説明

映像伝送システム及び映像同期方法

【課題】 送信側の複数の映像信号源から出力された送信映像信号を個別の回線データとしてネットワークを介して伝送し、それら回線データを受信側で受信映像信号として各々受信する際に各受信映像信号をフレーム同期させかつフレーム同期の位相差を吸収して得ることができる映像伝送システム及び映像同期方法を提供する。
【解決手段】 受信側で映像信号源毎に受信映像信号のフレーム同期信号と共通フレーム同期信号との位相差に応じた時間だけ共通フレーム同期信号を遅延させて遅延フレーム同期信号を生成し、その遅延フレーム同期信号のタイミングを含む時間情報を示す時間情報パケットが送信側に伝送され、送信側ではその時間情報パケットが示す時間情報に応じて遠隔フレーム同期信号を生成し、映像信号源各々では、映像信号源毎に得られた遠隔フレーム同期信号に同期して送信映像信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の映像信号源から個別に出力された映像信号をネットワークを介して伝送する映像伝送システム及び映像同期方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、監視映像伝送システム、放送局素材伝送システム、テレビ中継システム等の映像伝送システムは、図1に示すように、映像信号源1-1〜1-n、同期信号源2-1〜2-n、送信装置3-1〜3-n、ネットワーク4、受信装置5-1〜5-n、FS(フレームシンクロナイザ)6、同期信号源7、及び映像機器8により構成されている。同期信号源2-1〜2-n、送信装置3-1〜3-n、及び受信装置5-1〜5-nは映像信号源1-1〜1-nの数nだけ備えられている。映像信号源1-1、同期信号源2-1及び送信装置3-1からなる部分が1つの送信側機器を構成し、映像信号源1-2、同期信号源2-2及び送信装置3-2からなる部分が1つの送信側機器を構成し、....、映像信号源1-n、同期信号源2-n及び送信装置3-nからなる部分が1つの送信側機器を構成する。各送信側機器の設置場所は互いに離れていても良い。
【0003】
映像信号源1-1〜1-n各々は、個別の同期信号源2-1〜2-n、或いは内蔵されたクロック素子から生成される信号に同期して送信映像信号を出力する。映像信号源1-1〜1-n各々は例えば、ビデオカメラや、蓄積メディアを再生して映像信号を出力するVTR,DVDプレーヤ等の再生装置である。
【0004】
送信装置3-1〜3-n各々は、図2に示すように、クロック抽出部31、ビデオ入力処理部32、ビデオパケット処理部33、時間情報パケット生成部34、及びパケット送信部35から構成されている。クロック抽出部31はいずれかの映像信号源から供給される送信映像信号から送信基本クロックa及び送信フレーム同期信号bを抽出し、送信基本クロックa及び送信フレーム同期信号bをビデオ入力処理部32、ビデオパケット処理部33、及び時間情報パケット生成部34に供給する。基本クロックaは送信映像信号の画素単位のタイミングを表す。ビデオ入力処理部32において送信映像信号は送信基本クロックa及び送信フレーム同期信号bに応じたタイミングで入力処理(例えば、符号処理)されて送信映像データとされる。その送信映像データはビデオパケット処理部33において送信基本クロックa及び送信フレーム同期信号bに応じて送信映像パケットとされる。更に、時間情報パケット生成部34においては送信基本クロックa及び送信フレーム同期信号bに応じて時間情報パケットが生成される。時間情報パケットは受信装置5-1〜5-n各々で送信基本クロックa及び送信フレーム同期信号bに同期した信号を再生するため必要な時間情報を備えたパケットである。送信映像パケット及び時間情報パケットはパケット送信部35によって送信回線データとして送信される。
【0005】
各送信装置3-1〜3-nからの送信回線データはネットワーク4を介して受信装置5-1〜5-nに伝送される。
【0006】
受信装置5-1〜5-n各々は、伝送された回線データを受信して受信映像信号を出力するために、図3に示すように、パケット受信部51、同期信号生成部52、位相比較器53、VCXO(電圧制御発振器)54、分周回路55、ビデオパケット処理部56、及びビデオ出力処理部57から構成されている。パケット受信部51は受信回線データを受信映像パケットと時間情報パケットとに分離する。時間情報パケットは同期信号生成部52に供給される。同期信号生成部52は時間情報パケットが示す時間情報に応じて内部フレーム同期信号を再生する。位相比較器53、VCXO(電圧制御発振器)54及び分周回路55はPLL回路を構成し、内部フレーム同期信号に基づいて受信基本クロックa’及び受信フレーム同期信号b’を生成する。すなわち、位相比較器53は内部フレーム同期信号と受信フレーム同期信号b’との位相差に応じた制御電圧を生成する。VCXO54は制御電圧に応じた周波数で受信基本クロックa’を生成する。分周回路55は受信基本クロックa’を分周して受信フレーム同期信号b’を生成する。基本クロックa’は例えば、受信映像信号の画素単位のタイミングを表す。
【0007】
受信基本クロックa’及び受信フレーム同期信号b’は送信装置3-1〜3-nのうちの対応する送信装置の送信基本クロックa及び送信フレーム同期信号bに同期した信号である。受信基本クロックa’及び受信フレーム同期信号b’はビデオパケット処理部56及びビデオ出力処理部57に供給される。また、受信基本クロックa’は内部フレーム同期信号の生成のために同期信号生成部52に供給される。パケット受信部51からの受信映像パケットはビデオパケット処理部56に供給される。ビデオパケット処理部56は受信基本クロックa’及び受信フレーム同期信号b’に同期して受信映像パケットから受信映像データを抽出してビデオ出力処理部57に供給する。ビデオ出力処理部57は受信基本クロックa’及び受信フレーム同期信号b’に同期して受信映像データを出力処理(例えば、復号処理)して受信映像信号を出力する。
