説明

昆虫及び節足動物のための殺虫性組成物

本発明は、昆虫又は節足動物の殺虫性組成物を提供する。当該組成物は、脂肪酸の混合物を有する活性成分を含み、当該脂肪酸のそれぞれは、6〜12の炭素原子長の炭素直鎖を有する。当該脂肪酸混合物は、6〜8の炭素原子長の炭素直鎖及びカルボン酸基を有する第一の脂肪酸分子を含む。当該脂肪酸混合物はまた、8〜12の炭素原子長の炭素直鎖及びカルボン酸基を有する第二の脂肪酸分子を含む。当該組成物はまた、それらの不能又は死をもたらすための、昆虫又は節足動物の表面にわたって付着、又は吸収、又は輸送を促進する担体を含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年4月17日に出願された米国仮出願番号61/170,259に対する優先権を主張し、それは、全ての目的のために本明細書の全体に組み込まれる。
【0002】
背景
蚊が媒介する疾患は、マラリア、黄熱、及びデング熱を含む。マラリアは、100以上の国で発生し、世界の人口の約40%が危険にさらされている。CDCによれば、毎年1億人以上の死亡が、マラリアによって引き起こされ、多くはアフリカ地域南部のサハラの小さな子供達である。ダニは、脳炎、ライム病、及び発疹チフスを伝染させる。フィラリア症はブユによって、リーシュマニア症はサシチョウバエによって、睡眠病はツェツェバエによって、シャーガス病はサシガメによって伝染する。シラミは、発疹チフスを蔓延させ、ノミは、ペストのよく知られている媒介生物である。一般的なイエバエ(Musca domestica)は咬まない一方で、それは、腸チフス、コレラ、赤痢、曉虫、鉤虫、及びいくつかのサナダムシを伝染させる。サシバエ(咬むイエバエ)は、不衛生関連疾患を伝染させる。咬傷を減少させること、又はハエの着陸を減少させることは、これらの疾患に罹患する機会を減少させ、昆虫駆除薬(例えば、DEET、又はN,N-ジエチル-m-トルアミド)は、この目的のために推奨される。
【0003】
スプレー又は蚊帳含浸剤として使用される殺虫剤(例えば、除虫菊、又はペルメトリン)はまた、咬傷を減少させる。DEETは、蚊を撃退するのに効果的であるが、しかしそれは質の悪いハエ駆除薬である。蚊に対するその効能は、皮膚表面からの高い蒸発損失(適用量の約70%)により、及びまた皮膚の中への著しい吸収(約20%)により、数時間の間に限定される。昆虫防除のためのペルメトリンの有用性は、昆虫は処理された表面又はスプレーと接触した後に、不能、及び死を引き起こすその能力に主に基づき;その低い蒸気圧(20℃で約10-8 mm Hg)は、それを相対的に防虫剤として役に立たなくさせる。ペルメトリンの殺虫剤的特性は、乳剤で最大化し;しかしながら、これら製剤はまた、皮膚吸収を最大化し(約30%)、ヒト皮膚接触は避けられる。ペルメトリンの効能は、昆虫抵抗性により減少している(Saaverdra-Rodriguez, K., C. Strode, A. F. Suarez, LF. Salas, H. Ranson, J. Hemingway and WC. Black IV. Quantitative Trait Loci Mapping of Genome Regions Controlling permethrin resistance in the mosquito Aedes aegypti. Genetics, 180: 1137-1152, 2008)。
【0004】
血を吸う昆虫は、宿主を見つけ出すために、様々な物理的、及び化学的手がかりを使用する。それらの習性はまた、それら自身又は他の種からの放出又はフェロモンによって修正されている。化学的に媒介される習性のよりよい理解は、代替の防除手段、例えば、交配の途絶など、の開発を導いている。
【0005】
脂肪酸を含む、様々な要因及び化学物質は、蚊の宿主誘引物質として関係しているとみなされ、又は提案されており、文献は、多くの矛盾する報告を含む。ブラウンは、ヒトに対する蚊の誘引に関与する多数の要因の列挙している(重要な順番で):水分、滞留熱、二酸化炭素、動作、外形又は黒白の界面、及び反射性(Brown A.W.A., H.P. Roessler, E.Y. Lipsitz and A.G. Carmichael. Factors in the attractiveness of bodies for mosquitoes. The Canadian Entomologist 96 : 102- 103, 1964)。
【0006】
1995年から、我々は、医学的に又は経済的に重要な、昆虫及び節足動物に対する防虫剤(忌避物質)又はバイオ殺虫剤として、脂肪酸を研究しており、USDA (Reifenrath, WG. Natural Fly Repellent for Livestock. SBIR Phase II Final report, CSREES Award No. 2003-33610-13044, February 1, 2007)、米国陸軍(Reifenrath WG. Development of an Insect Repellent Based on Human Skin Emanations. Final Report, DAMDl 7-96-C-6046, October, 1996)、及びDoD (Reifenrath, WG. New Repellent Combination against Flies and Mosquitoes. Final Report, USAMRMC Award No. W81XWH-04-1-0787, Final Report, December 2006)からのこれまでの支援に感謝する。我々の手法は、功利主義であり;すなわち、規制認可の妥当な機会を有する低コスト製剤にまず焦点を当てること、及びそれらの製剤が、実験室 (Mullens, BA, Reifenrath, WG, and Butler, SM. Laboratory repellency trials of fatty acids against house flies, horn flies, and stable flies (Diptera: Muscidae). Pest Management Science, 65: 1360-1366, 2009; Reifenrath, WG. Natural Insect and Arthropod Repellent. US Patent No. 6,306,415 Bl, October 23, 2001)、及び現地調査(Chansang, U. and Mulla, M.S. Field Evaluation of repellents and insecticidal aerosol compositions for repelling and control of Siphunculina funicola (Diptera: Chloropidae) on aggregation sites in Thailand. J. Am. Mosq. Control Assn. 24: 299-307, 2008; Reifenrath, WG. Natural Fly Repellent for Livestock, Stratacor, Inc. http://www.reeis.usda.gov/web/crisprojectpages/200581.html)において、昆虫の防除に効率的であることを実証することである。