説明

映像処理装置及び映像処理方法、映像表示装置及び映像表示方法

【課題】バックライトの消費電力を削減しながら、映像信号の動画ぼやけを効果的に低減させることができる映像処理装置を提供する。
【解決手段】明るさ検出部51は映像の明るさを検出する。内挿映像信号生成部30,31は、入力映像信号F0における隣接する2フレーム間に内挿する内挿映像信号F1を生成する。時間軸強調部30,31は、入力映像信号F0と内挿映像信号F1の時間軸方向の高域成分を強調する。時系列変換メモリ53は、高域成分が強調された映像信号F0’,F1’をフレーム周波数変換する。時間軸強調部30,31は、入力される一対の映像信号の振幅を映像の明るさに応じて調整し、振幅を調整した一対の映像信号基づいて、高域成分を強調する度合いを示す利得係数を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルに映像を表示するための映像処理装置及び映像処理方法、映像表示装置及び映像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶パネルに映像を表示するための技術として、下記の特許文献1、特許文献2が知られている。
【0003】
特許文献1には、動画ぼやけを低減することができる映像表示装置が記載されている。この映像表示装置は、映像信号と1フレーム分遅延した映像信号とから動きベクトルを検出して、動きベクトルを用いてフレーム間に内挿するための内挿映像信号を生成する。この映像表示装置は、映像信号と内挿映像信号とを、それぞれ以前のフレームの映像信号を用いて時間軸強調し、時間軸強調された映像信号と内挿映像信号とをメモリに書き込み、書き込み周波数の2倍の周波数で、メモリより内挿映像信号、映像信号の順に交互に読み出す。これにより、この画像表示装置は、フレーム周波数が2倍になった出力映像信号を得ている。
【0004】
特許文献2には、消費電力の低減を実現する表示方法が記載されている。この表示方法は、映像信号の平均輝度等に基づいて、液晶パネルの透過率(画素の輝度)と、バックライトの輝度を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−337448号公報
【特許文献2】特開2006−154064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
映像信号の動画ぼやけを低減させ、かつ、バックライトの消費電力を削減するために、特許文献1に記載された技術と特許文献2に記載された技術との双方を映像表示装置に搭載することが考えられる。ところが、単に特許文献1に記載された技術と特許文献2に記載された技術との双方とを組み合わせただけでは、映像信号の動画ぼやけを効果的に低減させることができないことが明らかとなった。
【0007】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、バックライトの消費電力を削減しながら、映像信号の動画ぼやけを効果的に低減させることができる映像処理装置及び映像処理方法、映像表示装置及び映像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、映像の明るさを検出する明るさ検出部(51)と、第1のフレーム周波数を有する第1の映像信号を1フレーム分遅延させて第2の映像信号を生成する遅延部(10)と、前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とを用いて、前記第1のフレーム周波数をn倍(nは2以上の整数)にするための前記第1の映像信号における隣接する2フレーム間に内挿する第1〜第(n−1)の内挿映像信号を生成する内挿映像信号生成部(21〜23)と、前記第1の映像信号の時間軸方向の高域成分を、前記第1の映像信号と前記第1の内挿映像信号との一対の映像信号を用いて強調し、前記第1〜第(n−2)の内挿映像信号における第iの内挿映像信号(iは1以上(n−2)以下の整数)の時間軸方向の高域成分を、前記第iの内挿映像信号と第(i+1)の内挿映像信号との一対の映像信号を用いて強調し、前記第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を、前記第(n−1)の内挿映像信号と前記第2の映像信号との一対の映像信号を用いて強調する時間軸強調部(30〜33)と、前記時間軸強調部によって時間軸方向の高域成分がそれぞれ強調された前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号を書き込み、書き込まれた前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号を、前記第1のフレーム周波数のn倍のフレーム周波数である第2のフレーム周波数で読み出すメモリ(40)とを備え、前記時間軸強調部は、前記一対の映像信号の振幅を前記明るさ検出部によって検出した明るさに応じて調整する第1のゲイン制御部(310)と、前記第1のゲイン制御部によって振幅が調整された前記一対の映像信号に基づいて、前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を強調する度合いを示す利得係数を決定する利得係数決定部(300)と、前記利得係数決定部で決定した前記利得係数を用いて前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号それぞれに付加する時間軸方向の高域成分を生成する高域成分生成部(301,302)とを有することを特徴とする映像処理装置を提供する。
【0009】
上記の映像処理装置において、前記メモリより読み出された前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の振幅を、前記明るさ検出部によって検出した明るさに応じて調整する第2のゲイン制御部(53)をさらに備えることが好ましい。
