説明

昇降体及び中床昇降装置

【課題】景品取得ゲーム装置において、景品展示室の底面にジャッキを配置し、上げ底の中板を載せて、景品展示室を高さ調整可能な昇降体及び中床昇降装置を提供する。
【解決手段】
内部に雌ネジ14aを有すると共に該雌ネジ14aの軸方向に連接する略透明で該雌ネジ14aの反対側に第1の装着部12を有する筒体11と、
前記雌ネジ14aに螺合して前記雌ネジ14aの軸方向に出入り可能で、前記雌ネジ14aから露出する端部に第2の装着部21を設けた雄ネジを有するスクリュー体20とを備えた昇降体10としてあり、さらに中床の取付部に前記昇降体10の装着部21を取付けて昇降する中床昇降装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品取得ゲーム装置等において、景品展示室の底面にジャッキを配置し、上げ底の中板を載せて、景品展示室を高さ調整可能な展示床を昇降する昇降体及びその中床昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からアミューズメントセンターで使用されるクレーンゲーム機では、中に景品を入れて営業に供する際に、景品展示室の床面にサイコロ形状の立方体を高さ方向に一つあるいは積重ねて配して、その上に景品展示室の床面に対応する形状のアクリルの中板を配して、上げ底にして、景品落下口までの壁面との高さを少なくし、景品の掴み方が中途半端でも景品落下口の壁面を乗り越えられようにして、より景品を取りやすくして、顧客に景品取得の期待感を高めることが行われている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
一方、ショーケースの展示台を昇降させる展示装置として、展示台をパンタグラフ機構により操作スイッチにより昇降する展示装置が開示されている(例えば特許文献2参照。)。
また、劇場等の昇降床を駆動する床昇降装置において、複数のネジジャッキで昇降床を支持し、各ネジジャッキにスプロケットを設け、チェーンで連結して、各ネジジャッキを同期してモータ駆動で昇降させる昇降床装置が開示されている(例えば特許文献3参照。)。
【0004】
【特許文献1】意匠登録第506598号公報
【特許文献1】特開平11−155706号公報
【特許文献2】特開平09−268784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、立方体の高さ単位でしか中床の高さが変更できず、途中の高さにすることはできなかった。
特許文献2では、閉店時に展示品を保管部に収納する防盗性を備えた展示装置であり、展示台はパンタグラフ機構により保管部に電動で下降して収納される構造であり、複雑であると言わざるを得ない。
また、特許文献3では、ストロークの短い昇降床に適し、水平を保ちつつネジジャッキで床フレームを安定的に昇降させるのであるが、各ネジジャッキにスプロケットを設け、チャーン駆動で同期駆動する構造であり、やはり構造が複雑にならざるを得ないのである。
【0006】
そこで、本願は、商品展示室の床面の高さを短時間で簡単な構造で高さ調整ができる上げ底ジャッキ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明では上記課題を解決すべく、内部に雌ネジを有すると共に該雌ネジの軸方向に連接する略透明で該雌ネジの反対側にベース体である第1の装着部を有する筒体と、
前記雌ネジに螺合して前記雌ネジの軸方向に出入り可能で、前記雌ネジから露出する端部に頭部である第2の装着部を設けた雄ネジを有するスクリュー体と、
を備え昇降体としてある。
【0008】
上記発明により、略透明で例えば円筒である筒体の端にある雌ネジに螺合するスクリュー体を外部から視認しながら、昇降させることができ、目標の高さを容易に見極めることができる昇降体となっているのである。
【0009】
さらに本願発明では上記課題を解決すべく、内部に雌ネジを有すると共に該雌ネジの軸方向に連接する略透明で内径が前記雌ネジの谷の径より大で該雌ネジの反対側にベース体第1の装着部を有する筒体と、
前記雌ネジに螺合して前記雌ネジの軸方向に出入り可能で、前記雌ネジから露出する端部に頭部である第2の装着部を設けた雄ネジを有するスクリュー体と、
を備えた昇降体としてある。
【0010】
