説明

新規農園芸用殺菌剤

【課題】新規な農園芸用殺菌剤を提供する。また、その有効成分として新規化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】次式(1a):


(1a)で示されるPF1163A、PF1163B化合物および関連化合物PF1163D、PF1163E、PF1163F、PF1163G、PF1163H、PF1163J化合物の少なくともひとつを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤を提供する。また、新規化合物としてPF1163D、PF1163E、PF1163F、PF1163G、PF1163H、PF1163J化合物の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な農園芸用殺菌剤に関する。
【背景技術】
【0002】
PF1163AおよびPF1163B化合物は、真菌類に対して抗菌活性を示す物質として知られている(特許文献1、非特許文献1)。しかしながら、これらの化合物の植物病原糸状菌類に対する効果は報告されておらず、農園芸用殺菌剤としての使用についても開示されていない。またPF1163AおよびPF1163Bはエルゴステロールの生合成のC-4脱メチル化酵素の活性を阻害して、抗真菌活性を示すことが報告されている(非特許文献2)が、植物体において、本酵素を阻害することにより植物病原糸状菌類に対する防除効果を示すかについては、記載はない。
【0003】
さらに、これまでに、抗真菌活性を示す化合物は多く報告されているが、その中で農園芸用の殺菌剤として植物体上で防除効果を示すものはまれである。
【0004】
また、PF1163A、PF1163B化合物以外のPF1163類縁体については、これまでになんら報告されていない。
【特許文献1】特開2000-53663
【非特許文献1】Journal of Antibiotics(2000), 53(1),33
【非特許文献2】Journal of Antibiotics(2002), 55(11),969
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまでに多くの農園芸用殺菌剤が開発されているが、それら薬剤に対する低感受性菌が見出されるなど、依然として新しい薬剤の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、新規な農園芸用殺菌剤を鋭意探索した結果、PF1163A、PF1163B化合物および式(1b)で示される新規なPF1163類縁化合物が農園芸用殺菌剤として使用可能な抗菌力と植物体上での防除効果を示すことを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次式(1a):
【化1】


(1a)
[式中、PF1163Aでは、R1は水酸基、R2はn−プロピル基、R3は2−ヒドロキシエチル基を表し、PF1163Bでは、R1は水素原子、R2はn−プロピル基、R3は2−ヒドロキシエチル基を表す]で示されるPF1163A、PF1163B化合物
および次式(1b):
【化2】


(1b)
[式中、PF1163Dでは、R1は水素原子、R2はn−ペンチル基、R3は2−ヒドロキシエチル基を表し、PF1163Eでは、R1は水素原子、R2はn−ペンチル基、R3はイソプレニル基を表し、PF1163Fでは、R1は水酸基、R2はメチル基、R3は2−ヒドロキシエチル基を表し、PF1163Gでは、R1は水酸基、R2はn−プロピル基、R3は2−アセトキシエチル基を表し、PF1163Hでは、R1は水素原子、R2はメチル基、R3は2−ヒドロキシエチル基を表し、PF1163Jでは、R1は水酸基、R2はn−プロピル基、R3は水素原子を表す]で示されるPF1163D、PF1163E、PF1163F、PF1163G、PF1163H、PF1163J化合物の少なくともひとつを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、植物病原菌に対して抗菌力を示す新規な化合物である1.上記式(1b)におけるPF1163D、PF1163E化合物、2.上記式(1b)におけるPF1163Fまたは、PF1163H化合物および、3.上記式(1b)におけるPF1163Gまたは、PF1163J化合物を提供する。
【0009】
PF1163D,E,F,G,H,J化合物の理化学的性状を以下に示す。
なお、理化学的性状の測定方法は次のとおりである。
1.色および形状は外観から判断した。
2.マススペクトラムの測定はJMS-700質量分析器(日本電子)とZQ-4000(Waters)を用いた。
イオンの検出は、大気圧イオン化法のエレクトロンスプレー法(ES-MSと記す)、高速原子衝突法(FAB-MSと記す)、高速原子衝突法のリンク走査法(Linked Scan と記す)で行った。
3.HPLC分析は、カラムWatersXTerraColumn(5μ、4.6mm×50mm)、40℃、移動相20%アセトニトリル水から10分間で100% アセトニトリル(リニアグラジエント)、流速0.8ml/分で行った。
【0010】
1.PF1163D化合物の理化学的性状
1 色および形状:白色粉末
2 マススペクトル:(ES-MS)M/Z490(M+H)+、(FAB-MS)M/Z490(M+H)+ M/Z512(M+Na)+
3 分子式:C29H47NO5
4 HPLC保持時間:9.66分
5 1H -NMRスペクトル(400MHz、CD3CN)(第1図に示す)
6 13C -NMRスペクトル(100MHz、CD3CN))(第2図に示す)
2.PF1163E化合物の理化学的性状
1 色および形状:白色粉末