【0010】
上記の映像処理装置において、前記第2のゲイン制御部によって振幅が調整された映像信号を液晶パネルに表示するよう駆動する液晶駆動部(60)をさらに備え、前記第1のゲイン制御部は、前記第2のゲイン制御部が前記液晶駆動部に供給する前記映像信号の振幅と同じ振幅となるよう、前記利得係数決定部に供給する前記一対の映像信号の振幅を調整することが好ましい。
【0011】
上記の映像処理装置において、前記液晶パネルに照射する光を発光するバックライト(80)を駆動するバックライト駆動部(81)をさらに備え、前記第1及び第2のゲイン制御部は、前記明るさ検出部によって検出した明るさが暗いほど前記一対の映像信号または前記メモリより読み出された映像信号の振幅を大きくし、前記バックライト駆動部は、前記明るさ検出部によって検出した明るさが暗いほど前記バックライトが発光する光の強度を小さくすることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、映像の明るさを検出し、第1のフレーム周波数を有する第1の映像信号を1フレーム分遅延させて第2の映像信号を生成し、前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とを用いて、前記第1のフレーム周波数をn倍(nは2以上の整数)にするための前記第1の映像信号における隣接する2フレーム間に内挿する第1〜第(n−1)の内挿映像信号を生成し、前記第1の映像信号の時間軸方向の高域成分を、前記第1の映像信号と前記第1の内挿映像信号との一対の映像信号を用いて強調し、前記第1〜第(n−2)の内挿映像信号における第iの内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を、前記第iの内挿映像信号と第(i+1)の内挿映像信号(iは1以上(n−2)以下の整数)との一対の映像信号を用いて強調し、前記第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を、前記第(n−1)の内挿映像信号と前記第2の映像信号との一対の映像信号を用いて強調し、前記時間軸強調部によって時間軸方向の高域成分がそれぞれ強調された前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号をメモリに書き込み、書き込まれた前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号を、前記第1のフレーム周波数のn倍のフレーム周波数である第2のフレーム周波数で前記メモリより読み出し、前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を強調する際に、前記一対の映像信号の振幅を検出した前記映像の明るさに応じて調整し、振幅が調整された前記一対の映像信号に基づいて、前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を強調する度合いを示す利得係数を決定し、決定した前記利得係数を用いて前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号それぞれに付加する時間軸方向の高域成分を生成することを特徴とする映像処理方法を提供する。
【0013】
上記の映像処理方法において、前記メモリより読み出した前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の振幅を、検出した前記映像の明るさに応じて調整することが好ましい。
【0014】
上記の映像処理方法において、前記メモリより読み出して振幅を調整した映像信号を液晶パネルに表示するよう駆動し、前記液晶パネルに表示する映像信号の振幅と同じ振幅となるよう、前記一対の映像信号の振幅を調整することが好ましい。
【0015】
上記の映像処理方法において、検出した前記映像の明るさが暗いほど前記一対の映像信号または前記メモリより読み出した映像信号の振幅を大きくし、検出した前記映像の明るさが暗いほどバックライトが前記液晶パネルに照射する光の強度を小さくすることが好ましい。
【0016】
さらに、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、上記の映像処理装置と、液晶パネル(70)と、前記液晶パネルに光を照射するバックライト(80)とを備える映像表示装置を提供する。
【0017】
さらにまた、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、映像の明るさを検出し、第1のフレーム周波数を有する第1の映像信号を1フレーム分遅延させて第2の映像信号を生成し、前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とを用いて、前記第1のフレーム周波数をn倍(nは2以上の整数)にするための前記第1の映像信号における隣接する2フレーム間に内挿する第1〜第(n−1)の内挿映像信号を生成し、前記第1の映像信号の時間軸方向の高域成分を、前記第1の映像信号と前記第1の内挿映像信号との一対の映像信号を用いて強調し、前記第1〜第(n−2)の内挿映像信号における第iの内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を、前記第iの内挿映像信号と第(i+1)の内挿映像信号(iは1以上(n−2)以下の整数)との一対の映像信号を用いて強調し、前記第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を、前記第(n−1)の内挿映像信号と前記第2の映像信号との一対の映像信号を用いて強調し、前記時間軸強調部によって時間軸方向の高域成分がそれぞれ強調された前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