説明

新規な共重合物及びその製造方法

【課題】 広い範囲の光波長領域において任意の極大吸収波長を示すことができる有機半導体材料を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)で表わされる共重合物。
この共重合物は、二種類のハロゲン置換芳香族化合物とチオフェン系ボロン化合物とを鈴木カップリング反応により反応させることにより製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機半導体として有用であり、光電物性を容易に制御できる新規な共重合物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体は、主に無機材料の蒸着により製造され、製造設備が高価であった。これに対し、有機材料を用いる半導体(有機半導体)は、塗布や印刷のような簡易な手法を利用できることから、加工が容易で多様な形状やデバイスの大型化に容易に対応でき、量産における材料効率や生産手段の観点から工業的に大きな経済性を有すると言われている(非特許文献1参照)、このような有機半導体に使用可能な材料として、塗布可能な高分子材料が注目されており、トランジスター、EL、太陽電池、IC−タグ、レーザー発振、センサー等と広範囲の研究開発が行われている(非特許文献2参照)。
【0003】
有機半導体の実用化には、高分子材料が様々なエネルギー準位でエネルギー授受を行えることが重要とされ、そのエネルギー移動の指標となる光吸収の極大波長が広範囲にわたることが望まれているが、従来の高分子材料の特性範囲には、未だ多くの制約が存在する(非特許文献3,4参照)。例えば、カルバゾール系ポリマーは、有機ELに多く使用されているが、その光吸収の極大波長は、420nm近辺に限られている(非特許文献5参照)。また、ポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)は、有機トランジスターや有機太陽電池の検討に多く用いられる代表的な有機半導体材料であるが、その光吸収の極大波長は、450nm近辺に限られている(非特許文献4参照)。
【0004】
さらに、従来にない構造形態の高分子材料を製造するために異なる構造のモノマーを組み合わせる共重合が検討されているが、原料モノマーの製造に多くの工程を必要としている(非特許文献6、7、8参照)。この傾向は、原料モノマーの分子量が大きくなるにつれて顕著となっており、高分子材料の効率的な製造においても課題が残されていた(非特許文献9、10参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】応用物理,76(5),522〜526(2007)
【非特許文献2】Organic Electronics;Materials,Manufacturing,and Applications;Wiley−VCH(2007)
【非特許文献3】J.Polym.Sci.Part A;Polym.Chem.,2007,45,4723
【非特許文献4】Angew.Chem.Int.Ed.2008,47,58−77
【非特許文献5】Adv.Mater.,2007,19,1859
【非特許文献6】Adv.Mater.,2007,19,2295
【非特許文献7】Nature Materials,2007,6,497
【非特許文献8】Synthesis,2002,(8),1053
【非特許文献9】Macromolecules,2008,41,6664
【非特許文献10】Chem.Commun.,2008,5317
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑みて創案されたものであり、その目的は、広い範囲の光波長領域において任意の極大吸収波長を示すことができる新規な有機半導体材料、およびその容易な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、かかる目的を達成するために、有機半導体材料の分子構造について鋭意検討した結果、ドナー性(電子供与性)を有する芳香族化合物とアクセプター性(電子受容性)を有する芳香族物とをチオフェン系ボロン化合物を介して結合させた構造を有する共重合物において、ドナー性を有する芳香族化合物とアクセプター性を有する芳香族物の構造と存在比率を変化させることによって、得られる有機半導体材料の光吸収極大波長を広い範囲で変化させることができること、および、かかる共重合物を鈴木カップリング反応によって容易に製造することができることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
即ち、本発明によれば、
一般式(1)

(式中、lは、1〜3の整数を表わし、m,nはそれぞれ、1以上の整数を表わし、Rは、Rは、H、または置換されたもしくは置換されていないC2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、またはアルキレンジオキシ基を表わし、Ar1は、C2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、またはアルキレンジオキシ基を有し、かつC,N,S,O,Siのいずれかからなる骨格構造を有する5〜30原子のドナー性ヘテロ環または非ヘテロ環芳香族化合物から由来する構造を表わし、Ar2は、C2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、アルキレンジオキシ基、アリル基、もしくはアラルキル基を有してもよく、かつC,N,S,Oのいずれかからなる骨格構造を有する8〜20原子のアクセプター性ヘテロ環または非へテロ環芳香族化合物から由来する構造を表わし、分子中にAr1,Ar2が複数存在する場合、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。)で表わされる共重合物が提供される。
また、本発明によれば、一般式(2)