2 マススペクトル:(ES-MS)M/Z514(M+H)+M/Z536(M+Na)+ M/Z552(M+K)+、(FAB-MS)M/Z514(M+H)+ M/Z536(M+Na)+
3 分子式:C32H45NO4
4 HPLC保持時間:11.52分
5 1H -NMRスペクトル(400MHz、CD3CN)(第3図に示す)
6 13C -NMRスペクトル(100MHz、CD3CN)(第4図に示す)
3.PF1163F化合物の理化学的性状
1 色および形状:白色粉末
2 マススペクトル:(ES-MS)M/Z450(M+H)+ M/Z472(M+Na)+、(FAB-MS)M/Z450(M+H)+
3 分子式:C25H39NO6
4 HPLC保持時間:5.24分
5 1H-NMRスペクトル(400MHz、CD3CN)(第5図に示す)
6 13C-NMRスペクトル(100MHz、CD3CN)(第6図に示す)
4.PF1163G化合物の理化学的性状
1 色および形状:白色粉末
2 マススペクトル:(ES-MS)M/Z520(M+H)+ M/Z542(M+Na)+ M/Z558(M+K)+、(FAB-MS)M/Z520(M+H)+ M/Z542(M+Na)+
3 分子式:C29H45NO7
4 HPLC保持時間:7.39分
5 1H -NMRスペクトル(400MHz、CD3CN)(第7図に示す)
6 13C -NMRスペクトル(100MHz、CD3CN)(第8図に示す)
5.PF1163H化合物の理化学的性状
1 色および形状:白色粉末
2 マススペクトル:(ES-MS)M/Z434(M+H)+ M/Z456(M+Na)+、(FAB-MS)M/Z434(M+H)+
3 分子式:C25H39NO5
4 HPLC保持時間:8.04分
5 1H -NMRスペクトル(400MHz、CD3CN)(第9図に示す)
6 13C -NMRスペクトル(100MHz、CD3CN)
δ(ppm)174.2(s),171.5(s),158.5(s),131.0(s),130.2(d),114.3(d),74.8(d),69.4(t),61.7(d),60.4(t),39.5(t),37.9(t),36.4(t),33.0(t),32.7(t),30.2(d),30.1(q),28.5(t),27.7(t),27.1(t),26.0(t),19.7(q),13.2(q)
6.PF1163J化合物の理化学的性状27.7(t),
1 色および形状:白色粉末
2 マススペクトル:(ES-MS)Pos.:M/Z434(M+H)+M/Z456(M+Na)+、Neg.:M/Z432(M−H)、(FAB-MS)M/Z434(M+H)+ M/Z456(M+Na)+
3 分子式:C25H39NO5
4 HPLC保持時間:6.50分
5 1H -NMRスペクトル(400MHz、CD3CN)(第10図に示す)
6 13C -NMRスペクトル(100MHz、CD3CN)(第11図に示す)
【0011】
式(1b)で示されるPF1163D,E,F,G,H,J化合物は、PF1163D,E,F,G,H,J化合物の生産能を有する微生物を培養し、その培養物から採取することによって得ることができる。
従って本発明はまた、前記式(1b)で示されるPF1163D、PF1163E、PF1163F、PF1163G、PF1163Hまたは、PF1163J化合物生産菌を培養し、その培養物よりPF1163D、PF1163E、PF1163F、PF1163G、PF1163Hまたは、PF1163J化合物を採取することを特徴とするPF1163D、PF1163E、PF1163F、PF1163G、PF1163Hまたは、PF1163J化合物の製造法を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
式(1a)で示されるPF1163A、PF1163B化合物は、例えば特開2000-53663号公報または、Journal of Antibiotics(1999), 52(12), 1146に記載される方法で得ることができる。
【0013】
式(1b)で示されるPF1163D,E,F,G,H,J化合物は、例えば特開2000-53663号公報に記載の方法で得られる菌の培養物から精製することによって製造することができる。
【0014】
本発明で使用されるPF1163D、PF1163E、PF1163F、PF1163G、PF1163Hまたは、PF1163J化合物生産菌の一例としては、特開2000-53663号公報に記載されているペニシリウム・エスピーPF1163株が挙げられる。PF1163株は独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(旧工業技術院生命工学工業技術研究所 特許微生物寄託センター)に寄託されており、その受託番号はFERM P−15473である。
【0015】
培養物からの精製方法としては、例えば、培養物より適当な有機溶媒を用いて式(1a)および式(1b)で示される化合物群を抽出し、該抽出物について吸着剤を用いた吸脱着法、ゲル濾過剤を用いた分子分配法等を用いて精製することが挙げられる。より具体的には、有効成分を含む培養物を例えば酢酸エチルにより抽出し、抽出液を減圧濃縮し、該抽出物を少量のクロロホルムに溶解し、クロロホルムで平衡化したシリカゲルカラムを用いて、クロロホルム/メタノールの溶媒でクロマトグラフィーを行う。そして、活性物質を含む溶出画分を減圧濃縮し、これをメタノールに再溶解して、メタノールで平衡化したセファデックスLH−20(ファルマシアファインケミカルズ社製)によるゲル濾過、あるいはヘキサン/酢酸エチルの溶媒で平衡化したシリカゲルカラムを用いて、ヘキサン/酢酸エチルの溶媒でクロマトグラフィーを行い、得られた活性化合物群を、ODSカラムなどを用いた逆相系、あるいはシリカゲルカラムなどを用いた順相系で、高速液体クロマトグラフィーを行うなどにより目的とする化合物を得ることができる。
