説明

映像編集装置、その制御方法及び映像編集プログラム

【課題】3:2プルダウンにより生成される映像データを含むインターレース方式の映像データに対してカット編集した場合に、編集後の映像データにおいて3:2プルダウンのフィールド配列パターンが崩れないようにする。
【解決手段】ユーザにカット編集による削除範囲の暫定的な開始フィールドを指定させ(マーク1)、暫定的な開始フィールドに応じて、カット編集後の映像データのフィールドの配列が3:2プルダウンの配列パターンに従う配列となるようなカット編集を行うための削除範囲の終了フィールドの候補を提示する(マーク6、7)。更に、削除範囲の開始フィールドとその直前のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界に一致するようなカット編集を行うための削除範囲の開始フィールドの候補を提示する(マーク3、4、5)。ユーザは、提示される候補を削除範囲の開始フィールド及び/又は終了フィールドとして指定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像編集装置、その制御方法及び映像編集プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスク)を搭載し、映像編集機能を有する録画機器が普及してきた。これはテレビ番組の映像データをHDDに記録したり、HDD内の映像データをDVD(Digital Versatile Disc)等の着脱可能なメディアにダビングしたりする機能を有する。更に、HDDに記録された映像データに対し、不要な部分をカットする等の映像編集を行うことができる。このような映像編集機器では、テレビ番組の映像データを一旦HDDに記録し、CM(Commercial Message:広告)等の不要な部分をカットした上でDVD等のメディアへダビングすることもできる。
【0003】
テレビ放送ではテレビカメラで撮影した映像だけでなく、映画用撮影機材で撮影したドラマ番組映像や映画館での上映を前提とした映画フィルムを基にしたフィルム映像も放送されている。
【0004】
日本や米国のテレビ放送の映像信号はNTSC規格である。この映像信号は、奇数ラインのみで構成される奇数フィールドと、偶数ラインのみで構成される偶数フィールドとが交互に繰り返される飛び越しスキャン方式により、計60枚のフィールドで1秒間の映像が構成されている。一方、フィルム映像は24枚のフレーム(コマ)で1秒間の映像が構成されている。よってフィルム映像をテレビ放送で放映する際には、毎秒24フレーム(24p)のフィルム映像データを毎秒60フィールド(60i)のインターレース映像データに変換しなければならない。
【0005】
このような様々なフレームレートの映像データを編集するシステムとして、全ての映像データを一旦24Hz(24p)の映像データに変換してから編集作業を行なうシステムが考案されている(特許文献1を参照)。しかしこのシステムは業務用の編集を想定したもので規模が大掛りである。一般家庭用機器では、放送規格に準じた60iの映像データの編集機能の中で、フィルム映像データなどの他のフレームレートの映像データの編集を行えることが望ましい。
【0006】
ここで、毎秒24フレームのフィルム映像データを放送規格の毎秒60フィールドのインターレース映像データへ変換する方法である3:2プルダウンについて説明する。3:2プルダウンでは、フィルム映像データの4フレームをインターレース映像データの10フィールドに規則的に変換する。3:2プルダウンによる変換例を図7(A)に示す。
【0007】
図7(A)の上段はフィルム映像データ(24Hz)を示し、符号1〜4は時間順に並ぶ4枚のフィルム映像データのフレーム(コマ)を区別するための符号である。下段はこれを3:2プルダウンで変換したインターレース映像データ(60i)を示し、Type1〜Type10は連続するフィールドを区別するための符号である。下段において1枚おきに上下にずらして記載しているが、上方にずれているフィールドが奇数フィールド(Odd)、下方にずれているフィールドが偶数フィールド(Even)を表す。
【0008】
フィルム映像データの最初のフレーム画像1からインターレース映像データの3つのフィールド画像(Type1〜Type3)が生成され、次のフレーム画像2から2つのフィールド画像(Type4〜Type5)が生成される。同様にフレーム画像3から3つ
のフィールド画像(Type6〜Type8)、フレーム画像4から2つのフィールド画像(Type9〜Type10)が生成される。このようにフィルム映像データの各フレームがインターレース映像データの2フィールド又は3フィールドに順次変換されるため、この変換方法は3:2プルダウンと称されている。Type1〜Type3の3フィールドとType9〜Type10の2フィールドは奇数フィールドから始まり、Type6〜Type8の3フィールドとType4〜Type5の2フィールドは偶数フィールドから始まる。3:2プルダウン処理により生成されたインターレース映像は、元のプログレッシブ映像の連続する4フレームから生成される10枚のフィールドが所定の配列パターン(Type1〜Type10)で配列され、この配列パターンが繰り返される映像データとなる。
【0009】
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどの近年の映像表示装置では、プログレッシブ表示が可能である。このような映像表示装置では、テレビ放送のインターレース映像データに対して、プログレッシブ映像データに変換するI/P(Interlace/Progressive)変換を行ってから表示している。I/P変換はソースのインターレース映像データの各フィールド画像において飛び越されたラインを補間して、全ラインが描画されるフレーム画像を生成する。
【0010】
フィールド画像における飛び越されたラインを補間する方法には、大きく分けて2つある。第一の方法は、補間する画素の上下、場合によっては斜め方向も含む周囲の画素データに基づく推定により補間画素を生成するもので「フィールド内処理」と呼ばれる。第二の方法は、時間方向に隣接するフィールドの画素を補間画素に代用するもので「フィールド間処理」と呼ぶ。フィールド内処理は同一フィールド内の処理であるため、動きの激しい映像データにも対応できるが、周囲の画素データから補間するため解像度が劣化する。一方、フィールド間処理は時間方向の処理であるため動きの少ない映像データでは解像度が劣化しにくいが、動きの激しい映像データでは誤った補間を行なってしまう場合がある。実際には何れか一方の処理のみを行なうのではなく、映像の動きを検知して処理方法を適宜選択する。
【0011】
この動き検知は全画面を幾つかのエリアに分割して処理を切り換えるのが一般的である。例えば、静止した背景の前をボールが動くシーンの場合、ボール部分は「動き有り」と判断してフィールド内処理を行い、背景部分は「動き無し」と判定してフィールド間処理を行う。
【0012】
図7(B)はI/P変換におけるインターレース映像のフィールドとプログレッシブ映像のフレームとの関係を表したものであり、上段はソースのインターレース映像(60i)、下段はI/P変換後のプログレッシブ映像(60p)を表す。例えばインターレース映像データのフィールド2をプログレッシブ映像データのフレーム2’に変換するためには、フィールド2の直前のフィールド1の画像を用いたり、直前のフィールド1及び直後のフィールド3の画像を用いたりしてフレーム2’を生成する。動きを検知してフィールド内処理を行う場合は、インターレース映像データのフィールド2の画像のみを用いてフレーム2’を生成する。「動き無し」と判断してフィールド間処理を行う場合は、インターレース映像データのフィールド1と2、フィールド2と3、又は、フィールド1と2と3の画像を用いてフレーム2’を生成する。図7(B)で上段のインターレース映像データ(60i)と下段のプログレッシブ映像データ(60p)を結ぶ矢印のうち、太線がフィールド内処理を表し、細線がフィールド間処理を表している。