ストラタコルは、畜牛についての、ハエ及びシラミ防除のための3つの中鎖脂肪酸(オクタン、ノナン、デカン酸、登録商標されたC8910)の製剤に対する、米国EPAによって承認された適用、及び食用農作物動物についての3つの脂肪酸の使用の承認、を有する(Anonymous. Application to Register C8910 Fly Repellent Oil, Stratacor, Inc., Richmond CA, January 18, 2008; Anonymous. Notice of Pesticide Registration, C8910 Fly Repellent Oil, EPA Reg. No. 84893-1, Biopesticides and Pollution Prevention Division, Office of Pesticide Programs, U.S. Environmental Protection Agency, Washington, DC, October 13, 2009; Anonymous. Notice of Filing of a Pesticide Petition for Residues of Pesticide Chemicals in or on Various Commodities. US Environmental Protection Agency, Federal Register, Vol. 73, No. 54, Wednesday, March 19, 2008; Anonymous. Memorandum, Tolerance Exemption Petition for the Active Ingredients C8-C10 n-carboxylic acids (octanoic acid, nonanoic acid, and decanoic acid), Biochemical Pesticides Branch, Biopesticides and Pollution Prevention Division, US Environmental Protection Agency, Washington, DC, October 8, 2009)。これらの脂肪酸は、1964年から米国で、食品添加物(香料)として米国FDAにより承認されており、「一般に安全と認められる」として分類されている。C8910は、皮膚上に直接使用にするために製剤化されることができ、局所製剤は、アフリカでヒトの使用のために改良されている。しかしながら、局所防虫剤の利用者服薬順守は、US軍隊においてでさえ、低い(約30%)。それゆえ、我々の長期目標は、ハマダラカによるマラリア、イエバエ及びサシバエによる不潔関連疾患の蔓延、及びダニ媒介疾患を防除するための、直接皮膚塗布、及び領域処理又は空間噴霧の双方のために、安全で費用効率の高いC8910製剤を開発することである。C8910を含む脂肪酸は、パーム核油、又はココナッツ油(ココナッツ生産の副産物として)、及び畜牛獣脂に由来する安価な汎用化学薬品である。これらの化合物は、最終的に発展途上国において生産されることができる。
【0007】
鎖長8(カプリル又はオクタン)〜11(ウンデカン酸)の脂肪酸は、イエバエの幼虫に対して有毒であると報告されている(Quraishi, M.S. and A.J. Thorsteinson. Toxicity of some straight chain saturated fatty acids to house fly larvae. J. Econ. Entomol. 58: 400-402, 1965)。脂肪酸である、オクタノン、ノナン、及びウンデシルは、ネッタイシマカの卵に対する殺卵活性を有することが分かっており;その著者は、脂肪酸は「窒息させる」効果又は呼吸の妨害を発揮することを示唆している(Cline, R.E. Lethal effects of aqueous formulations containing fatty amines or acids against eggs and larvae of Aedes aegypti. J. Econ. Entomol. 65: 177-181, 1972)。直鎖脂肪酸(C7〜C11、しかしC12ではない)は、ネッタイシマカIV齢幼虫及び蛹に対して有毒であることが分かっている(Quraishi, M.S. and A. J. Thorsteinson. Effect of synthetic queen substance and some related chemicals on immature stages of Aedes aegypti. J. Econ. Entomol. 58: 185-187, 1965)。カプリン酸(Cl0)を経てカプロン(C6)は、ウンデカン酸(C11)及びラウリン酸(C12)の低下する活性と共に、イエバエ幼虫のための最適な殺幼虫活性を有することが分かっている(Levinson, Z.H. and K.R. Simon Ascher. Chemicals affecting the preimaginal stages of the housefly. Rivista DI Parassitologia. 15: 111-119, 1954)。
【0008】
我々は、C8910は、皮膚への使用のための効果的な蚊防虫剤であり、ダニ、咬むハエ、をまた撃退することができ、動物のハエ及びシラミの数を著しく減少させることができることを示している。蚊に対する気相防虫剤として、多数の直鎖及び分枝鎖脂肪酸は、ネッタイシマカを用いた、防虫性「ドーム」の最上部に、又は最上部近くに置いたC8、C9、及びC10を用いた、オルファクトメーター試験において活性を有した(図1)。防虫剤の同族列でしばしば見られたように(Skinner, W.A. and Johnson, H. L. The design of insect repellents. In: Drug Design, Vol. 10, EJ Ariens, Ed., Academic Press, New York, pp. 277-305, 1980)、低鎖長での活性は、高い揮発性のために持続性の欠如により限定される。蚊防虫剤は最小限の効果的な蒸発速度を有することが必要とされるように、高鎖長での活性は、揮発性の欠如により限定される(Reifenrath, W.G. and Robinson, P. B. In Vitro Skin Evaporation and Penetration Characteristics of mosquito repellents. J. Pharm. Sci, 71 : 1014-1018, 1982; Reifenrath, W.G. and Spencer, T.S. Evaporation and penetration from skin. In: Percutaneous Absorption Mechanisms Methodology Drug Delivery, RL Bronaugh and HI Maibach, Eds., 1st Ed., Marcel Dekker, New York, pp. 305-325, 1985)。
【0009】
C8910を含む脂肪酸は、局所塗布後、皮膚に浸透し、摘出皮膚の内臓側に適用後、「逆拡散」又は皮膚表面にまた到達する(Reifenrath, W.G. Unpublished data, Stratacor, Inc., December, 2005- February, 2006)。しかしながら、それらは皮膚を介して排出され、早すぎるほどに代謝されるので(Van Den Driessche, M., K. Peeters, P. Marien, Y. Ghoos, H. Devlieger, and G. Veerman-Wauters. Gastric emptying in formula- fed and breast-fed infants measured with the 13C-octanoic acid breath test. J. Pediatr. Gastroenterol. Nutr. 29: 46-51, 1999)、これらの化合物は、畜牛への経口投与後、効果的な防虫剤ではない(Personal Communication, David Boxler, Dept. of Entomology, University of Nebraska West Central Research and Extension Center, North Platte, Nebraska, June 27, 2006)。