(式中、Ar1は、C2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、またはアルキレンジオキシ基を有し、かつC,N,S,O,Siのいずれかからなる骨格構造を有する5〜30原子のドナー性ヘテロ環または非ヘテロ環芳香族化合物から由来する構造を表わし、Xは、ハロゲンを表わす。)のハロゲン置換芳香族化合物と
一般式(3)

(式中、Ar2は、C2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、アルキレンジオキシ基、アリル基、もしくはアラルキル基を有してもよく、かつC,N,S,Oのいずれかからなる骨格構造を有する8〜20原子のアクセプター性ヘテロ環または非ヘテロ環芳香族化合物から由来する構造を表わし、Xは、ハロゲンを表わす。)のハロゲン置換芳香族化合物と
一般式(4)

(式中、lは、1〜3の整数を表わし、Rは、H、または置換されたもしくは置換されていないC2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、またはアルキレンジオキシ基を表わし、Rは、H、またはC1〜C8のアルキル基を表わし、RがC1〜C8のアルキル基である場合、各末端の二つのRは、一緒になって環を形成していてもよい。)のチオフェン系ボロン化合物とを、鈴木カップリング反応により反応させることを特徴とする、上記共重合物の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の共重合物は、ドナー性を有する芳香族化合物(Ar1)とアクセプター性を有する芳香族物(Ar2)とがチオフェン系ボロン化合物を介して結合しているので高分子鎖の1次元方向に電荷分離の起き易い特性を有する。また、共重合物中のAr1とAr2の構造と存在比率を変化させることによって、光吸収の極大波長を広い範囲で変化させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の共重合物について詳細に説明する。
本発明の共重合物は、下記一般式(1)で表されるものであり、ドナー性を有する芳香族化合物(Ar1)とアクセプター性を有する芳香族物(Ar2)とがチオフェン系ボロン化合物を介して結合された構造を特徴とする。
一般式(1)

(式中、lは、1〜3の整数を表わし、m,nはそれぞれ、1以上の整数を表わし、Rは、H、または置換されたもしくは置換されていないC2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、またはアルキレンジオキシ基を表わし、Ar1は、C2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、またはアルキレンジオキシ基を有し、かつC,N,S,O,Siのいずれかからなる骨格構造を有する5〜30原子のドナー性ヘテロ環または非ヘテロ環芳香族化合物から由来する構造を表わし、Ar2は、C2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、アルキレンジオキシ基、アリル基、もしくはアラルキル基を有してもよく、かつC,N,S,Oのいずれかからなる骨格構造を有する8〜20原子のアクセプター性ヘテロ環または非へテロ環芳香族化合物から由来する構造を表わし、分子中にAr1,Ar2が複数存在する場合、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。)
【0011】
本発明の共重合物の分子構造において、ドナー性を有する芳香族化合物(Ar1)とチオフェン系ボロン化合物が結合した構造単位(I)

と、アクセプター性を有する芳香族化合物(Ar2)とチオフェン系ボロン化合物が結合した構成単位(II)

の配置は特に限定されず、構成単位(I)と構成単位(II)とが交互に配置されていてもよく、ランダムに配置されていてもよく、交互に配置された部分とランダムに配置された部分が混在していてもよい。
【0012】
本発明の共重合物中の構造単位(I)のモル数mと構成単位(II)のモル数nはそれぞれ、1以上の整数である。なお、mとnの上限は、特に限定されないが、例えば300であることができる。mとnの和は、3〜300であることが好ましく、さらに好ましくは5〜250である。mとnとの和が上記下限未満であると、共重合物の分子量が低くなり、共重合物の有機半導体材料としての機能性に劣るおそれがあり、一方、上記上限を超えると、共重合物の溶解性が低下し、製造が困難となるおそれがある。構造単位(I)のモル数mと構成単位(II)のモル数nは、後述する共重合物の製造の際の原料モノマーの仕込み比を調整することによって容易に制御することができる。
【0013】
本発明の共重合物において、構造Ar1は、共重合物を有機半導体として使用した場合に、電子を放出するドナーとしての役割を有する。構造Ar2は、共重合物を有機半導体材料として使用した場合に、電子を受取るアクセプターとしての役割を有する。チオフェン系ボロン化合物は、共重合物の分子中で構造Ar1と構造Ar2を結合するつなぎとしての役割を有する。本発明の共重合物では、構造Ar1を含む上述の構成単位(I)のモル数mと、構造Ar2を含む上述の構成単位(II)のモル数nとの比率m/nを変化させることによって、ドナーとアクセプターのバランスを変化させることができ、共重合物の光吸収極大波長を変化させることができる。
【0014】
構造Ar2は、−7〜−6eVの最高被占分子軌道エネルギー順位を有するヘテロ環芳香族化合物であることが、共重合物の光電効果の点から好ましい。
【0015】
本発明の共重合物は、具体的には、以下の式(1−a−i)〜(1−c−iii)で示すようなものであることができる。