【0016】
式(1a)および式(1b)で示される化合物を、農園芸用殺菌剤の有効成分として用いる場合は、そのまま用いても良いが、通常は適当な固体担体、液体担体、ガス状担体、界面活性剤、分散剤その他の製剤用補助剤と混合して乳剤、液剤、懸濁剤、水和剤、粉剤、粒剤、錠剤、油剤、エアゾール、フロアブル剤等の任意の剤型にして使用する。
【0017】
固体担体としては、例えばタルク、ベンナイト、クレー、カオリン、ケイソウ土、バーミキュライト、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム等があげられる。
液体担体としては、例えばメタノール、n−ヘキサノール、エチレングリコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、n−ヘキサン、ケロシン、灯油等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の酸アミド類、ダイズ油、綿実油等の植物油類、ジメチルスルホキシド、水等があげられる。
【0018】
また、ガス担体としてはLPG、空気、窒素、炭酸ガス、ジメチルエーテル等があげられる。
【0019】
乳化、分散、展着等のための界面活性剤、分散剤としては、例えばアルキル硫酸エステル類、アルキル(アリール)スルホン酸塩類、ポリオキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル類、多価アルコールエステル類、リグニンスルホン酸塩等が用いられる。
【0020】
更に、製剤の性状を改善するための補助剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース、アラビアガム、ポリエチレングリコール、ステアリン酸カルシウム等が用いられる。
【0021】
上記の担体、界面活性剤、分散剤、及び補助剤は、必要に応じて各々単独で、あるいは組み合わせて用いられる。
【0022】
これらの製剤中の有効成分の含有量は、乳剤で通常1−75重量%、粉剤では通常0.3−25重量%、水和剤では通常1−90重量%、粒剤では通常0.5−10重量%が適当である。
【0023】
これらの製剤は、そのまま用いても良いが、場合によっては希釈して植物、種子または土壌に対して適用することができる。
また、式(1a)および式(1b)で示される化合物またはそれを含有する農園芸用殺菌剤は他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、植物成長調節剤、肥料等と混合して用いることもできる。混合可能な他の有害生物防除剤としては、殺菌剤、殺ダニ剤、除草剤、植物成長調節剤が挙げられ、具体的には、例えば、ペスティサイド マニュアル(The Pesticide Manual、第13版 The British Crop Protection Council 発行)およびシブヤインデックス(SHIBUYA INDEX 第12版、2007年、SHIBUYA INDEX RESEARCH GROUP 発行)に記載のものが挙げられる。
【0024】
混合可能な他の有害生物防除剤の望ましい例としては、殺虫剤では、アセフェート(acephate)、ジクロルボス(dichlorvos)、EPN、フェニトロチオン(fenitothion)、フェナミホス(fenamifos)、プロチオホス(prothiofos)、プロフェノホス(profenofos)、ピラクロホス(pyraclofos)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos-methyl)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、デメトン(demeton)、エチオン(ethion)、マラチオン(malathion)、クマホス(coumaphos)、イソキサチオン(isoxathion)、フェンチオン(fenthion)、ダイアジノン(diazinon)、チオジカルブ(thiodicarb)、アルジカルブ(aldicarb)、オキサミル(oxamyl)、プロポキスル(propoxur)、カルバリル(carbaryl)、フェノブカルブ(fenobucarb)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、ピリミカーブ(pirimicarb)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、フラチオカルブ(furathiocarb)、ヒキンカルブ(hyquincarb)、アラニカルブ(alanycarb)、メソミル(methomyl)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、カルタップ(cartap)、チオシクラム(thiocyclam)、ベンスルタップ(bensultap)、ジコホル(dicofol)、テトラジホン(tetradifon)、アクリナトリン(acrinathrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、ジメフルトリン(dimefluthrin)、エンペントリン(empenthrin)、フェンフルトリン(fenfluthrin)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、イミプロトリン(imiprothrin)、メトフルトリン(metofluthrin)、ペルメトリン(permethrin)、フェノトリン(phenothrin)、レスメトリン(resmethrin)、テフルトリン(tefluthrin)、テトラメトリン(tetramethrin)、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルバリネート(fluvalinate)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、フルフェンプロックス(flufenprox)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、シラフルオフェン(silafluofen)、シロマジン(cyromazine)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、ペンフルロン(penfluron)、トリフルムロン(triflumuron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、メトプレン(methoprene)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、ハロフェノジド(halofenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、クロマフェノジド(chromafenozide)、ジシクラニル(dicyclanil)、ブプロフェジン(buprofezin)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、アミトラズ(amitraz)、クロルジメホルム(chlordimeform)、ピリダベン(pyridaben)、フェンピロキシメート(fenpyroxymate)、フルフェネリム(flufenerim)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、アセキノシル(acequinocyl)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、フルベンジアミド(flubendiamide)、エチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fipronil)、エトキサゾール(ethoxazole)、イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、クロチアニジン(c1othianidin)、アセタミプリド(acetamiprid)、ジノテフラン(dinotefuran)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、ピメトロジン(pymetrozine)、ビフェナゼート(bifenazate)、スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)、フロニカミド(flonicamid)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfene )、インドキサカルブ(indoxacarb)、ピリダリル(pyridalyl)、スピノサド(spinosad)、アベルメクチン(avermectin)、ミルベマイシン(milbemycin)、アザジラクチン(azadirachtin)、ニコチン(nicotine)、ロテノン(rotenone)、BT剤、昆虫病原ウイルス剤、エマメクチン安息香酸塩(emamectinbenzoate)、スピネトラム(spinetoram)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazon)、クロルアントラニリプロール(chlorantraniliprole)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、スピロテトラマット(spirotetramat)、レピメクチン(lepimectin)、メタフルミゾン(metaflumizone)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、ジメフルスリン(dimefluthrin)、フェナザフロル(fenazaflor)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、トリアザメート(triazamate)である。
【0025】
混合可能な殺菌剤の例としては、例えば、アゾキシストルビン(azoxystrobin)、クレソキシムメチル(kresoxym-methyl)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、オリザストロビン(orysastrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、フロキサストロビン(fuoxastrobin)などのストロビルリン系化合物、メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメサニル(pyrimethanil)、シプロジニル(cyprodinil)のようなアニリノピリミジン系化合物、トリアジメホン(triadimefon)、ビテルタノール(bitertanol)、トリフルミゾール(triflumizole)、エタコナゾール(etaconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、ペンコナゾール(penconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、シプロコナゾール(cyproconