既存のファイバーチャネルファブリックHBA技術を利用する高性能イーサネット(登録商標)ネットワーキング
【課題】ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)通信の提供。
【解決手段】例えば、ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)(FCoE)対応デバイス(コンピュータ等)は、ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)アダプタ(FCoEA)を含み得る。FCoEAは、HBAモジュールを含み得る。HBAモジュールは、ファイバーチャネルプロトコル上で通信するように構成され得る。FCoE対応デバイスは、HBAモジュールの通信を、代わりにイーサネット(登録商標)ネットワーク上で送信するために、それらを処理し、カプセル化し得る。FCoE対応デバイスは、iSNSサーバ等の既存のイーサネット(登録商標)サービスを利用することによって、種々のファイバーチャネルファブリックサービス向けの通信を処理し得る。
【解決手段】例えば、ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)(FCoE)対応デバイス(コンピュータ等)は、ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)アダプタ(FCoEA)を含み得る。FCoEAは、HBAモジュールを含み得る。HBAモジュールは、ファイバーチャネルプロトコル上で通信するように構成され得る。FCoE対応デバイスは、HBAモジュールの通信を、代わりにイーサネット(登録商標)ネットワーク上で送信するために、それらを処理し、カプセル化し得る。FCoE対応デバイスは、iSNSサーバ等の既存のイーサネット(登録商標)サービスを利用することによって、種々のファイバーチャネルファブリックサービス向けの通信を処理し得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ネットワークデバイスに関し、より具体的には、ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)(Fibre Channel over Ethernet(登録商標))コントローラおよび支援デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ファイバーチャネルは、ネットワーク通信の周知の規格である。これは、一般に、ストレージネットワーク等の高データ伝送速度および高信頼性が必要とされるアプリケーションに使用される。ファイバーチャネルシステムは、通常、3つのトポロジ、ポイントツーポイント、アービトレート型ループ、およびスイッチ型ファブリックのうちの1つに基づく。それぞれのトポロジには、ネットワークに接続される種々のデバイスが、それらの存在を他のデバイスに知らせるため、ネットワーク内にどんな他のデバイスが存在するかを決定するため、およびいつデバイスがネットワークに入るかまたはそれを出るかを決定するために使用することができる、標準的な初期化およびメッセージング手順がある。ポイントツーポイントおよびアービトレート型ループトポロジでは、これらの手順は、デバイス自体によって実施され得る。スイッチ型ファブリックトポロジでは、これらの手順は、少なくとも部分的に、ネットワークファブリック、すなわち、ネットワーク自体の一部であると見なされ、かつネットワークと通信するデバイスではない、種々のスイッチまたはサーバによって実施され得る。
【0003】
イーサネット(登録商標)は、データ伝送速度および信頼性要件が、ファイバーチャネルアプリケーション程高くないアプリケーションに伝統的に使用される、ネットワーク通信規格である。例えば、イーサネット(登録商標)は、多くの場合、TCP/IPネットワークの基層として使用され、これは、次いでインターネットネットワーキングに使用される。しかしながら、最近の開発は、ファイバーチャネルと同様のデータ伝送速度および信頼性を特徴とするイーサネット(登録商標)技術をもたらした。一例は、現在、IEEE標準化団体で開発されている、コンバージドエンハンスドイーサネット(登録商標)(CEE)である。
【0004】
イーサネット(登録商標)が非常に普及しているため、伝統的にファイバーチャネル(例えば、ストレージネットワーキング等)に依存しているアプリケーションを、CEEまたは他の種類のイーサネット(登録商標)ネットワークに移動することが提案されている。これは、組織内に2つの別個のネットワーク(すなわち、ストレージのためのファイバーチャネルネットワーク、およびインターネットアクセス、コンピュータ対コンピュータ通信等のためのイーサネット(登録商標)ネットワーク)を構築ならびに支援する必要性を排除し得るため、資源を節約し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、既存のファイバーチャネルアプリケーションをイーサネット(登録商標)に変更するには、例えば、ホストバスアダプタ(Host Bus Adapter:HBA)等の既存のネットワーキングデバイスを、イーサネット(登録商標)を使用するように、またはインターネットSCSI(Internet SCSI:iSCSI)等の他の次善最適プロトコルを使用するように完全に再設計することが必要となり得る。既存のファイバーチャネルHBAは、長年に値する技術革新を組み込むため、これらのデバイスを完全に再設計することは、経済的ではない場合がある。
【0006】
既存のHBAを完全に再設計することなく、ファイバーチャネルからイーサネット(登録商標)に切り替える一推奨スキームは、ゲートウェイを使用することである。より具体的には、ファイバーチャネルコンポーネントをイーサネット(登録商標)ネットワークに接続するために、ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)(FCoE)ゲートウェイを使用することができる。FCoEゲートウェイは、ファイバーチャネルリンクを通してファイバーチャネルコンポーネントに接続される、独立型デバイスであり得る。また、ゲートウェイは、イーサネット(登録商標)ネットワークに接続され得、したがって、既存のファイバーチャネルベースのHBAを、イーサネット(登録商標)ネットワークと組み合わせ得る。しかしながら、この手法は、追加の独立型デバイス(すなわち、FCoEゲートウェイ)を使用する必要性が、結果としてもたらされるネットワークに大幅な費用および複雑性を付加するため、最適であるとは見なされない。さらに、これは、ゲートウェイとHBAとの間のファイバーチャネル接続が依然として必要であり得るため、ファイバーチャネル基盤の必要性を完全に排除しない場合がある。
【0007】
したがって、既存のファイバーチャネルHBAの技術を大いに利用する、エンドツーエンドCEE(または他のイーサネット(登録商標))高速ネットワークを作り出す必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これは、ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)(Fibre Channel over Ethernet(登録商標))通信を提供することに関する。例えば、ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)(FCoE)対応デバイス(コンピュータ等)は、ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)アダプタ(Fibre Channel over Ethernet(登録商標) Adapter:FCoEA)を含み得る。FCoEAは、HBAモジュールを含み得る。HBAモジュールは、ファイバーチャネルプロトコル上で通信するように構成され得る。FCoE対応デバイスは、HBAモジュールの通信を、代わりにイーサネット(登録商標)ネットワーク上で送信するために、それらを処理し、カプセル化し得る。FCoE対応デバイスは、iSNSサーバ等の既存のイーサネット(登録商標)サービスを利用することによって、種々のファイバーチャネルファブリックサービス向けの通信を処理し得る。したがって、FCoE対応デバイスは、イーサネット(登録商標)ネットワークおよび1つ以上の既存のイーサネット(登録商標)サービス/サーバを使用して、HBAモジュールに対するファイバーチャネルネットワークをエミュレートすることができる。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
ネットワーキングデバイスを操作するための方法であって、
ネットワーク接続されたデバイスのホストバスアダプタ(Host Bus Adapter:HBA)モジュールによって、ファイバーチャネル通信を生成することであって、該通信は、ファイバーチャネルファブリックサービス向けの少なくともいくつかの通信を含む、ことと、
該ネットワーク接続されたデバイスのファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)(Fibre Channel over Ethernet(登録商標):FCoE)モジュールによって、該ファイバーチャネル通信をイーサネット(登録商標)通信に変換することであって、該変換することは、該ファイバーチャネルサービス向けの通信をイーサネット(登録商標)サービス向けの通信に変換することを含む、ことと、
該FCoEモジュールによって、イーサネット(登録商標)ネットワーク上で該イーサネット(登録商標)通信を送信することと
を含む、方法。
(項目2)
前記FCoEモジュールによって、前記イーサネット(登録商標)ネットワークからイーサネット(登録商標)通信を受信することであって、該受信された通信は、イーサネット(登録商標)サービスから受信される少なくともいくつかの通信を含む、ことと、
該FCoEモジュールによって、該イーサネット(登録商標)通信を着信ファイバーチャネル通信に変換することであって、該変換することは、該イーサネット(登録商標)サービスから受信される通信をファイバーチャネルファブリックサービスに関連付けられた通信に変換することを含む、ことと、
該着信ファイバーチャネル通信を、前記HBAモジュールに送信することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記ファイバーチャネルファブリックサービス向けのファイバーチャネル通信のうちの少なくとも1つは、ファイバーチャネルネットワーク内のネームサーバまたは別のファブリックサービスにアドレス指定され、
前記ファイバーチャネル通信の変換は、該ファイバーチャネル通信のうちの少なくとも1つを、前記イーサネット(登録商標)ネットワーク内のインターネットストレージネームサービス(Internet Storage Name Service:iSNS)サーバ用にフォーマットされ、かつ該サーバにアドレス指定された通信に変換することを含む、
項目2に記載の方法。
(項目4)
前記iSNSサーバのアドレスを決定するために、前記FCoEモジュールによって、前記イーサネット(登録商標)ネットワーク内の動的ホスト構成プロトコル(Dynamic Host Configuration Protocol:DHCP)サーバにアクセスすることをさらに含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記ネームサーバまたは別のファブリックサービスにアドレス指定される通信のうちの少なくとも1つは、前記FCoEモジュールによって複数の通信およびアクションに変換される複合通信である、項目3に記載の方法。
(項目6)
前記ファイバーチャネル通信は、ファイバーチャネルネームサーバに登録するための通信を含み、前記ファイバーチャネル通信の変換は、iSNSサーバに登録するための通信を生成することを含む、項目3に記載の方法。
(項目7)
前記生成されるiSNSサーバに登録するための通信は、前記ネットワーキングデバイスに関連付けられたファイバーチャネルおよびイーサネット(登録商標)アドレスの両方を、該iSNSサーバにおいて保存するためのコマンドを含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記ファイバーチャネル通信は、ネットワークに接続される1つ以上のデバイスのファイバーチャネルアドレスを要求する、ファイバーチャネルファブリックサービスからの通信を含み、前記ファイバーチャネル通信の変換は、該1つ以上のデバイスのファイバーチャネルおよびイーサネット(登録商標)アドレスを要求する、前記iSNSサーバからの通信を生成することを含み、前記方法はさらに、
該iSNSサーバから、該1つ以上のデバイスのファイバーチャネルアドレスおよびイーサネット(登録商標)アドレスを受信することと、
該受信されたファイバーチャネルアドレスおよびイーサネット(登録商標)アドレスを、テーブルに保存することと、
該受信されたファイバーチャネルアドレスのうちの1つ以上を、前記HBAモジュールに送信することと
を含む、項目3に記載の方法。
(項目9)
前記ファイバーチャネル通信はさらに、前記1つ以上のデバイスのうちの第1のデバイスに関連付けられたファイバーチャネルアドレスにアドレス指定される通信を含み、前記方法はさらに、
該ファイバーチャネルアドレスに基づき、前記テーブルから該第1のデバイスのイーサネット(登録商標)アドレスを取得することを含み、
該第1のデバイスに関連付けられた該ファイバーチャネルアドレスにアドレス指定された通信を変換することは、該通信を1つ以上のイーサネット(登録商標)フレームにカプセル化することと、該イーサネット(登録商標)フレームを該イーサネット(登録商標)アドレスにアドレス指定することとを含む、
項目8に記載の方法。
(項目10)
前記FCoEモジュールによって受信される前記イーサネット(登録商標)通信のうちの少なくとも1つは、iSNS特有の状態変化通知(State Change Notification:SCN)通信であり、前記イーサネット(登録商標)通信の変換は、該SCN通信をファイバーチャネル特有のRSCN通信に変換することを含む、項目3に記載の方法。
(項目11)
前記ネットワーキングデバイスは、FCoEAである、項目1に記載の方法。
(項目12)
ネットワーキングデバイスを操作するための方法であって、
HBAモジュールと、該HBAモジュールに接続されるFCoEモジュールとを有するFCoEAを提供することと、
該ネットワーキングデバイスのFCoEモジュールを、イーサネット(登録商標)ネットワークに接続することと、
該HBAモジュールのために、該FCoEモジュールによってファブリックトポロジのファイバーチャネルネットワークを仮想化することであって、該仮想ファイバーチャネルネットワークは、該イーサネット(登録商標)ネットワークに基づき、該ファイバーチャネルネットワークの仮想化は、
ファイバーチャネルファブリックアドレスを、イーサネット(登録商標)アドレスにマッピングすることと、
イーサネット(登録商標)フレーム上で、ファイバーチャネルフレームをトンネリングすることと、
ファイバーチャネルファブリックサービスを提供するために、既存のイーサネット(登録商標)サービスを使用することとを含む、ことと
を含む、方法。
(項目13)
前記既存のイーサネット(登録商標)サービスは、iSNSサーバを含み、前記方法はさらに、該iSNSサーバを利用することによって、前記FCoEモジュールによって前記HBAモジュールのためのファイバーチャネルネームサーバを仮想化することを含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記方法はさらに、前記iSNSサーバによって提供されるSCNメッセージングサービスを利用して、前記FCoEモジュールによって前記HBAモジュールのためのファイバーチャネルRSCNメッセージングサービスを仮想化することを含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記ネットワーキングデバイスは、FCoEAである、項目12に記載の方法。
(項目16)
ネットワーキングデバイスを操作するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータ可読媒体であって、
該コンピュータ実行可能命令は、
ネットワーク接続されたデバイスのホストバスアダプタ(Host Bus Adapter:HBA)モジュールによって、ファイバーチャネル通信を生成することであって、該通信は、ファイバーチャネルファブリックサービス向けの少なくともいくつかの通信を含む、ことと、
該ネットワーク接続されたデバイスのファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)(Fibre Channel over Ethernet(登録商標):FCoE)モジュールによって、該ファイバーチャネル通信をイーサネット(登録商標)通信に変換することであって、該変換することは、該ファイバーチャネルファブリックサービス向けの通信を、イーサネット(登録商標)サービス向けの通信に変換することを含む、ことと、
該FCoE部分によって、イーサネット(登録商標)ネットワーク上で該イーサネット(登録商標)通信を送信することと
を該ネットワーキングデバイスのプロセッサに行わせるように構成されている、
コンピュータ可読媒体。
(項目17)
前記命令は、
前記FCoEモジュールによって、前記イーサネット(登録商標)ネットワークからイーサネット(登録商標)通信を受信することであって、該受信された通信は、イーサネット(登録商標)サービスから受信される少なくともいくつかの通信を含む、ことと、
該FCoEモジュールによって、該イーサネット(登録商標)通信を着信ファイバーチャネル通信に変換することであって、該変換することは、該イーサネット(登録商標)サービスから受信される通信を、ファイバーチャネルファブリックサービスに関連付けられた通信に変換することを含む、ことと、
該着信ファイバーチャネル通信を、前記HBA部分に送信させることと
を前記プロセッサに行わせるようにさらに構成されている、項目16に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目18)
前記ファイバーチャネル通信のうちの少なくとも1つは、ファイバーチャネルネットワーク内のネームサーバまたは別のファブリックサービスにアドレス指定され、前記ファイバーチャネル通信の変換は、該ファイバーチャネル通信を、前記イーサネット(登録商標)ネットワーク内のiSNSサーバ用にフォーマットされ、かつ該サーバにアドレス指定された通信に変換することを含む、項目17に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目19)
前記命令の前記FCoE部分は、前記iSNSサーバのアドレスを決定するために、前記イーサネット(登録商標)ネットワーク内のDHCPサーバにアクセスすることを前記プロセッサに行わせるように構成されている、項目18に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目20)
前記ネームサーバまたは別のファブリックサービスにアドレス指定される通信のうちの少なくとも1つは、前記FCoE部分によって複数の通信およびアクションに変換される複合通信である、項目18に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目21)
前記ファイバーチャネル通信は、ファイバーチャネルネームサーバに登録するための通信を含み、前記ファイバーチャネル通信の変換は、iSNSサーバに登録するための通信を生成することを含む、項目18に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目22)
前記生成されたiSNSサーバに登録するための通信は、前記ネットワーキングデバイスに関連付けられるファイバーチャネルおよびイーサネット(登録商標)アドレスの両方を、該iSNSサーバにおいて保存するためのコマンドを含む、項目21に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目23)
前記ファイバーチャネル通信は、前記ネットワークに接続される1つ以上のデバイスのファイバーチャネルアドレスを要求する、ファイバーチャネルネームサーバからの通信を含み、前記ファイバーチャネル通信の変換は、該1つ以上のデバイスのファイバーチャネルおよびイーサネット(登録商標)アドレスを要求する、前記iSNSサーバからの通信を生成することを含み、前記命令は、
該iSNSサーバから、該1つ以上のデバイスのファイバーチャネルおよびイーサネット(登録商標)アドレスを受信することと、
該受信されたファイバーチャネルおよびイーサネット(登録商標)アドレスを、テーブルに保存することと、
該受信されたファイバーチャネルアドレスのうちの1つ以上を、前記HBA部分に送信することと
を前記プロセッサに行わせるようにさらに構成されている、項目18に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目24)
前記ファイバーチャネル通信は、前記1つ以上のデバイスのうちの第1のデバイスに関連付けられたファイバーチャネルアドレスにアドレス指定される通信をさらに含み、