号をメモリに書き込み、書き込まれた前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号を、前記第1のフレーム周波数のn倍のフレーム周波数である第2のフレーム周波数で前記メモリより読み出し、前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を強調する際に、前記一対の映像信号の振幅を検出した前記映像の明るさに応じて調整し、振幅が調整された前記一対の映像信号に基づいて、前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を強調する度合いを示す利得係数を決定し、決定した前記利得係数を用いて前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号それぞれに付加する時間軸方向の高域成分を生成し、前記メモリより読み出した前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の振幅を、検出した前記映像の明るさに応じて調整し、振幅を調整した前記第2のフレーム周波数を有する映像信号を液晶パネルに表示し、バックライトから発せられた光を前記液晶パネルの裏面より照射するに際し、前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の振幅の調整と相殺させるように、バックライトからの光の強度を検出した前記映像の明るさに応じて調整することを特徴とする映像表示方法を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の映像処理装置及び映像処理方法、映像表示装置及び映像表示方法によれば、バックライトの消費電力を削減しながら、映像信号の動画ぼやけを効果的に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の映像表示装置の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1における時間軸強調部30,31の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の映像表示装置の第2実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の映像処理装置及び映像処理方法、映像表示装置及び映像表示方法の各実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
<第1実施形態>
第1実施形態の映像表示装置は、例えば図1に示すように構成される。
【0022】
図1において、第1のフレーム周波数を有する入力映像信号F0(第1の映像信号)は、画像メモリ10,動きベクトル検出部20,内挿映像信号生成部21,時間軸強調部30,明るさ検出部51に供給される。画像メモリ10は、入力映像信号F0を1フレーム分だけ遅延させることによって、1フレーム分遅延された映像信号F2(第2の映像信号)を生成する。映像信号F2は、動きベクトル検出部20,内挿映像信号生成部21,時間軸強調部31に供給される。画像メモリ10は、入力映像信号F0を1フレーム分遅延させて映像信号F2(第2の映像信号)を生成する遅延部として機能する。
【0023】
動きベクトル検出部20は、入力映像信号F0と映像信号F2とに基づいて、フレーム間の動きベクトルを検出する。動きベクトル検出部20は、例えばマッチング法などを用いて動きベクトルを検出する。動きベクトル検出部20によって検出された動きベクトルは、内挿映像信号生成部21に供給される。
【0024】
内挿映像信号生成部21は、動きベクトル検出部20から供給された動きベクトルに基づいて、入力映像信号F0と映像信号F2とから内挿映像信号F1を生成する。内挿映像信号F1とは、後段の時系列変換メモリ40にてフレーム周波数を2倍に変換する際に、もともと映像信号が存在しない変換前のフレーム周波数における隣接する2フレーム間の中間に挿入すべき映像信号である。内挿映像信号F1は、入力映像信号F0と映像信号F2とを用い、動きベクトル検出部20によって検出された動きベクトルに基づいて動き補償補間を行うことによって生成される。内挿映像信号F1は、時間軸強調部30,31に供給される。
【0025】
時間軸強調部30は、入力映像信号F0と内挿映像信号F1とを用いて、時間軸強調された強調映像信号F0’を生成し、時系列変換メモリ40に供給する。時間軸強調部31は、内挿映像信号F1と映像信号F2とを用いて、時間軸強調された強調映像信号F1’を生成し、時系列変換メモリ40に供給する。
【0026】
時間軸強調部30から出力される強調映像信号F0’と時間軸強調部31から出力される強調映像信号F1’とは、第1のフレーム周期で同時に時系列変換メモリ40に書き込まれる。
【0027】
時系列変換メモリ40は、強調映像信号F0’,F1’を一旦記憶する。時系列変換メモリ40は、強調映像信号F1’,F0’の順に画像ゲイン制御部53に出力する。このとき、時系列変換メモリ40は、入力映像信号F0のフレーム周波数の2倍のフレーム周波数で強調映像信号F1’,F0’を出力する。
【0028】
なお、説明の便宜上、入力映像信号F0はフレーム周波数が60Hzの順次走査信号であることを前提とし、インターレースの形式のNTSC信号やHDTV信号においては、前段にて順次走査信号に変換する処理がなされているものとする。
【0029】
画像ゲイン制御部53は、時系列変換メモリ40から供給された強調映像信号F0’,F1’の振幅を制御する。このとき、画像ゲイン制御部53は、強調映像信号F0’,F1’に、制御演算部52から供給された映像制御信号S1としての明るさ情報gを乗算する。これによって、画像ゲイン制御部53は、強調映像信号F0’,F1’の振幅を調整する。画像ゲイン制御部53は、振幅が調整された強調映像信号F0’,F1’を液晶駆動部60に供給する。