上記発明により、雌ネジに連接する略透明で該雌ネジの谷の径より大の内径を有する筒体に螺合する好くシュー体を筒体の外部から視認しながら昇降させることができ、この際に略透明な雌ネジの谷の径より大の内径を有する筒体の内壁にはスクリュー体が昇降時に摺れることなく、透明性保たれ、目標の高さを容易に見極められるのである。
【0011】
さらに本願発明では、上記課題を解決すべく、内部に雌ネジを有する略透明素材で構成され一端面にベース体である第1の装着部を有する筒体と、
前記雌ネジに螺合して前記雌ネジの軸方向に出入り可能で、前記雌ネジから露出する端部に頭部である第2の装着部を設けた雄ネジを有するスクリュー体と、
を備えた昇降体としてある。
【0012】
上記発明により、略透明素材で構成された筒体の雌ネジに螺合するスクリュー体が視認できるので、昇降の際の目標の高さを容易に確認することができる。
【0013】
さらに尚、本願発明では、上記課題を解決すべく、内部に雌ネジを有し、前記雌ネジの一部が軸方向に切欠した少なくとも一条の溝を有する略透明素材で構成され一端面にベース体である第1の装着部を有する筒体と、
前記雌ネジに螺合して前記雌ネジの軸方向に出入り可能で、前記雌ネジから露出する端部に頭部である第2の装着部を設けた雄ネジを有するスクリュー体と、
を備えた昇降体としてある。
【0014】
上記発明により、雌ネジが切られた筒体の内壁に該雌ネジが切欠した少なくとも一条の溝があるので、該溝部分は透明性が高まり、外部から内部のスクリュー体をよく視認することができる。
【0015】
さらに尚、本願発明では、上述したいずれかの発明において、雌ネジの軸心線上の第1または第2の装着部の外面にマイナスやプラス溝等のネジ溝を有する昇降体としてある。
【0016】
上記発明により、昇降操作を行なう際に、装着部のネジ溝にドライバーを用いて回すことにより昇降させることが可能となる。
【0017】
さらに尚、本願発明では上記課題を解決するために、上述したいずれかの発明において、雌ネジの軸線上の第1または第2の装着部の外面にマイナスやプラス溝等のネジ溝を有する突出部を設けた昇降体としてある。
【0018】
上記発明により、昇降操作を行なう際に、装着部を昇降させる物体にあてがい、突出部に設けたネジ溝にドライバーをあてがい回すことにより昇降沿うアを行うことが可能となる。
【0019】
さらに尚本発明では上記課題を解決すべく、上述したいずれかの発明において、筒体には軸方向に沿って目盛を付したマーカーを設けた昇降体としてある。
【0020】
上記発明により、筒体の軸方昇降操作を行なう際に、筒体の例えば内側や外側に軸方向に沿って目盛を付したマーカーと設けてあるので、筒体を透過して見える筒体内部のスクリュー体の端部とマーカーを比較することで、スクリュー体の昇降高さが視認することができ、昇降操作時の目安とすることができ、高さ調整が容易に行うことが可能となる。
【0021】
さらに本願発明では上記課題を解決するべく、上述した1乃至6の何れかの発明において、さらに平面体を略水平に保つ位置に取付部を有する中床と、第1または第2の装着部を前記取付部に取付けた昇降体と、
を備えた中床昇降装置としてある。
【0022】
上記発明により、昇降体の第1の装着部と第2の装着部の距離を任意に設定し、中床の取付部に第1または第2のネジ溝を有する装着部を取付けることで、中床の高さを変更することができる。
【0023】
さらに本願発明では、上記課題を解決するべく、上述した1乃至6の何れかの発明において、さらに平面体を略水平に保つ適宜間隔を有して設けた複数の開口を有する中床と、ネジ溝を有する第1または第2の装着部を前記開口に装着した複数の昇降体と、を有する中床昇降装置としてある。
【0024】
上記発明により、昇降体の第1または第2のネジ溝を有する装着部を中床の開口の下側から装着することで、開口の上部からドライバーで前記ネジ溝を回すことで、中床の高さを昇降させることができるのである。その際に、各開口の昇降体の高さは、略透明の筒体の内部のスクリュー体を視認しながら高さ調整を行うことができ、中床を水平位置にしたり、傾斜させたりと任意に設定できるのである。
【0025】
さらに本願発明では、上記課題を解決するべく、上述した第8の発明において、取付部は中床の下面に設け、該取付部から中床の下面に放射状に梁体を設け中床の下面を保持する中床昇降装置としてある。
