説明

新規化合物及びその有機粘土複合体からなる耐熱性フィラー

【課題】 耐熱性に優れ、かつ分散性に優れた有機粘土複合体からなる耐熱性フィラーを提供する。
【解決手段】 膨潤性層状ケイ酸塩の層間の無機カチオンを、新規化合物であるカルボキシアルキルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウム塩を用いて作製することで、加熱によっても分散性の低下が少ない有機粘土複合体からなる耐熱性フィラーが得られることを見出した。そして、上記カルボキシアルキルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウム塩のアルキル基は、炭素数4から22の中から選択され、特に、炭素数10のデシル基のものが最良の結果を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、膨潤性層状ケイ酸塩の結晶同士の間に存在する層間の無機カチオンを、新規化合物であるカルボキシアルキルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウムホスホニウムイオンからなる第4級ホスホニウム塩を用いてカチオン交換することによって作製して得られる有機粘土複合体からなる耐熱性フィラーに係り、特に、加熱処理しても変色せず、かつ分散性も低下しない有機粘土複合体からなる耐熱性フィラーに関する。
【背景技術】
【0002】
膨潤性層状ケイ酸塩は、粘土を構成する代表的な鉱物であって、2:1型層状ケイ酸塩にあっては、1枚の結晶は、2層のシリカ四面体層がマグネシウム八面体層又はアルミニウム八面体層を間に挟んだサンドイッチ型の3層から成り、その厚みは約1ナノサイズであり、幅は100〜1000ナノサイズを有する板状結晶であり、これが数百〜数千枚積層した構造を有し、1つの粉体を形成している。
【0003】
膨潤性層状ケイ酸塩のケイ酸塩層は負の電荷を有しているが、その電荷は結晶の層間に存在するNa+、K+のようなアルカリ金属イオン、Ca2+、Mg2+のようなアルカリ土類金属イオン等の交換性を有する無機カチオンによって中和されているため、全体として電荷がバランスしている。これらの膨潤性層状ケイ酸塩であるスメクタイト型粘土や膨潤性雲母は、カチオン交換能を有する微粒子で、水と接触すると層間の交換性カチオンに水が水和して層間に侵入してくるため、板状結晶同士の間隔が広がって膨潤し、更に水中で結晶の積層構造が1枚1枚、剥離、分散し、静置状態下では結晶同士が会合するためチクソトロピー性を有するゾルを形成し、濃度を高くするとゲルを形成する性質を有している。
【0004】
膨潤性層状ケイ酸塩は、層間の交換性無機カチオンを種々のカチオン性有機化合物とカチオン交換させることにより有機粘土複合体を形成することができる。このような有機粘土複合体の例としては、スメクタイト型粘土の層間に第4級アンモニウム塩、例えば、ジメチルジオクタデシルアンモニウムイオンやジメチルオクタデシルベンジルアンモニウムイオンをカチオン交換によって生成したものは、一般に有機ベントナイトと言われ、工業的に生産されている。これらは、塗料における顔料の沈降防止剤や垂れ防止剤、インキにおける増粘剤、ミスチング防止剤、腰切剤として、またグリースや化粧品、接着剤の増粘剤等、有機流体のレオロジーコントロール剤として、広く利用されている。
【0005】
スメクタイト型粘土や膨潤性雲母の層間にこれら第4級アンモニウムイオンを導入した有機粘土複合体は、上記したレオロジーコントロール剤としての用途の他に、カオリン、シリカ、タルクのような従来から樹脂に数10wt%程度添加されている充てん剤(フィラー材)と比べ、数wt%の少量の添加で樹脂の機械的物性、並びに難燃性、ガスバリヤ性等の効果を発揮する機能性フィラー材としても用いられている。
【0006】
しかしながら、樹脂への練りこみの際、樹脂の溶融混練温度によっては有機ベントナイトの結晶層間に存在している第4級アンモニウムイオンが熱分解し、有機ベントナイト自身が茶色に変色し、その結果、樹脂が着色したり、有機ベントナイトの結晶同士の間隔が狭まくなり、結晶同士の結合力が強まるため、樹脂中での有機ベントナイトの分散性が低下する等、機能性フィラー材としての性能を充分に発揮できない場合があった。このため、特許文献1に示す耐熱性フィラーが提案された。
【0007】
【特許文献1】特開2003−238819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この従来の耐熱性フィラーは、膨潤性層状ケイ酸塩の層間の無機カチオンを第4級ホスホニウムイオンとカチオン交換させて得られる有機粘土複合体からなる耐熱性フィラーである。この複合体は、第4級アンモニウム塩から得られる有機粘土複合体よりも耐熱性は向上する。しかしながら、この特許では、本発明で用いたトリス(4−フェノキシフェニル)基について含んでおらず、さらに、この特許で示されているトリブチルヘキサデシルホスホニウムイオン、ベンジルトリフェニルホスホニウムイオン、メチルトリフェニルホスホニウムイオン及びビス(ヒドロキシプロピル)オクタデシルイソブチルホスホニウムイオンの群からなる第4級ホスホニウムイオンは、結晶の層間に侵入しても、結晶の底面同士の間隔である底面間隔を十分に押し広げることが出来ず、結晶同士の結合力である引力(ファンデルワールス引力)が強まり、樹脂中における結晶の剥離、分散が十分ではないという問題を有していた。
【0009】
この発明で用いた第4級ホスホニウム塩は、耐熱性が高い官能基である4−フェノキシフェニル基を3つ有し、また、層間の底面間隔を押し広げる役割をする長鎖カルボキシアルキル基を有しており、今までに無い新規で特殊な第4級ホスホニウム塩であるため、加熱による変色を抑えることができるばかりでなく、底面間隔が広がり、結晶同士の結合力が弱まることによって樹脂中での分散性が向上する。
【0010】
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、加熱処理しても変色せず、かつ分散性も低下しない有機粘土複合体からなる耐熱性フィラーを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、膨潤性層状ケイ酸塩の層間の無機カチオンを、新規化合物であるカルボキシアルキルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウムイオンからなる第4級ホスホニウム塩を用いてカチオン交換することによって作製して得られる有機粘土複合体は、加熱処理しても変色せず、かつ分散性も低下しない優れた耐熱性フィラーが得られることを見出した。
【0012】
そして、上記カルボキシアルキルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウム塩は、アルキル基が炭素数4から22の中から選択され、特に、10−カルボキシデシルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウム塩で最良の結果を得ることができた。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、膨潤性層状ケイ酸塩の層間の無機カチオンを、カルボキシアルキルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウム塩を用いて作製することで、加熱処理しても変色せず、かつ分散性も低下しない有機粘土複合体からなる耐熱性フィラーが得られた。特に、10−カルボキシデシルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウム塩を用いることで最良の結果を得ることができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
この発明に係る新規なカルボキシアルキルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウム塩は、例えば下式で示されるような、公知の方法で製造することができる。
第一工程
【数3】