前記命令は、該ファイバーチャネルアドレスに基づき、前記テーブルから該第1のデバイスのイーサネット(登録商標)アドレスを取得することを前記プロセッサに行わせるようにさらに構成され、
該第1のデバイスに関連付けられた該ファイバーチャネルアドレスにアドレス指定された通信を変換することは、
該通信を1つ以上のイーサネット(登録商標)フレームにカプセル化することと、
該イーサネット(登録商標)フレームを該イーサネット(登録商標)アドレスにアドレス指定することと
を含む、項目23に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目25)
前記FCoE部分によって受信される前記イーサネット(登録商標)通信のうちの少なくとも1つは、iSNS特有のSCN通信であり、前記イーサネット(登録商標)通信の変換は、該SCN通信をファイバーチャネル特有のRSCN通信に変換することを含む、項目18に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目26)
前記ネットワーキングデバイスは、FCoEAである、項目15に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目27)
ネットワーキングデバイスであって、
ファイバーチャネルネットワークと通信するように構成されている、HBAモジュールと、
該HBAモジュールおよびイーサネット(登録商標)ネットワークに接続され、かつ該HBAモジュールに仮想ファイバーチャネルネットワークを提供するように構成されている、FCoEモジュールであって、該仮想ファイバーチャネルネットワークは、1つ以上のイーサネット(登録商標)サーバを含む該イーサネット(登録商標)ネットワークに基づいており、該仮想ファイバーチャネルネットワークを該HBAモジュールに提供することは、該HBAモジュールに仮想ファイバーチャネルファブリックサービスを提供するために、該1つ以上のイーサネット(登録商標)サーバを使用することを含む、FCoEモジュールと
を備えている、ネットワーキングデバイス。
(項目28)
前記HBAモジュールは、ファイバーチャネルネットワーク内のネームサーバまたは別のファブリックサービスと通信するようにさらに構成され、FCoEモジュールは、前記イーサネット(登録商標)ネットワーク内のiSNSサーバを利用することによって、該HBAモジュールに仮想ネームサーバおよび他のファブリックサービスを提供するようにさらに構成されている、項目27に記載のネットワーキングデバイス。
(項目29)
前記FCoEモジュールは、DHCPサーバにアクセスして、前記iSNSサーバのアドレスを決定するようにさらに構成されている、項目28に記載のネットワーキングデバイス。
(項目30)
前記FCoEモジュールは、ファイバーチャネルネームサーバおよび他のファブリックサービスベースの通信をiSNSベースの通信に、iSNSベースの通信をファイバーチャネルネームサーバおよび他のファブリックサービスベースの通信に変換するためのサービスマッパーを備えている、項目28に記載のネットワーキングデバイス。
(項目31)
前記サービスマッパーは、前記ネットワーキングデバイスのファイバーチャネルアドレスを構築し、前記iSNSサーバに該ファイバーチャネルアドレスを登録するように構成されている、項目30に記載のネットワーキングデバイス。
(項目32)
前記FCoEモジュールは、前記iSNSサーバと通信するためのiSNSクライアントを備えている、項目28に記載のネットワーキングデバイス。
(項目33)
前記イーサネット(登録商標)ネットワークは、CEEネットワークであり、前記FCoEモジュールは、通信を該CEEネットワーク用にフォーマットするためのIPスタック/CEEインターフェースを備えている、項目28に記載のネットワーキングデバイス。
(項目34)
前記FCoEモジュールは、FCoEデータ転送要素をさらに備え、該FCoEデータ転送要素は、前記HBAモジュールと前記iSNSサーバ以外の前記イーサネット(登録商標)ネットワーク内のデバイスとの間の通信を処理するために利用される、項目28に記載のネットワーキングデバイス。
(項目35)
前記FCoEデータ転送要素は、複数対のアドレスのテーブルを含み、各対のアドレスは、前記イーサネット(登録商標)ネットワークに接続されるデバイスのイーサネット(登録商標)アドレスと、該デバイスに関連付けられるファイバーチャネルアドレス(N_Port_ID)とを含む、項目34に記載のネットワーキングデバイス。
(項目36)
前記FCoEデータ転送要素は、前記iSNSサーバから受信される通信から、複数対のアドレスを取得することによって、前記テーブルにデータ投入するように構成されている、項目35に記載のネットワーキングデバイス。
(項目37)
前記ネットワーキングデバイスは、FCoEAである、項目27に記載のネットワーキングデバイス。
(項目38)
項目27に記載のネットワーキングデバイスを含む、コンピュータ。
(項目39)
項目27に記載のネットワーキングデバイスを含む、ネットワーク接続されたストレージデバイス。
(項目40)
1つ以上のコンピューティングデバイスを含む、ストレージエリアネットワークであって、該1つ以上のコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つは、項目27に記載のネットワーキングデバイスを含む、ストレージエリアネットワーク。
(項目41)
コンピューティングデバイスを含むストレージエリアネットワークであって、該コンピューティングデバイスは、ネットワーキングデバイスを含み、
該ネットワーキングデバイスは、
ファイバーチャネルネットワークと通信するように構成されているHBAモジュールと、
該HBAモジュールおよびイーサネット(登録商標)ネットワークに接続され、かつ該HBAモジュールに仮想ファイバーチャネルネットワークを提供するように構成されているFCoEモジュールと
を含み、該仮想ファイバーチャネルネットワークは、1つ以上のイーサネット(登録商標)サーバを含む該イーサネット(登録商標)ネットワークに基づき、該HBAモジュールへの仮想ファイバーチャネルネットワークの提供は、該HBAモジュールに仮想ファイバーチャネルファブリックサービスを提供するために、該1つ以上のイーサネット(登録商標)サーバを使用することを含む、
ストレージエリアネットワーク。
(項目42)
前記HBAモジュールは、ファイバーチャネルネットワーク内のネームサーバまたは他のファブリックサービスと通信するようにさらに構成され、FCoEモジュールは、前記イーサネット(登録商標)ネットワーク内のiSNSサーバを利用することによって、該HBAモジュールに仮想ネームサーバおよび他のファブリックサービスを提供するようにさらに構成されている、項目41に記載のストレージエリアネットワーク。
(項目43)
イーサネット(登録商標)ネットワークを通したファイバーチャネルベースの通信を可能にする方法であって、
HBAモジュールを備えているFCoEA対応デバイスを提供することであって、該HBAモジュールは、ファイバーチャネルネットワーク上で通信するように構成されている、ことと、
該FCoEAモジュールを、iSNSサーバを備えているイーサネット(登録商標)ネットワークに接続することと、
該HBAモジュールによって、別のデバイスを発見するためのファイバーチャネルファブリックコマンドを発行することと、
該FCoE対応デバイスによって、該ファイバーチャネルファブリックコマンドを、イーサネット(登録商標)ネットワーク上での伝送用にフォーマットされたiSNSサーバコマンドに変換することと、
該FCoEA対応デバイスによって、該変換されたコマンドを該iSNSサーバに送信することと
を含む、方法。
(項目44)
前記FCoEA対応デバイスによって、前記iSNSサーバから前記コマンドへの応答を受信することであって、該応答は、前記イーサネット(登録商標)ネットワークに接続される別のデバイスを識別する、ことと、
該FCoE対応デバイスによって、該応答をファイバーチャネルファブリックフォーマットの応答に変換することと、
該ファイバーチャネルファブリックフォーマットの応答を、該HBAモジュールに送信することと、
をさらに含む、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記iSNSサーバから受信される応答は、前記他のデバイスに関連付けられたイーサネット(登録商標)アドレスと、該他のデバイスに関連付けられたファイバーチャネルアドレスとを含み、
前記変換された応答は、該他のデバイスに関連付けられたファイバーチャネルアドレスを含み、
前記方法は、
前記FCoE対応デバイスで、該他のデバイスのイーサネット(登録商標)アドレスおよびファイバーチャネルアドレスを保存することをさらに含む、
項目44に記載の方法。
(項目46)
前記HBAモジュールによって、前記他のデバイスのファイバーチャネルアドレスにアドレス指定される、ファイバーチャネル通信を発行することと、
前記FCoE対応デバイスによって、前記他のデバイスの保存されたイーサネット(登録商標)アドレスにアクセスすることと、
該FCoE対応デバイスによって、該ファイバーチャネル通信を、該他のデバイスの保存されたイーサネット(登録商標)アドレスにアドレス指定される、イーサネット(登録商標)フレームにカプセル化することと、
該FCoE対応デバイスによって、該イーサネット(登録商標)フレームを前記他のデバイスに送信することと
をさらに含む、項目45に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、一例示的ファイバーチャネルファブリックネットワークの略図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態による、一例示的イーサネット(登録商標)ネットワークの略図である。
【図3A】図3Aは、本発明の実施形態による、一例示的FCoEA(ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)アダプタ)の略図である。
【図3B】図3Bは、本発明の実施形態による、別の例示的FCoEAの略図である。
【図3C】図3Cは、本発明の実施形態による、さらに別の例示的FCoEAの略図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態による、一例示的FCoEA対応デバイスの略図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態による、ファイバーチャネルネットワークをエミュレートする一例示的方法のフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の実施形態による、初期化中の一例示的FCoE(ファイバーチャネルフレームのイーサネット(登録商標)カプセル化)モジュールの動作を示す、略図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態による、状態変化登録およびNPIV(N_Port ID仮想化)初期化中の一例示的FCoEモジュールの動作を示す、略図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態による、デバイス発見中の一例示的FCoEモジュールの動作を示す、略図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態による、デバイス発見中の一例示的FCoEモジュールの動作を示す、略図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態による、状態変化通知メッセージの受信中の一例示的FCoEモジュールの動作を示す、略図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態による、ポートログイン中の一例示的FCoEモジュールの動作を示す、略図である。
【図12A】図12Aおよび12Bは、複数の異機種ネットワーク内で利用される本発明の実施形態を示す、略図である。
【図12B】図12Aおよび12Bは、複数の異機種ネットワーク内で利用される本発明の実施形態を示す、略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の好ましい実施形態の説明では、本明細書の一部を構成し、例証として、本発明が実施され得る具体的な実施形態が示される、添付の図面が参照される。本発明の好ましい実施形態の範囲を逸脱することなく、他の実施形態が利用され得ること、および構造変化が行われてもよいことが理解される。
【0011】
本明細書において、ストレージエリアネットワークのHBAアダプタに関して、本発明の実施形態が説明されるが、本発明は、本来ファイバーチャネル(または他の同様な種類のネットワーク)用に設計された回路を利用する一方、そのような回路に限定されず、概して、イーサネット(登録商標)(または他の同様な種類のネットワーク)を通して接続する、いかなるデバイスにも適用可能であることを理解されたい。
【0012】
図1は、ファブリックトポロジの一例示的ファイバーチャネルネットワークの略図である。いくつかのデバイス101、102、103、および104を、ファイバーチャネルネットワーク100に接続することができる。図1の例示的ネットワークは、ストレージエリアネットワークであり得るが、他のファイバーチャネルファブリックネットワークは、類似する構成を有し得る。デバイス101〜103は、コンピュータであってもよく、デバイス104は、コンピュータに働く、ストレージデバイス(RAIDアレイ等)であり得る。ファイバーチャネルホストバスアダプタ(Host Bus Adapter:HBA)105〜108は、ネットワークに接続するために、種々のデバイスによって使用され得る。HBAは、ホストバスアダプタがその一部であるデバイスのメインプロセッサに負荷を与えることなく、いくつかの下位ネットワーク通信処理を実施することができる、ネットワーキングデバイスである。したがって、ホストバスアダプタは、多くの場合、下位ネットワーク通信処理を行わなければならない場合、メインプロセッサへの潜在的負荷が大きくなり得る、ファイバーチャネルネットワーク等の高スループットネットワークと共に使用される。
【0013】
ファブリックネットワーク内で共に動作するために、デバイス101〜104は、ネットワーク内の少なくとも他のストレージデバイスを認識しなければならない。デバイスは、ファブリックを通して(すなわち、ファイバーチャネルネットワーク100内の種々のスイッチ等と通信することによって)、ファイバーチャネルアドレスを取得し、他のデバイスのファイバーチャネルアドレスを検出し得る。また、デバイスは、互いに関する他のより高位の情報を取得および/または共有する必要があり得る。例えば、デバイスは、各デバイスの種類(例えば、サーバであるか、またはストレージデバイスであるか)、数、デバイス(例えばディスク)内の種々の要素の種類および/または名前、ならびにファイバーチャネルネットワークの特定のアプリケーションに依存し得る他の情報を共有する必要がある場合がある。この目的のために、デバイス101〜104のそれぞれは、ネームサーバ109に登録し、それ自体を説明する種々のデータを送信し得る。ネームサーバは、そのデータを追跡し得る。したがって、各デバイスは、ネームサーバから、ネットワークに接続される他のデバイスを説明する種々のデータおよび属性を受信し得る。
【0014】
さらに、種々のデバイスは、ネットワークの変化に関連するメッセージを送信および受信し得る。例えば、デバイスが停止、あるいはネットワークから脱落する場合、または新しいデバイスがネットワークに入る場合、ファブリックは、接続されたデバイスに状態変化を知らせるメッセージを送信し得る。これらのメッセージは、登録状態変化通知またはRSCNメッセージと称され、所定のRSCNプロトコルに従って提供される。
【0015】
ネームサーバ109は、別個のサーバとして提供され得、またはこれは、ファイバーチャネルネットワーク100の1つ以上のスイッチによって実装され得る。
【0016】
図2は、イーサネット(登録商標)ネットワークの略図である。ここでは、デバイス201〜204(図1のデバイス101〜104と類似し得る)は、イーサネット(登録商標)ネットワーク200を通して、互いに接続することができる。イーサネット(登録商標)は、下位ネットワーキング基盤を指し、代表的にはIPおよびTCP/IP等の他のより高位のネットワーキングプロトコルを支援し得る。したがって、また、イーサネット(登録商標)ネットワーク200は、IPおよび/またはTCP/IPネットワークとしても機能することができる。さらに、イーサネット(登録商標)ネットワーク200は、最新の強化型イーサネット(登録商標)ネットワークであり得る。例えば、イーサネット(登録商標)ネットワーク200は、10ギガビットイーサネット(登録商標)ネットワーク等のより高いスループットのために強化された、イーサネット(登録商標)ネットワークであり得る。さらに、ネットワーク200は、無損失イーサネット(登録商標)強化を支援する、種々の既存のネットワークおよび提案されているネットワーク等、より高い信頼性およびより高いスループットのために強化された、イーサネット(登録商標)ネットワークであり得る。
【0017】
上述されるように、ストレージエリアネットワークアプリケーションに、ファイバーチャネルネットワーク100の代わりにイーサネット(登録商標)ネットワーク200を使用することが望まれ得る。さらに、同様に、他の伝統的ファイバーチャネルベースのアプリケーションを、イーサネット(登録商標)ネットワークに移動することが望まれ得る。より多くのアプリケーションが単一のネットワークに移動される際、コンポーネントの共通性および異なるアプリケーション間で同一のネットワーク基盤を共有する能力のため、ネットワークに関連する費用は減少する。したがって、例えば、企業のインターネットアクセス、ストレージアクセス、およびテレフォニーを、すべて単一のイーサネット(登録商標)ネットワーク200上で実施することができる。
【0018】
デバイス201〜204は、イーサネット(登録商標)200に接続するために、FCoEA(ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)アダプタ(Fibre Channel over Ethernet(登録商標) Adapter))205〜208を利用することができる。FCoEAは、ファイバーチャネル(Fibre Channel:FC)HBA(ホストバスアダプタ(Host Bus Adapter))に、無損失イーサネット(登録商標)インターフェースを提供することができる。換言すれば、これは、イーサネット(登録商標)ネットワークで、FC HBAに必要とされる、同一の高スループットネットワーキング通信処理機能を実施することができる(通常、ファイバーチャネルネットワークを通して動作することが意図されるFC HBAと比較して)。FCoEAは、イーサネット(登録商標)ベースのストレージエリアネットワーク(SAN)内のデバイス、または従来、ファイバーチャネルネットワーキングに基づくが、イーサネット(登録商標)用に修正されている、いずれかの他のアプリケーションを接続するために使用され得る。FCoEAは、例えば、CEE(コンバージドエンハンスドイーサネット(登録商標)(Converged Enhanced Ethernet(登録商標)))無損失ネットワーク等の種々の種類の高度イーサネット(登録商標)ネットワークで動作するように構成され得る。
【0019】
図3Aは、本発明の実施形態による、FCoEA300の略図である。FCoEA300は、FCoEA205〜208のうちの1つであり得る。FCoEA300は、HBAモジュール301と、FCoE(ファイバーチャネルのイーサネット(登録商標)カプセル化)モジュール302とを含み得る。HBAモジュールは、既存のファイバーチャネルHBA(例えば、図1のHBA105〜108のうちの1つ等)のそれぞれのモジュールと同一であり得る。しかしながら、HBAモジュールは、FCoEA300が、代わりにイーサネット(登録商標)MAC層を利用し、ファイバーチャネルMAC層の機能性の代わりに、対応する機能性を含み得るため、既存のファイバーチャネルHBAのファイバーチャネルMAC層の機能性を除外し得る。
【0020】
したがって、HBAモジュールは、図1のHBA105〜108のうちのいずれか1つ等の独立型HBAと類似する機能性を有し得る。具体的に、HBAモジュールは、サーバとファイバーチャネルネットワークとの間の着信および発信ネットワーク通信を処理するように構成され得る。しかしながら、この場合、HBAモジュール301に接続されたファイバーチャネルネットワークは存在しない。代わりに、そのモジュールは、最終的にイーサネット(登録商標)ネットワークに接続される。したがって、FCoEモジュール302(また、ファイバーチャネルのイーサネット(登録商標)カプセル化モジュールとも称される)は、イーサネット(登録商標)ベースのネットワーク200を利用する一方、HBAモジュールに仮想ファイバーチャネルネットワークを提供するために使用することができる。結果として、HBAモジュールは、ファイバーチャネルネットワークに実際に接続されているかのように動作することができる。この構成の目的は、イーサネット(登録商標)ベースのFCoEAで既存のファイバーチャネルベースのHBA技術を利用することである。したがって、いくつかの実施形態によると、確実に、ネットワーク処理の大部分が既存のHBA技術によって実施されるようにすることによって、FCoEAの開発費用を削減することができる。