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、プロクロラズ(prochloraz)、シメコナゾール(simeconazole)のようなアゾール系化合物、キノメチオネート(quinomethionate)のようなキノキサリン系化合物、マンネブ(maneb)、ジネブ(zineb)、マンコゼブ(mancozeb)、ポリカーバメート(polycarbamate)、プロビネブ(propineb)のようなジチオカーバメート系化合物、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)のようなフェニルカーバメート系化合物、クロロタロニル(chlorothalonil)、キントゼン(quintozene)のような有機塩素系化合物、ベノミル(benomyl)、チオファネートメチル(thiophanate-methyl)、カーベンダジム(carbendazole)のようなベンズイミダゾール系化合物メタラキシル(metalaxyl)、オキサジキシル(oxadixyl)、オフラセ(ofurase)、ベナラキシル(benalaxyl)、フララキシル(furalaxyl)、シプロフラン(cyprofuram)のようなフェニルアミド系化合物、ジクロフルアニド(dichlofluanid)のようなスルフェン酸系化合物、水酸化第二銅(copper hydroxide)、オキシキノリン銅(oxine-copper)のような銅系化合物、ヒドロキシイソキサゾール(hydroxyisoxazole)のようなイソキサゾール系化合物、ホセチルアルミニウム(fosetyl-aluminium)、トルクロホス−メチル(tolclofos-methyl)のような有機リン系化合物、キャプタン(captan)、カプタホール(captafol)、フォルペット(folpet)のようなN−ハロゲノチオアルキル系化合物、プロシミドン(procymidone)、イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vinchlozolin)のようなジカルボキシイミド系化合物、フルトラニル(flutolanil)、メプロニル(mepronil)のようなベンズアニリド系化合物、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、ジメトモルフ(dimethomorph)のようなモルフォリン系化合物、水酸化トリフェニルスズ(fenthin hydroxide)、酢酸トリフェニルスズ(fenthin acetate)のような有機スズ系化合物、フルジオキソニル(fludioxonil)、フェンピクロニル(fenpiclonil)のようなシアノピロール系化合物、その他フサライド(fthalide)、プロベナゾール(probenazole)、アシベンゾラルSメチル(acibenzolar-S-methyl)、チアジニル(tiadinil)、イソチアニル(isotianil)、カルプロパミド(carpropamid)、ジクロシメット(diclocymet)、フェノキサニル(fenoxanil)、トリシクラゾール(tricyclazole)、ピロキロン(pyroquilon)、フェリムゾン(ferimzone)、フルアジナム(fluazinam)、シモキサニル(cymoxanil)、トリホリン(triforine)、 ピリフェノックス(pyrifenox)、フェナリモル(fenarimol)、フェンプロピディン(fenpropidin)、ペンシクロン(pencycuron)、シアゾファミド(cyazofamid)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、ボスカリド(boscalid)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、プロキナジド(proquinazid)、キノキシフェン(quinoxyfen)、ファモキサドン(famoxadone)、フェナミドン(fenamidone)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、ベンチアバリカルブイソプロピル(benthiavalicarb-isopropyl)、フルオピコリド(fluopicolide)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、カスガマイシン(kasugamycin)、またはバリダマイシン(validamycin)が挙げられる。
【0026】
本発明において防除の対象とする病害は、例えばイネいもち病(Pyricularia oryzae)、コムギ赤さび病(Puccinia recondite)、コムギうどんこ病(Erysiphe graminis)、バレイショ疫病(Phytophthora infestans)、キュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis)、キュウリうどんこ病(Sphaerotheca fliginea)、ダイコン黒斑病(Alternaria brassicicola)、キュウリ灰色かび病(Botrytis cinerea)、インゲン菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、リンゴ黒星病(Venturia inaequalis)、モモ灰星病(Monilinia fructicola)、イチゴ炭疸病(Colletorichum gloeosporioides)、ダイズ紫斑病(Cercospora kikuchii)、リゾクトニア苗立枯病(Rizoctonia solani)、オオムギ麦角病(Claviceps purpurea)、スイカ菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、ダイズ褐紋病(Septria glycines)、キュウリ黒星病(Cladosporium cucumerinum)、コムギ赤かび病(Fusarium gramininearum)などが代表として挙げられる。
