説明

昇華型プリンタ装置

【課題】 本発明の目的は、印刷指定された画像がリサイズやトリミング等の画像編集履歴があり、印刷画像データを作成する時拡大処理が必要な場合、印刷対象画像群の中から元画像を検索し元画像が存在しない場合にも解像度の高い鮮明な印刷物を出力することを可能する。
【解決手段】 印刷対象画像群の中から編集履歴のある画像が印刷指定され、選択された画像の長辺のサイズが、装置固有の印刷画像データの長辺のサイズよりも小さい場合。印刷に選択された画像が含まれる印刷対象画像群の中から元画像を検索し、元画像を使って印刷処理を行うことを特徴とする昇華型プリンタ装置。検索した結果元画像が無い場合には代替の処理を行うことを特徴とし、検索した結果元画像の長辺のサイズが、装置固有の印刷画像データの長辺のサイズよりも小さい場合にも代替の処理を行うことを特徴とする昇華型プリンタ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇華型プリンタ装置に関し、特に画像編集履歴のある画像を印刷指定し、印刷データ作成時に拡大処理が入る場合に高解像度の印刷物を提供する昇華型プリンタ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、昇華型プリンタ措置で印刷データ作成時に拡大処理が必要なサイズの小さな画像が印刷指定された場合、ユーザに解像度の低い不鮮明な画像が印刷されることを表示画面等で知らせる先行技術がある。また、ユーザが印刷指定した画像の画像サイズを表示画面に表示して解像度の高い鮮明な画像を印刷したい場合には、他の画像サイズの大きいサイズの画像を印刷指定するように促すと言う先行技術がある。
【0003】
更に進んだ先行技術としては、画像フォーマットの一つであるFlashPixを上げることができる。FlashPixでは、1つのファイル内で解像度の異なる複数の画像を階層構造で管理している。その為、ディスプレイやプリンタ等の出力デバイスに依存することなく、出力デバイス毎に最適な画像を使い分けることが可能である。
【0004】
また、類似の技術として複数の画像から合成画像を作成する際に、元画像の識別子を合成画像の付帯情報として持ち、付帯情報に基づいて合成画像の元画像を検索して元画像を取得し、装置に適したパラメータで合成処理を実行する先行技術がある。
【0005】
特許文献1では、合成画像を作成する際に、元画像の識別子を合成画像の付帯情報として持ち、付帯情報に基づいて合成画像の元画像を検索して元画像を取得し表示装置の解像度に適した合成処理を実行する。
【0006】
例えば、非特許文献1では、解像度の異なる複数の画像を階層構造で管理してプリンタの性能に応じた最適な画像サイズのデータを印刷に使用することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−185764号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】イーストマン コダック社、「フラッシュピックス フォーマット スペシフィケーション」 イーストマン コダック社発行1996−1997
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の特許文献に開示された従来技術では、検索した結果、元画像が存在しない場合には、最適な処理結果をユーザーに提供できないと言う問題点があった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、印刷指定された画像がリサイズやトリミング等の画像編集された履歴があり、印刷画像データを作成する時拡大処理が必要な場合、印刷対象画像群の中から元画像を検索する。元画像が何らかの理由により存在しない場合には、代替の画像を印刷候補としてユーザーに提示することで解像度の高い鮮明な印刷物を出力することを可能にした昇華型プリンタ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、印刷対象画像群の中から編集履歴のある画像が印刷指定され、長辺のサイズが、印刷指定されている用紙サイズ、印刷モード、プリンタのDPI値で決まる装置固有の印刷画像データの長辺のサイズよりも小さい場合。印刷に選択された画像が含まれる印刷対象画像群(SD、CF、プリンタの内蔵メモリー等)の中から元画像を検索し、元画像を使って印刷処理を行うことを特徴とする昇華型プリンタ装置で、検索した結果元画像が無い場合には代替の処理を行うことを特徴とする。更に、検索した結果元画像の長辺のサイズが、装置固有の印刷画像データの長辺のサイズよりも小さい場合にも代替の処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、印刷指定された画像の元画像が無い場合にも、高解像度で鮮明な印刷物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】編集後オーバーライトした時のメモリー内の画像を説明する図。
