説明

旋回可能な対物レンズホルダを備える顕微鏡ステージ

【課題】旋回可能な対物レンズホルダを備える顕微鏡ステージを提供する。
【解決手段】プラットフォーム16と、顕微鏡対物レンズのためのホルダとを備える顕微鏡ステージであって、ホルダはプラットフォーム16に、軸受中心軸46の周囲で旋回可能且つ軸受中心軸46に沿って移動可能に取り付けられ、対物レンズと、ホルダに連結されて、ホルダを動作位置に位置決めするために軸受中心軸46の周囲で旋回させ、軸受中心軸46に沿って移動させるのに用いられる操作要素50と、操作要素50によって作動可能で、動作位置に位置決めされているホルダをプラットフォーム16に固定するのに用いられるロッキング機構60とを保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラットフォームと、旋回可能な対物レンズホルダとを備える顕微鏡ステージに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、個々の点状対象物、特に蛍光分子の逐次的な確率的位置推定に基づいて、従来の光学顕微鏡の回折限界に依存する分解能限界より小さい画像構造を画像化することができる光学顕微鏡法が開発された。このような方法は、たとえば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、非特許文献1および非特許文献2に記載されている。このような新たな分野の顕微鏡は、位置推定顕微鏡とも呼ばれる。その応用方式は、文献においては、たとえば(F)PALM((蛍光)光活性化位置推定顕微鏡法)((Fluorescence) Photoactivation Localization Microscopy)、PALMIRA(独立画像取得型PALM)(PALM with Independently Running Acquisition)、GSD(IM)(基底状態失活(個別分子回帰)顕微鏡法)(Ground State Depletion (Individual Molecule return)Microscopy)または(F)STORM((蛍光)確率的光学再構成顕微鏡法)((Fluorescence) Stochastic Optical Reconstruction Microscopy)の呼び名で知られている。
【0003】
新しい方式は、画像化対象の構造に、2つの識別可能な状態、すなわち「明」状態と「暗」状態を有するマーカで標識する点で共通している。たとえば、蛍光染料がマーカとして使用される場合、明状態はそれが蛍光を発することのできる状態であり、暗状態はこれらが蛍光を発することのできない状態である。光学イメージングシステムの従来の分解能限界より高い分解能で画像構造を画像化するには、マーカの小集合を繰り返し明状態にし、それゆえ、いわば活性化させる。これに関連して、活性化される小集合は、明状態にある隣接マーカの平均距離がその光学イメージングシステムの分解能限界より大きくなるように選択するものとする。活性化された小集合の輝度信号は、空間分解光検出器、たとえばCCDカメラに結像される。それゆえ、各マーカから光点が検出され、その大きさは光学イメージングシステムの分解能限界によって決まる。
【0004】
このようにして、生データのシングルフレームを複数捕捉し、その各々の中の異なる活性化小集合を画像化する。次に、画像解析工程を用いて、生データの各シングルフレームの中で、明状態のマーカを表す光点の重心を判定する。その後、生データのシングルフレームから判定された光点の重心を合成して全体図を作る。この全体図から作成される高分解能画像には、マーカの分布が反映される。画像化対象の構造を適正に表すように再現するためには、十分な信号を検出しなければならない。しかしながら、各活性化小集合の中のマーカの数は、明状態の2つのマーカが持ちうる最低平均距離によって限定されるため、構造物を完全に画像化するためには、非常に多くの生データのシングルフレームを捕捉しなければならない。一般に、生データのシングルフレームの数は10,000〜100,000の範囲である。
【0005】
生データの1つのシングルフレームを捕捉するのに必要な最小時間は、画像化検出器の最大撮像速度によって決まる。その結果、全体図を得るために必要な一連の生データのシングルフレームの捕捉時間の合計は比較的長くなる。それゆえ、総捕捉時間は数時間にもなりうる。
【0006】
このように長い総捕捉時間では、画像化対象の試料が光学イメージングシステムに関して移動する可能性がある。高分解能の全体画像を作成するために、重心判定後に生データのシングルフレームのすべてを合成するため、2つの連続する生データのシングルフレームの捕捉中に発生する、試料と光学イメージングシステムの間の相対移動のそれぞれが、全体画像の空間分解能を損なう。多くの場合、このような相対移動は、システムの系統的な機械的運動に起因し、これは、たとえば熱膨張や収縮、機械的歪み、または機械的構成部品に使用される潤滑剤の稠度によって生じる機械的ドリフトとも呼ばれる。
【0007】
上記の高分解能顕微鏡法において、特に重要なのは、結像系を形成する対物レンズが確実に、プラットフォーム上に配置された試料に関して、ドリフトが発生しないように位置決めされることである。これは、対物レンズを通常のように対物レンズレボルバに取り付けるのではなく、プラットフォームに直接取り付けることで実現できる。このような設計によれば、対物レンズは、プラットフォームの、試料に面していない下面の、プラットフォームに形成された貫通穴の領域に配置され、プラットフォームの上面に載置される試料ホルダの上に配置される試料を、貫通孔を通じて結像する。対物レンズをプラットフォームに直接取り付けることにより、対物レンズが試料ホルダに機械的に連結される距離が比較的短くなり、それによって対物レンズと試料ホルダの間で発生する機械的ドリフトをほとんど防止することができる。
