関節内の遠い部位に到達することによって、関節腔の内部にアクセスするための通路として使用されることができる。
【0111】
重要なことに、入れ子式アクセスカニューレの構造によって、入れ子式アクセスカニューレの全長は、体内で展開される前または体内で展開された後またはその両方で調整されることができる。
入れ子式アクセスカニューレの第9のタイプ
次に図61〜図65を参照すると、新規な別の入れ子式アクセスカニューレ800が示されている。入れ子式アクセスカニューレ800は、皮膚の上面から股関節の内部まで下降し、それによって、器具類(たとえば、関節鏡、手術器具など)が入れ子式アクセスカニューレの中央管腔を通過して関節内の遠い手術部位に到達できるようにする手術経路(または「通路」)を提供するために使用できる、中央管腔を有する入れ子式管状ライナ構造を共に形成する外側スリーブ805と内側スリーブ820とを全体的に備える。このようにして、入れ子式アクセスカニューレは、最小侵襲の「鍵穴」手術が股関節で実施できるようにするために使用することができる。
【0112】
より具体的には、入れ子式アクセスカニューレ800は、(i)近位リップとシール810とガイドスロット815とを含む外側スリーブ805と、(ii)遠位リップ825とガイドピン830とを含む内側スリーブ820と、(iii)引張ばね835とを全体的に備える。内側スリーブ820は外側スリーブ805内に入れ子式に配設され、ガイドスロット815とガイドピン830はスムーズな入れ子動作を確実にし、引張ばね835は近位リップおよびシール810に向けて遠位リップ825を弾性的に(yieldably)付勢する。管状の外側スリーブ805と管状の内側スリーブ820は互いに同軸に合わされ、その結果、それぞれの管腔が、組み立てられた入れ子式アクセスカニューレのための中央管腔を共同で形成することが理解されるであろう。
追加の構造
前述の内容に加えて、入れ子式アクセスカニューレの少なくとも一部分(たとえば、内管)は光学的に透過性の材料から形成されることができ、その結果、入れ子式アクセスカニューレが、外部光源(たとえば、光ダイオード(light diode)またはライトボックス)から入れ子式アクセスカニューレの遠位端周辺の領域に光を送るための光導管(light conduit)の役割を果たす場合があることも予想される。このような手法は、関節の内部内の入れ子式アクセスカニューレの遠位端に隣接して配設された構造の可視化を改良するために使用されることができ、また、より小型の内視鏡の使用を可能にすることができ、これは、関節への改良されたアクセスを容易にできるので、きわめて有利となり得る。この実施形態では、内側カニューレは、好ましくは、アクリルまたはポリカーボネートなどの光学的に透過性の材料から形成される。
【0113】
また、本発明のいくつかの好ましい形態では、入れ子式アクセスカニューレは、入れ子式アクセスカニューレに縫合を固着する際に使用するために入れ子式アクセスカニューレの近位端(たとえば、静止管またはノブなど)に固定機構(たとえば、スロット、ノブなど)を備えてもよい。
【0114】
さらに、本発明のいくつかの好ましい形態では、入れ子式アクセスカニューレは、入れ子式アクセスカニューレに器具を取り外し可能に固着するための固定機構、たとえば入れ子式アクセスカニューレに対して適切な位置に器具を保持するように入れ子式アクセスカニューレの近位端に取り付けるクランプを含むことができる。この機構は、入れ子式アクセスカニューレ(これ自体は患者の組織に対して安定化される)に対して器具を安定化させることによって、手術手技中に必要とされる「手」の数を減少させるのに役立つことができる。
【0115】
そのうえ、入れ子式アクセスカニューレは、固定機構および/または手術手技で使用される経皮器具を支持および/またはガイドするための他の補助器具(aid)を含むことができる。限定ではなく例を挙げると、入れ子式アクセスカニューレは、経皮デバイスを体内の特定の場所に向けるのに役立つように入れ子式アクセスカニューレに取り付けられたガイドを含んでもよい。
【0116】
そのうえ、前述したように、静止管上のポート(たとえば、外管20内のポート40)は、静止管の内部と流体連通する。したがって、流体は、関節腔に出入りするように、内管、静止管、およびポートを通って進むことができる。管類はポートに接続されることができる。一実施形態では、流体は、管類を介して関節にポンプ注入されることができる。別の実施形態では、流体は、ポート40を介して関節から排水されることができる。管類は、流体流を方向付け可能なポート40に接続されることができる。あるいは、管類は、能動吸引器(active suction)に取り付けられることができる。
【0117】
そのうえ、静止管は、管の側壁を完全に通過する1つまたは複数の穴を備えることができ、その結果、管の内部は静止管の外面に隣接する領域と連通する。これにより、隣接組織で回収された流体は、入れ子式アクセスカニューレに排出され、カニューレのポートから出ることができる。入れ子式内管は、必要に応じて類似の開口を備えることができる。
【0118】
そのうえ、シールは入れ子式アクセスカニューレの近位の場所に示されているが、シールのうち1つまたは複数は、別法として、入れ子式アクセスカニューレのより遠位の場所に位置することができる。たとえば、遠位シールが静止管の遠位領域に位置することができ、近位シールは静止管の近位端に位置することができる。あるいは、遠位シールは内管に位置することができる。
追加の入れ子式オブチュレータ構造