【0026】
上記発明により、中床は一つの昇降体であるジャッキで高さ調整が可能となり、中床の裏側に放射状に掛け渡した梁体により、物品を中床に載置した場合の荷重を梁で支えることができ、中床が撓むことを防止できるのである。
【発明の効果】
【0027】
本願は特に昇降ストロークの短い昇降床に適し、構造が簡単で安価に製造可能であり、展示する景品の大きさが変わっても、簡単に中床の高さ調整が可能となるのである。特に中床を水平に昇降させる際の目安があるので、中床が傾いて調整するようなことを防ぐことができ、しかも簡単な構造の展示室の上げ底昇降装置となっている。これにより、短時間で景品取得の難易度調整ができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る上げ底昇降装置の実施形態を図面に示した実施例を参照して詳細に説明する。本実施では昇降体としてスクリュー式のジャッキ機構を基に説明する。
【実施例1】
【0029】
本願実施例を図面に基づき詳細に説明する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、実施形態では景品取得ゲーム装置の景品展示室の床面を昇降させる上げ底昇降装置について説明するが、本発明は景品取得ゲーム装置に限らず、同様な機能を必要とする商品展示台であれば本発明の適用を受ける。
【0030】
図1は、本願に係る景品取得ゲーム装置の外観の構成を示す斜視図である。図2は、景品取得ゲーム装置に設置した中床を支えるジャッキを示した斜視図である。図3はジャッキの断面図を示している。
【0031】
景品取得ゲーム装置100には、直方体の基台1の上に箱型の景品展示室2が設けられている。一方、基台1の手前側には、プレーヤがプレイするための操作卓3が設けられている。この操作卓2には、景品展示室2の内部上方から吊り下げられた左右2つの各クレーン部4を操作する操作スイッチ3a、3bが操作卓3の左右にそれぞれ設けられ、それぞれ左右のクレーン部3を操作する。クレーン部4は、内部上面から鉛直方向に吊り下げられた伸縮パイプからなる支持部4aと、その下端に設けられた把持部4bとから構成されている。
【0032】
各操作スイッチ3a、3bは、クレーン部4を横方向の所定の位置に停止させるための操作スイッチ3aと、操作スイッチ3aにより横方向の所定の位置が決定されたクレーン部3を、縦方向の所定の位置に停止させるための操作スイッチ3bとからなる。また、操作卓3には、プレイの際にプレーヤがコインを投入するコイン投入口3cが左右に設けられている。さらに、基台1の下方左右には、景品の取出口5が設けられている。
これらにより、景品取得ゲーム装置100は、正面からみて左右に分かれており、左右それぞれ独立して操作することができる。
【0033】
景品展示室2の前面2a及び側面2b、2cは、透明な硬質樹脂またはガラスの板状部材によって構成されている。また、景品展示室2の背面2dは、板状部材から構成されている。
景品展示室2の底面6の左右手前にはそれぞれ、景品Pを受けるための景品投入部7が景品展示室の床面6から所定高さの壁面7aで遮られている。
このような景品展示室2には、景品8としての縫いぐるみ8aや、景品が入った箱8bが多数展示されている。
【0034】
ここで、床面6の左右を分割して、幅80cm、奥行き69cm方形板を景品投入部の壁面7aにあわせて切欠いた形状より一回り小さい面積を有する厚さ5mm程の透光性のアクリル板が中床として用いられ、床面6と中床6の間に複数のジャッキ10が設置されている。
中床9は図2に示す通り、景品展示室の床面6に中床の荷重を支持すべく、適切な位置に設置された4ケのジャッキ10の位置に対応して径1cm程の穴9aが4ヶ所開口している。適切な位置とは例えば後方2ヶ所、前方2箇所である。
【0035】
図3はジャッキの断面図であり、図3(A)はジャッキを縮めた断面図であり、図3(B)はジャッキを伸ばした断面図を示している。
ジャッキ10は縮めた高さが15cm程で、アクリル樹脂等の透明あるいは透光性のある硬質樹脂の円筒体11の下側に該円筒体11を支える径が5cmで厚さ1cmの円盤状のベース体12を有しており、昇降体20が該円筒体11に螺着されている。
【0036】
円筒体11の上面の出入口13と連なる下方へ延びる孔部14には、上方側に雌ネジ14aが切ってある。