【0008】
しかしながら、一般的に使用されている対物レンズレボルバと比較して、対物レンズを顕微鏡ステージにしっかりと取り付ける設計には顕微鏡の、柔軟性のある取り扱いに関する欠点がある。それゆえ、対物レンズレボルバを使用すれば、たとえば、まず概観を把握するために適当な倍率の対物レンズを旋回させて結像光路内に入れることにより、比較的大きな画像部分を観察し、この画像部分の中で適当な標的領域を選択して、この領域をより高い倍率の別の対物レンズによって結像することが可能である。このような柔軟な取り扱いは特に、上記の高分解能顕微鏡法において望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2006/127692 A2号パンフレット
【特許文献2】独国特許第10 2006 021 317 B3号明細書
【特許文献3】国際公開第2007/128434 A1号パンフレット
【特許文献4】米国特許出願公開第2009/0134342 A1号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第10 2008 024 568 A1号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】“Sub-diffraction-limit imaging by stochastic optical reconstruction microscopy(STORM)”,Nature Methods 3,793−796(2006),M. J. Rust,M. Bates,X. Zhuang
【非特許文献2】“Resolution of Lambda/10 in fluorescence microscopy using fast single molecule photo-switching”,Geisler C. et al,Appl.Phys.A,88,223−226(2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、高分解能光学顕微鏡、特に位置推定顕微鏡に使用でき、対物レンズを顕微鏡ステージ上に配置された試料に関して正確に、ドリフトを発生させずに位置決めでき、それと同時に、異なる分解能を得るためにいくつかの対物レンズを使用できる顕微鏡ステージを特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記の目的を、光軸にほぼ平行な軸受中心軸の周囲で旋回可能に、また軸受中心軸に沿って移動可能に顕微鏡プラットフォームに取り付けられ、対物レンズを保持するホルダと、ホルダに連結され、ホルダをその動作位置に位置決めするために、ホルダを軸受中心軸の周囲で旋回可能にし、また軸受中心軸に沿って移動可能にするのに用いられる操作要素と、操作要素によって作動可能であり、動作位置に位置決めされたホルダをプラットフォームに固定できるようにするのに用いられるロッキング機構とによって達成する。
【0013】
本発明はそれゆえ、対物レンズホルダを提供し、このホルダは、使用者が作動することになる操作要素により、ホルダ、およびそれゆえ対物レンズがプラットフォーム上に直接配置される動作位置に移動され、同様に操作要素によって作動されるロッキング機構によってそこに固定される。ホルダをこのようにプラットフォームに固定することにより、対物レンズは確実に、プラットフォームに載置された試料に関して、ドリフトを発生させることなく位置決めされる。
【0014】
対物レンズは、焦点合わせドライブ、たとえば圧電セラミックアクチュエータを介してホルダに取り付けることができる。それゆえ、いかなる場合にも必要となる対物レンズの焦点合わせ時にも、ほとんどドリフトが発生しないことが実現される。
【0015】
対物レンズを担持するホルダは通常、その動作位置にあるとき、プラットフォームの下面の、プラットフォームに形成された貫通穴の領域に配置される。この貫通穴を通じて、ホルダに取り付けられた対物レンズは、プラットフォームの上面に載置され、貫通穴を覆う試料ホルダ上に取り付けられた試料を結像する。
【0016】
本発明の顕微鏡ステージは、いくつかの顕微鏡対物レンズを有する対物レンズレボルバを含む従来の顕微鏡スタンドに取り付けることができる。ホルダを旋回させてその動作位置から外すと、プラットフォームに形成された貫通穴の領域には、対物レンズレボルバ上に保持される顕微鏡対物レンズのうちの1つを旋回させて結像光路内に入れるのに十分なスペースができる。
【0017】
顕微鏡に本発明の顕微鏡ステージと従来の対物レンズレボルバの両方が備えられている場合、たとえば、対物レンズを担持するホルダが旋回によってその動作位置に移動したことを検出するセンサを設けることができる。すると、センサにより出力される、対応するセンサ信号を利用して、対物レンズレボルバをプラットフォームの下の位置に移動させることができ、この位置では、対物レンズレボルバに保持された顕微鏡対物レンズがその動作位置内に配置されているホルダとぶつからないことが保証される。そのためには、たとえば、対物レンズレボルバに顕微鏡対物レンズを完全に装備せず、プラットフォームの下の対物レンズレボルバの特定の位置において、ホルダのための十分な空間を利用できるようにすることが考えられる。