【0030】
液晶パネル70は、マトリクス状に配列された複数の画素を有し、電気信号を画素毎に所定時間保持して表示するアクティブマトリクス型表示パネルである。液晶駆動部60は、画像ゲイン制御部53より出力された映像信号を液晶パネル70に表示するよう液晶パネル70を駆動する。液晶駆動部60は、液晶パネル70におけるX軸方向とY軸方向の2方向の導線に対して、XとYの2方向から電圧をかけることで交点の液晶を駆動させると共に、画素ごとにオン,オフを切り替えて映像信号を表示させる。
【0031】
明るさ検出部51は、入力映像信号F0の明るさを検出する。この明るさは、入力映像信号F0における例えば1フレーム内の画素データの最大値Mである。1フレーム内のR,G,B信号の最大値Mを入力映像信号F0の明るさとすることができる。複数フレームの画素データの最大値を入力映像信号F0の明るさとしてもよく、1または複数フレーム内の画素データの値(画素レベル)の平均値を入力映像信号F0の明るさとしてもよい。R,G,B信号以外の例えば輝度信号に基づいて入力映像信号F0の明るさを検出してもよいし、画素レベルのヒストグラムを用いて統計的に入力映像信号F0の明るさを検出してもよい。
【0032】
本実施形態において、明るさ検出部51は、時系列変換メモリ40によってフレーム周波数が2倍とされる前の入力映像信号F0を用いて映像信号の明るさを検出する。明るさ検出部51は、検出した画素データの最大値Mを制御演算部52に供給する。
【0033】
なお、明るさ検出部51は入力映像信号F0以外の映像信号に基づいて明るさを検出してもよい。例えば、画像メモリ10から出力される映像信号F2を用いてもよく、内挿映像信号生成部21から出力される内挿映像信号F1を用いてもよい。但し、明るさ検出部51(検出系)における明るさの検出時刻から、明るさ検出部51で検出した明るさを用いた制御系(画像ゲイン制御部53と後述するバックライト駆動部81及びゲイン制御部310)における制御時刻までの時間的なずれを考慮するのであれば、できる限り前段にて明るさを検出することが好ましい。
【0034】
また、明るさ検出部51は、明るさを検出する制御演算の実現手段としてCPUなどを用いて動作の安定化を図ってもよい。
【0035】
制御演算部52は、明るさ検出部51から得られた画素データの最大値Mから、映像信号を制御するための映像制御信号S1及びバックライト80を制御するバックライト制御信号S2を生成する。この映像制御信号S1及びバックライト制御信号S2には、明るさ情報gが含まれる。明るさ情報gは、例えば8ビット階調で表現できる最大値の255/Mである。映像制御信号S1は、時間軸強調部30,31及び画像ゲイン制御部53に供給される。バックライト制御信号S2は、バックライト駆動部81に供給される。なお、映像制御信号S1に対する時間軸強調部30,31における内部動作については後述する。
【0036】
映像制御信号S1としての明るさ情報gは、明るさ検出部51で得られた画像内の最大輝度の逆数(255/M)である。即ち、液晶パネル70に表示させる映像が暗い場合には映像制御信号S1としての明るさ情報gは大きくなり、画像ゲイン制御部53による強調映像信号F0’及び強調映像信号F1’の振幅増幅度合いを大きくする。バックライト制御信号S2としての明るさ情報gは、液晶パネル70に表示させる映像が暗い場合に、バックライト80からの発光強度を小さくするようにする。このように、映像信号制御信号S1とバックライト制御信号S2とは同じ明るさ情報gであるが、信号増幅度合いと、バックライト80からの発光強度とを相殺させるようにする。
【0037】
バックライト80は、液晶パネル70の裏面に配置されている。バックライト80は、映像表示時に、液晶パネル70の裏面より光を照射する。バックライト80からの発光強度は、バックライト駆動部81によって制御される。なお、バックライト80はいわゆるエッジライト方式のバックライトであってもよい。この場合、バックライト80は液晶パネル70の側面に配置される場合がある。バックライト80の配置位置は裏面でも側面でもよく、液晶パネル70に対して光を液晶パネル70の裏面より照射する構成であればよい。
【0038】
バックライト駆動部81は、制御演算部52から明るさ情報gが供給される。バックライト80は、明るさ検出部51により検出された映像信号の明るさに基づき制御演算部52が生成した明るさ情報gに基づいて、バックライト80の明るさ(出力)を制御する。
【0039】
このような映像表示装置において、明るさ検出部51によって映像信号の明るさを検出してから、画像ゲイン制御部53による画像ゲイン制御及びバックライト駆動部81によるバックライト制御についての一連の流れについて説明する。
【0040】
例えば、入力映像信号F0に含まれる画素データの最大値Mが、8ビット階調で表現できる最大値の255よりも小さい値(0≦M<255)であったとする。このとき、明るさ検出部51で検出された明るさ情報gは、255/Mという値となる。
【0041】
この場合、映像表示装置は、画像ゲイン制御部53によって映像振幅をg(=255/M)倍し、バックライト駆動部81によってバックライト80の出力を1/g(=M/255)倍に制御する。これにより、入力映像信号F0に含まれる画素データの最大値Mが変動しても、バックライト80の出力と画素データの値とを組み合わせた液晶パネル70から発する輝度を等価にすることが可能である。
【0042】
本実施形態の映像表示装置によれば、画素データの最大値Mが小さいほど、明るさ情報gが大きくなり、バックライト80の出力を下げることができる。これにより、本実施形態の映像表示装置は、消費電力を低減させることができる。
【0043】
