説明

新規微生物およびそれを用いたゼアキサンチンの製造方法

【課題】
ゼアキサンチンを選択的にかつ大量に生産することができる新規微生物およびゼアキサンチンの微生物による製造方法を提供する。
【解決の手段】
生産されるβ−カロテン、β−クリプトキサンチン、エキネノン、カンタキサンチン、3−ヒドロキシエキネノン、3’−ヒドロキシエキネノン、ゼアキサンチン、フェニコキサンチン、アドニキサンチンおよびアスタキサンチンを含むカロテノイド類において、ゼアキサンチンが前記カロテノイド類の合計量の85重量%以上しめ、カロテノイド生産性パラコッカス属細菌の育種により得られた変異株から選抜されるゼアキサンチン生産性微生物およびそれを用いて菌体又は培養液からゼアキサンチンを回収するゼアキサンチンの製造方法を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飼料添加剤、食品用色素、機能性食品、抗酸化剤として有用なゼアキサンチンの製造に用いられる新規微生物およびそれを用いたゼアキサンチンの製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
カロテノイドの一種であるゼアキサンチンは養殖アユの色揚げや鶏卵の卵黄質改善などに用いられている。また、近年、ゼアキサンチンやその構造異性体であるルテインは加齢性黄班変性や白内障などの疾病に対し発生リスクを低減することが知られ、健康食品等のサプリメントとしての需要が拡大している。ゼアキサンチンは天然において主にほうれん草などの緑黄色野菜やトウモロコシの種子、卵黄などの食品やマリーゴールドなどの黄色い花に含まれているが、これらは含量が低いため抽出法によるゼアキサンチンの大量生産には向かない。
【0003】
従来より、ゼアキサンチンは微細藻類の一種であるスピルリナの大量培養によって生産されている。しかしながら光合成細菌は一般に増殖速度が遅いうえ、光合成のための光の供給が不可欠であるなど発酵生産においていくつかの問題点がある。また、ゼアキサンチンと同じく脂溶性であるクロロフィルを多量に含有するため、ゼアキサンチンとの分離が困難である。これら問題点の解決策として、アルテノモナス属細菌(例えば、特許文献1参照)やフレキシバクター属細菌(例えば、特許文献2参照)、パラコッカス属細菌、などによる生産研究が行われており、クロロフィルの混入なしに容易に抽出できる。ただし、これら細菌のゼアキサンチン生産量は1〜4mg/Lと少なく、工業化に向けてさらなる菌株育種が必要である。ゼアキサンチン生産量向上のための菌株育種についても検討されており、通常は紫外線照射を用いたりN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジンやメタンスルホン酸エチルなどの変異原物質を用いて変異原処理を行った後に単コロニー分離をしてコロニー色の濃さにより高生産株を選抜する。しかしながらゼアキサンチンは黄色色素であるため色の濃淡が見分けにくいことから、従来、効率的な育種は困難であった。
【0004】
このような育種の問題を解決するため、先ず、コロニー色が橙色〜赤色で色の濃淡を判別し易く、カロテノイド高生産株を取得し易いパラコッカス属細菌を育種した。本菌株は、図1に示すようにβ−カロテンを化学修飾し、β−クリプトキサンチン、エキネノン、カンタキサンチン、3−ヒドロキシエキネノン、3’−ヒドロキシエキネノン、ゼアキサンチン、フェニコキサンチン、アドニキサンチンなどを経由してアスタキサンチンを生産することが知られている(例えば、非特許文献1参照)。続いてそのカロテノイド高生産株についてさらなる育種を行い、この代謝に関連する酵素の活性バランスや代謝バランスの変化により中間代謝物であるゼアキサンチンを選択的に生産・蓄積する株を取得し、本発明を完成するに至った。
【0005】
なお、今回ゼアキサンチン産生細菌として用いたパラコッカス属細菌N−81106株はアドニキサンチンやアスタキサンチン、またはその配糖体などのカロテノイドを産生することが知られているが、代謝中間体であるゼアキサンチンはほとんど蓄積しない。またカロテノイド類の総生産量も培地1リットル当たり数ミリグラム程度であり、必ずしも満足できるカロテノイド生産性ではない。
【0006】
なお、このパラコッカス属細菌N−81106株は後に16SリボゾーマルRNA遺伝子の配列解析が行われた結果、パラコッカス属細菌と再同定された。海洋バイオテクノロジー研究所においてMBIC01143としても登録され、その諸性質に関する情報の概略は国立遺伝学研究所日本DNAデータバンク(DDBJ)や米国NIHのデーターベース(NCBI)より入手することができる(例えば、非特許文献2、3参照)。
【0007】
このN−81106株を親株として育種を行い、現在までに培地1リットル当りアスタキサンチン220mg、総カロテノイド量400mgを生産するTSN18E7株(受託番号FERM P−19746)が報告されている(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
新属のカロテノイド産生細菌(例えば、特許文献3参照)によるゼアキサンチン生産についても研究されており、培養液当り19.7mg/Lのゼアキサンチン生産量を達成している。しかしながら全カロテノイドに占めるゼアキサンチンの選択性は34.3%と低く、ゼアキサンチンのみを高純度で効率良く得るためにはさらなる生産性の改良が必要である。