【図2】第一実施例の処理フローを説明する図。
【図3】リサイズ後新規保存した時のメモリー内の画像を説明する図。
【図4】トリミング後新規保存した時のメモリー内の画像を説明する図。
【図5】編集後オーバーライトした時のメモリー内の画像を説明する(画像に撮影位置情報が付帯している)図。
【図6】第四実施例の処理フローを説明する図。
【図7】リサイズ後新規保存した時のメモリー内の画像を説明する(画像に撮影位置情報が付帯している)図。
【図8】トリミング後新規保存した時のメモリー内の画像を説明する(画像に撮影位置情報が付帯している)図。
【図9】検索した結果元画像の長辺のサイズが、印刷指定されている用紙サイズ、印刷モード、プリンタのDPI値で決まる装置固有の印刷画像データの長辺のサイズ(ピクセルサイズ)よりも小さい場合の処理を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
近年、デジタルカメラ等の画像撮像装置の高画素化、高画質化が著しい。デジタルカメラ等の画像撮像装置で撮影した画像を印刷するのに昇華型プリンタを代表とするコンパクトな写真印刷専用のプリンタ装置も次第に普及してきた。撮影した画像の印刷手段としては、デジタルカメラ等の画像撮像装置とプリンタ装置をUSBケーブルで接続してPictBridge等の通信規格に従って印刷を行うカメラダイレクトプリント方式。デジタルカメラ等の画像装置の二次メモリーに画像を保存し、その二次メモリをプリンター装置のカードスロットに挿入し、その二次メモリーから画像を読み出して印刷を行うカードダイレクトプリント方式が一般的である。二次メモリーとしては、SDカード、microSDカード、CFカード等様々な形式のものがある。
【0015】
一方、高画質化以外でのデジタルカメラ等の撮像装置の高機能化も進んでいる。例えば、撮影した画像のリサイズやトリミングと言った画像編集を撮像装置で行うことが可能である。
【0016】
ところで、デジタルカメラ等の撮像装置で写真を撮影する時、一般的にユーザーはその撮像装置で撮影できる最大サイズの画像サイズで撮影を行う。しかし、画像をメール添付やブログに使おうとすると撮影画像サイズのままでは大きすぎるのでリサイズの必要性が出てくる。この時、前述のデジタルカメラ等の撮像装置で手軽にリサイズが行えるので便利である。
【0017】
反面、一つの二次メモリーの中に構図は同じだが、画像サイズの異なる画像が複数枚できてしまい、撮像装置や昇華型プリンタの表示画面で見た時に画像の判別ができなく、印刷時に画像サイズの小さい画像を選択してしまうことがある。その結果印刷物が低解像度の不鮮明な画像になってしまうと言う問題点が出てきた。
【0018】
そこで、上記問題点を解決する為に、撮像装置等によるリサイズやトリミングで画像サイズが小さくなった画像を印刷する場合、元画像を印刷対象画像群の中から検索し、元画像を印刷することで解像度の高い鮮明な画像を印刷することが行われている。
【0019】
しかし、元画像が存在しない場合には上記手法は取れないと言う問題点が更に出てきた。
【0020】
そこで本実施例では、元画像が存在しない場合には代替の処理を行うことで解像度の高い鮮明な画像を印刷することを可能にする。
【0021】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
以下、本発明の第1の実施例による、元画像が存在しない場合の代替処理について説明する。
【0023】
実施例1は、デジタルカメラ等の撮像装置でリサイズ等の画像編集を行い、その結果を元画像にオーバーライトし元画像が存在しない場合の代替処理である。
【0024】
