説明

既設管渠の更生方法、及び既設管渠の更生装置

【課題】本管と取り付け管との接続部において本管に連通させるための連通孔を迅速に形成することができる既設管渠の更生装置を提供すること。
【解決手段】カメラ24を有する自走式のロボット車11には、スタンプ装置21、電磁波送受信機22、穿孔装置23が装着されている。ロボット車11を本管内に搬入し、電磁波送受信機22により本管側から電磁波が送受信され、得られた反射波信号に基づいて、更生材によって塞がれた取り付け管の接続部が探査される。スタンプ装置21により、探査した接続部の位置に目印が付与される。その目印に基づいて穿孔装置23の位置合わせが行われ、その状態で穿孔装置23を駆動することで更生材に対して連通孔が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設管渠の補修を行うための既設管渠の更生方法、及び既設管渠の更生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、道路などの地中に管渠(例えば、下水管渠や雨水管渠)が埋設されている。図1には、本管1と取り付け管2と汚水桝3とからなる下水管渠10の一例を示している。この下水管渠10において、家庭の敷地内に設けられる汚水桝3が取り付け管2を介して本管1に接続されており、家庭の雑排水が汚水桝3から取り付け管2を介して本管1に排出される。また、本管1には、所定の間隔をあけてマンホール4が接続されている。
【0003】
このような既設の管渠は、長期間の使用によって老朽化が進むことに加え、重量車両の交通や地震などによる振動が原因で破損や漏水が生じてしまうことがある。特に、下水管渠10は重要なライフラインとなっており、下水管渠10の本管1に破損や漏水が生じる場合、一般市民の生活に支障をきたすため、破損や漏水などが生じた下水管渠10を補修して更生させる工事が必要となる。
【0004】
この管渠の更生工法としては、地面を掘削して損傷した既設管渠を撤去した後、新しい管渠を敷設する開削方式の工法や、地面を掘削しないで既設管渠の内周面を補修する非開削方式の工法が知られている。開削方式の工法では、地面の掘削を行うために、道路の交通を遮断しなければならず、工事期間の長期化も問題となる。従って、幹線道路、生活道路、多種多様の管渠が交錯している場所などにおいて公共性が優先される場合、開削方式の工法で既設管渠を補修することは困難となる。これに対して、非開削方式の工法では、既設管渠を掘り起こす必要がなく、施工に必要なスペースも少なくて済む。そのため、道路交通への影響を最小限に抑えつつ、既設管渠の損傷箇所を迅速に補修することが可能である。
【0005】
非開削方式の更生工法としては、既設管の内周面の全周にわたって補修する工法が知られている。具体的には、未硬化の樹脂を含浸させた不織布(更生材)を畳んだ状態で既設管内に引き込むか、空気圧または水圧により更生材を反転させて既設管内の全周に配置させる。そして、空気圧または水圧により加圧することで、更生材を既設管の内周面に密着させる。その状態を保持しながら更生材の樹脂を温水、蒸気、紫外線などにより硬化させて、既設管を補修する。その結果、図15に示されるように、既設の本管1内に更生材6によって新しい管渠が構築される。
【0006】
また、他の更生方法としては、図16に示されるように、既設の本管1内に塩化ビニールの帯板を巻いて円形に製管して更生管81を構築する。そして、本管1と更生管81との間の隙間にモルタルなどの裏込め材82を充填して既設の本管1の補修を行う方法が知られている。
【0007】
ところで、上記のような更生方法で既設の本管1を補修した場合、その本管1と取り付け管2との接続部5が更生材6や更生管81によって塞がれるため、その接続部5に穿孔を形成して本管1と取り付け管2とを連通させる必要がある。このため、例えば、先端に穿孔刃を有するフレキシブルシャフトを取り付け管2側から挿入し、更生材6や更生管81を取り付け管2側から穿孔する穿孔装置が実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
しかしながら、汚水桝3と本管1との距離が離れ取り付け管2が長くなる場合や、取り付け管2が複雑に曲りくねっている場合などでは、特許文献1の穿孔装置を用いることができない。さらに、住宅が取り壊されて汚水桝3が除去された場合、いわゆる不明桝となる場合にも、特許文献1の穿孔装置を用いることができない。このような場合には、既設の本管1側から取り付け管2がある位置に穿孔を形成しなければならない。
【0009】
また、既設の本管1の大半は、作業者等が入れない小口径(例えば、直径が80cm以下)の管渠である。そのため、位置確認用のカメラや穿孔用のカッターを有するロボット車を本管内に搬入して穿孔を行う穿孔装置が実用化されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平7−1585号公報