【0009】
【特許文献1】特開平5−49497号公報
【特許文献2】特開平5−328978号公報
【特許文献3】特開2005−87097号公報
【特許文献4】特開2005−58216号公報
【非特許文献1】Journal of Biotechnology,59,169−181,1998年
【非特許文献2】国立遺伝学研究所日本DNAデータバンクホームページ<URL:http://www.ddbj.nig.ac.jp/>
【非特許文献3】米国National Institute of Health、National Center of Biotechnology Informationホームページ<URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、ゼアキサンチンを選択的にかつ大量に生産することができる新規微生物および当該微生物によるゼアキサンチンの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明らは上記課題に関し鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、カロテノイド生産パラコッカス属細菌N−81106株を変異処理することにより中間代謝物であるゼアキサンチンを良く蓄積するようになったゼアキサンチン生産性が向上したパラコッカス属細菌である。また、本発明は、そのような細菌を培養し、菌体又は培養液からゼアキサンチンを回収することを特徴とする、ゼアキサンチンの製造法である。
【0012】
従って本発明は、特許生物寄託センターに、受託番号FERM P−20695として寄託されたTSTT002株を代表とする、カロテノイド生産性パラコッカス属細菌の育種により得られた変異株から選抜されるゼアキサンチン生産性微生物である。
【0013】
また本発明は、培地1Lあたり14.9mg以上のゼアキサンチンを生産する微生物であり、さらに生産されるβ−カロテン、β−クリプトキサンチン、エキネノン、カンタキサンチン、3−ヒドロキシエキネノン、3’−ヒドロキシエキネノン、ゼアキサンチン、フェニコキサンチン、アドニキサンチンおよびアスタキサンチンを含むカロテノイド類において、ゼアキサンチンが前記カロテノイド類の合計量の85重量%以上しめる微生物である。
【0014】
また本発明は、上記の微生物を培養し、培養後の菌体又は培養液からゼアキサンチンを回収する、ゼアキサンチンの製造法である。以下本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明の微生物は、パラコッカス属細菌N−81106株の育種により誘導された新規な微生物であり、TSTT002株を代表とする、カロテノイド生産性パラコッカス属細菌の育種により得られた変異株から選抜されるゼアキサンチン生産性微生物である。
【0016】
パラコッカス属細菌N−81106株は、株式会社海洋バイオテクノロジー研究所により発見された微生物であり、同社カルチャーコレクション(MBIC)に公開されている。N−81106株は細胞中にアスタキサンチンやアドニキサンチン、またはその配糖体を高含量に蓄積することが知られているが、ゼアキサンチンは中間代謝物として速やかに次の代謝物である各種カロテノイドに変換されるため、細胞中に蓄積することはほとんどない。
【0017】
本発明の微生物は、パラコッカス属細菌N−81106株の育種により誘導されるが、育種の方法としては自然突然変異により派生した優良菌株を選別していく方法などの他に、変異原物質や紫外線で細胞を処理することによって変異を加速させたのちに生産性が向上した菌株を選別していく方法や、以上の様な方法で得られた性質の異なる菌株同士を細胞融合させる方法など様々な方法を行なうことができる。特に変異原物質を用いる方法は、突然変異を誘発することが可能であり、短期間に有用な菌株を得る方法が知られている。これらの変異を誘発する方法は当業者には周知である。変異原物質としてはN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)、メタンスルホン酸エチル(EMS)等の化合物が使用できる。
【0018】
一例をあげると、予め培養して得たパラコッカス属細菌N−81106株の菌体をこれらの化合物の水溶液に懸濁する。一定時間放置した後に遠心分離などの方法で菌体を回収し、変異原物質を除去した後に平板培地上で培養する。次いで、色調の変化したコロニーを選択する。コロニーの選択は任意に多数のコロニーを選択、分離後液体培養を行ない、回収した菌体からカロテノイドを適当な溶媒により抽出し、抽出液の470nm付近の吸光度を測定することで行うことができる。
【0019】
この様にして一次選抜を行ない、次いで抽出液の組成をHPLCなどにより解析してカロテノイドの生産性が向上した菌株、あるいは、特定のカロテノイドの組成が向上した菌株を得ることができる。例えば、ゼアキサンチン、カンタキサンチン、β−カロテン、リコペン等を選択的に合成する株である。
【0020】