図1は、上記状況のメモリーカード内を表した図である。デジタルカメラの使い方としてメモリーに余裕があれば何枚も写真を撮影するのが一般的である。その為、メモリーの中には構図が似た画像が何枚も連続する確率が高い。例えば図1は、B1画像が印刷指定された場合、デジタルカメラ内でリサイズ処理されその結果をオーバーライトしたので元画像が存在しないケースである。ファイル番号が連続しているB1画像の前後のA1画像、C1画像がB1画像に似た構図である可能性が高い。従って、A1画像、C1画像を印刷候補として表示し、ユーザーに印刷するかどうかを決定してもらうことで、最初に印刷指定した画像に近い構図の画像を解像度の高い鮮明な状態で印刷することが可能である。
【0025】
図2のフローチャートを使って本実施例の処理手順を説明する。まず、ユーザによって印刷したい画像が選択される101。選択された画像がリサイズ、トリミング等の編集履歴があるかを判定する102。判定には、メタ情報等の付帯情報を元に行う。編集履歴がなければ、そのまま印刷を実行する109。編集履歴があれば、画像サイズ判定103に進む。画像サイズ判定では、印刷指定された画像の長辺のピクセルサイズとプリンタ装置の解像度(DPI)と印刷用紙サイズ、印刷パターンで決まるプリンタ装置固有の印刷画像データの長辺のピクセルサイズとを比較する。印刷指定された画像の長辺のピクセルサイズの方が大きい場合には、印刷を実行する109。印刷指定された画像の長辺のピクセルサイズの方が小さい場合には、印刷指定された画像の元画像を検索する104。元画像の有り無しを判定105し、元画像がある場合には、印刷を実行する109。無い場合には、印刷指定された前後の画像を印刷候補として表示する106。印刷候補として表示されたが画像の中からユーザが印刷するかどうかを選択する107。ユーザが印刷を選択したら印刷を実行する。
【実施例2】
【0026】
以下、本発明の第2の実施例による、元画像が存在しない場合の代替処理について説明する。
【0027】
実施例2は、デジタルカメラ等の撮像装置でリサイズの画像編集を行い、その結果を新規保存したが何らかの原因で元画像が存在しない場合の代替処理である。
【0028】
図3は、上記状況のメモリーカード内を表した図である。デジタルカメラの使い方としてメモリーに余裕があれば何枚も写真を撮影するのが一般的である。その為、メモリーの中には構図が似た画像が何枚も連続する確率が高い。例えば図3に示すようにI2画像が印刷指定された場合、デジタルカメラ内でリサイズ処理されその結果を新規保存した場合、通常その元画像B2はメモリーカード内に残っている。なんらかの原因で元画像B2を消去してしまい、元画像B2がメモリーカードに残っていない場合を表したのが図3である。B2画像の前後のA2画像、C2画像がB2画像に似た構図である可能性が高い。従って、A2画像、C2画像を印刷候補として表示し、ユーザーに印刷するかどうかを決定してもらうことで、最初に印刷指定した画像に近い構図の画像を解像度の高い鮮明な状態で印刷することが可能である。
【0029】
するかどうかを決定してもらうことで、最初に印刷指定した画像に近い構図の画像を解像度の高い鮮明な状態で印刷することが可能である。
【0030】
本実施例の処理手順は、実施例1と同一のフローで説明できるので省略する。
【実施例3】
【0031】
以下、本発明の第3の実施例による、元画像が存在しない場合の代替処理について説明する。
【0032】
実施例3は、デジタルカメラ等の撮像装置でトリミングの画像編集を行い、その結果を新規保存したが何らかの原因で元画像が存在しない場合の代替処理である。
【0033】
図4は、上記状況のメモリーカード内を表した図である。デジタルカメラの使い方としてメモリーに余裕があれば何枚も写真を撮影するのが一般的である。その為、メモリーの中には構図が似た画像が何枚も連続する確率が高い。例えば図4に示すようにI3画像が印刷指定された場合、デジタルカメラ内でトリミング処理されその結果を新規保存した場合、通常その元画像B3はメモリーカード内に残っている。なんらかの原因で元画像B3を消去してしまい、元画像B3がメモリーカードに残っていない場合を表したのが図4である。B3画像の前後のA3画像、C3画像がB3画像に似た構図である可能性が高い。
【0034】
そこで、A3画像、C3画像にトリミング枠を設定して印刷候補として表示し、ユーザーに印刷するかどうかを決定してもらうことで、最初に印刷指定した画像に近い構図の画像を解像度の高い鮮明な状態で印刷することが可能である。
【0035】
