説明

昇降機情報配信システム

【課題】 インターネットを介して様々な情報コンテンツをオプションデータ紹介センタより提供し、顧客が希望するデータを昇降機の情報出力機器にダイレクトにインストールすることを可能する昇降機情報配信システムを得る。
【解決手段】 昇降機かご内または乗場に設けられた顧客側の各種機能をそれぞれ有する情報出力機器16,17に対して、出力する音声・文字・画像データ等のオプションデータを紹介し、顧客が希望するデータをインターネット7を介して配信するオプションデータ紹介センタ1を備え、配信されるデータは、インターネット7に接続されている顧客用PC2を介してダイレクトに情報出力機器16,17にインストールされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、音声・文字・画像データ等の出力機能を有する昇降機において、顧客と登録契約を行い、その音声・文字・画像データ等の情報をインターネット経由で紹介し、顧客の要望に応じてインターネットを介して配信を行う昇降機情報配信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、表示情報をサーバから表示手段へ伝送し、その表示情報を各エレベータに同時に供給する情報伝送システム(例えば、特許文献1参照)や、エレベータホールやかご内の情報表示端末に広告等のコンテンツを表示するビル内情報提供方法(例えば、特許文献2参照)、または、商品や店舗情報をサーバからネットワークを介して顧客の端末に提供する通信ネットワークによる店舗情報の提供方法(例えば、特許文献3参照)、あるいは、インターネットを介して配信サーバと放映サーバ経由で広告情報を表示し広告料金を課金するエレベータ広告配信システム(例えば、特許文献4参照)等が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特表2001−514610号公報
【特許文献2】特開2002−092487号公報
【特許文献3】特開2000−322476号公報
【特許文献4】特開2003−085442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然しながら、上記特許文献1〜4等に記載されているような従来装置では、音声・文字・画像データの変更は大掛かりであり、また選択できる程の種類もなく、しかも、一般に不特定多数の乗客が利用する昇降機に対し、楽しいもの、または有効利用できるものとしての発想には乏しいという問題点があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、インターネットを介して様々な情報コンテンツをオプションデータ紹介センタより提供し、顧客が希望するデータを昇降機の情報出力機器にダイレクトにインストールすることを可能とし、また、情報コンテンツ供給業者および広告依頼業者と、昇降機を有するビルオーナである顧客との間でそれぞれにとってメリットのあるビジネス形態を確立する昇降機情報配信システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る昇降機情報配信システムは、昇降機かご内または乗場に設けられ、各種機能をそれぞれ有する情報出力機器と、これらの各情報出力機器に対して、出力する音声・文字・画像データ等のオプションデータを紹介し、顧客が希望するデータをインターネットを介して配信するオプションデータ紹介センタとを少なくとも備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明は、昇降機かご内または乗場に設けられた各種機能をそれぞれ有する情報出力機器の音声・文字・画像データを容易に変更することができ、様々な情報コンテンツの中から目的・好みに応じて選択することができ、また、本オプションデータ配信サービスをセールスポイントとして、情報出力機器のオプション仕様の販売拡大、また昇降機自体の受注増加が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の一実施の形態を、図1〜図7を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による昇降機情報配信システムを示す構成図である。
図1において、例えば昇降機メーカが開設するオプションデータ紹介センタ1が設けられ、様々な音声・文字・画像データを紹介し提供する。また、昇降機を有する本昇降機情報配信システム契約の顧客用PC(パーソナルコンピュータ)2、顧客・昇降機の詳細データを有する昇降機メーカ営業・設計システム3、顧客と保守契約を結んでいる保守契約会社顧客管理システム4、音声・文字・画像を供給する情報コンテンツ供給業者用端末5、昇降機を媒体に宣伝を行うことを希望する広告依頼業者用端末6が設けられ、いずれもインターネット7を介してオプションデータ紹介センタ1に接続されている。
