説明

昇降床の支持構造

【課題】複数の高さ位置で使用される昇降床の中間位置を1つの中間支柱によって下方から支持することができ、中間支柱を非使用状態に容易に設定することができ、且つ非使用状態の中間支柱を昇降床から取り外す必要がない昇降床の支持構造の提供。
【解決手段】中間支柱12を使用しない場合、中間支持用ストッパ15を最下方の中間支持ピン挿通孔25lに装着し、昇降床9を下降させて中間支持用ストッパ15に上支柱部材13の下端部13bを当接させた後、連結用ストッパ16を連結用ピン挿通孔26,27に挿通して、上支柱部材13と下支柱部材14とを連結し、昇降床9を上昇させて、下支柱部材14の下端部14bを収容孔40から引き抜く。収容孔40から引き抜いた後は、中間支柱12を回転させて格納状態とし格納保持部によって保持させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の荷台に設けられる昇降床の支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
実開昭62−76043号公報には、荷台床の前後両端にそれぞれ支柱を直立させ、2階床を両端の支柱に沿って上昇および下降可能に装備し、両端の支柱間の位置で2階床を支持するための中間支柱を取り外し可能に装備したトラックの荷台が記載されている。中間支柱の上端及び下端は、2階床のボス及び荷台床の収容孔にそれぞれ嵌合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実開昭62−76043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成では、中間支柱の長さが固定であるため、荷台床に対して異なる高さに2階床を設定して使用する場合には、複数の長さの中間支柱を用意しなければならない。
【0005】
また、中間支柱の下端が2階床上の積荷からの荷重を受けて荷台床の収容孔に強固に嵌合してしまうと、中間支柱を取り外す際に、作業者は中間支柱の下端を収容孔から容易に引き抜くことができない。さらに、取り外した中間支柱を収容するためのスペースが必要である。
【0006】
そこで、本発明は、昇降床を固定床に対して複数の高さ位置で使用する場合であっても、1つの中間支柱によって昇降床の中間位置を下方から支持することができ、中間支柱の非使用時には、中間支柱を非使用状態に容易に設定することができ、且つ非使用状態の中間支柱を昇降床から取り外す必要がない昇降床の支持構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、トラックの荷台の固定床の上方で昇降駆動され、上限高さと下限高さとの間で停止した状態で使用可能な昇降床の支持構造であって、上限高さと下限高さとの間で停止した昇降床の所定の中間位置を下方から支持する中間支柱と、固定床に設けられた支持孔と、昇降床に設けられた中間支柱格納保持部と、を備える。
【0008】
中間支柱は、上支柱部材と下支柱部材と中間支持用ストッパと連結用ストッパとを有する。
【0009】
上支柱部材と下支柱部材とは、その一方が他方を長手方向に沿って直線状にスライド移動自在に支持する長尺部材である。上支柱部材の上端部は、昇降床の中間位置に対して回転自在に支持される。中間支柱は、上支柱部材の上端部を中心として、昇降床から略垂直下方に延びる使用状態と昇降床に沿って略水平に延びる収容状態との間を回転移動可能である。使用位置の下支柱部材の下端部は、支持孔に上方から嵌合して支持される。中間支柱格納保持部は、格納位置の中間支柱を着脱自在に保持する。
【0010】
下支柱部材は、中間支持用ストッパが選択的に着脱自在に装着される複数の中間支持用ストッパ装着部を有する。複数の中間支持用ストッパ装着部は、使用状態において上下に配置される上側ストッパ装着部と下側ストッパ装着部とを含む。上支柱部材の下端部は、下支柱部材が支持孔に嵌合し且つ中間支持用ストッパが中間支持用ストッパ装着部の一つに装着された状態において、この中間支持用ストッパに上方から当接して支持される。
【0011】
上支柱部材と下支柱部材とは、下支柱部材が支持孔に嵌合し、下側ストッパ装着部に中間支持用ストッパが装着され、且つこの中間支持用ストッパに上支柱部材の下端部が当接した状態において、連結用ストッパが着脱自在に装着される連結用ストッパ装着部を有する。連結用ストッパ装着部に装着された連結用ストッパは、上支柱部材と下支柱部材とを連結して両者の相対的なスライド移動を阻止する。
【0012】
上記構成では、中間支柱を使用状態とし、下支柱部材の下端部を支持孔に嵌合し、中間支持用ストッパ及び連結用ストッパを取り外した状態において、下支柱部材に対する上支柱部材のスライド移動が完全に許容され、昇降床が昇降自在となる。
