説明

映像信号用同期信号生成装置

【課題】映像信号の入力垂直同期周波数と映像機器の表示垂直同期周波数とが異なる場合においても、これらが同期化する確率を向上させ、映像品位の低下を防ぐことができる映像信号用同期信号生成装置を提供する。
【解決手段】映像表示の基準となり第1の周波数を有する表示基準同期信号Vbと、映像を構成し第2の周波数を有する入力同期信号Viとを同期化させる映像信号用同期信号生成装置であって、第1の周波数の2倍の周波数を第2の周波数で除して周波数比nを算出する周波数比生成部35と、入力同期信号Viの1周期を周波数比nで等分した一致信号Vx´を生成するVx生成用比較回路部42と、一致信号Vx´を1回ごとに間引いて、入力同期信号Viと同位相の同期信号Vxを生成するVx生成回路部43とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号用同期信号生成装置に関し、特に、表示出力用制御信号である同期信号制御装置において、表示垂直同期信号の周波数と異なる周波数を有する入力垂直同期信号の映像信号を表示する映像再生機器に使用される映像信号用同期信号生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、フラットパネルディスプレイ(以下、FPDと示す)などの映像再生機器では、映像出力用の垂直同期信号の周波数(以下、表示垂直同期周波数と示す)の周期範囲が大きさや機種毎に規格が設けられている。そして、ほとんどの規格において、垂直同期信号の周期の許容範囲が極めて狭く設定されている。
【0003】
一方で、FPDなどの映像再生機器で再生させる映像信号の種類は多様化しており、その入力垂直同期周波数が表示垂直同期周波数と異なる場合も多々みられるようになってきた。例えば、入力垂直同期周波数が24Hzの映画再生出力を、表示垂直同期周波数が60HzのFPDに表示する場合などが上記に相当する。
【0004】
このように、24Hzの入力垂直同期周波数を有する映画再生出力を表示垂直同期周波数が60Hzの映像機器に表示する方法としては、映画再生出力の各フレームを、2−3プルダウン方式によりテレシネ変換することで、1秒あたり24フレームから成る映像信号から、1秒あたり60フレームの入力信号を生成する方法が従来知られている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すようにフレームを追加することで入力垂直同期周波数と表示垂直同期周波数との周波数差を見かけ上等しくするようにしても、クロックの同期誤差のずれなどにより、実際には入力垂直同期周波数と表示垂直同期周波数とが微妙にずれて非同期な状態が生じてしまう。非同期な状態では、映像のスキップ(飛び越し)やリピート(繰り返し)が生じるため、映像品位が著しく低下してしまうという問題があった。
【特許文献1】特開2004−274576号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたもので、映像信号の入力垂直同期周波数と映像機器の表示垂直同期周波数とが異なる場合においても、これらが同期化する確率を向上させ、映像品位の低下を防ぐことができる、映像信号用同期信号生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態に係る映像信号用同期信号生成装置は、映像表示の基準となり第1の周波数を有する表示基準同期信号と、映像を構成し第2の周波数を有する入力同期信号とを同期化させ、表示同期信号として出力する映像信号用同期信号生成装置であって、前記第1の周波数の2倍の周波数を前記第2の周波数で除して周波数比を算出する周波数比生成部と、前記入力同期信号の1周期を前記周波数比で等分した信号を生成し、この等分した信号を1回ごとに間引いて、前記入力同期信号と同位相の同期信号を生成する同期信号生成部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
映像信号の入力垂直同期周波数と映像機器の表示垂直同期周波数とが異なる場合においても、これらが同期化する確率を向上させ、映像品位の低下を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
始めに、図1を参照して、本発明の実施の形態に係わる映像信号用同期信号生成装置の構成を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わる映像信号用同期信号生成装置の構成を説明する概略ブロック図である。
【0011】
図1に示すように、本発明に係わる映像信号用同期信号生成装置は、表示垂直同期周波数(例えば60Hz)を有する表示基準同期信号Vbと、入力垂直同期周波数(例えば24Hz)を有する入力同期信号Viとが入力されて、表示基準同期信号Vbに同期化可能な周波数を有する表示同期信号Voが出力される、表示同期信号生成部1を有する。