そして円筒体の孔部14の雌ネジ14aの下方側は、雌ネジ14aの谷の径より径が広くなった広径部14bとなっている。これにより、雌ネジ14aに螺合する昇降体20に設けた雄ネジ20aが円筒体11の内壁に触れることがない。
円筒体11の広径部14bの側面の縦方向に目盛15を設けてマーカーとしてある。
【0037】
そして、出入口13には、単三乾電池形状で側面に雄ネジ20aを切った昇降体20が螺装され、単三乾電池のプラス極に相当する頭部21は径が9ミリで、高さ5ミリほどで中央には2ミリ幅のマイナス溝であるネジ溝22を有している。このネジ溝22はプラス溝や、特殊形状のネジ溝でもよう、昇降体20が回転する際の軸心線上にあればよい。
昇降体20の頭部21の裾部23のドーナツ状の面は、テフロンしーとやフェルト等の滑りやすい材質のリング状のシール24が貼ってあれば、中床の底部に当接して高さ調整させ際の回転時に滑り、尚さら好都合である。
【0038】
景品には様々な大きさがあるが、景品投入部の7の壁面7aの高さは一定であるため、クレーン部の把持部3bでわずかに掴んだ景品8では引きずるようにして中床9を移動して景品投入7部に差し掛かるが、この際に景品投入部7の壁面7aを乗り越えられず、景品を取得するのが難しくなるので、中床9を適切な高さにすることで、こうした場合でも景品8が壁面7aを乗り越えて景品投入部7に投入されるようにする必要がある。
【0039】
ジャッキ10は、景品展示室の床面6の適切な位置に複数設置し、中央で左右に分割されている中床9のそれぞれを支持して中床9を適切な高さに合わせる。
そのために予めジャッキの高さを昇降体の螺子を回してある程度高さをあわせておき、中床の穴9aに対応する景品展示室の床面6にジャッキ10をそれぞれ載置した後に、各ジャッキの頭部に中床の各穴に嵌まるように静かに中床を置く。これにより、ジャッキ10の昇降体の頭部21は中床の穴9aに入り、頭部21の下側の裾部23は中床の穴9aのした縁に当接し、中床9の荷重を昇降体20に掛け、昇降体20はベース体14に螺装されており、ベース体14が床面6に接し、中床9を支持する。
【0040】
あるいは、ジャッキ10のスクリュー体を雌ネジの内側に入れておき、雌ネジの外端の端面に沿ってリング状の両面テープを貼り付けておき、中床の穴9aに両面テープの剥離紙を剥がして、突出部を開口に挿入させて、必要な数のジャッキ10を同様に中床9に両面テープの粘着力で仮留する。
必要な数のジャッキ10が中床の穴9aに仮止めされたなら、円筒体11のベース体14の裏側に設けた両面テープの剥離紙を剥がし、複数のジャッキ10が仮止めされた中床を設置する床面に載置して固定した後、中床の開口の上方からドライバーをネジ溝に差し込んで回し、スクリュー体を昇降させる。この際に円筒体11の内部が透過して視認することができ、高さ調整の目安とする。
【0041】
上記のように中床9の穴9aのそれぞれにジャッキ10の頭部12を嵌めることで、中床9は床面6に略水平にジャッキ10に載置される。このあと、中床の穴9aの上側からマイナスのドライバーを差し入れて、ジャッキの昇降体20の頭部のマイナス溝に嵌めて、昇降体20を回して高さの微調整をする。この際にジャッキの円筒体の広径部14bでは、昇降体の雄ネジ20aが触れることなく回転し、円筒体の材質が透明あるいは透光性の硬質樹脂であることにより、円筒体の内部にある昇降体の雄ネジ20aを視認することができる。ここで、円筒体の広径部14bの側面目盛15となるマーカーを設けておくことで、昇降体20の下端の位置と比較することで、昇降体20の昇降位置が確認できるのである。
これにより、複数のジャッキの高さを調整する際に、中床9を当初の目標高さ位置で略水平に位置させたり、ある程度の傾斜をつけることが可能となる。
【0042】
さらに中床の高さを変更するには、景品をある程度取り外したのち、中床の穴9aにドライバーを差し入れて、と昇降体の頭部の螺子溝に嵌めて、調整方向にドライバーを回す。この場合に、少しずつ昇降体20を上げ、あるいは下げて、各ジャッキの昇降体20をそれぞれ回して、高さ調整をするのである。
この際に中床の開口にジャッキの頭部の突出部が遊嵌して回転するので、ジャッキの突出部が開口からずれることがなく、頭部の周囲の裾部23で中床の開口の下縁を受けながら回転する。
【0043】