【0018】
ホルダは、軸受中心軸の周囲で旋回可能に、且つ軸受中心軸に沿って移動可能に取り付けられる。このように移動可能に取り付けることにより、ホルダに取り付けられた対物レンズは、試料から光軸の方向に移動させた後に、旋回によって結像光路から外すことができる。対物レンズと試料の間に浸液が存在する光学顕微鏡法においては、このようにして対物レンズを試料から遠ざけて、より高い分解能を達成することが有利である。この場合、軸受中心軸に沿ってホルダを移動させることにより、対物レンズをエマルジョン液からゆっくりと離したり、または、その中に浸漬したりすることが可能となる。
【0019】
好ましくは、操作要素はレバーとして形成され、このレバーは、ホルダを軸受中心軸の周囲で旋回させるためには、第一の平面において第一の旋回範囲内で旋回可能であり、ホルダを軸受中心軸に沿って移動させるためには、第二の平面において第二の旋回範囲内で旋回可能であり、第二の平面は第一の平面に垂直である。相互に垂直な2つの平面内で旋回可能なこのようなレバーにより、ホルダを容易且つ精密にその動作位置の内外へ移動させることができる。
【0020】
好ましい実施形態において、ロッキング機構は、プラットフォームに取り付けられた受容部と、ロッキング要素を有し、ロッキング要素は連接連鎖部材を介してレバーに連結され、レバーを第一の旋回範囲内で旋回させることによって、受容体の中に旋回させることができ、ホルダをプラットフォームに固定するためには、レバーを第二の旋回範囲を越えて回転させることによって、受容部内に締結させることができる。この実施形態においては、それゆえ、レバーを第二の平面内で旋回させるために、第二の旋回範囲を越える旋回範囲が設けられる。第二の旋回範囲は、ホルダを軸受中心軸に沿って、その動作位置へと移動させる(たとえば、ホルダをプラットフォームの下面と接触させる)役割を果たすが、この追加の範囲は、すでにその動作位置に配置されているホルダを、ドリフトが発生しないようにロックする役割を果たす。
【0021】
別の有利な発展型において、連接連鎖部材は双安定の連接リンクを有し、連接リンクはロッキング要素に連結され、レバーを第二の旋回範囲から旋回させてその範囲から出るようにすると、連接連鎖部材の中の第一の安定位置から第二の安定位置に変化する。この場合、ロッキング要素は、双安定の連接リンクが第一の安定位置にあると、連接連鎖部材を介して受容部から解放され、これに対して、双安定の連接リンクが第二の安定位置にあると、連接連鎖部材を介して受容部に締結される。上記の連接リンクを第一の安定位置と第二の安定位置との間で変化させるのは、レバーを第二の旋回範囲を越えるように旋回させることによって行われる。それゆえ、使用者はレバーを1回操作することにより、まず、ホルダをその動作位置に移動させ、次に、この動作位置にあるホルダをプラットフォームにロックすることができる。これにより、本発明の顕微鏡ステージの取り扱いが特に容易となる。
【0022】
好ましくは、連接連鎖部材により、双安定の連接リンクが第一の安定位置と第二の安定位置の間で変化する際のレバーの動作に対する抵抗が大きくなる。このような動作に対する抵抗が使用者によって知覚されるのは、使用者がまず、ホルダが軸受中心軸に沿ってその動作位置へと移動するまでレバーを操作し、次に、いわば抵抗増大点を超えるように、より強い力でレバーを操作して、ホルダをプラットフォームに固定するときである。この抵抗増大点を超えると、動作に対する抵抗が再び減少する。ホルダはそれゆえ、プラットフォームにいわば自動ロック式に固定される。この固定を再び解放するには、レバーを使用しなければならない。動作に対する抵抗の変化を知覚できるため、使用者はホルダが実際にプラットフォームにロックされたことを正確に知ることができる。
【0023】
好ましくは、ロッキング要素は大きなピン頭部を有するピンであり、これに対して、受容部はプラットフォームと一体の固定板であり、ピン頭部のための接触面と、片側が開放した、ピンを枢着できる凹部を有する。その後、ホルダをプラットフォームに固定するために、ピン頭部を接触面に対して締結することができる。
【0024】
この実施形態では、ピンをねじとして形成でき、連接連鎖部材を構成する連接リンクの1つをねじ式スリーブとして形成でき、スリーブにはねじが螺合される。これによって、特にコンパクトな構造のロッキング機構をレバーにより作動させることが可能となる。
【0025】
好ましくは、ホルダをプラットフォームに対して締結できる力は、ねじをねじ式スリーブに螺合させるねじ深さを変化させることによって調節できる。この実施形態においては、それゆえ、ねじ深さによって、ねじをプラットフォームに対して締結するときの上昇高さを変化させることができる。
【0026】
別の有利な実施形態において、顕微鏡ステージは、第一の平面にほぼ平行に配置された圧縮ばねを有し、その一方の端はホルダに回転可能に取り付けられ、もう一方の端はプラットフォームに回転可能に取り付けられる。レバーを第一の旋回範囲の一方のレバー限界点からもう一方のレバー限界点へと旋回させると、圧縮ばねはまず、そのばね力を受けて圧縮され、その後、そのばね力により、第一の旋回範囲の略中間点において再び弛緩する。その結果、レバーはその2つのレバー限界点の方向に付勢される。圧縮ばねにより、使用者はより容易に、所定の方法でホルダと、それゆえ対物レンズを旋回させて、結像光路の中に移動させ、また結像光路から外すことができる。これにより、顕微鏡ステージの取り扱いが特に容易となる。
