説明

映像信号検出回路

【課題】ブルーバック信号やブラックバック信号を除いて動画信号のみを検出する映像信号検出回路を提供する。
【解決手段】外部ビデオ入力端子への映像信号はバイアス電圧付加回路によりバイアス電圧が付加され、この映像信号に含まれる水平同期信号は水平同期信号検出回路により検出される。また、外部ビデオ入力端子から入力された映像信号はバンドパスフィルタに入力され、バンドパスフィルタを通過した信号にバイアス電圧がバイアス電圧付加回路により付加される。バイアス電圧付加回路からの信号は動画検出回路において比較レベルと比較され、比較レベル以上であれば、動画検出回路から動画検出信号が出力される。さらに水平同期信号と動画検出信号とは合成回路により合成され、合成された動画認識信号により、ビデオ記録再生装置は外部ビデオ入力端子に動画信号が入力されたことを認識する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部ビデオ入力端子を介して映像信号が入力されたときに記録が開始する記録予約モードの機能を有するビデオ記録再生装置に備えられ、外部ビデオ入力端子に映像信号が入力されたことを検出する映像信号検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ハードディスク記録再生装置やDVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)レコーダあるいはビデオカセットレコーダなどのビデオ記録再生装置は、外部ビデオ入力端子を介して映像信号が入力されたときに記録が開始する記録予約モードの機能を有し、外部ビデオ入力端子から映像信号が入力されたことを検出する映像信号検出回路を備え、この映像信号検出回路が映像信号を検出すると、記録を開始するように構成されている。
【0003】
図5は従来の映像信号検出回路の構成を示すブロック図である。図5において、映像信号検出回路200は、図示しないビデオ記録再生装置の外部ビデオ入力端子Tから入力された映像信号にバイアス電圧を付加するバイアス電圧付加回路201と、このバイアス電圧付加回路201からのバイアス電圧が付加された映像信号に含まれる水平同期信号を検出する水平同期信号検出回路202とを備えている。その水平同期信号は、ビデオ記録再生装置のシステムコントローラに入力される。
【0004】
図6は図5に示す映像信号検出回路の動作を説明するための信号波形図である。図6(1)において、d1は外部ビデオ入力端子Tから入力された映像信号(NTSCカラーテレビジョン信号)を示し、この映像信号d1はバイアス電圧付加回路201に入力される。この映像信号d1において、21は水平同期信号を示し、22は約3.58MHzのカラーバースト信号を示す。d2は映像信号d1にバイアス電圧E1が付加された映像信号を示す。
【0005】
また、図6(1)において、e1は水平同期信号検出回路202において設定されている比較レベルであり、水平同期信号検出回路202は、映像信号d2のレベルを比較レベルe1と比較し、映像信号d2のレベルが比較レベルe1以上であれば、ハイレベル信号を出力し、映像信号d2のレベルが比較レベルe1未満であれば、ローレベル信号を出力するので、結果的には、水平同期信号d3を出力することになる。この水平同期信号d3を入力したビデオ記録再生装置のシステムコントローラは、外部ビデオ入力端子Tから映像信号が入力されたことを認識し、これにより、ビデオ記録再生装置は映像信号の記録を開始する。
【特許文献1】特開平8−275072号公報
【特許文献2】特開平11−213156号公報
【特許文献3】特開2005−20317号公報
【特許文献4】特開平7−143466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような構成を有する映像信号検出回路は、例えば、図6(2)に示すようなブルーバック信号(青画面を表示させるための信号)や図6(3)に示すようなブラックバック信号(黒画面を表示させるための信号)を入力した場合も、同様な動作で水平同期信号を検出してシステムコントローラに入力するので、システムコントローラは、外部ビデオ入力端子Tに入力された映像信号が動画信号であるか、ブルーバック信号またはブラックバック信号であるかを判別することができず、それらの信号の何れであってもビデオ記録再生装置を記録動作させ、動画信号を記録した場合は問題ないが、ブルーバック信号またはブラックバック信号を記録した場合は、記録媒体の記録領域が無駄になり、また、再生時には、ブルーバック画面やブラックバック画面などの無映像画面が出画されることになり、ユーザにとっては不快感を与えるなどの課題があった。
【0007】
