説明

新規組成物

本発明は、インフルエンザ疾患に対する免疫のためのインフルエンザワクチン製剤およびワクチン接種レジメン、医療におけるその使用、特に種々の抗原に対する免疫応答の増強のためのその使用、ならびにその調製方法に関する。とりわけ、本発明は、少なくとも2種のインフルエンザウイルス株(そのうち少なくとも1種の株は大流行に関与しているかまたは大流行に関与する潜在力を有する株である)からのインフルエンザ抗原またはその抗原性調製物と水中油型エマルジョンアジュバントとを含む多価インフルエンザ免疫原性組成物に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2種のインフルエンザウイルス株からのインフルエンザ抗原またはその抗原性調製物を水中油型エマルジョンアジュバントと組み合わせて含んでなる多価インフルエンザ免疫原性組成物であって、ここで少なくとも1種の前記株が大流行に関与するまたは大流行に関与する潜在力を有し、前記水中油型エマルジョンアジュバントが代謝可能なオイル、ステロール、および乳化剤を含んでなる前記組成物。
【請求項2】
前記ステロールがα-トコフェロールである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記水中油型エマルジョンが油滴を含み、該油滴の少なくとも70強度%が直径1 μm未満である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記水中油型エマルジョンが油滴を含み、該油滴の少なくとも70強度%が直径500 nm未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記水中油型エマルジョンが油滴を含み、該油滴の少なくとも80強度%が直径300 nm未満である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記水中油型エマルジョンが油滴を含み、該油滴の少なくとも90強度%が直径120〜200 nmの範囲にある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記代謝可能なオイルがスクアレンである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記代謝可能なオイルが、前記免疫原性組成物の全体積の0.5%〜20%の量にて存在する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記代謝可能なオイルが、前記免疫原性組成物の全体積の1.0%〜10%の量にて存在する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記代謝可能なオイルが、前記免疫原性組成物の全体積の2.0%〜6.0%の量にて存在する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記水中油型エマルジョンがさらなるステロールを含んでなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記ステロールがコレステロールである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記α-トコフェロールが、前記免疫原性組成物の全体積の1.0%〜20%の量にて存在する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記α-トコフェロールが、前記免疫原性組成物の全体積の1.0%〜5.0%の量にて存在する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
スクアレンとα-トコフェロールの比が1以下である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記乳化剤がTween 80である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記乳化剤が前記免疫原性組成物の0.01〜5.0重量%(w/w)の量にて存在する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記乳化剤が前記免疫原性組成物の0.1〜2.0重量%(w/w)の量にて存在する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記免疫原性組成物がTLR-4リガンドをさらに含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
前記TLR-4リガンドが、3D-MPLのようなリピドAの非毒性誘導体、リピドAの合成誘導体、MDP、およびRSV Fプロテインからなるリストより選択される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記リピドA誘導体が3D-MPLである、請求項1〜20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
3D-MPLが組成物1用量当たり1〜100 μg (w/v)の量にて存在する、請求項1〜21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
3D-MPLが10〜50 μg/mlの量にて存在する、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
3D-MPLが約25 μg/mlの量にて存在する、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
前記多価組成物が、二価、三価または四価組成物である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
前記流行性インフルエンザウイルス株が、H5N1、H9N2、H7N7、H2N2およびH1N1からなるリストより選択される、請求項1〜25のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
少なくとも2種のインフルエンザウイルス株が、H5N1、H9N2、H7N7、H2N2およびH1N1からなるリストから選択される、請求項26に記載の免疫原性組成物。
【請求項28】
前記抗原または抗原性組成物が、インフルエンザ株当たり1〜15 μgのHAを含有する、請求項1〜27のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項29】
前記抗原または抗原性組成物が、各インフルエンザ株当たり低用量のHAを含有する、請求項28に記載の免疫原性組成物。
【請求項30】
前記抗原または抗原性組成物が、各株当たり2.5〜7.5μgのHAを含有する、請求項29に記載の免疫原性組成物。
【請求項31】
抗原または抗原組成物が、精製された全インフルエンザウイルス、死滅インフルエンザウイルス、またはインフルエンザウイルスのサブユニット成分の形態である、請求項1〜30のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項32】
前記死滅インフルエンザウイルスがスプリットインフルエンザウイルスである、請求項31に記載の免疫原性組成物。