上述の式(1−a−i)〜(1−c−iii)中、R,m,nは、上述の通りであり、Rは、C2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、またはアルキレンジオキシ基を表わし、Rは、C2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、アルキレンジオキシ基、アリル基、もしくはアラルキル基を表わす。
【0016】
次に、本発明の共重合物の製造方法について説明する。
本発明の共重合物は、
一般式(2)

(式中、Ar1は、C2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、またはアルキレンジオキシ基を有し、かつC,N,S,O,Siのいずれかからなる骨格構造を有する5〜30原子のドナー性ヘテロ環または非ヘテロ環芳香族化合物から由来する構造を表わし、Xは、ハロゲンを表わす。)のハロゲン置換芳香族化合物と
一般式(3)

(式中、Ar2は、C2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、アルキレンジオキシ基、アリル基、もしくはアラルキル基を有してもよく、かつC,N,S,Oのいずれかからなる骨格構造を有する8〜20原子のアクセプター性ヘテロ環または非ヘテロ環芳香族化合物から由来する構造を表わし、Xは、ハロゲンを表わす。)のハロゲン置換芳香族化合物と
一般式(4)

(式中、lは、1〜3の整数を表わし、Rは、H、または置換されたもしくは置換されていないC2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、またはアルキレンジオキシ基を表わし、Rは、H、またはC1〜C8のアルキル基を表わし、RがC1〜C8のアルキル基である場合、各末端の二つのRは、一緒になって環を形成していてもよい。)のチオフェン系ボロン化合物とを、鈴木カップリング反応により反応させることによって製造されることができる。
【0017】
鈴木カップリング反応は、末端ハロゲン置換芳香族化合物と末端ホウ素置換芳香族化合物のC−C結合を生成する反応であり、これまでに多くの反応例が報告されている(非特許文献11参照)。しかしながら、従来の報告の多くは低分子類の合成に関するものであり、重合反応への適用例は少ない。また、その重合反応例もベンゼン系芳香族化合物に関するものが主であり、本発明のような骨格構造の異なる複数種の末端ハロゲン置換芳香族化合物とチオフェン系ボロン化合物との鈴木カップリング反応は全く知られていなかった。本発明の製造方法は、チオフェン系ボロン化合物の鈴木カップリング反応を、従来の1種のハロゲン置換芳香族化合物との反応から構造の異なる複数種のハロゲン置換芳香族化合物との反応に拡張したことを特徴としており、これにより、従来にない多様な共重合構造の形成が可能になる。
【非特許文献11】Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions,Vol.I,Chap.2,WILEY−VCH(2004)
【0018】
本発明の製造方法において、一般式(2)のハロゲン置換芳香族化合物は、末端に二個のハロゲン置換基を有するモノマーであり、例えば以下の式(2−i)〜(2−xii)で示すようなものであることができる。

上述の式(2−i)〜(2−xii)中、Rは、式(1−a−i)〜(1−c−iii)の説明において上述した通りである。
【0019】
また、一般式(3)のハロゲン置換芳香族化合物は、末端に二個のハロゲン置換基を有するモノマーであり、例えば以下の式(3−i)〜(3−vii)で示すようなものである。

上述の式(3−i)〜(3−vii)中、Rは、式(1−a−i)〜(1−c−iii)の説明において上述した通りである。
【0020】
また、一般式(4)のチオフェン系ボロン化合物は、末端に二個のホウ素置換基を有するモノマーであり、例えば以下の式(4−a)〜(4−c)で示すようなものであることができる。

上述の式(4−a)〜(4−c)中、Rは、H、または置換されたもしくは置換されていないC2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、またはアルキレンジオキシ基を表わし、−B(OR)は、以下に示すようなボロン酸やボロン酸エステル(ボロネート)を表わす。