【0009】
インターネット7に接続されたオプションデータ紹介センタ1の他側には、顧客用PC2がアクセスしてきた場合にそれを判別するためのIPアドレスやパスワード、ビル設置場所・用途などの情報、つまり契約顧客情報を格納した顧客情報DB8と、その顧客の有する昇降機構成やそれぞれの昇降機のスペックを格納し、顧客が選択可能なオプションデータを決定する昇降機DB9と、紹介するオプションデ一タを格納した情報コンテンツDB10が並列構成をなして接続される。
【0010】
また、オプションデータ紹介センタ1の他側には、顧客が有する昇降機に現在適用されている音声・文字・画像データに変更があった場合の履歴を保持する更新履歴ストア機能部11と、配信するオプションデータの試行期間を設ける際それを管理する試行管理システム12と、アクセスしてきた顧客用PC2、情報コンテンツ供給業者用端末5、広告依頼業者用端末6のそれぞれにとってターゲットを絞り込むための情報検索機能部13が並列構成をなして接続される。なお、これらの顧客情報DB8から情報検索機能部13は、実質的にオプションデータ紹介センタ1が有するものである。
【0011】
また、インターネット7に接続された顧客用PC2の他側には、顧客が有する全台の昇降機14,15が接続され、この昇降機14,15のそれぞれのかご内または乗場に情報出力機器16,17が設置される。
昇降機14、15のかご内もしくは乗場に設置される情報出力機器16,17とは、例えば階床や進行方向などをアナウンスする音声アナウンス装置、LEDディスプレイなどを用い文字情報を表示するインフォメーション文字表示装置、液晶やプラズマディスプレイを用い画像情報を表示するインフォメーション画像表示装置、かごの到着や到着予定かごを報知するチャイム、音楽やメッセージをスピーカより流すBGM装置などがある。
【0012】
ここで、情報出力機器16,17が持つ音声・文字・画像データの変更を顧客が希望する場合、顧客用PC2を用いインターネット7を介してオプションデータ紹介センタ1にアクセスすることで、機器・部品交換や保守員を呼ぶことなく、顧客が簡単に好みのものに変更できるものであり、図2は情報出力機器へのデータ変更配信の際の各ステップを表している。
【0013】
次に、図2を参照して、動作について説明する。
まず、オプションデータ配信サービス契約を結んだ顧客へ専用端末となる顧客用PC2を設置する(ステップS1,S2)。顧客用PC2よりオプションデータ紹介センタ1へアクセスした場合(ステップS3)、顧客情報DB8と照会し、顧客情報DB8より判断してアクセス許可を出す(ステップS4)。その際、顧客用PC2が持つIP(インターネットプロトコル)アドレスと事前に知らせていたパスワードなどによりアクセス可否を判断する。それと同時に昇降機DB9と照会しアクセスしてきた顧客の昇降機にインストール可能な音声・文字・画像データのメニュを顧客用PC2上に表示し(ステップS5)、このメニュが情報コンテンツDB10より引き出されて表示される(ステップS6)。次に、顧客が希望するデータ、つまり情報コンテンツを画面上で選択すると(ステップS7)、顧客用PC2へそのデータがダウンロードされ(ステップS8)、その顧客用PC2経由で昇降機14、15がそれぞれ持つ適当な情報出力機器16,17へインストールされ(ステップS9)、上記過程により音声・文字・画像データの変更完了となる(ステップS10)。
【0014】
なお、ステップS4における顧客情報DB8には、昇降機メーカ営業・設計システム3よりビル設置場所や用途などが引き出されて格納されており、また、この顧客のアクセス許可にも利用される顧客情報DB8へは顧客用PC2が設置された後にIPアドレスを登録し、パスワードは後日顧客へ知らせることとする。また、このパスワードはオプションデータ紹介センタ1へアクセス後、変更可能とする。
【0015】
また、ステップS5で情報コンテンツデータメニュ表示に利用される昇降機DB9ヘ格納されている情報は、昇降機メーカ営業・設計システム3より引き出され、その情報の内容としては、例えば昇降機の台数、グループ構成、停止個所、有する情報出力機器のタイプなどである。なお、図1ではインターネット7にてオプションデータ紹介センタ1と昇降機メーカ営業・設計システム3を接続しているが、イントラネットで接続される場合もある。
【0016】
以上のように、この実施の形態1によれば、昇降機かご内または乗場に設けられる情報出力機器の音声・文字・画像データを容易に変更することができ、様々な情報コンテンツの中から目的・好みに応じて選択することができる。また、本オプションデータ配信サービスをセールスポイントとして、情報出力機器のオプション仕様の販売拡大、また昇降機自体の受注増加が期待でき、さらに、昇降機以外の分野に関しても、本システムを含む情報出力機器単体としての市場も期待できる。
【0017】
また、情報出力機器に音声・文字・画像データを、顧客用PCを介してインストールできることから、情報出力機器のハードウエア部分改造コストを削減でき、また、保守員による操作や追加設計も必要無くなり、さらに、昇降機メーカ営業・設計システムと接続したことで、顧客情報DB、昇降機DBの再入力の手間を省くことができる。
【0018】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2による昇降機情報配信システムにおけるオプションデータの更新履歴の送信の動作を示すフローチャートである。なお、本実施の形態における昇降機情報配信システムの構成については、図1と実質的に同様であるので、ここでは、その記載を省略する。
本実施の形態では、保守契約会社顧客管理システム4もオプションデータ紹介センタ1と接続を可能としたものである。
図3において、保守契約会社は顧客の昇降機の状態を把握しておく必要があるため、顧客用PC2による音声・文字・画像データの変更が完了すると(ステップS11:図2のステップS10相当)、オプションデータ紹介センタ1の更新履歴ストア機能部11によりストアされた履歴データ、つまり変更内容が更新保存される(ステップS12)。ここで、その履歴データが保守契約会社顧客管理システム4へ随時インターネット7(またはイントラネット)を介して送信される機能を付加する。この変更情報は、保守契約会社顧客管理システム4へ送信されると共に、昇降機メーカ営業・設計システム3へも送信される(ステップS13)。
【0019】
以上のように、この実施の形態2によれば、オプションデータ紹介センタを保守契約会社顧客管理システムと接続可能としたことで、顧客によるデータ変更履歴に関しても保守契約会社が把握することができる。
【0020】
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3による昇降機情報配信システムにおける音声・文字・画像データの試行期間を設ける試行データ管理の動作を示すフローチャートである。なお、本実施の形態における昇降機情報配信システムの構成についても、図1と実質的に同様であるので、ここでは、その記載を省略する。
本実施の形態では、顧客に対し紹介している音声・文字・画像データ等のオプションデータの試行を一定期間許可するものである。
図4において、顧客があるデータの試行を希望した場合、オプションデータ紹介センタ1からインターネット7を介して試行データが送信され情報出力機器16,17へインストールされる(ステップS21〜S23)。つまり、ステップS21において、顧客用PC2よりインターネット7を介してオプションデータ紹介センタ1へアクセスし、ステップS22において、顧客がデータの試行を希望し、選択すると、ステップS23において、選択した試行データが情報出力機器16,17へインストールされる。
【0021】
この選択された試行データは決められた試行期間内のみ有効であり、それは情報出力機器16,17もしくは昇降機制御盤(図示せず)にて時間管理され、期限を過ぎると試行データは無効となる(ステップS24)。また、オプションデータ紹介センタ1が有する試行管理システム12においても試行データの期限が管理され、期限前にE・mail等の手段で顧客に試行期間終了予告を行うが(ステップS27)、期限前に試行データを継続して適用することをオプションデータ紹介センタ1に通知することで(ステップS25)、正式データもしくは継続許可指令が配信され、正式にデータ変更を完了することとなる(ステップS26)。
一方、ステップS25で試行データを継続して適用する通知を行わないと試行データは削除され(ステップS28)、再び同じ試行データの配信、つまり2度目の試行データの配信は、試行管理システム12にて照会され却下される(ステップS29)。
【0022】
以上のように、この実施の形態3によれば、オプションデータ紹介センタ1の側に、音声・文字・画像データの試行期間を設け管理する機能を付加したことで、顧客がデータ変更後に後悔すること無く、十分に納得してデータを購入してくれるためトラブルも少ないと期待され、また、試用期間があるため、顧客が気軽にデータ変更を試み、オプションデータの販売促進が期待できる。
【0023】
実施の形態4.