ところで、特許文献1の従来技術では、入力された映像信号が動画信号であるかブルーバック信号であるかの判別は、次のような処理が行われる。先ず、コントローラは、予め設定した所定タイミング毎に切換信号を更新しつつ出力し、第3セレクタは、切換信号に基づいて何れかの映像信号を検出対象映像信号として映像検出回路に出力する。これにより、映像検出回路のロウパスフィルタは、その時定数に応じた検出対象映像信号の低域成分を通過させ、このロウパスフィルタの出力信号に基づいてクランプ回路は、検出対象映像信号の略映像部分の平均電圧レベルが0Vとなるようにクランピングする。次に、クロマトラップ回路は、クランピングされた検出対象映像信号の電圧と基準電圧とを比較することにより、入力された映像信号が動画信号であるかプルーバック信号であるかの判別を行う。
【0008】
しかしながら、この従来技術では、コントローラは、予め設定した所定タイミング毎に切換信号を更新しつつ出力しなければならないので、処理および回路構成が複雑化するという課題が生じる。また、検出対象映像信号の略映像部分の平均電圧レベルが0Vとなった信号と基準電圧とを比較することにより、入力された映像信号が動画信号であるかプルーバック信号であるかの判別を行っているが、平均電圧レベルが0Vとなった信号は、0V電圧を基準とした場合、プラス方向のレベルとマイナス方向のレベルは小さくなるので、基準電圧との差が小さくなり、入力された映像信号が動画信号であるかプルーバック信号であるかの判別の精度が劣るという課題が生じる。また、この従来技術では、コントローラ、第3セレクタ、映像検出回路、クランプ回路、クロマトラップ回路などの複雑な回路を必要とし、全体的に回路構成が複雑化するという課題が生じる。
【0009】
特許文献2の従来技術は、動画像から背景画像と前景画像との分離を行うものであり、ハードディスク記録再生装置やDVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)レコーダあるいはビデオカセットレコーダなどのビデオ記録再生装置において、外部ビデオ入力端子を介して映像信号が入力されたときに記録が開始する記録予約モードの機能を有し、外部ビデオ入力端子から映像信号が入力されたことを検出する映像信号検出回路を備え、この映像信号検出回路が映像信号を検出すると、記録を開始するようにしたものではなく、また、動画像とブルーバック画像とを判別できるようにしたものではない。
【0010】
特許文献3の従来技術は、動画と静止画とを判別するものであるが、動画像とブルーバック画像とを判別できるようにしたものではない。特許文献4の従来技術は、動き検出と輪郭抽出などを組み合わせて背景から説明者画像を切り抜くものであり、動画像とブルーバック画像とを判別できるようにしたものではない。
【0011】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、外部ビデオ入力端子を有するビデオ記録再生装置において、ブルーバック信号やブラックバック信号を除いて動画信号のみを検出する映像信号検出回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、ビデオ記録再生装置に付随する外部ビデオ入力端子から入力された映像信号にバイアス電圧を付加するバイアス電圧付加手段と、このバイアス電圧付加手段からのバイアス電圧が付加された映像信号に含まれる水平同期信号を検出する水平同期信号検出手段と、外部ビデオ入力端子から入力された映像信号が動画信号であった場合とブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であった場合とを判別できるように設定された通過周波数帯域を有するバンドパスフィルタと、このバンドパスフィルタを通過した信号にバイアス電圧を付加するバイアス電圧付加手段と、このバイアス電圧付加回路からの信号に対して前記映像信号が動画信号であるかブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であるかの判別を行うための比較レベルが設定され前記比較レベル以上の信号が前記バイアス電圧付加手段から入力されたとき前記映像信号は動画の映像信号であることを示す動画検出信号を出力する動画検出手段と、前記水平同期信号検出手段からの水平同期信号と前記動作検出手段からの動画検出信号とを合成して動画認識信号を出力する合成手段とを備え、前記動画認識信号により前記外部ビデオ入力端子に動画信号が入力されたことをビデオ記録再生装置に認識させるように構成したことを特徴とする映像信号検出回路を提供する。
【0013】
この構成において、外部ビデオ入力端子から入力された映像信号は、バイアス電圧付加手段によりバイアス電圧が付加され、このバイアス電圧が付加された映像信号に含まれる水平同期信号は、水平同期信号検出手段により検出される。また、外部ビデオ入力端子から入力された映像信号は、バンドパスフィルタに入力され、バンドパスフィルタを通過した信号にバイアス電圧付加手段によりバイアス電圧が付加される。このバイアス電圧付加回路からの信号は、動画検出手段において比較レベルと比較され、比較レベル以上であれば、動画検出手段から動画検出信号が出力される。さらに、水平同期信号検出手段からの水平同期信号と動作検出手段からの動画検出信号とは、合成手段により合成され、合成手段から動画認識信号が出力される。この動画認識信号により、ビデオ記録再生装置は、外部ビデオ入力端子に動画信号が入力されたことを認識することができる。