本実施例の処理手順は、実施例1と同一のフローで説明できるので省略する。
【実施例4】
【0036】
以下、本発明の第4の実施例による、元画像が存在しない場合の代替処理について説明する。
【0037】
実施例4は、デジタルカメラ等の撮像装置でリサイズ等の画像編集を行い、その結果を元画像にオーバーライトし元画像が存在しない場合の代替処理である。実施例1と元画像が存在しない状況は同じであるが、実施例4の画像は撮影時の位置情報を付帯情報として持っている点が異なる。
【0038】
図5は、上記状況のメモリーカード内を表した図である。デジタルカメラの使い方としてメモリーに余裕があれば何枚も写真を撮影するのが一般的である。その為、メモリーの中には構図が似た画像が何枚も連続する確率が高い。例えば図5に示すようにB4画像が印刷指定された場合、デジタルカメラ内でリサイズ処理されその結果をオーバーライトしたので元画像が存在しないケースである。画像ファイル番号が連続しているB4画像の前後のA4画像とC4画像の撮影位置情報を比較しその値が同一であればB4画像も同一の場所で撮影された可能性が高く、従ってA4画像、C4画像がB4画像に似た構図である可能性が高い。従って、A4画像、C4画像を印刷候補として表示し、ユーザーに印刷するかどうかを決定してもらうことで、最初に印刷指定した画像に近い構図の画像を解像度の高い鮮明な状態で印刷することが可能である。
【0039】
図6のフローチャートを使って本実施例の処理手順を説明する。まず、ユーザによって印刷したい画像が選択される201。選択された画像がリサイズ、トリミング等の編集履歴があるかを判定する202。判定には、メタ情報等の付帯情報を元に行う。編集履歴がなければ、そのまま印刷を実行する210。編集履歴があれば、画像サイズ判定203に進む。画像サイズ判定では、印刷指定された画像の長辺のピクセルサイズとプリンタ装置の解像度(DPI)と印刷用紙サイズ、印刷パターンで決まるプリンタ装置固有の印刷画像データの長辺のピクセルサイズと比較する。印刷指定された画像の長辺のピクセルサイズの方が大きい場合には、印刷を実行する210。印刷指定された画像の長辺のピクセルサイズの方が小さい場合には、印刷指定された画像の元画像を検索する204。元画像の有り無しを判定205し、元画像がある場合には、印刷を実行する210。元画像がない場合には、印刷指定された画像の前後のファイル番号の画像の撮影位置情報を比較する206。撮影位置情報が同一の場合には、前後の画像を印刷候補画像として表示する207。印刷候補として表示されたが画像の中からユーザが印刷するかどうかを選択する208。ユーザが印刷を選択したら印刷を実行する210。撮影位置情報が異なる場合には、最初に印刷指定した画像を印刷するかをユーザーに確認する209。Yesの場合は印刷を実行する210。Noの場合は印刷を中止する211。
【実施例5】
【0040】
以下、本発明の第5の実施例による、元画像が存在しない場合の代替処理について説明する。
【0041】
実施例5は、デジタルカメラ等の撮像装置でリサイズの画像編集を行い、その結果を新規保存したが何らかの原因で元画像が存在しない場合の代替処理である。実施例2と元画像が存在しない状況は同じであるが、実施例5の画像は撮影時の位置情報を付帯情報として持っている点が異なる。
【0042】
図7は、上記状況のメモリーカード内を表した図である。デジタルカメラの使い方としてメモリーに余裕があれば何枚も写真を撮影するのが一般的である。その為、メモリーの中には構図が似た画像が何枚も連続する確率が高い。例えば図7に示すようにI5画像が印刷指定された場合、デジタルカメラ内でリサイズ処理されその結果を新規保存した場合、通常その元画像B5はメモリーカード内に残っている。なんらかの原因で元画像B5を消去してしまい、元画像B5がメモリーカードに残っていない場合を表したのが図7である。画像ファイル番号が連続しているB5画像の前後のA5画像とC5画像の撮影位置情報を比較しその値が同一であればB5画像も同一の場所で撮影された可能性が高く、従ってA5画像、C5画像がB5画像に似た構図である可能性が高い。従って、A5画像、C5画像を印刷候補として表示し、ユーザーに印刷するかどうかを決定してもらうことで、最初に印刷指定した画像に近い構図の画像を解像度の高い鮮明な状態で印刷することが可能である。
【0043】
本実施例の処理手順は、実施例4と同一のフローで説明できるので省略する。