【特許文献2】特開平10−231955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図15や図16に示されるように、既設の本管1を更生した場合、取り付け管2がある位置(取り付け管2の接続部5)は、ロボット車のカメラなどを用いて本管1側から確認することができない不可視部分となるため、その位置の特定が困難となる。そのため、従来では、マンホール4などからの距離を測ることで取り付け管2がある位置を予測して穿孔を行わなければならず、連通孔の位置ズレや削孔忘れなどの問題が生じてしまう。また、小さい孔を開け、取り付け管2がある位置を確認した後、孔の径を大きくして取り付け管2と本管1とを連通させる方法も検討されているが、この方法は、手間がかかり作業時間が長くなるといった問題が生じる。
【0011】
また、特許文献2には、取り付け管2(サービス管)側に磁石を挿入し、新設の本管1側の壁面に磁力で金属粉を吸着させて、取り付け管2の位置を特定する方法や、取り付け管2側に高周波発信機を配置し、その高周波発信機から発信される高周波を本管1側において高周波受信機により探知することで、取り付け管2の位置を特定する方法が開示されている。この特許文献2の方法では、取り付け管2(サービス管)側に、磁石や高周波発信機を配置する必要があるため、手間がかかり作業時間が長くなる。さらに、住宅が取り壊されて不明桝となる場合には、取り付け管2側から磁石や高周波発信機を配置することは困難となる。
【0012】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、本管と取り付け管との接続部において本管に連通させるための連通孔を迅速に形成することができる既設管渠の更生方法、及び既設管渠の更生方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、地中に埋設された本管とその本管に接続された取り付け管とを有する既設管渠を、非開削の状態で補修するための既設管渠の更生方法であって、前記本管を補修すべくその内周面の全周にわたって更生材を配設する補修工程と、前記本管側から電磁波または超音波を送受信して得られた反射波信号に基づいて、前記更生材によって塞がれた前記取り付け管の接続部を探査する接続部探査工程と、前記本管側から前記接続部の位置に目印を付与する目印付与工程と、付与された前記目印に基づいて位置合わせを行い、この状態で前記更生材に対して前記本管側から穿孔を行う穿孔工程とを含むことを特徴とする既設管渠の更生方法をその要旨とする。
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、補修工程において、本管の内周面の全周にわたって更生材が配設されることで本管が補修される。この場合、本管と取り付け管との接続部が更生材によって塞がれてしまう。そのため、接続部探査工程において、本管側から電磁波または超音波を送受信することで反射波信号が取得され、その反射波信号に基づいて、更生材によって塞がれた取り付け管の接続部が探査される。そして、目印付与工程では、その接続部の位置に本管側から目印が付与される。さらに、穿孔工程において、その目印に基づいて位置合わせが行われ、この状態で接続部を塞いでいる更生材に対して本管側から穿孔が行われ、本管と取り付け管とが連通される。このようにすれば、従来技術のように、取り付け管側から接続部の位置に磁石や電磁波送信機などを配置する必要がなく、その作業工程を省略できるため、接続部の位置に連通孔を迅速に形成することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、地中に埋設された本管とその本管に接続された取り付け管とを有する既設管渠を、非開削の状態で補修するための既設管渠の更生装置であって、カメラを有し、前記本管内を走行する自走式のロボット車と、前記ロボット車に装着され、電磁波または超音波を送受信する送受信機と、前記本管を補修すべくその内周面の全周にわたって更生材が配設された状態で、前記送受信機により本管側から電磁波または超音波を送受信して得られた反射波信号に基づいて、前記更生材によって塞がれた前記取り付け管の接続部を探査する接続部探査手段と、前記ロボット車に装着され、前記接続部探査手段が探査した接続部の位置に目印を付与する目印付与手段と、前記ロボット車に装着され、付与された前記目印に基づいて位置合わせされた状態で前記更生材に対して穿孔を行う穿孔手段とを備えたことを特徴とする既設管渠の更生装置をその要旨とする。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、本管の内周面の全周にわたって更生材が配設されることで本管が補修される。この状態でその本管内をロボット車が走行され、そのロボット車に装着された送受信機によって本管側から電磁波または超音波を送受信することで反射波信号が取得される。そして、接続部探査手段により、その反射波信号に基づいて、更生材によって塞がれた取り付け管の接続部が探査され、目印付与手段により、その接続部の位置に本管側から目印が付与される。さらに、ロボット車のカメラで目印の位置が確認され、その目印に基づいて穿孔手段の位置合わせが行われる。その後、その位置合わせされた穿孔手段により、接続部を塞いでいる更生材に対して本管側から穿孔が行われる。このようにすれば、従来技術のように、取り付け管側から接続部の位置に磁石や電磁波送信機などを配置する必要がなく、その作業工程を省略できるため、接続部の位置に連通孔を迅速に形成することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記ロボット車において、前記送受信機の同軸上となる位置に前記目印付与手段を設けたことをその要旨とする。