ジャッキの頭部に突出部を設けず、頭部の軸心部にネジ溝のみがある場合では、中床の開口を下側がジャッキの頭部の径よりやや大きい径で開口の中央部がネジ溝を回すことができる程度の小さい径のある開口とすることで、ジャッキの頭部を下側の大径の開口に摺接させて中床を保持して、中床の上部の小径の開口側からドライバーでジャッキの頭部のネジ溝を回してジャッキを昇降させるのである。
【0044】
なお、ジャッキ自体が透明あるいは多少色のついた透光性の硬質樹脂でできているので、昇降体20の底部の位置が円筒体の広径部14b部分で透けて見え、ジャッキ10の側面に付した目盛13を見ながら高さをあわせることで、目標の高さ位置にあわせることができる。
勿論、目盛はなくとも雌ネジ14aの下側にある昇降体の雄ネジの長さやネジ山を数えることで、昇降体の長さが分かる。円筒体は透明あるいは透光性素材で出来ていても雌ネジ14aはネジを切っているので、透けて見えず、広径部14bの部分が透けて円筒体の内部を視通すことが可能となっている。
【実施例2】
【0045】
さらに図4には目標位置がより分かりやすくしたジャッキの部分斜視図を示す。このジャッキ30は実施例1と同一であり、以下の説明では違う部分について説明する。
ジャッキ30は透明あるいは透光性の硬質樹脂で成形されており、円筒体31とスクリュー体35から構成されている。
円筒体31の内部の雌ネジ部32が一部縦方向に沿って切欠した一条の縦溝面33に適宜間隔で目盛となるマーカー34が付されている。この縦溝面は透明あるいは透光性にしておき、円筒体の外部から内部を視認することができる。
スクリュー体35の雄ネジ部36の下端のネジ山下端46aから多少ネジ山を辿ってきた箇所に下向きに突起37が設けてある。この場合突起37は雄ネジが一回転近くにするまでに存在する。ここで、縦溝面33は透明あるいは透光性を保ち、外部から内側が透けてみえ、スクリュー体35の雄ネジ部36が触れることがない。
【0046】
従って、このスクリュー体35を円筒体31に螺挿すると、昇降体の螺子山の下端36aが円筒体41雌ネジに螺合して螺合して螺挿される。この際に、雄ネジの突起37により、雌ネジ32の下端に圧力が加わるが、雌ネジの下側には雄ネジ部36が存在しないので、多少は弾性変形しながらスクリュー体35を螺挿することができ、円筒体の内部の雌ネジがない縦溝面33に突起37がくると、突起47により雌ネジ32に下方に加わっていた圧力が開放され、ドライバーの回し力が軽くなり、クリック感が生じ、さらに昇降体35を回すと、突起37は次の雌ネジ部32に嵌り、再度、雌ネジのネジ山を下方に押圧しながら螺合しながら回る。
【0047】
これにより、スクリュー体35は、縦溝面33に突起37がさしかかる度に軽くなり、クリック感を生じ、これでスクリュー体35を何回、回したかが手にクリック感として伝わり、ジャッキの高さ調整の目安となる。
さらに、円筒体31の雌ネジ部32に設けた縦溝面33には目盛となるマーカー34が付してあるので、このマーカー34とスクリュー体35の下端は略接する状態にあり、ジャッキ30が透明あるいは透光性樹脂であるので、例えジャッキ30を斜め上から見ても、マーカー34と昇降体35の下端がずれて見えることはなく、高さ調整に誤差が生じることが少ないのである。
尚、マーカー34は、円筒体の内壁に付していれば、縦溝面33でなくともよい。
【0048】
この高さは例えば、図1で示す縫いぐるみでは、中床6の高さは景品8aが容易に景品投入口に落ちないように壁部7aより低い位置にあることが望ましい。これにより、クレーン部で景品を中途半端に掴んだ状態では、クレーン部が景品投入部7に景品を中床上を引きずって来た場合では、この壁部7aを乗り越えられるか、どうかが景品が取れるかどうかの一つの山場となり、遊戯者にとり、この壁部7aを動乗り越えるかが一つのゲーム性となり、取れなかった場合は再チャレンジ意欲を掻き立てることになる。
【0049】
従って、この壁部7bと景品の大きさはおおいに関係があり、壁部7bが低いと、クレーン部が引きずってきた景品はそのまま取れてしまい、壁部7bが景品に対して高すぎるとクレーン部が引きずって来た景品は壁部7bにより景品投入部7と遮られ、取れないのである。