【0008】
FS6は受信装置5-1〜5-nから出力された受信映像信号を同期信号源7から供給されたフレーム同期信号に同期させて映像機器8に出力する。映像機器8は入力された映像信号を切り替えて出力する切替器、映像信号を合成する画面合成器等の機器を備えている。映像機器8の各機器は入力された各映像信号を同じ時間軸で処理するため、各々はフレーム同期している必要がある。これは受信側でFS6等の部分により各映像信号を同期させないと、機能、性能にもよるが、切替時には表示画像が瞬間的に乱れ、複数画面合成では表示映像が異常となるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−74497号公報
【特許文献2】特開2001−268388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記構成の従来の映像伝送システムにおいては次の如き問題点があった。
【0011】
映像信号源1-1〜1-nの各々は個別の同期信号源2-1〜2-n(或いは各々に内蔵されたクロック素子)によって生成された同期信号に基づいた周波数で送信映像信号を発生する。そのため、受信装置5-1〜5-n各々において再生した受信基本クロックa’及び受信フレーム同期信号b’は映像信号源1-1〜1-nのうちの対応した映像信号源の出力映像信号に基づいた受信映像データには同期するが、それ以外の映像信号源の出力映像信号に基づいた受信映像データには同期できない。例えば、受信装置5-1は映像信号源1-1の出力映像信号に基づいた受信映像データには同期するが、映像信号源1-2〜1-n各々の出力映像信号に基づいた受信映像データには同期できない。
【0012】
また、FS6が使用するフレーム同期信号は別の同期信号源7から供給されており、各映像信号源1-1〜1-nの同期信号とは同期する構成ではない。このことから、FS6に供給される全受信映像信号はFS6に入力されるフレーム同期信号とは同期していないので、FS6内ではフレームのコマ落ち、或いは同一フレームの連続が発生することがある。フレームのコマ落ちや連続は、映像品質の劣化を主観的に感じる可能性のある事象である。
【0013】
システムの性格上、用途として公共性の高いサービスに使用される可能性があり、映像配信等の不特定多数ユーザへのサービスに使用している場合は、フレームのコマ落ちや連続の発生は、視聴者に違和感を与え、それによる社会的な影響が懸念される。
【0014】
また、映像信号源1-1〜1-nは互いに近く(例えば、同一の建物内)に配置されるとは限らず、遠隔地(例えば、別の都道府県など)に配置されることを想定する必要がある。つまり、近くに配置されている場合は同一の同期信号源からの同期信号を各映像信号源に接続すれば全映像信号源の出力する送信映像信号を同期させることが可能であるが、遠隔地に配置されている場合は、このような解決策をとることができない。
【0015】
更に、FS6を使用するために映像信号の遅延が増加するという問題点もある。これに対処するために、特許文献1に示された方法は、受信装置の後段にFSを使用せずに複数の受信装置のいずれか1つの受信装置の出力信号を基準同期信号として用いる方法を提示している。この方法では共通の同期信号源を別途必要とせず、後段にFSを接続する必要がないが、受信装置各々に同期吸収のためのフレームメモリを搭載する必要があり、フレームのコマ落ちや連続、遅延時間の増加という点ではFSを使用した場合と同様である。
【0016】
特許文献2に示された方法は、受信側から同期信号を、無線送信装置を用いて各映像信号源に供給することにより、各映像信号源を同期させることを可能とするものである。この方法では無線送信装置を用いているが、有線の通信回線等においても、上り回線を用いることによる方法も同様に構成することが容易に想定される。
【0017】
しかしながら、特許文献2に示された方法においても、映像をデータとして送信する装置から受信する装置までの伝送路上の遅延時間が、伝送経路の相違によって、対をなす送信装置及び受信装置毎に異なる場合に、各受信装置が出力する映像信号のフレーム同期には位相差が生じるので、その位相差を吸収するためにFSが必要となる。
【0018】
そこで、本発明の目的は、送信側の複数の映像信号源から出力された送信映像信号を個別の回線データとしてネットワークを介して伝送し、それら回線データを受信側で受信映像信号として各々受信する際に各受信映像信号をフレーム同期させかつフレーム同期の位相差を吸収して得ることができる映像伝送システム及び映像同期方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の映像伝送システムは、送信側の複数の映像信号源から出力された送信映像信号を個別の回線データとしてネットワークを介して伝送し、それら回線データを受信側で各々受信する映像伝送システムであって、共通フレーム同期信号を生成する単一の同期信号源を備え、前記映像信号源毎に、前記送信映像信号をデータ化して送信映像パケットを生成する送信映像パケット生成手段と、前記送信映像信号中のフレーム同期信号のタイミングを含む時間情報を示す第1時間情報パケットを生成する第1時間情報パケット生成手段と、前記送信映像パケットと前記第1時間情報パケットとを前記回線データとして送信してそれを前記ネットワークによって伝送させる第1パケット送信手段と、を含む送信装置と、前記ネットワークによって伝送された前記回線データを受信してその受信した回線データから受信映像パケットと受信時間情報パケットとを個別に出力するパケット受信手段と、前記受信時間情報パケットが示す時間情報に応じて受信フレーム同期信号を生成する受信フレーム同期信号生成手段と、前記受信フレーム同期信号に同期して前記受信映像パケット中の映像データから受信映像信号を再生する再生手段と、を含む受信装置と、前記受信映像信号中のフレーム同期信号と前記共通フレーム同期信号との位相差に応じた時間だけ共通フレーム同期信号を遅延させて遅延フレーム同期信号を生成する遅延フレーム同期信号生成手段と、前記遅延フレーム同期信号のタイミングを含む時間情報を示す第2時間情報パケットを生成する第2時間情報パケット生成手段と、前記第2時間情報パケットを送信してそれを前記ネットワークによって伝送させる第2パケット送信手段と、前記ネットワークによって伝送された前記第2時間情報パケットを受信してその受信した前記第2時間情報パケットが示す時間情報に応じて遠隔フレーム同期信号を生成する遠隔フレーム同期信号生成手段と、を備え、前記映像信号源各々は、前記映像信号源毎に得られた前記遠隔フレーム同期信号に同期して前記送信映像信号を出力することを特徴としている。
【0020】
本発明の映像同期方法は、送信側の複数の映像信号源から出力された送信映像信号を個別の回線データとしてネットワークを介して伝送し、それら回線データを受信側で各々受信する映像伝送システムの映像同期方法であって、共通フレーム同期信号を生成するステップを備え、前記映像信号源毎に、前記送信映像信号をデータ化して送信映像パケットを生成し、前記送信映像信号中のフレーム同期信号のタイミングを含む時間情報を示す第1時間情報パケットを生成し、前記送信映像パケットと前記第1時間情報パケットとを前記回線データとして送信してそれを前記ネットワークによって伝送させる送信ステップと、前記ネットワークによって伝送された前記回線データを受信してその受信した回線データから受信映像パケットと受信時間情報パケットとを個別に得て、前記受信時間情報パケットが示す時間情報に応じて受信フレーム同期信号を生成し、前記受信フレーム同期信号に同期して前記受信映像パケット中の映像データから受信映像信号を再生する受信ステップと、前記受信映像信号中のフレーム同期信号と前記共通フレーム同期信号との位相差に応じた時間だけ共通フレーム同期信号を遅延させて遅延フレーム同期信号を生成する遅延フレーム同期信号生成ステップと、前記遅延フレーム同期信号のタイミングを含む時間情報を示す第2時間情報パケットを生成する第2時間情報パケット生成ステップと、前記第2時間情報パケットを送信してそれを前記ネットワークによって伝送させる第2パケット送信ステップと、前記ネットワークによって伝送された前記第2時間情報パケットを受信してその受信した前記第2時間情報パケットが示す時間情報に応じて遠隔フレーム同期信号を生成する遠隔フレーム同期信号生成ステップと、を備え、前記映像信号源各々では、前記映像信号源毎に得られた前記遠隔フレーム同期信号に同期して前記送信映像信号を出力することを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明の映像伝送システム及び映像同期方法によれば、受信側で映像信号源毎に受信映像信号のフレーム同期信号と共通フレーム同期信号との位相差に応じた時間だけ共通フレーム同期信号を遅延させて遅延フレーム同期信号を生成し、その遅延フレーム同期信号のタイミングを含む時間情報を示す第2時間情報パケットが送信側に伝送され、送信側では第2時間情報パケットが示す時間情報に応じて遠隔フレーム同期信号を生成し、映像信号源各々では、映像信号源毎に得られた遠隔フレーム同期信号に同期して送信映像信号を出力することが行われる。よって、受信側ではFSを用いることなく各受信映像信号をフレーム同期させかつフレーム同期の位相差を吸収して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来の映像伝送システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1のシステム中の送信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1のシステム中の受信装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例として映像伝送システムの概略構成を示すブロック図である。
【図5】図4のシステム中の送信装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図4のシステム中の受信装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図4のシステム中のフレーム同期信号発生装置の構成を示すブロック図である。
【図8】図4のシステムの各部の映像信号のフレーム、同期信号の波形、同期信号の位相差、及び遅延時間を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0024】
図4は本発明の実施例として映像伝送システムを示している。この映像伝送システムは、映像信号源11-1〜11-n、送信装置12-1〜12-n、ネットワーク13、受信装置14-1〜14-n、同期信号源15、フレーム同期信号発生装置16、及び映像機器17から構成されている。
【0025】
映像信号源11-1〜11-n各々は、後述の遠隔フレーム同期信号を入力してその遠隔フレーム同期信号に同期して送信映像信号を生成して出力する。映像信号としては、NTSC、SDTV-SDI(シリアルディジタルインターフェース)、HDTV−SDI等を含む複数の種類が存在するが、本発明では特に限定されない。
【0026】