【0014】
この構成によれば、外部ビデオ入力端子を介して映像信号が入力されたときに記録が開始する記録予約モードの機能を有するビデオ記録再生装置の外部ビデオ入力端子に映像信号が入力されたとき、水平同期信号検出手段から水平同期信号が出力されることにより、その映像信号が動画信号またはブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であることが分かり、更に動画検出手段から動画検出信号が出力されることにより、その映像信号が動画信号であることが分かり、水平同期信号と動画検出信号とを合成した動画認識信号により、確実に外部ビデオ入力端子に入力された映像信号は動画信号であることをビデオ記録再生装置が認識できる。
【0015】
したがって、ビデオ記録再生装置では、外部ビデオ入力端子を介して映像信号が入力されたときに記録が開始する記録予約モードに設定されていれば、外部ビデオ入力端子に映像信号が入力されると、動画信号のみを記録させることができ、これにより、記録媒体の記録領域が無駄なく有効に使用でき、また、再生時には、ブルーバック画面やブラックバック画面などの無映像画面が出画されることがないので、ユーザは快適に再生映像を楽しむことができる。
【0016】
請求項2の発明は、ビデオ記録再生装置に付随する外部ビデオ入力端子から入力された映像信号が動画信号であった場合とブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であった場合とを判別できるように設定された通過周波数帯域を有するバンドパスフィルタを備え、このバンドパスフィルタを通過した信号により前記外部ビデオ入力端子に動画信号が入力されたことをビデオ記録再生装置に認識させるように構成したことを特徴とする映像信号検出回路を提供する。
【0017】
この構成において、外部ビデオ入力端子に映像信号が入力され、バンドパスフィルタを通過した信号は、外部ビデオ入力端子に入力された映像信号が動画信号であることをビデオ記録再生装置に認識させるための信号となる。
【0018】
この構成によれば、外部ビデオ入力端子を介して映像信号が入力されたときに記録が開始する記録予約モードの機能を有するビデオ記録再生装置の外部ビデオ入力端子に映像信号が入力されたとき、バンドパスフィルタを通過した信号により、外部ビデオ入力端子に入力された映像信号は、動画信号であることをビデオ記録再生装置が認識できる。
【0019】
したがって、ビデオ記録再生装置では、外部ビデオ入力端子を介して映像信号が入力されたときに記録が開始する記録予約モードに設定されていれば、外部ビデオ入力端子に映像信号が入力されると、動画信号のみを記録させることができ、これにより、記録媒体の記録領域が無駄なく有効に使用でき、また、再生時には、ブルーバック画面やブラックバック画面などの無映像画面が出画されることがないので、ユーザは快適に再生映像を楽しむことができる。
【0020】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、前記バンドパスフィルタを通過した信号にバイアス電圧を付加するバイアス電圧付加手段を更に備え、このバイアス電圧付加手段からの信号により、前記外部ビデオ入力端子に動画信号が入力されたことをビデオ記録再生装置に認識させるように構成したので、動画信号と、ブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号との判別が行ない易くなり、前記外部ビデオ入力端子に動画信号が入力されたことをビデオ記録再生装置が認識し易くなる。
【0021】
請求項4の発明では、請求項3の発明において、前記バイアス電圧付加回路からの信号に対して前記映像信号が動画信号であるかブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であるかの判別を行うための比較レベルが設定され前記比較レベル以上の信号が前記バイアス電圧付加手段から入力されたとき、前記映像信号は動画の映像信号であることを示す動画検出信号を出力する動画検出手段を更に備え、前記動画検出信号により、前記外部ビデオ入力端子に動画信号が入力されたことをビデオ記録再生装置に認識させるように構成したので、動画信号と、ブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号との判別が行ない易くなる構成を具体的に実現でき、前記外部ビデオ入力端子に動画信号が入力されたことをビデオ記録再生装置が認識し易くなる。
【0022】