【0021】
一般式(2)のハロゲン置換芳香族化合物は、当業者に公知の方法で適宜合成することができるが、例えば下記の非特許文献12〜16に記載の方法を参考にして容易に合成することができる。
【非特許文献12】フルオレン類:Adv.Mater.,2002,14,361
【非特許文献13】カルバゾール類:Adv.Mater.,2007,19,2295
【非特許文献14】ジチエノシクロペンタジエン類:J.Phys.Chem.C,2007,111,10732
【非特許文献15】ジチエノピロール類:J.Org.Chem.,2003,68,2921
【非特許文献16】インドカルバゾール類:Adv.Mater.,2005,17,849
【0022】
一般式(3)のハロゲン置換芳香族化合物は、当業者に公知の方法で適宜合成することができるが、例えば下記の非特許文献17〜20に記載の方法を参考にして容易に合成することができる。
【非特許文献17】J.Amer.Chem.Soc.,2008,130,732
【非特許文献18】Heterocycl.Chem.,1970,7,629
【非特許文献19】Synthetic Metals,1993,55−57,1251
【非特許文献20】Eur.J.Org.Chem.,2006,4924
【0023】
一般式(4)のチオフェン系ボロン化合物は、当業者に公知の方法で適宜合成することができるが、例えば下記の非特許文献21〜24に記載の方法を参考にして容易に合成することができる。
【非特許文献21】Adv.Mater.,1996,8,54
【非特許文献22】Tetrahedron Letters,2002,43,5649
【非特許文献23】Synthesis,2003,14,2199
【非特許文献24】Synthetic Metals,2009,159,20 1
【0024】
一般式(2)のハロゲン置換芳香族化合物の使用モル数は、一般式(4)のチオフェン系ボロン化合物の使用モル数を基準にして0.001〜0.999倍量であり、一般式(3)のハロゲン置換芳香族化合物の使用モル数は、一般式(4)のチオフェン系ボロン化合物の使用モル数を基準にして0.999〜0.001倍量であり、その比率は、一般式(2)のハロゲン置換芳香族化合物の使用モル数と一般式(3)のハロゲン置換芳香族化合物の使用モル数の合計が一般式(4)のチオフェン系ボロン化合物の使用モル数の0.8〜1.2倍量となる範囲で任意に設定することができる。
【0025】
本発明の製造方法では、必要に応じて溶媒を使用する。使用できる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、t−ブチルメチルエーテル、トルエン、トリフルオロトルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、アニソール、フルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、クロロベンゼン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、水を挙げることができる。これらの溶媒は、一種単独で使用しても、二種以上を混合して使用してもよい。また、これらの溶媒は、十分に乾燥、脱酸素して使用することが好ましい。溶媒の使用量は、一般式(4)のチオフェン系ボロン化合物1重量部に対して10〜300重量部であることが好ましく、さらに好ましくは、20〜200重量部である。
【0026】
反応温度は、20〜150℃の範囲に設定することができる。反応を効率的に進めるためには特に、50〜120℃の温度が好ましい。反応時間は、一般的には3〜100時間であり、使用する原料モノマーの反応性に応じて適宜設定することができる。
【0027】
本発明の製造方法では、反応を加速するために貴金属触媒や相間移動触媒などの触媒を使用することが好ましく、特に貴金属触媒と相間移動触媒を併用することが好ましい。
【0028】
貴金属触媒は、一般式(2)および(3)のハロゲン置換芳香族化合物を活性化する役割を有する。貴金属触媒としては一般に、均一系のパラジウム(Pd)錯体触媒が使用される。均一系のPd錯体触媒は、酢酸パラジウムや塩化パラジウムに三置換ホスフィンを反応させて系内で調製することができ、またはビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジ酢酸、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムなどをそのまま使用することができる。Pd錯体触媒の使用にあたり、配位子のシクロオクタジエンや三置換ホスフィンを併用することが好ましく、三置換ホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン、o−トリルホスフィン、o−トリアニシルホスフィンなどを使用することができる。また、フェニルホスフィンにスルホン酸やアミン官能基が置換した配位子を使用することによってPd錯体触媒のリサイクルを容易にすることもできる。また、前記の均一系のPd錯体触媒をポリスチレン、シリカゲル、活性炭などに固定化した不均一系のPd錯体触媒も使用可能である。Pd錯体触媒の使用量は、一般式(4)のチオフェン系ボロン化合物のモル数を基準に0.0001〜0.10倍量であり、好ましくは0.0005〜0.05倍量である。
【0029】