【0013】
昇降床が昇降自在な上記状態において、昇降床を所望の高さに設定して使用する場合、複数の中間支持用ストッパ装着部から昇降床の設定高さに対応する中間支持用ストッパ装着部を選択し、上支柱部材の下端部が選択した中間支持用ストッパ装着部よりも上方に位置するように昇降床を上昇させ、選択した中間支持用ストッパ装着部に中間支持用ストッパを装着する。中間支持用ストッパを装着した後、昇降床を下降させると、中間支持用ストッパに上支柱部材の下端部が上方から当接して載置され、所望の高さで停止した昇降床の中間位置が中間支柱によって下方から支持される。
【0014】
中間支柱を使用しない場合、下支柱部材の下端部を支持孔から引き抜く必要がある。しかし、昇降床上の積荷からの荷重を受けて下支柱部材の下端部が収容孔に強固に嵌合してしまうと、作業者は下支柱部材の下端部を収容孔から容易に引き抜くことができない。
【0015】
この点に関し、上記構成では、中間支柱を使用しない場合、昇降床を若干上昇させ、中間支持用ストッパに付与されている昇降床からの荷重を解除し、中間支持用ストッパを中間支持用ストッパ装着部から取り外し、取り外した中間支持用ストッパを下側ストッパ装着部に移動させて装着し、昇降床を下降させて中間支持用ストッパに上支柱部材の下端部を当接させた後、連結用ストッパを連結用ストッパ装着部に装着して、上支柱部材と下支柱部材とを連結する。かかる連結状態では、上支柱部材と下支柱部材との相対的なスライド移動が阻止されるため、昇降床を上昇させると、下支柱部材も上方に移動し、下支柱部材の下端部が収容孔から引き抜かれる。すなわち、昇降床の昇降駆動によって下支柱部材の下端部を収容孔から容易に引き抜くことができる。また、下支柱部材の下端部を収容孔から引き抜いた後は、上支柱部材の上端部を中心として中間支柱を回転させて格納状態とし、格納状態の中間支柱を中間支柱格納保持部によって保持させることによって、非使用状態の中間支柱を取り外すことなく昇降床側に格納することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、昇降床を固定床に対して複数の高さ位置で使用する場合であっても、1つの中間支柱によって昇降床を下方から支持することができ、中間支柱の非使用時には、中間支柱を非使用状態に容易に設定することができ、且つ非使用状態の中間支柱を昇降床から取り外す必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態の昇降床の支持構造を備えたトラックの全体側面図であり、昇降床が下限高さに下降した状態を示す。
【図2】図1の荷台の側面図であり、(a)は昇降床が上限高さに上昇した状態を示し、(b)は昇降床が所望の高さで中間支柱に支持された状態を示す。
【図3】図1及び図2の荷台の背面図であり、(a)は昇降床が下限高さに下降した状態を示し、(b)は昇降床が上限高さに上昇した状態を示し、(c)は昇降床が所望の高さで中間支柱に支持された状態を示す。
【図4】昇降床を最も高い使用位置に設定した状態の拡大図であり、(a)は側面図、(b)は背面図である。
【図5】昇降床を最も低い使用位置に設定した状態の拡大図であり、(a)は側面図、(b)は背面図である。
【図6】中間支柱を格納するために上支柱部材と下支柱部材とを連結した状態の拡大図であり、(a)は側面図、(b)は背面図である。
【図7】中間支柱の断面図である。
【図8】下支柱部材の下端部を固定床の支持孔に嵌合した状態を示す断面図である。
【図9】格納された中間支柱を示す側面図である。
【図10】図9の背面図である。
【図11】中間支柱格納保持部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態にかかる昇降床の支持構造を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1〜図3に示すように、トラック1の荷台2の荷室空間3の下方は、固定床4によって区画されている。荷室空間3の車幅方向両側の上部及び下部は、それぞれウイング5に及びアオリ板6によって開閉自在に区画されている。固定床4の上方には、油圧シリンダやモータなどの駆動源(図示省略)によって前側左右のワイヤ7及び後側左右のワイヤ8を介して昇降駆動され、上限高さ(図1参照)と下限高さ(図2(a)参照)との間を昇降するとともに、上限高さと下限高さとの間で停止した状態(図2(b)参照)で使用可能な昇降床9が設けられている。荷室空間3の前後四隅の角部には、左右の前支柱10と左右の後支柱11とがそれぞれ立設され、前側左右のワイヤ7及び後側左右のワイヤ8は、左右の前支柱10及び左右の後支柱11にそれぞれ吊り下げられている。すなわち、昇降床9の前端部は前側左右の前支柱10に支持され、昇降床9の後端部は後側左右の後支柱11に支持される。下限高さの昇降床9は固定床4上に載置され、昇降床9を下限高さに設定することにより、荷室空間3を1つの収納空間として使用することができる。また、昇降床9を上限高さと下限高さとの間で停止させることにより、積荷空間3を上下2段の収容空間に分割して使用することができる。