請求項5の発明では、請求項4の発明において、ビデオ記録再生装置に付随する外部ビデオ入力端子から入力された映像信号にバイアス電圧を付加するバイアス電圧付加手段と、このバイアス電圧付加手段からのバイアス電圧が付加された映像信号に含まれる水平同期信号を検出する水平同期信号検出手段と、前記水平同期信号検出手段からの水平同期信号と前記動作検出手段からの動画検出信号とを合成して動画認識信号を出力する合成手段とを更に備え、前記動画認識信号により前記外部ビデオ入力端子に動画信号が入力されたことをビデオ記録再生装置に認識させるように構成したので、外部ビデオ入力端子を介して映像信号が入力されたときに記録が開始する記録予約モードの機能を有するビデオ記録再生装置の外部ビデオ入力端子に映像信号が入力されたとき、水平同期信号検出手段から水平同期信号が出力されることにより、その映像信号が動画信号またはブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であることが分かり、更に動画検出手段から動画検出信号が出力されることにより、その映像信号が動画信号であることが分かり、水平同期信号と動画検出信号とを合成した動画認識信号により、確実に外部ビデオ入力端子に入力された映像信号は動画信号であることをビデオ記録再生装置が認識できる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように本発明によれば、ビデオ記録再生装置に付随する外部ビデオ入力端子から入力された映像信号にバイアス電圧を付加するバイアス電圧付加手段と、このバイアス電圧付加手段からのバイアス電圧が付加された映像信号に含まれる水平同期信号を検出する水平同期信号検出手段と、外部ビデオ入力端子から入力された映像信号が動画信号であった場合とブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であった場合とを判別できるように設定された通過周波数帯域を有するバンドパスフィルタと、このバンドパスフィルタを通過した信号にバイアス電圧を付加するバイアス電圧付加手段と、このバイアス電圧付加回路からの信号に対して前記映像信号が動画信号であるかブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であるかの判別を行うための比較レベルが設定され前記比較レベル以上の信号が前記バイアス電圧付加手段から入力されたとき前記映像信号は動画の映像信号であることを示す動画検出信号を出力する動画検出手段と、前記水平同期信号検出手段からの水平同期信号と前記動作検出手段からの動画検出信号とを合成して動画認識信号を出力する合成手段とを備え、前記動画認識信号により前記外部ビデオ入力端子に動画信号が入力されたことをビデオ記録再生装置に認識させるように構成したので、外部ビデオ入力端子を介して映像信号が入力されたときに記録が開始する記録予約モードの機能を有するビデオ記録再生装置の外部ビデオ入力端子に映像信号が入力されたとき、水平同期信号検出手段から水平同期信号が出力されることにより、その映像信号が動画信号またはブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であることが分かり、更に動画検出手段から動画検出信号が出力されることにより、その映像信号が動画信号であることが分かり、水平同期信号と動画検出信号とを合成した動画認識信号により、確実に外部ビデオ入力端子に入力された映像信号は動画信号であることをビデオ記録再生装置が認識できる。
【0024】
したがって、ビデオ記録再生装置では、外部ビデオ入力端子を介して映像信号が入力されたときに記録が開始する記録予約モードに設定されていれば、外部ビデオ入力端子に映像信号が入力されると、動画信号のみを記録させることができ、これにより、記録媒体の記録領域が無駄なく有効に使用でき、また、再生時には、ブルーバック画面やブラックバック画面などの無映像画面が出画されることがないので、ユーザは快適に再生映像を楽しむことができる。
【0025】
また、本発明によれば、ビデオ記録再生装置に付随する外部ビデオ入力端子から入力された映像信号が動画信号であった場合とブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であった場合とを判別できるように設定された通過周波数帯域を有するバンドパスフィルタを備え、このバンドパスフィルタを通過した信号により前記外部ビデオ入力端子に動画信号が入力されたことをビデオ記録再生装置に認識させるように構成したので、外部ビデオ入力端子を介して映像信号が入力されたときに記録が開始する記録予約モードの機能を有するビデオ記録再生装置の外部ビデオ入力端子に映像信号が入力されたとき、バンドパスフィルタを通過した信号により、外部ビデオ入力端子に入力された映像信号は動画信号であることをビデオ記録再生装置が認識できる。
【0026】
したがって、ビデオ記録再生装置では、外部ビデオ入力端子を介して映像信号が入力されたときに記録が開始する記録予約モードに設定されていれば、外部ビデオ入力端子に映像信号が入力されると、動画信号のみを記録させることができ、これにより、記録媒体の記録領域が無駄なく有効に使用でき、また、再生時には、ブルーバック画面やブラックバック画面などの無映像画面が出画されることがないので、ユーザは快適に再生映像を楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に係る映像信号検出回路の構成を示すブロック図である。
【0028】