図66〜図68は、追加の入れ子式オブチュレータ構造を示す。より具体的には、図66〜図68に示される入れ子式オブチュレータは、ハンドル80が開口85Aを備え、シャフト75が指部96Aを含むことを除いて、前述の入れ子式オブチュレータ15と実質的に同じである。本発明のこの形態では、ハンドル80に対するシャフト75の配列は、(i)開口85Aを指部96Aから離し、(ii)ハンドル80に対するシャフト75の配列を調整し、(iii)開口85Aを指部96Aに近付けることによって、調整される。この実施形態では、開口85Aを備える移動可能なラックは、ボタン95Aを押すことによって作動され、たとえばボタン95Aが作動されると、移動可能なラック(開口85Aを担持する)が回転して指部96Aとの位置合わせが解消され、ボタン95Aを放すと、移動可能なラック(開口85Aを担持する)が回転して指部96Aとの位置合わせが戻る。
【0119】
図69〜図72は、さらに別の入れ子式オブチュレータ構造を示す。より具体的には、図69〜図72に示される入れ子式オブチュレータ15Aは、調整リングR(図69)をさらに備えることを除いて、前述の入れ子式オブチュレータ15と実質的に同じである。調整リングRは、オブチュレータのハンドル80Aに連結されるが、ハンドルに対して、すなわちシャフト75Aのまわりで回転することが可能である。調整リングRは、入れ子式アクセスカニューレ10が入れ子式オブチュレータ15Aに取り付けられるとき、キー82Aがキー溝43を噛み合い係合する(図71)ように、入れ子式アクセスカニューレ10のキー溝43を係合するキー82Aを有する。入れ子式オブチュレータ15Aは、ハンドル80Aに連結されているが調整リングRには連結されないキー83Aをさらに備える。したがって、調整リングRがハンドル80Aのまわりを回転しても、キー83Aは回転しない(図69)。入れ子式アクセスカニューレ10が入れ子式オブチュレータ15Aに取り付けられると、キー83Aは入れ子式アクセスカニューレ10のキー溝43を係合する。したがって、調整リングRが回転されると、外管20は回転するが、キャップ70は回転しない。これは、事実上、外管25を静止に保ちながらキャップ70を回転させるのと同じ動作である。いずれも、入れ子式アクセスカニューレ10の全長を変化させる。図72は、図71に比べて伸張された状態である入れ子式アクセスカニューレ10を示す。
【0120】
動作に際して、入れ子式オブチュレータ15Aは所望の長さに調整される。これは、入れ子式アクセスカニューレ10が前述のように最初に長さを調整されるのと対照的である。次に、入れ子式アクセスカニューレ10が入れ子式オブチュレータ15Aに取り付けられる。次いで、入れ子式オブチュレータ15Aの調整リングRが、入れ子式アクセスカニューレ10の長さを適正な長さに調整するように回転される。具体的には、これは、入れ子式アクセスカニューレ10の遠位端をマーカまたは入れ子式オブチュレータ15Aのシャフト75Aの遠位端の指定の場所に合わせることによって達成される。
入れ子式アクセスカニューレのいくつかの態様
したがって、本発明が、その位置とその位置以外の位置の両方で入れ子式アクセスカニューレの長さを調整するための多数の手法を提供することが分かるであろう。さらに、本発明は、(i)皮膚の表面と関節の内部の間の組織構造を保護するため、および/または(ii)皮膚の表面と関節包の間の距離を測定し、測定された距離に従って入れ子式アクセスカニューレの長さを調整し、次に入れ子式アクセスカニューレを組織に挿入するため、および/または(iii)入れ子式アクセスカニューレの長さをその位置で調整するため、および/または(iv)入れ子式アクセスカニューレの近位端を移動させずに入れ子式アクセスカニューレの遠位端の位置をその位置で調整するためなどの、改良された新しい手法を含むがこれらに限定されない所望の手術作業を実行するための多数の手法を提供する。
他の適用例のための入れ子式アクセスカニューレの使用
本発明の新規な入れ子式アクセスカニューレは、股関節以外の関節にアクセスするために(たとえば、入れ子式アクセスカニューレは肩関節にアクセスするために使用されることができる)、および/または他の内部体腔(たとえば、腹腔)にアクセスするために使用されることができることが理解されよう。
好ましい実施形態の変更形態
本発明の本質を説明するために本明細書において詳細、材料、ステップ、および部品の配置について説明し図示してきたが、これらに対して本発明の原則および範囲内で多数の追加の変更を当業者によって加えることができることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外管と、
前記外管によって担持される内管であって、前記外管と同軸で、前記外管に対して長手方向に移動可能な内管と、
前記外管によって担持され、前記内管に接続された回転可能な部材とを備え、前記回転可能な部材が回転すると前記内管が前記外管に対して長手方向に移動する、入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項2】
前記内管が前記外管に対して回転可能である、請求項1に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項3】
前記外管がその内表面にねじ山の少なくとも一部分を有し、前記内管がその外表面にねじ山の少なくとも一部分を有する、請求項2に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項4】
前記回転可能な部材がスロットを備え、前記内管が、前記略長手方向に延びるスロット内に移動可能に配設された指部を備える、請求項3に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項5】
前記指部が横方向に延びる、請求項4に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項6】