【0021】
FCoEモジュールは、要素303、304、および305を利用することによって、上述の機能性を実施することができる。これらは、以下により詳細に記載される。
【0022】
HBAおよびFCoEモジュールは、ハードウェア、ソフトウェア、または両方の組み合わせで構成することができる。図4は、FCoEA300が搭載された、一例示的ホストコンピュータまたはコンピューティングデバイス410(ホスト)の略図である。FCoEA300は、ARM(登録商標)プロセッサ401等の組み込みプロセッサと、追加の論理402とを含み得る、集積回路(IC)400を含み得る。また、FCoEAは、ARMプロセッサで実行可能な命令、ファイバーチャネル接続コンテキスト、統計値、および他の種類の情報を含み得る、メモリ403を含み得る。追加の論理のうちのいくつか、およびARMプロセッサで実行可能な命令のうちのいくつかは、HBAモジュールの一部であってもよく、一方、追加の論理の他の部分、およびARMプロセッサで実行可能な他の命令は、FCoEモジュールの一部であり得る。
【0023】
ホスト410は、CPU(411)およびメモリ(412)に加え、FCoEA300を含み得る。CPUは、メモリに格納される命令を実行し得る。したがって、CPUは、例えば、メモリに格納されるオペレーティングシステム(OS)414、ならびにその中に格納される他のソフトウェア415を実行することができる。
【0024】
ファイバーチャネルネットワークを、イーサネット(登録商標)ネットワーク上に正確に仮想化またはマップするために、FCoEモジュールは以下を行う必要がある。
【0025】
(1)イーサネット(登録商標)ネットワーク上で伝達するために、イーサネット(登録商標)フレーム内の発信ファイバーチャネルパケットをカプセル化し、着信イーサネット(登録商標)フレームからファイバーチャネルパケットを抽出する。
【0026】
(2)ファブリックトポロジのファイバーチャネルネットワークのアドレス指定、命名、メッセージング、および他のサービスをエミュレートする(例えば、ネームサーバの存在をエミュレートし、登録状態変化通知(RSCN)メッセージング、N_Port ID入手、ファブリック間経路制御(IFR)、仮想ファブリック等を支援することによって)。
【0027】
(3)送り先デバイスのイーサネット(登録商標)特有のアドレスを、発信ファイバーチャネルパケットをカプセル化するイーサネット(登録商標)フレームに追加する。
【0028】
図3Aを参照すると、ステップ(1)は、FCoEモジュール302のFCoEカプセル化要素303によって実施することができ、ステップ(2)は、ファブリックサービスエミュレーション要素304によって実施することができ、ステップ(3)は、アドレス変換要素305によって実施することができる。これらの要素は、相互排他的である必要はなく、共通ソフトウェアおよび/またはハードウェアに含むことができる。代替として、ステップ2は、ホストのメインメモリに格納されるソフトウェアを含む、ホストデバイス内のいずれかの他の場所で実施し、ホストのCPUで実行することができる。このステップをFCoEモジュール内で実行されるものとして示す、本明細書に記載される実施例は、一可能な実装にすぎない。
【0029】
当業者は、データを異なるフォーマットに再パッケージする(すなわち、上記の部分1を実行する)ことは、ファイバーチャネルフレームをイーサネット(登録商標)フレームに「ラッピング」することによって、または換言すれば、ファイバーチャネルフレームをイーサネット(登録商標)上でトンネリングもしくはカプセル化することによって、行われてもよいことを認識するであろう。しかしながら、部分2は、ファイバーチャネルファブリックに加えて、ファイバーチャネル特有のネームサーバ(図1のサーバ109等)を必要とし、そのような要素は、イーサネット(登録商標)ネットワーク内に存在しないため、問題となり得る。ファイバーチャネルファブリックのイーサネット(登録商標)特有のエミュレータの設計は、困難かつ費用の掛かる試みとなり得る。
【0030】
したがって、本発明の実施形態は、ファイバーチャネルネームサーバをエミュレートするために、既にイーサネット(登録商標)ネットワークに存在する2つの種類のサーバを利用する。これらは、動的ホスト構成プロトコル(Dynamic Host Configuration Protocol:DHCP)サーバ(図2の210)、およびインターネットストレージネームサービス(Internet Storage Name
Service:iSNS)サーバ(図2の211)である。
【0031】
iSNSサーバは、ファイバーチャネルネットワーク内のネームサーバおよび他のファブリックサービスと類似するサービスを提供することが意図される、IP(インターネットプロトコル(Internet Protocol))ネットワークベースのサーバである(大部分のイーサネット(登録商標)ネットワークは、IPフレームを伝達し、また、IPネットワークとも呼ばれることに留意されたい)。しかしながら、iSNSサーバに関連付けられる種々のコマンドおよびデータフォーマットは、ファイバーチャネルネームサーバに対するそれらとは異なる。さらに、iSNSサーバのコマンドとファイバーチャネルネームサーバのコマンドとの間に、常に1対1の対応が存在するわけではない。DHCPサーバは、IPネットワーク(イーサネット(登録商標)ネットワーク200等)内のデバイスに、IPアドレスを割り当てるために使用される、サーバである。DHCPサーバは、ネットワーク上のネームサーバ(上述されるiSNSサーバ等)のIPアドレスを提供するために使用され得る。また、これは、種々のデバイスにIPアドレスを割り当てるために使用され得る。
【0032】
図5は、本発明の実施形態による、ファイバーチャネルネットワークの命名およびメッセージングサービスをシミュレーションする方法のフローチャートである。図5のステップは、FCoEA内のソフトウェアまたはハードウェアによって、ならびにFCoEAを収容するコンピュータもしくはデバイスのソフトウェアまたはハードウェアによって、実行することができる。ステップ500で、FCoE(ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標))対応端末デバイス(FCoEAまたはFCoEAデバイスに取り付けられたソフトウェアドライバのいずれか)は、iSNSサーバのアドレスを検出するために、DHCPサーバ210にアクセスする。ステップ502で、FCoE対応端末デバイスは、HBAモジュールとiSNSサーバとの間の通信を変換する。上述されるように、FCoE対応端末デバイスは、ファイバーチャネルネームサーバおよび他のファブリックサービスをエミュレートする。したがって、これは、HBAがファイバーチャネルネームサーバまたは他のファブリックサービスと通信しているようにHBAに見えるように通信を変換しなければならない。上述されるように、iSNSサーバに関連付けられるコマンドおよびデータと、ファイバーチャネルネームサーバに関連付けられるコマンドおよびデータとの間に、1対1の関係が存在しない場合があるため、ステップ502は、ステートマシンによって実施され得る。
【0033】
さらに、ステップ502の一部として、FCoE対応端末デバイスは、イーサネット(登録商標)アドレスとファイバーチャネルアドレスとの間で変換する必要がある場合がある。iSNSサーバは、ネットワーク上の種々の要素(デバイス201〜204等)のイーサネット(登録商標)、IP、またはファイバーチャネルフォーマットのアドレスを提供し得る。FCoE対応端末デバイスは、HBAモジュールが使用することができる、1つ以上のファイバーチャネルアドレスを必要とする場合がある。したがって、FCoE対応端末デバイスは、iSNSサーバによって提供されるシード値を使用して、ファイバーチャネルアドレスを生成し、それらを実イーサネット(登録商標)アドレスと関連付け得る。したがって、ステップ504では、FCoE対応端末デバイスは、実イーサネット(登録商標)アドレスおよびファイバーチャネルアドレスの関連付けを追跡する。これは、複数対の関連付けられたイーサネット(登録商標)およびファイバーチャネルアドレスを格納することによって、ならびに/またはイーサネット(登録商標)アドレスからファイバーチャネルアドレスを取得するため、およびファイバーチャネルアドレスからイーサネット(登録商標)アドレスを取得するための所定の式を使用することによって、達成され得る。さらに、また、iSNSサーバは、種々のデバイスのファイバーチャネルアドレスを格納し得る。iSNSサーバは伝統的にファイバーチャネルアドレスを提供することが意図されていない一方、これは、クライアントによって定義され得る任意の属性を格納することを可能にする。これらは、ファイバーチャネルアドレスであり得る。
【0034】
ステップ506では、FCoE対応端末デバイスは、通常(すなわち、ネームサーバに関係しない)の通信においてファイバーチャネルアドレスとイーサネット(登録商標)アドレスとの間で変換する。したがって、HBAモジュールは、ファイバーチャネルアドレスに基づき、ネットワーク上の他のデバイスに、またはそれから、データを送信および/または受信し得る。
【0035】
戻って図3Aを参照すると、イーサネット(登録商標)NICモジュール306は、標準下位イーサネット(登録商標)処理を実施するために、FCoEモジュールと接続され得る。高度型のイーサネット(登録商標)ネットワークが使用されている場合(例えば、上述のCEE等)、イーサネット(登録商標)NICは、ネットワーク上で動作するように修正され得る。例えば、無損失伝送を特徴とするネットワークでは、イーサネット(登録商標)NICは、示されるように、無損失イーサネット(登録商標)MAC処理要素307を含み得る。
【0036】
HBAモジュールは、ホスト410に接続され得る。既存のファイバーチャネルホストドライバ308は、HBAモジュールで走っているアプリケーションソフトウェアのファイバーチャネル通信を促進するために、HBAモジュールと通信し得る。ホストドライバは、ホストのCPUで実行することができる。
【0037】
FCoEAのいくつかの機能性、特にそのFCoEモジュールの機能性は、FCoEA自体によってではなく、ホストCPUによって実行することができる。例えば、CPUは、ファイバーチャネルネットワークをエミュレートすることに関連する特定の動作を実行するために、FCoEAと通信し、FCoEAに結果を返信することができる。CPUは、オペレーティングシステム414または他のソフトウェア415(例えば、ドライバ)を実行する際、これらのFCoEA関連動作を実施し得る。さらに、CPUは、ハイパーバイザソフトウェア(図示せず)を実行する一部として、FCoEA関連動作を実行することができる。
【0038】
したがって、図3Bは、FCoE機能性のホスト側での実行を提供する、FCoEAの別の実施例を示す。図3Bは、ホスト410のFCoE機能性要素309が、図3AのFCoEモジュール302によって実施される機能のうちのいくつかを実施するということを除き、図3Aと類似する。より具体的には、ホストのFCoE機能性309は、ファブリックサービスエミュレーションおよびアドレス変換を実施し、一方、FCoEモジュールは、依然としてFCoEカプセル化を実施する。したがって、サーバのFCoE機能性は、ファブリックサービスエミュレーション、ならびにアドレス変換要素304および305を含み得る。FCoE機能性要素は、ホストのプロセッサ411で走るソフトウェアであり得る。FCoE機能性は、ファイバーチャネルドライバ311を通して、FCoEAと通信し得る。この場合、FCoE機能性309とFCoEA300との間の通信を促進するために、追加の機能性を要求し得るため、ファイバーチャネルドライバは、既存のドライバ308でないことがある。いくつかの実施形態では、FCoEA機能性は、それ自体が、FCoEA300のドライバの一部と見なされ得る。
【0039】
図3Cは、追加の機能性がホストに移動される、別の例示的FCoEAを示す。FCoEAのHBAモジュール301は、HBA機能性310によって置換される。同様に、FCoEモジュールは、FCoE機能性309によって完全に置換される。FCoE機能性309およびHBA機能性310は、ホストで、ソフトウェアによって実装され得る。FCoEAは、無損失イーサネット(登録商標)MACを含む、イーサネット(登録商標)NICを保持する。したがって、本実施形態では、FCoEAは、下位イーサネット(登録商標)処理のみを実施し、一方、ホストは、すべての他の処理を実施する。
【0040】
上述の記載は、ホスト内(FCoEおよびHBA機能性)またはFCoEA内(FCoEAおよびHBAモジュール)のこれらの要素の配置に言及するために、HBA機能性およびHBAモジュールに加えて、FCoE機能性およびFCoEモジュールを参照する。しかしながら、一般に、また、ホストでのFCoEおよびHBA機能性は、それぞれ、FCoEまたはHBAモジュールと称され得る。特定の要素の機能性が、ホストとFCoEAとの間で分割される際(図3Bの場合のように)、ホストおよびFCoEA部分の両方は、合わせて、モジュールと称され得る。したがって、図3Bでは、ホストベースのFCoE機能性309およびアダプタベースのFCoEモジュール302は、合わせて、FCoEモジュールと称され得る。
【0041】
図6は、一例示的FCoE対応端末デバイスの動作をより詳細に示す、略図である。より具体的には、図6は、ネームサービスの初期化および登録のプロセス中のFCoE対応端末デバイスのシーケンス図または梯子図を示す。図6のFCoE対応端末デバイスは、4つの要素、サービスマッパー601と、iSNSクライアント602と、DHCPクライアント603と、IPスタックおよび/またはCEE(コンバージドエンハンスドイーサネット(登録商標)(Converged Enhanced Ethernet(登録商標)))インターフェース604とを含み得る。略図は、これらの要素が、順に、かつ経時的に、どのように動作するかを示す。梯子図またはシーケンス図は、イーサネット(登録商標)ネットワークと、オペレーティングシステム等の端末デバイスの高位要素との間に位置する、要素を図示する。ネットワークは、イーサネット(登録商標)ネットワーク(図2のネットワーク200等)であり得る。より具体的には、ネットワークは、CEEネットワークであり得る。しかしながら、ネットワークは、他の種類のIPネットワークを包含することができる。時間は、上から下に垂直に進む。
【0042】
サービスマッパー601は、HBAモジュールによって使用される、ファイバーチャネルフォーマットの通信およびデータを、iSNSモジュールによって使用されるフォーマットに変換するため、および戻すために使用される。山括弧内のコマンド(例えば、「<DHCP Discover>」等)は、イーサネット(登録商標)ネットワーク200用にフォーマットされたコマンドを表し、一方、括弧のないコマンド(例えば、FLOGI等)は、ファイバーチャネルネットワーク用にフォーマットされたコマンドを表す。iSNSクライアントは、iSNSサーバと通信するために使用される。DHCPクライアントは、DHCPサーバと通信するために使用される。IPスタック604は、ネットワーク200上で伝送するために、発信通信をフォーマットするため、およびネットワークから着信する通信を処理する(すなわち、着信通信から、ネットワーク特有のフォーマッティングを除去する)ために使用される。したがって、IPスタック/CEEインターフェースの機能のうちの1つは、発信通信をイーサネット(登録商標)フレームに分割し、着信イーサネット(登録商標)フレームから着信通信を作成することができる。
【0043】
要素601〜604は、ハードウェア、ソフトウェア、または両方において実装することができる。また、要素601〜604のうちのいずれかまたはすべては、端末デバイス上に置くことができる。組み合わせて、これらの要素は、上述されるように、HBAモジュールにイーサネット(登録商標)ネットワークをエミュレートするために使用される。
【0044】
初期(または起動もしくはネットワーク接続直後)、HBAモジュールは、仮想ファイバーチャネルネットワークに「接続されていない」。したがって、初期化期間中、FCoE対応端末デバイスは、イーサネット(登録商標)ネットワーク関連の初期化を実施し、一方、HBAモジュールは、動作中のファイバーチャネルネットワークにまだ置かれていないと考えられる。通常、FCoE対応端末デバイスは、ファイバーチャネルネットワークの初期化をシミュレーションすることができる前に、イーサネット(登録商標)ネットワークに関する初期化を実施する必要がある。
【0045】
期間605中、FCoE対応端末デバイスのDHCPクライアント603は、(i)現在のデバイス(すなわち、DHCPクライアントが一部であるデバイス)のIPアドレスを発見するため、および(ii)iSNSサーバのIPアドレスを発見するために、IPスタック604を通して、DHCPサーバと通信する。これは、既知のDHCPプロトコルに従って実施され得る。
【0046】
ステップ606で、iSNSクライアントは、iSNSサーバに<DevAttrReg>コマンドを送信することによって、現在のデバイスをiSNSサーバに登録する。また、iSNSクライアントは、iSNSサーバに登録するために、1組の属性607を送信する。iSNSサーバは、登録が実施されたことを知らせるために、<DevAttrRegRsp>メッセージ608を返す。いったん確認応答が受信されると、iSNSクライアントは、Link Initコマンド609をHBAモジュールに送信する。link initコマンドは、HBAモジュールを「起こす」。または、換言すれば、これは、HBAモジュールに、ファイバーチャネルネットワークに接続されていることを知らせる。HBAモジュールは、ファイバーチャネルネットワークに実際には接続されていないが、この時点で、FCoE対応端末デバイスは、HBAモジュールに対するファブリックトポロジの仮想ファイバーチャネルネットワークをシミュレーションする準備が整っている。
【0047】
初期化された際、HBAモジュールは、FLOGIコマンド610を送信することによって、ファイバーチャネルF_Portコントローラにログインすることを試みる。サービスマッパーは、その初期FLOGIコマンドを<RqstDomId>コマンドに変換する。<RqstDomId>コマンドは、現在のデバイスのiSNS特有の識別表示(ドメインID)を要求する、iSNSコマンドである。この識別表示は、iSNSサーバに接続されるすべての他のデバイスに対して現在のデバイスを識別するために使用される、1つ以上のファイバーチャネルアドレスの一部として使用され得る。iSNSクライアントは、属性612と共に、<RqstDomId>コマンドをiSNSサーバに転送する。
【0048】
iSNSサーバがコマンド611を受信する際、これは、現在のデバイスにドメインIDを割り当て、<RqstDomIdRsp>メッセージ613を返信することによって応答する。メッセージ613は、現在のデバイスに割り当てられたドメインIDを含む(図に示されるように、ドメインIDは、タグ130として、メッセージに添付される)。
【0049】
この時点で、現在のデバイスは、iSNSサーバに登録され、ドメインIDが割り当てられる。したがって、現在のデバイスは、iSNSサーバに登録される他のデバイスに対して可視であり得る。しかしながら、ドメインIDは、iSNSフォーマットであり、有効なファイバーチャネル識別表示ではない。したがって、ドメインIDは、HBAモジュールに対するファイバーチャネルネットワークをシミュレーションするために、直接使用することができない。したがって、いったんこれがドメインIDを含む<RqstDomIdRsp>メッセージを受信すると、サービスマッパー601は、ドメインIDに基づく、ファイバーチャネル特有のIDを作成する(ステップ614)。ファイバーチャネル特有のIDは、N_Port_IDと称される。このIDは、HBAモジュールを識別するために使用される。
【0050】
次いで、サービスマッパーは、ファイバーチャネル特有のIDをiSNSサーバに登録するために、別の<DevAttrReg>コマンド(コマンド615)を発行する。これは、イーサネット(登録商標)ネットワーク内に、同様に本発明を利用する他のデバイスが存在し得るため、行われる。換言すれば、同様に内部HBAモジュールを含み、モジュールに対するファイバーチャネルネットワークをシミュレーションする、他のデバイスが存在し得る。これらの他のデバイスは、それらのHBAモジュールに対して、現在のデバイスを表すために、イーサネット(登録商標)特有のドメインIDを使用することができない。したがって、他のデバイスがそのIDにアクセスできるように、および必要な際に、それをそれらの内部HBAモジュールに提供することができるように、ファイバーチャネル特有のN_Port_IDがiSNSサーバに登録される。<DevAttrReg>コマンド615に、属性616が添付され得る。
【0051】