【0010】
家畜に関する実地試験を行うと同時に、C8910で散粉した畜牛は、有機リン酸の殺虫剤、クーマホス(Co-ral(登録商標))、及びテトラクロルビンホス(Rabon(登録商標))と同等に、咬む(ノサシ)ハエに対する防御(全身ハエ総数において約90%の減少)を得たことが発見されたことに、我々は驚いた(図2)。これらの結果は、温度及び湿度の高い異なる場所で、異なる調査員によって再現されている。この種類の試験において、C8910は、粉末として製剤化され、水までの途中に粉末袋の下を歩くことによって、畜牛は自己処理された。C8910が、ただ単に防虫剤として作用する場合、ハエは、単純に処置された部分(背部)から処置されていない部分(腹部及び脚)に移り、ハエ総数の正味の減少をもたらさない。ハエに対するC8910の直接の毒性効果は、効率性で説明されるが、しかしこれは、その試験における時間で明らかにならない。これは、ネッタイシマカに対するC8910の無能化及び毒性効果の実験室試験を促し、それは、直接接触(ペトリ皿中の処理された濾紙上のC8910水和剤の水性懸濁液)が、4.7μg/cm2の施用量で10分、2.35μg/cm2の施用量で25分で、不能化を引き起こし、一方で1.18μg/cm2のさらに低い施用量は不能化を引き起こさず、それは、交配及び繁殖の負の結果を伴う、蚊の自発的な動作を止めたことを示した。定性的な同様の活性は、イエバエ、サシバエ、及びノサシバエの実験室での試験において分かっており(図3〜10)、イエバエは、C8910の不能化及び毒性効果に対する最小の感受性を有する。最初の報告は、ツェツェバエは、C8910粉末製剤により撃退されないことを指し示したが(Personal Communication, Serap Aksoy, Dept. of Epidemology and Public Health, Yale School of Medicine, New Haven, CT, April 21, 2003)、後の報告は、15%ミネラルオイル及び0.3%水和剤分散液は、ツェツェバエの不能化又は殺虫に効果的であることが示された(Personal Communication, Brian Weiss, Dept. of Epidemology and Public Health, Yale School of Medicine, New Haven, CT, August 3, 2009)。ツェツェバエ防虫性は、不能化、最近まで高く評価されていない効果、により妥協して解決され得る。ミューレンらにより記述された自由選択ケージで行われる試験において(Mullens, BA, Reifenrath, WG, and Butler, SM. Laboratory repellency trials of fatty acids against house flies, horn flies, and stable flies (Diptera: Muscidae). Pest Management Science, 65: 1360-1366, 2009)、チャバネゴキブリは、不能になり、その後アタパルジャイト粘土中15%C8910で処置された床領域を動き回った後、死亡した(図11)。
【0011】
我々は、蚊に対する脂肪酸の不能化及び毒性効果は、脂肪酸及び製剤の種類に大きく依存することを発見した。粉末製剤の水性分散液の形態において水分が導入されると、イエバエ、及び蚊の不能化及び死亡が生じる。ミネラルオイル製剤でも同様である。これらの製剤の双方が、C8910の哺乳動物の皮膚吸収を増進し、恐らくハエの摂取及び吸収を増進する。乳剤(EC)でできた製剤は、皮膚吸収を促進し、ペルメトリンのハエ毒性を増進する(Reifenrath, WG. Enhanced skin absorption and fly toxicity of permethrin in emulsion formulation. Bull. Environ. Contam. Toxicol 78: 299-303, 2007)。同様に、ECでのC8910の製剤は、イエバエ及び蚊毒性を引き起こす。よく知られている、脂肪酸が塩基性pHでイオン化する石鹸(脂肪酸のナトリウム又はカリウム塩)の殺虫剤の性質は、界面活性剤の効果に関する異なる機構におそらく起因する。実際、ペルメトリンの乳剤溶媒(ペルメトリンを含まないエバーサイド乳剤、MGK Corp, Minneapolis)を含むイオン化及び非イオン化界面活性剤は、ハエ不能化効果を有さなかった。乳酸、低分子量カルボン酸は、これらの試験において、毒性を示さなかったので、不能化は、単純に酸性pHによるものではない。C8910を含むそれらを超えて増加したカルボン酸炭素鎖長を有する、ラウリン酸はまた、EC製剤において毒性を示さない。殺虫剤であるDEETは、47μg/cm2(即時に100%のハエ及び蚊の不能、及び24時間で80〜100%の死を引き起こす脂肪酸施用量)で24時間後、ハエ及び蚊の死亡を引き起こすが、しかし即時の不能化を含まない機構による。ナトリウムイオンチャネルブロッカーの試験のように、塩基なしのリドカインの新鮮な調製された水性乳剤(47μg/cm2)又はミネラルオイル中15%濃度は、これらの試験において、ハエ不能化を引き起こさなかった。C8910の同じ低い施用量が、サシバエ、及びノサシバに対して、可逆的な不能化を示したのに対し、47μg/cm2の施用量で、ペルメトリンは、不可逆のハエ及び蚊不能化を引き起こした(図9、10)。
【0012】
観測的に、C8910を含む脂肪酸は、蚊に対する、選択的な防虫、及び/又は毒性効果を有することを示し、様々な他のハエ、クモ、マルハナバチ、ミツバチ及びカリバチは影響を受けない。自由選択ケージの不毛中心に置かれ、C8910の積まれた顆粒の4分円、又は担体のみで処理された4分円の中を動きまわることを許されたダニ(セイブクロアシマダニ又はカクマダニ属)は、それらが、調査員により捕捉され、開始中心に戻されて置かれたときに、防虫剤顆粒の1/2インチ以内にたどり着き、180度転換し、対照領域中で、及び介して進行し、ケージの壁を登る。時折、ダニは、殺虫剤顆粒の間をさまよい、もはや殺虫剤と非殺虫剤領域の間で選択ができなくなり、それが全ての動作を止め、最終的に死ぬまで、殺虫剤と接触して目的なくさまよい続けた。ダニ(セイブクロアシマダニ)のペトリ皿中で、カオリン-P水分散中のC8910の0.3%製剤への10分間の強制的な曝露は、50%の不能化、40分で100%不能化、及び24時間で100%の死亡をもたらした。不能化又は毒性のないことは、対照(カオリン粘土水分散物)では24時間を越えて、観察された。習性の同様の様式は、上述の通りにチャバネゴキブリで観察された(図11)。それらが説明的な証拠である一方で、彼らは、影響を受けやすい昆虫に対する脂肪酸毒性の提案された機構の中心部に向かう−操縦する(navigate)昆虫の能力の妨害に基づく間接的な効果であり、それは実際の死の前に、見かけの死を与える(「生ける屍」又は無能症)。天然のフェロモン濃度に比べて低いレベルで、C8910の脂肪酸は、実際に引き付けられ、これは、アリで観察される。対象脂肪酸の高い大気中濃度は、感覚機構に過負荷をかけ、昆虫は撃退される。C8910は、昆虫への付着又は昆虫による吸収を促進する噴霧製剤で影響を受けやすい昆虫と接触を強いた場合(実質的にC8910で昆虫を包囲する)、可逆的な不能は、昆虫に対して低い施用量で起こる。高い施用量で、不能化は不可逆的となり、昆虫は最終的に死亡する。