相間移動触媒は、一般式(4)のチオフェン系ボロン化合物を活性化する役割を有する。相間移動触媒としては、4級アンモニウム塩、環状エーテル類、4級ホスホニウム塩などを使用することができる。これらの中でも、4級アンモニウム塩は、経済性の面で特に好ましい。4級アンモニウム塩としては、テトラブチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリエチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロオキシド、トリオクチルメチルアンモニウムブロミド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、トリオクチルエチルアンモニウムブロミド、トリオクチルエチルアンモニウムクロリド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムクロリドなどを使用することができる。相間移動触媒の使用量は、一般式(4)のチオフェン系ボロン化合物のモル数を基準に0.01〜1.0倍量であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.5倍量である。相間移動触媒として4級アンモニウム塩を使用する場合、そのアルキル基の炭素数の合計は、12以上であることが好ましく、さらに好ましくは16以上である。テトラエチルアンモニウム塩のようなより低級なアルキル置換の4級アンモニウム塩では、共重合物の生成量が顕著に低下する傾向がある。また、4級アンモニウム塩のアルキル基の炭素数の合計は、50以下であることが好ましく、さらに好ましくは40以下である。炭素数の合計が上記上限を超えると、粘性が高くなり、反応の均一性や取り扱いが難しくなるという問題が生じる傾向がある。
【0030】
本発明の製造方法では、一般式(2)および(3)のハロゲン置換芳香族化合物の末端ハロゲンを脱離させるために、反応系中に塩基の存在が必要である。使用される塩基としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどを挙げることができる。これらの塩基は一種単独で使用しても二種以上を混合して使用してもよい。塩基の使用モル数は、一般式(4)のチオフェン系ボロン化合物のモル数を基準に1.0〜20倍量であることが好ましく、さらに好ましくは2.0〜10倍量である。
【0031】
本発明の製造方法では、一般式(1)の共重合物の末端にハロゲンやボロン置換基が残るため、共重合反応に続いて末端置換基を修飾してもよい。ハロゲンおよびボロン置換基の修飾に用いられる反応としては、鈴木カップリング反応が一般的であるが、ボロン置換基ついては、加水分解による脱ホウ素化反応も適用することも可能であり、前述の非特許文献6や下記の特許文献25を参考に行うことができる。
【特許文献25】特表2009−506519公報
【0032】
末端ハロゲンの修飾に鈴木カップリング反応を適用する場合、使用できる試剤は、前述のチオフェン系ボロン化合物の例示で挙げたようなボロン酸やボロン酸エステルで置換された芳香族ボロン化合物、例えば、フェニルボロン酸、チエニルボロン酸、およびこれらのボロン酸エステルであり、一般的に市販の芳香族ボロン化合物を広く使用できる。芳香族ボロン化合物の一般的な使用量は、一般式(4)のチオフェン系ボロン化合物の使用モル数を基準に0.001〜0.1倍量である。
【0033】
末端ボロン置換基の修飾に鈴木カップリング反応を適用する場合、使用できる試剤はハロゲン置換芳香族類であり、市販のブロモベンゼン、ヨードベンゼンを使用できる。
【0034】
修飾反応の温度条件は、共重合反応と同様であり、反応時間は、1〜25時間である。
【0035】
上述の反応により生成する共重合物は、通常、有機溶媒に可溶であり、抽出操作により容易に単離することができる。抽出物は、抽出液を濃縮して高分子ゲルを分離剤とするカラムクロマトグラフに供することにより分離精製を行うことができる。また簡易な分離精製法としては、濃縮液を親水性溶剤に希釈して共重合物を固体として析出・沈殿させ、ろ取する方法も採用することができる。
【実施例】
【0036】
以下、本発明を実施例により具体的に示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0037】
なお、以下の実施例において、得られた共重合物の分子量は、東ソー製GPC(商品名:HLC−8220GPC)により、ポリスチレン換算の分子量として求めた。具体的には共重合物を約0.5重量%の濃度となるようにクロロホルムに溶解させ、GPCに10μL注入した。GPCの移動相には、クロロホルムを使用し、測定温度40℃、0.6mL/分の流速で流した。カラムには、LF−G(Shodex製)1本とLF−604(Shodex製)3本を直列に繋げたものを使用した。検出器には、示差屈折率検出器を使用した。
【0038】
得られた共重合物中のmとnの値は、共重合物の分子量、原料モノマーの分子量および共重合物の推定構造単位に基づいて推定することができる。また、mとnの比は、原料モノマーの仕込み比率に基づいて推定することができる。
【0039】
また、得られた共重合物のUV測定(極大吸収波長:λmax)は、日本分光製分光光度計(商品名:UV−I)を用い、サンプルをクロロホルムに溶解して行った。
【0040】
実施例1
窒素気流下、100mlフラスコに、一般式(2)のハロゲン置換芳香族化合物としてN−9’−ヘプタデカニル−2,7−ジブロモカルバゾール282mg、一般式(3)のハロゲン置換芳香族化合物として4,7−ジブロモベンゾチアジアゾール147mg、一般式(4)のチオフェン系ボロン化合物として5,5’−ビス(テトラメチルジオキサボラニル)−3,3’−ジヘキシル−2,2’−ビチオフェン587mg、貴金属触媒としてジベンジリデンアセトンジパラジウム20mg、三置換ホスフィンとしてトリスo-トリルホスフィン27mg、4級アンモニウム塩相間移動触媒としてメチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:Aliquat336)100mg、トルエン10ml、2N−KCO水溶液6mlを仕込み、90℃に加熱した後に48時間加熱還流した。次いでブロモベンゼン16mg、フェニルボロン酸12mgを順次添加してさらに18時間反応した。反応後、有機層を50mlの水で2回洗浄、分液してからメタノール1000mlに滴下し、ポリマーを析出、沈殿させた。沈殿物をろ過、減圧乾燥し、390mgの共重合物を得た(収率65%)。得られた共重合物のNMRデータを以下に示す。
H−NMR](CDCl3:δ)0.9(br−s,18H),1.0〜1.5(br,60H),1.6〜1.8(br,8H),2.6〜2.8(br,8H),4.6(br,H),7.3〜7.8(m,6H),7.9〜8.2(m,6H)((註)積分値は共重合体の構造単位(m=n=1)当りの数値を示す。)
また、反応スキームを以下に示す。