第二工程
【数4】

【0015】
第一工程の反応式で、Xはハロゲン原子を示す。この工程で得られるトリス(4−フェノキシフェニル)ホスフィンは4−フェノキシフェニルハライドのグリニヤール試薬を作り、これを公知の方法に準じて三塩化リンと反応させて合成される。続く第二工程は、第一工程で得たトリス(4−フェノキシフェニル)ホスフィンと等モルのカルボキシアルキルブロマイドを加熱条件で反応させると4級化反応が起こり、ホスホニウム塩が溶解した溶液として得られる。この溶液を濃縮することで、目的のカルボキシアルキルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウムが溶解した高粘性オイルが得られる。
【0016】
膨潤性層状ケイ酸塩は、層間に交換性の無機カチオンを有し、このカチオンに水が水和することによって層間に水を取り込んで膨潤する特異な性質を示す層状ケイ酸塩で、スメクタイト型粘土や膨潤性雲母等が知られている。本発明で使用できるスメクタイト型粘土としては、例えば、ヘクトライト、サポナイト、スチーブンサイト、バイデライト、モンモリロナイト、ノントロナイトのスメクタイト型粘土の他、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性雲母等、天然及び合成粘土及びこれらの混合物を挙げることができる。膨潤性層状ケイ酸塩の市販品としては、ベンゲル((株)ホージュン社製天然モンモリロナイト)、ラポナイトRD(ラポルテ社製合成ヘクトライト)等が挙げられる。
【0017】
用いるカルボキシアルキルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウム塩は、アルキル基が炭素数4から22の中から選択され、炭素数10の10−カルボキシデシルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウム塩の結果が特に良かった。また、膨潤性層状ケイ酸塩に対する10−カルボキシデシルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウム塩の添加量は、膨潤性層状ケイ酸塩のカチオン交換容量の0.5から20倍が好ましい。
【0018】
以下、本発明による新規化合物の製造例を実施例1に、実施例2以降に有機粘土複合体の製造例を示す。また試験例を以って、本発明の有用性について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0019】
〔実施例1〕
<トリス(4−フェノキシフェニル)ホスフィンの合成>
最初に4−ブロモジフェニルエーテル(東京化成工業社製)3849g(1.54モル)をTHF溶液1200mlに溶解し、マグネシウム56.1g(2.31モル)のTHF溶液100mlに35℃以下で3時間かけて滴下し、室温で2時間熟成して4−フェノキシフェニルマグネシウムブロマイド1568.0gを調製した。次に、トルエン1300mlに溶解させた三塩化リン62.7g(0.45mol)を25℃以下で2時間かけて滴下し、室温で1時間熟成した。反応液を20℃以下まで冷却し、10%硫酸1000gを30℃以下で滴下して注水分解した。室温で30分攪拌後、水層を分液し、更に有機層を5%炭酸ナトリウム水溶液300g、水1000gで洗浄した。有機層をセライトでろ過した後、濃縮し、結晶を析出させた。析出させた結晶をメタノール300gで2回洗浄し、次いで乾燥することにより白色〜淡黄色の粉末状結晶215.1g(収率88.2%、融点110〜112℃)を得た。尚、このホスフィンは公知物質である。
【0020】
<10−カルボキシデシルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウムブロマイドの合成>
上記方法で得られたトリ−4−フェノキシフェニルオクタデシルホスフィン53.8g(0.1モル)と11−ブロモウンデカン酸(東京化成工業社製)29.2g(0.11モル)にジブチルエーテル200mlを加え、6時間加熱還流した後、室温まで放冷した。反応液を濃縮した後、ヘキサン200mlで洗浄してデカントにより上層のヘキサンを除去し、濃縮した。さらに濃縮物をメタノール500mlで抽出し、不溶物をろ過で除去した後、濃縮して淡橙色の高粘性オイル74.3g(収率92.5%)を得た。
【0021】
さらに、上述の手順により得られた高粘性オイルを1H−NMR及び31P―NMR、IRスペクトルによって同定し、下記式で示される化合物であることを確認した。
【数2】