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、送受信機の同軸上となる位置に目印付与手段が設けられているので、送受信機により電磁波または超音波が送受信されて接続部の位置が探査された後、目印付与手段よってその位置に目印を迅速に付与することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3において、前記ロボット車において、前記カメラよりも車両前方側の位置に前記送受信機及び前記目印付与手段を配置し、前記カメラよりも車両後方側の位置に前記穿孔手段を配置したことをその要旨とする。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、ロボット車において、カメラよりも車両前方側の位置に送受信機及び目印付与手段が配置され、カメラよりも車両後方側の位置に穿孔手段が配置されている。この場合、本管内においてロボット車を走行させ、車両前方側の位置にある送受信機により電磁波または超音波が送受信されて接続部の位置が探査される。また、車両前方側の位置にある目印付与手段によりその接続部の位置に目印が付与される。その後、その目印に基づいて、ロボット車を前方に移動させ、車両後方側の位置にある穿孔手段の位置合わせが行われる。そして、その穿孔手段により、更生材に対して本管側から穿孔が行われる。このように構成すれば、本管内においてロボット車の移動を最小限に抑えつつ、取り付け管との接続部の位置に連通孔を迅速に形成することができる。また、送受信機及び目印付与手段と穿孔手段との間となる位置にカメラが設けられているので、目印付与手段による目印の位置や穿孔手段による穿孔の位置を同じカメラで容易に確認することができる。この場合、それら目印の位置や穿孔の位置を確認するために専用のカメラを別々に設ける場合と比較して装置コストを抑えることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4のいずれか1項において、前記目印付与手段の角度調整と、前記穿孔手段の角度調整とを同時に行う角度調整機構を備えたことをその要旨とする。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、角度調整機構により、目印付与手段の角度調整が行われ、取り付け管の接続部の位置に目印が的確に付与される。また、角度調整機構により、その目印付与手段の角度調整と同時に穿孔手段の角度調整が行われるので、目印付与手段による目印の付与後において、その目印の位置に応じた穿孔手段の位置合わせを迅速に行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
以上詳述したように、請求項1〜5に記載の発明によると、本管と取り付け管との接続部において本管に連通させるための連通孔を迅速に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
[第1の実施の形態]
【0025】
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0026】
本実施の形態では、図1に示すように、既設本管1と取り付け管2と汚水桝3とからなる下水管渠(既設管渠)10の内周面を地面を掘削しないで補修する非開削方式の更生方法を採用している。本実施の形態の更生方法において、本管1内の全周に更生材6が貼り付けられることで損傷箇所が補修される。この補修により、本管1と取り付け管2との接続部5は更生材6で塞がれてしまう。そのため、本実施の形態では、図2〜図4に示すような自走式のロボット車11を用いて、本管1と取り付け管2との接続部5の位置を特定し、本管1側からその位置を穿孔して連通孔を形成することで、本管1と取り付け管2とを連通させるようにしている。なお、図2は、ロボット車11の側面図であり、図3は、ロボット車11の上面図である。また、図4は、図2のロボット車11におけるA−A線での断面図である。
【0027】
図2〜図4に示されるように、自走式のロボット車11は、車輪12やその車輪12を駆動するための駆動モータ13を有する車体14と、その車体14上に設けられた可動部15とを備える。本実施の形態において、各車輪12の外周には、駆動ベルト16(例えばキャタピラー)が装着されている。この駆動ベルト16によって、ロボット車11の走行性が増し、ロボット車11が本管1内を確実に移動できるようになっている。
【0028】
可動部15は、半円形筒状(円筒を半割にした形状)をなし、円弧面側を下に向けた状態で、その軸心を中心として回転可能に固定されている。この可動部15は、ピニオンラックの機構(角度調整機構)を用いて回転される。具体的には、車体14において、所定の間隔をあけた2箇所に、内側にギアが形成された円形状のラックギア17が設けられている。このラックギア17に噛み合うようにピニオンギア18が配置され、そのピニオンギア18は、可動部15側に固定された駆動モータ19によって回転される。そして、駆動モータ19によりピニオンギア18が回転されると、ラックギア17に沿ってピニオンギア18が移動することで、駆動モータ19とともに可動部15が回転する。
【0029】