【0027】
本発明の他の態様によれば、上記のような種類の顕微鏡ステージと対物レンズレボルバを備え、対物レンズレボルバは、対物レンズレボルバ上に保持されたいくつかの顕微鏡対物レンズのうちの1つを選択的に旋回させて、結像光路の中に移動させるような顕微鏡が提供される。
【0028】
以下に、図面を参照しながら実施形態に基づいて本発明をより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ある実施形態としての高分解能光学顕微鏡の斜視図である。
【図2】図1による光学顕微鏡の顕微鏡ステージの底面斜視図である。
【図3】顕微鏡ステージの斜視図であり、ホルダが旋回されて動作位置に移動され、プラットフォームに固定される様子を説明するために、顕微鏡ステージの一部が省略されている。
【図4】顕微鏡ステージの斜視図であり、ホルダが旋回されて動作位置に移動され、プラットフォームに固定される様子を説明するために、顕微鏡ステージの一部が省略されている。
【図5】顕微鏡ステージの斜視図であり、ホルダが旋回されて動作位置に移動され、プラットフォームに固定される様子を説明するために、顕微鏡ステージの一部が省略されている。
【図6】顕微鏡ステージの斜視図であり、ホルダが旋回されて動作位置に移動され、プラットフォームに固定される様子を説明するために、顕微鏡ステージの一部が省略されている。
【図7】顕微鏡ステージの斜視図であり、ホルダが旋回されて動作位置に移動され、プラットフォームに固定される様子を説明するために、顕微鏡ステージの一部が省略されている。
【図8】レバーと、レバーによって作動されるロッキング機構の側面図であり、レバーを旋回させることによって、ホルダがプラットフォームに固定される様子を説明する。
【図9】レバーと、レバーによって作動されるロッキング機構の側面図であり、レバーを旋回させることによって、ホルダがプラットフォームに固定される様子を説明する。
【図10】レバーと、レバーによって作動されるロッキング機構の側面図であり、レバーを旋回させることによって、ホルダがプラットフォームに固定される様子を説明する。
【図11】レバーと、レバーによって作動されるロッキング機構の側面図であり、レバーを旋回させることによって、ホルダがプラットフォームに固定される様子を説明する。
【図12】図8と図11に示される状態を重ねて描いた側面図である。
【図13】旋回により外に出された状態のホルダの底面図である。
【図14】旋回により中に入れられた状態のホルダの底面図である。
【図15】図13と図14による状態を重ねて描いた図である。
【図16】レバーと、レバーによって作動されるロッキング機構の別の側面図であり、レバーとロッキング機構の個々の構成部品が拡大して示されている。
【図17】ホルダの別の取り付けの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、まず、高分解能光学顕微鏡10の全体的構造を、図1と図2を参照しながら説明する。ここでは、光学顕微鏡10の中の、本発明を理解するために必要な構成部品だけを説明する。
【0031】
光学顕微鏡10は顕微鏡スタンド12を有し、その上に顕微鏡14が螺合される。顕微鏡ステージ14はプラットフォーム16を有し、その上に試料ホルダ18が載置される。プラットフォーム16には、第一のスライダ22と第二のスライダ24からなる位置決め装置20がある。2つのスライダ22と24は、相互に機械的に分離され、プラットフォーム16上の試料ホルダ18を直交する2方向に変位させる役割を果たす。このために、図2に示されるように、2つの回転つまみ26と28がプラットフォームの下面に取り付けられている。
【0032】
光学顕微鏡10は、顕微鏡スタンド12に取り付けられた1対の接眼レンズ30のほか、いくつかの顕微鏡対物レンズ34を保持する対物レンズレボルバ32をさらに有する。図1には、顕微鏡ステージ14が顕微鏡スタンド12から上昇された状態の光学顕微鏡10が示されており、そうでなければ顕微鏡ステージ14で覆われている対物レンズレボルバ32が見える。
【0033】
図2の底面図に示されるように、1つの対物レンズ38がプラットフォーム16の下面の、プラットフォーム16に形成された貫通穴36の下方に配置される。対物レンズ38は、対物レンズねじ山を介して焦点合わせドライブ40に螺合される。焦点合わせドライブ40は、たとえば圧電セラミックアクチュエータであり、これは対物レンズ38をその光軸に沿って移動させて、結像させるべき試料に焦点を合わせる。焦点合わせドライブ40は、プラットフォーム16の下で旋回可能なホルダ42に取り付けられる。
【0034】
ホルダ42と、それと相互作用して、対物レンズ38を焦点合わせドライブ40とともに旋回させて結像光路から外し、またその中に移動させる役割を果たす構成部品を、図3から図7を参照しながら以下により詳しく説明する。
【0035】
図3から図7には、ホルダ42がどのようにして、旋回されて結像光路から外される位置から、焦点合わせドライブ40を介してホルダ42に取り付けられた対物レンズ38が結像光路内にあり、その後プラットフォーム16に対して締結される動作位置へと移動されるかが描かれている。まず、図3から図7を参照しながら、ホルダ42の旋回を可能にする個々の構成部品を説明する。図3から図7において、ホルダ42は毎回、焦点合わせドライブ40と一緒に描かれているが、対物レンズ38は描かれていない。