得られた共重合物の分子量は、Mw24,000、Mw12,000であり、この分子量、原料モノマーの分子量および共重合物の推定構造単位(m/n=1/1)に基づくと、m,nはそれぞれ、約20である。
【0041】
実施例2
N−9’−ヘプタデカニル−2,7−ジブロモカルバゾールの使用量を113mgに変更し、4,7−ジブロモベンゾチアジアゾールの使用量を235mgに変更した以外は実施例1と同様に反応を行い、300mgの共重合物を得た(収率58%)。
得られた共重合物の分子量は、Mw18,000であり、この分子量、原料モノマーの分子量および共重合物の推定構造単位(m/n=1/4)に基づくと、mは約10であり、nは約40である。
【0042】
実施例1,2で得られた共重合物の物性を以下の表1に示す。

【0043】
実施例1と実施例2から、同一の原料モノマーを使用する共重合物において、原料モノマーの仕込み比率を変更して共重合物中のmとnの比を変更することにより、共重合物のλmaxの値を変化させることができることがわかる。
【0044】
実施例3
窒素気流下、100mlフラスコに、一般式(2)のハロゲン置換芳香族化合物としてN−9’−ヘプタデカニル−2,7−ジブロモカルバゾール282mg、一般式(3)のハロゲン置換芳香族化合物として4,7−ジブロモチアジアゾロピリジン148mg、一般式(4)のチオフェン系ボロン化合物として5,5’−ビス(テトラメチルジオキサボラニル)−3,3’−ジヘキシル−2,2’−ビチオフェン587mg、貴金属触媒としてテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム12mg、4級アンモニウム塩相間移動触媒としてメチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:Aliquat336)100mg、トルエン10ml、2N−KCO水溶液6mlを仕込み、90℃に加熱した後に48時間加熱還流した。次いでブロモベンゼン16mg、フェニルボロン酸12mgを順次添加してさらに12時間反応した。反応後、有機層を50mlの水で2回洗浄、分液してからメタノール1000mlに滴下し、ポリマーを析出、沈殿させた。沈殿物をろ過、減圧乾燥し、350mgの共重合物を得た(収率58%)。得られた共重合物のNMRデータを以下に示す。
H−NMR](CDCl3:δ)0.9(br−s,18H),1.0〜1.5(br,60H),1.6〜1.8(br,8H),2.6〜2.8(br,8H),4.6(br,H),7.3〜7.9(m,6H),7.9〜8.3(m,4H),9.1〜9.2(br,H)((註)積分値は共重合体の構造単位(m=n=1)当りの数値を示す。)
また、反応スキームを以下に示す。