可動部15の平坦面側(上面側)には、接続部5の位置に捺印を行って目印を付与するためのスタンプ装置21、電磁波を送受信するための電磁波送受信機22、穿孔を行うための穿孔装置23、カメラ24、及び照明ライト25が設けられている。
【0030】
スタンプ装置21及び電磁波送受信機22は、カメラ24よりも車両前方側の位置に配置されており、電磁波送受信機22の中心部にスタンプ装置21が設けられている。つまり、スタンプ装置21は、電磁波送受信機22と同軸上となる位置に設けられている。
【0031】
スタンプ装置21は、目印(例えば、円形のマーク)を捺印するためのスタンプ27と、そのスタンプ27を押し上げるためのエアシリンダ28とを備える。電磁波送受信機22の下部には、可動部15に対してその送受信機22を上下方向に昇降させるための昇降装置30が設けられている。本実施の形態の昇降装置30は、例えば、4本のエアシリンダ31を含んで構成されている。そして、それらエアシリンダ31に作動エアが供給されることによって、各シリンダ31のロッドが伸縮され、スタンプ装置21及び電磁波送受信機22が昇降される。また、スタンプ装置21及び電磁波送受信機22が上昇された状態で、スタンプ装置21のエアシリンダ28に作動エアが供給されることによって、本管1内側の更生材6にスタンプ27が押し付けられ、取り付け管2の接続部5に対応する位置に目印が付与される。
【0032】
穿孔装置23は、可動部15においてカメラ24よりも車両後方側の位置に設けられており、円筒状の回転カッター33(円筒刃)と、回転カッター33を回転させる駆動モータ34とを備える。また、この穿孔装置23の下方には昇降装置35が設けられている。この昇降装置35も、4本のエアシリンダ36を含んで構成されており、駆動モータ34とともに回転カッター33を上下方向に昇降させる。
【0033】
カメラ24及び照明ライト25は、スタンプ装置21及び電磁波送受信機22と穿孔装置23との間となる中央部に設けられている。カメラ24は、例えば広範囲の撮影が可能な魚眼レンズカメラが用いられ、本管1内において車両前方側に加えて車両後方側の画像を同時に撮影する。照明ライト25は、スタンプ27による目印の位置や回転カッター33による穿孔の位置を照らす。そして、そのカメラ24の撮影画像に基づいて、スタンプ27によって捺印された目印が確認され、その目印の位置に基づいて、回転カッター33の位置合わせが行われる。
【0034】
図5に示されるように、ロボット車11は、移動車両41に搭載された制御装置42(接続部探査手段)にケーブル43を介して電気的に接続されており、この制御装置42によって遠隔操作される。制御装置42は、周知のCPU、ROM、RAM等を中心に構成されたコンピュータであって、ロボット車11のカメラ24で撮影した画像や、電磁波送受信機22で取得した反射波信号に基づく画像などを表示する表示モニター44を備える。制御装置42は、作業者の指示に基づいて所定の制御プログラムを実行し、ロボット車11における各駆動モータ13,19,34、電磁波送受信機22、カメラ24及び照明ライト25に制御信号や電源を供給する。これにより、ロボット車11の走行、電磁波の送受信、可動部15の駆動、穿孔装置23の駆動などが制御される。
【0035】
また、ロボット車11において、スタンプ装置21を構成するエアシリンダ28や昇降装置30,35を構成する各エアシリンダ31,36は、エアホース45を介してエア供給源46と接続されている。このエア供給源46は、エアポンプを含んで構成され、制御装置42とともに移動車両41に搭載されている。
【0036】
なお、本実施の形態では、上述したロボット車11、制御装置42、及びエア供給源46によって下水管渠10(既設管渠)の更生装置が構成されている。
【0037】
次に、本実施の形態における下水管渠10の更生方法について詳述する。
【0038】
先ず、洗浄工程において、下水管渠10の本管1に繋がるマンホール4の蓋を開け、そのマンホール4から本管1内に高圧洗浄機のノズルを挿入する。そして、そのノズルから高圧の洗浄水を放水することにより本管1内を洗浄する。
【0039】
次に、調査工程において、本管1内にカメラを有する自走式のロボット車を搬入して、本管1内の破損箇所を調査する。なお、ロボット車としては、図2のロボット車11を用いてもよいし、調査専用のロボット車を用いてもよい。
【0040】
そして、本管1内において損傷箇所が発見された場合、本管1を補修するための補修工程を行う。具体的には、未硬化の樹脂を含浸させた不織布(更生材)6を畳んだ状態で本管1内の所定の位置に引き込む(図6参照)。または、不織布(更生材)6を空気圧または水圧P1で加圧反転しながら本管1内に挿入して所定の位置に配置させる(図7参照)。次に、空気圧または水圧P1によって更生材6を膨らませ本管1の内周面に密着させる。この状態で温水、蒸気、紫外線などを更生材6に当てることにより更生材6の樹脂を硬化させ本管1を更生する。
【0041】
なお、本管1の更生工法としては、上記の工法以外に、例えば製管工法を用いてもよい。すなわち、塩化ビニールの帯板を円形状に製管して所定の長さの更生管を構築し、その更生管と既設本管1との隙間にセメント系の裏込め材を充填することで既設本管1を更生する。
【0042】
上述したいずれの工法であっても、本管1の内周面は、その全周にわたって更生材6が貼り付けられた状態となり、結果として、本管1と取り付け管2との接続部5は更生材6で塞がれる。
【0043】