いったんこれがコマンド615を受信すると、iSNSサーバは、本デバイスのN_Port_IDを登録し、確認応答として、<DevAttrRegRsp>コマンド617を返し得る。いったんこれがコマンド617を受信すると、サービスマッパーは、HBAモジュールにFLOGI応答メッセージ618を送信する。メッセージ618は、N_Port_IDを含む。したがって、初期化が完了する。HBAモジュールは、ファイバーチャネルファブリックネットワークにログインしたと思い込み、識別表示として、N_Port_IDを受信する。実際には、ファイバーチャネルネットワークは存在せず、本デバイスは、イーサネット(登録商標)ネットワーク内のiSNSサーバ内に登録され、識別表示としてドメインIDが割り当てられている。
【0052】
したがって、図6のプロセスの後、FCoEAは、iSNSサーバのネームサービスに登録される。したがって、FCoEAは、識別表示が割り当てられ、ネットワーク上の他のデバイスによって発見およびアクセスすることができ、他のデバイスを発見することができる。しかしながら、初期化を完了するために、また、FCoEAは、通常、メッセージングまたは状態変化通知サービスにも登録しなければならない。状態変化通知サービスは、種々のデバイスが、ネットワーク上の1つ以上のデバイスの状態変化の知らせを受信できるようにする。したがって、デバイスは、サーバから継続的に更新を要求する必要なく、最新状態を保つことができる。状態変化には、ネットワークからのデバイスの切断、新しいデバイスの接続、あるいはデバイス内の資源の切断および/または接続(例えば、ストレージデバイス内の新しいハードドライブの接続)が含まれ得る。
【0053】
状態変化通知は、ファイバーチャネル内の登録状態変化通知(RSCN)サービス、およびiSNSプロトコル内の状態変化通知サービス(SCN)によって実装される。したがって、本発明のFCoEは、ファイバーチャネルプロトコルのRSCNサービスをエミュレートするために、SCNサービスを利用し得る。
【0054】
図7は、本発明の実施形態による、状態変化通知サービスへの登録を示す。初期、HBAモジュールは、状態変化登録(SCR)コマンドを送信することによって、ファイバーチャネルRSCNサービスに登録することを試みる。サービスマッパーは、そのコマンドを、iSNS特有の状態変化通知登録コマンド(すなわち、<SCNReg>コマンド701)に変換する。iSNSクライアントは、コマンドに属性704を追加する。<SCNReg>コマンドは、属性と共にiSNSサーバに送信される。iSNSサーバは、<SCNRegRsp>コマンド702で応答する。そのコマンドは、サービスマッパーによって、ファイバーチャネル特有のSCR応答コマンド703に変更される。SCR応答コマンドは、HBAモジュールに送信される。したがって、状態変化通知サービスへの登録が完了する。
【0055】
ファイバーチャネルプロトコルは、複数のエンティティに接続性を提供するために、単一のポート(例えば、単一のHBA)を使用することができ、一方、これらの複数のエンティティのうちのそれぞれが、ファイバーチャネルファブリックによって、異なるデバイスとして扱われる、構成を支援する。したがって、例えば、HBAを特徴とするデバイスは、複数のオペレーティングシステムインスタンスで走ってもよく、HBAは、各オペレーティングシステムが、単一のHBAを通して、そのデバイスが別個のデバイスであるかのようにファイバーチャネルネットワーク上で通信できるようにし得る。したがって、複数のオペレーティングシステムは、複数のそれぞれのN_Port_ID番号を特徴とし得る。この特徴は、N_Port ID仮想化またはNPIVと称される。
【0056】
本発明の実施形態は、イーサネット(登録商標)ネットワーク上で、NPIVをエミュレートする機能(N_Port ID仮想化)を提供する。このプロセスの一実施例は、図7に示される。HBAは、FDISCコマンド704を送信することによって、NPIV機能を呼び出す。FDISCコマンドは、図6のFLOGIコマンド610と類似するが、これは、新しいファブリックポートIDの登録を要求する。したがって、先出の実施例の文脈では、第1のOSは、第1のN_Port_IDを取得するために、FLOGIコマンドを使用し得、後のOSは、それらのそれぞれのN_Port_IDを取得するために、FDISCコマンドを使用し得る。
【0057】
いったんこれがFDISCコマンドを受信すると、ステップ705で、サービスマッパーは、コマンド613中にiSNSサーバによって提供されるドメインID(また、タグ130とも称される)に基づき、第2のN_Port_IDを構築する。第2のN_Port_IDは、図6のステップ614で構築された最初のN_Port_IDとは異なるべきである。
【0058】
いったん追加のN_Port_IDが構築されると、これは、サービスマッパーによって発行される<DevAttrReg>コマンド706によって、iSNSサーバに登録される。コマンド706は、新しいN_Port_IDとの新しいポートが登録されていることを示す、属性707を含む。しかしながら、新しいドメインIDは、iSNSサーバから要求されていない。代わりに、すべてのポートは、単一のiSNSドメインIDの下に登録される。iSNSサーバは、<DevAttrRegRsp>メッセージ708を返す。いったんそのメッセージがサービスマッパーによって受信されると、これは、HBAモジュールにFDISC応答メッセージを送信する。FDISC応答メッセージは、ステップ705で構築された第2のN_Port_IDを含むことができる。
【0059】
図8は、FCoEAがネットワーク上の他のデバイスを発見するプロセスを示す、略図である。また、図8は、追加のFCoE要素、FCoEデータ転送要素も示す。FCoEデータ転送要素は、FCoEモジュールの一部であり、ネットワーク上の他のデバイスへ、またはそれからデータを送信および受信するために使用される。換言すれば、データ転送要素は、種々のサーバ(iSNSおよびDHCPサーバ等)と通信するためには使用されないが、ネットワーク上の他のデバイスと直接通信するために使用される。
【0060】
ファイバーチャネルネットワークでは、ネームサーバと通信するために、ログインする必要がある。しかしながら、イーサネット(登録商標)ネットワークのiSNSサーバは、ログインを必要としない。したがって、ステージ801で、HBAモジュールは、ログインすることを試みる(PLOGIを送信することによって)。サービスマッパー601は、実際にログインを実施することなく(iSNSサーバでは必要ではないため)、PLOGI応答メッセージを送信することによって、ログインを認識する。
【0061】
HBAモジュールは、ネットワーク上のすべての他のデバイスを発見するために、GA_NXT問い合わせ802を送信し得る。ファイバーチャネルネットワークでは、GA_NXT問い合わせは、ネームサーバに、現在ネットワーク内に存在するすべてのデバイスに関する情報を順次提供させる。情報は、コマンドに含まれるN_Port_IDの次に大きなN_Port_IDから順に昇順で返される。iSNSサーバ内には、GA_NXT問い合わせコマンドに相当するものがない。したがって、サービスマッパーは、これを実行するために、いくつかのコマンドを実施しなければならない。
【0062】
第1に、サービスマッパーは、iSNSサーバから、すべての動作中のN_Port_IDのリストを要求する、問い合わせ803を送信する。ステップ804で、サービスマッパーは、次に大きなN_Port_IDを決定する。コマンド805を用いて、サービスマッパーは、iSNSサーバから、次のN_Port_IDの追加の情報を要求する。追加の情報は、N_Port_IDが問い合わせられているデバイスのイーサネット(登録商標)アドレスに加えて、通常、GA_NXT問い合わせに対する応答と共に提供される、すべてのフィールドを含み得る。このデータは、iSNSサーバ806から、応答と共に受信される。
【0063】
ステップ807で、問い合わせられたデバイスのN_Port_IDとイーサネット(登録商標)アドレスとの組み合わせは、FCoEデータ転送要素800によって格納される。HBAモジュールが、問い合わせられたデバイスと通信することを試みる際、HBAモジュールは、通信を、問い合わせられたデバイスのN_Port_IDにアドレス指定するため、これは必要である。しかしながら、N_Port_IDは、ファイバーチャネル特有のアドレスである。このアドレスは、イーサネット(登録商標)ネットワーク上で通信が送信されるようにするために、イーサネット(登録商標)特有のアドレスに変換される必要がある。したがって、FCoEデータ転送モジュールは、種々の問い合わせから受信される各N_Port_IDおよびそのそれぞれのイーサネット(登録商標)アドレスを、iSNSサーバに格納する。次いで、FCoEデータ転送モジュールは、HBAモジュールによって送信されるN_Port_ID通信の送り先を、それぞれのイーサネット(登録商標)アドレスに変換するために、この格納された情報を使用し得る。
【0064】
ステップ808で、サービスマッパーは、iSNSサーバから受信された情報を、ファイバーチャネルGA_NXT許容メッセージに関連付けられるフォーマットに変換する。次いで、サービスマッパーは、そのデータを、GA_NXT許容メッセージでHBAモジュールに送信する。ステップ810で、HBAモジュールは、ステップ802を繰り返し、サービスマッパーに、ステップ803〜809を繰り返させる。HBAモジュールは、すべてのN_Port_IDが発見されるまで、ステップ802を繰り返す。したがって、すべてのN_Port_IDをスキャンし、それらに関する情報をHBAモジュールに送信することができる。HBAモジュールは、イーサネット(登録商標)ネットワークの存在を認識していないため、ポートIDのイーサネット(登録商標)アドレスを受信しないことに留意されたい。これらのアドレスは、上述されるように、代わりに、FCoEデータ転送モジュール800によって受信され、使用される。ステップ811で、HBAモジュールは、ログアウトし、該ログアウトは、サービスマッパーによって局所的に処理される。
【0065】
図9は、GID_FF問い合わせ中のFCoEモジュールの動作を示す。GID_FF問い合わせは、特定の機能を有する、すべてのデバイスのN_Port_IDを要求する、問い合わせである。例えば、その問い合わせは、すべてのターゲットを取得するために使用することができる。このプロセスは、GA_NXT問い合わせに関して上述されるものと類似する。
【0066】
ステップ901で、HBAモジュールは、サービスマッパーによって局所的に扱われるログインを実施する。次いで、HBAモジュールは、GID_FF問い合わせを発行する(ステップ902)。サービスマッパーは、iSNSサーバに問い合わせを送信し、iSNSサーバに登録されるすべてのデバイスに関する情報を要求する(ステップ903)。次いで、サービスマッパーは、GID_FF問い合わせのパラメータに基づき、受信した入力をフィルタ処理する(ステップ904)。FCoEデータ転送要素は、フィルタ処理されたポートのポートIDおよびイーサネット(登録商標)アドレスマッピングを格納する(ステップ905)。サービスマッパーは、フィルタ処理されたポートに関連付けられるデータを、ファイバーチャネルフォーマットに再フォーマットし(ステップ906)、そのデータをHBAモジュールに送信する(ステップ907)。そのコマンドに対する応答を受信したことを受けて、HBAモジュールは、ログアウトし、該ログアウトは、サービスマッパーによって局所的に処理される(ステップ908)。
【0067】
図10は、状態変化通知メッセージの受信中のFCoEモジュールの挙動を示す、略図である。上述されるように、状態変化通知メッセージは、ネットワークからのデバイスのうちの1つの脱落、新しいデバイスの追加等のネットワークにおける変化をデバイスに通知するために、サーバ(ファイバーチャネルネームサーバまたはiSNSサーバ等)によって使用され得る。
【0068】
iSNSサーバは、状態変化通知(<SCN>)メッセージ1001を送信する。メッセージ1001は、例えば、特定のデバイスがネットワークから脱落したことを知らせ得る。必然的に、<SCN>メッセージは、iSNSフォーマットであり、したがって、脱落したデバイスのファイバーチャネルN_Port_IDは含まない。代わりに、これは、iSNS特有のアドレス(すなわち、ワールドワイドポート名、タグ64)のみを含む。したがって、ステップ1002で、サービスマッパーは、iSNSサーバから、影響を受けたデバイスのN_Port_IDを要求し、受信する。ステップ1003で、サービスマッパーは、<SCN>メッセージ1001から受信されたデータおよびステップ1002で受信されたN_Port_IDを利用して、RSCNメッセージ(すなわち、ファイバーチャネルフォーマットの状態変化通知メッセージ)を形成する。次いで、サービスマッパーは、したがってフォーマットされたRSCNメッセージ1004を、HBAモジュールに送信する。次いで、HBAモジュールは、RSCN応答を提供する。サービスモジュールは、その応答を、iSNSフォーマットの応答メッセージ(<SCNRsp>メッセージ1006)に再フォーマットする。次いで、<SCNRsp>メッセージは、iSNSサーバに返信される。
【0069】
上述されるように、データ転送は、FCoEデータ転送要素800によって実施され得る。データ転送要素は、ネットワーク内の他のデバイスの複数対のイーサネット(登録商標)アドレスおよびN_Port_IDを、iSNSサーバからこのデータが取得される時に常に、テーブルに格納し得る。例えば、図8のステップ807、および図9のステップ905を参照されたい。データ転送要素が、特定のファイバーチャネルN_Port_ID行きのファイバーチャネルパケットを受信する際、そのN_Port_IDに関連付けられるイーサネット(登録商標)アドレスを取得するために、上記のテーブルを参照することができる。次いで、データ転送モジュールは、ファイバーチャネルパケットを、1つ以上のイーサネット(登録商標)フレーム内に配置し、イーサネット(登録商標)フレームを、テーブルから取得されたイーサネット(登録商標)アドレスにアドレス指定し得る。
【0070】
理論的には、HBAモジュールが通信をアドレス指定する、すべてのN_Port_IDが、テーブルに格納されているべきである(それらのそれぞれのイーサネット(登録商標)アドレスと共に)。HBAモジュールがN_Port_IDを認識するために、FCoEモジュールを通して、iSNSサーバからN_Port_IDを取得しなければいけないため、これは、事実であるべきである。例えば、図8および図9に記載されるプロセスを参照されたい。HBAモジュールが、この方式でN_Port_IDを取得する際、FCoEデータ転送要素は、N_Port_IDおよびそのそれぞれのイーサネット(登録商標)アドレスを、そのテーブルに格納するべきである(例えば、図8のステップ807、および図9のステップ905を参照)。
【0071】
しかしながら、HBAモジュールが、FCoEデータ転送要素のテーブルにないN_Port_IDにアクセスすることを試みる可能性がある。HBAモジュールが、別の方式でN_Port_IDを認識する場合、または単に特定のN_Port_IDに「盲目的に」メッセージを送信することを決定する場合に起こり得る。本発明の実施形態は、図11に示される方法を提供することによって、この可能性に対処し得る。
【0072】
初期、HBAモジュールは、ログインコマンド(PLOGIコマンド1101)を送信することによって、別のデバイスにログインすることを試み得る。PLOGIコマンド1101は、仮想ファイバーチャネルネットワークのネームサーバではなく、別のデバイスにアドレス指定される。ステップ1102で、FCoEデータ転送要素は、PLOGIコマンドのファイバーチャネル送り先アドレス(すなわち、N_Port_ID)が、そのテーブル内にあるかどうかを決定する。記載されるように、図11のプロセスは、N_Port_IDが、FCoEデータ転送要素のテーブル内にない際に実行される。
【0073】
N_Port_IDアドレスが、そのテーブル内にないことを受けて、データ転送要素は、iSNSサーバに問い合わせ(<DevAttrQry>1103)を送信し、iSNSサーバに登録される、すべてのデバイスに関するデータを要求する。iSNSサーバは、その応答1104において、すべてのデバイスのデータを提供する。ステップ1105で、FCoEデータ転送要素は、PLOGIコマンド1101に提供されたものと同一のN_Port_IDを有するデバイスの記録を見つけるために、受信したデータを検索する。いったんそのデバイスを発見すると、これは、N_Port_ID番号、およびその関連するイーサネット(登録商標)アドレスを、そのテーブルに保存する。
【0074】
次いで、これは、PLOGIコマンド1101を、ステップ1105で取得されたイーサネット(登録商標)アドレスに送信する。コマンド1101の遠隔受信者は、応答1105を送信し得る。いったん受信されると、応答は、再フォーマットされ、HBAモジュールに転送される。したがって、現在のHBAモジュールが、遠隔HBAモジュールにログインされ、それとの通信を開始し得る。ここで、FCoEデータ転送モジュールは、遠隔HBAモジュールのイーサネット(登録商標)アドレスを有するため、これは、これらの通信を、容易に処理および経路指定することができる。
【0075】
上記の実施例は、単一のイーサネット(登録商標)ネットワークの背景において提供されてきたが、本発明の実施形態は、複数のネットワークの一部であるデバイスを接続するために使用され得る。当業者は、本発明の上述の実施形態を、複数の接続されたイーサネット(登録商標)ネットワークで使用できることを認識するであろう。さらに、本発明の実施形態は、異なる種類の複数のネットワークが接続されている、異機種ネットワーク環境で使用することができる。
【0076】
図12Aは、そのような一環境の一実施例を示す。より具体的には、図12Aは、イーサネット(登録商標)ネットワーク1202に接続される、FCoEAを含む、FCoE対応デバイス1200を示す。イーサネット(登録商標)ネットワークは、ファイバーチャネルゲートウェイ1203に接続される。ファイバーチャネルゲートウェイは、イーサネット(登録商標)およびファイバーチャネルネットワークを相互接続するために使用される、ゲートウェイである。ファイバーチャネルゲートウェイは、ファイバーチャネルネットワーク1204に接続され、これは、次いで、標準ファイバーチャネルHBA1211を利用する、別の端末デバイス1210に接続される。
【0077】
ファイバーチャネルゲートウェイは、上述されるものと類似する技術を使用して、2つのネットワークを接続し得る。したがって、ファイバーチャネルゲートウェイは、2つのネットワーク間を通る通信を、カプセル化およびカプセル化解除し得る。
【0078】
さらに、ファイバーチャネルゲートウェイは、FCoEA1201およびHBA1211が、互いのアドレスおよび他の情報を発見できるようにするために、2つのネットワーク間で、アドレス指定通信およびネームサーバ通信を転送し得る。ファイバーチャネルゲートウェイは、例えば、デバイス1210に関する情報を発見するために、ネットワーク1204のファブリックおよびネームサーバにログインし、デバイス1200に関する情報を発見するために、イーサネット(登録商標)ネットワーク1202のiSNSサーバにログインすることによって、これを達成し得る。次いで、ファイバーチャネルゲートウェイは、デバイス1210の情報をネットワーク1202のiSNSサーバに、ならびにデバイス1200の情報をネットワーク1204のファブリックおよびネームサーバに提供することができる。しかしながら、両方の場合において、ゲートウェイは、他のデバイスのアドレスの代わりに、それ自体のアドレスを提供し得る。したがって、2つのデバイスが、互いと通信する際、それらは、ゲートウェイに通信を送信することができ、ゲートウェイは、これらを他のネットワーク内のもう一方のデバイスに転送することができる。また、ゲートウェイは、一方または両方のネットワーク内に複数のデバイスが存在する場合にも動作することができる(その場合、複数のアドレスを使用する必要があり得る)。
【0079】
図12Bは、複数の異機種ネットワークの別の実施例を図示する。この場合、デバイス1200は、ファイバーチャネルゲートウェイ1203およびイーサネット(登録商標)ネットワーク1204に接続する、イーサネット(登録商標)ネットワーク1202に接続するために、FCoEA1201を使用し得る。次いで、イーサネット(登録商標)ネットワーク1204は、第2のイーサネット(登録商標)ネットワーク1206に接続し得る、第2のファイバーチャネルゲートウェイ1205に接続し得る。FCoEA1215を含む第2のデバイス1214は、第2のイーサネット(登録商標)ネットワークに接続され得る。したがって、間にファイバーチャネルネットワークを含む、2つのイーサネット(登録商標)ネットワークを通して、2つのデバイスを接続することができる。2つのデバイスのみが示されるが、各ネットワークに複数のデバイスが接続され得る。
【0080】
本発明は、上述される具体的な例示的実施形態に制限されないことが留意される。例えば、FCoEモジュールは、図6〜図11に記載される要素、またはこれらの図に記載される方法に制限されない。
【0081】