【0013】
ところで、毎秒24フレームのフィルム映像データから3:2プルダウン処理によって生成されたインターレース映像データでは、上述のように、同一のフレーム画像から生成されたフィールドが2枚、3枚、2枚、3枚の配列パターンで繰り返される。同一のフレ
ーム画像から生成された2つのフィールド画像の間には動きはない。従って、同一のフレーム画像から生成された2つのフィールド画像からI/P変換によってプログレッシブ映像データのフレーム画像を生成する場合には、単純に2つのフィールド画像を合成すれば良い。この場合、フィールド内処理やフィールド間処理のような補間処理が行われないので、高画質なフレーム画像を生成できる。このように、変換対象のインターレース映像データに対して3:2プルダウンにより生成されたフィールド配列パターンを仮定して、単純合成によるプログレッシブ映像データのフレーム画像の生成を行う処理を「3:2プルダウン対応I/P変換」と称す。
【0014】
図7(C)は3:2プルダウン対応I/P変換の処理を模式的に示したものである。上段はフィルム映像データ(24Hz)、中段はこれを3:2プルダウンで変換したインターレース映像データ(60i)、下段はこれを更に3:2プルダウン対応I/P変換して生成したプログレッシブ映像データ(60p)を表す。
【0015】
上段のフィルム映像データのフレーム画像1、2、3及び4から、3:2プルダウン処理により、中段のインターレース映像データ(60i)のフィールド画像Type1〜3、Type4〜5、Type6〜8及びType9〜10が生成される。そして中段のインターレース映像データ(60i)から、3:2プルダウン対応I/P変換により、下段のプログレッシブ映像データ(60p)の各フレーム画像が得られる。インターレース映像データのフィールドType1はフィルム映像データのフレーム1から得た奇数フィールド、インターレース映像データのフィールドType2はフィルム映像データのフレーム1から得た偶数フィールドである。従って、Type1とType2のフィールド画像を合成して生成されるプログレッシブ映像データのフレーム画像は、元のフィルム映像データのフレーム1の画像になる。またインターレース映像のType3のフィールドもフィルム映像のフレーム1から得た奇数フィールドなので、Type3とType2のフィールド画像を合成して生成されるプログレッシブ映像のフレーム画像は、フィルム映像のフレーム1の画像になる。そしてインターレース映像のフィールドType4とType5はそれぞれフィルム映像のフレーム2から得た奇数フィールドと偶数フィールドなので、両フィールドの画像を合成して生成されるフレーム画像は、フィルム映像のフレーム2の画像になる。
【0016】
このように、インターレース映像データが3:2プルダウンにより生成されたものであることがわかっていれば、3:2プルダウン対応I/P変換を行うことにより高画質なプログレッシブ映像データが得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平08−228312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
3:2プルダウン対応I/P変換は、変換対象のインターレース映像データが、3:2プルダウン処理により生成される固有のフィールド配列パターンを有していることが前提となる。また、変換対象のインターレース映像データの各フィールドについて、配列パターンの何番目のフィールドであるかを表す配列番号(Type1〜10)の判別ができていることが前提となる。
【0019】
しかしながら、3:2プルダウンにより生成される映像データを含む映像データに対して、指定された削除範囲を削除するカット編集を行った場合、編集後の映像データにおいて3:2プルダウンのフィールド配列パターンが崩れる可能性がある。例えば、24Hz
(24p)のフィルム映像データを3:2プルダウンで変換した60iのインターレース映像データにCMの映像データを挿入してテレビ放送された映画番組の映像データを考える。この映画番組の映像データは60iのインターレース映像データだが、3:2プルダウンの配列パターンでフィールドが配列された映画パートと、3:2プルダウンの配列パターンでフィールドが配列されていないCMパートと、が混在する。この映像データを録画してCMパートを削除するカット編集を行った場合、編集後の映像データにおいて、CMカットの編集が行われた箇所で3:2プルダウンのフィールド配列パターンが崩れている可能性が高い。3:2プルダウンのフィールド配列パターンが崩れたインターレース映像データに対して3:2プルダウン対応I/P変換を行うと、異なるフレーム由来のフィールド画像が合成されるなど誤った処理が行われる可能性がある。
【0020】
従って、3:2プルダウン対応I/P変換を行う場合は、3:2プルダウンのフィールド配列パターンが崩れていないか監視し、崩れを検知した場合には直ちに3:2プルダウン対応I/P変換を中止する必要がある。そして3:2プルダウンのフィールド配列パターンを再検索し、検出できたら再び3:2プルダウン対応I/P変換を行うことが望ましい。
【0021】
しかしながら、3:2プルダウンのフィールド配列パターンが崩れたことを即座に検知するのは容易ではない。フィールド間の差分に対して敏感なアルゴリズムを用いて配列パターンの崩れを検知することが考えられるが、この検知方法では、特にフィルム映像データから3:2プルダウンで生成された映像データの場合に誤検出が発生する場合がある。これは、フィルム映像データのフレーム画像にはフィルム粒子に起因するランダムノイズが存在するため、同一フレーム画像由来の2つのフィールド画像が、異なるフレーム画像由来のフィールド画像と誤判定される可能性があるからである。
【0022】
本発明は、プルダウン処理による所定のフィールド配列パターンを有する映像データを含むインターレース方式の映像データに対して、フィールド配列パターンを崩さずにカット編集を行うことができる映像編集装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、元の映像データの各フレーム画像から複数のフィールド画像を生成し所定の配列パターンで配列するプルダウン処理によって生成される、該配列パターンが繰り返し現れる映像データを含むインターレース方式の映像データに対して、カット編集を行う映像編集装置であって、
カット編集後の映像データのフィールドの配列が前記配列パターンに従う配列となり、かつ、編集対象の映像データにおいて、カット編集による削除範囲の開始フィールドとその直前のフィールドとの境界及び/又はカット編集による削除範囲の終了フィールドとその直後のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界に一致する、という条件を満たす削除範囲の開始フィールドの候補及び/又は終了フィールドの候補をユーザに提示する提示部と、
ユーザに、前記提示部が提示する開始フィールドの候補及び/又は終了フィールドの候補を参照して、削除範囲の開始フィールド及び/又は終了フィールドを指定させる指定部と、
前記指定部において指定された削除範囲の映像データを編集対象の映像データから削除した映像データを出力する出力部と、
を有する映像編集装置である。
【0024】
本発明は、元の映像データの各フレーム画像から複数のフィールド画像を生成し所定の配列パターンで配列するプルダウン処理によって生成される、該配列パターンが繰り返し現れる映像データを含むインターレース方式の映像データに対して、カット編集を行う映
像編集装置の制御方法であって、