【0012】
表示同期信号生成部1の詳細な構成を、図2を用いて説明する。図2は、表示同期信号生成部1の構成を説明する概略ブロック図である。
【0013】
図2に示すように、表示同期信号生成部1は、表示可能な周期の許容範囲内に収まるように表示基準同期信号Vbを補償する表示補償部2と、表示同期信号Voと入力同期信号Viとの周波数比を検出する周波数比検出部3と、入力同期信号Viと周波数比検出部3の出力とに基づき表示基準同期信号Vbと入力同期信号Viとが同期化可能な同期化周波数を有する同期信号Vxを生成する同期化周波数生成部4と、同期信号Vxが表示可能な周期の許容範囲内か否かを判定する同期化可否判定部5と、表示同期信号Voとして出力する同期信号を選択する表示同期選択部6とから構成される。
【0014】
表示補償部2は、表示補償のオン/オフを選択して切り替える補償モード選択部21,27と、同期補償期間用ラインカウンタ22と、同期補償期間用ラインカウンタ22のカウンタ値と表示補償範囲の最小設定値Vshtとを比較する比較器23と、同期補償期間用ラインカウンタ22のカウンタ値と表示補償範囲の最大設定値Vlngとを比較する比較器24と、比較器24の出力結果に基づき同期信号Vlを生成するVl同期信号生成部25と、任意の同期信号Vの立ち上がりのタイミングがVsht以上Vlng未満であるか否かを判定するためのゲート信号Vgateを生成する補償期間用ゲート信号生成部26とから構成される。
【0015】
表示同期信号生成部1に入力された表示基準同期信号Vbは、補償モード選択部21,27に入力される。補償モード選択部21,27では、表示補償のオン/オフがソフト的に選択されており、表示補償がオフの場合、補償モード選択部27から表示基準同期信号Vbが出力される。なお、補償モード選択部21,27のモード(表示補償のオン/オフ)は連動しており、常に同じモードが選択されるように設定されている。
【0016】
表示補償がオンの場合、同期補償期間用ラインカウンタ22が表示基準同期信号Vbのライン数のカウントアップを開始する。なお、同期補償期間用ラインカウンタ22のカウンタ値は0から1ずつカウントアップされ、表示基準同期信号Vbまたは表示同期信号Voの周期に同期して0にリセットされる。カウンタ値は比較器23,24に出力される。
【0017】
比較器23では、同期補償期間用ラインカウンタ22から入力されたラインカウンタ値と、表示補償範囲の最小設定値Vshtとが比較される。比較結果は、補償期間用ゲート信号生成部26に出力される。比較器24では、同期補償期間用ラインカウンタ22から入力されたラインカウンタ値と、表示補償範囲の最大設定値Vlngとが比較される。比較結果は、Vl同期信号生成部25と補償期間用ゲート信号生成部26とに出力される。
【0018】
Vl同期信号生成部25では、比較器24の出力を用い、表示基準同期信号Vbのラインカウンタ値と表示補償範囲の最大設定値Vlngとが一致したタイミングに同期する、同期信号Vlが生成される。生成された同期信号Vlは、表示可能最低周波数を有する同期信号であり、補償モード選択部27に出力される。
【0019】
補償期間用ゲート信号生成部26では、比較器23,24からの入力を用い、表示基準同期信号Vbのラインカウンタ値と表示補償範囲の最小設定値Vshtとが一致したタイミングで立ち上がり、表示基準同期信号Vbのラインカウンタ値と表示補償範囲の最大設定値Vlngとが一致したタイミングで立ち下がる矩形波を生成する。生成した矩形波は、後述する生成回路43から出力される同期信号Vxの立ち上がりのタイミングがVsht以上Vlng以下に存在するか否かを判定するためのゲート信号Vgateとして、同期化可否判定部5に出力される。即ち、表示同期信号の周波数が、予め設定された表示可能最低周波数以上であり、かつ、予め設定された表示可能最高周波数以下の周波数制限範囲内に入るように表示補償を行なっている。
【0020】
補償モード選択部27では、表示補償がオンの場合とオフの場合とで表示同期選択部6に出力する信号が異なる。表示補償がオンの場合、Vl同期信号生成部25から入力された同期信号Vlが出力される。一方、表示補償がオフの場合、補償モード選択部21から入力された表示基準同期信号Vbが出力される。
【0021】
周波数比検出部3は、入力同期信号Viの周期を検出するための入力同期用カウンタ31と、表示同期信号Voの周期を検出するための表示同期用カウンタ32と、入力同期用カウンタ31のカウンタ値を保持する入力同期用カウンタ値保持部33と、表示同期用カウンタ32のカウンタ値を保持する表示同期用カウンタ値保持部34と、入力同期信号Viの周波数と表示同期信号Voの周波数との比を算出する周波数比生成部35とから構成される。