前記回転可能な部材の前記外表面と前記内管の前記外表面が長手方向に互いに合わない、請求項4に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項7】
前記指部が長手方向に延びる、請求項4に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項8】
前記回転可能な部材の前記外表面と前記内管の前記外表面が長手方向に互いに合わされる、請求項4に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項9】
前記内管が略長手方向に延びるスロットを備え、前記回転可能な部材が、前記略長手方向に延びるスロット内に移動可能に配設された指部を備える、請求項3に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項10】
前記指部が横方向に延びる、請求項9に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項11】
前記回転可能な部材の前記外表面と前記内管の前記外表面が長手方向に互いに合わされない、請求項9に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項12】
前記指部が長手方向に延びる、請求項9に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項13】
前記回転可能な部材の前記外表面と前記内管の前記外表面が長手方向に互いに合わされる、請求項9に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項14】
前記内管が前記外管に対して回転しない、請求項1に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項15】
前記内管がその内表面にねじ山の少なくとも一部分を有し、前記回転可能な部材がその外表面にねじ山の少なくとも一部分を有する、請求項14に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項16】
前記内管がその外表面にねじ山の少なくとも一部分を有し、前記回転可能な部材がその内表面にねじ山の少なくとも一部分を有する、請求項14に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項17】
前記内管が少なくとも1つの第1の要素を備え、前記外管が少なくとも1つの第2の要素を備え、さらに前記内管の前記少なくとも1つの第1の要素が前記外管の前記少なくとも1つの第2の要素と係合することにより前記内管が前記外管に対して回転可能に固定される、請求項14に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項18】
前記内管の前記少なくとも1つの第1の要素が平面を備え、前記外管の前記少なくとも1つの第2の要素が平面を備える、請求項17に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項19】
外管と、
前記外管によって担持される内管であって、前記外管に対して長手方向に移動可能である内管とを備え、
前記外管に対する前記内管の移動が座部に対する指部の移動によって制御される、入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項20】
前記指部が非回転動作を介して前記座部に対して移動される、請求項19に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項21】
前記座部に対する前記指部の移動が線形ラチェット機構を介して制御される、請求項20に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項22】
前記外管が、略長手方向に離間する複数の開口を備え、前記内管が、前記略長手方向に離間する複数の開口に対して移動可能に配設された指部を備える、請求項21に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項23】
前記長手方向に離間する開口がスロットによって接続される、請求項22に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項24】
前記長手方向に離間する開口が互いに分離される、請求項22に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項25】
前記内管が、略長手方向に離間する複数の開口を備え、前記外管が、前記略長手方向に離間する複数の開口に対して移動可能に配設された指部を備える、請求項21に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項26】
前記長手方向に離間する開口がスロットによって接続される、請求項25に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項27】
前記長手方向に離間する開口が互いに分離される、請求項25に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項28】
前記座部の中への前記指部の移動が引張ばね係止部を介して制御される、請求項20に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項29】
前記指部が回転動作を介して前記座部に対して移動可能である、請求項19に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項30】