カット編集後の映像データのフィールドの配列が前記配列パターンに従う配列となり、かつ、編集対象の映像データにおいて、カット編集による削除範囲の開始フィールドとその直前のフィールドとの境界及び/又はカット編集による削除範囲の終了フィールドとその直後のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界に一致する、という条件を満たす削除範囲の開始フィールドの候補及び/又は終了フィールドの候補をユーザに提示するステップと、
ユーザに、提示される開始フィールドの候補及び/又は終了フィールドの候補を参照して、削除範囲の開始フィールド及び/又は終了フィールドを指定させるステップと、
ユーザにより指定される削除範囲の映像データを編集対象の映像データから削除した映像データを出力するステップと、
を有する映像編集装置の制御方法である。
【0025】
本発明は、元の映像データの各フレーム画像から複数のフィールド画像を生成し所定の配列パターンで配列するプルダウン処理によって生成される、該配列パターンが繰り返し現れる映像データを含むインターレース方式の映像データに対して、カット編集を行う映像編集プログラムであって、
コンピュータに、
カット編集後の映像データのフィールドの配列が前記配列パターンに従う配列となり、かつ、編集対象の映像データにおいて、カット編集による削除範囲の開始フィールドとその直前のフィールドとの境界及び/又はカット編集による削除範囲の終了フィールドとその直後のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界に一致する、という条件を満たす削除範囲の開始フィールドの候補及び/又は終了フィールドの候補をユーザに提示するステップと、
ユーザに、提示される開始フィールドの候補及び/又は終了フィールドの候補を参照して、削除範囲の開始フィールド及び/又は終了フィールドを指定させるステップと、
ユーザにより指定される削除範囲の映像データを編集対象の映像データから削除した映像データを出力するステップと、
を実行させる映像編集プログラムである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、プルダウン処理による所定のフィールド配列パターンを有する映像データを含むインターレース方式の映像データに対して、フィールド配列パターンを崩さずにカット編集を行うことができる映像編集装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施例1の映像編集装置の操作画面例
【図2】実施例1の映像編集装置のブロック図
【図3】実施例1の映像編集装置の動作を表すフローチャート
【図4】実施例1の映像編集装置を操作する操作部の例
【図5】実施例1の映像編集装置の操作画面例
【図6】実施例2の映像編集装置のブロック図
【図7】3:2プルダウン及びI/P変換の説明用概念図
【発明を実施するための形態】
【0028】
(実施例1)
図1は本実施例に係る映像編集装置の操作画面例、図2はブロック図である。図2のブロック図は、主として本実施例の映像編集装置の機能の説明に関係する画像信号系の機能部を記載し、音声信号などの他の信号系は省略してある。図2に示す映像編集装置は、アンテナ入力端子10、チューナー11、デジタル放送信号の復号器12、HDDへの書き
込み/読み出しを行なうI/F部13、HDD14、圧縮動画像を解凍する復号器15、動き検知部16を有する。更に、複数の画像信号を縮小し1枚の画面に合成する画面合成部17を有する。更に、ユーザ操作のための文字や記号などのGUI(Graphical User Interface)部品画像を映像信号に重畳するOSD(On Screen Display)部18を有する。更に、ディスプレイ等の画像表示装置にビデオ信号を出力するビデオ出力端子19、動画像を圧縮する圧縮器20、別体の録画機器に録画用画像信号を出力する録画出力端子21、制御用バス50を有する。更に、システム全体を制御する制御部51、キースイッチやリモコン等からなる操作部52を有する。ビデオ出力端子19の代わりに、ディスプレイ等の画像表示装置(画像表示部)を備えた構成としてもよい。
【0029】
アンテナ入力端子10から入力された放送波は、チューナー11にて受信され、復号器12にてTS(Transport Stream)に復号される。復号されたTSは、HDD I/F部13を介してHDD14に記録される。HDD14に記録されたTSを再生する場合、HDD I/F部13を介してHDD14からTSが読み出される。HDD14から読み出されたTSは、復号器15で映像信号にデコードされる。デコードされた映像信号は、画面合成部17とOSD部18をスルーパスし、ビデオ出力端子19から出力される。これらの動作は、操作部52を介して行われるユーザ操作に応じて、制御部51が制御用バス50を介して各ブロックに指示を与えることにより、実行される。ユーザは、ビデオ出力端子19に接続されるディスプレイなどの画像表示装置に表示される映像を視聴することができる。
【0030】
カット編集などの映像編集時には、再生時と同様、HDD14から読み出されたTSが、復号器15にて映像信号にデコードされて画面合成部17と動き検知部16に供給される。映像信号は、OSD部18において映像編集用のGUIが重畳され、ビデオ出力端子19から出力される。ユーザは、通常の再生時と同様、ビデオ出力端子19から出力される映像信号をディスプレイ等の画像表示装置を用いて視聴しながら操作部52を操作し、映像編集用のGUIを介して削除範囲の開始フィールドと終了フィールドを指定し、カット編集を行う。
【0031】
図3は制御部51が行う処理のフローチャート、図4は操作部52の一部を模式的に示した図である。図3のステップS101にて、制御部51は、削除範囲の開始フィールドを指定する操作がなされるのを待つ。操作がなされたことを検知したら、制御部51は、ステップS102にて、その開始フィールドの前後所定範囲内(前後10フィールド)に対し、3:2プルダウン処理により生成されたフィールドであるか否か判定する。3:2プルダウン処理により生成されたフィールドである場合には、制御部51は、さらに、そのフィールドが上述した配列パターンにおける何番目のフィールドであるかを表す配列番号(Type1〜10)の判別を行なう。ステップS103にて、制御部51は、削除範囲の終了フィールドを指定する操作がなされるのを待つ。操作がなされたことを検知したら、制御部51は、ステップS104にて、その終了フィールドの前後10フィールドに対し、3:2プルダウン処理により生成されたフィールドであるか否か判定する。3:2プルダウン処理により生成されたフィールドである場合には、制御部51は、さらに、そのフィールドの配列番号の判別を行う。ステップS105にて、制御部51は、開始フィールド前後10フィールドと終了フィールド前後10フィールドのサムネイル画像表示を行なう。
【0032】
その表示例が図1であり、上段は開始フィールド前後のフィールドのサムネイル画像を表し、下段は終了フィールド前後のフィールドのサムネイル画像を表している。なお、図1では以下の説明の便宜上10フィールド以上示している。また、開始フィールド前後や終了フィールド前後に示すサムネイル画像の数は10フィールドに限らない。また、図1
において各サムネイル画像の下に記した配列番号の表示(Type1〜10)や、「映像区間」や「CM区間」などの表記は、以下の説明の便宜上のものであり、実際の映像編集用GUIに表示されなくても良い。開始フィールドが編集対象の映像データの先頭(最初)のフィールドの場合、開始フィールドの前のフィールドのサムネイル表示は行わない。また、終了フィールドが編集対象の映像データの末尾(最後)のフィールドの場合、終了フィールドの後のフィールドのサムネイル表示は行わない。
【0033】