【0020】
車幅方向両側の前支柱10と後支柱11との間のほぼ中央位置には、上限高さと下限高さとの間で停止した昇降床9の中間位置を、固定床9から起立した状態で下方から支持する左右の中間支柱12がそれぞれ設けられている。固定床4の車幅方向両側には、中間支柱12の下端部(後述する下支柱部材14の下端部14b)が上方から嵌合する支持孔40がそれぞれ設けられ、昇降床9の車幅方向両側には中間支柱格納保持部41(図9に示す)がそれぞれ設けられている。なお、支持孔40は、車幅方向両側で前後方向に延びる固定床9のフレーム(梁)に形成され、中間支柱格納部40は、車幅方向両側で前後方向に延びる昇降床9のフレーム(梁)23の外側面上に固定されている。また、以下の説明において、中間支柱12に関する上下方向とは、特に説明しない限り、中間支柱12が起立した状態での上下方向を意味する。
【0021】
図4〜図6に示すように、中間支柱12は、上支柱部材13と下支柱部材14と中間支持用ストッパ15と連結用ストッパ16とを有する。
【0022】
上支柱部材13と下支柱部材14とは、その一方が他方を長手方向に沿って直線状にスライド移動自在に支持する長尺部材である。
【0023】
本実施形態の上支柱部材13は、図7に示すように、左右一対(図7では上下一対)の幅広の側壁17と前後一対(図7では左右一対)の幅狭の側壁18とを有する断面ロ字状の角筒形状であり、その内部に矩形閉断面を区画する。左右の側壁17は、前後方向に沿って相対向して延び、前後の側壁28は、車幅方向に沿って相対向して延びる。同様に、下支柱部材14も、左右一対(図7では上下一対)の幅広の側壁19と前後一対(図7では左右一対)の幅狭の側壁20とを有する断面ロ字状の角筒形状であり、その内部に矩形閉断面を区画する。左右の側壁19は、前後方向に沿って相対向して延び、前後の側壁20は、車幅方向に沿って相対向して延びる。下支柱部材14の矩形閉断面は、上支柱部材13の外形よりも僅かに大きく形成され、上支柱部材13は、下支柱部材14の閉断面内にスライド移動自在に挿入されている。また、下支持部材14の下端の底壁22には、格納用孔部42が形成されている。なお、上支持部材及び下支持部材とは、上記形状に限定されるものではなく、例えば、上支柱部材の矩形閉断面を、下支柱部材の外形よりも僅かに大きく形成し、下支柱部材を、上支柱部材の閉断面内にスライド移動自在に挿入してもよい。また、上支持部材及び下支持部材をともに板形状とし、両者をスライド移動自在に連結するスライド機構を設けてもよい。
【0024】
下支柱部材14の前後の側壁20のうち下端部14bを除く上下方向のほぼ全域は、側壁20の外面上に固着された平板状の補強板21をそれぞれ有している(図7及び図8参照)。下支持部材14の下端部14bを上方から支持孔40に嵌合すると、補強板21を有さない下端部14が支持孔40に侵入し、補強板21の下端が固定床4の上面に当接して支持される。
【0025】
昇降床9の上記中間位置のフレーム24の外側面には、上支柱部材13の上端部13aを回転自在に支持する回転支持部材24が固定されている。これにより、中間支柱12は、上支柱部材13の上端部13aを中心として、昇降床9から略垂直下方に延びる使用状態と昇降床9に沿って後方へ略水平に延びる収容状態との間を回転移動可能となり、使用位置の下支柱部材14の下端部14bは、支持孔40に上方から嵌合して支持される。
【0026】
補強板21を有する下支柱部材14の前後の側壁20には、複数組の中間支持ピン挿通孔(中間支持用ストッパ装着部)25が上下方向に並んでそれぞれ形成されている。中間支持ピン挿通孔25には、中間支持用ストッパ15のピン15aが選択的に着脱自在に挿通されて装着される。中間支持ピン挿通孔25のうち、最も下方に位置する中間支持ピン挿通孔25lは、下側ストッパ装着部として機能し、それ以外の中間支持ピン挿通孔25a〜25kは、上側ストッパ装着部として機能する。
【0027】
上支柱部材13の下端部13bは、下支柱部材14の下端部14aが支持孔40に嵌合し且つ中間支持用ストッパ15のピン15aが中間支持ピン挿通孔25の一つに装着された状態において、この中間支持用ストッパ15のピン15aに上方から当接して支持される。