【実施例】
【0027】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
製造例
製造例1 PF1163D、PF1163E、PF1163G、PF1163Hの製造
特開2000-53663に記載の方法で培養した培養物24kgを酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を減圧濃縮して約180gの油状物質を得た。得られた油状物質をヘキサンで洗浄し、残査約111gを得た。得られた残査に少量のメタノールを加えて溶解させ、これに250gのワコーゲルC200シリカゲルを加えた後、減圧下でメタノールを留去し、残査をシリカゲルに均一に吸着させた。これをシリカゲルカラム(ワコーゲルC300 100mmφ×500mmステンレスカラム、クロロホルム 32L)を用いて、フラッシュクロマトグラフィーを行った(クロマト1)。クロロホルム9L~16Lの溶出画分を減圧濃縮し、得られた粗精製物11.4gを、シリカゲルカラム(シリカゲル60 100g、ヘキサン-酢酸エチル)にて分画し、PF1163BおよびPF1163D、PF1163E、PF1163G、PF1163Hの粗精製物を得た。この粗精製物を高速液体クロマトグラフィー(CAPCELPAK・ODS(SHISEIDO)4.6φ×200mm、水-アセトニトリル)にて精製し、PF1163D 16.4mg、PF1163E 5.8mg、PF1163G 1.3mg、PF1163H 1.3mgを得た。
【0028】
製造例2 PF1163F、PF1163Jの製造
製造例1におけるクロマト1の後、さらに1% メタノール-クロロホルム4Lで溶出した画分を減圧濃縮し、得られたPF1163F、PF1163Jの粗精製物を、高速液体クロマトグラフィー(CAPCELPAK・ ODS(SHISEIDO)4.6φ×200mm、水-アセトニトリル)にて精製し、PF1163F 7.0mg、PF1163J 4.4mgを得た。
【0029】
参考例
上記記載の製造例と同様にして、その他の類縁化合物を単離した。表1にそれらの製造法ならびに物性値を記す。
【0030】
【表1】

【0031】
製剤例
製剤例1〔水和剤〕
PF1163A 30重量%
クレー 30重量%
ケイソウ土 35重量%
リグニンスルホン酸カルシウム 4重量%
ラウリル硫酸ナトリウム 1重量%
上記成分を均一に混合し、粉砕して水和剤を得た。
【0032】
製剤例2〔粉剤〕
PF1163A 2重量%
クレー 60重量%
タルク 37重量%
ステアリン酸カルシウム 1重量%
上記成分を均一に混合して粉剤を得た。
【0033】
製剤例3〔乳剤〕
PF1163A 20重量%
N,N−ジメチルホルムアミド 20重量%
ソルベッソ150(エクソンモービル有限会社) 50重量%
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 10重量%
上記成分を均一に混合し、溶解して乳剤を得た。
【0034】
製剤例4〔粒剤〕
PF1163A 5重量%
ベントナイト 40重量%
タルク 10重量%
クレー 43重量%
リグニンスルホン酸カルシウム 2重量%
上記成分を均一に粉砕・混合し、水を加えてよく練合した後、造粒乾燥して粒剤を得た。
【0035】
製剤例5〔フロアブル剤〕
PF1163A 25重量%
POEポリスチリルフェニルエーテル硫酸塩 5重量%
プロピレングリコール 6重量%
ベントナイト 1重量%
キサンタンガム1%水溶液 3重量%
PRONAL EX−300(東邦化学工業株式会社) 0.05重量%
ADDAC 827(ケイ・アイ化成株式会社) 0.02重量%
水 59.93重量%
キサンタンガム1%水溶液および適当量の水を除いた上記処方の全量を予備混合した後、湿式粉砕機にて粉砕した。その後、得られた粉砕物にキサンタンガム1%水溶液および残りの水を加え、100重量%のフロアブル剤を得た。
【0036】
試験例
菌糸生育阻害 評価試験
PF1163Aをアセトンに溶解し、アセトンの最終濃度が1%になるようにポテトデキストロースアガー培地(OXIOD社製)に混和して所定濃度の検定培地を作成した。これをシャーレに分注して寒天が完全に固化した後、そのシャーレに、予め別のシャーレで培養した各種植物病原糸状菌の菌叢をコルクボーラーで打ち抜いた円筒状の切片を移植し、25℃あるいは21℃で培養した。48時間後の菌叢の直径を測定し、無処理に対する抑制率を求め、以下の基準で評価した。A:抑制率100%、B:抑制率80%以上、C:抑制率50〜79%、D:抑制率50%未満
表2にその結果を示す。
【0037】
【表2】

【0038】
キュウリ灰色かび病 防除試験
培養土を入れたプラスチック製ポットに播種した後、10日程度育苗し子葉が完全に展開したキュウリ(品種:四葉)を供試し、所定量の供試化合物をアセトンに溶解後、tween20と水を加えることにより、アセトン10%、Tween20 0.05%を含む薬液(被験化合物濃度50μ/mL)を調製した。この薬液を3ポットあたり5mLずつスプレーガンを用いて散布した。薬液を風乾後、キュウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea)の分生胞子懸濁液を均一に噴霧して接種し、21℃の湿室内に静置した。接種3日後に病斑の形成状態を指数0−5(0:病斑なし、1:数個の病斑、2:病斑面積が葉面積の25%未満、3:同じく25%〜50%、4:同じく50%〜75%、5:同じく75%以上)で判定し、下記の式で発病度及び防除価を算出した。