図5は、この発明の実施の形態4による昇降機情報配信システムにおける情報コンテンツ供給業者用端末提供の場合の情報出力機器へのデータ変更配信の動作を示すフローチャートである。なお、本実施の形態における昇降機情報配信システムの構成についても、図1と実質的に同様であるので、ここでは、その記載を省略する。
本実施の形態では、オプションデータ紹介センタ1の情報コンテンツDB10に格納されるデータを、外部の情報コンテンツ供給業者に提供させるものであり、あるいは、ダイレクトに情報コンテンツ供給業者のサイトにリンクしてもよい。
図5において、ステップS31では、実質的に、上述の図2のステップS1〜S5と同様の処理が行われる。即ち、オプションデータ配信サービス契約を結んだ顧客へ専用端末となる顧客用PC2を設置し、顧客用PC2よりオプションデータ紹介センタ1へアクセスし、顧客情報DB8と照会し、顧客情報DB8より判断してアクセス許可を出し、その際、顧客用PC2が持つIP(インターネットプロトコル)アドレスと事前に知らせていたパスワードなどによりアクセス可否を判断し、それと同時に昇降機DB9と照会しアクセスしてきた顧客の昇降機にインストール可能な音声・文字・画像データのメニュを顧客用PC2上に表示する。
【0024】
次に、ステップS32,S33では、実質的に、図2のステップS6に置き換わった処理が行われる。即ち、ステップS32において、情報コンテンツ供給業者用端末5より情報コンテンツDB10へデータを格納させるか、あるいはステップS33において、情報コンテンツ供給業者用端末5のサイトへリンクする。データとしては例えば、音声データであれば、タレントやアニメキャラクタの声で階床をアナウンスさせるものであったり、鳥のさえずりや風の音を効果音として使用するものなどがある。また、文字データであれば、天気予報や時事情報の配信サービスなどがある。このサービスの場合、短時間間隔で随時情報を更新する必要があるため、顧客用PC2を介して更新データを情報出力機器16,17へ配信し続けることとなる。また、画像データであれば、絵画を所蔵する美術館などが供給業者になる場合があり、ケーブルTV局などからデータをされることもある。オプションデータ紹介センタ1は顧客用PC2と情報コンテンツ供給業者用端末5の仲介の役割となる。
【0025】
そして、ステップS34では、実質的に、上述の図2のステップS7〜S10と同様の処理が行われる。即ち、顧客が希望するデータ、つまり情報コンテンツを画面上で選択すると、顧客用PC2へそのデータがダウンロードされ、その顧客用PC2経由で昇降機14、15がそれぞれ持つ適当な情報出力機器16,17へインストールされ、音声・文字・画像データの変更を完了する。
【0026】
以上のように、この実施の形態4によれば、情報コンテンツ供給業者と提携することで、幅広いデータの供給が可能となり、本情報配信システムを定着させることが期待でき、オプションデータ紹介センタは情報コンテンツ供給業者の仲介となるため、マージンをとることができる。
【0027】
実施の形態5.