【0022】
入力同期用カウンタ31は、0から一定速度で値をカウントアップし、入力同期信号Viに同期してカウンタ値をリセットするカウンタである。カウンタ値は入力同期用カウンタ値保持部33に出力される。入力同期用カウンタ値保持部33では、リセットされる直前のカウンタ値CntViを次のリセットまでの間保持する。すなわち、入力同期信号Viの任意の1周期の間、直前の1周期において入力同期用カウンタ31でカウントアップされ同周期の終了時点においてリセットされる直前のカウンタ値を保持する。
【0023】
入力同期用カウンタ値保持部33で保持されるカウンタ値CntViは、周波数比生成部35と同期化周波数生成部4とに出力される。
【0024】
一方、表示同期用カウンタ32は、0から一定速度で値をカウントアップし、表示同期信号Voに同期してカウンタ値をリセットするカウンタである。カウンタ値は表示同期用カウンタ値保持部34に出力される。表示同期用カウンタ値保持部34では、リセットされる直前のカウンタ値CntVoを次のリセットまでの間保持する。すなわち、表示同期信号Voの任意の1周期の間、直前の1周期において表示同期用カウンタ32でカウントアップされ同周期の終了時点においてリセットされる直前のカウンタ値を保持する。
【0025】
表示同期用カウンタ値保持部34で保持されるカウンタ値CntVoは、周波数比生成部35に出力される。
【0026】
周波数比生成部35では、入力同期用カウンタ値保持部33から入力されるカウンタ値CntViと、表示同期用カウンタ値保持部34から入力されるカウンタ値CntVoを2倍した値とを比較し、表示同期信号Vo(の倍速信号)と入力同期信号Viとの周波数比nを算出する。例えば、入力同期信号Viの周波数が24Hz、表示同期信号Voの周波数が60Hzの場合、24/(60*2)=1/5となり、n=5と算出される。
【0027】
なお、表示同期信号Voの周期を倍速して周波数比を算出しているのは、入力同期信号Viがインタレース方式で映像再生機器に表示される場合にも対応できるようにするためである。算出された周波数比(n)は、同期化周波数生成部4に出力される。
【0028】
同期化周波数生成部4は、同期信号Vxを生成するためのVx生成用カウンタ41と、CntViを周波数比nで等分したタイミングで立ち上がる一致信号Vx´を生成するVx生成用比較回路部42と、一致信号Vx´の立ち上がりを1回毎に間引いて同期信号Vxを生成する、同期信号生成部としてのVx生成回路部43とから構成される。
【0029】
Vx生成用カウンタ41は、入力同期用カウンタ31と同様、0から一定速度で値をカウントアップし、入力同期信号Viに同期してカウンタ値をリセットするカウンタである。カウンタ値CntVxはVx生成用比較回路部42に出力される。
【0030】
Vx生成用比較回路部42は、入力同期用カウンタ値保持部33から入力されるカウンタ値CntViを周波数比生成部35から入力される周波数比nで等分した値と、Vx生成用カウンタ41から入力されるカウンタ値CntVxとを比較し、両者が一致したタイミングで立ち上がる信号(一致信号Vx´)を生成する。
【0031】
例えば、カウンタ値CntVi=3093750、n=5の場合、CntVxが、3093750*0,3093750*(1/5),3093750*(2/5),3093750*(3/5),3093750*(4/5)と一致したタイミングで立ち上がる信号を一致信号Vx´として出力する。
【0032】
Vx生成回路部43は、入力された一致信号Vx´の立ち上がりを1回ごとに間引くことで同期信号Vxを生成し、同期化可否判定部5と表示同期選択部6とに出力する。
【0033】
入力同期信号Vi、一致信号Vx´、及び同期信号Vxの関係を、図3のタイミングチャートを用いて説明する。図3は、入力同期信号Vi、一致信号Vx´、及び同期信号Vxの関係を説明するタイミングチャートであり、(a)は、周波数24Hzの入力同期信号Viを60Hzの表示基準同期信号Vbに同期化させる場合のタイミングチャート、(b)は、周波数25Hzの入力同期信号Viを50Hzの表示基準同期信号Vbに同期化させる場合のタイミングチャートを示している。
【0034】
図3(a)に示すように、周波数24Hzの入力同期信号Viは、2周期で1フレームを構成している。入力同期用カウンタ値保持部33は、入力同期信号Viに同期してリセットされ、リセットされる直前の入力同期用カウンタ31のカウンタ値CntViを次のリセットまでの間保持する。
【0035】