ユーザが削除範囲の開始フィールドと終了フィールドを最初に指定した時点では、当該開始フィールドと終了フィールドは暫定的なものであり、未だ確定してはいない。図1の白い逆三角形のマーク1及び2は、ユーザが指定した暫定的な開始フィールドと終了フィールドを表し、映像編集用GUIに実際に表示される。上段のType5とType6の境界に表示されているマーク1は、削除範囲の暫定的な開始フィールドがType6のフィールドであることを示す。下段のType9と配列番号の判別されていないフィールドとの境界に表示されているマーク2は、削除範囲の暫定的な終了フィールドがType9のフィールドであることを示す。
【0034】
また上段の黒い逆三角形のマーク3、4及び5は、映像編集装置がユーザに推奨する削除範囲の開始フィールドを開始フィールドの候補として提示するマークであり、映像編集用GUIに実際に表示される。例えば、上段のType3とType4の境界に表示されているマーク4は、削除範囲の開始フィールドの候補としてType4のフィールドが提示されていることを示す。
【0035】
また下段の黒い三角形のマーク6及び7は、映像編集装置がユーザに推奨する削除範囲の終了フィールドを終了フィールドの候補として提示するマークであり、映像編集用GUIに実際に表示される。例えば、下段のType5とType6の境界に表示されているマーク6及び7は、削除範囲の終了フィールドの候補としてType5のフィールドが提示されていることを示す。
【0036】
<推奨編集点の提示>
像編集装置は、カット編集後の映像データのフィールドの配列が3:2プルダウンのフィールド配列パターンに従う配列となるようなカット編集を行うための削除範囲の開始フィールドの候補及び終了フィールドの候補をユーザに提示する。
【0037】
そのために、映像編集装置は、開始フィールドと配列番号が等しいフィールドの1つ前のフィールドが終了フィールドとなる、という関係を満たす開始フィールド及び終了フィールドを候補として提示する。この条件は、開始フィールドの配列番号が終了フィールドの配列番号より1大きい、と言うこともできる。但し、終了フィールドの配列番号が最大値の場合(配列パターンの最後のフィールドの場合)、その配列番号より1大きい配列番号は1とする(配列パターンの最初のフィールド)。
【0038】
ユーザが、配列番号jのフィールド(Typej)(j=1〜10)を開始フィールドに指定した場合、映像編集装置は、配列番号j−1のフィールド(Type(j−1))を終了フィールドの候補として提示する。但し、j=1の場合は、映像編集装置は、配列番号10のフィールド(Type10)を終了フィールドの候補として提示する。そして、映像編集装置は、Type(j−1)のフィールドのサムネイル画像とTypejのフィールドのサムネイル画像との境界に、終了フィールドの候補を示すマークを表示する。j=1の場合は、映像編集装置は、Type10のフィールドのサムネイル画像とType1のフィールドのサムネイル画像との境界に、終了フィールドの候補を示すマークを表示する。
【0039】
ユーザが、配列番号jのフィールド(Typej)(j=1〜10)を終了フィールドに指定した場合、映像編集装置は、配列番号j+1のフィールド(Type(j+1))を開始フィールドの候補として提示する。但し、j=10の場合は、映像編集装置は、配列番号1のフィールド(Type1)を開始フィールドの候補として提示する。そして、映像編集装置は、Typejのフィールドのサムネイル画像とType(j+1)のフィールドのサムネイル画像との境界に、開始フィールドの候補を示すマークを表示する。j=10の場合は、映像編集装置は、Type10のフィールドのサムネイル画像とType1のフィールドのサムネイル画像との境界に、開始フィールドの候補を示すマークを表示する。
【0040】
ユーザによる開始(終了)フィールドの指定に応じて提示される終了(開始)フィールドの候補を、実際に終了(開始)フィールドとして指定してカット編集を実行すれば、カット編集後の映像データの編集点前後のフィールドの配列パターンが崩れない。
【0041】
例えば、図1に示すように、ユーザが上段のType5とType6の境界に開始フィールドのマーク1を移動させた場合、Type6のフィールドが開始フィールドとして指定されたことを意味する。この場合、映像編集装置は、Type5とType6の境界に終了フィールドの候補を示すマーク6及び7を表示することにより、Type5のフィールドを終了フィールドの候補として提示する。ユーザが、提示された終了フィールドの候補Type6を終了フィールドとして指定してカット編集を実行すれば、カット編集後の映像データの編集点前後におけるフィールド配列は「Type4,Type5/Type6,Type7」となる(/は編集点)。つまり、3:2プルダウンのフィールド配列パターンが維持されており、崩れていない。
【0042】
更に、本実施例の映像編集装置は、カット編集後の映像データに3:2プルダウン対応I/P変換を適用した場合に不適切なフィールド合成が発生しないような編集点の候補をユーザに提示する。削除範囲の開始フィールドとその直前のフィールドとの境界及び/又は削除範囲の終了フィールドとその直後のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界に一致する、という条件を満たす開始フィールド及び/又は終了フィールドを候補として提示する。具体的には、映像編集装置は、元の映像データの同じフレームを生成元とする複数のフィールドのうち配列番号が最も小さいフィールドを削除範囲の開始フィールドの候補として提示する。また、映像編集装置は、元の映像データの同じフレームを生成元とする複数のフィールドのうち配列番号が最も大きいフィールドを削除範囲の終了フィールドの候補として提示する。なお、削除範囲の開始フィールドが編集対象の映像データの先頭のフィールドの場合、削除範囲の終了フィールドとその直後のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界に一致する、という条件を満たす終了フィールドを候補として提示する。また、削除範囲の終了フィールドが編集対象の映像データの最後のフィールドの場合、削除範囲の開始フィールドとその直前のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界に一致する、という条件を満たす開始フィールドを候補として提示する。編集対象の映像データの途中の部分を削除するカット編集を行う場合、映像編集装置は次のように動作する。すなわち、削除範囲の開始フィールドとその直前のフィールドとの境界及び削除範囲の終了フィールドとその直後のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界に一致する、という条件を満たす開始フィールド及び終了フィールドを候補として提示する。
【0043】
例えば3:2プルダウンの場合、映像編集装置は、削除範囲の開始フィールドの候補としてType1,4,6及び9のフィールドを提示する。そして、映像編集装置は、上段のType10とType1の境界、Type3とType4の境界、Type5とType6の境界及びType8とType9の境界に開始フィールド候補マークを表示する(図1参照)。これらは元のフィルム映像データのフレームの境界に相当する(図7(C
)参照)。
【0044】
これらのフィールドを削除範囲の開始フィールドとしてカット編集を実行すると、カット編集後の映像データにおける編集点直前のフィールドはType10,3,5又は8になる(削除範囲の開始フィールドが編集対象の映像データの先頭フィールドでない場合)。これらのフィールドは、図7(C)に示すように、元の24Hz(24p)の映像データの同じフレームを生成元とする2枚又は3枚のフィールドのうち最後のフィールドである。
【0045】