接続部探査工程では、図8に示されるように、マンホール4から本管1内にロボット車11を搬入し、制御装置42によりロボット車11を操作することで、そのロボット車11を取り付け管2との接続部5の近傍まで移動させる。そして、ロボット車11の可動部15及び昇降装置30を駆動して、電磁波送受信機22を本管1の内周面に接近させるとともにその内周面に沿って移動させる。このとき、電磁波送受信機22により電磁波が送受信されて反射波信号が取得され、その反射波信号が制御装置42に転送される。ここで、取り付け管2の接続部5に対応する位置では、取り付け管2内が空洞であるため、反射波信号の信号強度は弱くなる。一方、接続部5以外の箇所では本管1の内壁や土砂等が存在するため、反射波信号の信号強度は強くなる。従って、制御装置は、得られた反射波信号に基づいて、画像解析処理を行うことにより、その信号強度に応じた画像を表示モニター44に表示する。この表示モニター44の画像を確認することにより、取り付け管2の接続部5の位置が探索される。
【0044】
目印付与工程では、表示モニター44の画像を確認しながら、探査した接続部5の方向にスタンプ装置21が向くよう可動部15を回転駆動する。さらに、図9に示されるように、スタンプ装置21のエアシリンダ28を作動させることにより、更生材6で塞がれている接続部5の位置にスタンプ27を押し付けて捺印することで目印を付与する。なおここでは、画像で確認された接続部5の中心(取り付け管2の軸心)にスタンプ27の位置を合わせた状態で目印を付与する。
【0045】
その後、穿孔工程では、その目印に基づいて穿孔装置23の位置合わせを行う。ここでは、更生材6に付与されている目印をカメラ24で撮影し、その目印の位置に応じてロボット車11を前進させて、穿孔装置23の位置を調整する。なお、可動部15の角度は、前記目印付与工程にて調整した角度が保持されている。
【0046】
本実施の形態において、スタンプ装置21は、可動部15の平坦面に対して垂直方向に昇降され、穿孔装置23も同様に、可動部15の平坦面に対して垂直方向に昇降される。従って、目印付与工程において、スタンプ装置21の昇降方向が接続部5の方向に向くよう可動部15の角度を調整することにより、穿孔装置23の角度調整も同時に行われることとなる。そのため、穿孔工程において、可動部15の角度を再調整する必要はない。ただし、可動部15の角度変更によって車両バランスが崩れ、ロボット車11の走行が困難となる場合には、目印の付与後、可動部15の角度を戻してロボット車11を走行させ、穿孔装置23の昇降方向が接続部5の方向に向くよう可動部15の角度を再調整するようにしてもよい。
【0047】
このように穿孔装置23の位置あわせを行った後、駆動モータ34を駆動して回転カッター33を回転させる。その後、図10に示すように、昇降装置35を駆動することで回転カッター33を更生材6に接触させ、その更生材6に対して穿孔を行い、連通孔を形成する。この穿孔によって、本管1と取り付け管2との接続部5が連通する。その後、ロボット車11を本管1内から搬出することにより、下水管渠10を更生するための作業が完了する。
【0048】
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0049】
(1)本実施の形態では、ロボット車11に装着された電磁波送受信機22によって本管1側から電磁波を送受信することで反射波信号が取得され、その反射波信号に基づいて、更生材6によって塞がれた取り付け管2の接続部5を探査することができる。そして、スタンプ装置21によって、その接続部5の位置に本管1側から目印が付与される。さらに、カメラ24で目印の位置が確認され、その目印に基づいて穿孔装置23の位置合わせが行われる。その後、その位置合わせをした状態で穿孔装置23の回転カッター33を回転させることにより、接続部5を塞いでいる更生材6に対して本管1側から穿孔が行われる。このようにすれば、従来技術のように、取り付け管2側から接続部5の位置に磁石や電磁波送信機などを配置する必要がなく、その作業工程を省略できる。また、1台のロボット車11により、接続部探査工程、目印付与工程、及び穿孔工程を行うことができるため、接続部5の位置に連通孔を迅速に形成することができる。
【0050】
(2)本実施の形態のロボット車11では、電磁波送受信機22の同軸上となる位置にスタンプ装置21が設けられている。この場合、電磁波送受信機22により電磁波が送受信されて接続部5の位置を探査した後、スタンプ装置21によってその接続部5の位置に目印を迅速に付与することができる。
【0051】
(3)本実施の形態のロボット車11では、車両前方側の位置にスタンプ装置21及び電磁波送受信機22が配置され、車両後方側の位置に穿孔装置23が配置されている。この場合、車両前方側のスタンプ装置21による目印の付与後において、ロボット車11を前方に移動させることで、車両後方側の穿孔装置23によって穿孔を行うことができる。従って、本管1内においてロボット車11の移動を最小限に抑えつつ、取り付け管2との接続部5の位置に連通孔を迅速に形成することができる。
【0052】
(4)本実施の形態の場合、ロボット車11に搭載されるカメラ24は、広範囲の撮影が可能な魚眼レンズカメラであり、車両中央部となる位置に配置されている。このカメラ24を用いれば、スタンプ装置21による目印の位置や穿孔装置23による穿孔の位置を容易に確認することができる。この場合、それら目印の位置や穿孔の位置を確認するために専用のカメラを別々に設ける場合と比較して装置コストを抑えることができる。