入力同期信号Viの周波数と、表示同期信号Vo(=表示基準同期信号Vb)の周期を倍速した周波数との周波数比は、n=60*2/24=5である。従って、一致信号Vx´は、カウンタ値CntViを5等分した値とカウンタ値CntVxとが一致したタイミングに立ち上がりを有する信号(パルス)となる。従って、一致信号Vx´は図3(a)に示すように、入力同期信号Viが立ち上がるタイミングでリセットされ、入力同期信号Viの1周期の期間を5等分したタイミングで立ち上がりを有する。
【0036】
同期信号Vxは、一致信号Vx´の立ち上がり(パルス)を1回毎に間引いて生成している。具体的には、一致信号Vx´から、2回目、4回目、6回目、…、2m回目(m:自然数)、すなわち、偶数回目の立ち上がり(パルス)を間引くことで、奇数回目の立ち上がりのみを残した信号(パルス)が、同期信号Vxとなる。
【0037】
このようにして同期信号Vxを生成することで、同期信号Vxの周波数を表示基準同期信号Vbの近傍の周波数に設定でき、かつ、入力同期信号Viの各フレームの開始タイミングと、同期信号Vxの立ち上がりタイミングとを常に一致させることができる。なお、図3(b)に示す、周波数25Hzの入力同期信号Viを50Hzの表示基準同期信号Vbに同期化させる場合は、周波数比が5のかわりに4である点を除けば上述した図3(a)の場合と同様である。
【0038】
同期化可否判定部5では、補償期間用ゲート信号生成部26から入力されたゲート信号Vgateを用い、同期信号Vxの立ち上がりタイミングが補償期間内に存在するか否かが判定される。同期信号Vxの立ち上がりタイミングがVsht以上Vlng以下に存在する場合、補償期間内であると判定される。一方、同期信号Vxの立ち上がりタイミングがVsht以上Vlng以下に存在しない場合、補償期間外であると判定される。判定結果は表示同期選択部6に出力される。
【0039】
表示同期選択部6では、同期化可否判定部5から入力される判定結果に従い、入力された各種信号から適切な信号が選択され、表示同期信号Voとして出力される。同期信号Vxの立ち上がりタイミングが補償期間内に存在する旨の判定結果が入力された場合、同期信号Vxが表示同期信号Voとして出力される。一方、同期信号Vxの立ち上がりタイミングが補償期間内に存在しない旨の判定結果が入力された場合、補償モード選択部27から入力された信号が表示同期信号Voとして出力される。
【0040】
なお、補償モード選択部27から表示同期選択部6に出力される信号は、表示補償がオンの場合とオフの場合とで異なる。表示補償がオンの場合、Vl同期信号生成部25から入力された同期信号Vlが出力される。一方、表示補償がオフの場合、補償モード選択部21から入力された表示基準同期信号Vbが出力される。
【0041】
従って、同期信号Vxの立ち上がりタイミングが補償期間内に存在せず、かつ、表示補償がオンの場合、同期信号Vlが表示同期信号Voとして出力される。また、同期信号Vxの立ち上がりタイミングが補償期間内に存在せず、かつ、表示補償がオフの場合、表示基準同期信号Vbが表示同期信号Voとして出力される。
【0042】
このように構成された映像信号用同期信号生成装置を用い、例えば周波数が24Hzの入力同期信号Viを、例えば周波数が60Hzの表示基準同期信号Vbに同期させる方法を説明する。
【0043】
まず、補償モード選択部21,27がオフに切り替えられ、周波数60Hzの表示基準同期信号Vbが表示同期信号Voとして出力される。この表示同期信号Voが周波数比検出部3にフィードバックされ、周波数比生成部35において入力同期信号Viと表示同期信号Vo(=表示基準同期信号Vb)との周波数比n(=5)が算出される。
【0044】
算出された周波数比nは、Vx生成用比較回路部42に入力されて、周波数約120Hzの一致信号Vx´が生成される。一致信号Vx´はVx生成回路部43に入力され、その立ち上がりを1回ごとに間引かれて、周波数約60Hzの同期信号Vxが生成される。なお、一致信号Vx´は入力同期信号Viによって常にリセットされるので、入力同期信号Viと同期信号Vxとは常に同期化している。
【0045】
同期信号Vxは同期化可否判定部5に入力されて、その立ち上がりタイミングが表示補償期間内に存在するか否かが判定される。同期化開始直後の入力同期信号Viが表示基準同期信号Vbに同期化されていない状態では、同期信号Vxは表示補償期間内に存在しない。従って、同期化開始直後は、補償モード選択部27から出力された信号が表示同期信号Voとして表示同期選択部6から出力される。
【0046】
ここで、周波数比nが算出されると直ちに補償モード選択部21,27がオンに切り替えられるので、補償モード選択部27から同期信号Vlが出力される。同期信号Vlの周期は、映像機器に表示可能な周波数でありながら、同期信号Vxとの位相差を表示基準同期信号Vbに比べて早く近づけることができるという特徴を有する。
【0047】