【0036】
ホルダ42は、プラットフォーム16に取り付けられたピボット軸受44において、結像光路の光軸にほぼ平行に延びる軸受中心軸46の周囲で旋回可能である。ホルダ42が旋回できる平面は、プラットフォーム16に平行である。ホルダ42は、軸受中心軸46に、ピボット軸受44の下に配置される、いわゆるZ軸受48にさらに連結される。Z軸受48によって、ホルダ42を軸受中心軸46に沿って上下に移動させることができる。
【0037】
ホルダ42はピボットレバー50に連結され、レバー50は軸受中心軸46の周囲でホルダ42を旋回させ、またそれをこの軸に沿って移動させる役割を果たす。ピボットレバー50はレバーガイド54の中に保持され、レバーガイド54は第一の水平案内部56と、第一の案内部56の一端から延びる第二の垂直案内部58を有する。第一の水平案内部56は第一の水平旋回平面を画定し、この平面内では、ピボットレバー50を移動させて、ホルダ42を軸受中心軸46の周囲で旋回させることができる。第二の垂直案内部58は第二の垂直旋回平面を画定し、この平面内では、ピボットレバー50を移動させて、ホルダ42を軸受中心軸46に沿って変位させることができる。
【0038】
ホルダ42の軸受中心軸46の周囲での旋回および/またはその軸受中心軸46に沿った移動は、特に、ホルダ42をピボットレバー50に機械的に連結することによって単に機械的に実行される。別の実施形態では、ホルダ42の旋回および/または移動はまた、自動的または半自動的にも実行できる。このために、特に少なくとも1つの駆動ユニット、好ましくは電気モータが設置され、これによってホルダ42を軸受中心軸46の周囲で旋回させることができ、および/または軸受中心軸46に沿って移動させることができる。駆動ユニットの作動および/または制御は特に、ピボットレバー50を介して実行される。また別の実施形態では、旋回および/または移動は、ピボットレバー50と駆動ユニットに機械的連結を組み合わせることによっても実行できる。
【0039】
本発明の他の実施形態において、軸受中心軸46は、上述のものと異なり、ピボット軸受44を介してプラットフォーム16に回転可能に接続できず、プラットフォーム16に、静止し、回転式に固定された状態で取り付けることができる。本実施形態では、Z軸受48は、軸受中心軸46を中心に回転可能で、軸受中心軸46に沿って移動可能であるように設計できる。ホルダ42はZ軸48に接続されており、それによってホルダ42は軸受中心軸46の周囲で旋回可能で、また軸受中心軸46に沿って移動可能である。図17に、上記の取り付けが概略的に示されている。この実施形態は、ピボット軸受44を省略でき、それによって単純でコスト効率が高く、省スペースの構造を実現できるという点で有利である。
【0040】
本発明の顕微鏡ステージ14は、概して参照記号60で指示され、後述のようにホルダ42をプラットフォーム16に固定する役割を果たすロッキング機構をさらに有する。ロッキング機構60は、ピン62と64を介してプラットフォーム16に取り付けらけれる固定板66を備える。図4で最もよくわかるように、固定板66は、締結ねじ70を受ける役割を果たす凹部68を有する。締結ねじ70は大きなねじ頭72を有し、これは、締結ねじ70が凹部68の中に受けられたときに、上から固定板66と接触させることができる。
【0041】
締結ねじ70はロッキング要素を形成し、これは、ピボットレバー50を操作することによって固定板66に対して締結されて、ホルダ42をプラットフォーム16にロックすることができる。このために、ピボットレバー50は、概して参照記号74で指示される連接連鎖部材を介して締結ねじ70に連結される。連接連鎖部材74の構造は、図16の拡大図において最もよくわかる。
【0042】
連接連鎖部材74は第一の連接リンク76を有し、これは第一の連接軸78の周囲で旋回可能である。第一の連接軸78は、ホルダ42にしっかりと取り付けられる。連接連鎖部材74の第二の連接リンク80は、ピボットレバー50の一端にしっかりと取り付けられ、第二の連接軸82を介して、第一の連接リンク76に旋回可能に連結される。連接連鎖部材74は第三の連接リンク84をさらに有し、これはホルダ42に関して固定された第三の連接軸86の周囲で旋回可能に取り付けられる。さらに、第三の連接リンク84は第二の連接リンク80に、第四の連接軸88の周囲で旋回可能に連結される。連接連鎖部材74の第四の連接リンク90は第三の連接リンク84に、第五の連接軸92の周囲で旋回可能に連結される。最後に、連接連鎖部材74は第五の連接リンク94を有し、これは第四の連接リンク84に、第六の連接軸96の周囲で旋回可能に連結される。第五の連接リンク94はねじ式スリーブであり、その中に締結ねじ70が螺合される。
【0043】
顕微鏡ステージ14は、軸受中心軸46の周囲でのホルダ42の旋回運動の限界を形成するピボットストッパ98をさらに有する。軸受中心軸46に沿ったホルダ42の上方移動のためのストッパは、プラットフォーム16そのものの下面により形成される。
【0044】
たとえば空気ばねとして設計される圧縮ばね100は、一端で回転可能にホルダ42に取り付けられ、もう一端は顕微鏡ステージ14の固定部に回転可能に取り付けられる。このような構成により、圧縮ばね100がピボットレバー50に付勢力を加え、この力によってピボットレバー50がレバーガイド54の第一の水平案内部56の2つの端により画定されるそのレバー限界点の方向にピボットレバー50が付勢されることが保証される。