前記指部および前記座部が回転式ラチェット機構を一緒に構成する、請求項29に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項31】
前記外管が、略長手方向に離間する複数の開口を備え、前記内管が、前記略長手方向に離間する複数の開口に対して移動可能に配設された指部を備える、請求項30に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項32】
前記内管が、略長手方向に離間する複数の開口を備え、前記外管が、前記略長手方向に離間する複数の開口に対して移動可能に配設された指部を備える、請求項30に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項33】
前記外管が螺旋状の開口を備え、前記内管が前記螺旋状の開口内に移動可能に配設された指部を備える、請求項30に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項34】
前記内管が螺旋状の開口を備え、前記外管が前記螺旋状の開口内に移動可能に配設された指部を備える、請求項30に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項35】
外管と、
前記外管によって担持される内管であって、前記外管に対して長手方向に移動可能である内管とを備え、
前記外管に対する前記内管の回転動作によって、前記外管に対する前記内管の少なくとも一部分の長手方向の動作が可能になる、入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項36】
前記外管が螺旋状の開口を備え、さらに前記外管の近位端の回転によって前記外管の遠位端が遠位に配設される、請求項35に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項37】
前記内管が螺旋状の開口を備え、さらに前記内管の近位端の回転によって前記内管の遠位端が遠位に配設される、請求項35に記載の入れ子式アクセスカニューレ。
【請求項38】
ハンドルと、
前記ハンドルによって担持されるシャフトであって、前記ハンドルに対して長手方向に移動可能なシャフトと、
前記ハンドルに前記シャフトを選択的に係止するためのロック機構とを備える入れ子式オブチュレータ。
【請求項39】
前記ロック機構が、前記シャフト内に形成された開口と、前記ハンドルに移動可能に取り付けられた要素とを備える、請求項38に記載の入れ子式オブチュレータ。
【請求項40】
前記要素が前記ハンドルによって担持され、前記シャフト内の前記開口の中に移動可能である、請求項39に記載の入れ子式オブチュレータ。
【請求項41】
前記要素が直線動作を介して前記開口の中に移動可能である、請求項40に記載の入れ子式オブチュレータ。
【請求項42】
前記要素が回転動作を介して前記開口の中に移動可能である、請求項40に記載の入れ子式オブチュレータ。
【請求項43】
前記ロック機構が、前記ハンドル内に形成された開口と、前記シャフトに移動可能に取り付けられた指部とを備える、請求項38に記載の入れ子式オブチュレータ。
【請求項44】
前記要素が前記ハンドルによって担持され、前記シャフト内の前記開口の中に移動可能である、請求項43に記載の入れ子式オブチュレータ。
【請求項45】
前記要素が直線動作を介して前記開口の中に移動可能である、請求項44に記載の入れ子式オブチュレータ。
【請求項46】
前記要素が回転動作を介して前記開口の中に移動可能である、請求項44に記載の入れ子式オブチュレータ。
【請求項47】
入れ子式アクセスカニューレと、前記入れ子式アクセスカニューレ内に配設可能な入れ子式オブチュレータとを備えるシステムであって、
前記入れ子式アクセスカニューレが、
外管と、
前記外管によって担持される内管であって、前記外管と同軸で、前記外管に対して長手方向に移動可能な内管と、
前記外管によって担持され、前記内管に接続された回転可能な部材とを備え、前記回転可能な部材が回転すると前記内管が前記外管に対して長手方向に移動し、
前記入れ子式オブチュレータが、
ハンドルと、
前記ハンドルによって担持されるシャフトであって、前記ハンドルに対して長手方向に移動可能なシャフトと、
前記ハンドルに前記シャフトを選択的に係止するためのロック機構とを備える、システム。
【請求項48】
入れ子式アクセスカニューレと、前記入れ子式アクセスカニューレ内に配設可能な入れ子式オブチュレータとを備えるシステムであって、
前記入れ子式アクセスカニューレが、
外管と、
前記外管によって担持される内管であって、前記外管に対して長手方向に移動可能である内管とを備え、
前記外管に対する前記内管の移動が座部に対する指部の移動によって制御され、
前記入れ子式オブチュレータが、
ハンドルと、
前記ハンドルによって担持されるシャフトであって、前記ハンドルに対して長手方向に移動可能なシャフトと、
前記ハンドルに前記シャフトを選択的に係止するためのロック機構とを備える、システム。
【請求項49】
体外に位置する第1の場所から体内に位置する第2の場所までのアクセス通路を提供するための方法であって、
第1の全長を有し、異なる全長に調整可能な入れ子式アクセスカニューレを提供するステップと、
前記入れ子式アクセスカニューレの近位端が前記第1の場所に位置し、前記入れ子式アクセスカニューレの遠位端が体内に配設されるように、前記入れ子式アクセスカニューレを体内に挿入するステップとを含む、方法。
【請求項50】