【発明の概要】
【0013】
本発明の簡単な概要
一つの実施形態では、本発明は、昆虫又は節足動物の殺虫性組成物を提供する。当該組成物は、脂肪酸の混合物を有する活性成分を含み、それぞれの脂肪酸は、6〜12の炭素原子長の炭素直鎖を有する。脂肪酸の混合物は、6〜8の炭素原子長の炭素直鎖を有する第一の脂肪酸分子、及び8〜12の炭素原子長の炭素直鎖を有する第二の脂肪酸分子を含む。殺虫性組成物はまた、昆虫又は節足動物により、活性成分の吸収を促進する担体を含む。
【0014】
第二の実施形態では、本発明は、昆虫又は節足動物を不能にする、又は死亡させるための方法を提供し、当該方法は、昆虫又は節足動物の本発明の組成物との接触することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、オルファクトメーターにおいて、ネッタイシマカに対する脂肪酸の防虫性を示す。直鎖脂肪酸のオクタン、ノナン、デカン、ウンデカン及びラウリンは、それぞれC8からC12と表され;3-メチルペンタン酸を3Mペンタンと、3-メチル-2-ペンテン酸を3M2ペンテンと、2-オクテン酸を2オクタンと、3-メチル-2-オクテン酸を3M2オクテンと、及び4-メチルオクタン酸を4Mオクタンと表される。N,N-ジエチル-m-トルアミドは、DEETと表される。
【図2】図2は、畜牛における粉末袋処理と比較したノサシバエ防虫性実地試験を示す。
【図3】図3は、C8910/カオリン水分散物(濾紙/ペトリ皿)に10分曝露後の昆虫不能化を示す。
【図4】図4は、C8910/カオリン水分散物(濾紙/ペトリ皿)に25分曝露後の昆虫不能化を示す。
【図5】図5は、C8910/カオリン水分散物(濾紙/ペトリ皿)に24時間曝露後の昆虫不能化を示す。
【図6】図6は、C8910/カオリン水分散物(濾紙/ペトリ皿)に24時間曝露後の昆虫の死亡率を示す。
【図7】図7は、C8910水分散物、ペルメトリン水分散物、DEET水溶液、及び蒸留水で処理した濾紙/ペトリ皿に曝露後のネッタイシマカ不能化及び死亡を示す。4.7μg/cm2の施用量での全ての活性。
【図8】図8は、15%C8910/カオリン水分散物、1%ペルメトリン/カオリン水分散物、及び/カオリン水分散物(対照)で処理した濾紙に曝露後のイエバエ不能化及び死亡を示す。
【図9】図9は、15%C8910/カオリン水分散物、1%ペルメトリン/カオリン水分散物、及び/カオリン水分散物(対照)で処理した濾紙に曝露後のサシバエ不能化及び死亡を示す。
【図10】図10は、15%C8910/カオリン水分散物、1%ペルメトリン/カオリン水分散物、及び/カオリン水分散物(対照)で処理した濾紙に曝露後のノサシバエ不能化及び死亡を示す。
【図11】図11は、床が四分円に分かれている自由選択ケージを示す。隣接していない四分円は、アタパルジャイト粘土中15%C8910で処理されており、一方残りの四分円は、処理されていない。処理されていない表面に入れられたチャバネゴキブリは、C8910で処理された四分円に入った後、不能化し、死亡した。
【図12】図12は、血液のための内部の区画、及び温度制御のための水ジャケットを示す侵入セルを示す。皮膚の円盤は、ゴムのO-リングを用いて、血液の上に取り付けられた。
【図13】図13は、皮膚と適合させた、血液を満たした侵入セルに引きつけられたサシバエを示す。
【図14】図14は、イエバエの不能化、対粉末製剤のC8910で処理後の時間を示す。
【図15】図15は、乳剤(EC)溶媒中のC8910によるイエバエの不能化、試験1を示す。
【図16】図16は、乳剤(EC)溶媒中のC8910によるイエバエの不能化、試験2を示す。
【図17】図17は、小鳥農場(Bang Len District, Nakhorn Pathom, タイ)における、地面及びコンクリート平板に施用したエバーサイド溶媒(−ペルメトリン)中のC8910、対ペルメトリン(エバーサイド)の野外イエバエ防除を示す。
【図18】図18は、休息場所、位置A、Village Bon Kainao, タイ、に施用したC8910及びペルメトリンでのアイフライ(eye fly)の防除を示す。
【図19】図19は、休息場所、位置B、Village Bon Kainao, タイ、に施用したペルメトリン有り及び無しでの、エバーサイド中C8910でのアイフライ(eye fly)の防除を示す。
【図20】図20は、ピートグラディチャンバーでの、イエバエ防除のための空間噴霧を示す。
【図21】図21は、Minugel 200中のC8910、対ペルメトリンのイエバエ防除(ピートグラディチャンバー)を示す。
【図22】図22は、Minugel 200中のC8910、対ペルメトリンのイエバエ防除(ピートグラディチャンバー)、繰り返し試験を示す。
【図23】図23は、イエバエ防除のためのLVM40/100中のC8910、対ペルメトリンの寿命試験(ピートグラディチャンバー)を示す。
【図24】図24は、幅木がC8910粉末で処理されたオフィスの角における、死亡したアリの集積を示す。
【図25】図25は、図24の接写を示す。
【図26】図26は、エバーサイド乳剤溶媒の植物毒性を示す。前景の干からびた処置された葉(ナスタチウム)は、背景の対照の処置されていない葉と比較される。
【図27】図27は、試験報告書1を示す。15%C8910/カオリン-P製剤、乾式篩、約100μmにおいて50%通過。
【図28】図28は、試験報告書2を示す。15%C8910/カオリン-P製剤、湿式篩、約3μmにおいて50%通過。
【図29−1】図29-1は、試験報告書3を示す。15%C8910/カオリン-P製剤、レーザー分析、幾何学的平均粒子径は1.57μm。
【図29−2】図29-2(続き)は、試験報告書3を示す。15%C8910/カオリン-P製剤、レーザー分析、幾何学的平均粒子径は1.57μm。
【発明を実施するための形態】
【0016】
I. 概要
本発明は、昆虫又は節足動物の表面に渡って付着又は吸収又は輸送を促進する担体と組み合わせた、オクタン酸、ノナン酸、及びデカン酸の組成物を提供する。担体はカオリン-P、水和したケイ酸アルミニウム、又はペルメトリンなしのエバーサイドであり得る。脂肪酸は、生体細胞で生じるエネルギー代謝の中間物である。さらに、対象の脂肪酸の全ては、米国及びヨーロッパで半世紀の間、食品添加物として用いられており、米国FDAにより、一般に安全と認められる(GRAS)に分類されており、大変低い環境毒性を有する。それゆえ、これらの脂肪酸の昆虫又は節足動物による接触又は吸収が、毒性効果を驚くほどに発揮したことは驚くべきことであった。担体の使用は、昆虫又は節足動物の表面に渡って付着、吸収、及び輸送を促進することによって、昆虫又は節足動物へのこれらの化合物の毒性効果を上昇させる。
【0017】
II. 定義
「節足動物」は、節足動物門(phyllum)のメンバーをいい、ダニ類、クモ類、サソリ類、カブトガニ類、ムカデ類、ヤスデ類、及び他の昆虫を含むがこれらに限定されない。昆虫は、蚊類、イエバエ類、サシバエ類、ノサシバエ類、フェイスフライ(face fly)類、アイフライ(eye fly)類、及びヌカカ類を含むがこれらに限定されない。
【0018】
「殺虫剤」は、害虫、例えば昆虫又は節足動物など、を撃退し、不能化し、又は死亡させる化合物又は物質をいう。
【0019】