送信装置12-1〜12-nは、映像信号源11-1〜11-nに各々接続されている。送信装置12-1〜12-n各々は映像信号源11-1〜11-nのうちの対応する映像信号源の出力映像信号を入力してその映像信号に基づいて送信回線データを出力する。また、送信装置12-1〜12-n各々は後述するようにネットワーク13によって伝送された送信用時間情報パケットを受信し、その送信用時間情報パケットに基づいて遠隔フレーム同期信号を生成する。送信装置12-1〜12-n各々の具体的な構成については後述する。
【0027】
ネットワーク13は、送信装置12-1〜12-n各々から出力された送信回線データを対応する受信装置14-1〜14-nに伝送する。また、ネットワーク13は受信装置14-1〜14-n各々から出力された送信用時間情報パケットを対応する送信装置12-1〜12-nに伝送する。
【0028】
受信装置14-1〜14-n各々は、後述するようにネットワーク13によって伝送された回線データを受信し、その受信回線データに基づいて受信映像信号を生成する。また、受信装置14-1〜14-n各々はフレーム同期信号発生装置16から個別に得られるフレーム同期信号に基づいて送信用時間情報パケットを生成する。受信装置14-1〜14-n各々の具体的な構成については後述する。
【0029】
映像機器15は、画面切替器及び画面合成器(共に図示せず)を備えている。画面切替器は受信装置14-1〜14-nから出力された複数の受信映像信号を入力し、その入力した受信映像信号のうちから1つの映像信号を選択して出力する。画面合成器はその受信映像信号の各々のサイズを縮小して1つの映像信号に合成して出力する。
【0030】
同期信号源16は、映像信号の共通フレーム同期信号を発生する。この共通フレーム同期信号はフレーム同期信号発生装置17に供給される。
【0031】
フレーム同期信号発生装置17は、受信装置14-1〜14-n各々から出力された受信映像信号を入力し、受信映像信号毎に受信映像信号のフレーム同期信号と共通フレーム同期信号との位相差を測定し、その位相差を補正したフレーム同期信号を生成し、それを受信装置14-1〜14-nに供給する。フレーム同期信号発生装置17の具体的な構成については後述する。
【0032】
図5は送信装置12-1の構成を示している。送信装置12-1〜12-nは同一の構成であるので、送信装置12-1の構成のみが図示されている。送信装置12-1〜12-n各々はクロック抽出部121、ビデオ入力処理部122、ビデオパケット処理部123、時間情報パケット生成部124、及びパケット送信部125の他に、パケット受信部126、同期信号生成部127、位相比較器128、VCXO129、及び分周回路130から構成されている。クロック抽出部121、ビデオ入力処理部122、ビデオパケット処理部123、時間情報パケット生成部124、及びパケット送信部125からなる部分は、図2に示したクロック抽出部31、ビデオ入力処理部32、ビデオパケット処理部33、時間情報パケット生成部34、及びパケット送信部35からなる部分と同一であるので、ここでの更なる説明は省略される。
【0033】
パケット受信部126は受信装置14-1から送出され、そしてネットワーク13を介して伝送された送信用時間情報パケットを受信し、受信した送信用時間情報パケットを同期信号生成部127に供給する。
【0034】
同期信号生成部127はVCXO129から出力される基本クロックに同期して送信用時間情報パケットから内部フレーム同期信号を生成して位相比較器128に出力する。位相比較器128、VCXO129、及び分周回路130はPLL回路を構成する。位相比較器128は内部フレーム同期信号と、分周回路130から出力される遠隔フレーム同期信号とを位相比較して位相差に対応したレベルの電圧を制御電圧としてVCXO129に出力する。VCXO129は位相比較器128の出力制御電圧に応じた周波数の基本クロックを出力する。基本クロックは上記したように同期信号生成部127に供給されると共に分周回路130に供給される。分周回路130は基本クロックを分周することにより遠隔フレーム同期信号に変換して出力する。
【0035】
図6は受信装置14-1の構成を示している。受信装置14-1〜14-nは同一の構成であるので、受信装置14-1の構成のみが図示されている。受信装置14-1は、パケット受信部141、同期信号生成部142、位相比較器143、VCXO144、分周回路145、ビデオパケット処理部146、及びビデオ出力処理部147の他に、クロック抽出部148、時間情報パケット生成部149、及びパケット送信部150から構成されている。パケット受信部141、同期信号生成部142、位相比較器143、VCXO144、分周回路145、ビデオパケット処理部146、及びビデオ出力処理部147からなる部分は、図3に示したパケット受信部51、同期信号生成部52、位相比較器53、VCXO54、分周回路55、ビデオパケット処理部56、及びビデオ出力処理部57からなる部分と同一であるので、ここでの更なる説明は省略される。
【0036】
クロック抽出部148はフレーム同期信号発生装置17から発せられたフレーム同期信号を受け入れ、そのフレーム同期信号から基本クロックと送信用フレーム同期信号と抽出して時間情報パケット生成部149に出力する。
【0037】
時間情報パケット生成部149はクロック抽出部148から出力された基本クロックと送信用フレーム同期信号とに応じて時間情報パケットを生成してパケット送信部150に出力する。
【0038】
パケット送信部150は時間情報パケット生成部149から出力された時間情報パケットを多重化して送信用時間情報パケットとして送出する。
【0039】