図1において、映像信号検出回路100は、図示しないビデオ記録再生装置の外部ビデオ入力端子Tから入力された映像信号にバイアス電圧を付加するバイアス電圧付加回路101と、このバイアス電圧付加回路101からのバイアス電圧が付加された映像信号に含まれる水平同期信号を検出する水平同期信号検出回路102とを備えている。
【0029】
また、映像信号検出回路100は、外部ビデオ入力端子Tから入力された映像信号が動画信号であった場合とブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であった場合とを判別できるように設定された通過周波数帯域を有するバンドパスフィルタ103と、このバンドパスフィルタ103を通過した信号にバイアス電圧を付加するバイアス電圧付加回路104と、このバイアス電圧付加回路104からの信号に対して前記映像信号が動画信号であるかブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であるかの判別を行うための比較レベルが設定され前記比較レベル以上の信号がバイアス電圧付加回路104から入力されたとき前記映像信号は動画の映像信号(動画信号)であることを示す動画検出信号を出力する動画検出回路105とを備えている。なお、前記動画信号は、静止画における映像信号も含まれる。
【0030】
図2は図1に示す映像信号検出回路の動作を説明するための信号波形図である。図2(1)において、a1は外部ビデオ入力端子Tから入力された映像信号(NTSCカラーテレビジョン信号)を示し、この映像信号a1はバイアス電圧付加回路101およびバンドパスフィルタ103に入力される。この映像信号a1において、21は水平同期信号を示し、22は約3.58MHzのカラーバースト信号を示す。a2は図3に示すような通過周波数帯域(1MHzを最大通過周波数)の周波数特性を有するバンドパスフィルタ103から出力された信号を示し、a3はバイアス電圧付加回路104から出力された信号を示す。この信号a3は、バンドパスフィルタ103から出力された信号a2に対してバイアス電圧Eが付加された信号である。
【0031】
動画検出回路105では、バイアス電圧付加回路104からの信号a3を比較レベルeで比較し、信号a3のレベルが比較レベルe以上であれば、ハイレベルの動画検出信号を出力する。a4は水平同期信号検出回路102から出力された水平同期信号と、動画検出回路105から出力された動画検出信号とを合成する合成回路106から出力された動画認識信号を示す。この動画認識信号が映像信号検出回路100から出力されたときに、外部ビデオ入力端子Tから動画の映像信号が入力されたことをシステムコントローラは認識でき、それに応じた処理、例えば、ビデオ記録再生装置に付随する外部ビデオ入力端子Tを介して映像信号が入力されたとき、記録を開始する記録予約モードが備えられている場合に、この記録予約モードを使用した際に、ブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号を省き、動画信号のみ抽出し、不要なビデオ画像の記録を除く処理を行うことができる。
【0032】
図2(2)において、b1は外部ビデオ入力端子Tから入力されたブルーバック信号を示し、このブルーバック信号b1はバイアス電圧付加回路101およびバンドパスフィルタ103に入力される。このブルーバック信号b1において、21は水平同期信号を示し、22は約3.58MHzのカラーバースト信号を示す。b2はバンドフィルタ103から出力された信号を示し、b3はバイアス電圧付加回路104から出力された信号を示す。この信号b3はバンドパスフィルタ103から出力された信号b2に対してバイアス電圧Eが付加された信号である。
【0033】
動画検出回路105では、バイアス電圧付加回路104からの信号b3を比較レベルeで比較するが、信号b3のレベルが比較レベルeよりも低いので、動画検出回路105は動画検出信号を出力しない。したがって、合成回路106から出力される信号は、信号b4のように水平同期信号検出回路102からの水平同期信号だけになる。これにより、システムコントローラは、外部ビデオ入力端子Tから入力された映像信号がブルーバック信号またはブラックバック信号であることを認識する。なお、次に述べるように、外部ビデオ入力端子Tにブラックバック信号が入力された場合も、図2(3)の信号c4に示すように水平同期信号検出回路102からの水平同期信号だけになるので、システムコントローラは、外部ビデオ入力端子Tから入力された映像信号がブラックバック信号またはブルーバック信号であることを認識することになる。
【0034】
図2(3)において、c1は外部ビデオ入力端子Tから入力されたブラックバック信号を示し、このブラックバック信号c1はバイアス電圧付加回路101およびバンドパスフィルタ103に入力される。このブラックバック信号c1において、21は水平同期信号を示し、22は約3.58MHzのカラーバースト信号を示す。c2はバンドフィルタ103から出力された信号を示し、c3はバイアス電圧付加回路104から出力された信号を示す。この信号c3はバンドパスフィルタ103から出力された信号c2に対してバイアス電圧Eが付加された信号である。
【0035】