「担体」は、昆虫又は節足動物の表面に渡って付着、吸収又は輸送を促進する活性成分のための担体をいう。担体は、任意の好適な物質、例えば粉末又は溶媒など、でよい。本発明において有用な担体の例は、水和剤、乳剤、及び有機溶媒を含むがこれらに限定されない。乳剤は、エマルジョンを形成することができる溶液、例えば、ペルメトリンを含まないエバーサイド(MGK Corporation, Minneapolis, Minnesotaにより提供される)などである。乳剤は、昆虫による溶液の吸収を増進する。水和剤は、水を吸収することができるそれら、例えば、クマリン-P、水和ケイ酸アルミニウムなどである。
【0020】
「不能化する」は、昆虫又は節足動物が、動く、飛ぶ、又は逃げることができない状態にすることをいう。
【0021】
本明細書で用いる用語「脂肪酸」は、脂肪族末端、具体的には4〜30の炭素原子長を有するカルボン酸をいう。脂肪酸は、飽和、モノ不飽和、又はポリ不飽和であり得る。本発明において有用な脂肪酸はまた、分枝鎖脂肪酸、例えばイソ脂肪酸など、を含む。本発明において有用な脂肪酸の例は、ブタン酸(C4)、カプロン酸(C6)、カプリル酸(C8)、カプリン酸(Cl0)、ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、パルミトレイン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、イソステアリン酸(C18)、オレイン酸(C18)、バクセン酸(C18)、リノール酸(C18)、アルファ-リノール酸(C18)、ガンマ-リノレン酸(C18)、アラキジン酸(C20)、ガドレイン酸(C20)、アラキドン酸(C20)、エイコサペンタエン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、エルカ酸(C22)、ドコサヘキサエン酸(C22)、リグノセリン酸(C24)、及びヘキサコサン酸(C26)、を含むがこれらに限定されない。当業者は、本発明において、他の脂肪酸が有用であることを理解するだろう。
【0022】
本明細書で用いる用語「接触する」は、それらが反応し得るような少なくとも二つの異なる種類を接触させるプロセスをいう。しかしながら、得られた反応生成物は、加えられた試薬間の反応から、又は反応混合物中で製造され得る一つ又はそれ以上の加えられた試薬からの中間体から、直接製造され得ることは、理解されるだろう。
【0023】
本明細書で用いる用語「有機溶媒」は、水-溶性の、及び水-不溶性の有機化合物のどちらか又は双方を溶解することができる、水-混和性の、又は-不混和性の溶媒をいう。本発明において有用な、典型的な有機溶媒は、ヘキサン類、ペンタン類、ベンゼン類、トルエン類、ピリジン類、酢酸エチル、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、塩化メチレン、及びクロロホルムを含むがこれらに限定されない。当業者は、本発明において、他の有機溶媒は有用であることを理解するだろう。
【0024】
III. 殺虫性組成物及び使用の方法
本発明は、昆虫及び節足動物を不能化する、又は死亡させる殺虫性組成物を提供する。ある実施形態では、本発明は、昆虫又は節足動物の殺虫性組成物を提供する。当該組成物は、脂肪酸の混合物を有する活性成分を含み、それぞれの脂肪酸は6〜12の炭素原子長の炭素直鎖を有する。脂肪酸の混合物は、6〜8の炭素原子長の炭素直鎖を有する第一の脂肪酸分子、及び8〜12の炭素原子長の炭素直鎖を有する第二の脂肪酸分子、を含む。殺虫性組成物はまた、昆虫又は節足動物による活性成分の吸収を促進させる担体を含む。
【0025】
本発明において有用な脂肪酸は、任意の好適な脂肪酸を含む。本発明において有用な脂肪酸の例は、ヘキサン酸(C6)、ヘプタン酸(C7)、オクタン酸(C8)、ノナン酸(C9)、デカン酸(C10)、ウンデカン酸(C11)、ドデカン酸(Cl2)、を含むがこれらに限定されない。活性成分の脂肪酸は、任意の好適な量で存在し得る。例えば、活性成分は、組成物の重量で1〜99%、好ましくは重量で約5〜約95%、好ましくは重量で1〜50%、好ましくは重量で5〜25%、好ましくは重量で約15%であり得る。ある実施形態では、第一の脂肪酸分子、第二の脂肪酸分子、及び第三の脂肪酸分子はそれぞれ、活性成分の約5%〜約95%で含む。組成物の脂肪酸は、任意の好適な割合で存在する。ある実施形態では、第一、第二、及び第三脂肪酸分子は、重量で、約1:1:1の割合で存在する。
【0026】
ある実施形態では、担体は、乳剤を含む。乳剤は、エマルジョンを形成する任意の組成物を含む。乳剤の例は、ペルメトリンを含まないエバーサイドを含むが、これらに限定されない。
【0027】
ある実施形態では、担体は水和剤を含む。本発明において有用な水和剤は、水和する任意の好適な粉末を含む。好適な粉末は、無機材料、例えば、粘土、アルミン酸塩、ケイ酸塩、又はそれらの混合物、及びポリマー材料であり得る。ある実施形態では、水和剤は、アルミン酸塩、及びケイ酸塩の混合物である。ある実施形態では、水和剤はカオリン-Pである。
【0028】
さらに他の実施形態では、担体は有機溶媒を含む。有機溶媒は、ヘキサン類、ペンタン類、ベンゼン類、トルエン類、ピリジン類、酢酸エチル、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、塩化メチレン、及びクロロホルムを含むがこれらに限定されない。他の有機溶媒は、本発明において有用である。
【0029】
ある実施形態では、第二の脂肪酸分子は、8〜9の炭素原子長の炭素直鎖を含み、活性成分はさらに、(iii)9〜12の炭素原子長の炭素直鎖を有する第三の脂肪酸分子を含み、ここで第一の脂肪酸分子、第二の脂肪酸分子、及び第三の脂肪酸分子が全て異なる。他の実施形態では、第一の脂肪酸分子はオクタン酸を含み、第二の脂肪酸分子はノナン酸を含み、第三の脂肪酸分子はデカン酸を含む。
【0030】
他の実施形態では、活性成分は、オクタン酸、ノナン酸、及びデカン酸を、重量で約1:1:1の割合で含み、担体は、乳剤及び水和剤からなる群から選択されるメンバーを含む。
【0031】
第二の実施形態では、本発明は、昆虫又は節足動物を不能化又は死亡させるための方法を提供し、その方法は、昆虫又は節足動物を本発明の組成物と接触させることを含む。任意の昆虫又は節足動物は、本発明の方法のために好適である。ある実施形態では、昆虫又は節足動物は、蚊類、イエバエ類、サシバエ類、ノサシバエ類、ウマバエ類、フェイスフライ(face fly)類、アイフライ(eye fly)類、ヌカカ類又はダニ類であり得る。
【0032】
不能化する、及び殺虫性の製剤は、半揮発性脂肪酸、及び昆虫又は節足動物により付着又は吸収を許容する担体の混合物から得られる。脂肪酸が、昆虫を不能化する又は死亡させるための活性種として働き、一方で、媒剤は、昆虫又は節足動物の表面への脂肪酸の付着又は吸収促進剤として働く。カオリン粘土中の15%(w/w)脂肪酸の製剤は、水中に50分の1から2000分の1にわたる様々な濃度で分散され、ペトリ皿中に封入された濾紙(64 cm2の濾紙につき1 mlの製剤)に施用された。15匹の雌性ネッタイシマカは、皿の中に置かれ、それらの結末は、48時間以上の期間観察された。対照処理(水のみ、カオリン及び水のみ)と比較して、蚊は、1000分の1(0.015%活性)の希釈で不能化し、500分の1の希釈で死亡した。乳剤中の15%脂肪酸の製剤は、実験室において、自由選択ケージ(2つの4"x4"処理領域及び二つの4"x4"対照領域)の触れられる表面に施用され、イエバエを不能化することが示された。この製剤の実地施用は、休憩しているイエバエ総数を、12日までの期間で、ペルメトリン処置に匹敵するレベルまで減少させることが分かった。これらの製剤の活性成分、オクタン、ノナン、及びデカノン酸は、米国FDAによりGRASとして登録されており、有機リン酸エステル、又はピレスロイドに依存していた従来の処置と比較して、安全で、等しく効果的な処置を提供する。