図7はフレーム同期信号発生装置17の構成を示している。フレーム同期信号発生装置17は、同期信号抽出部171-1〜171-n、同期判定部172-1〜172-n、位相測定部173-1〜173-n、遅延部174-1〜174-n、及びクロック抽出部175を備えている。
【0040】
クロック抽出部175は共通フレーム同期信号を受け入れ、共通フレーム同期信号から基本クロックと内部フレーム同期信号とを生成する。基本クロックは画素単位のタイミングを示すクロックである。また、この内部フレーム同期信号は共通フレーム同期信号と同一である。基本クロックと内部フレーム同期信号とは同期判定部172-1〜172-n、位相測定部173-1〜173-n、及び遅延部174-1〜174-nに供給される。同期信号抽出部171-1〜171-n、同期判定部172-1〜172-n、位相測定部173-1〜173-n、遅延部174-1〜174-nは受信装置14-1〜14-nの数、すなわち受信映像信号の数だけ備えられ、第1〜第nフレーム同期信号生成系を形成している。第1受信映像信号が供給される第1フレーム同期信号生成系は同期信号抽出部171-1、同期判定部172-1、位相測定部173-1、及び遅延部174-1を備えている。同期信号抽出部171-1は第1受信映像信号中からフレーム同期信号を抽出して第1抽出同期信号として同期判定部172-1に出力する。同期判定部172-1はその第1抽出同期信号とクロック抽出部175から出力された内部フレーム同期信号とが位相同期したか(フレーム同期の位相差なしか)どうかを基本クロックのタイミングで判定する。位相測定部173-1は第1抽出同期信号と内部フレーム同期信号との位相差を基本クロックを用いて測定する。遅延部174-1は内部フレーム同期信号の位相調整を行うために設けられ、位相測定部173-1によって測定された位相差に応じて基本クロックを計測して内部フレーム同期信号を遅延させて第1フレーム同期信号を生成する。第2〜第n受信映像信号が供給される第2〜第nフレーム同期信号生成系各々の構成は第1フレーム同期信号生成系の構成と同一であるので、説明が省略される。なお、遅延部174-1〜174-n各々による位相調整のための遅延時間の最大値はTである。
【0041】
かかる構成の本発明による映像伝送システムにおいては、先ず、映像信号源11-1が出力する映像信号について説明すると、その映像信号は映像信号源11-1では遠隔フレーム同期信号に同期して生成される。遠隔フレーム同期信号は初期段階では送信装置12-1においてVCXO129が発生する基本クロックを分周回路130が分周することにより通常生成される。
【0042】
映像信号源11-1の出力映像信号は送信装置12-1によって送信映像パケットとされる。すなわち、ビデオ入力処理部122において送信基本クロックa及び送信フレーム同期信号bに応じたタイミングで入力処理されて送信映像データとされ、その送信映像データはビデオパケット処理部123において送信基本クロックa及び送信フレーム同期信号bに応じて送信映像パケットとされる。更に、時間情報パケット生成部124においては送信基本クロックa及び送信フレーム同期信号bに応じて時間情報パケット(第1時間情報パケット)が生成される。送信映像パケット及び時間情報パケットはパケット送信部125によって送信回線データとして送信される。この符号121〜125からなる部分の動作は図1に示した従来のシステムの送信装置3-1〜3-nの動作と同一である。
【0043】
送信回線データはネットワーク13によって伝送されて受信装置14-1のパケット受信部141で受信される。パケット受信部141では、受信した回線データが映像パケットと時間情報パケットとに分離される。時間情報パケットに基づいて同期信号生成部142、位相比較器143、VCXO144、及び分周回路145からなる部分が受信基本クロックa’及び受信フレーム同期信号b’を生成する。なお、同期信号生成部142から出力される内部フレーム同期信号が第1内部フレーム同期信号である。
【0044】
パケット受信部141からの受信映像パケットはビデオパケット処理部146において受信基本クロックa’及び受信フレーム同期信号b’に同期して受信映像パケットから受信映像データが抽出され、更に、その受信映像データに応じてビデオ出力処理部147において受信基本クロックa’及び受信フレーム同期信号b’に同期して第1受信映像信号が生成される。この符号141〜147からなる部分の動作は図1に示した従来のシステムの受信装置5-1〜5-nの動作と同一である。
【0045】
第1受信映像信号は映像機器15に供給されると共にフレーム同期信号発生装置17に供給される。フレーム同期信号発生装置17には更に、同期信号源16から共通フレーム同期信号が供給される。
【0046】
フレーム同期信号発生装置17においてクロック抽出部175からは共通フレーム同期信号が内部フレーム同期信号として出力されると共に共通フレーム同期信号に基づいた基本クロックが出力される。図8(a)は内部フレーム同期信号(共通フレーム同期信号)の波形を示している。
【0047】
また、フレーム同期信号発生装置17おいて、同期信号抽出部171-1が第1受信映像信号中からフレーム同期信号を第1抽出同期信号として抽出する。図8(b)は第1受信映像信号のフレームをフレーム番号で示しており、同期信号抽出部171-1によって抽出された第1抽出同期信号は図8(c)に示す通りの波形を有する。第1抽出同期信号は位相測定部173-1に供給され、第1抽出同期信号と内部フレーム同期信号との位相差が測定される。図8(d)に示したt1がその測定された位相差である。測定された位相差は遅延部174-1に供給される。遅延部174-1では遅延時間の最大値Tから位相差t1が差し引かれ、T−t1だけ内部フレーム同期信号を遅延させて第1フレーム同期信号(遅延フレーム同期信号)を生成する。遅延時間T−t1が図8(e)に示すような時間幅であれば、図8(f)に示す如きタイミングで第1フレーム同期信号は生成される。