同期信号Vxと同期信号Vlとの位相が近づくことにより、同期信号Vxの立ち上がりタイミングが表示補償期間内に入ると、同期信号Vlにかわって同期信号Vxが表示同期信号Voとして出力される。同期信号Vxは常に入力同期信号Viと同期化されているため、表示同期信号Voが同期信号Vlから同期信号Vxに切り替わった時点で表示同期信号Voと入力同期信号Viとが同期化される。
【0048】
このように、本発明の実施の形態においては、入力同期信号Viと表示基準同期信号Vbとの周波数比nを算出し、この周波数比nに応じて表示基準同期信号Vbと同期化可能であり、表示基準同期信号Vbの周波数の近傍の周波数を有し、かつ、入力同期信号Viと常に同期している同期信号Vxを生成し、同期信号Vxが表示基準同期信号Vbと同期化した時点で、同期信号Vxを表示同期信号Voとして用いている。これによって、入力同期信号Viと表示同期信号Voとの周波数が異なる場合でも、これらが同期化する確率を向上させ、映像品位の低下を防ぐことができる。
【0049】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態に係わる映像信号用同期信号生成装置の構成を説明する概略ブロック図。
【図2】表示同期信号生成部1の構成を説明する概略ブロック図。
【図3】入力同期信号Vi、一致信号Vx´、及び同期信号Vxの関係を説明するタイミングチャート。(a)は、周波数24Hzの入力同期信号Viを60Hzの表示基準同期信号Vbに同期化させる場合のタイミングチャート、(b)は、周波数25Hzの入力同期信号Viを50Hzの表示基準同期信号Vbに同期化させる場合のタイミングチャートを示している。
【符号の説明】
【0051】
2…表示補償部、3…周波数比検出部、4…同期化周波数生成部、5…同期化可否判定部、6…表示同期選択部、21,27…補償モード選択部、22…同期補償期間用ラインカウンタ、23,24…比較器、25…Vl同期信号生成部、26…補償期間用ゲート信号生成部、31…入力同期用カウンタ、32…表示同期用カウンタ、33…入力同期用カウンタ値保持部、34…表示同期用カウンタ値保持部、35…周波数比生成部、41…Vx生成用カウンタ、42…Vx生成用比較回路部、43…Vx生成回路部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像表示の基準となり第1の周波数を有する表示基準同期信号と、映像を構成し第2の周波数を有する入力同期信号とを同期化させ、表示同期信号として出力する映像信号用同期信号生成装置であって、
前記第1の周波数の2倍の周波数を前記第2の周波数で除して周波数比を算出する周波数比生成部と、
前記入力同期信号の1周期を前記周波数比で等分した信号を生成し、この等分した信号を1回ごとに間引いて、前記入力同期信号と同位相の同期信号を生成する同期信号生成部と、
を備えたことを特徴とする映像信号用同期信号生成装置。
【請求項2】
前記周波数比生成部は、前記表示同期信号によってリセットされる第1のカウンタのカウンタ値と、前記入力同期信号によってリセットされる第2のカウンタのカウンタ値とを用いて前記周波数比を算出することを特徴とする、請求項1に記載の映像信号用同期信号生成装置。
【請求項3】
前記同期信号に基づき前記入力同期信号と同期化させる前記表示同期信号を生成し、かつ、前記表示同期信号の周波数が、予め設定された表示可能最低周波数以上であり、かつ、予め設定された表示可能最高周波数以下の周波数制限範囲内に入るように表示補償を行なう表示補償部を更に有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の映像信号用同期信号生成装置。
【請求項4】
前記同期信号が、前記周波数制限範囲内か否かを判定する同期化可否判定部を更に備えたことを特徴とする、請求項3に記載の映像信号用同期信号生成装置。
【請求項5】
同期化可否判定部において前記同期信号が前記周波数制限範囲内であると判定された場合、前記同期信号を前記表示同期信号として出力し、前記同期信号が前記周波数制限範囲内でないと判定された場合、前記表示可能最低周波数を有する同期信号を前記表示同期信号として出力する表示同期選択部を更に有することを特徴とする、請求項4に記載の映像信号用同期信号生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−50633(P2010−50633A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212020(P2008−212020)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(390010308)東芝デジタルメディアエンジニアリング株式会社 (192)
【Fターム(参考)】