【0033】
これまでの特許(米国特許第6,306,415号明細書、第6,444,216号明細書、及び第6,953,814号明細書)は、ハエ防虫剤としての使用のための、オクタン、ノナン、デカン酸の混合物(C8910)を記載している。この混合物は、イエバエ、サシバエ(咬みつくイエバエ)、ノサシバエ、蚊、シラミ、及びダニを含む、様々な昆虫/節足動物を撃退することができる。咬みつく昆虫の場合、これらの正常な習性は、宿主、例えば、血液の食事のための鳥、又は哺乳動物など、を探し出すことであり、その宿主として一般的に認められたそれの発散物(水分、二酸化炭素、及びその他)は、昆虫を宿主まで導く。半揮発性の化学物質(例えば、N,N-ジエチル-m-トルアミド又はDEET)の皮膚への施用は、正常な宿主を探す行動を妨害することができ、この活性は、一般的に防虫性と呼ばれ、もっとも昆虫はそれ自体に撃退されない。それは蚊の宿主を探す行動を妨害する点において、C8910はDEETのように機能する。しかしながら、C8910は、DEETよりもよりよいハエ防虫剤であり、殺虫剤処理で得られたものに匹敵するレベルまで、処理された家畜に対してハエ総数を減少させることができる(Reifenrath, WG. Natural Fly Repellent for Livestock. SBIR Phase II Final report, CSREES Award No. 2003-33610-13044. February 1, 2007)。自由選択ケージ(ケージの床上の処理された及び処理されていない休息場所を含む換気されたケージ)における観察は、C8910は処置した表面でハエ総数を減少させるだけではなく、また処理した領域の周囲の(処理されていない)壁、及び天井からハエを撃退することを示した。DEETはこの効果を引き起こさない。
【0034】
C8910は、粉末又は乳剤の形態で調製され、処理領域に渡って、分散又は噴霧される。C8910単独、ペルメトリン単独及び、C8910とペルメトリンの組み合わせの製剤は、研究されている。C8910単独でのハエの減少は、殺虫剤ペルメトリン単独で得られたものに匹敵し、それらの活性を組み合わせる著しい利点はなかったことが結論付けられた(Reifenrath, WG. New Repellent Combinations Against Flies and Mosquitoes. US. Army Medical Research Acquisition Activity. U.S. Army Medical and Material Command. Final Report. Contract No. W81XWH-04- 1-0787, April 12, 2006.)。
【0035】
C8910組成物の不能化する効果をさらに調べるために、我々は、実験室(自由選択ケージ)で、イエバエ毒性に関する粉末製剤でのC8910の効果を調べ、C8910施用量の増加に伴うハエ不能化の増加が観察され;その効果は、ハエ曝露の約20時間後でより明らかとなった(図14)。しかしながら、C8910が乳剤として製剤されたときに、ハエ毒性は、乳剤対照(活性剤無し)での無効化と比較して、著しく増加する(大部分のハエは20分後に不能化した、図15及び16)。2〜3時間後、この試験において、C8910のハエ不能化は、94〜100%に達した。我々は、乳剤はペルメトリンのハエ毒性及び皮膚吸収を著しく増加させ(Reifenrath, WG. Enhanced skin absorption and fly toxicity of permethrin in emulsion formulation. Bull. Environ. Contain. Toxicol. 2007, 78, 299-303)、乳剤はハエに対するC8910の生物学的利用能を増進し得ることを示した。双方が乳剤に製剤されたときに、C8910は、ペルメトリンで得られる野外のイエバエ及びアイフライ(eye fly)防除と等しかった(図17、18及び19)(エバーサイド, MGK Corp.)。しかしながら、これらの化学物質は生体細胞において生じるエネルギー代謝の中間物質であるので、ハエによるこれらの脂肪酸の接触及び吸収は、毒性効果を発揮することが期待されない。その上、対象の脂肪酸の全ては、米国及びヨーロッパにおいて、半世紀の間、食品添加物として使用されており、米国FDAにより、一般に安全と認められる(GRAS)として分類されており、大変低い環境毒性を有する。脂肪酸は、昆虫の発散物、又は表面化学物質として観察されており、これらの化学物質は、それらの化学的信号伝達プロセス又は防御の役割を果たしていつかもしれない。C8910による低いレベルの蒸気曝露は、宿主からの撃退、及び不能化しないことのみをもたらすだろう。C8910の高いレベルの蒸気曝露又は物理的接触は、感覚の過負荷をもたらし、昆虫が生命を維持するそれらの任務を遂行することを妨げる(例えば、間接的な毒性効果)。
【0036】
粉末製剤のC8910は、米国南部(テキサス及びケンタッキー)でのいくつかの実地試験において、放牧牛に関して、サシバエの数を減少させている。対照の畜牛は、1000のハエまで有しており、C8910は、全身の数を約90%まで減少させた。処理は、水溜りに続く門にかけられた粉末袋を用いて適用された。従って、水のために門を歩いて通るときに、動物は、袋との物理的な接触により、自己処理する。動物は、処理された皮膚領域においてC8910の防虫効果から恩恵を受けたが、しかしながら、ハエは、単純に処理されていない領域に移動できた。有効性の観察されたレベルを達成するために(ハエの全身の減少)、動物が、互いに擦れ合うことで、体表面上に防虫剤を分散させることを最初に仮説した。しかしながら、この有効性の高いレベルは、C8910との物理的接触による、ハエの不能化及び死亡の結果であることが、現在は認識されている。
【0037】
C8910は、実験室(ピートグラディチャンバー、図20〜23)、又は野外(タイ、図17〜19)において、休息するイエバエ、又はアイフライ(eye fly)の数を著しく減少させることが示された。これらは、C8910のハエ接触又は吸収を促進できない粉塵製剤で行われたので、チャンバー試験からのハエ不能化の報告はなかった。ハエは処理領域から遠く離れて死んだかもしれないので、実地試験からのハエ不能化又は毒性の報告もまたなかった。
【0038】
C8910組成物の不能化及び致死効果をさらに調べるために、C8910の同じ製剤の水分散物は、ネッタイシマカに対して実験室で試験された。段階的に希釈されたC8910/カオリン-Pは、水中に粉末を分散させることにより調製され(100 mlの水中に2グラムの粉末、実地で用いられる濃度)、一番低い濃度は、0.0075%であった(表1)。1 mlのそれぞれの分散物は、最終的に、使い捨てのペトリ皿中に収められた、濾紙の円盤(直径 9 cm、ワットマン No. 1)の上にピペットされた。約15匹の雌性メッタイシマカ、齢 6〜10日、はペトリ皿中に置かれ、蚊の逃避を防ぐために蓋をされた。皿は環境チャンバー(76〜80゜F、及び約60%湿度)で保たれ、観察は、処置後の様々な時間で不能化、及び死亡で行われた(表1)。高い施用量では(0.3%製剤、実地試験濃度に対応する)、不能化は、10分で完全に起こり、死亡率は24時間で100%であり、乳酸対照の不能化なし、17%の死亡率と比較された。C8910の低い施用量は、次第に急速でない不能化、及び低い死亡率をもたらした。低い施用量(水分散物中0.0075% C8910、1.18μg/cm2)は、不能化又は致死性をもたらない一方、生物学的効果は、自発的な蚊の動作の著しい減少において依然として注目された。C8910が蚊の行動に影響を与える低いレベル、活性の相対的な低コスト、及び低い哺乳動物毒性に基づいて、C8910は、蚊防除のための領域処置として有用である。同様な結果は、イエバエ、サシバエ、及びノサシバエで得られた(図3〜10)。