さらに具体的には、本発明の微生物は、培地1Lあたり14.9mg以上のゼアキサンチンを生産する微生物であり、生産されるβ−カロテン、β−クリプトキサンチン、エキネノン、カンタキサンチン、3−ヒドロキシエキネノン、3’−ヒドロキシエキネノン、ゼアキサンチン、フェニコキサンチン、アドニキサンチンおよびアスタキサンチンを含むカロテノイド類において、ゼアキサンチンが前記カロテノイド類の合計量の85重量%以上しめる微生物である。
【0021】
本発明の微生物が特定のカロテノイド類を効率的に生産できるのは、その機序の詳細は不明であるものの、カロテノイドの代謝を担う酵素の活性低下または不活性化によるものであり、本発明におけるゼアキサンチンを蓄積するTSTT002株はβ−カロテンケト化酵素(β−カロテンの4位および4’位をケト化する酵素)の活性が顕著に低下または失活しているものと考えられる。
【0022】
本発明に用いる培地としては、細菌が増殖しカロテノイドを生産し得るものであればいずれを使用してもよく、炭素源には廃糖蜜、グルコース、フルクトース、マルトース、ショ糖、デンプン、乳糖、グリセロール、酢酸などが、窒素源にはコーンスティープリカー、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、大豆粕等の天然成分や、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩等やグルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン等のアミノ酸類が、無機塩にはリン酸1ナトリウム、リン酸2ナトリウム、リン酸1カリウム、リン酸2カリウム等のリン酸塩や塩化ナトリウムなどが、金属イオンには塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、塩化第1鉄、塩化第2鉄、クエン酸鉄、硫酸アンモニウム鉄、塩化カルシウム・2水和物、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸銅、塩化銅、硫酸マンガン、塩化マンガンなどが、ビタミン類として酵母エキスやビオチン、ニコチン酸、チアミン、リボフラビン、イノシトール、ピリドキシン等が使用できる。
【0023】
本発明における培養の条件については、細菌が増殖しカロテノイドを生産し得るものであれば特に限定はないが、培養温度は15〜35℃が好ましく、培養液のpHは6〜9が好ましく、培養時間は24〜200時間が好ましい。
【0024】
本発明は、上記の微生物を培養し、培養後の菌体又は培養液からゼアキサンチンを回収する、ゼアキサンチンの製造法であり、ゼアキサンチンを回収するためには培養液からゼアキサンチン蓄積微生物を集菌し、適当な有機溶媒等により抽出すればよい。
【0025】
有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、クロロフォルム、ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルフォキシド等がよい。好適にはアセトンである。さらには、液体クロマトグラフィー等を利用して高純度に分離することも可能である。液体クロマトグラフィーの分離原理としてはイオン交換、疎水相互作用、分離篩等を挙げることができる。好ましくは、逆相クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィーである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、飼料添加剤、食品用色素、機能性食品、抗酸化剤として有用なゼアキサンチンを効率よく製造することが可能になる。
【実施例】
【0027】
以下、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
(実施例1)
菌株の取得
パラコッカス属細菌N−81106株より数回の変異育種を経て得られたTSN18E7(FERM P−19746)株はアスタキサンチン、アドニキサンチン、フェニコキサンチン、カンタキサンチン、エキネノン、β−カロテンなど種々のカロテノイドについて高い生産性を示すが、本発明に用いたゼアキサンチン選択高合成細菌TSTT002株はTSN18E7株を変異改良することにより得られた。
【0029】
具体的には表1に示す培地5mlを試験管に入れて滅菌後、TSN18E7株を植菌し、25℃、150rpmで1日間振とう培養を行なった。この培養液のうち1mlを1.5mlのエッペンドルフチューブに移し、15,000回転、10分間の遠心分離により菌体を回収した。この菌体をpH7.0の0.1Mリン酸カリウム緩衝液(緩衝液A)1mlに懸濁し、次いで3mg/mlのN‐メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアジニジン(以下NTGと略記する)水溶液10μlを加え、30〜60分間静置した。
【0030】
その後、遠心分離して上清を除去し、緩衝液Aに再懸濁する操作を2回繰返してNTGを除去した。さらに、0.5ml緩衝液Aに菌体を懸濁し、表1に示す培地3mlに植菌して4〜5時間培養した。得られた培養液を適度に希釈し、表2に示す組成の平板培地上に塗布して25℃で5日間保温した。生育したコロニーについて黄色いコロニーを優先的に選別・釣菌し、表1に示す組成の培地で25℃、100rpmで7日間振とう培養を行った。この培養液を分析し、ゼアキサンチン生産性が向上した菌株の選定を行なった。