【0045】
実施例4
N−9’−ヘプタデカニル−2,7−ジブロモカルバゾールの使用量を56mgに変更し、4,7−ジブロモチアジアゾロピリジンの使用量を236mgに変更した以外は実施例3と同様に反応を行い、280mgの共重合物を得た(収率55%)。
【0046】
実施例3,4で得られた共重合物の物性を以下の表2に示す。

【0047】
実施例3と実施例4から、同一の原料モノマーを使用する共重合物において、原料モノマーの仕込み比率を変更して共重合物中のmとnの比を変更することにより、共重合物のλmaxの値を変化させることができることがわかる。
【0048】
実施例5
窒素気流下、100mlフラスコに、一般式(2)のハロゲン置換芳香族化合物としてN−9’−ヘプタデカニル−2,7−ジブロモカルバゾール282mg、一般式(3)のハロゲン置換芳香族化合物として4,7−ジブロモベンゾチアジアゾール147mg、一般式(4)のチオフェン系ボロン化合物として2,5−ビス(テトラメチルジオキサボラニル)チオフェン336mg、貴金属触媒としてテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム12mg、4級アンモニウム塩相間移動触媒としてメチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:Aliquat336)100mg、トルエン10ml、2N−KCO水溶液6mlを仕込み、90℃に加熱した後に40時間加熱還流した。次いでブロモベンゼン16mg、フェニルボロン酸12mgを順次添加してさらに12時間反応した。反応後、有機層を50mlの水で2回洗浄、分液してからメタノール1000mlに滴下し、ポリマーを析出、沈殿させた。沈殿物をろ過、減圧乾燥し、190mgの共重合物を得た(収率54%)。得られた共重合物のNMRデータを以下に示す。
H−NMR](CDCl3:δ)0.8(br−s,6H),1.0〜1.4(br,24H),1.9〜2.4(br,4H),2.6〜2.8(br,8H),4.6(m,H),7.2〜8.2(m,12H)((註)積分値は共重合体の構造単位(m=n=1)当りの数値を示す。)
また、反応スキームを以下に示す。

【0049】
実施例6
N−9’−ヘプタデカニル−2,7−ジブロモカルバゾールの使用量を113mgに変更し、4,7−ジブロモベンゾチアジアゾールの使用量を235mgに変更した以外は実施例5と同様に反応を行い、130mgの共重合物を得た(収率48%)。
【0050】
実施例5,6で得られた共重合物の物性を以下の表3に示す。

【0051】
実施例5と実施例6から、同一の原料モノマーを使用する共重合物において、原料モノマーの仕込み比率を変更して共重合物中のmとnの比を変更することにより、共重合物のλmaxの値を変化させることができることがわかる。
【0052】
実施例7
窒素気流下、100mlフラスコに、一般式(2)のハロゲン置換芳香族化合物として9,9’−ジオクチル−2,7−ジブロモフルオレン274mg、一般式(3)のハロゲン置換芳香族化合物として4,7−ジブロモベンゾチアジアゾール147mg、一般式(4)のチオフェン系ボロン化合物として2,5−ビス(テトラメチルジオキサボラニル)チオフェン336mg、貴金属触媒としてテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム12mg、4級アンモニウム塩相間移動触媒としてテトラブチルアンモニウムブロミド160mg、トルエン10ml、2N−KCO水溶液6mlを仕込み、90℃に加熱した後に40時間加熱還流した。次いでブロモベンゼン16mg、フェニルボロン酸12mgを順次添加してさらに12時間反応した。反応後、有機層を50mlの水で2回洗浄、分液してからメタノール1000mlに滴下し、ポリマーを析出、沈殿させた。沈殿物をろ過、減圧乾燥し、120mgの共重合物を得た(収率35%)。得られた共重合物のNMRデータを以下に示す。
H−NMR](CDCl3:δ)0.8(br−s,6H),0.9〜1.2(br,24H),1.8〜2.2(br−m,4H),7.2〜8.2(m,12H)((註)積分値は共重合体の構造単位(m=n=1)当りの数値を示す。)
また、反応スキームを以下に示す。