【請求項33】
大流行状況のためのインフルエンザ免疫原性組成物の製造方法であって、少なくとも2種のインフルエンザウイルス株由来のインフルエンザウイルス抗原またはその抗原性調製物を水中油型エマルジョンと混合することを含み、ここで前記少なくとも2種のインフルエンザウイルス株のうちの少なくとも1種は大流行に関与しているまたは大流行に関与する潜在力を有する前記方法。
【請求項34】
水中油型エマルジョンアジュバントが請求項1〜18のいずれか1項に定義されたとおりのアジュバントである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記水中油型エマルジョンがTLR-4 アジュバントをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
TLR-4アジュバントが請求項19〜24のいずれか1項に定義されたとおりのアジュバントである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
医療に使用するための、請求項1〜32のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項38】
ヒトにおけるインフルエンザウイルスまたはその抗原性組成物に対する、i)改善されたCD4 T細胞免疫応答およびii)改善されたB細胞記憶応答の少なくとも1つを誘導するための請求項1〜32のいずれか1項に記載の免疫原性組成物の製造における、(a) インフルエンザウイルスまたはその抗原性調製物、ならびに(b) 水中油型エマルジョンアジュバントの使用。
【請求項39】
ヒト高齢者のインフルエンザに対するワクチン接種用の請求項1〜32のいずれか1項に記載の免疫原性組成物の調製における、インフルエンザウイルスまたはその抗原性調製物および水中油型エマルジョンアジュバントの使用。
【請求項40】
前記組成物が、前記高齢被験者において前記ウイルスまたは抗原性組成物に対して、i)改善されたCD4 T細胞免疫応答およびii)改善された記憶B細胞応答の少なくとも1つを誘導する、請求項39に記載の使用。
【請求項41】
前記免疫原性組成物の投与が、改善されたCD4 T細胞免疫応答および改善された記憶B細胞応答の両方を誘導する、請求項38〜40のいずれか1項に記載の使用。
【請求項42】
前記CD4 T細胞免疫応答が、交差反応性CD4 Tヘルパー応答の誘導を伴う、請求項38および40〜41のいずれか1項に記載の使用。
【請求項43】
標的集団が50歳より高齢である、請求項38〜42のいずれか1項に記載の使用。
【請求項44】
標的集団が65歳より高齢である、請求項43に記載の使用。
【請求項45】
請求項1〜32のいずれか1項に記載の免疫原性組成物により以前にワクチン接種されたヒトの再ワクチン接種用の免疫原性組成物の製造における、インフルエンザウイルスまたはその抗原性調製物の使用。
【請求項46】
再ワクチン接種に使用された組成物が追加のアジュバントを含有する、請求項45に記載の使用。
【請求項47】
前記アジュバントが、水中油型エマルジョンアジュバント、アルミニウムアジュバント、TLR-4リガンドおよびサポニンからなるリストより選択される、請求項46に記載の使用。
【請求項48】
前記水中油型エマルジョンアジュバントが、請求項2〜18のいずれか1項に定義されたとおりのアジュバントであり、前記TLR-4リガンドが請求項19〜24のいずれか1項に定義のとおりのリガンドである、請求項47に記載の使用。
【請求項49】
前記再ワクチン接種用の免疫原性組成物が、第1ワクチン接種に使用されたスプリットインフルエンザウイルスまたはそのスプリットウイルス抗原性調製物と共通CD4 T細胞エピトープを共有するインフルエンザウイルスまたはその抗原性調製物を含有する、請求項45〜48のいずれか1項に記載の使用。
【請求項50】
再ワクチン接種後の免疫学的応答が、インフルエンザウイルスまたはその抗原性調製物に対する改善されたCD4応答、または改善された体液性応答、または改善されたB細胞記憶応答、のいずれか1つ、または2つ、またはすべてである、請求項45〜49のいずれか1項に記載の使用。
【請求項51】
前記インフルエンザ抗原またはその抗原性調製物が、少なくとも2種の異なるインフルエンザ株由来である、請求項45〜50のいずれか1項に記載の使用。
【請求項52】
前記インフルエンザ抗原またはその抗原性調製物が3種の異なるインフルエンザ株由来である、請求項51に記載の使用。
【請求項53】
前記再ワクチン接種用の免疫原性組成物が、大流行に関与しているまたは大流行に関与する潜在力を有するインフルエンザ株を少なくとも1種含有する、請求項45〜52のいずれか1項に記載の使用。
【請求項54】
前記流行株が、H5N1、H9N2、H7N7、H2N2およびH1N1からなるリストより選択される、請求項53に記載の使用。
【請求項55】
第1ワクチン接種が、潜在的に大流行を引き起こしうるインフルエンザ株を含有するインフルエンザ組成物を用いて行われ、かつ再ワクチン接種が、循環流行株を含有するインフルエンザ組成物を用いて行われる、請求項45〜54のいずれか1項に記載の使用。
【請求項56】
前記免疫原性組成物が低用量のHA抗原を含有する、請求項45〜55のいずれか1項に記載の使用。
【請求項57】
前記インフルエンザ抗原またはその抗原性調製物が卵由来または組織培養由来である、請求項45〜56のいずれか1項に記載の使用。
【請求項58】
変種インフルエンザ株により引き起こされるインフルエンザ感染症に対する保護のための請求項1〜32のいずれか1項に記載の免疫原性組成物の製造における、第1種のインフルエンザ株由来の抗原または抗原性調製物の使用。
【請求項59】
前記第1種のインフルエンザ株が大流行に関与しているまたは大流行に関与する潜在力を有する、請求項58に記載の使用。
【請求項60】
前記変種インフルエンザ株が大流行に関与しているまたは大流行に関与する潜在力を有する、請求項58に記載の使用。
【請求項61】
前記流行株がH5N1、H9N2、H7N7、H2N2およびH1N1からなるリストより選択される、請求項59または60に記載の使用。
【請求項62】
前記インフルエンザ抗原が、スプリットインフルエンザウイルス、全インフルエンザウイルス、サブユニットインフルエンザウイルス、インフルエンザビロソームおよびその抗原性調製物からなるリストより選択される、請求項45〜61のいずれか1項に記載の使用。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2008−534466(P2008−534466A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502345(P2008−502345)
【出願日】平成18年3月21日(2006.3.21)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002837
【国際公開番号】WO2006/100110
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(305060279)グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム (169)
【Fターム(参考)】