【0048】
第1フレーム同期信号は受信装置14-1のクロック抽出部148に供給される。クロック抽出部148は第1フレーム同期信号を送信用フレーム同期信号とすると共に第1フレーム同期信号に基づいた基本クロックを生成する。その基本クロックと送信用フレーム同期信号とに応じて時間情報パケット生成部149によって送信用時間情報パケット(第2時間情報パケット)が生成され、送信用時間情報パケットはパケット送信部150によって送出され、ネットワーク13によって送信装置12-1に向けて伝送される。送信用時間情報パケットは第1フレーム同期信号についての時間情報を有するパケットである。
【0049】
送信装置12-1において、パケット受信部126がその送信用時間情報パケットを受信すると、送信用時間情報パケットは同期信号生成部127に供給され、同期信号生成部127において送信用時間情報パケットに応じて内部フレーム同期信号(第2内部フレーム同期信号)が生成される。その内部フレーム同期信号は位相比較器128によって遠隔フレーム同期信号と位相比較される。位相比較により位相に対応したレベルの制御電圧が位相比較器128からVCXO129に供給される。VCXO129は位相比較器128の出力制御電圧に応じた周波数の基本クロックを出力する。この基本クロックに応じて分周回路130によって遠隔フレーム同期信号が生成される。このように遠隔フレーム同期信号は第1フレーム同期信号についての時間情報パケットに基づいて生成されるので、結果として上記の位相差t1を減少させるように位相調整されて生成されることになる。
【0050】
映像信号源11-1では位相調整された遠隔フレーム同期信号に同期して映像信号が生成され、上記した送信装置12-1及び受信装置14-1各々の動作が繰り返される。よって、受信装置14-1から出力される第1受信映像信号のフレームは図8(g)に示すように内部フレーム同期信号の立ち上がり及び立ち下がりタイミングに一致して変化することになる。
【0051】
映像信号源11-2〜11-nから各々出力される映像信号についても上記した映像信号源11-1から出力される映像信号と同様に処理される。図8(h)〜(m)には映像信号源11-2から出力される映像信号に関係した映像信号のフレーム及び同期信号の波形が示され、図8(n)〜(s)には映像信号源11-nから出力される映像信号に関係した映像信号のフレーム及び同期信号の波形が示されている。
【0052】
映像信号源11-2から出力される映像信号については、送信装置12-2、ネットワーク13、及び受信装置14-2によって伝送されて第2受信映像信号とされる。第2受信映像信号のフレームが図8(h)に示すように変化するならば、同期信号抽出部171-2によって抽出された第2抽出同期信号は図8(i)に示す通りの波形を有する。第2抽出同期信号と内部フレーム同期信号との位相差t2が図8(j)に示すように測定されると、遅延部174-2では遅延時間の最大値Tから位相差t2が差し引かれ、T−t2だけ内部フレーム同期信号を遅延させて第2フレーム同期信号を生成する。遅延時間T−t2が図8(k)に示すような時間幅であれば、図8(l)に示す如きタイミングで第2フレーム同期信号は生成される。第2フレーム同期信号は送信用時間情報パケットとして受信装置14-2、ネットワーク13、及び送信装置12-2によって伝送され、送信用時間情報パケットに基づいて内部フレーム同期信号が生成され、内部フレーム同期信号に応じて遠隔フレーム同期信号の位相が調整される。映像信号源11-2では位相調整された遠隔フレーム同期信号に同期して映像信号が生成され、送信装置12-2及び受信装置14-2各々の動作が繰り返される。よって、受信装置14-2から出力される第2受信映像信号のフレームは図8(m)に示すように内部フレーム同期信号の立ち上がり及び立ち下がりタイミングに一致して変化することになる。
【0053】
同様に、映像信号源11-nから出力される映像信号については、送信装置12-n、ネットワーク13、及び受信装置14-nによって伝送されて第n受信映像信号とされる。第n受信映像信号のフレームが図8(n)に示すように変化するならば、同期信号抽出部171-nによって抽出された第n抽出同期信号は図8(o)に示す通りの波形を有する。第n抽出同期信号と内部フレーム同期信号との位相差tnが図8(p)に示すように測定されると、遅延部174-nでは遅延時間の最大値Tから位相差tnが差し引かれ、T−tnだけ内部フレーム同期信号を遅延させて第nフレーム同期信号を生成する。遅延時間T−tnが図8(q)に示すような時間幅であれば、図8(r)に示す如きタイミングで第nフレーム同期信号は生成される。第nフレーム同期信号は送信用時間情報パケットとして受信装置14-n、ネットワーク13、及び送信装置12-nによって伝送され、送信用時間情報パケットに基づいて内部フレーム同期信号が生成され、内部フレーム同期信号に応じて遠隔フレーム同期信号の位相が調整される。映像信号源11-nでは位相調整された遠隔フレーム同期信号に同期して映像信号が生成され、送信装置12-n及び受信装置14-n各々の動作が繰り返される。よって、受信装置14-nから出力される第n受信映像信号のフレームは図8(s)に示すように内部フレーム同期信号の立ち上がり及び立ち下がりタイミングに一致して変化することになる。
【0054】
このように受信装置14-1〜14-nから各々出力される第1〜第n受信映像信号のフレームが内部フレーム同期信号の立ち上がり及び立ち下がりタイミングに一致して変化することになる。すなわち、送信装置12-1〜12-nから受信装置14-1〜14-nまでの伝送路上の遅延時間が互いに異なっていても受信装置14-1〜14-nにおいて第1〜第n受信映像信号全てのフレーム同期の位相(フレーム開始タイミング)を一致させることができる。