【実施例6】
【0044】
以下、本発明の第6の実施例による、元画像が存在しない場合の代替処理について説明する。
【0045】
実施例6は、デジタルカメラ等の撮像装置でトリミングの画像編集を行い、その結果を新規保存したが何らかの原因で元画像が存在しない場合の代替処理である。
【0046】
図8は、上記状況のメモリーカード内を表した図である。デジタルカメラの使い方としてメモリーに余裕があれば何枚も写真を撮影するのが一般的である。その為、メモリーの中には構図が似た画像が何枚も連続する確率が高い。例えば図8に示すようにI6画像が印刷指定された場合、デジタルカメラ内でトリミング処理されその結果を新規保存した場合、通常その元画像B6はメモリーカード内に残っている。なんらかの原因で元画像B6を消去してしまい、元画像B6がメモリーカードに残っていない場合を表したのが図8である。画像ファイル番号が連続しているB6画像の前後のA6画像とC6画像の撮影位置情報を比較しその値が同一であればB6画像も同一の場所で撮影された可能性が高く、従ってA6画像、C6画像がB6画像に似た構図である可能性が高い。
【0047】
そこで、A6画像、C6画像にトリミング枠を設定して印刷候補として表示し、ユーザーに印刷するかどうかを決定してもらうことで、最初に印刷指定した画像に近い構図の画像を解像度の高い鮮明な状態で印刷することが可能である。
【0048】
本実施例の処理手順は、実施例1と同一のフローで説明できるので省略する。
【実施例7】
【0049】
以下、本発明の第7の実施例による、元画像が存在しない場合の代替処理について説明する。
【0050】
実施例7は、デジタルカメラ等の撮像装置でリサイズ、トリミングの画像編集を行い、その結果を新規保存したが何らかの原因で元画像が存在しなく、元画像が連写画像群の一部である場合の代替処理である。
【0051】
この場合は、連写画像群の画像を印刷候補としてユーザーに提示し、ユーザーに印刷するかどうかを決定してもらうことで、最初に印刷指定した画像に近い構図の画像を解像度の高い鮮明な状態で印刷することが可能である。
【実施例8】
【0052】
以下、本発明の第8の実施例による、元画像が存在したが、検索した結果元画像の長辺のサイズが、印刷指定されている用紙サイズ、印刷モード、プリンタのDPI値で決まる装置固有の印刷画像データの長辺のサイズよりも小さい時の代替処理について説明する。
【0053】
実施例8は、デジタルカメラ等の撮像装置でリサイズの画像編集を行い、その結果を新規保存したが何らかの原因で元画像が存在しない場合の代替処理である。
【0054】
図9は、上記状況のメモリーカード内を表した図である。デジタルカメラの使い方としてメモリーに余裕があれば何枚も写真を撮影するのが一般的である。その為、メモリーの中には構図が似た画像が何枚も連続する確率が高い。例えば図9に示すようにI7画像が印刷指定された場合、デジタルカメラ内でリサイズ処理されその結果を新規保存した場合、通常その元画像B7はメモリーカード内に残っている。しかし、元画像の長辺のサイズが、印刷指定されている用紙サイズ、印刷モード、プリンタのDPI値で決まる装置固有の印刷画像データの長辺のサイズよりも小さい場合には、昇華型プリンタ装置の性能を充分発揮して、鮮明な画像を出力することができない。そのような場合には、図9に示すように、昇華型プリンタ装置の表示画面に印刷結果の予想画像をシミュレートして表示する。更に印刷指定した画像よりもこの画像の方が鮮明に印刷できるが、プリンタ性能を充分に発揮できず表示のような印刷結果になるが、それでも印刷するかをユーザーに確認してから印刷を実行する。
【0055】
その結果、ユーザーが納得した形で印刷物を提供することが可能である。
【0056】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0057】
101 印刷画像選択処理
102 印刷履歴判定処理
103 画像サイズ判定処理
104 元画像検索処理
105 元画像有り無し判定処理
106 印刷候補表示処理
107 印刷画像再選択処理