発病度=(各ポットの指数合計)/(5×ポット数)
防除価={(無処理区の発病度)−(処理区の発病度)}/(無処理区の発病度) ×100
表3にその結果を示す。
【0039】
【表3】

【0040】
インゲン菌核病 防除試験
培養土を入れたプラスチック製ポットに播種した後、30日程度育苗したインゲン(品種:セリーナ)の本葉を直径15mmのコルクボーラーで打ち抜いて切片を作成した。所定量のPF1163Aをアセトンに溶解後、tween20と水を加えることにより、アセトン10%、Tween20 0.05%を含む薬液を調製し、4切片あたり1mLずつスプレーガンを用いて散布した。薬液を風乾後、予めシャーレで培養したインゲン菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)の菌叢をコルクボーラーで打ち抜いたものをインゲン葉切片上に置床し、21℃の湿室内に静置した。接種3日後に病斑の形成状態を指数0−5(0:病斑なし、1:数個の病斑、2:病斑面積が葉面積の25%未満、3:同じく25%〜50%、4:同じく50%〜75%、5:同じく75%以上)で判定し、下記の式で発病度及び防除価を算出した。
発病度=(各ポットの指数合計)/(5×切片数)
防除価={(無処理区の発病度)−(処理区の発病度)}/(無処理区の発病度) ×100
その結果、PF1163Aは200μg/mLの薬液散布で防除価75を示した。
【0041】
ダイコン黒斑病 防除試験
培養土を入れたプラスチック製ポットに播種した後、10日程度育苗したダイコン(品種:冬自慢)の子葉を直径15mmのコルクボーラーで打ち抜いて切片を作成した。所定量のPF1163Aをアセトンに溶解後、tween20と水を加えることにより、アセトン10%、Tween20 0.05%を含む薬液を調製し、4切片あたり1mLずつスプレーガンを用いて散布した。薬液を風乾後、ダイコン黒斑病菌(Alternaria brassicicola)の分生胞子懸濁液を均一に噴霧して接種し、25℃の湿室内に静置した。接種2日後に育苗に用いた温室に戻し、接種10日後に病斑の形成状態を指数0−5(0:病斑なし、1:数個の病斑、2:病斑面積が葉面積の25%未満、3:同じく25%〜50%、4:同じく50%〜75%、5:同じく75%以上)で判定し、下記の式で発病度及び防除価を算出した。
発病度=(各ポットの指数合計)/(5×切片数)
防除価={(無処理区の発病度)−(処理区の発病度)}/(無処理区の発病度) ×100
その結果、PF1163Aは200μg/mLの薬液散布で防除価69を示した。
【0042】
キュウリべと病 防除試験
培養土を入れたプラスチック製ポットに播種した後、10日程度育苗し子葉が完全に展開したキュウリ(品種:四葉)を供試し、所定量の供試化合物をアセトンに溶解後、tween20と水を加えることにより、アセトン10%、Tween20 0.05%を含む薬液を調製した。この薬液を3ポットあたり5mLずつスプレーガンを用いて散布した。薬液を風乾後、キュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)の遊走子のう懸濁液を均一に噴霧して接種し、21℃の湿室内に24時間静置した。その後育苗に用いた温室に戻し、接種7日後に病斑の形成状態を指数0−5(0:病斑なし、1:数個の病斑、2:病斑面積が葉面積の25%未満、3:同じく25%〜50%、4:同じく50%〜75%、5:同じく75%以上)で判定し、下記の式で発病度及び防除価を算出した。
発病度=(各ポットの指数合計)/(5×ポット数)
防除価={(無処理区の発病度)−(処理区の発病度)}/(無処理区の発病度) ×100
その結果、PF1163Aは200μg/mLの薬液散布で防除価60を示し、化合物PF1163Bは200μg/mLの薬液散布で防除価90を示した。
【0043】
イネいもち病 防除試験
培養土を入れたプラスチック製ポットに播種した後、15日程度育苗し3葉が完全に展開したイネ(品種:十石)を供試植物とした。所定量のPF1163Aをアセトンに溶解後、Tween20と水を加えることにより、アセトン10%、Tween20 0.05%を含む薬液を調製し、スプレーガンを用いて3ポットあたり10ml散布処理して風乾させた後、イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)の分生胞子懸濁液を均一に噴霧して接種し、25℃の湿室内に24時間静置した。その後育苗に用いた温室に戻し、接種7日後に第3葉の病斑数を計測し、下記の式で防除価を算出した。
防除価={(無処理区の病斑数)−(処理区の病斑数)}/(無処理区の病斑数) ×100
その結果、PF1163Aは100μg/mLの薬液散布で防除価89を示した。
【0044】
コムギ赤さび病 防除試験
培養土を入れたプラスチック製ポットに播種した後、15日程度育苗し3葉が完全に展開したコムギ(品種:農林61号)を供試植物とした。所定量のPF1163Aをアセトンに溶解後、tween20と水を加えることにより、アセトン10%、Tween20 0.05%を含む薬液を調製し、スプレーガンを用いて3ポットあたり10ml散布処理して風乾させた後、コムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)の夏胞子懸濁液を均一に噴霧して接種し、21℃の湿室内に24時間静置した。その後育苗に用いた温室に戻し、接種10日後に第3葉の病斑数を計測し、下記の式で防除価を算出した。
防除価={(無処理区の病斑数)−(処理区の病斑数)}/(無処理区の病斑数) ×100