前記入れ子式アクセスカニューレを体内に挿入する前に、前記入れ子式アクセスカニューレが前記第1の全長から第2の全長に調整される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記第2の全長が前記第1の場所から前記第2の場所までの距離より短い、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記第2の全長が前記第1の場所から前記第2の場所までの距離に実質的に等しい、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記入れ子式アクセスカニューレを体内に挿入した後に、前記入れ子式アクセスカニューレが前記第1の全長から第2の全長に調整される、請求項49に記載の方法。
【請求項54】
前記第2の全長が前記第1の場所から前記第2の場所までの距離に実質的に等しい、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記入れ子式カニューレがその第1の全長からその第2の全長に調整されるとき、前記カニューレの前記近位端が、身体に対して適切な位置に実質的に固定された状態を維持し、前記カニューレの前記遠位端が、身体に対して適切な位置に移動する、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記入れ子式アクセスカニューレを体内に挿入する前に、前記入れ子式アクセスカニューレが前記第1の全長から第2の全長に調整され、さらに、前記入れ子式アクセスカニューレが体内に挿入された後に、前記入れ子式アクセスカニューレが前記第2の全長から第3の全長に調整される、請求項49に記載の方法。
【請求項57】
前記第2の全長が前記第1の場所から前記第2の場所までの距離より短い、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記第2の全長が前記第1の場所から前記第2の場所までの距離に実質的に等しい、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記入れ子式カニューレがその第2の全長からその第3の全長に調整されるとき、前記カニューレの前記近位端が、身体に対して適切な位置に実質的に固定された状態を維持し、前記カニューレの前記遠位端が、身体に対して適切な位置に移動する、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記入れ子式アクセスカニューレが体内に挿入される前に、入れ子式オブチュレータが前記入れ子式アクセスカニューレに挿入される、請求項49に記載の方法。
【請求項61】
前記入れ子式オブチュレータが第1のシャフト長を有し、第2のシャフト長に調整可能であり、さらに前記入れ子式オブチュレータが、前記入れ子式オブチュレータが前記入れ子式アクセスカニューレ内に配置されるときに前記入れ子式アクセスカニューレから突き出すのに十分なシャフト長を有するように調整される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記入れ子式オブチュレータの前記シャフト長が、前記入れ子式アクセスカニューレの中への挿入の前に調整される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記入れ子式オブチュレータの前記シャフト長が、前記入れ子式アクセスカニューレの中への挿入の後に調整される、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
体外に位置する第1の場所から体内に位置する第2の場所までのアクセス通路を提供するための方法であって、
第1の全長を有し、異なる全長に調整可能な入れ子式アクセスカニューレを提供するステップと、
前記第1の場所から前記第2の場所までの距離を測定するステップと、
前記入れ子式アクセスカニューレの長さを、前記第1の全長から、前記第1の場所から前記第2の場所までの距離の関数である別の長さに調整するステップと、
前記入れ子式アクセスカニューレの近位端が前記第1の場所に位置し、前記入れ子式アクセスカニューレの遠位端が体内に配設されるように、前記入れ子式アクセスカニューレを体内に挿入するステップとを含む、方法。
【請求項65】
前記入れ子式アクセスカニューレが体内に挿入された後に前記入れ子式アクセスカニューレの長さをさらに調整するステップをさらに含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記入れ子式アクセスカニューレの長さが、前記入れ子式アクセスカニューレが体内に、ある期間配設された後にさらに調整される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記入れ子式アクセスカニューレの長さが体内の腫脹に対応するようにさらに調整される、請求項66に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図25D−25E】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【公表番号】特表2012−510878(P2012−510878A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539754(P2011−539754)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/066835
【国際公開番号】WO2010/065901
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(510328490)ピボット・メディカル,インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】