【0039】
C8910は、ハエと同様にアリを撃退することを示し、同様に不能化効果を有することを示した。図24及び25は、2008年1月、幅木のまわりにC8910粉末の施用を受けたオフィスの角を示す。アリは、電源コードの上の割れ目から室内に入り続けたが、不能化になり、床に落ち、その後死亡したことが観察された。
【0040】
我々は、動物の皮膚への直接適用のためにC8910を製剤化しており、C8910は、一度吸収されると蒸気防虫剤としてもはや作用できないので、この試みの要点は、皮膚刺激を最小限にすること、及び皮膚吸収を遅らせることである。蒸発の増加、及び皮膚吸収の減少を達成するための最もよい媒剤は、粉末であり、高い測定された吸収は、オイルで起こり、粘土に吸着させたC8910の水性分散液は中間であった(表 2A、及びB、表 3A、及びB)。乳剤(EC)媒剤からのC8910の皮膚吸収は、測定されない一方で、石油スピリット及び界面活性剤の組み合わせ(80:20混合)は、生体異物の進入のための皮膚バリアを本質的に破壊するので、それは100%に達することができる。しかしながら、皮膚又は傷つきやすい植物(図26)との接触を含まない昆虫防除の(殺虫剤の)適用のために、製剤の目標は、遅れた吸収よりはむしろ、障壁膜(昆虫の上皮)を越えて吸収が増加することである。それゆえ、C8910のEC製剤は、標的昆虫の表面に対する処理として有用な機能を果たし、有機リン酸エステル又はピレスロイド処理の有用な代替品を提供する。粘土に吸着されたC8910の水性分散液は、粉末と比較して吸収を促進するが、しかし界面活性剤及び石油蒸留物の非存在は、それらの浸透増進剤としての効果を弱くする。通常は、吸着又は粘土の上の有機分子は、粒子径が増加すること、又は細かい粒子が凝集することが期待される。しかしながら、水中のC8910/カオリンの粒子径は、予想外に低い(約3μm)。これは、恐らく脂溶性の脂肪酸が粘土粒子の表面に与える疎水性被膜のためである。この結果は、この製剤が容易にエアロゾル化し、小さい粒子は昆虫によるC8910の吸収のための増加した表面積を提供することである。
【実施例1】
【0041】
IV. 実施例
実施例1. 10 kgの乳剤での15%C8910の調製
実験室天秤を用いて、501.5グラムの液体オクタン酸(純度99.7%、Cognis Corp., Cincinnati, OH)、543.5グラムの液体ノナン酸(純度92%、Cognis Corp.)、及び505.0グラムの固体デカン酸(純度99%、Cognis Corp.)を計量した。脂肪酸は、4リットルビーカー中に一緒に加えられ、固体デカン酸を他の液体脂肪酸に溶解するために、磁気的に、約2時間撹拌された。乳剤媒剤(8450 g、ペルメトリンを含まないエバーサイド、MGK Corporation)は、5ガロンのステンレススチール撹拌ボウルに注がれ、脂肪酸混合物は、ホバート撹拌機に付けられたステンレススチール羽根を用いて撹拌されながら、ゆっくりと加えられた。低速で10分混合した後、生成物は、風袋が計られたポリエチレン貯蔵容器に注がれ、収率は測定された(典型的には 9990グラム又は99.9%)。
【0042】
実験例2. 6 kgのカオリン-P中15%C8910の調製
実験室天秤を用いて、304グラムの液体オクタン酸、325グラムの液体ノナン酸、及び308グラムの固体デカン酸を計量した。脂肪酸は、2リットルビーカー中に一緒に加えられ、固体デカン酸を他の液体脂肪酸に溶解するために、磁気的に、約2時間撹拌された。粉砕されているカオリン粘土(5003 g, Kaolin-P, U.S. Silica Corp., Kosse, TX)は、5ガロンのホバート撹拌機のステンレススチール撹拌ボウルに入れられた。撹拌ボウルの上の保護的な覆いは、粉末がこぼれることを防ぐために、サランラップ(登録商標)で密封された。脂肪酸混合物は、サランラップ(登録商標)に開いた穴を通して、撹拌ボウルの中に、脂肪酸混合物を取り込むために、出口にタイゴンチューブが取り付けられたさらなる漏斗に置かれた。脂肪酸混合物は、ホバート撹拌機に付けられたステンレススチール羽根を用いて撹拌されながら、10分間かけてゆっくりと加えられた。低速で20分混合した後、撹拌ボウルの側面にへばりついたいくらかの物質は擦り落とされ、粉末中に戻すことが許容された。生成物はその後、さらに5分間撹拌された。生成物は、撹拌ボウルから一部取り除かれ、12インチ、30メッシュステンレススチール篩(ASTM Test Sieve, Cole Partner, Chicago, IL)にかけられ、収率を測定するために、風袋が計られたポリエチレン貯蔵容器に回収された(典型的に 5900グラム又は98%)。
【0043】
凝集した粒子は分散されて、生成物の粒子径は、乾式篩(図27)、湿式篩(図28)により、及び最終的にレーザー分析により(図29)で測定された。
【0044】
カオリン粘土中の脂肪酸の濃度は、下記の分析手順により変えられた。脂肪酸は、50 mlの容積計量器中15%C8910/カオリン-Pの正確な質量(約1.0グラム)が置かれた粘土から抽出され、続いて、目標までアセトニトリルが加えられた。振盪した後、脂肪酸はアセトニトリル中に溶解され、粘土は容積計量器の底部に沈殿することが許容された。一定分量は、0.2μmナイロンシリンジフィルターを通して濾過され、20μlのサンプルは下記のように分析された。HPLCによる分析は、Supelco Discovery C18カラム(15 cm x 4.6 mm、5μm)で行われた。移動相は、アセトニトリル:水(50:50)(0.1部のトリフルオロ酢酸(Aldrich)を含む)であり、流速 1.0 ml/分で、Spectra Physics SP8800を用いて、3つのポンプは無勾配形式で行われた。20μlの注入は、Spectra Physics SP8780XRオートサンプラーで行われた。吸収は、LDC Spectromonitor III (aufs = 0.02)を用いて、214 nmで観察された。Turbochromeソフトウェアを実行させたペンティアム(登録商標)コンピューターが、Perkin Elmer NCI 900 インターフェースからの信号を処理するために用いられた。これらの条件化で、C8は5.97分の保持時間を有し、C9は8.59分、及びC10は13.10分であった。C8、C9、及びC10(Chem Sources)の保証された標準は、検出器応答(統合装置)対、約60〜500μg/mlの範囲にわたる濃度の検量線を作成するために用いられた。最小二乗回帰直線方程式(3つの酸のそれぞれについてR2=0.99)は、脂肪酸の濃度を計算するために用いられた。
【0045】
実施例3. C8910-カオリン-P粘土水分散の試験
表1。C8910施用量の機能としてのネッタイシマカの不能化及び死亡、及び水100 ml*あたり製剤0.05グラム(0.0075%)〜製剤2グラム(0.3000%)の範囲の量で、水中に分散しているカオリン-P中のC8910の15%製剤に曝露後の時間。
【0046】
【表1】

【0047】
*製剤1 mlは、ペトリ皿中に収められた直径9 cmの濾紙の円盤に最終的に分散された。15匹の雌性のネッタイシマカは、その後、覆われた皿に入れられた。