108 印刷処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷対象画像群(CF、SD、プリンタの内部メモリ)の中から編集履歴のある画像が印刷指定され、選択された画像の長辺のサイズ(ピクセルサイズ)が、印刷指定されている用紙サイズ、印刷モード、プリンタのDPI値で決まる装置固有の印刷画像データの長辺のサイズ(ピクセルサイズ)よりも小さい時、印刷に選択された画像が含まれる印刷対象画像群(SD、CF、プリンタの内蔵メモリー等)の中から元画像を検索し、元画像を使って印刷処理を行う昇華型プリンタ装置であって、検索した結果元画像が無い場合には代替の処理を行うことを特徴とし、検索した結果元画像の長辺のサイズが、装置固有の印刷画像データの長辺のサイズよりも小さい場合にも代替の処理を行うことを特徴とする昇華型プリンタ装置。
【請求項2】
請求項1記載の昇華型プリンタ装置であって、元画像の検索は画像のファイル番号を基に行い、印刷指定された画像が元画像を編集した後、上書き保存された画像の場合、印刷指定された画像の前後のファイル番号の画像を印刷候補としてユーザーに提示し、ユーザーの選択結果に応じて印刷処理を行う昇華型プリンタ装置。
【請求項3】
請求項1記載の昇華型プリンタ装置であって、元画像の検索は画像のファイル番号を基に行い、印刷指定された画像が元画像をリサイズした後、新規保存された画像で検索した結果元画像が無い場合、元画像の前後のファイル番号の画像を印刷候補としてユーザーに提示し、ユーザーの選択結果に応じて印刷処理を行う昇華型プリンタ装置。
【請求項4】
請求項1記載の昇華型プリンタ装置であって、元画像の検索は画像のファイル番号を基に行い、印刷指定された画像が元画像をトリミングした後、新規保存された画像で検索した結果元画像が無い場合、元画像の前後のファイル番号の画像にトリミング枠を設定して印刷候補としてユーザーに提示し、ユーザーの選択結果に応じて印刷処理を行う昇華型プリンタ装置。
【請求項5】
請求項1記載の昇華型プリンタ装置であって、元画像の検索は画像のファイル番号を基に行い、印刷指定された画像が元画像を編集した後、上書き保存された画像の場合、印刷指定された画像の前後画像の撮影位置情報から、元画像の撮影位置情報を予測し、予測した位置情報と同じ撮影位置情報の画像を印刷候補としてユーザーに提示し、ユーザーの選択結果に応じて印刷処理を行う昇華型プリンタ装置。
【請求項6】
請求項1記載の昇華型プリンタ装置であって、元画像の検索は画像のファイル番号を基に行い、印刷指定された画像が元画像をリサイズした後、新規保存された画像で検索した結果元画像が無い場合、元画像の前後画像の撮影位置情報から、元画像の撮影位置情報を予測し、予測した位置情報と同じ撮影位置情報の画像を印刷候補としてユーザーに提示し、ユーザーの選択結果に応じて印刷処理を行う昇華型プリンタ装置。
【請求項7】
請求項1記載の昇華型プリンタ装置であって、元画像の検索は画像のファイル番号を基に行い、印刷指定された画像が元画像をトリミングした後、新規保存された画像で検索した結果元画像が無い場合、元画像の前後画像の撮影位置情報から、元画像の撮影位置情報を予測し、予測した位置情報と同じ撮影位置情報の画像にトリミング枠を設定して印刷候補としてユーザーに提示し、ユーザーの選択結果に応じて印刷処理を行う昇華型プリンタ装置。
【請求項8】
請求項1記載の昇華型プリンタ装置であって、元画像の検索は画像のファイル番号を基に行い、印刷指定された画像が元画像をリサイズした後、新規保存された画像で検索した結果元画像が無い場合、元画像の前後のファイル番号の画像から元画像が連写画像群の一部である場合には、連写画像群の画像を印刷候補としてユーザーに提示し、ユーザーの選択結果に応じて印刷処理を行う昇華型プリンタ装置。
【請求項9】
請求項1記載の昇華型プリンタ装置であって、検察した元画像に編集履歴が無く検索した元画像の長辺のピクセルサイズが装置固有の印刷画像データの長辺のピクセルサイズよりも小さい場合、最初に印刷指定した画像よりは高解像度の印刷が可能だが、プリンターの性能が充分発揮できない画像サイズであることを明示的に示し、印刷結果をシミュレートした画像を昇華型プリンタ装置の表示画面に表示し、印刷するかしないかの選択をユーザーに促すことを特徴とする昇華型プリンタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−109372(P2011−109372A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261778(P2009−261778)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】