例えば、Type10は元の映像データの同じフレーム4から生成された2つのフィールドType9及び10のうちの最後のフィールドである。Type3は元の映像データの同じフレーム1から生成された3つのフィールドType1,2及び3のうちの最後のフィールドである。Type5は元の映像データの同じフレーム2から生成された2つのフィールドType4及び5のうちの最後のフィールドである。Type8は元の映像データの同じフレーム3から生成されたフィールドType6,7及び8のうちの最後のフィールドである。
【0046】
また、映像編集装置は、削除範囲の終了フィールドの候補としてType3,5,8及び10のフィールドを提示する。そして、映像編集装置は、下段のType10とType1の境界、Type3とType4の境界、Type5とType6の境界及びType8とType9の境界に終了フィールド候補マークを表示する。これらは元のフィルム映像データのフレームの境界に相当する(図7(C)参照)。
【0047】
これらのフィールドを削除範囲の終了フィールドとしてカット編集を実行すると、カット編集後の映像データにおける編集点直後のフィールドはType4,6,9又は1になる(削除範囲の終了フィールドが編集対象の映像データの最終フィールドでない場合)。これらのフィールドは、図7(C)に示すように、元の24Hz(24p)の映像データの同じフレームを生成元とする2枚又は3枚のフィールドのうち最初のフィールドである。
【0048】
例えば、Type4は元の映像データの同じフレーム2から生成された2つのフィールドType4及び5のうちの最初のフィールドである。Type6は元の映像データの同じフレーム3から生成された3つのフィールドType6,7及び8のうちの最初のフィールドである。Type9は元の映像データの同じフレーム4から生成された2つのフィールドType9及び10のうちの最初のフィールドである。Type1は元の映像データの同じフレーム1から生成された3つのフィールドType1,2及び3のうちの最初のフィールドである。
【0049】
本実施例の映像編集装置は、ユーザによる開始フィールドの指定に応じて、編集後の映像データのフィールド配列が3:2プルダウンの配列パターンに従う配列となる条件を満たすカット編集を行える終了フィールドの候補を提示する。図1の表示例では、マーク1に対応するマーク6及び7が、この終了フィールド候補の提示を表している。そして、映像編集装置は、開始フィールドとその直前のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界となるようなカット編集を行える開始フィールドの候補を提示する。図1の表示例は、マーク3、4及び5が、この開始フィールド候補の提示を表している。
【0050】
また、映像編集装置は、ユーザによる終了フィールドの指定に応じて、編集後の映像データのフィールド配列が3:2プルダウンの配列パターンに従う配列となる条件を満たすカット編集を行える開始フィールドの候補を提示する。そして、映像編集装置は、終了フィールドとその直後のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界となるよう
なカット編集を行える終了フィールドの候補を提示する。図1には図示していないが、下段のType3とType4の境界、Type5とType6の境界、Type8とType9の境界及びType10とType1の境界にマークを表示する。
【0051】
このように提示される開始フィールド及び終了フィールドの候補を削除範囲の開始フィールド及び終了フィールドとして指定して行われるカット編集後の映像データは、3:2プルダウンのフィールド配列パターンに従ってフィールドが配列された映像データとなる。かつ、削除範囲の開始フィールドとその直前のフィールドとの境界は元の映像データのフレームの境界に一致する(削除範囲の開始フィールドが編集対象の映像データの先頭フィールドでない場合)。また、削除範囲の終了フィールドとその直後のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界に一致する(削除範囲の終了フィールドが編集対象の映像データの最終フィールドでない場合)。すなわち、編集点直前の2個又は3個のフィールドは必ず同一のフレーム由来のフィールドとなる(削除範囲の開始フィールドが編集対象の映像データの先頭フィールドでない場合)。また、編集点直後の2個又は3個のフィールドは必ず同一のフレーム由来のフィールドとなる(削除範囲の終了フィールドが編集対象の映像データの最終フィールドでない場合)。従って、カット編集後のインターレース映像データに対して3:2プルダウン対応I/P変換を施した場合に、異なるフレーム由来のフィールドが意図せず合成されることを回避できる。よって、カット編集後のインターレース映像データは、3:2プルダウン対応I/P変換を好適に適用可能なインターレース映像データとなる。
【0052】
<ユーザによる編集点変更>
次のステップS110からステップS113では、暫定的な開始フィールドの変更処理が行われる。ステップS110において、制御部51は、開始フィールドの位置を左右に移動させるための操作がユーザによりなされるのを待つ。ユーザがこの操作を行うための操作部52の構成例を図4に示す。図4は、リモコンなどのユーザ操作手段に設けられるキーを示しており、上方移動キー201、下方移動キー202、左方移動キー203、右方移動キー204及びOKキー205がある。
【0053】
ステップS110において、左方移動キー203が操作されたことを検知した場合、制御部51はステップS111に進み、図1において削除範囲の開始フィールドを示すマーク1を1フィールド左へ移動させる。そして、ユーザによるこの開始フィールドの位置変更に応じて、制御部51は、図1の下段に、カット編集後の映像データのフィールド配列が3:2プルダウンの配列パターンに従う配列となる条件を満たすカット編集を行える終了フィールド候補を更新する。具体的には、ユーザが、配列番号jのフィールド(Typej)を開始フィールドに指定した場合、制御部51は、配列番号j−1のフィールド(Type(j−1))を終了フィールドの候補として提示する。すなわち、ユーザが開始フィールドのマーク1をType(j−1)とTypejの境界に移動させた場合、制御部51は、下段におけるType(j−1)とTypejの境界に終了フィールド候補のマークを表示する。
【0054】
例えば、図1において、ユーザが、上段に示される暫定的な開始フィールドのマーク1をマーク4の位置(Type3とType4の境界)に動かした場合、それに応じて、下段においてマーク6及び7がType3とType4の境界に移動する。この場合、変更後の暫定的な開始フィールドがType4であり、これに応じて、制御部51が、終了フィールド候補の提示をType3に更新したことを意味する。以上の処理を行ってから、制御部51は、ステップS113へ進む。
【0055】
ステップS110において、右方移動キー204が操作されたことを検知した場合、制御部51はステップS112へ進み、図1において削除範囲の開始フィールドを示すマー
ク1を1フィールド右へ移動させる。そして、ユーザによるこの開始フィールドの位置変更に応じて、制御部51は、図1の下段に、カット編集後の映像データのフィールド配列が3:2プルダウンの配列パターンに従う配列となる条件を満たすカット編集を行える終了フィールド候補を更新する。具体的な処理内容は上述した左に移動させる場合と同様である。
【0056】
制御部51は、ステップS113にて下方移動キー202が操作されない限り、ステップS110からステップS113の処理を繰り返すことにより、ユーザに、開始フィールドの指定を行わせる。一方、ステップS113で下方移動キー202が操作されたことを検知した場合、制御部51はステップS120に進む。ステップS120からステップS130の処理において、終了フィールドの変更処理が行われる。ステップS110からステップS113での開始フィールドの変更処理同様、制御部51は、ユーザによる左方移動キー203又は右方移動キー204の操作を受け、図1下段の削除範囲の終了フィールドを示すマーク2を移動させる。