中床9が景品投入部7に向けて下り傾斜になっている場合は、クレーン部で中途半端に把持した景品でもなんとか、中床9を滑らして引っ張ってきやすいが、中床9が景品投入部7に向けて登り傾斜となっている場合では、クレーン部が中途半端に把持した景品では、引っ張って来づらくなるのである。このように中床を景品投入部に対してどのように傾斜させるかで、中床を滑らして景品を取得する場合の難易度が変わってくる。
【0050】
そこで、景品の形状や大きさにより、中床を設けて高さを変えるたり、中床に傾斜をつけることで、その景品の取れ易さを調整することができるのである。例えば縫いぐるみ8aより小さい景品の入った箱8bではその載面である中床9の高さを上げて、景品投入部7の壁面7aの高さとの距離を小さくすることで、顧客に対し景品の取れ易さをアピールすることができる。
中床9が景品投入部に向けて下り傾斜になっており、且つ、景品投入部の壁面7aが中床9と同一高さ以下であれば、景品の取得は容易となる。逆に中床が景品取得部に向けて登り傾斜で、かつ景品投入部の壁面7aが中床から高くなっている場合は、クレーン部で景品をしっかりと把持して持ち上げる必要があり、景品取得が難しくなるのである。
【実施例3】
【0051】
以下に本発明の上げ底ジャッキ装置の実施例3である。図5には、実施例3の中床の透過斜視図を示す。図6には本願の上げ底ジャッキ装置を適用した概略断面図を示す。
【0052】
ここではジャッキは一つだけ使用して、中床を床面6から昇降させる。
中床40の裏側には補強のために梁41が張り渡されている。梁41は中床40の荷重の中心から放射状に中床の周辺部近傍まで設けてあり、中床に景品を載置した際の撓みを防止する。そのため、中床40の荷重の中心にはジャッキの取付孔42を頑強に設けてあり、梁41と接合している。この取付孔42にジャッキ50のスクリュー51の頭部を嵌め入れて、中床40を水平に保つのである。例えば、中床の幅が80cm、奥行きが70cmとすると、取付孔42の中心からの梁の長さは対角線に45cm、手前側に30cm、横に30cm程度である。
【0053】
この上げ底ジャッキ装置は中床の荷重の中心に対応する位置の床面にジャッキ50を載置してスクリュー体51の高さを調整した後に、中床の裏面に設けたジャッキのスクリュー体51を装着する取付孔にジャッキ50のスクリュー体51を装着し、中床50を所定の高さに保持するのである。
図6(A)はジャッキの昇降体を下上げた状態の断面図であり、図6(B)は昇降体を下げた状態の断面図を示している。床面6との中床9との間にジャッキ50を位置させ、ジャッキ50のスクリュー体51をある程度露出させて、中床40の取付孔体42にジャッキ50のスクリュー体51を嵌めるのである。このときの中床9の高さをh1である。
そして取付孔の上部中央の中床にネジ孔40aを設けておき、ドライバーを中床40の上方からあてがいスクリュー体51のネジ溝51aを回して昇降させて高さh1をh2に変えることができる。
このようにすることで、ジャッキ60が中床の中心の1ヶのみであるので、昇降動作が非常に簡単にできるのである。
【0054】
尚、上記のいずれの発明でも中床又は、スクリュー式ジャッキ体を構成する円筒体や昇降体を透明あるいは透光性の硬質樹脂で構成するとしたが、強度を保つには、昇降体は金属製でもよく、透明あるいは透光性である必要は必ずしもない。透明あるいは透光性であるのは円筒体部分のみで十分であり、目盛と、内部の昇降体が目盛のどの位置にあるか視認できれば本願の意図を満たす。
【実施例4】
【0055】
図7に実施例4の中床昇降装置の断面図を示す。この実施例4の配置換えは実施例1にも記載してあるが、上述したいずれの実施例にも当てはまる。
本実施例4の中床昇降装置60では円筒体61とスクリュー体62の位置関係は、床面側をスクリュー体62、中床63を受ける方を円筒体61としてもよく、この場合に円筒体61は有底の装着部61aを設けて中床の取付部64に取付ければよいのである。
ここでは、中床の取付部64の開口を下側が装着部61aの頭部の径よりやや大きい径で開口の中央部がネジ溝61bを回すことができる程度の小さい径のある開口とすることで、円筒体61の頭部を下側の大径の開口に摺接させて中床63を保持して、中床の上部の小径の開口側からドライバーでジャッキの頭部のネジ溝を回して円筒体を昇降させるのである。
【0056】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本願に係る景品取得ゲーム装置の外観の構成を示す斜視図である。