**未決定
【0048】
注記:
1. 低い施用量(1.18μg/cm2)であっても、C8910による行動的影響はあった。雄性及び雌性の双方の蚊は、交配及び繁殖の負の結果とともに、自発的な動作を止めた。この効果は、乳酸、カオリン-P水、又は水のみの対照では観察されなかった。
2. カオリン-P中のC8910の0.15%製剤水分散物への蚊の曝露は、10分間で、100%不能化をもたらした(2つの独立した皿)。16分の曝露後、蚊は蒸留水のみを含む新しい皿に移された。大部分の蚊は、曝露後20時間、不能化のままであった(2つの皿で83%及び100%)。
3. C8910及びDEET(N,N-ジエチル-m-トルアミド)は、双方が皮膚に適用されたときに、ネッタイシマカを撃退する同様の効力を有した。蚊を撃退するためのC8910の最小有効量(MED)は、25μg/cm2、すなわちDEETについての測定されたMED値と見積もられた。C8910は、10倍低い施用量で、蚊を不能化することができ、5倍低い施用量で死亡させることができる(47μg/cm2)。
【0049】
実施例4. C8910-カオリン-P水分散物の皮膚浸透及び蒸発試験
表2A。製剤の機能としての受容体液体中の3H-オクタン酸のインビトロ畜牛皮膚浸透。
【0050】
【表2】

【0051】
表2B。製剤の機能としての3H-オクタン酸のインビトロ畜牛皮膚蒸発。
【0052】
【表3】

【0053】
表3A。製剤の機能としての受容体液体中のC-14-デカン酸のインビトロ畜牛皮膚浸透。
【0054】
【表4】

【0055】
表3B。製剤の機能としてのC-14-デカン酸のインビトロ畜牛皮膚蒸発。
【0056】
【表5】

表4A。3H-オクタン酸に基づく、畜牛におけるC8910製剤の皮膚持続性。
【0057】
【表6】

【0058】
表4B。C-14-デカン酸に基づく、畜牛におけるC8910製剤の皮膚持続性。
【0059】
【表7】

【0060】
*同じ文字の記号を有する値は、著しく異ならない。
【0061】
実施例5. C8910/カオリン-P水分散物の噴霧試験
【0062】
透明な容器、直径7 cm、長さ10 cm、は厚み3 mm(通常1/8")のプレキシガラスチュービングで調製された。細かいメッシュの布(チーズクロス)は、両端を固定され、ピペットを介してハエの侵入を許容するために、一つの末端の中央に、直径1 cmの穴が切られた。約30匹のハエが容器に入れられるとすぐ、綿球は、穴をふさぐために用いられた。一時的に綿球を取り除いた後、試験製剤又は対照(活性のない媒剤)は、手動「引き金」式噴霧器(Ace Hardware又は等価物)で、試験あたり3回の噴霧を用いて、容器の中に噴霧された。ハエは、噴霧後すぐに、及び噴霧してから24時間後に、不能化及び死亡が観察された。
【0063】
表5。ハエ、及びゴキブリに対するC8910/カオリン-P水分散物の不能化及び毒性効果。
【0064】
【表8】

【0065】
もっとも、前述の発明は、理解することの明確な目的のための、説明及び実施例の方法により、いくらか詳細に記載してきたが、当業者はいくらかの変更及び修飾は添付の特許請求の範囲内で行われ得ることを理解するだろう。加えて、本明細書中で提供されたそれぞれの参照は、あたかもそれぞれの参照が参照により個別に組み込まれたかのように、同程度にその全体が参照により組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下:
(a)脂肪酸の混合物を含む活性成分であって、各脂肪酸は6〜12の炭素原子長の炭素直鎖を有する脂肪酸であり、ここで前記の脂肪酸の混合物は、以下
(i)6〜8の炭素原子長の炭素直鎖を有する第一の脂肪酸分子、及び
(ii)8〜12の炭素原子長の炭素直鎖を有する第二の脂肪酸分子、
を含む、活性成分;並びに
(b)昆虫、又は節足動物による活性成分の吸収を促進する担体、
を含む、昆虫又は節足動物殺虫性組成物。
【請求項2】
前記担体が、乳剤及び水和剤からなる群から選択されるメンバーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記担体が、乳剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記担体が、水和物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記担体が、有機溶媒を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記第二の脂肪酸分子が、8〜9の炭素原子長の炭素直鎖を含み、ここで前記活性成分は、
(iii)9〜12の炭素原子長の炭素直鎖を有する第三の脂肪酸分子をさらに含み、第一の脂肪酸分子、第二の脂肪酸分子、及び第三の脂肪酸分子が全て異なる、
請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記第一の脂肪酸分子が、オクタン酸を含み、第二の脂肪酸分子がノナン酸を含み、第三の脂肪酸分子がデカン酸を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
乳剤をさらに含み、前記活性成分が前記組成物の約15%重量を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
カオリン-Pをさらに含み、前記活性成分が前記組成物の約15%重量を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
前記第一の、第二の、及び第三の脂肪酸分子が、重量で約1:1:1の割合で存在する、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記第一の脂肪酸分子、前記第二の脂肪分子、及び前記第三の脂肪酸分子のそれぞれが、前記活性成分の約5%〜約95%を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記活性成分が、オクタン酸、ノナン酸、及びデカン酸を重量で約1:1:1の割合で含み;及び
前記担体が、乳剤及び水和剤からなる群から選択されるメンバーを含む、
請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
請求項1の組成物と昆虫又は節足動物を接触させることを含む、昆虫又は前記節足動物を不能化させる又は死亡させるための方法。
【請求項14】
前記昆虫又は前記節足動物が、蚊類、イエバエ類、サシバエ類、ノサシバエ類、ウマバエ類、フェイスフライ(face fly)類、アイフライ(eye fly)類、ヌカカ類、及びダニ類からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29−1】
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【図29−2】
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【公表番号】特表2012−524072(P2012−524072A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505962(P2012−505962)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/031408
【国際公開番号】WO2010/121142
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(511249121)ストラータコー,インコーポレイティド (1)
【Fターム(参考)】