【0053】
(5)本実施の形態のロボット車11では、車体14に対するスタンプ装置21の角度調整と穿孔装置23の角度調整とが可動部15によって同時に行われる。このようにすれば、スタンプ装置21による目印の付与後において、その目印に応じた穿孔装置23の位置合わせを迅速に行うことができる。
[第2の実施の形態]
【0054】
次に、本発明を具体化した第2の実施の形態を図11〜図13を用いて説明する。本実施の形態では、ロボット車51の構成が第1の実施の形態と異なる。本実施の形態のロボット車51は、中口径(φ600mm以上〜800mm未満)の本管1を更生する場合に用いられる。
【0055】
図11〜図13に示されるように、ロボット車51は、車輪52やその車輪52を駆動するための駆動モータ53を有する車体54と、車体54の上部に設けられ、スタンプ装置21及び電磁波送受信機22の角度を調整する探査用可動部55と、車体54の後端部に設けられ、穿孔装置23の角度を調整する穿孔用可動部56とを備える。本実施の形態においても、各車輪52の外周には、駆動ベルト57(例えばキャタピラー)が装着されている。
【0056】
探査用可動部55は、第1の実施の形態の可動部と同様に、半円形筒状をなし、円弧面側を下に向けた状態で、その軸心を中心として回転可能に固定されている。この探査用可動部55も、ピニオンラックの機構を用いて回転される。具体的には、車体54において、先端側及び後端側の2箇所に、内側にギアが形成された円形状のラックギア17が設けられている。このラックギア17に噛み合うようにピニオンギア18が配置され、そのピニオンギア18は、可動部55側に固定された駆動モータ19によって回転される。そして、駆動モータ19によりピニオンギア18が回転されると、ラックギア17に沿ってピニオンギア18が移動することで、駆動モータ19とともに探査用可動部55が回転する。
【0057】
探査用可動部55における前方側には、スタンプ装置21及び電磁波送受信機22が配置されている。このスタンプ装置21及び電磁波送受信機22は第1の実施の形態と同じ構成であり、電磁波送受信機22の中心部にスタンプ装置21が設けられている。本実施の形態において、スタンプ装置21及び電磁波送受信機22の下方には、リンク機構59が設けられている。このリンク機構59は、駆動モータ60の駆動によって図11の上下方向に伸縮し、スタンプ装置21及び電磁波送受信機22を昇降させる。
【0058】
また、探査用可動部55の後方側であってロボット車51における略中央部となる位置に、カメラ61及び照明ライト62が設けられている。カメラ61は、例えば、魚眼レンズカメラが用いられ、本管1内において車両前方側に加えて車両後方側の画像を同時に撮影する。また、照明ライト62は、スタンプ装置21によって付与された目印の位置を照らす。
【0059】
ロボット車51において、車体54と穿孔用可動部56とは連結部材64を介して連結されている。穿孔用可動部56は、その先端に穿孔装置23を支持する円柱状の支持アーム65と、その支持アーム65が回動可能に固定される固定部材66と、複数の駆動モータ67,68,69と、回転カッター33による穿孔の位置を照らす照明ライト70などを備える。
【0060】
詳述すると、固定部材66の先端側(図11では左側)の下方には車輪71が設けられている。固定部材66の基端側(図11では右側)には、駆動モータ67が回転軸67aを上に向けた状態で固定されており、その駆動モータ67の回転軸67aにはウォーム72が形成されている。また、支持アーム65の基端部にはウォームホイール73が固定されており、そのウォームホイール73は、駆動モータ67の回転軸67aのウォーム72に嵌合されている。この駆動モータ67の回転によってウォームホイール73が回転することにより、支持アーム65がその基端部を支点として上下方向に回動する。
【0061】
この支持アーム65の基端側上部に、回転カッター33による穿孔の位置を照らすための照明ライト70が設けられている。また、支持アーム65の途中には駆動モータ68が設けられ、その駆動モータ68によって支持アーム65の先端部がその軸心を中心に回動可能に設けられている。さらに、支持アーム65の先端部には、駆動モータ69が設けられており、その駆動モータ69の回転軸69aにもウォーム75が形成されている。そして、この回転軸69aのウォーム75は、穿孔装置23の下部に設けられたウォームホイール76に嵌合されている。この駆動モータ69の回転によってウォームホイール76が回転することにより、そのウォームホイール76を中心とした周方向に穿孔装置23が回動するようになっている。なお、穿孔装置23は、上記第1の実施の形態と同様に、円筒状の回転カッター33と、回転カッター33を回転させる駆動モータ34とにより構成されている。
【0062】
このように構成したロボット車51を用いれば、第1の実施の形態と同様に、接続部探査工程、目印付与工程、及び穿孔工程を行うことができるため、接続部5を塞いでいる更生材6に対して本管1側から穿孔して連通孔を迅速に形成することができる。
【0063】