動画検出回路105では、バイアス電圧付加回路104からの信号c3を比較レベルeで比較するが、信号c3は比較レベルeよりも低いので、動画検出回路105は動画検出信号を出力しない。したがって、合成回路106から出力される信号は、信号c4のように水平同期信号検出回路102からの水平同期信号だけになる。これにより、システムコントローラは、外部ビデオ入力端子Tから入力された映像信号がブラックバック信号またはブルーバック信号であることを認識する。
【0036】
このように映像信号検出回路100は、外部ビデオ入力端子Tから入力された映像信号が動画信号であれば、図2の信号a4に示すような動画認識信号を出力し、外部ビデオ入力端子Tから入力された映像信号がブルーバック信号またはブラックバック信号であれば、図2の信号b4,c4に示すように水平同期信号を出力するので、システムコントローラでは、外部ビデオ入力端子Tに入力された映像信号は、動画信号であるか、ブルーバック信号またはブラックバック信号であるかを判別することが可能になる。また、図2に示すような動画認識信号a4を入力したシステムコントローラは、信号a4の立下り時点t1をトリガとして検出動作を開始し、例えば、時点t2で動画認識信号a4を検出するので、検出が正確で検出精度が高くなる。
【0037】
図4は本実施形態において図1で説明した映像信号検出回路が搭載されたビデオ記録再生装置としてのハードディスク記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【0038】
図4において、このハードディスク記録再生装置は、テレビ放送の映像音声信号を受信して選局するチューナを有する受信部1、この受信部1からのアナログ映像音声信号のうちアナログ映像信号をデジタル映像信号に変換するA/D変換部2、外部ビデオ入力端子Tから入力されてくるアナログ映像信号をデジタル映像信号に変換するA/D変換部3、これらA/D変換部2,3で変換されたデジタル映像信号をMPEG方式で圧縮処理する圧縮処理部4、前記圧縮処理された映像データをハードディスク(HD)5aに記録するHDD(ハードディスクドライブ)5、およびHDD5から読み出した映像データを元の映像データに復元する伸張処理部6を備えている。
【0039】
また、このハードディスク記録再生装置は、前記復元した映像データをデジタル信号からアナログ信号に変換してディスプレイ装置8に映像信号を供給するD/A変換部7、圧縮処理部4による圧縮処理時や伸張処理部6による伸張処理時に映像データを一時的に格納するRAM9、装置全体の動作を制御するシステムコントローラ10、このシステムコントローラ10に各種キー操作信号を入力する本体のキー入力部11、リモコン13からの赤外線の各種キー操作信号を受信するキー受信部12、およびシステムコントローラ10の処理に必要なプログラムやデータなどが記録されたフラッシュROM14を備えている。
【0040】
また、このハードディスク記録再生装置は、本実施形態の特徴とする映像信号検出回路100を備えている。この映像信号検出回路100の動作を図1〜図3も参照して説明する。
【0041】
例えば、室内の侵入者を監視する監視カメラ(図示せず)のビデオ出力端子が、ビデオケーブルを介してハードディスク記録再生装置の外部ビデオ入力端子Tに接続されており、監視カメラは、ビデオ出力端子から通常はブルーバック信号を出力し、侵入者を捕らえると、動画信号を出力するものとする。また、ハードディスク記録再生装置では、監視カメラからの動画信号を入力したときに、記録が可能になるように記録予約モードに設定されているものとする。なお、ブルーバック信号の代わりにブラックバック信号を扱う場合も同様である。
【0042】
先ず、室内に侵入者が居ない場合は、監視カメラは、図2(2)に示すようなブルーバック信号b1を出力し、外部ビデオ入力端子Tに供給している。したがって、映像信号検出回路100では、そのブルーバック信号b1がバイアス電圧付加回路101およびバンドパスフィルタ103に入力される。バイアス電圧付加回路101では、そのブルーバック信号b1にバイアス電圧を付加し、水平同期信号検出回路102に入力する。水平同期信号検出回路102では、バイアス電圧付加回路101からのブルーバック信号b1に含まれる水平同期信号を検出する。
【0043】
また、バンドパスフィルタ103は、同じく外部ビデオ入力端子Tからのブルーバック信号b1を入力し、図2(2)に示すような信号b2を出力する。この信号b2を入力したバイアス電圧付加回路104は、信号b2に対してバイアス電圧Eを付加し、図2(2)に示すような信号b3を出力する。
【0044】
動画検出回路105は、バイアス電圧付加回路104からの信号b3を比較レベルeで比較するが、信号b3のレベルが比較レベルeよりも低いので、動画検出信号を出力しない。したがって、合成回路106から出力される信号は、信号b4のように水平同期信号検出回路102からの水平同期信号だけになる。これにより、システムコントローラ10は、外部ビデオ入力端子Tから入力された映像信号がブルーバック信号であることを認識し、このときはHDD5を駆動させない。したがって、監視カメラからのブルーバック信号はHD5aには記録されることはない。