【0057】
この時、制御部51は、ユーザによる暫定的な終了フィールドの変更に応じて、上段に、カット編集後の映像データのフィールド配列が3:2プルダウンの配列パターンに従う配列となる条件を満たすカット編集を行える開始フィールド候補を更新する。具体的には、ユーザが配列番号jのフィールド(Typej)を終了フィールドに指定した場合、制御部51は、配列番号j+1のフィールド(Type(j+1))を開始フィールドの候補として提示する。すなわち、ユーザが終了フィールドのマーク2をTypejとType(j+1)の境界に移動させた場合、制御部51は、上段におけるTypejとType(j+1)の境界に開始フィールド候補のマークを表示する。
【0058】
例えば、図1において、ユーザが、下段に示される暫定的な終了フィールドの指定を表すマーク2を、Type8とType9の境界に動かした場合、それに応じて、上段のType8とType9の境界に開始フィールドの候補を示すマークが移動する(不図示)。この場合、暫定的な終了フィールドがType9からType8に変更され、これに応じて、制御部51が、開始フィールド候補の提示をType9に更新したことを意味する。以上の処理を行ってから、制御部51は、ステップS130へ進む。
【0059】
制御部51は、以上のようにして削除範囲の開始フィールドと終了フィールドをユーザに指定させた上で、ステップS130において、ユーザによるOKキー205の操作を待つ。ユーザによりOKキー205が操作されたことを検知したら、制御部51は、削除範囲の開始フィールドと終了フィールドを確定する。そして、ステップS131にて、制御部51は、確定した開始フィールドから終了フィールドまでの範囲の映像データを編集対象の映像データから削除した映像データを出力し、カット編集の処理を終える。
【0060】
なお、ユーザが、黒い三角形のマーク3,4又は5で示される開始フィールド候補を削除範囲の開始フィールドとして指定しない場合や、黒い三角形のマーク6又は7で示される終了フィールド候補を削除範囲の終了フィールドとして指定しない場合もある。つまり、編集後の映像データのフィールド配列が3:2プルダウンの配列パターンにならない編集点や、元の映像データのフレームの境界ではない位置の編集点をユーザが指定してOKキー205を操作することもあり得る。その場合、制御部51は、カット編集後の映像データのフィールド配列が3:2プルダウンの配列パターンではなくなり、3:2プルダウン対応I/P変換を適用できなくなる旨をユーザに警告しても良い。そして、制御部51は、ユーザに、それを容認することを確認させ、又は編集点の再指定を行なわせるようにしても良い。
【0061】
図3のフロー図において、ステップS101、ステップS103、ステップS110か
らステップS130などにおいてユーザの操作により開始フィールドや終了フィールドの位置を移動する処理を行う制御部51が、本発明の「指定部」として機能している。ステップS102及びステップS104の処理を行う制御部51が、本発明の「判別部」として機能している。ステップS110からステップS122などにおいてユーザに開始フィールド候補や終了フィールド候補を提示する処理を行う制御部51が、本発明の「提示部」として機能している。ステップS131においてカット編集を実行する制御部51が、本発明の「出力部」として機能している。ステップS130においてユーザへの通知を行う処理を行う制御部51が、本発明の「通知部」として機能している。
【0062】
なお、映像編集用GUIは、図5に示すようなものであっても良い。すなわち、3:2プルダウンにより生成されたフィールドであって配列パターンにおける配列番号(Type1〜10)が判別されたフィールドについては、次の条件を満たすもののみ表示する。すなわち、編集対象の映像データにおいて、削除範囲の開始フィールドとその直前のフィールドとの境界及び/又は削除範囲の終了フィールドとその直後のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界に一致するもののみ表示する。つまり、カット編集後の映像データに3:2プルダウン対応I/P変換を適用した場合に不適切なフィールド合成が発生しないようなカット編集を行える開始フィールド及び終了フィールドのサムネイル画像のみ表示する。具体的には、上段には、元の映像データの同じフレームを生成元とする複数のフィールドのうち配列番号が最も小さいフィールドのサムネイル画像のみ表示する。下段には、元の映像データの同じフレームを生成元とする複数のフィールドのうち配列番号が最も大きいフィールドのサムネイル画像のみ表示する。なお、削除範囲の開始フィールドが編集対象の映像データの先頭フィールドの場合、削除範囲の終了フィールドとその直後のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界に一致するような終了フィールドを候補として提示する。また、削除範囲の終了フィールドが編集対象の映像データの最終フィールドの場合、削除範囲の開始フィールドとその直前のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界に一致するような開始フィールドを候補として提示する。
【0063】
3:2プルダウンの場合には、図5に示すように、上段には、暫定的な開始フィールド(マーク1で表示)の前後に存在するType1、4、6及び9のフィールドのサムネイル画像のみを表示する。これらのフィールドのいずれを削除範囲の開始フィールドとして指定しても、編集対象の映像データにおいて、削除範囲の開始フィールドとその直前のフィールドとの境界は元の映像データのフレームの境界となる。つまり、ユーザに、強制的に、削除範囲の開始フィールドとその直前のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界となるような開始フィールドを選択させることができる(開始フィールドが編集対象の映像データの先頭フィールドでない場合)。映像編集装置は、このようにして指定される開始フィールドに応じて、3:2プルダウンのフィールド配列を崩さない条件を満たす終了フィールドの候補を下段に表示する(マーク6及び7で表示)。
【0064】
例えば、上段でユーザがType1を開始フィールドとして指定した場合は、映像編集装置は、下段においてType10を終了フィールド候補として示すマークを表示する。同様に、上段でユーザがType4を開始フィールドとして指定した場合は、映像編集装置は、下段においてType3を終了フィールド候補として示すマークを表示する。上段でユーザがType6を開始フィールドとして指定した場合は、映像編集装置は、下段においてType5を終了フィールド候補として示すマークを表示する。上段でユーザがType9を開始フィールドとして指定した場合は、映像編集装置は、下段においてType8を終了フィールド候補として示すマークを表示する。
【0065】
このように提示される開始フィールド及び終了フィールドを選択すれば、削除範囲の開始フィールドとその直前のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界となり
、カット編集後の映像データが3:2プルダウンの配列パターンを有するようになる。この場合、自動的に削除範囲の終了フィールドとその直後のフィールドとの境界は元の映像データのフレームの境界になる。このようにして指定される開始フィールド及び終了フィールドにより指定される削除範囲を削除した編集後の映像データは、3:2プルダウン対応I/P変換を適用可能なフィールド配列を有する。この場合、図1に示した、「開始フィールド候補」を示すマーク3,4及び5は表示不要となる。