本実施形態の映像表示装置においては、時系列変換メモリ40から出力された映像信号の振幅が画像ゲイン制御部53によってg倍になるので、液晶パネル70への印加電圧はg倍となる。時間軸強調部30,31では、液晶パネル70への印加電圧に対応させて入力された映像信号を時間軸強調して、強調映像信号F0’,F1’を生成しなければならない。時間軸強調部30,31の構成を特許文献1に記載されている時間軸強調回路の構成としたとすると、時間軸強調の程度が不十分で映像信号の動画ぼやけを効果的に低減させることができないことになる。そこで、時間軸強調部30,31を図2に示すような構成とする。
【0044】
図2に示すように構成された時間軸強調部30,31は、映像信号を時間軸方向に強調するフィルタである。時間軸強調部30は、入力映像信号F0の時間軸方向の高域成分を内挿映像信号F1を用いて強調する。時間軸強調部31は、内挿映像信号F1の時間軸方向の高域成分を映像信号F2を用いて強調する。
【0045】
時間軸強調部30,31は、入力する二種類の映像信号をfa,fbとして、下記式(1)にて表される時間軸強調信号foを得る。
【0046】
fo=fa+k(fa−fb) …(1)
この式(1)において、kは、映像信号を強調する度合いを決定する利得係数であり、液晶パネル70の応答特性に応じて設定される。液晶パネル70の応答が比較的速く残像が少ない場合には、利得係数kは小さく設定される。一方、液晶パネル70の応答が遅く残像が多い場合には、利得係数kは大きく設定される。
【0047】
入力する映像信号のfaとfbの関係は、60Hzのフレーム周波数である入力映像信号を図1の時系列変換メモリ40により2倍の120Hzに変換した場合を想定したとき、fbがfaの1フレーム(1/120s)前の画像となる。より具体的に説明すると、時間軸強調部30においては、faが入力映像信号F0であり、fbが内挿映像信号F1である。時間軸強調部31においては、faが内挿映像信号F1であり、fbが映像信号F2である。
【0048】
上記式(1)の動作を行う時間軸強調部30,31は、図2に示すように、マッピング回路300,減算器301,乗算器302,加算器303,ゲイン制御部310を含む。ゲイン制御部310は、乗算器311,312を含む。
【0049】
ゲイン制御部310の乗算器311は映像信号faをg倍し、ゲイン制御部310の乗算器312は映像信号fbをg倍する。g倍された映像信号fa,fbはマッピング回路300に供給される。マッピング回路300は、予め設定された変換テーブルを用いて利得係数kを生成する。変換テーブルは、どの程度の強さで時間軸強調を行うかを映像信号faと映像信号fbとの関係から決定するものである。即ち、マッピング回路300は、時間軸方向の高域成分を強調する度合いを示す利得係数kを決定する利得係数決定部として機能する。
【0050】
減算器301は、映像信号faと映像信号fbとの差分をとり、乗算器302は差分値を利得係数k倍する。加算器303は、映像信号faにk倍された差分値を加算して時間軸強調信号foを出力する。減算器301及び乗算器302は、マッピング回路300が決定した利得係数kを用いて映像信号faに付加する時間軸方向の高域成分を生成する高域成分生成部として機能する。
【0051】
このように、時間軸強調部30,31は、明るさ情報gによって映像信号fa,fbの振幅を調整して、映像信号fa×gと映像信号fb×gを用いてマッピング回路300で利得係数kを決定する。映像信号fa×g及び映像信号fb×gの振幅は、画像ゲイン制御部53により振幅が調整され、実際に液晶駆動部60に供給される映像信号の振幅と同じである。
【0052】
映像信号fa,fbをg倍するゲイン制御部310は、後段の画像ゲイン制御回路53と実質的に同じ動作を行うことになる。画像ゲイン制御部53が液晶駆動部60に供給する電圧と、ゲイン制御部310がマッピング回路300に供給する電圧とを同一にできるので、乗算器302に適正な値の利得係数kを供給できる。このように、適正な値の利得係数kを供給することにより、後段の画像ゲイン制御信号53で信号振幅が調整されることを考慮して、時間軸強調部30,31から時間軸強調された強調映像信号F0’、F1’を出力することができる。
【0053】
時系列変換メモリ40からは、このような強調映像信号F0’,F1’に基づいてフレーム周波数変換された映像信号が出力される。画像ゲイン制御部53は、明るさ情報gに基づいて画像ゲインを制御しても、輝度(振幅)が適切な映像信号を液晶駆動部60に供給できる。従って、液晶駆動部60に印加される電圧のレベルが映像信号に応じて適したものとなり、液晶パネル70の応答特性を補償できる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態の映像表示装置によれば、明るさ検出部51により検出された明るさ情報gによって時間軸強調のための利得係数kを調整して、時間軸強調部30,31によって時間軸強調を行う。これによって、本実施形態の映像表示装置によれば、画像ゲイン制御部53によって振幅が調整される度合いを考慮して、時間軸強調を行うことができる。また、本実施形態の映像表示装置は、時系列変換メモリ40によってフレーム周波数を倍速変換する。さらに、本実施形態の映像表示装置は、明るさ情報gを用いて画像ゲイン制御部53により画像ゲインを調整すると共に、バックライト駆動部81によってバックライト80の出力を調整する。
【0055】
このように、本実施形態の映像表示装置によれば、明るさ情報gを検出した後に、時間軸強調及び倍速変換を行うことによって、映像のぼやけを低減できる。本実施形態の映像表示装置によれば、明るさ情報gを検出した後に、画像ゲインの調整及びバックライト80の出力の調整を行うことができ、バックライト80の消費電力を削減することができる。
【0056】