【0045】
ピボットレバー50が2つのレバー限界点のうちの一方から、レバーガイド54の第一の水平案内部56により画定される旋回範囲の略中間点まで移動されると、圧縮ばね100は、そのばね力に対して圧縮される。その結果、その直前までピボットレバー50があったレバー限界点に向かって付勢される。ピボットレバー50がその後、上記の旋回範囲の中間点を越えて、もう一方のレバー限界点の方向に移動されると、圧縮ばね100はそのばね力によって弛緩し、その結果、ばねは、ピボットレバー50の旋回運動の方向にあるレバー限界点へとピボットレバー50を付勢する。
【0046】
ピボットレバー50に関する圧縮ばね100の配置は、図13と図14の底面図に、上記の2つのレバー限界点について描かれている。ここで、図13に示される配置は図3による旋回状態に対応し、図14に示される配置は図6による旋回状態に対応する。
【0047】
図3から図7は、ホルダ42が、焦点合わせドライブ40を介してホルダ42にしっかりと連結された対物レンズ38とともに、ホルダ42がまず旋回によって結像光路から外されている位置(図3)から、ホルダ42がピボットストッパ98および同様にストッパを形成するプラットフォーム16の下面に当たって静止するその動作位置(図6)に移動され、最終的にこの動作位置においてプラットフォーム16の下面に固定される(図7)様子を示す。ピボットレバー50を図3に示されるそのレバー限界点から図5に示されるそのレバー限界点まで移動させることによって、締結ねじ70は固定板66の凹部68の中に移動される。その後、ピボットレバー50を、図6に示されるように、レバーガイド54の垂直の第二の案内部58の中で押し下げると、ホルダ42の上面がプラットフォーム16の下面と接触する。それゆえ、ホルダ42の動作位置となる。
【0048】
図7に示されるように、その後ピボットレバー50をさらに押し下げると、その結果として、締結ねじ70が以下に詳しく説明するように引き下げられ、ねじ頭72が上から固定板66の上面と接触する。このようにして、ホルダ42はプラットフォーム16の下面に対して締結される。
【0049】
図5から図7に関して上述したように、レバーガイド54の垂直な第二の案内部58の中でピボットレバー50を押し下げる様子を、再び図8から図11に、ピボットレバー50を締結ねじ70に接続する連接連鎖部材74の機能に関して描く。ここで、図8による図は図5に示される状態に対応し、図11による図は図7に示される状態に対応し、これに対して図9と図10は中間の状態を示す。
【0050】
連接連鎖部材74の機能を理解するために、まず重要なことは、第一の連接軸78と第三の連接軸86がホルダ42に関して固定されており、これに対して、第二の連接軸82、第四の連接軸88、第五の連接軸92および第六の連接軸96は、ピボットレバー50を移動させることによってホルダ42に関して移動する点である。ここで、特筆しなければならないこととして、第五の連接軸92と第六の連接軸96の動きは微小であるため、図8から図11ではわからない。
【0051】
連接連鎖部材74において、第三の連接リンク84は双安定のリンクを形成し、これはピボットレバー50を操作することによって、いわば2つの安定位置の間で切り替わる。双安定の第三の連接リンク84のこの変化は、ピボットレバー50を下方に旋回させることにより、ホルダ42がプラットフォーム15の下面と接触することで起こされる。これは、図10に示される状態から図11に示される状態への遷移に対応する。
【0052】
図10と図11では、双安定の第三の連接リンク84の位置の変化がそれぞれ3つの連接軸78、82および88の位置によって示されており、これらは、軸の三角形として抽象的に強調されている。図10に示される状態では、連接軸82は2つの連接軸78と88を結ぶ線の右側に配置されている(これらの軸の位置は、抽象的な三角形の図の中で、説明のために誇張して示されている)。ピボットレバー50を図10に示される状態からさらに押し下げると、連接軸82はいわば、2つの連接軸78と88を結ぶ線の右側から左側に切り替わる(再び、誇張して示されている)。
【0053】
図10に示される状態では、締結ねじ70のねじ頭72は、固定板66の上面に関して特定の間隙を有し、すなわち、ねじ頭72は固定板66に対してまだ締結されていない。双安定の第三の連接リンク84が図10による状態から図11による状態に切り替わると、それによって締結ねじ70が引き下げられ、その結果、締結ねじ70のねじ頭72は、固定板66の上面に対して締結される。
【0054】
連接連鎖部材74の中で、双安定の第三の連接リンク84はいわば、一定の角度で相互にしっかりと配置される2つの連接部品102と104を有するロッカを形成し、これは図16において最もよくわかる。2つの連接部品102と104は共通して固定された第三の連接軸86の周囲に取り付けられる。連接部品102は第四の連接軸88を介して第二の連接リンク80にさらに連結され、これに対して、連接部104は第五の連接軸92を介して第四の連接リンク90に連結される。
【0055】
上記のような連接連鎖部材74の設計により、使用者は、ピボットレバー10を図10に示される状態から図11に示される状態に旋回させると、動作に対する抵抗が増大することを知覚でき、この抵抗は、図11に示される状態に到達すると再び減少する。ピボットレバー50はいわば、上記の2つの状態の間で遷移すると、下方にいわゆるスナップ式の動作を示す。その結果、使用者は、ホルダ42がプラットフォーム16の下面に対して締結されたことがわかる。