【0028】
上支柱部材13の上端部13a側の左右の側壁17と下支柱部材14の上端部14aの左右の側壁19とには、連結ピン挿通孔(連結用ストッパ装着部)26,27がそれぞれ形成されている。連結ピン挿通孔26,27は、下支柱部材14の下端部14bが支持孔40に嵌合し、最も下方に位置する中間支持ピン挿通孔25lに中間支持用ストッパ15のピン15aが装着され、且つこの中間支持用ストッパ15のピン15aに上支柱部材13の下端部13bが当接した状態において、車幅方向に連通する位置に形成され、連通する連結ピン挿通孔26,27には、連結用ストッパ16のピン16aが着脱自在に挿通されて装着される。連結ピン挿通孔26,27に装着された連結用ストッパ16のピン16aは、上支柱部材13と下支柱部材14とを連結して両者の相対的なスライド移動を阻止する。また、連結ピン挿通孔26よりも上方の上支柱部材13の上端部13aの左右の側壁17には、連結用ストッパ16を連結ピン挿通孔26に装着しない場合に、未使用時の連結用ストッパ16のピン16aが着脱自在に挿通されて装着される格納用ピン挿通孔28が形成されている。
【0029】
図11に示すように、中間支柱格納保持部41は、昇降床9のフレーム23の外側面上に固定された格納部本体43と、格納部本体43に対して前後方向にスライド移動自在に支持された格納ピン45と、格納ピン45を前方(図11中左方向)へ付勢するコイルスプリング44と、格納ピン45から突出して格納部本体43と当接することにより格納ピン45の前方への移動限界を規定するピンストッパ46とを有する。格納ピン45の後端部45aをコイルスプリング44の付勢力に抗して後方へ引っ張り、格納ピン45の前端部45aを後方へ移動させた状態で、連結用ストッパ16によって連結された上支柱部材13と下支柱部材14とを使用位置から格納位置へ回転移動させ、格納ピン45を解放してコイルスプリング44の付勢力によって前方へ移動させると、格納ピン45の前端部45aが下支柱部材14の底壁22の格納用孔部42に挿入されて係合する。格納ピン45と格納用孔部42との係合は、格納ピン45の後端部45aをコイルスプリング44の付勢力に抗して後方へ引っ張ることによって解除される。このように、中間支柱格納保持部41は、格納位置の中間支柱12を着脱自在に保持する。
【0030】
中間支柱12が格納位置に保持された状態では、昇降床9が上限高さと下限高さとの間で自由に昇降可能となり、中間支柱12は昇降床9に保持されたまま昇降する。
【0031】
上記状態から昇降床9を所望の高さに設定して使用する場合、固定床4からの高さが格納状態の中間支柱12の全長を超える所定の高さまで昇降床9を上昇させ、中間支柱格納保持部41による中間支柱12の保持を解除し、格納状態の中間支柱12を下方へ回転移動させ、下支柱部材14の下端部14bを支持孔40の上方へ対向配置する。
【0032】
次に、連結ピン挿通孔26,27から連結用ストッパ16を取り外し、下支柱部材14を下方へ移動させ、その下端部14bを支持孔40に嵌合する。なお、上記嵌合作業は、連結ピン挿通孔26,27を連結用ストッパ16に装着したまま、昇降床9を下降させることによって行い、嵌合後に連結ピン挿通孔26,27から連結用ストッパ16を取り外してもよい。また、連結ピン挿通孔26,27から取り外した未使用の連結用ストッパ16は、格納用ピン挿通孔28に装着しておく。
【0033】
次に、上下に並んだ中間支持ピン挿通孔25の中から上記所望の高さに対応する中間支持ピン挿通孔25を選択し、選択した中間支持ピン挿通孔25よりも上支柱部材13の下端部13bが上方に位置するように昇降床9を上昇させ、選択した中間支持ピン挿通孔25に中間支持用ストッパ15を装着する。中間支持用ストッパ15を装着した後、昇降床9を下降させると、中間支持用ストッパ15に上支柱部材13の下端部13bが上方から当接して載置され、所望の高さで停止した昇降床9の中間位置が中間支柱12によって下方から支持される。
【0034】
中間支柱を使用しない場合には、下支柱部材14の下端部14bを支持孔40から引き抜く必要がある。しかし、昇降床9上の積荷からの荷重を受けて下支柱部材14の下端部14bが収容孔40に強固に嵌合してしまうと、作業者は下支柱部材14の下端部14bを収容孔40から容易に引き抜くことができない。
【0035】