【0055】
よって、上記の実施例においては、第1〜第n受信映像信号全てのフレーム位相が一致するので、第1〜第n受信映像信号は映像機器15においてフレームのコマ落ちや同一フレームの連続を起こすことなく、画面切り替え又は画面合成処理されることができる。また、図1に示した従来のシステムで用いたFSを受信装置14-1〜14-nと映像機器15との間に設ける必要がない。
【0056】
また、上記の実施例によれば、映像パケットを伝送していない方向(受信装置から送信装置へ)の伝送路を利用することが可能であるので、ネットワーク資源の有効利用を図ることができるという利点もある。
【0057】
なお、上記した実施例においては、送信装置12-1〜12-n各々の内に送信用時間情報パケットを受信して遠隔フレーム同期信号を生成する部分126〜130が備えられているが、この部分は送信装置12-1〜12-nの外部に形成しても良い。同様に、受信装置14-1〜14-n各々の内にフレーム同期信号を入力して送信用時間情報パケットを送信する部分148〜150が備えられているが、この部分は受信装置14-1〜14-nの外部に形成しても良い。
【0058】
また、上記した実施例において、同期判定部172-1によって第1抽出同期信号とクロック抽出部175から出力された内部フレーム同期信号とが位相同期したことが例えば、所定期間に亘って継続して判定された場合には、位相測定部173-1による第1抽出同期信号と内部フレーム同期信号との位相差の測定は停止される。その場合には位相測定部173-1ではその測定停止直前の位相差が維持出力される。その後、第1抽出同期信号とクロック抽出部175から出力された内部フレーム同期信号とが位相同期しなくなった場合には位相測定部173-1による第1抽出同期信号と内部フレーム同期信号との位相差の測定が再開される。
【0059】
上記した実施例においては複数の遠隔地にある映像信号源に、映像フレーム同期信号を受信側から送信側の遠隔地に伝送する構成を例に説明したが、ネットワーク構成を変更すれば、同期信号源の所在位置は限定する必要はなく、ネットワーク上の任意の地点から全送信装置に映像フレーム同期信号を伝送するシステムを構築することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1−1〜1−n,11−1〜11−n 映像信号源
3−1〜3−n,12−1〜12−n 送信装置
4,13 ネットワーク
5−1〜5−n,14−1〜14−n 受信装置
8,15 映像機器
17 フレーム同期信号発生装置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信側の複数の映像信号源から出力された送信映像信号を個別の回線データとしてネットワークを介して伝送し、それら回線データを受信側で各々受信する映像伝送システムであって、
共通フレーム同期信号を生成する単一の同期信号源を備え、
前記映像信号源毎に、
前記送信映像信号をデータ化して送信映像パケットを生成する送信映像パケット生成手段と、前記送信映像信号中のフレーム同期信号のタイミングを含む時間情報を示す第1時間情報パケットを生成する第1時間情報パケット生成手段と、前記送信映像パケットと前記第1時間情報パケットとを前記回線データとして送信してそれを前記ネットワークによって伝送させる第1パケット送信手段と、を含む送信装置と、
前記ネットワークによって伝送された前記回線データを受信してその受信した回線データから受信映像パケットと受信時間情報パケットとを個別に出力するパケット受信手段と、前記受信時間情報パケットが示す時間情報に応じて受信フレーム同期信号を生成する受信フレーム同期信号生成手段と、前記受信フレーム同期信号に同期して前記受信映像パケット中の映像データから受信映像信号を再生する再生手段と、を含む受信装置と、
前記受信映像信号中のフレーム同期信号と前記共通フレーム同期信号との位相差に応じた時間だけ共通フレーム同期信号を遅延させて遅延フレーム同期信号を生成する遅延フレーム同期信号生成手段と、
前記遅延フレーム同期信号のタイミングを含む時間情報を示す第2時間情報パケットを生成する第2時間情報パケット生成手段と、
前記第2時間情報パケットを送信してそれを前記ネットワークによって伝送させる第2パケット送信手段と、
前記ネットワークによって伝送された前記第2時間情報パケットを受信してその受信した前記第2時間情報パケットが示す時間情報に応じて遠隔フレーム同期信号を生成する遠隔フレーム同期信号生成手段と、を備え、
前記映像信号源各々は、前記映像信号源毎に得られた前記遠隔フレーム同期信号に同期して前記送信映像信号を出力することを特徴とする映像伝送システム。
【請求項2】
前記遅延フレーム同期信号生成手段は、前記受信映像信号中からフレーム同期信号を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出されたフレーム同期信号と前記共通フレーム同期信号との位相差を測定する測定部と、
所定の時間から前記測定部によって測定された位相差だけ差し引いた時間だけ前記共通フレーム同期信号を遅延させて前記遅延フレーム同期信号を生成する遅延部と、を備えることを特徴とする請求項1記載の映像伝送システム。
【請求項3】
前記共通フレーム同期信号に応じて画素単位のタイミングを示す基本クロックを生成するクロック抽出部を更に備え、
前記測定部は前記基本クロックに応じて前記位相差を測定し、前記遅延部は前記基本クロックに応じて前記差し引いた時間だけ前記共通フレーム同期信号を遅延させて前記遅延フレーム同期信号を生成することを特徴とする請求項2記載の映像伝送システム。