【0056】
図11には、締結された状態が示されており、ホルダ42に関して固定された第三の連接軸86が固定板66の上面に関して有する垂直固定距離がxで示される。これと比較すると、第三の連接軸86から、締結ねじ70がまだ固定板66に対して締結されていない、図8に示される状態の固定板66の上面までの距離は、追加分の垂直距離yだけ長い。この追加分の距離yは、ホルダ42が図5に示される状態(図8に対応する)から図7に示される状態(図11に対応する)に、プラットフォーム16の下面に向かって引き上げられる上昇高さに対応する。
【0057】
図12に、図8と図11に示される状態を再び、重ねて示す。図8に示され、締結ねじ70が締結される分の上昇高さyは、誇張されて大きく描かれている。
【0058】
上昇高さyは、締結ねじ70が、ねじ式スリーブとして形成されている第五の連接リンク96に螺合されるねじ深さを変えることによって、変化させることができる。その結果、ホルダ42がプラットフォーム16に対して締結されるときの取り付け力を、必要に応じて設定することができる。
【符号の説明】
【0059】
10 光学顕微鏡
12 顕微鏡スタンド
14 顕微鏡ステージ
16 プラットフォーム
18 試料ホルダ
20 位置決め装置
22、24 スライダ
26、28 回転つまみ
30 接眼レンズ
32 対物レンズレボルバ
34 顕微鏡対物レンズ
36 貫通穴
38 対物レンズ
40 焦点合わせドライブ
42 ホルダ
44 ピボット軸受
46 軸受中心軸
48 Z軸受
50 ピボットレバー
54 レバーガイド
56 水平案内部
58 垂直案内部
60 ロッキング機構
62、64 ピン
66 固定板
68 凹部
70 締結ねじ
72 ねじ頭
74 連接連鎖部材
76 第一の連接リンク
78 第一の連接軸
80 第二の連接リンク
82 第二の連接軸
84 第三の連接リンク
86 第三の連接軸
88 第四の連接軸
90 第四の連接リンク
92 第五の連接軸
94 第五の連接リンク
96 第六の連接軸
98 ピボットストッパ
100 圧縮ばね
102,104 連接部品


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラットフォーム(16)と、顕微鏡対物レンズ(38)のためのホルダ(42)とを備える顕微鏡ステージ(14)において、
前記ホルダ(42)は、
前記プラットフォーム(16)に、光軸にほぼ平行な軸受中心軸(46)の周囲で旋回可能に且つ軸受中心軸(46)に沿って移動可能に取り付けられ、
対物レンズ(38)と、操作要素(50)と、ロッキング機構(60)とを保持し、
前記操作要素(50)は、前記ホルダ(42)に連結されて、前記ホルダ(42)を動作位置に位置決めするために前記軸受中心軸(46)の周囲で旋回させ、前記軸受中心軸(46)に沿って移動させるのに用いられ、
前記ロッキング機構(60)は、前記操作要素(50)によって作動可能で、前記動作位置に位置決めされている前記ホルダ(42)を前記プラットフォーム(16)に固定するのに用いられる、
ことを特徴とする顕微鏡ステージ(14)。
【請求項2】
前記操作要素はレバー(50)であり、これは、前記ホルダ(42)を前記軸受中心軸(46)の周囲で旋回させるためには第一の平面にて第一の旋回範囲内で旋回可能であり、前記ホルダ(42)を前記軸受中心軸(46)に沿って移動させるためには前記第一の平面に垂直である第二の平面にて第二の旋回範囲内で旋回可能であることを特徴とする、請求項1に記載の顕微鏡ステージ。
【請求項3】
前記ロッキング機構(60)は、前記プラットホーム(16)に取り付けられた受容部(68)と、連接連鎖部材(74)を介して前記レバー(50)に連結されたロッキング要素(70)とを備え、前記ロッキング要素は、前記レバー(50)を前記第一の旋回範囲内で旋回させることによって、旋回して受容部(68)の中に枢着することができ、前記ホルダ(42)を前記プラットフォーム(16)に固定するために前記レバー(50)を前記第二の旋回範囲を超えて旋回させることによって、前記受容部の中に締結できることを特徴とする、請求項2に記載の顕微鏡ステージ。
【請求項4】
前記連接連鎖部材(74)は前記ロッキング要素(70)に連結された双安定連接リンク(84)を備え、前記レバー(50)が前記第二の旋回範囲からこの範囲を超えて旋回されると、前記この双安定連接リンクは、記連接連鎖部材(74)の中の第一の安定位置から第二の安定位置に切り替わるものであり、
前記双安定連接リンク(84)が前記第一の安定位置にあると、前記ロッキング要素(70)は前記連接連鎖部材(74)を介して前記受容部(60)から外れ、
前記双安定連接リンク(84)が前記第二の安定位置にあると、前記ロッキング要素(70)は前記連接連鎖部材(74)を介して前記受容部(60)に締結されることを特徴とする、請求項3に記載の顕微鏡ステージ(14)。
【請求項5】
前記連接連鎖部材(74)は、前記双安定連接リンク(84)が前記第一の安定位置と前記第二の安定位置との間で切り替わるときに、前記レバー(50)の動作に対して抵抗を増大させることを特徴とする、請求項3または4に記載の顕微鏡ステージ(14)。
【請求項6】
前記連接連鎖部材(74)は、
前記ホルダ(42)に関して固定された第一の連接軸(78)の周囲で旋回可能な第一の連接リンク(76)と、