本発明は、付随の図面を参照し、その実施形態に関連して、完全に説明されてきたが、種々の変更および修正が当業者に明白となることが留意される。そのような変更および修正は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の範囲内に含まれることが理解される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ネットワークデバイスに関し、より具体的には、ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)(Fibre Channel over Ethernet(登録商標))コントローラおよび支援デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ファイバーチャネルは、ネットワーク通信の周知の規格である。これは、一般に、ストレージネットワーク等の高データ伝送速度および高信頼性が必要とされるアプリケーションに使用される。ファイバーチャネルシステムは、通常、3つのトポロジ、ポイントツーポイント、アービトレート型ループ、およびスイッチ型ファブリックのうちの1つに基づく。それぞれのトポロジには、ネットワークに接続される種々のデバイスが、それらの存在を他のデバイスに知らせるため、ネットワーク内にどんな他のデバイスが存在するかを決定するため、およびいつデバイスがネットワークに入るかまたはそれを出るかを決定するために使用することができる、標準的な初期化およびメッセージング手順がある。ポイントツーポイントおよびアービトレート型ループトポロジでは、これらの手順は、デバイス自体によって実施され得る。スイッチ型ファブリックトポロジでは、これらの手順は、少なくとも部分的に、ネットワークファブリック、すなわち、ネットワーク自体の一部であると見なされ、かつネットワークと通信するデバイスではない、種々のスイッチまたはサーバによって実施され得る。
【0003】
イーサネット(登録商標)は、データ伝送速度および信頼性要件が、ファイバーチャネルアプリケーション程高くないアプリケーションに伝統的に使用される、ネットワーク通信規格である。例えば、イーサネット(登録商標)は、多くの場合、TCP/IPネットワークの基層として使用され、これは、次いでインターネットネットワーキングに使用される。しかしながら、最近の開発は、ファイバーチャネルと同様のデータ伝送速度および信頼性を特徴とするイーサネット(登録商標)技術をもたらした。一例は、現在、IEEE標準化団体で開発されている、コンバージドエンハンスドイーサネット(登録商標)(CEE)である。
【0004】
イーサネット(登録商標)が非常に普及しているため、伝統的にファイバーチャネル(例えば、ストレージネットワーキング等)に依存しているアプリケーションを、CEEまたは他の種類のイーサネット(登録商標)ネットワークに移動することが提案されている。これは、組織内に2つの別個のネットワーク(すなわち、ストレージのためのファイバーチャネルネットワーク、およびインターネットアクセス、コンピュータ対コンピュータ通信等のためのイーサネット(登録商標)ネットワーク)を構築ならびに支援する必要性を排除し得るため、資源を節約し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、既存のファイバーチャネルアプリケーションをイーサネット(登録商標)に変更するには、例えば、ホストバスアダプタ(Host Bus Adapter:HBA)等の既存のネットワーキングデバイスを、イーサネット(登録商標)を使用するように、またはインターネットSCSI(Internet SCSI:iSCSI)等の他の次善最適プロトコルを使用するように完全に再設計することが必要となり得る。既存のファイバーチャネルHBAは、長年に値する技術革新を組み込むため、これらのデバイスを完全に再設計することは、経済的ではない場合がある。
【0006】
既存のHBAを完全に再設計することなく、ファイバーチャネルからイーサネット(登録商標)に切り替える一推奨スキームは、ゲートウェイを使用することである。より具体的には、ファイバーチャネルコンポーネントをイーサネット(登録商標)ネットワークに接続するために、ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)(FCoE)ゲートウェイを使用することができる。FCoEゲートウェイは、ファイバーチャネルリンクを通してファイバーチャネルコンポーネントに接続される、独立型デバイスであり得る。また、ゲートウェイは、イーサネット(登録商標)ネットワークに接続され得、したがって、既存のファイバーチャネルベースのHBAを、イーサネット(登録商標)ネットワークと組み合わせ得る。しかしながら、この手法は、追加の独立型デバイス(すなわち、FCoEゲートウェイ)を使用する必要性が、結果としてもたらされるネットワークに大幅な費用および複雑性を付加するため、最適であるとは見なされない。さらに、これは、ゲートウェイとHBAとの間のファイバーチャネル接続が依然として必要であり得るため、ファイバーチャネル基盤の必要性を完全に排除しない場合がある。
【0007】
したがって、既存のファイバーチャネルHBAの技術を大いに利用する、エンドツーエンドCEE(または他のイーサネット(登録商標))高速ネットワークを作り出す必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これは、ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)(Fibre Channel over Ethernet(登録商標))通信を提供することに関する。例えば、ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)(FCoE)対応デバイス(コンピュータ等)は、ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)アダプタ(Fibre Channel over Ethernet(登録商標) Adapter:FCoEA)を含み得る。FCoEAは、HBAモジュールを含み得る。HBAモジュールは、ファイバーチャネルプロトコル上で通信するように構成され得る。FCoE対応デバイスは、HBAモジュールの通信を、代わりにイーサネット(登録商標)ネットワーク上で送信するために、それらを処理し、カプセル化し得る。FCoE対応デバイスは、iSNSサーバ等の既存のイーサネット(登録商標)サービスを利用することによって、種々のファイバーチャネルファブリックサービス向けの通信を処理し得る。したがって、FCoE対応デバイスは、イーサネット(登録商標)ネットワークおよび1つ以上の既存のイーサネット(登録商標)サービス/サーバを使用して、HBAモジュールに対するファイバーチャネルネットワークをエミュレートすることができる。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
ネットワーキングデバイスを操作するための方法であって、
ネットワーク接続されたデバイスのホストバスアダプタ(Host Bus Adapter:HBA)モジュールによって、ファイバーチャネル通信を生成することであって、該通信は、ファイバーチャネルファブリックサービス向けの少なくともいくつかの通信を含む、ことと、
該ネットワーク接続されたデバイスのファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)(Fibre Channel over Ethernet(登録商標):FCoE)モジュールによって、該ファイバーチャネル通信をイーサネット(登録商標)通信に変換することであって、該変換することは、該ファイバーチャネルサービス向けの通信をイーサネット(登録商標)サービス向けの通信に変換することを含む、ことと、
該FCoEモジュールによって、イーサネット(登録商標)ネットワーク上で該イーサネット(登録商標)通信を送信することと
を含む、方法。
(項目2)
前記FCoEモジュールによって、前記イーサネット(登録商標)ネットワークからイーサネット(登録商標)通信を受信することであって、該受信された通信は、イーサネット(登録商標)サービスから受信される少なくともいくつかの通信を含む、ことと、
該FCoEモジュールによって、該イーサネット(登録商標)通信を着信ファイバーチャネル通信に変換することであって、該変換することは、該イーサネット(登録商標)サービスから受信される通信をファイバーチャネルファブリックサービスに関連付けられた通信に変換することを含む、ことと、
該着信ファイバーチャネル通信を、前記HBAモジュールに送信することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記ファイバーチャネルファブリックサービス向けのファイバーチャネル通信のうちの少なくとも1つは、ファイバーチャネルネットワーク内のネームサーバまたは別のファブリックサービスにアドレス指定され、
前記ファイバーチャネル通信の変換は、該ファイバーチャネル通信のうちの少なくとも1つを、前記イーサネット(登録商標)ネットワーク内のインターネットストレージネームサービス(Internet Storage Name Service:iSNS)サーバ用にフォーマットされ、かつ該サーバにアドレス指定された通信に変換することを含む、
項目2に記載の方法。
(項目4)
前記iSNSサーバのアドレスを決定するために、前記FCoEモジュールによって、前記イーサネット(登録商標)ネットワーク内の動的ホスト構成プロトコル(Dynamic Host Configuration Protocol:DHCP)サーバにアクセスすることをさらに含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記ネームサーバまたは別のファブリックサービスにアドレス指定される通信のうちの少なくとも1つは、前記FCoEモジュールによって複数の通信およびアクションに変換される複合通信である、項目3に記載の方法。
(項目6)
前記ファイバーチャネル通信は、ファイバーチャネルネームサーバに登録するための通信を含み、前記ファイバーチャネル通信の変換は、iSNSサーバに登録するための通信を生成することを含む、項目3に記載の方法。
(項目7)
前記生成されるiSNSサーバに登録するための通信は、前記ネットワーキングデバイスに関連付けられたファイバーチャネルおよびイーサネット(登録商標)アドレスの両方を、該iSNSサーバにおいて保存するためのコマンドを含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記ファイバーチャネル通信は、ネットワークに接続される1つ以上のデバイスのファイバーチャネルアドレスを要求する、ファイバーチャネルファブリックサービスからの通信を含み、前記ファイバーチャネル通信の変換は、該1つ以上のデバイスのファイバーチャネルおよびイーサネット(登録商標)アドレスを要求する、前記iSNSサーバからの通信を生成することを含み、前記方法はさらに、
該iSNSサーバから、該1つ以上のデバイスのファイバーチャネルアドレスおよびイーサネット(登録商標)アドレスを受信することと、
該受信されたファイバーチャネルアドレスおよびイーサネット(登録商標)アドレスを、テーブルに保存することと、
該受信されたファイバーチャネルアドレスのうちの1つ以上を、前記HBAモジュールに送信することと
を含む、項目3に記載の方法。
(項目9)
前記ファイバーチャネル通信はさらに、前記1つ以上のデバイスのうちの第1のデバイスに関連付けられたファイバーチャネルアドレスにアドレス指定される通信を含み、前記方法はさらに、
該ファイバーチャネルアドレスに基づき、前記テーブルから該第1のデバイスのイーサネット(登録商標)アドレスを取得することを含み、
該第1のデバイスに関連付けられた該ファイバーチャネルアドレスにアドレス指定された通信を変換することは、該通信を1つ以上のイーサネット(登録商標)フレームにカプセル化することと、該イーサネット(登録商標)フレームを該イーサネット(登録商標)アドレスにアドレス指定することとを含む、
項目8に記載の方法。
(項目10)
前記FCoEモジュールによって受信される前記イーサネット(登録商標)通信のうちの少なくとも1つは、iSNS特有の状態変化通知(State Change Notification:SCN)通信であり、前記イーサネット(登録商標)通信の変換は、該SCN通信をファイバーチャネル特有のRSCN通信に変換することを含む、項目3に記載の方法。
(項目11)
前記ネットワーキングデバイスは、FCoEAである、項目1に記載の方法。
(項目12)
ネットワーキングデバイスを操作するための方法であって、
HBAモジュールと、該HBAモジュールに接続されるFCoEモジュールとを有するFCoEAを提供することと、
該ネットワーキングデバイスのFCoEモジュールを、イーサネット(登録商標)ネットワークに接続することと、
該HBAモジュールのために、該FCoEモジュールによってファブリックトポロジのファイバーチャネルネットワークを仮想化することであって、該仮想ファイバーチャネルネットワークは、該イーサネット(登録商標)ネットワークに基づき、該ファイバーチャネルネットワークの仮想化は、
ファイバーチャネルファブリックアドレスを、イーサネット(登録商標)アドレスにマッピングすることと、
イーサネット(登録商標)フレーム上で、ファイバーチャネルフレームをトンネリングすることと、
ファイバーチャネルファブリックサービスを提供するために、既存のイーサネット(登録商標)サービスを使用することとを含む、ことと
を含む、方法。
(項目13)
前記既存のイーサネット(登録商標)サービスは、iSNSサーバを含み、前記方法はさらに、該iSNSサーバを利用することによって、前記FCoEモジュールによって前記HBAモジュールのためのファイバーチャネルネームサーバを仮想化することを含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記方法はさらに、前記iSNSサーバによって提供されるSCNメッセージングサービスを利用して、前記FCoEモジュールによって前記HBAモジュールのためのファイバーチャネルRSCNメッセージングサービスを仮想化することを含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記ネットワーキングデバイスは、FCoEAである、項目12に記載の方法。
(項目16)
ネットワーキングデバイスを操作するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータ可読媒体であって、
該コンピュータ実行可能命令は、
ネットワーク接続されたデバイスのホストバスアダプタ(Host Bus Adapter:HBA)モジュールによって、ファイバーチャネル通信を生成することであって、該通信は、ファイバーチャネルファブリックサービス向けの少なくともいくつかの通信を含む、ことと、
該ネットワーク接続されたデバイスのファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)(Fibre Channel over Ethernet(登録商標):FCoE)モジュールによって、該ファイバーチャネル通信をイーサネット(登録商標)通信に変換することであって、該変換することは、該ファイバーチャネルファブリックサービス向けの通信を、イーサネット(登録商標)サービス向けの通信に変換することを含む、ことと、
該FCoE部分によって、イーサネット(登録商標)ネットワーク上で該イーサネット(登録商標)通信を送信することと
を該ネットワーキングデバイスのプロセッサに行わせるように構成されている、
コンピュータ可読媒体。
(項目17)
前記命令は、
前記FCoEモジュールによって、前記イーサネット(登録商標)ネットワークからイーサネット(登録商標)通信を受信することであって、該受信された通信は、イーサネット(登録商標)サービスから受信される少なくともいくつかの通信を含む、ことと、
該FCoEモジュールによって、該イーサネット(登録商標)通信を着信ファイバーチャネル通信に変換することであって、該変換することは、該イーサネット(登録商標)サービスから受信される通信を、ファイバーチャネルファブリックサービスに関連付けられた通信に変換することを含む、ことと、
該着信ファイバーチャネル通信を、前記HBA部分に送信させることと
を前記プロセッサに行わせるようにさらに構成されている、項目16に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目18)
前記ファイバーチャネル通信のうちの少なくとも1つは、ファイバーチャネルネットワーク内のネームサーバまたは別のファブリックサービスにアドレス指定され、前記ファイバーチャネル通信の変換は、該ファイバーチャネル通信を、前記イーサネット(登録商標)ネットワーク内のiSNSサーバ用にフォーマットされ、かつ該サーバにアドレス指定された通信に変換することを含む、項目17に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目19)
前記命令の前記FCoE部分は、前記iSNSサーバのアドレスを決定するために、前記イーサネット(登録商標)ネットワーク内のDHCPサーバにアクセスすることを前記プロセッサに行わせるように構成されている、項目18に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目20)
前記ネームサーバまたは別のファブリックサービスにアドレス指定される通信のうちの少なくとも1つは、前記FCoE部分によって複数の通信およびアクションに変換される複合通信である、項目18に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目21)
前記ファイバーチャネル通信は、ファイバーチャネルネームサーバに登録するための通信を含み、前記ファイバーチャネル通信の変換は、iSNSサーバに登録するための通信を生成することを含む、項目18に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目22)
前記生成されたiSNSサーバに登録するための通信は、前記ネットワーキングデバイスに関連付けられるファイバーチャネルおよびイーサネット(登録商標)アドレスの両方を、該iSNSサーバにおいて保存するためのコマンドを含む、項目21に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目23)
前記ファイバーチャネル通信は、前記ネットワークに接続される1つ以上のデバイスのファイバーチャネルアドレスを要求する、ファイバーチャネルネームサーバからの通信を含み、前記ファイバーチャネル通信の変換は、該1つ以上のデバイスのファイバーチャネルおよびイーサネット(登録商標)アドレスを要求する、前記iSNSサーバからの通信を生成することを含み、前記命令は、
該iSNSサーバから、該1つ以上のデバイスのファイバーチャネルおよびイーサネット(登録商標)アドレスを受信することと、
該受信されたファイバーチャネルおよびイーサネット(登録商標)アドレスを、テーブルに保存することと、
該受信されたファイバーチャネルアドレスのうちの1つ以上を、前記HBA部分に送信することと
を前記プロセッサに行わせるようにさらに構成されている、項目18に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目24)
前記ファイバーチャネル通信は、前記1つ以上のデバイスのうちの第1のデバイスに関連付けられたファイバーチャネルアドレスにアドレス指定される通信をさらに含み、
前記命令は、該ファイバーチャネルアドレスに基づき、前記テーブルから該第1のデバイスのイーサネット(登録商標)アドレスを取得することを前記プロセッサに行わせるようにさらに構成され、
該第1のデバイスに関連付けられた該ファイバーチャネルアドレスにアドレス指定された通信を変換することは、
該通信を1つ以上のイーサネット(登録商標)フレームにカプセル化することと、
該イーサネット(登録商標)フレームを該イーサネット(登録商標)アドレスにアドレス指定することと
を含む、項目23に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目25)
前記FCoE部分によって受信される前記イーサネット(登録商標)通信のうちの少なくとも1つは、iSNS特有のSCN通信であり、前記イーサネット(登録商標)通信の変換は、該SCN通信をファイバーチャネル特有のRSCN通信に変換することを含む、項目18に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目26)
前記ネットワーキングデバイスは、FCoEAである、項目15に記載のコンピュータ可読媒体。
(項目27)
ネットワーキングデバイスであって、
ファイバーチャネルネットワークと通信するように構成されている、HBAモジュールと、