【請求項4】
前記所定の時間は前記遅延部の最大遅延時間であることを特徴とする請求項2記載の映像伝送システム。
【請求項5】
前記受信装置は、前記第2時間情報パケット生成手段と前記第2パケット送信手段とを内部に備え、前記送信装置は、遠隔フレーム同期信号生成手段を内部に備えることを特徴とする請求項1記載の映像伝送システム。
【請求項6】
前記送信装置は、前記送信映像信号に応じて前記送信映像信号中のフレーム同期信号と共に画素単位のタイミングを示す送信基本クロックを生成する第1クロック抽出部を更に備え、
前記送信映像パケット生成手段は、前記送信映像信号中のフレーム同期信号と前記送信基本クロックとに応じて前記送信映像信号をデータ化して前記送信映像パケットを生成し、
前記第1時間情報パケット生成手段は、前記送信映像信号中のフレーム同期信号のタイミングと前記送信基本クロックのタイミングとを含む時間情報を示す前記第1時間情報パケットを生成することを特徴とする請求項1記載の映像伝送システム。
【請求項7】
前記受信フレーム同期信号生成手段は、前記受信時間情報パケットが示す時間情報に応じて第1内部フレーム同期信号を生成する第1同期信号生成部と、
前記第1内部フレーム同期信号と前記受信フレーム同期信号との位相差に応じた制御電圧を生成する第1位相比較器と、
前記位相比較器によって生成された制御電圧に応じた周波数で受信基本クロックを生成する第1電圧制御発振器と、
前記受信基本クロックを分周して前記受信フレーム同期信号を生成する第1分周回路と、を備え、
前記第1同期信号生成部は、前記受信基本クロックに同期して第1内部フレーム同期信号を生成し、
前記再生手段は、前記受信フレーム同期信号及び受信基本クロックに同期して前記受信映像パケット中の映像データから受信映像信号を再生することを特徴とする請求項1記載の映像伝送システム。
【請求項8】
前記第2時間情報パケット生成手段は、前記遅延フレーム同期信号に応じて画素単位のタイミングを示す送信基本クロックを生成する第2クロック抽出部と、
前記第2クロック抽出部によって生成された前記送信基本クロックのタイミングと前記遅延フレーム同期信号のタイミングを含む時間情報を示す前記第2送信時間情報パケットを生成する時間情報パケット生成部と、を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の映像伝送システム。
【請求項9】
前記遠隔フレーム同期信号生成手段は、前記ネットワークによって伝送された前記第2時間情報パケットを受信するパケット受信部と、
前記パケット受信部によって受信された前記第2時間情報パケットが示す時間情報に応じて第2内部フレーム同期信号を生成する第2同期信号生成部と、
前記第2内部フレーム同期信号と前記遠隔フレーム同期信号との位相差に応じた制御電圧を生成する第2位相比較器と、
前記第2位相比較器によって生成された制御電圧に応じた周波数で基本クロックを生成する第2電圧制御発振器と、
前記第2電圧制御発振器によって生成された基本クロックを分周して前記遠隔フレーム同期信号を生成する分周回路と、を備え、
前記第2同期信号生成部は、前記第2電圧制御発振器によって生成された基本クロックに同期して第2内部フレーム同期信号を生成することを特徴とする請求項1又は2記載の映像伝送システム。
【請求項10】
前記映像信号源各々に対して前記再生手段によって再生された前記受信映像信号の切り替え及び前記受信映像信号が示す画面の合成のうちの少なくとも1つを行う映像機器を備えることを特徴とする請求項1記載の映像伝送システム。
【請求項11】
送信側の複数の映像信号源から出力された送信映像信号を個別の回線データとしてネットワークを介して伝送し、それら回線データを受信側で各々受信する映像伝送システムの映像同期方法であって、
共通フレーム同期信号を生成するステップを備え、
前記映像信号源毎に、
前記送信映像信号をデータ化して送信映像パケットを生成し、前記送信映像信号中のフレーム同期信号のタイミングを含む時間情報を示す第1時間情報パケットを生成し、前記送信映像パケットと前記第1時間情報パケットとを前記回線データとして送信してそれを前記ネットワークによって伝送させる送信ステップと、
前記ネットワークによって伝送された前記回線データを受信してその受信した回線データから受信映像パケットと受信時間情報パケットとを個別に得て、前記受信時間情報パケットが示す時間情報に応じて受信フレーム同期信号を生成し、前記受信フレーム同期信号に同期して前記受信映像パケット中の映像データから受信映像信号を再生する受信ステップと、
前記受信映像信号中のフレーム同期信号と前記共通フレーム同期信号との位相差に応じた時間だけ共通フレーム同期信号を遅延させて遅延フレーム同期信号を生成する遅延フレーム同期信号生成ステップと、
前記遅延フレーム同期信号のタイミングを含む時間情報を示す第2時間情報パケットを生成する第2時間情報パケット生成ステップと、
前記第2時間情報パケットを送信してそれを前記ネットワークによって伝送させる第2パケット送信ステップと、
前記ネットワークによって伝送された前記第2時間情報パケットを受信してその受信した前記第2時間情報パケットが示す時間情報に応じて遠隔フレーム同期信号を生成する遠隔フレーム同期信号生成ステップと、を備え、
前記映像信号源各々では、前記映像信号源毎に得られた前記遠隔フレーム同期信号に同期して前記送信映像信号を出力することを特徴とする映像同期方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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