その結果、PF1163Aは100μg/mLの薬液散布で防除価71を示した。
【0045】
インゲン菌核病 防除試験
培養土を入れたプラスチック製ポットに播種した後、30日程度育苗したインゲン(品種:セリーナ)の本葉を直径15mmのコルクボーラーで打ち抜いて切片を作成した。所定量のPF1163Aをアセトンに溶解後、Tween20と水を加えることにより、アセトン10%、Tween20 0.05%を含む薬液を調製し、4切片あたり1mLずつスプレーガンを用いて散布した。薬液を風乾後、予めシャーレで培養したインゲン菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)の菌叢をコルクボーラーで打ち抜いたものをインゲン葉切片上に置床し、21℃の湿室内に静置した。接種3日後に病斑の形成状態を指数0−5(0:病斑なし、1:数個の病斑、2:病斑面積が葉面積の25%未満、3:同じく25%〜50%、4:同じく50%〜75%、5:同じく75%以上)で判定し、下記の式で発病度及び防除価を算出した。
発病度=(各ポットの指数合計)/(5×切片数)
防除価={(無処理区の発病度)−(処理区の発病度)}/(無処理区の発病度) ×100
その結果、PF1163Aは200μg/mLの薬液散布で防除価75を示した。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】PF1163D化合物の重アセトニトリル中での400MHz H核磁気共鳴スペクトルを示す図面である。
【図2】PF1163D化合物の重アセトニトリル中での100MHz 13C核磁気共鳴スペクトルを示す図面である。
【図3】PF1163E化合物の重アセトニトリル中での400MHz H核磁気共鳴スペクトルを示す図面である。
【図4】PF1163E化合物の重アセトニトリル中での100MHz 13C核磁気共鳴スペクトルを示す図面である。
【図5】PF1163F化合物の重アセトニトリル中での400MHz H核磁気共鳴スペクトルを示す図面である。
【図6】PF1163F化合物の重アセトニトリル中での100MHz 13C核磁気共鳴スペクトルを示す図面である。
【図7】PF1163G化合物の重アセトニトリル中での400MHz H核磁気共鳴スペクトルを示す図面である。
【図8】PF1163G化合物の重アセトニトリル中での100MHz 13C核磁気共鳴スペクトルを示す図面である。
【図9】PF1163H化合物の重アセトニトリル中での400MHz H核磁気共鳴スペクトルを示す図面である。
【図10】PF1163J化合物の重アセトニトリル中での400MHz H核磁気共鳴スペクトルを示す図面である。
【図11】PF1163J化合物の重アセトニトリル中での100MHz 13C核磁気共鳴スペクトルを示す図面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式(1a):
【化1】


(1a)
[式中、PF1163Aでは、R1は水酸基、R2はn−プロピル基、R3は2−ヒドロキシエチル基を表し、PF1163Bでは、R1は水素原子、R2はn−プロピル基、R3は2−ヒドロキシエチル基を表す]で示されるPF1163A、PF1163B化合物
および次式(1b):
【化2】


(1b)
[式中、PF1163Dでは、R1は水素原子、R2はn−ペンチル基、R3は2−ヒドロキシエチル基を表し、PF1163Eでは、R1は水素原子、R2はn−ペンチル基、R3はイソプレニル基を表し、PF1163Fでは、R1は水酸基、R2はメチル基、R3は2−ヒドロキシエチル基を表し、PF1163Gでは、R1は水酸基、R2はn−プロピル基、R3は2−アセトキシエチル基を表し、PF1163Hでは、R1は水素原子、R2はメチル基、R3は2−ヒドロキシエチル基を表し、PF1163Jでは、R1は水酸基、R2はn−プロピル基、R3は水素原子を表す]で示されるPF1163D、PF1163E、PF1163F、PF1163G、PF1163H、PF1163J化合物の少なくともひとつを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤。
【請求項2】
請求項1に記載の式(1b)で示されるPF1163Dまたは、PF1163E化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の式(1b)で示されるPF1163Fまたは、PF1163H化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の式(1b)で示されるPF1163Gまたは、PF1163J化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の式(1b)で示されるPF1163D、PF1163E、PF1163F、PF1163G、PF1163Hまたは、PF1163J化合物生産菌を培養し、その培養物よりPF1163D、PF1163E、PF1163F、PF1163G、PF1163Hまたは、PF1163J化合物を採取することを特徴とするPF1163D、PF1163E、PF1163F、PF1163G、PF1163Hまたは、PF1163J化合物の製造法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−107953(P2009−107953A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280064(P2007−280064)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(000006091)明治製菓株式会社 (180)
【Fターム(参考)】