1H−NMR及び31P−NMR、IRスペクトルを図1〜3に示す。なお、各測定条件は以下の通りである。
1HH−NMR
高粘性オイル10mgを約0.5mlの重クロロホルムに溶かし、Φ5mmの試料管に入れ、日本電子データム(株)社製JNM−Lambda300で測定した。得られた化合物の1H−NMRスペクトルを図1に示す。
31P−NMR
高粘性オイル10mgを約0.5mlの重クロロホルムに溶かし、Φ5mmの試料管に入れ、日本電子データム(株)社製JNM−Lambda300で測定した。シフト値はリン酸を基準とした。得られた化合物の31P−NMRスペクトルを図2に示す。
IR
(株)島津製作所製FT−IR−8300を用い、拡散反射法で測定した。得られた化合物のIRスペクトルを図3に示す。
〔実施例2〕
膨潤性層状ケイ酸塩としてモンモリロナイト((株)ホージュン社製ベンゲルA)40.0gを50wt%メタノール水溶液3660ml中に十分に分散させた分散液に、メタノール1050mlに10−カルボキシデシルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウムブロマイド35.0g(モンモリロナイトのカチオン交換容量の1.25倍量)を十分に溶解させた溶液を添加・混合し、洗浄・脱水後、95℃にて乾燥・粉砕して有機粘土複合体を作製した。
〔実施例3〕
モンモリロナイト((株)ホージュン社製ベンゲルA)40.0gを50wt%メタノール水溶液3660ml中に十分に分散させた分散液に、メタノール957mlに5−カルボキシペンチルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウムブロマイド31.9g(モンモリロナイトのカチオン交換容量の1.25倍量)を十分に溶解させた溶液を添加・混合し、洗浄・脱水後、95℃にて乾燥・粉砕して有機粘土複合体を作製した。
〔比較例1〕
モンモリロナイト((株)ホージュン社製ベンゲルA)40.0gを50wt%メタノール水溶液3660ml中に十分に分散させた分散液に、メタノール170mlにベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド16.9g(モンモリロナイトのカチオン交換容量の1.25倍量)を十分に溶解させた溶液を添加・混合し、洗浄・脱水後、95℃にて乾燥・粉砕して有機粘土複合体を作製した。
〔比較例2〕
カチオン性有機化合物としてジメチルジステアリルアンモニウムクロライドを用いた市販有機ベントナイト((株)ホージュン社製エスベンNX)を用いた。
〔試験例〕
実施例並びに比較例にて作製した有機粘土複合体を未加熱及び250℃にて30分間加熱処理し、白色度、膨潤力、底面間隔、有機物量の測定を行った。
【0022】
それらの測定方法は次の通りである。
白色度:(株)村上色彩技術研究所製精密光沢計(GM−26D、45°)によりB(青)の反射率より白色度(Hunter白色度)を測定。
膨潤力:日本ベントナイト工業会標準試験方法JBAS−104−77、ベントナイト(粉状)の膨潤試験方法によりアセトン溶剤中での粉体2gの24時間後の膨潤した容積を測定。
底面間隔:粉末の有機粘土複合体をアルミニウムの試料板に詰め、リガク(株)製X線回折装置(XRD)RAD−2A型にて結晶の底面同士の間隔を測定。
有機物量: 10℃/分の昇温速度にてリガク(株)製示差熱分析装置(TG−DTA) Thrmo plus TG 8120型にて200℃から1000℃の減少重量を測定。
【0023】
これらの結果を表1に示す。
【0024】
【表1】