【図2】景品取得ゲーム装置に設置した中床を支えるジャッキを示した斜視図である。
【図3】実施例1のジャッキの断面図である。
【図4】実施例2の目標位置がより分かりやすくしたジャッキの部分斜視図である。
【図5】実施例3の中床の透過斜視図である。
【図6】実施例3の上げ底ジャッキ装置を適用した概略断面図である。
【図7】実施例4の中床昇降装置の断面図である。
【符号の説明】
【0058】
100 景品取得ゲーム装置
1 基台
2 景品展示室
3 操作卓
4 クレーン部
5 景品取出口
6 床面
7 景品投入部
8 景品
9 中床
10 ジャッキ
11 出入口
12 孔部
13 目盛
14 ベース体
20 昇降体
21 頭部
22 螺子溝
23 裾部
24 シール
30 ジャッキ
31 円筒体
32 昇降体
33 縦溝面
34 マーカー
35 スクリュー体
36 雄ネジ部
40 中床
41 梁
42 取付孔
50 ジャッキ
51 スクリュー体
60 中床昇降装置
61 円筒体
62 スクリュー体
63 中床
64 取付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に雌ネジを有すると共に該雌ネジの軸方向に連接する略透明で該雌ネジの反対側に第1の装着部を有する筒体と、
前記雌ネジに螺合して前記雌ネジの軸方向に出入り可能で、前記雌ネジから露出する端部に第2の装着部を設けた雄ネジを有するスクリュー体と、
を備えたことを特徴とする昇降体。
【請求項2】
内部に雌ネジを有すると共に該雌ネジの軸方向に連接する略透明で内径が前記雌ネジの谷の径より大で雌ネジの反対側に第1の装着部を有する筒体と、
前記雌ネジに螺合して前記雌ネジの軸方向に出入り可能で、前記雌ネジから露出する端部に第2の装着部を設けた雄ネジを有するスクリュー体と、
を備えたことを特徴とする昇降体。
【請求項3】
内部に雌ネジを有する略透明素材で構成され一端面に第1の装着部を有する筒体と、
前記雌ネジに螺合して前記雌ネジの軸方向に出入り可能で、前記雌ネジから露出する端部に第2の装着部を設けた雄ネジを有するスクリュー体と
を備えことを特徴とする昇降体。
【請求項4】
内部に雌ネジを有し、前記雌ネジの一部が軸方向に切欠した少なくとも一条の溝を有する略透明素材で構成され一端面に第1の装着部を有する筒体と、
前記雌ネジに螺合して前記雌ネジの軸方向に出入り可能で、前記雌ネジから露出する端部に第2の装着部を設けた雄ネジを有するスクリュー体と、
を備えことを特徴とする昇降体。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1つにおいて、雌ネジの軸心線上の第1または第2の装着部の外面にネジ溝を有する、
ことを特徴とする昇降体。
【請求項6】
請求項1乃至4の何れか1つにおいて、雌ネジの軸線上の第1または第2の装着部の外面にネジ溝を有する突出部を設けた、
ことを特徴とする昇降体。
【請求項7】
請求項1乃至4の何れか1つにおいて、筒体には軸方向に沿って目盛を付したマーカーを設けた、
ことを特徴とする昇降体。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れかつにおいて、
さらに平面体を略水平に保つ位置に取付部を有する中床と、第1または第2の装着部を前記取付部に取付けた昇降体と、
を備えたことを特徴とする中床昇降装置。
【請求項9】
請求1乃至6の何れか1つにおいて、
さらに平面体を略水平に保つ適宜間隔を有して設けた複数の開口を有する中床と、ネジ溝を有する第1または第2の装着部を前記開口に装着した複数の昇降体と、
を有することを特徴とする中床昇降装置。
【請求項10】
請求項8において、取付部は中床の下面に設け、該取付部から中床の下面に放射状に梁体を設け中床の下面を保持する、
ことを特徴する中床昇降装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−276968(P2007−276968A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−106704(P2006−106704)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】