【0045】
次に、室内に侵入者が入った場合の動作について説明する。室内に侵入者が入ると、監視カメラは、室内の映像を撮像して図2(1)に示すような映像信号a1を出力する。この映像信号a1は、ハードディスク記録再生装置の外部ビデオ入力端子Tに供給される。したがって、映像信号検出回路100では、その映像信号a1がバイアス電圧付加回路101およびバンドパスフィルタ103に入力される。バイアス電圧付加回路101では、その映像信号a1にバイアス電圧Eを付加し、水平同期信号検出回路102に入力する。水平同期信号検出回路102では、バイアス電圧付加回路101からの映像信号a1から水平同期信号を検出する。
【0046】
また、バンドパスフィルタ103は、同じく外部ビデオ入力端子Tからの映像信号a1を入力し、この映像信号a1のうち、図3に示すような通過周波数特性の通過周波数帯域の信号だけを通過させ、図2(1)に示すような信号a2を出力する。この信号a2を入力したバイアス電圧付加回路104は、信号a2に対してバイアス電圧Eを付加し、図2(1)に示すような信号a3を出力する。
【0047】
動画検出回路105では、バイアス電圧付加回路104からの信号a3を比較レベルeで比較し、信号a3のレベルが比較レベルe以上であれば、ハイレベルの動画検出信号を出力する。即ち、信号a3のレベルが比較レベルe以上になっている期間があるので、この期間の部分がハイレベルの動画検出信号として動画検出回路105から出力されることになる。
【0048】
合成回路106では、水平同期信号検出回路102から出力された水平同期信号と、動画検出回路105から出力された動画検出信号とを合成し、図2(1)に示すような動画認識信号a4を出力する。この動画認識信号a4を入力したシステムコントローラ100は、外部ビデオ入力端子Tから動画信号が入力されたことを認識し、これにより、HDD5を駆動させ、監視カメラからの動画信号をHD5aに記録させる。
【0049】
このハードディスク記録再生装置では、映像信号検出回路100を備えることにより、外部ビデオ入力端子Tを介して入力された映像信号が動画信号であった場合にのみ記録を開始するようにできるので、ブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号を省き、動画信号のみによるビデオ画像の記録を行うことができる。したがって、ハードディスクには、不要なブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号が記録されることがないので、記録領域を節約することができ、また、再生時には、ブルーバック画面やブラックバック画面などの無映像画面が出画されることがないので、ユーザは快適に目的とする映像を観ることができる。
【0050】
以上説明したように本実施形態によれば、外部ビデオ入力端子を介して映像信号が入力されたときに記録が開始する記録予約モードの機能を有するビデオ記録再生装置の外部ビデオ入力端子に映像信号が入力されたとき、水平同期信号検出手段から水平同期信号が出力されることにより、その映像信号が、動画信号、またはブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であることが分かり、更に動画検出手段から動画検出信号が出力されることにより、その映像信号が動画信号であることが分かり、水平同期信号と動画検出信号とを合成した動画認識信号により、確実に外部ビデオ入力端子に入力された映像信号は動画信号であることをビデオ記録再生装置が認識できる。
【0051】
したがって、ビデオ記録再生装置では、外部ビデオ入力端子を介して映像信号が入力されたときに記録が開始する記録予約モードに設定されていれば、外部ビデオ入力端子に映像信号が入力されると、動画信号のみを記録させることができ、これにより、記録媒体の記録領域が無駄なく有効に使用でき、また、再生時には、ブルーバック画面やブラックバック画面などの無映像画面が出画されることがないので、ユーザは快適に再生映像を楽しむことができる。
【0052】
なお、上記実施形態では、映像信号検出回路をハードディスク記録再生装置に設けた構成について説明したが、これに限らず、映像信号検出回路をDVDレコーダやビデオカセットレコーダなどのビデオ記録再生装置に設けても良い。また、上記実施形態では、ハードディスク記録再生装置の外部ビデオ入力端子Tに監視カメラを接続した場合について説明したが、再生装置を接続しても良く、この場合、再生装置からの映像を記録する場合に、再生装置からブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号が出力されている間は、ハードディスク記録再生装置は、記録動作を開始させず、再生装置から動画の映像信号が出力されたときにのみ、記録動作を開始させるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態に係る映像信号検出回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す映像信号検出回路の動作を説明するための信号波形図である。