また、本実施形態の映像表示装置によれば、フレーム周波数を2倍にするために生成する内挿映像信号F1と入力映像信号F0に対して、フレーム周波数を2倍にする前に時間軸強調の処理を施している。従って、フレーム周波数を2倍にした後に時間軸強調処理を行うのに比較して、同等の動画ぼやけ防止効果を有しながら、時間軸強調処理の動作速度が高速になることによる回路動作実現上の困難さを回避できる効果がある。また、内挿映像信号生成部21で用いるフレームメモリを時間軸強調処理のフレームメモリと共用できるのでフレームメモリの削減効果がある。
【0057】
なお、制御演算部52から、バックライト駆動部81、時間軸強調部30,31内部の乗算器311,312及び画像ゲイン制御部53への制御タイミングの時間ずれを調整するため、遅延手段またはラッチ手段を設けてもよい。明るさ検出部51では1フレーム内の入力映像信号から明るさを求めることで、バックライト80及び画像ゲイン制御部53への制御が1フレーム遅延する。ところが、本実施形態の映像表示装置によれば、時系列変換メモリ40でフレーム遅延が生じるので、検出系(明るさ検出部51)と制御系(ここでは画像ゲイン制御部53及びバックライト駆動部81)との時間的なずれがなくなる。従って、遅延手段またはラッチ手段は、必ずしも設ける必要がない。
【0058】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の映像表示装置について説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0059】
第2実施形態の映像表示装置は、例えば図3に示すように構成される。第1実施形態との相違点は、出力される映像信号のフレーム周波数を4倍にする点である。このため、第2実施形態の映像表示装置は、内挿映像信号生成部21〜23の3つの内挿映像信号生成部を有し、時間軸強調部30〜33の4つの時間軸強調部を有する。
【0060】
内挿映像信号生成部21〜23は、それぞれ、供給される入力映像信号F0と1フレーム分遅延された映像信号F2とから、フレーム周波数を4倍に変換するために、入力映像信号F0の隣接する2フレーム間に挿入すべき3フレーム分の内挿映像信号F11,F12,F13を生成する。この場合、内挿映像信号生成部21〜23にて使用する動きベクトルは共通とする。
【0061】
時間軸強調部30は、入力映像信号F0と内挿映像信号F11から時間軸強調信号F0’を生成する。時間軸強調部31は、内挿映像信号F11と内挿映像信号F12から時間軸強調信号F11’を生成する。時間軸強調部32は、内挿映像信号F12と内挿映像信号F13から時間軸強調信号F12’を生成する。時間軸強調部33は内挿映像信号F13と1フレーム分遅延させた映像信号F2から時間軸強調信号F13’を生成する。
【0062】
これら4フレーム分の時間軸強調信号F0’,F11’,F12’,F13’は、時系列変換メモリ40に入力される。時系列変換メモリ40は、フレーム周波数が4倍になった240Hzの映像信号となるように時系列変換を行う。
【0063】
この第2実施形態の映像表示装置において、時間軸強調部30〜33には、明るさ情報gが供給される。時間軸強調部30〜33は、図2に示すように構成される。したがって、時間軸強調部30〜33は、映像信号fa,fbを明るさ情報g(255/M)で乗算して、利得係数kを求め、利得係数kを用いて時間軸強調を行う。
【0064】
以上のように、第2実施形態の映像表示装置によれば、第1実施形態と同様に、明るさ検出部51により検出された明るさ情報gによって時間軸強調のための利得係数kを調整して、時間軸強調部30〜33によって時間軸強調を行う。また、第2実施形態の映像表示装置は、時系列変換メモリ40によってフレーム周波数を4倍に変換する。さらに、第2実施形態の映像表示装置は、明るさ情報gを用いて画像ゲイン制御部53により画像ゲインを調整すると共に、バックライト駆動部81によってバックライト80の出力を調整する。
【0065】
なお、第2実施形態では、内挿映像信号生成部を3つ、時間軸強調部を4つとして、映像信号のフレーム周波数を4倍に変換する構成を示したが、映像信号のフレーム周波数を3倍または5倍以上に変換してもよい。時間軸強調部がn(nは3以上の整数)個、内挿映像信号生成部がn−1個の関係であればよい。第1実施形態と第2実施形態とを含めれば、映像信号のフレーム周波数を2倍またはそれ以上に変換すればよく、時間軸強調部がn(nは2以上の整数)個、内挿映像信号生成部がn−1個の関係となる。
【0066】
以上をまとめると次の通りとなる。内挿映像信号生成部(21または21〜23)は、第1のフレーム周波数を有する第1の映像信号と、第1の映像信号を1フレーム分遅延させた第2の映像信号とを用いて、第1の映像信号における隣接する2フレーム間に内挿する第1〜第(n−1)の内挿映像信号を生成する。第1〜第(n−1)の内挿映像信号は、第1のフレーム周波数をn倍にするために必要となる映像信号である。ここで、nは2以上の整数である。なお、第1〜第(n−1)の内挿映像信号は、第1の映像信号における隣接する2フレーム間に時間的に新しい順に並べた場合の順番である。
【0067】
時間軸強調部(30,31または30〜33)は、第1の映像信号と第1〜第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を強調する。この際、時間軸強調部は、第1の映像信号と第1の内挿映像信号との一対の映像信号を用いて第1の映像信号の時間軸方向の高域成分を強調する。時間軸強調部は、第1〜第(n−2)の内挿映像信号におけるいずれかを第iの内挿映像信号とすると、第iの内挿映像信号と第(i+1)の内挿映像信号との一対の映像信号を用いて第iの内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を強調する。ここで、iは1以上(n−2)以下の整数である。時間軸強調部は、前記第(n−1)の内挿映像信号と前記第2の映像信号との一対の映像信号を用いて第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を強調する。