【0066】
また、図5に示すように、下段には、暫定的な終了フィールド(マーク2で表示)の前後に存在するType3,5,8及び10のフィールドのサムネイル画像のみを表示する。これらのフィールドのいずれを削除範囲の終了フィールドとして指定しても、編集対象の映像データにおいて、削除範囲の終了フィールドとその直後のフィールドとの境界は元の映像データのフレームの境界となる。つまり、ユーザに、強制的に、削除範囲の終了フィールドとその直後のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界となるような終了フィールドを選択させることができる(終了フィールドが編集対象の映像データの最終フィールドでない場合)。映像編集装置は、このようにして指定される終了フィールドに応じて、3:2プルダウンのフィールド配列を崩さない条件を満たす開始フィールドの候補を上段に表示する(図示略)。
【0067】
例えば、下段でユーザがType3を終了フィールドとして指定した場合は、映像編集装置は、上段においてType4を開始フィールド候補として示すマークを表示しても良い。同様に、下段でユーザがType5を終了フィールドとして指定した場合は、映像編集装置は、上段においてType6を開始フィールド候補として示すマークを表示する。下段でユーザがType8を終了フィールドとして指定した場合は、映像編集装置は、上段においてType9を開始フィールド候補として示すマークを表示する。下段でユーザがType10を終了フィールドとして指定した場合は、映像編集装置は、上段においてType1を開始フィールド候補として示すマークを表示する。
【0068】
図5の例では、映像編集装置は、配列番号の判別が付かないフィールドについては、図1と同様、全てのフィールドを表示するとともに、×印のマーク8や9を表示する。このマークは、そのフィールドを削除範囲の開始フィールドや終了フィールドに指定した場合、3:2プルダウンのフィールド配列パターンを維持できず、また、編集点が元の映像データのフレームの境界にならないことを示す。
【0069】
以上のようにして指定される開始フィールド及び終了フィールドによりカット編集がなされた映像データは、HDD14に格納される。カット編集後の映像データを外部録画機器にダビングする場合には、カット編集後の映像データは、再生時と同様に復号器15にてデコードされ、圧縮器20で再度エンコードされ、録画出力端子21から出力され、ここに接続された他の機器にて録画される。
【0070】
また、ビデオ出力端子19に画像表示装置を接続してHDD14に格納されたカット編集後の映像データを表示させる場合、ビデオ出力端子19から出力されるインターレース映像信号は3:2プルダウンのフィールド配列パターンを維持している。また、カット編集後の映像データの編集点直前や直後の2枚又は3枚のフィールドのうちには、異なるフレーム由来のフィールドが混入していない。従って、ビデオ出力端子19に接続した画像表示装置に3:2プルダウン対応I/P変換機能があれば、誤りのない3:2プルダウン対応I/P変換が行われ、高画質なプログレッシブ映像を表示させることができる。あるいは、映像編集装置が、3:2プルダウン対応I/P変換を施す機能ブロックを更に有し、HDD14に格納されたカット編集後のインターレース映像データをプログレッシブ映像データに変換した上でビデオ出力端子19から出力しても良い。この場合も、映像編集装置内での3:2プルダウン対応I/P変換は適切に実行される。カット編集後のインタ
ーレース映像データは3:2プルダウンのフィールド配列パターンを維持しているので、3:2プルダウン対応I/P変換の他、3:2プルダウンのフィールド配列パターンを前提として設計された種々の画像処理を好適に適用可能である。
【0071】
(実施例2)
図6は本発明の第2の実施例の映像編集装置の回路ブロック図であり、図2のブロック図と同等の機能を有するブロックには、同一の番号が振られている。本実施例の映像編集装置は、DVD記録再生処理部23を備える。DVD記録再生処理部23(記録部)により、DVDメディア24(記録媒体)に映像データをダビングすることができる。第1の実施例と異なる点は、外部機器へダビングするための機能ではなく、DVDメディア24という着脱可能な記録メディアへダビングするための機能を具備している点である。
【0072】
第1の実施例と同様の方法で3:2プルダウンのフィールド配列パターンを維持してカット編集がなされた映像データはHDD14内に格納されている。第1の実施例と同様、HDD14から読み出されたカット編集後の映像データは、圧縮器20で再度エンコードがなされる。エンコードされたカット編集後の映像データは、DVD記録再生処理部23に渡され、DVDメディア24に記録される。DVDメディア24に記録された映像データの再生時には、DVD記録再生処理部23はDVDメディア24からカット編集後の映像データを読み出す。そして、DVDメディア24から読み出された映像データに対して、HDD14から読み出された映像データの再生時と同様の処理がなされて、カット編集後の映像がビデオ出力端子19から映像信号として出力される。この時、ビデオ出力端子19からは、3:2プルダウンのフィールド配列パターンが崩れていないインターレース映像信号が出力される。本装置内で3:2プルダウン対応I/P変換を施してからプログレッシブ映像信号をビデオ出力端子19から出力しても良いことは実施例1で述べたのと同様である。
【0073】
(変形例)
なお、本発明に係る映像編集装置は、テレビ放送番組映像以外の映像データに対しても適用可能である。例えば、ビデオカメラの中には、毎秒24フレームでプログレッシブ撮影した映像データを3:2プルダウン処理して毎秒60フィールドのインターレース映像データとしてテープやメモリカードなどに記録するものがある。テレビ放送用の家庭用録画機器には、このようなビデオカメラで撮影された映像データをダビングして、テレビ番組と同様にカット編集することができるものもある。上述した映像編集装置によれば、このようなビデオカメラで撮影された3:2プルダウンのフィールド配列を有するインターレース映像データに対しても、3:2プルダウンのフィールド配列パターンを崩さずにカット編集することができる。
【0074】
また、本発明に係る映像編集装置は、テレビ放送番組を録画編集する機器以外の形態でも実施可能である。例えば、図1や図5に示したようなGUIを表示し、図3に示したような処理を行うコンピュータ用映像編集プログラムとしても実施可能である。その場合、ユーザは、図4に示すリモコンのキーの代わりに、キーボードやマウス、タッチパネルなどのユーザインターフェースを介して、カット編集に係る削除範囲の開始フィールドや終了フィールドの指定を行うことができる。これにより、ユーザは、3:2プルダウンにより生成された映像データを含むインターレース方式の映像データに対して、3:2プルダウンのフィールド配列パターンを崩すことなくカット編集することができる。この映像編集プログラムは、カット編集後の映像データに対して3:2プルダウン対応I/P変換を施し、プログレッシブ映像データとして書き出す機能を有しても良い。また、映像編集プログラムは、3:2プルダウンのフィールド配列パターンを前提として設計されたエフェクトなどの画像処理を施す機能を有しても良い。この場合、カット編集を行っても、高画質なプログレッシブ映像データや画像処理結果を得ることが可能になる。
【0075】