この点に関し、本実施形態では、中間支柱12を使用しない場合、昇降床9を若干上昇させ、中間支持用ストッパ15に付与されている昇降床9からの荷重を解除し、中間支持用ストッパ15を中間支持ピン挿通孔25から取り外し、取り外した中間支持用ストッパ15を最下方の中間支持ピン挿通孔25lに移動させて装着し、昇降床9を下降させて中間支持用ストッパ15に上支柱部材13の下端部13bを当接させた後、連結用ストッパ16を格納用ピン挿通孔28から連結ピン挿通孔26,27へ移動させて装着し、上支柱部材13と下支柱部材14とを連結する。かかる連結状態では、上支柱部材13と下支柱部材14との相対的なスライド移動が阻止されるため、昇降床9を上昇させると、下支柱部材14も上方に移動し、下支柱部材14の下端部14bが収容孔40から引き抜かれる。すなわち、昇降床9の昇降駆動によって下支柱部材14の下端部14bを収容孔40から容易に引き抜くことができる。
【0036】
下支柱部材14の下端部14bを収容孔40から引き抜いた後は、上支柱部材13の上端部13aを中心として中間支柱12を回転させて格納状態とし、格納状態の中間支柱12を中間支柱格納保持部41によって保持させることによって、非使用状態の中間支柱12を取り外すことなく昇降床9側に格納することができる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態によれば、昇降床9を固定床4に対して複数の高さ位置で使用する場合であっても、1つの中間支柱12によって昇降床9の中間位置を下方から支持することができ、中間支柱12の非使用時には、中間支柱12を非使用状態に容易に設定することができ、且つ非使用状態の中間支柱12を昇降床9から取り外す必要がない。
【符号の説明】
【0038】
1 トラック
2 荷台
3 荷室空間
4 固定床
9 昇降床
10 前支柱
11 後支柱
12 中間支柱
13 上支柱部材
13a 上支柱部材の上端部
13b 上支柱部材の下端部
14 下支柱部材
14a 下支柱部材の上端部
14b 下支柱部材の下端部
15 中間支持用ストッパ
16 連結用ストッパ
25 中間支持ピン挿通孔(中間支持用ストッパ装着部)
26,27 連結ピン挿通孔(連結用ストッパ装着部)
28 格納用ピン挿通孔
40 支持孔
41 中間支柱格納保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックの荷台の固定床の上方で昇降駆動され、上限高さと下限高さとの間で停止した状態で使用可能な昇降床の支持構造であって、
前記上限高さと下限高さとの間で停止した前記昇降床の所定の中間位置を下方から支持する中間支柱と、前記固定床に設けられた支持孔と、前記昇降床に設けられた中間支柱格納保持部と、を備え、
前記中間支柱は、上支柱部材と下支柱部材と中間支持用ストッパと連結用ストッパとを有し、
前記上支柱部材と前記下支柱部材とは、その一方が他方を長手方向に沿って直線状にスライド移動自在に支持する長尺部材であり、
前記上支柱部材の上端部は、前記昇降床の前記中間位置に対して回転自在に支持され、
前記中間支柱は、前記上支柱部材の前記上端部を中心として、前記昇降床から略垂直下方に延びる使用状態と前記昇降床に沿って略水平に延びる収容状態との間を回転移動可能であり、
前記中間支柱格納保持部は、前記格納位置の前記中間支柱を着脱自在に保持し、
前記使用位置の前記下支柱部材の下端部は、前記支持孔に上方から嵌合して支持され、
前記下支柱部材は、前記中間支持用ストッパが選択的に着脱自在に装着される複数の中間支持用ストッパ装着部を有し、
前記複数の中間支持用ストッパ装着部は、前記使用状態において上下に配置される上側ストッパ装着部と下側ストッパ装着部とを含み、
前記上支柱部材の下端部は、前記下支柱部材が前記支持孔に嵌合し且つ前記中間支持用ストッパが前記中間支持用ストッパ装着部の一つに装着された状態において、当該中間支持用ストッパに上方から当接して支持され、
前記上支柱部材と前記下支柱部材とは、前記下支柱部材が前記支持孔に嵌合し、前記下側ストッパ装着部に前記中間支持用ストッパが装着され、且つ当該中間支持用ストッパに前記上支柱部材の下端部が当接した状態において、前記連結用ストッパが着脱自在に装着される連結用ストッパ装着部を有し、
前記連結用ストッパ装着部に装着された前記連結用ストッパは、前記上支柱部材と前記下支柱部材とを連結して前記スライド移動を阻止する
ことを特徴とする昇降床の支持構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−188846(P2010−188846A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34793(P2009−34793)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000229900)日本フルハーフ株式会社 (93)