前記レバー(50)にしっかりと取り付けられ、且つ第二の連接軸(82)の周囲で旋回可能に前記第一の連接リンク(76)に連結される第二の連接リンク(80)と、
前記双安定連接リンク(84)を形成し、前記ホルダ(42)に関して固定された第三の連接軸(86)の周囲で旋回可能に取り付けられ、且つ第四の連接軸(88)の周囲で旋回可能に前記第二の連接リンク(80)に連結される第三の連接リンクと、
第五の連接軸(92)の周囲で旋回可能に前記双安定連接リンク(84)に連結される第四の連接リンク(90)と、
第六の連接軸(96)の周囲で旋回可能に前記第四の連接リンク(90)に連結され、且つ前記ロッキング要素(70)に接続される第五の連接リンク(94)と、
を備えることを特徴とする、請求項4または5に記載の顕微鏡ステージ(14)。
【請求項7】
前記双安定連接リンク(84)は、一定の角度で相互にしっかりと配置され、且つ前記ホルダ(42)に関して固定された前記第三の連接軸(86)の周囲に共通して取り付けられる2つの連接部品(102、104)を有するロッカであり、そのうち一方の連接部品(102)は、前記第四の連接軸(88)を介して前記第二の連接リンク(80)に連結され、他方の連接部品(104)は前記第五の連接軸(92)を介して前記第四の連接リンク(90)に連結されていることを特徴とする、請求項6に記載の顕微鏡ステージ(14)。
【請求項8】
前記ロッキング要素は、大きいピン頭(72)を有するピン(70)であり、前記受容部(60)は、前記プラットフォーム(16)に一体の固定板(66)であり、前記固定板は、前記ピン頭(72)のための接触面と、片側が開放して前記ピン(70)を枢着できる凹部(68)を有し、
前記ピン頭(72)は、前記ホルダ(42)を前記プラットフォーム(16)に固定するために、前記接触面に対して締結できることを特徴とする、請求項3〜7のいずれか一項に記載の顕微鏡ステージ(14)。
【請求項9】
前記ピンはねじ(70)として形成され、前記第五の連結リンクは、前記ねじ(70)を螺合できるねじ式スリーブ(94)として形成されることを特徴とする、請求項8に記載の顕微鏡ステージ(14)。
【請求項10】
前記ホルダ(42)を前記プラットフォーム(16)に対して締結できる力が、前記ねじ(70)を前記ねじ式スリーブ(94)に螺合させるねじ深さを変化させることによって調節可能であることを特徴とする、請求項9に記載の顕微鏡ステージ(14)。
【請求項11】
前記ホルダ(42)は、その動作位置にて、前記軸受中心軸(46)の周囲での前記ホルダ(42)の旋回運動を制限する第一のストッパ(98)と、前記軸受中心軸(46)に沿った前記ホルダ(42)の変位を制限する第二のストッパとに当接することを特徴とする、請求項2〜10のいずれか一項に記載の顕微鏡ステージ(14)。
【請求項12】
前記第二のストッパは、前記ホルダ(42)がその動作位置にて当接する前記プラットフォーム(16)により形成されることを特徴とする、請求項11に記載の顕微鏡ステージ(14)。
【請求項13】
前記第一の平面にある第一の案内部(56)と、前記第二の平面内にあり、且つ前記第一の案内部(56)から延びる第二の案内部(58)とを有するレバーガイド(54)を特徴とする、請求項2〜12のいずれか一項に記載の顕微鏡ステージ(14)。
【請求項14】
前記第一の平面に略平行に配置される圧縮ばね(100)を有し、その一方の端は前記ホルダ(42)に回転可能に取り付けられ、その他方の端は前記顕微鏡ステージ(24)の固定部に回転可能に取り付けられ、
前記レバー(50)が前記第一の旋回範囲の一方のレバー限界点から他方のレバー限界点に旋回されると、前記圧縮ばね(100)はまず、そのばね力に対して圧縮され、次に、前記第一の旋回範囲の略中間点で、そのばね力によって弛緩し、その結果、前記レバー(50)はその2つのレバー限界点の方向に付勢されることを特徴とする、請求項2〜13のいずれか一項に記載の顕微鏡ステージ(14)。
【請求項15】
前記対物レンズ(38)は、前記ホルダ(42)がその動作位置にあるとき、前記プラットフォーム(16)に形成された貫通穴(36)の中に配置されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の顕微鏡ステージ(14)。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の顕微鏡ステージ(14)と、対物レンズレボルバ(32)とを有し、前記対物レンズレボルバ(32)は、前記対物レンズレボルバ(32)に保持される複数の顕微鏡対物レンズ(34)のうちの1つを選択的に旋回させて、結像光路の中に移動させる、顕微鏡(10)。
【請求項17】
共焦点走査顕微鏡として設計され、高分解能位置推定顕微鏡として使用されることを特徴とする、請求項16に記載の顕微鏡(10)。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−128419(P2012−128419A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−268864(P2011−268864)
【出願日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【出願人】(500178876)ライカ マイクロシステムス ツェーエムエス ゲーエムベーハー (80)
【Fターム(参考)】