また、ロボット車51では、探査用可動部55においてスタンプ装置21及び電磁波送受信機22を昇降させるリンク機構59を備えるので、本管1の径が比較的大きい場合でも、本管1の内周面(接続部5を塞いでいる更生材6)にスタンプ装置21及び電磁波送受信機22を接近させることができる。これによって、接続部5の位置を確実に探査することができ、その探査した位置に正確に目印を付与できる。
【0064】
さらに、ロボット車51では、穿孔用可動部56に複数の駆動モータ67〜69が設けられ、各モータ67〜69を駆動して支持アーム65を回動させることで、穿孔装置23の複雑な角度調整が行えるように構成されている。この場合、接続部5を塞いでいる更生材6に対して略直角に回転カッター33を当接させることができ、連通孔をより正確に形成することができる。
【0065】
なお、本発明の各実施の形態は以下のように変更してもよい。
【0066】
・上記第1の実施の形態において、図14に示すような排出機構77を有する穿孔装置23を用いてもよい。穿孔装置23の回転カッター33により更生材6に対して穿孔を行う場合、図14(a)に示すように、回転カッター33の筒内に穿孔破片6aが残ることがある。穿孔破片6aが回転カッター33の筒内に残ると、次の穿孔工程時において、その穿孔破片6aが邪魔となり、連通孔を形成することが困難となる。この場合、排出機構77によって筒内の穿孔破片6aを排出することにより、穿孔工程の度に、ロボット車11を本管1内から搬出しなくても穿孔破片6aを取り除くことが可能となる。
【0067】
図14の排出機構77は、押出し用のロッド78を備え、駆動モータ34の回転軸の軸心となる位置(同軸上)に形成された挿入穴79にそのロッド78が配置されている。このロッド78の上端には、皿状の頭部78aが形成されており、回転カッター33の筒内に残された穿孔破片6aにその頭部78aが当接してその穿孔破片6aを押出すように構成されている。具体的には、穿孔工程において、昇降装置35により、駆動モータ34とともに回転カッター33を上昇させるのと同時に、ロッド78が上方に伸びる。そして、穿孔工程の終了後、破片排出工程において、駆動モータ34とともに回転カッター33を下降させる際には、ロッド78が所定の位置で伸びたまま残り、その結果、回転カッター33の筒内にある穿孔破片6aがロッド78の頭部78aにより押出される形で本管1内へ排出される(図14(b)参照)。このようにすれば、穿孔工程を行う度にロボット車11を本管1内から搬出する必要がなく、複数個所の接続部5に対して、連続的に穿孔を行うことができる。また、本管1内に排出された穿孔破片6aは、施工の最終工程として行われる管内掃除の際に取り出される。
【0068】
・上記各実施の形態では、電磁波を送受信する電磁波送受信機22を用いて接続部5を探査するよう構成したが、超音波を送受信する超音波送受信機を用いて接続部5を探査するよう構成してもよい。
【0069】
・上記各実施の形態では、目印付与手段としてスタンプ装置21を用い、スタンプ27による捺印によって目印を付与するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、目印付与手段として塗料噴射機を用い、塗料を噴射することで接続部5の中心位置に塗料を付着させるようにしてもよい。
【0070】
・上記各実施の形態では、広範囲の撮影が可能な魚眼レンズカメラ24を用いて、スタンプ27による目印の位置や回転カッター33による穿孔の位置を撮影するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、一般的に用いられるCCDカメラなどを用いて、目印の位置や穿孔の位置を撮影してもよい。CCDカメラは、魚眼レンズカメラ24と比較して視野が狭い。そのため、目印の位置や穿孔の位置を複数のCCDカメラを用いて撮影してもよいし、可動式の1つのCCDカメラを用いて撮影してもよい。
【0071】
・上記各実施の形態では、昇降装置35やリンク機構59を用いてスタンプ装置21及び電磁波送受信機22を同時に昇降するよう構成していたが、スタンプ装置21と電磁波送受信機22とについて個別に昇降装置を設け、それぞれ独立して昇降可能に構成してもよい。またこの場合、スタンプ装置21と電磁波送受信機22とを同軸上に設ける必要はなく、別々に設けてもよい。
【0072】
・上記各実施の形態では、既設管渠として下水管渠10を補修するものであったが、それ以外に埋設管渠を補修してもよい。また、既設管渠を構成する材質としては、コンクリート製以外に、陶器製や樹脂製であってもよい。さらに、既設管渠としては、円形以外に、矩形、馬蹄形、卵形などであってもよい。
【0073】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した各実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0074】
(1)請求項1において、前記目印を付与するための前記目印付与手段と穿孔を行うための穿孔手段とがロボット車に装着され、そのロボット車に対する目印付与手段の角度と穿孔手段の角度とを同時に調整する角度調整工程を含むことを特徴とする既設管渠の更生方法。
【0075】
(2)請求項1において、前記目印付与工程では、前記本管側から前記接続部の中心位置に塗料を付着させることで目印を付与することを特徴とする既設管渠の更生方法。
【0076】