該HBAモジュールおよびイーサネット(登録商標)ネットワークに接続され、かつ該HBAモジュールに仮想ファイバーチャネルネットワークを提供するように構成されている、FCoEモジュールであって、該仮想ファイバーチャネルネットワークは、1つ以上のイーサネット(登録商標)サーバを含む該イーサネット(登録商標)ネットワークに基づいており、該仮想ファイバーチャネルネットワークを該HBAモジュールに提供することは、該HBAモジュールに仮想ファイバーチャネルファブリックサービスを提供するために、該1つ以上のイーサネット(登録商標)サーバを使用することを含む、FCoEモジュールと
を備えている、ネットワーキングデバイス。
(項目28)
前記HBAモジュールは、ファイバーチャネルネットワーク内のネームサーバまたは別のファブリックサービスと通信するようにさらに構成され、FCoEモジュールは、前記イーサネット(登録商標)ネットワーク内のiSNSサーバを利用することによって、該HBAモジュールに仮想ネームサーバおよび他のファブリックサービスを提供するようにさらに構成されている、項目27に記載のネットワーキングデバイス。
(項目29)
前記FCoEモジュールは、DHCPサーバにアクセスして、前記iSNSサーバのアドレスを決定するようにさらに構成されている、項目28に記載のネットワーキングデバイス。
(項目30)
前記FCoEモジュールは、ファイバーチャネルネームサーバおよび他のファブリックサービスベースの通信をiSNSベースの通信に、iSNSベースの通信をファイバーチャネルネームサーバおよび他のファブリックサービスベースの通信に変換するためのサービスマッパーを備えている、項目28に記載のネットワーキングデバイス。
(項目31)
前記サービスマッパーは、前記ネットワーキングデバイスのファイバーチャネルアドレスを構築し、前記iSNSサーバに該ファイバーチャネルアドレスを登録するように構成されている、項目30に記載のネットワーキングデバイス。
(項目32)
前記FCoEモジュールは、前記iSNSサーバと通信するためのiSNSクライアントを備えている、項目28に記載のネットワーキングデバイス。
(項目33)
前記イーサネット(登録商標)ネットワークは、CEEネットワークであり、前記FCoEモジュールは、通信を該CEEネットワーク用にフォーマットするためのIPスタック/CEEインターフェースを備えている、項目28に記載のネットワーキングデバイス。
(項目34)
前記FCoEモジュールは、FCoEデータ転送要素をさらに備え、該FCoEデータ転送要素は、前記HBAモジュールと前記iSNSサーバ以外の前記イーサネット(登録商標)ネットワーク内のデバイスとの間の通信を処理するために利用される、項目28に記載のネットワーキングデバイス。
(項目35)
前記FCoEデータ転送要素は、複数対のアドレスのテーブルを含み、各対のアドレスは、前記イーサネット(登録商標)ネットワークに接続されるデバイスのイーサネット(登録商標)アドレスと、該デバイスに関連付けられるファイバーチャネルアドレス(N_Port_ID)とを含む、項目34に記載のネットワーキングデバイス。
(項目36)
前記FCoEデータ転送要素は、前記iSNSサーバから受信される通信から、複数対のアドレスを取得することによって、前記テーブルにデータ投入するように構成されている、項目35に記載のネットワーキングデバイス。
(項目37)
前記ネットワーキングデバイスは、FCoEAである、項目27に記載のネットワーキングデバイス。
(項目38)
項目27に記載のネットワーキングデバイスを含む、コンピュータ。
(項目39)
項目27に記載のネットワーキングデバイスを含む、ネットワーク接続されたストレージデバイス。
(項目40)
1つ以上のコンピューティングデバイスを含む、ストレージエリアネットワークであって、該1つ以上のコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つは、項目27に記載のネットワーキングデバイスを含む、ストレージエリアネットワーク。
(項目41)
コンピューティングデバイスを含むストレージエリアネットワークであって、該コンピューティングデバイスは、ネットワーキングデバイスを含み、
該ネットワーキングデバイスは、
ファイバーチャネルネットワークと通信するように構成されているHBAモジュールと、
該HBAモジュールおよびイーサネット(登録商標)ネットワークに接続され、かつ該HBAモジュールに仮想ファイバーチャネルネットワークを提供するように構成されているFCoEモジュールと
を含み、該仮想ファイバーチャネルネットワークは、1つ以上のイーサネット(登録商標)サーバを含む該イーサネット(登録商標)ネットワークに基づき、該HBAモジュールへの仮想ファイバーチャネルネットワークの提供は、該HBAモジュールに仮想ファイバーチャネルファブリックサービスを提供するために、該1つ以上のイーサネット(登録商標)サーバを使用することを含む、
ストレージエリアネットワーク。
(項目42)
前記HBAモジュールは、ファイバーチャネルネットワーク内のネームサーバまたは他のファブリックサービスと通信するようにさらに構成され、FCoEモジュールは、前記イーサネット(登録商標)ネットワーク内のiSNSサーバを利用することによって、該HBAモジュールに仮想ネームサーバおよび他のファブリックサービスを提供するようにさらに構成されている、項目41に記載のストレージエリアネットワーク。
(項目43)
イーサネット(登録商標)ネットワークを通したファイバーチャネルベースの通信を可能にする方法であって、
HBAモジュールを備えているFCoEA対応デバイスを提供することであって、該HBAモジュールは、ファイバーチャネルネットワーク上で通信するように構成されている、ことと、
該FCoEAモジュールを、iSNSサーバを備えているイーサネット(登録商標)ネットワークに接続することと、
該HBAモジュールによって、別のデバイスを発見するためのファイバーチャネルファブリックコマンドを発行することと、
該FCoE対応デバイスによって、該ファイバーチャネルファブリックコマンドを、イーサネット(登録商標)ネットワーク上での伝送用にフォーマットされたiSNSサーバコマンドに変換することと、
該FCoEA対応デバイスによって、該変換されたコマンドを該iSNSサーバに送信することと
を含む、方法。
(項目44)
前記FCoEA対応デバイスによって、前記iSNSサーバから前記コマンドへの応答を受信することであって、該応答は、前記イーサネット(登録商標)ネットワークに接続される別のデバイスを識別する、ことと、
該FCoE対応デバイスによって、該応答をファイバーチャネルファブリックフォーマットの応答に変換することと、
該ファイバーチャネルファブリックフォーマットの応答を、該HBAモジュールに送信することと、
をさらに含む、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記iSNSサーバから受信される応答は、前記他のデバイスに関連付けられたイーサネット(登録商標)アドレスと、該他のデバイスに関連付けられたファイバーチャネルアドレスとを含み、
前記変換された応答は、該他のデバイスに関連付けられたファイバーチャネルアドレスを含み、
前記方法は、
前記FCoE対応デバイスで、該他のデバイスのイーサネット(登録商標)アドレスおよびファイバーチャネルアドレスを保存することをさらに含む、
項目44に記載の方法。
(項目46)
前記HBAモジュールによって、前記他のデバイスのファイバーチャネルアドレスにアドレス指定される、ファイバーチャネル通信を発行することと、
前記FCoE対応デバイスによって、前記他のデバイスの保存されたイーサネット(登録商標)アドレスにアクセスすることと、
該FCoE対応デバイスによって、該ファイバーチャネル通信を、該他のデバイスの保存されたイーサネット(登録商標)アドレスにアドレス指定される、イーサネット(登録商標)フレームにカプセル化することと、
該FCoE対応デバイスによって、該イーサネット(登録商標)フレームを前記他のデバイスに送信することと
をさらに含む、項目45に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、一例示的ファイバーチャネルファブリックネットワークの略図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態による、一例示的イーサネット(登録商標)ネットワークの略図である。
【図3A】図3Aは、本発明の実施形態による、一例示的FCoEA(ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)アダプタ)の略図である。
【図3B】図3Bは、本発明の実施形態による、別の例示的FCoEAの略図である。
【図3C】図3Cは、本発明の実施形態による、さらに別の例示的FCoEAの略図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態による、一例示的FCoEA対応デバイスの略図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態による、ファイバーチャネルネットワークをエミュレートする一例示的方法のフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の実施形態による、初期化中の一例示的FCoE(ファイバーチャネルフレームのイーサネット(登録商標)カプセル化)モジュールの動作を示す、略図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態による、状態変化登録およびNPIV(N_Port ID仮想化)初期化中の一例示的FCoEモジュールの動作を示す、略図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態による、デバイス発見中の一例示的FCoEモジュールの動作を示す、略図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態による、デバイス発見中の一例示的FCoEモジュールの動作を示す、略図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態による、状態変化通知メッセージの受信中の一例示的FCoEモジュールの動作を示す、略図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態による、ポートログイン中の一例示的FCoEモジュールの動作を示す、略図である。
【図12A】図12Aおよび12Bは、複数の異機種ネットワーク内で利用される本発明の実施形態を示す、略図である。
【図12B】図12Aおよび12Bは、複数の異機種ネットワーク内で利用される本発明の実施形態を示す、略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の好ましい実施形態の説明では、本明細書の一部を構成し、例証として、本発明が実施され得る具体的な実施形態が示される、添付の図面が参照される。本発明の好ましい実施形態の範囲を逸脱することなく、他の実施形態が利用され得ること、および構造変化が行われてもよいことが理解される。
【0011】
本明細書において、ストレージエリアネットワークのHBAアダプタに関して、本発明の実施形態が説明されるが、本発明は、本来ファイバーチャネル(または他の同様な種類のネットワーク)用に設計された回路を利用する一方、そのような回路に限定されず、概して、イーサネット(登録商標)(または他の同様な種類のネットワーク)を通して接続する、いかなるデバイスにも適用可能であることを理解されたい。
【0012】
図1は、ファブリックトポロジの一例示的ファイバーチャネルネットワークの略図である。いくつかのデバイス101、102、103、および104を、ファイバーチャネルネットワーク100に接続することができる。図1の例示的ネットワークは、ストレージエリアネットワークであり得るが、他のファイバーチャネルファブリックネットワークは、類似する構成を有し得る。デバイス101〜103は、コンピュータであってもよく、デバイス104は、コンピュータに働く、ストレージデバイス(RAIDアレイ等)であり得る。ファイバーチャネルホストバスアダプタ(Host Bus Adapter:HBA)105〜108は、ネットワークに接続するために、種々のデバイスによって使用され得る。HBAは、ホストバスアダプタがその一部であるデバイスのメインプロセッサに負荷を与えることなく、いくつかの下位ネットワーク通信処理を実施することができる、ネットワーキングデバイスである。したがって、ホストバスアダプタは、多くの場合、下位ネットワーク通信処理を行わなければならない場合、メインプロセッサへの潜在的負荷が大きくなり得る、ファイバーチャネルネットワーク等の高スループットネットワークと共に使用される。
【0013】
ファブリックネットワーク内で共に動作するために、デバイス101〜104は、ネットワーク内の少なくとも他のストレージデバイスを認識しなければならない。デバイスは、ファブリックを通して(すなわち、ファイバーチャネルネットワーク100内の種々のスイッチ等と通信することによって)、ファイバーチャネルアドレスを取得し、他のデバイスのファイバーチャネルアドレスを検出し得る。また、デバイスは、互いに関する他のより高位の情報を取得および/または共有する必要があり得る。例えば、デバイスは、各デバイスの種類(例えば、サーバであるか、またはストレージデバイスであるか)、数、デバイス(例えばディスク)内の種々の要素の種類および/または名前、ならびにファイバーチャネルネットワークの特定のアプリケーションに依存し得る他の情報を共有する必要がある場合がある。この目的のために、デバイス101〜104のそれぞれは、ネームサーバ109に登録し、それ自体を説明する種々のデータを送信し得る。ネームサーバは、そのデータを追跡し得る。したがって、各デバイスは、ネームサーバから、ネットワークに接続される他のデバイスを説明する種々のデータおよび属性を受信し得る。
【0014】
さらに、種々のデバイスは、ネットワークの変化に関連するメッセージを送信および受信し得る。例えば、デバイスが停止、あるいはネットワークから脱落する場合、または新しいデバイスがネットワークに入る場合、ファブリックは、接続されたデバイスに状態変化を知らせるメッセージを送信し得る。これらのメッセージは、登録状態変化通知またはRSCNメッセージと称され、所定のRSCNプロトコルに従って提供される。
【0015】
ネームサーバ109は、別個のサーバとして提供され得、またはこれは、ファイバーチャネルネットワーク100の1つ以上のスイッチによって実装され得る。
【0016】
図2は、イーサネット(登録商標)ネットワークの略図である。ここでは、デバイス201〜204(図1のデバイス101〜104と類似し得る)は、イーサネット(登録商標)ネットワーク200を通して、互いに接続することができる。イーサネット(登録商標)は、下位ネットワーキング基盤を指し、代表的にはIPおよびTCP/IP等の他のより高位のネットワーキングプロトコルを支援し得る。したがって、また、イーサネット(登録商標)ネットワーク200は、IPおよび/またはTCP/IPネットワークとしても機能することができる。さらに、イーサネット(登録商標)ネットワーク200は、最新の強化型イーサネット(登録商標)ネットワークであり得る。例えば、イーサネット(登録商標)ネットワーク200は、10ギガビットイーサネット(登録商標)ネットワーク等のより高いスループットのために強化された、イーサネット(登録商標)ネットワークであり得る。さらに、ネットワーク200は、無損失イーサネット(登録商標)強化を支援する、種々の既存のネットワークおよび提案されているネットワーク等、より高い信頼性およびより高いスループットのために強化された、イーサネット(登録商標)ネットワークであり得る。
【0017】
上述されるように、ストレージエリアネットワークアプリケーションに、ファイバーチャネルネットワーク100の代わりにイーサネット(登録商標)ネットワーク200を使用することが望まれ得る。さらに、同様に、他の伝統的ファイバーチャネルベースのアプリケーションを、イーサネット(登録商標)ネットワークに移動することが望まれ得る。より多くのアプリケーションが単一のネットワークに移動される際、コンポーネントの共通性および異なるアプリケーション間で同一のネットワーク基盤を共有する能力のため、ネットワークに関連する費用は減少する。したがって、例えば、企業のインターネットアクセス、ストレージアクセス、およびテレフォニーを、すべて単一のイーサネット(登録商標)ネットワーク200上で実施することができる。
【0018】
デバイス201〜204は、イーサネット(登録商標)200に接続するために、FCoEA(ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標)アダプタ(Fibre Channel over Ethernet(登録商標) Adapter))205〜208を利用することができる。FCoEAは、ファイバーチャネル(Fibre Channel:FC)HBA(ホストバスアダプタ(Host Bus Adapter))に、無損失イーサネット(登録商標)インターフェースを提供することができる。換言すれば、これは、イーサネット(登録商標)ネットワークで、FC HBAに必要とされる、同一の高スループットネットワーキング通信処理機能を実施することができる(通常、ファイバーチャネルネットワークを通して動作することが意図されるFC HBAと比較して)。FCoEAは、イーサネット(登録商標)ベースのストレージエリアネットワーク(SAN)内のデバイス、または従来、ファイバーチャネルネットワーキングに基づくが、イーサネット(登録商標)用に修正されている、いずれかの他のアプリケーションを接続するために使用され得る。FCoEAは、例えば、CEE(コンバージドエンハンスドイーサネット(登録商標)(Converged Enhanced Ethernet(登録商標)))無損失ネットワーク等の種々の種類の高度イーサネット(登録商標)ネットワークで動作するように構成され得る。
【0019】
図3Aは、本発明の実施形態による、FCoEA300の略図である。FCoEA300は、FCoEA205〜208のうちの1つであり得る。FCoEA300は、HBAモジュール301と、FCoE(ファイバーチャネルのイーサネット(登録商標)カプセル化)モジュール302とを含み得る。HBAモジュールは、既存のファイバーチャネルHBA(例えば、図1のHBA105〜108のうちの1つ等)のそれぞれのモジュールと同一であり得る。しかしながら、HBAモジュールは、FCoEA300が、代わりにイーサネット(登録商標)MAC層を利用し、ファイバーチャネルMAC層の機能性の代わりに、対応する機能性を含み得るため、既存のファイバーチャネルHBAのファイバーチャネルMAC層の機能性を除外し得る。
【0020】
したがって、HBAモジュールは、図1のHBA105〜108のうちのいずれか1つ等の独立型HBAと類似する機能性を有し得る。具体的に、HBAモジュールは、サーバとファイバーチャネルネットワークとの間の着信および発信ネットワーク通信を処理するように構成され得る。しかしながら、この場合、HBAモジュール301に接続されたファイバーチャネルネットワークは存在しない。代わりに、そのモジュールは、最終的にイーサネット(登録商標)ネットワークに接続される。したがって、FCoEモジュール302(また、ファイバーチャネルのイーサネット(登録商標)カプセル化モジュールとも称される)は、イーサネット(登録商標)ベースのネットワーク200を利用する一方、HBAモジュールに仮想ファイバーチャネルネットワークを提供するために使用することができる。結果として、HBAモジュールは、ファイバーチャネルネットワークに実際に接続されているかのように動作することができる。この構成の目的は、イーサネット(登録商標)ベースのFCoEAで既存のファイバーチャネルベースのHBA技術を利用することである。したがって、いくつかの実施形態によると、確実に、ネットワーク処理の大部分が既存のHBA技術によって実施されるようにすることによって、FCoEAの開発費用を削減することができる。
【0021】
FCoEモジュールは、要素303、304、および305を利用することによって、上述の機能性を実施することができる。これらは、以下により詳細に記載される。
【0022】
HBAおよびFCoEモジュールは、ハードウェア、ソフトウェア、または両方の組み合わせで構成することができる。図4は、FCoEA300が搭載された、一例示的ホストコンピュータまたはコンピューティングデバイス410(ホスト)の略図である。FCoEA300は、ARM(登録商標)プロセッサ401等の組み込みプロセッサと、追加の論理402とを含み得る、集積回路(IC)400を含み得る。また、FCoEAは、ARMプロセッサで実行可能な命令、ファイバーチャネル接続コンテキスト、統計値、および他の種類の情報を含み得る、メモリ403を含み得る。追加の論理のうちのいくつか、およびARMプロセッサで実行可能な命令のうちのいくつかは、HBAモジュールの一部であってもよく、一方、追加の論理の他の部分、およびARMプロセッサで実行可能な他の命令は、FCoEモジュールの一部であり得る。
【0023】
ホスト410は、CPU(411)およびメモリ(412)に加え、FCoEA300を含み得る。CPUは、メモリに格納される命令を実行し得る。したがって、CPUは、例えば、メモリに格納されるオペレーティングシステム(OS)414、ならびにその中に格納される他のソフトウェア415を実行することができる。