以上説明した実施例では、編集後の映像データが3:2プルダウンのフィールド配列パターンを維持しながらカット編集することができる映像編集装置を説明したが、本発明は3:2プルダウンの映像データ以外にも適用できる。すなわち、元の映像データの連続するN個のフレーム画像の各々から生成される所定の個数のフィールド画像を所定の配列パターンで配列してM個(M>N)のフィールド画像に変換するプルダウン処理により生成されるインターレース映像データに適用できる。例えば、24pを60iに変換するプルダウン処理には3:2プルダウンの他にも2:3:3:2プルダウンや2:2:2:4プルダウンなどがあるが、それらにも本発明を適用できる。また、30pを60iに変換する2:2プルダウンにも本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0076】
51:制御部、52:操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
元の映像データの各フレーム画像から複数のフィールド画像を生成し所定の配列パターンで配列するプルダウン処理によって生成される、該配列パターンが繰り返し現れる映像データを含むインターレース方式の映像データに対して、カット編集を行う映像編集装置であって、
カット編集後の映像データのフィールドの配列が前記配列パターンに従う配列となり、かつ、編集対象の映像データにおいて、カット編集による削除範囲の開始フィールドとその直前のフィールドとの境界及び/又はカット編集による削除範囲の終了フィールドとその直後のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界に一致する、という条件を満たす削除範囲の開始フィールドの候補及び/又は終了フィールドの候補をユーザに提示する提示部と、
ユーザに、前記提示部が提示する開始フィールドの候補及び/又は終了フィールドの候補を参照して、削除範囲の開始フィールド及び/又は終了フィールドを指定させる指定部と、
前記指定部において指定された削除範囲の映像データを編集対象の映像データから削除した映像データを出力する出力部と、
を有する映像編集装置。
【請求項2】
ユーザが指定した開始フィールド及び/又は終了フィールドが、前記提示部が提示する開始フィールドの候補及び/又は終了フィールドの候補と異なる場合、ユーザに警告する通知部を有する請求項1に記載の映像編集装置。
【請求項3】
前記指定部は、ユーザに、前記提示部が提示する開始フィールドの候補及び/又は終了フィールドの候補の中から開始フィールド及び/又は終了フィールドを選択させる請求項1に記載の映像編集装置。
【請求項4】
前記指定部は、ユーザに暫定的な開始フィールド及び/又は終了フィールドを指定させ、
前記提示部は、ユーザが前記指定部において暫定的な開始フィールドを変更したときに、終了フィールドの候補として提示するフィールドを、前記配列パターンにおける何番目のフィールドであるかを表す配列番号が前記変更後の開始フィールドと等しいフィールドの1つ前のフィールドに更新し、ユーザが前記指定部において暫定的な終了フィールドを変更したときに、開始フィールドの候補として提示するフィールドを、該変更後の終了フィールドと配列番号が等しいフィールドの1つ後のフィールドに更新する請求項1又は2に記載の映像編集装置。
【請求項5】
前記指定部は、ユーザに暫定的な開始フィールド及び/又は終了フィールドを指定させ、
前記提示部は、ユーザが指定部において指定した暫定的な開始フィールド及び/又は終了フィールドの前後所定範囲内にある開始フィールドの候補及び/又は終了フィールドの候補を提示する請求項1から4のいずれか1項に記載の映像編集装置。
【請求項6】
編集対象の映像データの各フィールドが前記配列パターンにおける何番目のフィールドであるかを表す配列番号を判別する判別部を有し、
前記提示部は、開始フィールドと配列番号が等しいフィールドの1つ前のフィールドが終了フィールドとなる、という関係を満たす開始フィールド及び/又は終了フィールドを、削除範囲の開始フィールドの候補及び/又は終了フィールドの候補として提示する請求項1から5のいずれか1項に記載の映像編集装置。
【請求項7】
編集対象の映像データの各フィールドが前記配列パターンにおける何番目のフィールドであるかを表す配列番号を判別する判別部を有し、
前記提示部は、元の映像データの同じフレーム画像を生成元とする複数のフィールドのうち配列番号が最も小さいフィールドを、削除範囲の開始フィールドの候補として提示する請求項1から6のいずれか1項に記載の映像編集装置。
【請求項8】
編集対象の映像データの各フィールドが前記配列パターンにおける何番目のフィールドであるかを表す配列番号を判別する判別部を有し、
前記提示部は、元の映像データの同じフレーム画像を生成元とする複数のフィールドのうち配列番号が最も大きいフィールドを、削除範囲の終了フィールドの候補として提示する請求項1から6のいずれか1項に記載の映像編集装置。
【請求項9】
カット編集後の映像データを表示する画像表示部を備える請求項1から8のいずれか1項に記載の映像編集装置。
【請求項10】
カット編集後の映像データを外部の画像表示装置で表示できるように出力する出力端子を備える請求項1から8のいずれか1項に記載の映像編集装置。
【請求項11】
カット編集後の映像データを外部の録画装置で録画できるように出力する出力端子を備える請求項1から8のいずれか1項に記載の映像編集装置。
【請求項12】
カット編集後の映像データを記録媒体に記録する記録部を備える請求項1から8のいずれか1項に記載の映像編集装置。
【請求項13】
元の映像データの各フレーム画像から複数のフィールド画像を生成し所定の配列パターンで配列するプルダウン処理によって生成される、該配列パターンが繰り返し現れる映像データを含むインターレース方式の映像データに対して、カット編集を行う映像編集装置の制御方法であって、
カット編集後の映像データのフィールドの配列が前記配列パターンに従う配列となり、かつ、編集対象の映像データにおいて、カット編集による削除範囲の開始フィールドとその直前のフィールドとの境界及び/又はカット編集による削除範囲の終了フィールドとその直後のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界に一致する、という条件を満たす削除範囲の開始フィールドの候補及び/又は終了フィールドの候補をユーザに提示するステップと、
ユーザに、提示される開始フィールドの候補及び/又は終了フィールドの候補を参照して、削除範囲の開始フィールド及び/又は終了フィールドを指定させるステップと、
ユーザにより指定される削除範囲の映像データを編集対象の映像データから削除した映像データを出力するステップと、
を有する映像編集装置の制御方法。
【請求項14】
元の映像データの各フレーム画像から複数のフィールド画像を生成し所定の配列パターンで配列するプルダウン処理によって生成される、該配列パターンが繰り返し現れる映像データを含むインターレース方式の映像データに対して、カット編集を行う映像編集プログラムであって、
コンピュータに、
カット編集後の映像データのフィールドの配列が前記配列パターンに従う配列となり、かつ、編集対象の映像データにおいて、カット編集による削除範囲の開始フィールドとその直前のフィールドとの境界及び/又はカット編集による削除範囲の終了フィールドとその直後のフィールドとの境界が元の映像データのフレームの境界に一致する、という条件を満たす削除範囲の開始フィールドの候補及び/又は終了フィールドの候補をユーザに提
示するステップと、
ユーザに、提示される開始フィールドの候補及び/又は終了フィールドの候補を参照して、削除範囲の開始フィールド及び/又は終了フィールドを指定させるステップと、
ユーザにより指定される削除範囲の映像データを編集対象の映像データから削除した映像データを出力するステップと、
を実行させる映像編集プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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