(3)請求項1において、前記本管は、作業者が入ることが不可能な小口径の管であることを特徴とする既設管渠の更生方法。
【0077】
(4)請求項1において、穿孔装置を用いて前記穿孔工程を行った後、前記穿孔装置内に残った穿孔破片を排出する破片排出工程を含むことを特徴とする既設管渠の更生方法。
【0078】
(5)請求項2乃至5のいずれか1項において、前記カメラは、魚眼レンズカメラであることを特徴とする既設管渠の更生装置。
【0079】
(6)請求項2乃至5のいずれか1項において、前記送受信機及び前記目印付与手段を昇降させるためのリンク機構を備えることを特徴とする既設管渠の更生装置。
【0080】
(7)請求項2乃至5のいずれか1項において、前記送受信機及び前記目印付与手段は独立して昇降可能であることを特徴とする既設管渠の更生装置。
【0081】
(8)請求項2乃至5のいずれか1項において、前記穿孔手段は、前記更生材に対して穿孔を行う際に生じた穿孔破片を排出する排出機構を備えることを特徴とする既設管渠の更生装置。
【0082】
(9)技術的思想(8)において、前記穿孔手段は、回転カッターと、前記回転カッターを回転させる駆動モータとを備え、前記排出機構は、前記駆動モータの回転軸の同軸上に設けられていることを特徴とする既設管渠の更生装置。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】第1の実施の形態の既設管渠を示す断面図。
【図2】第1の実施の形態のロボット車を示す側面図。
【図3】第1の実施の形態のロボット車を示す上面図。
【図4】図2のロボット車におけるA−A線での断面図。
【図5】既設管渠の更生装置を示す断面図。
【図6】本管1の補修工程を説明するための断面図。
【図7】本管1の補修工程を説明するための断面図。
【図8】接続部探査工程を説明するための断面図。
【図9】目印付与工程を説明するための断面図。
【図10】穿孔工程を説明するための断面図。
【図11】第2の実施の形態のロボット車を示す側面図。
【図12】第2の実施の形態のロボット車を示す上面図。
【図13】図11のロボット車におけるA−A線での断面図。
【図14】(a),(b)は、別の実施の形態の穿孔装置を示す側面図。
【図15】更生後の管渠を示す断面図。
【図16】更生後の管渠を示す断面図。
【符号の説明】
【0084】
1…本管
2…取り付け管
5…接続部
6…更生材
10…既設管渠としての下水管渠
11,51…ロボット車
17…角度調整機構を構成するラックギア
18…角度調整機構を構成するピニオンギア
21…目印付与手段としてのスタンプ装置
22…電磁波送受信機
23…穿孔手段としての穿孔装置
24,61…カメラ
42…接続部探査手段としての制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設された本管とその本管に接続された取り付け管とを有する既設管渠を、非開削の状態で補修するための既設管渠の更生方法であって、
前記本管を補修すべくその内周面の全周にわたって更生材を配設する補修工程と、
前記本管側から電磁波または超音波を送受信して得られた反射波信号に基づいて、前記更生材によって塞がれた前記取り付け管の接続部を探査する接続部探査工程と、
前記本管側から前記接続部の位置に目印を付与する目印付与工程と、
付与された前記目印に基づいて位置合わせを行い、この状態で前記更生材に対して前記本管側から穿孔を行う穿孔工程と
を含むことを特徴とする既設管渠の更生方法。
【請求項2】
地中に埋設された本管とその本管に接続された取り付け管とを有する既設管渠を、非開削の状態で補修するための既設管渠の更生装置であって、
カメラを有し、前記本管内を走行する自走式のロボット車と、
前記ロボット車に装着され、電磁波または超音波を送受信する送受信機と、
前記本管を補修すべくその内周面の全周にわたって更生材が配設された状態で、前記送受信機により本管側から電磁波または超音波を送受信して得られた反射波信号に基づいて、前記更生材によって塞がれた前記取り付け管の接続部を探査する接続部探査手段と、
前記ロボット車に装着され、前記接続部探査手段が探査した接続部の位置に目印を付与する目印付与手段と、
前記ロボット車に装着され、付与された前記目印に基づいて位置合わせされた状態で前記更生材に対して穿孔を行う穿孔手段と
を備えたことを特徴とする既設管渠の更生装置。
【請求項3】
前記ロボット車において、前記送受信機の同軸上となる位置に前記目印付与手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載の既設管渠の更生装置。
【請求項4】
前記ロボット車において、前記カメラよりも車両前方側の位置に前記送受信機及び前記目印付与手段を配置し、前記カメラよりも車両後方側の位置に前記穿孔手段を配置したことを特徴とする請求項2または3に記載の既設管渠の更生装置。
【請求項5】
前記目印付与手段の角度調整と、前記穿孔手段の角度調整とを同時に行う角度調整機構を備えたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の既設管渠の更生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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