【0053】
実施例8
窒素気流下、100mlフラスコに、一般式(2)のハロゲン置換芳香族化合物としてN−9’−ヘプタデカニル−2,7−ジブロモカルバゾール282mg、一般式(3)のハロゲン置換芳香族化合物として4,7−ジブロモベンゾチアジアゾール147mg、一般式(4)のチオフェン系ボロン化合物として2,5−ビス(テトラメチルジオキサボラニル)−2,2’−ビチオフェン418mg、貴金属触媒としてテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム12mg、4級アンモニウム塩相間移動触媒としてメチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:Aliquat336)100mg、トルエン10ml、2M−KCO水溶液6mlを仕込み、90℃に加熱した後に40時間加熱還流した。次いでブロモベンゼン16mg、フェニルボロン酸12mgを順次添加してさらに12時間反応した。反応後、有機層を50mlの水で2回洗浄、分液してからメタノール1000mlに滴下し、ポリマーを析出、沈殿させた。沈殿物をろ過、減圧乾燥し、220mgの共重合物を得た(収率51%)。得られた共重合物のNMRデータを以下に示す。
H−NMR](CDCl3:δ)0.9(br−s,18H),1.0〜1.5(br,60H),1.6〜1.8(br,8H),2.6〜2.8(br,8H),4.6(br,H),7.2〜7.8(m,10H),7.9〜8.2(m,6H)((註)積分値は共重合体の構造単位(m=n=1)当りの数値を示す。)
また、反応スキームを以下に示す。

得られた共重合物の分子量は、Mw9,000であり、この分子量、原料モノマーの分子量および共重合物の推定構造単位(m/n=1/1)に基づくと、m,nはそれぞれ、約10である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の共重合物は、分子中のドナー性を有する芳香族化合物を含む構造単位とアクセプター性を有する芳香族化合物を含む構造単位の構造と存在比率を変更することによってλmaxを様々な範囲で変更することができるので、有機半導体材料として広く有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)

(式中、lは、1〜3の整数を表わし、m,nはそれぞれ、1以上の整数を表わし、Rは、H、または置換されたもしくは置換されていないC2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、またはアルキレンジオキシ基を表わし、Ar1は、C2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、またはアルキレンジオキシ基を有し、かつC,N,S、O、Siのいずれかからなる骨格構造を有する5〜30原子のドナー性ヘテロ環または非ヘテロ環芳香族化合物から由来する構造を表わし、Ar2は、C2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、アルキレンジオキシ基、アリル基、もしくはアラルキル基を有してもよく、かつC,N,S,Oのいずれかからなる骨格構造を有する8〜20原子のアクセプター性ヘテロ環または非へテロ環芳香族化合物から由来する構造を表わし、分子中にAr1,Ar2が複数存在する場合、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。)で表わされる共重合物。
【請求項2】
Ar2が、−7〜−6eVの最高被占分子軌道エネルギー順位を有するヘテロ環芳香族化合物であることを特徴とする請求項1に記載の共重合物。
【請求項3】
一般式(2)

(式中、Ar1は、C2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、またはアルキレンジオキシ基を有し、かつC,N,S,O,Siのいずれかからなる骨格構造を有する5〜30原子のドナー性ヘテロ環または非ヘテロ環芳香族化合物から由来する構造を表わし、Xは、ハロゲンを表わす。)で示されるハロゲン置換芳香族化合物と
一般式(3)

(式中、Ar2は、C2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、アルキレンジオキシ基、アリル基、もしくはアラルキル基を有してもよく、かつC,N,S,Oのいずれかからなる骨格構造を有する8〜20原子のアクセプター性ヘテロ環または非ヘテロ環芳香族化合物から由来する構造を表わし、Xは、ハロゲンを表わす。)で示されるハロゲン置換芳香族化合物と
一般式(4)

(式中、lは、1〜3の整数を表わし、Rは、H、または置換されたもしくは置換されていないC2〜C30のアルキル基、アルコキシ基、またはアルキレンジオキシ基を表わし、Rは、H、またはC1〜C8のアルキル基を表わし、RがC1〜C8のアルキル基である場合、各末端の二つのRは、一緒になって環を形成していてもよい。)のチオフェン系ボロン化合物とを、鈴木カップリング反応により反応させることを特徴とする、請求項1に記載の共重合物(1)の製造方法。
【請求項4】
反応が4級アンモニウム塩相間移動触媒の存在下に行われ、前記4級アンモニウム塩相間移動触媒のアルキル基の炭素数の合計が12〜40原子であることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。

【公開番号】特開2011−99028(P2011−99028A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253933(P2009−253933)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度独立行政法人中小企業基盤整備機構の委託に係る戦略的基盤技術 高度化支援事業「機能性材料に対応した高機能化学合成技術の開発」 委託研究で、産業技術強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(394004860)ダイトーケミックス株式会社 (14)
【出願人】(505127721)公立大学法人大阪府立大学 (688)
【Fターム(参考)】