図6は、この発明の実施の形態5による昇降機情報配信システムにおける顧客の情報出力機器への広告依頼におけるデータ配信の動作を示すフローチャートである。なお、本実施の形態における昇降機情報配信システムの構成についても、図1と実質的に同様であるので、ここでは、その記載を省略する。
本実施の形態では、音声・文字・画像データを宣伝広告という形態で広告依頼業者が提供し、昇降機の情報出力機器16,17を宣伝媒体として利用するものである。
なお、本実施の形態におけるシステムは、実質的に前述の実施の形態4と同様であるが、顧客が要求するデータを取得するか、業者がデータの出力を依頼するかの違いがある。
【0028】
図6において、まず、ステップS41〜S47は、顧客が宣伝広告を行うことを希望する場合を示している。オプション紹介センタ1にて顧客が宜伝広告内容・条件を見て広告依頼を受ける希望をした場合(ステップS41,S42)、つまり、ステップS41において、顧客用端末2よりオプション紹介センタ1にアクセスし、ステップS42において、広告依頼の内容を確認し選択すると、依頼元の広告依頼業者用端末6へ確認の通知が入る(ステップS43)。次いで、広告依頼業者用端末6はその申し出に対し可否を送る(ステップS44〜S46)。即ち、ステップS44において、広告依頼業者用端末6よりオプション紹介センタ1にアクセスし、ステップS45において、広告依頼業者用端末6によりステップS42で選択した顧客のビル情報を確認し、ステップS46において、広告依頼業者用端末6より広告を依頼する/しないを顧客用端末2に通知する。申し出に対し可である場合、正式に広告依頼が顧客用端末2へ通知され、それに顧客が承諾すると広告データが情報出力機器16,17へ配信される(ステップS47)。
【0029】
また、図6において、ステップS48〜S50は、広告依頼業者が登録顧客のビル情報を確認し、広告依頼する場合を示している。この場合は、顧客が広告依頼に対して承諾をすると広告データが配信される。即ち、ステップS48において、広告依頼業者用端末6よりオプション紹介センタ1にアクセスし、ステップS49において、ビル情報を確認し、選択した顧客用PC2に広告依頼を通知し、ステップS50において、顧客がそれを承諾すると、広告データが配信される。
【0030】
このようにして、ステップS47では、顧客の希望による広告データが配信され、ステップS50では、広告依頼業者の依頼による広告データが配信されるが、その広告中止は双方から申し出ることが可能であり、それに他方が承諾すると広告契約が終わることとなる(ステップS51)。この際、広告契約条件に期間が決められていた場合は、その期間内に広告中止を顧客が申し出ることはできない。広告契約終結後、広告データは無効もしくは抹消され、情報出力機器16,17は広告契約前の状態に戻る。
【0031】
なお、ステップS46では、広告依頼業者用端末6によりビルの条件を事前に設定していれば自動で正式広告依頼通知を可能とする。また、ステップS45,S49のオプションデータ紹介センタ1におけるビル情報の確認は、顧客情報DB8および昇降機DB9より引き出される。その情報として、例えばビルの所在地区・ビル用途(事務所ビル/商業ビル/ホテルなど)・ビルの規模・昇降機台数などが考えられる。
【0032】
以上のように、この実施の形態5によれば、広告依頼業者をデータ提供者とすることで、逆に顧客が昇降機を宣伝媒体として提供し収入を得ることができる。また、広告依頼業者にとっても、多数の乗客が場合によっては一日に数回利用する新たな宣伝媒体ができ、その宣伝効果が期待でき、しかも、オプション紹介センタはマージンを得ることができる。
【0033】
実施の形態6.