【0068】
時間軸強調部は、一対の映像信号の振幅を映像の明るさに応じて調整する第1のゲイン制御部310と、時間軸方向の高域成分を強調する度合いを示す利得係数を決定する利得係数決定部(マッピング回路300)と、利得係数を用いて第1の映像信号及び第1〜第(n−1)の内挿映像信号それぞれに付加する時間軸方向の高域成分を生成する高域成分生成部(減算器301及び乗算器302)を備える。従って、フレーム周波数変換を行うためのメモリ(時系列変換メモリ40)の後段の第2のゲイン制御部(画像ゲイン制御部53)によって振幅を調整しても、時間軸強調の程度が不十分となることはなく、映像信号の動画ぼやけを効果的に低減させることが可能となる。
【0069】
なお、上述の実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0070】
10 画像メモリ
20 ベクトル検出部
21〜23 内挿映像信号生成部
30〜33 時間軸強調部
40 時系列変換メモリ
51 明るさ検出部
52 制御演算部
53 画像ゲイン制御部(第2のゲイン制御部)
60 液晶駆動部
70 液晶パネル
80 バックライト
81 バックライト駆動部
300 マッピング回路(利得係数決定部)
301 減算器(高域成分生成部)
302 乗算器(高域成分生成部)
303 加算器
310 ゲイン制御部(第1のゲイン制御部)
311,312 乗算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像の明るさを検出する明るさ検出部と、
第1のフレーム周波数を有する第1の映像信号を1フレーム分遅延させて第2の映像信号を生成する遅延部と、
前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とを用いて、前記第1のフレーム周波数をn倍(nは2以上の整数)にするための前記第1の映像信号における隣接する2フレーム間に内挿する第1〜第(n−1)の内挿映像信号を生成する内挿映像信号生成部と、
前記第1の映像信号の時間軸方向の高域成分を、前記第1の映像信号と前記第1の内挿映像信号との一対の映像信号を用いて強調し、前記第1〜第(n−2)の内挿映像信号における第iの内挿映像信号(iは1以上(n−2)以下の整数)の時間軸方向の高域成分を、前記第iの内挿映像信号と第(i+1)の内挿映像信号との一対の映像信号を用いて強調し、前記第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を、前記第(n−1)の内挿映像信号と前記第2の映像信号との一対の映像信号を用いて強調する時間軸強調部と、
前記時間軸強調部によって時間軸方向の高域成分がそれぞれ強調された前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号を書き込み、書き込まれた前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号を、前記第1のフレーム周波数のn倍のフレーム周波数である第2のフレーム周波数で読み出すメモリと、
を備え、
前記時間軸強調部は、
前記一対の映像信号の振幅を前記明るさ検出部によって検出した明るさに応じて調整する第1のゲイン制御部と、
前記第1のゲイン制御部によって振幅が調整された前記一対の映像信号に基づいて、前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を強調する度合いを示す利得係数を決定する利得係数決定部と、
前記利得係数決定部で決定した前記利得係数を用いて前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号それぞれに付加する時間軸方向の高域成分を生成する高域成分生成部と、
を有することを特徴とする映像処理装置。
【請求項2】
前記メモリより読み出された前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の振幅を、前記明るさ検出部によって検出した明るさに応じて調整する第2のゲイン制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の映像処理装置。
【請求項3】
前記第2のゲイン制御部によって振幅が調整された映像信号を液晶パネルに表示するよう駆動する液晶駆動部をさらに備え、
前記第1のゲイン制御部は、前記第2のゲイン制御部が前記液晶駆動部に供給する前記映像信号の振幅と同じ振幅となるよう、前記利得係数決定部に供給する前記一対の映像信号の振幅を調整する
ことを特徴とする請求項2記載の映像処理装置。
【請求項4】
前記液晶パネルに照射する光を発光するバックライトを駆動するバックライト駆動部をさらに備え、
前記第1及び第2のゲイン制御部は、前記明るさ検出部によって検出した明るさが暗いほど前記一対の映像信号または前記メモリより読み出された映像信号の振幅を大きくし、
前記バックライト駆動部は、前記明るさ検出部によって検出した明るさが暗いほど前記バックライトが発光する光の強度を小さくする
ことを特徴とする請求項2または3に記載の映像処理装置。
【請求項5】
映像の明るさを検出し、
第1のフレーム周波数を有する第1の映像信号を1フレーム分遅延させて第2の映像信号を生成し、
前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とを用いて、前記第1のフレーム周波数をn倍(nは2以上の整数)にするための前記第1の映像信号における隣接する2フレーム間に内挿する第1〜第(n−1)の内挿映像信号を生成し、