【0031】
カロテノイドの同定および定量は以下の様に行なった。まず培養液1mlを1.5ml容エッペンドルフチューブに入れ、15,000回転、5分間遠心分離して菌体ペレットを得た。この菌体に20μlの純水に懸濁し、次いで200μlのジメチルフォルムアミドおよび500μlのアセトンを加え振とうしてカロテノイドを抽出した。この抽出液を15,000回転、5分間遠心分離により残渣を除去後、TSKgel−ODS80TMカラム(東ソー社製)を用いた高速液体クロマトグラフィー(以下HPLCと略記する)で各種カロテノイドを定量した。
【0032】
なおカロテノイドの分離はA液として純水とメチルアルコールの5:95の混合溶媒、B液としてメチルアルコールとテトラヒドロフランの7:3の混合溶媒を用い、1ml/minの流速でA液を5分間カラムに通液させた後、同じ流速でA液100%からB液100%へ直線濃度勾配で5分間通液を行ない、さらにB液を5分間通液させることにより行なった。カロテノイド類の成分帰属は市販の試薬とのHPLCリテンションタイムの比較により行なった。上記の方法により、ゼアキサンチンはリテンションタイム9.5〜10.0分に検出される。
【0033】
以上の操作を経て、ゼアキサンチンを選択的に高生産する細菌TSTT002株を得た。
【0034】
(実施例2)
フラスコでの新規微生物の培養およびカロテノイドの定量
表1に示した組成の滅菌した培地5mlにTSTT002のグリセロール保存液50μlを植菌して25℃で1日間、毎分150回転の振とう速度にて培養を行なった。
【0035】
次いで、表1に示した組成の滅菌した培地60mlを100ml容のバッフル付き三角フラスコに入れ121℃、20分間で滅菌後、上記の培養液2mlを植菌して25℃で7日間、毎分100回転の振とう速度にて培養を行なった。
【0036】
培養終了時の培養液の濁度(OD660nm)は3.6であった。培養終了後の菌体からカロテノイドを抽出してHPLCにてカロテノイド量を定量すると、培地1Lあたりゼアキサンチンを14.9mg生産していた。また、β−カロテンやβ−クリプトキサンチンなども含めたカロテノイドの総量は17.5mgであった。よって、ゼアキサンチンのカロテノイド総量に対する割合は85%以上であった。このときのカロテノイド生産パターン(HPLCチャート)を図2に示す。
【0037】
また、同様の培養方法にてTSTT002株の親株であるTSN18E7株を培養すると、主にアスタキサンチン、アドニキサンチン、フェニコキサンチン、カンタキサンチン、エキネノンを蓄積し、ゼアキサンチンは蓄積しない。このときのカロテノイド生産パターンを図3(HPLCチャート)に示す。また、各々の成分についての定量値を表3に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】フィトエンから始まり、β−カロテンを化学修飾し、最終的にアスタキサンチンを生産する経路図である。
【図2】TSTT002株から抽出したカロテノイド類のHPLCチャートであり、図中、X軸(横軸)は保持時間(単位は分)を示し、Y軸(縦軸)HPLCピーク強度(単位はmV(任意強度))を示す。
【図3】TSN18E7株から抽出したカロテノイド類のHPLCチャートであり、図中、X軸(横軸)は保持時間(単位は分)を示し、Y軸(縦軸)HPLCピーク強度(単位はmV(任意強度))を示す。
【符号の説明】
【0042】
1:ゼアキサンチンのピーク
2:アスタキサンチン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カロテノイド生産性パラコッカス属細菌の育種により得られた変異株から選抜されるゼアキサンチン生産性微生物。
【請求項2】
微生物が、カロテノイド生産性パラコッカス属細菌TSTT002株(受託番号FERM P−20695)である請求項1に記載のゼアキサンチン生産性微生物。
【請求項3】
培地1Lあたり14.9mg以上のゼアキサンチンを生産することを特徴とする請求項1または請求項2記載の微生物。
【請求項4】
生産されるβ−カロテン、β−クリプトキサンチン、エキネノン、カンタキサンチン、3−ヒドロキシエキネノン、3’−ヒドロキシエキネノン、ゼアキサンチン、フェニコキサンチン、アドニキサンチンおよびアスタキサンチンを含むカロテノイド類において、ゼアキサンチンが前記カロテノイド類の合計量の85重量%以上しめることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の微生物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の微生物を培養し、培養後の菌体又は培養液からゼアキサンチンを回収することを特徴とする、ゼアキサンチンの製造法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−151475(P2007−151475A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352139(P2005−352139)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】