図7は、この発明の実施の形態6による昇降機情報配信システムにおける顧客、情報コンテンツ供給業者、広告依頼業者の三者にとって有益な情報検索の動作を示すフローチャートである。なお、本実施の形態における昇降機情報配信システムの構成についても、図1と実質的に同様であるので、ここでは、その記載を省略する。
本実施の形態では、顧客、情報コンテンツ供給業者、広告依頼業者の三者にとって有益な情報検索機能部を設けたものである。
図7において、顧客、情報コンテンツ供給業者、広告依頼業者は、それぞれ顧客用PC2、情報コンテンツ供給業者用端末5、広告依頼業者用端末6よりオプションデータ紹介センタ1にアクセスし(ステップS61)、次いで、キーワードを入力し、情報検索機能部13により項目をしぼることで、検索を可能とする(ステップS62)。なお、情報検索機能部13でそれぞれの目的に応じて項目をしぼるため、例えば顧客用端末2の場合、画像/写真/風景とキーワードを入力し、適合する項目のリストアップを行う。この時、検索可能となる顧客および業者は、予め情報公開登録をしていたものに限る。
【0034】
以上のように、この実施の形態6によれば、情報検索機能部をシステムに導入することで、顧客、情報コンテンツ供給業者、広告依頼業者それぞれにとって利用目的に合ったデータもしくは相手を効率よく見つけ出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の実施の形態1による昇降機情報配信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1による昇降機情報配信システムにおける情報出力機器へのデータ変更配信の動作を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態2による昇降機情報配信システムおけるオプションデータの更新履歴の送信の動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態3による昇降機情報配信システムおける音声・文字・画像データの試行期間を設ける試行データ管理の動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態4による昇降機情報配信システムおける情報コンテンツ供給業者提供の場合の情報出力機器へのデータ変更配信の動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態5による昇降機情報配信システムおける顧客の情報出力機器への広告依頼におけるデータ配信の動作を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態6による昇降機情報配信システムおける顧客、情報コンテンツ供給業者、広告依頼業者の三者にとって有益な情報検索の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0036】
1 オプションデータ紹介センタ、 2 顧客用PC、 3 昇降機メーカ営業・設計システム 、4 保守契約会社顧客管理システム、5 情報コンテンツ供給業者用端末、6 広告依頼業者用端末、7 インターネット、 8 顧客情報DB、9 昇降機DB、10 情報コンテンツDB、11 更新履歴ストア機能部、12 試行管理システム、13 情報検索機能部、14,15 昇降機、16,17 情報出力機器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降機かご内または乗場に設けられ、各種機能をそれぞれ有する情報出力機器と、
該各情報出力機器に対して、出力する音声・文字・画像データ等のオプションデータを紹介し、顧客が希望するデータをインターネットを介して配信するオプションデータ紹介センタと
を少なくとも備えたことを特徴とする昇降機情報配信システム。
【請求項2】
上記配信されるデータは、インターネットに接続されている顧客側のコンピュータを介してダイレクトに上記各情報出力機器にインストールされることを特徴とする請求項1記載の昇降機情報配信システム。
【請求項3】
上記オプションデータ紹介センタは、契約顧客の情報を格納した顧客情報DB、顧客が有する各昇降機の現状のスペックを格納した昇降機DBおよびオプションデータを格納した情報コンテンツDBを備え、インターネットを介してアクセスしてきた顧客に対して希望するデータ配信のサービスを行なうことを特徴とする請求項1または2記載の昇降機情報配信システム。
【請求項4】
上記オプションデータ紹介センタは、顧客が購入したオプションデータの内容を更新履歴として管理する更新履歴ストア機能部を備え、昇降機保守契約を結んでいる保守契約会社にもその履歴データを自動配信することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の昇降機情報配信システム。
【請求項5】
上記オプションデータ紹介センタは、顧客に対し紹介しているオプションデータの試行を一定期間許可する試行管理システムを備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の昇降機情報配信システム。
【請求項6】
上記オプションデータ紹介センタは、音声・文字・画像データ等のオプションデータ供給業者と提携していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の昇降機情報配信システム。
【請求項7】
上記オプションデータ紹介センタは、新製品、新曲などを紹介する広告依頼業者と提携し、登録された顧客の昇降機において、音声・文字・画像に関して広告を行なう契約を仲介することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の昇降機情報配信システム。
【請求項8】
上記オプションデータ紹介センタは、契約顧客、情報コンテンツ供給業者、広告依頼業者それぞれにとって有益である情報検索機能部を備え、情報公開を許可している顧客もしくは各業者がそれぞれにとって興味がある相手に対しコンタクトすることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の昇降機情報配信システム。
【請求項9】
上記情報出力機器として、階床や進行方向などをアナウンスする音声アナウンス装置、LEDディスプレイなどを用い文字情報を表示するインフォメーション文字表示装置、液晶やプラズマディスプレイを用い画像情報を表示するインフォメーション画像表示装置、かごの到着や到着予定かごを報知するチャイム、音楽やメッセージをスピーカより流すBGM装置を用いたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の昇降機情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−16118(P2006−16118A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194022(P2004−194022)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】