【0024】
ファイバーチャネルネットワークを、イーサネット(登録商標)ネットワーク上に正確に仮想化またはマップするために、FCoEモジュールは以下を行う必要がある。
【0025】
(1)イーサネット(登録商標)ネットワーク上で伝達するために、イーサネット(登録商標)フレーム内の発信ファイバーチャネルパケットをカプセル化し、着信イーサネット(登録商標)フレームからファイバーチャネルパケットを抽出する。
【0026】
(2)ファブリックトポロジのファイバーチャネルネットワークのアドレス指定、命名、メッセージング、および他のサービスをエミュレートする(例えば、ネームサーバの存在をエミュレートし、登録状態変化通知(RSCN)メッセージング、N_Port ID入手、ファブリック間経路制御(IFR)、仮想ファブリック等を支援することによって)。
【0027】
(3)送り先デバイスのイーサネット(登録商標)特有のアドレスを、発信ファイバーチャネルパケットをカプセル化するイーサネット(登録商標)フレームに追加する。
【0028】
図3Aを参照すると、ステップ(1)は、FCoEモジュール302のFCoEカプセル化要素303によって実施することができ、ステップ(2)は、ファブリックサービスエミュレーション要素304によって実施することができ、ステップ(3)は、アドレス変換要素305によって実施することができる。これらの要素は、相互排他的である必要はなく、共通ソフトウェアおよび/またはハードウェアに含むことができる。代替として、ステップ2は、ホストのメインメモリに格納されるソフトウェアを含む、ホストデバイス内のいずれかの他の場所で実施し、ホストのCPUで実行することができる。このステップをFCoEモジュール内で実行されるものとして示す、本明細書に記載される実施例は、一可能な実装にすぎない。
【0029】
当業者は、データを異なるフォーマットに再パッケージする(すなわち、上記の部分1を実行する)ことは、ファイバーチャネルフレームをイーサネット(登録商標)フレームに「ラッピング」することによって、または換言すれば、ファイバーチャネルフレームをイーサネット(登録商標)上でトンネリングもしくはカプセル化することによって、行われてもよいことを認識するであろう。しかしながら、部分2は、ファイバーチャネルファブリックに加えて、ファイバーチャネル特有のネームサーバ(図1のサーバ109等)を必要とし、そのような要素は、イーサネット(登録商標)ネットワーク内に存在しないため、問題となり得る。ファイバーチャネルファブリックのイーサネット(登録商標)特有のエミュレータの設計は、困難かつ費用の掛かる試みとなり得る。
【0030】
したがって、本発明の実施形態は、ファイバーチャネルネームサーバをエミュレートするために、既にイーサネット(登録商標)ネットワークに存在する2つの種類のサーバを利用する。これらは、動的ホスト構成プロトコル(Dynamic Host Configuration Protocol:DHCP)サーバ(図2の210)、およびインターネットストレージネームサービス(Internet Storage Name
Service:iSNS)サーバ(図2の211)である。
【0031】
iSNSサーバは、ファイバーチャネルネットワーク内のネームサーバおよび他のファブリックサービスと類似するサービスを提供することが意図される、IP(インターネットプロトコル(Internet Protocol))ネットワークベースのサーバである(大部分のイーサネット(登録商標)ネットワークは、IPフレームを伝達し、また、IPネットワークとも呼ばれることに留意されたい)。しかしながら、iSNSサーバに関連付けられる種々のコマンドおよびデータフォーマットは、ファイバーチャネルネームサーバに対するそれらとは異なる。さらに、iSNSサーバのコマンドとファイバーチャネルネームサーバのコマンドとの間に、常に1対1の対応が存在するわけではない。DHCPサーバは、IPネットワーク(イーサネット(登録商標)ネットワーク200等)内のデバイスに、IPアドレスを割り当てるために使用される、サーバである。DHCPサーバは、ネットワーク上のネームサーバ(上述されるiSNSサーバ等)のIPアドレスを提供するために使用され得る。また、これは、種々のデバイスにIPアドレスを割り当てるために使用され得る。
【0032】
図5は、本発明の実施形態による、ファイバーチャネルネットワークの命名およびメッセージングサービスをシミュレーションする方法のフローチャートである。図5のステップは、FCoEA内のソフトウェアまたはハードウェアによって、ならびにFCoEAを収容するコンピュータもしくはデバイスのソフトウェアまたはハードウェアによって、実行することができる。ステップ500で、FCoE(ファイバーチャネルオーバーイーサネット(登録商標))対応端末デバイス(FCoEAまたはFCoEAデバイスに取り付けられたソフトウェアドライバのいずれか)は、iSNSサーバのアドレスを検出するために、DHCPサーバ210にアクセスする。ステップ502で、FCoE対応端末デバイスは、HBAモジュールとiSNSサーバとの間の通信を変換する。上述されるように、FCoE対応端末デバイスは、ファイバーチャネルネームサーバおよび他のファブリックサービスをエミュレートする。したがって、これは、HBAがファイバーチャネルネームサーバまたは他のファブリックサービスと通信しているようにHBAに見えるように通信を変換しなければならない。上述されるように、iSNSサーバに関連付けられるコマンドおよびデータと、ファイバーチャネルネームサーバに関連付けられるコマンドおよびデータとの間に、1対1の関係が存在しない場合があるため、ステップ502は、ステートマシンによって実施され得る。
【0033】
さらに、ステップ502の一部として、FCoE対応端末デバイスは、イーサネット(登録商標)アドレスとファイバーチャネルアドレスとの間で変換する必要がある場合がある。iSNSサーバは、ネットワーク上の種々の要素(デバイス201〜204等)のイーサネット(登録商標)、IP、またはファイバーチャネルフォーマットのアドレスを提供し得る。FCoE対応端末デバイスは、HBAモジュールが使用することができる、1つ以上のファイバーチャネルアドレスを必要とする場合がある。したがって、FCoE対応端末デバイスは、iSNSサーバによって提供されるシード値を使用して、ファイバーチャネルアドレスを生成し、それらを実イーサネット(登録商標)アドレスと関連付け得る。したがって、ステップ504では、FCoE対応端末デバイスは、実イーサネット(登録商標)アドレスおよびファイバーチャネルアドレスの関連付けを追跡する。これは、複数対の関連付けられたイーサネット(登録商標)およびファイバーチャネルアドレスを格納することによって、ならびに/またはイーサネット(登録商標)アドレスからファイバーチャネルアドレスを取得するため、およびファイバーチャネルアドレスからイーサネット(登録商標)アドレスを取得するための所定の式を使用することによって、達成され得る。さらに、また、iSNSサーバは、種々のデバイスのファイバーチャネルアドレスを格納し得る。iSNSサーバは伝統的にファイバーチャネルアドレスを提供することが意図されていない一方、これは、クライアントによって定義され得る任意の属性を格納することを可能にする。これらは、ファイバーチャネルアドレスであり得る。
【0034】
ステップ506では、FCoE対応端末デバイスは、通常(すなわち、ネームサーバに関係しない)の通信においてファイバーチャネルアドレスとイーサネット(登録商標)アドレスとの間で変換する。したがって、HBAモジュールは、ファイバーチャネルアドレスに基づき、ネットワーク上の他のデバイスに、またはそれから、データを送信および/または受信し得る。
【0035】
戻って図3Aを参照すると、イーサネット(登録商標)NICモジュール306は、標準下位イーサネット(登録商標)処理を実施するために、FCoEモジュールと接続され得る。高度型のイーサネット(登録商標)ネットワークが使用されている場合(例えば、上述のCEE等)、イーサネット(登録商標)NICは、ネットワーク上で動作するように修正され得る。例えば、無損失伝送を特徴とするネットワークでは、イーサネット(登録商標)NICは、示されるように、無損失イーサネット(登録商標)MAC処理要素307を含み得る。
【0036】
HBAモジュールは、ホスト410に接続され得る。既存のファイバーチャネルホストドライバ308は、HBAモジュールで走っているアプリケーションソフトウェアのファイバーチャネル通信を促進するために、HBAモジュールと通信し得る。ホストドライバは、ホストのCPUで実行することができる。
【0037】
FCoEAのいくつかの機能性、特にそのFCoEモジュールの機能性は、FCoEA自体によってではなく、ホストCPUによって実行することができる。例えば、CPUは、ファイバーチャネルネットワークをエミュレートすることに関連する特定の動作を実行するために、FCoEAと通信し、FCoEAに結果を返信することができる。CPUは、オペレーティングシステム414または他のソフトウェア415(例えば、ドライバ)を実行する際、これらのFCoEA関連動作を実施し得る。さらに、CPUは、ハイパーバイザソフトウェア(図示せず)を実行する一部として、FCoEA関連動作を実行することができる。
【0038】
したがって、図3Bは、FCoE機能性のホスト側での実行を提供する、FCoEAの別の実施例を示す。図3Bは、ホスト410のFCoE機能性要素309が、図3AのFCoEモジュール302によって実施される機能のうちのいくつかを実施するということを除き、図3Aと類似する。より具体的には、ホストのFCoE機能性309は、ファブリックサービスエミュレーションおよびアドレス変換を実施し、一方、FCoEモジュールは、依然としてFCoEカプセル化を実施する。したがって、サーバのFCoE機能性は、ファブリックサービスエミュレーション、ならびにアドレス変換要素304および305を含み得る。FCoE機能性要素は、ホストのプロセッサ411で走るソフトウェアであり得る。FCoE機能性は、ファイバーチャネルドライバ311を通して、FCoEAと通信し得る。この場合、FCoE機能性309とFCoEA300との間の通信を促進するために、追加の機能性を要求し得るため、ファイバーチャネルドライバは、既存のドライバ308でないことがある。いくつかの実施形態では、FCoEA機能性は、それ自体が、FCoEA300のドライバの一部と見なされ得る。
【0039】
図3Cは、追加の機能性がホストに移動される、別の例示的FCoEAを示す。FCoEAのHBAモジュール301は、HBA機能性310によって置換される。同様に、FCoEモジュールは、FCoE機能性309によって完全に置換される。FCoE機能性309およびHBA機能性310は、ホストで、ソフトウェアによって実装され得る。FCoEAは、無損失イーサネット(登録商標)MACを含む、イーサネット(登録商標)NICを保持する。したがって、本実施形態では、FCoEAは、下位イーサネット(登録商標)処理のみを実施し、一方、ホストは、すべての他の処理を実施する。
【0040】
上述の記載は、ホスト内(FCoEおよびHBA機能性)またはFCoEA内(FCoEAおよびHBAモジュール)のこれらの要素の配置に言及するために、HBA機能性およびHBAモジュールに加えて、FCoE機能性およびFCoEモジュールを参照する。しかしながら、一般に、また、ホストでのFCoEおよびHBA機能性は、それぞれ、FCoEまたはHBAモジュールと称され得る。特定の要素の機能性が、ホストとFCoEAとの間で分割される際(図3Bの場合のように)、ホストおよびFCoEA部分の両方は、合わせて、モジュールと称され得る。したがって、図3Bでは、ホストベースのFCoE機能性309およびアダプタベースのFCoEモジュール302は、合わせて、FCoEモジュールと称され得る。
【0041】
図6は、一例示的FCoE対応端末デバイスの動作をより詳細に示す、略図である。より具体的には、図6は、ネームサービスの初期化および登録のプロセス中のFCoE対応端末デバイスのシーケンス図または梯子図を示す。図6のFCoE対応端末デバイスは、4つの要素、サービスマッパー601と、iSNSクライアント602と、DHCPクライアント603と、IPスタックおよび/またはCEE(コンバージドエンハンスドイーサネット(登録商標)(Converged Enhanced Ethernet(登録商標)))インターフェース604とを含み得る。略図は、これらの要素が、順に、かつ経時的に、どのように動作するかを示す。梯子図またはシーケンス図は、イーサネット(登録商標)ネットワークと、オペレーティングシステム等の端末デバイスの高位要素との間に位置する、要素を図示する。ネットワークは、イーサネット(登録商標)ネットワーク(図2のネットワーク200等)であり得る。より具体的には、ネットワークは、CEEネットワークであり得る。しかしながら、ネットワークは、他の種類のIPネットワークを包含することができる。時間は、上から下に垂直に進む。
【0042】
サービスマッパー601は、HBAモジュールによって使用される、ファイバーチャネルフォーマットの通信およびデータを、iSNSモジュールによって使用されるフォーマットに変換するため、および戻すために使用される。山括弧内のコマンド(例えば、「<DHCP Discover>」等)は、イーサネット(登録商標)ネットワーク200用にフォーマットされたコマンドを表し、一方、括弧のないコマンド(例えば、FLOGI等)は、ファイバーチャネルネットワーク用にフォーマットされたコマンドを表す。iSNSクライアントは、iSNSサーバと通信するために使用される。DHCPクライアントは、DHCPサーバと通信するために使用される。IPスタック604は、ネットワーク200上で伝送するために、発信通信をフォーマットするため、およびネットワークから着信する通信を処理する(すなわち、着信通信から、ネットワーク特有のフォーマッティングを除去する)ために使用される。したがって、IPスタック/CEEインターフェースの機能のうちの1つは、発信通信をイーサネット(登録商標)フレームに分割し、着信イーサネット(登録商標)フレームから着信通信を作成することができる。
【0043】
要素601〜604は、ハードウェア、ソフトウェア、または両方において実装することができる。また、要素601〜604のうちのいずれかまたはすべては、端末デバイス上に置くことができる。組み合わせて、これらの要素は、上述されるように、HBAモジュールにイーサネット(登録商標)ネットワークをエミュレートするために使用される。
【0044】
初期(または起動もしくはネットワーク接続直後)、HBAモジュールは、仮想ファイバーチャネルネットワークに「接続されていない」。したがって、初期化期間中、FCoE対応端末デバイスは、イーサネット(登録商標)ネットワーク関連の初期化を実施し、一方、HBAモジュールは、動作中のファイバーチャネルネットワークにまだ置かれていないと考えられる。通常、FCoE対応端末デバイスは、ファイバーチャネルネットワークの初期化をシミュレーションすることができる前に、イーサネット(登録商標)ネットワークに関する初期化を実施する必要がある。
【0045】
期間605中、FCoE対応端末デバイスのDHCPクライアント603は、(i)現在のデバイス(すなわち、DHCPクライアントが一部であるデバイス)のIPアドレスを発見するため、および(ii)iSNSサーバのIPアドレスを発見するために、IPスタック604を通して、DHCPサーバと通信する。これは、既知のDHCPプロトコルに従って実施され得る。
【0046】
ステップ606で、iSNSクライアントは、iSNSサーバに<DevAttrReg>コマンドを送信することによって、現在のデバイスをiSNSサーバに登録する。また、iSNSクライアントは、iSNSサーバに登録するために、1組の属性607を送信する。iSNSサーバは、登録が実施されたことを知らせるために、<DevAttrRegRsp>メッセージ608を返す。いったん確認応答が受信されると、iSNSクライアントは、Link Initコマンド609をHBAモジュールに送信する。link initコマンドは、HBAモジュールを「起こす」。または、換言すれば、これは、HBAモジュールに、ファイバーチャネルネットワークに接続されていることを知らせる。HBAモジュールは、ファイバーチャネルネットワークに実際には接続されていないが、この時点で、FCoE対応端末デバイスは、HBAモジュールに対するファブリックトポロジの仮想ファイバーチャネルネットワークをシミュレーションする準備が整っている。
【0047】
初期化された際、HBAモジュールは、FLOGIコマンド610を送信することによって、ファイバーチャネルF_Portコントローラにログインすることを試みる。サービスマッパーは、その初期FLOGIコマンドを<RqstDomId>コマンドに変換する。<RqstDomId>コマンドは、現在のデバイスのiSNS特有の識別表示(ドメインID)を要求する、iSNSコマンドである。この識別表示は、iSNSサーバに接続されるすべての他のデバイスに対して現在のデバイスを識別するために使用される、1つ以上のファイバーチャネルアドレスの一部として使用され得る。iSNSクライアントは、属性612と共に、<RqstDomId>コマンドをiSNSサーバに転送する。
【0048】
iSNSサーバがコマンド611を受信する際、これは、現在のデバイスにドメインIDを割り当て、<RqstDomIdRsp>メッセージ613を返信することによって応答する。メッセージ613は、現在のデバイスに割り当てられたドメインIDを含む(図に示されるように、ドメインIDは、タグ130として、メッセージに添付される)。
【0049】
この時点で、現在のデバイスは、iSNSサーバに登録され、ドメインIDが割り当てられる。したがって、現在のデバイスは、iSNSサーバに登録される他のデバイスに対して可視であり得る。しかしながら、ドメインIDは、iSNSフォーマットであり、有効なファイバーチャネル識別表示ではない。したがって、ドメインIDは、HBAモジュールに対するファイバーチャネルネットワークをシミュレーションするために、直接使用することができない。したがって、いったんこれがドメインIDを含む<RqstDomIdRsp>メッセージを受信すると、サービスマッパー601は、ドメインIDに基づく、ファイバーチャネル特有のIDを作成する(ステップ614)。ファイバーチャネル特有のIDは、N_Port_IDと称される。このIDは、HBAモジュールを識別するために使用される。
【0050】
次いで、サービスマッパーは、ファイバーチャネル特有のIDをiSNSサーバに登録するために、別の<DevAttrReg>コマンド(コマンド615)を発行する。これは、イーサネット(登録商標)ネットワーク内に、同様に本発明を利用する他のデバイスが存在し得るため、行われる。換言すれば、同様に内部HBAモジュールを含み、モジュールに対するファイバーチャネルネットワークをシミュレーションする、他のデバイスが存在し得る。これらの他のデバイスは、それらのHBAモジュールに対して、現在のデバイスを表すために、イーサネット(登録商標)特有のドメインIDを使用することができない。したがって、他のデバイスがそのIDにアクセスできるように、および必要な際に、それをそれらの内部HBAモジュールに提供することができるように、ファイバーチャネル特有のN_Port_IDがiSNSサーバに登録される。<DevAttrReg>コマンド615に、属性616が添付され得る。
【0051】
いったんこれがコマンド615を受信すると、iSNSサーバは、本デバイスのN_Port_IDを登録し、確認応答として、<DevAttrRegRsp>コマンド617を返し得る。いったんこれがコマンド617を受信すると、サービスマッパーは、HBAモジュールにFLOGI応答メッセージ618を送信する。メッセージ618は、N_Port_IDを含む。したがって、初期化が完了する。HBAモジュールは、ファイバーチャネルファブリックネットワークにログインしたと思い込み、識別表示として、N_Port_IDを受信する。実際には、ファイバーチャネルネットワークは存在せず、本デバイスは、イーサネット(登録商標)ネットワーク内のiSNSサーバ内に登録され、識別表示としてドメインIDが割り当てられている。
【0052】
したがって、図6のプロセスの後、FCoEAは、iSNSサーバのネームサービスに登録される。したがって、FCoEAは、識別表示が割り当てられ、ネットワーク上の他のデバイスによって発見およびアクセスすることができ、他のデバイスを発見することができる。しかしながら、初期化を完了するために、また、FCoEAは、通常、メッセージングまたは状態変化通知サービスにも登録しなければならない。状態変化通知サービスは、種々のデバイスが、ネットワーク上の1つ以上のデバイスの状態変化の知らせを受信できるようにする。したがって、デバイスは、サーバから継続的に更新を要求する必要なく、最新状態を保つことができる。状態変化には、ネットワークからのデバイスの切断、新しいデバイスの接続、あるいはデバイス内の資源の切断および/または接続(例えば、ストレージデバイス内の新しいハードドライブの接続)が含まれ得る。
【0053】