【0025】
表1から次の結果が得られた。
【0026】
〔白色度測定結果〕
実施例2において、加熱前の白色度と比較して加熱後の白色度の低下が少なく、約60以上の白色度となった。実施例3は、加熱前の白色度と比較して加熱後の白色度が20程度低下しやや茶色を呈した。ベンジルトリフェニルホスホニウム塩を用いた比較例は、加熱後の白色度の低下は少なかったが、加熱後の白色度は60を下回った。ジメチルジステアリルアンモニウム塩を用いた比較例では、加熱後茶色に変色し、急激に白色度が低下した。
実施例においてカルボキシアルキルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウムイオンのアルキル基の長さによる白色度の影響は、カルボキシアルキル基の鎖長を長くしたカルボキシデシル基を有している10−カルボキシデシルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウムブロマイドが、加熱後の白色度の低下が少なく、耐熱性が向上した。
【0027】
〔膨潤力測定結果〕
実施例2および3において、アセトン中での加熱後の膨潤力は、加熱前と同等な高い値を示した。一方、ベンジルトリフェニルホスホニウム塩を用いた比較例では、加熱前後の膨潤力はともに低い膨潤力を示し、膨潤性はほとんど見られなかった。また、ジメチルジステアリルアンモニウム塩では加熱前、加熱後とも低い膨潤力となった。つまり、実施例の方が、加熱処理前後でも膨潤性の低下が少なく、このことは分散性の低下が少ないことを示している。
【0028】
〔底面間隔測定結果〕
実施例2および33において、加熱前と比較して、加熱後の底面間隔は加熱前と同等となり、20Å以上を示した。一方、ベンジルトリフェニルホスホニウム塩を用いた比較例では、加熱前後ともに実施例と比較して低い底面間隔を示した。また、ジメチルジステアリルアンモニウム塩では加熱前の底面間隔は、実施例と比較して高い値を示したが、加熱後では、低下し、実施例の加熱後よりも低い値を示した。つまり、実施例の方が、加熱処理によっても底面間隔が広がっており、その結果、結晶同士の結合力が弱まるため分散性の低下が少ないことを示している。実施例においてカルボキシアルキルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウムイオンのアルキル基の長さによる底面間隔の影響について、アルキル基の鎖長を長くしたデシル基を有している方が、底面間隔が増加し、熱による分散性の低下が少ないことを示している。
【0029】
〔有機物量測定結果〕
実施例2および3において、加熱前と比較して加熱後の有機物量は、加熱前と同等な高い有機物量を示した。一方、ベンジルトリフェニルホスホニウム塩を用いた比較例では、加熱前後でも実施例と比較して低い有機物量を示した。また、ジメチルジステアリルアンモニウム塩では加熱前の有機物量は、実施例と比較して高い値を示したが、加熱後では低下し、実施例の加熱後よりも低い値を示した。つまり、実施例の方が、加熱後でもカルボキシアルキルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウムイオンが分解せず、結晶層間内に留まり、分散性の低下が少ないことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施例1で得た本発明による化合物の1H−NMRスペクトルである。
【図2】実施例1で得た本発明による化合物の31P−NMRスペクトルである。
【図3】実施例1で得た本発明による化合物のIRスペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式(1)で示されるカルボキシアルキルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウムハライド。
【数1】

【請求項2】
次式(2)で示される10−カルボキシデシルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウムブロマイド。
【数2】

【請求項3】
膨潤性層状ケイ酸塩の層間の無機カチオンを、アルキルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウムイオンからなる第4級ホスホニウム塩を用いてカチオン交換することによって作製したことを特徴とする有機粘土複合体からなる耐熱性フィラー。
【請求項4】
前記カルボキシアルキルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウムイオンは、アルキル基が炭素数4から22であることを特徴とする請求項1に記載の有機粘土複合体からなる耐熱性フィラー。
【請求項5】
前記カルボキシアルキルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウムイオンが、10−カルボキシデシルトリス(4−フェノキシフェニル)ホスホニウムイオンであることを特徴とする請求項2に記載の有機粘土複合体からなる耐熱性フィラー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−76981(P2010−76981A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248421(P2008−248421)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000242002)北興化学工業株式会社 (182)
【出願人】(301044565)株式会社ホージュン (7)
【Fターム(参考)】