【図3】図1中のバンドパスフィルタの通過周波数特性を示す図である。
【図4】前記実施形態において図1で説明した映像信号検出回路が搭載されたビデオ記録再生装置としてのハードディスク記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図5】従来の映像信号検出回路の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示す映像信号検出回路の動作を説明するための信号波形図である。
【符号の説明】
【0054】
T 外部ビデオ入力端子
100 映像信号検出回路
101 バイアス電圧付加回路(バイアス電圧付加手段)
102 水平同期信号検出回路(水平同期検出手段)
103 バンドパスフィルタ
104 バイアス電圧付加回路(バイアス電圧付加手段)
105 動画検出回路(動画検出手段)
106 合成回路(合成手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ記録再生装置に付随する外部ビデオ入力端子から入力された映像信号にバイアス電圧を付加するバイアス電圧付加手段と、このバイアス電圧付加手段からのバイアス電圧が付加された映像信号に含まれる水平同期信号を検出する水平同期信号検出手段と、外部ビデオ入力端子から入力された映像信号が動画信号であった場合とブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であった場合とを判別できるように設定された通過周波数帯域を有するバンドパスフィルタと、このバンドパスフィルタを通過した信号にバイアス電圧を付加するバイアス電圧付加手段と、このバイアス電圧付加回路からの信号に対して前記映像信号が動画信号であるかブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であるかの判別を行うための比較レベルが設定され前記比較レベル以上の信号が前記バイアス電圧付加手段から入力されたとき前記映像信号は動画の映像信号であることを示す動画検出信号を出力する動画検出手段と、前記水平同期信号検出手段からの水平同期信号と前記動作検出手段からの動画検出信号とを合成して動画認識信号を出力する合成手段とを備え、前記動画認識信号により前記外部ビデオ入力端子に動画信号が入力されたことをビデオ記録再生装置に認識させるように構成したことを特徴とする映像信号検出回路。
【請求項2】
ビデオ記録再生装置に付随する外部ビデオ入力端子から入力された映像信号が動画信号であった場合とブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であった場合とを判別できるように設定された通過周波数帯域を有するバンドパスフィルタを備え、このバンドパスフィルタを通過した信号により前記外部ビデオ入力端子に動画信号が入力されたことをビデオ記録再生装置に認識させるように構成したことを特徴とする映像信号検出回路。
【請求項3】
前記バンドパスフィルタを通過した信号にバイアス電圧を付加するバイアス電圧付加手段を更に備え、このバイアス電圧付加手段からの信号により、前記外部ビデオ入力端子に動画信号が入力されたことをビデオ記録再生装置に認識させるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の映像信号検出回路。
【請求項4】
前記バイアス電圧付加回路からの信号に対して前記映像信号が動画信号であるかブルーバック信号やブラックバック信号などの無映像信号であるかの判別を行うための比較レベルが設定され前記比較レベル以上の信号が前記バイアス電圧付加手段から入力されたとき前記映像信号は動画の映像信号であることを示す動画検出信号を出力する動画検出手段を更に備え、前記動画検出信号により、前記外部ビデオ入力端子に動画信号が入力されたことをビデオ記録再生装置に認識させるように構成したことを特徴とする請求項3に記載の映像信号検出回路。
【請求項5】
ビデオ記録再生装置に付随する外部ビデオ入力端子から入力された映像信号にバイアス電圧を付加するバイアス電圧付加手段と、このバイアス電圧付加手段からのバイアス電圧が付加された映像信号に含まれる水平同期信号を検出する水平同期信号検出手段と、前記水平同期信号検出手段からの水平同期信号と前記動作検出手段からの動画検出信号とを合成して動画認識信号を出力する合成手段とを更に備え、前記動画認識信号により前記外部ビデオ入力端子に動画信号が入力されたことをビデオ記録再生装置に認識させるように構成したことを特徴とする請求項4に記載の映像信号検出回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−189598(P2007−189598A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−7359(P2006−7359)
【出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】