状態変化通知は、ファイバーチャネル内の登録状態変化通知(RSCN)サービス、およびiSNSプロトコル内の状態変化通知サービス(SCN)によって実装される。したがって、本発明のFCoEは、ファイバーチャネルプロトコルのRSCNサービスをエミュレートするために、SCNサービスを利用し得る。
【0054】
図7は、本発明の実施形態による、状態変化通知サービスへの登録を示す。初期、HBAモジュールは、状態変化登録(SCR)コマンドを送信することによって、ファイバーチャネルRSCNサービスに登録することを試みる。サービスマッパーは、そのコマンドを、iSNS特有の状態変化通知登録コマンド(すなわち、<SCNReg>コマンド701)に変換する。iSNSクライアントは、コマンドに属性704を追加する。<SCNReg>コマンドは、属性と共にiSNSサーバに送信される。iSNSサーバは、<SCNRegRsp>コマンド702で応答する。そのコマンドは、サービスマッパーによって、ファイバーチャネル特有のSCR応答コマンド703に変更される。SCR応答コマンドは、HBAモジュールに送信される。したがって、状態変化通知サービスへの登録が完了する。
【0055】
ファイバーチャネルプロトコルは、複数のエンティティに接続性を提供するために、単一のポート(例えば、単一のHBA)を使用することができ、一方、これらの複数のエンティティのうちのそれぞれが、ファイバーチャネルファブリックによって、異なるデバイスとして扱われる、構成を支援する。したがって、例えば、HBAを特徴とするデバイスは、複数のオペレーティングシステムインスタンスで走ってもよく、HBAは、各オペレーティングシステムが、単一のHBAを通して、そのデバイスが別個のデバイスであるかのようにファイバーチャネルネットワーク上で通信できるようにし得る。したがって、複数のオペレーティングシステムは、複数のそれぞれのN_Port_ID番号を特徴とし得る。この特徴は、N_Port ID仮想化またはNPIVと称される。
【0056】
本発明の実施形態は、イーサネット(登録商標)ネットワーク上で、NPIVをエミュレートする機能(N_Port ID仮想化)を提供する。このプロセスの一実施例は、図7に示される。HBAは、FDISCコマンド704を送信することによって、NPIV機能を呼び出す。FDISCコマンドは、図6のFLOGIコマンド610と類似するが、これは、新しいファブリックポートIDの登録を要求する。したがって、先出の実施例の文脈では、第1のOSは、第1のN_Port_IDを取得するために、FLOGIコマンドを使用し得、後のOSは、それらのそれぞれのN_Port_IDを取得するために、FDISCコマンドを使用し得る。
【0057】
いったんこれがFDISCコマンドを受信すると、ステップ705で、サービスマッパーは、コマンド613中にiSNSサーバによって提供されるドメインID(また、タグ130とも称される)に基づき、第2のN_Port_IDを構築する。第2のN_Port_IDは、図6のステップ614で構築された最初のN_Port_IDとは異なるべきである。
【0058】
いったん追加のN_Port_IDが構築されると、これは、サービスマッパーによって発行される<DevAttrReg>コマンド706によって、iSNSサーバに登録される。コマンド706は、新しいN_Port_IDとの新しいポートが登録されていることを示す、属性707を含む。しかしながら、新しいドメインIDは、iSNSサーバから要求されていない。代わりに、すべてのポートは、単一のiSNSドメインIDの下に登録される。iSNSサーバは、<DevAttrRegRsp>メッセージ708を返す。いったんそのメッセージがサービスマッパーによって受信されると、これは、HBAモジュールにFDISC応答メッセージを送信する。FDISC応答メッセージは、ステップ705で構築された第2のN_Port_IDを含むことができる。
【0059】
図8は、FCoEAがネットワーク上の他のデバイスを発見するプロセスを示す、略図である。また、図8は、追加のFCoE要素、FCoEデータ転送要素も示す。FCoEデータ転送要素は、FCoEモジュールの一部であり、ネットワーク上の他のデバイスへ、またはそれからデータを送信および受信するために使用される。換言すれば、データ転送要素は、種々のサーバ(iSNSおよびDHCPサーバ等)と通信するためには使用されないが、ネットワーク上の他のデバイスと直接通信するために使用される。
【0060】
ファイバーチャネルネットワークでは、ネームサーバと通信するために、ログインする必要がある。しかしながら、イーサネット(登録商標)ネットワークのiSNSサーバは、ログインを必要としない。したがって、ステージ801で、HBAモジュールは、ログインすることを試みる(PLOGIを送信することによって)。サービスマッパー601は、実際にログインを実施することなく(iSNSサーバでは必要ではないため)、PLOGI応答メッセージを送信することによって、ログインを認識する。
【0061】
HBAモジュールは、ネットワーク上のすべての他のデバイスを発見するために、GA_NXT問い合わせ802を送信し得る。ファイバーチャネルネットワークでは、GA_NXT問い合わせは、ネームサーバに、現在ネットワーク内に存在するすべてのデバイスに関する情報を順次提供させる。情報は、コマンドに含まれるN_Port_IDの次に大きなN_Port_IDから順に昇順で返される。iSNSサーバ内には、GA_NXT問い合わせコマンドに相当するものがない。したがって、サービスマッパーは、これを実行するために、いくつかのコマンドを実施しなければならない。
【0062】
第1に、サービスマッパーは、iSNSサーバから、すべての動作中のN_Port_IDのリストを要求する、問い合わせ803を送信する。ステップ804で、サービスマッパーは、次に大きなN_Port_IDを決定する。コマンド805を用いて、サービスマッパーは、iSNSサーバから、次のN_Port_IDの追加の情報を要求する。追加の情報は、N_Port_IDが問い合わせられているデバイスのイーサネット(登録商標)アドレスに加えて、通常、GA_NXT問い合わせに対する応答と共に提供される、すべてのフィールドを含み得る。このデータは、iSNSサーバ806から、応答と共に受信される。
【0063】
ステップ807で、問い合わせられたデバイスのN_Port_IDとイーサネット(登録商標)アドレスとの組み合わせは、FCoEデータ転送要素800によって格納される。HBAモジュールが、問い合わせられたデバイスと通信することを試みる際、HBAモジュールは、通信を、問い合わせられたデバイスのN_Port_IDにアドレス指定するため、これは必要である。しかしながら、N_Port_IDは、ファイバーチャネル特有のアドレスである。このアドレスは、イーサネット(登録商標)ネットワーク上で通信が送信されるようにするために、イーサネット(登録商標)特有のアドレスに変換される必要がある。したがって、FCoEデータ転送モジュールは、種々の問い合わせから受信される各N_Port_IDおよびそのそれぞれのイーサネット(登録商標)アドレスを、iSNSサーバに格納する。次いで、FCoEデータ転送モジュールは、HBAモジュールによって送信されるN_Port_ID通信の送り先を、それぞれのイーサネット(登録商標)アドレスに変換するために、この格納された情報を使用し得る。
【0064】
ステップ808で、サービスマッパーは、iSNSサーバから受信された情報を、ファイバーチャネルGA_NXT許容メッセージに関連付けられるフォーマットに変換する。次いで、サービスマッパーは、そのデータを、GA_NXT許容メッセージでHBAモジュールに送信する。ステップ810で、HBAモジュールは、ステップ802を繰り返し、サービスマッパーに、ステップ803〜809を繰り返させる。HBAモジュールは、すべてのN_Port_IDが発見されるまで、ステップ802を繰り返す。したがって、すべてのN_Port_IDをスキャンし、それらに関する情報をHBAモジュールに送信することができる。HBAモジュールは、イーサネット(登録商標)ネットワークの存在を認識していないため、ポートIDのイーサネット(登録商標)アドレスを受信しないことに留意されたい。これらのアドレスは、上述されるように、代わりに、FCoEデータ転送モジュール800によって受信され、使用される。ステップ811で、HBAモジュールは、ログアウトし、該ログアウトは、サービスマッパーによって局所的に処理される。
【0065】
図9は、GID_FF問い合わせ中のFCoEモジュールの動作を示す。GID_FF問い合わせは、特定の機能を有する、すべてのデバイスのN_Port_IDを要求する、問い合わせである。例えば、その問い合わせは、すべてのターゲットを取得するために使用することができる。このプロセスは、GA_NXT問い合わせに関して上述されるものと類似する。
【0066】
ステップ901で、HBAモジュールは、サービスマッパーによって局所的に扱われるログインを実施する。次いで、HBAモジュールは、GID_FF問い合わせを発行する(ステップ902)。サービスマッパーは、iSNSサーバに問い合わせを送信し、iSNSサーバに登録されるすべてのデバイスに関する情報を要求する(ステップ903)。次いで、サービスマッパーは、GID_FF問い合わせのパラメータに基づき、受信した入力をフィルタ処理する(ステップ904)。FCoEデータ転送要素は、フィルタ処理されたポートのポートIDおよびイーサネット(登録商標)アドレスマッピングを格納する(ステップ905)。サービスマッパーは、フィルタ処理されたポートに関連付けられるデータを、ファイバーチャネルフォーマットに再フォーマットし(ステップ906)、そのデータをHBAモジュールに送信する(ステップ907)。そのコマンドに対する応答を受信したことを受けて、HBAモジュールは、ログアウトし、該ログアウトは、サービスマッパーによって局所的に処理される(ステップ908)。
【0067】
図10は、状態変化通知メッセージの受信中のFCoEモジュールの挙動を示す、略図である。上述されるように、状態変化通知メッセージは、ネットワークからのデバイスのうちの1つの脱落、新しいデバイスの追加等のネットワークにおける変化をデバイスに通知するために、サーバ(ファイバーチャネルネームサーバまたはiSNSサーバ等)によって使用され得る。
【0068】
iSNSサーバは、状態変化通知(<SCN>)メッセージ1001を送信する。メッセージ1001は、例えば、特定のデバイスがネットワークから脱落したことを知らせ得る。必然的に、<SCN>メッセージは、iSNSフォーマットであり、したがって、脱落したデバイスのファイバーチャネルN_Port_IDは含まない。代わりに、これは、iSNS特有のアドレス(すなわち、ワールドワイドポート名、タグ64)のみを含む。したがって、ステップ1002で、サービスマッパーは、iSNSサーバから、影響を受けたデバイスのN_Port_IDを要求し、受信する。ステップ1003で、サービスマッパーは、<SCN>メッセージ1001から受信されたデータおよびステップ1002で受信されたN_Port_IDを利用して、RSCNメッセージ(すなわち、ファイバーチャネルフォーマットの状態変化通知メッセージ)を形成する。次いで、サービスマッパーは、したがってフォーマットされたRSCNメッセージ1004を、HBAモジュールに送信する。次いで、HBAモジュールは、RSCN応答を提供する。サービスモジュールは、その応答を、iSNSフォーマットの応答メッセージ(<SCNRsp>メッセージ1006)に再フォーマットする。次いで、<SCNRsp>メッセージは、iSNSサーバに返信される。
【0069】
上述されるように、データ転送は、FCoEデータ転送要素800によって実施され得る。データ転送要素は、ネットワーク内の他のデバイスの複数対のイーサネット(登録商標)アドレスおよびN_Port_IDを、iSNSサーバからこのデータが取得される時に常に、テーブルに格納し得る。例えば、図8のステップ807、および図9のステップ905を参照されたい。データ転送要素が、特定のファイバーチャネルN_Port_ID行きのファイバーチャネルパケットを受信する際、そのN_Port_IDに関連付けられるイーサネット(登録商標)アドレスを取得するために、上記のテーブルを参照することができる。次いで、データ転送モジュールは、ファイバーチャネルパケットを、1つ以上のイーサネット(登録商標)フレーム内に配置し、イーサネット(登録商標)フレームを、テーブルから取得されたイーサネット(登録商標)アドレスにアドレス指定し得る。
【0070】
理論的には、HBAモジュールが通信をアドレス指定する、すべてのN_Port_IDが、テーブルに格納されているべきである(それらのそれぞれのイーサネット(登録商標)アドレスと共に)。HBAモジュールがN_Port_IDを認識するために、FCoEモジュールを通して、iSNSサーバからN_Port_IDを取得しなければいけないため、これは、事実であるべきである。例えば、図8および図9に記載されるプロセスを参照されたい。HBAモジュールが、この方式でN_Port_IDを取得する際、FCoEデータ転送要素は、N_Port_IDおよびそのそれぞれのイーサネット(登録商標)アドレスを、そのテーブルに格納するべきである(例えば、図8のステップ807、および図9のステップ905を参照)。
【0071】
しかしながら、HBAモジュールが、FCoEデータ転送要素のテーブルにないN_Port_IDにアクセスすることを試みる可能性がある。HBAモジュールが、別の方式でN_Port_IDを認識する場合、または単に特定のN_Port_IDに「盲目的に」メッセージを送信することを決定する場合に起こり得る。本発明の実施形態は、図11に示される方法を提供することによって、この可能性に対処し得る。
【0072】
初期、HBAモジュールは、ログインコマンド(PLOGIコマンド1101)を送信することによって、別のデバイスにログインすることを試み得る。PLOGIコマンド1101は、仮想ファイバーチャネルネットワークのネームサーバではなく、別のデバイスにアドレス指定される。ステップ1102で、FCoEデータ転送要素は、PLOGIコマンドのファイバーチャネル送り先アドレス(すなわち、N_Port_ID)が、そのテーブル内にあるかどうかを決定する。記載されるように、図11のプロセスは、N_Port_IDが、FCoEデータ転送要素のテーブル内にない際に実行される。
【0073】
N_Port_IDアドレスが、そのテーブル内にないことを受けて、データ転送要素は、iSNSサーバに問い合わせ(<DevAttrQry>1103)を送信し、iSNSサーバに登録される、すべてのデバイスに関するデータを要求する。iSNSサーバは、その応答1104において、すべてのデバイスのデータを提供する。ステップ1105で、FCoEデータ転送要素は、PLOGIコマンド1101に提供されたものと同一のN_Port_IDを有するデバイスの記録を見つけるために、受信したデータを検索する。いったんそのデバイスを発見すると、これは、N_Port_ID番号、およびその関連するイーサネット(登録商標)アドレスを、そのテーブルに保存する。
【0074】
次いで、これは、PLOGIコマンド1101を、ステップ1105で取得されたイーサネット(登録商標)アドレスに送信する。コマンド1101の遠隔受信者は、応答1105を送信し得る。いったん受信されると、応答は、再フォーマットされ、HBAモジュールに転送される。したがって、現在のHBAモジュールが、遠隔HBAモジュールにログインされ、それとの通信を開始し得る。ここで、FCoEデータ転送モジュールは、遠隔HBAモジュールのイーサネット(登録商標)アドレスを有するため、これは、これらの通信を、容易に処理および経路指定することができる。
【0075】
上記の実施例は、単一のイーサネット(登録商標)ネットワークの背景において提供されてきたが、本発明の実施形態は、複数のネットワークの一部であるデバイスを接続するために使用され得る。当業者は、本発明の上述の実施形態を、複数の接続されたイーサネット(登録商標)ネットワークで使用できることを認識するであろう。さらに、本発明の実施形態は、異なる種類の複数のネットワークが接続されている、異機種ネットワーク環境で使用することができる。
【0076】
図12Aは、そのような一環境の一実施例を示す。より具体的には、図12Aは、イーサネット(登録商標)ネットワーク1202に接続される、FCoEAを含む、FCoE対応デバイス1200を示す。イーサネット(登録商標)ネットワークは、ファイバーチャネルゲートウェイ1203に接続される。ファイバーチャネルゲートウェイは、イーサネット(登録商標)およびファイバーチャネルネットワークを相互接続するために使用される、ゲートウェイである。ファイバーチャネルゲートウェイは、ファイバーチャネルネットワーク1204に接続され、これは、次いで、標準ファイバーチャネルHBA1211を利用する、別の端末デバイス1210に接続される。
【0077】
ファイバーチャネルゲートウェイは、上述されるものと類似する技術を使用して、2つのネットワークを接続し得る。したがって、ファイバーチャネルゲートウェイは、2つのネットワーク間を通る通信を、カプセル化およびカプセル化解除し得る。
【0078】
さらに、ファイバーチャネルゲートウェイは、FCoEA1201およびHBA1211が、互いのアドレスおよび他の情報を発見できるようにするために、2つのネットワーク間で、アドレス指定通信およびネームサーバ通信を転送し得る。ファイバーチャネルゲートウェイは、例えば、デバイス1210に関する情報を発見するために、ネットワーク1204のファブリックおよびネームサーバにログインし、デバイス1200に関する情報を発見するために、イーサネット(登録商標)ネットワーク1202のiSNSサーバにログインすることによって、これを達成し得る。次いで、ファイバーチャネルゲートウェイは、デバイス1210の情報をネットワーク1202のiSNSサーバに、ならびにデバイス1200の情報をネットワーク1204のファブリックおよびネームサーバに提供することができる。しかしながら、両方の場合において、ゲートウェイは、他のデバイスのアドレスの代わりに、それ自体のアドレスを提供し得る。したがって、2つのデバイスが、互いと通信する際、それらは、ゲートウェイに通信を送信することができ、ゲートウェイは、これらを他のネットワーク内のもう一方のデバイスに転送することができる。また、ゲートウェイは、一方または両方のネットワーク内に複数のデバイスが存在する場合にも動作することができる(その場合、複数のアドレスを使用する必要があり得る)。
【0079】
図12Bは、複数の異機種ネットワークの別の実施例を図示する。この場合、デバイス1200は、ファイバーチャネルゲートウェイ1203およびイーサネット(登録商標)ネットワーク1204に接続する、イーサネット(登録商標)ネットワーク1202に接続するために、FCoEA1201を使用し得る。次いで、イーサネット(登録商標)ネットワーク1204は、第2のイーサネット(登録商標)ネットワーク1206に接続し得る、第2のファイバーチャネルゲートウェイ1205に接続し得る。FCoEA1215を含む第2のデバイス1214は、第2のイーサネット(登録商標)ネットワークに接続され得る。したがって、間にファイバーチャネルネットワークを含む、2つのイーサネット(登録商標)ネットワークを通して、2つのデバイスを接続することができる。2つのデバイスのみが示されるが、各ネットワークに複数のデバイスが接続され得る。
【0080】
本発明は、上述される具体的な例示的実施形態に制限されないことが留意される。例えば、FCoEモジュールは、図6〜図11に記載される要素、またはこれらの図に記載される方法に制限されない。
【0081】
本発明は、付随の図面を参照し、その実施形態に関連して、完全に説明されてきたが、種々の変更および修正が当業者に明白となることが留意される。そのような変更および修正は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の範囲内に含まれることが理解される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【公開番号】特開2012−213240(P2012−213240A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−175957(P2012−175957)
【出願日】平成24年8月8日(2012.8.8)
【分割の表示】特願2010−539588(P2010−539588)の分割
【原出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(510172561)イミュレックス デザイン アンド マニュファクチャリング コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−175957(P2012−175957)
【出願日】平成24年8月8日(2012.8.8)
【分割の表示】特願2010−539588(P2010−539588)の分割
【原出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(510172561)イミュレックス デザイン アンド マニュファクチャリング コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】
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