前記第1の映像信号の時間軸方向の高域成分を、前記第1の映像信号と前記第1の内挿映像信号との一対の映像信号を用いて強調し、前記第1〜第(n−2)の内挿映像信号における第iの内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を、前記第iの内挿映像信号と第(i+1)の内挿映像信号(iは1以上(n−2)以下の整数)との一対の映像信号を用いて強調し、前記第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を、前記第(n−1)の内挿映像信号と前記第2の映像信号との一対の映像信号を用いて強調し、
前記時間軸強調部によって時間軸方向の高域成分がそれぞれ強調された前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号をメモリに書き込み、書き込まれた前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号を、前記第1のフレーム周波数のn倍のフレーム周波数である第2のフレーム周波数で前記メモリより読み出し、
前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を強調する際に、
前記一対の映像信号の振幅を検出した前記映像の明るさに応じて調整し、
振幅が調整された前記一対の映像信号に基づいて、前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を強調する度合いを示す利得係数を決定し、
決定した前記利得係数を用いて前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号それぞれに付加する時間軸方向の高域成分を生成する
ことを特徴とする映像処理方法。
【請求項6】
前記メモリより読み出した前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の振幅を、検出した前記映像の明るさに応じて調整することを特徴とする請求項5記載の映像処理方法。
【請求項7】
前記メモリより読み出して振幅を調整した映像信号を液晶パネルに表示するよう駆動し、
前記液晶パネルに表示する映像信号の振幅と同じ振幅となるよう、前記一対の映像信号の振幅を調整する
ことを特徴とする請求項6記載の映像処理方法。
【請求項8】
検出した前記映像の明るさが暗いほど前記一対の映像信号または前記メモリより読み出した映像信号の振幅を大きくし、
検出した前記映像の明るさが暗いほどバックライトが前記液晶パネルに照射する光の強度を小さくする
ことを特徴とする請求項6または7に記載の映像処理方法。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の映像処理装置と、
液晶パネルと、
前記液晶パネルに光を照射するバックライトと、
を備える映像表示装置。
【請求項10】
映像の明るさを検出し、
第1のフレーム周波数を有する第1の映像信号を1フレーム分遅延させて第2の映像信号を生成し、
前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とを用いて、前記第1のフレーム周波数をn倍(nは2以上の整数)にするための前記第1の映像信号における隣接する2フレーム間に内挿する第1〜第(n−1)の内挿映像信号を生成し、
前記第1の映像信号の時間軸方向の高域成分を、前記第1の映像信号と前記第1の内挿映像信号との一対の映像信号を用いて強調し、前記第1〜第(n−2)の内挿映像信号における第iの内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を、前記第iの内挿映像信号と第(i+1)の内挿映像信号(iは1以上(n−2)以下の整数)との一対の映像信号を用いて強調し、前記第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を、前記第(n−1)の内挿映像信号と前記第2の映像信号との一対の映像信号を用いて強調し、
前記時間軸強調部によって時間軸方向の高域成分がそれぞれ強調された前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号をメモリに書き込み、書き込まれた前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号を、前記第1のフレーム周波数のn倍のフレーム周波数である第2のフレーム周波数で前記メモリより読み出し、
前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を強調する際に、
前記一対の映像信号の振幅を検出した前記映像の明るさに応じて調整し、
振幅が調整された前記一対の映像信号に基づいて、前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号の時間軸方向の高域成分を強調する度合いを示す利得係数を決定し、
決定した前記利得係数を用いて前記第1の映像信号及び前記第1〜第(n−1)の内挿映像信号それぞれに付加する時間軸方向の高域成分を生成し、
前記メモリより読み出した前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の振幅を、検出した前記映像の明るさに応じて調整し、
振幅を調整した前記第2のフレーム周波数を有する映像信号を液晶パネルに表示し、
バックライトから発せられた光を前記液晶パネルの裏面より照射するに際し、前記第2のフレーム周波数を有する映像信号の振幅の調整と相殺させるように、バックライトからの光の強度を検出した前記映像の明るさに応じて調整する
ことを特徴とする映像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−208477(P2012−208477A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−44978(P2012−44978)
【出願日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】